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Patent Searching and Data


Title:
PRESSURE-SENSITIVE TRANSFER SHEET AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/144795
Kind Code:
A1
Abstract:
A pressure-sensitive transfer sheet comprising a base and an edible pigment composition layer formed on the base, wherein the edible pigment composition layer comprises a fat, an edible pigment, and a transferability modifier and the transferability modifier comprises a glycerol/fatty acid ester having a mass-average molecular weight of 800 or higher.

Inventors:
FURUNO HIROYUKI
HIGO SACHIKO
Application Number:
PCT/JP2008/059904
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
May 29, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYO INK MFG CO (JP)
FURUNO HIROYUKI
HIGO SACHIKO
International Classes:
A23L1/00; A23G1/00; A23G1/30; A23G4/00; A23L5/40
Foreign References:
JPH02163058A1990-06-22
JP2005320528A2005-11-17
JP2008089909A2008-04-17
JP2002176933A2002-06-25
JP2006169301A2006-06-29
JP2007056191A2007-03-08
JPS60146798U1985-09-28
JPS59168078A1984-09-21
Attorney, Agent or Firm:
MIYOSHI, Hidekazu et al. (JP)
Hidekazu Miyoshi (JP)
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Claims:
 基材と、前記基材上に形成された可食性色素組成物層とを備えた感圧転写シートであって、
 前記可食性色素組成物層が、油脂、可食性色素、および転写性改質剤を含み、
 前記転写性改質剤として、質量平均分子量800以上のグリセリン脂肪酸エステルを含む、感圧転写シート。
 前記可食性色素組成物層が、質量平均分子量800以上のグリセリン脂肪酸エステル、油脂、可食性色素、および水を含む組成物を前記基材に塗布して形成されたものである、請求項1記載の感圧転写シート。
 前記グリセリン脂肪酸エステルが、グリセリンおよび平均グリセリン単位2~20のポリグリセリンからなる群から選ばれたグリセリンと、質量平均炭素数8~20の脂肪酸および縮合度2~20の縮合リシノール酸からなる群から選ばれた脂肪酸とのエステルである、請求項1または2記載の感圧転写シート。
 前記油脂において、25℃で固体である油脂が油脂全体の15~50質量%を占める、請求項1~3のいずれか1項記載の感圧転写シート。
 前記25℃で固体である油脂が、パーム油、大豆硬化油、および蜜蝋からなる群より選ばれた1種類、または2種類以上の混合物である、請求項4記載の感圧転写シート。
 前記油脂において、中鎖脂肪酸トリグリセリドが油脂全体の50~85質量%を占める、請求項1~5のいずれか1項記載の感圧転写シート。
 JIS K5600-5-4(ISO/DIN 15184)に示される引っかき硬度(鉛筆法)試験方法において、鉛筆硬さをHBとした場合に、荷重が100~500g以下に相当する圧力を加えた際に転写が可能である、請求項1~6のいずれか1項記載の感圧転写シート。
 下記の工程を含む感圧転写シートの製造方法:
(1)基材上に、油脂、可食性色素、転写性改質剤、および水を含み、前記転写性改質剤が質量平均分子量800以上のグリセリン脂肪酸エステルである組成物を塗布する工程;および
(2)得られた組成物層を乾燥する工程。
 請求項1~8のいずれか1項記載の感圧転写シートを用いて形成された画像を備える食品。
 前記食品が、チョコレートまたはチューインガムである、請求項9記載の食品。
 油脂、可食性色素、転写性改質剤、および水を含み、
 前記転写性改質剤として質量平均分子量800以上のグリセリン脂肪酸エステルを含み、
 前記グリセリン脂肪酸エステルを1~10質量部、油脂を20~50質量部、可食性色素を5~40質量部、および水を10~40質量部含む、感圧転写シートの可食性色素組成物層形成用の組成物。
 前記グリセリン脂肪酸エステルが、グリセリンおよび平均グリセリン単位2~20のポリグリセリンからなる群から選ばれたグリセリンと、質量平均炭素数8~20の脂肪酸および縮合度2~20の縮合リシノール酸からなる群から選ばれた脂肪酸とのエステルである、請求項11記載の組成物。
Description:
感圧転写シートおよびその製造 法

 本発明は、可食材料からなる可食性色素 成物層を備え、加圧転写により食品類への 録のできる感圧転写シートに関する。

 チョコレート、ビスケット、チューインガ 等の食品の表面への印刷やマーキングは、 品の美観や記念行事でのデコレーション、 るいは子供用の玩具として非常に興味をも れる分野である。このような材料としては 可食性の材料による可食性インクが知られ いる。
 特許文献1は、グリセリン脂肪酸エステル、 天然多糖類、乳化剤、食用色素、食用乾性油 、および水を含む、スクリーン印刷等に用い る可食性インクを開示する。

 しかし、インクの場合はプリンタ等の装 を必要とするため、幼児等の玩具としての 用には適性がない。さらに、インクジェッ 方式では、吐出可能なインク組成とする必 性から、食品へのマーキングにおいて透明 が出てしまい、濃度のある画像形成が困難 あるとの問題点があった。

 一方、ボールペン、鉛筆などの筆記具、あ いはインパクトプリンターによるインパク プリントなどの加圧により食品に絵柄や文 を転写するための食品用感圧転写材も知ら ている。
 特許文献2は、基材上に、硬化油および可食 性ワックスと可食性色素を含む塗工剤を塗布 してなる食品用感圧転写材を開示する。

 しかし、従来の感圧転写材では、転写時に 応の加圧を必要とし、その結果、チョコレ ト等の食品が破損する、および、転写時に 太りが目立ち、繊細な転写画像が得られな という問題があった。

特開2005-320528号公報

特開平2-163058号公報

 本発明の第一の側面によれば、基材と、前 基材上に形成された可食性色素組成物層と 備えた感圧転写シートであって、
 前記可食性色素組成物層が、油脂、可食性 素、および転写性改質剤を含み、
 前記転写性改質剤として、質量平均分子量8 00以上のグリセリン脂肪酸エステルを含む、 圧転写シートが提供される。

 本発明の第二の側面によれば、下記の工程:
(1)基材上に、油脂、可食性色素、転写性改質 剤、および水を含み、前記転写性改質剤が質 量平均分子量800以上のグリセリン脂肪酸エス テルである組成物を塗布する工程;および
(2)得られた組成物層を乾燥する工程;
を含む感圧転写シートの製造方法が提供され る。

 本発明の第三の側面によれば、上記本発 に係る感圧転写シートを用いて形成された 像を備える食品が提供される。

 本発明の第四の側面によれば、
 油脂、可食性色素、転写性改質剤、および を含み、
 前記転写性改質剤として質量平均分子量800 上のグリセリン脂肪酸エステルを含み、
 前記グリセリン脂肪酸エステルを1~10質量部 、油脂を20~50質量部、可食性色素を5~40質量部 、および水を10~40質量部含む、感圧転写シー の可食性色素組成物層形成用の組成物が提 される。

実施例および比較例で得られた転写画 を示す写真図である。

 本発明に係る感圧転写シートは、転写性改 剤として質量平均分子量800以上のグリセリ 脂肪酸エステルを含む組成物層を備えるこ を特徴とする。このように、分子量が制御 れたグリセリン脂肪酸エステルを含む構成 より、本発明によれば、従来に比べ低い圧 で、食品等の被転写物を損傷することなく 像の転写を行なうことができ、さらに、画 の線太りも抑制することができる。
 ここで、「転写性」とは加圧転写性であり 主として、加圧転写に際し線太りを抑制し 、鮮明な画像を転写できる性質をいう。線 りを抑制するとは、加圧転写された線幅が か書きの場合の線幅に対し200%以内であるこ とを意味する。

 感圧転写シートは、基材と、基材上に形成 れた可食性色素組成物層とを備える。
 基材としては、加圧転写時の筆記性が良好 あることから、紙を使用することが好まし が、紙と同様の筆記性を有するように加工 たプラスチック(ポリエチレン、ポリプロピ レン、ポリエチレンテレフタレート等)フィ ム、または金属(アルミニウム等)箔も用いる ことができる。紙の場合は、人体への安全性 という観点から、蛍光物質の検出されない紙 であることが好ましい。各種の安定性、必要 な耐性および性能(剥離性、接着性等)を得る めに、基材には、オーバーコートまたはア ダーコートのような任意の前処理が行なわ ていてもよい。

 基材の厚みは、特に限定はないが、通常の さ(50~90μm)であることが好ましい。より好ま しくは、厚み65~80μm、ベック式平滑度(測定法 :JIS P 8119に準拠)が65~85秒、およびテーバー げこわさ(測定法:JIS P 8125に準拠)が14~20gf・c mの基材が選択される。
 さらに基材は、可食性色素組成物層が形成 れた後のカールが実質的に無視できるもの あること、すなわち中央部と周辺部との高 の差が5mm以内であることが好ましい。

 可食性色素組成物層(以下、単に「組成物層 」ともいう。)は、質量平均分子量800以上の リセリン脂肪酸エステルと、油脂と、可食 色素とを含む。
 グリセリン脂肪酸エステルは、組成物層の 圧転写性の改質剤として用いられるもので り、その効果を奏するために、質量平均分 量(GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラ ィ)により測定。移動相:THF、温度:40℃、検出 器:RI)が800以上であることが必要である。す わち、グリセリン脂肪酸エステルの質量平 分子量が800未満である場合は、食品等への 圧による図柄の転写性を向上させることが きない。

 本発明に係る感圧転写シートの組成物層に いて、ビヒクルである油脂の分子はそのア キル鎖により互いに絡み合おうとする性質 有するが、この絡み合いが大きい場合には 成物層が固くなり、転写層としての性能が 分に発揮されない恐れがある。
 こうした系において、改質剤としてグリセ ン脂肪酸エステルを添加した場合には、グ セリン脂肪酸エステルのアルキル鎖も油脂 アルキル鎖に絡み合うことになるが、改質 のグリセリン部分は親水性であることから ビヒクルである油脂とは反発しあうことと り、系全体として絡み合いの程度は下がる 考えられる。

 本発明では、改質剤として使用するグリ リン脂肪酸エステルの質量平均分子量が800 上であることが、転写性を改質するための 須な構成であるが、これは、グリセリン脂 酸エステルが上記のような働きを十分に発 するには、アルキル酸の鎖長が十分に長い 、1分子中の脂肪酸の結合数が多いほうが有 利であるということと関連していると推察さ れる。

 まず、グリセリン脂肪酸エステルの質量平 分子量が800未満である場合には、感圧転写 ートを食品基材に加圧転写をした場合、加 した部分のみならずその周辺部分も転写さ てしまうという不具合が発生する。
 これはこのような、質量平均分子量が800未 のグリセリン脂肪酸エステルを用いて感圧 写シートを作成した場合、その組成物層の かけ上の複素粘度の絶対値が大きくなり過 てしまう。すなわち、組成物層内の分子同 の結合力が大き過ぎるために、転写の際に 力を加えられた部分のみならず、その周辺 分の組成物層も転写されてしまい、その結 、線太りしてしまうと考えられる。

 複素粘度の絶対値|η*|(Pa・s)とは、粘性的性 質と弾性的性質の両方を含んだ組成物層全体 の硬さを意味し、貯蔵弾性率G’(Pa)と損失弾 率G’’(Pa )から下記式によって算出される 。

 この複素粘度の絶対値|η*|は、組成物層内 の分子同士の結合力を示すひとつの指標と る。この結合力が線太りを引き起こすと考 られるため、この値は大きすぎない方が好 しい。
 好ましい複素粘度の絶対値の具体例として 25℃、10.0Hzにおける複素粘度の絶対値|η*|は 50.0Pa・s以下であることが好ましく、10.0Pa・s 下であることがより好ましい。ここで、複 粘度の絶対値とは、レオメーターで測定し 粘度|η*|(Pa・s)のことをいう。

 次に、質量平均分子量が800未満のグリセリ 脂肪酸エステルを用いて感圧転写シートを 成した場合、その組成物層の貯蔵弾性率が きくなりすぎてしまう。その結果、組成物 の変形応答が生じづらく、したがって転写 為に加えられた圧力が対象の食品に伝わっ 損失されてしまうと考えられる。
 つまり、貯蔵弾性率G’は、加圧した際の変 形しにくさの指標と捉えることが可能であり 、変形が起こるということは加えられた圧力 が組成物層にきちんとかかっていることの証 である。したがって、大きすぎる貯蔵弾性率 は、転写画像の質を低下させる一因となると 考えられ、G’の値は大きすぎない方が好ま い。具体的な数値の例として、25℃、10.0Hzに おける貯蔵弾性率G’は、3,000Pa以下であるこ が好ましく、300Pa以下であることがより好 しい。

 以上より、グリセリン脂肪酸エステルは、 量平均分子量が800以上であることが必須で るが、上記分子量を有するものであれば特 限定はされず、グリセリンまたはポリグリ リンと脂肪酸との任意のエステルを用いる とができる。ただし、トリグリセリドを主 分とする後述する油脂は、この転写性改質 には含まれない。以下、ポリグリセリンを めて「グリセリン」と記す場合がある。
 すなわち、より詳細にはグリセリンとして 、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセ ン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、オ タグリセリン、ノナグリセリン、デカグリ リンなどを例示できる。好ましくは、ポリ リセリンとしては平均グリセリン単位(重合 度)が2以上20以下のものが選ばれ、平均グリ リン単位が2以上10以下のポリグリセリンを いることがより好ましい。

 脂肪酸としては、飽和脂肪酸のほか、不飽 脂肪酸であってもよいし、ヒドロキシ酸で ってもよく、ヒドロキシ酸の場合は、以下 記載するように縮合酸であってもよい。さ に脂肪酸の炭化水素基またはヒドロキシ炭 水素基は、直鎖であっても分岐鎖であって よい。
 上述の、グリセリン脂肪酸エステルのアル ル鎖が油脂のアルキル鎖に絡み合い、系全 としての絡み合いの程度を下げるという観 から、好ましくは、質量平均炭素数8以上20 下の脂肪酸、および、縮合度が2以上20以下 縮合リシノール酸が選ばれる。
 より詳細には、オクタン酸(カプリル酸)、 カン酸(カプリン酸)、ラウリン酸、ミリスチ ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキ ジン酸、オレイン酸、リシノール酸、ポリリ シノール酸などを好適例として挙げられる。

 以上のようなグリセリンと脂肪酸とから られるグリセリン脂肪酸エステルとして、 とえば、グリセリンポリリシノレート、ジ リセリンポリリシノレート、トリグリセリ ポリリシノレート、テトラグリセリンポリ シノレート、ヘキサグリセリンポリリシノ ート、ヘキサグリセリンペンタオレエート デカグリセリンペンタオレエート、デカグ セリンデカオレエート、デカブリセリンモ カプリレートなどが好ましい例として挙げ れる。

 これらの例示に見られるように、グリセリ 脂肪酸エステル中の脂肪酸の数は特に限定 れず、全ての水酸基がエステル化されてい もよいし、1以上の一部の水酸基がエステル 化されていてもよく、次の一般式で示すこと ができる。
 上記式中、Rは水素または脂肪酸残基を示し 、各脂肪酸残基は互いに同一であっても異な っていてもよく、nは1以上の整数である。

 以上のようなグリセリンと脂肪酸とから得 れるグリセリン脂肪酸エステルの質量平均 子量は、他成分との混練りのしやすさの観 から6000以下程度であることが好ましく、150 0~5000であることがより好ましい。
 組成物は、複数種のグリセリン脂肪酸エス ルを含んでいてもよいし、グリセリン脂肪 エステルは、複数種の脂肪酸を含んでいて よい。

 油脂は、脂肪酸類のグリセリンエステル(ト リグリセリド)を主成分とする。組成物には 複数種の油脂を組み合わせて配合すること できる。また、油脂は複数種の脂肪酸を含 でいてもよい。
 油脂は、常温(25℃)で固体である油脂と、液 状である油脂とに分けられるが、印刷時の流 動性と転写層の安定的固着とを両立させる観 点から、前者の25℃で固体である油脂が、油 全体の15質量%以上50質量%以下を占めること 好ましい。

 25℃で固体である油脂としては、可食性ワ クス、大豆硬化油、コーン硬化油、パーム 化油、パーム油(パーム油精製加工油脂)など 特に限定はされないが、40~70℃の融点を有す ものが好ましく用いられ、60~70℃の融点の のがさらに好ましく用いられる。可食性ワ クスとしては、食用カルナバワックス、密 、米糠蝋、キャンデリラ蝋などを例示でき 。
 組成物を基材に塗工する際の粘度調整、塗 後の塗膜の硬さの調整の観点から、硬化油 用いることが好ましく、一方、熱溶融物の 点低下の防止、または粘度の調整の観点か 、植物油等の非硬化油を用いることが好ま い。植物油は、融点が38~39℃程度のパーム が好ましい。
 なかでも、本願における転写性改質剤との み合わせにおいては、パーム油、大豆硬化 、および蜜蝋からなる群より選ばれた1種類 、または2種類以上の混合物を用いることが ましい。

 25℃で液状である油脂としては、中鎖脂 酸トリグリセリドが好ましい。なかでも、 化変敗の防止という観点から、中鎖飽和脂 酸トリグリセリドが好ましい。中鎖飽和脂 酸トリグリセリドとしては、オクタン酸デ ン酸トリグリセリドなどが挙げられる。こ で、中鎖脂肪酸とは、炭素数8~10のものをい 。中鎖脂肪酸トリグリセリドは、油脂全体 50~85質量%を占めることが好ましい。

 可食性色素とは、「世界の食品添加物概説( 日本食品添加物協会出版)」に収載されてい 食用色素を指す。本書に収載されているも であれば特に限定はしないが、世界標準で るコーデックス/JEFCA/WHOが定める食品添加物 素、日本の食品衛生法が定める食品添加物 素、米国の連邦食品化粧品法に基づき食品 薬品庁(FDA)が定める21CFRあるいはGRAS物質に 当する食品添加物色素、欧州連合(EU)が欧州 令により定める食品添加物色素などが好ま い。
 これらは、合成着色料(合成可食性色素)お び天然着色料(天然可食性色素)に大別される 場合と、有色色素と白色色素に大別される場 合とがある。

 有色色素のうち合成可食性色素としては 食品添加物便覧(食品と科学社)の着色料お び発色剤に挙げられている色素が使用でき 。なかでも黄色4号、黄色5号、青色1号、青 2号、パテントブルーV、赤色2号、赤色3号、 色40号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、 色3号、およびこれらのアルミレーキ色素な が好ましい。

 有色色素のうち天然可食性色素としては 天然物便覧(食品と科学社)の既存添加物に げられている着色料が使用できる。なかで ウコン色素、リオフラビン色素、クチナシ 素、アナトー、トマト色素、サフラン色素 クチナシ色素、コチニール色素、赤キャベ 色素、ビートレッド色素、モナスカス色素 パプリカ色素、トウガラシ色素、アスタキ ンチン、フィフィア色素、β-カロテン色素 エルダベリー色素、チョウマメ色素、ベニ ナ色素、アントシアニン色素、ポリフェノ ル系茶色素、クロロフィル、クロロフィリ 、葉緑素、カラメル色素、タマリンド色素 カキ色素、ココア色素、植物炭末色素、金 銀、魚鱗箔などが好ましい。

 天然可食性色素として、水溶性の上記色 を微結晶セルロースに配合して染着させた 素も使用できる。微結晶セルロースと配合 て染着させた色素は、変色を防止する効果 有し、耐光性も向上する。この場合は、天 色素と微結晶セルロースとを1~20:80~99の割合 (質量比)で混合させた微粒子色素とすること 効果が大きくなる。なお、この微粒子色素 粒径は、0.1~200μmであることが好ましく、0.5 ~100μmの粒径としたものがより好ましい。

 白色の可食性色素としては、酸化チタン 炭酸カルシウム、卵殻カルシウム、貝殻カ シウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カ シウム、その他の水不溶性カルシウム塩、 酸マグネシウム、塩基炭酸マグネシウム色 などが好ましい。

 以上のような可食性色素は、それぞれが 独で用いられてもよいし、複数種を組み合 せて使用することもできる。濃色の食品へ 画像転写に用いられる場合は、隠蔽性の観 から、組成物には有色色素と共に白色色素 使用することが好ましい。

 可食性色素組成物層において、転写性改質 であるグリセリン脂肪酸エステルは1~20質量 %、油脂は20~85質量%、可食性色素は5~70質量%含 まれていることが好ましい。さらに、グリセ リン脂肪酸エステルは5~15質量%、油脂は30~60 量%、可食性色素は30~55質量%含まれているこ が一層好ましい。最も好ましくは、グリセ ン脂肪酸エステルは約10質量%、油脂は約45 量%、可食性色素は約45質量%である。
 上記の必須成分に加え、組成物層は、消泡 、増粘剤、可塑剤、分散剤、乳化剤、酸化 止剤、防腐剤等の物性改善補助剤を適量含 することもできる。

 基材上への可食性色素組成物層の形成方法 、特に限定されないが、上記の成分と水を む組成物を調製し、これを基材に任意の方 で塗布することが好ましい。
 たとえば、湯煎により50~70℃に加温しなが グリセリン脂肪酸エステルと油脂を溶融さ た後、可食性色素を分散させ、加温を継続 ながら得られた分散物に水を添加し、乳化 せる方法が挙げられる。
 この組成物は、グリセリン脂肪酸エステル 1~10質量%、油脂を20~50質量%、可食性色素を5~ 40質量%、および水を10~40質量%含むことが好ま しい。さらには、グリセリン脂肪酸エステル を2~8質量%、油脂を25~45質量%、可食性色素を15 ~30質量%、水を20~35質量%含むことが一層好ま い。最も好ましくは、グリセリン脂肪酸エ テルは約5質量%、油脂は約35質量%、可食性色 素は約35質量%、水は約25質量%の割合である。

 均一で緻密な塗膜を形成する観点から、 成物はW/O型エマルションとなっていること 好ましい。

 基材への塗布方法は、特に限定されず、た えばスクリーン印刷法、各種コート法(使用 装置例:加熱グラビアコーター、ロールコー ー、エアナイフコーター、カーテンコータ )などにより好ましく行われる。形成される 成物層は、乾燥後の膜厚で5~20μm程度である ことが好ましい。
 組成物層は、基材全体に形成されてもよい 、任意の絵柄あるいは文字として部分的に 成されてもよい。
 得られた感圧転写シートは、上記の基材と 成物層のほかに、任意でさらに離型層、接 層などを含む構成であってもよい。

 感圧転写シートを用いて画像を転写する 転写物としては、特に限定されないが、チ コレート、ビスケット、クラッカー、チュ インガム、キャンディー等の食品が挙げら る。なかでも、転写性の観点から、表面の ース硬度が0.4~1.2の食品であることが好まし く、表面濡れの観点から、チョコレートおよ びチューインガムが好ましい。さらに、食品 以外にも、たとえば食品の包装に用いられる パッケージ等も、被転写物として使用できる 。

 転写の方法は、特に限定されないが、被転 物の表面に感圧転写シートを重ね、ボール ン、鉛筆、ペンなどの筆記具で加圧するこ により好ましく行なうことができる。ある は、インパクトプリンターを用いることも きる。
 組成物層が基材全体に形成された感圧転写 ートの場合は、筆記具等で任意の絵柄を描 て転写させるようにするが、予め絵柄等と て組成物層が形成されている場合は、これ そのまま擦って転写させるようにすること できる。

 本発明の感圧転写シートは、従来に比べ 低い圧力で転写が可能であることを特徴の つとする。具体的には、JIS K5600-5-4(ISO/DIN 1 5184)に示される引っかき硬度(鉛筆法)試験方 において、鉛筆硬さをHBとした場合に、荷重 が100g以上500g以下に相当する圧力を加えた際 転写が可能である。これは、従来の感圧転 シートでは1000g程度の加圧が必要であった に対し、本発明の転写シートでは、より低 圧力で転写が可能であることを示している したがって、チョコレート等の食品を破損 ることなく、容易に絵柄や文字を転写させ 食品への装飾やマーキングを行なうことが きる。この圧力は、100g以上300g以下であるこ とがより好ましい。

 以下に、実施例により本発明をさらに詳細 説明するが、以下の実施例は本発明の権利 囲を何ら制限するものではない。なお、実 例における「部」は、「質量部」を表す。
 <実施例1>
 テトラグリセリンポリリシノレート(阪本薬 品工業(株)製CR-310、質量平均分子量:約2600、)1 1部、パーム油精製加工油脂(太陽油脂(株)製PF K)8部、大豆硬化油(太陽油脂(株)製大豆極度硬 化油)4部、密蝋((株)セラリカ野田製 晒蜜蝋  高酸)4部、オクタン酸デカン酸トリグリセリ (日清製油(株)製O.D.O.)57部を湯煎(50~60℃)で加 熱しながら混合した。加熱を続けながら、得 られた混合物に黄色4号アルミレーキ(ダイワ 成(株)製食用黄色4号アルミニウムレーキ)20 、二酸化チタン(三栄源エフ・エフ・アイ( )製二酸化チタン)20部、および炭酸カルシウ (白石カルシウム(株)製コロカルソ-EX)30部を えて混合し、さらにイオン交換水46部を滴 して乳化させた。
 得られたW/O型エマルション組成物を、120線 スクリーン版により、紙(日本製紙(株)製KFD 厚み77μm)に塗布し、乾燥させて厚み(乾燥後 厚み10μm)の可食性組成物層が形成された感圧 転写シートを得た。

 <実施例2~7、比較例1~3>
 グリセリン脂肪酸エステルの種類を表1に示 すように変更したほかは、上記実施例1と同 にして感圧転写シートを得た。
 使用したグリセリン脂肪酸エステルのうち CR-500、PO-5S、MCA-750、およびMO-310は阪本薬品 業(株)の製品であり、PGPR 90はダニスコ製で あり、Q-1710S、Q-175S、No.8070V、No.8000V、およびQ -18Dは太陽化学(株)製である。

 <実施例8>
 実施例2のCR-500を使用する組成において、イ オン交換水を添加しないようにしたほかは実 施例2と同様に組成物を形成し、以降は同様 して基材に塗布して感圧転写シートを得た

 <組成物層の粘弾性特性>
 得られた各W/O型エマルション組成物(実施例 8以外)または組成物(実施例8)の変位0.0001rad/s 25℃、10Hzにおける複素粘度(η*)、および貯蔵 弾性率(G’)を、ティー・エイ・インスツルメ ント社製レオメーター「AR-G2」を用いて測定 た。

 <転写特性>
 気温25℃、相対湿度40%に保たれた高温高湿 において、得られた感圧転写シートを明治 菓(株)製「明治ミルクチョコレート」(モー 硬度0.8)の上に載せ、テスター産業(株)製ク メンス型引掻き硬度試験機の試験台の上に 定し、鉛筆硬さHB、筆記速度2mm/秒、荷重250g の条件で、線幅4.0mm(じか書きの線幅)の直線 を描いた。
 転写された線状画像をウルトラミクロトー (LKB BROMMA社製、2088ULTROTOME V)により観察し 線状画像の線幅を測定した。転写画像の太 具合を、じか書きの場合の線幅に対する%で 価した。

 さらに、転写された線質を、次のように評 した。
  5:ムラが無く、充分に濃い。
  4:少しムラがあるが、充分に濃い。
  3:少しムラがあり、少し薄い。
  2:ムラが多く、少し薄い。
  1:ムラが多く、非常に薄い。
 上記評価が4以上であれば、実用品として合 格レベルであるが、3以下のものは実用品と ては使用に適さない。
 以上の結果を、表2に示す。

 実施例の感圧転写シートを用いた場合は、 ョコレートを破損することなく、線太りの 制された線を、鮮明に濃く転写することが きた。一方、比較例では、良好な転写性が られなかった。
 図1に左から順に、実施例1、実施例2、比較 2、比較例3、および比較例1において転写さ た線(画像)を示す。
 撮影に用いたカメラはソニー(株)製Cyber-shot DSC L1であり、オートモードで撮影した。

 さらに、実施例1のテトラグリセリンポリ リシノレートを用い、組成物の処方をテトラ グリセリンポリリシノレート8.0部、パーム油 精製加工油脂4.5部、大豆硬化油3.0部、密蝋3.0 部、オクタン酸デカン酸トリグリセリド35.5 、黄色4号8.0部、二酸化チタン5.0部、および 酸カルシウム8.0部に変更して同様の実験を なったところ、実施例1と同様の良好な転写 性が得られた。

 既に述べられたもの以外に、本発明の新 かつ有利な特徴から外れることなく、上記 実施形態に様々な修正や変更を加えてもよ ことに注意すべきである。従って、そのよ な全ての修正や変更は、添付の請求の範囲 含まれることが意図されている。