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Patent Searching and Data


Title:
POSITION DETECTOR EMPLOYING MAGNETORESISTIVE EFFECT ELEMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/139930
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a position detector employing a magnetoresistive effect element arranged to detect a position accurately using a magnet and a detector opposing that magnet. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] Circular surface (2a) of a magnet (2) is magnetized with N pole and the backside (2b) is magnetized with S pole. A detector (10) moves in the X-Y plane at a position remote from the surface (2a) of the magnet (2). An X direction detection element (20x) and a Y direction detection element (20y) are provided in the detector (10). The X direction detection element (20x) and the Y direction detection element (20y) are magnetoresistive effect elements where the direction B of a bias magnetic field imparted to a free magnetic layer is normal to the surface (2a) of the magnet (2). Consequently, the bias magnetic field is stabilized in the X direction detection element (20x) and the Y direction detection element (20y), and the position detection outputs in the X direction and the Y direction can be obtained accurately from the detector (10).

Inventors:
TAKEYA TSUTOMU (JP)
NOGUCHI TAKAFUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058245
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
April 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ALPS ELECTRIC CO LTD (JP)
TAKEYA TSUTOMU (JP)
NOGUCHI TAKAFUMI (JP)
International Classes:
G01B7/00; H01L43/08
Foreign References:
JP2005331400A2005-12-02
JPH1186228A1999-03-30
JP2002522792A2002-07-23
JP2005098942A2005-04-14
JP2005291826A2005-10-20
Attorney, Agent or Firm:
NOZAKI, Teruo et al. (1-21-11 Higashi-Ikebukuro Toshima-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 固定部と、この固定部に対向して平面に沿って移動する可動部とを有し、前記固定部と前記可動部の一方に磁石が、他方に前記磁石から発せられた磁界を検知する検知器が設けられた位置検知装置において、
 前記磁石は、前記検知器が対向する表面を有し、前記表面と裏側部分とが互いに異なる磁極に着磁されており、
 前記検知器には、磁化方向が固定された固定磁性層と前記磁石から与えられる磁界で磁化される自由磁性層とを有し、前記固定磁性層の固定磁化の向きと前記自由磁性層の磁化の向きとの相対角度に応じて電気抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子が設けられ、前記固定磁性層の固定磁化の方向が、前記平面に沿う方向に向けられ、前記自由磁性層に対して前記平面と直交するバイアス磁界が与えられており、
 前記磁気抵抗効果素子の抵抗変化によって、前記平面内での前記可動部の位置の検出が可能とされたことを特徴とする位置検知装置。
 前記平面の方向の磁界成分が理論上ゼロとなる磁石の中心を挟んで、一方の側への前記検知器の移動距離と、他方の側への移動距離を検知可能である請求項1記載の位置検知装置。
 前記検知器には、2つの磁気抵抗効果素子が搭載され、2つの前記磁気抵抗効果素子は、固定磁性層の固定磁化の方向が互いに直交し、前記バイアス磁界の向きが共に前記平面と垂直である請求項1記載の位置検知装置。
 前記磁石の前記表面は円形である請求項1記載の位置検知装置。
Description:
磁気抵抗効果素子を用いた位置 知装置

 本発明は、磁気抵抗効果素子と磁石とを 用して、平面内での可動部の位置を知るこ ができる位置検知装置に関する。

 以下の特許文献1ないし3には、磁石と、 の磁石から発せられた磁界を検知する検知 を使用した位置検知装置が開示されている

 これら文献に記載の位置検知装置は、い れも、検知器にホール素子などの磁界の強 を検知できる素子が設けられており、磁石 表面から発せられる磁界のうちの前記表面 直交する向きの磁界の強度を前記検知器で 知することにより、磁石と検知器との対向 置を知ろうとしている。

 しかし、前記文献に記載のものは、検知 が、ホール素子などのように、磁石の表面 垂直な磁界強度のみを検知できるものであ ため、検知器で位置を識別できる領域が限 される。例えば、磁石の表面がN極で裏側が S極に着磁され、前記表面に検知器が対向し いるものでは、磁石の表面の中心から一方 側へ離れていくときと、前記中心から他方 側へ離れていくときとで、前記表面に垂直 磁界の強度の変化が同じである。そのため 検知器が前記中心を跨いで移動すると、検 器で磁界の強度を検知したとしても、その 置が中心を跨いで一方の領域であるのか他 の領域であるのかを識別できない。

 そのため、検知器で位置を検知できる領 が極めて狭くなり、X-Y座標上での検知器の 置を広い領域で正確に検知するためには、 石を大型化することが必要である。また、 知器にホール素子を使用した場合には、検 器を構成する回路も複雑になる。

 以下の特許文献4には、円形の磁石が移動 するときに、この磁石から発せられる磁界を 検知する磁気センサが開示されている。この 磁気センサには、4個の巨大磁気抵抗効果素 が設けられ、そのうちの2個の巨大磁気抵抗 果素子で磁石から出る磁束のX方向の成分が 検知され、他の2個の巨大磁気抵抗効果素子 磁石から出る磁束のY方向の成分が検知され 。そして、磁束のX方向の成分を検知する2 の巨大磁気抵抗効果素子の抵抗値の変化の などを求め、磁束のY方向の成分を検知する2 個の巨大抵抗磁気効果素子の抵抗値の変化の 差などを求めることで、磁石の位置を認識し ようとしている。

 しかし、個々の巨大磁気抵抗効果素子は 正方向と負方向の互いに逆向きの磁束の識 ができない構造であるため、磁石の移動位 を正確に知ることは困難である。

 また、例えばX方向の磁束の成分を検知する 2個の巨大抵抗効果素子が、磁石の中心からY 向へ離れた位置へ移動すると、巨大抵抗効 素子の自由磁性層にX方向の磁界の成分のみ ならずY方向の磁界の成分が作用する。その め、自由磁性層の磁化が不安定になり、磁 のX方向への移動位置に対応した抵抗変化を 確に知ることができなくなる。

特開2005-331401号公報

特開2005-69744号公報

特開2004-69695号公報

特開2006-276983号公報

 本発明は上記従来の課題を解決するもの あり、比較的小さな磁石と検知器とを使用 て、磁石の表面の中心を含む広い領域内で 置を知ることができる磁気抵抗効果素子を 用した位置検知装置を提供することを目的 している。

 また、本発明は、検知器が磁石の中心か 離れたときでも、検知器の移動座標に対応 た抵抗値変化を正確に検知できる磁気抵抗 果素子を使用した位置検知装置を提供する とを目的としている。

 本発明は、固定部と、この固定部に対向し 平面に沿って移動する可動部とを有し、前 固定部と前記可動部の一方に磁石が、他方 前記磁石から発せられた磁界を検知する検 器が設けられた位置検知装置において、
 前記磁石は、前記検知器が対向する表面を し、前記表面と裏側部分とが互いに異なる 極に着磁されており、
 前記検知器には、磁化方向が固定された固 磁性層と前記磁石から与えられる磁界で磁 される自由磁性層とを有し、前記固定磁性 の固定磁化の向きと前記自由磁性層の磁化 向きとの相対角度に応じて電気抵抗値が変 する磁気抵抗効果素子が設けられ、前記固 磁性層の固定磁化の方向が、前記平面に沿 方向に向けられ、前記自由磁性層に対して 記平面と直交するバイアス磁界が与えられ おり、
 前記磁気抵抗効果素子の抵抗変化によって 前記平面内での前記可動部の位置の検出が 能とされたことを特徴とするものである。

 本発明の位置検知装置では、検知器に設 られた磁気抵抗効果素子の自由磁性層のバ アス磁界の方向が、可動部の移動平面と直 する向きである。よって、磁気抵抗効果素 が、磁石の中心から離れた位置に対向して るときに、磁石から発せられる磁界がバイ ス磁界に与える影響を小さくできる。よっ 、バイアス磁界が安定して状態で、精度の い位置検出ができる。

 例えば、本発明は、前記平面の方向の磁 成分が理論上ゼロとなる磁石の中心を挟ん 、一方の側への前記検知器の移動距離と、 方の側への移動距離を検知可能である。

 また、前記検知器には、2つの磁気抵抗効果 素子が搭載され、2つの前記磁気抵抗効果素 は、固定磁性層の固定磁化の方向が互いに 交し、前記バイアス磁界の向きが共に前記 面と垂直な向きである。
 これにより、固定部に対する可動部の移動 向を二次元的に検知できる。

 なお、前記磁石の前記表面は、基本的に 平坦面であるが、前記表面は、その中心部 隆起するように突出する形状であってもよ し、前記表面に凹凸が規則的に形成されて てもよい。

 本発明では、前記磁石の前記表面は円形 あることが好ましい。前記表面が円形であ と、表面の中心から放射方向に延びる各向 において、中心から離れるにしたがって変 する移動平面に平行な磁界の強度の変化が 一になる。そのため、検知器が磁石の表面 対向する位置を精度よく検知しやすい。た し、前記磁石の表面は、楕円形や、角を丸 した四角形などであってもよい。

 本発明は、磁石と検知器とが移動平面に って相対的に動いたときに、検知器によっ 、磁石との対向位置を比較的広い領域で知 ことができる。そのため、小型の精密機器 どにおいて、高精度な位置検知を実現でき 。また、検知器が、磁石の中心から離れた 置にあるときに、磁気抵抗効果素子の自由 性層に与えられるバイアス磁界が、磁石か 発せられる磁界の強度に影響を受けにくい よって、可動部の移動位置を広い範囲で高 度に検知できる。

 図1は本発明の実施の形態の位置検知装置1 示す斜視図である。
 位置検知装置1は、磁石2とこの磁石2に対向 る検知器10を有している。磁石2は、表面2a 裏側部分に位置する背面2bとが互いに平行と なるように均一な厚さ寸法に形成されている 。図1および図3などに示すX0軸とY0軸は直交座 標を意味している。X0軸とY軸0を含む面と平 な面が移動平面であり、この移動平面は、 石2の表面2aと平行である。検知器10が固定さ れて、磁石2が前記移動平面内においてX-Y座 内の任意の位置へ移動する。あるいは、磁 2が固定されて、前記検知器10が、移動平面 においてX-Y座標内の任意の位置へ移動する

 例えば、位置検知装置1は小型精密機器の 内部に実装される。小型精密機器には、固定 部と、可動部とが設けられている。可動部は 、X方向への駆動力を発揮する磁気駆動アク ュエータと、Y方向への駆動力を発揮する磁 駆動アクチュエータとで、X-Y座標内で移動 せられる。固定部と可動部の一方に磁石2が 他方に検知器10が設けられる。前記各磁気駆 アクチュエータによって移動させられる可 部の位置が、位置検知装置1によって検知さ れる。位置検知装置1から得られる位置検知 力を制御部で監視することで、可動部の移 位置を高精度に認識しながら駆動できるよ になる。

 この実施の形態では、磁石2が固定部に設 けられ、検知器10が可動部に搭載されている のとして説明する。ただし、前述のように 磁石2が可動部に搭載され、検知器10が固定 に設置されてもよい。

 磁石2の表面2aと背面2bは円形であり、図1 斜視図と図3に示す平面図では、円の中心す なわち磁石2の中心を「O」で示している。直 座標のX0軸とY0軸の交点は、前記磁石の中心 Oと、平面において同じ位置にある。図1に示 ように、磁石2は表面2aがN極に着磁され、背 面2bがS極に着磁されており、磁力線は、表面 2aの全域から出て背面2bの全域に向かう。前 検知器10は、前記表面2aから所定の高さZhだ 離れた位置で、X0軸とY0軸を含む面と平行な 動平面内を移動する。ただし、検知器10がS に着磁された背面2bに対向し、この背面2bか ら離れた位置で移動するものであってもよい 。

 図1では、磁石2のN極の表面2aから出て背 2bのS極に向かう磁力線のうちのX0軸上に位置 する磁力線のみを破線で示している。図2は 横軸が、X0軸上における磁石2の中心Oからの 離を示し、縦軸は、X0軸上の各位置におけ 磁界のX方向成分の強度Hxを示している。磁 2の中心Oにおいては、理論上は、磁力線の向 きはX-Y平面と垂直であり、X-Y平面に向かう磁 界の成分の強度はゼロである。そして、前記 平面内において、磁石2の中心Oから半径方向 離れるにしたがって、X-Y平面の垂線に対す 磁力線の傾きが徐々に大きくなり、磁石2の 表面2aから発せられる磁界のX方向成分の強度 Hxは、中心Oから離れるにしたがって大きくな る。

 実施の形態の磁石2の表面2aは円形の平面 あり、その直径が6mmである。磁石2の厚さは 1mmである。図2では、磁石2の表面2aからの高 Zhが、1.5mm、1.0mm、0.5mmの位置での、磁界のX 向成分の強度Hxをそれぞれ示している。Zh=1.5 mmでの磁界のX方向成分の強度Hxの変化を示し いるのが曲線(i)であり、Zh=1.0mmのときの強 Hxの変化を示しているのが曲線(ii)であり、Zh =0.5mmのときの強度Hxの変化を示しているのが 線(iii)である。また、図2では、磁界のX(+)方 向の成分の強度Hxを正の符号で示し、X(-)方向 の成分の強度Hxを負の符号で示している。

 磁石2の表面2aにおいて、中心Oを挟んでX 向での+Hrと-Hrの範囲では、X方向に向く磁界 強度Hxがほぼ一次関数で変化する。+Hrと-Hr 範囲は、磁石の直径や磁界の強度などによ て相違するが、直径が5mm以上または6mm以上 あれば、+Hrが+2mmで、-Hrが-2mmの範囲であれば 、磁界の強度がほぼ一次関数で変化する。こ れは、Y0軸上における磁界のY方向成分の強度 Hyの変化においても同じである。

 図3では、X0軸とY0軸以外の任意の軸であ 且つ磁石2の中心Oを通過する直線である放射 軸をαで示している。磁石2の表面2aは円形で るため、この磁石2の表面2aから発せられる 界のうちの放射軸α上においてα方向に向く 成分の強度Hαの変化は、X0軸上での磁界のX方 向成分の強度Hxの変化、およびY0軸上での磁 のY方向成分の強度Hyの変化と同じ比率で、 ぼ一次関数で変化する。

 図3では、磁石2の表面2aにおいて、X0軸と 行で、Y0軸上の位置Y1を通過する線をLで示 ている。Y0軸上において中心Oから位置Y1まで の距離は半径ryである。前記放射軸αと前記 Lとの交点をYαとしたときに、中心Oから交点 Yαまでの距離は半径rαである。

 位置Y1における磁界のY方向成分の強度をH y0とし、交点Yαにおける磁界のα方向成分の 度をHαとする。中心Oからの半径が図2に示す -Hrから+Hrの範囲であれば、強度Hy0は半径ryに ぼ比例し、強度Hαも半径rαにほぼ比例する また、Y0軸上において位置が変化したとき 前記強度Hy0の比例定数と、放射軸α上におい て位置が変化したときの前記強度Hαの比例定 数とが同じであり、比例定数は一次関数であ る。この一次関数の比例定数をaとすると、 度Hy0=a・ryであり、強度Hα=a・rαである。

 Y0軸と放射軸αとの成す角度をθとすると 交点Yαでの磁界のY方向成分の強度Hyは、Hy=H α・cosθ=a・rα・cosθである。ここで、rα・cos =ryであるから、Hy=a・ry=Hy0である。

 つまり、中心Oからの半径が図2に示す-Hr ら+Hrの範囲であれば、X0軸と平行な線上のど の位置であっても、磁界のY方向の成分の強 Hyが同じであり、Y0軸と平行な線上のどの位 であっても、磁界のX方向の成分の強度Hxが じである。

 前記検知器10内には、図4に示すX方向検知 素子20xとY方向検知素子20yとが搭載されてい 。X方向検知素子20xとY方向検知素子20yは、磁 気抵抗効果素子であり、その寸法は図4に示 ものよりも十分に小さく、X方向検知素子20x Y方向検知素子20yとの距離も微小である。よ って、X方向検知素子20xとY方向検知素子20yと 搭載された検知器10を、磁石2の表面2aと平 なX-Y平面内で移動させるときに、X-Y座標上 のX方向検知素子20xの座標位置とY方向検知素 子20yの座標位置は、ほぼ同じ位置として見る ことができる。

 したがって、前記検知器10を磁石2の表面2 aと平行な面内で移動させ、X方向検知素子20x 、磁界のX方向の成分の強度Hdxを検知し、Y 向検知素子20yで、磁界のY方向の成分の強度H dyを検知することにより、X-Y座標上での検知 10と磁石2との対面位置を知ることができる

 また、X方向検知素子20xは、磁界のX方向 成分の正負の方向を判別でき、Y方向検知素 20yは、磁界のY方向の成分の正負の方向を判 別できる。したがって、検知器10が磁石2の表 面2aに対向している位置が、磁石2の中心Oに して(+)X側の位置であるか、(-)X側の位置であ るかを検知でき、また前記対向位置が、中心 Oに対して(+)Y側の位置であるか、(-)Y側の位置 であるかを検知できる。

 図5(A)は、前記X方向検知素子20x、および 記Y方向検知素子20yとして使用される磁気抵 効果素子20を示している。

 この磁気抵抗効果素子20は、複数の素子 21が互いに平行に形成され、個々の素子部21 前後端部は、接続電極28,29によって2個ずつ 続されている。さらに、図示上下両端部に 置する素子部21には引き出し電極31,32が接続 されている。よって、各素子部21は直列に接 され、ミアンダ型パターンが構成されてい 。図5(A)では、素子部21の幾何学的な中心をO aで示している。

 図6の断面図に示すように、個々の素子部 21は、基板22の上に、反強磁性層23、固定磁性 層24、非磁性導電層25、および自由磁性層26の 順に積層されて成膜され、自由磁性層26の表 が保護層27で覆われている。

 反強磁性層23は、Ir-Mn合金(イリジウム-マ ガン合金)などの反強磁性材料で形成されて いる。固定磁性層24はCo-Fe合金(コバルト-鉄合 金)などの軟磁性材料で形成されている。非 性導電層25はCu(銅)などである。自由磁性層26 は、Ni-Fe合金(ニッケル-鉄合金)などの軟磁性 料で形成されている。保護層27はTa(タンタ )の層である。

 素子部21では、反強磁性層23と固定磁性層 24との反強磁性結合により、固定磁性層24の 化の方向が固定されている。図5(B)に示すよ に、個々の素子部21では、固定磁性層24の固 定磁化の方向(P方向)が、素子部21の長手方向 直交している。

 図5(A)に示すように、磁気抵抗効果素子20 、右側にマグネット33が左側にマグネット34 が設けられて、各素子部21に対し長手方向と 行な向きにバイアス磁界が与えられており このバイアス磁界により自由磁性層26の磁 がB方向に向けられて短磁区化されている。 5(B)に実線で示すように、固定磁性層24の磁 の固定方向(P方向)と平行な向きに作用する 部磁界の強度Hがゼロのとき、自由磁性層26 の磁化方向はバイアス磁界の作用方向Bに向 けられている。つまり、自由磁性層26の磁化 向と固定磁性層24の固定磁化の方向(P方向) が直交している。

 磁気抵抗効果素子20は、固定磁性層24の固 定磁化の方向(P方向)と、自由磁性層26の磁化 方向との関係で電気抵抗が変化する。磁気 抗効果素子20の素子部21に対して、図5(B)の 示上方(固定方向Pと平行な(+)方向)への外部 界(+)Hが与えられると、バイアス磁界が作用 ている自由磁性層26内の磁化の向きが(+)方 へ傾く。このとき、自由磁性層26内の磁化の 向きと固定磁性層24の固定磁化の方向(P方向) の相対角度が小さくなるにしたがって、電 抵抗が小さくなる。これとは逆に、図5(B)の 図示下方(固定方向Pと平行な(-)方向)へ外部磁 界(-)Hが与えられると、バイアス磁界が作用 ている自由磁性層26内の磁化の向きが(-)方向 へ傾く。この傾きが大きくなるにしたがって 、自由磁性層26内の磁化の向きと固定磁性層2 4の固定磁化の方向(P方向)との相対角度が増 し、電気抵抗が大きくなる。

 図4に示すように、検知器10内に設けられ X方向検知素子20xは、前記磁気抵抗効果素子 20と同じ構造であり、図5(A)に示す幾何学的中 心Oaが、磁石2の表面2aからの高さZh=0.5~1.5mmの 囲で対向している。また、Y方向検知素子20y も、前記磁気抵抗効果素子20と同じであり、 の幾何学的中心Oaが、磁石2の表面2aからの さZh=0.5~1.5mmの範囲で対向している。

 図4に示すように、X方向検知素子20xは、 子部21の固定磁性層24の固定磁化の方向(P方 )が(+)X方向へ向けられ、バイアス方向(B方向) が(+)Z方向すなわちX-Y平面に対して垂直で上 に向けられている。また、Y方向検知素子20y 、素子部21の固定磁性層24の固定磁化の方向 (P方向)が(+)Y方向へ向けられ、バイアス方向(B 方向)が(+)Z方向すなわちX-Y平面に対して垂直 上方に向けられている。よって、X方向検知 素子20xとY方向検知素子20yとでは、固定磁性 24の固定磁化の方向(P方向)がX-Y平面内で互い に直交している。

 図7は、検知器10内において、X方向検知素 子20xの抵抗変化を検出する検知回路の一例を 示している。この検知回路では、X方向検知 子20xと固定抵抗素子35とが直列に接続され、 直列に接続されてX方向検知素子20xと固定抵 素子35とに定電圧の直流である電源電圧Vccが 与えられている。そして、X方向検知素子20x 固定抵抗素子35との中間点36が、X方向検知素 子20xの抵抗値の変化に基づく検知出力の出力 部となっている。外部磁界が与えられていな いときのX方向検知素子20xの電気抵抗値と、 定抵抗素子35の抵抗値は同じである。

 検知器10が、磁石2の中心Oよりも(+)X側に 動すると、X方向検知素子20xにおいて自由磁 層26の磁化の向きが(+)X方向へ向けて傾くた に、X方向検知素子20xの電気抵抗が徐々に小 さくなる。よって、図7に示す中間点36の電位 は、Vcc/2よりも高くなる。逆に、検知器10が 磁石2の中心Oよりも(-)X方向へ移動すると、X 向検知素子20xにおいて自由磁性層26の磁化 向きが(-)X方向へ傾くために、X方向検知素子 20xの電気抵抗が大きくなる。そのため、図7 示す中間点36の電位は、Vcc/2よりも低くなる このように、中間点36の電位を検知するこ により、検知器10が、磁石2の中心Oよりも(+)X 側へどの距離だけ移動したか、(-)X側へどの 離だけ移動したかを検知できる。

 検知器10では、Y方向検知素子20yも、図7に 示すのと同様に、固定抵抗素子35が直列に接 されて、外部磁界が作用していないときに 中間点36の電位がVcc/2に設定されている。そ して、検知器10が磁石2の中心Oを超えて(+)Y方 へ移動するにしたがって、中間点36の電位 Vcc/2よりも高くなり、検知器10が磁石2の中心 Oを超えて(-)Y方向へ移動するにしたがって、 間点36の電位がVcc/2よりも低くなる。よって 、Y方向検知素子20yと固定抵抗素子35との中間 点36の電位を検出することで、検知器10が、 石2の中心Oよりも(+)Y側へどの距離だけ移動 たか、(-)Y側へどの距離だけ移動したかを検 できる。

 図8ないし図10は、本実施の形態の位置検 装置1と、比較例の位置検知装置1sとの効果 違いを示している。

 図8は、本実施の形態の位置検知装置1の 知器10に設けられたX方向検知素子20xと磁石2 の位置関係を示しており、(A)は平面図、(B) 側面図である。前述のように、X方向検知素 子20xは、固定磁性層24の固定磁化の向き(P方 )が(+)X方向であり、自由磁性層26に与えられ いるバイアス磁界の向き(B方向)が(+)Z方向で ある。

 図9は、比較例の位置検知装置1sを示して る。この位置検知装置1sでは、前記実施の 態のX方向検知素子20xと同じ構造の磁気抵抗 果素子20がX方向検知素子20sとして使用され いる。ただし、比較例のX方向検知素子20sで は、固定磁性層24の固定磁化の向き(P方向)が 実施の形態と同様の(+)X方向であるが、自由 磁性層26に与えられているバイアス磁界の向 (B方向)が、(+)Y方向である。

 図9に示す位置検知装置1sにおいても、X方 向検知素子20sが磁石2の中心Oを超えて(+)X方向 へ移動すると、自由磁性層26の磁化の向きが( +)X方向へ倒れてX方向検知素子20sの電気抵抗 下がる。またX方向検知素子20sが、磁石2の中 心Oを超えて(-)X方向へ移動すると、X方向検知 素子20sの磁気抵抗が大きくなる。よって、比 較例のX方向検知素子20sに対して、図7に示す うに固定抵抗素子35を直列に接続して電源 圧Vccを与える回路を構成し、中間点36の電位 を検知することで、X方向検知素子20sと磁石2 の対向位置のX座標上の位置を知ることがで きる。

 しかし、図9に示す位置検知装置1sでは、X 方向検知素子20sが、磁石2の中心Oよりも(+)Y方 向へ移動すると、自由磁性層26に与えられて るB方向のバイアス磁界が、磁石2上での磁 の(+)Y方向の成分により増強される。逆に、X 方向検知素子20sが、磁石2の中心Oよりも(-)Y方 向へ移動すると、自由磁性層26に与えられて るB方向のバイアス磁界が、磁石2上での磁 の(-)Y方向の成分により低下させられる。

 そのため、X方向検知素子20sが磁石2の中 Oよりも(+)Y側に有るとときと、中心Oよりも(- )Y側に有るときとで、X方向検知素子20sのX方 での移動位置の検知出力が変動することに る。

 一方、実施の形態の位置検知装置1では、 図8に示すように、X方向検知素子20xの自由磁 層26に与えられているバイアス磁界の向き(B 方向)が、磁石2の表面2aに対して垂直な向き(( +)Z方向)である。したがって、X方向検知素子2 0xが、磁石2の中心Oよりも(+)Y側へ移動したと と、中心Oよりも(-)Y側へ移動したときとで 自由磁性層26に与えられるバイアス磁界が、 磁石2の表面2aからの磁界で常に(+)Z方向へ増 されることになる。すなわち、比較例のよ に、磁石2の中心Oよりも(+)Y側にあるか、(-)Y にあるかによって、バイアス磁界に対して 石からの磁界が逆向きに作用するようなこ はない。

 よって、X方向検知素子20xが、中心Oより (+)Y側にあるときと、(-)Y側にあるときとで、 磁界のX方向成分の強度の測定に大きな誤差 発生しなくなる。

 図10は、図8に示す実施の形態のX方向検知 素子20xと、図9に示す比較例のX方向検知素子2 0sのそれぞれが、その中心Oaが、磁石2の表面2 aからZh=1.5mmだけ離れた位置で、X方向へ直線 に移動したときの軌跡を示している。それ れのX方向検知素子を、磁石2の中心Oを通る 置でX方向へ直線的に移動させる軌跡が、図1 0で「0mm」と表示されている。中心Oから(+)Y側 へ1mm離れた位置でX方向へ直線的に移動させ 軌跡が、図10で「+1mm」と表示され、中心Oか (+)Y側へ2mm離れた位置でX方向へ直線的に移 させる軌跡が、「+2mm」と表示されている。 た、中心Oから(-)Y側へ1mm離れた位置でX方向 直線的に移動させる軌跡が、図10で「-1mm」 表示され、中心Oから(-)Y側へ2mm離れた位置 X方向へ直線的に移動させる軌跡が、「-2mm」 と表示されている。

 図11(A)は、実施の形態のX方向検知素子20x 使用した検知器の出力を示しており、図11(B )は、比較例のX方向検知素子20sを使用した検 器の出力を示している。それぞれ、横軸は 磁石2の中心Oを通るY0軸を起点としたX方向 の移動距離を示している。X方向への移動距 は、-2mmから+2mmの範囲である。縦軸は、検 出力であり、図7に示す中間点36の電位の変 に相当している。

 比較例のX方向検知素子20sを使用した検知 器では、図11(B)に示すように、移動軌跡が磁 2の中心OからY方向へ離れるにしたがって、X 方向への移動位置の検出値の変化率(比例定 )が相違しており、中心Oよりも(+)Y側と(-)Y側 で、自由磁性層26に与えられているバイア 磁界が、磁石2の表面2aの磁界の(+)Y方向成分 (-)Y方向成分とから大きな影響を受けている ことが解る。これに対し、実施の形態のX方 検知素子20xを使用した検知器では、図11(A)に 示すように、各軌跡のどの位置でX方向へ移 させても、X方向の移動位置をほぼ同じ変化 で検知できることが解る。

 図12は、実施の形態のX方向検知素子20xと 比較例のX方向検知素子20sのそれぞれを、そ の中心Oaが、磁石2の表面2aからZh=1.5mmだけ離 た位置で、Y方向へ直線的に移動させる軌跡 示している。図12では、磁石2の中心Oを通る 位置でY方向へ直線的に移動させた軌跡を「0m m」と表示している。中心Oから(+)X側へ1mm離れ た位置でY方向へ直線的に移動させた軌跡を +1mm」と表示し、中心Oから(+)X側へ2mm離れた 置でY方向へ直線的に移動させた軌跡を「+2mm 」と表示している。また、中心Oから(-)X側へ1 mm離れた位置でY方向へ直線的に移動させた軌 跡を「-1mm」と表示し、中心Oから(-)X側へ2mm離 れた位置でY方向へ直線的に移動させた軌跡 「-2mm」と表示している。

 図13(A)は、実施の形態のX方向検知素子20x 使用した検知器を図12に示す軌跡に沿ってY 向へ移動させたときの検知出力を示してお 、図13(B)は、比較例のX方向検知素子20sを使 した検知器を図12に示す軌跡に沿ってY方向 移動させたときの検知出力を示している。 れぞれ、横軸は、磁石2の中心Oを通るX0軸か らのY方向への移動距離を示している。Y方向 の移動距離は、-2mmから+2mmの範囲である。 軸は、検知出力であり、図7に示す中間点36 電位の変化に相当している。

 図12に示すどの軌跡に沿って検知器をY方 へ移動しても、本来は、X方向の検知出力が 変化しないはずである。しかし、図13(B)に示 ように、比較例のX方向検知素子20sを使用し た検知器では、Y方向へ移動させたときに、 の移動軌跡によって、X方向の位置の検出値 変動する。それぞれの軌跡に沿って移動し ときのX位置の検出値は、(+)Y方向へ向かう したがって、ゼロに集束していく。これは 自由磁性層26に与えられているバイアス磁界 が磁石2の表面2aの磁界のY方向成分から大き 影響を受けていることを意味している。

 これに対し、図13(A)に示すように、実施 形態のX方向検知素子20xを使用した検知器で 、図12に示す各軌跡のどの位置でY方向へ移 させても、X方向の移動位置の検出値がほぼ 均一であることが解る。

 次に、図14のαは、本発明の実施の形態の X方向検知素子20xおよびY方向検知素子20yを搭 した検知器10を使用し、それぞれの検知素 の中心Oaを、磁石2の表面2aからZh=1.5mmだけ離 た状態で、中心Oからの半径が1.5mmの真円の 跡を描くように移動させたときの、検知器1 0からのX-Y座標上での移動位置の検知出力を している。図14のαでは、その検知出力が、 ぼ真円の位置変化に近似している。

 これに対し、比較例の検知器は、図9に示 すX方向検知素子20sを搭載しており、さらに のX方向検知素子20sの固定磁化の方向(P方向) Y方向へ向け、バイアス磁界の方向(B方向)を (-)X方向へ向けたY方向検知素子を搭載してい 。この比較例の検知器を、実施の形態の検 器と同様に半径が1.5mmの真円の軌跡で移動 せたときのX-Y座標上での検出位置を、図14に おいてβで示している。この比較例では、バ アス磁界が磁石2の磁界の影響を大きく受け るため、真円軌跡の出力を得ることができな い。

 なお、本発明では、X方向検知素子20xの自 由磁性層26に与えられるバイアス磁界の向き 、Y方向検知素子20yの自由磁性層26に与えら るバイス磁界の向きとが、一方が(+)Z方向で 他方が-(Z)方向のように、互いに逆向きであ てもよい。

 また、検知器にX方向検知素子20xのみが搭 載され、X方向への移動位置のみを検知する の、またはY方向への移動位置のみを検知す ものであってもよい。この場合に、磁石は X方向またはY方向に細長の長方形であって よい。この構成では、X方向への移動位置やY 方向への移動位置を検知するリニアセンサと して機能できる。

本発明の実施の形態の位置検知装置を す斜視図、 磁石の表面と平行に延びるX0軸上の磁 の強度Hxの変化を示す線図、 磁石の平面図、 本発明の実施の形態の検知器に搭載さ ているX方向検知素子およびY方向検知素子 、磁石との位置関係を示す斜視図、 (A)は磁気抵抗効果素子の構造を示す平 図、(B)は磁気抵抗効果素子の固定磁性層の 化方向と、バイアス磁界の方向を示す説明 、 磁気抵抗効果素子の素子部の断面図、 検知器の回路構成の一例を示す回路図 本発明の実施の形態のX方向検知素子と 磁石との関係を示すものであり、(A)は平面図 、(B)は側面図、 比較例のX方向検知素子と磁石との関係 を示す平面図、 実施の形態のX方向検知素子と比較例 X方向検知素子のそれぞれを、X方向へ直線的 に移動させる5通りの軌跡を示す説明図、 (A)は、実施の形態のX方向検知素子を 10に示す軌跡に沿って移動させたときの検知 出力線図、(B)は、比較例のX方向検知素子を 10に示す軌跡に沿って移動させたときの検知 出力線図、 実施の形態のX方向検知素子と比較例 X方向検知素子のそれぞれを、Y方向へ直線的 に移動させる5通りの軌跡を示す説明図、 (A)は、実施の形態のX方向検知素子を 12に示す軌跡に沿って移動させたときの検知 出力線図、(B)は、比較例のX方向検知素子を 12に示す軌跡に沿って移動させたときの検知 出力線図、 実施の形態の検知器と比較例の検知器 を、磁石の表面において真円の軌跡の沿って 移動させたときのX-Y座標上での検知位置を示 す線図、

符号の説明

1 位置検知装置
2 磁石
2a 表面
10 検知器
20 磁気抵抗効果素子
20x X方向検知素子
20y Y方向検知素子
21 素子部
22 基板
23 反強磁性層
24 固定磁性層
25 非磁性導電層
26 自由磁性層
B バイアス磁界の方向
P 固定磁性層の固定磁化の方向