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Patent Searching and Data


Title:
POROUS CARRIER HAVING FORMYL GROUP, ABSORBENT USING THE POROUS CARRIER, METHOD FOR PRODUCTION OF THE POROUS CARRIER, AND METHOD FOR PRODUCTION OF THE ABSORBENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/146906
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are: a porous carrier having a formyl group, which has a structure represented by the general formula (2) as a spacer, wherein the structure is produced by cleaving a group represented by the general formula (1); a method for producing the porous carrier; and an absorbent comprising the carrier and a ligand bound to the carrier. It becomes possible to provide: a carrier for an absorbent, which has high strength and shows less leakage of a ligand; and the absorbent. (1) wherein R1 represents an atomic group which, together with a group -CH(OH)-CH(OH)-, can form a 5- or 6-membered ring.

Inventors:
KAWAI YOSHIKAZU (JP)
KAWAHARA NAOMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059986
Publication Date:
December 04, 2008
Filing Date:
May 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KANEKA CORP (JP)
KAWAI YOSHIKAZU (JP)
KAWAHARA NAOMI (JP)
International Classes:
B01J20/24; A61M1/18; C07K1/22; C07K17/02; G01N30/88
Domestic Patent References:
WO2006004067A12006-01-12
Foreign References:
JPS62155300A1987-07-10
JPH06281638A1994-10-07
JP2000508361A2000-07-04
JPH01217041A1989-08-30
US5151350A1992-09-29
Other References:
SANDERSON C.J.: "A Simple Method for Coupling Proteins to Insoluble Polysaccharides", IMMUNOLOGY, vol. 20, 1971, pages 1061 - 1065, XP008131449
See also references of EP 2165758A4
"Annals of the New York Academy of Sciences", vol. 1051, 2005, pages: 635 - 646
AMERICAN HEART JOURNAL, vol. 152, no. 4, 2006
KASAI KENICHI ET AL.: "Affinity Chromatography", 1991, TOKYO KAGAKU DOZIN CO., LTD.
IMMUNOLOGY, vol. 20, 1971, pages 1061
GREG T. HERMANSON ET AL., IMMOBILIZED AFFINITY LIGAND TECHNIQUES, 1992
"Protective Group in Organic Synthesis", JOHN WILEY & SONS, INC.
STEINDL F. ET AL., JOURNAL OF IMMUNOLOGICAL METHODS, vol. 235, 2000, pages 61 - 69
Attorney, Agent or Firm:
KANEKA CORPORATION (Kita-kuOsaka-sh, Osaka 88, JP)
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Claims:
ホルミル基を有する多孔質担体であって、スペーサーに、下記一般式(1):
(式中、R 1 は-CH(OH)-CH(OH)-と一緒になって5員環または6員環構造をなす原子団を表す)で表される基から誘導し得る下記一般式(2):
(式中、R 1 は前記と同じ)で表される部位を有することを特徴とするホルミル基含有多孔質担体。
前記式(1)において、R 1 と-CH(OH)-CH(OH)-とで形成される5員環構造または6員環構造が、糖または糖類似物である請求項1記載のホルミル基含有多孔質担体。
前記式(1)のR 1 と-CH(OH)-CH(OH)-とで形成される5員環または6員環において、水酸基と結合している炭素原子が連続して存在している部分を有し、該連続する炭素原子数が最大2である請求項1または2記載のホルミル基含有多孔質担体。
前記R 1 が少なくとも1つのチオール基またはアミノ基を含有する原子団である、請求項1~3のいずれか一項に記載のホルミル基含有多孔質担体。
糖または糖類似物がグルコサミンである請求項2記載のホルミル基含有多孔質担体。
ホルミル基の導入量が担体1mL当り、1μmol以上200μmol以下であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のホルミル基含有多孔質担体。
多孔質担体が架橋されたことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のホルミル基含有多孔質担体。
多孔質担体が多糖を含有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のホルミル基含有多孔質担体。
多糖がセルロースおよび/またはセルロース誘導体であることを特徴とする、請求項8に記載のホルミル基含有多孔質担体。
請求項1記載のホルミル基含有多孔質担体の製造方法であって、下記一般式(1):
(式中、R 1 は-CH(OH)-CH(OH)-と一緒になって5員環または6員環構造をなす原子団を表す)で表される基を有するスペーサーが導入された多孔質担体を前駆体として、当該5員環または6員環を開裂させることによって下記一般式(2):
(式中、R 1 は前記と同じ)で表される基を生成させることを特徴とする製造方法。
前記式(1)で表される基が、担体1mL当り5μmol以上である
多孔質担体を前駆体とする請求項10記載の製造方法。
過ヨウ素酸塩を作用させることにより、前記式(1)で表される基を前記式(2)で表される基に変換する請求項10または11記載の製造方法。
下記一般式(5):
(式中、R 2 は水素原子又は水酸基の保護基を示す)で表される部位を有するホルミル基含有多孔質担体であって、該多孔質担体にリガンドを固定化した吸着体のリガンドのリーク量が100ppm以下であることを特徴とする、ホルミル基含有多孔質担体。
担体の材質がセルロース及び/またはセルロース誘導体であることを特徴とする請求項13に記載のホルミル基含有多孔質担体。
ホルミル基導入量が担体1mLあたり1μmol以上200μmol以下であることを特徴とする、請求項13または14記載のホルミル基含有多孔質担体。
樹脂含量が3%以上50%以下であることを特徴とする、請求項13~15のいずれか一項に記載のホルミル基含有多孔質担体。
5%圧縮時の圧縮応力が0.006MPa以上1MPa以下、10%圧縮時の圧縮応力が0.015MPa以上3MPa以下、及び15%圧縮時の応力が0.03MPa以上5MPa以下であることを特徴とする、請求項13~16のいずれか一項に記載のホルミル基含有多孔質担体。
請求項13記載のホルミル基含有多孔質担体の製造方法であって、セルロース担体に過ヨウ素酸塩を作用させピラノース環を酸化開裂しホルミル基を導入することを特徴とする製造方法。
請求項1または13に記載のホルミル基含有多孔質担体にアフィニティーリガンドを結合させた吸着体。
アフィニティーリガンドの導入量が担体1mL当り、1mg以上1000mg以下であることを特徴とする、請求項19記載の吸着体。
請求項1記載のホルミル基含有多孔質担体とアミノ基を有するアフィニティーリガンドを結合させて得られ、結合部位に下記一般式(3)または(4):
(式中、R 1 はN原子ともに6員環または7員環構造をなす原子団であって、前記式(1)におけるR 1 に対応する)で表される構造を有する、請求項19または20記載の吸着体。
アフィニティーリガンドとしてプロテインAが導入されたことを特徴とする、請求項19~21のいずれか一項に記載の吸着体
吸着体から目的物中にリークしたリガンドの濃度が、100ppm以下であることを特徴とする、請求項19~22のいずれか一項に記載の吸着体。
精製目的物の吸着量が吸着体1mLあたり1mg以上であることを特徴とする、請求項19~23のいずれか一項に記載の吸着体。
請求項19記載の吸着体の製造方法であって、請求項1または13に記載のホルミル基含有多孔質担体にアフィニティーリガンドを結合させることを特徴とする製造方法。
請求項22記載の吸着体を使用することを特徴とする、免疫グロブリンの精製方法。
Description:
ホルミル基含有多孔質担体、そ を用いた吸着体、およびそれらの製造方法

 本発明は各種吸着体、特に治療用(医療用 )吸着体や抗体医薬品精製用吸着体に関する

 多孔質担体は各種吸着体として、例えば 種クロマトグラフィー用吸着体やアフィニ ィー吸着体として広く用いられている。な でも、アフィニティー吸着体は、効率よく 的物を精製、または不要物濃度を低減でき ことから、医療用吸着体や抗体医薬品精製 吸着体として利用されてきている。特に、 ウマチ、血友病、拡張型心筋症の治療用(医 療用)吸着体として、プロテインAをアフィニ ィーリガンドとして多孔質担体に固定化し 吸着体が注目されている(例えば非特許文献 1、非特許文献2)。

 一方、免疫グロブリン(IgG)を特異的に吸 、溶出できる吸着体として、プロテインAを フィニティーリガンドとして多孔質担体に 定化した吸着体(抗体医薬品精製用吸着体) 注目されている。プロテインAをはじめとす 、種々のアフィニティーリガンドを多孔質 体に固定化する方法としては、例えば非特 文献3の表8・1や図8・15に示される臭化シア 法、トリクロロトリアジン法、エポキシ法 トレシルクロリド法等の、様々な固定化法 中から選択することができる。中でも、安 性の観点や、固定化反応の容易さ、比較的 易な方法で産生されたタンパク質やペプチ が使用できる等の理由から、多孔質担体の ルミル基と、アフィニティーリガンドのア ノ基との反応を固定化に用いることが、産 上好ましい。

 ホルミル基を多孔質担体に導入する方法 しては、ビシナルの水酸基を持つ多糖ゲル 過ヨウ素酸酸化法によって酸化し、糖鎖上 ホルミル基を生成させる方法(以下糖鎖開裂 型と略す)が挙げられる(例えば非特許文献4参 照)。この方法を介して得られた吸着体は、 ガンドの漏れ(リーク)が少ないという利点が ある。また、非特許文献3の図8・15に示され ような、グルタルアルデヒドを作用させる 法や、非特許文献3の図8・15または非特許文 5の図2.13に示されるような、エポキシ基の 環により得られるグリセリル基に過ヨウ素 塩を作用させる方法等により得られる、各 スペーサーを介してホルミル基を導入する 法(以下、スペーサー型と略す)が挙げられる 。このスペーサー型ホルミル基含有多孔質担 体を用いた吸着体は、比較的、目的物の吸着 量が大きい傾向にある。

 また、治療用(医療用)吸着体の分野におい は、直接血液灌流法(DHP)での使用が望まれて おり、担体およびそれを用いた吸着体はDHPで の使用に耐えうる強度を有していることが望 まれている。一方、抗体医薬品市場は近年大 きく成長しており、これに伴って、抗体医薬 品精製の大スケール化及び高線速化が積極的 に行われている。精製の大スケール化及び高 線速化に伴って、精製に用いられる吸着体、 つまりは多孔質担体の強度を大きくする必要 が生じる場合がある。強度が小さい多孔質担 体では、大スケール且つ高線速下で使用する と、多孔質担体の圧密化が起こり、液が流れ なくなってしまう等の問題が起こる場合があ る。従来、強度の大きい多孔質担体としては 、例えば特許文献1に示されるようなシリカ ル系多孔質担体、例えば特許文献2に示され ようなアガロース系架橋多孔質担体、例え 特許文献3に示されるようなセルロース系多 孔質担体およびセルロース系架橋多孔質担体 等が知られている。

特開平6-281638

特表2000-508361

特開平1-217041 Annals of the New York Academy of Sciences, 20 05, Vol.1051, P635-646 American Heart Journal, Vol.152, Number 4, 2006 アフィニティークロマトグラフィー、笠 井献一ら著、東京化学同人、1991年 Immunology, 20, 1061, 1971年 Immobilized Affinity Ligand Techniques, Greg T.  Hermanson et al., 1992

 一般的に、先に述べた糖鎖開裂型ホルミ 基含有多孔質担体では、強い酸化反応によ 糖鎖が開裂し、多孔質担体の強度が弱くな 、高線速下での使用が困難な場合がある。 かも目的物である抗体の吸着量が比較的小 い傾向にあり、抗体精製を高速で行うこと 容易ではない。一方、スペーサー型ホルミ 基含有多孔質担体は、ホルミル基導入量が ないと、治療中や、目的物の精製中に、ア ィニティーリガンドが漏れ出て、患者の血 や精製品に混入してしまう場合があり、安 性や純度の観点から好ましくない。

 また、強度が大きい多孔質担体とされて るシリカゲル系多孔質担体は、精製目的物 吸着量が小さい傾向があり、またアルカリ 件で使用が困難な場合が多い。アガロース 架橋多孔質担体は架橋方法が煩雑である場 が多く、また高価である場合が多い。セル ース系多孔質担体、およびセルロース系架 多孔質担体は、ガラス系多孔質担体やアガ ース系架橋多孔質担体のような短所は少な ものの、最近の抗体医薬品精製で主流とな つつあるスケール及び線速においては、圧 化が生じる場合がある。

 そこで、本発明は従来の技術が有する上 課題に鑑みてなされたものであり、治療や 製の安全性を高め、高速化を実現でき、さ には精製品の純度を高くしうる、高強度な ルミル基含有多孔質担体、およびそれを用 た吸着体、およびそれらの製造方法、およ それらを用いた精製方法を低コストで提供 ることを目的とする。

 上記課題を解決するために本発明者らは 意研究の結果、本発明を完成するに至った

 即ち本発明は、ホルミル基を有する多孔 担体であって、スペーサーに、下記一般式( 1):

(式中、R 1 は-CH(OH)-CH(OH)-と一緒になって5員環または6員 構造をなす原子団を表す)で表される基から 誘導し得る下記一般式(2):

(式中、R 1 は前記と同じ)で表される部位を有すること 特徴とするホルミル基含有多孔質担体であ 。

 また本発明は、前記ホルミル基含有多孔 担体の製造方法であって、前記式(1)で表さ る基を有するスペーサーが導入された多孔 担体を前駆体として、当該5員環または6員 を開裂させることによって前記式(2)で表さ る基を生成させることを特徴とする製造方 である。

 また本発明は、下記一般式(5):

(式中、R 2 は水素原子又は水酸基の保護基を示す)で表 れる部位を有するホルミル基含有多孔質担 であって、該多孔質担体にリガンドを固定 した吸着体のリガンドのリーク量が100ppm以 であることを特徴とする、ホルミル基含有 孔質担体である。

 また、本発明は、上記ホルミル基含有多 質担体の製造方法であって、セルロース担 に過ヨウ素酸塩を作用させピラノース環を 化開裂しホルミル基を導入することを特徴 する製造方法である。

 また本発明は、上記のいずれかのホルミ 基含有多孔質担体にアフィニティーリガン を結合させた吸着体である。

 更に本発明は、当該吸着体を用いる精製 法であり、好ましい態様としては、プロテ ンAをアフィニティーリガンドとした吸着体 を用いる免疫グロブリンの精製方法である。

 本発明によれば、高強度のホルミル基含 多孔質担体が提供される。本発明のホルミ 基含有多孔質担体は、吸着体に好適に用い ことができ、目的物の吸着量が大きく、リ ンドの漏れが少ない吸着体が得られる。ま 、本発明の吸着体によれば、治療や精製の 全性を高めることができ、治療や精製の高 化、高純度化をも提供することができる。

 本発明者らは、アフィニティーリガンド 有する吸着体の調製に際して、下記一般式( 1)で表される基から誘導される下記一般式(2) 表される部位を有するスペーサーが導入さ たホルミル基含有多孔質担体を用いること よって、リガンドのリーク量が少なく、且 目的物の吸着量が大きい吸着体が得られる とを見出した。

式中、R 1 は、-CH(OH)-CH(OH)-と一緒になって5員環または6 環構造をなす原子団を表す。

R 1 は前記式(1)中のR 1 に対応する。

 また本発明のホルミル基含有多孔質担体 、アミノ基を含有するリガンドを固定化し 場合に、前記ホルミル基と、リガンドのア ノ基が、一般式(3)または一般式(4)で表すこ ができる構造を形成しうることが、リガン のリーク量がより少なくなるため好ましい

前記式(3)及び(4)において、N原子ともに6員環 たは7員環構造をなす原子団であって、前記 式(1)におけるR 1 に対応する。

 ここで、各一般式中のR 1 には特に限定は無く、R 1 に含まれる原子種、原子の数、長さ、分岐数 等に限定は無く、環状となっている部分や2 結合、および/または3重結合が存在していて も良い。また、元素記号を記していない部分 については、原子種、置換基の有無、結合数 、2重結合および/または3重結合の有無等に限 定は無く、2種以上の元素が含まれていても い。また、各一般式中のいずれかの場所が 多孔質担体と結合、または他の化合物を介 て多孔質担体に結合されているものとする

 本発明のホルミル基含有多孔質担体は、 孔質担体に一般式(1)で表される構造を有す スペーサーが導入された多孔質担体を前駆 とし、該前駆体担体を過ヨウ素酸酸化法等 よって処理して、スペーサー構造を一般式( 2)で表される構造に変換することによって得 ことができる。

 前駆体調製に際してスペーサーとして導 される化合物は、前記一般式(1)で表される5 員環乃至6員環構造の構造を有する化合物で れば、特に限定なく用いることができる。 のような環構造としては、シクロペンタン シクロヘキサン等に代表される炭素のみで 成される5員環乃至6員環や、フラノースある いはピラノース等に代表される、糖または糖 類似物が挙げられるが、入手が容易である等 の理由から、糖または糖類似物であることが 好ましい。さらに、一般式(3)または一般式(4) の構造が得られやすいため、糖が還元糖であ ることがより好ましい。

 また、前記一般式(1)で表される環構造を する化合物としては、ホルミル基の導入方 として過ヨウ素酸酸化法等を用いる場合に いて、水酸基と結合している炭素原子が連 して存在している部分を有し、且つ連続す 該炭素原子数が最大2であることが好ましい 。これは、前記一般式(2)で表される構造の含 有率が大きくなりやすく、アミノ基を含有す るリガンドを固定化した場合に、一般式(3)ま たは一般式(4)で表される構造を形成しやすく なるためである。

 水酸基と結合している炭素原子が、3つ以 上連続して存在している部分を有している糖 または糖類似物であっても、該連続する炭素 原子数が2である部分を他に有していれば、 記一般式(2)で表される構造の含有率が大き なりやすく、アミノ基を含有するリガンド 固定化した場合に、一般式(3)または一般式(4 )で表される構造を形成しやすくなるため好 しい。

 なお、前記一般式(1)で表される環構造を する化合物としてグルコースを用いると、 ヨウ素酸酸化法によってホルミル基を導入 た場合、グルコースは水酸基と結合してい 炭素原子が3つ以上連続して存在している部 分を有し、且つ該連続する炭素原子数が2で る部分を他に有していないため、理論的に 直鎖状のスペーサーが得られ、一般式(2)と 異なった構造となる確率が大きいと考えら る。ただし、多孔質担体への導入条件やホ ミル基の導入条件によっては一般式(2)の構 を取る場合もあるので、グルコースの使用 否定するものではない。

 多孔質担体に糖または糖類似物を導入す 方法として、多孔質担体が有している官能 と、糖または糖類似物が有している官能基 の反応を利用することが好ましい。多孔質 体の官能基、糖または糖類似物の官能基に いては、それぞれ特に限定は無く、互いに 応しあう組み合わせを用いることが好まし 、間に他の化合物を介していることも好ま い。

 エポキシ基および/またはホルミル基を導 入した多孔質担体を中間体として利用する場 合は、該糖または該糖類似物はエポキシ基お よび/またはホルミル基と反応しうる官能基 有していることが好ましい。

 エポキシ基と反応する官能基としては、 ポキシ基と反応するものであれば特に限定 無いが、一般的には水酸基、チオール基、 ミノ基が挙げられる。エポキシ基を導入し 多孔質担体を中間体として用いる場合は、 糖または該糖類似物はこれら官能基を少な とも1種以上含有することが好ましい。より 好ましい官能基は、後工程であるスペーサー のホルミル化に影響を与え難いことから、チ オール基、アミノ基であり、入手の容易さか らアミノ基であることが特に好ましい。

 ホルミル基と反応する官能基としては、 ルミル基と反応するものであれば特に限定 無いが、一般的にはアミノ基が挙げられ、 ルミル基を導入した多孔質担体を中間体と て用いる場合は、該糖または該糖類似物は ミノ基を含有することが好ましい。

 すなわち、多孔質担体に導入される糖ま は糖類似物は、チオール基および/またはア ミノ基を少なくとも1種以上含有することが より好ましい。

 アミノ基含有糖(アミノ糖)としては、特 限定は無いが、グルコサミン、ガラクトサ ン、アンノサミン、ラクトサミン、フコサ ン、マンノサミン、メグルミン、アロサミ 、アルトロサミン、リボサミン、アラビノ ミン、グロサミン、イドサミン、タロサミ 、キシロサミン、リキソサミン、ソルボサ ン、タガトサミン、サイコサミン、フルク サミン、イミノシクリトール、ムコ多糖類 糖タンパク類、ヒアルロン酸、ヘパリン、 ンドロイチン、コンドロイチン4-硫酸、デル マタン硫酸、およびこれらのD体、L体、ラセ 体、これらを構成成分として含む多糖,ポリ マー、糖脂質等の一種以上から選択されたも の、あるいはこれらの塩酸塩等の塩、等を挙 げることができる。

 なかでも、グルコサミン及びその誘導体 より好ましい。これは、上記一般式(2)で表 ことができる構造が比較的効率良く得られ すく、アミノ基を含有するリガンドを固定 した場合に、一般式(3)または一般式(4)で表 ことができる構造を形成しやすくなるため あり、また容易に入手できるためである。 ルコサミンはD体、L体のいずれであっても いが、D体であることがより好ましい。

 また本発明に使用できるグルコサミンの 造方法は、特に限定は無いが、グルコース を化学修飾することにより得られるものが ましく、甲殻類等の甲羅、キチン、キトサ 等の由来物であることがより好ましく、ま 植物性化合物等から得られうるグルコサミ 、例えば、協和発酵社製のいわゆる発酵グ コサミンとして知られているもの等である とが特に好ましい。また本発明に使用でき グルコサミンは塩酸塩等の塩であることも 溶解性の観点から好ましい。

 また、多孔質担体に導入される糖または 類似物の導入量は、多孔質担体1mLあたり、1 μmol以上500μmol以下であることが好ましい。 または糖類似物の導入量が多孔質担体1mLあ り、1μmol以上であれば、吸着体として使用 た場合に、目的物の吸着量が大きくなるた 好ましく、500μmol以下であれば、本発明の多 孔質担体の製造コストを抑制できるため好ま しい。

 糖または糖類似物のより好ましい導入量 多孔質担体1mLあたり、3μmol以上250μmol以下 さらに好ましくは6μmol以上125μmol以下、特に 好ましくは10μmol以上70μmol以下、最も好まし は10μmol以上30μmol以下である。糖または糖 似物の導入量は、導入反応終了後の反応溶 中の糖または糖類似物の減少量を測定する 法、反応後の多孔質担体への滴定法(非水滴 等)や、元素分析法等によって、求めること ができる。

 多孔質担体に糖または糖類似物を導入す 際、該糖または該糖類似物の使用量に特に 定は無いが、より適切な導入量を得るため 多孔質担体の当該官能基含量の0.01倍モル以 上であることが好ましく、廃液処理や効率の 観点からは、100倍モル以下であることが好ま しい。より好ましくは0.1倍モル以上10倍モル 下、さらに好ましくは0.5倍モル以上5倍モル 以下、特に好ましくは1倍モル以上2.5倍モル 下である。

 糖または糖類似物を多孔質担体に導入す 際の溶媒については特に限定は無いが、水 ヘプタン、ジメチルスルホキシド、ジメチ ホルムアミド、ジオキソラン等の汎用有機 媒や、エタノール、メタノール、プロパノ ル等のアルコールや、これらの2種以上の混 合溶媒を用いることができる。

 また、導入反応のpHについては特に限定 無いが、反応効率の観点から、pH3以上で反 させることが好ましく、官能基の失活や多 質担体へのダメージが少ないという理由か pH13以下であることが好ましい。より好まし はpH4以上12以下、さらに好ましくはpH6以上11 以下、特に好ましくはpH7以上10以下、最も好 しくはpH8以上10以下である。

 また、糖または糖類似物を導入する際の 度については特に限定は無いが、反応速度 に有利であるという理由から0℃以上である ことが好ましく、安全性や担体へのダメージ の観点から100℃以下であることが好ましく、 官能基が失活し難いという理由から70℃以下 あることがより好ましい。より好ましくは4 ℃以上60℃以下、さらに好ましくは10℃以上50 ℃以下、特に好ましくは15℃以上40℃以下、 も好ましくは25℃以上40℃以下である。

 また導入反応は攪拌または振とうしなが 行うことが好ましく、その1分間当りの回転 数または回数は、特に限定は無いが、均一攪 拌が可能で、且つ担体に物理的なダメージが 加わらないという理由から、1回以上1000回以 であることが好ましく、より好ましくは10 以上500回以下、さらに好ましくは30回以上300 回以下、特に好ましくは50回以上200回以下、 も好ましくは75回以上150回以下であるが、 原料の比重の差や担体の強度に合わせて調 することが特に好ましい。

 糖または糖類似物を多孔質担体に導入す 反応時間については、特に限定は無いが、 能基の失活や担体へのダメージが少ないと う理由から、0.2時間以上100時間以下、より ましくは0.5時間以上50時間以下、さらに好 しくは1時間以上24時間以下、特に好ましく 2時間以上20時間以下、最も好ましくは3時間 上12時間以下であるが、反応性や、pHや、反 応温度に合わせて調整することが好ましい。

 多孔質担体に、糖または糖類似物を導入 る方法は、特に限定は無いが、エポキシ基 導入した多孔質担体を中間体として利用す ことが好ましい。これは中間体である多孔 担体のエポキシ基と、糖または糖類似物を 応させる方法が、簡便で反応効率が良いた 好ましいためと考えている。

 多孔質担体にエポキシ基を導入する方法 しては、特に限定は無いが、公知の技術を いて行うことができる。

 例えば、エピクロロヒドリン、エピブロ ヒドリン、ジクロロヒドリン等のハロヒド ンや、レソルシノールジグリシジルエーテ 、ネオペンチルグリコールジグリシジルエ テル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエ ーテル、ヒドロゲナートビスフェノールAジ リシジルエーテル、グリセロールジグリシ ルエーテル、トリメチロールプロパンジグ シジルエーテル、ジグリシジルテレフタレ ト、ジグリシジルオルトフタレート、エチ ングリコールジグリシジルエーテル、ジエ レングリコールジグリシジルエーテル、プ ピレングリコールジグリシジルエーテル等 2官能以上のエポキシ化合物等の少なくとも1 種を、多孔質担体に作用させてエポキシ基を 導入することができる。これらの2官能以上 エポキシ化合物を作用させると、多孔質担 が架橋されて強度が強くなる場合があり、 ましい。

 中でもコストや安全性の面から、エピク ロヒドリンを用いる事が好ましく、強度や 溶性の面から、グリセロールポリグリシジ エーテル、ジグリセロールポリグリシジル ーテル等のグリシジルエーテル系化合物を いる事がより好ましい。

 これらエポキシ化剤の使用量に特に限定 無いが、より適切なエポキシ基導入量を得 ため、担体の体積の0.01倍以上であることが 好ましく、および/または廃液処理や効率の 点から、多孔質担体の体積の10倍以下である ことが好ましく、より好ましくは0.05倍以上5 以下、さらに好ましくは0.1倍以上3倍以下、 特に好ましくは0.1倍以上1倍以下、最も好ま くは0.1倍以上0.5倍以下である。

 エポキシ化反応を行う際の溶媒について 特に限定は無いが、水、ヘプタン、ジメチ スルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジ キソラン等の汎用有機溶媒や、エタノール メタノール、プロパノール等のアルコール 、これらの2種以上の混合溶媒を用いること ができる。

 また、反応効率の観点から、アルカリ条 下で反応させることが好ましい。また、反 時間を短縮するため、ソディウムボロヒド ド等の還元剤を共存させることがより好ま い。

 エポキシ化反応時の温度については特に 題は無いが、反応速度的に有利であるとい 理由から0℃以上であることが好ましく、お よび/または安全性や担体へのダメージの観 から100℃以下であることが好ましく、エポ シ基が失活し難いという理由から70℃以下で あることがより好ましく、さらに好ましくは 4℃以上60℃以下、特に好ましくは25℃以上50 以下、最も好ましくは25℃以上40℃以下であ 。

 エポキシ基導入反応は攪拌または振とう ながら行うことが好ましく、その1分間当り の回転数または回数は特に限定は無いが、均 一攪拌が可能で、且つ担体に物理的なダメー ジが加わらないという理由から10回以上1000回 以下であることが好ましく、より好ましくは 30回以上500回以下、特に好ましくは50回以上30 0回以下、最も好ましくは75回以上150回以下で あるが、各原料の比重の差や多孔質担体の強 度に合わせて調整することが特に好ましい。

 エポキシ化反応時間については、特に限 は無いが、エポキシ基の失活や担体へのダ ージが少ないという理由から、ハロヒドリ を用いる場合は、1時間以上8時間以下、ビ エポキシド(ビスオキシラン)やポリエポキシ ド(ポリオキシラン)等の2官能以上のエポキシ 化合物を用いる場合は、2時間以上、15時間未 満であることが好ましく、エポキシ化剤の反 応性や、pHや、反応温度に合わせて調整する とがより好ましい。

 また本発明の多孔質担体の中間体のエポ シ含量は、多孔質担体1mLあたり2μmol以上150 mol以下であることが、好ましい。エポキシ 導入量が2μmol以上であると、糖または糖類 物を導入しやすいため好ましく、150μmol以下 であると、糖または糖類似物と多孔質担体と の多点結合や、抗体精製時の非特異吸着が抑 制できるため好ましい。また理由は定かでは ないが、エポキシ基導入量が150μmol以下であ と、吸着体として利用する際、吸着量が大 くなるため好ましい。また本発明の多孔質 体の中間体のより好ましいエポキシ含量は 多孔質担体1mLあたり5μmol以上100μmol以下、 に好ましくは7.5μmol以上50μmol以下、最も好 しくは15μmol以上35μmol以下である。

 本発明では、多孔質担体に導入された上 一般式(1)で表される構造を有する糖または 類似物を上記一般式(2)で表されるホルミル に変換する。このような方法としては、過 ウ素酸酸化法を挙げることができる。過ヨ 素酸ナトリウムや過ヨウ素酸カリウム等の ヨウ素酸塩を作用させて、ホルミル基を導 することが好ましい。この方法を用いれば アミノ基含有リガンドを固定化した場合に 一般式(3)または一般式(4)で示すことができ 構造を形成しうるホルミル基が得られやす ため好ましい。

 前述のエポキシ基を導入した多孔質担体 中間体として利用する場合や、後述するエ キシ基を官能基とする架橋剤を用いて多孔 担体を架橋する場合、グリセリル基、すな ちビシナルの水酸基が生じる傾向がある。 って、過ヨウ素酸酸化法を用いた場合、後 アミノ基を含有するリガンドを固定化する 、一般式(3)または一般式(4)で表すことがで る構造を形成し難いホルミル基が生じる場 がある。このような観点から、糖または糖 似物を多孔質担体に導入する前に、当該グ セリル基を封止、または分解等により処理 ることが好ましい。

 当該グリセリル基の処理方法としては特 限定は無いが、必要最小限のエピハロヒド ンや2官能以上のエポキシ化合物、架橋剤等 を作用させる方法や、ヨウ化メチル、ヨウ化 エチル、その他のヨウ化アルキル、ジブロモ プロパン、その他のジブロモアルカン等の、 ハロゲン化化合物を作用させてエーテル化や エステル化を行う方法等が挙げられる。

 また、糖または糖類似物を多孔質担体に 入する前に、予め過ヨウ素酸塩等を作用さ て、当該グリセリル基をホルミル基(すなわ ちモノホルミル基)に変化させる方法も好ま い。過ヨウ素酸塩を作用させてグリセリル をモノホルミル基とした場合は、このモノ ルミル基に直接、糖または糖類似物を導入 ることができるため、好ましい。

 また当該モノホルミル基が過剰に存在す 分に対して、モノエタノールアミンやグリ ン等のアミノ基を有する化合物を作用さて 止することも好ましい。また当該モノホル ル基に、水素化ホウ素ナトリウム等の還元 を作用させる等して、モノホルミル基を水 基に変化させる方法も好ましい。モノホル ル基を水酸基に変化させた場合は、当該水 基に必要最小限のエピハロヒドリンや2官能 以上のエポキシ化合物等を作用させて、エポ キシ基を導入した中間体を作成した後、糖ま たは糖類似物を導入する方法を採用すること が好ましい。

 また以上に述べた各種の方法を組み合わ るおよび/または繰り返すことも好ましい。 すなわち、これら過ヨウ素酸塩で予め当該グ リセリル基を処理することにより得られる、 ホルミル基を導入した多孔質担体を、中間体 として利用することが好ましい。

 中でも、当該グリセリル基の処理方法と ては、グリセリル基にハロゲン化アルコー や単官能エポキシ化合物を作用させること 特に好ましい。この方法を用いれば、多孔 担体の親水性が損なわれることが少なく、 たグリセリル基の処理後も水酸基が残存す ため、糖または糖類似物を導入できる活性 位が失われることが無く、また多孔質担体 基材にビシナルの水酸基が存在する場合に いても、多孔質担体の強度が低下すること 無いため、好ましい。

 すなわち、ハロゲン化アルコールおよび/ または単官能エポキシ化合物を作用させた多 孔質担体を、中間体として用いることが好ま しい。当該グリセリル基に作用させるハロゲ ン化アルコールとしては、特に限定は無いが 、例えば、クロロメタノール、ブロモメタノ ール、ヨードメタノール、2-ヨードエタノー 、2-クロロエタノール、2-ブロモエタノール 、2-クロロ-1-プロパノール、3-クロロ-1-プロ ノール、3-ブロモ-1-プロパノール、1,3-ジク ロ-2-プロパノール、1-クロロ-2-メチル-2-プロ パノール、2-クロロエタノール、3-クロロプ パノール、4-クロロブタノール、5-クロロペ タノール、6-クロロヘキサノール、9-クロロ ノナノール、トリフルオロエタノール、トリ クロロエタノール、2,2-ジクロロエタノール 1-クロロ-2-プロパノール、2,2-ジブロモエタ ール、2,2,2-トリブロモエタノール、2-フルオ ロエタノール、2-クロロシクロヘキサノール 2-クロロシクロペンタノール、o-,m-及びp-ク ロフェノール、ペンタフルオロプロパノー 、テトラフルオロプロパノール、ヘキサフ オロイソプロパノール、ヘプタフルオロブ ノール、ノナフルオロ-t-ブタノール、オク フルオロペンタノール、6-クロロ-1-ヘキサ ール、6-ブロモ-1-ヘキサノール、4-クロロ-1- タノール、3-クロロ-2,2-ジメチル-1-プロパノ ール、テトラフルオロプロパノール、テトラ フルオロブタノール、テトラフルオロペンタ ノール、テトラフルオロヘプタタノール、テ トラフルオロオクタノール、ペンタフルオロ プロパノール、ペンタフルオロブタノール、 ペンタフルオロペンタノール、ペンタフルオ ロヘプタタノール、ペンタフルオロオクタノ ール、ヘキサフルオロプロパノール、ヘキサ フルオロブタノール、ヘキサフルオロペンタ ノール、ヘキサフルオロヘプタタノール、ヘ キサフルオロオクタノール、ヘプタフルオロ プロパノール、ヘプタフルオロブタノール、 ヘプタフルオロペンタノール、ヘプタフルオ ロヘプタタノール、ヘプタフルオロオクタノ ール、テトラクロロエタノール、クロロヘプ タノール、2,2,2-トリクロロエタノール、トリ ブロモエタノール、1,3-ジクロロ-2-プロパノ ル、1,1,1-トリクロロ-2-プロパノール、ジ(ヨ ドヘキサメチレン)アミノイソプロパノール 、トリブロモ-t-ブチルアルコールアルキレン オキシド等を挙げることができ、2種以上を み合わせて用いてもよい。

 より好ましいハロゲン化アルコールは、 ウ化アルコールであり、中でもヨードメタ ール、2-ヨードエタノールが、多孔質担体 疎水性が大きくなり難いため特に好ましい

 また、当該グリセリル基に作用させる単 能エポキシ化合物としては、特に限定は無 が、例えば、エチレンオキシド、プロピレ オキシド、ブチレンオキシド、アミレンオ サイド、ヘキシレンオキサイド、テトヒド フラン、4-ビニルシクロヘキセンモノエポ サイド、ノルボルネンモノエポキサイド、 モネンモノエポキサイド、フェニルグリシ ルエーテル、モノエポキシ化4-ビニルシクロ ヘキセン、メチルグリシジルエーテル、エチ ルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエ ーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテ 、シクロヘキシルグリシジルエーテル、メ キシエチルグリシジルエーテル、p-tert-ブチ ルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエ ーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテ 、アリールグリシジルエーテル、1,2-ブチレ ンオキシド、1,3-ブタジエンモノオキサイド 1,2-ドデシレンオキサイド、1,2-エポキシデカ ン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオ キサイド、3-メタクリロイルオキシメチルシ ロヘキセンオキサイド、3-ビニルシクロヘ センオキサイド、4-ビニルシクロヘキセンオ キサイド、p-tert-ブチルフェニルグリシジル ーテル、ジブロモフェニルグリシジルエー ル等を挙げることができ、2種以上を組み合 せて用いてもよい。

 より好ましい単官能エポキシ化合物は、 ルキレンオキシドであり、中でもエチレン キシド、プロピレンオキシド、ブチレンオ シドが、多孔質担体の疎水性が大きくなり いため特に好ましく、安全性の面からブチ ンオキシドが最も好ましい。当該グリセリ 基にハロゲン化アルコールや単官能エポキ 化合物を作用させる反応の条件や詳細な製 方法については、特に限定は無いが、前述 エポキシ基導入反応と同様に行うことがで る。さらに、KIやBu4NI等のオニウム塩を触媒 として作用させると、反応性が向上するため 好ましい。

 多孔質担体は治療用(医療用)吸着体をは めとする各種クロマトグラフィー用吸着体 アフィニティー吸着体として広く用いられ いるが、特に抗体医薬品精製の分野におい は、抗体医薬品市場の大きな伸びに伴って 精製の大スケール化及び高線速化が積極的 行われている。精製の大スケール化及び高 速化に伴って、精製に用いられる吸着体、 まりは多孔質担体の強度を大きくする必要 生じる場合がある。多孔質担体の強度を大 くする方法としては、特に限定は無く、多 質担体のマトリックス含量(例えば樹脂含量) を大きくする方法等が好ましいが、多孔質担 体の細孔径が小さくなり難いという利点から 、架橋剤を作用させて多孔質担体の強度を大 きくすることがより好ましい。つまり、本発 明の多孔質担体は、架橋されていることが好 ましい。

 架橋剤や架橋反応条件に特に限定は無く 公知の技術を用いて行うことができる。例 ば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒド ン、ジクロロヒドリン等のハロヒドリンや レソルシノールジグリシジルエーテル、ネ ペンチルグリコールジグリシジルエーテル 1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 、ヒドロゲナートビスフェノールAジグリシ ルエーテル、グリセロールジグリシジルエ テル、トリメチロールプロパンジグリシジ エーテル、ジグリシジルテレフタレート、 グリシジルオルトフタレート、エチレング コールジグリシジルエーテル、ジエチレン リコールジグリシジルエーテル、プロピレ グリコールジグリシジルエーテル等の2官能 上のエポキシ化合物を作用させることによ て、架橋を行うことができる。

 これら架橋剤を用いて、多孔質担体の強 を大きくする方法は特に限定は無いが、反 効率の観点から、これら架橋剤をアルカリ 件下で担体に作用させることが好ましい。 橋剤の投入方法には特に限定は無く、全使 量を反応初期から投入しても良いし、複数 に分けて反応を繰り返しても良く、また滴 ロート等を用いて、少量ずつ架橋剤を投入 ても良く、また架橋剤が投入された反応容 に多孔質担体を投入しても良い。

 架橋反応の溶媒については特に限定は無 が、水、ヘプタン、ジメチルスルホキシド ジメチルホルムアミド、ジオキソラン等の 用有機溶媒や、エタノール、メタノール、 ロパノール等のアルコールや、これらの2種 以上の混合溶媒を用いることができる。また 、反応効率を高めるため、ソディウムボロヒ ドリド等の還元剤を共存させることがより好 ましい。

 架橋反応時の温度については特に限定は いが、反応速度的に有利であるという理由 ら0℃以上であることが好ましく、および/ たは安全性や多孔質担体へのダメージの観 から100℃以下であることが好ましく、官能 が失活し難いという理由から70℃以下である ことがより好ましい。

 架橋反応は攪拌または振とうしながら行 ことが好ましく、その1分間当りの回転数ま たは回数は、特に限定は無いが、均一攪拌が 可能で、且つ多孔質担体に物理的なダメージ が加わらないという理由から1分間あたり1回 上1000回以下であることが好ましく、より好 ましくは10回以上500回以下、さらに好ましく 30回以上300回以下、特に好ましくは50回以上 200回以下、最も好ましくは75回以上150回以下 あるが、各原料の比重の差や多孔質担体の 度に合わせて調整することが、好ましい。

 架橋反応時間については、特に限定は無 が、官能基の失活や担体へのダメージが少 いという理由から、ハロヒドリンを用いる 合は、1時間以上8時間以下、2官能以上のエ キシ化合物を用いる場合は、1時間以上、15 間未満であることが好ましく、架橋剤の反 性や、pHや、反応温度に合わせて調整する とが、より好ましい。

 本発明の多孔質担体の材質に特に限定は いが、例えば、多糖類、ポリスチレン、ス レン-ジビニルベンゼン共重合体、ポリアク リルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリ ル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタク リル酸エステル、ポリビニルアルコール、お よびこれらの誘導体等を挙げることができる 。これらは、ヒドロキシエチルメタクリレー ト等のヒドロキシ基を有する高分子材料やポ リエチレンオキサイド鎖を有する単量体と他 の重合性単量体との共重合のようなグラフト 共重合体等のコーティング層を有していても よい。これらの中で多糖類や、ポリビニルア ルコール等が、担体表面に活性基を導入しや すいため、好ましく用いることができる。

 なかでも、本発明の多孔質担体は多糖類 含有することがより好ましい。多糖類は産 的に容易に得ることが可能であり、また生 に対する安全性が高いため好ましい。本発 の多孔質担体に用いることができる多糖類 特に限定は無いが、例えば、アガロース、 ルロース、デキストリン、キトサン、キチ 、及びこれらの誘導体等を挙げることがで る。

 また、本発明の多孔質担体は、セルロー および/またはセルロース誘導体を含有する ことがより好ましい。セルロースまたはセル ロース誘導体を含有する多孔質担体は、機械 的強度が比較的高く、強靱であるため破壊さ れたり微粒子を生じたりすることが少なく、 カラムに充填した場合に液を高線速で流して も比較的圧密化し難いため好ましい。また、 強度やコストの観点から本発明の多孔質担体 の材質に最も好ましいのはセルロースである 。

 また本発明は、一般式(5):

(式中、R2は水素原子又は水酸基の保護基を 示す)で表される部位を有するホルミル基含 多孔質担体であって、該多孔質担体にリガ ドを固定化した吸着体のリガンドのリーク が100ppm以下であることを特徴とする、ホル ル基含有多孔質担体に関する。

 本発明における水酸基の保護基R 2 としては、プロテクティブ グループス イ オーガニック シンセシス(Protective Group in  Organic Synthesis)第2版、ジョン ウィリー アン ド サンズ(John Wiley & Sons, Inc.)出版に記 の保護基から選ぶことができる。

 水酸基の保護基R 2 としては、アシル基(炭素数1~10の鎖状もしく 分岐状のものであり、飽和、不飽和結合を む、例えば、アセチル基)、アルキル基(炭 数1~10の鎖状もしくは分岐状のものであり、 和、不飽和結合を含む、例えば、メチル基 エチル基)、カルボキシメチル基、カルボキ シエチル基、シアノエチル基、アミノエチル 基、ニトロ基、スルホ基、リン酸基などが挙 げられる。

 本発明者らは、一般式(5)で表される部位 有するホルミル基含有多孔質担体であって 該多孔質担体にリガンドを固定化した吸着 のリガンドのリーク量が100ppm以下であるこ を特徴とする、ホルミル基含有多孔質担体 よって、リガンドの漏れが減少し、精製目 物の純度を高めることができることを見出 た。なお、本発明において、リガンドのリ ク量は精製目的物に対するリガンドの比と 定している。

 また、本発明の多孔質担体は、セルロー および/またはセルロース誘導体を含有する ことがより好ましい。セルロースまたはセル ロース誘導体を含有する多孔質担体は、機械 的強度が比較的高く、強靱であるため破壊さ れたり微粒子を生じたりすることが少なく、 カラムに充填した場合に液を高線速で流して も比較的圧密化し難いため好ましい。また、 強度やコストの観点から本発明の多孔質担体 の材質に最も好ましいのはセルロースである 。

 多孔質担体に一般式(5)で示した構造を形 するホルミル基を導入する方法としては、 に限定は無いが、過ヨウ素酸ナトリウムや ヨウ素酸カリウム等の過ヨウ素酸塩を作用 せることが好ましい。また、セルロース担 に過ヨウ素酸塩を作用させ、ピラノース環 酸化開裂し、ホルミル基を導入することが り好ましい。過ヨウ素酸塩を用いたホルミ 化の条件としては、前述した一般式(1)で表 れる構造を一般式(2)で表される構造に変換 る場合と同様である。

 また、本発明の多孔質担体のホルミル基 量は、多孔質担体1mLあたり1μmol以上200μmol 下であることが好ましい。ホルミル基含量 多孔質担体1mLあたり1μmol以上であれば、ア ィニティーリガンドを効率よく固定化でき 吸着体として用いた場合に、精製目的物の 着量が大きくなるため好ましい。また、理 は定かではないが、驚くべきことに、ホル ル基含量が多孔質担体1mLあたり200μmol以下で あれば、精製目的物の吸着量が大きくなりや すいため、好ましい。また、過ヨウ素酸塩を 作用させてホルミル基を導入する方法を用い る場合、多孔質担体1mLあたりのホルミル基含 量が200μmol以下であれば、多孔質担体の強度 大きくなりやすいため好ましい。

 ホルミル基含量のより好ましい範囲は多 質担体1mLあたり2μmol以上100μmol以下であり さらに好ましくは4μmol以上70μmol以下であり 特に好ましくは7μmol以上40μmol以下であり、 最も好ましくは、10μmol以上25μmol以下である

 ホルミル基含量は、例えば、ホルミル基 入反応の、時間、温度、過ヨウ素酸塩等の ルミル化剤の濃度などによって調整するこ ができる。ホルミル基の含量は、多孔質担 に吸着するフェニルヒドラジン量として簡 に求めることができる。すなわち、pH8の0.1M リン酸バッファーで置換した多孔質担体2mLと 、フェニルヒドラジンを溶解したpH8の0.1Mリ 酸バッファー溶液2mLとを接触させ、40℃で1 間攪拌し、UV測定により反応液の上清の278nm 近の吸収極大の吸光度を測定する。吸光度 らフェニルヒドラジンの多孔質担体への吸 量を求め、これを多孔質担体のホルミル基 含量とみなす。この時、フェニルヒドラジ の投入量は予想ホルミル基含量の2倍モルと し、フェニルヒドラジンの投入量に対して、 多孔質担体への吸着量が25%以下、または75%以 上であった場合は、フェニルヒドラジンの投 入量を見直し、再度測定を行う。

 また、本発明の多孔質担体の樹脂含量は3% 上50%以下であることが好ましい。樹脂含量 3%以上であれば、大スケール、高線速で精製 を行っても圧密化を生じない多孔質担体が得 られる。また、樹脂含量が50%以下であると、 精製目的物を通すことができる十分な孔を確 保することができる。また、樹脂含量のより 好ましい範囲は5%以上40%以下、さらに好まし は6%以上20%以下であり、最も好ましくは6%以 上15%以下である。樹脂含量は、以下のように 求めることができる。
1)多孔質担体を体積が減少しなくなるまで沈 させながら充填し、多孔質担体の体積が1mL なるよう多孔質担体量を調整する。
2)この多孔質担体のスラリーから、加熱中に が突沸しない程度にまで水を除去し、105℃ 15時間加熱して乾燥させて、多孔質担体1mL 乾燥重量(g)を測定する
3)多孔質担体1mLあたりの乾燥重量パーセント つまり樹脂含量を計算する。樹脂含量(%)=多 孔質担体の乾燥重量(g)/乾燥前の多孔質担体 体積(mL)×100。

 本発明の多孔質担体は、5%圧縮時の圧縮 力が0.006MPa以上1MPa以下、10%圧縮時の圧縮応 が0.015MPa以上3MPa以下、及び15%圧縮時の応力 0.03MPa以上5MPa以下であることが好ましい。

 多孔質担体の5%圧縮時の圧縮応力が0.006MPa 以上、10%圧縮時の圧縮応力が0.015MPa以上、お び15%圧縮時の圧縮応力が0.03MPa以上であれば 、高線速で通液しても圧密化を生じない多孔 質担体が得られる。また、多孔質担体の5%圧 時の圧縮応力が1MPa以下、10%圧縮時の圧縮応 力が3MPa以下、および15%圧縮時の圧縮応力が5M Pa以下であれば、脆性が向上し、微粒子発生 抑制できる。また、より好ましい圧縮応力 、5%圧縮時の圧縮応力が0.008MPa以上1MPa以下 10%圧縮時の圧縮応力が0.02MPa以上3MPa以下、及 び15%圧縮時の応力が0.04MPa以上5MPa以下である

 ここで、5%圧縮時の圧縮応力とは、多孔質 体が圧縮されて、初期体積より体積が5%減少 した時の応力、10%圧縮時の圧縮応力とは、多 孔質担体が圧縮されて、初期体積より体積が 10%減少した時の応力、15%圧縮時の圧縮応力と は、多孔質担体が圧縮されて、初期体積より 体積が15%減少した時の応力である。初期体積 とは、多孔質担体を含むスラリーに振動を与 えながら、多孔質担体の体積が減少しなくな るまで沈降させて充填した状態の体積である 。圧縮時の圧縮応力は、以下の方法で測定し うるものである。
1) 内径15mmのガラス製メスシリンダーに多孔 担体の50vol%のスラリーを投入する。
2) ガラス製メスシリンダーに振動を与えな ら、多孔質担体体積が減少しなくなるまで 降させて充填し、多孔質担体体積が4mLとな よう多孔質担体量を調整する。この時の体 を初期体積とする。
3) 金属製ピストン(メスシリンダーの内壁と 擦を生じず、且つ多孔質担体が漏れないよ に加工したもの)を、20N用ロードセルを装着 したオートグラフ(SHIMADZU製EZ-TEST)に取り付け 。
4) 多孔質担体の120vol%に相当する位置にピス ンの底面を合わせる。
5) 気泡が入らないように、試験速度5mm/minで ストンを下降させ、多孔質担体を圧縮して 積を減少させる。
6)任意の点の圧縮応力を測定する。

 また、本発明の多孔質担体は、体積平均 径が20μm以上300μm以下であることが好まし 。多孔質担体の体積平均粒径が20μm以上であ れば、圧密化が起こり難いため好ましく、300 μm以下であれば吸着体に用いた場合の目的物 の吸着量が大きくなるため好ましい。多孔質 担体の体積平均粒径のより好ましい範囲は、 40μm以上200μm以下であり、さらに好ましくは6 0μm以上150μm以下であり、特に好ましくは75μm 以上100μm以下であり、最も好ましくは80μm以 95μm以下である。体積平均粒径は、ランダ に選んだ100個の多孔質担体の粒径を測定し 求めることができる。個々の多孔質担体の 径は、個々の多孔質担体の顕微鏡写真を撮 して電子データーとして保存し、粒径測定 フトウェア(メディアサイバーネティックス 製イメージプロプラス)を用いて、測定する ことができる。

 また、本発明者らは以上に述べた本発明 多孔質担体を用いた吸着体をも提供する。 発明の多孔質担体は吸着体に用いることが きる。本発明の多孔質担体を用いることが きる吸着体としては特に限定は無く、例え 、抗体精製用吸着体、抗体医薬品精製用吸 体、治療用(医療用)吸着体、アフィニティ 吸着体、アフィニティークロマトグラフィ 、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性 互作用クロマトグラフィー、ゲルろ過クロ トグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロ トグラフィー等の各種クロマトグラフィー の吸着体を挙げることができる。本発明の 孔質担体を吸着体として利用するためには アフィニティーリガンドを多孔質担体に固 化することが多い。固定化できるアフィニ ィーリガンドに特に限定は無く、所望のア ィニティーリガンドを固定化することがで 、治療用(医療用)吸着体や抗体医薬品精製用 吸着体等に用いることができる。

 また、本発明の吸着体のアフィニティー ガンドの導入量は、多孔質担体1mL当り、1mg 上1000mg以下であることが好ましい。アフィ ティーリガンドの導入量が多孔質担体1mL当 1mg以上であれば、目的物に対する吸着量が きくなるため好ましく、1000mg以下であれば 製造コストを抑制できるため好ましい。よ 好ましいアフィニティーリガンドの導入量 、多孔質担体1mL当り2mg以上120mg以下であり さらに好ましくは3mg以上60mg以下であり、特 好ましくは4mg以上30mg以下であり、最も好ま しくは5mg以上15mg以下である。アフィニティ リガンドの導入量は、固定化反応後の反応 上清中のアフィニティーリガンド由来の吸 度を測定することによって求めることがで る。また、元素分析法を用いて、アフィニ ィーリガンドの導入量を求めることができ 。例えば、アミノ基含有アフィニティーリ ンドであれば、吸着体のN含量分析を行うこ により、アフィニティーリガンドの導入量 測定することができる。また、アミノ基の を滴定で定量し、リガンドの量を求めるこ もできる。

 また、本発明の吸着体のアフィニティー ガンドの導入量は、多孔質担体1mL当り、0.01 μmol以上30μmol以下であることが好ましい。ア フィニティーリガンドの導入量が多孔質担体 1mL当り0.01μmol以上であれば、精製目的物に対 する吸着量が大きくなるため好ましく、30μmo l以下であれば、製造コストを抑制できるた 好ましい。より好ましいアフィニティーリ ンドの導入量は、多孔質担体1mL当り0.03μmol 上3.6μmol以下であり、さらに好ましくは0.75μ mol以上1.8μmol以下であり、特に好ましくは0.1 mol以上0.9μmol以下であり、最も好ましくは0.1 5μmol以上0.45μmol以下である。アフィニティー リガンドの導入量は、固定化反応後の反応液 上清中のアフィニティーリガンド由来の吸光 度を測定することによって求めることができ る。また、元素分析法を用いて、アフィニテ ィーリガンドの導入量を求めることができる 。例えば、アミノ基含有アフィニティーリガ ンドであれば、吸着体のN含量分析を行うこ により、アフィニティーリガンドの導入量 測定することができる。また、アミノ基の を滴定で定量し、リガンドの量を求めるこ もできる。

 治療用(医療用)吸着体や抗体医薬品精製 吸着体などに用いられる場合のアフィニテ ーリガンドとしては、特に限定は無いが、 えば、抗体に特異性の高い抗原やタンパク や、プロテインG、Lやその変異体、抗体結合 活性を有するペプチド等を挙げることができ る。特に、免疫グロブリン(IgG)等を特異的に 着、溶出できる吸着体として、プロテインA をアフィニティーリガンドとして担体に固定 化した吸着体が注目されている。プロテイン Aを固定化した吸着体は、リウマチ、血友病 拡張型心筋症の治療用吸着体として注目さ ている。また、抗体医薬精製の分野におい は、IgG等の抗体の精製を大スケール、高速 及び低コストで行える吸着体が望まれてい 。このような観点から、本発明の吸着体は アフィニティーリガンドとしてプロテインA 導入された吸着体であることが好ましい。 発明に用いることができるプロテインAには 特に限定は無く、天然物、遺伝子組み換え物 等を制限なく使用することができる。また、 抗体結合ドメイン及びその変異体を含むもの や、融合蛋白質等であってもよい。また、菌 体抽出物もしくは培養上清より、イオン交換 クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマ トグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー 、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー 等の各種クロマトグラフィー及び膜分離技術 を用いた分子量分画、分画沈殿法等の手法か ら選択される精製法を組合せ、および/また 繰り返すことにより製造された、プロテイ Aを用いることもできる。特に、国際公開特 公報WO2006/004067や米国特許公報US5151350に記載 されている方法で得られたプロテインAであ ことが好ましい。

 プロテインAをアフィニティーリガンドと して多孔質担体に導入する方法としては、多 孔質担体が含有するホルミル基と、プロテイ ンAのアミノ基との反応を利用して固定化を う方法が挙げられ、本発明に好ましく用い 事ができる。

 また、本発明の吸着体は、これを用いて 療や精製を行った場合、吸着体から目的物 にリークしたリガンドの濃度が、100ppm以下 あることが好ましい。本発明において、吸 体から目的物中にリークしたリガンドの濃 とは、目的物に対するリガンドの比と規定 ている。目的物中にリークしたリガンドの 度が100ppm以下であれば、治療や精製の安全 を高めることができ、さらに目的物の純度 高めることができ、精製においては後工程 煩雑さが軽減されるため好ましい。より好 しい目的物中にリークしたリガンドの濃度 、0ppm以上80ppm以下、さらに好ましくは0ppm以 上60ppm以下、特に好ましくは0ppm以上40ppm以下 最も好ましくは0ppm以上20ppm以下である。目 物中にリークしたリガンドの濃度は、Steindl  F. et al., Journal of Immunological Methods, 235,  (2000), 61-69に記載の方法で求めることができ 。

 本発明の吸着体のアフィニティーリガン のリーク量をさらに低減するために、吸着 を洗浄することが好ましい。洗浄剤や洗浄 法に特に限定は無いが、水、酢酸、アルコ ル、各種有機溶剤、pH2~5の液体、pH8~13の液 、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナ リウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸2水 素ナトリウム、緩衝剤、界面活性剤、尿素、 グアニジン、グアニジン塩酸塩、その他の再 生剤等の、少なくとも1種を含有する溶液等 通液、または投入して攪拌することが好ま い。また、これらの洗浄液は交互に用いた 、繰り返し用いると、リガンドのリーク量 さらに減少するため好ましい。

 また、本発明の吸着体の、目的物の吸着 は、吸着体1mLあたり1mg以上であることが好 しい。目的物の吸着量が、吸着体1mLあたり1 mg以上であれば、効率よく精製が行えるため ましい。また目的物の吸着量が、吸着体1mL たり1000mg以下であれば、吸着した目的物を 着体から溶出しやすいため好ましい。より ましい吸着体の、目的物の吸着量は、吸着 1mLあたり5mg以上500mg以下であり、さらに好 しくは10mg以上250mg以下であり、特に好まし は20mg以上150mg以下であり、最も好ましくは30 mg以上80mg以下である。目的物の吸着量は、pH7 .4のリン酸バッファー(シグマ社製)で置換し 吸着体0.5mLに対し、70mgの目的物を35mLのpH7.4 リン酸バッファー(シグマ社製)に溶解させた 溶液を接触させ、25℃で2時間攪拌した後、上 清中の目的物の減少量を測定することにより 求めることができる。

 また、本発明の吸着体は、体積平均粒径 20μm以上300μm以下であることが好ましい。 着体の体積平均粒径が20μm以上であれば、圧 密化が起こり難いため好ましく、300μm以下で あれば精製用吸着体に用いた場合の精製目的 物の吸着量が大きくなるため好ましい。吸着 体の体積平均粒径のより好ましい範囲は、40 m以上200μm以下であり、さらに好ましくは60μ m以上150μm以下であり、最も好ましくは75μm以 上100μm以下である。

 本発明の吸着体は、5%圧縮時の圧縮応力 0.006MPa以上1MPa以下、10%圧縮時の圧縮応力が0. 015MPa以上3MPa以下、及び15%圧縮時の応力が0.03M Pa以上5MPa以下であることが好ましい。

 本発明の吸着体は、前述したとおり、様 なアフィニティーリガンド固定化反応の中 ら、適切なものを都度選択して製造するこ ができる。アフィニティーリガンドとして ンパク質を用いる場合は、タンパク質が失 し難いという観点から、反応温度は反応液 融点以上100℃以下が好ましく、より好まし は融点以上70℃以下、さらに好ましくは融 以上50℃以下、特に好ましくは融点以上30℃ 下、最も好ましくは融点以上15℃以下であ 。

 また、アフィニティーリガンドとしてタ パク質を用いる場合の反応液のpHは、タン ク質が失活し難いという観点から、pH2以上13 未満であることが好ましく、より好ましくは 、pH3以上12未満、さらに好ましくは、pH4以上1 1以下、特に好ましくは、pH5以上11以下、最も 好ましくは、pH6以上11以下である。一方、pH 大きくなるとアフィニティーリガンドの固 化量が大きくなりやすいという観点も加味 れば、反応液のpHは、pH7以上11以下が好まし 、より好ましくは、pH8以上11以下、さらに ましくはpH9以上11以下、特に好ましくはpH10 上11以下である。

 アフィニティーリガンドの投入方法には に限定は無く、全使用量を反応初期から投 しても良いし、複数回に分けて反応を繰り しても良く、また滴下ロート等を用いて、 量ずつアフィニティーリガンドを投入して 良く、またアフィニティーリガンドが投入 れた反応容器に多孔質担体を投入しても良 。

 アフィニティーリガンド固定化反応の溶 については特に限定は無いが、水、ヘプタ 、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルム ミド、ジオキソラン等の汎用有機溶媒や、 タノール、メタノール、プロパノール等の ルコールや、これらの2種以上の混合溶媒を 用いることができる。

 また、反応効率を上げる目的や、pHの変 を抑制する等の目的で、炭酸塩、クエン酸 、酢酸塩、リン酸塩等の少なくとも1種以上 加えることも好ましい。これら塩類の反応 における好ましい濃度は0.001M以上10M以下、 り好ましくは0.01M以上5M以下、さらに好まし くは0.05M以上1M以下、特に好ましくは0.1M以上0 .5M以下である。

 また、タンパク質等の高分子化合物をア ィニティーリガンドとして用いる場合、多 質担体とアフィニティーリガンド間の多点 合を抑制する目的で、食塩等の塩類を加え ことも好ましい。これら食塩等の塩類の反 液における好ましい濃度は0.001M以上10M以下 より好ましくは0.01M以上5M以下、さらに好ま しくは0.05M以上1M以下、特に好ましくは0.1M以 0.5M以下である。

 また、ホルミル基含有多孔質担体を用い 場合は、ソディウムボロヒドリドやトリメ ルアミンボラン、ジメチルアミンボラン、 コリンボラン、ピリジンボラン、ソディウ シアノボロヒドリド、ソディウムトリアセ キシボロヒドリド等の還元剤をアフィニテ ーリガンド固定化反応終了後に添加、また 固定化反応時に共存させて、固定化を安定 せることが好ましい。

 また、アフィニティーリガンドの固定化 了後に、多孔質担体上に残存した活性基を 活性化させる目的で、封止剤を作用させる とも好ましい。封止剤としては特に限定は いが、多孔質担体上の活性基と反応する官 基を含有する低分子化合物であることが好 しく、例えば、多孔質担体上の活性基がエ キシ基やホルミル基の場合は、アミノ基を 有する低分子化合物を用いることが好まし 、これの一例として、グリシンやモノエタ ールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)ア ノメタン等を挙げることができる。

 アフィニティーリガンド固定化反応およ これに関連する反応(例えば、還元反応や封 止反応)は、攪拌または振とうしながら行う とが好ましく、その1分間当りの回転数また 回数は、均一攪拌が可能で、且つ多孔質担 に物理的なダメージが加わらないという理 から1回以上1000回以下であることが好まし 、より好ましくは10回以上500回以下、さらに 好ましくは25回以上300回以下、特に好ましく 50回以上150回以下、最も好ましくは75回以上 130回以下であるが、各原料の比重の差や多孔 質担体の強度に合わせて調整することが特に 好ましい。

 アフィニティーリガンド固定化反応時間 ついては、特に限定は無いが、アフィニテ ーリガンドの失活や担体へのダメージが少 いという理由から、0.1時間以上1000時間以下 であることが好ましく、より好ましくは0.5時 間以上100時間以下、さらに好ましくは1時間 上50時間以下、特に好ましくは1.5時間以上24 間以下、最も好ましくは3時間以上12時間以 であるが、反応性や、pHや、反応温度に合 せて調整することがより好ましい。

 本発明の吸着体は、アフィニティークロ トグラフィーを用いた各種目的物の精製や 非特許文献3に示されるような各種精製方法 や、治療用(医療用)吸着体に利用することが きる。精製方法や治療方法には特に限定は く、非特許文献1、2、3や、その他公知の方 を好適に用いる事ができる。

 さらに、本発明の吸着体は、目的物の精 を大スケール、高速且つ低コストで行うこ を可能とする。よって、本発明の吸着体を いた精製や治療は、直径0.5cm以上及び高さ3c m以上のカラムを用いることが好ましい。直 が0.5cm以上及び高さ3cm以上であれば、精製や 治療を効率よく行うことができる。また、精 製や治療の精度や効率の観点から、カラムの 大きさは直径2000cm以下及び高さ5000cm以下であ ることが好ましい。より好ましいカラムの大 きさは直径2cm以上200cm以下、高さ5cm以上300cm 下であり、さらに好ましくは直径5cm以上100cm 以下及び高さ8cm以上150cm以下であり、特に好 しくは直径10cm以上85cm以下及び高さ12cm以上8 5cm以下であり、最も好ましくは直径20cm以上85 cm以下及び高さ14cm以上35cm以下である。

 また、本発明の吸着体を用いた治療や精 は、線速100cm/h以上で通液する工程を有する ことが好ましい。線速100cm/h以上で通液する 程を有していれば、治療や精製を効率よく うことができるため好ましい。また治療や 製の精度や装置の耐久性の観点から、本発 の吸着体を用いた治療や精製は、線速10000cm/ h以下で行うことが好ましい。より好ましい 製の線速は150cm/h以上5000cm/h以下、さらに好 しくは250cm/h以上2500cm/h以下、特に好ましく 500cm/h以上1500cm/h以下、最も好ましくは700cm/h 上1200cm/h以下である。

 本発明の多孔質担体、およびそれを用い 吸着体、およびそれらの製造方法は、およ それらを用いた治療方法ならびに精製方法 、本発明を用いない場合に比べて、治療や 製を安全に高速で行うことができ、純度が く、また安全性の高い精製品を提供するこ ができる。

 以下、本発明の実施例を説明するが、本 明はこれらの実施例に限定されるものでは い。なお、反応仕込み時の多孔質担体の体 は、特に記載が無い限り、自然沈降体積で る。自然沈降体積は、多孔質担体とRO水(逆 透膜精製水)のスラリーを、計量容器に投入 し、振動の無い状態で2時間静置して求めた のである。また、官能基含量、IgG吸着量に ける多孔質担体の体積は、特に記載が無い り、多孔質担体とRO水のスラリーを、計量容 器に投入し、振動を与えながら、それ以上体 積が減少しなくなるまで沈降させた状態の体 積である。

 (実施例1)
 体積平均粒径が92μm、樹脂含量が6%、排除限 界分子量が5000万の多孔質セルロース担体(チ ソ社製CK-A)75mLに、RO水を加えて全量を95mLと て、ポリ容器(サンプラテック社製250mL)に入 れ、次いで2M水酸化ナトリウム水溶液(和光純 薬工業社製水酸化ナトリウムとRO水で調整)27m Lを加えて、40℃で30分加温した。液温が40℃ 加温された後、エピクロロヒドリン(和光純 工業社製)9mLを加えて、恒温振とう機(トー ス科学社製サーモスタティックウォーター スT-25)を用いて、40℃で2時間、100回/分で振 うしながら反応させた。反応終了後、グラ フィルター(TOP社製26G-2)上で、多孔質担体の2 0倍体積量のRO水で洗浄し、エポキシ化多孔質 担体を得た。得られたエポキシ化多孔質担体 5.4mLを、グラスフィルター(TOP社製3G-2)上で15 間吸引ろ過(サクションドライ)し、サクショ ンドライ後の多孔質担体1.5gをスクリュー菅( ルエム社製)に秤量し、1.3Mチオ硫酸ナトリ ム水溶液(和光純薬工業社製チオ硫酸ナトリ ムとRO水で調整)4.5mLを加えた。45℃で30分間 温した後、45mLのRO水と共に100mLのガラス製 ーカーに移し、1%フェノールフタレイン溶液 (和光純薬工業社製フェノールフタレインと タノールで調整)を数滴添加した。0.01N塩酸( 光純薬工業社製、容量分析用)で滴定し、エ ポキシ基含量を求めたところ、サクションド ライ多孔質担体1gあたり14μmolであった。

 次いで、このエポキシ化多孔質担体54mLを pH10の0.5M炭酸バッファー(和光純薬工業社製の 炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムと、RO で調整)165mLを用いて置換した。置換後のエ キシ化多孔質担体にpH10の0.5M炭酸バッファ を加えて全量を108mLとして、ポリ容器(サン ラテック社製250mL)に入れ、さらにD(+)-グルコ サミン塩酸塩(和光純薬工業社製)を0.51g加え 恒温振とう機(トーマス科学社製サーモスタ ィックウォーターバスT-25)を用いて、50℃で 4時間、100回/分で振とうし、次いで室温で12 間静置して反応させた。反応後、グラスフ ルター(TOP社製26G-2)上で、多孔質担体の20倍 積量のRO水で洗浄し、グルコサミン化多孔質 担体を得た。

 得られたグルコサミン化多孔質担体25mLに RO水を加えて全量を37mLとして、ポリ容器(サ プラテック社製100mL)に入れた。次に282mgの過 ヨウ素酸ナトリウム(和光純薬工業社製)を25mL のRO水に溶解させ、この過ヨウ素酸ナトリウ 水溶液をポリ容器に加えて、インキュベー ー(イワキガラス社製インキュベーターLOW-TE MP ICB-151L)中で、ミックスローター(井内盛栄 社製バリアブルミックスローターVMR-5)を用 て、25℃で1時間、100回/分で振とうしながら 反応させた。反応後、グラスフィルター(TOP 製26G-2)上で、多孔質担体の20倍体積量のRO水 洗浄し、ホルミル基含有多孔質担体を得た 得られたホルミル基含有多孔質担体のホル ル基含量を前述の方法で測定した結果、ホ ミル基含量は多孔質担体1mLあたり21μmolであ った。

 このホルミル基含有多孔質担体18.5mLをグ スフィルター(TOP社製17G-2)上で、pH10の0.5Mリ 酸+0.15M食塩バッファー(和光純薬工業社製リ ン酸水素2ナトリウム、塩化ナトリウム、水 化ナトリウム、RO水を用いて調整)56mLで置換 た。置換後のホルミル基含有多孔質担体にp H10の0.5Mリン酸+0.15M食塩バッファーを加えて 量を30,7mLとして、ポリ容器(サンプラテック 製100mL)に入れ、国際公開特許公報WO2006/004067 に記載の方法で作製されたプロテインAの濃 が、52.6mg/mLのプロテインA含有溶液(カネカ社 製PNXL28)を2.81mL加え、インキュベーター(イワ ガラス社製インキュベーターLOW-TEMP ICB-151L) 中で、ミックスローター(井内盛栄堂社製バ アブルミックスローターVMR-5)を用いて、4℃ 12時間、100回/分で振とうしながら反応させ 。反応後の反応液のpHが8になるように4M塩 (和光純薬工業社製塩酸とRO水で調整)を用い 調整した後、水素化ホウ素ナトリウムを52mg 加えて、4℃で1時間、ゆるやかに振とうしな ら反応させた。反応後、反応液の277nm付近 吸収極大の吸光度を測定した結果、アフィ ティーリガンドであるプロテインAの導入量 、多孔質担体1mL当り、6.6mgであることがわ った。

 反応後の多孔質担体をグラスフィルター( TOP社製17G―2)上で、多孔質担体の10倍体積量 RO水で洗浄し、次いで、3倍体積量の0.01M塩酸 (和光純薬工業社製塩酸とRO水で調整)で置換 た。次に、置換した多孔質担体に0.01M塩酸を 加えて全量を37mLとし、ポリ容器(サンプラテ ク社製100mL)に入れ、ミックスローター(井内 盛栄堂社製バリアブルミックスローターVMR-5) を用いて、室温で30分間、100回/分で振とうし ながら、酸洗浄を行った。酸洗浄後、多孔質 担体をグラスフィルター(TOP社製17G―2)上で、 多孔質担体の10倍体積量のRO水で洗浄し、次 で、3倍体積量の0.05M水酸化ナトリウム+1M硫 ナトリウム水溶液(和光純薬工業社製水酸化 トリウム、硫酸ナトリウム、RO水で調整)で 換した。

 次に、置換した多孔質担体に0.05M水酸化 トリウム+1M硫酸ナトリウム水溶液を加えて 量を37mLとし、ポリ容器(サンプラテック社製 100mL)に入れ、ミックスローター(井内盛栄堂 製バリアブルミックスローターVMR-5)を用い 、室温で20分間、100回/分で振とうしながら アルカリ洗浄を行った。アルカリ洗浄後、 孔質担体をグラスフィルター(TOP社製17G―2) で、RO水を用いて、洗浄ろ液の電導度が5μS/c m以下になるまで洗浄し、目的とするプロテ ンAを固定化した吸着体を得た。洗浄ろ液の 導度は、導電率計(EUTECH INSTRUMENTS製 ECTestr10  pure+)で測定した。得られた吸着体の目的物 あるIgGの吸着量を前述の方法で求めた結果 吸着体1mLあたり、44mgであることが分かった 。

 (実施例2)
 D(+)-グルコサミン塩酸塩(和光純薬工業社製) の代わりに発酵グルコサミンK(協和ウェルネ 社製)を用いる以外は、実施例1と同様の方 にて、吸着体を得ることができた。

 (実施例3)
 体積平均粒径が92μm、樹脂含量が6%、排除限 界分子量が5000万の多孔質セルロース担体(チ ソ社製CK-A)とRO水の1:1スラリーを、グラスフ ィルター(TOP社製17G-2)上で15分間吸引ろ過(サ ションドライ)した。得られたサクションド イ済みの多孔質セルロース担体を27.4gをポ 容器(サンプラテック社製100mL)に投入し、こ に0.6M水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工 社製水酸化ナトリウムとRO水で調整)27.4mLを え、40℃で30分加温した。液温が40℃に加温 れた後、水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬 業社製)を54.8mg、架橋剤としてグリセロール ポリグリシジルエーテルを含有するデナコー ルEX-314(ナガセケムテックス社製)27.4mLの順に え、恒温振とう機(トーマス科学社製サーモ スタティックウォーターバスT-25)を用いて、4 0℃で5時間、100回/分で振とうしながら反応さ せた。反応終了後、グラスフィルター(TOP社 17G-2)上で吸引ろ過しながら、多孔質担体の20 倍体積量のRO水で洗浄し、架橋多孔質担体を た。この架橋多孔質担体の5%圧縮時の圧縮 力は0.020MPa、10%圧縮時の圧縮応力は0.049MPa、1 5%圧縮時の圧縮応力は0.080MPaであった。

 得られた架橋多孔質担体にRO水を加えて 全量を架橋多孔質担体の2倍体積量とし、ガ ス製ビーカー(300mL)に入れ、アルミ箔2枚で をして、オートクレーブ(サクラ社製 高圧 菌器ネオクレーブ)を用いて120℃で40分間加 した。室温まで放冷した後、グラスフィル ー(TOP社製17G-2)上で多孔質担体の5倍体積量の RO水で洗浄し、エポキシ基がグリセリル基に 化した架橋多孔質担体を得た。この洗浄後 架橋多孔質担体について、再度同様の方法 更に架橋反応を行った。その結果、得られ 架橋多孔質担体の5%圧縮時の圧縮応力は0.026 MPa、10%圧縮時の圧縮応力は0.063MPa、15%圧縮時 圧縮応力は0.103MPaであった。

 この架橋多孔質担体にRO水を加えて、全 を架橋多孔質担体の2倍体積量とし、ガラス ビーカー(300mL)に入れ、アルミ箔2枚で封を て、オートクレーブ(サクラ社製 高圧滅菌 ネオクレーブ)を用いて120℃で40分間加温し 。室温まで放冷した後、グラスフィルター(T OP社製17G-2)上で多孔質担体の5倍体積量のRO水 洗浄し、エポキシ基がグリセリル基に変化 た、架橋多孔質担体Aを得た。

 洗浄後の架橋多孔質担体10mLにRO水を加え 全量を12.6mLとして、遠沈管(岩城硝子社製50m L)に入れ、さらに2M水酸化ナトリウム水溶液( 光純薬工業社製水酸化ナトリウムとRO水で 整)3.7mLをこれに加えて、40℃で30分加温した 液温が40℃に加温された後、エピクロロヒ リン(和光純薬工業社製)を1.3mL加えて、恒温 とう機(トーマス科学社製サーモスタティッ クウォーターバスT-25)を用いて、40℃で2時間 100回/分で振とうしながら反応させた。反応 終了後、グラスフィルター(TOP社製17G-2)上で 多孔質担体の20倍体積量のRO水で洗浄し、エ キシ化多孔質担体を得た。

 このエポキシ化多孔質担体10mLをグラスフ ィルター(TOP社製17G-2)上で、pH10の0.5M炭酸バッ ファー(和光純薬工業社製の炭酸水素ナトリ ム、炭酸ナトリウムと、RO水で調整)30mLを用 て置換した。置換後のエポキシ化多孔質担 にpH10の0.5M炭酸バッファーを加えて全量を20 mLとして、遠沈管(岩城硝子社製50mL)に入れ、 らにD(+)-グルコサミン塩酸塩(和光純薬工業 製)を95mg加え、恒温振とう機(トーマス科学 製サーモスタティックウォーターバスT-25) 用いて、50℃で4時間、100回/分で振とうし、 いで室温で12時間静置して反応させた。反 後、グラスフィルター(TOP社製17G-2)上で、多 質担体の20倍体積量のRO水で洗浄し、グルコ サミン化多孔質担体を得た。

 得られたグルコサミン化多孔質担体8.5mL RO水を加えて、全量を12.8mLとして、遠沈管( 城硝子社製50mL)に入れた。次に98mgの過ヨウ 酸ナトリウム(和光純薬工業社製)を8.5mLのRO に溶解させ、この過ヨウ素酸ナトリウム水 液を遠沈管に加えて、インキュベーター(イ キガラス社製インキュベーターLOW-TEMP ICB-15 1L)中で、ミックスローター(井内盛栄堂社製 リアブルミックスローターVMR-5)を用いて、25 ℃で1時間、100回/分で振とうしながら反応さ た。反応後、グラスフィルター(TOP社製17G-2) 上で、多孔質担体の20倍体積量のRO水で洗浄 、ホルミル基含有多孔質担体を得た。得ら たホルミル基含有多孔質担体のホルミル基 量を前述の方法で測定した結果、ホルミル 含量は多孔質担体1mLあたり56μmolであった。

 このホルミル基含有多孔質担体7.4mLをグ スフィルター(TOP社製17G-2)上で、pH10の0.5Mリ 酸+0.15M食塩バッファー(和光純薬工業社製リ 酸水素2ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸 化ナトリウム、RO水を用いて調整)30mLで置換 た。置換後のホルミル基含有多孔質担体にpH 10の0.5Mリン酸+0.15M食塩バッファーを加えて、 全量を12.3mLとして、遠沈管(岩城硝子社製50mL) に入れ、国際公開特許公報WO2006/004067に記載 方法で作製されたプロテインAの濃度が、52.6 mg/mLのプロテインA含有溶液(カネカ社製PNXL28) 1.13mL加え、インキュベーター(イワキガラス 社製インキュベーターLOW-TEMP ICB-151L)中で、 ックスローター(井内盛栄堂社製バリアブル ックスローターVMR-5)を用いて、4℃で12時間 100回/分で振とうしながら反応させた。反応 後の反応液のpHが8になるように4M塩酸(和光純 薬工業社製塩酸とRO水で調整)を用いて調整し た後、水素化ホウ素ナトリウムを21mg加えて 4℃で1時間、ゆるやかに振とうしながら反応 させた。反応後、反応液の277nm付近の吸収極 の吸光度を測定した結果、アフィニティー ガンドであるプロテインAの導入量が、多孔 質担体1mL当り、8mgであることがわかった。

 反応後の多孔質担体を実施例1と同様の方 法で酸洗浄、アルカリ洗浄、RO水洗浄を行い 目的とするプロテインAを固定化した吸着体 を得た。得られた吸着体の目的物であるIgGの 吸着量を前述の方法で求めた結果、吸着体1mL あたり、26mgであることが分かった。また、 られた吸着体の5%圧縮時の圧縮応力は0.053MPa 10%圧縮時の圧縮応力は0.110MPa以上、15%圧縮 の圧縮応力は0.110MPa以上、であった。

 (実施例4)
 架橋剤にジグリセロールポリグリシジルエ テルを含有するデナコールEX-421(ナガセケム テックス社製)を用いた他は、実施例3と同様 方法で、架橋多孔質担体を得た。1回目の架 橋反応で得られた多孔質担体の架橋多孔質担 体の5%圧縮時の圧縮応力は0.018MPa、10%圧縮時 圧縮応力は0.046MPa、15%圧縮時の圧縮応力は0.0 75MPaであった。2回目の架橋反応で得られた架 橋多孔質担体の5%圧縮時の圧縮応力は0.021MPa 10%圧縮時の圧縮応力は0.055MPa、15%圧縮時の圧 縮応力は0.095MPaであった。

 さらに、実施例3と同様の方法で、グルコ サミン化多孔質担体を得て、次いでホルミル 基含量が多孔質担体1mLあたり58μmolのホルミ 基含有多孔質担体を得た。次いで実施例3と 様の方法で、アフィニティーリガンドであ プロテインA導入量が多孔質担体1mL当り8mgで 、目的物であるIgGの吸着量が、吸着体1mLあた り25mgの吸着体を得た。また、得られた吸着 の5%圧縮時の圧縮応力は0.039MPa、10%圧縮時の 縮応力は0.085MPa、15%圧縮時の圧縮応力は0.110 MPa以上、であった。

 (実施例5)
 実施例3と同様の方法で、架橋多孔質担体A 得た。架橋多孔質担体Aのグリセリル基を処 するため、架橋多孔質担体A25.5mLにRO水を加 て全量を38.3mLとして、ポリ容器(サンプラテ ック社製100mL)に入れ、293mgの過ヨウ素酸ナト ウム(和光純薬工業社製)をRO水に溶解させて 25.5mLとした溶液を加え、インキュベーター( ワキガラス社製インキュベーターLOW-TEMP ICB- 151L)中で、ミックスローター(井内盛栄堂社製 バリアブルミックスローターVMR-5)を用いて、 25℃で1時間、100回/分で振とうしながら反応 せた。反応後、グラスフィルター(TOP社製17G- 2)上で、多孔質担体の20倍体積量のRO水で洗浄 した。

 次いで、得られた多孔質担体25mLにRO水を えて全量を37.5mLとして、ポリ容器(サンプラ テック社製100mL)に入れ、72mgの過ヨウ素酸ナ リウム(和光純薬工業社製)をRO水に溶解させ 25mLとした溶液を加え、インキュベーター( ワキガラス社製インキュベーターLOW-TEMP ICB- 151L)中で、ミックスローター(井内盛栄堂社製 バリアブルミックスローターVMR-5)を用いて、 25℃で1時間、100回/分で振とうしながら反応 せた。反応後、グラスフィルター(TOP社製17G- 2)上で、多孔質担体の20倍体積量のRO水で洗浄 し、グリセリル基を処理した架橋多孔質担体 Bを得た。架橋多孔質担体Bのホルミル基含量 、多孔質担体1mLあたり65μmolであった。

 架橋多孔質担体B11.4mLを、グラスフィルタ ー(TOP社製17G-2)上で、pH10の0.25Mリン酸バッフ ー(和光純薬工業社製リン酸水素2ナトリウム 、水酸化ナトリウム、RO水を用いて調整)35mL 置換した。置換後の架橋多孔質担体Bに、置 に用いたのと同じバッファーを加えて全量 22.8mLとして、遠沈管(岩城硝子社製50mL)に投 し、多孔質担体Bのホルミル基含量の10倍モ の発酵グルコサミンK(協和ウェルネス社製) 加え、恒温振とう機(トーマス科学社製サー モスタティックウォーターバスT-25)を用いて 50℃5時間、100回/分で振とうした。次いで反 応液を室温まで冷却し、65mgの水素化ホウ素 トリウム(和光純薬工業社製)を加えて、1時 ゆるやかに攪拌しながら反応させた。反応 、多孔質担体を20倍体積量のRO水で洗浄し、 ルコサミン化多孔質担体を得た。この多孔 担体のグルコサミン導入量は、多孔質担体1 mLあたり33μmolであった。

 このグルコサミン化多孔質担体を実施例1 と同様の方法でホルミル化を行い、ホルミル 基含量が多孔質担体1mLあたり23μmolであるホ ミル基含有多孔質担体を得た。次いで実施 1と同様の方法でプロテインAを固定化し、洗 浄を行い、プロテインAが多孔質担体1mLあた 6.3mg固定化された吸着体を得た。得られた吸 着体の目的物であるIgGの吸着量を前述の方法 で求めた結果、吸着体1mLあたり、45mgである とが分かった。

 (実施例6)
 実施例5で得た多孔質担体B12.5mLにRO水を加え て全量を25mLとして、遠沈管(岩城硝子社製50mL )に入れ、次いで71mgの水素化ホウ素ナトリウ (和光純薬工業社製)を添加し、室温でゆる かに攪拌しながら1時間反応させた。反応後 グラスフィルター(TOP社製17G-2)上で多孔質担 体の20倍体積量のRO水で洗浄し、ホルミル基 水酸基に変化させた架橋多孔質担体Cを得た この架橋多孔質担体Cを出発担体とし、実施 例1と同様の方法でエポキシ基を導入し、架 多孔質担体Dを得た。炭酸バッファーの代わ に0.7M水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工 社製水酸化ナトリウムとRO水で調整)を用い D(+)-グルコサミン塩酸塩(和光純薬工業社製) 代わりに発酵グルコサミンK(協和ウェルネ 社製)を用い、反応を50℃で5時間、次いで室 で一晩で行った以外は、実施例1と同様の方 法にて、グルコサミン化多孔質担体を得た。 このグルコサミン化多孔質担体を実施例1と 様の方法でホルミル化を行い、ホルミル基 量が多孔質担体1mLあたり7.6μmolであるホルミ ル基含有多孔質担体を得た。次いで実施例1 同様の方法でプロテインAを固定化し、洗浄 行い、プロテインAが多孔質担体1mLあたり5.3 mg固定化された吸着体を得た。得られた吸着 の目的物であるIgGの吸着量を前述の方法で めた結果、吸着体1mLあたり、48mgであること が分かった。

 (実施例7)
 実施例1と同様の方法でエポキシ化多孔質担 体を得て、次いで炭酸バッファーの代わりに 、0.7M水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工業 製水酸化ナトリウムとRO水で調整)を用い、D (+)-グルコサミン塩酸塩(和光純薬工業社製)の 代わりに発酵グルコサミンK(協和ウェルネス 製)を用いた以外は、実施例6と同様の方法 グルコサミン化多孔質担体を得た。このグ コサミン化多孔質担体を用いて、実施例1と 様の方法にて、ホルミル基含有多孔質担体 吸着体を得た。

 (実施例8)
 0.7M水酸化ナトリウム水溶液の代わりに0.007M 水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工業社製 酸化ナトリウムとRO水で調整)を用いる以外 、実施例6と同様の方法にて、ホルミル基含 多孔質担体、吸着体を得た。

 (実施例9)
 0.7M水酸化ナトリウム水溶液の代わりにpH10 0.5M炭酸バッファー(和光純薬工業社製の炭酸 水素ナトリウム、炭酸ナトリウムと、RO水で 整)を用いる以外は、実施例6と同様の方法 て、ホルミル基含有多孔質担体、吸着体を た。

 (実施例10)
 グルコサミン導入時の溶媒を、pH10の0.25Mリ 酸バッファーの代わりに0.007M水酸化ナトリ ム水溶液(和光純薬工業社製水酸化ナトリウ ムとRO水で調整)を用いる以外は、実施例5と 様の方法にて、ホルミル基含有多孔質担体 吸着体を得た。

 (実施例11)
 プロテインA固定化反応のバッファーのpHを1 0から11に変更する以外は、実施例5と同様の 法にて、吸着体を得た。

 (実施例12)
 プロテインA固定化反応のバッファーのpHを1 0から11に変更する以外は、実施例6と同様の 法にて、吸着体を得た。

 (実施例13)
 プロテインA固定化反応のバッファーのpHを1 0から11に変更する以外は、実施例10と同様の 法にて、吸着体を得た。

 (実施例14)
 実施例3と同様の方法で、500mLの架橋多孔質 体Aを得た。この多孔質担体Aを90μmのメッシ ュ(NONAKA RIKAKI製、ワイヤ径63μm)と分級機(筒 理化学器械社製300-MM)を用いて、2時間、湿式 分級を行い、体積平均粒径83μmの多孔質担体D を得た。この多孔質担体Dを用いたことと、 酵グルコサミンKを添加直後に、4N水酸化ナ リウム水溶液を用いて、反応液のpHを10に調 したことと、グルコサミン化反応を4℃で行 ったこと以外は、実施例5と同様の方法にて グルコサミン固定化量が多孔質担体1mLあた 20μmolのグルコサミン化多孔質担体を得た。 いで、このグルコサミン化多孔質担体を用 、実施例5と同様の方法でホルミル基含有多 孔質担体を得た。次いで、用いるバッファー をpH11の0.5Mリン酸+0.15M食塩バッファーに変更 た以外は、実施例5と同様の方法でプロテイ ンA固定化吸着体を得た。この吸着体のプロ インA固定化量は吸着体1mLあたり7.5mgであっ 。得られた吸着体の目的物であるIgGの吸着 を前述の方法で求めた結果、吸着体1mLあた 、51mgであることが分かった。

 (実施例15)
 多孔質担体Dの代わりに多孔質担体Aを用い 以外は、実施例14と同様の方法で、ホルミル 基含有多孔質担体、次いでプロテインA固定 吸着体を得た。

 (実施例16)
 多孔質担体Dの代わりに、多孔質担体Aと多 質担体Dを体積平均粒径が86μmになるように 合した多孔質担体Eを用いた以外は、実施例1 4と同様の方法で、ホルミル基含有多孔質担 、次いでプロテインA固定化吸着体を得た。

 (実施例17)
 発酵グルコサミンKを添加直後に、4N水酸化 トリウム水溶液を用いて、反応液のpHを8に 整したこと以外は、実施例14と同様の方法 グルコサミン化多孔質担体を得て、ホルミ 基含有多孔質担体を得て、プロテインA固定 吸着体を得た。得られた吸着体の目的物で るIgGの吸着量を前述の方法で求めた結果、 着体1mLあたり、49mgであることが分かった。

 (実施例18)
 多孔質担体Dの代わりに多孔質担体Aを用い 以外は、実施例17と同様の方法で、ホルミル 基含有多孔質担体、次いでプロテインA固定 吸着体を得た。

 (実施例19)
 多孔質担体Dの代わりに、多孔質担体Aと多 質担体Dを体積平均粒径が86μmになるように 合した多孔質担体Eを用いた以外は、実施例1 8と同様の方法で、ホルミル基含有多孔質担 、次いでプロテインA固定化吸着体を得た。

 (実施例20)
 実施例17と同様の方法でグルコサミン化多 質担体を得て、次いで、添加する過ヨウ素 ナトリウム水溶液の過ヨウ素酸ナトリウム 度を実施例15の半分とした以外は、実施例15 同様の方法でホルミル化担体を得て、プロ インA固定化吸着体を得た。得られた吸着体 の目的物であるIgGの吸着量を前述の方法で求 めた結果、吸着体1mLあたり、51mgであること 分かった。

 (比較例1)
 体積平均粒径が92μm、樹脂含量が6%、排除限 界分子量が5000万の多孔質セルロース担体(チ ソ社製CK-A)175mLに、RO水を加えて全量を221mL して、ポリ容器(サンプラテック社製500mL)に れ、次いで2M水酸化ナトリウム水溶液(和光 薬工業社製水酸化ナトリウムとRO水で調整)6 4mLを加えて、40℃で30分加温した。液温が40℃ に加温された後、エピクロロヒドリン(和光 薬工業社製)11mLを加えて、恒温振とう機(ト マス科学社製サーモスタティックウォータ バスT-25)を用いて、40℃で2時間、100回/分で とうしながら反応させた。反応終了後、グ スフィルター(TOP社製26G-2)上で、多孔質担体 20倍体積量のRO水で洗浄し、エポキシ化多孔 質担体を得た。

 得られたエポキシ化多孔質担体5.4mLを、 ラスフィルター(TOP社製3G-2)上で15分間吸引ろ 過(サクションドライ)し、サクションドライ の多孔質担体1.5gをスクリュー菅(マルエム 製)に秤量し、1.3Mチオ硫酸ナトリウム水溶液 (和光純薬工業社製チオ硫酸ナトリウムとRO水 で調整)4.5mLを加えた。45℃で30分間加温した 、45mLのRO水と共に100mLのガラス製ビーカーに 移し、1%フェノールフタレイン溶液(和光純薬 工業社製フェノールフタレインとエタノール で調整)を数滴添加した。0.01N塩酸(和光純薬 業社製、容量分析用)で滴定し、エポキシ基 量を求めたところ、サクションドライ多孔 担体1gあたり7μmolであった。

 次いで、得られたエポキシ化多孔質担体 RO水を加えて、全量を架橋多孔質担体の2倍 積量とし、ガラス製ビーカー(1L)に入れ、ア ルミ箔2枚で封をして、オートクレーブ(サク 社製 高圧滅菌器ネオクレーブ)を用いて120 で40分間加温した。室温まで放冷した後、 ラスフィルター(TOP社製17G-2)上で多孔質担体 5倍体積量のRO水で洗浄し、エポキシ基がグ セリル基に変化した多孔質担体を得た。

 洗浄後の多孔質担体83mLにRO水を加えて全 を125mLとして、ポリ容器(サンプラテック社 500mL)に入れた。次に119mgの過ヨウ素酸ナト ウム(和光純薬工業社製)を83mLのRO水に溶解さ せ、この過ヨウ素酸ナトリウム水溶液をポリ 容器に加えて、インキュベーター(イワキガ ス社製インキュベーターLOW-TEMP ICB-151L)中で ミックスローター(井内盛栄堂社製バリアブ ルミックスローターVMR-5)を用いて、25℃で1時 間、100回/分で振とうしながら反応させた。 応後、グラスフィルター(TOP社製26G-2)上で、 孔質担体の20倍体積量のRO水で洗浄し、ホル ミル基含有多孔質担体を得た。得られたホル ミル基含有多孔質担体のホルミル基含量を前 述の方法で測定した結果、ホルミル基含量は 多孔質担体1mLあたり7μmolであった。

 このホルミル基含有多孔質担体21mLをグラ スフィルター(TOP社製17G-2)上で、pH10の0.5Mリン 酸+0.15M食塩バッファー(和光純薬工業社製リ 酸水素2ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸 ナトリウム、RO水を用いて調整)63mLで置換し た。置換後のホルミル基含有多孔質担体にpH1 0の0.5Mリン酸+0.15M食塩バッファーを加え、全 を35mLとし、ポリ容器(サンプラテック社製10 0mL)に入れ、国際公開特許公報WO2006/004067に記 の方法で作製されたプロテインAの濃度が、 52.6mg/mLのプロテインA含有溶液(カネカ社製PNXL 28)を3.16mL加え、インキュベーター(イワキガ ス社製インキュベーターLOW-TEMP ICB-151L)中で ミックスローター(井内盛栄堂社製バリアブ ルミックスローターVMR-5)を用いて、4℃で12時 間、100回/分で振とうしながら反応させた。 応後の反応液のpHが8になるように4M塩酸(和 純薬工業社製塩酸とRO水で調整)を用いて調 した後、水素化ホウ素ナトリウムを52mg加え 、4℃で1時間、ゆるやかに振とうしながら 応させた。反応後、反応液の277nm付近の吸収 極大の吸光度を測定した結果、アフィニティ ーリガンドであるプロテインAの導入量が、 孔質担体1mL当り、5.3mgであることがわかった 。

 反応後の多孔質担体をグラスフィルター( TOP社製25G-2)上で、多孔質担体の20倍体積量のR O水で洗浄した後、多孔質担体にRO水を加えて 全量が多孔質担体の2倍となるようにして、 リ容器(サンプラテック社製100mL)に入れた。 いで、3.26gの水素化ホウ素ナトリウムをRO水 に溶解させて21mLとし、この溶液の全量をポ 容器に5時間かけて少量ずつ添加した。反応 の多孔質担体を実施例1と同様の方法で、酸 洗浄、アルカリ洗浄、RO水洗浄を行い、目的 するプロテインA固定化吸着体を得た。

 得られた吸着体の目的物であるIgGの吸着 を前述の方法で求めた結果、吸着体1mLあた 、46mgであることが分かった。

 (実施例21)
 体積平均粒径が97μm、樹脂含量が10%の多孔 セルロース担体(チッソ社製CK-C)を、90μmのメ ッシュ(NONAKA RIKAKI製)で分級し、体積平均粒 が85μmの多孔質セルロース担体を得た。この 担体362mLに、RO水を加えて、全量を489mLとして 、セパラブルフラスコに入れ、これを25℃の 温槽(トーマス科学社製サーモスタティック ウォーターバスT-25)中に設置した。次に、過 ウ素酸ナトリウム(和光純薬工業製)をRO水に 溶解させ、11.45mg/mlの過ヨウ素酸ナトリウム 液を作製し、362mLをセパラブルフラスコに加 え、25℃で1時間、回転数150rpmで攪拌した(攪 機はマゼラ Zを使用)。反応後、グラスフィ ター(TOP社製26G-2)上で、多孔質担体の20倍体 量のRO水で洗浄し、ホルミル基含有多孔質 体を得た。

 得られたホルミル基含有多孔質担体のホ ミル基含量を前述の方法で測定した結果、 ルミル基含量は多孔質担体1mLあたり16μmolで あった。また、この担体の5%圧縮時の圧縮応 は0.009MPa、10%圧縮時の圧縮応力は0.026MPa、15% 圧縮時の圧縮応力は0.049MPa、であった。また この担体の体積平均粒径は84μmであった。

 このホルミル基含有多孔質担体315mLをグ スフィルター(TOP社製26G-2)上で、pH11の0.5Mリ 酸+0.15M食塩バッファー(和光純薬工業社製リ 酸水素2ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸 化ナトリウム、RO水を用いて調整)1500mLで置換 した。置換後のホルミル基含有多孔質担体と pH10の0.5Mリン酸+0.15M食塩バッファー全量で522m Lに調整し、セパラブルフラスコに入れ、国 公開特許公報WO2006/004067に記載の方法で作製 れたプロテインAの濃度が、51.6mg/mLのプロテ インA含有溶液(カネカ社製PNXL29)を48.84mL加え 恒温槽(トーマス科学社製サーモスタティッ ウォーターバスT-25)中で、4℃で12時間、回 数100rpmで攪拌しながら反応させた(攪拌機は ゼラ Zを使用)。反応後の反応液のpHが8にな るように4M塩酸(和光純薬工業社製塩酸とRO水 調整)を用いて調整した後、水素化ホウ素ナ トリウム(和光純薬工業製)を0.89g加えて、4℃ 1時間、ゆるやかに攪拌しながら反応させた 。反応後、反応液の276nm付近の吸収極大の吸 度を測定した結果、アフィニティーリガン であるプロテインAの導入量が、多孔質担体 1mL当り、4.6mgであることがわかった。

 反応後の多孔質担体をグラスフィルター( TOP社製26G-2)上で、多孔質担体の10倍体積量のR O水で洗浄し、次いで、3倍体積量の0.01M塩酸( 光純薬工業社製塩酸とRO水で調整)で置換し 。次に、置換した多孔質担体に0.01M塩酸を えて全量を630mLとし、セパラブルフラスコに 入れ、室温で30分間、攪拌しながら、酸洗浄 行った。酸洗浄後、多孔質担体をグラスフ ルター(TOP社製26G―2)上で、多孔質担体の10 体積量のRO水で洗浄し、次いで、3倍体積量 0.05M水酸化ナトリウム+1M硫酸ナトリウム水溶 液(和光純薬工業社製水酸化ナトリウム、硫 ナトリウム、RO水で調整)で置換した。次に 置換した多孔質担体に0.05M水酸化ナトリウム +1M硫酸ナトリウム水溶液を加えて全量を630mL し、セパラブルフラスコに入れ、室温で20 間、攪拌しながら、アルカリ洗浄を行った アルカリ洗浄後、多孔質担体をグラスフィ ター(TOP社製26G―2)上で、RO水を用いて、洗浄 ろ液の電導度が5μS/cm以下になるまで洗浄し 目的とするプロテインAを固定化した吸着体 得た。

 洗浄ろ液の電導度は、導電率計(EUTECH INST RUMENTS製 ECTestr10 pure+)で測定した。得られた 着体の精製目的物であるIgGの吸着量を前述 方法で求めた結果、吸着体1mLあたり、55mgで あることが分かった。

 得られた吸着体の5%圧縮時の圧縮応力は0. 008MPa、10%圧縮時の圧縮応力は0.023MPa、15%圧縮 の圧縮応力は0.042MPa以上、であった。また この吸着体の平均体積粒径は86μmであった。

 (実施例22)
 平均粒径が97μm、樹脂含量が10%の多孔質セ ロース担体(チッソ社製CK-C)27.5mLに、RO水を加 えて、全量を41.25mLとして、全量を100mLのポリ 容器にうつした。次に、過ヨウ素酸ナトリウ ム(和光純薬工業製)をRO水に溶解させ、11.45mg/ mLの過ヨウ素酸ナトリウム溶液を作製し、27.5 mLをポリ容器に加え、インキュベーター(イワ キガラス社製インキュベーターLOW-TEMP ICB-151L )中で、ミックスローター(井内盛栄堂社製バ アブルミックスローターVMR-5)を用いて、25 で1時間、100回/分で振とうしながら反応させ た。反応後、グラスフィルター上で、多孔質 担体の20倍体積量のRO水で洗浄し、ホルミル 含有多孔質担体を得た。

 得られたホルミル基含有多孔質担体のホ ミル基含量を前述の方法で測定した結果、 ルミル基含量は多孔質担体1mLあたり15μmoLで あった。また、この担体の5%圧縮時の圧縮応 は0.012MPa、10%圧縮時の圧縮応力は0.029MPa、15% 圧縮時の圧縮応力は0.052MPa、であった。また この担体の体積平均粒径は100μmであった。

 このホルミル基含有多孔質担体25mLをグラ スフィルター(TOP社製17G-2)上で、pH11の0.5Mリン 酸+0.15M食塩バッファー(和光純薬工業社製リ 酸水素2ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸 ナトリウム、RO水を用いて調整)125mLで置換 た。置換後のホルミル基含有多孔質担体とpH 11の0.5Mリン酸+0.15M食塩バッファー全量を41.5mL に調整し、ポリ容器(サンプラテック社製)に れ、国際公開特許公報WO2006/004067に記載の方 法で作製されたプロテインAの濃度が、52.6mg/m LのプロテインA含有溶液(カネカ社製PNXL28)を3. 80mL加え、インキュベーター(イワキガラス社 インキュベーターLOW-TEMP ICB-151L)中で、ミッ クスローター(井内盛栄堂社製バリアブルミ クスローターVMR-5)を用いて、4℃で12時間、10 0回/分で振とうしながら反応させた。反応後 反応液のpHが8になるように4M塩酸(和光純薬 業社製塩酸とRO水で調整)を用いて調整した 、水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業製 )を0.071g加えて、4℃で1時間、ゆるやかに攪拌 しながら反応させた。反応後、反応液の276nm 近の吸収極大の吸光度を測定した結果、ア ィニティーリガンドであるプロテインAの導 入量が、多孔質担体1mL当り、4.0mgであること わかった。反応後の多孔質担体を実施例1と 同様の方法で、酸洗浄、アルカリ洗浄、RO水 浄を行い、目的とするプロテインA固定化吸 着体を得た。

 洗浄ろ液の電導度は、導電率計(EUTECH INST RUMENTS製 ECTestr10 pure+)で測定した。得られた 着体の精製目的物であるIgGの吸着量を前述 方法で求めた結果、吸着体1mLあたり、46mgで あることが分かった。得られた吸着体の5%圧 時の圧縮応力は0.017MPa、10%圧縮時の圧縮応 は0.034MPa、15%圧縮時の圧縮応力は0.054MPa以上 であった。また、この吸着体の体積平均粒 は101μmであった。

 (実施例23)
 体積平均粒径が93μm、樹脂含量が6%の多孔質 セルロース担体(チッソ社製CK-A)57mLに、RO水を 加えて、全量を85.5mLとして、全量を250mLのポ 容器にうつした。次に、過ヨウ素酸ナトリ ム(和光純薬工業製)をRO水に溶解させ、11.45m g/mLの過ヨウ素酸ナトリウム溶液を作製し、57 mLをポリ容器に加え、インキュベーター(イワ キガラス社製インキュベーターLOW-TEMP ICB-151L )中で、ミックスローター(井内盛栄堂社製バ アブルミックスローターVMR-5)を用いて、25 で1時間、100回/分で振とうしながら反応させ た。反応後、グラスフィルター上で、多孔質 担体の20倍体積量のRO水で洗浄し、ホルミル 含有多孔質担体を得た。得られたホルミル 含有多孔質担体のホルミル基含量を前述の 法で測定した結果、ホルミル基含量は多孔 担体1mLあたり5μmoLであった。

 このホルミル基含有多孔質担体51mLをグラ スフィルター(TOP社製17G-2)上で、pH10の0.5Mリン 酸+0.15M食塩バッファー(和光純薬工業社製リ 酸水素2ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸 ナトリウム、RO水を用いて調整)255mLで置換 た。置換後のホルミル基含有多孔質担体とpH 10の0.5Mリン酸+0.15M食塩バッファーを全量で84. 7mLとし、これを250mLのポリ容器に移し、国際 開特許公報WO2006/004067に記載の方法で作製さ れたプロテインAの濃度が、52.6mg/mLのプロテ ンA含有溶液(カネカ社製PNXL28)を7.76mL加え、 ンキュベーター(イワキガラス社製インキュ ーターLOW-TEMP ICB-151L)中で、ミックスロータ ー(井内盛栄堂社製バリアブルミックスロー ーVMR-5)を用いて、4℃で12時間、100回/分で振 うしながら反応させた。反応後の反応液のp Hが8になるように4M塩酸(和光純薬工業社製塩 とRO水で調整)を用いて調整した後、水素化 ウ素ナトリウム(和光純薬工業製)を0.145g加 て、4℃で、ゆるやかに攪拌しながら反応さ た。1時間後、水素化ホウ素ナトリウムをさ らに0.145g加え4℃でゆるやかに攪拌した。こ 操作を繰り返し、合計水素化ホウ素ナトリ ムを5回加えた。反応後、反応液の276nm付近 吸収極大の吸光度を測定した結果、アフィ ティーリガンドであるプロテインAの導入量 、多孔質担体1mL当り、5.4mgであることがわ った。

 反応後の多孔質担体を実施例1と同様の方 法で、酸洗浄、アルカリ洗浄、RO水洗浄を行 、目的とするプロテインA固定化吸着体を得 た。

 洗浄ろ液の電導度は、導電率計(EUTECH INST RUMENTS製 ECTestr10 pure+)で測定した。得られた 着体の精製目的物であるIgGの吸着量を前述 方法で求めた結果、吸着体1mLあたり、35mgで あることが分かった。

 (比較例2)
 体積平均粒径が93μm、樹脂含量が6%の多孔質 セルロース担体(チッソ社製CK-A)175mLに、RO水 加えて全量を221mLとして、ポリ容器(サンプ テック社製500mL)に入れ、次いで2M水酸化ナト リウム水溶液(和光純薬工業社製水酸化ナト ウムとRO水で調整)64mLを加えて、40℃で30分加 温した。液温が40℃に加温された後、エピク ロヒドリン(和光純薬工業社製)11mLを加えて 恒温振とう機(トーマス科学社製サーモスタ ティックウォーターバスT-25)を用いて、40℃ 2時間、100回/分で振とうしながら反応させた 。反応終了後、グラスフィルター(TOP社製26G-2 )上で、多孔質担体の20倍体積量のRO水で洗浄 、エポキシ化多孔質担体を得た。

 得られたエポキシ化多孔質担体6.6mLを、 ラスフィルター(TOP社製3G-2)上で15分間吸引ろ 過(サクションドライ)し、サクションドライ の多孔質担体1.5gをスクリュー菅(マルエム 製)に秤量し、1.3Mチオ硫酸ナトリウム水溶液 (和光純薬工業社製チオ硫酸ナトリウムとRO水 で調整)4.5mLを加えた。45℃で30分間加温した 、45mLのRO水と共に100mLのガラス製ビーカーに 移し、1%フェノールフタレイン溶液(和光純薬 工業社製フェノールフタレインとエタノール で調整)を数滴添加した。0.01N塩酸(和光純薬 業社製、容量分析用)で滴定し、エポキシ基 量を求めたところ、サクションドライ多孔 担体1gあたり7μmolであった。また、ゲル1mL たり5.7μmoLであった。

 次いで、得られたエポキシ化多孔質担体 RO水を加えて、全量を架橋多孔質担体の2倍 積量とし、ガラス製ビーカー(1L)に入れ、ア ルミ箔2枚で封をして、オートクレーブ(サク 社製 高圧滅菌器ネオクレーブ)を用いて120 で40分間加温した。室温まで放冷した後、 ラスフィルター(TOP社製17G-2)上で多孔質担体 5倍体積量のRO水で洗浄し、エポキシ基がグ セリル基に変化した多孔質担体を得た。

 洗浄後の多孔質担体83mLにRO水を加えて全 を125mLとして、ポリ容器(サンプラテック社 500mL)に入れた。次に119mgの過ヨウ素酸ナト ウム(和光純薬工業社製)を83mLのRO水に溶解さ せ、この過ヨウ素酸ナトリウム水溶液をポリ 容器に加えて、インキュベーター(イワキガ ス社製インキュベーターLOW-TEMP ICB-151L)中で ミックスローター(井内盛栄堂社製バリアブ ルミックスローターVMR-5)を用いて、25℃で1時 間、100回/分で振とうしながら反応させた。 応後、グラスフィルター(TOP社製26G-2)上で、 孔質担体の20倍体積量のRO水で洗浄し、ホル ミル基含有多孔質担体を得た。得られたホル ミル基含有多孔質担体のホルミル基含量を前 述の方法で測定した結果、ホルミル基含量は 多孔質担体1mLあたり7μmolであった。

 このホルミル基含有多孔質担体21mLをグラ スフィルター(TOP社製17G-2)上で、pH10の0.5Mリン 酸+0.15M食塩バッファー(和光純薬工業社製リ 酸水素2ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸 ナトリウム、RO水を用いて調整)63mLで置換し た。置換後のホルミル基含有多孔質担体にpH1 0の0.5Mリン酸+0.15M食塩バッファーを加え、全 を35mLとし、ポリ容器(サンプラテック社製10 0mL)に入れ、国際公開特許公報WO2006/004067に記 の方法で作製されたプロテインAの濃度が、 52.6mg/mLのプロテインA含有溶液(カネカ社製PNXL 28)を3.16mL加え、インキュベーター(イワキガ ス社製インキュベーターLOW-TEMP ICB-151L)中で ミックスローター(井内盛栄堂社製バリアブ ルミックスローターVMR-5)を用いて、4℃で12時 間、100回/分で振とうしながら反応させた。 応後の反応液のpHが8になるように4M塩酸(和 純薬工業社製塩酸とRO水で調整)を用いて調 した後、水素化ホウ素ナトリウムを59mg加え 、4℃で1時間、ゆるやかに振とうしながら 応させた。反応後、反応液の277nm付近の吸収 極大の吸光度を測定した結果、アフィニティ ーリガンドであるプロテインAの導入量が、 孔質担体1mL当り、5.3mgであることがわかった 。

 反応後の多孔質担体をグラスフィルター( TOP社製25G-2)上で、多孔質担体の20倍体積量のR O水で洗浄した後、多孔質担体にRO水を加えて 全量が多孔質担体の2倍となるようにして、 リ容器(サンプラテック社製100mL)に入れた。 いで、3.26gの水素化ホウ素ナトリウムをRO水 に溶解させて21mLとし、この溶液の全量をポ 容器に5時間かけて少量ずつ添加した。反応 の多孔質担体を実施例1と同様の方法で、酸 洗浄、アルカリ洗浄、RO水洗浄を行い、目的 するプロテインA固定化吸着体を得た。

 得られた精製用吸着体の精製目的物であ IgGの吸着量を前述の方法で求めた結果、吸 体1mLあたり、46mgであることが分かった。

 (リガンドのリーク量測定)
 (溶液作製)
 A液としてpH7.4リン酸バッファー(シグマ社製 )、B液としてpH3.5の35mM酢酸ナトリウム(和光純 薬工業社製の酢酸、酢酸ナトリウム、RO水で 整)、C液として1M酢酸(和光純薬工業社製酢 とRO水で調整)、D液として1mg/mLのIgG溶液(バク スター社製ガンマガードとA液で調整)、E液と して6M尿素、F液としてA液に対して0.2vol%の界 活性剤(和光純薬工業社製ポリオキシエチレ ン(20)ソルビタンモノラウレート)を添加した 、中和液として2Mのトリス(ヒドロキシメチ )アミノメタン(シグマ社製トリス(ヒドロキ メチル)アミノメタンとRO水で調整)を作製し 、各溶液を使用前に脱泡した。

 (充填、準備)
 カラムクロマトグラフィー用装置として、B iologic LPシステム(BIO-RAD社製)を用い、直径0.5c m、高さ15cmのカラムに22μmのメッシュを取り け、実施例および比較例で得たプロテインA 定化吸着体をそれぞれ3mL入れ、線速400cm/hで 20%エタノール水溶液(和光純薬工業社製エタ ールとRO水で調整)を1時間通液して充填した フラクションコレクターに5mlの採取用チュ ブをセットし、溶出液の採取用チューブに いては、あらかじめ中和液を入れた。

 (洗浄)
 実施例2~20の吸着体については、F液、B液、A 液、C液、E液の順に、各液を線速300cm/hで吸着 体の3倍量を通液した。この通液サイクルを6 繰り返した。

 (IgG精製)
 A液を9mL通液し、次いでD液をUVをモニターし ながら、IgGが10%破過するまで通液した。次い で、A液を30mL通液し、B液を30mL通液してIgGを 出させた。次にC液を9mL,E液を9mL通液した。 着体の充填終了後からの操作をさらに2回繰 返し、溶出液中のIgG量とリガンド量を測定 た。

 その結果、実施例1の吸着体を用いた場合 は、精製IgG中のIgGに対するリガンド量は、1 目51ppm、2回目24ppm、3回目20ppm、平均値32ppmで り、実施例2~20で作製した吸着体においては 、いずれも1回目~3回目の平均値が100ppm以下で あった。比較例1の吸着体を用いた場合は、 製IgG中のIgGに対するリガンド量は、1回目122p pm、2回目87ppm、3回目119ppm、平均値109ppmであっ た。

 また、実施例21の吸着体を用いた場合は 精製IgG中のIgGに対するリガンド量は1回目76pp m、2回目57ppm、3回目56ppm、平均値63ppmであり、 実施例22の吸着体を用いた場合は、精製IgG中 IgGに対するリガンド量は1回目56ppmであり、 施例23の吸着体を用いた場合は、精製IgG中 IgGに対するリガンド量は1回目49ppmであった 一方、比較例2の吸着体を用いた場合は、1回 目122ppm、2回目87ppm、3回目119ppm、平均値109ppm あった。

 また、本測定に伴って得られた、吸着体1 mLあたりのIgG動的吸着量(5%ダイナミックバイ ディングキャパシティー)は、実施例1が1回 36mg、2回目35mg、3回目35mg、比較例1は1回目36m g、2回目36mg、3回目36mgであり、また実施例21&g t;実施例22≒比較例2≧実施例23であった。