Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
POSITIVE PHOTOSENSITIVE RESIN COMPOSITION FOR SPRAY COATING AND METHOD FOR PRODUCING THROUGH ELECTRODE USING SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2010/047264
Kind Code:
A1
Abstract:
A positive photosensitive resin composition for spray coating, which contains an alkali-soluble resin, a compound that generates an acid when exposed to light and a solvent, and has a viscosity of 0.5-200 cP.  By using the positive photosensitive resin composition, a uniform coating film can be formed on the inner surface of a hole having a high aspect ratio.  By using a coating film pattern, which is obtained by exposing and developing a certain region of the thus-obtained coating film, as an insulating film or a pattern-forming mask for an insulating film, generation of leakage current within the hole is suppressed, thereby enabling formation of a through hole with high yield.

Inventors:
ORIHARA HIDEKI (JP)
BANBA TOSHIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/067838
Publication Date:
April 29, 2010
Filing Date:
October 15, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
SUMITOMO BAKELITE CO (JP)
ORIHARA HIDEKI (JP)
BANBA TOSHIO (JP)
International Classes:
G03F7/023; C09D5/00; C09D7/12; C09D177/12; C09D179/04; C09D179/08; C09D201/00; H01L21/312; H01L21/3205; H01L23/12; H01L23/52
Domestic Patent References:
WO2008123049A12008-10-16
WO2009014113A12009-01-29
Foreign References:
JP2008040324A2008-02-21
JP2007183388A2007-07-19
JPH09218517A1997-08-19
JP2002223058A2002-08-09
JP2006147873A2006-06-08
JP2006147873A2006-06-08
JP2008091857A2008-04-17
JP2007305955A2007-11-22
Other References:
See also references of EP 2345933A4
Attorney, Agent or Firm:
KOBAYASHI Hiroshi et al. (JP)
Kobayashi 浩 (JP)
Download PDF:
Claims:
 半導体ウェハの厚み方向に設けられた孔の内面に塗膜を形成するためのスプレー塗布用ポジ型感光性樹脂組成物であって、
(A)アルカリ可溶性樹脂と
(B)光により酸を発生する化合物と、
(C)溶剤と
を含み、且つ、前記ポジ型感光性樹脂組成物の粘度が0.5~200cPであるポジ型感光性樹脂組成物。
 剪断速度0.1rpm/sにおける動的粘度η0.1と、剪断速度100rpm/sにおける動的粘度η100との動的粘度比A(η0.1/η100)が、1.5~400であり、且つ、前記動的粘度η100と、剪断速度1000/sにおける動的粘度η1000との動的粘度比B(η100/η1000)が、0.6~5.0である、請求項1記載のポジ型感光性樹脂組成物。
 前記溶剤は、沸点140℃~210℃を有する第1溶剤と、沸点50℃~140℃を有する第2溶剤とを含む、請求項1又は2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
 前記溶剤は、沸点140℃~210℃を有する第1溶剤と、沸点50℃~120℃を有する第2溶剤とを含む、請求項1又は2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
 前記第1溶剤は、前記アルカリ可溶性樹脂を溶解させるものであり、前記第2溶剤は、前記ポジ型感光性樹脂組成物の揮発性を向上させるものである、請求項3又は4記載のポジ型感光性樹脂組成物。
 前記第1溶剤は、γ-ブチロラクトンを含む、請求項3~5のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
 前記第2溶剤は、酢酸エチル、2-メチルテトラヒドロフラン、プロピオン酸エチル、酢酸-t-ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メチルテトラヒドロフラン、酢酸-s-ブチル、酢酸-n-ブチル及び酢酸イソブチルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項3~6のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
 前記第2溶剤の含有量は、前記溶剤全体の50~95重量%である、請求項3~7のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
 前記アルカリ可溶性樹脂は、ポリベンゾオキサゾール構造及びポリイミド構造の少なくとも一方を有し、主鎖又は側鎖に、水酸基、カルボキシル基、エーテル基、エステル基又はそれらの組み合わせを有する樹脂;ポリベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂;ポリイミド前駆体構造を有する樹脂;またはポリアミド酸エステル構造を有する樹脂から選ばれる、請求項1~8のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
 前記アルカリ可溶性樹脂の含有量は、組成物全体の0.1~50重量%である、請求項1~9のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
 前記光により酸を発生する化合物は、フェノール化合物と、1,2-ナフトキノン-2-ジアジド-5-スルホン酸及び1,2-ナフトキノン-2-ジアジド-4-スルホン酸のいずれか1種とを反応させて得られるエステル化合物を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
 前記光により酸を発生する化合物の含有量は、前記アルカリ可溶性樹脂の含有量の1~50重量%である、請求項1~11のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
 γ-ブチロラクトンを用いて測定したときの接触角が89~97°となるシリコンウェハ上に前記ポジ型感光性樹脂組成物1滴(15mg)を滴下し、前記シリコンウェハを角度80°に立てて固定し3分間放置して得られる塗膜の垂直方向の落下長の最大値Aと、水平方向の拡がり幅の最大値Bとの比A/Bで定義される濡れ拡がり性が0.1~20である、請求項1~12のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
 半導体ウェハの表面に設けられた集積回路と前記半導体ウェハの裏面に設けられた接続端子とを電気的に接続するための貫通電極の製造方法であって、
 前記半導体ウェハの表面に設けられた集積回路の電極部の裏面の少なくとも一部が露出するように半導体ウェハの厚み方向に設けられた孔の内面を覆うように、請求項1~11のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物をスプレー塗布することによって塗膜を形成する塗膜形成工程と、
 前記電極部の裏面上に形成された塗膜の少なくとも一部を露光した後、露光した部分を現像することによって、前記電極部の裏面の少なくとも一部が露出した塗膜パターンを形成するパターン形成工程と、を含む、貫通電極の製造方法。
 前記パターン形成工程によって形成された塗膜パターン上に、前記電極部の裏面と前記半導体ウェハの裏面に設けられた接続端子とを電気的に接続するための金属膜を形成する金属膜形成工程をさらに含む、請求項14記載の貫通電極の製造方法。
 前記孔の内面と前記塗膜との間に絶縁膜が介在する場合であって、
 前記パターン形成工程によって形成された塗膜パターンを絶縁膜のパターン形成用マスクとして用いて絶縁膜パターンを形成し、得られた絶縁膜パターン上に、前記電極部の裏面と前記半導体ウェハの裏面に設けられた接続端子とを電気的に接続するための金属膜を形成する金属膜形成工程をさらに含む、請求項14記載の貫通電極の製造方法。
Description:
スプレー塗布用ポジ型感光性樹 組成物及びそれを用いた貫通電極の製造方

 本発明は、半導体ウェハの厚み方向に設 られた孔の内面にスプレー塗布によって塗 を形成するためのスプレー塗布用ポジ型感 性樹脂組成物に関する。また、本発明は、 組成物を用いて孔の内面に塗膜パターンを 成する工程を含む、半導体ウェハの表面に けられた集積回路と半導体ウェハの裏面に けられた接続端子とを電気的に接続するた の貫通電極の製造方法に関する。

 近年、電子機器の高機能化及び小型化の 求に伴い、半導体集積回路の高密度実装技 の開発が進められている。そのような実装 術の一つとして、半導体ウェハの厚み方向 形成された貫通電極を用いて半導体集積回 を積層する3次元実装技術が着目されている 。

 貫通電極を形成する方法としては、例え 、半導体ウェハの表面に設けられた貫通し いない孔の内面に絶縁膜を形成し、孔の内 に導電材料を充填した後、半導体ウェハを 面から薄く削ることによって(バックグライ ンド)、孔の内部に埋め込まれた導電材料を 出させる方法が知られている(例えば、特許 献1:特開平2006-147873号公報及び特許文献2:特 平2008-91857号公報参照)。しかし、この方法 は、後でバックグラインドするために厚い ェハに深い孔を開ける必要があるためコス がかかる。また、半導体ウェハに形成する とができる孔の深さ/孔の直径の比(アスペク ト比)には限界があり、深い孔を開けるため 孔の直径を大きくとる必要があり、狭い間 で多くの孔を開けられず、無駄な面積をと てしまう。

 一方、半導体ウェハの表面に集積回路を形 した後で半導体ウェハの裏面から半導体ウ ハの表面の集積回路まで到達する孔を設け その内面を覆うように絶縁膜を形成し、集 回路の電極部を露出させた後、導電材料を め込むことによって貫通電極を形成する方 が知られている(例えば、特許文献3:特開2007 -305955号公報参照)。
 従来、半導体ウェハの表面に集積回路を形 した後で集積回路の電極部の裏面に到達す 孔を設けて貫通電極を形成する場合、蒸着 を用いて孔の内面にSiO 2 膜を形成した後、電極部の裏面上のSiO 2 膜をエッチバックすることによって、電極部 の裏面を露出させる方法が用いられてきた。 しかし、高アスペクト比を有する微細なサイ ズの孔の内面に均一な膜厚の蒸着膜を形成す ることは難しく、孔深部の蒸着膜の膜厚が薄 くなってしまう。このため、エッチバックの 際にその一部が削られて金属配線または半導 体ウェハなどの導通部分が露出し、リーク電 流が発生して歩留りが低下する原因となって いた。

 一方、絶縁膜をスプレー塗布によって形成 る方法が提案されている。例えば、特許文 1では、絶縁材料を含むミストを、ミストの 平均直径を変化させてスプレーノズルから吐 出させることにより、半導体ウェハの厚み方 向に形成される孔の内壁に絶縁膜を形成する 方法が提案されている。しかし、絶縁材料と しては、壁面への密着性、耐熱性、電気的絶 縁性などを考慮した材料を選ぶ必要があり、 選定した材料によってはスプレー塗布に適切 な希釈溶剤に溶解できなかったり、変質した りするなどの問題が生じ、塗布方式を工夫す るのみでは、半導体ウェハの孔の内面に均一 な膜厚の塗膜を形成することは困難であっ
た。

特開2006-147873号公報

特開2008-91857号公報

特開2007-305955号公報

 上記のような状況において、高アスペク 比を有する孔の内面に均一な膜厚の塗膜の 成を可能にするポジ型感光性樹脂組成物の 供が望まれている。また、集積回路が設け れた半導体ウェハの厚み方向に貫通電極を 留り良く形成する方法の提供が望まれてい 。

 本発明者らは、上記課題を解決するべく 意検討した結果、アルカリ可溶性樹脂、光 より酸を発生する化合物及び溶剤を含み、 つ、所定の粘度を有する組成物を用いるこ によって、半導体ウェハの厚み方向に形成 れた孔の内面に均一な塗膜を形成できるこ を見出した。また、得られた塗膜を露光、 像することによって、目的とする領域のみ 露出させることができるため、孔内部に発 するリーク電流を抑制しながら、貫通電極 形成することができることを見出して、本 明を完成させた。

 すなわち、本発明は、以下に示すスプレー 布用ポジ型感光性樹脂組成物及び該組成物 用いた貫通電極の製造方法等を提供するも である。
[1]半導体ウェハの厚み方向に設けられた孔の 内面に塗膜を形成するためのスプレー塗布用 ポジ型感光性樹脂組成物であって、
(A)アルカリ可溶性樹脂と
(B)光により酸を発生する化合物と、
(C)溶剤と
を含み、且つ、前記ポジ型感光性樹脂組成物 の粘度が0.5~200cPであるポジ型感光性樹脂組成 物。
[2]剪断速度0.1rpm/sにおける動的粘度η0.1と、 断速度100rpm/sにおける動的粘度η100 との動 粘度比A(η0.1/η100)が、1.5~400であり、且つ、 記動的粘度η100と、剪断速度1000/sにおける動 的粘度η1000との動的粘度比B(η100/η1000)が、0.6 ~5.0である、[1]記載のポジ型感光性樹脂組成 。
[3]前記溶剤は、沸点140℃~210℃を有する第1溶 と、沸点50℃~140℃を有する第2溶剤とを含む 、[1]又は[2]記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[4]前記溶剤は、沸点140℃~210℃を有する第1溶 と、沸点50℃~120℃を有する第2溶剤とを含む 、[1]又は[2]記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[5]前記第1溶剤は、前記アルカリ可溶性樹脂 溶解させるものであり、前記第2溶剤は、前 ポジ型感光性樹脂組成物の揮発性を向上さ るものである、[3]又は[4]記載のポジ型感光 樹脂組成物。
[6]前記第1溶剤は、γ-ブチロラクトンを含む [3]~[5]のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹 脂組成物。
[7]前記第2溶剤は、酢酸エチル、2-メチルテト ラヒドロフラン、プロピオン酸エチル、酢酸 -t-ブチル、プロピレングリコールモノメチル エーテル、3-メチルテトラヒドロフラン、酢 -s-ブチル、酢酸-n-ブチル及び酢酸イソブチ からなる群から選ばれる少なくとも1種を含 む、[3]~[6]のいずれか1項に記載のポジ型感光 樹脂組成物。
[8]前記第2溶剤の含有量は、前記溶剤全体の50 ~95重量%である、[3]~[7]
のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組 物。
[9]前記アルカリ可溶性樹脂は、ポリベンゾオ キサゾール構造及びポリイミド構造の少なく とも一方を有し、主鎖又は側鎖に、水酸基、 カルボキシル基、エーテル基、エステル基又 はそれらの組み合わせを有する樹脂;ポリベ ゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂;ポ イミド前駆体構造を有する樹脂;またはポリ アミド酸エステル構造を有する樹脂から選ば れる、[1]~[8]のいずれか1項に記載のポジ型感 性樹脂組成物。
[10]前記アルカリ可溶性樹脂の含有量は、組 物全体の0.1~50重量%である、[1]~[9]のいずれか 1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[11]前記光により酸を発生する化合物は、フ ノール化合物と、1,2-ナフトキノン-2-ジアジ -5-スルホン酸及び1,2-ナフトキノン-2-ジアジ ド-4-スルホン酸のいずれか1種とを反応させ 得られるエステル化合物を含む、[1]~[10]のい ずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物
[12]前記光により酸を発生する化合物の含有 は、前記アルカリ可溶性樹脂の含有量の1~50 量%である、[1]~[11]のいずれか1項に記載のポ ジ型感光性樹脂組成物。
[13]γ-ブチロラクトンを用いて測定したとき 接触角が89~97°となるシリコンウェハ上に前 ポジ型感光性樹脂組成物1滴(15mg)を滴下し、 前記シリコンウェハを角度80°に立てて固定 3分間放置して得られる塗膜の垂直方向の落 長の最大値Aと、水平方向の拡がり幅の最大 値Bとの比A/Bで定義される濡れ拡がり性が0.1~2 0である、[1]~[12]のいずれか1項に記載のポジ 感光性樹脂組成物。

[14]半導体ウェハの表面に設けられた集積回 と前記半導体ウェハの裏面に設けられた接 端子とを電気的に接続するための貫通電極 製造方法であって、
 前記半導体ウェハの表面に設けられた集積 路の電極部の裏面の少なくとも一部が露出 るように半導体ウェハの厚み方向に設けら た孔の内面を覆うように、請求項1~11のいず れか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を プレー塗布することによって塗膜を形成す 塗膜形成工程と、
 前記電極部の裏面上に形成された塗膜の少 くとも一部を露光した後、露光した部分を 像することによって、前記電極部の裏面の なくとも一部が露出した塗膜パターンを形 するパターン形成工程と、を含む、貫通電 の製造方法。
[15]前記パターン形成工程によって形成され 塗膜パターン上に、前記電極部の裏面と前 半導体ウェハの裏面に設けられた接続端子 を電気的に接続するための金属膜を形成す 金属膜形成工程をさらに含む、[14]記載の貫 電極の製造方法。
[16]前記孔の内面と前記塗膜との間に絶縁膜 介在する場合であって、
 前記パターン形成工程によって形成された 膜パターンを絶縁膜のパターン形成用マス として用いて絶縁膜パターンを形成し、得 れた絶縁膜パターン上に、前記電極部の裏 と前記半導体ウェハの裏面に設けられた接 端子とを電気的に接続するための金属膜を 成する金属膜形成工程をさらに含む、[14]記 載の貫通電極の製造方法。

 なお、本明細書において、「孔の内面」 いうときは、孔の内壁だけでなく、孔の底 をも含む。また、「塗膜パターン上に形成 る」などというときは、塗膜上だけでなく 塗膜の開口部上に形成することを含む。「 縁膜上に形成する」などというときも同様 ある。

 本発明によれば、半導体ウェハの厚み方向 設けられた孔の内面に塗膜を形成するため スプレー塗布用ポジ型感光性樹脂組成物が 供される。また、本発明によれば、該ポジ 感光性樹脂組成物を用いて孔の内面に塗膜 ターンを形成することを含む貫通電極の製 方法が提供される。
 本発明の好ましい態様によれば、本発明の ジ型感光性樹脂組成物を用いることによっ 、半導体ウェハの厚み方向に形成された高 スペクト比を有する微細なサイズの孔の内 に、均一な膜厚の塗膜を形成することがで る。また、本発明の好ましい態様によれば 本発明のポジ型樹脂感光性組成物を用いる とによって微細なパターン形成が可能にな 。また、得られた塗膜パターンを用いるこ によって、半導体ウェハの孔内部の所望の 域のみを高選択的に露出させた絶縁膜パタ ンを形成することができる。
 本発明の好ましい態様によれば、貫通電極 のリーク電流の発生を抑制するとともに、 導体ウェハの貫通電極形成における歩留り 向上させることができる。

本発明の貫通電極の製造方法の工程を 明するための工程説明図である。 本発明の第1実施形態にかかる貫通電極 の製造方法の工程を説明するための工程説明 図である。 本発明の第2実施形態にかかる貫通電極 の製造方法の工程を説明するための工程説明 図である。

 以下、本発明のスプレー塗布用ポジ型感 性樹脂組成物及び貫通電極の製造方法につ て詳細に説明する。

 1.スプレー塗布用ポジ型感光性樹脂組成物
 まず、本発明のスプレー塗布用ポジ型感光 樹脂組成物について説明する。
 本発明のスプレー塗布用ポジ型感光性樹脂 成物は、半導体ウェハの厚み方向に設けら た孔の内面に塗膜を形成するためのもので って、
(A)アルカリ可溶性樹脂と
(B)光により酸を発生する化合物と、
(C)溶剤と
を含み、且つ、粘度が0.5~200cPであることを特 徴とする。

 (A)アルカリ可溶性樹脂
 本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂は アルカリ性の現像液に溶解し得る樹脂であ ば特に制限されなく、例えば、クレゾール ノボラック樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂 ポリアミド系樹脂、アクリル樹脂、水酸基 び/又はカルボキシル基を含む環状オレフィ ン樹脂等が挙げられる。中でも、ポリアミド 系樹脂が好ましく用いられる。

 ポリアミド系樹脂としては、例えば、ポ ベンゾオキサゾール構造及びポリイミド構 の少なくとも一方を有し、主鎖又は側鎖に 水酸基、カルボキシル基、エーテル基、エ テル基又はそれらの組み合わせを有する樹 、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造を有 る樹脂、ポリイミド前駆体構造を有する樹 、ポリアミド酸エステル構造を有する樹脂 が挙げられる。ここで「ポリベンゾオキサ ール前駆体構造」とは、加熱することによ 環化反応が生じてポリベンゾオキサゾール 造を形成するものをいう。また、「ポリイ ド前駆体構造」とは、加熱することにより 化反応が生じて、ポリイミド構造を形成す ものをいう。

 本発明に用いられるポリアミド系樹脂とし は、下記式(1)で示される繰り返し単位を含 ものが好ましく挙げられる。
[式中、X,Yは有機基である。R 1 は水酸基、-O-R 3 、アルキル基、アシルオキシ基、シクロアル キル基であり、同一でも異なっていてもよい 。R 2 は水酸基、カルボキシル基、-O-R 3 、-COO-R 3 のいずれかであり、同一でも異なっていても よい。hは0~8の整数、iは0~8の整数であり、且 、h+iは1~16である。R 3 は炭素数1~15の有機基である。ここで、R 1 、R 2 が複数ある場合は、それらは同一でも異なっ ていてもよい。R 1 として水酸基を有さない場合、R 2 の少なくとも1つはカルボキシル基である。 た、R 2 としてカルボキシル基を有さない場合、R 1 の少なくとも1つは水酸基である。]

 前記一般式(1)で示されるポリアミド系樹脂 おいて、Xの置換基としての-O-R 3 、Yの置換基としての-O-R 3 、-COO-R 3 は、それぞれ、水酸基、カルボキシル基のア ルカリ水溶液に対する溶解性を調節する目的 で、水酸基及び/又はカルボキシル基が炭素 1~15の有機基であるR 3 で保護された基であってもよい。R 3 の例としては、ホルミル基、メチル基、エチ ル基、プロピル基、イソプロピル基、ターシ ャリーブチル基、ターシャリーブトキシカル ボニル基、フェニル基、ベンジル基、テトラ ヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基 等が挙げられる。

 一般式(1)で示される構造を含むポリアミド 樹脂は、例えば、Xを含むジアミン、ビス( ミノフェノール)または2,4-ジアミノフェノー ル等から選ばれる化合物と、Yを含むテトラ ルボン酸二無水物、トリメリット酸無水物 ジカルボン酸またはジカルボン酸ジクロラ ド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカ ボン酸、ヒドロキシジカルボン酸誘導体等 ら選ばれる化合物とを反応して得られる。
 なお、ジカルボン酸の場合には反応収率等 高めるため、1-ヒドロキシ-1,2,3-ベンゾトリ ゾール等を予め反応させた活性エステル型 ジカルボン酸誘導体を用いてもよい。

 一般式(1)のXとしては、例えばベンゼン環、 ナフタレン環等の芳香族化合物、ビスフェノ ール類、ピロール類、フラン類等の複素環式 化合物、シロキサン化合物等が挙げられ、よ り具体的には下記式(6-1)~(6-7)で示されるもの 好ましく挙げることができる。これらは、 要により1種類又は2種類以上組み合わせて いてもよい。
[式中、*はNH基に結合することを示す。Aは-CH 2 -、-CH(CH 3 )-、-C(CH 3 ) 2 -、-O-、-S-、-SO 2 -、-CO-、-NHCO-、-C(CF 3 ) 2 -、又は単結合である。R 13 はアルキル基、アルキルエステル基及びハロ ゲン原子からなる群から選ばれ、複数ある場 合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい 。R 14 はアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ 基又はシクロアルキル基である。r=0~4の整数 ある。また、R 15 ~R 18 は有機基である。]

 なお、上記式中では省略しているが、一般 (1)で示すように、XにはR 1 が0~8個結合している。

 これらの中でも、Xとしては、耐熱性及び機 械特性が優れている点で、下記式(7-1)~(7-17)で 表されるものが好ましい。
[式中、*はNH基に結合することを示す。Dは、- CH 2 -、-CH(CH 3 )-、-C(CH 3 ) 2 -、-O-、-S-、-SO 2 -、-CO-、-NHCO-、-C(CF 3 ) 2 -、又は単結合である。Eは、-CH 2 -、-CH(CH 3 )-、又は-C(CH 3 ) 2 -である。R 12 はアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ 基又はシクロアルキル基であり、複数ある場 合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい 。R 19 はアルキル基、アルキルエ
ステル基及びハロゲン原子からなる群から選 ばれ、複数ある場合は、それぞれ同一でも異 なっていてもよい。s=1~3、t=0~4の整数である ]
[式中、*はNH基に結合することを示す。]

 これらの中でも、Xとしては、耐熱性及び機 械特性が特に優れている点で、下記式(3-1)~(3- 6)で表されるものが好ましく、下記式(3-1)、(3 -3)、(3-4)で表されるものが特に好ましい。
[式中、*はNH基に結合することを示す。Dは、- CH 2 -、-CH(CH 3 )-、-C(CH 3 ) 2 -、-O-、-S-、-SO 2 -、-CO-、-NHCO-、-C(CF 3 ) 2 -、又は単結合である。Eは、-CH 2 -、-CH(CH 3 )-、又は-C(CH 3 ) 2 -である。R 12 はアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ 基又はシクロアルキル基であり、複数ある場 合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい 。s=1~3の整数である。]

 また、一般式(1)で示されるポリアミド系樹 のYは有機基であり、前記Xと同様のものが げられ、例えば、ベンゼン環、ナフタレン 等の芳香族化合物、ビスフェノール類、ピ ール類、ピリジン類、フラン類等の複素環 化合物、シロキサン化合物等が挙げられる より具体的には、下記式(8-1)~(8-8)で示される ものを好ましく挙げることができる。これら は1種類又は2種類以上組み合わせて用いても い。
[式中、*はC=O基に結合することを示す。Aは、 -CH 2 -、-C(CH 3 ) 2 -、-O-、-S-、-SO 2 -、-CO-、-NHCO-、-C(CF 3 ) 2 -、又は単結合である。R 20 はアルキル基、アルキルエステル基及びハロ ゲン原子からなる群から選ばれた1つを表し それぞれ同一でも異なっていてもよい。ま 、R 21 は水素原子、アルキル基、アルキルエステル 基、ハロゲン原子からなる群から選ばれた1 を表す。u=0~4の整数である。R 22 ~R 25 は有機基である。]

 なお、上記式中では省略しているが、一般 (1)で示すように、YにはR 2 が0~8個結合している。

 これらの中でも、Yとしては、耐熱性及び機 械特性が優れている点で、下記式(9-1)~(9-21)な らびに(10-1)~(10-4)で表されるものが好ましい なお、下記式(9-1)~(9-21)のテトラカルボン酸 無水物由来の構造については、C=O基に結合 る位置が両方メタ位であるもの、両方パラ であるものを挙げているが、メタ位とパラ とを含む構造であってもよい。
[式中、*はC=O基に結合することを示す。R 26 はアルキル基、アルキルエステル基、アルキ ルエーテル基、ベンジルエーテル基及びハロ ゲン原子からなる群から選ばれた1つを表し 複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっ いてもよい。また、R 27 は水素原子又は炭素数1~15の有機基から選ば た1つを示し、一部が置換されていてもよい n=0~4の整数である。]

[式中、*はC=O基に結合することを示す。R 27 は水素原子又は炭素数1~15の有機基から選ば た1つを示し、一部が置換されていてもよい ]

[式中、*はC=O基に結合することを示す。]

 これらの中でも、Yとしては、耐熱性及び機 械特性が特に優れている点で、下記式(11-1)~(1 1-4)で表されるものが好ましく、下記式(11-1) (11-2)で表されるものが特に好ましい。
[式中、*はC=O基に結合することを示す。R 26 はアルキル基、アルキルエステル基、アルキ ルエーテル基、ベンジルエーテル基及びハロ ゲン原子からなる群から選ばれた1つを表し 複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっ いてもよい。また、R 27 は水素原子又は炭素数1~15の有機基から選ば た1つを示し、一部が置換されていてもよい n=0~4の整数である。]

 また、上述の一般式(1)で示される繰り返し 位を有するポリアミド系樹脂は、該ポリア ド系樹脂の末端をアミノ基とし、該アミノ をアルケニル基またはアルキニル基を少な とも1個有する脂肪族基、または環式化合物 基を含む酸無水物を用いてアミドとしてキャ ップすることが好ましい。これにより、保存 性を向上することができる。このような、ア ミノ基と反応した後のアルケニル基またはア ルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基 たは環式化合物基を含む酸無水物に起因す 基としては、例えば下記式で示される基等 挙げることができる。これらは単独で用い もよいし、2種類以上組み合わせて用いても い。

 これらの中でも、ポリアミド系樹脂の保存 を特に向上させることができることから、 記式で示される基のいずれかを用いること 好ましい。

 また、この方法に限定されることはなく 該ポリアミド系樹脂中に含まれる末端の酸 、アルケニル基又はアルキニル基を少なく も1個有する脂肪族基、又は環式化合物基を 含むアミン誘導体を用いてアミドとしてキャ ップすることもできる。

 前記ポリアミド系樹脂は、前記ポリアミ 系樹脂の側鎖及び他方の末端の少なくとも 方に窒素含有環状化合物を有してもよい。 れにより金属配線(特に銅配線)等との密着 を向上させることができる。ポリアミド系 脂の一方の末端が不飽和基を有する有機基 場合、樹脂が反応する為に硬化膜の引っ張 伸び率等の機械特性が優れる。側鎖及び他 の末端の少なくとも一方に窒素含有環状化 物を有する場合、その窒素含有環状化合物 銅及び銅合金の金属配線と反応する為に密 性が優れる。

 前記窒素含有環状化合物としては、例え 1-(5-1H-トリアゾイル)メチルアミノ基、3-(1H- ラゾイル)アミノ基、4-(1H-ピラゾイル)アミ 基、5-(1H-ピラゾイル)アミノ基、1-(3-1H-ピラ イル)メチルアミノ基、1-(4-1H-ピラゾイル)メ ルアミノ基、1-(5-1H-ピラゾイル)メチルアミ 基、(1H-テトラゾル-5-イル)アミノ基、1-(1H- トラゾル-5-イル)メチル-アミノ基、3-(1H-テト ラゾル-5-イル)ベンズ-アミノ基等が挙げられ 。これらの中でも、下記式で示される化合 のいずれかを用いることが好ましい。これ より、特に銅および銅合金の金属配線との 着性をより向上することができる。

 本発明のアルカリ可溶性樹脂の重量平均 子量は、好ましくは1,000~10万、より好まし は4,000~5万、さらに好ましくは1万~3.5万であ 。重量平均分子量が10万を超えると現像性が 低下する場合がある。また、1,000未満である 溶解しすぎてパターニングが困難となる場 がある。

 本発明のスプレー塗布用ポジ型感光性樹 組成物において、アルカリ可溶性樹脂の含 量は、組成物全体の0.1重量%以上であること が好ましく、0.5重量%以上であることがより ましく、1重量%以上であることがさらに好ま しい。また、50重量%以下であることが好まし く、35重量%以下であることがより好ましく、 25重量%以下であることがさらに好ましい。こ の範囲であると、半導体ウェハの孔の内面に 十分な膜厚の塗膜を形成することができる。 一方、アルカリ可溶性樹脂の含有量が多すぎ ると、塗布性及び膜厚均一性が低下し、逆に 少なすぎると、十分な膜厚が形成できないた め好ましくない。

 (B)光により酸を発生する化合物
 本発明のスプレー塗布用ポジ型感光性組成 は、光により酸を発生する化合物を含むこ により、露光により発生した酸を触媒とす 反応を用いて露光部と非露光部との現像液 対する溶解度を変化させてパターン形成す ことを可能にする。
 本発明に用いられる光により酸を発生する 合物としては、150~750nmに吸収スペクトル領 を有するものが好ましく、200~500nmに吸収ス クトル領域を有するものがより好ましい。

 光により酸を発生する化合物としては、 えば、オニウム塩、ハロゲン化有機化合物 キノンジアジド化合物、α,α-ビス(スルホニ ル)ジアゾメタン系化合物、α-カルボニル-α- ルホニル-ジアゾメタン系化合物、スルホン 化合物、有機酸エステル化合物、有機酸アミ ド化合物、有機酸イミド化合物等が挙げられ る。

 オニウム塩の具体例としては、未置換、 称的にまたは非対称的に置換されたアルキ 基、アルケニル基、アラルキル基、芳香族 、ヘテロ環状基を有するジアゾニウム塩、 ンモニウム塩、ヨ-ドニウム塩、スルホニウ ム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、オ キソニウム塩等が挙げられる。

 これらオニウム塩の対アニオンの具体例 しては、対アニオンを形成できる化合物で れば、特に制限されるものではないが、ホ 素酸、砒素酸、燐酸、アンチモン酸、スル ン酸、カルボン酸、あるいはこれらのハロ ン化物が挙げられる。

 ハロゲン化有機化合物は、有機化合物の ロゲン化物であれば特に制限はなく、各種 公知の化合物を用いることが可能であって 具体例としては、ハロゲン含有オキサジア -ル系化合物、ハロゲン含有トリアジン系化 合物、ハロゲン含有アセトフェノン系化合物 、ハロゲン含有ベンゾフェノン系化合物、ハ ロゲン含有スルホキサイド系化合物、ハロゲ ン含有スルホン系化合物、ハロゲン含有チア ゾ-ル系化合物、ハロゲン含有オキサゾ-ル系 合物、ハロゲン含有トリアゾ-ル系化合物、 ハロゲン含有2-ピロン系化合物、ハロゲン含 脂肪族炭化水素化合物、ハロゲン含有芳香 炭化水素化合物、その他のハロゲン含有ヘ ロ環状化合物、スルフェニルハライド系化 物などの各種化合物が挙げられる。

 さらにハロゲン化有機化合物として、ト ス(2,3-ジブロモプロピル)ホスフェ-ト、トリ ス(2,3-ジブロモ-3-クロロプロピル)ホスフェ- 、クロロテトラブロモエタン、ヘキサクロ ベンゼン、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサ ロモシクロドデカン、ヘキサブロモビフェ ル、トリブロモフェニルアリルエ-テル、テ ラクロロビスフェノ-ルA、テトラブロモビ フェノ-ルA、ビス(ブロモエチルエ-テル)テト ラブロモビスフェノ-ルA、ビス(クロロエチル エ-テル)テトラクロロビスフェノ-ルA、トリ (2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレ-ト、2,2- ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロ パン、2,2-ビス(4-ヒドロキシエトキシ-3,5-ジブ ロモフェニル)プロパン等の含ハロゲン系難 剤、ジクロロジフェニルトリーク電流ロロ タン、ベンゼンヘキサクロライド、ペンタ ロロフェノ-ル、2,4,6-トリーク電流ロロフェ ル-4-ニトロフェニルエ-テル、2,4-ジクロロ ェニル-3″-メトキシ-4″-ニトロフェニルエ テル、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、4,5,6,7- トラクロロフサライド、1,1-ビス(4-クロロフ ニル)エタノ-ル、1,1-ビス(4-クロロフェニル) -2,2,2-トリーク電流ロロエタノ-ル、エチル-4,4 -ジクロロベンジレ-ト、2,4,5,4″-テトラクロ ジフェニルスルフィド、2,4,5,4″-テトラクロ ロジフェニルスルホン等の有機クロロ系農薬 等も挙げられる。

 キノンジアジド化合物の具体例としては 1,2-ベンゾキノンジアジド-4-スルホン酸エス テル、1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルホン エステル、1,2-ナフトキノンジアジド-5-スル ン酸エステル、1,2-ナフトキノンジアジド-6- スルホン酸エステル、2,1-ナフトキノンジア ド-4-スルホン酸エステル、2,1-ナフトキノン アジド-5-スルホン酸エステル、2,1-ナフトキ ノンジアジド-6-スルホン酸エステル、その他 のキノンジアジド誘導体のスルホン酸エステ ル、1,2-ベンゾキノンジアジド-4-スルホン酸 ロライド、1,2-ナフトキノンジアジド-4-スル ン酸クロライド、1,2-ナフトキノンジアジド -5-スルホン酸クロライド、1,2-ナフトキノン アジド-6-スルホン酸クロライド、2,1-ナフト ノンジアジド-4-スルホン酸クロライド、2,1- ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸クロライ ド、2,1-ナフトキノンジアジド-6-スルホン酸 ロライド、その他のキノンアジド誘導体の ルホン酸クロライド等のo-キノンアジド化合 物が挙げられる。

 α,α-ビス(スルホニル)ジアゾメタン系化 物の具体例としては、未置換、対称的にま は非対称的に置換されたアルキル基、アル ニル基、アラルキル基、芳香族基、ヘテロ 状基を有するα,α-ビス(スルホニル)ジアゾメ タンなどが挙げられる。α-カルボニル-α-ス ホニル-ジアゾメタン系化合物の具体例とし は、未置換、対称的にまたは非対称的に置 されたアルキル基、アルケニル基、アラル ル基、芳香族基、ヘテロ環状基を有するα- ルボニル-α-スルホニル-ジアゾメタンなど 挙げられる。スルホン化合物の具体例とし は、未置換、対称的にまたは非対称的に置 されたアルキル基、アルケニル基、アラル ル基、芳香族基、ヘテロ環状基を有するス ホン化合物、ジスルホン化合物などが挙げ れる。有機酸エステルの具体例としては、 置換、対称的にまたは非対称的に置換され アルキル基、アルケニル基、アラルキル基 芳香族基、ヘテロ環状基を有するカルボン エステル、スルホン酸エステルなどが挙げ れる。有機酸アミドの具体例としては、未 換、対称的にまたは非対称的に置換された ルキル基、アルケニル基、アラルキル基、 香族基、ヘテロ環状基を有するカルボン酸 ミド、スルホン酸アミドなどが挙げられる 有機酸イミドの具体例としては、未置換、 称的にまたは非対称的に置換されたアルキ 基、アルケニル基、アラルキル基、芳香族 、ヘテロ環状基を有するカルボン酸イミド スルホン酸イミドなどが挙げられる。これ の活性光線の照射により解裂して酸を生成 能な化合物は、単独でも2種以上混合して用 ても良い。

  本発明に用いられる(B)光により酸を発 する化合物の中で特に好ましいのは、フェ ール化合物と、1,2-ナフトキノン-2-ジアジド- 5-スルホン酸及び/又は1,2-ナフトキノン-2-ジ ジド-4-スルホン酸とを反応させて得られる ステル化合物である。例えば、下記式で表 れる化合物が挙げられるが、これらに制限 れるものではない。また、これらは単独で 2種以上混合して用いても良い。

 なお、下記式中のQは、水素原子、式(2)で示 される基及び式(3)で示される基のいずれかで ある。ここで各化合物のQのうち、少なくと 1つは式(2)又は式(3)で示される基である。Qが 複数含まれる場合は、それらは同一でも異な ってもよい。

 本発明のスプレー塗布用ポジ型感光性樹 組成物において、(B)光により酸を発生する 合物の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂の 有量の1重量%以上であることが好ましく、10 重量%以上であることがより好ましい。また 50重量%以下であることが好ましく、40重量% 下であることがより好ましい。(B)光により を発生する化合物の含有量が、(A)アルカリ 溶性樹脂の含有量の1重量%以上であると、未 露光部がアルカリ水溶液に耐性を持つためパ ターニング性が良好になり、高残膜率、高解 像度が保持され、感度も向上する。また、50 量%以下であると、スカムのみならず、感光 剤自身による膜中の透明性低下が適度に抑え られることにより高感度、高解像度が保持さ れ、硬化する際の分解成分による膜厚の収縮 が抑えられ、硬化後も高残膜率になる。

 (C)溶剤
 本発明に用いられる溶剤は、(A)アルカリ可 性樹脂と、(B)光により酸を発生する化合物 を溶解することができ、かつ、これらの成 に不活性なものであれば特に制限されない

 例えば、本発明に用いられる溶剤として 、γ-ブチロラクトン、N-メチル-2-ピロリド 、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホ ルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチ レングリコールジメチルエーテル、ジエチレ ングリコールジエチルエーテル、ジエチレン グリコールジブチルエーテル、プロピレング リコールモノメチルエーテル、ジプロピレン グリコールモノメチルエーテル、プロピレン グリコールモノメチルエーテルアセテート、 乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチ ル-1,3-ブチレングリコールアセテート、1,3-ブ チレングリコール-3-モノメチルエーテル、ピ ルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル -3-メトキシプロピオネート、酢酸アミル、酢 酸-t-ブチル、プロピオン酸エチル、2-メチル トラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソ チル、酢酸-s-ブチル、酢酸-n-ブチル、酢酸 ロピル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸 チル、3-メチル-テトラヒドロフラン、2,5-ジ メチル-テトラヒドロフラン、乳酸アミド、 トキシシクロペンタノン、乳酸プロピル、 酸イソアミル、酢酸イソアミル、プロピオ 酸ブチル、エチレングリコールモノメチル ーテルアセテート、エチレングリコールモ プロピルエーテル、酢酸-2-エトキシエチル 酢酸-2-エチルブチル等が挙げられる。これ は、単独でも混合して用いてもよい。

 本発明の好ましい態様では、(C)溶剤は、 点140℃以上の第1溶剤と、沸点140℃未満の第 2溶剤とを含む。本発明のより好ましい態様 は、(C)溶剤は、沸点140℃以上の第1溶剤と、 点120℃以下の第2溶剤とを含む。沸点140℃以 上の第1溶剤を用いることにより、塗膜のピ ホール欠陥の発生を抑制し、均一な膜厚の 膜を形成することを可能にする。また、沸 140℃未満の第2溶剤を用いることにより、半 体ウェハの貫通孔などの垂直方向に設けら た孔の内面に本発明のポジ型感光性樹脂組 物を塗布する際に貫通孔下部への液ダレを 止して、均一な膜厚の塗膜を形成すること 可能にする。

 本発明に用いられる第1溶剤の沸点は、140 ℃以上が好ましく、145℃以上がより好ましく 、150℃以上がさらに好ましい。また、第1溶 の沸点は、210℃以下が好ましく、205℃以下 より好ましく、200℃以下がさらに好ましい

 第1溶剤としては、アルカリ可溶性樹脂を 溶解させるものが好ましい。例えば、γ-ブチ ロラクトン、酢酸アミル、乳酸メチル、乳酸 エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、乳酸イ ソアミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブ チル、エチレングリコールモノメチルエーテ ルアセテートなどが挙げられる。これらは1 単独でも2種以上を併用してもよい。

 本発明に用いられる第2溶剤の沸点は、140 ℃未満が好ましく、120℃以下がより好ましく 、100℃以下がさらに好ましく、90℃以下が特 好ましい。また、第2溶剤の沸点は、50℃以 が好ましく、60℃以上がより好ましく、70℃ 以上がさらに好ましい。

 第2溶剤としては、ポジ型感光性樹脂組成 物の揮発性を向上させるものが好ましい。例 えば、酢酸エチル、2-メチル-テトラヒドロフ ラン、プロピオン酸エチル、酢酸-t-ブチル、 プロピレングリコールモノメチルエーテル、 酢酸イソブチル、酢酸-s-ブチル酢酸-n-ブチル 、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、プロピ オン酸メチル、3-メチル-テトラヒドロフラン 、2,5-ジメチル-テトラヒドロフランなどの、 鎖または環状のカルボン酸エステル系溶剤 たはエーテル系溶剤が好ましい。特に、20 における蒸気圧が25kPa以上になると、常温保 管時において溶剤の揮発による樹脂組成物の 粘度上昇が顕著となるため、塗布時の揮発性 と常温保管時の粘度安定性を両立するには、 蒸気圧が25kPa以下の溶剤である酢酸-t-ブチル プロピオン酸エチル、酢酸エチルなどを用 ることが好ましい。これらは1種単独でも2 以上を併用してもよい。

 第1溶剤と第2溶剤とを併用する場合、第1溶 の含有量は、前記(C)溶剤全体の5重量%以上 好ましく、15重量%以上がより好ましく、20重 量%以上がさらに好ましい。また、第1溶剤の 有量は、50重量%以下が好ましく、40重量%以 がより好ましく、35重量%以下がさらに好ま い。
 第2溶剤の含有量は、前記(C)溶剤全体の50重 %以上が好ましく、60重量%以上がより好まし く、65重量%以上がさらに好ましい。また、第 2溶剤の含有量は、95重量%以下が好ましく、85 重量%以下がより好ましく、80重量%以下がさ に好ましい。
 第1溶剤及び第2溶剤の併用比は、第1溶剤:第 2溶剤=5:95~50:50が好ましく、15:85~40:60がより好 しい。

 前記沸点の異なる第1溶剤と第2溶剤とを 用し、且つ、前記ポジ型感光性樹脂組成物 粘度を特定の範囲内に調整することで、半 体ウェハの厚み方向に設けられた高アスペ ト比を有する孔の内面に対する塗膜形成性 特に優れたものとなり、前記孔の内面によ 均一な塗膜を形成することができる。

 溶剤の使用量は、アルカリ可溶性樹脂、 により酸を発生する化合物及び任意成分を 解し、本発明の組成物が所望の粘度を達成 きる範囲であれば特に制限されない。溶剤 使用量の目安は、通常、組成物全体の30~98 量%である。

 (D)任意成分
 本発明のスプレー塗布用ポジ型感光性樹脂 成物は、本発明の目的を損なわない範囲で れば、上記成分(A)~(C)以外の任意成分を含む ことができる。

 例えば、スプレー塗布での塗布性を向上さ るために界面活性剤を含むことができる。 面活性剤としては、例えば、フッ素系界面 性剤、シロキサン系界面活性剤、非フッ素 界面活性剤などを挙げることができる。
 フッ素系界面活性剤としては、パーフルオ アルキル基を有する構造のものであり、具 的には大日本インキ化学工業(株)製のメガ ァックF-470、F-471、F-472SF、F-474、F-475、R-30、F -477、F-478、F-479、BL-20、R-61、R-90、住友スリー エム(株)製のFC-170C、FC-4430などが挙げられる 、これらに制限されない。
 シロキサン系界面活性剤としては、ポリア キル変性シロキサン系、ポリエステル変性 ロキサン系、アラルキル変性シロキサン系 アルキルアラルキル変性シロキサン系など 挙げられるが、これらに制限されない。
 非フッ素系界面活性剤としては、ポリオキ エチレンラウリルエーテル、ポリオキシエ レンオレイルエーテル、ポリオキシエチレ オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエ レンノニルフェニルエーテル、ポリエチレ グリコールジラウリレート、ポリエチレン リコールジステアレート等のノニオン系界 活性剤、アクリル系またはメタクリル系の 合物からなる界面活性剤などが挙げられる 、これらに制限されない。
 これらは1種単独で用いてもよいし、2種以 を併用してもよい。界面活性剤の含有量は 本発明の目的を損なわない範囲であれば、 に制限されない。

 また、必要によりシランカップリング剤 の添加剤を含んでもよい。シランカップリ グ剤としては、例えば、エポキシシランカ プリング剤、芳香族含有アミノシランカッ リング剤等が挙げられる。これらは単独で いてもよいし、2種以上を併用してもよい。 シランカップリング剤の含有量は、特に制限 されないが、組成物全体の0.05~50重量%が好ま く、0.1~20重量%がより好ましい。

  本発明のスプレー塗布用ポジ型感光性 脂組成物の粘度は、0.5~200cPである。組成物 粘度がこの範囲であると、ノズルセンター らの液漏れを抑制すると共に、高アスペク 比を有する半導体ウェハの微細なサイズの の内面にピンホール欠陥を発生することな 、均一な塗膜を形成することを可能にする 該粘度は、1cP以上がより好ましく、5cP以上 さらに好ましく、10cP以上が特に好ましい。 た、該粘度は、100cP以下がより好ましく、50 cP以下がさらに好ましく、30cP以下が特に好ま しい。

 また、本発明のスプレー塗布用ポジ型感 性樹脂組成物は、剪断速度0.1rpm/sにおける 的粘度η0.1と、剪断速度100rpm/sにおける動的 度η100 の動的粘度比A(η0.1/η100)が、1.5~400で あることが好ましい。組成物の動的粘度比A この範囲であると、静的な状態では相対的 高粘度の状態となるため、半導体ウェハの の垂直な壁面での液垂れが生じ難くなり膜 均一性に優れる。該動的粘度比Aは、3~300が り好ましく、5~200がさらに好ましく、10~140が 特に好ましい。

 さらに、本発明のスプレー塗布用ポジ型 光性樹脂組成物は、剪断速度100/sにおける 的粘度η100と、剪断速度1000/sにおける動的粘 度η1000の該動的粘度比B(η100/η1000)が、0.6~5.0 あることが好ましい。組成物の動的粘度比B この範囲であると、動的な状態では相対的 低粘度の状態となるため、組成物がノズル 通過する時や、スピンコートする時などに 好な流動性が得られる。該動的粘度比Bは、 0.8~4.5がより好ましく、1.0~4.0がさらに好まし 、1.2~3.5が特に好ましい。

 上述したような粘度の剪断速度依存性を得 ための手段としては、特に限定されないが
シリカ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭 酸カルシウム等の無機充填剤、ゴム粒子、ウ レタン粒子、アクリル粒子等の有機充填剤、 ポリウレタン系、ポリウレア系、ポリアクリ ル酸系、ポリアミド系等のレオロジー調整剤 を添加する手法が挙げられる。これらの中で も、不純物が少なく、少ない添加量で上記剪 断速度依存性を実現することができるシリカ 、レオロジー調整剤を用いることが好ましい 。

 無機充填剤及び有機充填剤を用いる場合、 の平均粒径は1nm~1000nmが好ましく、5nm~800nmが より好ましく、10nm~500nmがさらに好ましい。 お、平均粒径は、レーザー回折式粒度分布 定装置を用いることにより求められる。無 充填剤及び有機充填剤の含有量は、ポジ型 光性樹脂組成物の全重量に対し、0.5~80重量% 好ましく、1~50重量%がより好ましく、5~30重 %がさらに好ましい。
レオロジー調整剤の含有量は、ポジ型感光性 樹脂組成物の全重量に対し、0.1~30重量%が好 しく、0.5~20重量%がより好ましく、1~10重量% さらに好ましい。

 本発明においてポジ型感光性樹脂組成物 粘度は、測定装置:TVE-20L形粘度計コーンプ ートタイプ(TOKIMEC製)、使用ローター:標準ロ ター(1°34´、R=2.4cm)、回転数:10rpm、温度:25℃ の測定条件で測定した5分後の粘度として定 される。

 また、本発明においてポジ型感光性樹脂組 物の動的粘度比は、測定装置:粘弾性測定装 置ARES-2KSTD(Reometric Scientific製)、使用ローター :パラレルプレートタイプ(R=4.0cm)、温度:25℃ 測定条件で各剪断速度における動的粘度(η0. 1、η100、η1000)を測定し、得られた測定値を いて以下の式により得ることができる。
  動的粘度比A=η0.1/η100
  動的粘度比B=η100/η1000

 さらに本発明のポジ型感光性樹脂組成物 、半導体ウェハの厚み方向に形成された孔 内面に均一な塗膜を形成するために、半導 ウェハに対して所望の濡れ拡がり性を有し いることが好ましい。本発明において、濡 拡がり性は、γ-ブチロラクトンを用いて測 したときの接触角が89~97°となるシリコンウ ェハ上に、前記ポジ型感光性樹脂組成物1滴(1 5mg)を滴下し、前記シリコンウェハを角度80° 立てて固定し3分間放置して得られる塗膜の 垂直方向の落下長の最大値Aと、水平方向の がり幅の最大値Bとの比A/Bで定義される。上 で定義される本発明のポジ型感光性樹脂組 物の濡れ拡がり性は0.1~20が好ましく、0.5~10 より好ましい。これにより、垂直な壁面で 液垂れが生じ難くなり膜厚均一性に優れる

 2.貫通電極の製造方法
 次に、本発明の貫通電極の製造方法につい 説明する。
 本発明の貫通電極の製造方法は、半導体ウ ハの表面に設けられた集積回路と前記半導 ウェハの裏面に設けられた接続端子とを電 的に接続するための貫通電極の製造方法で って、
 前記半導体ウェハの表面に設けられた集積 路の電極部の裏面の少なくとも一部が露出 るように半導体ウェハの厚み方向に設けら た孔の内面を覆うように、本発明のポジ型 光性樹脂組成物をスプレー塗布することに って塗膜を形成する塗膜形成工程と、
 前記電極部の裏面上に形成された塗膜の少 くとも一部を露光した後、露光した部分を 像することによって、前記電極部の裏面の なくとも一部が露出した塗膜パターンを形 するパターン形成工程と、を含む。

 本発明は、半導体ウェハの表面に集積回 を設けた後に該集積回路と半導体ウェハの 面に設けられた接続端子とを電気的に接続 るための貫通電極を形成する方法にかかる のであり、本発明のスプレー塗布用ポジ型 光性樹脂組成物を用いて孔の内面を覆うよ に塗膜を形成した後、該塗膜に露光及び現 を施すことによって半導体ウェハの厚み方 に形成された孔の内部に塗膜パターンを形 することを特徴の一つとしている。

 以下、図面を参照しながら本発明の貫通電 の製造方法について説明する。
 図1は、本発明の貫通電極の製造方法の工程 を説明するための工程説明図である。
 図1(a)は半導体ウェハの構造を例示したもの である。図1(a)に示すように、半導体ウェハ1 表面には集積回路の金属配線3が形成されて おり、金属配線3上には集積回路の電極部2と ソルダーレジスト層4が形成されている。半 導体ウェハ1の厚み方向には、半導体ウェハ1 裏面に開口部を有し、電極部2の裏面の少な くとも一部が露出するように形成された孔5 設けられている。孔5の深さ/孔の直径比(L/D :アスペクト比)は、特に制限されないが、1~1 0が好ましく、2~5であることがより好ましい
 半導体ウェハに孔を形成する方法は特に制 されなく、公知の方法を用いることができ 。中でも、プラズマによりガスをイオン化 びラジカル化してエッチングする反応性イ ンエッチング(RIE)は、高アスペクト比を有 る微細なサイズの孔の形成に適しているた 好ましい。

 次に、図1(b)に示すように、孔5の内面を覆 ように本発明のポジ型感光性樹脂組成物を プレー塗布することによって塗膜6を形成す 。
 該組成物をスプレー塗布する際は、例えば 化用ガスとして乾燥窒素などを用い、該組 物を含むミストを孔の内面に塗布すること 好ましい。ミストの粒径は10μm以下が好ま い。該組成物をスプレー塗布する際の霧化 ガスのガス圧は特に制限されないが、0.5~5.0k g/cm 2 が好ましい。ノズルから孔の内面に吐出され る組成物の供給量(吐出量)は、適宜調整すれ よく、一定であってもよく、変化させても い。

 スプレー塗布装置としては特に制限され いが、オーストリアEVグループ(EVG)のレジス ト塗布装置「NanoSpray」、SUSSマイクロテック のレジスト塗布装置「DeltaAltaSpray」等を用い ることができる。装置のノズル径は、0.1~2mm 度が好ましい。

 スプレー塗布した後は、プリベークするこ により塗膜中の溶剤を除去する。プリベー は、通常ベークプレート(ホットプレート) に半導体ウェハを載せて加熱したり、クリ ン・オーブンなどの加熱装置内で半導体ウ ハを加熱することによって行う。加熱温度 、60℃~150℃が好ましく、100℃~130℃がより好 しい。
 このようにして形成される塗膜(プリベーク 後)の膜厚は、0.1~40μmが好ましく、1~20μmがよ 好ましい。

 次に、電極部2の裏面上に形成された塗膜の 少なくとも一部を露光し、露光部分を現像す る。
 塗膜を露光する際は、半導体ウェハフォト スクを用いて、電極部2の裏面上の少なくと も一部のみが露光されるようにする。照射す る光の波長は、150nm~750nmが好ましく、200nm~500n mがより好ましい。光源の種類は特に制限さ なく、所望の光の波長に応じて紫外線ラン 、水銀灯、キセノンランプ、重水素ランプ を適宜選択すればよい。

 次に、現像液を用いて露光部分を現像す 。本発明に用いられる現像液は、半導体プ セスにおいて、通常フォトレジストの現像 用いられるものであれば特に制限されない 例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ 、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メ ケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機 ルカリ類、エチルアミン、n-プロピルアミ 等の第1アミン類、ジエチルアミン、ジ-n-プ ピルアミン等の第2アミン類、トリエチルア ミン、メチルジエチルアミン等の第3アミン 、ジメチルエタノールアミン、トリエタノ ルアミン等のアルコールアミン類、テトラ チルアンモニウムヒドロキシド、テトラエ ルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アン ニウム塩等のアルカリ類の水溶液、及びこ にメタノール、エタノールのごときアルコ ル類等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適 量添加した水溶液を好適に使用することが きる。現像方法としては、パドル、浸漬、 プレー、超音波等の方式が可能である。

 露光部分を現像した後、リンス液を用い 洗浄し、ポストベークして塗膜を硬化させ 。リンス液は特に制限されないが、蒸留水 用いることが好ましい。ポストベークは、 ークプレートまたはクリーン・オーブンな を用いて塗膜を加熱することによって行う 加熱温度は特に制限されないが、180℃~400℃ が好ましく、200℃~380℃がより好ましい。こ ようにして、図1(c)に示すような電極部2の裏 面の少なくとも一部が露出した塗膜パターン 7を形成することができる。

 本発明の好ましい態様によれば、本発明 ポジ型感光性樹脂組成物を用いることによ 、半導体ウェハを貫通するように形成され 高アスペクト比を有する微細なサイズの孔 内面に対しても、均一な膜厚の塗膜を形成 ることができる。また、本発明の好ましい 様によれば、本発明のポジ型樹脂感光性組 物を用いることにより微細なパターン形成 可能になるため、半導体ウェハの孔内部に ける所望の領域を高選択的に露出させるこ ができるとともに、他の領域を絶縁膜で保 することができる。これにより、貫通電極 のリーク電流の発生を抑制することができ 半導体ウェハに貫通電極における歩留りを 上させることができる。

 このようにして形成された塗膜パターン 、貫通電極内部のリーク電流を防止するた の絶縁膜として用いることもできるし、他 絶縁膜のパターン形成用マスクとして用い こともできる。以下、本発明で形成された 膜パターンを絶縁膜として用いて貫通電極 形成する方法(以下「第1実施形態」)と、本 明で形成された塗膜パターンをパターン形 用マスクとして用いて貫通電極を形成する 法(以下「第2実施形態」)について具体的に 明する。

 第1実施形態
 本発明の第1実施形態では、上述のようにし て形成された塗膜パターンを絶縁膜として用 い、この塗膜パターン上に電極部の裏面と前 記半導体ウェハの裏面に設けられた接続端子 とを電気的に接続するための金属膜を形成す ることによって貫通電極を形成する。

 すなわち、本発明の第1実施形態では、半導 体ウェハの表面に設けられた集積回路と前記 半導体ウェハの裏面に設けられた接続端子と を電気的に接続するための貫通電極の製造方 法であって、
 前記半導体ウェハの表面に設けられた集積 路の電極部の裏面の少なくとも一部が露出 るように半導体ウェハの厚み方向に設けら た孔の内面を覆うように、本発明のポジ型 光性樹脂組成物をスプレー塗布することに って塗膜を形成する塗膜形成工程と、
 前記電極部の裏面上に形成された塗膜の少 くとも一部を露光した後、露光した部分を 像することによって、前記電極部の裏面の なくとも一部が露出した塗膜パターンを形 するパターン形成工程と、
 前記パターン形成工程によって形成された 膜パターン上に、前記電極部の裏面と前記 導体ウェハの裏面に設けられた接続端子と 電気的に接続させるための金属膜を形成す 金属膜形成工程とを含む、貫通電極の製造 法を提供する。

 以下、図面を参照しながら本発明の第1実施 形態について説明する。図2は、本発明の第1 施形態にかかる貫通電極の製造方法の工程 説明するための工程説明図である。
 まず、集積回路の電極部2の裏面の少なくと も一部が露出するように半導体ウェハ1の厚 方向に設けられた孔5が形成された半導体ウ ハ1を用意する(図2(a)参照)。
 次に、半導体ウェハ1の孔5の内面を覆うよ に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物をス レー塗布することによって塗膜6を形成し(図 2(b)参照)、電極部2の裏面の少なくとも一部を 露光、現像することによって電極部2の裏面 少なくとも一部が露出した塗膜パターン7を 成する(図2(c)参照)。塗膜を形成する方法及 塗膜パターンを形成する方法は、既に述べ 方法と同様であるのでここでは説明を繰り さない。なお、図2中の符号は、図1中の符 と対応している。

 次に、図2(d)に示すように、塗膜パターン 7上に金属膜を形成するためのシード層8を形 する。シード層の形成は、スパッタリング たはメタルCVD法を用いて行うことができる シード層に用いる金属は、特に制限されな が、TiW/NiV/Cu、Ni、Ni/Cu、TiN/Ti/Cu等が好まし 。なお、シード層に複数の金属を用いる場 は、塗膜パターン及び半導体ウェハの裏面 ら近い層から順に「下層/上層」または「下 /中層/上層」のように表示している。

 次に、シード層8上に、電極部の裏面と半導 体ウェハの裏面に設けられた接続端子とを電 気的に接続するための金属膜を設ける領域に 開口部を有する感光膜パターン9を形成する
 感光膜パターン9は、通常半導体プロセスに おいて用いられるポジ型またはネガ型の感光 性樹脂組成物を用いて塗膜を形成した後、所 定の領域に開口部を有するパターン形成用マ スクを用いて露光し、露光した部分を現像す ることによって形成することができる。

 続いて、感光膜パターン9の開口部から露 出したシード層8をメッキ端子として電解メ キ処理を施して金属膜10を形成した後、感光 膜パターン9を除去し、露出したシード層を ッチングする。こうして、図2(e)に示すよう 金属膜10を形成することができる。電解メ キ処理は通常半導体プロセスにおいて使用 れる条件を用いて行うことができる。金属 としては、Ni、Cu、Auなどからなる1層構造の か、Ni、Cu、Auなどの金属上にSn、Sn-Pb、Sn-Ag Sn-Cu、Sn-Zuなどのハンダ材が積層された2層 造を用いることができる。なお、電解メッ 処理は、孔の内部をメッキ充填する必要は く、孔の内部に薄膜を形成するだけでもよ 。

 このようにして形成された半導体ウェハ1 の裏面の金属膜10上に、図2(f)に示すように、 外部電極(図示しない)と接続させるための接 端子11を搭載し、接続端子11以外の導通部分 を覆うようにソルダーレジスト層12を形成す ことにより貫通電極を形成することができ 。接続端子及びソルダーレジスト層ならび それらの形成方法は、半導体装置の製造に 常用いられるものであれば特に制限されな 。本発明の第1実施形態では、このようにし て貫通電極を形成することによって、半導体 ウェハの表面に設けられた集積回路と半導体 ウェハの裏面に設けられた接続端子とを電気 的に接続することができる。

 第2実施形態
 次に、本発明の第2実施形態について説明す る。本発明の第2実施形態では、本発明のポ 型感光性樹脂組成物を用いて形成した塗膜 ターンを絶縁膜のパターン形成用マスクと て用いて絶縁膜パターンを形成し、得られ 絶縁膜パターン上に、前記電極部の裏面と 記半導体ウェハの裏面に設けられた接続端 とを電気的に接続するための金属膜を形成 ることによって貫通電極を形成する。

 すなわち、本発明の第2実施形態では、半導 体ウェハの表面に設けられた集積回路と前記 半導体ウェハの裏面に設けられた接続端子と を電気的に接続するための貫通電極の製造方 法であって、
 前記半導体ウェハの表面に設けられた集積 路の電極部の裏面の少なくとも一部が露出 るように半導体ウェハの厚み方向に設けら た孔の内面を覆うように、本発明のポジ型 光性樹脂組成物をスプレー塗布することに って塗膜を形成する塗膜形成工程と、
 前記電極部の裏面上に形成された塗膜の少 くとも一部を露光した後、露光した部分を 像することによって、前記電極部の裏面の なくとも一部が露出した塗膜パターンを形 するパターン形成工程と、
 前記パターン形成工程によって形成された 膜パターンを絶縁膜のパターン形成用マス として用いて絶縁膜パターンを形成し、得 れた絶縁膜パターン上に、前記電極部の裏 と前記半導体ウェハの裏面上の接続端子と 電気的に接続するための金属膜を形成する 属膜形成工程とを含む、貫通電極の製造方 を提供する。

 以下、図面を参照しながら本発明の第2実施 形態について説明する。図3は、本発明の第2 施形態にかかる貫通電極の製造方法の工程 説明するための工程説明図である。なお、 3中の符号は、図1及び2中の符号と対応して る。
 まず、集積回路の電極部2の裏面の少なくと も一部が露出するように半導体ウェハ1の厚 方向に設けられた孔5が形成された半導体ウ ハ1を用意する(図3(a)参照)。
 次に、図3(b)に示すように、半導体ウェハ1 孔5の内面を覆うように絶縁膜13を形成する 絶縁膜13は酸化膜(SiO 2 )などの公知の材料を用いて、化学蒸着法(CVD )などを用いて形成することができる。絶縁 膜の厚みは、孔内部の絶縁性を確保するのに 十分な厚みであれば特に制限されない。

 次に、図3(c)に示すように、絶縁膜13上に孔5 の内面を覆うように、本発明のポジ型感光性 樹脂組成物をスプレー塗布することによって 塗膜6を形成する。そして、電極部2の裏面の なくとも一部を露光、現像することによっ 電極部2の裏面の少なくとも一部が露出した 塗膜パターン7を形成する。そして、この塗 パターン7を絶縁膜13のパターン形成用マス として用いて絶縁膜の露出部分を除去する とによって、図3(d)に示すように、電極部2の 裏面の少なくとも一部が露出した絶縁膜パタ ーン14を形成する。
 絶縁膜の露出した部分を除去する方法は特 制限されないが、ドライエッチング法によ 行うことが好ましい。特に、反応性イオン ッチング(RIE)法により行うことが好ましい 塗膜を形成する方法及び塗膜パターンを形 する方法は、絶縁膜上に塗膜または塗膜パ ーンを形成することを除いて既に述べた方 と同様である。

 次に、塗膜パターン7を除去した後、図3(e )に示すように、絶縁膜パターン上に金属膜 形成するためのシード層8を形成する。そし 、シード層8上に、電極部の裏面と半導体ウ ェハの裏面上の接続端子とを電気的に接続す るための金属膜を設ける領域に開口部を有す る感光膜パターン9を形成する。シード層及 感光膜パターンの構成材料及び形成方法は 第1実施態様で述べた方法と同様である。

 続いて、図3(f)に示すように、感光膜パタ ーン9の開口部から露出したシード層8をメッ 端子として電解メッキ処理を施して金属膜1 0を形成した後、感光膜パターン9を除去し、 出したシード層8をエッチングする。金属膜 の構成材料は、第1実施形態で説明したもの 同じものを使用できる。

 このようにして形成された半導体ウェハ1 の裏面に露出した部分の金属膜10上に、図3(g) に示すように、外部電極と接続させるための 接続端子11を搭載し、その後、接続端子11以 の導通部分を覆うようにソルダーレジスト 12を形成することにより、貫通電極を形成す ることができる。接続端子及びソルダーレジ スト層ならびにそれらの形成方法は、第1実 形態で説明したものと同様である。第2実施 態では、このようにして貫通電極を形成す ことによって、半導体ウェハの表面に設け れた集積回路と半導体ウェハの裏面に設け れた接続端子とを電気的に接続することが きる。

 なお、図1~3は、本発明にかかる貫通電極 製造方法の一例を示すものであり、本発明 これらに何ら制限されるものではない。本 明の目的を損なわない範囲であれば、通常 半導体プロセスに用いられる他の工程を有 ていてもよく、それによって他の構成が貫 電極に含まれていてもよい。

 以下、実施例を用いて本発明をより具体 に説明するが、本発明は、これらの実施例 限定されるものではない。

[実施例1]
(1)アルカリ可溶性樹脂の合成
  ジフェニルエーテル-4,4'-ジカルボン酸4.13g (0.016モル)、と1-ヒドロキシ-1,2,3-ベンゾトリ ゾール4.32g(0.032モル)とを反応させて得られ ジカルボン酸誘導体の混合物(0.016モル)とヘ サフルオロ-2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシ ェニル)プロパン7.33g(0.020モル)とを温度計、 拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N- チル-2-ピロリドン57.0gを加えて溶解させた その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反 させた。次に、N-メチル-2-ピロリドン7gに溶 解させた5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無 物1.31g(0.008モル)を加え、更に12時間攪拌して 反応を終了した。反応混合物を濾過した後、 反応混合物を水/メタノール=3/1(容積比)の溶 に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した 、真空下で乾燥し、目的のアルカリ可溶性 脂(A-1)を得た。

[式中、nは15~20である。]

(2)スプレー塗布用ポジ型感光性樹脂組成物の 作製
  得られたアルカリ可溶性樹脂(A-1)10gと、光 により酸を発生する化合物として、下記構造 を有する感光性ジアゾキノン化合物(B-1)2gと 、溶剤(γ―ブチロラクトン:酢酸エチル:酢酸 アミル=1:3:2)(重量比)32gに溶解させた。この溶 液を、0.2μm径のフッ素樹脂製フィルターで濾 過し、粘度20cPのポジ型感光性樹脂組成物を た。

[式中、Q 1 、Q 2 及びQ 3 の75%は式(2)で示される基であり、25%は水素原 子である。]

[実施例2]
 溶剤(γ―ブチロラクトン:酢酸エチル:酢酸 ミル=1:3:2)を、溶剤(γ―ブチロラクトン:酢酸 エチル=15:85)に代えたことを除いては、実施 1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作 した。

[実施例3]
 溶剤(γ―ブチロラクトン:酢酸エチル:酢酸 ミル=1:3:2)を、溶剤(γ―ブチロラクトン:2-メ ルテトラヒドロフラン=15:85)に代えたことを 除いては、実施例1と同様にしてポジ型感光 樹脂組成物を作製した。

[実施例4]
 溶剤(γ―ブチロラクトン:酢酸エチル:酢酸 ミル=1:3:2)を、溶剤(γ―ブチロラクトン:プロ ピオン酸エチル=15:85)に代えたことを除いて 、実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組 物を作製した。

[実施例5]
 溶剤(γ―ブチロラクトン:酢酸エチル:酢酸 ミル=1:3:2)を、溶剤(γ―ブチロラクトン:酢酸 エチル:酢酸-t-ブチル=15:55:30)に代えたことを いては、実施例1と同様にしてポジ型感光性 樹脂組成物を作製した。

[実施例6]
 溶剤(γ―ブチロラクトン:酢酸エチル:酢酸 ミル=1:3:2)を、溶剤(γ―ブチロラクトン:酢酸 エチル:プロピレングリコールモノメチルエ テル=15:55:30)に代えたことを除いては、実施 1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作 製した。

[実施例7]
 実施例1のポジ型感光性樹脂組成物に、さら に、球状シリカ粒子(平均粒径10nm)を4g加えた 外は、実施例1と同様にしてポジ型感光性樹 脂組成物を作製した。

[実施例8]
 溶剤(γ―ブチロラクトン:酢酸エチル:酢酸 ミル=1:3:2)を、溶剤(γ―ブ
チロラクトン:酢酸エチル=15:85)に代えたこと 除いては、実施例7と同様にし
てポジ型感光性樹脂組成物を作製した。

[実施例9]
 溶剤(γ―ブチロラクトン:酢酸エチル:酢酸 ミル=1:3:2)を、溶剤(γ―ブ
チロラクトン:2-メチルテトラヒドロフラン=15 :85)に代えたことを除いては、
実施例7と同様にしてポジ型感光性樹脂組成 を作製した。

[実施例10]
 溶剤(γ―ブチロラクトン:酢酸エチル:酢酸 ミル=1:3:2)を、溶剤(γ―ブ
チロラクトン:プロピオン酸エチル=15:85)に代 たことを除いては、実施例7と
同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し た。

[実施例11]
 溶剤(γ―ブチロラクトン:酢酸エチル:酢酸 ミル=1:3:2)を、溶剤(γ―ブ
チロラクトン:酢酸エチル:酢酸-t-ブチル=15:55: 30)に代えたことを除い
ては、実施例7と同様にしてポジ型感光性樹 組成物を作製した。

[実施例12]
 溶剤(γ―ブチロラクトン:酢酸エチル:酢酸 ミル=1:3:2)を、溶剤(γ―ブ
チロラクトン:酢酸エチル:プロピレングリコ ルモノメチルエーテル=15:55:3
0)に代えたことを除いては、実施例7と同様に してポジ型感光性樹脂組成物を作製した。

[比較例1]
 溶剤(γ―ブチロラクトン:酢酸エチル:酢酸 ミル=1:3:2)の添加量を、350gに代えたことを除 いては、実施例1と同様にしてポジ型感光性 脂組成物を作製した。

[比較例2]
 溶剤(γ―ブチロラクトン:酢酸エチル:酢酸 ミル=1:3:2)の添加量を、19gに代えたことを除 ては、実施例1と同様にしてポジ型感光性樹 脂組成物を作製した。

 各実施例及び比較例で得られたポジ型感 性樹脂組成物の粘度を、測定装置:TVE-20L形 度計コーンプレートタイプ(TOKIMEC製)、使用 ーター:標準ローター(1°34´、R=2.4cm)、回転数 :10rpm、温度:25℃の測定条件により測定し、5 後の粘度を測定値とした。

 また、各実施例及び比較例で得られたポジ 感光性樹脂組成物の動的粘度比は、測定装 :粘弾性測定装置ARES-2KSTD(Reometric Scientific製) 、使用ローター:パラレルプレートタイプ(R=4. 0cm)、温度:25℃の測定条件により各剪断速度 おける動的粘度を測定し、以下の式により 出した。結果を表1に示す。
   動的粘度比A=η0.1/η100
   動的粘度比B=η100/η1000

 上記実施例1~12及び比較例1及び2で得られた ジ型感光性樹脂組成物の濡れ拡がり性を次 ようにして評価した。なお、測定に用いた リコンウェハは、γ-ブチロラクトンを用い 測定したときの接触角が89~97°となるものを 用いた。
(1)シリコンウェハ上にマイクロピペットを用 いて各実施例で得られたポジ型感光性樹脂組 成物を1滴(15mg)滴下した。
(2)次に、シリコンウェハを、角度調整可能な スタンドを用いて80℃に立てて固定し、3分間 放置した。
(3)3分間経過後、ホットプレートを用いて120 で4分間加熱し、シリコンウェハ上のポジ型 光性樹脂組成物をプリベークして、ポジ型 光性樹脂組成物の塗膜を固定化させた。
(4)得られた塗膜の垂直方向の落下長(塗膜の 直方向の長さ(最大値))A、水平方向の拡がり (塗膜の水平方向の長さ(最大値))Bをそれぞ 測定し、濡れ拡がり性A/Bを算出した。結果 表2に示す。

[実施例13]
 次に、本発明の第1実施形態にかかる貫通電 極の製造方法に従って貫通電極を形成した。
(1)ビアホール形成
 表面にアルミ電極を有する厚み300μmのシリ ンウェハの厚み方向に、ボッシュプロセス 用いて、ウェハ裏面より、アルミ電極の裏 の少なくとも一部が露出するようにRIEエッ ングにて100μm幅のビアホールを形成した。 ッチングガスとしては、六フッ化硫黄を用 た。また、保護ガスとしては、オクタフル ロシクロブテンを用いた。エッチングレー は1μm/分であった。

(2)塗膜形成
 次に、スプレーガン(オーストリアEVグルー (EVG)社製「NanoSpray」)を用いてビアホール内 に樹脂が塗布されるように、ウェハ全体に1 kg/cm 2 の窒素圧で、実施例1又は7で作製したポジ型 光性樹脂組成物をスプレー塗布した。組成 の吐出量は0.3mL/分であった。該組成物ミス の塗布粒径は5μm以下に設定した。スプレー 塗布後、120℃のホットプレートで得られた塗 膜をプリベークして約5μmの塗膜を形成した

(3)塗膜パターン形成
 次に、75μm幅の抜きパターンのマスクを用 て、ビアホール底部をi線ステッパーで露光 た後、2.38TMAH水溶液に50秒間浸漬し、これを 純水で10秒間洗浄して、ビアホール底部に塗 の開口部を形成した。露光量は400mJであっ 。その後、酸素濃度を1000ppm以下に設定した リーン・オーブン中、320℃で30分間加熱し 約3μmの塗膜パターンを形成した。

(4)金属膜形成
 スパッタリングによりウェハ裏面及び塗膜 ターンが形成されたビアホール内面にシー 層(TiW/NiV/Cu=4000A/3000A/5000A)を形成した。
 次に、シード層上にレジスト層を形成し、 きパターンのマスクを用いて露光、現像し ビアホール内面及びウェハ裏面に金属膜を 成するための開口部を形成した。
 開口部にCuメッキを施し、金属膜を形成し 。アセトンでレジスト層を除去した後、フ 酸水溶液及び硫酸過酸化水素水でシード層 エッチングして除去した。

(5)ソルダーレジスト層形成
 ビアホール内部及びウェハ裏面を覆うよう ソルダーレジスト層を形成した後、ウェハ 面の金属膜上に半田ボールを搭載して、貫 電極を形成した。
 貫通電極を形成したシリコンウェハを各半 体素子毎に切断し、得られた半導体チップ エポキシ樹脂により包埋して試験片を作製 、その後、試験片の断面形状が観察できる うに研磨を施し、金属顕微鏡により貫通電 の断面形状を観察した。その結果、実施例1 で作製したポジ型感光性樹脂組成物を用いた 場合も、実施例7で作製したポジ型感光性樹 組成物を用いた場合も、塗膜が均一に形成 れていることを確認することができた。

[実施例14]
 本発明の第2実施形態にかかる貫通電極の製 造方法に従って貫通電極を形成した。
(1)ビアホール形成
 表面にアルミ電極を有する厚み300μmのシリ ンウェハの厚み方向に、ボッシュプロセス 用いて、ウェハ裏面より、アルミ電極の裏 の少なくとも一部が露出するようにRIEエッ ングにて100μm幅のビアホールを形成した。 ッチングガスとしては、六フッ化硫黄を用 た。また、保護ガスとしては、オクタフル ロシクロブテンを用いた。エッチングレー は1μm/分であった。

(2)絶縁膜形成
 化学蒸着法を用いて、ウェハ裏面及びビア ール内面に厚み1000nmのSiO 2 層を形成した。

(3)塗膜形成
 次に、スプレーガン(オーストリアEVグルー (EVG)社製「NanoSpray」)を用いてビアホール内 に樹脂が塗布されるように、ウェハ全体に1 kg/cm 2 の窒素圧で、実施例1又は7で作製したポジ型 光性樹脂組成物をスプレー塗布した。組成 の吐出量は0.3mL/分であった。該組成物ミス の塗布粒径は5μm以下に設定した。スプレー 塗布後、120℃のホットプレートで得られた塗 膜をプリベークして約5μmの塗膜を形成した

(4)塗膜パターン形成
 次に、75μm幅の抜きパターンのマスクを用 て、ビアホール底部をi線ステッパーで露光 た後、2.38TMAH水溶液に50秒間浸漬し、これを 純水で10秒間洗浄して、ビアホール底部に塗 の開口部を形成した。露光量は400mJであっ 。その後、酸素濃度を1000ppm以下に設定した リーン・オーブン中、320℃で30分間加熱し 約3μmの塗膜パターンを形成した。

(5)絶縁膜パターン形成
 上記のようにして形成された塗膜パターン エッチングマスクとして用い、ビアホール 部のSiO 2 層をCF 4 /O 2 混合ガス(CF 4 :O 2 =180sccm:20sccm)を用いてRIEエッチングし、開口 を形成した。RIE条件は600W/600秒を用いた。絶 縁膜パターン形成後、塗膜パターンを10%フッ 酸水溶液に30秒間浸漬して塗膜パターンを除 した。

(6)金属膜形成
 スパッタリングによりウェハ裏面及び塗膜 ターンが形成されたビアホール内面にシー 層(TiW/NiV/Cu=4000A/3000A/5000A)を形成した。
 次に、シード層上にレジスト層を形成し、 きパターンのマスクを用いて露光、現像し ビアホール内面及びウェハ裏面に金属膜を 成するための開口部を形成した。
 開口部にCuメッキを施し、金属膜を形成し 。アセトンでレジスト層を除去した後、フ 酸水溶液及び硫酸過酸化水素水でシード層 エッチングして除去した。

(7)ソルダーレジスト層形成
 ビアホール内部及びウェハ裏面を覆うよう ソルダーレジスト層を形成した後、ウェハ 面の金属膜上に半田ボールを搭載して、貫 電極を形成した。
 実施例13と同様にして、貫通電極を形成し シリコンウェハを各半導体素子毎に切断し 得られた半導体チップをエポキシ樹脂によ 包埋して試験片を作製し、その後、試験片 断面形状が観察できるように研磨を施し、 属顕微鏡により貫通電極の断面形状を観察 た。その結果、実施例1で作製したポジ型感 性樹脂組成物を用いた場合も、実施例7で作 製したポジ型感光性樹脂組成物を用いた場合 も、塗膜が均一に形成されていることを確認 することができた。

 本発明によれば、半導体ウェハの厚み方 に形成された高アスペクト比を有する孔の 部に塗膜パターンを形成することが可能に る。得られた塗膜パターンは、貫通電極内 のリーク電流の発生を抑制するための絶縁 として、あるいはそのような絶縁膜を形成 るためのパターン形成用マスクとして有用 ある。

 1 半導体ウェハ
 2 電極部
 3 金属配線
 4 ソルダーレジスト層
 5 孔
 6 塗膜
 7 塗膜パターン
 8 シード層
 9 感光膜パターン
 10 金属膜
 11 接続端子
 12 ソルダーレジスト層
 13 絶縁膜
 14 絶縁膜パターン