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Patent Searching and Data


Title:
POWER UNIT AND MOTORCYCLE WITH THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/025213
Kind Code:
A1
Abstract:
A power unit having a stepped automatic transmission in which shift clutches are arranged on an input shaft connected to a crankshaft. The power unit has a simple structure and is compact in size in the direction of the axis of the crankshaft. An engine unit (20) is mounted such that, in a region behind the crankshaft (34) and inward, with respect to the vehicle's lateral direction, of a transmission device (31), at least a part of a rear wheel (18) is located outward, with respect to the vehicle's lateral direction, of a crank pin (34c). On the input shaft (52) are mounted first and second clutches (55, 59) and a first and second shift gear pair (86, 83). A third kick gear (111) directly or indirectly meshes with that part of the crankshaft (34) which is inward, with respect to the vehicle's lateral direction, of a first shift gear (58). At least a part of a second shift gear (63) is located outward, with respect to the vehicle's lateral direction, of an inner wall (11d).

Inventors:
OISHI AKIFUMI (JP)
MURAYAMA TAKUJI (JP)
HATA SHINICHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064509
Publication Date:
February 26, 2009
Filing Date:
August 13, 2008
Export Citation:
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Assignee:
YAMAHA MOTOR CO LTD (JP)
OISHI AKIFUMI (JP)
MURAYAMA TAKUJI (JP)
HATA SHINICHIRO (JP)
International Classes:
F16H3/093; B62M11/06; F16H3/083; F16H61/04; F16H59/24; F16H59/44; F16H61/682
Foreign References:
JPS56147946A1981-11-17
JPH11280623A1999-10-15
JP2007146803A2007-06-14
JPS56147946A1981-11-17
Other References:
See also references of EP 2151603A4
Attorney, Agent or Firm:
NAKAYAMA, Kazutoshi et al. (5-4 Tanimachi 1-chome,Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka 12, JP)
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Claims:
 コンロッドが接続されたクランクピンを含むクランク軸と、前記クランク軸に接続された入力軸と出力軸とを含む有段式自動変速装置と、前記クランク軸と前記有段式自動変速装置とを収納するケーシングとを有し、前記クランク軸よりも後方かつ前記有段式自動変速装置の車幅方向内側において、モーターサイクルの車輪の少なくとも一部が前記クランクピンよりも車幅方向外側に位置するように前記モーターサイクルに対して取り付けられるパワーユニットであって、

 前記ケーシングは、前記有段式自動変速装置を収納する変速装置室が形成された変速装置収納部を有し、

 前記変速装置収納部は、前記有段式自動変速装置の車幅方向内側かつ前記車輪の車幅方向外側に位置する内側壁と、前記有段式自動変速装置の車幅方向外側に位置する外側壁とを含み、

 前記有段式自動変速装置は、

  前記入力軸と前記出力軸との間に配置された第1の回転軸と、

  前記入力軸と共に回転する入力側クラッチ部材と、前記入力軸に対して回転可能な出力側クラッチ部材とを有する第1のクラッチと、

  前記第1のクラッチの出力側クラッチ部材と共に回転する第1の変速用ギアと、前記第1の回転軸上に配置され、前記第1の変速用ギアと噛合する第2の変速用ギアとを有し、前記入力軸の回転を前記第1の回転軸に伝達する一方、前記第1の回転軸の回転を前記入力軸に伝達しない第1のギア対と、

  前記入力軸上に設けられ、前記入力軸に対して回転可能な第3の変速用ギアと、前記第3の変速用ギアと噛合し、前記第1の回転軸と共に回転する第4の変速用ギアとを有し、前記第1のギア対よりも小さなギア比を有する第2のギア対と、

  前記第3の変速用ギアと共に回転する入力側クラッチ部材と、前記第1の変速用ギアと共に回転する出力側クラッチ部材とを有し、前記第1のクラッチが接続されるときの前記入力軸の回転速度よりも高い回転速度で接続される第2のクラッチと、

  前記第1の回転軸の回転を前記出力軸に伝達する動力伝達機構と、

を有し、

 前記外側壁に回転可能に支持されたキック軸と、

 前記キック軸と共に回転するキックペダルと、

 前記キック軸と前記クランク軸との間に設けられた中間軸と、

 前記キック軸に設けられ、前記第1及び第2のギア対よりも車幅方向の外側に配置された第1のキック用ギアと、前記中間軸に設けられ、前記第1のキック用ギアと噛合する第2のキック用ギアとを有し、前記キック軸の回転を前記中間軸に伝達するキック用伝達ギア対と、

 直接または間接的に前記クランク軸の前記第1の変速用ギアよりも車幅方向内側の部分に噛合し、前記中間軸の回転を前記クランク軸に伝達する第3のキック用ギアと、

を備え、

 前記第2の変速用ギアの少なくとも一部は、前記内側壁の車幅方向外側に位置しているパワーユニット。

 請求項1に記載されたパワーユニットにおいて、

 前記コンロッドと前記クランク軸とを含むエンジンを備え、

 前記エンジンは、単気筒エンジンまたはVツインエンジンであるパワーユニット。

 請求項1に記載されたパワーユニットにおいて、

 前記入力軸は、前記入力軸の軸心と前記クランク軸の軸心とが略同一直線上に位置するように配置されているパワーユニット。

 請求項1に記載されたパワーユニットにおいて、

 前記有段式自動変速装置は、

  前記中間軸と前記クランク軸との間に設けられた別の中間軸と、

  前記第3のキック用ギアと噛合し、前記別の中間軸と共に回転する第4のキック用ギアと、

  前記別の中間軸と共に回転する第5のキック用ギアと、

  前記第5のキック用ギアと噛合し、前記クランク軸の前記第1の変速用ギアよりも車幅方向内側の部分に回転不能に設けられた第6のキック用ギアと、をさらに有するパワーユニット。

 請求項4に記載されたパワーユニットにおいて、

 前記別の中間軸は、バランサ軸であるパワーユニット。

 請求項1に記載されたパワーユニットにおいて、

 前記クランク軸を回転させるセルモータをさらに備えるパワーユニット。

 請求項6に記載されたパワーユニットにおいて、

 直接または間接的に前記クランク軸の前記第1の変速用ギアよりも車幅方向内側の部分に噛合し、前記セルモータの回転を前記クランク軸に伝達するセルモータ用ギアをさらに備えるパワーユニット。

 請求項1に記載のパワーユニットを備えたモーターサイクル。
Description:
パワーユニット及びそれを備え モーターサイクル

 本発明はパワーユニット及びそれを備え モーターサイクルに関する。

 モーターサイクルでは、ライダーが車体 傾斜させることで方向転換が行われる。こ ため、モーターサイクルにおいては、車幅 狭いことが好ましい。また、近年、自動変 装置を用いたモーターサイクルに対するニ ズが高まってきている。従って、車幅方向 スリムな有段式自動変速装置が求められて る。

 例えば、特許文献1には、3速の有段式自動 速装置を用いたモーターサイクルが開示さ ている。特許文献1では、有段式自動変速装 の複数のクラッチが前後方向に配列されて る。これにより、比較的幅狭の有段式自動 速装置が実現されている。 

実開昭62-23349号公報

 ところで、特許文献1に記載された有段式 自動変速装置では、複数の変速用クラッチを 有するプラネタリーギアが、クランク軸上に 設けられている。このように、プラネタリー ギアを用いることにより、クランク軸上のみ において変速を行うことが可能になる。しか しながら、プラネタリーギアは、比較的複雑 な構成を有する。よって、自動変速装置の構 成が複雑となる。

 また、複雑な構成を有するプラネタリー アをクランク軸上に配置することによって クランク軸の軸線方向における有段式自動 速装置の大きさが大きくなる。特に、特許 献1に記載された有段式自動変速装置では、 クランク軸のプラネタリーギアよりも車幅方 向外側の部分に、キック軸からの回転が伝達 されるギアが設けられている。従って、特許 文献1に記載された有段式自動変速装置は、 ランク軸の軸線方向における有段式自動変 装置の大きさが特に大きいという問題を有 る。

 本発明は、かかる点に鑑みてなされたも であり、その目的は、クランク軸に接続さ た入力軸上に複数の変速用クラッチが配置 れた有段式自動変速装置を有するパワーユ ットであって、シンプルな構成を有し、ク ンク軸の軸線方向における大きさが小さい ワーユニットを提供することにある。

 本発明に係るパワーユニットは、有段式 動変速装置と、ケーシングとを有している 有段式自動変速装置は、クランク軸と、入 軸と、出力軸とを含む。クランク軸は、ク ンクピンを含む。クランクピンには、コン ッドが接続されている。入力軸は、クラン 軸に接続されている。ケーシングは、クラ ク軸と有段式自動変速装置とを収納してい 。本発明に係るパワーユニットは、クラン 軸よりも後方かつ有段式自動変速装置の車 方向内側において、モーターサイクルの車 の少なくとも一部がクランクピンよりも車 方向外側に位置するようにモーターサイク に対して取り付けられる。

 ケーシングは、変速装置収納部を有して る。変速装置収納部には、変速装置室が形 されている。変速装置室には、有段式自動 速装置が収納されている。変速装置収納部 、内側壁と、外側壁とを含む。内側壁は、 段式自動変速装置の車幅方向内側かつ車輪 車幅方向外側に位置している。外側壁は、 段式自動変速装置の車幅方向外側に位置し いる。

 有段式自動変速装置は、第1の回転軸と、 第1のクラッチと、第1のギア対と、第2のギア 対と、第2のクラッチと、動力伝達機構とを する。第1の回転軸は、入力軸と出力軸との に配置されている。第1のクラッチは、入力 側クラッチ部材と、出力側クラッチ部材とを 有する。入力側クラッチ部材は、入力軸と共 に回転する。出力側クラッチ部材は、入力軸 に対して回転可能である。第1のギア対は、 1の変速用ギアと、第2の変速用ギアとを有す る。第1の変速用ギアは、第1のクラッチの出 側クラッチ部材と共に回転する。第2の変速 用ギアは、第1の回転軸上に配置されている 第2の変速用ギアは、第1の変速用ギアと噛合 している。第1のギア対は、入力軸の回転を 1の回転軸に伝達する一方、第1の回転軸の回 転を入力軸に伝達しない。第2のギア対は、 3の変速用ギアと、第4の変速用ギアとを有す る。第3の変速用ギアは、入力軸上に設けら ている。第3の変速用ギアは、入力軸に対し 回転可能である。第4の変速用ギアは、第3 変速用ギアと噛合している。第4の変速用ギ は、第1の回転軸と共に回転する。第2のギ 対は、第1のギア対よりも小さなギア比を有 る。第2のクラッチは、入力側クラッチ部材 と、出力側クラッチ部材とを有する。入力側 クラッチ部材は、第3の変速用ギアと共に回 する。出力側クラッチ部材は、第1の変速用 アと共に回転する。第2のクラッチは、第1 クラッチが接続されるときの入力軸の回転 度よりも高い回転速度で接続される。動力 達機構は、第1の回転軸の回転を出力軸に伝 する。

 本発明に係るパワーユニットは、キック と、キックペダルと、中間軸と、キック用 達ギア対と、第3のキック用ギアとを備えて いる。キック軸は、外側壁に回転可能に支持 されている。キックペダルは、キック軸と共 に回転する。中間軸は、キック軸とクランク 軸との間に設けられている。キック用伝達ギ ア対は、第1のキック用ギアと、第2のキック ギアとを有する。第1のキック用ギアは、キ ック軸に設けられている。第1のキック用ギ は、第1及び第2のギア対よりも車幅方向の外 側に配置されている。第2のキック用ギアは 中間軸に設けられている。第2のキック用ギ は、第1のキック用ギアと噛合している。キ ック用伝達ギア対は、キック軸の回転を中間 軸に伝達する。第3のキック用ギアは、直接 たは間接的にクランク軸の第1の変速用ギア りも車幅方向内側の部分に噛合している。 3のキック用ギアは、中間軸の回転をクラン ク軸に伝達する。

 本発明に係るパワーユニットにおいて、 2の変速用ギアの少なくとも一部は、内側壁 の車幅方向外側に位置している。

 本発明に係るモーターサイクルは、上記本 明に係るパワーユニットを備えている。
(発明の効果)

 本発明によれば、クランク軸に接続され 入力軸上に複数の変速用クラッチが配置さ た有段式自動変速装置を有するパワーユニ トであって、シンプルな構成を有し、クラ ク軸の軸線方向における大きさが小さいパ ーユニットが提供される。

図1は、実施形態に係るスクータ型車両 の左側面図である。 図2は、エンジンユニットの断面図であ る。 図3は、エンジンユニットの部分断面図 である。 図4は、エンジンユニットの構成を表す 模式図である。 図5は、エンジンユニットの回転軸配置 を説明するための模式的な部分断面図である 。 図6は、下流側クラッチ群の構成を表す エンジンユニットの部分断面図である。 図7は、オイル回路を表す概念図である 。 図8は、オイルフィルタ等を説明するた めのエンジンユニットの部分断面図である。 図9は、変速装置における1速時の動力 達経路を説明するための模式図である。 図10は、変速装置における2速時の動力 伝達経路を説明するための模式図である。 図11は、変速装置における3速時の動力 伝達経路を説明するための模式図である。 図12は、変速装置における4速時の動力 伝達経路を説明するための模式図である。 図13は、実施形態におけるエンジンユ ットの断面図である。 図14は、エンジンユニットの部分断面 である。 図15は、変形例1におけるエンジンユニ ットの構成を表す模式図である。 図16は、変形例2におけるエンジンユニ ットの構成を表す模式図である。 図17は、変形例3におけるエンジンユニ ットの構成を表す模式図である。 図18は、変形例4におけるエンジンユニ ットの構成を表す模式図である。

符号の説明

   1   スクータ型車両(モーターサイクル)

  11   ケーシング

  11a  変速装置収納部

  11c  外側壁

  11d  内側壁

  18   後輪(車輪)

  20   エンジンユニット(パワーユニット)

  24   キックペダル

  29   動力伝達機構

  30   エンジン

  31   変速装置

  33   出力軸

  34   クランク軸

  34c  クランクピン

  36   コンロッド

  47   キック用伝達ギア対

  51   変速装置室

  52   入力軸

  53   第1の回転軸

  55   第1のクラッチ

  56   インナ(入力側クラッチ部材)

  57   アウタ(出力側クラッチ部材)

  58   第1のギア(第1の変速用ギア)

  59   第2のクラッチ

  60   インナ(入力側クラッチ部材)

  61   アウタ(出力側クラッチ部材)

  62   第11のギア(第3の変速用ギア)

  63   第2のギア(第2の変速用ギア)

  65   第12のギア(第4の変速用ギア)

  83   第4の変速ギア対(第2のギア対)

  86   第1の変速ギア対(第1のギア対)

 101   セルモータ

 102   キック軸

 104   ギア(第1のキック用ギア)

 105   軸(中間軸)

 106   ギア(第2のキック用ギア)

 111   ギア(第3のキック用ギア)

 115   バランサ軸(別の中間軸)

 116   ギア(第4のキック用ギア)

 117   ギア(第6のキック用ギア)

 120   ギア(セルモータ用ギア)

 129   ギア(第5のキック用ギア)

 本実施形態では、本発明を実施したモー ーサイクルの例として、図1に示すスクータ 型車両1を例に挙げて、本発明の好ましい実 形態の一例について説明する。但し、本発 において、「モーターサイクル」は、スク タ型車両に限定されない。「モーターサイ ル」は、所謂広義のモーターサイクルを意 する。具体的に、本明細書において「モー ーサイクル」は、車両を傾斜させることに って方向転換を行う車両全般をいう。前輪 び後輪のうちの少なくとも一方が複数の車 により構成されていてもよい。具体的には 「モーターサイクル」は、前輪及び後輪の ちの少なくとも一方が相互に隣接して配置 れた2つの車輪によって構成されている車両 あってもよい。「モーターサイクル」には 狭義のモーターサイクル、スクータ型車両 モペット型車両及びオフロード型車両が少 くとも含まれる。

 (スクータ型車両1の概略構成)

 まず、図1を参照しながらスクータ型車両1 概略構成について説明する。尚、以下の説 において、前後左右といった方向は、スク タ型車両1のシート14に着座したライダーか 視た方向をいうものとする。

 スクータ型車両1は、車体フレーム10を備 ている。車体フレーム10は、図示しないヘ ドパイプを有する。ヘッドパイプは、車両 前方部分において、下方に向かってやや斜 前方に延びている。ヘッドパイプには、図 しないステアリングシャフトが回転可能に 入されている。ステアリングシャフトの上 部には、ハンドル12が設けられている。一方 、ステアリングシャフトの下端部には、フロ ントフォーク15が接続されている。フロント ォーク15の下端部には、従動輪としての前 16が回転可能に取り付けられている。

 車体フレーム10には、車体カバー13が取り 付けられている。車体フレーム10の一部は、 の車体カバー13によって覆われている。車 カバー13は、レッグシールド27を有する。こ レッグシールド27によって車両の前面が覆 れている。また、車体カバー13は、レッグシ ールド27よりも後方に配置され、車両の左右 側に設けられた足載せ台17を有している。 載せ台17には、足載せ面17aが形成されている 。スクータ型車両1のライダーの足は、この 載せ面17aに載せられる。

 左右両側の足載せ台17の間には、車体カ ー13の一部を構成するセンターカバー26が配 されている。センターカバー26は足載せ台17 の足載せ面17aから上方に向かって突出し、前 後方向に延びるトンネル状に形成されている 。車体カバー13のセンターカバー26よりも後 の部分には、ライダーが着座するシート14が 取り付けられている。また、車両のほぼ中央 において、車体フレーム10には、サイドスタ ド23が取り付けられている。

 車体フレーム10には、エンジンユニット20 が揺動可能に懸架されている。具体的に、エ ンジンユニット20は、スイングユニット式の ンジンである。エンジンユニット20には、 ンジンブラケット21が一体結合されている。 エンジンユニット20は、このエンジンブラケ ト21を介して、車体フレーム10のピボット軸 19に揺動可能に取り付けられている。また、 ンジンユニット20には、クッションユニッ 22の一端が取り付けられている。クッション ユニット22の他端は、車体フレーム10の後部 取り付けられている。このクッションユニ ト22によって、エンジンユニット20の揺動が 制される。

 エンジンユニット20は、エンジンユニッ 20において発生した動力を出力する出力軸33( 図2を参照)を備えている。後輪18は、この出 軸33に取り付けられている。よって、後輪18 、エンジンユニット20において生じた動力 より駆動される。つまり、本実施形態にお て、後輪18は、駆動輪を構成している。

 図2に示すように、本実施形態では、出力 軸33に対して、車速センサ88が設けられてい 。具体的には、車速センサ88は、出力軸33と に回転する第14のギア80に対して設けられて いる。但し、車速センサ88は、出力軸33以外 回転軸に対して設けられていてもよく、出 軸33に対して一定の回転数比で回転する他の 部材に設けられていてもよい。

 (エンジンユニット20の構成)

 図2は、エンジンユニット20の断面図である 図4は、エンジンユニット20の構成を表す模 図である。図2に示すように、エンジンユニ ット20は、エンジン30と、変速装置31とを備え ている。尚、本実施形態ではエンジン30が単 筒エンジンである例について説明する。但 、本発明において、エンジン30は、単気筒 ンジンに限定されない。エンジン30は、例え ば、2気筒エンジンなどの多気筒のエンジン あってもよい。

  -エンジン30-

 エンジン30は、クランクケース32と、シリン ダボディ37と、シリンダヘッド40と、クラン 軸34とを備えている。クランクケース32の内 には、クランク室35が区画形成されている シリンダボディ37の内部には、クランク室35 開口するシリンダ38が区画形成されている シリンダボディ37の先端には、シリンダヘッ ド40が取り付けられている。クランク室35に 、車幅方向に延びるクランク軸34が配置され ている。クランク軸34には、コンロッド36が り付けられている。コンロッド36の先端には 、シリンダ38内に配置されたピストン39が取 付けられている。このピストン39とシリンダ ボディ37と、シリンダヘッド40とによって燃 室41が区画形成されている。シリンダヘッド 40には、先端の発火部が燃焼室41に位置する うに点火プラグ42が取り付けられている。

 図3は、キックスタータ100及びセルモータ 101を表すエンジンユニット20の分断面図であ 。図1及び図3に示すように、エンジンユニ ト20には、キックスタータ100が設けられてい る。スクータ型車両1のライダーは、このキ クスタータ100を操作することによってエン ン30を始動させることができる。

 キックスタータ100は、キックペダル24を する。キックペダル24は、図1に示すように クランク軸34よりも後方かつ上方において、 クランクケース32の左側に配置されている。 3に示すように、キックペダル24は、キック 102に取り付けられている。キック軸102とク ンクケース32との間には、圧縮コイルばね10 3が設けられている。この圧縮コイルばね103 、ライダーの操作により回転したキック軸10 2に対して逆回転方向の付勢力を付与する。 た、キック軸102には、ギア104が設けられて る。一方、軸105には、ギア106が回転不能に けられている。ギア104は、このギア106と噛 している。このギア104等を介して、キック 102の回転がクランク軸34に伝達される。

 軸105には、ラチェット107が形成されてい 。軸105のラチェット107が形成された部分に 、ラチェット108が取り付けられている。軸1 05が回転すると、ラチェット108は、ラチェッ 107によって案内されて軸105の軸方向右側に 動する。一方、圧縮コイルばね103の付勢力 よって軸105が逆方向に回転すると、ラチェ ト108は、ラチェット107によって案内されて 105の軸方向左側に移動する。

 ラチェット108の右側端面には、係合部109 形成されている。一方、軸105に回転可能に けられたギア111の左側端面には係合部110が 成されている。ラチェット108の係合部109は ラチェット108が右方向に移動したときに係 部110と係合する。これにより、ラチェット1 08が右方向に移動したときには、軸105の回転 ギア111に伝達する。ギア111は、バランサ軸1 15に形成されたギア116と噛合している。また バランサ軸115には、ギア129が設けられてい 。ギア129は、バランサ軸115と共に回転する ギア129は、クランク軸34に形成されたギア11 7と噛合している。これにより、ギア111の回 は、バランサ軸115を介してクランク軸34に伝 達される。よって、キックペダル24が操作さ ると、クランク軸34が回転し、エンジン30が 始動される。

 なお、キック軸102は、平面視において、 速装置31をまたぐように車両中央側に延び いる。すなわち、図3に示すように、キック 102は、車幅方向の左側から車両中央側に延 ており、変速装置31の一部と上下方向に並 ように配置されている。

 また、エンジン30には、セルモータ101も けられている。セルモータ101は、クランク ース32に対して取り付けられている。このセ ルモータ101の回転は、ギア120、121及び122を介 してクランク軸34に伝達される。これにより ライダーの操作によりセルモータ101が駆動 れることによって、エンジン30が始動する

  -発電機45-

 クランクケース32の右側には、発電機カバ 43が取り付けられている。この発電機カバー 43とクランクケース32とによって、発電機室44 が区画形成されている。

 クランク軸34の右側端部は、クランク室35 から突出して、発電機室44に至っている。発 機室44内において、クランク軸34の右側端部 には、発電機45が取り付けられている。発電 45は、インナ45aと、アウタ45bとを備えてい 。インナ45aは、クランクケース32に対して回 転不能に取り付けられている。一方、アウタ 45bは、クランク軸34の右側端部に取り付けら ている。アウタ45bは、クランク軸34と共に 転する。よって、クランク軸34が回転すると 、アウタ45bはインナ45aに対して相対的に回転 する。これによって、発電が行われる。尚、 アウタ45bには、ファン46が設けられている。 のファン46がクランク軸34と共に回転するこ とで、エンジン30の冷却が行われる。

 クランクケース32の左側には、変速装置 バー50が取り付けられている。この変速装置 カバー50とクランクケース32とによって、ク ンクケース32の左側に位置する変速装置室51 区画形成されている。

  -変速装置31の構成-

 次に、主として図4を参照しながら、変速装 置31の構成について詳細に説明する。変速装 31は、入力軸52と出力軸33とを備えた4速の有 段式自動変速装置である。変速装置31は、複 の変速ギア対を介して入力軸52から出力軸33 へと動力が伝達される所謂ギアトレイン型の 有段式変速装置である。

 図2に示すように、クランク軸34の左側端 は、クランク室35から突出して、変速装置 51に至っている。クランク軸34は、変速装置3 1の入力軸52を兼ねている。

   ~回転軸構成~

 変速装置31は、第1の回転軸53と、第2の回転 54と、第3の回転軸64と、出力軸33とを有する 。第1の回転軸53と、第2の回転軸54と、第3の 転軸64と、出力軸33とのそれぞれは、入力軸5 2と平行に配置されている。

 図5において、符号C1,C2,C3,C4,C5は、それぞ 、入力軸52の軸線、第1の回転軸53の軸線、 2の回転軸54の軸線、第3の回転軸64の軸線、 力軸33の軸線を表している。図5に示すよう 、入力軸52と、第1の回転軸53と、第2の回転 54と、第3の回転軸64と、出力軸33とは、側面 において、入力軸52の軸方向と垂直な略水 方向に配列されている。より具体的には、 力軸52の軸線C1と、第1の回転軸53の軸線C2と 第2の回転軸54の軸線C3と、第3の回転軸64の軸 線C4と、出力軸33の軸線C5とは、側面視におい て、略水平な直線上に配列されている。この ように各回転軸を配置することで、入力軸52 出力軸33との間の距離を比較的長くするこ ができる。尚、図5において、符号94は、ア ドルギアを表している。符号95は、スタータ 用のワンウェイギアを表している。

 尚、本実施形態では、出力軸33と第3の回 軸64とがそれぞれ別個に設けられている例 ついて説明する。但し、本発明はこの構成 限定されない。出力軸33と第3の回転軸64とは 共通であってもよい。言い換えれば、第3の 転軸64に対して後輪18が取り付けられていて よい。

   ~上流側クラッチ群81~

 入力軸52には、上流側クラッチ群81が設けら れている。上流側クラッチ群81は、第1のクラ ッチ55と、第2のクラッチ59とを備えている。 1のクラッチ55は、第2のクラッチ59よりも右 に配置されている。第1のクラッチ55と、第2 のクラッチ59とは、それぞれ遠心クラッチに り構成されている。具体的に、本実施形態 は、第1のクラッチ55と、第2のクラッチ59と 、それぞれドラム式の遠心クラッチにより 成されている。但し、本発明は、この構成 限定されない。第2のクラッチ59は、遠心ク ッチ以外のクラッチであってもよい。例え 、第2のクラッチ59は、油圧式のクラッチで ってもよい。

 第1のクラッチ55は、入力側クラッチ部材 してのインナ56と、出力側クラッチ部材と てのアウタ57とを備えている。インナ56は、 力軸52に対して回転不能に設けられている このため、インナ56は、入力軸52の回転と共 回転する。一方、アウタ57は、入力軸52に対 して回転可能である。入力軸52の回転速度が 定の回転速度よりも大きくなると、インナ5 6に働く遠心力により、インナ56とアウタ57と 接触する。これにより第1のクラッチ55がつ がる。一方、インナ56とアウタ57とがつなが った状態で回転しているときに、その回転速 度が所定の回転速度よりも小さくなると、イ ンナ56に働く遠心力が弱くなり、インナ56と ウタ57とが離れる。これにより第1のクラッ 55が切断される。

 第2のクラッチ59は、出力側クラッチ部材 してのインナ60と、入力側クラッチ部材と てのアウタ61とを備えている。インナ60は、 述する第11のギア62に対して回転不能に設け られている。入力軸52が回転すると、その回 が第1の変速ギア対86と、第1の回転軸53と第4 の変速ギア対83とを介して、インナ60に伝達 れる。このため、インナ60は、入力軸52の回 と共に回転する。アウタ61は、入力軸52に対 して回転可能である。入力軸52の回転速度が 定の回転速度よりも大きくなると、インナ6 0に働く遠心力により、インナ60とアウタ61と 接触する。これにより第2のクラッチ59がつ がる。一方、インナ60とアウタ61とがつなが った状態で回転しているときに、その回転速 度が所定の回転速度よりも小さくなると、イ ンナ60に働く遠心力が弱くなり、インナ60と ウタ61とが離れる。これにより第2のクラッ 59が切断される。

 尚、本実施形態では、アウタ57とアウタ61 とが同一の部材で構成されている。但し、本 発明はこの構成に限定されない。アウタ57と ウタ61とを別の部材によって構成してもよ 。

 第1のクラッチ55が接続されるときの入力 52の回転速度と、第2のクラッチ59が接続さ るときの入力軸52の回転速度とは相互に異な る。言い換えれば、第1のクラッチ55が接続さ れるときのインナ56の回転速度と、第2のクラ ッチ59が接続されるときのインナ60の回転速 とは相互に異なる。具体的には、第1のクラ チ55が接続されるときの入力軸52の回転速度 の方が、第2のクラッチ59が接続されるときの 入力軸52の回転速度よりも低い。より具体的 説明すると、第1のクラッチ55は、入力軸52 回転速度が第1の回転速度以上のときにつな る。一方、第1のクラッチ55は、入力軸52の 転速度が第1の回転速未満であるときに切断 れた状態となる。第2のクラッチ59は、入力 52の回転速度が上記第1の回転速度よりも高 第2の回転速度以上のときにつながる。一方 、第2のクラッチ59は、入力軸52の回転速度が 2の回転速度未満であるときに切断された状 態となる。

 第1のクラッチ55のアウタ57には、第1のギ 58が、アウタ57に対して回転不能に設けられ ている。第1のギア58は、第1のクラッチ55のア ウタ57と共に回転する。一方、第1の回転軸53 は、第2のギア63が設けられている。第2のギ ア63は第1のギア58と噛合している。第1のギア 58と第2のギア63とは第1の変速ギア対86とを構 している。本実施形態では、第1の変速ギア 対86は、第1速の変速ギア対を構成している。

 第2のギア63は、所謂一方向ギアである。 体的には、第2のギア63は、第1のギア58の回 を第1の回転軸53に伝達する。一方、第2のギ ア63は、第1の回転軸53の回転を入力軸52には 達しない。つまり、第2のギア63は、一方向 転伝達機構96を兼ね備えている。

 第2のクラッチ59の出力側クラッチ部材と てのインナ60には、第11のギア62が設けられ いる。第11のギア62はインナ60と共に回転す 。一方、第1の回転軸53には、第12のギア65が 設けられている。第12のギア65は第11のギア62 噛合している。第12のギア65と第11のギア62 は第4の変速ギア対83とを構成している。第4 変速ギア対83は、第1の変速ギア対86とは異 るギア比を有する。具体的に、第4の変速ギ 対83は、第1の変速ギア対86のギア比よりも さなギア比を有している。第4の変速ギア対8 3は第2速の変速ギア対を構成している。

 第1の変速ギア対86と第4の変速ギア対83と 間には、上記第1のクラッチ55と第2のクラッ チ59が位置している。言い換えれば、上記第1 のクラッチ55と第2のクラッチ59とは、第1の変 速ギア対86と第4の変速ギア対83との間に配置 れている。

 本実施形態では、第12のギア65は、第9の ア87としての機能も兼ね備えている。言い換 えれば、第12のギア65と第9のギア87とは共通 ある。第2の回転軸54には、第10のギア75が、 2の回転軸54に対して回転不能に設けられて る。第10のギア75は第2の回転軸54と共に回転 する。第12のギア65としての機能も兼ね備え 第9のギア87は、第10のギア75と噛合している 第12のギア65としての機能も兼ね備える第9 ギア87と、第10のギア75とは、第1の伝達ギア 84を構成している。

 第2の回転軸54には、第7のギア74が、第2の 回転軸54に対して回転不能に設けられている 第7のギア74は第2の回転軸54と共に回転する 一方、第3の回転軸64には、第8のギア78が第3 の回転軸64に対して回転不能に設けられてい 。第3の回転軸64は、第8のギア78と共に回転 る。第7のギア74と第8のギア78とは相互に噛 している。第7のギア74と第8のギア78とは、 2の伝達ギア対85を構成している。

 第8のギア78は、所謂一方向ギアである。 体的には、第8のギア78は、第2の回転軸54の 転を第3の回転軸64に伝達する。一方、第8の ギア78は、第3の回転軸64の回転を第2の回転軸 54には伝達しない。つまり、第8のギア78は、 方向回転伝達機構93を兼ね備えている。

 但し、本発明において、第8のギア78が所 一方向ギアであることは必須ではない。例 ば、第8のギア78を通常のギアとし、第7のギ ア74を所謂一方ギアとしてもよい。言い換え ば、第7のギア74に一方向回転伝達機構を兼 備えさせてもよい。具体的には、第7のギア 74を第2の回転軸54の回転を第8のギア78に伝達 る一方、第8のギア78の回転を第2の回転軸54 伝達しないようにしてもよい。

   ~下流側クラッチ群82~

 第2の回転軸54には、下流側クラッチ群82が けられている。下流側クラッチ群82は上流側 クラッチ群81の後方に位置している。図2に示 すように、下流側クラッチ群82と上流側クラ チ群81とは、入力軸52の軸方向に関して、少 なくとも一部が重なる位置に配置されている 。言い換えれば、下流側クラッチ群82と上流 クラッチ群81とは、車幅方向に関して、少 くとも一部が重なる位置に配置されている 具体的には、下流側クラッチ群82と上流側ク ラッチ群81とは、車幅方向に関して、実質的 重なる位置に配置されている。

 下流側クラッチ群82は、第3のクラッチ70 第4のクラッチ66とを備えている。第4のクラ チ66は、第3のクラッチ70よりも右側に配置 れている。このため、第1のクラッチ55が第2 クラッチ59に対して位置する方向と、第4の ラッチ66が第3のクラッチ70に対して位置す 方向とは等しくなっている。そして、図2に すように、第1のクラッチ55と第4のクラッチ 66とは、車幅方向に関して少なくとも一部が なるように配置されている。言い換えれば 第1のクラッチ55と第4のクラッチ66とは、入 軸52の軸方向に関して少なくとも一部が重 るように配置されている。一方、第2のクラ チ59と第3のクラッチ70とも、車幅方向に関 て少なくとも一部が重なるように配置され いる。言い換えれば、第2のクラッチ59と第3 クラッチ70とは、入力軸52の軸方向に関して 少なくとも一部が重なるように配置されてい る。具体的には、第1のクラッチ55と第4のク ッチ66とは、車幅方向に関して実質的に重な るように配置されている。一方、第2のクラ チ59と第3のクラッチ70とも、車幅方向に関し て実質的に重なるように配置されている。

 本実施形態において、第3のクラッチ70と 4のクラッチ66とは、それぞれ所謂油圧式ク ッチにより構成されている。具体的には、 実施形態では、第3のクラッチ70と第4のクラ ッチ66とは、それぞれディスク式の油圧式ク ッチにより構成されている。但し、本発明 、この構成に限定されない。第4のクラッチ 66と第3のクラッチ70とは、油圧式のクラッチ 外のクラッチであってもよい。例えば、第4 のクラッチ66と第3のクラッチ70とは、遠心ク ッチであってもよい。但し、第4のクラッチ 66と第3のクラッチ70とは、油圧式のクラッチ あることが好ましい。

 このように、本発明では、第1のクラッチ 55が遠心クラッチであり、第2のクラッチ59、 3のクラッチ70及び第4のクラッチ66のうちの なくともひとつが油圧式クラッチであれば い。その限りにおいて、第2のクラッチ59、 3のクラッチ70及び第4のクラッチ66は、ドラ 式又はディスク式の遠心クラッチであって よいし、ドラム式又はディスク式の油圧式 ラッチであってもよい。但し、第2のクラッ チ59、第3のクラッチ70及び第4のクラッチ66の ちの2つ以上が油圧式クラッチであることが 好ましい。特に、第2のクラッチ59が遠心クラ ッチであって、第3のクラッチ70及び第4のク ッチ66が油圧式クラッチであることが好まし い。そして、油圧式クラッチである第3のク ッチ70及び第4のクラッチ66を同一の回転軸上 に配置し、遠心クラッチである第1のクラッ 55と第2のクラッチ59とを別の回転軸上に配置 することが好ましい。

 尚、本明細書において、「遠心クラッチ とは、入力側クラッチ部材と出力側クラッ 部材とを有し、入力側クラッチ部材の回転 度が所定の回転速度以上であるとき、入力 クラッチ部材と出力側クラッチ部材とが係 してつながる一方、入力側クラッチ部材の 転速度が所定の回転速度未満であるとき、 力側クラッチ部材と出力側クラッチ部材と 離れて切断されるクラッチをいう。

 第3のクラッチ70が接続されるときの第2の 回転軸54の回転速度と、第4のクラッチ66が接 されるときの第2の回転軸54の回転速度とは 互に異なる。言い換えれば、第3のクラッチ 70が接続されるときのインナ71の回転速度と 第4のクラッチ66が接続されるときのインナ67 の回転速度とは相互に異なる。具体的には、 第3のクラッチ70が接続されるときの第2の回 軸54の回転速度の方が、第4のクラッチ66が接 続されるときの第2の回転軸54の回転速度より も低い。

 第3のクラッチ70は、入力側クラッチ部材 してのインナ71と、出力側クラッチ部材と てのアウタ72とを備えている。インナ71は、 2の回転軸54に対して回転不能に設けられて る。このため、インナ71は、第2の回転軸54 回転と共に回転する。一方、アウタ72は、第 2の回転軸54に対して回転可能である。第3の ラッチ70がつながっていない状態では、第2 回転軸54が回転すると、インナ71は第2の回転 軸54と共に回転する一方、アウタ72は第2の回 軸54と共には回転しない。第3のクラッチ70 つながっている状態では、インナ71とアウタ 72との両方が第2の回転軸54と共に回転する。

 第3のクラッチ70の出力側クラッチ部材と てのアウタ72には、第5のギア73が取り付け れている。第5のギア73は、アウタ72と共に回 転する。一方、第3の回転軸64には、第6のギ 77が第3の回転軸64に対して回転不能に設けら れている。第6のギア77は、第3の回転軸64と共 に回転する。第5のギア73と第6のギア77とは、 相互に噛合している。よって、アウタ72の回 は、第5のギア73と第6のギア77とを介して第3 の回転軸64に伝達される。

 第5のギア73と第6のギア77とは、第3の変速 ギア対91を構成している。第3の変速ギア対91 、第1の変速ギア対86のギア比と、第4の変速 ギア対83のギア比と、第2の変速ギア対90のギ 比は異なるギア比を有する。

 第3の変速ギア対91は、第3のクラッチ70に して、第2のクラッチ59に対して第4の変速ギ ア対83が位置する側と同じ側に位置している 具体的には、第3の変速ギア対91は、第3のク ラッチ70に対して左側に位置している。第4の 変速ギア対83も同様に、第2のクラッチ59に対 て左側に位置している。

 また、第3の変速ギア対91と第4の変速ギア 対83とは、車幅方向に関して、少なくとも一 同士が重なるように配置されている。言い えれば、第3の変速ギア対91と第4の変速ギア 対83とは、入力軸52の軸方向に関して、少な とも一部同士が重なるように配置されてい 。具体的には、第3の変速ギア対91と第4の変 ギア対83とは、車幅方向に関して、実質的 重なるように配置されている。

 第4のクラッチ66は、入力側クラッチ部材 してのインナ67と、出力側クラッチ部材と てのアウタ68とを備えている。インナ67は、 2の回転軸54に対して回転不能に設けられて る。このため、インナ67は、第2の回転軸54 回転と共に回転する。一方、アウタ68は、第 2の回転軸54に対して回転可能である。第4の ラッチ66がつながっていない状態では、第2 回転軸54が回転すると、インナ67は第2の回転 軸54と共に回転する一方、アウタ68は第2の回 軸54と共には回転しない。第4のクラッチ66 つながっている状態では、インナ67とアウタ 68との両方が第2の回転軸54と共に回転する。

 第4のクラッチ66の出力側クラッチ部材と てのアウタ68には、第3のギア69が取り付け れている。第3のギア69は、アウタ68と共に回 転する。一方、第3の回転軸64には、第4のギ 76が第3の回転軸64に対して回転不能に設けら れている。第4のギア76は、第3の回転軸64と共 に回転する。第3のギア69と第4のギア76とは、 相互に噛合している。よって、アウタ68の回 は、第3のギア69と第4のギア76とを介して第3 の回転軸64に伝達される。

 第4のギア76と第3のギア69とは第2の変速ギ ア対90を構成している。第2の変速ギア対90は 第1の変速ギア対86のギア比及び第4の変速ギ ア対83のギア比とは異なるギア比を有する。

 第3の変速ギア対91と第2の変速ギア対90と 間には、上記第3のクラッチ70と第4のクラッ チ66とが位置している。言い換えれば、上記 3のクラッチ70と第4のクラッチ66とは、第3の 変速ギア対91と第2の変速ギア対90との間に配 されている。

 第2の変速ギア対90は、第4のクラッチ66に して、第1のクラッチ55に対して第1の変速ギ ア対86が位置する側と同じ側に位置している 具体的には、第2の変速ギア対90は、第4のク ラッチ66に対して右側に位置している。第1の 変速ギア対86も同様に、第1のクラッチ55に対 て右側に位置している。

 また、第2の変速ギア対90と第1の変速ギア 対86とは、車幅方向に関して、少なくとも一 同士が重なるように配置されている。言い えれば、第2の変速ギア対90と第1の変速ギア 対86とは、入力軸52の軸方向に関して、少な とも一部同士が重なるように配置されてい 。具体的には、第2の変速ギア対90と第1の変 ギア対86とは、車幅方向に関して、実質的 重なるように配置されている。

 第3の回転軸64には、第13のギア79が第3の 転軸64に対して回転不能に設けられている。 第13のギア79は、車幅方向に関して、第4のギ 76と、第6のギア77よりも左側に配置されて る。第13のギア79は第3の回転軸64と共に回転 る。一方、出力軸33には、第14のギア80が出 軸33に対して回転不能に設けられている。 い換えれば、第14のギア80は、出力軸33と共 回転する。この第14のギア80と第13のギア79と によって、第3の伝達ギア対98が構成されてい る。この第3の伝達ギア対98によって、第3の 転軸64の回転が出力軸33に伝達される。

   ~下流側クラッチ群82の詳細構造~

 次に、主として図6~図8を参照しながら、下 側クラッチ群82についてさらに詳細に説明 る。

 第3のクラッチ70には、プレート群136が設 られている。プレート群136は、複数のフリ ションプレート134と複数のクラッチプレー 135とを備えている。複数のフリクションプ ート134と複数のクラッチプレート135とは、 い違いとなるように車幅方向に積層されて る。フリクションプレート134は、アウタ72 対して回転不能である。一方、クラッチプ ート135は、インナ71に対して回転不能である 。

 インナ71は、アウタ72に対して回転可能で ある。インナ71のアウタ72とは車幅方向の反 側には、プレッシャープレート163が配置さ ている。プレッシャープレート163は、圧縮 イルスプリング92によって車幅方向右側に付 勢されている。すなわち、プレッシャープレ ート163は、圧縮コイルスプリング92によって ス部162側に付勢されている。

 ボス部162とプレッシャープレート163との には、作動室137が区画形成されている。作 室137には、オイルが満たされている。この 動室137内の油圧が高くなると、プレッシャ プレート163は、ボス部162から離れる方向に 位する。これにより、プレッシャープレー 163とインナ71との間の距離が短くなる。従 て、プレート群136が相互に圧接された状態 なる。その結果、インナ71とアウタ72とが共 回転し、第3のクラッチ70が接続状態となる

 一方、作動室137内の圧力が低くなると、 レッシャープレート163は、圧縮コイルスプ ング92によってボス部162側に変位する。こ により、プレート群136の圧接状態が解除さ る。その結果、インナ71とアウタ72とが共に 対的に回転可能となり、第3のクラッチ70が 断される。

 尚、図示は省略するが、第3のクラッチ70 は、作動室137に連通する微少なリーク孔が 成されている。また、インナ71とアウタ72と の間は、シールされていない。これにより、 クラッチ70の切断時に、作動室137内のオイル 迅速に排出することができる。そのため、 実施形態によれば、クラッチ70の応答性を 上させることができる。また、本実施形態 よれば、上記リーク孔またはインナ71とアウ タ72との間の隙間から飛散したオイルによっ 、他の摺動箇所を円滑に潤滑することがで る。

 第4のクラッチ66には、プレート群132が設 られている。プレート群132は、複数のフリ ションプレート130と複数のクラッチプレー 131とを備えている。複数のフリクションプ ート130と複数のクラッチプレート131とは、 い違いとなるように車幅方向に積層されて る。フリクションプレート130は、アウタ68 対して回転不能である。一方、クラッチプ ート131は、インナ67に対して回転不能である 。

 インナ67は、アウタ68に対して回転可能か つ車幅方向に変位可能である。インナ67のア タ68とは車幅方向の反対側には、プレッシ ープレート161が配置されている。プレッシ ープレート161は、圧縮コイルスプリング89に よって車幅方向左側に付勢されている。すな わち、プレッシャープレート161は、圧縮コイ ルスプリング89によってボス部162側に付勢さ ている。

 ボス部162とプレッシャープレート161との には、作動室133が区画形成されている。作 室133には、オイルが満たされている。この 動室133内の油圧が高くなると、プレッシャ プレート161は、ボス部162から離れる方向に 位する。これにより、プレッシャープレー 161とインナ67との間の距離が短くなる。従 て、によってプレート群132が相互に圧接さ た状態となる。その結果、インナ67とアウタ 68とが共に回転し、第4のクラッチ66が接続状 となる。

 一方、作動室133内の圧力が低くなると、 レッシャープレート161は、圧縮コイルスプ ング89によってボス部162側に変位する。こ により、プレート群132の圧接状態が解除さ る。その結果、インナ67とアウタ68とが共に 対的に回転可能となり、第4のクラッチ66が 断される。

 尚、図示は省略するが、第4のクラッチ66 は、作動室133に連通する微少なリーク孔が 成されている。また、インナ67とアウタ68と の間は、シールされていない。これにより、 クラッチ66の切断時に、作動室133内のオイル 迅速に排出することができる。そのため、 実施形態によれば、クラッチ66の応答性を 上させることができる。また、本実施形態 よれば、上記リーク孔またはインナ67とアウ タ68との間の隙間から飛散したオイルによっ 、他の摺動箇所を円滑に潤滑することがで る。

   ~オイル経路139~

 図7に示すように、第4のクラッチ66の作動室 133内の圧力と第3のクラッチ70の作動室137内の 圧力とは、オイルポンプ140によって付与され ると共に調整される。図7に示すように、ク ンク室35の底部には、オイル溜まり99が形成 れている。このオイル溜まり99には、図8に 示すストレーナ141が漬けられている。スト ーナ141は、オイルポンプ140に接続されてい 。オイルポンプ140が駆動されることで、こ ストレーナ141を介してオイル溜まり99に溜 られたオイルが吸い上げられる。

 第1のオイル経路144の途中には、リリーフ バルブ147が設けられている。吸い上げられた オイルは、オイルクリーナ142において浄化さ れ、リリーフバルブ147により所定の圧力に調 圧される。その後、浄化されたオイルの一部 は、クランク軸34や、シリンダヘッド40内の 動部に対して供給される。また、浄化され オイルの一部は、第4のクラッチ66の作動室13 3と第3のクラッチ70の作動室137とにも供給さ る。具体的には、オイルクリーナ142から延 る第1のオイル経路144には、第2のオイル経路 145と第3のオイル経路146とが接続されている 第2のオイル経路145は、バルブ143からクラン ケース32側を経て、第2の回転軸54の右端部 ら、第2の回転軸54内に延びている。そして 第2のオイル経路145は作動室133に至っている よって、第2のオイル経路145を経由して作動 室133にオイルが供給され、作動室133内の圧力 が調節される。一方、第3のオイル経路146は バルブ143から変速装置カバー50側を経て、第 2の回転軸54の左端部から、第2の回転軸54内に 延びている。そして、第3のオイル経路146は 動室137に至っている。よって、第3のオイル 路146を経由して作動室137にオイルが供給さ る。

 第1のオイル経路144と、第2のオイル経路14 5及び第3のオイル経路146との接続部には、バ ブ143が設けられている。このバルブ143によ て、第1のオイル経路144と第3のオイル経路14 6との間の開閉、及び第1のオイル経路144と第2 のオイル経路145との間の開閉が行われる。

 バルブ143には、図6に示すように、バルブ 143を駆動するモータ150が取り付けられている 。このモータ150によってバルブ143が駆動され ることで、第3のクラッチ70と第4のクラッチ66 の断続が行われる。つまり、本実施形態では 、オイルポンプ140と、バルブ143と、モータ150 とによって、油圧式クラッチである第3のク ッチ70と第4のクラッチ66とに対して油圧を付 加するアクチュエータ103が構成されている。 そして、そのアクチュエータ103が、図6に示 ECU138によって制御されることで、第3のクラ チ70と第4のクラッチ66とがON/OFFされる。具 的には、アクチュエータ103が作動室133と作 室137とに対して適宜に油圧を加え、これに り、第3のクラッチ70と第4のクラッチ66の断 が行われる。

 より具体的に説明すると、図6に示すよう に、ECU138には、スロットル開度センサ112と車 速センサ88とが接続されている。制御部とし のECU138は、このスロットル開度センサ112に って検出されるスロットル開度と、車速セ サ88により検出される車速とのうちの少な とも一方に基づいてアクチュエータ103を制 することで、第3のクラッチ70と第4のクラッ 66とがつながるタイミングを制御している 本実施形態では、制御部としてのECU138は、 のスロットル開度センサ112によって検出さ るスロットル開度と、車速センサ88により検 出される車速との両方に基づいてアクチュエ ータ103を制御している。具体的には、ECU138は 、スロットル開度センサ112から出力されるス ロットル開度と、車速センサ88から出力され 車速とを、メモリ113から読み出したV-N線図 適用して得られた情報に基づいてアクチュ ータ103を制御している。

 具体的に、バルブ143は、略円柱状に形成 れている。バルブ143には、第1のオイル経路 144と第2のオイル経路145とを開通するための 部経路148と、第1のオイル経路144と第3のオイ ル経路146とを開通するための内部経路149とが 形成されている。モータ150によってバルブ143 が回転することで、上記内部経路148、149によ って、第1のオイル経路144と第2のオイル経路1 45とが開通する一方、第1のオイル経路144と第 3のオイル経路146とが切断されるポジション 第1のオイル経路144と第3のオイル経路146とが 開通する一方、第1のオイル経路144と第2のオ ル経路145とが切断されるポジション、及び 1のオイル経路144と第3のオイル経路146とが 断されると共に、第1のオイル経路144と第2の オイル経路145とも切断されるポジションのう ちのいずれかが選択されるようになっている 。これにより、第4のクラッチ66及び第3のク ッチ70の両方が切断された状態、第4のクラ チ66が接続されている一方、第3のクラッチ70 は切断されている状態、又は第4のクラッチ66 が切断されている一方、第3のクラッチ70が接 続されている状態のいずれかが選択される。

  -変速装置31の動作-

 次に変速装置31の動作について、図9~図12を 照しながら詳細に説明する。

   ~発進時、1速~

 まず、エンジン30が始動すると、クランク 34(=入力軸52)の回転が開始する。第1のクラッ チ55のインナ56は入力軸52と共に回転する。こ のため、入力軸52の回転速度が所定の回転速 (=第1の回転速度)以上になり、インナ56に所 以上の大きさの遠心力がかかりだすと、図9 に示すように、第1のクラッチ55がつながる。 第1のクラッチ55がつながると、第1のクラッ 55のアウタ57と共に、第1の変速ギア対86が回 する。これにより、入力軸52の回転が第1の 転軸53に伝達される。

 第9のギア87は、第1の回転軸53と共に回転 る。このため、第1の回転軸53の回転に伴っ 、第1の伝達ギア対84も回転する。よって、 1の伝達ギア対84を介して、第1の回転軸53の 転が第2の回転軸54に伝達される。

 第7のギア74は、第2の回転軸54と共に回転 る。このため、第2の回転軸54の回転に伴っ 、第2の伝達ギア対85も回転する。よって、 2の伝達ギア対85を介して、第2の回転軸54の 転が第3の回転軸64に伝達される。

 第13のギア79は、第3の回転軸64と共に回転 する。このため、第3の回転軸64の回転に伴っ て、第3の伝達ギア対98も回転する。よって、 第3の伝達ギア対98を介して、第3の回転軸64の 回転が出力軸33に伝達される。

 このように、スクータ型車両1の発進時、 すなわち1速時は、図9に示すように、第1のク ラッチ55、第1の変速ギア対86、第1の伝達ギア 対84、第2の伝達ギア対85及び第3の伝達ギア対 98を介して、入力軸52から出力軸33へと回転が 伝達される。

   ~2速~

 上記1速時において、第9のギア87と共通の第 12のギア65は、第1の回転軸53と共に回転して る。このため、第12のギア65と噛合する第11 ギア62と、第2のクラッチ59のインナ60とも共 回転している。よって、入力軸52の回転速 が上昇すると、第2のクラッチ59のインナ60の 回転速度も上昇する。入力軸52の回転速度が 記第1の回転速度よりも速い第2の回転速度 上になると、インナ60の回転速度もその分上 昇し、図10に示すように、第2のクラッチ59が ながる。

 ここで、本実施形態では、第4の変速ギア 対83のギア比の方が、第1の変速ギア対86のギ 比よりも小さい。よって、第12のギア65の回 転速度の方が、第2のギア63の回転速度よりも 速くなる。このため、第4の変速ギア対83を介 して、入力軸52から第1の回転軸53に回転が伝 される。一方、第1の回転軸53の回転は、一 向回転伝達機構96により入力軸52には伝達さ れない。

 第1の回転軸53から出力軸33への回転力の 達は、上記1速時と同様に、第1の伝達ギア対 84、第2の伝達ギア対85及び第3の伝達ギア対98 介して行われる。

 このように、2速時は、図10に示すように 第2のクラッチ59、第4の変速ギア対83、第1の 伝達ギア対84、第2の伝達ギア対85及び第3の伝 達ギア対98を介して、入力軸52から出力軸33へ と回転が伝達される。

   ~3速~

 上記2速時において、クランク軸34(=入力軸52 )の回転速度が第2の回転速度よりも高くなり 且つ、車速が所定の車速以上になると、図1 1に示すように、バルブ143が駆動され、第3の ラッチ70がつながる。このため、第3の変速 ア対91の回転が開始する。ここで、第3の変 ギア対91のギア比は、第2の伝達ギア対85の ア比よりも小さい。このため、第3の変速ギ 対91の第6のギア77の回転速度が、第4の伝達 ア対85の第8のギア78の回転速度よりも高く る。このため、第2の回転軸54の回転は、第3 変速ギア対91を介して第3の回転軸64に伝達 れる。一方、第3の回転軸64の回転は、一方 回転伝達機構93により第2の回転軸54には伝達 されない。

 第3の回転軸64の回転は、上記1速時、2速 と同様に、第3の伝達ギア対98を介して出力 33へと伝達される。

 このように、3速時は、図11に示すように 第2のクラッチ59、第4の変速ギア対83、第1の 伝達ギア対84、第3のクラッチ70、第3の変速ギ ア対91及び第3の伝達ギア対98を介して、入力 52から出力軸33へと回転が伝達される。

   ~4速~

 上記3速時において、クランク軸34(=入力軸52 )の回転速度がさらに高くなり、且つ、車速 さらに高くなると、図12に示すように、バル ブ143が駆動され、第4のクラッチ66がつながる 。その一方で、第3のクラッチ70は切断される 。このため、第2の変速ギア対90の回転が開始 する。ここで、第2の変速ギア対90のギア比も 、第2の伝達ギア対85のギア比よりも小さい。 このため、第2の変速ギア対90の第4のギア76の 回転速度が、第2の伝達ギア対85の第8のギア78 の回転速度よりも高くなる。このため、第2 回転軸54の回転は、第2の変速ギア対90を介し て第3の回転軸64に伝達される。一方、第3の 転軸64の回転は、一方向回転伝達機構93によ 第2の回転軸54には伝達されない。

 第3の回転軸64の回転は、上記1速時~3速時 同様に、第3の伝達ギア対98を介して出力軸3 3へと伝達される。

 このように、4速時は、図12に示すように 第2のクラッチ59、第4の変速ギア対83、第1の 伝達ギア対84、第4のクラッチ66、第2の変速ギ ア対90及び第3の伝達ギア対98を介して、入力 52から出力軸33へと回転が伝達される。

 本実施形態では、図13に示すように、ク ンク軸34は、一対のクランクウェブ34a、34bを 備えている。コンロッド36は、クランクピン3 4cによって、この一対のクランクウェブ34a、3 4bに接続されている。

 図1及び図13に示すように、クランク軸34 後方かつ変速装置31の車幅方向内側には、後 輪18が配置されている。図13に示すように、 輪18は、クランクウェブ34a、34b及びクランク ピン34cの後方に配置されている。後輪18の左 端は、クランクピン34cの左側端よりも車幅 向外側に位置している。すなわち、後輪18 少なくとも一部は、クランクピン34cよりも 幅方向外側に位置している。

 上述のように、エンジンユニット20は、 ランクケース32と、変速装置カバー50と、発 機カバー43とを備えている。これらクラン ケース32と、変速装置カバー50と、発電機カ ー43とは、エンジン30及び変速装置31を収納 るケーシング11を構成している。変速装置 バー50とクランクケース32の一部とは、変速 置収納部11aを構成している。この変速装置 納部11aによって上記変速装置室51が形成さ ている。

 変速装置収納部11aのうち、変速装置31の 幅方向外側に位置する変速装置カバー50は、 変速装置収納部11aの外側壁11cを構成している 。

 クランクケース32のうち、変速装置31の車 幅方向内側であって、後輪18の車幅方向外側 位置する部分は、変速装置収納部11aの内側 11dを構成している。第1,第2及び第3の回転軸 53,54,64は、車幅方向において、この内側壁11d 外側壁11cとの間に位置している。また、第2 の変速用ギアとしての第2のギア63の少なくと も一部は、内側壁11dの車幅方向外側に位置し ている。具体的に本実施形態では、第2のギ 63の全体が内側壁11dの車幅方向外側に位置し ている。一方、クランク軸34は、内側壁11dよ も前側に位置している。

 図14に示すように、外側壁11cには、上述 キック軸102が回転可能に支持されている。 3及び図14に示すように、キック軸102とクラ ク軸34との間には、中間軸としての軸105及び バランサ軸115が設けられている。キック軸102 に設けられた第1のキック用ギアとしてのギ 104は、第1のギア対としての第1の変速ギア対 86及び第2のギア対としての第4の変速ギア対83 よりも車幅方向外側に配置されている。ギア 104は、軸105に設けられた第2のキック用ギア してのギア106と噛合している。図14に示すよ うに、このギア106とギア104とは、キック用伝 達ギア対47を構成している。

 中間軸としての軸105には、第3のキック用 ギアとしてのギア111が設けられている。ギア 111は、第1のギア58よりも車幅方向内側に位置 している。ギア111は、クランク軸34に設けら た第6のキック用ギアとしてのギア117に間接 的に噛合している。ギア117は、第1の変速用 アとしての第1のギア58よりも車幅方向内側 位置している。すなわち、第3のキック用ギ としてのギア111は、クランク軸34の第1のギ 58よりも車幅方向内側の部分に間接的に噛 している。

 より具体的には、軸105とクランク軸34と 間には、別の中間軸としてバランサ軸115が けられている。バランサ軸115には、第4のキ ク用ギアとしてのギア116が設けられている ギア116は、バランサ軸115と共に回転する。 4のキック用ギアとしてのギア116は、第3の ック用ギアとしてのギア111と噛合している また、別の中間軸としてバランサ軸115には 第5のキック用ギアとしてのギア129が設けら ている。ギア129は、バランサ軸115と共に回 する。ギア129は、クランク軸34と共に回転 る第6のキック用ギアとしてのギア117に噛合 ている。

 なお、本実施形態では、キック軸102とク ンク軸34との間に設けられた中間軸のひと としてバランサ軸115を使用する例について 明する。但し、キック軸102とクランク軸34と の間に設けられた中間軸は、バランサ軸115と 別個に設けられていてもよい。

 図3及び図14に示すように、セルモータ用 アとしてのギア120は、クランク軸34の第1の 速用ギアとしての第1のギア58よりも車幅方 内側の部分に噛合している。具体的には、 14に示すように、セルモータ用ギアとして ギア120は、軸151に設けられたギア121と噛合 ている。ギア121は、クランクケース32に回転 不能に固定された軸151に対して回転可能に固 定されている。ギア121は、ギア123と噛合して いる。ギア123は、クランク軸34の第1のギア58 車幅方向内側の部分に設けられている。

 なお、図13に示すように、第1の回転軸53 回転を出力軸33に伝達する動力伝達機構29は 第1~第3の伝達ギア対84,85,98と、下流側クラ チ群82と、第2及び第3の変速ギア対90,91とに り構成されている。

 また、以下に示す対応関係となっている。

第1の変速用ギア:第1のギア58

第2の変速用ギア:第2のギア63

第3の変速用ギア:第11のギア62

第4の変速用ギア:第12のギア65

第1のギア対:第1の変速ギア対86

第2のギア対:第4の変速ギア対83

第1のキック用ギア:ギア104

第2のキック用ギア:ギア106

第3のキック用ギア:ギア111

第4のキック用ギア:ギア116

第5のキック用ギア:ギア129

第6のキック用ギア:ギア117

セルモータ用ギア:ギア120


 以上説明したように、本実施形態では、複 な構成を有するプラネタリーギアが使用さ ていない。従って、変速装置31、ひいては ンジンユニット20の構成のシンプル化が図ら れている。

 また、クランク軸34上に比較的大きなプ ネタリーギアが配置されていないため、ク ンク軸34の軸線方向において、エンジンユニ ット20のコンパクト化が図られている。

 ところで、エンジンユニットでは、軽量 が一般的な課題となっている。そこで、エ ジンユニットを軽量化するため、キック軸 、キック軸とクランク軸との間に配置され 中間軸は、極力短くされる傾向にある。具 的には、例えば、第1及び第2の変速ギア対 りも車幅方向外側にキック軸とクランク軸 の動力伝達を行い、キック軸及び中間軸の 心方向の長さを短くするのが一般的である

 しかしながら、本実施形態のように、入 軸52上に配置された第1のギア58と第11のギア 62とは、クランク軸34に対して回転可能であ 。このため、第1及び第2の変速ギア対よりも 車幅方向外側にキック軸とクランク軸との動 力伝達を行う場合、第11のギアよりも車幅方 外側にキックスタータ用のギアを別途設け 必要が生じる。従って、別途のギアが必要 なる分、エンジンユニットの車幅方向の大 さが大型化する傾向にある。

 なお、第1のクラッチ55のインナ56は、ク ンク軸34と共に回転する。しかしながら、イ ンナ56は、車幅方向において、第1の変速用ギ アとしての第1のギア58と、第3の変速用ギア しての第11のギア62との間に位置している。 のため、第1のクラッチのインナに対してキ ックスタータ用のギアを設けた場合、第1の アと第11のギアとの間の距離を長くする必要 がある。従って、この場合も同様に、エンジ ンユニットの車幅方向の大きさが大型化する 傾向にある。

 ここで、本実施形態のように、後輪18が 速装置31の車幅方向内側に位置する車両では 、後輪18との位置的干渉を避けるため、内側 11dが、比較的、車幅方向外側に配置される このため、第1の変速ギア対86も、比較的、 幅方向外側に配置する必要がある。その結 、第1の変速ギア対86の一部を構成する第1の ギア58とクランクピン34cとの間の距離が比較 長くなる。

 本実施形態では、図14に示すように、こ 第1のギア58とクランクピン34cとの間に、キ ク軸102と間接的に噛合するギア117が設けら ている。従って、車幅方向において、ギア11 7を配置するスペースを別途に確保する必要 ない。よって、エンジンユニット20の車幅方 向の大きさを小さくすることができる。

 なお、第1のギア58とクランクピン34cとの の間隔は、単気筒エンジンやVツインエンジ ンにおいて特に大きくなる傾向にある。この ため、本実施形態の構成は、単気筒エンジン やVツインエンジンを備えるエンジンユニッ に対して特に効果的である。

 ところで、キックスタータを軽量化する 点からは、キック軸とクランク軸との間に 間軸を配置しない方が好ましい。しかしな ら、この場合、キック軸に設けられたギア クランク軸に設けられたギアとを直接噛合 せる必要がある。このため、キック軸とク ンク軸との間の大きな減速比を確保すべく キック軸に設けられたギアの径を大きくす 必要がある。従って、キック軸に設けられ ギアと、他の部材との位置的干渉が問題と り、エンジンユニットが大型化する傾向に る。

 それに対して本実施形態では、キック軸1 02とクランク軸34との間に軸105とバランサ軸11 5とが設けられている。そして、キック軸102 設けられたギア104とクランク軸34に設けられ たギア117との間に複数のギア106,111,116,129が設 けられている。このため、各ギア117,106,111,116 ,129の径を大きくすることなく、キック軸と ランク軸との間の減速比を大きくすること できる。従って、エンジンユニット20を小型 化することが可能となる。

 また、本実施形態では、キック軸102とク ンク軸34との間の中間軸としてバランサ軸11 5が用いられている。従って、バランサ軸115 は別個に中間軸を設ける場合と比較して、 ンジンユニット20を軽量化、小型化すること ができる。

 本実施形態では、キックスタータ100と共 、セルモータ101も設けられている。そして セルモータ101のギア120は、第1のギア58より 車幅方向の内側のデッドスペースに配置さ たギア123と間接的に噛合している。この構 によれば、キックスタータ100とセルモータ1 01との両方を有するエンジンユニット20にお て、車幅方向における小型化を実現するこ ができる。

 また、本実施形態では、第3のクラッチ70 第4のクラッチ66とが油圧式クラッチにより 成されている。このため、第3のクラッチ70 第4のクラッチ66とにおいて、クラッチの断 が比較的迅速に行われる。言い換えれば、 ラッチの断続時において、第3のクラッチ70 第4のクラッチ66が比較的長い時間にわたっ 滑り続けることがない。このため、第3のク ラッチ70と第4のクラッチ66とにおけるエネル ーロスの大きさが比較的小さくなる。よっ 、スクータ型車両1の燃費を向上させること ができる。

 スクータ型車両1の燃費を向上させる観点 のみからは、第3のクラッチ70及び第4のクラ チ66と共に、第1のクラッチ55及び第2のクラ チ59も油圧式クラッチにすることが好ましい 。しかしながら、油圧式クラッチは、断続が 比較的迅速に行われる。このため、第1のク ッチ55を油圧式クラッチにした場合、発進時 にいきなり第1のクラッチ55がつながることと なる。このため、スムーズな発進が困難とな る。従って、スムーズな発進と燃費の向上と を両立させることができない。

 それに対して、本実施形態では、第1速の 第1の変速ギア対86に対して設けられた第1の ラッチ55は遠心クラッチである。遠心クラッ チは、油圧式クラッチと比べてゆっくりとク ラッチが断続される。このため、車両のなめ らかな発進が実現される。即ち、第1速の第1 変速ギア対86に対する第1のクラッチ55を遠 クラッチにすると共に、それよりも高速側 変速ギア対に対するクラッチの少なくとも とつを油圧式クラッチにすることで、燃費 向上を図ると共に、スムーズな発進を実現 ることができる。特に車両のなめらかな発 、加速を実現する観点から、第2のクラッチ5 9も遠心クラッチにすることが好ましい。

 尚、第1、2速用の第1のクラッチ55や第2の ラッチ59は、遠心クラッチであっても、そ ほどの長期間にわたって滑り続けることが い。また、第1速や第2速の走行の頻度は、相 対的に少ない。すなわち、全走行時間に占め る第1速や第2速の走行時間の割合は、比較的 ない。よって、第1のクラッチ55や第2のクラ ッチ59を遠心クラッチにした場合であっても れほど燃費は低下しない。

 但し、加速のなめらかさよりも燃費の向 を優先する場合は、第1のクラッチ55のみを 心クラッチとし、それ以外のクラッチを油 式クラッチとしてもよい。

 つまり、本実施形態のように、油圧式ク ッチを2つ以上用いることで、さらなる燃費 の向上が図られる。

 本実施形態では、第1のクラッチ55が遠心 ラッチであるため、スロットル操作子の操 量や車速、車両の加速度などに応じて、第1 のクラッチ55のつながり具合が適宜変化する このため、第1のクラッチ55を遠心クラッチ することで、ライダーの意図を反映した運 が可能となる。

 例えば、ライダーが比較的大きな加速度 発進すべく、スロットル操作子を大きく操 した場合は、第1のクラッチ55が比較的迅速 つながり、比較的大きな加速度での発進が われる。その一方、ライダーが比較的小さ 加速度でスムーズに発進すべく、スロット 操作子を小さく操作した場合は、第1のクラ ッチ55が比較的ゆっくりとつながり、比較的 さな加速度でスムーズに発進する。よって 高いドライバビリティが実現される。

 遠心クラッチの断続のタイミングは、エ ジン回転数によって決定されるのに対して 油圧式クラッチであれば、ECU138の制御によ て自由に断続のタイミングをコントロール ることができる。つまり、油圧式クラッチ 2つ以上用いることによって、変速装置31の 御の自由度がより高まる。具体的には、走 状態やライダーの操作に基づいて、クラッ の断続制御を細かく調節することができる 具体的には、スロットル開度と車速とのう の少なくとも一方に基づいてクラッチの断 制御を細かに行うことができる。

 例えば、本実施形態のように、複数の油 式クラッチを用いる場合、それら複数の油 式クラッチを同一の回転軸上に配置するこ が好ましい。具体的に本実施形態の場合で れば、油圧式クラッチである第3のクラッチ 70と第4のクラッチ66とを同一の第2の回転軸54 配置することが好ましい。そうすることで 油圧式クラッチへのオイル供給経路を比較 シンプルにすることができる。よって、変 装置31の構成をよりシンプルにすることが きる。

 また、内部にオイル供給経路を形成する 転軸の数量を低減することができる。よっ 、変速装置31の製造が容易となり、製造コ トも低減させることができる。

 特に変速装置31の構成をシンプルにする 点から、本実施形態のように、遠心クラッ が取り付けられた回転軸と、油圧式クラッ が取り付けられた回転軸とを別にすること 好ましい。具体的に、本実施形態の場合で 、遠心クラッチである第1のクラッチ55と第2 クラッチ59とを入力軸52に設け、油圧式クラ ッチである第3のクラッチ70と第4のクラッチ66 とを第2の回転軸54に設けることが好ましい。

 《変形例1》

 上記実施形態では、第1のクラッチ55のアウ 57と、第2のクラッチ59のアウタ61とが同一の 部材により構成されている例について説明し た。但し、本発明は、この構成に限定されな い。例えば、図15に示すように、第1のクラッ チ55のアウタ57と、第2のクラッチ59のアウタ61 とを別個に設けてもよい。

 《変形例2》

 上記実施形態では、第8のギア78に対して一 向回転伝達機構93が配置されている例につ て説明した。但し、本発明は、この構成に 定されない。例えば、図16に示すように、一 方向回転伝達機構93を第7のギア74に対して配 してもよい。

 《変形例3》

 上記実施形態では、第2のギア63に対して一 向回転伝達機構96が配置されている例につ て説明した。但し、本発明は、この構成に 定されない。例えば、図17に示すように、一 方向回転伝達機構96を第1のギア58に対して配 してもよい。

 《変形例4》

 上記実施形態では、本発明を実施した好ま い形態の例について、4速の変速装置31を例 挙げて説明した。但し、本発明はこれに限 されない。例えば、変速装置31は5速以上で ってもよい。その場合、第3の回転軸64と出 軸33との間にさらなる回転軸を2軸設け、そ 2軸に、さらなるクラッチと、さらなる変速 ギア対を設けることが考えられる。

 また、例えば、変速装置31は、図18に示す ように、3速の変速装置であってもよい。具 的に、3速の変速装置を構成する場合、図18 示すように、図4に構成を表す変速装置31の 4のクラッチ66と第2の変速ギア対90とを設け い構成とすることが考えられる。

 さらには、変速装置31は、2速の変速装置 あってもよい。

 《その他の変形例》

 上記実施形態では、入力軸52とクランク軸34 とが一体に形成されている例について説明し た。但し、本発明はこの構成に限定されない 。入力軸52とクランク軸34とは異軸により構 されていてもよい。その場合、入力軸52の軸 心とクランク軸34の軸心とが略直線上に配置 れていることが好ましい。

 上記実施形態ではエンジン30が単気筒エ ジンである例について説明した。但し、本 明において、エンジン30は、単気筒エンジン に限定されない。エンジン30は、例えば、2気 筒エンジンなどの多気筒のエンジンであって もよい。

 上記実施形態では、出力軸33と第3の回転 64とがそれぞれ別個に設けられている例に いて説明した。但し、本発明はこの構成に 定されない。出力軸33と第3の回転軸64とは共 通であってもよい。言い換えれば、第3の回 軸64に対して後輪18が取り付けられていても い。

 尚、上記実施形態及び各変形例では、ギ 対が直接噛合している例について説明した 但し、本発明は、これに限定されない。ギ 対は、別途設けられたギアを介して間接的 噛合していてもよい。

 《本明細書における用語等の定義》

 本明細書において、「モーターサイクル」 は、所謂狭義のモーターサイクルに限定さ ない。「モーターサイクル」は、所謂広義 モーターサイクルを意味する。具体的に、 明細書において「モーターサイクル」は、 両を傾斜させることによって方向転換を行 車両全般をいう。「モーターサイクル」は 前輪及び後輪のうちの少なくとも一方が複 の車輪により構成されていてもよい。具体 には、「モーターサイクル」は、前輪及び 輪のうちの少なくとも一方が相互に隣接し 配置された2つの車輪によって構成されてい る車両であってもよい。「モーターサイクル 」には、狭義のモーターサイクル、スクータ 型車両、モペット型車両及びオフロード型車 両が少なくとも含まれる。

 「遠心クラッチ」とは、入力側クラッチ 材と出力側クラッチ部材とを有し、入力側 ラッチ部材の回転速度が所定の回転速度以 であるとき、入力側クラッチ部材と出力側 ラッチ部材とが係合してつながる一方、入 側クラッチ部材の回転速度が所定の回転速 未満であるとき、入力側クラッチ部材と出 側クラッチ部材とが離れて切断されるクラ チをいう。

 本発明は、有段式自動変速装置及びモー ーサイクル等の車両に有用である。