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Title:
POSITIVE RESIST COMPOSITION, PATTERN FORMING METHOD USING THE COMPOSITION, AND COMPOUND USED IN THE COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/022681
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a positive resist composition which is good in pattern shape, line-edge roughness, pattern collapse, sensitivity and resolution in conventional exposure (dry exposure), liquid immersion exposure and double exposure. Also disclosed is a pattern forming method using such a positive resist composition. Specifically disclosed is a positive resist composition containing (A) a compound which generates an acid when irradiated with an active ray or radiation, (B) a compound whose solubility in an alkali developer is increased by the action of an acid, and (C) a compound having a specific structure, which is decomposed and generates an acid by the action of an acid. Also specifically disclosed are a pattern forming method using such a positive resist composition, and compounds used in the positive resist composition.

Inventors:
TAKAHASHI HIDENORI
WADA KENJI
KAMIMURA SOU
Application Number:
PCT/JP2008/064419
Publication Date:
February 19, 2009
Filing Date:
August 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FUJIFILM CORP (JP)
TAKAHASHI HIDENORI
WADA KENJI
KAMIMURA SOU
International Classes:
C07C309/73; C07C69/716; C07C309/65; C07C309/74; C07C311/06; C07C317/44; G03F7/004; G03F7/039; H01L21/027
Foreign References:
JP2000227659A2000-08-15
JPH11158118A1999-06-15
JPH0934106A1997-02-07
JPH08248561A1996-09-27
EP0254853A21988-02-03
JPH0225850A1990-01-29
JPH03223860A1991-10-02
JPH04251259A1992-09-07
Other References:
ARIMITSU K. ET AL.: "Autocatalytic Fragmentation of Acetoacetate Derivatives as Acid Amplifiers to Proliferative Acid Molecules", JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 120, no. 1, 1998, pages 37 - 45, XP008129318
FUKUCHI I. ET AL.: "Catalytic asymmetric aldol reactions of enolizable carbon pronucleophiles with formaldehyde and ethyl glyoxylate", ADVANCED SYNTHESIS & CATALYSIS, vol. 349, no. 4+5, 2007, pages 509 - 512, XP008129319
See also references of EP 2177506A4
Attorney, Agent or Firm:
TAKAMATSU, Takeshi et al. (Kawabe Bldg.7-9, Shimbashi 3-chom, Minato-ku Tokyo 04, JP)
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Claims:
 (A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、
 (B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂及び
 (C)下記一般式(I)で表される、酸の作用により分解し、酸を発生する化合物
を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
 一般式(I)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアリールオキシ基を表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
 R 1 とR 2 とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
 R 5 は、酸の作用により脱離する基を表す。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。
 (C)成分の化合物が、下記一般式(Ia)又は(Ib)で表されることを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
 一般式(Ia)及び(Ib)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアリールオキシ基を表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
 R 1 とR 2 とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。
 Ry 1 ~Ry 3 は、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。Ry 1 ~Ry 3 の内の少なくとも2つが、結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。但し、Ry 1 ~Ry 3 の内の少なくとも1つがシクロアルキル基を表すか、或いは、Ry 1 ~Ry 3 の内の少なくとも2つが、結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成する。
 Ry 4 は、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
 Ry 5 は、シクロアルキル基を表す。
 Ry 4 とRy 5 とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。
 (C)成分の化合物が、下記一般式(II)で表されることを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
 一般式(II)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアリールオキシ基を表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
 R 1 とR 2 が結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
 Ry 1a は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はRy 2a と結合するアルキレン基を表す。
 Ry 2a は、アリール基又はアリールオキシ基を表す。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。
 (C)成分の化合物が、下記一般式(IIa)又は(IIb)で表されることを特徴とする請求項3に記載のポジ型レジスト組成物。
 一般式(IIa)及び(IIb)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアリールオキシ基を表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
 R 1 とR 2 が結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
 Ry 1a は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はRy 3a 若しくはRy 4a と結合するアルキレン基を表す。
 Ry 3a は、アリール基を表す。
 Ry 4a は、アリール基を表す。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。
 ZHが、スルホン酸、カルボン酸、イミド酸及びメチド酸から選ばれることを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
 更に、疎水性樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
 請求項1~6のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
 請求項1~6のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜を液浸露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
 請求項1~6のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜上に疎水性樹脂を含有するトップコートを形成し、液浸露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
 請求項1~6のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜を二重露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
 請求項1~6のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜を液浸二重露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
 請求項1~6のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜上に疎水性樹脂を含有するトップコートを形成し、液浸二重露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
 下記一般式(I)で表されることを特徴とする化合物。
 一般式(I)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアリールオキシ基を表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
 R 1 とR 2 とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
 R 5 は、酸の作用により脱離する基を表す。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。
 下記一般式(Ia)又は(Ib)で表されることを特徴とする化合物。
 一般式(Ia)及び(Ib)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアリールオキシ基を表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
 R 1 とR 2 とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。
 Ry 1 ~Ry 3 は、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。Ry 1 ~Ry 3 の内の少なくとも2つが、結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。但し、Ry 1 ~Ry 3 の内の少なくとも1つがシクロアルキル基を表すか、或いは、Ry 1 ~Ry 3 の内の少なくとも2つが、結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成する。
 Ry 4 は、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
 Ry 5 は、シクロアルキル基を表す。
 Ry 4 とRy 5 とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。
 ZHが、スルホン酸、カルボン酸、イミド酸及びメチド酸から選ばれることを特徴とする請求項13に記載の化合物。
 下記一般式(II)で表されることを特徴とする化合物。
 一般式(II)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアリールオキシ基を表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
 R 1 とR 2 が結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
 Ry 1a は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はRy 2a と結合するアルキレン基を表す。
 Ry 2a は、アリール基又はアリールオキシ基を表す。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。
 下記一般式(IIa)又は(IIb)で表されることを特徴とする化合物。
 一般式(IIa)及び(IIb)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアリールオキシ基を表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
 R 1 とR 2 が結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
 Ry 1a は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はRy 3a と若しくはRy 4a と結合するアルキレン基を表す。
 Ry 3a は、アリール基を表す。
 Ry 4a は、アリール基を表す。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。
 ZHが、スルホン酸、カルボン酸、イミド酸及びメチド酸から選ばれる有機酸であることを特徴とする請求項16に記載の化合物。
Description:
ポジ型レジスト組成物、該組成 を用いたパターン形成方法及び該組成物に いられる化合物

 本発明は、活性光線又は放射線の照射に り反応して性質が変化する、ポジ型レジス 組成物、該ポジ型レジスト組成物を用いた ターン形成方法及び該ポジ型レジスト組成 に用いられる化合物に関するものである。 らに詳しくはIC等の半導体製造工程、液晶 サーマルヘッド等の回路基板の製造、さら その他のフォトファブリケーション工程、 版印刷版、酸硬化性組成物に使用される、 ジ型レジスト組成物、該ポジ型レジスト組 物を用いたパターン形成方法及び該ポジ型 ジスト組成物に用いられる化合物に関する のである。

 化学増幅レジスト組成物は、遠紫外光等 活性光線又は放射線の照射により露光部に を生成させ、この酸を触媒とする反応によ て、活性光線又は放射線の照射部と非照射 の現像液に対する溶解性を変化させ、パタ ンを基板上に形成させるパターン形成材料 ある。

 光学顕微鏡において解像力を高める技術と て、従来から投影レンズと試料の間に高屈 率の液体(以下、「液浸液」ともいう)で満 す、所謂、液浸法が知られている。
 この「液浸の効果」は、λ 0 を露光光の空気中での波長とし、nを空気に する液浸液の屈折率、θを光線の収束半角と しNA 0 =sinθとすると、液浸した場合、解像力及び焦 点深度は次式で表すことができる。
 (解像力)=k 1 ・(λ 0 /n ) /NA 0
 (焦点深度)=±k 2 ・(λ 0 /n )/ NA 0 2
 すなわち、液浸の効果は、波長が1/nの露光 長を使用するのと等価である。言い換えれ 、同じNAの投影光学系の場合、液浸により 焦点深度をn倍にすることができる。これは あらゆるパターン形状に対して有効であり 更に、現在検討されている位相シフト法、 形照明法などの超解像技術と組み合わせる とが可能である。

 この効果を半導体素子の微細画像パターン 転写に応用した装置例が、特許文献1、特許 文献2等にて紹介されている。
 最近の液浸露光技術進捗が非特許文献1、特 許文献3等で報告されている。ArFエキシマレ ザーを光源とする場合は、取り扱い安全性 193nmにおける透過率と屈折率の観点で純水(19 3nmにおける屈折率1.44)が液浸液として最も有 であると考えられている。F 2 エキシマレーザーを光源とする場合は、157nm おける透過率と屈折率のバランスからフッ を含有する溶液が検討されているが、環境 全性の観点や屈折率の点で十分な物は未だ 出されていない。液浸の効果の度合いとレ ストの完成度から液浸露光技術はArF露光機 最も早く搭載されると考えられている。

 また、化学増幅レジストを液浸露光に適 すると、露光時にレジスト層が浸漬液と接 することになるため、レジスト層が変質す ことや、レジスト層から浸漬液に悪影響を ぼす成分が滲出することが指摘されている 特許文献4では、ArF露光用のレジストを露光 前後に水に浸すことによりレジスト性能が変 化する例が記載されており、液浸露光におけ る問題と指摘している。

 液浸露光に用いられる、投影レンズと半導 基板の間に充填される媒体としては、前述 ように、入手の容易さや安全性の観点から 1.44の屈折率を有する水が採用されており、 NAが1.2~1.35の投影レンズを有する露光機を用 ることにより、設計寸法が45nmの世代までの 導体デバイスのパターン形成が可能と考え れている。
 設計寸法が45nmの次の世代は32nmであり、32nm 代の半導体デバイスのパターン形成には、1 .65のNAが必要であるとされ、その場合には投 レンズと半導体基板の間に充填される媒体 屈折率は1.8以上が必要であると考えられて る。
 ところが、1.65のNAを有する投影レンズの材 には屈折率が1.9以上が求められており、現 LuAgがその有力候補とされているが、通過す る光の吸収量が多い問題がまだ解決されてい ない。
 また、屈折率1.8以上を有する媒体の候補も だ見つかっていない。
 このため、32nm世代の半導体デバイスのパタ ーン形成に、NAが1.2~1.35の投影レンズを有す 露光機を用いた特殊なパターン形成方法を いる方法が注目されている。
 この特殊なパターン形成方法にはいくつか 方法が提案されており、そのうちの一つに 重露光プロセスというものがある。
 二重露光プロセスとは、特許文献5に記載さ れているように、同一のフォトレジスト膜上 に二回露光を行うプロセスで、露光フィール ド内のパターンを二群のパターン群に分割し 、分割した各群のパターンを2階に分けて露 する方法である。
 特許文献5にはこの方法には2光子吸収レジ トのような、感光性や現像液に対する溶解 が露光強度の2乗に比例して変化する特性を つことが不可欠であると記述されており、 のような性質を持つレジストは未だに開発 れていない。

 また、酸の作用により分解し、酸を発生 る化合物が、非特許文献2、非特許文献3に 載されている。

 一方、32nm世代の半導体デバイスのパター ン形成方法においては、電子線やX線、ある はEUV光を用いたリソグラフィーも開発が進 でいる。

 特に電子線リソグラフィーは、次世代も くは次々世代のパターン形成技術として位 付けられ、高感度、高解像性のポジ型レジ トが望まれている。特にウェハー処理時間 短縮化のために高感度化は非常に重要な課 であるが、電子線用ポジ型レジストにおい は、高感度化を追求しようとすると、解像 の低下のみならず、ラインエッジラフネス 悪化が起こり、これらの特性を同時に満足 るレジストの開発が強く望まれている。こ で、ラインエッジラフネスとは、レジスト パターンと基板界面のエッジがレジストの 性に起因して、ライン方向と垂直な方向に 規則に変動するために、パターンを真上か 見たときにエッジが凹凸に見えることを言 。この凹凸がレジストをマスクとするエッ ング工程により転写され、電気特性を劣化 せるため、歩留りを低下させる。特に0.25μm 以下の超微細領域ではラインエッジラフネス は極めて重要な改良課題となっている。高感 度と、高解像性、良好なパターン形状、良好 なラインエッジラフネスはトレードオフの関 係にあり、これを如何にして同時に満足させ るかが非常に重要である。

 また、EUV光を光源とする場合、光の波長 極紫外領域に属し、高エネルギーを有する め、EUV光に起因するネガ化等の光化学反応 協奏することによるコントラスト低下等の 題があり、X線やEUV光を用いるリソグラフィ ーにおいても同様に高感度と高解像性等を両 立させることが重要な課題となっており、こ れらの解決が必要である。

 かかる電子線、X線、あるいはEUV光を用い たリソグラフィープロセスに適したレジスト としては高感度化の観点から主に酸触媒反応 を利用した化学増幅型レジストが用いられて おり、ポジ型レジストにおいては主成分とし て、アルカリ現像液には不溶又は難溶性で、 酸の作用によりアルカリ現像液に可溶となる 性質を有するフェノール性ポリマー(以下、 ェノール性酸分解性樹脂と略す)、及び酸発 剤からなる化学増幅型レジスト組成物が有 に使用されている。

 これらの電子線、X線、あるいはEUV光用ポジ 型レジストに関して、例えば、特許文献6~11 有るように、これまでフェノール性酸分解 樹脂を含むレジスト組成物がいくつか知ら ている。
 また、特許文献12、特許文献13に有るように 、酸の作用により分解し酸を発生する化合物 を感放射線性樹脂組成物に配合することが知 られている。

 しかしながら、これらのいかなる組合せ おいても、超微細領域での、高感度、高解 性、良好なパターン形状、良好なラインエ ジラフネスは同時に満足できていないのが 状である。

特開昭57-153433号公報

特開平7-220990号公報

国際公開第04/077158号パンフレット

国際公開第04/068242号パンフレット

特開2002-75857号公報

特開2002-323768号公報

特開平6-41221号公報

特許第3173368号公報

特開2000-122291号公報

特開2001-114825号公報

特開2001-206917号公報

特開2000-35665号公報

特開2007-114431号公報 国際光工学会紀要(Proc. SPIE), 2002年, 第4 688巻,第11頁 Chem.Lett.,1036(2000) The Chemical Record. Vol.2, 46-55 (2002)

 本発明の目的は、通常露光(ドライ露光)の ならず液浸露光においても、パターン形状 ラインエッジラフネス、パターン倒れ性能 感度、解像力が良好である、ポジ型レジス 組成物、該ポジ型レジスト組成物を用いた ターン形成方法及び該ポジ型レジスト組成 に用いられる化合物を提供することである また、二重露光において、パターン形状、 インエッジラフネス、パターン倒れ性能、 度、解像力が良好である、二重露光に好適 、ポジ型レジスト組成物、該ポジ型レジス 組成物を用いたパターン形成方法及び該ポ 型レジスト組成物に用いられる化合物を提 することである。
 さらに、本発明の目的は、電子線、X線又は EUV光を使用する半導体素子の微細加工におけ る性能向上技術の課題を解決することであり 、高感度、高解像性、良好なパターン形状、 良好なラインエッジラフネスを同時に満足す る電子線、X線又はEUV光用ポジ型レジスト組 物及びそれを用いたパターン形成方法を提 することにある。

 本発明は、次の通りである。

 (1) (A)活性光線又は放射線の照射により酸 発生する化合物、
 (B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する 解度が増大する樹脂及び
 (C)下記一般式(I)で表される、酸の作用によ 分解し、酸を発生する化合物
を含有することを特徴とするポジ型レジスト 組成物。

 一般式(I)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコ キシ基、アリール基又はアリールオキシ基を 表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す 。
 R 1 とR 2 とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水 素構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を 表す。
 R 5 は、酸の作用により脱離する基を表す。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。

 (2) (C)成分の化合物が、下記一般式(Ia)又 (Ib)で表されることを特徴とする(1)に記載の ポジ型レジスト組成物。

 一般式(Ia)及び(Ib)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコ キシ基、アリール基又はアリールオキシ基を 表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す 。
 R 1 とR 2 とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水 素構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を 表す。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。
 Ry 1 ~Ry 3 は、各々独立に、アルキル基又はシクロアル キル基を表す。Ry 1 ~Ry 3 の内の少なくとも2つが、結合して単環若し は多環の環状炭化水素構造を形成してもよ 。但し、Ry 1 ~Ry 3 の内の少なくとも1つがシクロアルキル基を すか、或いは、Ry 1 ~Ry 3 の内の少なくとも2つが、結合して単環若し は多環の環状炭化水素構造を形成する。
 Ry 4 は、水素原子、アルキル基又はシクロアルキ ル基を表す。
 Ry 5 は、シクロアルキル基を表す。
 Ry 4 とRy 5 とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水 素構造を形成してもよい。

 (3) (C)成分の化合物が、下記一般式(II)で されることを特徴とする(1)に記載のポジ型 ジスト組成物。

 一般式(II)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコ キシ基、アリール基又はアリールオキシ基を 表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す 。
 R 1 とR 2 が結合して単環若しくは多環の環状炭化水素 構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を 表す。
 Ry 1a は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル 基、アルコキシ基、アリール基又はRy 2a と結合するアルキレン基を表す。
 Ry 2a は、アリール基又はアリールオキシ基を表す 。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。

 (4) (C)成分の化合物が、下記一般式(IIa)又 は(IIb)で表されることを特徴とする(3)に記載 ポジ型レジスト組成物。

 一般式(IIa)及び(IIb)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコ キシ基、アリール基又はアリールオキシ基を 表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す 。
 R 1 とR 2 が結合して単環若しくは多環の環状炭化水素 構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を 表す。
 Ry 1a は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル 基、アルコキシ基、アリール基又はRy 3a 若しくはRy 4a と結合するアルキレン基を表す。
 Ry 3a は、アリール基を表す。
 Ry 4a は、アリール基を表す。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。

 (5) ZHが、スルホン酸、カルボン酸、イミ ド酸及びメチド酸から選ばれることを特徴と する(1)に記載のポジ型レジスト組成物。

 (6) 更に、疎水性樹脂を含有することを 徴とする(1)に記載のポジ型レジスト組成物

 (7) (1)~(6)のいずれかに記載のポジ型レジ ト組成物により、レジスト膜を形成し、該 ジスト膜を露光、現像する工程を含むこと 特徴とするパターン形成方法。

 (8) (1)~(6)のいずれかに記載のポジ型レジ ト組成物により、レジスト膜を形成し、該 ジスト膜を液浸露光、現像する工程を含む とを特徴とするパターン形成方法。

 (9) (1)~(6)のいずれかに記載のポジ型レジ ト組成物により、レジスト膜を形成し、該 ジスト膜上に疎水性樹脂を含有するトップ ートを形成し、液浸露光、現像する工程を むことを特徴とするパターン形成方法。

 (10) (1)~(6)のいずれかに記載のポジ型レジ スト組成物により、レジスト膜を形成し、該 レジスト膜を二重露光、現像する工程を含む ことを特徴とするパターン形成方法。

 (11) (1)~(6)のいずれかに記載のポジ型レジ スト組成物により、レジスト膜を形成し、該 レジスト膜を液浸二重露光、現像する工程を 含むことを特徴とするパターン形成方法。

 (12) (1)~(6)のいずれかに記載のポジ型レジ スト組成物により、レジスト膜を形成し、該 レジスト膜上に疎水性樹脂を含有するトップ コートを形成し、液浸二重露光、現像する工 程を含むことを特徴とするパターン形成方法 。

 (13) 下記一般式(I)で表されることを特徴 する化合物。

 一般式(I)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコ キシ基、アリール基又はアリールオキシ基を 表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す 。
 R 1 とR 2 とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水 素構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を 表す。
 R 5 は、酸の作用により脱離する基を表す。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。

 (14) 下記一般式(Ia)又は(Ib)で表されるこ を特徴とする化合物。

 一般式(Ia)及び(Ib)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコ キシ基、アリール基又はアリールオキシ基を 表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す 。
 R 1 とR 2 とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水 素構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を 表す。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。
 Ry 1 ~Ry 3 は、各々独立に、アルキル基又はシクロアル キル基を表す。Ry 1 ~Ry 3 の内の少なくとも2つが、結合して単環若し は多環の環状炭化水素構造を形成してもよ 。但し、Ry 1 ~Ry 3 の内の少なくとも1つがシクロアルキル基を すか、或いは、Ry 1 ~Ry 3 の内の少なくとも2つが、結合して単環若し は多環の環状炭化水素構造を形成する。
 Ry 4 は、水素原子、アルキル基又はシクロアルキ ル基を表す。
 Ry 5 は、シクロアルキル基を表す。
 Ry 4 とRy 5 とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水 素構造を形成してもよい。

 (15) ZHが、スルホン酸、カルボン酸、イ ド酸及びメチド酸から選ばれることを特徴 する(13)に記載の化合物。

 (16) 下記一般式(II)で表されることを特徴 とする化合物。

 一般式(II)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコ キシ基、アリール基又はアリールオキシ基を 表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す 。
 R 1 とR 2 が結合して単環若しくは多環の環状炭化水素 構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を 表す。
 Ry 1a は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル 基、アルコキシ基、アリール基又はRy 2a と結合するアルキレン基を表す。
 Ry 2a は、アリール基又はアリールオキシ基を表す 。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。

(17) 下記一般式(IIa)又は(IIb)で表されるこ を特徴とする化合物。

 一般式(IIa)及び(IIb)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコ キシ基、アリール基又はアリールオキシ基を 表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す 。
 R 1 とR 2 が結合して単環若しくは多環の環状炭化水素 構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を 表す。
 Ry 1a は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル 基、アルコキシ基、アリール基又はRy 3a と若しくはRy 4a と結合するアルキレン基を表す。
 Ry 3a は、アリール基を表す。
 Ry 4a は、アリール基を表す。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。

 (18) ZHが、スルホン酸、カルボン酸、イ ド酸及びメチド酸から選ばれる有機酸であ ことを特徴とする(16)に記載の化合物。

 更に、本発明の好ましい実施の態様とし 、以下の構成を挙げる。

 (19) (A)成分の化合物が、フッ化置換アル ンスルホン酸、フッ素置換ベンゼンスルホ 酸、フッ素置換イミド酸又はフッ素置換メ ド酸のスルホニウム塩であることを特徴と る(1)に記載のポジ型レジスト組成物。

 (20) (B)成分の樹脂が、単環又は多環の脂 炭化水素構造を有する酸分解性繰り返し単 を有することを特徴とする(1)に記載のポジ レジスト組成物。

 (21) (B)成分の樹脂が、更に、ラクトン構 を有する繰り返し単位を有することを特徴 する(20)に記載のポジ型レジスト組成物。

 (22) (B)成分の樹脂が、更に、水酸基又は アノ基を有する繰り返し単位を有すること 特徴とする(20)に記載のポジ型レジスト組成 物。

 (23) (B)成分の樹脂が、更に、カルボキシ 基を有する繰り返し単位を有することを特 とする(20)に記載のポジ型レジスト組成物。

 (24) (B)成分の樹脂が、更に、ヘキサフロ イソプロパノール構造を有する繰り返し単 を有することを特徴とする(20)に記載のポジ 型レジスト組成物。

 (25) (B)成分の樹脂が、ヒドロキシスチレ 系繰り返し単位を有することを特徴とする( 1)に記載のポジ型レジスト組成物。

 (26) 更に、酸の作用により分解してアル リ現像液中での溶解度が増大する、分子量3 000以下の溶解阻止化合物を含有することを特 徴とする(1)に記載のポジ型レジスト組成物。

 (27) 更に、塩基性化合物及び/又はフッ素 及び/又はシリコン系界面活性剤を含有する とを特徴とする(1)に記載のポジ型レジスト 成物。

 (28) 塩基性化合物が、イミダゾール構造 ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシ 構造、オニウムカルボキシレート構造、ト アルキルアミン構造、アニリン構造及びピ ジン構造から選ばれる構造を有する化合物 水酸基及び/又はエーテル結合を有するアル キルアミン誘導体又は水酸基及び/又はエー ル結合を有するアニリン誘導体であること 特徴とする(27)に記載のポジ型レジスト組成 。

 本発明により、通常露光(ドライ露光)のみ らず液浸露光においても、パターン形状、 インエッジラフネス、パターン倒れ性能、 度、解像力が良好である、ポジ型レジスト 成物、該ポジ型レジスト組成物を用いたパ ーン形成方法及び該ポジ型レジスト組成物 用いられる化合物を提供することができる また、二重露光において、パターン形状、 インエッジラフネス、パターン倒れ性能、 度、解像力が良好である、二重露光に好適 、ポジ型レジスト組成物、該ポジ型レジス 組成物を用いたパターン形成方法及び該ポ 型レジスト組成物に用いられる化合物を提 することができる。
 また、本発明により、特に電子線、X線又は EUV露光に於いて、高感度、高解像性、良好な パターン形状、良好なラインエッジラフネス を同時に満足する電子線、X線又はEUV光用ポ 型レジスト組成物及びそれを用いたパター 形成方法を提供することができる。

本発明に於ける、二重露光プロセスの 態を示す模式図である。

 以下、本発明を実施するための最良の形態 ついて説明する。
 尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に いて、置換及び無置換を記していない表記 、置換基を有さないものと共に置換基を有 るものをも包含するものである。例えば、 アルキル基」とは、置換基を有さないアル ル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基 を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包 するものである。

 (A)活性光線又は放射線の照射により酸を発 する化合物
 本発明のポジ型レジスト組成物は、活性光 又は放射線の照射により酸を発生する化合 (以下、「酸発生剤」ともいう)を含有する
 酸発生剤としては、光カチオン重合の光開 剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の 消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジ ト等に使用されている活性光線又は放射線 照射により酸を発生する公知の化合物及び れらの混合物を適宜に選択して使用するこ ができる。

 たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウ 塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イ ドスルホネート、オキシムスルホネート、 アゾジスルホン、ジスルホン、o-ニトロベ ジルスルホネートを挙げることができる。

 また、これらの活性光線又は放射線の照 により酸を発生する基、あるいは化合物を リマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、 とえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3 914407号、特開昭63-26653号、特開昭55-164824号、 開昭62-69263号、特開昭63-146038号、特開昭63-16 3452号、特開昭62-153853号、特開昭63-146029号等 記載の化合物を用いることができる。

 さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第1 26,712号等に記載の光により酸を発生する化合 物も使用することができる。

 酸発生剤の内で好ましい化合物として、 記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物 挙げることができる。

 上記一般式(ZI)において、
 R 201 、R 202 及びR 203 は、各々独立に、有機基を表す。
 R 201 、R 202 及びR 203 としての有機基の炭素数は、一般的に1~30、 ましくは1~20である。
 また、R 201 ~R 203 のうち2つが結合して環構造を形成してもよ 、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結 、アミド結合、カルボニル基を含んでいて よい。R 201 ~R 203 の内の2つが結合して形成する基としては、 ルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレ 基)を挙げることができる。
 Z - は、非求核性アニオンを表す。

 Z - としての非求核性アニオンとしては、例えば 、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン 、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキ スルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキ ルスルホニル)メチルアニオン等を挙げるこ ができる。

 非求核性アニオンとは、求核反応を起こ 能力が著しく低いアニオンであり、分子内 核反応による経時分解を抑制することがで るアニオンである。これによりレジストの 時安定性が向上する。

 スルホン酸アニオンとしては、例えば、 肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン アニオン、カンファースルホン酸アニオン どが挙げられる。

 カルボン酸アニオンとしては、例えば、 肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン アニオン、アラルキルカルボン酸アニオン どが挙げられる。

 脂肪族スルホン酸アニオンにおける脂肪 部位は、アルキル基であってもシクロアル ル基であってもよく、好ましくは炭素数1~30 のアルキル基及び炭素数3~30のシクロアルキ 基、例えば、メチル基、エチル基、プロピ 基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチ ル基、sec-ブチル基、ペンチル基、ネオペン ル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル 、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ド シル基、トリデシル基、テトラデシル基、 ンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデ ル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エ コシル基、シクロプロピル基、シクロペン ル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基 ノルボニル基、ボロニル基等を挙げること できる。

 芳香族スルホン酸アニオンにおける芳香 基としては、好ましくは炭素数6~14のアリー ル基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフ チル基等を挙げることができる。

 脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族ス ホン酸アニオンにおけるアルキル基、シク アルキル基及びアリール基は、置換基を有 ていてもよい。脂肪族スルホン酸アニオン び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアル ル基、シクロアルキル基及びアリール基の 換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲ 原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃 素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ 、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素 1~15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3 ~15)、アリール基(好ましくは炭素数6~14)、ア コキシカルボニル基(好ましくは炭素数2~7)、 アシル基(好ましくは炭素数2~12)、アルコキシ カルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2~7)、 ルキルチオ基(好ましくは炭素数1~15)、アル ルスルホニル基(好ましくは炭素数1~15)、ア キルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数 2~15)、アリールオキシスルホニル基(好ましく は炭素数6~20)、アルキルアリールオキシスル ニル基(好ましくは炭素数7~20)、シクロアル ルアリールオキシスルホニル基(好ましくは 炭素数10~20)、アルキルオキシアルキルオキシ 基(好ましくは炭素数5~20)、シクロアルキルア ルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは 素数8~20)等を挙げることができる。各基が有 するアリール基及び環構造については、置換 基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素 1~15)を挙げることができる。

 脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪 部位としては、脂肪族スルホン酸アニオン けると同様のアルキル基及びシクロアルキ 基を挙げることができる。

 芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香 基としては、芳香族スルホン酸アニオンに けると同様のアリール基を挙げることがで る。

 アラルキルカルボン酸アニオンにおける ラルキル基としては、好ましくは炭素数6~12 のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェ ネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチ ル基、ナフチルメチル基等を挙げることがで きる。

 脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カル ン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸ア オンにおけるアルキル基、シクロアルキル 、アリール基及びアラルキル基は、置換基 有していてもよい。脂肪族カルボン酸アニ ン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラル ルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基 シクロアルキル基、アリール基及びアラル ル基の置換基としては、例えば、芳香族ス ホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン 子、アルキル基、シクロアルキル基、アル キシ基、アルキルチオ基等を挙げることが きる。

 スルホニルイミドアニオンとしては、例 ば、サッカリンアニオンを挙げることがで る。

 ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオ 、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオ ンにおけるアルキル基は、炭素数1~5のアルキ ル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル 基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル 、イソブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基 、ネオペンチル基等を挙げることができる。 これらのアルキル基の置換基としてはハロゲ ン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル 基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキ ルオキシスルホニル基、アリールオキシスル ホニル基、シクロアルキルアリールオキシス ルホニル基等を挙げることができ、フッ素原 子で置換されたアルキル基が好ましい。

 その他の非求核性アニオンとしては、例 ば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチ ン等を挙げることができる。

 Z - の非求核性アニオンとしては、スルホン酸の α位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホ 酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を する基で置換された芳香族スルホン酸アニ ン、アルキル基がフッ素原子で置換された ス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、 ルキル基がフッ素原子で置換されたトリス( ルキルスルホニル)メチドアニオンが好まし い。非求核性アニオンとして、より好ましく は炭素数4~8のパーフロロ脂肪族スルホン酸ア ニオン、フッ素原子を有するベンゼンスルホ ン酸アニオン、更により好ましくはノナフロ ロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオ クタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベ ンゼンスルホン酸アニオン、3,5-ビス(トリフ ロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンであ る。

 R 201 、R 202 及びR 203 としての有機基としては、例えば、後述する 化合物(ZI-1)、(ZI-2)、(ZI-3)における対応する基 を挙げることができる。

 尚、一般式(ZI)で表される構造を複数有する 化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI) 表される化合物のR 201 ~R 203 の少なくともひとつが、一般式(ZI)で表され もうひとつの化合物のR 201 ~R 203 の少なくともひとつと結合した構造を有する 化合物であってもよい。

 更に好ましい(ZI)成分として、以下に説明 する化合物(ZI-1)、(ZI-2)、及び(ZI-3)を挙げるこ とができる。

 化合物(ZI-1)は、上記一般式(ZI)のR 201 ~R 203 の少なくとも1つがアリール基である、アリ ルスルホニウム化合物、即ち、アリールス ホニウムをカチオンとする化合物である。

 アリールスルホニウム化合物は、R 201 ~R 203 の全てがアリール基でもよいし、R 201 ~R 203 の一部がアリール基で、残りがアルキル基又 はシクロアルキル基でもよい。

 アリールスルホニウム化合物としては、 えば、トリアリールスルホニウム化合物、 アリールアルキルスルホニウム化合物、ア ールジアルキルスルホニウム化合物、ジア ールシクロアルキルスルホニウム化合物、 リールジシクロアルキルスルホニウム化合 を挙げることができる。

 アリールスルホニウム化合物のアリール としてはフェニル基、ナフチル基が好まし 、更に好ましくはフェニル基である。アリ ル基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等 有する複素環構造を有するアリール基であ てもよい。複素環構造を有するアリール基 しては、例えば、ピロール残基(ピロールか ら水素原子が1個失われることによって形成 れる基)、フラン残基(フランから水素原子が 1個失われることによって形成される基)、チ フェン残基(チオフェンから水素原子が1個 われることによって形成される基)、インド ル残基(インドールから水素原子が1個失わ ることによって形成される基)、ベンゾフラ 残基(ベンゾフランから水素原子が1個失わ ることによって形成される基)、ベンゾチオ ェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が 1個失われることによって形成される基)等を げることができる。アリールスルホニウム 合物が2つ以上のアリール基を有する場合に 、2つ以上あるアリール基は同一であっても なっていてもよい。

 アリールスルホニウム化合物が必要に応 て有しているアルキル基又はシクロアルキ 基は、炭素数1~15の直鎖又は分岐アルキル基 及び炭素数3~15のシクロアルキル基が好まし 、例えば、メチル基、エチル基、プロピル 、n-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、シ クロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘ キシル基等を挙げることができる。

 R 201 ~R 203 のアリール基、アルキル基、シクロアルキル 基は、アルキル基(例えば炭素数1~15)、シクロ アルキル基(例えば炭素数3~15)、アリール基( えば炭素数6~14)、アルコキシ基(例えば炭素 1~15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ 基を置換基として有してもよい。好ましい置 換基としては炭素数1~12の直鎖又は分岐アル ル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、炭素 1~12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基で あり、より好ましくは炭素数1~4のアルキル基 、炭素数1~4のアルコキシ基である。置換基は 、3つのR 201 ~R 203 のうちのいずれか1つに置換していてもよい 、3つ全てに置換していてもよい。また、R 201 ~R 203 がアリール基の場合に、置換基はアリール基 のp-位に置換していることが好ましい。

 次に、化合物(ZI-2)について説明する。
 化合物(ZI-2)は、式(ZI)におけるR 201 ~R 203 が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を 表す化合物である。ここで芳香環とは、ヘテ ロ原子を含有する芳香族環も包含するもので ある。

 R 201 ~R 203 としての芳香環を含有しない有機基は、一般 的に炭素数1~30、好ましくは炭素数1~20である

 R 201 ~R 203 は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シ クロアルキル基、アリル基、ビニル基であり 、更に好ましくは直鎖又は分岐の2-オキソア キル基、2-オキソシクロアルキル基、アル キシカルボニルメチル基、特に好ましくは 鎖又は分岐2-オキソアルキル基である。

 R 201 ~R 203 のアルキル基及びシクロアルキル基としては 、好ましくは、炭素数1~10の直鎖又は分岐ア キル基(例えば、メチル基、エチル基、プロ ル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3~10 シクロアルキル基(シクロペンチル基、シク ヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることが できる。アルキル基として、より好ましくは 2-オキソアルキル基、アルコキシカルボニル チル基を挙げることができる。シクロアル ル基として、より好ましくは、2-オキソシ ロアルキル基を挙げることができる。

 2-オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のい れであってもよく、好ましくは、上記のア キル基の2位に>C=Oを有する基を挙げること ができる。
 2-オキソシクロアルキル基は、好ましくは 上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有す る基を挙げることができる。

 アルコキシカルボニルメチル基における ルコキシ基としては、好ましくは炭素数1~5 アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プ ロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を げることができる。

 R 201 ~R 203 は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭 数1~5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によっ 更に置換されていてもよい。

 化合物(ZI-3)とは、以下の一般式(ZI-3)で表 れる化合物であり、フェナシルスルフォニ ム塩構造を有する化合物である。

 一般式(ZI-3)に於いて、
 R 1c ~R 5c は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シ クロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン 原子を表す。
 R 6c 及びR 7c は、各々独立に、水素原子、アルキル基又は シクロアルキル基を表す。
 R x 及びR y は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキ ル基、アリル基又はビニル基を表す。

 R 1c ~R 5c 中のいずれか2つ以上、R 6c とR 7c 、及びR x とR y は、それぞれ結合して環構造を形成しても良 く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エ ステル結合、アミド結合を含んでいてもよい 。R 1c ~R 5c 中のいずれか2つ以上、R 6c とR 7c 、及びR x とR y が結合して形成する基としては、ブチレン基 、ペンチレン基等を挙げることができる。

 Zc - は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に けるZ - と同様の非求核性アニオンを挙げることがで きる。

 R 1c ~R 7c としてのアルキル基は、直鎖又は分岐のいず れであってもよく、例えば炭素数1~20個のア キル基、好ましくは炭素数1~12個の直鎖及び 岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基 、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブ チル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げる とができ、シクロアルキル基としては、例 ば炭素数3~8個のシクロアルキル基(例えば、 クロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げ ることができる。

 R 1c ~R 5c としてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状 のいずれであってもよく、例えば炭素数1~10 アルコキシ基、好ましくは、炭素数1~5の直 及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基 エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、 鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペン キシ基)、炭素数3~8の環状アルコキシ基(例 ば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキ ルオキシ基)を挙げることができる。

 好ましくは、R 1c ~R 5c の内のいずれかが直鎖又は分岐アルキル基、 シクロアルキル基又は直鎖、分岐もしくは環 状アルコキシ基であり、更に好ましくは、R 1c ~R 5c の炭素数の和が2~15である。これにより、よ 溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティク の発生が抑制される。

 R x 及びR y としてのアルキル基及びシクロアルキル基は 、R 1c ~R 7c におけると同様のアルキル基及びシクロアル キル基を挙げることができ、2-オキソアルキ 基、2-オキソシクロアルキル基、アルコキ カルボニルメチル基がより好ましい。

 2-オキソアルキル基及び2-オキソシクロアル キル基は、R 1c ~R 7c としてのアルキル基及びシクロアルキル基の 2位に>C=Oを有する基を挙げることができる

 アルコキシカルボニルメチル基におけるア コキシ基については、R 1c ~R 5c におけると同様のアルコキシ基を挙げること ができる。

 R x 及びR y は、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基 はシクロアルキル基であり、より好ましく 6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル 基又はシクロアルキル基である。

 一般式(ZII)、(ZIII)中、
 R 204 ~R 207 は、各々独立に、アリール基、アルキル基又 はシクロアルキル基を表す。

 R 204 ~R 207 のアリール基としてはフェニル基、ナフチル 基が好ましく、更に好ましくはフェニル基で ある。R 204 ~R 207 のアリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄 原子等を有する複素環構造を有するアリール 基であってもよい。複素環構造を有するアリ ール基としては、例えば、ピロール残基(ピ ールから水素原子が1個失われることによっ 形成される基)、フラン残基(フランから水 原子が1個失われることによって形成される )、チオフェン残基(チオフェンから水素原 が1個失われることによって形成される基)、 インドール残基(インドールから水素原子が1 失われることによって形成される基)、ベン ゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1 失われることによって形成される基)、ベン ゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水 原子が1個失われることによって形成される )等を挙げることができる。

 R 204 ~R 207 におけるアルキル基及びシクロアルキル基と しては、好ましくは、炭素数1~10の直鎖又は 岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基 プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素 数3~10のシクロアルキル基(シクロペンチル基 シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げる ことができる。

 R 204 ~R 207 のアリール基、アルキル基、シクロアルキル 基は、置換基を有していてもよい。R 204 ~R 207 のアリール基、アルキル基、シクロアルキル 基が有していてもよい置換基としては、例え ば、アルキル基(例えば炭素数1~15)、シクロア ルキル基(例えば炭素数3~15)、アリール基(例 ば炭素数6~15)、アルコキシ基(例えば炭素数1~ 15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基 等を挙げることができる。

 Z - は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に けるZ - の非求核性アニオンと同様のものを挙げるこ とができる。

 酸発生剤として、更に、下記一般式(ZIV) (ZV)、(ZVI)で表される化合物を挙げることが きる。

 一般式(ZIV)~(ZVI)中、
 Ar 3 及びAr 4 は、各々独立に、アリール基を表す。
 R 208 、R 209 及びR 210 は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキ ル基又はアリール基を表す。
 Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はア リーレン基を表す。

 酸発生剤の内でより好ましくは、一般式(ZI) ~(ZIII)で表される化合物である。
 また、酸発生剤として、スルホン酸基又は ミド基を1つ有する酸を発生する化合物が好 ましく、さらに好ましくは1価のパーフルオ アルカンスルホン酸を発生する化合物、ま は1価のフッ素原子またはフッ素原子を含有 る基で置換された芳香族スルホン酸を発生 る化合物、または1価のフッ素原子またはフ ッ素原子を含有する基で置換されたイミド酸 を発生する化合物であり、更により好ましく は、フッ化置換アルカンスルホン酸、フッ素 置換ベンゼンスルホン酸、フッ素置換イミド 酸又はフッ素置換メチド酸のスルホニウム塩 である。使用可能な酸発生剤は、発生した酸 のpKaがpKa=-1以下のフッ化置換アルカンスルホ ン酸、フッ化置換ベンゼンスルホン酸、フッ 化置換イミド酸であることが特に好ましく、 感度が向上する。

 酸発生剤の中で、特に好ましい例を以下 挙げる。

 また、本発明の組成物を、電子線、X線又 はEUV光で露光する場合は、酸発生剤として、 下記一般式(A1)で表される化合物が特に好ま い。

 一般式(A1)中、
 R 1a ~R 13a は、各々独立に、水素原子又は置換基を表し 、R 1a ~R 13a のうち少なくとも1つはアルコール性水酸基 含む置換基である。
 Zaは、単結合または2価の連結基である。 
 X - は、対アニオンを表す。

 本発明におけるアルコール性水酸基とは ルキル基の炭素原子に結合した水酸基を表 。

 R 1a ~R 13a がアルコール性水酸基を含む置換基である場 合、R 1a ~R 13a は、-W-Yで表される。ただし、Yは、水酸基で 換されたアルキル基であり、Wは、単結合ま たは2価の連結基である。

 Yのアルキル基としてはメチル基、エチル基 、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基 イソブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、 ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、 オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシ ル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデ シル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、 ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシ ル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シ クロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマ ンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙 げることができ、好ましくはエチル基、プロ ピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソ チル基、sec-ブチル基であり、更に好ましく はエチル基、プロピル基、イソプロピル基で ある。Yは、特に好ましくは-CH 2 CH 2 OH構造を含有する。

 Wで表される2価の連結基としては、特に 限は無いが、例えば、アルコキシ基、アシ オキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコ シカルボニルオキシ基、アリールオキシカ ボニルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ ルボニルアミノ基、アルコキシカルボニル ミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ 、スルファモイルアミノ基、アルキル及び リールスルホニルアミノ基、アルキルチオ 、アリールチオ基、スルファモイル基、ア キル及びアリールスルフィニル基、アルキ 及びアリールスルホニル基、アシル基、ア ールオキシカルボニル基、アルコキシカル ニル基、カルバモイル基などの一価の基に ける任意の水素原子を単結合で置き換えた 価の基を挙げることができる。

 Wとして好ましくは単結合、アルコキシ基 、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキ ル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキ ルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基 、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基 における任意の水素原子を単結合で置き換え た二価の基であり、更に好ましくは単結合、 アシルオキシ基、アルキルスルホニル基、ア シル基、アルコキシカルボニル基における任 意の水素原子を単結合で置き換えた二価の基 である。

 R 1a ~R 13a がアルコール性水酸基を含む置換基である場 合、含まれる炭素数は好ましくは2~10個であ 、更に好ましくは2~6個であり、特に好まし は2~4個である。
 R 1a ~R 13a としてのアルコール性水酸基を含む置換基は 、アルコール性水酸基を2つ以上有しても良 。R 1a ~R 13a としてのアルコール性水酸基を含む置換基の 有するアルコール性水酸基の数としては1個 ら6個であり、好ましくは1個から3個が好ま く、更に好ましくは1個であることが好まし 。
 一般式(A1)で表される化合物の有するアルコ ール性水酸基の数は、R 1a ~R 13a すべてあわせて1個から10個であり、好ましく は1個から6個であり、更に好ましくは1個から 3個である。

 R 1a ~R 13a がアルコール性水酸基を含有しない場合、R 1a ~R 13a は、各々独立に水素原子または置換基であり 、置換基としては、いかなるものでも良く、 特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、 アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロア キル基、トリシクロアルキル基を含む)、ア ケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロア ルケニル基を含む)、アルキニル基、アリー 基、複素環基(ヘテロ環基と言っても良い)、 シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アル コキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ 基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カ ルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニル オキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ 基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニ 基、アシルアミノ基、アミノカルボニルア ノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、ア ールオキシカルボニルアミノ基、スルファ イルアミノ基、アルキル及びアリールスル ニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチ 基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、ス ファモイル基、スルホ基、アルキル及びア ールスルフィニル基、アルキル及びアリー スルホニル基、アシル基、アリールオキシ ルボニル基、アルコキシカルボニル基、カ バモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基 イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基 ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミ 基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基 ウレイド基、ボロン酸基(-B(OH) 2 )、ホスファト基(-OPO(OH) 2 )、スルファト基(-OSO 3 H)、その他の公知の置換基、が例として挙げ れる。

 また、R 1a ~R 13a のうちの隣接する2つが、共同して環(芳香族 又は非芳香族の炭化水素環、又は複素環。 れらは、さらに組み合わされて多環縮合環 形成することができる。例えばベンゼン環 ナフタレン環、アントラセン環、フェナン レン環、フルオレン環、トリフェニレン環 ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環 フラン環、チオフェン環、イミダゾール環 オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン 、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン 、インドリジン環、インドール環、ベンゾ ラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾ ラン環、キノリジン環、キノリン環、フタ ジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環 キノキサゾリン環、イソキノリン環、カル ゾール環、フェナントリジン環、アクリジ 環、フェナントロリン環、チアントレン環 クロメン環、キサンテン環、フェノキサチ ン環、フェノチアジン環、フェナジン環、 挙げられる。)を形成することもできる。

 R 1a ~R 13a がアルコール性水酸基を含有しない場合、R 1a ~R 13a は、好ましくは水素原子又はハロゲン原子、 アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロア キル基、トリシクロアルキル基を含む)、ア ケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロア ルケニル基を含む)、アルキニル基、アリー 基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキ 基、アリールオキシ基、、アシルオキシ基 カルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、 ミノカルボニルアミノ基、アルコキシカル ニルアミノ基、アリールオキシカルボニル ミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキ 及びアリールスルホニルアミノ基、アルキ チオ基、アリールチオ基、スルファモイル 、アルキル及びアリールスルホニル基、ア ールオキシカルボニル基、アルコキシカル ニル基、カルバモイル基、イミド基、シリ 基、ウレイド基である。

 R 1a ~R 13a がアルコール性水酸基を含有しない場合、R 1a ~R 13a は、更に好ましくは水素原子又はハロゲン原 子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシク アルキル基、トリシクロアルキル基を含む) シアノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基 アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ 、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキ 及びアリールスルホニルアミノ基、アルキ チオ基、スルファモイル基、アルキル及び リールスルホニル基、アルコキシカルボニ 基、カルバモイル基である。
 更に、R 1a ~R 13a がアルコール性水酸基を含有しない場合、R 1a ~R 13a は、特に好ましくは水素原子又はアルキル基 (シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、 リシクロアルキル基を含む)、ハロゲン原子 アルコキシ基である。

 一般式(A1)中、R 1a ~R 13a のうち少なくとも1つはアルコール性水酸基 含み、好ましくは、R 9 ~R 13 のうち少なくとも1つがアルコール性水酸基 含む。

 Zaは、単結合または2価の連結基を表し、2価 の連結基としては例えば、アルキレン基、ア リーレン基、カルボニル基、スルホニル基、 カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、 スルホニルアミド基、エーテル基、チオエー テル基、アミノ基、ジスルフィド基、アシル 基、アルキルスルホニル基、-CH=CH-、-C≡C-、 ミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニ アミノ基、等であり、置換基を有しても良 。これらの置換基としては上のR 1a ~R 13a に示した置換基と同様である。Zaとして好ま くは単結合、アルキレン基、アリーレン基 エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、- CH=CH-、-C≡C-、アミノカルボニルアミノ基、 ミノスルホニルアミノ基など電子求引性を たない置換基であり、更に好ましくは単結 、エーテル基、チオエーテル基であり、特 好ましくは単結合である。

 一般式(A1)で表される化合物は、対アニオン X - を有する。アニオンとしては、有機アニオン が望ましい。有機アニオンとは炭素原子を少 なくとも1つ含有するアニオンを表す。更に 有機アニオンとしては非求核性アニオンで ることが好ましい。非求核性アニオンとは 求核反応を起こす能力が著しく低いアニオ であり、分子内求核反応による経時分解を 制することができるアニオンである。
 非求核性アニオンとしては、例えば、スル ン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スル ニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホ ニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスル ニル)メチルアニオン等を挙げることができ る。
 非求核性スルホン酸アニオンとしては、例 ば、アルキルスルホン酸アニオン、アリー スルホン酸アニオン、カンファースルホン アニオンなどが挙げられる。非求核性カル ン酸アニオンとしては、例えば、アルキル ルボン酸アニオン、アリールカルボン酸ア オン、アラルキルカルボン酸アニオンなど 挙げられる。

 アルキルスルホン酸アニオンにおけるアル ル部位はアルキル基であってもシクロアル ル基であってもよく、好ましくは炭素数1~30 のアルキル基及び炭素数3~30のシクロアルキ 基、例えば、メチル基、エチル基、プロピ 基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチ ル基、sec-ブチル基、ペンチル基、ネオペン ル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル 、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ド シル基、トリデシル基、テトラデシル基、 ンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデ ル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エ コシル基、シクロプロピル基、シクロペン ル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基 ノルボニル基、ボロニル基等を挙げること できる。
 アリールスルホン酸アニオンにおけるアリ ル基としては、好ましくは炭素数6~14のアリ ール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナ フチル基等を挙げることができる。
 上記アルキルスルホン酸アニオン及びアリ ルスルホン酸アニオンにおけるアルキル基 シクロアルキル基及びアリール基の置換基 しては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子( フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子 )、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シ ノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~5)、 シクロアルキル基(好ましくは炭素数3~15)、ア リール基(好ましくは炭素数6~14)、アルコキシ カルボニル基(好ましくは炭素数2~7)、アシル (好ましくは炭素数2~12)、アルコキシカルボ ルオキシ基(好ましくは炭素数2~7)等を挙げ ことができる。各基が有するアリール基及 環構造については、置換基としてさらにア キル基(好ましくは炭素数1~15)を挙げること できる。

 アルキルカルボン酸アニオンにおけるア キル部位としては、アルキルスルホン酸ア オンおけると同様のアルキル基及びシクロ ルキル基を挙げることができる。アリール ルボン酸アニオンにおけるアリール基とし は、アリールスルホン酸アニオンおけると 様のアリール基を挙げることができる。ア ルキルカルボン酸アニオンにおけるアラル ル基としては、好ましくは炭素数6~12のアラ ルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル 基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、 ナフチルメチル基等を挙げることができる。

 上記アルキルカルボン酸アニオン、アリー カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボ 酸アニオンにおけるアルキル基、シクロア キル基、アリール基及びアラルキル基の置 基としては、例えば、アリールスルホン酸 ニオンにおけると同様のハロゲン原子、ア キル基、シクロアルキル基、アルコキシ基 アルキルチオ基等を挙げることができる。 ルホニルイミドアニオンとしては、例えば サッカリンアニオンを挙げることができる
 ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン におけるアルキル基は、炭素数1~5のアルキル 基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基 、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基 イソブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、 ネオペンチル基等を挙げることができる。こ れらのアルキル基の置換基としてはハロゲン 原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基 、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げる ことができる。
 その他の非求核性アニオンとしては、例え 、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモ 等を挙げることができる。

 一般式(A1)で表される化合物の対アニオンX - としてはスルホン酸アニオンが好ましく、更 に好ましくはアリールスルホン酸であること が好ましい。
 対アニオンとして具体的には、メタンスル ン酸アニオン、トリフロロメタンスルホン アニオン、ペンタフロロエタンスルホン酸 ニオン、ヘプタフロロプロパンスルホン酸 ニオン、パーフロロブタンスルホン酸アニ ン、パーフロロヘキサンスルホン酸アニオ 、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン 3,5-ビストリフロロメチルベンゼンスルホ酸 アニオン、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンス ルホン酸アニオン、パーフロロエトキシエタ ンスルホン酸アニオン、2,3,5,6-テトラフロロ- 4-ドデシルオキシベンゼンスルホン酸アニオ 、p-トルエンスルホン酸アニオン、2,4,6-ト メチルベンゼンスルホン酸アニオンなどが げられる。

 一般式(A1)で表される化合物の添加量は、 総量として、レジスト組成物の全固形分を基 準として、0.1~20質量%が好ましく、より好ま くは0.5~10質量%、更に好ましくは3~8質量%であ る。

 一般式(A1)で表される化合物の分子量は、 200~2000が好ましく、特に好ましくは400~1000で る。

 一般式(A1)で表される化合物は、保護基で 保護された水酸基を置換基に含むベンゼン誘 導体と環状のスルホキシド化合物を縮合させ てスルホニウム塩を形成し、水酸基の保護基 を脱保護する方法などにより合成することが 出来る。

(ただし、図中、Wは2価の連結基であり、R アルキレン基、Pは保護基である)

 スルホニウム化の反応に用いる酸としては タンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロ ンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタ スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン 、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホ 酸、p-エチルベンゼンスルホン酸、ノナフル オロブタンスルホン酸などが挙げられ、用い た酸の共役塩基がスルホニウムのアニオンと なる。スルホニウム化の反応に用いる縮合剤 としては酸無水物等が挙げられ、例えばトリ フルオロ酢酸無水物、ポリリン酸、メタンス ルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホ ン酸無水物、p-トルエンスルホン酸無水物、 ナフルオロブタンスルホン酸無水物、テト フルオロスクシン酸無水物、ヘキサフルオ グルタル酸無水物、クロロジフルオロ酢酸 水物、ペンタフルオロプロピオン酸無水物 ヘプタフルオロブタン酸無水物など強酸の 水物が挙げられる。
 水酸基の保護基Pとしてはエーテルやエステ ル等が挙げられ、例えば、メチルエーテル、 アリールエーテル、ベンジルエーテル、酢酸 エステル、安息香酸エステル、炭酸エステル 等が挙げられる。
 対アニオンX - はイオン交換樹脂に通し、目的のアニオンの 共役酸を添加することにより、所望のアニオ ンに変換することが出来る。

 以下に、一般式(A1)で表される化合物の具 体例を示すが、これらに限定されるものでは ない。

 酸発生剤は、1種類単独で又は2種類以上を み合わせて使用することができる。
 酸発生剤のポジ型レジスト組成物中の含量 、ポジ型レジスト組成物の全固形分を基準 して、0.1~20質量%が好ましく、より好ましく は0.5~10質量%、更に好ましくは1~7質量%である

 (B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する 解度が増大する樹脂
 (B)成分の樹脂は、酸の作用によりアルカリ 像液に対する溶解度が増大する樹脂であり 樹脂の主鎖又は側鎖、あるいは、主鎖及び 鎖の両方に、酸の作用により分解し、アル リ可溶性基を生じる基(以下、「酸分解性基 」ともいう)を有する樹脂である。
 アルカリ可溶性基としては、フェノール性 酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコー 基、スルホン酸基、スルホンアミド基、ス ホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(ア キルカルボニル)メチレン基、(アルキルス ホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビ (アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(ア キルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルス ルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホ ル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル) チレン基、トリス(アルキルスルホニル)メ レン基等が挙げられる。
 好ましいアルカリ可溶性基としては、カル キシル基、フッ素化アルコール基(好ましく はヘキサフルオロイソプロパノール)、スル ン酸基が挙げられる。
 酸分解性基として好ましい基は、これらの ルカリ可溶性基の水素原子を酸で脱離する で置換した基である。
 酸で脱離する基としては、例えば、-C(R 36 )(R 37 )(R 38 )、-C(R 36 )(R 37 )(OR 39 )、-C(R 01 )(R 02 )(OR 39 )等を挙げることができる。
 式中、R 36 ~R 39 は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキ ル基、アリール基、アラルキル基又はアルケ ニル基表す。R 36 とR 37 とは、互いに結合して環を形成してもよい。
 R 01 ~R 02 は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シ クロアルキル基、アリール基、アラルキル基 又はアルケニル基を表す。
 酸分解性基としては好ましくは、クミルエ テル基、エノールエステル基、アセタール ステル基、第3級のアルキルエステル基等で ある。更に好ましくは、第3級アルキルエス ル基である。

 (B)成分の樹脂は、酸分解性基を有する繰 返し単位を有することが好ましい。酸分解 基を有する繰り返し単位としては下記一般 (BI)で表される繰り返し単位が好ましい。

 一般式(BI)に於いて、
 Xa 1 は、水素原子、メチル基、トリフルオロメチ ル基又はヒドロキシメチル基を表す。
 Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
 Rx 1 ~Rx 3 は、それぞれ独立に、アルキル基(直鎖若し は分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは 多環)を表す。
 Rx 1 ~Rx 3 の少なくとも2つが結合して、シクロアルキ 基(単環若しくは多環)を形成してもよい。

 Tの2価の連結基としては、アルキレン基、-C OO-Rt-基、-O-Rt-基等が挙げられる。式中、Rtは アルキレン基又はシクロアルキレン基を表 。
 Tは、単結合又は-COO-Rt-基が好ましい。Rtは 炭素数1~5のアルキレン基が好ましく、-CH 2 -基、-(CH 2 ) 3 -基がより好ましい。
 Rx 1 ~Rx 3 のアルキル基としては、メチル基、エチル基 、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル 、イソブチル基、t-ブチル基などの炭素数1~4 のものが好ましい。
 Rx 1 ~Rx 3 のシクロアルキル基としては、シクロペンチ ル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロ アルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロ デカニル基、テトラシクロドデカニル基、ア ダマンチル基などの多環のシクロアルキル基 が好ましい。
 Rx 1 ~Rx 3 の少なくとも2つが結合して形成されるシク アルキル基としては、シクロペンチル基、 クロヘキシル基などの単環のシクロアルキ 基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニ 基、テトラシクロドデカニル基、アダマン ル基などの多環のシクロアルキル基が好ま い。
 Rx 1 がメチル基またはエチル基であり、Rx 2 とRx 3 とが結合して上述のシクロアルキル基を形成 している様態が好ましい。

 酸分解性基を有する繰り返し単位の含有 は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、2 0~50mol%が好ましく、より好ましくは25~45mol%で る。

 好ましい酸分解性基を有する繰り返し単 の具体例を以下に示すが、本発明は、これ 限定されるものではない。

 (B)成分の樹脂は、更に、ラクトン基、水 基、シアノ基及びアルカリ可溶性基から選 れる少なくとも1種類の基を有する繰り返し 単位を有することが好ましい。

 (B)成分の樹脂は、ラクトン基を有する繰り し単位を有することが好ましい。
 ラクトン基としては、ラクトン構造を有し いればいずれでも用いることができるが、 ましくは5~7員環ラクトン構造であり、5~7員 ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造 形成する形で他の環構造が縮環しているも が好ましい。下記一般式(LC1-1)~(LC1-16)のいず れかで表されるラクトン構造を有する繰り返 し単位を有することがより好ましい。また、 ラクトン構造が主鎖に直接結合していてもよ い。好ましいラクトン構造としては(LC1-1)、(L C1-4)、(LC1-5)、(LC1-6)、(LC1-13)、(LC1-14)であり、 定のラクトン構造を用いることでラインエ ジラフネス、現像欠陥が良好になる。

 ラクトン構造部分は、置換基(Rb 2 )を有していても有していなくてもよい。好 しい置換基(Rb 2 )としては、炭素数1~8のアルキル基、炭素数4~ 7のシクロアルキル基、炭素数1~8のアルコキ 基、炭素数1~8のアルコキシカルボニル基、 ルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シ ノ基、酸分解性基などが挙げられる。より ましくは炭素数1~4のアルキル基、シアノ基 酸分解性基である。n 2 は、0~4の整数を表す。n 2 が2以上の時、複数存在する置換基(Rb 2 )は、同一でも異なっていてもよく、また、 数存在する置換基(Rb 2 )同士が結合して環を形成してもよい。

 一般式(LC1-1)~(LC1-16)のいずれかで表される ラクトン構造を有する繰り返し単位としては 、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位を げることができる。

 一般式(AI)中、
 Rb 0 は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1~4の アルキル基を表す。Rb 0 のアルキル基が有していてもよい好ましい置 換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げ られる。Rb 0 のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素 原子、臭素原子、沃素原子を挙げることがで きる。Rb 0 は、水素原子又はメチル基が好ましい。
 Abは、単結合、アルキレン基、単環または 環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基 エーテル基、エステル基、カルボニル基又 これらを組み合わせた2価の連結基を表す。 好ましくは、単結合、-Ab 1 -CO 2 -で表される2価の連結基である。Ab 1 は、直鎖、分岐アルキレン基、単環または多 環のシクロアルキレン基であり、好ましくは メチレン基、エチレン基、シクロヘキシレン 基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基で ある。
 Vは、一般式(LC1-1)~(LC1-16)の内のいずれかで される構造を有する基を表す。

 ラクトン基を有する繰り返し単位は、通 光学異性体が存在するが、いずれの光学異 体を用いてもよい。また、1種の光学異性体 を単独で用いても、複数の光学異性体混合し て用いてもよい。1種の光学異性体を主に用 る場合、その光学純度(ee)が90以上のものが ましく、より好ましくは95以上である。

 ラクトン基を有する繰り返し単位の含有 は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1 5~60mol%が好ましく、より好ましくは20~50mol%、 に好ましくは30~50mol%である。

 ラクトン基を有する繰り返し単位の具体 を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定 れない。

 特に好ましいラクトン基を有する繰り返 単位としては、下記の繰り返し単位が挙げ れる。最適なラクトン基を選択することに り、パターンプロファイル、粗密依存性が 好となる。

 (B)成分の樹脂は、水酸基又はシアノ基を する繰り返し単位を有することが好ましい これにより基板密着性、現像液親和性が向 する。水酸基又はシアノ基を有する繰り返 単位は、水酸基又はシアノ基で置換された 環炭化水素構造を有する繰り返し単位であ ことが好ましい。水酸基又はシアノ基で置 された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭 水素構造としては、アダマンチル基、ジア ンチル基、ノルボルナン基が好ましい。好 しい水酸基又はシアノ基で置換された脂環 化水素構造としては、下記一般式(VIIa)~(VIId) で表される部分構造が好ましい。

 一般式(VIIa)~(VIIc)に於いて、
 R 2 c~R 4 cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシ ノ基を表す。ただし、R 2 c~R 4 cの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ を表す。好ましくは、R 2 c~R 4 cの内の1つ又は2つが、水酸基で、残りが水素 原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ま しくは、R 2 c~R 4 cの内の2つが、水酸基で、残りが水素原子で る。

 一般式(VIIa)~(VIId)で表される部分構造を有 する繰り返し単位としては、下記一般式(AIIa) ~(AIId)で表される繰り返し単位を挙げること できる。

 一般式(AIIa)~(AIId)に於いて、
 R 1 cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチ 基又はヒドロキメチル基を表す。
 R 2 c~R 4 cは、一般式(VIIa)~(VIIc)に於ける、R 2 c~R 4 cと同義である。

 水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭 水素構造を有する繰り返し単位の含有量は ポリマー中の全繰り返し単位に対し、5~40mol %が好ましく、より好ましくは5~30mol%、更に好 ましくは10~25mol%である。

 水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単 の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれ に限定されない。

 (B)成分の樹脂は、アルカリ可溶性基を有 る繰り返し単位を有することが好ましい。 ルカリ可溶性基としてはカルボキシル基、 ルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビ ルスルホニルイミド基、α位が電子吸引性 で置換された脂肪族アルコール(例えばヘキ フロロイソプロパノール基)が挙げられ、カ ルボキシル基を有する繰り返し単位を有する ことがより好ましい。アルカリ可溶性基を有 する繰り返し単位を含有することによりコン タクトホール用途での解像性が増す。アルカ リ可溶性基を有する繰り返し単位としては、 アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単 位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性 基が結合している繰り返し単位、あるいは連 結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基 が結合している繰り返し単位、さらにはアル カリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動 剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入 、のいずれも好ましく、連結基は単環または 多環の環状炭化水素構造を有していてもよい 。特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸 による繰り返し単位である。

 アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位 含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に し、0~20mol%が好ましく、より好ましくは3~15m ol%、更に好ましくは5~10mol%である。

 アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位 具体例を以下に示すが、本発明は、これに 定されるものではない。

 ラクトン基、水酸基、シアノ基及びアル リ可溶性基から選ばれる少なくとも1種類の 基を有する繰り返し単位として、更に好まし くは、ラクトン基、水酸基、シアノ基、アル カリ可溶性基から選ばれる少なくとも2つを する繰り返し単位であり、好ましくはシア 基とラクトン基を有する繰り返し単位であ 。特に好ましくは前記(LCI-4)のラクトン構造 シアノ基が置換した構造を有する繰り返し 位である。

 (B)成分の樹脂は、更に、脂環炭化水素構 を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位 有してもよい。これにより液浸露光時にレ スト膜から液浸液への低分子成分の溶出が 減できる。このような繰り返し単位として 例えば1-アダマンチル(メタ)アクリレート、 ジアマンチル(メタ)アクリレート、トリシク デカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキ ル(メタ)アクリレートによる繰り返し単位な どが挙げられる。

 (B)成分の樹脂は、上記の繰り返し構造単 以外に、ドライエッチング耐性や標準現像 適性、基板密着性、レジストプロファイル さらにレジストの一般的な必要な特性であ 解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で 々な繰り返し構造単位を有することができ 。

 このような繰り返し構造単位としては、 記の単量体に相当する繰り返し構造単位を げることができるが、これらに限定される のではない。

 これにより、(B)成分の樹脂に要求される性 、特に、
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。

 このような単量体として、例えばアクリ 酸エステル類、メタクリル酸エステル類、 クリルアミド類、メタクリルアミド類、ア ル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエス ル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合 1個有する化合物等を挙げることができる。

 その他にも、上記種々の繰り返し構造単 に相当する単量体と共重合可能である付加 合性の不飽和化合物であれば、共重合され いてもよい。

 (B)成分の樹脂において、各繰り返し構造 位の含有モル比はレジストのドライエッチ グ耐性や標準現像液適性、基板密着性、レ ストプロファイル、さらにはレジストの一 的な必要性能である解像力、耐熱性、感度 を調節するために適宜設定される。

 本発明のポジ型レジスト組成物が、ArF露 用であるとき、ArF光への透明性の点から(B) 分の樹脂は芳香族基を有さないことが好ま い。

 (B)成分の樹脂として好ましくは、繰り返 単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り し単位で構成されたものである。この場合 繰り返し単位のすべてがメタクリレート系 り返し単位であるもの、繰り返し単位のす てがアクリレート系繰り返し単位であるも 、繰り返し単位のすべてがメタクリレート 繰り返し単位とアクリレート系繰り返し単 とによるもののいずれのものでも用いるこ ができるが、アクリレート系繰り返し単位 全繰り返し単位の50mol%以下であることが好 しい。より好ましくは、一般式(AI)で表され 、酸分解性基を有する(メタ)アクリレート 繰り返し単位20~50モル%、ラクトン基を有す (メタ)アクリレート系繰り返し単位20~50モル% 、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化 水素構造を有する(メタ)アクリレート系繰り し単位5~30モル%、更にその他の(メタ)アクリ レート系繰り返し単位を0~20モル%含む共重合 リマーである。

 本発明のポジ型レジスト組成物にKrFエキ マレーザー光、電子線、X線、波長50nm以下 高エネルギー光線(EUVなど)を照射する場合に は、(B)成分の樹脂は、ヒドロキシスチレン系 繰り返し単位を有することが好ましい。更に 好ましくはヒドロキシスチレン系繰り返し単 位と、酸分解基で保護されたヒドロキシスチ レン系繰り返し単位、(メタ)アクリル酸3級ア ルキルエステル等の酸分解性繰り返し単位を 有するが好ましい。

 好ましい酸分解性基を有する繰り返し単 としては、例えば、t-ブトキシカルボニル キシスチレン、1-アルコキシエトキシスチレ ン、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステルに よる繰り返し単位等を挙げることができ、2- ルキル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート びジアルキル(1-アダマンチル)メチル(メタ) クリレートによる繰り返し単位がより好ま い。

 ヒドロキシスチレン系繰り返し単位を有す 、(B)成分の樹脂(以下、「ヒドロキシスチレ ン系樹脂」ともいう)は、樹脂の主鎖又は側 、或いは、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作 により分解し、アルカリ可溶性基を生じる (酸分解性基)を有する樹脂である。この内、 酸分解性基を側鎖に有する樹脂がより好まし い。
 本発明に用いられるヒドロキシスチレン系 脂は、欧州特許254853号、特開平2-25850号、同 3-223860号、同4-251259号等に開示されているよ に、アルカリ可溶性樹脂に酸で分解し得る の前駆体を反応させる、もしくは、酸で分 し得る基の結合したアルカリ可溶性樹脂モ マーを種々のモノマーと共重合して得るこ ができる。
 酸分解性基としては、例えば、-COOH基、-OH などのアルカリ可溶性基の水素原子を酸の 用により脱離する基で置換した基が好まし 。
 酸の作用により脱離する基としては、例え 、-C(R 36 )(R 37 )(R 38 )、-C(R 36 )(R 37 )(OR 39 )、-C(=O)-O-C(R 36 )(R 37 )(R 38 )、-C(R 01 )(R 02 )(OR 39 )、-C(R 01 )(R 02 )-C(=O)-O-C(R 36 )(R 37 )(R 38 )、-CH(R 36 )(Ar)等を挙げることができる。
 式中、R 36 ~R 39 は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキ ル基、アリール基、アラルキル基又はアルケ ニル基表す。R 36 とR 37 とは、互いに結合して環を形成してもよい。
 R 01 ~R 02 は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シ クロアルキル基、アリール基、アラルキル基 又はアルケニル基を表す。
 Arは、アリール基を表す。
 R 36 ~R 39 、R 01 及びR 02 のアルキル基は、炭素数1~8のアルキル基が好 ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロ ピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、へキシル 基、オクチル基等を挙げることができる。
 R 36 ~R 39 、R 01 及びR 02 のシクロアルキル基は、単環型でも、多環型 でもよい。単環型としては、炭素数3~8のシク ロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプ ロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル 基、シクロへキシル基、シクロオクチル基等 を挙げることができる。多環型としては、炭 素数6~20のシクロアルキル基が好ましく、例 ば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イ ボロニル基、カンファニル基、ジシクロペ チル基、α-ピネル基、トリシクロデカニル 、テトラシクロドデシル基、アンドロスタ ル基等を挙げることができる。尚、シクロ ルキル基中の炭素原子の一部が酸素原子等 ヘテロ原子によって置換されていてもよい
 R 36 ~R 39 、R 01 、R 02 及びArのアリール基は、炭素数6~10のアリール 基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチ ル基、アントリル基等を挙げることができる 。
 R 36 ~R 39 、R 01 及びR 02 のアラルキル基は、炭素数7~12のアラルキル が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネ ル基、ナフチルメチル基等を挙げることが きる。
 R 36 ~R 39 、R 01 及びR 02 のアルケニル基は、炭素数2~8のアルケニル基 が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、 ブテニル基、シクロへキセニル基等を挙げる ことができる。
 R 36 とR 37 とが、互いに結合して形成する環は、単環型 でも、多環型でもよい。単環型としては、炭 素数3~8のシクロアルカン構造が好ましく、例 えば、シクロプロパン構造、シクロブタン構 造、シクロペンタン構造、シクロへキサン構 造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構 造等を挙げることができる。多環型としては 、炭素数6~20のシクロアルカン構造が好まし 、例えば、アダマンタン構造、ノルボルナ 構造、ジシクロペンタン構造、トリシクロ カン構造、テトラシクロドデカン構造等を げることができる。尚、シクロアルカン構 中の炭素原子の一部が酸素原子等のヘテロ 子によって置換されていてもよい。
 R 36 ~R 39 、R 01 、R 02 及びArは、置換基を有していてもよい。R 36 ~R 39 、R 01 、R 02 及びArが有していてもよい置換基としては、 えば、アルキル基、シクロアルキル基、ア ール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基 ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシ 基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエ テル基、アシル基、アシロキシ基、アルコ シカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を げることができる。
 前記アルカリ可溶性樹脂としては、特に限 されないが、例えば、ポリ(o-ヒドロキシス レン)、ポリ(m-ヒドロキシスチレン)、ポリ(p -ヒドロキシスチレン)及びこれらの共重合体 水素化ポリ(ヒドロキシスチレン)、下記構 で表されるポリ(ヒドロキシスチレン)類、ス チレン-ヒドロキシスチレン共重合体、α-メ ルスチレン-ヒドロキシスチレン共重合体、 素化ノボラック樹脂等のヒドロキシスチレ 構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂、(メ タ)アクリル酸、ノルボルネンカルボン酸な のカルボキシル基を有する繰り返し単位を 有するアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。

 これらアルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶 速度は、0.261Nテトラメチルアンモニウムハ ドロオキサイド(TMAH)で測定(23℃)して170Å/ 以上が好ましい。特に好ましくは330Å/秒以 である。

 前記アルカリ可溶性樹脂モノマーとして 、特に限定されないが、例えば、アルキル ルボニルオキシスチレン(例えば、t-ブトキ カルボニルオキシスチレンなど)、アルコキ シスチレン(例えば、1-アルコキシエトキシス チレン、t-ブトキシスチレン)、(メタ)アクリ 酸3級アルキルエステル(例えば、t-ブチル( タ)アクリレート、2-アルキル-2-アダマンチ (メタ)アクリレート、ジアルキル(1-アダマン チル)メチル(メタ)アクリレートなど)等を挙 ることができる。

 酸で分解し得る基の含有率は、樹脂中の で分解し得る基を有する繰り返し単位の数( B)と酸で脱離する基で保護されていないアル リ可溶性基を有する繰り返し単位の数(S)を って、B/(B+S)で表される。含有率は、好まし くは0.01~0.7、より好ましくは0.05~0.50、更に好 しくは0.05~0.40である。

 本発明におけるヒドロキシスチレン系樹 としては、特に限定されないが、芳香族基 有する繰り返し単位を有することが好まし 、ヒドロキシスチレンを繰り返し単位とし 有する酸分解性樹脂(例えば、ポリ(ヒドロ シスチレン/酸分解基で保護されたヒドロキ スチレン)、ポリ(ヒドロキシスチレン/酸分 基で保護された(メタ)アクリル酸)など)がよ り好ましい。

 本発明におけるヒドロキシスチレン系樹 としては、特に下記一般式(III)で表される り返し単位及び一般式(IV)で表される繰り返 単位を有する樹脂が好ましい。

 一般式(III)及び(VI)に於いて、
 R 01 は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シ クロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又 はアルコキシカルボニル基を表す。
 Yは、酸の作用により脱離する基を表す。
 Aは、ハロゲン原子、シアノ基、アシル基、 アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基 又はアルコキシカルボニル基を表す。
 mは、0~4の整数を表す。
 nは、0~4の整数を表す。

 Yの酸の作用により脱離する基は、下記式 で表される構造であることがより好ましい。

 L 1 及びL 2 は、同じでも異なっていてもよく、水素原子 、アルキル基、シクロアルキル基、アリール 基又はアラルキル基を表す。
 Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
 Qは、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテ ロ原子を含んでいてもよい脂環基、ヘテロ原 子を含んでいてもよい芳香環基、アミノ基、 アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基又 はアルデヒド基を表す。
 Q、M、L 1 の少なくとも2つが結合して5員若しくは6員環 を形成しても良い。

 また、ヒドロキシスチレン系樹脂として 一般式(III)で表される繰り返し単位、一般 (IV)で表される繰り返し単位及び下記一般式( V)で表される繰り返し単位を有する樹脂であ てもよい。

 一般式(V)に於いて、
 R 01 は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シ クロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又 はアルコキシカルボニル基を表す。
 Bは、ハロゲン原子、シアノ基、アシル基、 アルキル基、シクロアルキル基、シクロアル キルオキシ基、アルコキシ基(但し、-O-第3級 ルキルは除く)、アルコキシカルボニル基、 アルケニル基、アルケニルオキシ基、アリー ル基、アリールオキシ基、アルキルカルボニ ルオキシ基、アルキルアミドメチルオキシ基 、アルキルアミド基、アリールアミドメチル 基又はアリールアミド基を表す。
 pは、0~5の整数を表す。

 一般式(III)で表される繰り返し単位にお るベンゼン環が有する置換基(-OY)は、酸の作 用により分解し、水酸基(アルカリ可溶性基) 生じる基(酸分解性基)であり、酸により分 し、ヒドロキシスチレン単位を生じ、当該 脂をアルカリ水溶液に対する溶解速度が増 する樹脂とする。

 一般式(III)~(V)に於ける、R 01 は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シ クロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、 またはアルコキシカルボニル基を表し、好ま しくは炭素数20以下である。
 R 01 におけるアルキル基またはシクロアルキル基 としては、炭素数20個以下が好ましく、メチ 基、エチル基、プロピル基、イソプロピル 、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、 ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基 、シクロヘキシル基、オクチル基、ドデシル 基などである。これらの基は置換基を有して いても良く、例えばアルコキシ基、アルコキ シカルボニル基、水酸基、ハロゲン原子、ニ トロ基、アシル基、アシルオキシ基、アシル アミノ基、スルホニルアミノ基、アルキルチ オ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、 チオフェンカルボニルオキシ基、チオフェン メチルカルボニルオキシ基、ピロリドン残基 等のヘテロ環残基などが挙げられ、炭素数8 下が好ましい。R 01 に於けるアルキル基は、メチル基、CF 3 基、アルコキシカルボニルメチル基、アルキ ルカルボニルオキシメチル基、ヒドロキシメ チル基、アルコキシメチル基等がさらに好ま しい。
 R 01 におけるハロゲン原子としては、フッ素原子 、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げ られ、フッ素原子が好ましい。
 R 01 におけるアルコキシカルボニル基に含まれる アルキル基としては、上記R 01 におけるアルキル基と同様のものが好ましい 。

 L 1 及びL 2 としてアルキル基は、例えば炭素数1~8個のア ルキル基であって、具体的には、メチル基、 エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチ ル基、ヘキシル基、オクチル基を好ましく挙 げることができる。
 L 1 及びL 2 としてシクロアルキル基は、例えば炭素数3~1 5個のシクロアルキル基であって、具体的に 、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、 ルボルニル基、アダマンチル基を好ましく げることができる。
 L 1 及びL 2 としてアリール基は、例えば炭素数6~15個の リール基であって、具体的には、フェニル 、トリル基、ナフチル基、アントリル基等 好ましく挙げることができる。
 L 1 及びL 2 としてアラルキル基は、例えば、炭素数6~20 あって、ベンジル基、フェネチル基などが げられる。

 Mとしての2価の連結基は、例えば、アルキ ン基、シクロアルキレン基、アルケニレン 、アリーレン基、-S-、-O-、-CO-、-SO2-、-N(R 0 )-、およびこれらの複数を組み合わせた2価の 連結基である。R 0 は、水素原子またはアルキル基である。

 Qとしてのアルキル基、シクロアルキル基は 、上述のL 1 及びL 2 としての各基と同様である。
 Qとしてのヘテロ原子を含んでいてもよい脂 環基及びヘテロ原子を含んでいてもよい芳香 環基に於ける脂環基及び芳香環基としては、 上述のL 1 及びL 2 としてのシクロアルキル基、アリール基など が挙げられ、好ましくは、炭素数3~15である
 ヘテロ原子を含む脂環基及びヘテロ原子を む芳香環基としては、例えば、チイラン、 クロチオラン、チオフェン、フラン、ピロ ル、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベ ゾピロール、トリアジン、イミダゾール、 ンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジ ゾール、チアゾール、ピロリドン等のヘテ 環構造を有する基が挙げられるが、一般に テロ環と呼ばれる構造(炭素とヘテロ原子で 形成される環、あるいはヘテロ原子にて形成 される環)であれば、これらに限定されない

 Q、M、L 1 の少なくとも2つが結合して形成してもよい5 または6員環としては、Q、M、L 1 の少なくとも2つが結合して、例えば、プロ レン基、ブチレン基を形成して、酸素原子 含有する5員または6員環を形成する場合が挙 げられる。

 -M-Qで表される基として、炭素数1~30が好 しく、炭素数5~20がより好ましい。

 Aとしてのアシル基は、好ましくは、炭素数 2~8個のアシル基であって、具体的には、ホル ミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタ ノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等を 好ましく挙げることができる。
 Aとしてのアルキル基は、好ましくは、炭素 数1~8個のアルキル基であって、具体的には、 メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル 、sec-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基を 好ましく挙げることができる。
 Aとしてのアルコキシ基は、好ましくは、炭 素数1~8の上記アルコキシ基であり、例えばメ トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト キシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ 基、シクロヘキシルオキシ基等を挙げること ができる。
 Aとしてのアシルオキシ基に於けるアシル基 は、上記アシル基に対応する基を挙げること ができる。
 Aとしてのアルコキシカルボニル基に於ける アルコキシ基は、上記アルコキシ基に対応す る基を挙げることができる。

 上記各基は置換基を有していてもよく、 ましい置換基として、ヒドロキシル基、カ ボキシル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩 素原子、臭素原子、沃素原子)、アルコキシ (メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、 トキシ基等)等を挙げることができる。環状 構造については、置換基として更にアルキル 基(好ましくは炭素数1~8)を挙げることができ 。

 m及びnは独立に0~4の整数を表す。m及びnは 、それぞれ0~2が好ましく、更に好ましくは0 は1である。

 一般式(III)で表される繰り返し単位の具 例を以下に挙げるが、これらに限定される のではない。

 一般式(IV)で表される繰り返し単位の具体 例を以下に挙げるが、これらに限定されるも のではない。

 一般式(V)におけるR 01 は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シ クロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、 またはアルコキシカルボニル基を表し、好ま しくは炭素数20以下であり、前述の一般式(III )又は(IV)におけるR 01 と同様である。
 一般式(V)におけるBとしてのアシル基、アル キル基、アルコキシ基、アシルオキシ基また はアルコキシカルボニル基は、一般式(III)に けるAとしての各基と同様である。
 pは0~5の整数を表し、0~2が好ましく、1が更 好ましい。

 一般式(V)で表される繰り返し単位の具体 を以下に挙げるが、これらに限定されるも ではない。

 本発明におけるヒドロキシスチレン系樹 は、下記一般式(VI)で示される繰り返し単位 を有していてもよい。

 一般式(VI)に於いて、
 R 01 は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、塩 素原子、シアノ基又はアルキル基を表す。
 Xは、水素原子又は有機基を表す。

 一般式(V)に於ける、R 01 としてのアルキル基は、好ましくは炭素数1~5 個のアルキル基であって、例えば、メチル基 、エチル基、プロピル基を挙げることができ る。

 Xとしての有機基は、好ましくは炭素数1~4 0であり、酸の作用により脱離する基(以下、 酸脱離性基」ともいう)であっても、酸の作 用により脱離しない基(以下、「非酸脱離性 」ともいう)であってもよい。

 非酸脱離性基としては、例えば、酸の作用 より脱離しない、アルキル基、シクロアル ル基、アルケニル基、アリール基等が挙げ れる。
 非酸脱離性基において、アルキル基として 、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブ ル基、sec-ブチル基の様な炭素数1~4個のもの 好ましく、シクロアルキル基としては、シ ロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘ シル基、アダマンチル基の様な炭素数3~10個 のものが好ましく、アルケニル基としては、 ビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニ ル基の様な炭素数2~4個のものが好ましく、ア リール基としては、フェニル基、キシリル基 、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、ア ントラセニル基の様な炭素数6~14個のものが ましい。

 Xの酸脱離性基の有機基としては、例えば、 -C(R 11a )(R 12a )(R 13a )、-C(R 14a )(R 15a )(OR 16a )、-CH(R 17a )(Ar)、-CO-OC(R 11a )(R 12a )(R 13a )を挙げることができる。
 R 11a ~R 13a は、それぞれ独立して、アルキル基、シクロ アルキル基、アルケニル基、アラルキル基又 はアリール基を表す。R 14a およびR 15a は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキ ル基を表す。R 16a は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケ ニル基、アラルキル基又はアリール基を表す 。R 17a は、アルキル基、シクロアルキル基、アリー ル基又はアルコキシ基を表す。Arは、アリー 基を表す。尚、R 11a 、R 12a 、R 13a のうちの2つ、またはR 14a 、R 15a 、R 16a のうちの2つが結合して環を形成してもよい
 なお、Xには、酸分解性基を有する基を変性 により導入することもできる。このようにし て、酸分解性基を導入したXは、例えば、以 のようになる。
 -〔C(R 17a )(R 18a )〕 p -CO-OC(R 11a )(R 12a )(R 13a )
 式中、R 17a およびR 18a は、それぞれ独立して、水素原子またはアル キル基を表す。pは1~4の整数である。

 Xとしての有機基は、脂環式、芳香環式、 有橋脂環式から選ばれる少なくとも1つの環 構造を有する酸脱離性基であることが好ま く、芳香族基(特にフェニル基)を含む構造、 又は下記一般式(pI)~(pVI)で表される脂環式又 有橋脂環式構造を含む構造であることが好 しい。

 式中、R 11 は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イ プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基又 sec-ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともに 脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子 団を表す。
 R 12 ~R 16 は、各々独立に、炭素数1~4個の、直鎖もしく は分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を 表し、但し、R 12 ~R 14 のうち少なくとも1つ、もしくはR 15 、R 16 のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。
 R 17 ~R 21 は、各々独立に、水素原子、炭素数1~4個の、 直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭 化水素基を表し、但し、R 17 ~R 21 のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を す。また、R 19 、R 21 のいずれかは炭素数1~4個の、直鎖もしくは分 岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す 。
 R 22 ~R 25 は、各々独立に、水素原子、炭素数1~4個の、 直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭 化水素基を表し、但し、R 22 ~R 25 のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を す。また、R 23 とR 24 は、互いに結合して環を形成していてもよい 。

 一般式(pI)~(pVI)において、R 12 ~R 25 におけるアルキル基としては、置換もしくは 非置換のいずれであってもよい、1~4個の炭素 原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基 を表す。そのアルキル基としては、例えばメ チル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロ ル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチ 基、t-ブチル基等が挙げられる。
 また、上記アルキル基の更なる置換基とし は、炭素数1~4個のアルコキシ基、ハロゲン 子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ 素原子)、アシル基、アシルオキシ基、シア 基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカ ボニル基、ニトロ基等を挙げることができ 。

 R 12 ~R 25 における脂環式炭化水素基あるいはZと炭素 子が形成する脂環式炭化水素基としては、 環式でも、多環式でもよい。具体的には、 素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシ ロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げ ことができる。その炭素数は6~30個が好まし く、特に炭素数7~25個が好ましい。これらの 環式炭化水素基は置換基を有していてもよ 。

 以下に、脂環式炭化水素基のうち、脂環 部分の構造例を示す。

 本発明においては、上記脂環式部分の好 しいものとしては、アダマンチル基、ノル ダマンチル基、デカリン残基、トリシクロ カニル基、テトラシクロドデカニル基、ノ ボルニル基、セドロール基、シクロヘキシ 基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基 シクロデカニル基、シクロドデカニル基を げることができる。より好ましくは、アダ ンチル基、デカリン残基、ノルボルニル基 セドロール基、シクロヘキシル基、シクロ プチル基、シクロオクチル基、シクロデカ ル基、シクロドデカニル基である。

 脂環式炭化水素基が有していてもよい置換 としては、例えば、アルキル基、ハロゲン 子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル 、アルコキシカルボニル基が挙げられる。 ルキル基としてはメチル基、エチル基、プ ピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低 アルキル基が好ましく、更に好ましくはメ ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ 基よりなる群から選択された置換基が挙げ れる。上記アルコキシ基としてはメトキシ 、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基 の炭素数1~4個のものを挙げることができる
 また、アルキル基、アルコキシ基、アルコ シカルボニル基は、更に置換基を有してい もよく、このような置換基としては、例え 、炭素数1~4のアルコキシ基(メトキシ基、エ トキシ基、ブトキシ基等)、ヒドロキシ基、 キソ基、アルキルカルボニル基(好ましくは 素数2~5)、アルキルカルボニルオキシ基基( ましくは炭素数2~5)、アルコキシカルボニル (好ましくは炭素数2~5)、ハロゲン原子(塩素 子、臭素原子、フッ素原子等)等を挙げるこ とができる。

 また、本発明のヒドロキシスチレン系樹脂 、アルカリ現像液に対する良好な現像性を 持するために、アルカリ可溶性基、例えば ェノール性水酸基、カルボキシル基、スル ン酸基、ヘキサフルオロイソプロパノール (-C(CF 3 ) 2 OH)が導入され得るように適切な他の重合性モ ノマーが共重合されていてもよいし、膜質向 上のためにアルキルアクリレートやアルキル メタクリレートのような疎水性の他の重合性 モノマーが共重合されてもよい。
 また、本発明のヒドロキシスチレン系樹脂 、ラクトン構造を有するモノマー、水酸基 しくはシアノ基で置換された脂環式炭化水 構造を有するモノマーが共重合されていて よい。

 一般式(III)で表される繰り返し単位の含有 は、樹脂を構成する全繰り返し単位中、好 しくは5~60モル%、より好ましくは10~50モル%、 特に好ましくは10~40モル%である。
 一般式(IV)で表される繰り返し単位の含有率 は、樹脂を構成する全繰り返し単位中、好ま しくは40~90モル%、より好ましくは45~80モル%、 特に好ましくは50~75モル%である。

 一般式(V)で表される繰り返し単位の含有率 、樹脂を構成する全繰り返し単位中、好ま くは5~50モル%、より好ましくは10~40モル%、 に好ましくは15~30モル%である。
 一般式(VI)で表される繰り返し単位の含有率 は、樹脂を構成する全繰り返し単位中、好ま しくは0~30モル%、より好ましくは0~20モル%、 に好ましくは0~10モル%である。

 水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基など ルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の含 率は、樹脂を構成する全繰り返し単位中、 ましくは1~99モル%、より好ましくは3~95モル% 、特に好ましくは5~90モル%である。
 酸分解性基を有する繰り返し単位の含有率 、樹脂を構成する全繰り返し単位中、好ま くは3~95モル%、より好ましくは5~90モル%、特 に好ましくは10~85モル%である。

 ヒドロキシスチレン系樹脂の合成は、欧 特許254853号、特開平2-258500号、3-223860号、4-2 51259号に記載されているような、アルカリ可 性樹脂に酸で分解しうる基の前駆体を反応 せる方法、もしくは、酸で分解しうる基を するモノマーを種々のモノマーと共重合す 方法など公知の合成法により合成すること できる。

 本発明におけるヒドロキシスチレン系樹脂 重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレ 換算値として、50,000以下が好ましく、より ましくは1,000~20000、特に好ましくは、1,000~10 ,000である。
 本発明における酸分解性樹脂の分散度(Mw/Mn) は、1.0~3.0が好ましく、より好ましくは1.05~2.0 であり、更に好ましくは1.1~1.7である。

 また、本発明におけるヒドロキシスチレ 系樹脂は、2種類以上組み合わせて使用して もよい。

 本発明におけるヒドロキシスチレン系樹 の好ましい具体例を以下に示すが、これら 限定されるものではない。

 (B)成分の樹脂は、常法に従って(例えばラジ カル重合)合成することができる。例えば、 般的合成方法としては、モノマー種および 始剤を溶剤に溶解させ、加熱することによ 重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマ 種と開始剤の溶液を1~10時間かけて滴下して える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合 が好ましい。反応溶媒としては、例えばテ ラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジイソプ ロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエ チルケトン、メチルイソブチルケトンのよう なケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶 媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト アミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプ ロピレングリコールモノメチルエーテルアセ テート、プロピレングリコールモノメチルエ ーテル、シクロヘキサノンのような本発明の 組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好 ましくは本発明のポジ型レジスト組成物に用 いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合する ことが好ましい。これにより保存時のパーテ ィクルの発生が抑制できる。
 重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス 囲気下で行われることが好ましい。重合開 剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開 始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を 始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系 始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、 ルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ま い。好ましい開始剤としては、アゾビスイ ブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロ トリル、ジメチル2,2‘-アゾビス(2-メチルプ ピオネート)などが挙げられる。所望により 開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応 終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回 収等の方法で所望のポリマーを回収する。反 応の濃度は5~50質量%であり、好ましくは10~30 量%である。反応温度は、通常10℃~150℃であ 、好ましくは30℃~120℃、さらに好ましくは6 0~100℃である。

 (B)成分の樹脂の重量平均分子量は、GPC法に りポリスチレン換算値として、好ましくは1 ,000~200,000であり、より好ましくは2,000~20,000、 更により好ましくは3,000~15,000、特に好ましく は3,000~10,000である。重量平均分子量を、1,000~ 200,000とすることにより、耐熱性やドライエ チング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ 像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜 が劣化することを防ぐことができる。
 分散度(分子量分布)は、通常1~3であり、好 しくは1~2.6、更に好ましくは1~2、特に好まし くは1.4~1.7の範囲のものが使用される。分子 分布の小さいものほど、解像度、レジスト 状が優れ、且つレジストパターンの側壁が ムーズであり、ラフネス性に優れる。

 本発明のポジ型レジスト組成物において、( B)成分の樹脂の組成物全体中の配合量は、全 形分中50~99.99質量%が好ましく、より好まし は60~99.0質量%である。
 また、本発明において、(B)成分の樹脂は、1 種で使用してもよいし、複数併用してもよい 。

 (C)一般式(I)で表される、酸の作用により分 し、酸を発生する化合物
 本発明のポジ型レジスト組成物は、下記一 式(I)で表される、酸の作用により分解し、 を発生する化合物(以下、「酸増殖剤」とも いう)を含有する。

 一般式(I)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコ キシ基、アリール基又はアリールオキシ基を 表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す 。
 R 1 とR 2 とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水 素構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を 表す。
 R 5 は、酸の作用により脱離する基を表す。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。

 一般式(I)に於いて、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 のアルキル基としては、炭素数1~8個のアルキ ル基が好ましく、具体的にはメチル基、エチ ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル 基、オクチル基等が挙げられる。
 R 1 及びR 2 のシクロアルキル基としては、炭素数4~10個 シクロアルキル基が好ましく、具体的には シクロプロピル基、シクロペンチル基、シ ロヘキシル基、シクロヘプチル基、アダマ チル基、ボロニル基、イソボロニル基、ト シクロデカニル基、ジシクロペンテニル基 ノボルナンエポキシ基、メンチル基、イソ ンチル基、ネオメンチル基、テトラシクロ デカニル基等が挙げられる。
 R 1 のアルコキシ基は、炭素数1~30の直鎖若しく 分岐状アルコキシ基が好ましく、例えば、 トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イ プロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ 基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ヘキシル オキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキ シ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウ ンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等を挙 げることができる。
 R 1 のアリール基は、炭素数6~14のアリール基が ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基 を挙げることができる。
 R 1 のアリールオキシ基は、炭素数6~20のアリー オキシ基が好ましく、例えば、フェノキシ を挙げることができる。
 R 1 及びR 2 が結合して形成する単環若しくは多環の環状 炭化水素構造としては、炭素数3~15の環状炭 水素構造が好ましく、例えば、シクロペン ノン構造、シクロヘキサノン構造、ノルボ ナノン構造、アダマンタノン構造等のオキ 基を有する環状炭化水素構造を挙げること できる。
 上記各基は、置換基を有していてもよい。 記各基が有していてもよい置換基としては 例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基 シアノ基、カルボキシル基、シクロアルキ 基(好ましくは炭素数3~20)、アリール基(好ま しくは炭素数6~14)、アルコキシ基(好ましくは 炭素数1~20)、アシル基(好ましくは炭素数2~20) アシルオキシ基(好ましくは炭素数2~20)等を げることができる。シクロアルキル基、ア ール基等の環状構造を有する基については 置換基として、更に、アルキル基(好ましく は炭素数1~20)を挙げることができる。

 R 5 の酸の作用により脱離する基としては、例え ば、-C(R 36 )(R 37 )(R 38 )、-C(R 36 )(R 37 )(OR 39 )、-C(R 01 )(R 02 )(OR 39 )、-CH(R 40 )(R 41 )等を挙げることができる。
 式中、R 36 ~R 39 は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキ ル基、アリール基、アラルキル基又はアルケ ニル基表す。R 36 とR 37 とは、互いに結合して環を形成してもよい。
 R 40 は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル 基、アルコキシ基、アリール基又はR 41 と結合するアルキレン基を表す。
 R 41 は、アリール基を表す。
 R 01 ~R 02 は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シ クロアルキル基、アリール基、アラルキル基 、アルケニル基又はR 39 と結合するアルキレン基を表す。

 R 5 の酸の作用により脱離する基としては、例え ば、下記一般式(pI)~一般式(pV)で表される基を 挙げることができ、単環若しくは多環の脂環 炭化水素構造を有する基が好ましい。

 一般式(pI)~(pV)に於いて、
 R 11 は、アルキル基を表す。
 Zは、炭素原子とともにシクロアルキル基を 形成するのに必要な原子団を表す。
 R 12 ~R 14 は、各々独立に、アルキル基又はシクロアル キル基を表す。R 12 ~R 14 の内の少なくとも1つは、シクロアルキル基 あることが好ましい。
 R 15 及びR 16 は、各々独立に、アルキル基又はシクロアル キル基を表す。R 15 及びR 16 の少なくともいずれかは、シクロアルキル基 であることが好ましい。
 R 17 ~R 21 は、各々独立に、水素原子、アルキル基又は シクロアルキル基を表す。但し、R 19 及びR 21 のいずれかは、アルキル基又はシクロアルキ ル基を表す。R 17 ~R 21 の内の少なくとも1つは、シクロアルキル基 あることが好ましい。
 R 22 ~R 25 は、各々独立に、水素原子、アルキル基又は シクロアルキル基を表す。R 23 とR 24 は、互いに結合して環を形成していてもよい 。R 22 ~R 25 の内の少なくとも1つは、シクロアルキル基 あることが好ましい。

 一般式(pI)~(pV)に於ける、R 11 ~R 25 のアルキル基としては、炭素数1~4個の直鎖も しくは分岐のアルキル基が好ましく、例えば 、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ ロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec- チル基等を挙げることができる。
 R 12 ~R 25 に於ける、シクロアルキル基或いはZと炭素 子が形成するシクロアルキル基は、単環式 も、多環式でもよい。具体的には、炭素数5 上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、 トラシクロ構造等を有する基を挙げること できる。その炭素数は6~30個が好ましく、特 に炭素数7~25個が好ましい。
 好ましいシクロアルキル基としては、アダ ンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン 基、トリシクロデカニル基、テトラシクロ デカニル基、ノルボルニル基、セドロール 、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、 クロヘプチル基、シクロオクチル基、シク デカニル基、シクロドデカニル基を挙げる とができる。より好ましくは、アダマンチ 基、ノルボルニル基、シクロヘキシル基、 クロペンチル基、テトラシクロドデカニル 、トリシクロデカニル基を挙げることがで る。
 これらのアルキル基、シクロアルキル基は 更なる置換基を有していてもよい。これら アルキル基、シクロアルキル基の更なる置 基としては、アルキル基(炭素数1~4)、ハロ ン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1~4)、 カルボキシル基、アルコキシカルボニル基( 素数2~6)が挙げられる。上記のアルキル基、 ルコキシ基、アルコキシカルボニル基等が 更に有していてもよい置換基としては、水 基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げる とができる。

 ZHの有機酸は、スルホン酸、カルボン酸 イミド酸、メチド酸が好ましい。

 Zは、下記構造式で表される基が好ましい 。

 上記構造式中、
 Rb 1 は、有機基を表す。Rb 1 の有機基は、炭素数1~30の有機基が好ましく 例えば、アルキル基、シクロアルキル基、 リール基、またはこれらの複数が、単結合 -O-、-CO 2 -、-S-、-SO 3 -、-SO 2 N(Rc 1 )-などの連結基で連結された基を挙げること できる。式中、Rc 1 は、水素原子又はアルキル基を表す。
 Rb 3 、Rb 4 及びRb 5 は、各々独立に、有機基を表す。Rb 3 、Rb 4 及びRb 5 の有機基は、Rb 1 の有機基と同様のものを挙げることができ、 炭素数1~4のパーフロロアルキル基が特に好ま しい。
 Rb 3 とRb 4 は、結合して環を形成していてもよい。Rb 3 とRb 4 が結合して形成される基としては、アルキレ ン基、アリーレン基が挙げられ、好ましくは 炭素数2~4のパーフロロアルキレン基である。
 Rb 1 、Rb 3 ~Rb 5 の有機基として、好ましくは1位がフッ素原 またはフロロアルキル基で置換されたアル ル基、フッ素原子またはフロロアルキル基 置換されたフェニル基である。フッ素原子 たはフロロアルキル基を有することにより 光照射によって発生した酸の酸性度が上が 、感度が向上する。

 一般式(I)は、下記一般式(Ia)又は(Ib)であ ことが好ましい。

 一般式(Ia)及び(Ib)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコ キシ基、アリール基又はアリールオキシ基を 表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す 。
 R 1 とR 2 とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水 素構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を 表す。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。
 Ry 1 ~Ry 3 は、各々独立に、アルキル基又はシクロアル キル基を表す。Ry 1 ~Ry 3 の内の少なくとも2つが、結合して単環若し は多環の環状炭化水素構造を形成してもよ 。但し、Ry 1 ~Ry 3 の内の少なくとも1つがシクロアルキル基を すか、或いは、Ry 1 ~Ry 3 の内の少なくとも2つが、結合して単環若し は多環の環状炭化水素構造を形成する。
 Ry 4 は、水素原子、アルキル基又はシクロアルキ ル基を表す。
 Ry 5 は、シクロアルキル基を表す。
 Ry 4 とRy 5 とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水 素構造を形成してもよい。

 一般式(Ia)及び(Ib)に於ける、R 1 ~R 4 、X及びZは、一般式(I)に於ける、R 1 ~R 4 、X及びZと同義である。
 Ry 1 ~Ry 4 のアルキル基は、直鎖状アルキル基、分岐状 アルキル基のいずれでもよく、置換基を有し ていてもよい。好ましい直鎖、分岐アルキル 基としては、炭素数1~8、より好ましくは1~4で あり、メチル基、エチル基、プロピル基、イ ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t- チル基が挙げられ、好ましくはメチル基、 チル基である。
 Ry 1 ~Ry 5 のシクロアルキル基としては、例えば、炭素 数3~8の単環のシクロアルキル基、炭素数7~14 多環のシクロアルキル基が挙げられ、置換 を有していてもよい。好ましい単環のシク アルキル基としては、シクロペンチル基、 クロヘキシル基、シクロプロピル基が挙げ れる。好ましい多環のシクロアルキル基と ては、アダマンチル基、ノルボルナン基、 トラシクロドデカニル基、トリシクロデカ ル基、ジアマンチル基が挙げられる。
 Ry 1 ~Ry 3 の内の少なくとも2つが結合して形成する単 の環状炭化水素構造としては、シクロペン ン構造、シクロヘキサン構造が好ましい。Ry 1 ~Ry 3 の内の少なくとも2つが結合して形成する多 の環状炭化水素構造としては、アダマンタ 構造、ノルボルナン構造、テトラシクロド カン構造が好ましい。
 Ry 4 とRy 5 とが結合して形成する単環若しくは多環の環 状炭化水素構造としては、例えば、テトラメ チレンオキシド環構造、ペンタメチレンオキ シド環構造、ヘキサメチレンオキシド環構造 等を挙げることができる。
 上記各基は、置換基を有していてもよい。 記各基が有していてもよい置換基としては 例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基 シアノ基、カルボキシル基、シクロアルキ 基(好ましくは炭素数3~20)、アリール基(好ま しくは炭素数6~14)、アルコキシ基(好ましくは 炭素数1~20)、アシル基(好ましくは炭素数2~20) アシルオキシ基(好ましくは炭素数2~20)等を げることができる。シクロアルキル基、ア ール基等の環状構造を有する基については 置換基として、更に、アルキル基(好ましく は炭素数1~20)を挙げることができる。

 一般式(I)で表される、酸の作用により分解 、酸を発生する化合物は、新規化合物であ 。
 一般式(I)で表される、酸の作用により分解 、酸を発生する化合物は、まず、エステル 合物を塩基条件下で縮合させる方法、アル ールとジケテンを反応させる方法(Synthesis,  1989, 387-388に記載)、或いはアセト酢酸塩とク ロロメチルエ-テルを反応させる方法により 活性メチレン化合物であるα-置換酢酸エス ルを合成した後、J. Am. Chem. Soc. 1998, 120,  37-45に記載の方法で活性メチレンのモノアル ル化、活性メチレンのヒドロキシメチル化 順次行い、最後に塩基下スルホン酸クロリ と反応させることにより合成できる。

 以下、酸増殖剤の具体例を挙げるが、本 明は、これに限定されるものではない。

 また、一般式(I)で表される化合物として 下記一般式(II)で表されるものも好ましい。

 一般式(II)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコ キシ基、アリール基又はアリールオキシ基を 表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す 。
 R 1 とR 2 が結合して単環若しくは多環の環状炭化水素 構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を 表す。
 Ry 1a は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル 基、アルコキシ基、アリール基又はRy 2a と結合するアルキレン基を表す。
 Ry 2a は、アリール基又はアリールオキシ基を表す 。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。

 一般式(II)に於いて、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 及びRy 1a のアルキル基としては、炭素数1~8個のアルキ ル基が好ましく、具体的にはメチル基、エチ ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル 基、オクチル基等が挙げられる。
 R 1 、R 2 及びRy 1a のシクロアルキル基としては、炭素数4~10個 シクロアルキル基が好ましく、具体的には シクロプロピル基、シクロペンチル基、シ ロヘキシル基、シクロヘプチル基、アダマ チル基、ボロニル基、イソボロニル基、ト シクロデカニル基、ジシクロペンテニル基 ノボルナンエポキシ基、メンチル基、イソ ンチル基、ネオメンチル基、テトラシクロ デカニル基等が挙げられる。
 R 1 及びRy 1a のアルコキシ基は、炭素数1~30の直鎖若しく 分岐状アルコキシ基が好ましく、例えば、 トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イ プロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ 基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ヘキシル オキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキ シ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウ ンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等を挙 げることができる。
 R 1 、Ry 1a 及びRy 2a のアリール基は、炭素数6~14のアリール基が ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基 を挙げることができる。
 R 1 及びRy 2a のアリールオキシ基は、炭素数6~20のアリー オキシ基が好ましく、例えば、フェノキシ 、ナフトキシ基を挙げることができる。
 R 1 及びR 2 が結合して形成する単環若しくは多環の環状 炭化水素構造としては、炭素数3~15の環状炭 水素構造が好ましく、例えば、シクロペン ノン構造、シクロヘキサノン構造、ノルボ ナノン構造、アダマンタノン構造等のオキ 基を有する環状炭化水素構造を挙げること できる。
 Ry 1a に於ける、Ry 2a に結合するアルキレン基としては、炭素数1~5 のアルキレン基が好ましく、例えば、メチレ ン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン 基等を挙げることができる。
 上記各基は、置換基を有していてもよい。 記各基が有していてもよい置換基としては 例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基 シアノ基、カルボキシル基、シクロアルキ 基(好ましくは炭素数3~20)、アリール基(好ま しくは炭素数6~14)、アルコキシ基(好ましくは 炭素数1~20)、アシル基(好ましくは炭素数2~20) アシルオキシ基(好ましくは炭素数2~20)等を げることができる。シクロアルキル基、ア ール基等の環状構造を有する基については 置換基として、更に、アルキル基(好ましく は炭素数1~20)を挙げることができる。

 ZHの有機酸は、スルホン酸、カルボン酸 イミド酸、メチド酸が好ましい。

 Zは、下記構造式で表される基が好ましい 。

 上記構造式中、
 Rb 1 は、有機基を表す。Rb 1 の有機基は、炭素数1~30の有機基が好ましく 例えば、アルキル基、シクロアルキル基、 リール基、またはこれらの複数が、単結合 -O-、-CO 2 -、-S-、-SO 3 -、-SO 2 N(Rc 1 )-などの連結基で連結された基を挙げること できる。式中、Rc 1 は、水素原子又はアルキル基を表す。
 Rb 3 、Rb 4 及びRb 5 は、各々独立に、有機基を表す。Rb 3 、Rb 4 及びRb 5 の有機基は、Rb 1 の有機基と同様のものを挙げることができ、 炭素数1~4のパーフロロアルキル基が特に好ま しい。
 Rb 3 とRb 4 は、結合して環を形成していてもよい。Rb 3 とRb 4 が結合して形成される基としては、アルキレ ン基、アリーレン基が挙げられ、好ましくは 炭素数2~4のパーフロロアルキレン基である。
 Rb 1 、Rb 3 ~Rb 5 の有機基として、好ましくは1位がフッ素原 またはフロロアルキル基で置換されたアル ル基、フッ素原子またはフロロアルキル基 置換されたフェニル基である。フッ素原子 たはフロロアルキル基を有することにより 光照射によって発生した酸の酸性度が上が 、感度が向上する。

 一般式(II)は、下記一般式(IIa)又は(IIb)で されることが好ましい。

 一般式(IIa)及び(IIb)に於いて、
 R 1 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコ キシ基、アリール基又はアリールオキシ基を 表す。
 R 2 は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す 。
 R 1 とR 2 が結合して単環若しくは多環の環状炭化水素 構造を形成してもよい。
 R 3 及びR 4 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を 表す。
 Ry 1a は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル 基、アルコキシ基、アリール基又はRy 3a 若しくはRy 4a と結合するアルキレン基を表す。
 Ry 3a は、アリール基を表す。
 Ry 4a は、アリール基を表す。
 Xは、-SO 2 -、-SO-又は-CO-を表す。
 Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。

 一般式(IIa)及び(IIb)に於ける、R 1 ~R 4 、Ry 1a 、X及びZは、一般式(II)に於ける、R 1 ~R 4 、Ry 1a 、X及びZと同義である。
 Ry 3a 及びRy 4a のアリール基としては、Ry 2a に於けるアリール基と同様のものを挙げるこ とができる。
 Ry 1a に於ける、Ry 3a 若しくはRy 4a と結合するアルキレン基としては、炭素数1~5 のアルキレン基が好ましく、例えば、メチレ ン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン 基等を挙げることができる。
 上記各基は、置換基を有していてもよい。 記各基が有していてもよい置換基としては 例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基 シアノ基、カルボキシル基、シクロアルキ 基(好ましくは炭素数3~20)、アリール基(好ま しくは炭素数6~14)、アルコキシ基(好ましくは 炭素数1~20)、アシル基(好ましくは炭素数2~20) アシルオキシ基(好ましくは炭素数2~20)等を げることができる。シクロアルキル基、ア ール基等の環状構造を有する基については 置換基として、更に、アルキル基(好ましく は炭素数1~20)を挙げることができる。

 一般式(II)で表される、酸の作用により分解 し、酸を発生する化合物は、新規化合物であ る。
 一般式(II)で表される、酸の作用により分解 し、酸を発生する化合物は、まず、エステル 化合物を塩基条件下で縮合させる方法、アル コールとジケテンを反応させる方法(Synthesis, 1989, 387-388に記載)、或いはアセト酢酸塩と ロロメチルエ-テルを反応させる方法により 活性メチレン化合物であるα-置換酢酸エス ルを合成した後、J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 37-45に記載の方法で活性メチレンのモノアル キル化、活性メチレンのヒドロキシメチル化 を順次行い、最後に塩基下スルホン酸クロリ ドと反応させることにより合成できる。

 以下、酸増殖剤の具体例を挙げるが、本 明は、これに限定されるものではない。

 酸増殖剤の本発明のポジ型レジスト組成 中の含量は、組成物の固形分を基準として 0.1~20.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1~ 10.0質量%である。

 溶剤
 前記各成分を溶解させてポジ型レジスト組 物を調製する際に使用することができる溶 としては、例えば、アルキレングリコール ノアルキルエーテルカルボキシレート、ア キレングリコールモノアルキルエーテル、 酸アルキルエステル、アルコキシプロピオ 酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素 数4~10)、環を含有しても良いモノケトン化合 (好ましくは炭素数4~10)、アルキレンカーボ ート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン アルキル等の有機溶剤を挙げることができ 。

 アルキレングリコールモノアルキルエーテ カルボキシレートとしては、例えば、プロ レングリコールモノメチルエーテルアセテ ト、プロピレングリコールモノエチルエー ルアセテート、プロピレングリコールモノ ロピルエーテルアセテート、プロピレング コールモノブチルエーテルアセテート、プ ピレングリコールモノメチルエーテルプロ オネート、プロピレングリコールモノエチ エーテルプロピオネート、エチレングリコ ルモノメチルエーテルアセテート、エチレ グリコールモノエチルエーテルアセテート 好ましく挙げられる。
 アルキレングリコールモノアルキルエーテ としては、例えば、プロピレングリコール ノメチルエーテル、プロピレングリコール ノエチルエーテル、プロピレングリコール ノプロピルエーテル、プロピレングリコー モノブチルエーテル、エチレングリコール ノメチルエーテル、エチレングリコールモ エチルエーテルを好ましく挙げられる。

 乳酸アルキルエステルとしては、例えば、 酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳 ブチルを好ましく挙げられる。
 アルコキシプロピオン酸アルキルとしては 例えば、3-エトキシプロピオン酸エチル、3- メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプ ピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸 チルを好ましく挙げられる。

 環状ラクトンとしては、例えば、β-プロ オラクトン、β-ブチロラクトン、γ-ブチロ クトン、α-メチル-γ-ブチロラクトン、β-メ チル-γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン γ-カプロラクトン、γ-オクタノイックラク ン、α-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンが好ま く挙げられる。

 環を含有しても良いモノケトン化合物と ては、例えば、2-ブタノン、3-メチルブタノ ン、ピナコロン、2-ペンタノン、3-ペンタノ 、3-メチル-2-ペンタノン、4-メチル-2-ペンタ ン、2-メチル-3-ペンタノン、4,4-ジメチル-2- ンタノン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン、2,2,4, 4-テトラメチル-3-ペンタノン、2-ヘキサノン 3-ヘキサノン、5-メチル-3-ヘキサノン、2-ヘ タノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2-メ ル-3-ヘプタノン、5-メチル-3-ヘプタノン、2,6 -ジメチル-4-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オ タノン、2-ノナノン、3-ノナノン、5-ノナノ 、2-デカノン、3-デカノン、、4-デカノン、5 -ヘキセン-2-オン、3-ペンテン-2-オン、シクロ ペンタノン、2-メチルシクロペンタノン、3- チルシクロペンタノン、2,2-ジメチルシクロ ンタノン、2,4,4-トリメチルシクロペンタノ 、シクロヘキサノン、3-メチルシクロヘキ ノン、4-メチルシクロヘキサノン、4-エチル クロヘキサノン、2,2-ジメチルシクロヘキサ ノン、2,6-ジメチルシクロヘキサノン、2,2,6- リメチルシクロヘキサノン、シクロヘプタ ン、2-メチルシクロヘプタノン、3-メチルシ ロヘプタノンが好ましく挙げられる。

 アルキレンカーボネートとしては、例えば プロピレンカーボネート、ビニレンカーボ ート、エチレンカーボネート、ブチレンカ ボネートが好ましく挙げられる。
 アルコキシ酢酸アルキルとしては、例えば 酢酸-2-メトキシエチル、酢酸-2-エトキシエ ル、酢酸-2-(2-エトキシエトキシ)エチル、酢 酸-3-メトキシ-3-メチルブチル、酢酸-1-メトキ シ-2-プロピルが好ましく挙げられる。
 ピルビン酸アルキルとしては、例えば、ピ ビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビ 酸プロピルが好ましく挙げられる。
 好ましく使用できる溶剤としては、常温常 下で、沸点130℃以上の溶剤が挙げられる。 体的には、シクロペンタノン、γ-ブチロラ トン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、エ レングリコールモノエチルエーテルアセテ ト、プロピレングリコールモノメチルエー ルアセテート、3-エトキシプロピオン酸エ ル、ピルビン酸エチル、酢酸-2-エトキシエ ル、酢酸-2-(2-エトキシエトキシ)エチル、プ ピレンカーボネートが挙げられる。
 本発明に於いては、上記溶剤を単独で使用 てもよいし、2種類以上を併用してもよい。

 本発明においては、有機溶剤として構造中 水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有し い溶剤とを混合した混合溶剤を使用しても い。
 水酸基を含有する溶剤としては、例えば、 チレングリコール、エチレングリコールモ メチルエーテル、エチレングリコールモノ チルエーテル、プロピレングリコール、プ ピレングリコールモノメチルエーテル、プ ピレングリコールモノエチルエーテル、乳 エチル等を挙げることができ、これらの内 プロピレングリコールモノメチルエーテル 乳酸エチルが特に好ましい。
 水酸基を含有しない溶剤としては、例えば プロピレングリコールモノメチルエーテル セテート、エチルエトキシプロピオネート 2-ヘプタノン、γ-ブチロラクトン、シクロ キサノン、酢酸ブチル、N-メチルピロリドン 、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスル キシド等を挙げることができ、これらの内 、プロピレングリコールモノメチルエーテ アセテート、エチルエトキシプロピオネー 、2-ヘプタノン、γ-ブチロラクトン、シクロ ヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プ ロピレングリコールモノメチルエーテルアセ テート、エチルエトキシプロピオネート、2- プタノンが最も好ましい。
 水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しな 溶剤との混合比(質量)は、1/99~99/1、好まし は10/90~90/10、更に好ましくは20/80~60/40である 水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有 る混合溶剤が塗布均一性の点で特に好まし 。

 溶剤は、プロピレングリコールモノメチ エーテルアセテートを含有する2種類以上の 混合溶剤であることが好ましい。

 塩基性化合物
 本発明のポジ型レジスト組成物は、露光か 加熱までの経時による性能変化を低減する めに、塩基性化合物を含有することが好ま い。
 塩基性化合物としては、好ましくは、下記 (A)~(E)で示される構造を有する化合物を挙げ ることができる。

 一般式(A)~(E)中、 
 R 200  、R 201 及びR 202  は、同一でも異なってもよく、水素原子、ア ルキル基(好ましくは炭素数1~20)、シクロアル キル基(好ましくは炭素数3~20)又はアリール基 (炭素数6~20)を表し、ここで、R 201 とR 202 は、互いに結合して環を形成してもよい。
 上記アルキル基について、置換基を有する ルキル基としては、炭素数1~20のアミノアル キル基、炭素数1~20のヒドロキシアルキル基 または炭素数1~20のシアノアルキル基が好ま い。
 R 203  、R 204 、R 205 及びR 206 は、同一でも異なってもよく、炭素数1~20個 アルキル基を表す。
 これら一般式(A)~(E)中のアルキル基は、無置 換であることがより好ましい。

 好ましい化合物として、グアニジン、ア ノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、 ペラジン、アミノモルホリン、アミノアル ルモルフォリン、ピペリジン等を挙げるこ ができ、更に好ましい化合物として、イミ ゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウ ヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレ ト構造、トリアルキルアミン構造、アニリ 構造又はピリジン構造を有する化合物、水 基及び/又はエーテル結合を有するアルキル アミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結 を有するアニリン誘導体等を挙げることが きる。

 イミダゾール構造を有する化合物として イミダゾール、2、4、5-トリフェニルイミダ ゾール、ベンズイミダゾール、2-フェニルベ ゾイミダゾール等が挙げられる。ジアザビ クロ構造を有する化合物としては1、4-ジア ビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5-ジアザビシク ロ[4,3,0]ノナ-5-エン、1、8-ジアザビシクロ[5,4, 0]ウンデカー7-エン等が挙げられる。オニウ ヒドロキシド構造を有する化合物としては トラブチルアンモニウムヒドロキシド、ト アリールスルホニウムヒドロキシド、フェ シルスルホニウムヒドロキシド、2-オキソア ルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド 、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒド ロキシド、トリス(t-ブチルフェニル)スルホ ウムヒドロキシド、ビス(t-ブチルフェニル) ードニウムヒドロキシド、フェナシルチオ ェニウムヒドロキシド、2-オキソプロピル オフェニウムヒドロキシド等が挙げられる オニウムカルボキシレート構造を有する化 物としてはオニウムヒドロキシド構造を有 る化合物のアニオン部がカルボキシレート なったものであり、例えばアセテート、ア マンタンー1-カルボキシレート、パーフロロ アルキルカルボキシレート等が挙げられる。 トリアルキルアミン構造を有する化合物とし ては、トリ(n-ブチル)アミン、トリ(n-オクチ )アミン等を挙げることができる。アニリン 合物としては、2,6-ジイソプロピルアニリン 、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジブチルアニリ 、N,N-ジヘキシルアニリン等を挙げることが できる。水酸基及び/又はエーテル結合を有 るアルキルアミン誘導体としては、エタノ ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタ ールアミン、N-フェニルジエタノールアミン 、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等 挙げることができる。水酸基及び/又はエー テル結合を有するアニリン誘導体としては、 N,N-ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げ ることができる。

 好ましい塩基性化合物として、更に、フェ キシ基を有するアミン化合物、フェノキシ を有するアンモニウム塩化合物、スルホン エステル基を有するアミン化合物及びスル ン酸エステル基を有するアンモニウム塩化 物を挙げることができる。
 アミン化合物は、1級、2級、3級のアミン化 物を使用することができ、少なくとも1つの アルキル基が窒素原子に結合しているアミン 化合物が好ましい。アミン化合物は、3級ア ン化合物であることがより好ましい。アミ 化合物は、少なくとも1つのアルキル基(好ま しくは炭素数1~20)が窒素原子に結合していれ 、アルキル基の他に、シクロアルキル基(好 ましくは炭素数3~20)又はアリール基(好ましく は炭素数6~12)が窒素原子に結合していてもよ 。アミン化合物は、アルキル鎖中に、酸素 子を有し、オキシアルキレン基が形成され いることが好ましい。オキシアルキレン基 数は、分子内に1つ以上、好ましくは3~9個、 さらに好ましくは4~6個である。オキシアルキ レン基の中でもオキシエチレン基(-CH 2 CH 2 O-)もしくはオキシプロピレン基(-CH(CH 3 )CH 2 O-もしくは-CH 2 CH 2 CH 2 O-)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチ レン基である。

 アンモニウム塩化合物は、1級、2級、3級、4 級のアンモニウム塩化合物を使用することが でき、少なくとも1つのアルキル基が窒素原 に結合しているアンモニウム塩化合物が好 しい。アンモニウム塩化合物は、少なくと 1つのアルキル基(好ましくは炭素数1~20)が窒 原子に結合していれば、アルキル基の他に シクロアルキル基(好ましくは炭素数3~20)又 アリール基(好ましくは炭素数6~12)が窒素原 に結合していてもよい。アンモニウム塩化 物は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、 キシアルキレン基が形成されていることが ましい。オキシアルキレン基の数は、分子 に1つ以上、好ましくは3~9個、さらに好まし くは4~6個である。オキシアルキレン基の中で もオキシエチレン基(-CH 2 CH 2 O-)もしくはオキシプロピレン基(-CH(CH 3 )CH 2 O-もしくは-CH 2 CH 2 CH 2 O-)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチ レン基である。アンモニウム塩化合物のアニ オンとしては、ハロゲン原子、スルホネート 、ボレート、フォス」フェート等が挙げられ るが、中でもハロゲン原子、スルホネートが 好ましい。ハロゲン原子としてはクロライド 、ブロマイド、アイオダイドが特に好ましく 、スルホネートとしては、炭素数1~20の有機 ルホネートが特に好ましい。有機スルホネ トとしては、炭素数1~20のアルキルスルホネ ト、アリールスルホネートが挙げられる。 ルキルスルホネートのアルキル基は置換基 有していてもよく、置換基としては例えば ッ素、塩素、臭素、アルコキシ基、アシル 、アリール基等が挙げられる。アルキルス ホネートとして、具体的にはメタンスルホ ート、エタンスルホネート、ブタンスルホ ート、ヘキサンスルホネート、オクタンス ホネート、ベンジルスルホネート、トリフ オロメタンスルホネート、ペンタフルオロ タンスルホネート、ノナフルオロブタンス ホネート等が挙げられる。アリールスルホ ートのアリール基としてはベンゼン環、ナ タレン環、アントラセン環が挙げられる。 ンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環 置換基を有していてもよく、置換基として 炭素数1~6の直鎖若しくは分岐アルキル基、 素数3~6のシクロアルキル基が好ましい。直 若しくは分岐アルキル基、シクロアルキル として、具体的にはメチル、エチル、n-プ ピル、イソプロピル、n-ブチル、i-ブチル、t -ブチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル等が挙 げられる。他の置換基としては炭素数1~6のア ルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ 、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。

 フェノキシ基を有するアミン化合物、フェ キシ基を有するアンモニウム塩化合物とは アミン化合物又はアンモニウム塩化合物の ルキル基の窒素原子と反対側の末端にフェ キシ基を有するものである。フェノキシ基 、置換基を有していてもよい。フェノキシ の置換基としては、例えば、アルキル基、 ルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニ ロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステ 基、スルホン酸エステル基、アリール基、 ラルキル基、アシロキシ基、アリールオキ 基等が挙げられる。置換基の置換位は、2~6 のいずれであってもよい。置換基の数は、1 ~5の範囲で何れであってもよい。
 フェノキシ基と窒素原子との間に、少なく も1つのオキシアルキレン基を有することが 好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子 内に1つ以上、好ましくは3~9個、さらに好ま くは4~6個である。オキシアルキレン基の中 もオキシエチレン基(-CH 2 CH 2 O-)もしくはオキシプロピレン基(-CH(CH 3 )CH 2 O-もしくは-CH 2 CH 2 CH 2 O-)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチ レン基である。

 スルホン酸エステル基を有するアミン化合 、スルホン酸エステル基を有するアンモニ ム塩化合物に於ける、スルホン酸エステル としては、アルキルスルホン酸エステル、 クロアルキル基スルホン酸エステル、アリ ルスルホン酸エステルのいずれであっても く、アルキルスルホン酸エステルの場合に ルキル基は炭素数1~20、シクロアルキルスル ホン酸エステルの場合にシクロアルキル基は 炭素数3~20、アリールスルホン酸エステルの 合にアリール基は炭素数6~12が好ましい。ア キルスルホン酸エステル、シクロアルキル ルホン酸エステル、アリールスルホン酸エ テルは置換基を有していてもよく、置換基 しては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ 、カルボキシル基、カルボン酸エステル基 スルホン酸エステル基が好ましい。
 スルホン酸エステル基と窒素原子との間に 少なくとも1つのオキシアルキレン基を有す ることが好ましい。オキシアルキレン基の数 は、分子内に1つ以上、好ましくは3~9個、さ に好ましくは4~6個である。オキシアルキレ 基の中でもオキシエチレン基(-CH 2 CH 2 O-)もしくはオキシプロピレン基(-CH(CH 3 )CH 2 O-もしくは-CH 2 CH 2 CH 2 O-)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチ レン基である。

 これらの塩基性化合物は、単独であるい 2種以上一緒に用いられる。

 塩基性化合物の使用量は、ポジ型レジス 組成物の固形分を基準として、通常、0.001~1 0質量%、好ましくは0.01~5質量%である。

 酸発生剤と塩基性化合物の組成物中の使 割合は、酸発生剤/塩基性化合物(モル比)=2.5 ~300であることが好ましい。即ち、感度、解 度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露 後加熱処理までの経時でのレジストパター の太りによる解像度の低下抑制の点から300 下が好ましい。酸発生剤/塩基性化合物(モル 比)は、より好ましくは5.0~200、更に好ましく 7.0~150である。

 界面活性剤
 本発明のポジ型レジスト組成物は、更に界 活性剤を含有することが好ましく、フッ素 及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系 面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素 子と珪素原子の両方を有する界面活性剤)の ずれか、あるいは2種以上を含有することが より好ましい。

 本発明のポジ型レジスト組成物が上記界面 性剤を含有することにより、250nm以下、特 220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度 及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ない レジストパターンを与えることが可能となる 。
 フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤と しては、例えば特開昭62-36663号公報、特開昭6 1-226746号公報、特開昭61-226745号公報、特開昭6 2-170950号公報、特開昭63-34540号公報、特開平7- 230165号公報、特開平8-62834号公報、特開平9-544 32号公報、特開平9-5988号公報、特開2002-277862 公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号 明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書 同5436098号明細書、同5576143号明細書、同52945 11号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性 剤を挙げることができ、下記市販の界面活性 剤をそのまま用いることもできる。
 使用できる市販の界面活性剤として、例え エフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製) フロラードFC430、431、4430(住友スリーエム(株 )製)、メガファックF171、F173、F176、F189、F113 F110、F177、F120、R08(大日本インキ化学工業(株 )製)、サーフロンS-382、SC101、102、103、104、105 、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS-366(トロイ ミカル(株)製)、GF-300、GF-150(東亜合成化学(株 )製)、サーフロンS-393(セイミケミカル(株)製) エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M EF135M、EF351、352、EF801、EF802、EF601((株)ジェム コ製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520(OMNOVA社製)、FT X-204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D、22 2D((株)ネオス製)等のフッ素系界面活性剤又は シリコン系界面活性剤を挙げることができる 。またポリシロキサンポリマーKP-341(信越化 工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として いることができる。

 また、界面活性剤としては、上記に示すよ な公知のものの他に、テロメリゼーション (テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴ リゼーション法(オリゴマー法ともいわれる) により製造されたフルオロ脂肪族化合物から 導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を 用いた界面活性剤を用いることが出来る。フ ルオロ脂肪族化合物は、特開2002-90991号公報 記載された方法によって合成することが出 る。
 フルオロ脂肪族基を有する重合体としては フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ (オキシアルキレン))アクリレート及び/又は( リ(オキシアルキレン))メタクリレートとの 重合体が好ましく、不規則に分布している のでも、ブロック共重合していてもよい。 た、ポリ(オキシアルキレン)基としては、 リ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピ ン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げ れ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプ ピレンとオキシエチレンとのブロック連結 )やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレ とのブロック連結体)など同じ鎖長内に異な 鎖長のアルキレンを有するようなユニット もよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有す モノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリ レート(又はメタクリレート)との共重合体は2 元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上の ルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異な 2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレ ート(又はメタクリレート)などを同時に共重 した3元系以上の共重合体でもよい。

 例えば、市販の界面活性剤として、メガフ ックF178、F-470、F-473、F-475、F-476、F-472(大日 インキ化学工業(株)製)を挙げることができ 。さらに、C 6 F 13 基を有するアクリレート(又はメタクリレー )と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート( はメタクリレート)との共重合体、C 3 F 7 基を有するアクリレート(又はメタクリレー )と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又 メタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン)) アクリレート(又はメタクリレート)との共重 体などを挙げることができる。

 また、本発明では、フッ素系及び/又はシ リコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を 使用することもできる。具体的には、ポリオ キシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ エチレンステアリルエーテル、ポリオキシエ チレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン オレイルエーテル等のポリオキシエチレンア ルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオク チルフェノールエーテル、ポリオキシエチレ ンノニルフェノールエーテル等のポリオキシ エチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオ キシエチレン・ポリオキシプロピレンブロッ クコポリマー類、ソルビタンモノラウレート 、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタン モノステアレート、ソルビタンモノオレエー ト、ソルビタントリオレエート、ソルビタン トリステアレート等のソルビタン脂肪酸エス テル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノ ラウレート、ポリオキシエチレンソルビタン モノパルミテ-ト、ポリオキシエチレンソル タンモノステアレート、ポリオキシエチレ ソルビタントリオレエート、ポリオキシエ レンソルビタントリステアレート等のポリ キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類 のノニオン系界面活性剤等を挙げることが きる。

 これらの界面活性剤は単独で使用しても いし、また、いくつかの組み合わせで使用 てもよい。

 界面活性剤の使用量は、ポジ型レジスト 成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましく 0.01~10質量%、より好ましくは0.1~5質量%である 。

 カルボン酸オニウム塩
 本発明におけるポジ型レジスト組成物は、 ルボン酸オニウム塩を含有しても良い。カ ボン酸オニウム塩としては、カルボン酸ス ホニウム塩、カルボン酸ヨードニウム塩、 ルボン酸アンモニウム塩などを挙げること できる。特に、カルボン酸オニウム塩とし は、ヨードニウム塩、スルホニウム塩が好 しい。更に、本発明のカルボン酸オニウム のカルボキシレート残基が芳香族基、炭素- 炭素2重結合を含有しないことが好ましい。 に好ましいアニオン部としては、炭素数1~30 直鎖、分岐、単環または多環環状アルキル ルボン酸アニオンが好ましい。さらに好ま くはこれらのアルキル基の一部または全て フッ素置換されたカルボン酸のアニオンが ましい。アルキル鎖中に酸素原子を含んで ても良い。これにより220nm以下の光に対す 透明性が確保され、感度、解像力が向上し 疎密依存性、露光マージンが改良される。

 フッ素置換されたカルボン酸のアニオン しては、フロロ酢酸、ジフロロ酢酸、トリ ロロ酢酸、ペンタフロロプロピオン酸、ヘ タフロロ酪酸、ノナフロロペンタン酸、パ フロロドデカン酸、パーフロロトリデカン 、パーフロロシクロヘキサンカルボン酸、2 ,2-ビストリフロロメチルプロピオン酸のアニ オン等が挙げられる。

 これらのカルボン酸オニウム塩は、スル ニウムヒドロキシド、ヨードニウムヒドロ シド、アンモニウムヒドロキシドとカルボ 酸を適当な溶剤中酸化銀と反応させること よって合成できる。

 カルボン酸オニウム塩の組成物中の含量 、組成物の全固形分に対し、一般的には0.1~ 20質量%、好ましくは0.5~10質量%、更に好まし は1~7質量%である。

 酸の作用により分解してアルカリ現像液中 の溶解度が増大する、分子量3000以下の溶解 阻止化合物
 酸の作用により分解してアルカリ現像液中 の溶解度が増大する、分子量3000以下の溶解 阻止化合物(以下、「溶解阻止化合物」とも う)としては、220nm以下の透過性を低下させ いため、ProceedingofSPIE, 2724,355 (1996)に記載さ れている酸分解性基を含むコール酸誘導体の 様な、酸分解性基を含有する脂環族又は脂肪 族化合物が好ましい。酸分解性基、脂環式構 造としては、(B)成分の樹脂のところで説明し たものと同様のものが挙げられる。

 本発明のポジ型レジスト組成物をKrFエキ マレーザーで露光するか、或いは電子線で 射する場合には、フェノール化合物のフェ ール性水酸基を酸分解基で置換した構造を 有するものが好ましい。フェノール化合物 してはフェノール骨格を1~9個含有するもの 好ましく、さらに好ましくは2~6個含有する のである。

 本発明における溶解阻止化合物の分子量 、3000以下であり、好ましくは300~3000、更に ましくは500~2500である。

 溶解阻止化合物の添加量は、ポジ型レジ ト組成物の固形分に対し、好ましくは3~50質 量%であり、より好ましくは5~40質量%である。

 以下に溶解阻止化合物の具体例を示すが 本発明はこれらに限定されない。

 その他の添加剤
 本発明のポジ型レジスト組成物には、必要 応じてさらに染料、可塑剤、光増感剤、光 収剤、及び現像液に対する溶解性を促進さ る化合物(例えば、分子量1000以下のフェノ ル化合物、カルボキシル基を有する脂環族 又は脂肪族化合物)等を含有させることがで る。

 このような分子量1000以下のフェノール化合 物は、例えば、特開平4-122938号、特開平2-28531 号、米国特許第4,916,210、欧州特許第219294等に 記載の方法を参考にして、当業者において容 易に合成することができる。
 カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪 化合物の具体例としてはコール酸、デオキ コール酸、リトコール酸などのステロイド 造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタ カルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボ 酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘ サンジカルボン酸などが挙げられるがこれ に限定されるものではない。

 パターン形成方法
 本発明のポジ型レジスト組成物は、解像力 上の観点から、膜厚30~250nmで使用されるこ が好ましく、より好ましくは、膜厚30~200nmで 使用されることが好ましい。ポジ型レジスト 組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定し て適度な粘度をもたせ、塗布性、製膜性を向 上させることにより、このような膜厚とする ことができる。
 ポジ型レジスト組成物中の全固形分濃度は 一般的には1~10質量%、より好ましくは1~8.0質 量%、さらに好ましくは1.0~6.0質量%である。

 本発明のポジ型レジスト組成物は、上記 成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混 溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、次 ように所定の支持体上に塗布して用いる。 ィルター濾過に用いるフィルターは0.1ミク ン以下、より好ましくは0.05ミクロン以下、 更に好ましくは0.03ミクロン以下のポリテト フロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイ ン製のものが好ましい。

 例えば、ポジ型レジスト組成物を精密集積 路素子の製造に使用されるような基板(例: リコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、 コーター等の適当な塗布方法により塗布、乾 燥し、レジスト膜を形成する。
 当該レジスト膜に、所定のマスクを通して 性光線又は放射線を照射し、好ましくはベ ク(加熱)を行い、現像、リンスする。これ より良好なパターンを得ることができる。

 活性光線又は放射線としては、赤外光、可 光、紫外光、遠紫外光、X線、電子線等を挙 げることができるが、好ましくは250nm以下、 り好ましくは220nm以下、特に好ましくは1~200 nmの波長の遠紫外光、具体的には、KrFエキシ レーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm) F 2 エキシマレーザー(157nm)、X線、電子ビーム等 あり、ArFエキシマレーザー、F 2 エキシマレーザー、EUV(13nm)、電子ビームが好 ましい。

 レジスト膜を形成する前に、基板上に予め 射防止膜を塗設してもよい。
 反射防止膜としては、チタン、二酸化チタ 、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、ア ルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤 ポリマー材料からなる有機膜型のいずれも いることができる。また、有機反射防止膜 して、ブリューワーサイエンス社製のDUV30 リーズや、DUV-40シリーズ、シプレー社製のAR -2、AR-3、AR-5等の市販の有機反射防止膜を使 することもできる。

 現像工程では、アルカリ現像液を次のよう 用いる。ポジ型レジスト組成物のアルカリ 像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化 リウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウ 、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等 無機アルカリ類、エチルアミン、n-プロピ アミン等の第一アミン類、ジエチルアミン ジ-n-ブチルアミン等の第二アミン類、トリ チルアミン、メチルジエチルアミン等の第 アミン類、ジメチルエタノールアミン、ト エタノールアミン等のアルコールアミン類 テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、 トラエチルアンモニウムヒドロキシド等の 四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジ 等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を 用することができる。
 さらに、上記アルカリ現像液にアルコール 、界面活性剤を適当量添加して使用するこ もできる。
 アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1~ 20質量%である。
 アルカリ現像液のpHは、通常10.0~15.0である
 さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコー 類、界面活性剤を適当量添加して使用する ともできる。
 リンス液としては、純水を使用し、界面活 剤を適当量添加して使用することもできる
 また、現像処理または、リンス処理の後に パターン上に付着している現像液またはリ ス液を超臨界流体により除去する処理を行 ことができる。

 活性光線又は放射線の照射時にレジスト とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液 (液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行っ てもよい。これにより解像性を高めることが できる。用いる液浸媒体としては空気よりも 屈折率の高い液体であればいずれのものでも 用いることができるが好ましくは純水である 。

 液浸露光する際に使用する液浸液について 以下に説明する。
 液浸液は、露光波長に対して透明であり、 つレジスト膜上に投影される光学像の歪み 最小限に留めるよう、屈折率の温度係数が きる限り小さい液体が好ましいが、特に露 光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)であ 場合には、上述の観点に加えて、入手の容 さ、取り扱いのし易さといった点から水を いるのが好ましい。
 また、さらに屈折率が向上できるという点 屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる この媒体は、水溶液でもよく有機溶剤でも い。

 液浸液として水を用いる場合、水の表面 力を減少させるとともに、界面活性力を増 させるために、ウェハ上のレジスト膜を溶 させず、且つレンズ素子の下面の光学コー に対する影響が無視できる添加剤(液体)を かな割合で添加しても良い。その添加剤と ては水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族 のアルコールが好ましく、具体的にはメチ アルコール、エチルアルコール、イソプロ ルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等 い屈折率を有するアルコールを添加するこ により、水中のアルコール成分が蒸発して 有濃度が変化しても、液体全体としての屈 率変化を極めて小さくできるといった利点 得られる。一方で、193nm光に対して不透明な 物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混 入した場合、レジスト膜上に投影される光学 像の歪みを招くため、使用する水としては、 蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルタ ー等を通して濾過を行った純水を用いてもよ い。

 水の電気抵抗は、18.3MQcm以上であることが ましく、TOC(有機物濃度)は20ppb以下であるこ が望ましく、脱気処理をしていることが望 しい。
 また、液浸液の屈折率を高めることにより リソグラフィー性能を高めることが可能で る。このような観点から、屈折率を高める うな添加剤を水に加えたり、水の代わりに 水(D 2 O)を用いてもよい。

 本発明のポジ型レジスト組成物からなるレ スト膜を、液浸媒体を介して露光する場合 は、必要に応じてさらに疎水性樹脂(HR)(「 面疎水化樹脂」ともいう)を添加することが きる。これにより、レジスト膜表層に疎水 樹脂(HR)が偏在化し、液浸媒体が水の場合、 レジスト膜とした際の水に対するレジスト膜 表面の後退接触角を向上させ、液浸水追随性 を向上させることができる。疎水性樹脂(HR) しては、表面の後退接触角が添加すること より向上する樹脂であれば何でもよいが、 ッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれ を有する樹脂であることが好ましい。レジ ト膜の後退接触角は60°~90°が好ましく、更 好ましくは70°以上である。添加量は、レジ ト膜の後退接触角が前記範囲になるよう適 調整して使用できるが、ポジ型レジスト組 物の全固形分を基準として、0.1~10質量%であ ることが好ましく、より好ましくは0.1~5質量% である。疎水性樹脂(HR)は前述のように界面 遍在するものであるが、界面活性剤とは異 り、必ずしも分子内に親水基を有する必要 なく、極性/非極性物質を均一に混合するこ に寄与しなくても良い。
 後退接触角とは、液滴-基板界面での接触線 が後退する際に測定される接触角であり、動 的な状態での液滴の移動しやすさをシミュレ ートする際に有用であることが一般に知られ ている。簡易的には、針先端から吐出した液 滴を基板上に着滴させた後、その液滴を再び 針へと吸い込んだときの、液滴の界面が後退 するときの接触角として定義でき、一般に拡 張収縮法と呼ばれる接触角の測定方法を用い て測定することができる。
 液浸露光工程に於いては、露光ヘッドが高 でウェハ上をスキャンし露光パターンを形 していく動きに追随して、液浸液がウェハ を動く必要があるので、動的な状態に於け レジスト膜に対する液浸液の接触角が重要 なり、液滴が残存することなく、露光ヘッ の高速なスキャンに追随する性能がレジス には求められる。

 疎水性樹脂(HR)に於けるフッ素原子又は珪 素原子は、樹脂の主鎖中に有していても、側 鎖に置換していてもよい。

 疎水性樹脂(HR)は、フッ素原子を有する部分 構造として、フッ素原子を有するアルキル基 、フッ素原子を有するシクロアルキル基、ま たは、フッ素原子を有するアリール基を有す る樹脂であることが好ましい。
 フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは 炭素数1~10、より好ましくは炭素数1~4)は、少 くとも1つの水素原子がフッ素原子で置換さ れた直鎖又は分岐アルキル基であり、さらに 他の置換基を有していてもよい。
 フッ素原子を有するシクロアルキル基は、 なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換 された単環または多環のシクロアルキル基で あり、さらに他の置換基を有していてもよい 。
 フッ素原子を有するアリール基としては、 ェニル基、ナフチル基などのアリール基の なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換 されたものが挙げられ、さらに他の置換基を 有していてもよい。

 フッ素原子を有するアルキル基、フッ素 子を有するシクロアルキル基、または、フ 素原子を有するアリール基として、好まし は、下記一般式(F2)~(F4)で表される基を挙げ ことができるが、本発明は、これに限定さ るものではない。

 一般式(F2)~(F4)中、
 R 57 ~R 68 は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子 又はアルキル基を表す。但し、R 57 ~R 61 、R 62 ~R 64 およびR 65 ~R 68 の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少 くとも1つの水素原子がフッ素原子で置換さ たアルキル基(好ましくは炭素数1~4)を表す R 57 ~R 61 及びR 65 ~R 67 は、全てがフッ素原子であることが好ましい 。R 62 、R 63 及びR 68 は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子 置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1~4) が好ましく、炭素数1~4のパーフルオロアルキ ル基であることがさらに好ましい。R 62 とR 63 は、互いに連結して環を形成してもよい。

 一般式(F2)で表される基の具体例としては、 例えば、p-フルオロフェニル基、ペンタフル ロフェニル基、3,5-ジ(トリフルオロメチル) ェニル基等が挙げられる。
 一般式(F3)で表される基の具体例としては、 トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロ ピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフ ルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピ ル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキ サフルオロ(2-メチル)イソプロピル基、ノナ ルオロブチル基、オクタフルオロイソブチ 基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオ -t-ブチル基、パーフルオロイソペンチル基 パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(ト メチル)ヘキシル基、2,2,3,3-テトラフルオロ クロブチル基、パーフルオロシクロヘキシ 基などが挙げられる。ヘキサフルオロイソ ロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基 ヘキサフルオロ(2-メチル)イソプロピル基、 オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ -t-ブチル基、パーフルオロイソペンチル基が 好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基、 ヘプタフルオロイソプロピル基が更に好まし い。
 一般式(F4)で表される基の具体例としては、 例えば、-C(CF 3 ) 2 OH、-C(C 2 F 5 ) 2 OH、-C(CF 3 )(CH 3 )OH、-CH(CF 3 )OH等が挙げられ、-C(CF 3 ) 2 OHが好ましい。

 以下、フッ素原子を有する繰り返し単位の 体例を示すが、本発明は、これに限定され ものではない。
 具体例中、X 1 は、水素原子、-CH 3 、-F又は-CF 3 を表す。
 X 2 は、-F又は-CF 3 を表す。

 疎水性樹脂(HR)は、珪素原子を有する部分構 造として、アルキルシリル構造(好ましくは リアルキルシリル基)、または環状シロキサ 構造を有する樹脂であることが好ましい。
 アルキルシリル構造、または環状シロキサ 構造としては、具体的には、下記一般式(CS- 1)~(CS-3)で表される基などが挙げられる。

 一般式(CS-1)~(CS-3)に於いて、
 R 12 ~R 26 は、各々独立に、直鎖もしくは分岐アルキル 基(好ましくは炭素数1~20)またはシクロアルキ ル基(好ましくは炭素数3~20)を表す。
 L 3 ~L 5 は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連 基としては、アルキレン基、フェニル基、 ーテル基、チオエーテル基、カルボニル基 エステル基、アミド基、ウレタン基、また ウレア基よりなる群から選択される単独あ いは2つ以上の基の組み合わせを挙げられる 。
 nは、1~5の整数を表す。

 以下、珪素原子を有する繰り返し単位の具 例を挙げるが、本発明は、これに限定され ものではない。
 具体例中、X 1 は、水素原子、-CH 3 、-F又は-CF 3 を表す。

 更に、疎水性樹脂(HR)は、下記(x)~(z)の群か 選ばれる基を少なくとも1つを有していても い。
 (x)アルカリ可溶性基、
 (y)アルカリ現像液の作用により分解し、ア カリ現像液中での溶解度が増大する基、
 (z)酸の作用により分解する基。

 (x)アルカリ可溶性基としては、フェノール 水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコー 基、スルホン酸基、スルホンアミド基、ス ホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(ア キルカルボニル)メチレン基、(アルキルス ホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビ (アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(ア キルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルス ルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホ ル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル) チレン基、トリス(アルキルスルホニル)メ レン基を有する基等が挙げられる。
 好ましいアルカリ可溶性基としては、フッ 化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロ イソプロパノール)、スルホンイミド基、ビ (カルボニル)メチレン基が挙げられる。

 アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位 しては、アクリル酸、メタクリル酸による り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アル リ可溶性基が結合している繰り返し単位、 るいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカ 可溶性基が結合している繰り返し単位、さ にはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤 連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の 端に導入、のいずれも好ましい。
 アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位 含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に し、1~50mol%が好ましく、より好ましくは3~35m ol%、更に好ましくは5~20mol%である。

 アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単 の具体例を以下に示すが、本発明は、これ 限定されるものではない。

 (y)アルカリ現像液の作用により分解し、ア カリ現像液中での溶解度が増大する基とし は、例えば、ラクトン構造を有する基、酸 水物、酸イミド基などが挙げられ、好まし はラクトン基である。
 アルカリ現像液の作用により分解し、アル リ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有 る繰り返し単位としては、アクリル酸エス ル、メタクリル酸エステルによる繰り返し 位のように、樹脂の主鎖にアルカリ現像液 作用により分解し、アルカリ現像液中での 解度が増大する基(y)が結合している繰り返 単位、あるいはアルカリ現像液中での溶解 が増大する基(y)を有する重合開始剤や連鎖 動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に 入、のいずれも好ましい。
 アルカリ現像液中での溶解度が増大する基( y)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマ 中の全繰り返し単位に対し、1~40mol%が好ま く、より好ましくは3~30mol%、更に好ましくは 5~15mol%である。

 アルカリ現像液中での溶解度が増大する (y)を有する繰り返し単位の具体例としては (B)成分の樹脂で挙げたラクトン構造を有す 繰り返し単位と同様のものを挙げることが きる。

 疎水性樹脂(HR)に於ける、酸の作用により 分解する基(z)を有する繰り返し単位は、(B)成 分の樹脂で挙げた酸分解性基を有する繰り返 し単位と同様のものが挙げられる。疎水性樹 脂(HR)に於ける、酸の作用により分解する基(z )を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマ 中の全繰り返し単位に対し、1~80mol%が好まし く、より好ましくは10~80mol%、更に好ましくは 20~60mol%である。

 疎水性樹脂(HR)は、更に、下記一般式(III) 表される繰り返し単位を有していてもよい

 一般式(III)に於いて、
 R 4 は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケ ニル基、シクロアルケニル基を有する基を表 す。
 L 6 は、単結合又は2価の連結基を表す。

 一般式(III)に於ける、R 4 のアルキル基は、炭素数3~20の直鎖若しくは 岐状アルキル基が好ましい。
 シクロアルキル基は、炭素数3~20のシクロア ルキル基が好ましい。
 アルケニル基は、炭素数3~20のアルケニル基 が好ましい。
 シクロアルケニル基は、炭素数3~20のシクロ アルケニル基が好ましい。
 L 6 の2価の連結基は、アルキレン基(好ましくは 素数1~5)、オキシ基が好ましい。

 疎水性樹脂(HR)がフッ素原子を有する場合、 フッ素原子の含有量は、疎水性樹脂(HR)の分 量に対し、5~80質量%であることが好ましく、 10~80質量%であることがより好ましい。また、 フッ素原子を含む繰り返し単位が、疎水性樹 脂(HR)中10~100質量%であることが好ましく、30~1 00質量%であることがより好ましい。
 疎水性樹脂(HR)が珪素原子を有する場合、珪 素原子の含有量は、疎水性樹脂(HR)の分子量 対し、2~50質量%であることが好ましく、2~30 量%であることがより好ましい。また、珪素 子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(HR)中 10~100質量%であることが好ましく、20~100質量% あることがより好ましい。

 疎水性樹脂(HR)の標準ポリスチレン換算の 重量平均分子量は、好ましくは1,000~100,000で より好ましくは1,000~50,000、更により好まし は2,000~15,000である。

 疎水性樹脂(HR)は、(B)成分の樹脂同様、金 属等の不純物が少ないのは当然のことながら 、残留単量体やオリゴマー成分が0~10質量%で ることが好ましく、より好ましくは0~5質量% 、0~1質量%が更により好ましい。それにより 液中異物や感度等の経時変化のないレジス が得られる。また、解像度、レジスト形状 レジストパターンの側壁、ラフネスなどの から、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は 1~5の範囲が好ましく、より好ましくは1~3、 らに好ましくは1~2の範囲である。

 疎水性樹脂(HR)は、各種市販品を利用する こともできるし、常法に従って(例えばラジ ル重合)合成することができる。例えば、一 的合成方法としては、モノマー種および開 剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより 合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー と開始剤の溶液を1~10時間かけて滴下して加 える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法 が好ましい。反応溶媒としては、例えばテト ラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジイソプ ピルエーテルなどのエーテル類やメチルエ ルケトン、メチルイソブチルケトンのよう ケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶 、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト ミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプ ピレングリコールモノメチルエーテルアセ ート、プロピレングリコールモノメチルエ テル、シクロヘキサノンのような本発明の 成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好 しくは本発明のポジ型レジスト組成物に用 られる溶剤と同一の溶剤を用いて重合する とが好ましい。これにより保存時のパーテ クルの発生が抑制できる。

 重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガ 雰囲気下で行われることが好ましい。重合 始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系 開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合 開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ 開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基 カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好 しい。好ましい開始剤としては、アゾビス ソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレ ニトリル、ジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプ ロピオネート)などが挙げられる。反応の濃 は5~50質量%であり、好ましくは30~50質量%であ る。反応温度は、通常10℃~150℃であり、好ま しくは30℃~120℃、さらに好ましくは60~100℃で ある。

 反応終了後、室温まで放冷し、精製する 精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせる とにより残留単量体やオリゴマー成分を除 する液々抽出法、特定の分子量以下のもの みを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態で 精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下する とで樹脂を貧溶媒中に凝固させることによ 残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別し 樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体 態での精製方法等の通常の方法を適用でき 。たとえば、上記樹脂が難溶あるいは不溶 溶媒(貧溶媒)を、該反応溶液の10倍以下の体 積量、好ましくは10~5倍の体積量で、接触さ ることにより樹脂を固体として析出させる

 ポリマー溶液からの沈殿又は再沈殿操作 際に用いる溶媒(沈殿又は再沈殿溶媒)とし は、該ポリマーの貧溶媒であればよく、ポ マーの種類に応じて、炭化水素、ハロゲン 炭化水素、ニトロ化合物、エーテル、ケト 、エステル、カーボネート、アルコール、 ルボン酸、水、これらの溶媒を含む混合溶 等の中から適宜選択して使用できる。これ の中でも、沈殿又は再沈殿溶媒として、少 くともアルコール(特に、メタノールなど)ま たは水を含む溶媒が好ましい。

 沈殿又は再沈殿溶媒の使用量は、効率や 率等を考慮して適宜選択できるが、一般に 、ポリマー溶液100質量部に対して、100~10000 量部、好ましくは200~2000質量部、さらに好 しくは300~1000質量部である。

 沈殿又は再沈殿する際の温度としては、 率や操作性を考慮して適宜選択できるが、 常0~50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20 ~35℃程度)である。沈殿又は再沈殿操作は、 拌槽などの慣用の混合容器を用い、バッチ 、連続式等の公知の方法により行うことが きる。

 沈殿又は再沈殿したポリマーは、通常、 過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、 燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性 濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる 乾燥は、常圧又は減圧下(好ましくは減圧下 )、30~100℃程度、好ましくは30~50℃程度の温度 で行われる。

 尚、一度、樹脂を析出させて、分離した に、再び溶媒に溶解させ、該樹脂が難溶あ いは不溶の溶媒と接触させてもよい。即ち 上記ラジカル重合反応終了後、該ポリマー 難溶あるいは不溶の溶媒を接触させ、樹脂 析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工 程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製 (工程c)、その後、該樹脂溶液Aに、該樹脂が 溶あるいは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍 満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で 接触させることにより樹脂固体を析出させ( 程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)こと 含む方法でもよい。

 以下に疎水性樹脂(HR)の具体例を示す。ま た、下記表1に、各樹脂における繰り返し単 のモル比(各繰り返し単位と左から順に対応) 、重量平均分子量、分散度を示す。

 本発明のポジ型レジスト組成物によるレジ ト膜と液浸液との間には、レジスト膜を直 、液浸液に接触させないために、液浸液難 性膜(以下、「トップコート」ともいう)を けてもよい。トップコートに必要な機能と ては、レジスト上層部への塗布適正、放射 、特に193nmに対する透明性、液浸液難溶性で ある。トップコートは、レジストと混合せず 、さらにレジスト上層に均一に塗布できるこ とが好ましい。
 トップコートは、193nm透明性という観点か は、芳香族を豊富に含有しないポリマーが ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、 クリル酸エステルポリマー、ポリメタクリ 酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマ などが挙げられる。前述の疎水性樹脂(HR)は ップコートとしても好適なものである。ト プコートから液浸液へ不純物が溶出すると 学レンズを汚染するという観点からは、ト プコートに含まれるポリマーの残留モノマ 成分は少ない方が好ましい。

 トップコートを剥離する際は、現像液を使 してもよいし、別途剥離剤を使用してもよ 。剥離剤としては、レジスト膜への浸透が さい溶剤が好ましい。剥離工程がレジスト の現像処理工程と同時にできるという点で 、アルカリ現像液により剥離できることが ましい。アルカリ現像液で剥離するという 点からは、トップコートは酸性が好ましい 、レジスト膜との非インターミクス性の観 から、中性であってもアルカリ性であって よい。
 トップコートと液浸液との間には屈折率の がない方が、解像力が向上する。ArFエキシ レーザー(波長:193nm)において、液浸液とし 水を用いる場合には、ArF液浸露光用トップ ートは、液浸液の屈折率に近いことが好ま い。屈折率を液浸液に近くするという観点 らは、トップコート中にフッ素原子を有す ことが好ましい。また、透明性・屈折率の 点から薄膜の方が好ましい。

 トップコートは、レジスト膜と混合せず さらに液浸液とも混合しないことが好まし 。この観点から、液浸液が水の場合には、 ップコートに使用される溶剤は、ポジ型レ スト組成物に使用される溶媒に難溶で、か 非水溶性の媒体であることが好ましい。さ に、液浸液が有機溶剤である場合には、ト プコートは水溶性であっても非水溶性であ てもよい。

 本発明に於いて、二重露光プロセスとは 特開2002-75857号公報に記載されているように 、同一のフォトレジスト膜上に二回露光を行 うプロセスで、露光フィールド内のパターン を二群のパターン群に分割し、分割した各群 のパターンを2回に分けて露光する方法であ 。具体的な分割の方法は、図1に示すように 例えば60nmライン180nmスペースのパターンを 120nmずらしたマスクを2つ用いて2回露光する ことにより、60nmの1:1のラインアンドスペー のパターンを形成させる。一般的にパター のピッチ(60nm の1:1のラインアンドスペース ターンではピッチは120nm)が狭くなるほど光 的な解像度は減少するが、二重露光では分 したそれぞれのパターンでは元のパターン りも2倍のピッチとなり、解像度が向上する ことになる。

 本発明のポジ型レジスト組成物は、多層レ ストプロセス(特に3層レジストプロセス)に 用してもよい。多層レジスト法は、以下の ロセスを含むものである。
 (a) 被加工基板上に有機材料からなる下層 ジスト層を形成する。
 (b) 下層レジスト層上に中間層及び放射線 射で架橋もしくは分解する有機材料からな 上層レジスト層を順次積層する。
 (c) 該上層レジスト層に所定のパターンを 成後、中間層、下層及び基板を順次エッチ グする。
 中間層としては、一般にオルガノポリシロ サン(シリコーン樹脂)あるいはSiO 2 塗布液(SOG)が用いられる。下層レジストとし は、適当な有機高分子膜が用いられるが、 種公知のフォトレジストを使用してもよい たとえば、フジフイルムアーチ社製FHシリ ズ、FHiシリーズ或いは住友化学社製PFIシリ ズの各シリーズを例示することができる。
 下層レジスト層の膜厚は、0.1~4.0μmであるこ とが好ましく、より好ましくは0.2~2.0μmであ 、特に好ましくは0.25~1.5μmである。0.1μm以上 とすることは、反射防止や耐ドライエッチン グ性の観点で好ましく、4.0μm以下とすること はアスペクト比や、形成した微細パターンの パターン倒れの観点で好ましい。

 以下、本発明を実施例により更に詳細に 明するが、本発明の内容がこれにより限定 れるものではない。

 合成例1(化合物(I-5)の合成) 
 2-アダマンチル-2-プロパノール(2-adamantyl-2-pr opanol) 10.00g (51.5mmol)とN,N-ジメチルアミノピ ジン(N,N-dimethylaminopyridine)503mg (4.12mmol) をテ ラヒドロフラン(THF)80mLに溶解させ、これを 素気流下0℃に冷却した。この溶液にジケテ ン(diketene)8.65g(103mmol)をTHF80mLに溶解させた溶 を0.5時間かけて滴下し、その後0℃で1時間反 応させた。酢酸エチル200 mLを加え、有機層 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、水2回 で順次洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムによ って乾燥した。溶媒を濃縮後、残渣をカラム クロマトグラフィー(SiO2, ヘキサン/酢酸エチ ル = 4/1)により精製して無色透明オイルの2- ダマンチルプロパン-2-イル 3-オキソブタノ エート(2-adamantylpropan-2-yl 3-oxobutanoate) 13.5gを た。このオイル15.85g (56.9mmol)をTHF40mLに溶解 させ、水素化ナトリウム(NaH) 2.28g (60wt%, 56.9 mmol)とTHF80mLの懸濁液に0℃で0.5時間かけて滴 した。0.5時間攪拌後、ヨウ化メチル(MeI) 8.08 g (56.9mmol)とTHF20mLの溶液を0.5時間かけて滴下 た。0℃で0.5時間攪拌し、更に25℃で5時間攪 拌した。酢酸エチル200 mLを加え、有機層を 和食塩水で2回、水2回で順次洗浄し、有機層 を硫酸ナトリウムによって乾燥した。溶媒を 濃縮して無色透明オイルの2-アダマンチルプ パン-2-イル 2-メチル-3-オキソブタノエート (2-adamantylpropan-2-yl 2-methyl-3-oxobutanoate) 16.0gを た。このオイル17.48g(59.8mmol)にホルマリン水 溶液48.5gを加え0℃に冷却し、炭酸カリウム8.2 6gを加え0℃で1時間攪拌し、更に25℃で2時間 拌した。酢酸エチル200 mLを加え、有機層を 和亜硫酸水素ナトリウム水溶液で3回、水2 で順次洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムに って乾燥した。溶媒を濃縮後、残渣をヘキ ンから再結晶して白色固体の2-アダマンチル プロパン-2-イル 2-(ヒドロキシメチル)-2-メチ ル-3-オキソブタノエート(2-adamantylpropan-2-yl 2- (hydroxymethyl)-2-methyl-3-oxobutanoate) 15.40gを得た。 この固体6.0g(18.6mmom)をピリジン20mLに溶解して 0℃に冷却し、p-トルエンスルホニルクロリド (p-Toluenesulfonyl chloride) 4gを加え、0℃で2時間 拌後、80℃で6時間攪拌した。酢酸エチル200 mLを加え、有機層を飽和塩化アンモニウム水 溶液で3回、水2回で順次洗浄し、有機層を硫 ナトリウムによって乾燥した。残渣をカラ クロマトグラフィー(SiO2, ヘキサン/酢酸エ ル = 4/1)により精製して白色固体の目的化 物(I-5)3.54gを得た。
 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.40(s, 3H), 1.41(s, 3H ), 1.43(s, 3H), 1.52(bs, 6H), 1.54-1.70(m, 6H), 1.96( bs, 3H), 2.13(s, 3H), 2.45(s, 3H), 4.29(s, 2H), 7.34 (d,2H), 7.77(d,2H)

 合成例2(化合物(I-6)の合成)
 同様にして化合物(I-6)を無色透明オイルと て得た。
 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.88-1.25(m, 5H), 1.37(s , 3H), 1.39(s, 3H), 1.40(s,3H), 1.62-1.76(m, 6H), 2.1 4(s, 3H), 2.45(s, 3H), 4.28(AB quartet, 2H), 7.35(d,2 H), 7.77(d,2H)

 合成例3(化合物(I-7)の合成)
 同様にして化合物(I-7)を無色透明オイルと て得た。
 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.86-1.130(m, 6H), 1.03- 1.27(m, 5H), 1.43(s, 3H), 1.64-1.91(m, 10H), 2.17(s,  3H), 2.45(s, 3H), 4.30(AB quartet, 2H), 7.34(d,2H), 7 .77(d,2H)

 合成例4(化合物(I-9)の合成)
 化合物(I-5)と同様にして化合物(I-9)を白色固 体として得た。
 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.44(s, 3H), 1.56(s, 2H ), 1.57(s, 3H), 1.69-1.94(m,10H), 2.17(s, 3H), 2.24(bs , 2H), 2.45(s, 3H),4.33(AB quartet, 2H), 7.34(d,2H),  7.76(d,2H)

 合成例5(化合物(I-10)の合成)
 化合物(I-5)と同様にして化合物(I-10)を無色 明オイルとして得た。
 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.77(t, 3H), 1.54(s, 3H ), 1.70(bs, 6H), 1.80-1.83(m,8H), 2.14(q, 2H), 2.21(s,  3H), 2.45(s, 3H),4.35(AB quartet, 2H), 7.34(d,2H), 7 .76(d,2H)

 合成例6(化合物(I-30)の合成)
 化合物(I-5)と同様にして化合物(I-30)を無色 明オイルとして得た。
 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.83(t, 3H), 1.57(s, 3H ), 1.62(m, 7H), 1.94-1.96(m,3H), 2.15(s, 3H), 2.45(s, 3H), 4.29(s, 2H), 7.34(d,2H), 7.76(d,2H)

 合成例7(化合物(I-31)の合成)
 マロン酸メチルt-ブチル(t-butyl methyl malonate ) 9.91g (95%, 56.9mmol)をテトラヒドロフラン(THF )120mLに溶解させ、水素化ナトリウム(NaH) 2.28g  (60wt%,56.9mmol)とTHF120mLの懸濁液に0℃で0.5時間 かけて滴下した。0.5時間攪拌後、ヨウ化メチ ル(MeI) 8.08g (56.9mmol)とTHF20mLの溶液を0.5時間 けて滴下した。0℃で0.5時間攪拌し、更に25 で5時間攪拌した。酢酸エチル200 mLを加え、 有機層を飽和食塩水で2回、水2回で順次洗浄 、有機層を硫酸ナトリウムによって乾燥し 。溶媒を濃縮して無色透明オイルの1-t-ブチ ル 3-メチル 2-メチルマロネート(1-t-butyl 3-me thyl 2-methylmalonate) 13.0gを得た。このオイル13. 0gにホルマリン水溶液45.9gを加え0℃に冷却し 炭酸カリウム7.81gを加え0℃で1時間攪拌し、 更に25℃で3時間攪拌した。酢酸エチル200 mL 加え、有機層を飽和亜硫酸水素ナトリウム 溶液で3回、水2回で順次洗浄し、有機層を硫 酸ナトリウムによって乾燥した。溶媒を濃縮 し、残渣をピリジン50mLに溶解して0℃に冷却 、p-トルエンスルホニルクロリド(p-Toluenesulf onyl chloride) 21.7gを加え、0℃で2時間攪拌後、 60℃で4時間攪拌した。酢酸エチル200 mLを加 、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で3 、水2回で順次洗浄し、有機層を硫酸ナトリ ウムによって乾燥した。残渣をカラムクロマ トグラフィー(SiO 2 , ヘキサン/酢酸エチル = 4/1)により精製し 無色透明オイルの目的化合物(I-31)15.8gを得た 。
 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.40(s, 9H), 1.43(s, 3H ), 2.45(s, 3H), 3.67(s, 3H),4.30(s, 2H), 7.36(d,2H),  7.77(d,2H)

 合成例8(化合物(I-32)の合成)
 2-メチルマロン酸(2-methylmalonic acid)4.29g (36.4 mmol)、t-ブチルアルコール 8.09g (109mmol)をア トニトリル80mLに溶解させ、これにジシクロ キシルカルボジイミド(Dicyclohexylcarbodiimide)15 .0g (72.7mmol) をアセトニトリル70mLに溶解させ た溶液を0℃で0.5時間かけて滴下した。0.5時 攪拌後、ヨウ化メチル(MeI) 8.08g (56.9mmol)とTH F20mLの溶液を0.5時間かけて滴下した。0℃で0.5 時間攪拌し、更に25℃で3時間攪拌した。析出 固体をろ過し、ろ液を濃縮し、残渣にホルマ リン水溶液40gを加え0℃に冷却し、炭酸カリ ム15gを加え0℃で1時間攪拌し、更に50℃で2時 間攪拌した。酢酸エチル200 mLを加え、有機 を飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液で3回、 2回で順次洗浄し、有機層を硫酸ナトリウム によって乾燥した。溶媒を濃縮し、残渣をピ リジン20mLに溶解して0℃に冷却し、p-トルエ スルホニルクロリド(p-Toluenesulfonyl chloride) 1 0.4gを加え、0℃で2時間攪拌後、50℃で4時間攪 拌した。酢酸エチル200 mLを加え、有機層を 和塩化アンモニウム水溶液で3回、水2回で順 次洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムによって 乾燥した。残渣をカラムクロマトグラフィー (SiO 2 , ヘキサン/酢酸エチル = 4/1)により精製し 白色プレート状結晶の目的化合物(I-32)4.51gを 得た。
 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.37(s, 3H), 1.41(s, 18 H), 2.45(s, 3H),4.26(s, 2H),7.36(d,2H), 7.77(d,2H)

 合成例9(化合物(I-33)の合成)
 化合物(I-32)と同様にして化合物(I-33)を白色 状結晶として得た。
 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.40(s, 3H), 1.41(s, 12H) ,1.55-1.70(m, 24H), 1.97(bs, 6H), 2.44(s, 3H), 4.28(s,  2H), 7.33(d,2H), 7.76(d,2H)

 合成例10(化合物(I-34)の合成)
 化合物(I-32)と同様にして化合物(I-34)を白色 晶として得た。
 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ0.89(t, 6H), 1.30(s, 3H), 1.55(q, 4H), 1.67-1.72(m, 20H), 1.82-1.85(m, 8H), 2.45 (s, 3H), 4.36(s, 2H), 7.33(d,2H), 7.77(d,2H)

 他の酸増殖剤も同様にして合成した。

 実施例で用いた(B)成分の樹脂(1)~(23)につ て、それぞれの合成に使用したモノマー、 成比、重量平均分子量、分散度を下記表2~3 示す。

 実施例1~31及び比較例1~5
 <レジスト調製>
 下記表4に示す成分を溶剤に溶解させ、それ ぞれについて固形分濃度5質量%の溶液を調製 、これを0.1μmのポアサイズを有するポリエ レンフィルターで濾過してポジ型レジスト 成物を調製した。調製したポジ型レジスト 成物を下記の方法で評価し、結果を表4に示 した。表における各成分について、複数使用 した場合の比は質量比である。
 尚、表4に於いて、ポジ型レジスト組成物が 疎水性樹脂(HR)を含有している場合、その添 形態を「添加」と標記した。ポジ型レジス 組成物が疎水性樹脂(HR)を含有せず、レジス 膜を形成後、その上層に疎水性樹脂(HR)を含 有するトップコート保護膜を形成させた場合 、その添加形態を「TC」と標記した。

 画像性能試験
 (露光条件(1)通常のドライ露光)
 シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A( 日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベー クを行い、膜厚78nmの反射防止膜を形成した その上に調製したポジ型レジスト組成物を 布し、130℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120 nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハ ArFエキシマレーザースキャナー(ASML社製 PAS 5500/1100、NA0.75)を用い、65nm1:1ラインアンドス ースパターンの6%ハーフトーンマスクを通 て露光した。その後130℃で、60秒間加熱した 後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキ サイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水 でリンスした後、スピン乾燥してレジストパ ターンを得た。

 (露光条件(2)通常の液浸露光)
 シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A( 日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベー クを行い、膜厚78nmの反射防止膜を形成した その上に調製したポジ型レジスト組成物を 布し、130℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120 nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハ をArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML 製 PAS5500/1250i、NA0.85)を用い、65nm1:1ラインア ンドスペースパターンの6%ハーフトーンマス を通して露光した。液浸液としては超純水 使用した。その後130℃で、60秒間加熱した 、テトラメチルアンモニウムハイドロオキ イド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水 リンスした後、スピン乾燥してレジストパ ーンを得た。

 (露光条件(3)ドライ二重露光)
 シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A( 日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベー クを行い、膜厚78nmの反射防止膜を形成した その上に調製したポジ型レジスト組成物を 布し、130℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120 nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハ をArFエキシマレーザースキャナー(ASML社製  PAS5500/1100、NA0.75)を用い、60nmスペース180nmラ ンパターンの6%ハーフトーンマスクを通して 第一の露光を行い、更に第一のマスクと同じ パターンで、マスクの位置を第一の露光のス ペースとスペースの中間にスペースが配置さ れるように、120nmずらして第二の露光を行っ 。その後130℃で、60秒間加熱した後、テト メチルアンモニウムハイドロオキサイド水 液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンス た後、スピン乾燥してレジストパターンを た。

 (露光条件(4)液浸二重露光)
 シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A( 日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベー クを行い、膜厚78nmの反射防止膜を形成した その上に調製したポジ型レジスト組成物を 布し、130℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120 nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハ をArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML 製 PAS5500/1250i、NA0.85)を用い、50nmスペース150 nmラインパターンの6%ハーフトーンマスクを して第一の露光を行い、更に第一のマスク 同じパターンで、マスクの位置を第一の露 のスペースとスペースの中間にスペースが 置されるように、100nmずらして第二の露光を 行った。液浸液としては超純水を使用した。 その後130℃で、60秒間加熱した後、テトラメ ルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液( 2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした 、スピン乾燥してレジストパターンを得た

 疎水性樹脂(HR)の添加形態が「TC」である時 、レジスト膜を形成後、下記の操作を行っ 。
 <トップコートの形成方法>
 上記レジスト膜上に表4に示す疎水性樹脂(HR )を溶剤に溶解させ、スピンコーターにより 布し、ウェハーを115℃60秒加熱乾燥して膜厚 0.05μmのトップコート層を形成させた。この トップコート塗布ムラを観察し、塗布ムラ く均一に塗布されていることを確認した。
 溶剤の略号は次のとおりである。
 SL-1;2-エチルブタノール
 SL-2;パーフルオロブチルテトラヒドロフラ

 パターン形状:
 パターン形状を走査型顕微鏡(((株)日立製作 所S-4800))により観察し、矩形の形状を○、そ 以外を×とした。
 LER:
 ラインパターンの長手方向のエッジ5μmの範 囲について、エッジがあるべき基準線からの 距離を測長SEM((株)日立製作所製S-8840)により50 ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出 した。値が小さいほど良好な性能であること を示す。

 表中おける記号は次の通りである。

 〔塩基性化合物〕
 DIA:2,6-ジイソプロピルアニリン
 TBAH:テトラブチルアンモニウムヒドロキシ
 TMEA:トリス(メトキシエトキシエチル)アミン
 PEA:N-フェニルジエタノールアミン
 TOA:トリオクチルアミン
 PBI:2-フェニルベンゾイミダゾール 

 〔界面活性剤〕
 W-1:メガファックF176(大日本インキ化学工業( 株)製)(フッ素系) 
 W-2:メガファックR08(大日本インキ化学工業( )製)(フッ素及びシリコン系) 
 W-4:トロイゾルS-366(トロイケミカル(株)製) 
 W-5:PF656(OMNOVA社製、フッ素系) 
 W-6:PF6320(OMNOVA社製、フッ素系) 

 〔溶剤〕
 A1:プロピレングリコールモノメチルエーテ アセテート
 A3:シクロヘキサノン
 B1:プロピレングリコールモノメチルエーテ
 B2:乳酸エチル

 〔溶解阻止化合物〕
 LCB:リトコール酸t-ブチル

 表4における結果より、本発明のポジ型レ ジスト組成物は、通常露光(ドライ露光)のみ らず液浸露光においても、パターン形状、L ERが良好であり、且つ、二重露光においても ターン形状、LERが良好であることがわかる

 合成例11(化合物(II-6)合成) 
 1-p-トリルエタノール(1-p-tolylethanol) 7.01g (51 .5mmol)とN,N-ジメチルアミノピリジン(N,N-dimethyl aminopyridine)503mg (4.12mmol) をテトラヒドロフラ ン(THF)80mLに溶解させ、これを窒素気流下0℃ 冷却した。この溶液にジケテン(diketene)8.65g(1 03mmol)をTHF80mLに溶解させた溶液を0.5時間かけ 滴下し、その後0℃で1時間反応させた。酢 エチル200 mLを加え、有機層を飽和炭酸水素 トリウム水溶液で2回、水2回で順次洗浄し 有機層を硫酸ナトリウムによって乾燥した 溶媒を濃縮後、残渣をカラムクロマトグラ ィー(SiO2, ヘキサン/酢酸エチル = 4/1)によ 精製して無色透明オイルの1-1-p-トリルエチ 3-オキソブタノエート(1-p-tolylethyl 3-oxobutanoat e) 8.9gを得た。このオイル12.4g (56.3mmol)をTHF40 mLに溶解させ、NaH 2.25g (60wt%, 56.3mmol)とTHF80mL の懸濁液に0℃で0.5時間かけて滴下した。0.5 間攪拌後、MeI 7.99g (56.3mmol)とTHF20mLの溶液を 0.5時間かけて滴下した。0℃で0.5時間攪拌し 更に25℃で5時間攪拌した。酢酸エチル200 mL 加え、有機層を飽和食塩水で2回、水2回で 次洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムによっ 乾燥した。溶媒を濃縮して無色透明オイル 1-p-トリルエチル2-メチル-3-オキソブタノエ ト(1-p-tolylethyl 2-methyl-3-oxobutanoate) 12.0gを得 。このオイル13.23g(56.5mmol)にホルマリン水溶 45.9gを加え0℃に冷却し、炭酸カリウム7.81g 加え0℃で1時間攪拌し、更に25℃で2時間攪拌 した。酢酸エチル200 mLを加え、有機層を飽 亜硫酸水素ナトリウム水溶液で3回、水2回で 順次洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムによっ て乾燥した。溶媒を濃縮後、無色透明オイル の1-p-トリルエチル2-(ヒドロキシメチル)-2-メ ル-3-オキソブタノエート(1-p-tolylethyl 2-(hydro xymethyl)-2-methyl-3-oxobutanoate)13.4gを得た。このオ イル6.0g(22.7mmom)をピリジン20mLに溶解して0℃ 冷却し、p-トルエンスルホニルクロライド(p- Toluenesulfonyl chloride) 13.0gを加え、0℃で2時間 拌後、80℃で6時間攪拌した。酢酸エチル200 mLを加え、有機層を飽和塩化アンモニウム水 溶液で3回、水2回で順次洗浄し、有機層を硫 ナトリウムによって乾燥した。残渣をカラ クロマトグラフィー(SiO2, ヘキサン/酢酸エ ル = 4/1)により精製して、無色透明の油状 としてジアステレオマー混合物の目的化合 (II-6)5.17gを得た。
 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.40, 1.43(s, 3H), 1.47 , 1.51(s, 3H), 2.04(s, 3H), 2.33, 2.44(s, 3H), 2.44,  2.45(s, 3H), 4.26-4.39(m, 2H), 5.86(m, 1H), 7.13-7.1 8(m, 4H), 7.28,7.34(b, 2H), 7.69, 7.75(d,2H)

 他の酸増殖剤も同様にして合成した。

 実施例で用いた(B)成分の樹脂(1a)~(23a)につ いて、それぞれの合成に使用したモノマー、 組成比、重量平均分子量、分散度を下記表5~6 に示す。

 実施例32~54及び比較例6~10
 <レジスト調製>
 下記表7~8に示す成分を溶剤に溶解させ、そ ぞれについて固形分濃度5質量%の溶液を調 し、これを0.1μmのポアサイズを有するポリ チレンフィルターで濾過してポジ型レジス 組成物を調製した。調製したポジ型レジス 組成物を下記の方法で評価し、結果を表7~8 示した。表における各成分について、複数 用した場合の比は質量比である。
 尚、表7~8に於いて、ポジ型レジスト組成物 表面疎水化樹脂(HR)を含有している場合、そ の添加形態を「添加」と標記した。ポジ型レ ジスト組成物が表面疎水化樹脂(HR)を含有せ 、レジスト膜を形成後、その上層に表面疎 化樹脂(HR)を含有するトップコートを形成さ た場合、その添加形態を「TC」と標記した

 画像性能試験
 (露光条件(1)通常のドライ露光)
 シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A( 日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベー クを行い、膜厚78nmの反射防止膜を形成した その上に調製したポジ型レジスト組成物を 布し、130℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120 nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハ ArFエキシマレーザースキャナー(ASML社製 PAS 5500/1100、NA0.75)を用い、65nm1:1ラインアンドス ースパターンの6%ハーフトーンマスクを通 て露光した。その後130℃で、60秒間加熱した 後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキ サイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水 でリンスした後、スピン乾燥してレジストパ ターンを得た。

 (露光条件(2)通常の液浸露光)
 シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A( 日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベー クを行い、膜厚78nmの反射防止膜を形成した その上に調製したポジ型レジスト組成物を 布し、130℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120 nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハ をArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML 製 PAS5500/1250i、NA0.85)を用い、65nm1:1ラインア ンドスペースパターンの6%ハーフトーンマス を通して露光した。液浸液としては超純水 使用した。その後130℃で、60秒間加熱した 、テトラメチルアンモニウムハイドロオキ イド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水 リンスした後、スピン乾燥してレジストパ ーンを得た。

 (露光条件(3)ドライ二重露光)
 シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A( 日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベー クを行い、膜厚78nmの反射防止膜を形成した その上に調製したポジ型レジスト組成物を 布し、130℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120 nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハ をArFエキシマレーザースキャナー(ASML社製  PAS5500/1100、NA0.75)を用い、60nmスペース180nmラ ンパターンの6%ハーフトーンマスクを通して 第一の露光を行い、更に第一のマスクと同じ パターンで、マスクの位置を第一の露光のス ペースとスペースの中間にスペースが配置さ れるように、120nmずらして第二の露光を行っ 。その後130℃で、60秒間加熱した後、テト メチルアンモニウムハイドロオキサイド水 液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンス た後、スピン乾燥してレジストパターンを た。

 (露光条件(4)液浸二重露光)
 シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A( 日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベー クを行い、膜厚78nmの反射防止膜を形成した その上に調製したポジ型レジスト組成物を 布し、130℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120 nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハ をArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML 製 PAS5500/1250i、NA0.85)を用い、50nmスペース150 nmラインパターンの6%ハーフトーンマスクを して第一の露光を行い、更に第一のマスク 同じパターンで、マスクの位置を第一の露 のスペースとスペースの中間にスペースが 置されるように、100nmずらして第二の露光を 行った。液浸液としては超純水を使用した。 その後130℃で、60秒間加熱した後、テトラメ ルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液( 2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした 、スピン乾燥してレジストパターンを得た

 表面疎水化樹脂(HR)の添加形態が「TC」であ 時は、レジスト膜を形成後、下記の操作を った。
 <トップコートの形成方法>
 上記レジスト膜上に表7~8に示す表面疎水化 脂(HR)を溶剤に溶解させ、スピンコーターに より塗布し、ウェハーを115℃60秒加熱乾燥し 膜厚0.05μmのトップコートを形成させた。こ の時トップコート塗布ムラを観察し、塗布ム ラ無く均一に塗布されていることを確認した 。
 溶剤の略号は次のとおりである。
 SL-1;2-エチルブタノール
 SL-2;パーフルオロブチルテトラヒドロフラ

 パターン形状:
 パターン形状を走査型顕微鏡(((株)日立製作 所S-4800))により観察し、矩形の形状を○、そ 以外を×とした。
 パターン倒れ:
 目標寸法のラインアンドスペース1:1のマス パターンを再現する露光量を最適露光量と 、ラインアンドスペース1:1の密集パターン ついて、最適露光量で露光した際により微 なマスクサイズにおいてパターンが倒れず 解像する線幅(nm)を限界パターン倒れ線幅と した。値が小さいほど、より微細なパターン が倒れずに解像することを表し、パターン倒 れが発生しにくいことを示す。

 表中おける記号は次の通りである。

 〔塩基性化合物〕
 DIA:2,6-ジイソプロピルアニリン
 TBAH:テトラブチルアンモニウムヒドロキシ
 TMEA:トリス(メトキシエトキシエチル)アミン
 PEA:N-フェニルジエタノールアミン
 TOA:トリオクチルアミン
 PBI:2-フェニルベンゾイミダゾール 

 〔界面活性剤〕
 W-1:メガファックF176(大日本インキ化学工業( 株)製)(フッ素系) 
 W-2:メガファックR08(大日本インキ化学工業( )製)(フッ素及びシリコン系) 
 W-4:トロイゾルS-366(トロイケミカル(株)製) 
 W-5:PF656(OMNOVA社製、フッ素系) 
 W-6:PF6320(OMNOVA社製、フッ素系) 

 〔溶剤〕
 A1:プロピレングリコールモノメチルエーテ アセテート
 A3:シクロヘキサノン
 B1:プロピレングリコールモノメチルエーテ
 B2:乳酸エチル

 〔溶解阻止化合物〕
 LCB:リトコール酸t-ブチル

 表7~8における結果より、本発明のポジ型 ジスト組成物は、通常露光(ドライ露光)の ならず液浸露光においても、パターン形状 パターン倒れ性能が良好であり、且つ、二 露光においてもパターン形状、パターン倒 性能が良好であることがわかる。

 合成例12(化合物(C-2)合成) 
 1-p-トリルエタノール(1-p-tolylethanol) 7.01g (51 .5mmol)とN,N-ジメチルアミノピリジン(N,N-dimethyl aminopyridine)503mg (4.12mmol) をテトラヒドロフラ ン(THF)80mLに溶解させ、これを窒素気流下0℃ 冷却した。この溶液にジケテン(diketene)8.65g(1 03mmol)をTHF80mLに溶解させた溶液を0.5時間かけ 滴下し、その後0℃で1時間反応させた。酢 エチル200 mLを加え、有機層を飽和炭酸水素 トリウム水溶液で2回、水2回で順次洗浄し 有機層を硫酸ナトリウムによって乾燥した 溶媒を濃縮後、残渣をカラムクロマトグラ ィー(SiO2, ヘキサン/酢酸エチル = 4/1)によ 精製して無色透明オイルの1-1-p-トリルエチ 3-オキソブタノエート(1-p-tolylethyl 3-oxobutanoat e) 8.9gを得た。このオイル12.4g (56.3mmol)をTHF40 mLに溶解させ、NaH 2.25g (60wt%,56.3mmol)とTHF80mL 懸濁液に0℃で0.5時間かけて滴下した。0.5時 攪拌後、MeI 7.99g(56.3mmol)とTHF20mLの溶液を0.5 間かけて滴下した。0℃で0.5時間攪拌し、更 に25℃で5時間攪拌した。酢酸エチル200 mLを え、有機層を飽和食塩水で2回、水2回で順次 洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムによって乾 燥した。溶媒を濃縮して無色透明オイルの1-p -トリルエチル2-メチル-3-オキソブタノエート (1-p-tolylethyl 2-methyl-3-oxobutanoate) 12.0gを得た。 このオイル13.23g(56.5mmol)にホルマリン水溶液45 .9gを加え0℃に冷却し、炭酸カリウム7.81gを加 え0℃で1時間攪拌し、更に25℃で2時間攪拌し 。酢酸エチル200 mLを加え、有機層を飽和亜 硫酸水素ナトリウム水溶液で3回、水2回で順 洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムによって 燥した。溶媒を濃縮後、残渣をヘキサンか 再結晶して白色固体の1-p-トリルエチル2-(ヒ ドロキシメチル)-2-メチル-3-オキソブタノエ ト(1-p-tolylethyl 2-(hydroxymethyl)-2-methyl-3-oxobutanoa te)13.4gを得た。この固体6.0g(22.7mmom)をピリジ 20mLに溶解して0℃に冷却し、p-トルエンスル ニルクロライド(p-Toluenesulfonyl chloride) 13.0g 加え、0℃で2時間攪拌後、80℃で6時間攪拌 た。酢酸エチル200 mLを加え、有機層を飽和 化アンモニウム水溶液で3回、水2回で順次 浄し、有機層を硫酸ナトリウムによって乾 した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2 , ヘキサン/酢酸エチル = 4/1)により精製し 、無色透明の油状物としてジアステレオマ 混合物の目的化合物(C-2)5.17gを得た。
 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.40, 1.43(s, 3H), 1.47 , 1.51(s, 3H), 2.04(s, 3H), 2.33, 2.44(s, 3H), 2.44,  2.45(s, 3H), 4.26-4.39(m, 2H), 5.86(m, 1H), 7.13-7.1 8(m, 4H), 7.28,7.34(b, 2H), 7.69, 7.75(d,2H)

 合成例13(化合物(C-1)合成) 
 同様にして化合物(C-1)を無色透明オイルと て得た。
 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.88-1.25(m, 5H), 1.37(s , 3H), 1.39(s, 3H), 1.40(s,3H), 1.62-1.76(m, 6H), 2.1 4(s, 3H), 2.45(s, 3H), 4.28(AB quartet, 2H), 7.35(d,2 H), 7.77(d,2H)

 合成例14(化合物(C-3)合成) 
 同様にして化合物(C-3)を白色固体として得 。
 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.44(s, 3H), 1.56(s, 2H ), 1.57(s, 3H), 1.69-1.94(m,10H), 2.17(s, 3H), 2.24(bs , 2H), 2.45(s, 3H),4.33(AB quartet, 2H), 7.34(d,2H),  7.76(d,2H)

 以下、実施例で用いた酸分解性樹脂(A-1)~( A-7)について、それぞれの構造、組成比、重 平均分子量、分散度を示す。

 実施例55~74及び比較例11~12
 <レジスト調製>
 下記表9に示した成分を、表9に示した混合 剤に溶解させ、これを0.1μmのポアサイズを するポリテトラフルオロエチレンフィルタ によりろ過して表9に示す全固形分濃度(質量 %)のポジ型レジスト溶液を調製し、下記のと り評価を行った。表9に記載した各成分の濃 度(質量%)は、全固形分を基準とする。界面活 性剤の添加量は、レジスト組成物の全固形分 中0.1質量%である。
 酸分解性樹脂の固形分濃度は、ポジ型レジ ト組成物の全固形分量から酸発生剤、酸増 剤、塩基性化合物、界面活性剤を除いた量 ある。
 <レジスト評価(EB)>
 調製したポジ型レジスト溶液を、スピンコ ターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処 を施したシリコン基板上に均一に塗布し、1 10℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を い、膜厚100nmのレジスト膜を形成させた。
 このレジスト膜を、電子線照射装置((株)日 製作所製HL750、加速電圧50keV)を用いて電子 照射を行った。照射後直ぐに110℃で90秒間ホ ットプレート上て加熱した。更に濃度2.38質 %のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサ ド水溶液を用いて23℃で60秒間現像し、30秒 純水にてリンスした後、乾燥し、ラインア ドスペースパターンを形成し、得られたパ ーンを下記方法で評価した。
 〔感度〕
 得られたパターンの断面形状を走査型電子 微鏡((株)日立製作所製S-9220)を用いて観察し た。100nmライン(ライン:スペース=1:1)を解像す る時の最小照射エネルギーを感度とした。
 〔解像力〕
 上記の感度を示す照射量における限界解像 (ラインとスペースが分離解像)を解像力と た。
 〔ラインエッジラフネス〕
 上記の感度を示す照射量における100nmライ パターンの長さ方向50μmにおける任意の30点 ついて、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所 S-9220)を用いてエッジがあるべき基準線から の距離を測定し、標準偏差を求め、3σを算出 した。
 〔パターン形状〕
 上記の感度を示す照射量における100nmライ パターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株 )日立製作所製S-4300)を用いて観察し、矩形、 やテーパー、テーパーの3段階評価を行った 。

 実施例で用いた酸発生剤、酸増殖剤、塩 性化合物を以下に示す。

 実施例で用いた界面活性剤、溶剤を以下に す。
 W-1:メガファックF176(大日本インキ化学工業( 株)製、フッ素系)
 W-2:メガファックR08(大日本インキ化学工業( )製、フッ素及びシリコン系)
 W-3:ポリシロキサンポリマー(信越化学工業( )製、シリコン系)
 S1:プロピレングリコールモノメチルエーテ アセテート
 S2:プロピレングリコールモノメチルエーテ

 表9から、本発明のポジ型レジスト組成物 は、高感度、高解像性、良好なパターン形状 、良好なラインエッジラフネスを同時に満足 することが明らかである。

 実施例75~79及び比較例13~14
 <レジスト調製>
 下記表10に示した成分を、表10に示した混合 溶剤に溶解させ、これを0.1μmのポアサイズを 有するポリテトラフルオロエチレンフィルタ ーによりろ過して表10に示す全固形分濃度(質 量%)のポジ型レジスト溶液を調製し、下記の おり評価を行った。表10に記載した各成分 濃度(質量%)は、全固形分を基準とする。界 活性剤の添加量は、レジスト組成物の全固 分中0.1質量%である。なお、表10に記載した 面活性剤とは別に、ポリオキシエチレンラ リルエーテルを、レジスト組成物の全固形 に対し0.1質量%添加した。
 酸分解性樹脂の固形分濃度は、ポジ型レジ ト組成物の全固形分量から酸発生剤、酸増 剤、塩基性化合物、界面活性剤を除いた量 ある。
 <レジスト評価(EUV光)>
 調製したポジ型レジスト溶液を、スピンコ ターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処 を施したシリコン基板上に均一に塗布し、1 10℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を い、膜厚100nmのレジスト膜を形成させた。
 このレジスト膜を、EUV露光装置(リソテック ジャパン社製、波長13nm)で照射し、照射後直 に110℃で90秒間ホットプレート上て加熱し 。更に濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニ ウムヒドロオキサイド水溶液を用いて23℃で6 0秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、 乾燥し、ラインアンドスペースパターンを形 成し、得られたパターンを下記方法で評価し た。
 〔感度〕
 得られたパターンの断面形状を走査型電子 微鏡((株)日立製作所製S-9220)を用いて観察し た。100nmライン(ライン:スペース=1:1)を解像す る時の最小照射エネルギーを感度とした。
 〔パターン形状〕
 上記の感度を示す照射量における100nmライ パターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株 )日立製作所製S-4300)を用いて観察し、矩形、 やテーパー、テーパーの3段階評価を行った 。

 表10で使用の各化合物の記号は、表9に於 るものと同様である。

 表10から、本発明のポジ型レジスト組成 は、高感度、良好なパターン形状を同時に 足することが明らかである。

 本発明のポジ型レジスト組成物は、通常露 (ドライ露光)、液浸露光、二重露光に於い 、パターン形状、ラインエッジラフネス、 ターン倒れ性能、感度、解像力が良好であ 。
 また、本発明により、特に電子線、X線又は EUV露光に於いて、高感度、高解像性、良好な パターン形状、良好なラインエッジラフネス を同時に満足する電子線、X線又はEUV光用ポ 型レジスト組成物及びそれを用いたパター 形成方法を提供することができる。
 従って、本発明のポジ型レジスト組成物は IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘ ド等の回路基板の製造、さらにその他のフ トファブリケーション工程、平版印刷版、 硬化性組成物に好適に使用される。
 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照 て説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱 ることなく様々な変更や修正を加えること できることは当業者にとって明らかである
 本出願は、2007年8月10日出願の日本特許出願 (特願2007-209034)、2007年9月21日出願の日本特許 願(特願2007-245331)、2008年1月15日出願の日本 許出願(特願2008-005705)、2008年3月21日出願の日 本出願(特願2008-074740)に基づくものであり、 の内容はここに参照として取り込まれる。