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Title:
POLYVINYL CHLORIDE RESIN COMPOSITION AND METHOD FOR PRODUCING SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157401
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a polyvinyl chloride resin composition containing, per 100 parts by weight of a polyvinyl chloride resin, 0.005-5 parts by weight of a vinyl alcohol polymer having a carboxyl group, a sulfonic acid group, or a salt of a carboxyl group or sulfonic acid group at an end, while having a saponification degree of 30-99.9 mol% and a viscosity average polymerization degree of not more than 1000, and 0.01-5 parts by weight of a zinc compound.  Also disclosed is a polyvinyl chloride resin composition containing, per 100 parts by weight of a polyvinyl chloride resin, 0.005-5 parts by weight of a vinyl alcohol polymer having an alkyl group containing 6 or more carbon atoms at an end, while having a saponification degree of 30-99.9 mol% and a viscosity average polymerization degree of not more than 1000, and 0.01-5 parts by weight of a zinc compound.  The polyvinyl chloride resin compositions have excellent thermal stability during molding, and can provide a molded product which rarely suffers from coloration.

Inventors:
KATO MASAKI (JP)
TSUBOI AKIRA (JP)
NAKAMAE MASATO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/061305
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
June 22, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KURARAY CO (JP)
KATO MASAKI (JP)
TSUBOI AKIRA (JP)
NAKAMAE MASATO (JP)
International Classes:
C08L27/06; C08K3/10; C08K5/098; C08L29/04
Domestic Patent References:
WO2009010578A12009-01-22
WO1991015518A11991-10-17
Foreign References:
JPS5065540A1975-06-03
JPS5024531A1975-03-15
JPH0931281A1997-02-04
JPH11140244A1999-05-25
JPS5092947A1975-07-24
JPS5481359A1979-06-28
JPS57147552A1982-09-11
JPS60238345A1985-11-27
JPH01178543A1989-07-14
JPH06287387A1994-10-11
JPH093286A1997-01-07
JPH0931281A1997-02-04
JPS59166505A1984-09-19
JPH01240501A1989-09-26
Other References:
See also references of EP 2292690A4
JAPANESE JOURNAL OF POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY, vol. 47, no. 3, 1990, pages 197
JAPANESE JOURNAL OF POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY, vol. 47, no. 6, 1990, pages 509
JAPANESE JOURNAL OF POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY, vol. 50, no. 2, 1993, pages 65
POLYMERS & POLYMER COMPOSITES, vol. 11, 2003, pages 649
JOURNAL OF THE ADHESION SOCIETY OF JAPAN, vol. 43, no. 2, 2007, pages 43
Attorney, Agent or Firm:
NAKATSUKASA, SHIGEKI (JP)
Shigeki Nakamu (JP)
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Claims:
 ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、けん化度が30~99.9モル%、粘度平均重合度が1000以下であり、末端にカルボキシル基またはスルホン酸基またはそれらの塩を有するビニルアルコール系重合体を0.005~5重量部、および亜鉛化合物を0.01~5重量部含有するポリ塩化ビニル樹脂組成物。
 ビニルアルコール系重合体および亜鉛化合物を、ポリ塩化ビニル樹脂に添加することによって含有させた請求項1に記載のポリ塩化ビニル樹脂組成物。
 ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、けん化度が30~99.9モル%、粘度平均重合度が1000以下であり、末端にカルボキシル基またはスルホン酸基またはそれらの塩を有するビニルアルコール系重合体0.005~5重量部、および亜鉛化合物0.01~5重量部をポリ塩化ビニル樹脂に添加するポリ塩化ビニル樹脂組成物の製造方法。
 ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、末端に炭素数6以上のアルキル基を有し、けん化度が30~99.9モル%であり、粘度平均重合度が1000以下であるビニルアルコール系重合体を0.005~5重量部、および亜鉛化合物を0.01~5重量部含有するポリ塩化ビニル樹脂組成物。
 ビニルアルコール系重合体および亜鉛化合物を、ポリ塩化ビニル樹脂に添加することによって含有させた請求項4に記載のポリ塩化ビニル樹脂組成物。
 ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、末端に炭素数6以上のアルキル基を有し、けん化度が30~99.9モル%であり、粘度平均重合度が1000以下であるビニルアルコール系重合体0.005~5重量部、および亜鉛化合物0.01~5重量部をポリ塩化ビニル樹脂に添加するポリ塩化ビニル樹脂組成物の製造方法。
 ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して滑剤を0.001~10重量部含有する、請求項1、2、4、5のいずれか1項に記載のポリ塩化ビニル樹脂組成物。
 滑剤がポリオールの脂肪酸エステルである、請求項7に記載のポリ塩化ビニル樹脂組成物。
 ポリオールの脂肪酸エステルがグリセリンモノステアレートである、請求項8に記載のポリ塩化ビニル樹脂組成物。
 ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して滑剤0.001~10重量部を添加する、請求項3または6に記載のポリ塩化ビニル樹脂組成物の製造方法。
Description:
ポリ塩化ビニル樹脂組成物およ その製造方法

 本発明は、食品用、医療用、日用品等の 野で好適に使用されるポリ塩化ビニル樹脂 成物に関するものであり、更に記述すると 熱安定性が良く、着色が少ないポリ塩化ビ ル樹脂組成物に関するものである。

 ポリ塩化ビニル樹脂はカルシウム-亜鉛系 、バリウム-亜鉛系等の安定剤を配合して成 加工し、一般成形材料として、またさらに 品用、医療用などに適した製品として広く いられている。

 これらの安定剤は、ポリ塩化ビニル樹脂 熱劣化を抑制する能力が不十分であるため 成形品の初期着色性を損ねたり、成形時の 安定性が十分でないという欠点があった。 のためこれらの欠点を改良する手段として 酸化防止剤を添加したり、水酸基を持つ化 物を添加したりしたポリ塩化ビニル樹脂組 物が提案されている。

 特許文献1(特開昭50-92947号公報)には、塩 含有樹脂に、カルシウムセッケンと、亜鉛 ッケンと、多価アルコールまたはその誘導 と中性の無機カルシウム塩とを添加する方 が開示されている。

 特許文献2(特開昭54-81359号公報)には、塩 含有重合体に水溶性重合体を添加する方法 開示されている。

 特許文献3(特開昭57-147552号公報)には、含 素樹脂にジペンタエリスリトールとジカル ン酸との反応縮合物、酸化亜鉛、炭酸亜鉛 たは脂肪酸亜鉛、ハイドロタルサイトを添 する方法が開示されている。

 特許文献4(特開昭60-238345号公報)には、熱 塑性樹脂に、エチレン単位の含有量20~50%、 酸ビニル単位の鹸化度96%以上のエチレン-酢 酸ビニル共重合体鹸化物、および、ハイドロ タルサイト系化合物を添加する方法が開示さ れている。

 特許文献5(特開平1-178543号公報)には、含 ロゲン熱可塑性樹脂に、金属石鹸、および エチレン含有量20~75モル%、酢酸ビニル部分 ケン化度50モル%以上の共重合組成物を有す エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物を添 する方法が開示されている。

 特許文献6(特開平6-287387号公報)には、塩 ビニル系樹脂に、有機酸の金属塩、ポリビ ルアルコールのアセタール化物を添加する 法が開示されている。

 特許文献7(特開平9-3286号公報)には、塩化 ニル系樹脂に、けん化度70~95モル%、平均重 度300~2000で、かつ分子鎖末端にメルカプト を有する部分けん化ポリビニルアルコール 添加する方法が開示されている。

 特許文献8(特開平9-31281号公報)には、塩化 ビニル系樹脂に、亜鉛化合物、ハイドロタル サイト類、ポリビニルアルコール、および、 ポリメチルメタクリレートを添加する方法が 開示されている。

 非特許文献1(高分子論文集 Vol.47,No.3,197(19 90))には、ポリ塩化ビニルに、ステアリン酸 鉛-ステアリン酸カルシウム複合石けん、重 度が600以上の完全けん化ポリビニルアルコ ルを添加する方法が開示されている。

 非特許文献2(高分子論文集 Vol.47,No.6,509(19 90))には、ポリ塩化ビニルに、ステアリン酸 鉛-ステアリン酸カルシウム複合石けん、重 度が500、けん化度が73.6モル%の部分けん化 リビニルアルコールを添加する方法が開示 れている。

 非特許文献3(高分子論文集 Vol.50,No.2,65(199 3))には、ポリ塩化ビニルに、ステアリン酸亜 鉛-ステアリン酸カルシウム複合石けん、エ レン含有量が29モル%以上のエチレン-ビニル ルコール共重合体を添加する方法が開示さ ている。

 非特許文献4(Polymers & Polymer Composites,V ol.11,649(2003))には、ポリ塩化ビニルに、ステ リン酸亜鉛-ステアリン酸カルシウム複合石 ん、重合度が500、けん化度が98.5モル%のポ ビニルアルコールやエチレン含有量が29モル %以上のエチレン-ビニルアルコール共重合体 添加する方法が開示されている。

 非特許文献5(日本接着学会誌 Vol.43,No.2,43( 2007))には、ポリ塩化ビニルに、重合度が500、 けん化度が88モル%のポリビニルアルコールや 重合度が1700、けん化度が78モル%以上のポリ ニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル 添加する方法が開示されている。

 しかしながら、特許文献1~8及び非特許文 1~5に記載されたポリ塩化ビニル樹脂組成物 は、長期の熱安定性が十分でなかったり、 色したりするという問題を有していた。

特開昭50-92947号公報

特開昭54-81359号公報

特開昭57-147552号公報

特開昭60-238345号公報

特開平1-178543号公報

特開平6-287387号公報

特開平9-3286号公報

特開平9-31281号公報

高分子論文集 Vol.47,No.3,197 (1990) 高分子論文集 Vol.47,No.6,509 (1990) 高分子論文集 Vol.50,No.2,65 (1993) Polymers & Polymer Composites, Vol.11,649 (20 03) 日本接着学会誌 Vol.43,No.2,43 (2007)

 本発明は、成形時の熱安定性が良く、着 が少ない成形品が得られる、ポリ塩化ビニ 樹脂組成物を提供することを目的とするも である。

 本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ポ 塩化ビニル樹脂に対して、けん化度が30~99.9 モル%、粘度平均重合度が1000以下であり、末 にカルボキシル基またはスルホン酸基また それらの塩を有するビニルアルコール系重 体を特定量配合することにより、該ポリ塩 ビニル樹脂組成物に亜鉛化合物からなる安 剤を添加した場合に、成形時の熱安定性を 分保持することができ、かつ成形体の着色 少ないことを見出し、第一の発明を完成す に至った。

 すなわち、第一の発明は、ポリ塩化ビニ 樹脂100重量部に対して、けん化度が30~99.9モ ル%、粘度平均重合度が1000以下であり、末端 カルボキシル基またはスルホン酸基または れらの塩を有するビニルアルコール系重合 を0.005~5重量部、および亜鉛化合物を0.01~5重 量部含有するポリ塩化ビニル樹脂組成物であ る。

 このとき、ビニルアルコール系重合体お び亜鉛化合物を、ポリ塩化ビニル樹脂に添 することによって含有させることが好まし 。

 また、ポリ塩化ビニル樹脂に対して、末 に炭素数6以上のアルキル基を有し、けん化 度が30~99.9モル%であり、粘度平均重合度が1000 以下のビニルアルコール系重合体を特定量配 合することにより、該ポリ塩化ビニル樹脂組 成物に亜鉛化合物からなる安定剤を添加した 場合にも、成形時の熱安定性を十分保持する ことができ、かつ成形体の着色が少ないこと を見出し、第二の発明を完成するに至った。

 すなわち、第二の発明は、ポリ塩化ビニ 樹脂100重量部に対して、末端に炭素数6以上 のアルキル基を有し、けん化度が30~99.9モル% あり、粘度平均重合度が1000以下であるビニ ルアルコール系重合体を0.005~5重量部、およ 亜鉛化合物を0.01~5重量部含有するポリ塩化 ニル樹脂組成物である。

 このとき、ビニルアルコール系重合体お び亜鉛化合物を、ポリ塩化ビニル樹脂に添 することによって含有させることが好まし 。

 また、上記各発明において、ポリ塩化ビ ル樹脂100重量部に対して滑剤を0.001~10重量 含有することが好適である。このとき、滑 がポリオールの脂肪酸エステルであること 好ましく、グリセリンモノステアレートで ることが特に好ましい。

 また、上記課題は、ポリ塩化ビニル樹脂1 00重量部に対して、けん化度が30~99.9モル%、 度平均重合度が1000以下であり、末端にカル キシル基またはスルホン酸基またはそれら 塩を有するビニルアルコール系重合体0.005~5 重量部、および亜鉛化合物0.01~5重量部をポリ 塩化ビニル樹脂に添加するポリ塩化ビニル樹 脂組成物の製造方法によっても解決される。

 さらに、上記課題は、ポリ塩化ビニル樹 100重量部に対して、末端に炭素数6以上のア ルキル基を有し、けん化度が30~99.9モル%であ 、粘度平均重合度が1000以下であるビニルア ルコール系重合体0.005~5重量部、および亜鉛 合物0.01~5重量部をポリ塩化ビニル樹脂に添 するポリ塩化ビニル樹脂組成物の製造方法 よっても解決される。

 このとき、各製造方法において、ポリ塩 ビニル樹脂100重量部に対して滑剤0.001~10重 部を添加することが好ましい。

 以下、ビニルアルコール系重合体をPVAと することがある。また、末端にカルボキシ 基またはスルホン酸基またはそれらの塩を するビニルアルコール系重合体を、酸変性P VAと略することがある。また、末端に炭素数6 以上のアルキル基を有するビニルアルコール 系重合体を、アルキル変性PVAと略することが ある。さらに、酸変性PVAおよびアルキル変性 PVAを合わせて単に変性PVAと略することがある 。

 本発明の樹脂組成物は、成形時の熱安定 に優れ、着色が少ない成形体を得ることが きるという効果を達成することができる。

 本発明で用いられるポリ塩化ビニル樹脂 製造する原料としては、塩化ビニル単量体 他、塩化ビニル単量体を主体とし、これと 重合可能な単量体との混合物(塩化ビニル単 量体が50重量%以上)が使用される。なお、こ 塩化ビニル単量体と共重合される単量体と ては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等 ビニルエステル、アクリル酸メチル、アク ル酸エチル等のアクリル酸エステルもしく メタアクリル酸エステル、エチレン、プロ レン等のオレフィン、無水マレイン酸、ア リロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン どが挙げられる。

 また、これらの単量体を用いて上記ポリ 化ビニル樹脂を製造する方法としては、該 量体を重合開始剤の存在下で懸濁重合する 法を好適に採用することができ、その際に 、通常使用されている分散安定剤、例えば メチルセルロース、ヒドロキシエチルセル ース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ ロキシプロピルメチルセルロースなどの水 性セルロースエーテル、ポリビニルアルコ ル、ゼラチンなどの水溶性ポリマー;ソルビ タンモノラウレート、ソルビタントリオレー ト、グリセリントリステアレート、エチレン オキサイドプロピレンオキサイドブロックコ ポリマーなどの油溶性乳化剤;ポリオキシエ レンソルビタンモノラウレート、ポリオキ エチレングリセリンオレート、ラウリン酸 トリウムなどの水溶性乳化剤等が用いられ その中でも、けん化度65~99モル%、重合度500~4 000のポリビニルアルコールが好適に用いられ 、その添加量は塩化ビニル100重量部当たり0.0 1~2.0重量部が好ましい。懸濁重合用分散安定 は単独で使用しても良いが、塩化ビニルな のビニル系化合物を水性媒体中で懸濁重合 る際に通常使用される重合度100~4000及びけ 化度30~99モル%のポリビニルアルコール系重 体、その添加量は特に制限されないが、塩 ビニルなどのビニル系化合物100重量部当た 0.01~2.0重量部が好ましい。

 重合に使用される開始剤としては、従来 ら塩化ビニル単量体等の重合に使用されて る、油溶性または水溶性の重合開始剤を用 ることができる。油溶性の重合開始剤とし は、例えば、ジイソプロピルパーオキシジ ーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキ ジカーボネート、ジエトキシエチルパーオ シジカーボネート等のパーカーボネート化 物;t-ブチルパーオキシネオデカネート、t- チルパーオキシピバレート、t-ヘキシルパー オキシピバレート、α-クミルパーオキシネオ デカネート等のパーエステル化合物;アセチ シクロヘキシルスルホニルパーオキサイド 2,4,4-トリメチルペンチル-2-パーオキシフェ キシアセテート、3,5,5-トリメチルヘキサノ ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ ド等の過酸化物;アゾビス-2,4-ジメチルバレ ニトリル、アゾビス(4-2,4-ジメチルバレロニ リル)等のアゾ化合物等が挙げられる。水溶 性の重合開始剤としては、例えば過硫酸カリ ウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、ク メンハイドロパーオキサイド等が挙げられる 。これらの油溶性あるいは水溶性の重合開始 剤は単独で、または2種類以上を組合せて用 ることができる。

 重合に際し、必要に応じて、重合反応系 その他の各種添加剤を加えることができる 添加剤としては、例えば、アルデヒド類、 ロゲン化炭化水素類、メルカプタン類など 重合調節剤、フェノール化合物、イオウ化 物、N-オキサイド化合物などの重合禁止剤 どが挙げられる。また、pH調整剤、架橋剤な ども任意に加えることができる。

 重合に際し、重合温度には特に制限はな 、20℃程度の低い温度はもとより、90℃を超 える高い温度に調整することもできる。また 、重合反応系の除熱効率を高めるために、リ フラックスコンデンサー付の重合器を用いる ことも好ましい実施態様の一つである。

 重合には、必要に応じて、重合に通常使 される防腐剤、防黴剤、ブロッキング防止 、消泡剤、スケール防止剤、帯電防止剤等 添加剤を任意に添加することができる。 

 本発明のポリ塩化ビニル樹脂組成物に含 される変性PVAは、末端にカルボキシル基ま はスルホン酸基またはそれらの塩を有する ニルアルコール系重合体、または、末端に 素数6以上のアルキル基を有するビニルアル コール系重合体である。これらの変性PVAは、 例えば、ポリ塩化ビニル樹脂を重合した後に 該ポリ塩化ビニル樹脂に添加することによっ て含有させることができる。該変性PVAは粉と して、あるいは、水または有機溶剤に溶解さ せてポリ塩化ビニル樹脂に添加することがで きる。該変性PVAをポリ塩化ビニル樹脂重合時 に添加すると、該変性PVAがポリ塩化ビニル樹 脂の分散剤として作用するため、得られるポ リ塩化ビニル樹脂が有する平均粒子径や可塑 剤吸収性等の品質に悪影響を及ぼすことがあ る。

 上記変性PVAのけん化度は30~99.9モル%であ 、好ましくは40~98.5モル%であり、特に好まし くは50~96モル%である。けん化度が30モル%より 小さい場合、長期の熱安定性が低下するため 好ましくない。なお、変性PVAのけん化度はJIS  K6726に従って測定した値である。

 上記変性PVAの粘度平均重合度(以下単に重合 度と言うことがある)1000以下であり、好まし は800以下であり、特に好ましくは700以下で る。粘度平均重合度の下限については特に 限はないが、変性PVAの製造上の観点から、 度平均重合度は50以上が好ましく、100以上 より好ましい。粘度平均重合度が1000より大 いと、長期の熱安定性が著しく低下するた 好ましくない。なお、変性PVAの粘度平均重 度はJIS K6726に従って測定した値である。す なわち、変性PVAをけん化度99.5モル%以上に再 ん化し、精製した後、30℃の水中で測定し 極限粘度[η]から次式により求めることがで る。
  P=([η]×1000/8.29) (1/0.62)

 本発明において、変性PVAは単独で使用し も、あるいは特性の異なる2種以上を混合し て使用してもよい。

 第一の発明において用いられる酸変性PVA 、末端にカルボキシル基またはスルホン酸 またはそれらの塩を有していることが必要 ある。該酸変性PVAの製造方法についてとく 制限はなく、種々の方法を採用することが きるが、例えば、(1)カルボキシル基または ルホン酸基を有するアルコール、アルデヒ 、チオール等の官能基を有する化合物を連 移動剤として共存させてビニルエステルを 合させ、得られる重合体をけん化する方法 または(2)部分けん化ポリビニルアルコール 重合体の末端にカルボキシル基またはその またはスルホン酸基またはその塩を化学反 により導入する方法等が挙げられる(WO91/1551 8号公報参照)。

 酸変性PVAをより経済的かつ効率的に得る 法として、カルボキシル基を有する連鎖移 剤、特にカルボキシル基を有するチオール 存在下に、酢酸ビニル等のビニルエステル を重合し、次いでけん化する方法が好まし 。そのようなチオールとしては、チオグリ ール酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メル カプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、2-メル プト安息香酸、3-メルカプト安息香酸、4-メ ルカプト安息香酸、4-カルボキシフェニルエ ルチオール等のカルボキシル基を有するチ ールが例示される。上記カルボキシル基は ステルであっても、アルカリ金属塩などの であってもよい。

 また、スルホン酸基を有する連鎖移動剤 特にスルホン酸基を有するチオールの存在 に、酢酸ビニル等のビニルエステル類を重 し、次いでけん化する方法が好ましい。そ ようなチオールとしては、2-メルカプトエ ンスルホン酸、3-メルカプトプロパンスルホ ン酸、2-メルカプトエチルベンゼンスルホン 等のスルホン酸基を有するチオールが例示 れる。上記スルホン酸基はエステルであっ も、アルカリ金属塩などの塩であってもよ 。

 上記カルボキシル基またはスルホン酸基 有する連鎖移動剤をPVAに導入する際に、け 化などの工程を経た後で、カルボキシル基 たはスルホン酸基がナトリウム塩などのア カリ金属塩に変換されることがあるが、そ らの形態であってもよい。

 第二の発明において用いられるアルキル 性PVAは、末端に炭素数6以上のアルキル基を 有していることが必要である。該アルキル変 性PVAの製造方法についてとくに制限はなく、 種々の方法を採用することができる。例えば 、(1)炭素数6以上のアルキル基を有するアル ール、アルデヒド、チオール等の官能基を する化合物を連鎖移動剤として共存させて ニルエステルを重合させ、得られる重合体 けん化する方法、または(2)ビニルアルコー 系重合体の末端に炭素数6以上のアルキル基 化学反応により導入する方法等が挙げられ 。該アルキル変性PVAをより経済的かつ効率 に得る方法として、炭素数6以上のアルキル 基を有する連鎖移動剤、特に炭素数6以上の ルキル基を有するチオールの存在下に、酢 ビニル等のビニルエステル類を重合し、次 でけん化する方法が好ましい(特開昭59-166505 公報および特開平1-240501号公報参照)。

 上記炭素数6以上のアルキル基を有する連 鎖移動剤としては、n-ヘキシルアルデヒド、n -オクチルアルデヒド、2-エチル-ヘキシルア デヒド、n-カプリンアルデヒド、n-デシルア デヒド、n-ウンデシルアルデヒド、n-ラウリ ルアルデヒド、n-トリデシルアルデヒド、セ ルアルデヒド、パルミチルアルデヒド、ス アリルアルデヒドなどの炭素数6以上のアル デヒド;またはn-ヘキシルメルカプタン、n-オ チルメルカプタン、n-デシルメルカプタン n-ドデシルメルカプタン、n-オクタデシルメ カプタンなどの炭素数6以上のメルカプタン を利用することができる。炭素数は8以上が り好ましい。

 これらの変性PVAは、ビニルエステル系単 体を塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法 乳化重合法、分散重合法等の従来公知の方 を採用して重合させ、得られたビニルエス ル系重合体をけん化することにより製造す ことができる。工業的観点から好ましい重 方法は、溶液重合法、乳化重合法および分 重合法である。重合操作にあたっては、回 法、半回分法および連続法のいずれの重合 式を採用することも可能である。

 重合に用いることができるビニルエステ 系単量体としては、例えば、酢酸ビニル、 酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプリル ビニル、バーサチック酸ビニルなどを挙げ ことができ、これらの中でも酢酸ビニルが 業的観点から好ましい。

 ビニルエステル系単量体の重合に際して 本発明の主旨を損なわない範囲であればビ ルエステル系単量体を他の単量体を共重合 せても差し支えないが、ビニルエステル系 量体を単独で重合することが好ましい。

 ビニルエステル系単量体の重合に際して 本発明の主旨を損なわない範囲であればビ ルエステル系単量体を他の単量体を共重合 せても差し支えない。使用しうる単量体と ては、例えば、プロピレン、n-ブテン、イ ブチレンなどのα-オレフィン;アクリル酸お びその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸 チル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸i- プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸i -ブチル、アクリル酸t-ブチル、アクリル酸2- チルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アク ル酸オクタデシルなどのアクリル酸エステ 類;メタクリル酸およびその塩;メタクリル メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル n-プロピル、メタクリル酸i-プロピル、メタ リル酸n-ブチル、メタクリル酸i-ブチル、メ タクリル酸t-ブチル、メタクリル酸2-エチル キシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリ 酸オクタデシルなどのメタクリル酸エステ 類;アクリルアミド、N-メチルアクリルアミ 、N-エチルアクリルアミド、N,N-ジメチルア リルアミド、ジアセトンアクリルアミド、 クリルアミドプロパンスルホン酸およびそ 塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミ およびその塩またはその4級塩、N-メチロー アクリルアミドおよびその誘導体などのア リルアミド誘導体;メタクリルアミド、N-メ ルメタクリルアミド、N-エチルメタクリルア ミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸 およびその塩、メタクリルアミドプロピルジ メチルアミンおよびその塩またはその4級塩 N-メチロールメタクリルアミドおよびその誘 導体などのメタクリルアミド誘導体;メチル ニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プ ロピルビニルエーテル、i-プロピルビニルエ テル、n-ブチルビニルエーテル、i-ブチルビ ニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル、ド シルビニルエーテル、ステアリルビニルエ テルなどのビニルエーテル類;アクリロニト リル、メタクリロニトリルなどのニトリル類 ;塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデ などのハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル 、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン 、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカ ボン酸およびその塩またはそのエステル;ビ ルトリメトキシシランなどのビニルシリル 合物;ポリオキシエチレン(メタ)アクリレー 、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレー 、ポリオキシエチレン(メタ)アクリル酸アミ ド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリル酸 ミド、ポリオキシエチレン(1-(メタ)アクリ アミド-1,1-ジメチルプロピル)エステル、ポ オキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリ オキシプロピレン(メタ)アリルエーテル、ポ オキシエチレンビニルエーテル、ポリオキ プロピレンビニルエーテルなどのオキシア キレン基含有単量体;酢酸イソプロペニルな どが挙げられる。

 本発明では、ビニルエステル系単量体を 常よりも高い温度条件で重合して得られる1 ,2-グリコール結合の含有量の多い変性PVAを用 いることもできる。この場合、1,2-グリコー 結合の含有量は、好ましくは1.9モル%以上、 り好ましくは2.0モル%以上、さらに好ましく は2.1モル%以上である。

 ビニルエステル系重合体のけん化反応に 、従来公知の水酸化ナトリウム、水酸化カ ウム、ナトリウムメトキシドなどの塩基性 媒、またはp-トルエンスルホン酸などの酸 触媒を用いた、加アルコール分解ないし加 分解反応が適用できる。けん化反応に用い れる溶媒としては、メタノール、エタノー などのアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチ などのエステル類;アセトン、メチルエチル ケトンなどのケトン類;ベンゼン、トルエン どの芳香族炭化水素などが挙げられ、これ は単独で、または2種以上を組合せて用いる とができる。中でも、メタノールまたはメ ノールと酢酸メチルとの混合溶液を溶媒と て用い、塩基性触媒である水酸化ナトリウ の存在下にけん化反応を行うのが簡便であ 好ましい。

 ポリ塩化ビニル樹脂組成物中の変性PVAの 有量は、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対 て0.005~5重量部であり、好ましくは0.04~3重量 部である。0.005重量部未満では、長期の熱安 性が十分でなく、5重量部を超えると、ポリ 塩化ビニル樹脂が着色し好ましくない。

 本発明で用いられる変性PVAをポリ塩化ビ ル樹脂の重合時に添加した場合では、ポリ 化ビニル樹脂製造後の樹脂洗浄により該変 PVAがほとんど除去されてしまうため、ポリ 化ビニル樹脂組成物中の変性PVAの含有量は0 .005重量部未満となり、熱安定助剤としての 果は得られない。

 本発明では、変性PVAが、25℃におけるpKa 3.5~5.5の酸および/またはその金属塩を含有し てもよい。酸の種類についてとくに制限はな く、その具体例として、酢酸(pKa4.76)、プロピ オン酸(pKa4.87)、酪酸(pKa4.63)、オクタン酸(pKa4. 89)、アジピン酸(pKa5.03)、安息香酸(pKa4.00)、ギ 酸(pKa3.55)、吉草酸(pKa4.63)、ヘプタン酸(pKa4.66) 、乳酸(pKa3.66)、フェニル酢酸(pKa4.10)、イソ酪 酸(pKa4.63)、シクロヘキサンカルボン酸(pKa4.70) などを挙げることができる。特に好ましく用 いることができる酸は、酢酸、プロピオン酸 、および乳酸である。また、上記の酸の金属 塩を用いることもできる。金属塩の種類とし ては特に制限はないが、通常、ナトリウム、 カリウム、マグネシウム、カルシウム等のア ルカリ金属塩が用いられる。

 pKaが3.5~5.5の酸および/またはその金属塩 含有量は、変性PVA100重量部に対して0.05~5重 部の割合が好ましく、より好ましくは0.1~3重 量部、さらに好ましくは0.15~2重量部である。 変性PVAに対する酸および/またはその金属塩 含有量が0.05重量部未満の場合、長期の熱安 性が低下し、5重量部を超えると、ポリ塩化 ビニル樹脂が着色し好ましくない。

 なお、該酸および/またはその金属塩を所 定量含有させる方法は特に問わず、例えば、 変性PVAを製造する時のけん化で用いるアルカ リ触媒の種類や量などを調整する方法、変性 PVA製造後に該酸および/またはその金属塩を 加したり、除去したりする方法が挙げられ 。

 本発明で用いる亜鉛化合物としては、ス アリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛やオレイン 亜鉛等の亜鉛の脂肪族カルボン酸塩や、安 香酸亜鉛、p-第三ブチル安息香酸亜鉛等の 香族カルボン酸亜鉛、アミノ酸亜鉛塩、リ 酸エステル亜鉛塩のような有機酸の亜鉛塩 酸化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機亜鉛塩などが げられる。上記亜鉛化合物の添加量は、ポ 塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.01~5重量 であり、好ましくは0.05~3重量部である。上 添加量が0.01重量部未満では、十分な熱安定 効果は得られず、5重量部を超えると塩化ビ ニル樹脂組成物の成形品が黒化するため好ま しくない。該亜鉛化合物は、ポリ塩化ビニル 樹脂を重合した後に該ポリ塩化ビニル樹脂に 添加することによって含有させることができ る。

 本発明のポリ塩化ビニル樹脂組成物は、 常用いられる安定剤、フェノール系酸化防 剤、リン系酸化防止剤、光安定剤、紫外線 収剤、防曇剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤 改質剤、強化剤、顔料、発泡剤、可塑剤等 併用することができる。また、本発明のポ 塩化ビニル樹脂組成物には、その機械的特 を損なわない範囲であれば、他の樹脂を混 してもよい。

 上記滑剤としては、流動パラフィン、天 パラフィン、マイクロワックス、ポリエチ ンワックスなどの炭化水素;ステアリン酸、 ラウリン酸などの脂肪酸;ステアリン酸アミ 、パルミチン酸アミド、メチレンビスステ ロアミド、エチレンビスステアロアミドな の脂肪酸アミド;ブチルステアレートなどの ノアルコールの脂肪酸エステル;硬化ひまし 油、エチレングリコールモノステアレート、 グリセリンモノステアレート、トリエチレン グリコールジ-2-エチルヘキサノエートなどの ポリオールの脂肪酸エステル;セチルアルコ ルやステアリルアルコールなどのアルコー が挙げられる。中でも、ポリオールの脂肪 エステルを用いた場合、本発明の効果が一 発現する。このとき、ポリオールの脂肪酸 ノエステルであることが好ましく、グリセ ンの脂肪酸エステルであることも好ましい また、脂肪酸エステルの脂肪酸の炭素数が8~ 22であることが好ましく、ステアリン酸エス ルであることがさらに好ましい。これらの でも、グリセリンモノステアレートが特に 適である。上記滑剤の添加量は、ポリ塩化 ニル樹脂100重量部に対して、好ましくは0.00 1~10重量部、さらに好ましくは0.05~5重量部で る。

 上記安定剤としては、周知のものを用い ことができ、具体的には、カルシウム石鹸 バリウム石鹸等のアルカリ土類金属の石鹸 アルミニウム石鹸、有機リン酸金属塩等の 機金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金 炭酸塩、ゼオライト等の無機複合金属塩等 無機金属塩、塩素酸バリウム、過塩素酸バ ウム、過塩素酸ナトリウム等のハロゲン酸 酸塩、β-ジケトン、多価アルコール、エポ シ化合物等の非金属安定剤が挙げられる。

 また、上記可塑剤としては、例えば、フ ル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、 ジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸など 酸とn-プロパノール、イソプロパノール、n- ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノー 、n-ペンタノール、イソペンタノール、tert- ペンタノール、n-ヘキサノール、イソヘキサ ール、n-ヘプタノール、イソヘプタノール n-オクタノール、イソオクタノール、2-エチ ヘキサノール、n-ノナノール、イソノナノ ル、n-デカノール、イソデカノール、ラウリ ルアルコール、ミリスチルアルコール、パル ミチルアルコール、ステアリルアルコールな どの直鎖および分岐のアルキルアルコール単 独または混合物からなるエステルやブタンジ オールとアジピン酸のエステルのようなエス テル系可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシ アマニ油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ アマニ油脂肪酸ブチル、オクチルエポキシ テアレート、エポキシトリグリセライド、 ポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル エピクロルヒドリンとビスフェノールAの低 子量反応性生物樹脂のようなエポキシ系可 剤;トリクレジルホスフェート、トリキシレ ニルホスフェート、モノブチルジキシレニル ホスフェート、トリオクチルホスフェートな どのリン酸エステル系可塑剤などが挙げられ る。

 上記フェノール系酸化防止剤としては、 常用いられるものであればいずれでもよく 例えば、2,6-ジ第三ブチル-p-クレゾール、2,6 -ジフェニル-4-オクタデシロキシフェノール ステアリル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフ ェニル)-プロピオネート、ジステアリル(3,5- 第三ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネ ト、チオジエチレングリコールビス〔(3,5- 第三ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオ ート〕、1,6-ヘキサメチレンビス〔(3,5-ジ第 ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネー ト〕、1,6-ヘキサメチレンビス〔(3,5-ジ第三ブ チル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ア ド〕、4,4’-チオビス(6-第三ブチル-m-クレゾ ル)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-第三ブ ルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル -6-第三ブチルフェノール)、ビス〔3,3-ビス(4- ドロキシ-3-第三ブチルフェニル)ブチリック アジッド〕グリコールエステル、2,2’-エチ デンビス(4,6-ジ第三ブチルフェノール)、2,2 エチリデンビス(4-第二ブチル-6-第三ブチル ェノール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキ -5-第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2-第 ブチル-4-メチル-6-(2-ヒドロキシ-3-第三ブチ -5-メチルベンジル)フェニル〕テレフタレー ト、1,3,5-トリス(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキ ベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3,5- リス〔(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフェニ ル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌ ート、テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ第三ブ チル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート メタン、2第三ブチル-4-メチル-6-(2-アクリロ ルオキシ-3-第三ブチル-5-メチルベンジル)フ ェノール、3,9-ビス〔1,1-ジメチル-2-{(3-第三ブ チル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピ ニルオキシ}エチル〕-2,4,8,10-テトラオキサス ピロ〔5.5〕ウンデカン、トリエチレングリコ ールビス〔(3-第三ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチ ルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられ 。上記フェノール系酸化防止剤の添加量は ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、好 しくは0.01~5重量部、更に好ましくは0.1~3重量 部である。

 上記リン系酸化防止剤としては、通常用 られるものであればいずれでもよく、例え 、トリスノニルフェニルホスファイト、ト ス(2,4-ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト トリス〔2-第三ブチル-4-(3-第三ブチル-4-ヒ ロキシ-5-メチルフェニルチオ)-5-メチルフェ ル〕ホスファイト、トリデシルホスファイ 、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デ シル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデ ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、 ジステアリルペンタエリスリトールジホスフ ァイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリ ールジホスファイト、ビス(2,4-ジ第三ブチ フェニル)ペンタエリスリトールジホスファ ト、ビス(2,6-ジ第三ブチル-4-メチルフェニ )ペンタエリスリトールジホスファイト、ビ (2,4,6-トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリ リトールジホスファイト、テトラ(トリデシ )イソプロピリデンジフェノールジホスファ イト、テトラ(トリデシル)-4,4’-n-ブチリデン ビス(2-第三ブチル-5-メチルフェノール)ジホ ファイト、ヘキサ(トリデシル)-1,1,3-トリス(2 -メチル-4-ヒドロキシ-5-第三ブチルフェニル) タントリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ 三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナ ト、9,10-ジハイドロ-9-オキサ-10-ホスファフ ナンスレン-10-オキサイド、2,2’-メチレン ス(4-メチル-6-第三ブチルフェニル)-2-エチル キシルホスファイト等があげられる。上記 ン系酸化防止剤の添加量は、ポリ塩化ビニ 樹脂100重量部に対して、好ましくは、0.001~5 重量部、更に好ましくは0.005~3重量部である

 上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4- ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ- 4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- クトキシベンゾフェノン、5,5’-メチレンビ (2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)な どの2-ヒドロキシベンゾフェノン類;2-(2-ヒド キシ-5-第三オクチルフェニル)ベンゾトリア ゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ第三ブチルフ ニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒ ロキシ-3-第三ブチル-5-メチルフェニル)-5-ク ロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5- ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2 -メチレンビス(4-第三オクチル-6-ベンゾトリ ゾリル)フェノール、2-(2-ヒドロキシ-3-第三 チル-5-カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾ ールのポリエチレングリコールエステルなど の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー ル類;フェニルサリシレートレゾルシノール ノベンゾエート、2,4-ジ第三ブチルフェニル- 3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート ヘキサデシル-3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシ ベンゾエートなどのベンゾエート類;2-エチル -2’-エトキシオキザニリド、2-エトキシ-4’- デシルオキザニリドなどの置換オキザニリ 類;エチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリ ート、メチル-2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキ フェニル)アクリレートなどのシアノアクリ レート類などが挙げられる。上記紫外線吸収 剤の添加量は、塩化ビニル100重量部に対して 、好ましくは0.005~10重量部、更に好ましくは0 .01~5重量部である。

 上記光安定剤としては、例えば、2,2,6,6- トラメチル-4-ピペリジルステアレート、1,2,2 ,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルステアレート 2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルベンゾエ ト、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル) バケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピ リジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6-テト メチル-4-ピペリジル)ブタンテトラカルボキ シレート、テトラテス(1,2,2,6,6-ペンタメチル- 4-ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート 、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)・ ジ(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキ レート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ヒド キシベンジル)マロネート、1-(2-ヒドロキシ チル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノール/ コハク酸ジエチル重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6- トラエチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジ ブロモエタン重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テト メチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4-ジ ロロ-6-モノホリノ-s-トリアジン重縮合物、1, 6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピレリジルアミ )ヘキサン/2,4-ジクロロ-6-第三オクチルアミ -s-トリアジン重縮合物、1,5,8,12-テトラキス 2,4-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピ ペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕-1,5,8, 12-テトラアザドデカン、1,6,11-トリス〔2,4-ビ (N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジ )アミノ)-s-トリアジン-6-イルアミノ〕ウン カン、1,6,11-トリス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2 ,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-ト アジン-6-イルアミノ〕ウンデカンなどのヒ ダードアミン化合物が挙げられる。上記光 定剤の添加量は、ポリ塩化ビニル樹脂100重 部に対して、好ましくは0.001~5重量部、更に ましくは0.05~3重量部である。

 本発明のポリ塩化ビニル樹脂組成物の加 方法としては、押し出し加工、カレンダー 工、ブロー成形、プレス加工、粉体成形、 出成形等が挙げられる。

 以下、本発明を実施例によりさらに詳細 説明する。なお、以下の実施例および比較 において、特に断りがない場合、部および% はそれぞれ重量部および重量%を示す。

実施例1
(ポリ塩化ビニル樹脂の製造)
 重合度850、けん化度72モル%のポリビニルア コールを塩化ビニルに対して600ppmに相当す 量で脱イオン水に溶解させ、分散安定剤を 製した。このようにして得られた分散安定 を、スケール付着防止剤NOXOL WSW(CIRS社製)が 固形分として0.3g/m 2 になるように塗布されたグラスライニング製 オートクレーブに仕込んだ。次いで、グラス ライニング製オートクレーブにジイソプロピ ルパーオキシジカーボネートの70%トルエン溶 液0.04部を仕込み、オートクレーブ内の圧力 0.0067MPaとなるまで脱気して酸素を除いた後 塩化ビニル30部を仕込み、オートクレーブ内 の内容物を57℃に昇温して撹拌下に重合を開 した。重合開始時におけるオートクレーブ の圧力は0.83MPaであった。重合を開始してか ら7時間経過後、オートクレーブ内の圧力が0. 44MPaとなった時点で重合を停止し、未反応の 化ビニルを除去した後、重合反応物を取り し、65℃にて一晩乾燥を行い、ポリ塩化ビ ル樹脂(PVC)を得た。

(酸変性PVAの製造)
 撹拌機、窒素導入口、添加剤導入口および 始剤添加口を備えた6L反応槽に酢酸ビニル24 00部、メタノール600部および3-メルカプトプ ピオン酸(以下3-MPAと記載する)0.45部を仕込み 、60℃に昇温した後30分間窒素バブリングに り系中を窒素置換した。上記の反応槽内温 60℃に調整し、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4- ジメチルバレロニトリル)1.2部を加えて重合 開始した。重合中は重合温度を60℃に維持し 、3-MPAの50%メタノール溶液24.0部を4時間にわ って均一に加えた。4時間後に重合率が60%に したところで冷却して重合を停止した。次 で、減圧下にて未反応の酢酸ビニルを除去 、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノール溶液を た。30%に調整したPVAc溶液にアルカリモル比 (NaOHのモル数/PVAc中のビニルエステル単位の ル数)が0.004となるようにNaOHメタノール溶液( 10%濃度)を添加してけん化した。以上の操作 よりけん化度63.0モル%の酸変性PVAを得た。等 速電気泳動法(イソタコフォレシス))により測 定した酢酸ナトリウム含有量は1.5%であった この酸変性PVAを重水に溶解し、核磁気共鳴 析を行ったところ、分子内の片末端にカル キシル基(カルボン酸Na基)が存在しているこ が確認された。該酸変性PVAの粘度平均重合 を常法のJIS K6726に準じて測定したところ250 であった。

(熱安定性試験)
 ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対し、表1に 示す量の酸変性PVA、ステアリン酸亜鉛2重量 、ステアリン酸カルシウム1重量部、ジオク ルフタレート20重量部を混合した。このポ 塩化ビニル樹脂組成物をテストロールによ 170℃で5分間混練し、厚さ0.45mmのシートを作 した。このシートを50×70mmにカットした。 のシート片をギヤーオーブン中に入れ、180 の温度で完全に黒色になるまでの時間を測 し、熱安定性の指標とした。

(着色性試験)
 上記テストロールで得られたシートを45×30m mにカットし、得られたシート片を数枚重ね わせ、185℃で5分間プレスして厚さ5mmの試験 を作成し、目視により着色性を比較し、以 の基準にしたがって判定した。
  A:着色がほとんどない。
  B:黄色である。
  C:黄褐色である。

実施例2
 実施例1において、重合時に連鎖移動剤とし てメルカプト1-プロパンスルホン酸ナトリウ を使用し、酢酸ビニルとメタノールの仕込 重量を変更し、けん化時にアルカリモル比 変更した以外は同様の方法で、表1に示す酸 変性PVAを得た。実施例1と同様にして熱安定 、着色性の評価を行った。評価結果を表1に す。

実施例3、4
 滑剤としてグリセリンモノステアレートを ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、1重 量部添加した例である。表1に示すような処 で実施例1と同様に混合して、熱安定性、着 性の評価を行った。評価結果を表1に示す。

比較例1
 実施例1において、重合時に連鎖移動剤を使 用せずに、酢酸ビニルとメタノールの仕込み 重量を変更し、けん化時にアルカリモル比を 変更した以外は同様の方法で、表1に示す未 性のPVAを得た。実施例1と同様にして熱安定 、着色性の評価を行った。評価結果を表1に 示す。長期の熱安定性が十分でなかった。

比較例2、3
 酸変性PVAのポリ塩化ビニル樹脂(PVC)に対す 配合量を表1に示すように変更した以外は実 例1と同様にして、熱安定性、着色性の評価 を行った。評価結果を表1に示す。酸変性PVA 合量が多すぎる場合は黄色に着色し、少な ぎる場合は長期の熱安定性が十分でなかっ 。

比較例4
 ポリ塩化ビニル樹脂に酸変性PVAを添加しな ったこと以外は、実施例1と同様にして熱安 定性、着色性を評価した。評価結果を表1に す。熱安定性が十分ではなかった。

比較例5、6
 ステアリン酸亜鉛の配合量を表1に示すよう に変更した以外は実施例1と同様にして、熱 定性、着色性を評価した。評価結果を表1に す。いずれも熱安定性が不十分であり、シ トが着色した。

比較例7
(末端SH化PVAの製造)
 撹拌機、窒素導入口、添加剤導入口および 始剤添加口を備えた6L反応槽に酢酸ビニル24 50g、メタノール1050gを仕込み、60℃に昇温し 後30分間窒素バブリングにより系中を窒素置 換した。連鎖移動剤としてチオ酢酸をメタノ ールに溶解した濃度15%溶液を調製し、窒素ガ スによるバブリングを行って窒素置換した。 上記の反応槽内温を60℃に調整し、先に調整 たチオ酢酸のメタノール溶液5.6gを添加した 後に、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)2.0 gを加えて重合を開始した。重合中は重合温 を60℃に維持し、チオ酢酸の15%メタノール溶 液を14.5mL/hrで連続添加した。4時間後に重合 が60%に達したところで冷却して重合を停止 た。次いで、減圧下にて未反応の酢酸ビニ を除去し、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノー 溶液を得た。30%に調整したPVAc溶液にアルカ モル比(NaOHのモル数/PVAc中のビニルエステル 単位のモル数)が0.004となるようにNaOHメタノ ル溶液(10%濃度)を添加してけん化した。以上 の操作により重合度250、けん化度63モル%の末 端SH化PVAを得た。等速電気泳動法(イソタコフ ォレシス))により測定した酢酸ナトリウム含 量は1.5%であった。この末端SH化PVAを重水に 解し、核磁気共鳴分析を行ったところ、分 の片末端にSH基が存在していることが確認 れた。

 実施例1で使用した酸変性PVAに替えて、末 端SH化PVAを使用した以外は実施例1と同様にし て熱安定性、着色性の評価を行った。評価結 果を表1に示す。

比較例8、9
 滑剤としてグリセリンモノステアレートを ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、1重 量部添加した例である。表1に示すような処 で実施例1と同様に混合して、熱安定性、着 性の評価を行った。評価結果を表1に示す。

実施例5
(アルキル変性PVAの製造)
 撹拌機、窒素導入口、添加剤導入口および 始剤添加口を備えた6L反応槽に酢酸ビニル24 00部、メタノール600部およびn-ドデシルメル プタン(以下n-DDMと記載する)0.99部を仕込み、 60℃に昇温した後30分間窒素バブリングによ 系中を窒素置換した。上記の反応槽内温を60 ℃に調整し、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジ メチルバレロニトリル)1.2部を加えて重合を 始した。重合中は重合温度を60℃に維持し、 n-DDM19部を含むメタノール/酢酸ビニル溶液(酢 酸ビニル濃度80%)95.6部を5時間にわたって均一 に加えた。5時間後に重合率が50%に達したと ろで冷却して重合を停止した。次いで、減 下にて未反応の酢酸ビニルを除去し、ポリ 酸ビニル(PVAc)のメタノール溶液を得た。30% 調整したPVAc溶液にアルカリモル比(NaOHのモ 数/PVAc中のビニルエステル単位のモル数)が0. 008となるようにNaOHメタノール溶液(10%濃度)を 添加してけん化した。以上の操作によりけん 化度88.0モル%のアルキル変性PVAを得た。等速 気泳動法(イソタコフォレシス))により測定 た酢酸ナトリウム含有量は1.0%であった。上 記アルキル変性PVAを少量の水を含む酢酸メチ ルで還流下に洗浄し、メタノールで48時間ソ クスレー抽出による精製を行った後、重水 溶解し、NMRによる分析を行った。これによ 、n-ドデシル基のメチル基のプロトンがσ=0. 85-1.10ppmに認められ、分子の片末端にCH 3 -(CH 2 ) 11 -S基を有するアルキル変性PVAであることが確 できた。該アルキル変性PVAの粘度平均重合 を常法のJIS K6726に準じて測定したところ250 であった。

(熱安定性試験)
 実施例1と同様にして得られたポリ塩化ビニ ル樹脂100重量部に対し、1%濃度のアルキル変 PVA水溶液を用いて表1に示す量になるように アルキル変性PVA水溶液を添加し、減圧乾燥機 により50℃で8時間乾燥した。この塩化ビニル 樹脂組成物にステアリン酸亜鉛2重量部、ス アリン酸カルシウム1重量部、ジオクチルフ レート20重量部を混合した。この塩化ビニ 樹脂組成物をテストロールにより175℃で5分 混練し、厚さ0.45mmのシートを作成した。こ シートを50×70mmにカットした。このシート をギヤーオーブン中に入れ、180℃の温度で 全に黒色になるまでの時間を測定し、熱安 性の指標とした。

(着色性試験)
 上記テストロールで得られたシートを45×30m mにカットし、得られたシート片を数枚重ね わせ、185℃で5分間プレスして厚さ5mmの試験 を作成し、目視により着色性を比較し、以 の基準にしたがって判定した。
  A:着色がほとんどない。
  B:黄色である。
  C:黄褐色である。

実施例6
 実施例5において、重合時に連鎖移動剤の種 類をn-オクチルメルカプタンに変更し、酢酸 ニルとメタノールと連鎖移動剤(n-オクチル ルカプタン)の仕込み重量を変更し、けん化 時にアルカリモル比を変更した以外は同様の 方法で、表2に示すアルキル変性PVAを得た。 施例5と同様にして熱安定性、着色性の評価 行った。評価結果を表2に示す。

実施例7
 実施例5において、重合時に連鎖移動剤の種 類をn-ヘキシルメルカプタンに変更し、酢酸 ニルとメタノールと連鎖移動剤(n-ヘキシル ルカプタン)の仕込み重量を変更し、けん化 時にアルカリモル比を変更した以外は同様の 方法で、表2に示すアルキル変性PVAを得た。 施例5と同様にして熱安定性、着色性の評価 行った。評価結果を表2に示す。

実施例8~10
 滑剤としてグリセリンモノステアレートを 塩化ビニル樹脂100重量部に対して、1重量部 添加した例である。表2に示すような処方で 施例5と同様に混合して、熱安定性、着色性 評価を行った。評価結果を表2に示す。

比較例10
 実施例5において、重合時に連鎖移動剤の種 類をt-ブチルメルカプタンに変更し、酢酸ビ ルとメタノールと連鎖移動剤(t-ブチルメル プタン)の仕込み重量を変更し、けん化時に アルカリモル比を変更した以外は同様の方法 で、表2に示すアルキル変性PVAを得た。実施 5と同様にして熱安定性、着色性の評価を行 た。評価結果を表2に示す。長期の熱安定性 が十分でなかった。

比較例11、12
 アルキル変性PVAの塩化ビニル系樹脂(PVC)に する配合量を表2に示すように変更した以外 実施例5と同様にして、熱安定性、着色性の 評価を行った。評価結果を表2に示す。アル ル変性PVA配合量が多すぎる場合は黄色に着 し、少なすぎる場合は長期の熱安定性が十 でなかった。

比較例13
 ポリ塩化ビニル樹脂にアルキル変性PVAを添 しなかったこと以外は、実施例5と同様にし て熱安定性、着色性の評価を行った。評価結 果を表2に示す。熱安定性が十分ではなかっ 。

比較例14、15
 ステアリン酸亜鉛の配合量を表2に示すよう に変更した以外は実施例5と同様にして、熱 定性、着色性を評価した。評価結果を表2に す。いずれも熱安定性が不十分であり、シ トが着色した。

比較例16
(末端SH化PVAの製造)
 撹拌機、窒素導入口、添加剤導入口および 始剤添加口を備えた6L反応槽に酢酸ビニル24 50g、メタノール1050gを仕込み、60℃に昇温し 後30分間窒素バブリングにより系中を窒素置 換した。連鎖移動剤としてチオ酢酸をメタノ ールに溶解した濃度15%溶液を調製し、窒素ガ スによるバブリングを行って窒素置換した。 上記の反応槽内温を60℃に調整し、先に調整 たチオ酢酸のメタノール溶液5.6gを添加した 後に、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)2.0 gを加えて重合を開始した。重合中は重合温 を60℃に維持し、チオ酢酸の15%メタノール溶 液を14.5mL/hrで連続添加した。4時間後に重合 が60%に達したところで冷却して重合を停止 た。次いで、減圧下にて未反応の酢酸ビニ を除去し、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノー 溶液を得た。30%に調整したPVAc溶液にアルカ モル比(NaOHのモル数/PVAc中のビニルエステル 単位のモル数)が0.008となるようにNaOHメタノ ル溶液(10%濃度)を添加してけん化した。以上 の操作により重合度250、けん化度88モル%の末 端SH化PVAを得た。等速電気泳動法(イソタコフ ォレシス))により測定した酢酸ナトリウム含 量は1.0%であった。この変性PVAを重水に溶解 し、核磁気共鳴分析を行ったところ、分子の 片末端にSH基が存在していることが確認され 。

 実施例5で使用したアルキル変性PVAに替え て、末端SH化PVAを使用した以外は同様にして 安定性、着色性の評価を行った。評価結果 表2に示す。

比較例17~18
 滑剤としてグリセリンモノステアレートを ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、1重 量部添加した例である。表2に示すような処 で実施例5と同様に混合して、熱安定性、着 性の評価を行った。評価結果を表2に示す。