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Title:
PRINTED MATERIAL AND METHOD FOR PRODUCING PRINTED MATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/154281
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a printed material comprising a base and a transparent layer arranged on the surface of the base and containing at least a resin emulsion and a resin composition.  The resin composition is obtained by dissolving a resin into a solvent, which is composed of one or more members selected from the group consisting of water, glycerin, glycols and glycol derivatives, in the presence of at least one of an organic amine compound and an inorganic basic compound.

Inventors:
KITAMURA JUNICHIRO (JP)
KAWASE KOKI (JP)
UEMURA HIROSHI (JP)
ISHIKAWA HITOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/061243
Publication Date:
December 23, 2009
Filing Date:
June 19, 2009
Export Citation:
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Assignee:
DYNAPAC CO LTD (JP)
KITAMURA JUNICHIRO (JP)
KAWASE KOKI (JP)
UEMURA HIROSHI (JP)
ISHIKAWA HITOSHI (JP)
International Classes:
B41M3/14; B41M1/04; B65D5/42; C08L33/00; C09D11/10
Foreign References:
JPS63227674A1988-09-21
JPH08176486A1996-07-09
JP2006002033A2006-01-05
JPH05171087A1993-07-09
JPH1142845A1999-02-16
JP2000177229A2000-06-27
JP2005138399A2005-06-02
JP2002274001A2002-09-25
Attorney, Agent or Firm:
NAGOYA INTERNATIONAL PATENT FIRM (JP)
Nagoya international patent business corporation (JP)
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Claims:
 基材と、
 少なくとも樹脂エマルジョンおよび樹脂組成物を含有し、前記基材表面に配置される透明層と、を有しており、
 前記樹脂組成物は、樹脂を、有機アミン化合物および無機塩基性化合物のうち少なくともいずれか一方の存在下にて、水,グリセリン,グリコール,グリコール誘導体からなる群から選択される1種以上からなる溶媒に溶解させたものである
 ことを特徴とする印刷物。
 前記樹脂エマルジョンは、ロジン変性マレイン酸樹脂、アクリル系樹脂、スチレン-アクリル系樹脂、スチレン-マレイン酸系樹脂、スチレン-アクリル系-マレイン酸系樹脂からなる群のから選択される1種以上の樹脂と、水,グリセリン,グリコール,グリコール誘導体からなる群から選択される1種以上からなる溶媒と、を含有するものである
 ことを特徴とする請求項1に記載の印刷物。
 前記樹脂組成物における樹脂は、ロジン変性マレイン酸樹脂、アクリル系樹脂、スチレン-アクリル系樹脂、スチレン-マレイン酸系樹脂、スチレン-アクリル系-マレイン酸系樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂である
 ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷物。
 前記透明層は、体質顔料を含有する
 ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の印刷物。
 前記基材表面および/または前記透明層表面における少なくとも一部の領域上に有色層が形成されてなる
 ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の印刷物。
 前記有色層は、前記透明層表面を全て覆うように形成される
 ことを特徴とする請求項5に記載の印刷物。
 前記透明層は、紫外線吸収剤を含有する
 ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の印刷物。
 前記透明層は、赤外線吸収剤を含有する
 ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の印刷物。
 基材表面に、樹脂エマルジョンおよび樹脂組成物を含有する透明層形成材料を塗布することで透明層を形成する透明層形成工程を備えており、
 前記樹脂組成物は、樹脂を、有機アミン化合物および無機塩基性化合物のうち少なくともいずれか一方の存在下にて、水,グリセリン,グリコール,グリコール誘導体からなる群から選択される1種以上からなる溶媒に溶解させたものである
 ことを特徴とする印刷物製造方法。
 前記樹脂エマルジョンは、ロジン変性マレイン酸樹脂、アクリル系樹脂、スチレン-アクリル系樹脂、スチレン-マレイン酸系樹脂、スチレン-アクリル系-マレイン酸系樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂と、水,グリセリン,グリコール,グリコール誘導体からなる群から選択される1種以上からなる溶媒と、を含有するものである
 ことを特徴とする請求項9に記載の印刷物製造方法。
 前記樹脂組成物における樹脂は、ロジン変性マレイン酸樹脂、アクリル系樹脂、スチレン-アクリル系樹脂、スチレン-マレイン酸系樹脂、スチレン-アクリル系-マレイン酸系樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂である
 ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の印刷物製造方法。
 前記透明層形成材料は、体質顔料を含有する
 ことを特徴とする請求項9から請求項11のいずれかに記載の印刷物製造方法。
 前記基材表面および/または前記透明層表面における少なくとも一部の領域上に有色層を形成する有色層形成工程を備える
 ことを特徴とする請求項9から請求項12のいずれかに記載の印刷物製造方法。
 前記有色層は、前記透明層表面を全て覆うように形成される
 ことを特徴とする請求項13に記載の印刷物製造方法。
 前記透明層形成材料は、紫外線吸収剤を含有する
 ことを特徴とする請求項9から請求項14のいずれかに記載の印刷物製造方法。
 前記透明層形成材料は、赤外線吸収剤を含有する
 ことを特徴とする請求項9から請求項15のいずれかに記載の印刷物製造方法。
 前記透明層形成工程は、フレキソ印刷により実行される
 ことを特徴とする請求項9から請求項16のいずれかに記載の印刷物製造方法。
Description:
印刷物および印刷物製造方法

 本発明は、印刷物および印刷物製造方法 関する。

 近年、複写機や印刷装置の性能の向上、 たパソコンやスキャナなどデジタル処理機 技術向上に伴うDTP技術の発展に伴い、印刷 の模倣・複製が簡易かつ精密に行えるよう なってきている。そこで、従来、印刷物の 製を抑制するために、マイクロ文字を印刷 る技術(特許文献1参照)、潜像模様および凹 構造を形成する技術(特許文献2参照)、多色 りなどの技術を利用している。

特許第3271474号公報

特開2003-281596号公報

 上述した技術は有価証券や各種証明書など 重要書類の印刷物における模倣抑制に用い れていた。
 一方、段ボールケースのデザインについて 、商品の模倣を抑制できる印刷技術を採る とが望まれる。しかしながら、通常の作業 程で段ボールケースを印刷する場合には、 ボール板紙という平滑性のない基材に印刷 るという印刷スペックの関係上、色数は2~3 でマイクロ文字など細かい文字の印刷がで ない再現性の低い印刷方法が用いられてお 、段ボールケースのデザインの模倣を抑制 るために上述した技術を用いることはでき かった。

 本発明は、上述した問題に鑑みてなされ ものであり、模倣を抑制できる印刷物およ 印刷物製造方法を提供することを目的とす 。

 上述した問題を解決するためになされた 発明の第1局面の印刷物は、基材と、少なく とも樹脂エマルジョンおよび樹脂組成物を含 有し、前記基材表面に配置される透明層と、 を有するものであって、前記樹脂組成物は、 樹脂を、有機アミン化合物および無機塩基性 化合物のうち少なくともいずれか一方の存在 下にて、水,グリセリン,グリコール,グリコー ル誘導体からなる群から選択される1種以上 らなる溶媒に溶解させたものである。なお 樹脂組成物における樹脂は、樹脂エマルジ ンに含有される樹脂と同じ樹脂であっても いし、異なる樹脂であってもよい。

 このように構成された印刷物において、 材表面に形成された透明層は、そのデザイ (基板表面に沿った形状、以下模倣抑制デザ インともいう)を複写機やスキャナなどの装 を用いて読み取ることができない。したが て、印刷物に予め透明層で模倣抑制デザイ を形成しておくことで、模倣抑制デザイン 模倣を抑制できる。それにより、当該模倣 制デザインが形成された印刷物の偽物を、 写機等を用いて製造されることを抑制でき 。

 また、樹脂組成物が含まれることにより、 色インキによる透明層表面への塗装を良好 行うことができる。
 また、透明層を形成するだけで模倣を抑制 る効果を得ることができるので、マイクロ 字や潜像模様などを印刷するための高品質 印刷装置が必要ないため、通常の印刷工程 同程度のコストで製造することができる。

 模倣抑制デザインの確認方法としては、例 ば、透明層に光を当てて、基材表面の垂線 角度をつけた斜め方向から目視することが げられる。
 なお、上記基材とは、有色インキによる表 の塗装が可能なものであり、例えば段ボー が挙げられる。

 また、上記透明層は、基材表面に形成され 状態で実質的に基材表面が視認できる程度 透明であればよい。
 また、有機アミン化合物としては、例えば モノエタノールアミン,トリエタノールアミ ン等が挙げられる。また、無機塩基性化合物 としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ ム、水酸化アンモニウム等が挙げられる。

 本発明の第2局面の印刷物は、第1局面の 刷物において、前記樹脂エマルジョンが、 ジン変性マレイン酸樹脂、アクリル系樹脂 スチレン-アクリル系樹脂、スチレン-マレイ ン酸系樹脂、スチレン-アクリル系-マレイン 系樹脂からなる群のから選択される1種以上 の樹脂と、水,グリセリン,グリコール,グリコ ール誘導体からなる群から選択される1種以 からなる溶媒と、を含有するものであるこ を特徴とする。

 このように構成された印刷物であれば、模 抑制デザインの模倣抑制を良好に実現する とができる。
 本発明の第3局面の印刷物は、第1局面また 第2局面の印刷物において、前記樹脂組成物 おける樹脂が、ロジン変性マレイン酸樹脂 アクリル系樹脂、スチレン-アクリル系樹脂 、スチレン-マレイン酸系樹脂、スチレン-ア リル系-マレイン酸系樹脂からなる群から選 択される1種以上の樹脂であることを特徴と る。

 このように構成された印刷物であれば、透 層表面において良好に有色インキを塗布す ことができる。
 本発明の第4局面の印刷物は、第1局面~第3局 面のいずれかの印刷物において、前記透明層 が体質顔料を含有することを特徴とする。

 このように構成された印刷物であれば、 明層の乾燥性が向上するため、透明層を形 した直後に乾燥のために必要な時間が低減 きる。それにより、例えば透明層以外の有 インキ等による印刷を一の工程で容易に実 できるようになる。また、有色インキによ 透明層表面への塗装がさらに良好に行うこ ができるようになる。

 ところで、基材表面に有色インキによる 色層が形成される場合がある。例えば段ボ ルの場合、表面に内容物や製造者を表示す 印刷が行われる。模倣抑制デザインは、そ ような有色層によるデザイン(以下、通常デ ザインともいう)に組み合わせて使用するこ ができる。具体的には、次の第5局面、第6局 面の印刷物の構成とすることが考えられる。

 本発明の第5局面の印刷物は、第1局面~第4 局面のいずれかの印刷物において、前記基材 表面および/または前記透明層表面における なくとも一部の領域上に有色層が形成され なることを特徴とする。

 このように構成された印刷物であれば、 色層による通常デザインにより透明層を隠 ことや模倣抑制デザインの形状を不明瞭に ることができるため、模倣抑制デザインの 者からの発見や模倣を抑制することができ 。

 また、本発明の第6局面の印刷物は、第5局 の印刷物において、前記有色層が、前記透 層表面を全て覆うように形成されることを 徴とする。
 このように構成された印刷物であれば、基 表面の透明層を有色層によって隠すことが きるため、模倣抑制デザインの発見をさら 困難にすることができる。

 本発明の第7局面の印刷物は、第1局面~第6局 面のいずれかの印刷物において、前記透明層 が紫外線吸収剤を含有することを特徴とする 。
 このように構成された印刷物であれば、紫 線を照射することにより紫外線吸収剤が発 して浮き出すため、容易に透明層の存在を 認することができる。

 本発明の第8局面の印刷物は、第1局面~第7局 面のいずれかの印刷物において、前記透明層 が赤外線吸収剤を含有することを特徴とする 。
 このように構成された印刷物であれば、赤 線を照射すると赤外線吸収剤が赤外線を吸 するため、赤外線吸収測定装置を用いるこ により容易に透明層の存在を確認すること できる。

 本発明の第9局面の印刷物製造方法は、基 材表面に、樹脂エマルジョンおよび樹脂組成 物を含有する透明層形成材料を塗布すること で透明層を形成する透明層形成工程を備えて おり、前記樹脂組成物は、樹脂を、有機アミ ン化合物および無機塩基性化合物のうち少な くともいずれか一方の存在下にて、水,グリ リン,グリコール,グリコール誘導体からなる 群から選択される1種以上からなる溶媒に溶 させたものである。なお、樹脂組成物にお る樹脂は、樹脂エマルジョンに含有される 脂と同じ樹脂であってもよいし、異なる樹 であってもよい。

 このような印刷物製造方法であれば、本発 の第1局面の印刷物と同様の効果を奏する印 刷物を製造することができる。
 なお、上述した塗布の具体的な態様として 、印刷などの一般的に用いられる様々な方 を適用することができる。

 本発明の第10局面の印刷物製造方法は、 発明の第9局面の印刷物製造方法において、 記樹脂エマルジョンが、ロジン変性マレイ 酸樹脂、アクリル系樹脂、スチレン-アクリ ル系樹脂、スチレン-マレイン酸系樹脂、ス レン-アクリル系-マレイン酸系樹脂からなる 群から選択される1種以上の樹脂と、水,グリ リン,グリコール,グリコール誘導体からな 群から選択される1種以上からなる溶媒と、 含有するものであることを特徴とする。

 このような印刷物製造方法であれば、本発 の第2局面の印刷物と同様の効果を奏する印 刷物を製造することができる。
 本発明の第11局面の印刷物製造方法は、本 明の第9局面または第10局面の印刷物製造方 において、前記樹脂組成物における樹脂が ロジン変性マレイン酸樹脂、アクリル系樹 、スチレン-アクリル系樹脂、スチレン-マレ イン酸系樹脂、スチレン-アクリル系-マレイ 酸系樹脂からなる群から選択される1種以上 の樹脂であることを特徴とする。

 このような印刷物製造方法であれば、本発 の第3局面の印刷物と同様の効果を奏する印 刷物を製造することができる。
 本発明の第12局面の印刷物製造方法は、本 明の第9局面~第11局面のいずれかの印刷物製 方法において、前記透明層形成材料が、体 顔料を含有することを特徴とする。

 このような印刷物製造方法であれば、本発 の第4局面の印刷物と同様の効果を奏する印 刷物を製造することができる。
 本発明の第13局面の印刷物製造方法は、本 明の第9局面~第12局面のいずれかの印刷物製 方法において、前記基材表面および/または 前記透明層表面における少なくとも一部の領 域上に有色層を形成する有色層形成工程を備 えることを特徴とする。

 このような印刷物製造方法であれば、本発 の第5局面の印刷物と同様の効果を奏する印 刷物を製造することができる。
 本発明の第14局面の印刷物製造方法は、本 明の第13局面の印刷物製造方法において、前 記有色層が前記透明層表面を全て覆うように 形成されることを特徴とする。

 このような印刷物製造方法であれば、本発 の第6局面の印刷物と同様の効果を奏する印 刷物を製造することができる。
 本発明の第15局面の印刷物製造方法は、本 明の第9局面~第14局面のいずれかの印刷物製 方法において、前記透明層形成材料が紫外 吸収剤を含有することを特徴とする。

 このような印刷物製造方法であれば、本発 の第7局面の印刷物と同様の効果を奏する印 刷物を製造することができる。
 本発明の第16局面の印刷物製造方法は、本 明の第9局面~第15局面のいずれかの印刷物製 方法において、前記透明層形成材料が赤外 吸収剤を含有することを特徴とする。

 このような印刷物製造方法であれば、本発 の第8局面の印刷物と同様の効果を奏する印 刷物を製造することができる。
 本発明の第17局面の印刷物製造方法は、本 明の第9局面~第16局面のいずれかの印刷物製 方法において、前記透明層形成工程がフレ ソ印刷により実行されることを特徴とする

 このような印刷物製造方法であれば、フ キソ印刷により低コストで印刷物を製造す ことができる。

模倣抑制デザインの一例を示す図であ 。 模倣抑制デザインに通常デザインを重 た状態を示す図である。 模倣抑制デザインに通常デザインを重 た状態を示す断面図である。 模倣抑制デザインをスキャニングした 像を示す図である。 模倣抑制デザインを有色インキで印刷 た画像を示す図である。 模倣抑制デザインおよび通常デザイ ンをスキャニングした画像を示す図である。 印刷物をデジタルカメラで撮影した 画像を示す図である。

1…段ボール、2…模倣抑制デザイン(透明イン キによる透明層)、3…通常デザイン(有色イン キによる有色層)

 以下に本発明の実施形態を図面と共に説明 る。
[実施例]
 本実施例では、以下に説明する透明インキ( 本発明における透明層形成材料)を用いて、 ボールに模倣抑制デザインを印刷した印刷 を製造した。
(1)透明インキの構成
 本実施例の透明インキは、溶媒10重量%、体 顔料40重量%、水溶性樹脂(本発明における樹 脂組成物)40重量%、樹脂エマルジョン10重量% からなる。各材料の詳細を以下に説明する
・溶媒:水
・体質顔料:炭酸カルシウム
・水溶性樹脂:ロジン変性マレイン酸樹脂25重 量%と、水(溶媒)65重量%と、樹脂を水に溶解さ せるための塩基性化合物としてのトリエチル アミン10重量%と、の混合物
・樹脂エマルジョン:ロジン変性マレイン酸 脂40重量%と水(溶媒)60重量%との混合物
 透明インキは上記材料を攪拌混合して製造 た。
(2)印刷方法
 段ボール原紙にKライナーと中芯からなるB ルートのシートを使用した。印刷には通常 ボール印刷で使用されるフレキソフォルダ グルアーを使用し、上記(1)の透明インキ+有 インキの2色の3色を用意した。有色インキ 、DF04赤、DF26スミ、を使用した。

 印刷条件を以下の表1に示す。印刷環境は 通常の段ボール印刷の環境と同等とした。

 まず、透明インキを使用して、段ボール1上 に模倣抑制デザイン2を印刷した。透明イン は印刷された後乾燥し、ロジン変性マレイ 酸樹脂共重合体からなる透明被膜(本発明に ける透明層)を形成した。

 図1に、透明インキを使用して印刷された 模倣抑制デザイン2の一例を示す。この模倣 制デザイン2は、JURA社のGSアートスクリーン 使用して作成した。このソフトは任意の文 や記号をランダムに配置させて、その集合 で絵柄を作成することができるソフトであ 、より模倣が困難な絵柄を作成することが きる。

 続いて、有色インキを使用して、図2に示 すように、模倣抑制デザイン2に重ねて通常 ザイン3を印刷した。通常デザイン3を印刷し た後の段ボール断面の模式図を図3に示す。 常デザイン3(有色インキ)は、模倣抑制デザ ン2(透明インキ)上に印刷された領域と、段 ール1に直接印刷された領域と、が存在する なお、この有色インキを使用して印刷され 通常デザイン3が、本発明における有色層に 相当する。

 なお、これら模倣抑制デザイン2と通常デザ イン3の印刷は、上記フレキソフォルダーグ アーを1回通すことで実施した。
 このように印刷された模倣抑制デザイン2は 、段ボール1に正面から向かって見るとほぼ 視できないが、段ボールを斜め傾け光を当 ると形状が確認できた。また、通常デザイ 3は、模倣抑制デザイン2に印刷された領域と 、段ボール1に直接印刷された領域と、に一 してわかる差異は無く、いずれの領域にお ても良好に印刷できた。
(3)効果を確認する試験
 上記印刷方法にて印刷された段ボールの模 抑制デザインに対し、以下の方法により模 を試みた。
(3-1)スキャニング試験
(3-1-1)
 スキャナ(セイコーエプソン株式会社製 ES-6 000HS)を使用し、解像度9600dpiで、透明インキ 模倣抑制デザインを印刷した段ボールをス ャニングした。透明インキで印刷された模 抑制デザインをスキャニングした画像を図4 示す。

 なお参考として、図5に、有色インキにて印 刷した本試験の模倣抑制デザインの画像を示 す。
 図4に示すように、透明インキで印刷された 模倣抑制デザインは全くスキャニングできな かった。これは、スキャナが媒体に対して垂 直方向から光を当てて反射したデータを読み 込む機械であるため、垂直方向から画像を認 識できない限り、読み込むことは不可能であ るためであると考えられる。
(3-1-2)
 段ボールに透明インキで模倣抑制デザイン 印刷し、その上から有色インキで通常デザ ンを印刷したものを、上記スキャナにてス ャニングした。スキャニングした画像を図6 Aに示す。図6Aにおいて段ボール上に模倣抑制 デザインは写っておらず、スキャニングがで きなかったことがわかる。

 また、比較例として、透明インキを一般的 ニスに変更したものを、同様に上記スキャ にてスキャニングした。スキャニングした 像を図6Bに示す。図6Bには、図6Aに見られな 模倣抑制デザインによる「NOCOPY」の文字の 部が写し出されており、スキャニングが可 であった(模倣抑制の効果が小さい)ことが かる。
(3-2)デジタルカメラでの撮影実験
 デジタルカメラを使用して斜めアングルか 撮影を行った。図7A,7Bに、異なる段ボール 印刷した模倣抑制デザインを撮影した画像 示す。また図7Cに、参考として、有色インキ で印刷した模倣抑制デザインを撮影した画像 を示す。

 デジタルカメラのアングルによっては、部 的に画像の撮影が可能となるが、その画像 ら複製に用いる画像データを抽出すること できない。
(4)真贋判定の手順
 透明インキで模倣抑制デザインを作成し、 らに有色インキで通常デザインを印刷した ボールと、その段ボールをスキャニングし 作成された偽物の段ボールと、を判別する めの真贋判定は、以下1~3の手順だけで十分 機能できる。

 1.透明インキで印刷されたデザインがある 、ないか
 2.透明インキで印刷したデザインが概要で っているか
 3.デザイン以外の隠し文字の有無
(5)発明の効果
 上述した印刷物であれば、透明インキで印 された模倣抑制デザインをスキャナにより み取ることができないので、模倣抑制デザ ンの模倣を抑制することができる。それに り、当該模倣抑制デザインが形成された印 物の偽物が製造されることを抑制できる。

 また、上述した印刷物であれば、有色イ キによる通常デザインによって、透明イン による模倣抑制デザインを隠すことや模倣 制デザインの形状を不明瞭にすることがで るため、模倣抑制デザインの他者からの発 や模倣を抑制することができる。

 また、この印刷物の印刷は、通常1台の印刷 機にて印刷することができるため、通常の段 ボール製造コストで印刷物を製造することが でき、また従来の段ボール印刷の装置を変更 せずに使用できることから、生産性が低下す ることも抑制できる。
(6)変形例
 以上、本発明の実施例について説明したが 本発明は、上記実施例に何ら限定されるこ はなく、本発明の技術的範囲に属する限り 々の形態をとり得ることは言うまでもない

 例えば上記実施例では、透明インキ,水溶 性樹脂,樹脂エマルジョンを構成する溶媒と て水を用いる構成を例示したが、それ以外 溶媒を用いる構成であってもよい。例えば 水、グリセリン、グリコール、グリコール 導体などを印刷環境に応じて選択的に単独 しくは併用することができる。上記グリコ ル成分としては、エチレングリコール、プ ピレングリコール、ブチレングリコール、 エチレングリコールなどのジオール化合物 利用でき、その誘導体としては、前記グリ ールのメチル,エチル,プロピル,ブチル,ヘキ ル,オクチルなどのアルキルエーテル化合物 、酢酸エステル,酪酸エステルなどのエステ 化合物、及びエステルエーテル化合物が利 できる。

 なお、上述した透明インキ,水溶性樹脂, 脂エマルジョンを構成する溶媒は、水0~100重 量%、グリセリン0~80重量%、グリコールおよび グリコール誘導体の群から選択される1種以 の溶媒0~50重量%の含有比率とするとよい。

 また、上記実施例では、体質顔料として 酸カルシウムを用いる構成を例示したが、 常、フレキソ凸版用印刷インキで使用され 白色のものがそのまま使用できる。具体的 は、炭酸カルシウム以外に、カオリン、ク ー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、 ルク、酸化チタンなどを用いてもよい。な 、体質顔料はこれらのうち1種類のみを用い る構成であってもよいし、複数の混合物を用 いる構成であってもよい。

 また、上記実施例では、水溶性樹脂およ 樹脂エマルジョンを構成する樹脂として、 ジン変性マレイン酸樹脂を用いる構成を例 したが、ロジン変性マレイン酸樹脂、アク ル系樹脂、スチレン-アクリル系樹脂、スチ レン-マレイン酸系樹脂、スチレン-アクリル -マレイン酸系樹脂からなる群のうちから選 択される樹脂を用いることができる。なお、 水溶性樹脂および樹脂エマルジョンを構成す る樹脂は、同じ樹脂であってもよいし、異な る樹脂であってもよい。

 また、水溶性樹脂を構成する塩基性化合 としてトリエチルアミンを用いる構成を例 したが、それ以外の有機アミン化合物(モノ エタノールアミン,トリエタノールアミン等) あってもよいし、無機塩基性化合物(水酸化 ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモ ニウム等)であってもよい。なお、塩基性化 物として有機アミン化合物を用いると、上 実施例のようにアルキルアンモニウム塩が 成される。一方、無機塩基性化合物を用い と、樹脂のケン化物が生成される。いずれ 生成されても、上記実施例と同様に樹脂エ ルジョンに含まれる樹脂の共重合体と共に 明層を形成することができ、また透明層表 に良好に有色インキを印刷させることがで る。

 また、水溶性樹脂における樹脂、水、お び塩基性化合物の混合割合は、樹脂が15~25 量%、水が60~84重量%、塩基性化合物が1~15重量 %の範囲が良好である。

 また、樹脂エマルジョンにおける樹脂と水 の混合割合は、樹脂が40~50重量%、水が50~60 量%の範囲が良好である。
 また、透明インキにおける各構成要素の含 比率は、溶媒が0~30重量%、体質顔料が0~50重 %、水溶性樹脂が20~50重量%、樹脂エマルジョ ンが5~20重量%の範囲が良好である。体質顔料 必ずしも含まれる必要はないが、体質顔料 含有することで、透明インキの乾燥性を向 させることができる。また、この透明イン には、顔料分散剤、ワックス、消泡剤、転 性向上剤、レベリング剤などの各種添加剤 添加してもよい。

 また、透明インキには、紫外線吸収剤お び赤外線吸収剤のうちいずれか一方または 方が含まれていてもよい。紫外線吸収剤が まれている場合、紫外線を照射することに り紫外線吸収剤が発光して浮き出すため、 易に透明層の存在を確認することができる また赤外線吸収剤が含まれている場合、赤 線を照射すると赤外線吸収剤が赤外線を吸 するため、赤外線吸収測定装置を用いるこ により容易に透明層の存在を確認すること できる。

 そして、このように容易に透明層を確認す ことができるため、透明層を有する段ボー と、透明層を有さない偽物の段ボールとの 贋判定を容易に行うことができる。
 なお、上記紫外線吸収剤としては、例えば ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系 アクリレート系、サリチレート系等の紫外 吸収剤を用いることができる。具体的には2 -(2‘-ヒドロキシー5’-メチルフェニル)ベン トリアゾール(チヌビンP、チバガイギー社製 )、2-(2‘-ヒドロキシー3’-t-ブチルー5‘-メチ ルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール(チ ビン326、チバガイギー社製)、2-〔2-ヒドロ シ―3,5-ビス(α,α―ジメチルベンジル)〕フェ ニル〕―2H―ベンゾトリアゾール(チヌビン234 、チバガイギー社製)等を挙げることが出来 。

 また、赤外線吸収剤としては、シアニン 色素、フタロシアニン系色素、ナフトキノ 系色素、アントラキノン系色素、ジオール 色素、トリフェニルメタン系色素など赤外 吸収剤を用いることができる。具体的には 属ナフタロシアニン顔料が挙げられる。

 また、上記実施例では、フレキソフォルダ グルアー1回の処理で透明インキと有色イン キを印刷する構成を例示したが、別々に印刷 してもよい。
 また、上記実施例では、模倣抑制デザイン 一部が重なるように通常デザインが印刷さ る構成を例示したが、模倣抑制デザイン全 を覆うように通常デザインが印刷されてい もよいし、模倣抑制デザインと重ならない うに通常デザインが印刷されていてもよい また、模倣抑制デザインのみを段ボールに 刷する構成であってもよい。

 特に、模倣抑制デザイン全体を覆うよう 通常デザインが印刷されていることで、段 ール表面の模倣抑制デザインを通常デザイ によって隠すことができるため、模倣抑制 ザインの発見をさらに困難にすることがで る。




 
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