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Title:
POWER TRANSMISSION CHAIN, AND POWER TRANSMISSION DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041405
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a power transmission chain and a power transmission device, which eliminate the undesired one from a random array of a pitch length and a pin shape while noting a relative collision velocity, thereby to reduce the noises more. The pitch length is divided into two kinds of a link (L1) of a smaller pitch length and a link (L2) of a larger pitch length, and the pin shape is divided into two kinds of a pin (P1) of a larger rolling contact face curvature and a pin (P2) of a smaller rolling contact face curvature. The array is made such that a combination (L1 and P2) is just followed, in the chain advancing direction, not by a combination (L2 and P2) and a combination (L2 and P1) but by either of the combination (L1 and P2) and a combination (L1 and P1).

Inventors:
KAMAMOTO SHIGEO (JP)
TADA SEIJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067141
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JTEKT CORP (JP)
KAMAMOTO SHIGEO (JP)
TADA SEIJI (JP)
International Classes:
F16G5/18; F16G5/00; F16H9/24
Domestic Patent References:
WO2006082937A12006-08-10
Foreign References:
JP2006105355A2006-04-20
JP2006002783A2006-01-05
JP2006097844A2006-04-13
JP2006242374A2006-09-14
Other References:
See also references of EP 2192326A4
Attorney, Agent or Firm:
SUGAHARA, Ichiro (Petit Chateau Gouda 205 2-8-25, Tamagawa-gakuen, Machida-sh, Tokyo 41, JP)
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Claims:
 ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされるとともに、ピッチ長が異なるリンクとピン形状が異なるピンとが組み合わされて配列されている動力伝達チェーンにおいて、
 ピッチ長に関しては、ピッチ長小のリンクL1およびピッチ長大のリンクL2の2種類があり、ピン形状に関しては、長いピンP1および短いピンP2の2種類があり、
 (L1,P2)の組合せのチェーン進行方向すぐ後には、(L1,P2)の組合せおよび(L1,P1)の組合せのいずれかが来るように配列されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
 ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされるとともに、ピッチ長が異なるリンクとピン形状が異なるピンとが組み合わされて配列されている動力伝達チェーンにおいて、
 ピッチ長に関しては、ピッチ長小のリンクL1およびピッチ長大のリンクL2の2種類があり、ピン形状に関しては、転がり接触面の曲率が大きいピンP1および転がり接触面の曲率が小さいピンP2の2種類があり、
 (L1,P2)の組合せのチェーン進行方向すぐ後には、(L1,P2)の組合せおよび(L1,P1)の組合せのいずれかが来るように配列されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1また2の動力伝達装置。
Description:
動力伝達チェーンおよび動力伝 装置

 この発明は、動力伝達チェーン、さらに しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT) 好適な動力伝達チェーンおよび動力伝達装 に関する。

 自動車用無段変速機として、図8に示すよ うに、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を しエンジン側に設けられたドライブプーリ( 2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3) 、両者間に架け渡された無端状動力伝達チ ーン(1)とからなり、油圧アクチュエータに って可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に して接近・離隔させることにより、油圧で ェーン(1)をクランプし、このクランプ力に りプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷 を生じさせ、この接触部の摩擦力によりト クを伝達するものが知られている。

 動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、 ピンが挿通される前後挿通部を有する複数の リンクと、一のリンクの前挿通部と他のリン クの後挿通部とが対応するようにチェーン幅 方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能 に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピ とを備え、一のリンクの前挿通部に固定さ かつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌 入れられた第1ピンと一のリンクの前挿通部 に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの 後挿通部に固定された第2ピンとが相対的に がり接触移動することにより、リンク同士 長さ方向の屈曲が可能とされており、騒音 よび振動を低減するために、リンクのピッ 長、ピンの転がり接触面形状、ピンのプー 面との接触位置(オフセット量)などを2種類 上とすることが提案されている。

特開2006-242374号公報

 上記特許文献1に示されている動力伝達チ ェーンでは、ピッチ長が異なる複数のリンク および形状が異なるピンを組み合わせること によって騒音を低減することができるが、衝 突位置におけるピンの速度の方向とプーリの 速度の方向とが一致していないことから、ピ ッチ長ランダムとピン形状ランダムとの組合 せによっては、ピンがプーリへ進入する相対 速度差が大きくなり、騒音に悪影響をもたら すことがある。

 この発明の目的は、ピッチ長とピン形状 のランダム配列の中から、相対衝突速度に 目して好ましくないものを排除することで より一層騒音を低減した動力伝達チェーン よび動力伝達装置を提供することにある。

 この発明による動力伝達チェーンは、ピ が挿通される前後挿通部を有する複数のリ クと、一のリンクの前挿通部と他のリンク 後挿通部とが対応するようにチェーン幅方 に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複 の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、 1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動 することにより、リンク同士の長さ方向の屈 曲が可能とされるとともに、ピッチ長が異な るリンクとピン形状が異なるピンとが組み合 わされて配列されている動力伝達チェーンに おいて、ピッチ長に関しては、ピッチ長小の リンクL1およびピッチ長大のリンクL2の2種類 あり、ピン形状に関しては、長いピン(また は転がり接触面の曲率が大きいピン)P1および 短いピン(または転がり接触面の曲率が小さ ピン)P2の2種類があり、(L1,P2)の組合せのチェ ーン進行方向すぐ後には、(L1,P2)の組合せお び(L1,P1)の組合せのいずれかが来るように配 されていることを特徴とするものである。

 リンクのピッチ長2種類(L1およびL2)とピン 形状2種類(P1およびP2)とを組み合わせる場合 (L1,P1),(L1,P2),(L2,P1)および(L2,P2)の4種類の組合 があり、従来のランダム配列は、「ランダ 」という点から、各組合せの後には、4種類 全てが現れるような配列がよいと考えられて いた。しかしながら、相対衝突速度(衝突位 におけるプーリ速度の方向とピン速度の方 とが違っていることによって生じるピンと ーリとの速度差)を考えると、相対衝突速度 大きいものは、騒音増大の要因となるので 単純にランダム配列とすることは、相対衝 速度の低下を阻害する可能性がある。例え 、(L1,P1)を基準とすると、これに続く組合せ として、(L1,P1),(L1,P2),(L2,P1)および(L2,P2)があり 、どの組合せが続くかで騒音レベルが異なる にもかかわらず、従来、このような連続の組 合せは考慮されていなかった。

 この発明による動力伝達チェーンでは、 対衝突速度に着目して、好ましくない組合 が後に続くことを排除することで、騒音の 減が図られている。

 具体的には、ピッチ長に関して、ピッチ 小のリンクをL1、ピッチ長大のリンクをL2と し、ピン形状に関しては、長いピンかまたは 転がり接触面の曲率が大きいピンをP1、短い ンかまたは転がり接触面の曲率が小さいピ をP2とし、それらの配列に関し、(L1,P2)の組 せのチェーン進行方向すぐ後には、(L2,P2)の 組合せおよび(L2,P1)の組合せが避けられて、(L 1,P2)の組合せおよび(L1,P1)の組合せのいずれか が来る配列だけが採用されている。

 リンクのピッチ長が2種類とされることで 、打音発生の周期がずれて、音圧レベルのピ ークが低減される。ピンの長さについては、 これが2水準とされることで、プーリに接触 る位置が2水準となり、音圧レベルのピーク 低減される。また、第1ピンおよび第2ピン 転がり接触面形状については、第1ピンと第2 ピンとの接触位置の軌跡がインボリュート曲 線とされかつそのインボリュートの基礎円半 径が2水準とされることで、音圧レベルのピ クが低減される。ピンに関しては、長いピ をP1、短いピンをP2とした場合と、転がり接 面の曲率が大きいピンをP1、転がり接触面 曲率が小さいピンをP2とした場合とで同様の 効果を得ることができる。第1ピンおよび第2 ンは、通常、いずれか一方の転がり接触面 平坦面とされ、他方の転がり接触面が相対 に転がり接触移動可能なインボリュート曲 に形成される。ただし、第1ピンおよび第2 ンは、それぞれの接触面が所要の曲面に形 されるようにしてもよい。

 第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、 のリンクの前挿通部の前側部分に設けられ ピン固定部に固定されかつ他のリンクの後 通部の前側部分に設けられたピン可動部に 動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリ クの前挿通部の後側部分に設けられたピン 動部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリ クの後挿通部の後側部分に設けられたピン 定部に固定されていることが好ましい。

 ピン固定部へのピンの固定は、例えば、 械的圧入によるピン固定部内縁とピン外周 との嵌合固定とされるが、これに代えて、 き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。 合固定は、ピン固定部の長さ方向に対して 交する部分の縁(上下の縁)で行われるのが ましい。この嵌合固定の後、予張力付与工 において予張力が付与されることにより、 ンクのピン固定部(ピン圧入部)に均等にかつ 適正な残留圧縮応力が付与される。

 この発明による動力伝達チェーンでは、 1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプ リと接触して摩擦力により動力伝達する。 ずれか一方のピンがプーリと接触するチェ ンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうち のいずれか一方は、このチェーンが無段変速 機で使用される際にプーリに接触する方のピ ン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と す)とされ、他方は、プーリに接触しない方 のピン(インターピースまたはストリップと されており、以下では、「第2ピン」または インターピース」と称す)とされる。

 リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼 とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素 具鋼に限られるものではなく、軸受鋼など 他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後 通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク )とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫 孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピ の材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が 用される。

 なお、この明細書において、リンクの長 方向の一端側を前、同他端側を後としてい が、この前後は便宜的なものであり、リン の長さ方向が前後方向と常に一致すること 意味するものではない。

 上記の動力伝達チェーンは、いずれか一 のピン(インターピース)が他方のピン(ピン) よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段 変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、 この接触による摩擦力により動力を伝達する ものであることが好ましい。各プーリは、円 錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定 シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ 面を有する可動シーブとからなり、両シーブ のシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シー ブを油圧アクチュエータによって移動させる ことにより、無段変速機のシーブ面間距離し たがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、 スムーズな動きで無段の変速を行うことがで きる。

 この発明による動力伝達装置は、円錐面 のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面 状のシーブ面を有する第2のプーリと、これ 第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝 達チェーンとを備えたもので、動力伝達チェ ーンが上記に記載のものとされる。

 この動力伝達装置は、自動車等の車両の 段変速機としての使用に好適なものとなる

 この発明の動力伝達チェーンおよび動力 達装置によると、相対衝突速度に着目して 好ましくない組合せが後に続くことを排除 ることで、騒音の低減が図られており、こ により、使用するリンクおよびピンの形状 変更することなく、その配列の変更だけで 騒音を効率よく低減することができる。

図1は、この発明による動力伝達チェー ンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、リンク、ピンおよびインターピ ースの基準形状を示す拡大側面図である。 図3は、異なるピッチ長のリンクの形状 を示す拡大側面図である。 図4は、異なる形状のピンを示す拡大側 面図である。 図5(a)は、従来の配列の1例を示し、図5( b)は、この発明による配列の1例を示している 。 図6(a)(b)は、図5(a)(b)の配列に関する解 結果としての相対衝突速度を示すグラフで る。 図7は、動力伝達チェーンがプーリに取 り付けられた状態を示す正面図である。 図8は、無段変速機を示す斜視図である 。

 以下、図面を参照して、この発明の実施 態について説明する。以下の説明において 上下は、図2の上下をいうものとする。

 図1は、この発明による動力伝達チェーン の一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は 、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設け られた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリン (11)(21)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)( 21)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数 のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2 ピン)(15)とを備えている。インターピース(15) は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、イ ターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配 置された状態で対向させられている。

 この発明の動力伝達チェーン(1)では、リ ク(11)(21)については、図2に示したリンク(11) と図3に示したリンク(21)との2種類が使用され ており、ピン(14)の断面形状については、図4( a)に示したものと図4(b)に示したものとの2種 が使用されている。

 チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリ クで構成されるリンク列を進行方向(前後方 向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、こ の3列のリンク列からなるリンクユニットを 行方向に複数連結して形成されている。こ 実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列 リンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリ クユニットとされている。

 図2および図3に示すように、リンク(11)(21) の前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め わせられるピン可動部(16)およびインターピ ース(15)が固定されるインターピース固定部(1 7)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定 れるピン固定部(18)およびインターピース(15) が移動可能に嵌め合わせられるインターピー ス可動部(19)からなる。

 各ピン(14)は、インターピース(15)に比べ 前後方向の幅が広くなされており、インタ ピース(15)の上下縁部には、各ピン(14)側にの びる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。

 チェーン幅方向に並ぶリンク(11)(21)を連 するに際しては、一のリンク(11)(21)の前挿通 部(12)と他のリンク(11)(21)の後挿通部(13)とが 応するようにリンク(11)(21)同士が重ねられ、 ピン(14)が一のリンク(11)(21)の後挿通部(13)に 定されかつ他のリンク(11)(21)の前挿通部(12) 移動可能に嵌め合わせられ、インターピー (15)が一のリンク(11)(21)の後挿通部(13)に移動 能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)(21) 前挿通部(12)に固定される。そして、このピ (14)とインターピース(15)とが相対的に転が 接触移動することにより、リンク(11)(21)同士 の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる

 リンク(11)(21)のピン固定部(18)とインター ース可動部(19)との境界部分には、インター ピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a) (19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定さ れているピン(14)を保持する上下の凸円弧状 持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、イ ターピース固定部(17)とピン可動部(16)との 界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧 案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピ ース固定部(17)に固定されているインターピ ス(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(1 7b)が設けられている。

 ピン(14)を基準としたピン(14)とインター ース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボ ュートとされており、この実施形態では、 ン(14)の転がり接触面(14a)が、断面において 径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート 線とされ、インターピース(15)の転がり接触 面(15c)が平坦面(断面形状が直線)とされてい 。これにより、各リンク(11)(21)がチェーン(1) の直線領域から曲線領域へまたは曲線領域か ら直線領域へと移行する際、前挿通部(12)に いては、ピン(14)が固定状態のインターピー (15)に対してその転がり接触面(14a)がインタ ピース(15)の転がり接触面(15c)に転がり接触( 若干のすべり接触を含む)しながらピン可動 (16)内を移動し、後挿通部(13)においては、イ ンターピース(15)がインターピース可動部(19) を固定状態のピン(14)に対してその転がり接 触面(15c)がピン(14)の転がり接触面(14a)に転が 接触(若干のすべり接触を含む)しながら移 する。

 この動力伝達チェーン(1)では、ピンの上 移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ これが騒音の要因となるが、ピン(14)とイン ターピース(15)とが相対的に転がり接触移動 かつピン(14)を基準としたピン(14)とインター ピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボ ュートとされていることにより、ピンおよ インターピースの接触面がともに円弧面で る場合などと比べて、振動を小さくするこ ができ、騒音を低減することができる。

 より一層の騒音および振動の低減のため は、形状が異なる2種類以上のリンク(11)(21) ピン(14)をランダムに配列することが好まし く、これにより、打音発生の周期がずれて、 音のエネルギーが異なる周波数帯に分散され 、音圧レベルのピークが低減される。

 図2および図3において、符号AおよびBで示 す箇所は、チェーン(1)の直線領域においてピ ン(14)とインターピース(15)とが接触している (断面では点)であり、AB間の距離がピッチ長 である。図2のリンク(11)に対して、AB間の距 (ピッチ長)を大きくしたものが、図3のリン (21)となっており、リンク(11)(21)については ピッチ長小のものと大のものとが使用され いる。

 図4において、ピン(14)のインボリュート 線の半径Rbについて、図4(a)に示すインボリ ート曲線の半径Rbが大きいものと図4(b)に示 インボリュート曲線の半径Rbが小さいものと の2種類が使用されている。これら2種類のピ (14)は、図2のピッチ長が小さいリンク(11)お び図3のピッチ長が大きいリンク(21)のいず にも挿通可能であり、リンク(11)のピッチ長2 種類(以下では、ピッチ長小を「L1」、ピッチ 長大を「L2」とする)とピン形状2種類(以下で 、Rb大を「P1」、Rb小を「P2」とする)とを組 合わせることで、(L1,P1),(L1,P2),(L2,P1)および(L 2,P2)の4種類の組合せが可能となっている。

 従来のランダム配列は、上記4種類のラン ダム配列とされており、各組合せの後には、 4種類の組合せの全てが現れるような配列が いと考えられていた。しかしながら、相対 突速度を考えると、相対衝突速度が大きい のは、騒音増大の要因となるので、単純に ンダム配列とすることは、相対衝突速度の 下を阻害する可能性がある。そこで、相対 突速度に着目して、以下のようにして、好 しくない組合せが後に続くことを排除する とで、より一層の騒音の低減が図られてい 。

 図5(a)は、従来の配列の1例を示すもので (L1,P2)の組合せの後に、4種類全ての組合せが 現れている。この従来の配列の相対値衝突速 度(m/sec)を求めたのが、図6(a)に示されている 図6(a)において、0.22m/secを超えるものを相対 衝突速度大とすると、この相対衝突速度大は 、(L1,P2)の組合せの後に、(L2,P1)の組合せが続 か、(L2,P2)の組合せが続く場合に現れること が確認された。

 図5(b)は、上記知見に基づいて、相対衝突 速度大となる組合せを排除した好ましい配列 例を示すもので、具体的には、(L1,P2)の組合 の後に続く(L2,P1)の組合せを(L1,P2)の組合せか または(L1,P1)の組合せに変更するとともに、(L 1,P2)の組合せの後に続く(L2,P2)の組合せについ ても、これを(L1,P2)の組合せかまたは(L1,P1)の 合せに変更したものである。図5(b)の配列の 相対値衝突速度を求めたものが図6(b)であり これによると、この発明のものでは、相対 突速度が全て0.22m/sec以下となり、ランダム 列の利点が生かされた上で、騒音低減の阻 要因となる相対衝突速度大のものが排除さ ていることが分かる。

 なお、上記においては、ピン形状につい 、転がり接触面の曲率が大きいピンP1およ 転がり接触面の曲率が小さいピンP2を例示し ているが、長いピンおよび短いピンの2種類 使用する場合でも、長いピンをP1、短いピン をP2とすることで、上記と同様の相対衝突速 低減効果(屈曲角低減効果)を得ることがで る。

 この動力伝達チェーン(1)は、図8に示すV プーリ式CVTで使用されるが、この際、図7に すように、プーリ軸(2e)を有するプーリ(2)の 固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐 シーブ面(2c)(2d)にインターピース(15)の端面 接触しない状態で、ドライブピン(14)の端面 がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し この接触による摩擦力により動力が伝達さ る。

 実線で示した位置にあるドライブプーリ( 2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して 近・離隔させると、ドライブプーリ(2)にお る巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように 接近時には大きく、離隔時には小さくなる ドリブンプーリ(3)では、図示省略するが、 の可動シーブがドライブプーリ(2)の可動シ ブ(2b)とは逆向きに移動し、ドライブプーリ( 2)の巻き掛け径が大きくなると、ドリブンプ リ(3)の巻き掛け径が小さくなり、ドライブ ーリ(2)の巻き掛け径が小さくなると、ドリ ンプーリ(3)の巻き掛け径が大きくなる。こ 結果、変速比が1:1である状態(初期値)を基 にして、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が 小で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最 であるU/D(アンダードライブ)状態が得られ、 また、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最大 で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最小の O/D(オーバードライブ)状態が得られる。