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Patent Searching and Data


Title:
POP-UP HOOD SYSTEM FOR VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/093674
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a pop-up hood system which pushes up a hood by a rod elongated by the action of an actuator when a vehicle collides against a collision body, and absorbs collision energy efficiently when a collision load above a predetermined level is inputted to the vicinity of the hood push-up position. When a collision load above a predetermined level is inputted from the upper side of a hood (12) under such a state that the hood is held at the push-up position, a rod (20) is bent while the pressing portion (54) at the tip of the rod (20) is allowed to slide toward the rear side of a vehicle along the push-up surface (38) on the rear side of the hood, thus absorbing collision energy. Before bottom-hitting of a hinge arm (30) on the cowl top side (22) takes place, the pressing portion (54) at the tip of the rod (20) is hooked temporarily to a bend (60) and the rod (20) is therefore bent furthermore. Consequently, an intermediate reaction rises when the pressing portion (54) is hooked temporarily to the bend (60) and a bottom-hitting load can be lowered in the final stage of energy absorption.

Inventors:
YUASA HITOSHI (JP)
TAKAHASHI HIROYUKI (JP)
KITTE HAJIME (JP)
AOKI MASASHI (JP)
TOGAWA TOSHIKATSU (JP)
TSUBOI TOSHINOBU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/051033
Publication Date:
July 30, 2009
Filing Date:
January 23, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
TOYODA GOSEI KK (JP)
TAIHEIYO KOGYO KK (JP)
YUASA HITOSHI (JP)
TAKAHASHI HIROYUKI (JP)
KITTE HAJIME (JP)
AOKI MASASHI (JP)
TOGAWA TOSHIKATSU (JP)
TSUBOI TOSHINOBU (JP)
International Classes:
B62D25/10; B60R21/34; B60R21/38; B62D25/12
Foreign References:
JPH11115680A1999-04-27
JP2002029366A2002-01-29
JP2002370611A2002-12-24
US20050257980A12005-11-24
JP2005225392A2005-08-25
JP2004308785A2004-11-04
Other References:
See also references of EP 2239167A4
Attorney, Agent or Firm:
NAKAJIMA, Jun et al. (NAKAJIMA & KATO SeventhFloor, HK-Shinjuku Bldg., 3-17,Shinjuku 4-chome Shinjuku-ku, Tokyo 22, JP)
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Claims:
 車両に搭載されたアクチュエータと、
 このアクチュエータが作動することによりフード上方側へ伸長し、フードヒンジを介して車体側に開閉可能に支持されたフード後部側をフード上方側へ押し上げかつその押し上げ位置にフードを保持するロッドと、
 前記フードの押し上げ位置保持状態において、フード上方側から所定値以上の衝突荷重がロッドによるフードの押し上げ部位付近に作用した場合に、ロッドの先端部をフード後部側の押し上げ面に沿って車両後方側へ摺動させながらロッドを曲げ変形させることにより、衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収機構部と、
 を有し、
 さらに、ロッドが曲がり始める前までの初期荷重の立ち上がりとなるピーク荷重の発生時点からフードが下降してフードヒンジのフード側取付部材が底付きしたときに生じる終期荷重の立ち上がりとなるピーク荷重の発生時点までの間に、ロッドの軸線と押し上げ面とのなす角度θの変化を増加から減少に一旦転じさせることにより摺動抵抗を増加させて中間荷重を立ち上がらせる、
 ことを特徴とする車両用ポップアップフード装置。
 前記ロッドは当該ロッドを押し上げるアクチュエータのハウジング内に収容されていると共に、前記フードヒンジのフード側取付部材はフード側方から見て略Z字状に形成されており、
 さらに、当該ロッドのハウジングからの突出長さbを、当該フード側取付部材におけるロッドによる押し上げ位置から曲げ部までの長さaよりも大きく設定した、
 ことを特徴とする請求項1記載の車両用ポップアップフード装置。
 前記フードヒンジは、カウルトップサイドに固定されている、
 請求項1記載の車両用ポップアップフード装置。
Description:
車両用ポップアップフード装置

 本発明は、車両用ポップアップフード装 に関する。

 近年、歩行者保護等の観点から、車両が 行者等の衝突体に衝突した際にフードの後 部を持ち上げて衝突体をフードで受け止め 衝撃を緩和する車両用ポップアップフード 置が開発されている。例えば、下記特許文 1に開示された車両用ポップアップフード装 置では、フードの後端部両サイドに左右一対 のフードヒンジが配設されており、衝突体と の衝突時になると、フードヒンジ近傍に配設 されたアクチュエータが作動し、突き上げロ ッドでフードヒンジのフード側リンクを突き 上げるようになっている。

 しかしながら、上記フードの後端部を持 上げただけでは、衝突体がフードの突き上 位置付近に衝突した場合に、突き上げロッ が突っ張り、衝突体に作用する荷重反力が きくなる可能性がある。このため、車両用 ップアップフード装置に別途エネルギー吸 機構を付加して、このような場合には所定 エネルギー吸収がなされるようにすること 望ましい。

 一方、下記特許文献2には、衝突時に自動車 用安全装置を作動させるアクチュエータにエ ネルギー吸収機構を付加した技術が開示され ている。簡単に説明すると、ピストンロッド の先端部に所定値以上の軸方向荷重が入力さ れると、ピストンロッドに設けられた塑性変 形部が圧壊し、これによりピストンロッドが シリンダ内に収縮(相対移動)される、という のである。従って、特許文献2に開示された アクチュエータを特許文献1に開示された車 用ポップアップフード装置に適用すること より、上記ニーズに応えることができると 考えられる。

特開2005-225392号公報

特開2004-308785号公報

 しかしながら、ピストンロッドとシリン との間で塑性変形させることでエネルギー 収する機構の場合、寸法精度のバラツキか エネルギー吸収性能にもバラツキが生じる( ロスが生じる)。また、ピストンロッドに入 される荷重の作用方向がピストンロッドの 方向からずれると、ピストンロッドがシリ ダ内に円滑に収縮されず、塑性変形による ネルギー吸収効果が充分に得られないとい ことも考えられる。

 本発明は上記事実を考慮し、衝突体との 突時にアクチュエータの作動によりロッド 伸長させてフードを押し上げる構成におい 、フード押し上げ位置付近に所定値以上の 突荷重が入力された場合に効率良く衝突エ ルギーを吸収することができる車両用ポッ アップフード装置を得ることが目的である

 第1の態様に係る車両用ポップアップフー ド装置は、車両に搭載されたアクチュエータ と、このアクチュエータが作動することによ りフード上方側へ伸長し、フードヒンジを介 して車体側に開閉可能に支持されたフード後 部側をフード上方側へ押し上げかつその押し 上げ位置にフードを保持するロッドと、前記 フードの押し上げ位置保持状態において、フ ード上方側から所定値以上の衝突荷重がロッ ドによるフードの押し上げ部位付近に作用し た場合に、ロッドの先端部をフード後部側の 押し上げ面に沿って車両後方側へ摺動させな がらロッドを曲げ変形させることにより、衝 突エネルギーを吸収するエネルギー吸収機構 部と、を有し、さらに、ロッドが曲がり始め る前までの初期荷重の立ち上がりとなるピー ク荷重の発生時点からフードが下降してフー ドヒンジのフード側取付部材が底付きしたと きに生じる終期荷重の立ち上がりとなるピー ク荷重の発生時点までの間に、ロッドの軸線 と押し上げ面とのなす角度θの変化を増加か 減少に一旦転じさせることにより摺動抵抗 増加させて中間荷重を立ち上がらせる、こ を特徴とする。

 第2の態様は、第1の態様の車両用ポップ ップフード装置において、前記ロッドは当 ロッドを押し上げるアクチュエータのハウ ング内に収容されていると共に、前記フー ヒンジのフード側取付部材はフード側方か 見て略Z字状に形成されており、さらに、当 ロッドのハウジングからの突出長さbを、当 該フード側取付部材におけるロッドによる押 し上げ位置から曲げ部までの長さaよりも大 く設定した、ことを特徴とする。

 第1の態様によれば、車両に搭載されたア クチュエータが作動すると、ロッドがフード 上方側へ伸長してフード後部側がフード上方 側へ押し上げられて、その位置に保持される 。

 このフードの押し上げ位置保持状態にお て、フード上方側から所定値以上の衝突荷 がロッドによるフードの押し上げ部位付近 作用した場合、エネルギー吸収機構部によ て所定の衝突エネルギーが吸収される。具 的には、ロッドの先端部がフード後部側の し上げ面に沿って車両後方側へ摺動されな ら、ロッドが曲げ変形されていく。これに り、衝突エネルギーが吸収される。すなわ 、本発明では、ロッドの先端部をフード後 側の押し上げ面に沿って車両後方側へ摺動 せ、その摺動動作を利用してロッドを曲げ 形させてエネルギー吸収する構成を採って るため、従来のように寸法精度によって塑 変形の仕方が変動したり、荷重入力方向に ってピストンロッドがシリンダ内へ円滑に 対移動しないことによるエネルギー吸収ロ が大幅に削減される。

 特に、本発明では、ロッドが曲がり始め 前までの初期荷重の立ち上がりとなるピー 荷重の発生時点からフードが下降してフー ヒンジのフード側取付部材が底付きしたと に生じる終期荷重の立ち上がりとなるピー 荷重の発生時点までの間に、ロッドの軸線 押し上げ面とのなす角度θの変化を増加か 減少に一旦転じさせることにより摺動抵抗 増加させて中間荷重を立ち上がらせるよう したので、終期荷重のピーク値を下げるこ ができる。

 すなわち、一般にロッドを曲げ変形させ エネルギー吸収しようとした場合、ロッド 曲げ変形する直前までは充分な反力が得ら るので、効率良くエネルギー吸収すること 可能である。しかし、ロッドが曲がり始め と、反力が低下する傾向がある。そして、 力が低下したまま、フードヒンジのフード 取付部材が底付きして底付き荷重が立ち上 ると、衝突初期のピーク荷重ほどではない 、衝突後半で衝突体に入力される荷重反力 増える。本発明では、衝突初期のピーク荷 の発生時点から衝突終期のピーク荷重の発 時点までの間に、ロッドの軸線と押し上げ とのなす角度θの変化を増加から減少に一 転じさせることにより摺動抵抗を増加させ 中間荷重を立ち上がらせるため、エネルギ 吸収量を一定とすれば、衝突終期のピーク 重のピーク値を下げることができる。

 第2の態様によれば、ロッドのハウジング からの突出長さbを、フードヒンジのフード 取付部材におけるロッドによる押し上げ位 から曲げ部までの長さaよりも大きく設定し ので、ロッドの先端部がフード側取付部材 曲げ部に当接したときに、反力(中間荷重) 立ち上がる。

 以上説明したように、第1の態様に係る車 両用ポップアップフード装置は、衝突体との 衝突時にアクチュエータの作動によりロッド を伸長させてフードを押し上げる構成におい て、フード押し上げ位置付近に所定値以上の 衝突荷重が入力された場合に効率良く衝突エ ネルギーを吸収することができるという優れ た効果を有する。

 第2の態様に係る車両用ポップアップフー ド装置は、エネルギー吸収効率が低下するの を効果的に抑制することができるという優れ た効果を有する。

本実施形態に係る車両用ポップアップ ード装置においてドライバ側から見て右側 配置されたポップアップ機構部の通常時の 態を拡大して示す側面図である。 ドライバ側から見て右側に配置された ップアップ機構部の通常時の状態を拡大し 示す平面図である。 図1に示される車両用ポップアップフー ド装置の全体構成を示す平面図である。 図1に示される状態からポップアップ機 構部が作動して押し上げ位置保持状態を示す 側面図である。 図4に示される状態から衝突荷重が入力 されてロッドが途中まで曲げ変形した状態を 示す側面図である。 図5に示される状態からヒンジアームが アクチュエータ側(ロッドの根元の折れ曲が 部)に底付きしてロッドの曲げ変形が完了し 状態を示す側面図である。 本実施形態に係る車両用ポップアップ ード装置を用いた場合の荷重-変位特性を対 比例と共に示すグラフである。 ロッドの軸線と押し上げ面とのなす角 度の変化の仕方を説明するための説明図であ る。 ロッドの軸線と押し上げ面とのなす角 度の変化の仕方を説明するための説明図であ る。 ロッドの軸線と押し上げ面とのなす角 度の変化の仕方を説明するための説明図であ る。 ヒンジアームがアクチュエータ側では くボディー側に底付きした状態を示す図6に 対応する側面図である。

 以下、図1~図9を用いて、本発明に係る車 用ポップアップフード装置の第1実施形態に ついて説明する。なお、これらの図において 適宜示される矢印FRは車両前方側を示してお 、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印IN は車両幅方向内側を示している。

 図3には、第1実施形態に係る車両用ポッ アップフード装置の全体構成を示す平面図 示されている。また、図2には、右ハンドル でドライバ側から見て右側(以下、単に「ド ライバ側から見て右側」と略す。)に配置さ たポップアップ機構部の通常時の状態を拡 して示す平面図が示されている。さらに、 1には、ドライバ側から見て右側に配置され ポップアップ機構部の通常時の状態をエン ンルーム側から見て示す拡大側面図が示さ ている。

 これらの図に示されるように、車両用ポ プアップフード装置10は、エンジンルーム 開閉するフード12の後端側両サイドにそれぞ れ配設された左右一対のポップアップ機構部 14を主要部として構成されている。左右のポ プアップ機構部14はいずれも同一構成であ ので、以下の説明においてはドライバ側か 見て右側に配置されたポップアップ機構部14 の構成について説明し、ドライバ側から見て 左側に配置されたポップアップ機構部14の構 の説明は省略する。

 ポップアップ機構部14は、フード12を開閉 可能に支持するフードヒンジ16と、歩行者等 衝突体との衝突時に作動するアクチュエー 18と、このアクチュエータ18が作動すること によりフード上方側へ軸方向移動するロッド 20と、によって構成されている。以下、この に各構成要素について説明する。

 <フードヒンジ16の構成>

 フードヒンジ16は、フード12の後端側とウ インドシールドガラスの下端部との間に車両 幅方向に沿って延在するカウルの両サイドに 設けられた車体側構成部材であるカウルトッ プサイド22の上面部22Aに後述する取付ボルト3 6で固定されるヒンジベース26と、このヒンジ ベース26にヒンジピン(回転中心軸)28で相対回 転可能に連結され、ヒンジベース26とフード1 2の後述する後端膨らみ部34Aとを連結するフ ド側取付部材としてのヒンジアーム30と、に よって構成されている。

 なお、フード12は、車両外側に配置され 意匠面を構成するフードアウタパネル32と、 エンジンルーム側に配置されると共にフード アウタパネル32を補強するフードインナパネ 34と、を含んで構成されており、両者はそ 端末部がヘミング加工されることによって 合されている。また、フードインナパネル34 の後端側はフード下方側へ膨らんでおり、こ れによりフード12の後端側に後端膨らみ部34A 形成されている。さらに、フードヒンジ16 、本来的にはフード12をボディーに開閉可能 に支持するためのヒンジ部品であるが、本実 施形態では、車両用ポップアップフード装置 10の構成要素でもある。

 各部の構成についてより具体的に説明す と、図1及び図2に示されるように、ヒンジ ース26は、車両正面視で略L字状に形成され おり、車両前後方向に沿って延在する狭幅 状の取付部26Aと、取付部26Aの車両幅方向内 の端部から車両上方側へ屈曲されかつ側面 で略台形状に形成された支持部26Bと、を備 ている。取付部26Aは、カウルトップサイド22 の上面部22Aに取付ボルト36で固定されている

 一方、ヒンジアーム30は、車両前後方向 沿って延在する長尺状の部材であり、側面 で略L字状に形成されている。構造的には、 ンジアーム30は、ヒンジベース26の支持部26B に対して平行に配置される側壁部30Aと、当該 側壁部30Aの上縁部からフード幅方向中央側へ 向けて折り曲げられて形成されると共にフー ド12の後端膨らみ部34Aに対して平行に配置さ る頂壁部30Bと、を含んで構成されており、 般断面の縦断面形状は上下逆向きのL字状と されている。このうち、頂壁部30Bの前部下面 が、後述するロッド20の先端部(押圧部54)によ って押し上げられて当該先端部(押圧部54)が 動していく押し上げ面(摺動面)38とされてい 。但し、実際には、後述するロッド20がフ ド上方側へ軸方向移動してその先端部の押 部54が当接する位置(図4図示位置)よりもフー ド前方側の面は、摺動面としては使用しない 。

 また、頂壁部30Bの前端部の内側縁はフー 下方側へ折り曲げられており、側壁部30Aと 行な一対のフランジを形成している。従っ 、ヒンジアーム30の前端部は、略U字状の断 形状とされている。

 図2に示されるように、上記フードヒンジ 16の側壁部30Aは、ヒンジベース26の支持部26B 車両幅方向内側に隣接して配置される後部30 A1と、後部30A1に対してフード幅方向中央側へ オフセットして配置されかつフード前方側へ 延設された前部30A2と、後部30A1と前部30A2とを 斜めに繋ぐ中間部30A3と、によって構成され いる。フードヒンジ16の頂壁部30Bも同様に構 成されており、ヒンジベース26の支持部26B側 配置される後部30B1と、フード12の後端膨ら 部34Aの下面に当接状態で重ねられる前部30B2 と、後部30B1と前部30B2とを斜めに繋ぐ中間部3 0B3とを備えている。

 ヒンジアーム30の側壁部30Aの後端部は、 ンジピン28によってヒンジベース26の支持部2 6Bの上端部にヒンジ結合されている。従って ヒンジアーム30は、ヒンジピン28を回転中心 として車両上下方向へ回動可能とされている 。なお、側壁部30Aの後端部には、鉤状に屈曲 された開度規制用のストッパ40が半径方向に 出されており、これに対応してヒンジベー 26の支持部26Bの上端部には、ストッパ40と干 渉してそれ以上のヒンジアーム30の回動を規 する開度規制用の規制部42が一体に形成さ ている。

 また、ヒンジアーム30の頂壁部30Bの前部30 B2は、フード12の後端膨らみ部34Aの下面に沿 て略車両前後方向に延出されており、前後 点で締結具であるヒンジボルト44及び図示し ないウエルドナットによってフード12の後端 らみ部34Aに締結(固定)されている。なお、 ンジボルト44のボルト締結方向はフード上下 方向であり、組付に際してはフード下方側か らヒンジボルト44が図示しないウエルドナッ に螺入されるようになっている。従って、 ンジボルト44の締結後の状態では、ヒンジ ルト44のボルト頭部44Aが頂壁部30Bの下面から フード下方側へ突出した状態で配置されるよ うになっている(図1参照)。

 さらに、上述した側壁部30Aには、フード 方側に配置されたヒンジボルト44のボルト 部44Aと対向する位置に、側面視で矩形状と れた切欠46が形成されている。切欠46は、側 部30Aの下縁側から上縁側へ向けて切り欠か ている。なお、切欠46は、側壁部30Aと頂壁 30Bとの接続部位である稜線にかかるように 定されている。

 なお、上記の如く構成されたヒンジアー 30を機能的に見た場合、側壁部30Aの後部30A1 ヒンジ側連結部として機能し、頂壁部30Bの 部30B2がフード側連結部として機能し、両機 能を併有した部品がヒンジアーム30といえる

 <アクチュエータ18の構成>

 アクチュエータ18は、略円柱状に形成さ ており、平面視でヒンジアーム30の頂壁部30B における押し上げ面38の前部下方に略車両上 方向を軸方向として配置されている。アク ュエータ18には図示しないブラケットが一 的に設けられており、ブラケットがカウル ップサイド22の側面部22Bにボルトで固定され ている。また、アクチュエータ18のハウジン 52の内部には、ガス発生剤で構成されたガ 発生手段及びガス発生剤を燃焼させてガス 発生させる点火装置が配設されている。な 、ガス発生剤を使ったタイプの他に、ハウ ング52内に高圧ガスが封入されて点火装置が 作動することにより高圧ガスを隔成している 隔壁を破断させるタイプを利用することも可 能である。

 また、上記アクチュエータ18を作動させ 点火装置は、コンソールボックスの下方等 配設された図示しないECU(制御手段)と接続さ れている。ECUは、フロントバンパ等に配設さ れて歩行者等の衝突体との衝突を検知又は予 知する衝突検知センサ(衝突検知手段)と接続 れている。

 <ロッド20の構成>

 ロッド20は、アクチュエータ18のハウジン グ52内に同軸上に収容されている。ロッド20 真直棒状の部材とされており、その下端部 はハウジング52内に緊密に収容されたピスト ン(図示省略)が設けられている。ハウジング5 2内で発生したガスは、このピストンの推進 として作用するようになっている。また、 ッド20の上端部には、ロッド20よりも大径と れた押圧部54が取り付けられている。押圧 54は、頂壁部30Bの押し上げ面38の前端部近傍 位と上下に対向して配置されている。より 確には、図2に示されるように、押圧部54は 押し上げ面38のフード幅方向外側に配置さ ている。換言すれば、押圧部54は、車両平面 視で前後一対のヒンジボルト44に対してフー 幅方向にずれた位置(オーバーラップしない 位置)に配置されており、かつ前後一対のヒ ジボルト44の間(フード前方側のヒンジボル 44の近傍)に配置されている。なお、このよ な位置関係になるのは、周辺部品との関係 車両搭載スペースが限られる等の理由によ 。

 <ヒンジアーム30とロッド20との関係>

 上述したヒンジアーム30の前部30A2、30B2と 中間部30A3、30B3との接続部位には、曲げ部60 形成されている。図6に示されるように、ヒ ジアーム30の押し上げ面38におけるロッド20 先端部の押圧部54が当接する位置から曲げ 60までの長さをaとし、ロッド20の長さ(押圧 54を含んだ長さ)をbとすると、a<bの関係が り立つようにaとbの寸法が設定されている

 (本実施形態の作用並びに効果)

 次に、本実施形態の作用並びに効果につ て説明する。

 図1に示されるように、車両用ポップアッ プフード装置10が非作動状態のときには、ア チュエータ18が非作動状態にあるため、ロ ド20はアクチュエータ18のハウジング52内に 容された状態(押圧部54の下面がアクチュエ タ18のハウジング52の上端部52Aに当接した状 )にある。また、図2に示されるように、ロ ド20の先端部の押圧部54は、ヒンジアーム30 頂壁部30Bにおける押し上げ面38の前端側の直 下に対向して配置されており、かつヒンジボ ルト44に対してフード幅方向にずれた位置に 置されている(図2参照)。

 この状態から、歩行者等の衝突体と前面 突すると、図示しない衝突検知手段によっ 衝突体と前面衝突したことが検知され、図 しないECUに衝突信号が出力される。ECUでは 入力された衝突信号に基づいて車両用ポッ アップフード装置10を作動させるべきか否 を判断し、車両用ポップアップフード装置10 を作動させるべきと判断すると、アクチュエ ータ18に作動信号が出力される。これにより アクチュエータ18内の図示しない点火装置 点火し、ガス発生剤を燃焼させて所定量の スをハウジング52内に発生させる。なお、ア クチュエータ18が高圧ガス封入タイプの場合 は、点火装置が作動することにより隔壁が 断等されることにより所定量のガスがハウ ング52内に発生する。また、プリクラッシ センサを搭載している場合には、前面衝突 予知された段階で上記の作動となる。

 上記の如くして発生したガスは、ハウジ グ52内に緊密に収容されたピストンに作用 、ピストンをハウジング52の軸方向先端側( ち、フード上方側)へ押圧する。ピストンに 、ロッド20の下端部が連結されているので ピストンがハウジング52内を上昇すると、ロ ッド20がフード上方側へ向けて軸方向移動す 。その結果、図4に示されるように、ロッド 20の先端部の押圧部54がヒンジアーム30の押し 上げ面38に当接し、ヒンジアーム30をヒンジ ン28回りに図4の時計方向(矢印B方向)へ回動 せることにより、フード12の後端側(後端膨 み部34A)がフード上方側へ押し上げられる。 のとき、ヒンジアーム30の側壁部30Aの前部30 A2側は切欠46の形成部位の剛性が他の部位に べて低くなっているため、切欠46を起点とし てヒンジアーム30が屈曲される。なお、ヒン アーム30の回動ストロークは、側壁部30Aの 端部に形成されたストッパ40がヒンジベース 26の規制部42に当接することによって規制さ るので、ヒンジアーム30は所定量以上は回動 しない。すなわち、フード12の後端側のポッ アップ量(リフトアップ量)は、予め決めら ている。

 図4に示されるフード12の押し上げ位置保 状態において、フード上方側から所定値以 の衝突荷重が、ロッド20によるフード12の押 し上げ位置付近に作用した場合、図5に示さ るように、ロッド20の先端部の押圧部54がヒ ジアーム30の押し上げ面38に沿って車両後方 側へ摺動される。そして、ロッド20の押圧部5 4がヒンジアーム30の押し上げ面38上を車両後 側へ摺動するのに伴ってロッド20が根元か 曲げ変形(塑性変形)される。このときのロッ ド20の曲げ変形により、衝突エネルギーが吸 されて、衝突体への入力荷重(反力)が低減 れる。なお、押し上げ面38上をロッド20の押 部54が摺動していく際に、ヒンジアーム30の 側壁部30Aは切欠46が開く方向へ変形される。

 ここで、押圧部54がヒンジアーム30の曲げ 部60まで摺動すると、押圧部54の角が曲げ部60 に引っ掛かる(摺動抵抗が急激に増加してブ ーキがかかる)。この状態から更にフード12 下降すると、図6に示されるように、押圧部5 4が曲げ部60を越えて、押し上げ面38上を摺動 ていく。その後、ヒンジアーム30の下端部 ハウジング52の上端部52A又はロッド20の根元 折れ曲がり部に底付きする。つまり、ロッ 20の先端部の押圧部54がヒンジアーム30の押 上げ面38に当接した時点からヒンジアーム30 の下端部がハウジング52の上端部52A又はロッ 20の根元の折れ曲がり部に当接して底付き た時点までの途中の段階で、ロッド20の軸線 と押し上げ面38とのなす角度θ(図4及び図8参 )の変化が増加から減少に一旦転じ、これに り摺動抵抗が増加して中間荷重が立ち上が 。なお、単に「ロッド20の軸線と押し上げ 38とのなす角度」というとロッド20の軸線に して車両後方側の角度と車両前方側の角度 二つがあるが、ここでいう「ロッド20の軸 と押し上げ面38とのなす角度θ」は、前者の の角度のことを指しており、鈍角の方であ 。

 このことを図7に示されるグラフを用いて 説明すると、図7に示される荷重-変位特性に いて、フード12の押し上げ位置保持状態に いて上方側からフード押し上げ位置付近に 定値以上の衝突荷重が作用すると、ロッド20 が曲げ変形を開始するまでは荷重(反力)が立 上がり、曲げ変形する直前にピーク荷重(P1) を迎える。ロッド20が曲がり始めると、荷重 急激に減少していき、仮に本構造が適用さ ていない場合には破線グラフのようになっ 、エネルギー吸収の終期に底付き荷重が立 上がり、再度ピーク荷重(P2)を迎えて終了す る。なお、グラフは破線グラフ及び実線グラ フのいずれも誇張して描いている。

 これに対し、本構造が適用された場合に 、P1~P2までの間にロッド20が曲げ部60に干渉 るので、再び荷重(反力)が立ち上がり、中 ピーク荷重(P3)が発生する。よって、仮にエ ルギー吸収の総量(グラフと横軸で囲まれた 面積)が同じだとすると、衝突終期のピーク 重をP2からP4に下げることができ、変形スト ークもδだけ短くなる。その結果、衝突体 の衝突時にアクチュエータ18の作動によりロ ッド20を伸長させてフード12を押し上げる構 において、フード押し上げ位置付近に所定 以上の衝突荷重が入力された場合に効率良 衝突エネルギーを吸収することができる。

 上記作用及び効果を「ロッド20の軸線と し上げ面38とのなす角度θ」との関係で更に 足説明すると、図8Aに示されるロッド20の状 態が、衝突初期のピーク荷重が立ち上がった (発生した)ときの状態である。図7のグラフで は、点P1に相当する。今仮に、このときのロ ド20の軸線と押し上げ面38とのなす角度をθ1 (>90°)とする。この状態からフード12が下降 し始めてロッド20が曲げ変形していくと、急 に摺動抵抗が減少していくが、丁度図7のグ ラフにおける点P1と点P3との間の谷部(点P5付 )の状態を現したのが、図8Bである。この状 下では、ロッド20の軸線と押し上げ面38との す角度θ2は、θ1よりも増加している(θ2>θ 1)。そして、押圧部54が曲げ部60に到ると、図 8Cに示される状態となる。すなわち、ロッド2 0の軸線と押し上げ面38(曲げ部60の曲率半径の 中心と、押圧部54が押し上げ面38と接する位 とを結んだ線分に対する接線S)とのなす角度 θ3は、押圧部54が曲げ部60に到達する直前の 度θ2よりも小さくなり、角度θの変化が増加 から一旦減少に転じる(θ2>θ3)。このときに 、押圧部54に作用する摺動抵抗が急激に増加 ることで、図7に示される中間ピーク荷重P3 発生させることが可能となる。

 また、本実施形態では、ロッド20のハウ ング52の上端部52Aからの突出長さbを、フー ヒンジ16のヒンジアーム30におけるロッド20 よる押し上げ位置から曲げ部60までの長さa りも大きく設定したので、ロッド20の先端部 の押圧部54がヒンジアーム30の曲げ部60に当接 したときに、反力(中間荷重)を立ち上げるこ ができ、エネルギー吸収効率が低下するの 効果的に抑制することができる。

 〔上記実施形態の補足説明〕

 (1) 上述した実施形態では、フードヒン 16をカウルトップサイドに固定したが、これ に限らず、フードヒンジをエプロンアッパメ ンバ等の車体側構成部材に固定するようにし てもよい。

 (2) 上述した実施形態では、フード12の後 端側をロッド20が押し上げる構成を採ったが これに限らず、フード後部側をロッドが押 上げる構成であればよい。すなわち、本発 における「フード後部側」とは、フードの 後方向中間部よりも車両後方側に位置する 分を指している。好ましくは、フード後端 らフード全長の1/3程度までの部分をロッド 押し上げるとよい。なお、フードの前後方 中間部を除いているのは、フードの前後方 中間部にはフードの折れビードが設定され いることがあり、この部分をフード上方側 押し上げると、フードが折れ変形し、フー 後端側が上がらないためである。

 (3) 用語について以下に補足説明する。

 まず、本発明における「曲げ部」につい であるが、実施形態中の曲げ部60は図1に示 れる通常時(アクチュエータ18の非作動状態) におけるヒンジアーム30を側面視で見た場合 、前部から中間部にかけて湾曲した接続部 を指しており、本発明における「曲げ部」 その意味で使っている。因みに、図4に示さ れるフード押し上げ位置保持状態では、後側 のヒンジボルト44のボルト頭部44Aの若干フー 後方側の位置(後端膨らみ部34Aの底部後端) ヒンジアーム30が曲げ変形して(屈曲して)い が、このときに生じた曲げ変形はフード12 下降する際に概ね元の状態に戻されるため この屈曲部位は本発明における「曲げ部」 はない。すなわち、本発明における「曲げ 」は、車両用ポップアップフード装置の非 動状態におけるヒンジアームの曲げ部を意 する。

 次に、本発明における「底付き」につい であるが、上記実施形態ではヒンジアーム3 0の下端部がハウジング52の上端部52A又は曲げ 変形したロッド20の根元の折れ曲がり部に底 く例について説明したが、これに限らず、 ウルトップサイド22や図9に示されるように カウルトップサイド22の上面部22Aよりも下 に位置するカウル70に底付く態様やFF車等で エプロンアッパメンバに底付く態様なども まれる。

 (4) 上述した実施形態では、ヒンジアー 30が側面視で略Z字状に形成されていたが、 略Z字状」とはフード12への取付部とヒンジ ース26への連結部とを有し、両者を車両前後 方向に対して斜めに傾斜して連結する形状で あればよく、見方によっては略L字状、略S字 に見えるものも含まれる。