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Patent Searching and Data


Title:
POWER CONVERSION DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/054379
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a power conversion device which can easily generate a carrier while suppressing distortion of an input current waveform. A switch element (Srp) is electrically connected when a carrier (C1) has a value 0 to drt and a switch element (Ssp) is electrically connected when the carrier (C1) has a value drt to 1, so as to divide one cycle (T) of the carrier (C1) into a period (Ts) not smaller than an instruction value and a period (Tr) not greater than the instruction value. The periods (Ts, Tr) are calculated as dst.T and drt.T, respectively. A carrier (C2) of an inverter (2) employs the same one as the carrier (C1) of a converter (1) and the value drt is used as a reference value. An instruction value of the inverter (2) is arranged at each of a side greater than the reference value and a side smaller than the reference value. The period (Ts) during which the carrier (C2) has a value not smaller than the value (drt) is divided with a ratio of d0, d4, d6 while the period (Ts) during which the carrier (C2) has a value not greater than (drt) is divided with a ratio of d0, d4, d6.

Inventors:
SAKAKIBARA KENICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069048
Publication Date:
April 30, 2009
Filing Date:
October 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
SAKAKIBARA KENICHI (JP)
International Classes:
H02M5/45; H02M7/48; H02M7/12
Foreign References:
JP2004222337A2004-08-05
JPH03107373A1991-05-07
JP2006246673A2006-09-14
JP2006352942A2006-12-28
JP2004222337A2004-08-05
JPH0681514A1994-03-22
Other References:
LIXIANG WEI; THOMAS A. LIPO: "A Novel Matrix Converter Topology with Simple Commutation", IEEE IAS, vol. 3, 2001, pages 1749 - 1754
RIE ITOH; ISAO TAKAHASHI: "Decoupling Control of Input and Output Reactive Power of the Matrix Converter", IEEJ TECHNICAL MEETING ON SEMICONDUCTOR POWER CONVERTER, SPC-01-121, 2001
KOJI KATO; JUN-ICHI ITOH: "Improvement of Waveform for a Boost type AC/DC/AC Direct Converter", YEAR 2007 IEEJ NATIONAL CONVENTION 4-098, 2007, pages 153154
KOJI KATO; JUN-ICHI ITOH: "Improvement of Waveform for a Boost type AC/DC/AC Direct Converter Focused on Input Current", YEAR 2007 IEEJ INDUSTRY APPLIED SECTION MEETING 1-31, pages 279 - 282
TAKAHARU TAKESHITA; KOJI TOYAMA; NOBUYUKI MATSUI: "PWM Scheme for Current Source Three-Phase Inverters and Converters", IEEJ TRANSACTIONS ON INDUSTRY APPLICATIONS, vol. 116, no. 1, 1996, pages 106 - 107
Attorney, Agent or Firm:
YOSHITAKE, Hidetoshi et al. (Sumitomo-seimei OBP Plaza Bldg.4-70, Shiromi 1-chome,Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka 01, JP)
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Claims:
 それぞれ三相交流の相電圧が入力される3つの入力端(Pr,Ps,Pt)と、
 3つの出力端(Pu,Pv,Pw)と、
 第1及び第2の直流電源線(LH,LL)と、
 前記入力端の各々と前記第1の直流電源線との間に接続された3つのスイッチ素子(Srp,Ssp,Stp)と、前記入力端の各々と前記第2の直流電源線との間に接続された3つのスイッチ素子(Srn,Ssn,Stn)とを含む第1スイッチ素子群を有するコンバータ(1)と、
 前記出力端の各々と前記第1の直流電源線との間に接続された3つのスイッチ素子(Sup,Svp,Swp)と、前記出力端の各々と前記第2の直流電源線との間に接続された3つのスイッチ素子(Sun,Svn,Swn)とを含む第2スイッチ素子群を有し、前記第2スイッチ素子群のスイッチングにおいてデッドタイム(Td)を採用する電圧形インバータ(2)と、
 時間に対する傾斜の絶対値が一定である三角波を呈するキャリアを生成するキャリア生成部(15)と、
 前記コンバータの転流を、前記キャリアの最小値から最大値への間を第1値(drt)と第2値(dst)との比で内分する第1基準値(drt)を前記キャリアが採るタイミングで行うコンバータ用ゲート信号発生部(11~13)と、
 前記第1基準値から前記最大値への間を第3値(d0)と第4値(d4+d6)との比で内分する第2基準値(drt+dst・d0)から前記所定値だけ小さい値を第1指令値とし、前記最小値から前記第1基準値への間を前記第4値と前記第3値との比で内分する第3基準値(drt・(1-d0))から所定値だけ大きい値を第2指令値とし、前記キャリアが前記第2指令値乃至前記第1指令値を採る期間において、前記インバータのスイッチング態様として零電圧ベクトルを採用させるインバータ用ゲート信号発生部(21~25)と
を備え、
 前記所定値の絶対値は、前記キャリアの前記最大値と前記最小値の差に前記デッドタイムの長さを乗じて前記キャリアの周期で除した値であり、
 前記零電圧ベクトルを採る期間に挟まれた期間において前記第1の直流電源線と導通し続ける出力端(Pu)に流れる電流が、前記インバータから流れ出る場合には前記所定値は正の値を、前記負荷電流が前記インバータに流れ込む場合には前記所定値は負の値を、それぞれ採用する電力変換装置。
 それぞれ三相交流の相電圧が入力される3つの入力端(Pr,Ps,Pt)と、
 3つの出力端(Pu,Pv,Pw)と、
 第1及び第2の直流電源線(LH,LL)と、
 前記入力端の各々と前記第1の直流電源線との間に接続された3つのスイッチ素子(Srp,Ssp,Stp)と、前記入力端の各々と前記第2の直流電源線との間に接続された3つのスイッチ素子(Srn,Ssn,Stn)とを含む第1スイッチ素子群を有するコンバータ(1)と、
 前記出力端の各々と前記第1の直流電源線との間に接続された3つのスイッチ素子(Sup,Svp,Swp)と、前記出力端の各々と前記第2の直流電源線との間に接続された3つのスイッチ素子(Sun,Svn,Swn)とを含む第2スイッチ素子群を有し、前記第2スイッチ素子群のスイッチングにおいてデッドタイム(Td)を採用するインバータ(2)と、
 時間に対する傾斜線形である鋸歯波を呈するキャリアを生成するキャリア生成部(15)と、
 前記コンバータの転流を、前記キャリアが傾斜する期間における最小値から最大値への間を第1値(drt)と第2値(dst)との比で内分する第1基準値(drt)を前記キャリアが採るタイミングと、前記キャリアが前記最小値と最大値の間を遷移するタイミングとで行うコンバータ用ゲート信号発生部(11~13)と、
 前記第1基準値から前記最大値への間を第3値(d0)と第4値(d4+d6)と第5値(1-d0-d4-d6)の比でこの順に内分する第2基準値(drt+dst・d0)と第3基準値(drt+dst(d0+d4+d6))、前記第1基準値から前記最小値への間を前記第3値と前記第4値と前記第5値の比でこの順に内分する第4基準値(drt(1-d0))と第5基準値(drt(1-d0-d4-d6))に基づいて前記インバータをスイッチングさせるインバータ用ゲート信号発生部(21~25)と
を備え、
 前記インバータ用ゲート信号発生部は、
 前記第3基準値から所定値だけ小さい値を第1指令値とし、前記第2基準値から前記所定値だけ大きい値を第2指令値とし、前記第4基準値から所定値だけ小さい値を第3指令値とし、前記第5基準値から前記所定値だけ大きい値を第4指令値とし、
 前記キャリアが前記第2指令値乃至前記第3指令値を採る期間においては前記インバータのスイッチング態様として第1の零電圧ベクトル(V0)を、前記キャリアが前記第1指令値以上又は前記第4指令値以下を採る期間においては前記インバータのスイッチング態様として第2の零電圧ベクトル(V7)を、それぞれ前記インバータのスイッチング態様として採用させ、
 前記所定値の絶対値は、前記キャリアの前記最大値と前記最小値の差に前記デッドタイムの長さを乗じて前記キャリアの周期の2倍で除した値であり、
 前記第1の零電圧ベクトルと前記第2の零電圧ベクトルを採る期間に挟まれた期間において前記第1の直流電源線と導通し続ける出力端(Pu;Pw)に流れる電流が、前記インバータから流れ出る場合には前記所定値は正の値を、前記負荷電流が前記インバータに流れ込む場合には前記所定値は負の値を、それぞれ採用する電力変換装置。
 前記コンバータは、360度周期であって相互に120度ずれており、平坦区間の一対と、これら一対の平坦区間をつなぐ傾斜領域の一対を有する台形波と前記キャリアとの比較によって転流が規定され、
 前記キャリアの最小値及び最大値をそれぞれm,Mとし、
 前記台形波の前記傾斜領域のうち位相角の増大と共に増大する領域において、当該傾斜領域内を示す位相角φを0乃至π/3ラジアンに採って、前記台形波は((m+M)+√3・(M-m)・tan(φ-π/6))/2を採り、
 前記台形波の前記傾斜領域のうち位相角の増大と共に減少する領域において、当該傾斜領域内を示す位相角φを0乃至π/3ラジアンに採って、前記台形波は((m+M)-√3・(M-m)・tan(φ-π/6))/2を採る、請求項1又は請求項2記載の電力変換装置。
Description:
電力変換装置

 本発明は、交流-交流変換を行う電力変換 装置に関し、特に、直流リンク用の電力蓄積 手段を有さない電力変換装置に関する。

 直流リンク用の電力蓄積手段を有さずに 流-交流変換を行う電力変換装置として、マ トリックスコンバータや、AC/DC/AC直接形電力 換器(以下「直接形電力変換器」と称す)が られている(例えば後掲の非特許文献1)。こ らは大型の電解コンデンサを用いないので 小型化、長寿命化の面で優れている。

 直接形電力変換器では、いずれもPWM(パル ス幅変調)制御されるコンバータとインバー とが、直流リンクとして機能する一対の電 線を介して接続される。そして直流リンク おいて、平滑コンデンサで例示される電力 換装置が省略される。

 なお、マトリックスコンバータのスイッ ングパターンは、いずれもPWM制御されるコ バータとインバータとが、直流リンクを介 て接続されるタイプの電力変換器を仮想し 仮想された当該電力変換器のスイッチング ターンをマトリックス変換して得られるこ が知られている(例えば後掲の非特許文献2) よって以下では主として直接形電力変換器 ついて述べる。

 図1は直接形電力変換器の一態様を示す回 路図である。コンバータ1とインバータ2とは 一対の直流電源線LH,LLによって接続されて る。コンバータ1の入力端Pr,Ps,Ptは三相交流 圧を入力し、それぞれ上アーム側のスイッ 素子Srp,Ssp,Stpを介して直流電源線LHに接続さ る。また入力端Pr,Ps,Ptはそれぞれ下アーム のスイッチ素子Srn,Ssn,Stnを介して直流電源線 LLに接続される。

 インバータ2の出力端Pu,Pv,Pwは三相交流電 を入力し、それぞれ上アーム側のスイッチ 子Sup,Svp,Swpを介して直流電源線LHに接続され る。また出力端Pu,Pv,Pwはそれぞれ下アーム側 スイッチ素子Sun,Svn,Swnを介して直流電源線LL に接続される。

 直接形電力変換器では、入力端Pr,Ps,Pt同 の短絡を防ぐため、コンバータ1の上アーム のスイッチ素子Srp,Ssp,Stp及び下アーム側の イッチ素子Srn,Ssn,Stnはそれぞれ択一的に導通 する。また直流電源線LH,LL同士の短絡を防ぐ め、コンバータ1において同じ相に対応する 上アーム側のスイッチ素子と下側のスイッチ 素子との間でも、択一的に導通する。

 このようなコンバータ1のスイッチング( 流)は、直流電源線LH,LLに電流が流れていな 状況で行うことが望ましい。かかる状況を 現するために、インバータ2の出力端Pu,Pv,Pw 士を短絡して、いわゆる零電圧ベクトルと される状況を生成する。具体的には上アー 側のスイッチ素子Sup,Svp,Swpを全て導通させ、 下アーム側のスイッチ素子Sun,Svn,Swnを全て非 通とするか(電圧ベクトルV7と称される状態) 、上アーム側のスイッチ素子Sup,Svp,Swpを全て 導通させ、下アーム側のスイッチ素子Sun,Svn ,Swnを全て導通させるか(電圧ベクトルV0と称 れる状態)とする。

 但し、インバータ2においても、直流電源 線LH,LL同士の短絡を防ぐため、同じ相に対応 る上アーム側のスイッチ素子と下側のスイ チ素子との間でも、択一的に導通する。よ てインバータ2のスイッチ素子のスイッチン グにおいて、同じ相に対応する一対のスイッ チング素子が導通する期間が重複しないよう に、いわゆるデッドタイムと称される一定の 期間を設け、この期間においては同じ相に対 応する一対のスイッチング素子のいずれもが 非導通となる期間が設けられる(例えば後掲 非特許文献3,4)。

 なお、本願に関連する特許文献として更 非特許文献5及び特許文献1,2を挙げておく。

特開2004-222337号公報

特公平6-81514号公報 Lixiang Wei, Thomas.A Lipo,“A Novel Matrix Con verter Topology With Simple Commutation”, IEEE IAS  2001, vol.3, 2001, pp1749-1754. 伊藤里絵、高橋勲、「マトリクスコンバ ータにおける入出力無効電力の非干渉制御法 」、電気学会半導体電力変換研究会SPC-01-121,2 001 加藤康司、伊藤淳一、「昇圧形AC/DC/AC直 形電力変換器の波形改善」、平成19年電気 会全国大会4-098(2007)、第4分冊153~154頁 加藤康司、伊藤淳一、「入力電流に着目 した昇圧形AC/DC/AC直接形電力変換器の波形改 」、平成19年電気学会産業応用部門大会1-31, I-279~282頁 竹下隆晴、外山浩司、松井信行、「電流 形三相インバータ・コンバータの三角波比較 方式PWM制御」、電気学会論文誌D、vol.116、No.1 、第106~107頁、1996

 例えば非特許文献3では、デッドタイムに よる出力電圧の誤差を補償する電圧指令を紹 介しているが、入力電流の誤差を補償できな いことを開示している。この問題は下記の技 術的背景に依拠していると考えられる。

 零電圧ベクトルに起因する入力電流の歪 を抑制する要求から、零電圧ベクトルが採 される期間(以下「零電圧ベクトル期間」) 、コンバータで導通/非導通が繰り返される 対のスイッチング素子同士のデューティの で分割される。かかる状況において、非特 文献3に開示された技術では、一対のスイッ チング素子の導通/非導通が繰り返される二 の周期の和となる期間において平均的にデ ドタイムの補償はされる。しかし、各々の 期を採る期間に対してデッドタイムが及ぼ 影響を排除できない。零電圧ベクトル期間 上述の比で分割されるのに対し、デッドタ ムの値自体は一定だからである。換言すれ 、非特許文献3の技術では、デッドタイムの 自体が補償されてはいなかった。

 また非特許文献4ではデッドタイムの値自 体を補償したために、非特許文献3とは逆に インバータでのスイッチング制御に複雑な ジックを採用せざるを得なくなる。

 かかる問題は、零電圧ベクトル期間を上 のデューティの比で分割する手法として、 特許文献3,4ではインバータとコンバータと 異なるキャリアを採用したことに起因する つまりデューティの比は、コンバータのキ リアが指令値で内分される比で決定される 方、当該比に応じてインバータのキャリア 傾斜が決定されていたことに起因する。

 そこで本発明は、インバータとコンバー とで同じキャリアを採用し、かつ零電圧ベ トル期間に起因する入力電流の歪みも、デ ドタイムに起因する入力電流の歪みも原理 に除去し、複雑な演算なくインバータとコ バータとをPWM制御する技術を提供すること 目的とする。

 この発明にかかる電力変換装置の第1の態 様は、それぞれ三相交流の相電圧が入力され る3つの入力端(Pr,Ps,Pt)と、3つの出力端(Pu,Pv,Pw )と、第1及び第2の直流電源線(LH,LL)と、前記 力端の各々と前記第1の直流電源線との間に 続された3つのスイッチ素子(Srp,Ssp,Stp)と、 記入力端の各々と前記第2の直流電源線との に接続された3つのスイッチ素子(Srn,Ssn,Stn) を含む第1スイッチ素子群を有するコンバー (1)と、前記出力端の各々と前記第1の直流電 源線との間に接続された3つのスイッチ素子(S up,Svp,Swp)と、前記出力端の各々と前記第2の直 流電源線との間に接続された3つのスイッチ 子(Sun,Svn,Swn)とを含む第2スイッチ素子群を有 し、前記第2スイッチ素子群のスイッチング おいてデッドタイム(Td)を採用する電圧形イ バータ(2)と、時間に対する傾斜の絶対値が 定である三角波を呈するキャリアを生成す キャリア生成部(15)と、前記コンバータの転 流を、前記キャリアの最小値から最大値への 間を第1値(drt)と第2値(dst)との比で内分する第 1基準値(drt)を前記キャリアが採るタイミング で行うコンバータ用ゲート信号発生部(11~13) 、前記第1基準値から前記最大値への間を第3 値(d0)と第4値(d4+d6)との比で内分する第2基準 (drt+dst・d0)から前記所定値だけ小さい値を第 1指令値とし、前記最小値から前記基準値へ 間を第4値と前記第3値との比で内分する第3 準値(drt・(1-d0))から所定値だけ大きい値を第 2指令値とし、前記キャリアが前記第2指令値 至前記第1指令値を採る期間において、前記 インバータのスイッチング態様として零電圧 ベクトルを採用させるインバータ用ゲート信 号発生部(21~25)とを備える。

 前記所定値の絶対値は、前記キャリアの 記最大値と前記最小値の差に前記デッドタ ムの長さを乗じて前記キャリアの周期で除 た値である。

 前記零電圧ベクトルを採る期間に挟まれ 期間において前記第1の直流電源線と導通し 続ける出力端(Pu)に流れる電流が、前記イン ータから流れ出る場合には前記所定値は正 値を、前記負荷電流が前記インバータに流 込む場合には前記所定値は負の値を、それ れ採用する。

 この発明にかかる電力変換装置の第2の態 様は、それぞれ三相交流の相電圧が入力され る3つの入力端(Pr,Ps,Pt)と、3つの出力端(Pu,Pv,Pw )と、第1及び第2の直流電源線(LH,LL)と、前記 力端の各々と前記第1の直流電源線との間に 続された3つのスイッチ素子(Srp,Ssp,Stp)と、 記入力端の各々と前記第2の直流電源線との に接続された3つのスイッチ素子(Srn,Ssn,Stn) を含む第1スイッチ素子群を有するコンバー (1)と、前記出力端の各々と前記第1の直流電 源線との間に接続された3つのスイッチ素子(S up,Svp,Swp)と、前記出力端の各々と前記第2の直 流電源線との間に接続された3つのスイッチ 子(Sun,Svn,Swn)とを含む第2スイッチ素子群を有 し、前記第2スイッチ素子群のスイッチング おいてデッドタイム(Td)を採用するインバー (2)と、時間に対する傾斜線形である鋸歯波 呈するキャリアを生成するキャリア生成部( 15)と、前記コンバータの転流を、前記キャリ アが傾斜する期間における最小値から最大値 への間を第1値(drt)と第2値(dst)との比で内分す る第1基準値(drt)を前記キャリアが採るタイミ ングと、前記キャリアが前記最小値と最大値 の間を遷移するタイミングとで行うコンバー タ用ゲート信号発生部(11~13)と、前記第1基準 から前記最大値への間を第3値(d0)と第4値(d4+ d6)と第5値(1-d0-d4-d6)の比でこの順に内分する 2基準値(drt+dst・d0)と第3基準値(drt+dst(d0+d4+d6)) 、前記第1基準値から前記最小値への間を前 第3値と前記第4値と前記第5値の比でこの順 内分する第4基準値(drt(1-d0))と第5基準値(drt(1- d0-d4-d6))に基づいて前記インバータをスイッ ングさせるインバータ用ゲート信号発生部(2 1~25)とを備える。

 前記インバータ用ゲート信号発生部は、 記第3基準値から所定値だけ小さい値を第1 令値とし、前記第2基準値から前記所定値だ 大きい値を第2指令値とし、前記第4基準値 ら所定値だけ小さい値を第3指令値とし、前 第5基準値から前記所定値だけ大きい値を第 4指令値とする。また前記インバータ用ゲー 信号発生部は、前記キャリアが前記第2指令 乃至前記第3指令値を採る期間においては前 記インバータのスイッチング態様として第1 零電圧ベクトル(V0)を、前記キャリアが前記 1指令値以上又は前記第4指令値以下を採る 間においては前記インバータのスイッチン 態様として第2の零電圧ベクトル(V7)を、それ ぞれ前記インバータのスイッチング態様とし て採用させる。

 前記所定値の絶対値は、前記キャリアの 記最大値と前記最小値の差に前記デッドタ ムの長さを乗じて前記キャリアの周期の2倍 で除した値である。

 前記第1の零電圧ベクトルと前記第2の零 圧ベクトルを採る期間に挟まれた期間にお て前記第1の直流電源線と導通し続ける出力 (Pu;Pw)に流れる電流が、前記インバータから 流れ出る場合には前記所定値は正の値を、前 記負荷電流が前記インバータに流れ込む場合 には前記所定値は負の値を、それぞれ採用す る。

 この発明にかかる電力変換装置の第3の態 様は、その第1の態様又は第2の態様であって 前記コンバータは、360度周期であって相互 120度ずれており、平坦区間の一対と、これ 一対の平坦区間をつなぐ傾斜領域の一対を する台形波と前記キャリアとの比較によっ 転流が規定される。前記キャリアの最小値 び最大値をそれぞれm,Mとし、前記台形波の 記傾斜領域のうち位相角の増大と共に増大 る領域において、当該傾斜領域内を示す位 角φを0乃至π/3ラジアンに採って、前記台形 波は((m+M)+√3・(M-m)・tan(φ-π/6))/2を採り、前 台形波の前記傾斜領域のうち位相角の増大 共に減少する領域において、当該傾斜領域 を示す位相角φを0乃至π/3ラジアンに採って 前記台形波は((m+M)-√3・(M-m)・tan(φ-π/6))/2を 採る。

 この発明にかかる電力変換装置の第1の態 様では、コンバータが転流する前後でキャリ アの波形の傾斜は一定であるので、インバー タのスイッチング態様が零電圧ベクトルを採 用する期間は、コンバータの転流の前後で第 1値と第2値との比で按分される。またコンバ タにおける第1の導通状態と、第2の導通状 との期間の比も第1値と第2値の比となる。よ って電流が流れない期間は、第1の導通状態 、第2の導通状態のそれぞれにおいて、それ れの期間の長さに比例して発生する。よっ インバータが零電圧ベクトルを採用するこ による、入力電流の歪みが除去される。

 しかも、第1の導通状態から第2の導通状 へと転流するときと、第2の導通状態から第1 の導通状態へと転流するときとで、キャリア の傾斜はその絶対値が等しく、かつ正負が逆 となる。よってインバータのスイッチング態 様が零電圧ベクトル以外を採る状態の開始と 終了に際して、デッドタイムを設けることが できる。しかもインバータの負荷電流の向き に応じたデッドタイムを設定でき、デッドタ イムを設けたことによる入力電流の歪みも除 去される。

 この発明にかかる電力変換装置の第2の態 様では、コンバータが転流する前後ではキャ リアの傾斜が一定であるか、若しくはキャリ アが最小値と最大値の間を遷移する際にコン バータが転流する。よってインバータのスイ ッチング態様が第1の零電圧ベクトルを採用 る期間及び第2の零電圧ベクトルを採用する 間は、いずれもコンバータの転流の前後で 1値と第2値との比で按分される。またコン ータにおける第1の導通状態と、第2の導通状 態との期間の比も第1値と第2値の比となる。 って電流が流れない期間は、第1の導通状態 と、第2の導通状態のそれぞれにおいて、そ ぞれの期間の長さに比例して発生する。よ てインバータが零電圧ベクトルを採用する とによる、入力電流の歪みが除去される。

 しかも、インバータのスイッチング態様 零電圧ベクトル以外を採る状態の開始と終 に際して、デッドタイムを設けることがで る。そしてインバータの負荷電流の向きに じたデッドタイムを設定でき、デッドタイ を設けたことによる入力電流の歪みも除去 れる。

 この発明にかかる電力変換装置の第3の態 様では、キャリアの最小値と最大値の間を第 1値と第2値との比で内分される第1基準値が台 形波によって与えられる。

 この発明の目的、特徴、局面、および利 は、以下の詳細な説明と添付図面とによっ 、より明白となる。

直接形電力変換器の一態様を示す回路 である。 スイッチ素子の構成を例示する回路図 ある。 第1の実施の形態におけるスイッチング 動作を示すタイミングチャートである。 第1の実施の形態におけるスイッチング 動作を示すタイミングチャートである。 本実施の形態の第2の実施の形態におけ るスイッチング動作を示すタイミングチャー トである。 本実施の形態の第2の実施の形態におけ るスイッチング動作を示すタイミングチャー トである。 本実施の形態の第3の実施の形態におけ るスイッチング動作を示すタイミングチャー トである。 本実施の形態の第3の実施の形態におけ るスイッチング動作を示すタイミングチャー トである。 電圧指令を例示するグラフである。 スイッチ指令を得るための制御回路を 示すブロック図である。 インバータの構成を示す回路図である 。 相電圧と、各相の通流比と、直流リン ク電圧と、入力電流を例示するグラフである 。 電圧波形を示すグラフである。 マトリックスコンバータの構成を例示 する構成図である。 マトリックスコンバータのスイッチ素 子を制御する制御回路のブロック図である。

 以下、まず図1に示された直接形電力変換 器において入力電流の波形を改善する方法に ついて説明する。

 第1の実施の形態.
 以下では、説明の簡単のためにスイッチ素 Stp,Stnがそれぞれ非導通、導通している場合 (入力端Ptが直流電源線LLに接続されている場 )を例に採って説明する。従ってこの場合の コンバータ1のスイッチングでは、スイッチ 子Srn,Ssnが非導通であって、スイッチ素子Srp, Sspが相互に排他的に導通する。もちろん、r 、s相が直流電源線LLに接続されている状態 生じ得るが、その場合は適宜に相の種類を み替えればよい。

 図2はコンバータ1,インバータ2に採用され るスイッチ素子の構成を例示する回路図であ る。コンバータ1に採用されるスイッチ素子( 図(a))は高速ダイオードとIGBTとを相互に直 接続した構成とすることができる。インバ タ2に採用されるスイッチ素子は例えば環流 イオードつきのIGBTを採用することができる (同図(b))。ここで文字xは文字r,s,tを代表し、 字yは文字u,v,wを代表する。

 図3及び図4は第1の実施の形態におけるス ッチング動作を示すタイミングチャートで る。時間に対する傾斜の絶対値が等しい三 波をコンバータ1のキャリアC1として採用す 。そしてキャリアC1と指令値とを比較する とによってコンバータ1のスイッチングが行 れる。以下では図示された範囲内では指令 は一定であると近似している。実際には指 値は、例えばキャリアの周期の倍数の期間 に更新される。

 ここではスイッチ素子Stnが導通している 態におけるスイッチ素子Srp,Sspの排他的な導 通を考えているので、指令値はスイッチ素子 Srp,Sspが導通するデューティに基づいて設定 れる。図3では簡単のため、キャリアC1のピ ク・トゥ・ピークの振幅を1とした。また説 の簡単のため、特に断らない限り、最小値 0,最大値を1として説明する。キャリアC1の 幅が異なる場合であっても比例を考慮し、 ャリアC1の中心値が異なる場合であってもキ ャリアC1のシフトを考慮すれば、以下の説明 妥当する。

 スイッチ素子Stpは非導通であって、その 通するデューティは0と見なせるので、スイ ッチ素子Srp,Sspのデューティをそれぞれ値drt,d stとすると、値drt,dstの和は1となる。

 上述のようにキャリアC1の傾斜の絶対値 等しいので、キャリアC1が値0~drtをとる場合 スイッチ素子Srpを導通させ、キャリアC1が drt~1をとる場合にスイッチ素子Sspを導通させ れば、その導通期間は上記デューティに対応 することとなる。

 よってキャリアC1が値drt以下であればス ッチ素子Srpを導通させ、キャリアC1が値drt以 上であればスイッチ素子Sspを導通させる制御 を行う。図3、図4ではスイッチ素子Srp,Ssp,Stp 導通/非導通をそれぞれグラフの上辺/下辺で 表している。

 このようなスイッチングの採用により、 ャリアC1の一周期Tは、指令値たる値drt以上 期間Tsと、指令値以下の期間Trに区分され、 それぞれdst・T、drt・Tで計算されることにな 。

 次に、零電圧ベクトルの実現を説明する 上述のように零電圧ベクトルの期間は、期 Ts,Trのそれぞれにおいて期間Ts,Trの比で分配 されることが望まれる。そこで本実施の形態 では、インバータ2のキャリアC2にコンバータ 1のキャリアC1と同じものを採用し、値drtを基 準値とし、当該基準値よりも大きい側と小さ い側のそれぞれにおいてインバータ2の指令 を設ける。

 具体的には、一例として、インバータ2が 電圧ベクトルV0(000)、V4(100)、V6(110)、V4(100)を の順に繰り返して採用したスイッチングを う場合を説明する。即ちスイッチ素子Swp,Swn それぞれ非導通、導通している状態(出力端 Pwが直流電源線LLに接続されている状態)にお て、スイッチ素子Sup,Sun,Svp,Svnがスイッチン する場合を例に採る。もちろん、u相、v相 直流電源線LLに接続されている状態も生じ得 るが、その場合は適宜に相の種類を読み替え ればよい。

 スイッチ素子Sup,Svp,Swpが共に非導通する 圧ベクトルV0を採るデューティ、スイッチ素 子Supが導通し、Svp,Swpが共に非導通する電圧 クトルV4を採るデューティ、スイッチ素子Sup ,Svpが共に導通し、Swpが非導通する電圧ベク ルV6を採るデューティをそれぞれ値d0,d4,d6で せば、d0+d4+d6=1となる。

 キャリアC2において値drt以上の値をとる 間Trをd0,d4,d6の比で、また値drt以下の値をと 期間Tsをd0,d4,d6の比で、それぞれ分割する。 スイッチ素子Swpは非導通であってその導通す るデューティは0と見なせる。よって、上記 分割により、インバータ2における電圧ベク ルのデューティを損なうことなく、電圧ベ トルV0を採る期間を、値dst,drtの比で分割す ことができる。

 具体的にはインバータ2のスイッチングは 下記のように制御される(スイッチ素子Swp,Swn それぞれ非導通、導通している)。

 キャリアC2が値drt(1-d0)~drt+dst・d0を採る場合: 電圧ベクトルV0を採る;
 キャリアC2が値drt(1-d0-d4)~drt(1-d0)、または値d rt+dst・d0~drt+dst(d0+d4)を採る場合:電圧ベクトル V4を採る;
 キャリアC2が値0~drt(1-d0-d4)、または値drt+dst(d 0+d4)~drt+dst=1を採る場合:電圧ベクトルV6を採る 。

 キャリアC2もキャリアC1と同じ波形を採用 し、かつ時間に対する傾斜の絶対値が等しい 三角波が採用されるので、期間Tsにおける電 ベクトルV0の期間は正の傾斜側及び負の傾 側のいずれにおいても下記の期間Ts0を採る

 同様に、期間Trにおける電圧ベクトルV0の 期間は正の傾斜側及び負の傾斜側のいずれに おいても下記の期間Tr0を採る。

 よって零電圧ベクトルの期間は期間Tr,Ts おいて、それぞれdrt・d0・T,dst・d0・Tとなり それぞれ値drt,dstの比で分配することが実現 される。よって零電圧ベクトル期間に起因す る入力電流の歪みを原理的に除去できる。

 しかも、キャリアC2の一周期T当たりにお て、電圧ベクトルV4の期間は下記で表され 。

 キャリアC2の一周期T当たりにおいて電圧 クトルV6の期間は下記で表される。

 そしてキャリアC2の一周期T当たりにおい 電圧ベクトルV0の期間は下記で表される。

 よってキャリアC2の一周期T当たりにおい 、電圧ベクトルV0,V4,V6の期間を値d0,d4,d6の比 で実現される。

 次に、デッドタイムの補償について説明す 。ここではu相の出力を例に採って説明する 。デッドタイムを無視して考えれば、スイッ チング素子Supは電圧ベクトルV0,V4,V6に対応し それぞれ非導通、導通、導通し、スイッチ グ素子Sunはスイッチング素子Supと相補的に 通/非導通する。デッドタイムを設けない場 合のスイッチング指令を、図3において指令Su p * ,Sun * で示す。指令Sup * が“1”/“0”(図では上辺/下辺で示される)を 採ることにより、対応するスイッチング素子 Supが(デッドタイムを設けない場合に)それぞ 導通/非導通する。指令Sun * とこれに対応するスイッチング素子Sunの導通 /非導通についても同様である。よって出力 Puは、零電圧ベクトルV0以外でインバータ2が 採る電圧ベクトルV4,V6において直流電源線LH 導通し続ける。

 まず図3を参照して、出力端Pu(図1参照)か 負荷電流が流れ出す向きを正にとり、負荷 流が正の場合におけるデッドタイムについ 考察する。出力電位Vuを、r相、s相、t相の 大相の電位Vmax、中間相の電位Vmid、最小相の 電位Vmin(ここではそれぞれs相、r相、t相)とし て示した。デッドタイム中に流れる負荷電流 は、下アームの環流ダイオードを流れるので 、出力端Puは直流電源線LLに接続される。よ て出力電位Vuが電位Vmax,Vmidを採る期間はデッ ドタイム期間だけ、短くなる。

 このような出力電圧誤差を補償しつつもデ ドタイムを確保するため、指令Sup * の立ち上がりからデッドタイムTdだけ遅延し 立ち上がり、指令Sup * の立ち下がりからデッドタイムTdと等しい期 Td’だけ遅延して立ち下がる指令Sup ** が採用される。またデッドタイムTdを確保す ため、指令Sun * の立ち下がりのタイミングで立ち下がり、出 力電圧誤差を補償するために指令Sun * の立ち上がりから時間Td+Td’(=2Td)だけ遅延し 立ち上がる指令Sun ** が採用される。そして指令Sup ** ,Sun ** が、それぞれスイッチング素子Sup,Sunの導通/ 導通を制御する。

 このようなデッドタイムTdについての補 は非特許文献4で示唆されており、本実施の 態においても有効である。電位Vuが中間相 電位Vmidをとる期間は、その開始するタイミ グがデッドタイムTdを設けることによって 延するが、終了するタイミングも上記の補 によってデッドタイムと同期間で遅延する よってこの期間の長さは補償される。最大 の電位Vmax、最小相の電位Vminを採る期間につ いても同様である。

 更に、通常、デッドタイムTdは短く、通 は下記の関係が成立する。

 よって上記のように非特許文献4で示唆され るデッドタイムTdの補償を本実施の形態にお て採用した場合、この補償が期間Tr,Tsの境 を跨ぐことがない。よって期間Trにおいて発 生するデッドタイムTdの補償は期間Tr内に収 り、期間Tsにおいて発生するデッドタイムTd 補償は期間Ts内に収まる。従って、直流リ クに流れる電流(具体的には直流電源線LL,LH 流れる電流)の、デッドタイムに起因した入 電流の歪みも原理的に除去できる。しかも 指令Sup ** が立ち上がるタイミングや指令Sun ** が立ち下がるタイミングは、指令Sup * が立ち上がるタイミングや指令Sun * が立ち下がるタイミング、即ち指令値drt+dst d0,drt(1-d0)を基準として採用できるので、複 な演算なく指令Sup ** ,Sun ** を生成することができる。

 図3には直流リンクに流れる電流Idcを示し た。上述のように、零電圧ベクトルの期間Ts0 ,Tr0の比は、期間Ts,Trの比に等しくなる。よっ てスイッチ素子Ssp,Srpのそれぞれの導通によ て流れるべきであるが零電圧ベクトルの期 に起因して電流が流れなかった期間は、ス ッチ素子Ssp,Srpのデューティdst,drtの比で期間 Ts,Trに配分される。更に、電流Idcが流れ始め タイミングはデッドタイムTdによって遅延 、流れ終わるタイミングはデッドタイムの 償によって遅延するので、電流Idcが流れる 間はデッドタイムを設けない場合と同じ長 となる。よってデッドタイムを設ける場合 デッドタイムの補償は、デッドタイムに起 する入力電流の歪みを除去する上に、零電 ベクトルに起因する入力電流の歪みを除去 る方法を妨げない。

 次に図4を参照して、負荷電流が負の場合 におけるデッドタイムについて考察する。こ の場合にデッドタイム中に流れる負荷電流は 、上アームの環流ダイオードを流れるので、 出力端Puは直流電源線LHに接続される。よっ 出力電圧Vuが電位Vmax,Vmidを採る期間がデッド タイム期間だけ長くなる。

 このような出力電圧誤差を補償しつつもデ ドタイムを確保するため、指令Sup * の立ち上がりから、デッドタイムTdと、これ 等しい期間Td’との和だけ遅延して立ち上 り、指令Sup * の立ち下がりで立ち下がる指令Sup ** が採用される。また、出力電圧誤差を補償す るために指令Sun * の立ち下がりのタイミングから期間Td’で立 下がり、デッドタイムを確保するために指 Sun * の立ち上がりからデッドタイムTdだけ遅延し 立ち上がる指令Sun ** が採用される。そして指令Sup ** ,Sun ** が、それぞれスイッチング素子Sup,Sunの導通/ 導通を制御する。

 このようなデッドタイムTdについての補 も非特許文献4で示唆されており、本実施の 態においても有効である。中間相の電位Vmid をとる期間は、その終了するタイミングはデ ッドタイムTdを設けることによって遅延する しかしスイッチ素子Sunの導通期間を遅延さ ることにより、負荷電流を下アームに流し 出力端Puを直流電源線LLに接続するので、電 圧Vuが中間相の電位Vmidをとる期間はデッドタ イムと同期間で遅延する。よって電位Vuが中 相の電位Vmidをとる期間の長さは補償される 。電位Vuが最大相の電位Vmax、最小相の電位Vmi nを採る期間についても同様である。

 これにより電流Idcが流れる期間も補償さ 、入力電流の歪みが低減されるのみならず 零電圧ベクトルに起因する入力電流の歪み 除去する方法を妨げない。

 なお、デッドタイムTdの存在により電圧 クトルV0,V4を採る期間は変動し、図3及び図4 は当該期間をそれぞれ符号V0’,V4’で示し 。図3では期間Trで期間V4’が一つ消失してい るが、これは図面においてたまたま(T/2)・drt d4がデッドタイムTdと等しいことが原因であ って、必然的に消失するものではない。図4 も期間Tr,Tsのそれぞれで期間V4’が一つずつ 失しているが、これも図面における偶発的 ものであり、必然的に消失するものではな 。

 第2の実施の形態.
 図5及び図6は本実施の形態の第2の実施の形 におけるスイッチング動作を示すタイミン チャートである。本実施の形態では第1の実 施の形態と比較して、デッドタイムの補償の 手法のみが異なる。よって零電圧ベクトルに 起因する入力電流の歪みの除去については説 明を省略する。

 本実施の形態ではデッドタイムの設定及 その補償を、インバータで採用するキャリ C2の指令値を修正することで実現する。

 第1の実施の形態と同様に、まず図5を用 て、出力端Puから負荷電流が流れ出す場合( 荷電流が正の場合)におけるデッドタイムに いて考察する。この場合には第1の実施の形 態で説明したように、デッドタイムにおいて 出力端Puが直流電源線LLと接続されるので、 ッドタイムを単純に設ける場合と比較して 位Vuが中間相の電位Vmidや最大相の電位Vmaxを る期間をデッドタイムの期間だけ延長する 償が必要となる。

 この場合、本実施の形態では第1の実施の形 態では指令値として採用されていた値drt+dst d0を基準値とし、当該基準値から所定の修正 値δだけ小さい値drt+dst・d0-δを第1指令値とす る。また第1の実施の形態では指令値として 用されていた値drt(1-d0)を基準値とし、当該 準値よりも修正値δだけ大きい値drt(1-d0)+δを 第2指令値として採用する。今、キャリアC2に ついてもキャリアC1と同様に、その最小値を0 ,最大値を1としているので、三角波の傾斜の 対値は2/Tである。よってデッドタイムを考 しない場合に指令Sup * が“1”となる(つまり指令Sun * が“0”となる)期間は、第1の実施の形態のそ れよりも、開始がδ=δ・T/2>0だけ早くなり 終了がδだけ遅くなる。

 デッドタイムTdを設けるべく指令Sup * ,Sun * のそれぞれの立ち上がりが遅延した指令Sup ** ,Sun ** を生成する。よって指令Sup ** が立ち上がるタイミングは、キャリアC2が指 値drt+dst・d0や、指令値drt(1-d0)を採るタイミ グでインバータがスイッチングする場合と 較して(Td-δ)で遅延する。また指令Sup ** が立ち下がるタイミングは、キャリアC2が指 値drt+dst・d0や、指令値drt(1-d0)を採るタイミ グでインバータがスイッチングする場合と 較してδで遅延する。よって(Td-δ)=δとなる うに、即ちδ=Td/2(即ちδ=Td/T)に選定すること により、スイッチSupが導通する期間の長さ( 流Idcが流れる期間の長さ)をキャリアC2が指 値drt+dst・d0以上あるいは指令値drt(1-d0)以下 採る期間の長さと等しくすることができる よってデッドタイムの存在に拘わらず、電 Vuが中間相の電位Vmidを採る期間の長さもキ リアC2が指令値drt+dst・d0以上を採る期間の長 さと等しくすることができる。同様に、電位 Vuが最大相の電位Vmaxを採る期間の長さもキャ リアC2が指令値drt(1-d0)以下を採る期間の長さ 等しくすることができる。

 次に図6を用いて、出力端Puから負荷電流 流れ込む場合(負荷電流が負の場合)におけ デッドタイムについて考察する。この場合 は第1の実施の形態で説明したように、デッ タイムにおいて出力端Puが直流電源線LHと接 続されるので、デッドタイムを単純に設ける 場合と比較して電位Vuが中間相の電位Vmidや最 大相の電位Vmaxを採る期間をデッドタイムの 間だけ短縮する補償が必要となる。

 本実施の形態では、この場合も基準値drt+ dst・d0から所定の修正値δだけ小さい値drt+dst d0-δを第1指令値とし、基準値drt(1-d0)よりも 正値δだけ大きい値drt(1-d0)+δを第2指令値と て採用する。但し修正値の絶対値は負荷電 が正の場合と同様にTd/Tであるが、負の値を 採る(δ=-Td/T<0)。

 これにより指令Sun ** が立ち下がるタイミングは、キャリアC2が指 値drt+dst・d0や、指令値drt(1-d0)を採るタイミ グでインバータがスイッチングする場合と 較してδで遅延する。また指令Sun ** が立ち上がるタイミングは、キャリアC2が指 値drt+dst・d0や、指令値drt(1-d0)を採るタイミ グでインバータがスイッチングする場合と 較して(Td-δ)で遅延する。よってδ=Td/2に選 することにより、スイッチSunが非導通する 間の長さ(電流Idcが流れる期間の長さ)をキャ リアC2が指令値drt+dst・d0以上あるいは指令値d rt(1-d0)以下を採る期間の長さと等しくするこ ができる。

 以上のようにして、第2の実施の形態では デッドタイムを考慮しない場合の指令値を基 準値とし、当該基準値に対して修正値を加減 するので、複雑な演算処理を必要とせずに、 デッドタイムを設けつつこれに起因する出力 電圧誤差を除去し、デッドタイム及び零電圧 ベクトルのいずれに起因する入力電流の歪み も除去することができる。

 デッドタイムTdの存在により電圧ベクト V0,V4を採る期間は変動し、当該期間をそれぞ れ符号V0’,V4’で図示した。期間V4’の消失 ついては第1の実施の形態で説明したとおり 必然的なものではない。

 デッドタイムの存在を考慮した零電圧ベ トルV0’を用いて、本実施の形態における ンバータ2のスイッチング態様は、出力端Pu ら負荷電流が流れ出す向きを正にとり、負 電流が正の場合におけるデッドタイムにつ て考察する。キャリアC2が指令値drt(1-d0)+δ乃 至指令値drt+dst・d0-δを採る期間において零電 圧ベクトルV0’が採用される、と説明するこ ができる。そして修正値δの符号及び絶対 が上述のようにして選定されれば、デッド イムが補償されることになる。

 第3の実施の形態.
 図7及び図8は本実施の形態の第3の実施の形 におけるスイッチング動作を示すタイミン チャートである。本実施の形態では第2の実 施の形態と比較して、キャリアの波形を鋸歯 波とした点で異なる。インバータの指令値を 修正してデッドタイムによる影響を補償する 点で第2の実施の形態と共通するが、キャリ の波形を鋸歯波とした点で異なる。

 コンバータ1の転流に用いるキャリアC3と ンバータ2のスイッチングに用いるキャリア C4とは同じものを用いる。図7及び図8では、 ンバータ2の指令値を詳細に示すためにキャ アC4をキャリアC3よりも縦軸方向に拡大して 示しているが、いずれも最小値を0,最大値を1 として示している。

 本実施の形態でもスイッチ素子Stnが導通 ている状態におけるスイッチ素子Srp,Sspの排 他的な導通を考えるので、指令値はスイッチ 素子Srp,Sspが導通するデューティに基づいて 定される。キャリアC3の傾斜は時間に対して 線形であるので、スイッチ素子Srpにキャリア C3が値0~drtをとる場合に導通させ、スイッチ 子SspにキャリアC3が値drt~1をとる場合に導通 せれば、その導通期間は上記デューティに 応することとなる。よって第3の実施の形態 でも、第1及び第2の実施の形態で用いたキャ アC1と同様に、キャリアC3に対する指令値と して値drtを採用する。

 このようなスイッチングの採用により、 ャリアC3の一周期Tは、値drt以上を採る期間T sと、値drt以下を採る期間Trに区分され、それ ぞれdst・T、drt・Tで計算されることになる。

 コンバータ1が転流する前後ではキャリア C3の傾斜が一定であるか、若しくはキャリアC 3が最小値と最大値の間を遷移する際にコン ータが転流する。

 そして本実施の形態においても、まずデ ドタイムを考慮しない場合のキャリアC4の 令値を、値drtを基準値とし、当該基準値よ も大きい側と小さい側のそれぞれにおいて ける。

 但し、キャリアC3は鋸歯波を採用するの 、インバータ2のスイッチング態様が零電圧 クトルを採用する手法が第1及び第2の実施 形態とは異なる。図3に示されたキャリアC2 時間に対して負の傾斜を呈する区間が、キ リアC4の傾斜する区間に相当する。そしてキ ャリアC2においては、この区間の両端でイン ータ2が電圧ベクトルV6(110)を採っていた。

 よって本実施の形態ではインバータ2のス イッチングにおいて、第1及び第2の実施の形 と同様にして一対の電圧ベクトルV4(100)の間 に挟まれる零電圧ベクトルV0(000)を採用する みならず、一対の電圧ベクトルV6(110)の間に まれる零電圧ベクトルV7(111)をも採用する必 要がある。異なる電圧ベクトルが隣接する期 間に設けられる場合、二つの電圧ベクトルの 遷移は通常、一つのアームのスイッチングの みで実行されるからである。

 このため、本実施の形態においてはまず ッドタイムを考慮しない場合のキャリアC4 指令値を基準値とし、基準値drtよりも大き 側と小さい側のそれぞれにおいて、以下の うに設ける。具体的にはキャリアC4が基準値 drtから最大値(=1)への間をd0と(d4+d6)とd7(=1-d0-d4 -d6)の比でこの順に内分する基準値(drt+dst・d0) ,(drt+dst(d0+d4+d6))を設定する。また基準値drtか 最小値(=0)への間をd0と(d4+d6)とd7との比でこ 順に内分する基準値drt(1-d0),drt(1-d0-d4-d6)を設 定する。

 これにより、第1の実施の形態と同様にし て零電圧ベクトルV0は期間Ts,Trにおいて、そ ぞれT・dst・d0,T・drt・d0となり、値dst,drtの比 で按分される。これと同様に、零電圧ベクト ルV7も期間Ts,Trにおいて、それぞれT・dst・d7,T ・drt・d7となり、値dst,drtの比で按分される。 期間Ts,Trの比も値dst,drtの比となる。よって上 記の基準値(drt+dst・d0),(drt+dst(d0+d4+d6)),drt(1-d0), drt(1-d0-d4-d6)を指令値として採用すれば、電流 が流れない期間は、期間Ts,Trのそれぞれにお て、それぞれの期間の長さに比例して発生 、零電圧ベクトルに起因する入力電流の歪 は除去される。

 なお、出力端Puは、零電圧ベクトルV0,V7以 外でインバータ2が採る電圧ベクトルV4,V6にお いて直流電源線LHと導通し続ける。また出力 Pwは、零電圧ベクトルV0,V7以外でインバータ 2が採る電圧ベクトルV4,V6において直流電源線 LLと導通し続ける。

 さて、デッドタイムを考慮する場合には 基準値(drt+dst・d0),(drt+dst(d0+d4+d6)),drt(1-d0),drt( 1-d0-d4-d6)に対して修正量δを加減しなければ らない。しかも、零電圧ベクトルV0,V7の二種 存在するので、出力電圧の誤差は二相の通電 状態によって決定される。

 図7はu相の出力端Puに流れる負荷電流が正で あり、w相の出力端Pwに流れる負荷電流が負の 場合について図示した。この場合、指令Sup ** ,Sun ** は図5のキャリアC2の傾斜が負の領域と同様に すべきである。よって修正量δを正として、 準値(drt+dst・d0),drt(1-d0)に加減し、指令値(drt +dst・d0)-δ,drt(1-d0)+δを得る。また指令Swp ** ,Swn ** は図6のキャリアC2の傾斜が負の領域と同様に すべきである。よって修正量δを負として、 準値(drt+dst(d0+d4+d6)),drt(1-d0-d4-d6)に加減し、 令値(drt+dst(d0+d4+d6))-δ,drt(1-d0-d4-d6)+δを得る。

 図8はu相の出力端Puに流れる負荷電流が負で あり、w相の出力端Pwに流れる負荷電流が正の 場合について図示した。この場合、指令Sup ** ,Sun ** は図5のキャリアC2の傾斜が正の領域と同様に すべきである。よって修正量δを負として、 準値(drt+dst・d0),drt(1-d0)に加減し、指令値(drt +dst・d0)-δ,drt(1-d0)+δを得る。また指令Swp ** ,Swn ** は図6のキャリアC2の傾斜が正の領域と同様に すべきである。よって修正量δを正として、 準値(drt+dst(d0+d4+d6)),drt(1-d0-d4-d6)に加減し、 令値(drt+dst(d0+d4+d6))-δ,drt(1-d0-d4-d6)+δを得る。

 本実施の形態でも、デッドタイムTdを補 するためにはδ=Td/2となる。但し、キャリアC 2の傾きの絶対値が2/Tであったのに対し、キ リアC4の傾きの絶対値は1/Tであるので、δ=δ Tとなる。よって修正値δの絶対値はTd/2Tと る。

 デッドタイムTdの存在により電圧ベクト V0,V4,V6,V7を採る期間は変動し、当該期間をそ れぞれ符号V0’,V4’,V6’,V7’で図示した。デ ドタイムの存在を考慮した零電圧ベクトルV 0’、V7’を用いることで、本実施の形態にお けるインバータ2のスイッチング態様は以下 ように説明することができる。キャリアC4が 指令値drt(1-d0)+δ乃至(drt+dst・d0)-δを採る期間 おいては零電圧ベクトルV0が採用される。 ャリアC4が指令値(drt+dst(d0+d4+d6))-δ以上又は 令値drt(1-d0-d4-d6)+δ以下を採る期間において 零電圧ベクトルV7が採用される。そして修正 値δの符号及び絶対値が上述のようにして選 されれば、デッドタイムが補償されること なる。

 以上のようにして、第3の実施の形態にお いても、第2の実施の形態と同様に、デッド イムを考慮しない場合の指令値を基準値と 、当該基準値に対して修正値を加減するの 、複雑な演算処理を必要とせずに、デッド イムを設けつつこれに起因する出力電圧誤 を除去し、デッドタイム及び零電圧ベクト のいずれに起因する入力電流の歪みも除去 ることができる。

 第4の実施の形態.
 本実施の形態では、コンバータ1の転流のタ イミングを定め、インバータ2のスイッチン の指令値の基準となる値の、設定方法の一 について説明する。

 電圧型インバータでは零電圧ベクトルを 用する場合を除き、一つの相についてはハ アーム側のスイッチング素子が導通し、他 一つの相についてはローアーム側のスイッ ング素子が導通し、残りの一つの相につい はハイアーム側のスイッチ素子と、ローア ム側のスイッチ素子とが交互に導通する(デ ッドタイムを除く)。

 よって電圧型インバータでの電圧指令の 形は、常にいずれか一つの相の電圧指令が ャリアの最大値を採り、他の一つの相の電 指令がキャリアの最小値を採る。そして残 の一つの相の電圧指令がキャリアの最小値 最大値との間の値を採り、他の二つの相に する中間相として把握できる。

 図9はかかる電圧指令Va * ,Vb * ,Vc * を例示するグラフである。電圧指令Va * ,Vb * ,Vc * はそれぞれ360度周期であって相互に120度ずれ ており、120度で連続する平坦区間の一対と、 これら一対の平坦区間をつなぐ60度の傾斜領 の一対を有する台形波を呈する。ここでは 圧指令Va * ,Vb * ,Vc * の最小値、最大値としてそれぞれ値-1,1を採 する場合を例示した。図9において例えば位 角0~60度において電圧指令Vb * は中間相であり、このときに電圧指令Va * ,Vc * がそれぞれ値1,-1を採ることに鑑みれば、電 指令Vb * は値-1,1を(1+Vb * ),(1-Vb * )で内分することがわかる。

 他方、第1の実施の形態で説明したように、 キャリアC2はインバータ2の指令値と比較され 、インバータ2は電圧形であるので、電圧ベ トルV0,V4,V6,V4がこの順に繰り返されるための 指令値を生成するには、値d0,d0+d4,d0+d4+d6=1を る出力電圧指令信号Vu * ,Vv * ,Vw * と、基準値drtが必要となる(値dstは1-drtで求め られる)。

 そこで、台形波電圧指令Va * ,Vb * ,Vc * で示された波形をそれぞれr相,s相,t相につい の電圧指令Vr * ,Vs * ,Vt * として採用し、そのうちの中間相を検出する 。キャリアC1,C2のいずれも最小値、最大値を0 ,1としたので、当該中間相の値に1/2を乗じて1 /2を加算して、インバータ2の基準値(図3に示 値drt)として採用する。具体的にはキャリア C2が当該基準値以上である期間と、当該基準 以下である期間とを、電圧ベクトルに応じ 値で内分する。

 またキャリアC1が上記中間相の値を採る時 を、コンバータ1の転流のタイミングとする これにより、上記実施の形態で説明された うに、コンバータ1のPWM制御用のキャリアC1 、インバータ2のPWM制御用のキャリアC2とに じ波形を採用することができる。以下、電 指令Vr * ,Vs * ,Vt * をキャリアC1との比較対照に採用しつつも、 ャリアC1が電圧指令Vr * ,Vs * ,Vt * の中間相の値を採るタイミングでコンバータ 1が転流することについて説明する。

 図10はスイッチ指令Srp * ,Ssp * ,Stp * ,Srn * ,Ssn * ,Stn * ,Sup ** ,Svp ** ,Swp ** ,Sun ** ,Svn ** ,Swn ** を得るための制御回路3を示すブロック図で る。スイッチ指令Srp * ,Ssp * ,Stp * ,Srn * ,Ssn * ,Stn * は、それぞれコンバータ1のスイッチ素子Srp,S sp,Stp,Srn,Ssn,Stnの導通/非導通を指示し、スイ チ指令Sup ** ,Svp ** ,Swp ** ,Sun ** ,Svn ** ,Swn ** は、それぞれインバータ2のスイッチ素子Sup,S vp,Swp,Sun,Svn,Swnのデッドタイムを考慮した導通 /非導通を指示する。

 コンバータ1を制御する部分(以下「コンバ タ制御部」)は、台形波状電圧指令信号生成 11を有しており、ここでキャリアC1と比較さ れる台形波状電圧指令信号Vr * 、Vs * 、Vt * が生成される。インバータ2を制御する部分( 下「インバータ制御部」)は、台形波状電圧 指令信号生成部21を有しており、ここでキャ アC2と比較される台形波状電圧指令信Vu * 、Vv * 、Vw * が生成される。

 中間相検出部14は台形波状電圧指令信号Vr * 、Vs * 、Vt * の中間相を検出し、最大相と中間相との差、 最小相と中間相との差、あるいは更に両者の 比を求める。ここではキャリアC2の振幅に整 させて台形波状電圧指令信号Vr * 、Vs * 、Vt * の最大振幅が1であり、図10では図3に即した 作を記載しているので、|Vr * -Vt * |として値drtを求め、|Vs * -Vt * |として値dstを求めることができる。

 インバータ2制御部は、インバータ2の出力 圧についての指令値たる電圧指令Vu * ,Vv * ,Vw * を生成する出力電圧指令信号生成部21を有し いる。ここでは台形波状電圧指令信号Vu * 、Vv * 、Vw * の最大振幅を、キャリアC2の振幅に整合させ 1とする。もちろん、キャリアC1,C2の振幅は ずしも1である必要はなく、その振幅に比例 させて台形波状電圧指令信号Vr * 、Vs * 、Vt * 、Vu * 、Vv * 、Vw * の最大振幅を決定できる。

 インバータ2制御部は、コンバータ制御用の 台形波状電圧指令信号Vr * 、Vs * 、Vt * の中間相から求められた値で電圧指令Vu * ,Vv * ,Vw * をそれぞれ補正する第1補正部22、第2補正部23 を有している。

 第1補正部22からの出力はキャリアC2が値dr t以上を採る領域(キャリアC1とキャリアC2とは 同じなので、換言すれば期間Tsにおけるキャ アC2の領域)における指令値を、第2補正部23 らの出力はキャリアC2が値drt以下を採る領 (キャリアC1とキャリアC2とは同じなので、換 言すれば期間TrにおけるキャリアC2の領域)に ける指令値を、それぞれ示すこととなる。

 具体的には、図3の場合を例にとって、イン バータ2においてはスイッチ素子Swnが導通し スイッチ素子Swpが非導通の状態であるので 電圧指令Vu * ,Vv * ,Vw * はそれぞれd0,d0+d4,1となる。よって期間Tsにお けるキャリアC2に対する指令値drt+dst・d0,drt+ds t(d0+d4),drt+dst(=1)を得るためには、電圧指令Vu * ,Vv * ,Vw * のそれぞれに対して値dstを乗じて更に値drtと の和を採ればよい。このことを図10では「drt+ dst・V * 」として示した。ここで記号V * は電圧指令Vu * ,Vv * ,Vw * を代表する表記である。もちろん、dst=1-drtで あることに鑑みて、drt(1-V * )+V * として指令値を求めてもよい。

 同様に、期間TrにおけるキャリアC2に対する 指令値drt(1-d0),drt(1-d0-d4),drt(1-d0-d4-d6)(=0)を得る ためには、電圧指令Vu * ,Vv * ,Vw * のそれぞれを1から減じて更に値drtを乗じれ よい。このことを図10では「drt(1-V * )」として示した。

 このようにして得られた6個の指令値は比較 部24においてキャリアC2と比較される。スイ チ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnは期間Tr,Tsのそれぞ において電圧ベクトルV0,V4,V6,V4を構成する イッチングを行う。例えばu相について言え 、スイッチ素子Sup,Sunが期間Tr,Tsのそれぞれ おいてスイッチングする。よって上記の比 結果は相毎に論理和が求められて、スイッ 指令Sup ** ,Svp ** ,Swp ** ,Sun ** ,Svn ** ,Swn ** が求められる。斯かる論理和の演算は論理和 演算部25において行われる。

 さて、コンバータ制御部は比較部12を有し おり、ここで台形波状電圧指令信号Vr * 、Vs * 、Vt * とキャリアC1とが比較される。この比較結果 、スイッチ指令Srp * ,Ssp * ,Stp * ,Srn * ,Ssn * ,Stn * との関係について以下に述べる。

 前掲した非特許文献5には、電圧形インバ ータの相電圧と電流形インバータの相電流と の双対性、及び電圧形インバータの線間電圧 と電流形インバータの相電流との双対性に鑑 みて、線電流指令値に基づくスイッチングと 相電流指令値に基づくスイッチングとの対応 関係について教示している。

 図11はここで検討するインバータの構成 示す回路図である。当該インバータは、コ バータ1のスイッチングについて検討するた のものであり、インバータ2とは直接には関 係ないので、三相交流についてa相、b相、c相 との名称を採用する。当該インバータはa相 ハイアーム側にスイッチ素子Sapを、ローア ム側にスイッチ素子Sanを、それぞれ有して る。当該インバータは同様にして、b相にお てスイッチ素子Sbp,Sbnを、c相においてスイ チ素子Scp,Scnを、それぞれ有している。

 a相の線電流iaは、a相-c相間の相電流icaとb 相-a相間の相電流ibaとの差で求まるため、こ らの一対の相電流を流すスイッチングを行 場合のみ、a相電流が流れる。他の相の線電 流についても同様である。そこで、相電流ijk が上アーム側のスイッチ素子に流れるか否か を記号Sjkで、下アーム側のスイッチ素子に流 れるか否かを記号SjkBで表すことにする。こ で記号j,kは相互に異なりつつも記号a,b,cを代 表し、記号Sjk,SjkBが二値論理“1”/“0”をと ことで、相電流ijkが「流れる」/「流れない 」を示すこととする。

 インバータが相電圧指令とキャリアとの比 に基づいて線電流を流すときに、ハイアー 側のスイッチ素子Sjp、ローアーム側のスイ チ素子Sjnの導通/非導通を制御するスイッチ 指令を、それぞれ記号Sj + ,Sj - で示すと、非特許文献5に示す内容は以下の うになる。

 ここで更に、電圧形インバータの相電圧と 流形インバータの相電流との双対性に鑑み ば、上記の各式の右辺の論理値は、電圧形 ンバータでの相電圧とキャリアとの比較結 として得られることが分かる。非特許文献5 によれば、相電流ijkの指令値が相電圧Vjの指 値と対応する。よって記号Sjkの論理は相電 指令Vj * とキャリアとの比較によってスイッチ素子Sjp を導通させる論理と一致し、記号SjkBの論理 相電圧指令Vj * とキャリアとの比較によってスイッチ素子Sjn を導通させる論理と一致する。

 今、図9で示された電圧指令Va * ,Vb * ,Vc * において位相角が0~60度にある場合を説明す 。電圧指令Va * ,Vc * はそれぞれ値1,-1を採るので、Sac=1,SacB=0,Scb=0,S cbB=1となる。これにより、Sa + =SbaB,Sb + =Sba,Sc + =Sa - =Sb - =0となる。

 記号SbaBの論理は相電圧指令Vbとキャリアと 比較によってスイッチ素子Sap,Sbpをそれぞれ 導通/非導通させる論理と一致し、記号Sbaの 理は相電圧指令Vbとキャリアとの比較によっ てスイッチ素子Sbp,Sapをそれぞれ導通/非導通 せる論理と一致する。より具体的には、相 圧指令Vbがキャリア以下の場合にはスイッ 素子Sapを導通させ、以上の場合にはスイッ 素子Sbpを導通させる。そして記号Sa + 、Sb + は線電流を流すときにそれぞれスイッチ素子 Sap,Sbpを導通させる期間を示す。

 これを本願に即してみれば、a相,b相,c相を れぞれr相、s相、t相と読み替えて、電圧指 信号Vs * がキャリアC1以下の場合にはスイッチ素子Srp 導通し、キャリアC1以上の場合にはスイッ 素子Sspが導通する。キャリアC1の最小値が0 あることに鑑みれば、電圧指令信号Vs * の値がスイッチ素子Srpを導通させる期間に相 当する。

 以上のことから電圧指令信号Vs * の値は、キャリアC2の指令値を求める際の基 値drtとなる。しかもコンバータ1のスイッチ 素子Srp,Sspを値drt,1-drtの比に比例する期間で 互に導通させる転流のタイミングをキャリ C1の値として規定する。他の位相角において も同様に、電圧指令Vr * 、Vt * の値ついては上記の説明が妥当する。

 上述のようにして決定される電圧指令信号V r * ,Vs * ,Vt * とキャリアC1との比較によって得られた結果 比較部12から電流形ゲート論理変換部13へと 与えられ、式(7)で示された変換式に則った変 換が行われる。当該変換により、スイッチ指 令Srp * ,Ssp * ,Stp * ,Srn * ,Ssn * ,Stn * が求められる。

 第5の実施の形態.
 本実施の形態では、第4の実施の形態で説明 した電圧指令信号Vr * 、Vs * 、Vt * の望ましい波形についての一例を示す。

 上述のように、第4の実施の形態では電圧指 令信号Vr * 、Vs * 、Vt * として図9に例示された電圧指令Va * ,Vb * ,Vc * (キャリアC1,C2の最小値、最大値をそれぞれ0,1 とする場合には、電圧指令Va * ,Vb * ,Vc * に1/2を乗じて1/2を加算する)を採用していた そしてこれらの波形はそれぞれ360度周期で って相互に120度ずれており、120度で連続す 平坦区間の一対と、これら一対の平坦区間 つなぐ60度の傾斜領域の一対を有する台形波 であった。そこで以下では60度の区間の傾斜 域の波形についての望ましい関数形につい 説明する。

 さて、上掲の非特許文献1においては、本願 ではスイッチ素子Srp,Sspとして示されるスイ チ素子を導通させる期間の比、即ち通流比 望ましい関係について示している。そこで 実施の形態ではまず、非特許文献1で示され 望ましい通流比について説明する。そして の後、かかる通流比を実現するために、電 指令信号Vr * 、Vs * 、Vt * がどのような傾斜領域を有することになるの かについて説明する。

 図12は、コンバータ1の入力端Pr,Ps,Ptにそ ぞれ入力される相電圧Vr,Vs,Vtと、各相の通流 比(デューティー)と、直流電源線LH,LLの間の 圧と、入力電流Ir,Is,Itを例示するグラフであ る。各相電圧Vr,Vs,Vtは、2つの相電圧が正で残 りの1つの相電圧が負である領域1と、2つの相 電圧が負で残りの1つの相電圧が正である領 2の何れかの領域に区別される。そして、こ ら領域1,2が位相角60度毎に交互に繰り返し れる。具体的には相電圧Vr,Vs,Vtは下記の式に 基づいている。

 コンバータの一つのスイッチング態様と て、領域1,2のそれぞれにおいて、相電圧の 対値が最も大きい相(最大相もしくは最小相 )についてはスイッチ素子を常に導通させ、 れ以外の2つの相(これらはいずれも最大相ま たは最小相とは極性が反対)については所定 通流比でスイッチ素子を導通させる。

 通流比が正の場合はスイッチ素子Srp,Ssp,St pのデューティを示し、通流比が負の場合に スイッチ素子Srn,Ssn,Stnのデューティを示す。 上述で例示したように、最小相に対応する相 については直流電源線LLに接続されるスイッ 素子が常に導通するので通流比は-1であり 最大相に対応する相については直流電源線LH に接続されるスイッチ素子が常に導通するの で通流比は1である。

 例えば位相角30度から90度までの領域は上 記の領域1に分類される。当該領域においてt は最小相であり、相電圧の絶対値が最も大 く、かつその極性が負であるので、スイッ 素子Stnを常に導通させる。その他の相であ r相,s相については、相電圧の極性が正であ ので、スイッチ素子Srp,Sspをそれぞれ以下の 通流比drt,dstで排他的に導通させる。

 ただし、θr,θs,θtはそれぞれ相電圧Vr,Vs,Vt の位相であるので、θs=θr-2π/3,θts=θr+2π/3の 係にある。

 また位相角90度から150度までの領域にお ては上記の領域2に分類される。当該領域に いて、s相は最大相であり、その絶対値が最 も大きく、かつその極性が正であるので、ス イッチ素子Sspを常に導通させる。その他の相 であるr相、t相については、相電圧の極性が であるので、スイッチ素子Srn,Stnをそれぞれ 以下の通流比で排他的に導通させる(図12で負 となる通流比は相電圧の極性が負であること を示している)。

 なお、位相角が60度ごとの領域において 常に導通させるスイッチ素子と、相互に排 的に切り替えて導通させるスイッチ素子と 表1に示す。

 最大相もしくは最小相に対応するスイッ 素子は常に導通するので、直流電源線LH,LL 間に印加される電圧(以下、「直流リンク電 」と呼ぶ)としては、最大相と最小相との間 の線間電圧Emaxと、最小相と中間相(領域1)又 最大相と中間相(領域2)との間の線間電圧Emid 2つの電圧が得られる。また、直流リンク電 圧の平均値Vdcは、各々の通流比を乗じること により得られ、次のように表され、上記の通 流比でスイッチングすることにより、直流リ ンク電圧は脈流状の電圧波形となる。

 インバータ2側においては、この電圧Vdcを 入力として用いて制御を行う。インバータ2 では脈流分を補償するように電圧制御を行 ため、通電時間には脈流分cosθinが乗じられ 。また、インバータ2の負荷は誘導性である ので、電流源として把握できる。よって直流 電源線LH,LLを流れる電流idc_avgは、インバータ の出力電流の振幅をI0として、k・I0・cosψ・co sθinで示される。但し、kは変調率であって0&l t;k<√3/2、ψは出力電圧と出力電流の位相差 である。

 コンバータ1側では一相が導通状態であり 、二相が各々の通流比でスイッチングするた め、例えば位相角30度から90度の領域におい 、各相の入力電流ir,is,itは、次のように表さ れる。

 その他の位相角についても同様の結果と り、以って図3に示すように入力電流ir,is,it 正弦波とすることができる。

 上記通流比は、相電圧Vr、Vs、Vtの対象性 ら、領域1,2のそれぞれにおいて個別に位相 φ(0≦φ≦π/3)を導入すれば、傾斜領域の波 の絶対値は、各相の傾斜領域に対して共通 表現できる。ここでは30≦θ≦90の領域1を考 の対象として傾斜領域の波形を導く。この 域ではφ=θ-π/6の関係が成立するので、位相 角φが増大するとともに通流比が増大する傾 領域ではその通流比は

と表される。同様にして位相角φが増大す とともに通流比が減少する傾斜領域ではそ 通流比は(1+√3tan(φ-π/6))/2と表される。

 よって電圧指令信号Vr * 、Vs * 、Vt * の傾斜領域は、その始期を基準とする位相各 φを導入して、上記通流比を以て表現するこ ができる。例えば図9を参考にして、b相をs と読み替えて、電圧指令信号Vs * は下記のように表される。

 他の相についても同様である。もちろん キャリアC1の振幅、中央値が異なれば上記 表現も異なる。例えばキャリアC1の最小値及 び最大値をそれぞれm,Mとするとその振幅は(M- m)/2,中央値は(M+m)/2となるので、台形波は下記 で示される。

 例えばキャリアC1の最小値及び最大値が れぞれ-1,1であれば、傾斜領域のうち、位相 の増大と共に増大する領域においては当該 形波は√3tan(φ-π/6)をとり、位相角の増大と 共に減少する領域においては当該台形波は- 3tan(φ-π/6)をとる。

 第6の実施の形態.
 本実施の形態では、第5の実施の形態で説明 した電圧指令信号Vr * 、Vs * 、Vt * を得るための簡単な演算について説明する。 ここでは特許文献2で記載された手法を用い 更に処理を追加して電圧指令Vr * 、Vs * ,Vt * を求める。具体的には図10を参照して、台形 状電圧指令信号生成部11はr相の波形Vrを電 同期信号として入力する。これに基づき、 圧指令信号の元となる電圧波形を求める。 体的には各相の電圧波形は下記のように示 れる(図12の相電圧参照)。

 次に、これらの三相の中間相の1/2をそれ れに加える。例えば位相角0度から60度にお ては、中間相はr相である。よってこの位相 角の範囲で、新たな電圧波形Vr’、Vs’,Vt’

が得られる。ここでVr+Vs+Vt=0を用いた。図13 は電圧波形Vr’、Vs’,Vt’を示すグラフであ 、Vm=1/√3とした。

 直流リンク電圧Vdcの高電位側の包絡線(以 下、脈流電圧Vlinkと呼ぶ)は、最大相と最小相 の電圧差であり、位相角0度から60度において は、線間電圧Vrtである。よってこの位相角の 範囲で下式が成立する。

 よって式(17)、(18)から下式が得られる。

 そして更に処理を追加する。具体的には 圧波形Vr’で電圧波形Vr’,Vs’,Vt’を正規化 する。これにより、下記の電圧波形Vr”,Vs”, Vt”が得られる。

 更にキャリアC1の最小値及び最大値がそ ぞれ0,1であることに鑑みて、これらの波形 大きさを半分に縮小し、かつ最小値及び最 値をそれぞれ0,1にする。具体的には電圧波 Vs”,Vt”を用いて下記の演算が行われる。

 式(21)は0度から60度において式(14)と一致す 。つまり上記の処理によって台形波状電圧 令信号Vs * が得られたことがわかる。

 つまり台形波状電圧指令信号生成部11は、 源同期信号Vrを得て、三相の電圧波形を生成 し、その中間相の1/2を各波形に加算し、その 加算した結果を最大相で正規化する処理を行 って台形波状電圧指令信号Vs * を得る。他の相についても同様にして求めら れる。

 第7の実施の形態.
 本実施の形態では、コンバータ1の転流のタ イミングを定める、他の設定について説明す る。具体的には電流形コンバータ1のキャリ C1の指令値として電流値を採用する場合を説 明する。この場合、電流指令値としては、通 流比自体を採用すればよい。

 図12を参照して、位相角θが30度乃至90度 区間(ここではt相のローアーム側スイッチ素 子値が常に導通しているので、t相の通流比 -1として示されている)では、r相の通流比drt s相の通流比dstとを、キャリアC1の指令値と て採用すればよい。

 換言すれば三相の電流指令値のうち、絶 値が最大となる相以外の二相を抽出し、こ をキャリアC1の指令値として採用すればよ 。しかも当該二相の指令値が流通比そのも であるので、これらを第1補正部22、第2補正 23に与えればよい。

 このような処理のためには、例えば中間 検出部14を、上記二相を検出する機能を担 処理部に置換する。

 傾斜領域での通流比は式(13)から求められ るので、台形波の傾斜の絶対値も、キャリア C1の最小値および最大値をそれぞれm,Mとして( (m+M)+√3・(M-m)・tan(φ-π/6))/2若しくは((m+M)-√3 (M-m)・tan(φ-π/6))/2として表すことができる

 このような台形波を得るために、例えば 形波状電圧指令信号生成部11を電流指令を 成する処理部に置換する。電源同期信号Vrに 基づいて電流指令を生成するのである。

 但し、r相の電流指令値Ir * は電源同期信号Vrからπ/6ずらせる必要がある 。式(9)に示されるようにして通流比が求まる ので、図12に示されるように傾斜領域の基点 r相の基点から30度ずれるからである。この うに位相をずらせる処理も、上記の電流指 を生成する処理部に担わせることができる

 電圧指令の中間相を検出して電流形コン ータ1の転流を行わせる場合には、式(7)に示 される変換が必要であったが、電流指令の二 相を検出して転流を行わせる場合には、式(7) の変換が不要となる。よって後者の場合には 、キャリアC1と電流指令との比較結果は、イ バータ2の制御と同様に、論理和を演算する だけで足りる。

 マトリックスコンバータへの応用.
 上述の直接形電力変換器を仮想し、そのス ッチング態様に基づいてマトリックスコン ータのスイッチングを行うこともできる。

 図14はマトリックスコンバータの構成を 示する構成図である。入力端Pr,Ps,Ptと、直接 形変換部MCVと、出力端Pu,Pv,Pwとを備えている 入力端Pr,Ps,Ptから入力される三相交流入力 圧の振幅、周期の少なくとも何れかを変換 て三相交流出力電圧として出力端Pu,Pv,Pwに出 力する。

 直接形変換部MCVは、スイッチ素子Sur,Sus,Su t,Svr,Svs,Svt,Swr,Sws,Swtを備えている。3つのスイ チ素子Sur,Sus,Sutは、入力端Pr,Ps,Ptの各々と出 力端Puとの間に接続されている。3つのスイッ チ素子Svr,Svs,Svtは、入力端Pr,Ps,Ptの各々と出 端Pvとの間に接続されている。3つのスイッ 素子Swr,Sws,Swtは、入力端Pr,Ps,Ptの各々と出力 Pwとの間に接続されている。

 図15はこれらのスイッチ素子を制御する イッチ指令を生成する制御回路10を示すブロ ック図である。制御回路10は制御回路3に対し てゲート論理合成部33を追加した構成を有し いる。

 直接形変換部MCVの制御については、図1に示 すコンバータ1、インバータ2を仮想する。そ て上記の実施の形態と同様にして電流形ゲ ト論理変換部12からスイッチ指令Srp * ,Ssp * ,Stp * ,Srn * ,Ssn * ,Stn * を、論理和演算部25からスイッチ指令Sup ** ,Svp ** ,Swp ** ,Sun ** ,Svn ** ,Swn ** を得る。

 そしてゲート論理合成部33は、スイッチ指 Srp * ,Ssp * ,Stp * ,Srn * ,Ssn * ,Stn * ,Sup ** ,Svp ** ,Swp ** ,Sun ** ,Svn ** ,Swn ** から次の式により行列変換して、直接形変換 部MCVのスイッチ信号として出力する。スイッ チ信号S11,S12,S13,S21,S22,S23,S31,S32,S33は、それぞ スイッチ素子Sur,Sus,Sut,Svr,Svs,Svt,Swr,Sws,Swtに いてのスイッチ信号である。

 よって上記実施の形態に基づいて、いず も仮想的なコンバータ1及びインバータ2を 作させるので、直接形変換部MCVのスイッチ グによっても、本電力変換装置においても3 の出力端Pu,Pv,Pwに生じる零電圧や、デッド イムに起因して生じる入力端Pr,Ps,Ptにおける 電流の歪みを抑制することができる。

 この発明は詳細に説明されたが、上記し 説明は、すべての局面において、例示であ て、この発明がそれに限定されるものでは い。例示されていない無数の変形例が、こ 発明の範囲から外れることなく想定され得 ものと解される。