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Patent Searching and Data


Title:
POWER TRANSMITTING CHAIN AND POWER TRANSMITTING DEVICE WITH THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/128497
Kind Code:
A1
Abstract:
A power transmitting chain in which the rigidity of connection between pins and pulleys is increased and play of the pins when the pins engage with the pulleys is reduced, which produces less drive noise, and which has improved practical durability. A chain (1) passed over a pair of pulleys has connecting members (50) for connecting links (2) to each other. A first pin (3) and a second pin (4) of a connecting member (50) make rolling and sliding contact with each other at a contact section (T) which changes the position thereof as the angle of bend between links (2) changes. End surfaces (17) of the first pin (3) each have a convex section (20) on which a contact region (21) is formed when the end surfaces (17) make contact with sheave surfaces of the pulleys. The center (M) of the projection of each convex section (20) is located between the position (S1) of a first contact section (T1) when the chain (1) engages with a drive pulley and the position (S2) of a second contact section (T2) when the chain (1) engages with a driven pulley.

Inventors:
KAMAMOTO SHIGEO (JP)
MATSUMOTO KOZUE (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/057646
Publication Date:
October 22, 2009
Filing Date:
April 16, 2009
Export Citation:
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Assignee:
JTEKT CORP (JP)
KAMAMOTO SHIGEO (JP)
MATSUMOTO KOZUE (JP)
International Classes:
F16H9/24; F16G5/18
Foreign References:
JP2007271034A2007-10-18
JP2007051712A2007-03-01
JP2006226451A2006-08-31
Other References:
See also references of EP 2267333A4
Attorney, Agent or Firm:
SUGAHARA, Ichiro (JP)
Ichiro Sugawara (JP)
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Claims:
 相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する相対的に小有効半径の第1のプーリおよび相対的に大有効半径の第2のプーリ間に巻き掛けられる動力伝達チェーンにおいて、
 チェーン進行方向に並ぶ複数のリンクと、チェーン進行方向とは直交するチェーン幅方向に延び複数のリンクを互いに屈曲可能に連結する複数の連結部材とを備え、
 上記連結部材は、対をなす第1および第2の動力伝達部材を含み、
 上記第1および第2の動力伝達部材は、互いに対向する対向部を有し、
 各上記対向部は、リンク間の屈曲角の変動に伴い変位する接触部で互いに転がり摺動接触し、
 上記第1の動力伝達部材は、上記シーブ面と接触したときに接触領域が形成される凸湾曲部を有する端面を含み、
 上記チェーン進行方向およびチェーン幅方向の双方と直交する直交方向に関して、上記凸湾曲部の突出中心は、当該動力伝達チェーンが上記第1のプーリに噛み込むときの上記接触部の位置としての第1の位置、当該動力伝達チェーンが上記第2のプーリに噛み込むときの上記接触部の位置としての第2の位置、または上記第1の位置と第2の位置との間に配置されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
 相対的に小有効半径の第1のプーリおよび相対的に大有効半径の第2のプーリと、これら第1および第2のプーリ間に巻き掛けられた請求項1記載の動力伝達チェーンとを備える動力伝達装置。
 請求項2において、上記第1および第2のプーリは有効半径を変更可能な可変径プーリであり、
 上記チェーン進行方向およびチェーン幅方向の双方と直交する直交方向に関して、上記凸湾曲部の突出中心は、上記有効半径に拘わらず、常に、当該動力伝達チェーンが上記第1のプーリに噛み込むときの上記接触部の位置としての第1の位置、当該動力伝達チェーンが上記第2のプーリに噛み込むときの上記接触部の位置としての第2の位置、または上記第1の位置と第2の位置との間に配置されている動力伝達装置。
Description:
動力伝達チェーンおよびこれを える動力伝達装置

 本発明は、動力伝達チェーンおよびこれ 備える動力伝達装置に関する。

 例えば、自動車のプーリ式無段変速機(CVT:Co ntinuously Variable Transmission)等の動力伝達装置 用いられる無端状の動力伝達チェーンは、 数のリンクプレートをピンで連結して形成 れており、一対のプーリに巻き掛けられた 態で使用される。
 ピンの一対の端面が凸湾曲状をなしてプー のシーブ面に係合することにより、動力伝 チェーンとプーリとの間で動力が伝達され 。

特開2006-226451号公報

 このような動力伝達チェーンにおいて、 ンとプーリとの連結の剛性を高めることと ピンがプーリに噛み込むときのピンのがた きを低減することと、駆動音の低減と、実 上の耐久性の更なる向上と、が要請されて る。本発明は、これらの課題を解決するこ を目的とする。

 上記目的を達成するため、本発明の一形 は、相対向する一対の円錐面状のシーブ面( 62a,63a,72a,73a)をそれぞれ有する相対的に小有 半径(D1)の第1のプーリ(60)および相対的に大 効半径(D2)の第2のプーリ(70)間に巻き掛けら る動力伝達チェーン(1)において、チェーン 行方向(X)に並ぶ複数のリンク(2)と、チェー 進行方向とは直交するチェーン幅方向(W)に び複数のリンクを互いに屈曲可能に連結す 複数の連結部材(50)とを備え、上記連結部材 、対をなす第1および第2の動力伝達部材(3,4) を含み、上記第1および第2の動力伝達部材は 互いに対向する対向部(12,19)を有し、各上記 対向部は、リンク間の屈曲角(θ)の変動に伴 変位する接触部(T)で互いに転がり摺動接触 、上記第1の動力伝達部材は、上記シーブ面 接触したときに接触領域(21)が形成される凸 湾曲部(20)を有する端面(17)を含み、上記チェ ン進行方向およびチェーン幅方向の双方と 交する直交方向(V)に関して、上記凸湾曲部 突出中心(M)は、当該動力伝達チェーンが上 第1のプーリに噛み込むときの上記接触部(T1 )の位置としての第1の位置(S1)、当該動力伝達 チェーンが上記第2のプーリに噛み込むとき 上記接触部(T2)の位置としての第2の位置(S2) または上記第1の位置と第2の位置との間に配 置されていることを特徴とするものである。

 動力伝達チェーン(第1の動力伝達部材)がプ リに噛み込まれるとき、第1の動力伝達部材 は、その突出中心がプーリに強圧で挟持され るとともに、第2の動力伝達部材との接触に りこの第2の動力伝達部材から力を受ける。 の結果、第1の動力伝達部材には、突出中心 回りのモーメントが生じる。
 本発明の一形態によれば、第1の動力伝達部 材が第1のプーリに噛み込むときの突出中心 接触部とを直交方向に関して近接配置でき 且つ第1の動力伝達部材が第2のプーリに噛み 込むときの上記突出中心と接触部とを直交方 向に関して近接配置することができる。これ により、第1の動力伝達部材が第1のプーリに み込むときの突出中心回りのモーメントを さくでき、且つ、第1の動力伝達部材が第2 プーリに噛み込むときの突出中心回りのモ メントを小さくできる。その結果、第1の動 伝達部材の凸湾曲部を、第1および第2のプ リの双方に対して滑り難くできる。第1の動 伝達部材と対応する第1および第2のプーリ のそれぞれの滑りを抑制することにより、 れら第1の動力伝達部材と対応する第1および 第2のプーリとのそれぞれの連結の剛性を高 することができる。さらに、第1の動力伝達 材と対応するプーリとのそれぞれの間のが つきの低減、および第1の動力伝達部材と対 応するプーリとのそれぞれの係合音の低減を 達成できる。さらには、第1の動力伝達部材 凸湾曲部の摩耗を抑制でき、動力伝達チェ ンの実用上の耐久性を向上することができ 。

 また、本発明の一形態は、相対的に小有効 径の第1のプーリおよび相対的に大有効半径 の第2のプーリと、これら第1および第2のプー リ間に巻き掛けられた上記の動力伝達チェー ンとを備える動力伝達装置(100)を提供するも である。
 この場合、動力伝達チェーンと対応するプ リとのそれぞれの連結の剛性を向上できる ともに、動力伝達チェーンと対応するプー とのそれぞれの間のがたつきを少なくでき さらには静粛性および実用上の耐久性に優 た動力伝達装置を実現できる。

 また、上記第1および第2のプーリは有効 径を変更可能な可変径プーリであり、上記 ェーン進行方向およびチェーン幅方向の双 と直交する直交方向に関して、上記凸湾曲 の突出中心は、上記有効半径に拘わらず、 に、当該動力伝達チェーンが上記第1のプー に噛み込むときの上記接触部の位置として 第1の位置、当該動力伝達チェーンが上記第 2のプーリに噛み込むときの上記接触部の位 としての第2の位置、または上記第1の位置と 第2の位置との間に配置されている場合があ 。

 この場合、有効半径に拘わらず、常に、動 伝達チェーンと対応するプーリとのそれぞ の、連結の剛性の向上およびがたつきの低 を達成できるとともに、静粛性および実用 の耐久性を極めて優れた状態に維持できる
 なお、上記において、括弧内の数字等は、 述する実施の形態における対応構成要素の 照符号を表すものであるが、これらの参照 号により特許請求の範囲を限定する趣旨で ない。

本発明の一実施の形態に係る動力伝達 ェーンを備える無段変速機の要部構成を模 的に示す斜視図である。 図1のドライブプーリ(ドリブンプーリ) よびチェーンの部分的な拡大断面図である チェーン1の要部の横断面図である。 チェーン1の直線領域の要部の縦断面図 である。 (A)は、チェーン幅方向Wから見た第1お び第2のピンの側面図であり、(B)は、第1の屈 曲領域における第1および第2のピンの側面図 あり、(C)は、第2の屈曲領域における第1お び第2のピンの側面図である。 屈曲領域のチェーンの側面図である。 (A)は、無段変速機が減速装置として機 している状態を示す要部の模式図であり、( B)は、無段変速機が増速装置として機能して る状態を示す要部の模式図である。

 本発明の好ましい実施の形態を添付図面を 照しつつ説明する。
 図1は、本発明の一実施の形態に係る動力伝 達チェーンを備える動力伝達装置としてのチ ェーン式無段変速機(以下では、単に無段変 機ともいう)の要部構成を模式的に示す斜視 である。図1を参照して、無段変速機100は、 自動車等の車両に搭載されるものであり、金 属(構造用鋼等)製の可変径プーリとしてのド イブプーリ60と、金属(構造用鋼等)製の可変 径プーリとしてのドリブンプーリ70と、これ の両プーリ60,70間に巻き掛けられた無端状 動力伝達チェーン1(以下では、単にチェーン ともいう)とを備えている。なお、図1中のチ ーン1は、理解を容易にするために一部断面 を示している。

 図2は、図1のドライブプーリ60(ドリブン ーリ70)およびチェーン1の部分的な拡大断面 である。図1および図2を参照して、ドライ プーリ60は、車両の駆動源に動力伝達可能に 連なる入力軸61に同行回転可能に取り付けら るものであり、固定シーブ62と可動シーブ63 とを備えている。固定シーブ62および可動シ ブ63は、相対向する一対のシーブ面62a,63aを れぞれ有している。各シーブ面62a,63aは円錐 面状の傾斜面を含んでいる。

 各シーブ面62a,63aは、ドライブプーリ60の 心軸線A1に直交する第1の直交平面B1に対し 傾斜しており、各シーブ面62a,63aの母線と上 第1の直交平面B1とのなす角度としてのプー 半角Cは、例えば、11゜に設定されている。 れらシーブ面62a,63a間に溝が区画され、この 溝によってチェーン1を強圧に挟んで保持す ようになっている。

 また、可動シーブ63には、溝幅を変更す ための油圧アクチュエータ(図示せず)が接続 されており、変速時に、入力軸61の軸方向(図 2の左右方向)に可動シーブ63を移動させるこ により、溝幅を変化させるようになってい 。それにより、入力軸61の径方向(図2の上下 向)にチェーン1を移動させて、プーリ60のチ ェーン1に関する有効半径D1(以下、プーリ60の 有効半径D1ともいう)を変更できるようになっ ている。

 一方、ドリブンプーリ70は、図1および図2に 示すように、駆動輪(図示せず)に動力伝達可 に連なる出力軸71に同行回転可能に取り付 られており、ドライブプーリ60と同様に、チ ェーン1を強圧で挟む溝を形成するための相 向する一対のシーブ面73a,72aをそれぞれ有す 固定シーブ73および可動シーブ72を備えてい る。
 各シーブ面73a,72aは、ドリブンプーリ70の中 軸線A2に直交する第2の直交平面B2に対して 斜しており、各シーブ面73a,72aの母線と上記 2の直交平面B2とのなす角度としてのプーリ 角Cは、例えば、11゜に設定されている。ド イブプーリ60のプーリ半角Cとドリブンプー 70のプーリ半角Cとは等しい。

 ドリブンプーリ70の可動シーブ72には、ド ライブプーリ60の可動シーブ63と同様に油圧 クチュエータ(図示せず)が接続されており、 変速時に、この可動シーブ72を移動させるこ により溝幅を変化させるようになっている それにより、チェーン1を移動させて、プー リ70のチェーン1に関する有効半径D2(以下、プ ーリ70の有効半径D2ともいう)を変更できるよ になっている。

 図3は、チェーン1の要部の横断面図である 図4は、チェーン1の直線領域の要部の縦断面 図である。なお、以下では、図4を参照して 明するときは、チェーン1の直線領域をチェ ン幅方向Wから見た状態を基準として説明す る。
 図3および図4を参照して、チェーン1は、複 のリンク2と、これらのリンク2を互いに屈 可能に連結する複数の連結部材50とを備えて いる。

 以下では、チェーン1の進行方向に平行な方 向をチェーン進行方向Xといい、チェーン進 方向Xに直交する方向のうち連結部材50の長 方向に平行な方向をチェーン幅方向Wといい チェーン進行方向Xおよびチェーン幅方向W 双方に直交する方向を直交方向Vという。
 また、直交方向Vの一方V1は、チェーン1が屈 曲しているときにおけるチェーン径方向の外 側を向く方向であり、直交方向Vの他方V2は、 チェーン1が屈曲しているときにおけるチェ ン径方向の内側を向く方向である。

 各リンク2は、平板状の鋼板を金型でプレス 成形してなるものであり、チェーン進行方向 Xの前後に並ぶ第1の貫通孔としての前貫通孔9 と、第2の貫通孔としての後貫通孔10とがそれ ぞれ形成されている。リンク2は、チェーン 行方向Xに並んでいるとともにチェーン幅方 Wに並んでいる。
 チェーン進行方向Xに隣接するリンク2同士 、相対的にチェーン進行方向Xの上流側にあ リンク2の前貫通孔9と、相対的にチェーン 行方向Xの下流側にあるリンク2の後貫通孔10 が、チェーン幅方向Wに並んで互いに対応し ている。これら対応する貫通孔9,10を挿通す 連結部材50によって、チェーン進行方向Xに り合うリンク2同士が屈曲可能に連結されて り、全体として無端状をなすチェーン1が形 成されている。

 各連結部材50は、第1の動力伝達部材として 第1のピン3と、第2の動力伝達部材としての 2のピン4とを含んでいる。
 第1のピン3は、チェーン幅方向Wに延びる長 の部材である。第1のピン3の外周部として 周面11は、チェーン幅方向Wと平行に延びる らかな面に形成されており、チェーン進行 向Xの前方を向く対向部としての前部12と、 ェーン進行方向Xとは反対の方向を向く平坦 後面としての後部13と、直交方向Vに相対向 る一対の端部としての一端部14および他端 15とを有している。

 前部12は、対をなす第2のピン4と対向してお り、第2のピン4の後述する後部平坦部19と接 部T(チェーン幅方向Wから見て、接触点)で転 り摺動接触している。後部13は、チェーン 行方向Xと直交する第3の直交平面B3に対して 所定の迎え角Eを有している。迎え角Eは、 えば5゜~12゜程度とされている。
 図2および図4を参照して、第1のピン3の長手 方向の一対の端部16には、それぞれ、端面17 設けられている。各端面17は、チェーン幅方 向Wの外側に向けて凸湾曲しており、直交方 Vの他方V2側を向いている。第1のピン3の周面 11の一端部14は、他端部15よりもチェーン幅方 向Wに幅広に形成されている。

 各端面17には、凸湾曲部20が形成されている 。凸湾曲部20は、接触領域21を形成するため 部分であり、対応する端面17の少なくとも一 部(本実施の形態において、全域)に形成され いる。
 第1のピン3が対応するプーリ60,70に噛み込む とき、端面17のうち接触領域21が、当該対応 るプーリ60,70と接触する。すなわち、これら の接触領域21が、各プーリ60,70の対応するシ ブ面62a,63a,72a,73aに薄膜状の潤滑油膜を介し 摩擦接触(係合)する。

 第1のピン3は、上記対応するシーブ面62a,63a, 72a,73a間に挟持されることにより、各プーリ60 ,70との間で動力を伝達する。第1のピン3は、 の端面17の凸湾曲部20が直接動力伝達に寄与 するため、例えば、軸受用鋼(SUJ2)等の、高強 度且つ耐摩耗性に優れた材料で形成されてい る。
 図3および図4を参照して、第2のピン4(スト ップ、またはインターピースともいう)は、 1のピン3と同様の材料により形成された、 ェーン幅方向Wに延びる長尺の部材である。

 第2のピン4は、その一対の端部が上記各プ リのシーブ面に接触しないように、第1のピ 3よりも短く形成されており、対をなす第1 ピン3に対して、チェーン進行方向Xの前方に 配置されている。
 第2のピン4の周面18は、チェーン幅方向Wと 行に延びる滑らかな面とされており、チェ ン進行方向Xとは反対の方向を向く対向部と ての後部平坦部19を有している。後部平坦 19は、直交方向Vに関する第2のピン4の中間部 に形成された、チェーン進行方向Xと直交す 平坦面であり、対をなす第1のピン3の前部12 対向している。

 チェーン1は、いわゆる圧入タイプのチェー ンとされている。具体的には、各リンク2の 貫通孔9には、対応する第1のピン3が遊嵌さ ているとともに、対応する第2のピン4が圧入 固定され、各リンク2の後貫通孔10には、対応 する第1のピン3が圧入固定されているととも 、対応する第2のピン4が遊嵌されている。
 上記の構成により、第1のピン3の前部12と対 をなす第2のピン4の後部平坦部19とは、チェ ン進行方向Xに隣接するリンク2間の屈曲に伴 って移動する接触部T上で、互いに転がり摺 接触する。転がり摺動接触とは、転がり接 およびすべり接触の少なくとも一方を含む 触をいう。なお、各第1および第2のピン3,4は 、対応する前貫通孔9および後貫通孔10に遊嵌 されていてもよい。

 前部12は、チェーン進行方向Xに凸となっ いる。具体的には、前部12のうち、チェー 1の直線領域における接触部T0に対して直交 向Vの一方V1側にある部分の断面形状が、イ ボリュート曲線とされている。また、前部12 のうち、上記接触部T1に対して直交方向Vの他 方V2側にある部分の断面形状は、滑らかな湾 線を含んでいる。これにより、チェーン幅 向Wから見て、対応するリンク2間の屈曲に う接触部Tの移動軌跡は、第1のピン3を基準 するインボリュート曲線を含む。これによ 、隣接するリンク2同士が屈曲する際に、対 する第1および第2のピン3,4が滑らかに転が 接触でき、リンク2同士の滑らかな屈曲を達 できる。その結果、チェーン1の弦振動的な 運動を抑制できる。

 図5(A)は、チェーン幅方向Wから見た第1およ 第2のピン3,4の側面図である。図5(A)を参照 て、第1のピン3は、後部13に沿い且つチェー 幅方向Wとは直交する方向が、高さ方向K1と れている。高さ方向K1に関する第1のピン3の 長さ(高さ)は、例えば、7mm程度とされている
 また、第1のピン3は、後部13とは直交する方 向が厚み方向K2とされている。厚み方向K2に する第1のピン3の長さ(厚み)は、例えば、3mm 度とされている。

 凸湾曲部20は、端面17にクラウニング加工を 施すことにより形成された、チェーン幅方向 Wの外側に突出する面であり、全体が滑らか 凸湾曲している。
 チェーン幅方向Wから見て、第1のピン3の凸 曲部20は、高さ方向K1に沿ってクラウニング 加工を施すとともに、厚み方向K2に沿ってク ウニング加工を施すことにより形成されて る。

 図2および図5(A)を参照して、凸湾曲部20は 、頂部としての突出中心Mを有している。凸 曲部20が各プーリ60,70の対応するシーブ面62a, 63a,72a,73aにそれぞれ接触することで形成され 接触領域21は、この突出中心Mを中心とした ね楕円形形状となる。第1のピン3の接触領 21は、第1のピン3の外周縁部25を避けて配置 れている。

 図2を参照して、各プーリ60,70の有効半径D1,D 2は、以下のようにして定義される。すなわ 、ドライブプーリ60の有効半径D1は、ドライ プーリ60に挟持された第1のピン3の凸湾曲部 20の突出中心Mと、ドライブプーリ60の中心軸 A1との間のプーリ60の径方向の距離として定 義される。
 同様に、ドリブンプーリ70の有効半径D2は、 ドリブンプーリ70に挟持された第1のピン3の 湾曲部20の突出中心Mと、ドリブンプーリ70の 中心軸線A2との間のプーリ70の径方向の距離 して定義される。

 図6を参照して、チェーン1の屈曲領域にお て、チェーン進行方向Xに相隣接するリンク2 は、互いに屈曲角θをなして屈曲している。 曲角θは、第1の平面H1と、第2の平面H2とが す角として定義される。
 第1の平面H1は、屈曲領域の一のリンク2aの 貫通孔10,9のそれぞれに挿通された第1のピン 3a,3bのそれぞれの突出中心Mを含み、且つチェ ーン幅方向Wと平行な平面をいう。

 第2の平面H2は、上記リンク2aとチェーン進 方向Xに隣り合う他のリンク2bの各貫通孔10,9 それぞれに挿通された、第1のピン3b,3cのそ ぞれの突出中心Mを含み、且つチェーン幅方 向Wと平行な平面をいう。
 図7(A)に示すように、無段変速機100では、チ ェーン1のうちドライブプーリ60に噛み込んで いる屈曲領域としての第1の屈曲領域31と、チ ェーン1のうちドリブンプーリ70に噛み込んで いる屈曲領域としての第2の屈曲領域32とが形 成されている。
 図7(A)では、第1および第2のピン3,4を誇張し 拡大表示している。

 無段変速機100が減速装置として機能して るときは、ドライブプーリ60の有効半径D1が 相対的に小さく、ドリブンプーリ70の有効半 D2が相対的に大きいことから、ドライブプ リ60が相対的に小有効半径の第1のプーリと れ、ドリブンプーリ70が相対的に大有効半径 の第2のプーリとされている。このとき、第1 屈曲領域31の屈曲角θは相対的に大きく、第 2の屈曲領域32の屈曲角θは相対的に小さい。

 なお、図7(A)は、ドライブプーリ60の有効半 D1が許容最小値とされるとともに、ドリブ プーリ70の有効半径D2が許容最大値とされて ることにより、無段変速機100の減速比が最 大きい状態を示している。
 チェーン1の第1のピン3がドライブプーリ60 噛み込むとき、すなわち、チェーン1が直線 域33から第1の屈曲領域31に移行するとき、 1のピン3の接触部Tは、図5(B)に示すように、 触部T0から第1の接触部T1に変位する。

 図7(A)を参照して、同様に、チェーン1の第1 ピン3がドリブンプーリ70に噛み込むとき、 なわち、チェーン1が直線領域34から第2の屈 曲領域32に移行するとき、第1のピン3の接触 Tは、図5(C)に示すように、接触部T0から第2の 接触部T2に変位する。
 図5(A)を参照して、第1の接触部T1は、相対的 に直交方向Vの一方V1(チェーン径方向外方側) 配置されており、第2の接触部T2は、相対的 直交方向Vの他方V2(チェーン径方向内方側) 配置されている。

 本実施の形態の特徴の一つは、直交方向Vに 関して、凸湾曲部20の突出中心Mが、第1の接 部T1の位置としての第1の位置S1、第2の接触 T2の位置としての第2の位置S2、または上記第 1の位置S1と第2の位置S2との間に配置されてい る点にある。
 より具体的には、チェーン幅方向Wから見て 、突出中心Mは、チェーン進行方向Xに沿い且 第1の接触部T1を通る第1の直線F1と、チェー 進行方向Xに沿い且つ第2の接触部T2を通る第 2の直線F2と、端面17の外周縁部25とで区画さ た領域G内に配置されている。

 直交方向Vに関して、突出中心Mは、第1およ 第2の直線F1,F2間の概ね中央部に配置されて る。なお、直交方向Vに関して、突出中心M 、第1および第2の直線F1,F2のうちの第2の直線 F2寄りに配置されていてもよい。
 チェーン進行方向Xに関して、突出中心Mは 第1のピン3の概ね中央部に配置されている。 突出中心Mの位置は、接触領域21が端面17の外 縁部25に至らないように、すなわち、端面17 の外周縁部25がプーリに接触するエッジ当た が生じないように設定される。

 以上より、図5(B)に示すように、第1の屈 領域31における第1のピン3の突出中心Mと第1 接触部T1とは、直交方向Vに関して所定の第1 距離P1だけ離れて近接配置されている。こ とき、チェーン幅方向Wから見て、第1の屈曲 領域31の第1のピン3は、第1の接触部T1におい 第2のピン4から抗力としての第1の押圧力Q1を 受けるとともに、凸湾曲部20が、ドライブプ リ60に強圧で接触して固定されている(図2お よび図5(B)参照)。その結果、チェーン幅方向W から見て、第1の屈曲領域31の第1のピン3には 上記第1の押圧力Q1に起因する突出中心M回り のモーメントR1が生じるが、このモーメントR 1のアーム長としての上記第1の距離P1は、直 方向Vにおける第1のピン3の長さに比して短 ので、モーメントR1も小さい。

 また、図5(C)に示すように、第2の屈曲領 32における第1のピン3の突出中心Mと第2の接 部T2とは、直交方向Vに関して所定の第2の距 P2だけ離れて近接配置されている。このと 、チェーン幅方向Wから見て、第2の屈曲領域 32の第1のピン3は、第2の接触部T2において第2 ピン4から抗力としての第2の押圧力Q2を受け るとともに、凸湾曲部20が、ドリブンプーリ7 0に強圧で接触して固定されている(図2および 図5(C)参照)。その結果、チェーン幅方向Wから 見て、第2の屈曲領域32の第1のピン3には、上 第2の押圧力Q2に起因する突出中心M回りのモ ーメントR2が生じるが、このモーメントR2の ーム長としての上記第2の距離P2は、直交方 Vにおける第1のピン3の高さに比して短いの 、モーメントR2も小さい。

 以上の次第で、本実施の形態によれば、第1 のピン3がドライブプーリ60に噛み込むときの 突出中心Mと第1の接触部T1とを直交方向Vに関 て近接配置でき、且つ第1のピン3がドリブ プーリ70に噛み込むときの突出中心Mと第2の 触部T2とを直交方向Vに関して近接配置する とができる。
 これにより、第1のピン3がドライブプーリ60 に噛み込むときの突出中心M回りのモーメン R1を小さくできる。また、第1のピン3がドリ ンプーリ70に噛み込むときの突出中心M回り モーメントR2を小さくできる。

 その結果、第1のピン3の凸湾曲部20を、各プ ーリ60,70の双方に対して滑り難くできる。第1 のピン3と対応するプーリ60,70とのそれぞれの 滑りを抑制することにより、これら第1のピ 3と対応するプーリ60,70とのそれぞれの連結 剛性を高くすることができる。
 さらに、第1のピン3と対応するプーリ60,70と のそれぞれの間のがたつきの低減、および第 1のピン3と対応するプーリ60,70とのそれぞれ 係合音の低減を達成できる。さらには、各 1のピン3の凸湾曲部20の摩耗を抑制でき、チ ーン1の実用上の耐久性を向上することがで きる。

 以上の次第で、チェーン1と対応するプーリ 60,70とのそれぞれの連結の剛性を向上できる ともに、チェーン1と対応するプーリ60,70と それぞれの間のがたつきを少なくでき、さ には静粛性および実用上の耐久性に優れた 段変速機100を実現できる。
 また、直交方向Vに関して、突出中心Mを、 効半径D1,D2に拘わらず、常に、第1の位置S1、 第2の位置S2、または第1の位置S1と第2の位置S2 との間に配置することができる。これにより 、有効半径D1,D2に拘わらず、すなわち、変速 に拘わらず、常に、チェーン1と対応するプ ーリ60,70とのそれぞれの、連結の剛性の向上 よびがたつきの低減を達成できるとともに 静粛性および実用上の耐久性を極めて優れ 状態に維持できる。

 なお、図7(A)に示すように、無段変速機100 が減速装置として機能している場合に則して 説明したが、図7(B)に示すように、無段変速 100が増速装置として機能している場合も同 の構成が成立する。すなわち、無段変速機10 0が増速装置として機能している場合、ドラ ブプーリ60の有効半径D1が相対的に大きく、 リブンプーリ70の有効半径D2が相対的に小さ くなる。したがって、ドライブプーリ60が相 的に大有効半径の第2のプーリとなるととも に、ドリブンプーリ70が相対的に小有効半径 第1のプーリとなる。

 車両用の無段変速機100は、一般的に、設計 、減速比の最大値が相対的に大きく、増速 の最大値が相対的に小さいことから、無段 速機100が減速装置として機能している場合 考慮して突出中心Mの配置を決定すればよい 。
 本発明は、以上の実施の形態の内容に限定 れるものではなく、請求項記載の範囲内に いて種々の変更が可能である。例えば、上 では、減速比が設計上の最大値であるとき 第1および第2の接触部T1,T2を基準とする突出 中心Mの配置を説明したが、これに限らない 例えば、任意の所定の変速比であるときの 1および第2の接触部T1,T2の位置S1,S2を基準と て、突出中心Mの配置を設定する構成として よい。

 また、ドライブプーリ60およびドリブン ーリ70の双方の溝幅が変動する態様に限定さ れるものではなく、何れか一方の溝幅のみが 変動し、他方が変動しない固定幅にした態様 であっても良い。また、上記では溝幅が連続 的(無段階)に変動する態様について説明した 、段階的に変動したり、固定式(無変速)で る等の他の動力伝達装置に適用しても良い