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Patent Searching and Data


Title:
PROCESS AND APPARATUS FOR PRODUCING POROUS FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/038059
Kind Code:
A1
Abstract:
First and second solutions which comprise an organic solvent and a polymer and differ in viscosity are cast on a casting belt to form a cast film having a two-layer structure composed of a first layer (25) and a second layer (26). When the viscosity of the first solution, which forms the first layer (25), i.e., that layer in the cast film which is exposed to the air, is expressed by η1 and the viscosity of the second solution, which forms the second layer (26) underlying the first layer, is expressed by η2, then η1 is lower than η2 and η1 is in the range of 1x10-4 to 1 Pa•s. Thus, a porous film (17) having a large thickness (L) can be obtained irrespective of the pore diameter (D) of pores (35).

Inventors:
ITO, Koju (210 Nakanuma, Minami-ashigara-sh, Kanagawa 93, 2500193, JP)
伊藤 晃寿 (〒93 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士フイルム株式会社内 Kanagawa, 2500193, JP)
Application Number:
JP2008/066698
Publication Date:
March 26, 2009
Filing Date:
September 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FUJIFILM Corporation (26-30, Nishiazabu 2-chome Minato-k, Tokyo 20, 1068620, JP)
富士フイルム株式会社 (〒20 東京都港区西麻布2丁目26番30号 Tokyo, 1068620, JP)
ITO, Koju (210 Nakanuma, Minami-ashigara-sh, Kanagawa 93, 2500193, JP)
International Classes:
B29C41/32; B29C41/28; B32B3/26; C08J9/28; B29K105/04; B29L9/00
Attorney, Agent or Firm:
KOBAYASHI, Kazunori et al. (Taiyo-seimei-otsuka Bldg. 3F, 25-1 Kita-otsuka 2-chome, Toshima-k, Tokyo 04, 1070004, JP)
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Claims:
 有機溶媒とポリマとを含み粘度が互いに異なる2種類の溶液を、支持体上に重なるようにキャストして、2層を有するキャスト膜を形成するキャスト工程と、
 前記キャスト膜のうち外気に露出する第1層に結露させて水滴を形成する水滴形成工程と、
 前記水滴を成長させ、かつ前記有機溶媒を前記第1層から蒸発させる水滴成長工程と、
 前記水滴成長工程の後に、前記水滴を前記第1層から蒸発させる水滴蒸発工程とを有し、
 前記溶液のうち、前記第1層を形成する第1溶液の粘度をη1とし、前記第1層が重なる第2層を形成する第2溶液の粘度をη2とするとき、η1がη2より小さく、前記粘度η1が1×10 -4 Pa・s以上1Pa・s以下の範囲である多孔フィルムの製造方法。
 前記第1溶液の表面張力をγ1とし、前記第2溶液が前記第1溶液に接するときの前記第2溶液の表面張力をγ2とするとき、γ1がγ2より小さい請求の範囲第1項記載の多孔フィルムの製造方法。
 前記第1溶液は、両親媒性化合物と疎水性の前記ポリマとを含む請求の範囲第1項記載の多孔フィルムの製造方法。
 前記水滴形成工程では、加湿手段により前記第1層上で加湿空気を流す請求の範囲第1項記載の多孔フィルムの製造方法。
 前記多孔フィルムの厚みをLとし、前記水滴蒸発工程で前記第1層に形成される孔の径をDとするときに、
 L/Dが2以上となるように、前記第2溶液における前記ポリマの濃度を決定する請求の範囲第1項記載の多孔フィルム製造方法。
 前記キャスト工程は、
 前記第2溶液を前記支持体にキャストする第2溶液キャスト工程と、
 前記第2溶液キャスト工程で形成された前記第2層の上に、前記第1溶液をキャストする第1溶液キャスト工程と、
 前記第1溶液キャスト工程の前の前記第2層上で、乾燥空気を流す送風工程と、
を有する請求の範囲第1項記載の多孔フィルムの製造方法。
 走行する支持体と、
 ポリマ及び有機溶媒が含まれる第1溶液を流出口から出す第1流延ダイと、
 前記支持体の走行の向きにおける前記第1流延ダイの上流側に配され、前記第1溶液の粘度η1よりも大きい粘度η2を有する第2溶液を流出口から出す第2流延ダイと、
 前記第1流延ダイと前記第2流延ダイとの間の前記支持体の上方で乾燥空気を流す送風手段と、
 前記支持体に出された前記第1溶液の上に結露させる結露手段と、
 前記有機溶媒を蒸発させる第1乾燥手段と、
 前記結露による水滴を蒸発させる第2乾燥手段と、
を備える多孔フィルム製造装置。
 複数の孔が形成された多孔層と、
 前記多孔層の一面に配される、ポリマからなるポリマ層とを備え、
 厚みLと前記孔の径Dとの比L/Dが2以上である多孔フィルム。
Description:
多孔フィルムの製造方法及び装

 本発明は、微細な孔を有する多孔フィル の製造方法及び装置に関するものである。

 今日、光学分野や電子分野では、集積度 向上や高密度化、画像の高精細化といった 求がますます大きくなっている。そのため これらの分野に用いられるフィルムに対し は、より微細な構造を形成することが強く められている。また、再生医療分野の研究 おいては、表面に微細な構造を有するフィ ムが、細胞培養するための材料として有効 ある(例えば、特許文献1参照)。

 表面に微細な構造を有するフィルムを製 するためには、所定のポリマの溶液をキャ トし、キャストされた溶液に高湿度空気を き付けることで、ミクロン(μm)スケールの ニカム構造をもつフィルムが得られること 知られている(例えば、特許文献2参照)。こ ような方法で製造されるフィルムは、その 細な構造の形成挙動から自己組織化膜と言 れている。自己組織化膜の製造方法として 、他に特許文献3に提案される方法もある。 た、特許文献4には、均一な孔を多数もつフ ィルムを血液ろ過膜として利用する方法が提 案されている。

 また、偏光板にも微細な構造が形成されて るフィルムが用いられている。このような ィルムとしては、例えば、モスアイ構造を する反射防止機能を発現するフィルムがあ 。このフィルムは、サブミクロン~数十ミク ロンサイズの微細な複数の孔が形成されてい る。その形成方法の中でも主流であるのは、 光リソグラフィを中心としたマイクロ加工技 術を用いた版を作成し、その版の構造をフィ ルムに転写する方法である。

特開2001-157574号公報

特開2002-335949号公報

特開2002-347107号公報

特開2003-149096号公報

 ところで、取り扱い易さ等を向上させる めに、厚みがより大きなフィルムが求めら ている。しかし、特許文献2~4に提案される 法によると、μmスケールのハニカム構造を つフィルムを製造する際には、キャストす き溶液の濃度を低くするようにつくる必要 ある。孔を小さく形成する場合ほど、溶液 より薄くキャストしなければならないから ある。すなわち、溶液は、濃度が低いほど の粘度が小さく、そして、一般に、粘度が ければ低い溶液ほど、製造されるフィルム 、支持体上で拡がりやすいのである。した って、孔を小さく形成する場合ほど、結果 には厚みの大きなフィルムをつくることが きないということになる。

 厚みがより大きなフィルムを得る方法と ては溶液の単位面積当たりのキャスト量を やすという方法がある。しかし、このよう してキャスト膜の厚みを増やす方法では、 媒の乾燥に必要な時間が増えるために、生 性が著しく低下するという問題が生じる。 た、フィルムの孔径は水滴の成長時間すな ち溶媒の蒸発に要する時間に依存して大き なる傾向があるため、キャスト膜の乾燥時 が長くなる場合ほど孔径の小さいフィルム 得ることは困難である。このように、トー ル厚みと孔径を独立に制御するのは困難で った。また、粘度の低い溶液は、粘度が高 溶液よりも支持体上で広がりやすいために 増やす塗布量にも限界がある。また、ポリ 濃度を高めるという方法もあるが、ポリマ 度を高めると粘度が上昇し、キャストされ 溶液に対する水滴の入り込みが遅くなると に、水滴の配列性が悪化つまり並びが不均 になっていくという問題があった。水滴の 列性が悪いと、孔は不均一な並びで形成さ てしまう。以上のように、厚みを厚くする とと、生産性と、孔の配列性とを満足する とは困難であった。

 また、上記で提案される方法によると、 滴により形成すべき孔の径、すなわち孔径 、キャストされた溶液の厚さに依存する。 まり、孔径を小さくするほど得られるフィ ムの厚さは小さくなってしまう。一方、厚 が大きなフィルムを作るために、溶液の粘 を高める目的で、ポリマ濃度を高めると、 ャストされた溶液に対する水滴の入り込み 遅くなる、また、入り込みの深さが浅くな 、等の現象が起きてしまう。このため、所 の孔径の孔を、所望の密度で形成すること できなくなるという問題がある。このよう 、孔径とフィルムとの厚さとは、独立して 定することができなかった。

 そこで、本発明の目的は、生産性良く、 径とフィルムの厚さとを独立して制御する とができる多孔フィルムを製造することが きる多孔フィルムの製造方法及び装置を提 することにある。

 本発明の多孔フィルムの製造方法は、有機 媒とポリマとを含み粘度が互いに異なる2種 類の溶液を、支持体上に重なるようにキャス トして、2層を有するキャスト膜を形成する ャスト工程と、キャスト膜のうち外気に露 する第1層に結露させて水滴を形成する水滴 成工程と、水滴を成長させ、かつ有機溶媒 第1層から蒸発させる水滴成長工程と、水滴 成長工程の後に、水滴を第1層から蒸発させ 水滴蒸発工程とを有し、前記溶液のうち、 1層を形成する第1溶液の粘度をη1とし、第1 が重なる第2層を形成する第2溶液の粘度をη2 とするとき、η1がη2より小さく、前記粘度η1 が1×10 -4 Pa・s以上1Pa・s以下の範囲であることを特徴 して構成されている。

 第1溶液の表面張力をγ1とし、第2溶液が 記第1溶液に接するときの第2溶液の表面張力 をγ2とするとき、γ1がγ2より小さいことが好 ましい。

 第1溶液は、両親媒性化合物と疎水性の前 記ポリマとを含むことが好ましく、水滴形成 工程では、加湿手段により第1層上で加湿空 を流すことが好ましい。

 多孔フィルムの厚みをLとし、水滴蒸発工 程で第1層に形成される孔の径をDとするとき 、L/Dが2以上となるように、前記第2溶液に ける前記ポリマの濃度を決定することが好 しい。

 前記キャスト工程は、第2溶液を前記支持 体にキャストする第2溶液キャスト工程と、 2溶液キャスト工程で形成された第2層の上に 、第1溶液をキャストする第1溶液キャスト工 と、第1溶液キャスト工程の前の前記第2層 で、乾燥空気を流す送風工程と、を有する とが好ましい。

 本発明の多孔フィルム製造装置は、走行 る支持体と、ポリマ及び有機溶媒が含まれ 第1溶液を流出口から出す第1流延ダイと、 持体の走行の向きにおける第1流延ダイの上 側に配され、第1溶液の粘度η1よりも大きい 粘度η2を有する第2溶液を流出口から出す第2 延ダイと、第1流延ダイと第2流延ダイとの の支持体の上方で乾燥空気を流す送風手段 、支持体に出された第1溶液の上に結露させ 結露手段と、有機溶媒を蒸発させる第1乾燥 手段と、結露による水滴を蒸発させる第2乾 手段とを備えることを特徴として構成され いる。

 本発明により製造される多孔フィルムは 複数の孔が形成された多孔層と、この多孔 の一面に配される、ポリマからなるポリマ とを備え、厚みLと前記孔の径Dとの比L/Dが2 上であることを特徴として構成されている

 本発明のフィルムの製造方法及び装置に れば、孔径とフィルムの厚さとを独立して 御することができる。従って、孔径が小さ にも関わらずフィルムの厚みが従来よりも きいので取り扱いが簡便な多孔フィルムを 産性良く製造することができる。

本発明に係る多孔フィルムの製造工程 示す工程図である。 本発明の第1実施形態の流延ダイと流延 ベルトとの概略図である。 本発明の第1実施形態のフィルム製造設 備の概略図である。 本発明の多孔フィルムができる過程を デル的に図示した説明図である。 (A)は本発明に係る多孔フィルムの平面 、(B)は(A)のb-b線に沿う断面図、(C)は(A)のc-c に沿う断面図であり、(D)は別の実施形態で る多孔フィルムの断面図であり、(E)はさら 別の実施形態である多孔フィルムの断面図 ある。 本発明の第2実施形態のスライド型流延 ダイによる同時共流延法による多孔フィルム 製造装置の流延ダイと流延ベルトの断面図で ある。 本発明の第3実施形態の2つの流延ダイ よる逐次共流延法によるフィルム製造装置 流延ダイと流延ベルトの概略図である。 本発明の第4実施形態のフィルム製造装 置の概略図である。

符号の説明

 10  フィルム製造工程
 12  キャスト工程
 13  水滴形成工程
 14  水滴成長工程
 15  水滴蒸発工程
 17,36,37  多孔フィルム
 20  フィルム製造設備
 21  流延ベルト
 22  第1溶液
 23  第2溶液
 24  キャスト膜
 25  第1層
 26  第2層
 27  流延ダイ
 32  溶媒
 33  水蒸気
 35  孔

 図1は、本発明に係る多孔フィルムの製造 工程を示すフロー図である。フィルム製造工 程10は、キャスト工程12と、水滴形成工程13と 、水滴成長工程14と、水滴蒸発工程15とを有 る。キャスト工程12では、後述の溶液を支持 体にキャスト(流延)し、キャスト膜を形成す 。キャストは、静置した支持体上に溶液を せて塗り広げる方法と、走行する支持体上 溶液を流延ダイから流出する方法とがあり 本発明ではいずれの方法も用いることがで る。前者は少ない生産量で多品種つくる場 、すなわち少量多品種生産の場合に一般に 適し、後者は大量生産に一般には適する。 お、後者の方法では、連続的に溶液を流出 ると長尺の多孔フィルムをつくることがで るし、断続的に溶液を流出、つまり所定の 間で流延ダイからの流出のオン・オフを繰 返すと、所定長さの多孔フィルムを複数枚 続して製造することができる。

 キャスト工程12の後の水滴形成工程13では 、肉眼で認めることができないような極めて 小さい水滴をキャスト膜に形成する。次に、 水滴成長工程14では、水滴をゆっくり成長さ る。この水滴成長工程14では、水滴形成工 13で発生した極めて小さな水滴を複数合体さ せて水滴を大きくする。この水滴成長の間と 後との少なくともいずれか一方では、キャス ト膜24に含まれている溶媒を蒸発させる。こ により、水滴はキャスト膜24の中に入り込 。そして、水滴が所望の状態となったとこ で、水滴蒸発工程15でキャスト膜中の水滴を 水蒸気として蒸発させる。

 2層構造の多孔フィルム17を製造する第1実 施形態について、以下に説明する。2層とは 複数の孔が形成された多孔層と、この多孔 の一面に配され、ポリマからなるポリマ層 である。このポリマ層は多孔層を支持する

 図2は、第1実施形態の流延ダイと流延ベル との概略図である。流延ダイ27には、多孔層 を形成するための第1溶液22とポリマ層を形成 するための第2溶液23とが共に流出する流出口 28が設けられている。流出口28は、流延ベル 21の幅方向に延 びたス リットであり、この流出口28が流延ベルト21 対向するように流延ダイ27は配される。それ ぞれ独立した送液ラインから導かれてきた第 1溶液22と第2溶液23とは、流延ダイ27の内部で なるように合流させてもよいし、流延ダイ2 7に図示しない周知のフィードブロックを設 て、このフィードブロック内で重なるよう 合流させて流延ダイ27に案内してもよい。第 1,第2溶液22,23は、走行する流延ベルト21の上 重なった状態で流出されることにより、多 層となる第1層25とポリマ層となる第2層26と 重なる2層構造のキャスト膜24となる。この き、孔が形成される第1層25が外気に露出す ように、第1溶液22と第2溶液23とを重ねてキ ストする。

 第1溶液22の粘度η1は、第2溶液23の粘度η2 りも低い。これにより、(1)第1層25と第2層26 が混じりあうことが抑制される、(2)水滴形 工程(図1参照)で第1層25の上に生じた水滴が 水滴成長工程(図1参照)で第2層26の中に入っ しまうことを防止することができるという 果がある。

 第1溶液22と第2溶液23との各流量を変更す ことにより、第1層25と第2層26との厚みをそ ぞれ独立して調整することができる。また 第1溶液22と第2溶液23との流量の比を変更す ことにより、第1層25と第2層26との厚みの比 を調整することができる。

 第1層25の厚さは、キャストする第1溶液22 固形分濃度および形成すべき孔の径と、孔 深さとにより、単位体積における第1層25の 積に対する孔の容積の割合を考慮して決定 る。第2層26の厚さは、キャストする第2溶液 23の固形分濃度および製造すべき多孔フィル の厚さと形成すべき多孔層の厚さとから決 される。

 そして、第1溶液22の粘度は、塗布する液 固形分濃度および、第1層25の厚みと、孔径 に応じて決定する。第2溶液23の粘度は、塗 する液の固形分濃度および第1溶液22の粘度 応じて決定する。第1溶液22の表面張力が第2 溶液23の表面張力より小さくなるように、第1 ,2溶液22,23の表面張力を決定する。第1,2溶液22 ,23の表面張力は、加える界面活性剤等の濃度 、種類を調整することにより調整することが できる。加える界面活性剤の種類は、1種類 限らず、2種類以上加えてもよい。なお、ポ マ層をより厚くしたい場合には、第2溶液23 流れを複数重ねて、第2層26と第1層25との間 、第2層26と流延ベルト21との間に、更に第2 液23から形成される層を設けるとよい。ま 、第2層26と流延ベルト21との間に、第2溶液23 とは異なる第3の溶液から形成される層を設 ることもできる。以上の方法によると、ポ マ層の厚さと多孔層との厚さとを独立して 定された多孔フィルムを作ることができる 従って、孔径と多孔フィルムの厚さとは互 に制約されることがなくなる。

 第1溶液22の粘度η1と第2溶液23の粘度η2との は、上記(1)及び(2)の観点からは、大きい方 好ましい。具体的には、η2-η1は1×10 -2 Pa・s以上すなわち最小でも1×10 -2 Pa・sであることが好ましく、更に好ましくは 1×10 -1 Pa・s以上すなわち最小でも1×10 -1 Pa・sである。

 第1溶液22の粘度η1は、1×10 -4 Pa・s以上1×10以下の範囲であることが好まし 、η1は1×10 -4 Pa・s以上1Pa・s以下の範囲であることが好ま く、更に好ましくは、1×10 -3 Pa・s以上1×10 -1 Pa・s以下の範囲である。η1が1×10 -4 Pa・sよりも小さいと、第1層25の厚みを大きく することができず第2層26の上で濡れ広がって しまうことがあり、粘度η1が1×10よりも高す ると、第1層25に対する水滴の入り込みが遅 なると共に、水滴の一旦形成された配列が れてしまうという配列性の悪化が生じる。 して、粘度η1を1Pa・sよりも大きくはしない 、すなわち、最大でも1Pa・sに抑えると、水 の入り込み易さと、水滴の配列の規則性の 持という効果はより確実に得られる。

 粘度を測定する方法としては、例えば、J IS Z 8803「液体の粘度―測定方法」に規定さ る回転粘度計、落球粘度計や振動粘度計と う方法がある。上記の粘度の値は、振動粘 計により得た値であり、具体的には、エー ンドディー製音叉型振動式粘度計SV-10によ 測定したものである。しかし、本発明では 粘度の測定方法は特に限定されない。上記 振動粘度計と異なる他の測定方法、例えば 上記のJIS Z 8803に規定された方法による回 粘度計により粘度を測定する場合には、そ 方法による測定値と上記振動粘度計測定法 よる測定値との相関関係を予め求めておき 上記振動粘度計法による値の上記範囲に入 ように第1,第2溶液22,23を作るとよい。従って 、本実施形態とは異なる他の方法で測定した 値であっても、その値に対応する本実施形態 の方法での値が上記範囲に入っていれば、本 発明の範囲に含まれる。

 第1溶液22及び第2溶液23の各粘度η1,η2の調 整方法としては、以下の方法がある。1つ目 方法は、第1,第2溶液22,23における固形成分と 液体成分である溶媒との比率(以下、固形成 比率と称する)を変える方法である。ただし 固形成分比率は、製造すべき多孔フィルム 多孔層、ポリマ層の各厚さにより、上限値 び下限値が制限されることがある。ここで 固形成分とは、常温で固体であり、多孔フ ルムの成分となるものを意味する。

 第1溶液22及び第2溶液23の各粘度η1,η2の調 整方法としての2つ目の方法は、キャストす ときの第1溶液22及び第2溶液23の温度を変え 方法である。すなわち、溶液は、温度によ 粘度が変化するので、この性質を利用する とができる。しかし、キャスト膜24を形成し た後は、結露の条件や溶媒を蒸発させる条件 、水滴を成長させる条件、水滴を蒸発させる 条件等の諸条件を優先させなければならない ことがある。そこで、この2つめの方法は、 ャスト膜24に孔を短時間で形成する場合には 効果があるといえる。

 第1層25が第2層26に重なるためには、第1溶 液22と第2溶液23の各々がはじくことなく2液が 重なる必要がある。そのため、いわゆる濡れ 性を考慮して、第1溶液22の表面張力をγ1とし 、第1溶液22に接触するときの第2溶液23の表面 張力をγ2とするとき、γ1がγ2より小さくなる ようにする。具体的には、γ1とγ2の差は2mN/m 上であることが好ましく、更に好ましくは γ1とγ2の差は、2より大きく50より小さいこ が好ましい。

 表面張力を測定する方法としては、例え 、プレート法という方法がある。他には、 ンダント・ドロップ法という方法がある。 記の表面張力の値は、このプレート法によ 得た値である。具体的には、協和界面科学 の全自動表面張力計CBVP-Zにより表面張力を 定した。しかし、本発明では、表面張力の 定方法は特に限定されない。上記のプレー 法と異なる他の測定方法、例えば、上記の ンダント・ドロップ法により表面張力を測 する場合には、その方法による測定値と上 プレート法による測定値との相関関係を予 求めておき、上記プレート法による値の上 範囲に入るように第1,2溶液22,23を作るとよ 。従って、本実施形態とは異なる他の方法 測定した値であっても、その値に対応する 実施形態の方法での値が上記範囲に入って れば、本発明の範囲に含まれる。

 第1溶液22及び第2溶液23の各γ1,γ2の調整方 法としては、以下の方法がある。1つ目の方 は、第1,第2溶液22,23における各固形成分比率 を変える方法である。

 第1溶液22及び第2溶液23の各粘度γ1,γ2の調 整方法としての2つ目の方法は、キャストす ときの第1溶液22及び第2溶液23の各温度を変 る方法である。溶液は、温度により粘度の ならず表面張力も変化するので、この性質 利用することができる。しかし、キャスト 24を形成した後は、結露の条件や溶媒を蒸発 させる条件、水滴を成長させる条件、水滴を 蒸発させる条件等の諸条件とを優先させなけ ればならないことがある。そこで、この2つ の方法は、キャスト膜に孔を短時間で形成 る場合には効果があるといえる。

 第1溶液22及び第2溶液23の各粘度γ1,γ2の調 整方法としての3つ目の方法は、第1溶液22及 第2溶液23に加える界面活性剤等の添加剤の 度、種類を変える方法である。第1溶液22に 低限添加する界面活性剤については、1種類 もよいし、2種類以上を加えてもよい。

 ここで、界面活性剤としては、前記塗布 の表面張力を低下させることができれば特 制限はないが、例えば、フルオロ脂肪族基 有モノマーの重合単位を含むフッ素原子含 ポリマであることが好ましい。界面活性剤 フッ素原子を含むことは、例えば、原子吸 分析法やICP発光分光分析法などの元素分析 用いることにより確認することができる。

 前記フルオロ脂肪族基含有モノマーとし は、特に制限はないが、例えば、下記一般 (1)で表されるモノマーが好ましい。

 前記一般式(1)中、R 1 は水素原子、ハロゲン原子、又はメチル基を 表し、水素原子又はメチル基が好ましい。L 1 は2価の連結基を表す。mは1以上12以下の整数 表し、2~10が好ましく、4~8がより好ましく、 4又は6が最も好ましい。X 1 はフッ素原子又は水素原子を表す。

 前記L 1 の2価の連結基としては、特に制限はないが 下記一般式(2)で表される構造であることが り好ましい。
 (a1)-X 10 -R 20 -(b1)   ・・・一般式(2)
 前記一般式(2)中、(a1)は二重結合側に結合す る位置、(b1)はフルオロ脂肪族基側に結合す 位置を各々示す。X 10 は単結合、又は(a2)-COO-(b2)、(a2)-COS-(b2)、(a2)-OC O-(b2)、(a2)-CON(R 21 )-(b2)、(a2)-O-(b2)のいずれかで示される2価の連 結基を表す。ここで、前記(a2)は二重結合側 結合する位置、前記(b2)はR 20 に結合する位置を各々示す。これらの中でも (a2)-COO-(b2)、(a2)-COS-(b2)、又は(a2)-CON(R 21 )-(b2)が好ましく、(a2)-COO-(b2)、または(a2)-CON(R 21 )-(b2)がより好ましく、(a2)-COO-(b2)が特に好ま い。

 R 20 は、置換基を有していてもよいポリメチレン 基(例えば、メチレン基、エチレン基、トリ チレン基、プロピレン基等)、置換基を有し いてもよいフェニレン基(例えば、o-フェニ ン基、m-フェニレン基、p-フェニレン基等) 及びそれらの任意の組み合わせにより形成 きる基を表す。これらの中でも、ポリメチ ン基がより好ましく、該ポリメチレン基の でもメチレン基、エチレン基、トリメチレ 基、テトラメチレン基が好ましく、メチレ 基及びエチレン基がより好ましい。

 R 21 は、水素原子又は炭素数1~8の置換基を有して もよいアルキル基、あるいは炭素数6~20の置 基を有してもよいアリール基を表し、水素 子又は炭素数1~6のアルキル基がより好まし 、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基が特 好ましい。

 前記一般式(1)で表されるモノマーの具体例 しては、以下に示す化合物が挙げられるが これらに限定されるものではない。化2にお いてF-1~F-8は、それぞれ化2のR 1 とmとの組み合わせ、化3においてF-9~F-18は、 れぞれ化3のR 1 とR 3 とpとmとの組み合わせ、化4においてF-19~F-27は 、それぞれ化4のR 1 とpとmとの組み合わせ、化6においてF-33~F-44は 、それぞれ化6のR 2 とnとの組み合わせ、化7においてF-45~F-50は、 れぞれ化7のR 2 とR 3 とqとnとの組み合わせ、化8においてF-51~F-56は 、それぞれ化8のR 2 とqとnとの組み合わせである。

 前記一般式(1)で表されるモノマーが有し いてもよい置換基としては、例えば、水酸 、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カ ボキシル基、スルホ基、炭素原子数1~8の鎖 又は環状のアルキル基、炭素原子数1~8のア ケニル基、炭素原子数2~8のアルキニル基、 素原子数7~12のアラルキル基、炭素原子数6~1 0のアリール基、炭素原子数1~10のアシル基、 素原子数2~10のアルコキシカルボニル基、炭 素原子数7~12のアリーロキシカルボニル基、 素原子数1~10のカルバモイル基、炭素原子数1 ~8のアルコキシ基、炭素原子数6~12のアリーロ キシ基、炭素原子数2~12のアシルオキシ基、 素原子数1~12のスルホニルオキシ基、炭素原 数0~10のアミノ基、炭素原子数1~10のアシル ミノ基、炭素原子数1~8のスルホニルアミノ 、炭素原子数1~10のウレイド基、炭素原子数2 ~10のウレタン基、炭素原子数1~12のアルキル オ基、炭素原子数6~12のアリールチオ基、炭 原子数1~8のアルキルスルホニル基、炭素原 数7~12のアリールスルホニル基、炭素原子数 0~8のスルファモイル基、複素環基などが挙げ られる。

 本発明に用いるフッ素原子含有ポリマは 前記一般式(1)で表されるフルオロ脂肪族基 有モノマー以外に、共重合可能な他のモノ ーを一種以上重合単位として含む共重合体 あってもよい。このような共重合可能な他 モノマーとしては、PolymerHandbook 2nd ed.,J.Bra ndrup,Wiley lnterscience(1975)Chapter 2Page 1~483記載 ものを用いることができる。例えば、アク ル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル 、メタクリル酸エステル類、アクリルアミ 類、メタクリルアミド類、アリル化合物、 ニルエーテル類、ビニルエステル類等から ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化 物などを挙げることができる。

 前記共重合可能な他のモノマーとしては 例えば、アクリル酸エステル類、メタクリ 酸エステル類、アリル化合物、ビニルエー ル類、ビニルエステル類、イタコン酸ジア キル類、フマル酸のジアルキルエステル類 はモノアルキルエステル類などが挙げられ 。前記アクリル酸エステル類としては、例 ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル アクリル酸プロピル、クロルエチルアクリ ート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、 リメチロールプロパンモノアクリレート、 ンジルアクリレート、メトキシベンジルア リレート、フルフリルアクリレート、テト ヒドロフルフリルアクリレート、ポリ(オキ アルキレン)アクリレートなどが挙げられる 。

 前記メタクリル酸エステル類としては、 えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸 ロピル、クロルエチルメタクリレート、2- ドロキシエチルメタクリレート、トリメチ ールプロパンモノメタクリレート、ベンジ メタクリレート、メトキシベンジルメタク レート、フルフリルメタクリレート、テト ヒドロフルフリルメタクリレート、ポリ(オ シアルキレン)メタクリレートなどが挙げら れる。前記アリル化合物としては、例えば、 アリルエステル類、アリルオキシエタノール などが挙げられる。前記アリルエステル類と しては、例えば、酢酸アリル、カプロン酸ア リル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル 、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル 、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸 アリルなどが挙げられる。

 前記ビニルエーテル類としては、例えば、 ルキルビニルエーテルなどが挙げられる。
 前記アルキルビニルエーテルとしては、例 ば、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビ ルエーテル、デシルビニルエーテル、エチ ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチル ニルエーテル、エトキシエチルビニルエー ル、クロルエチルビニルエーテル、1-メチ -2,2-ジメチルプロピルビニルエーテル、2-エ ルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチ ビニルエーテル、ジエチレングリコールビ ルエーテル、ジメチルアミノエチルビニル ーテル、ジエチルアミノエチルビニルエー ル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、 ンジルビニルエーテル、テトラヒドロフル リルビニルエーテルなどが挙げられる。前 ビニルエステル類としては、例えば、ビニ ブチレート、ビニルイソブチレート、ビニ トリメチルアセテート、ビニルジエチルア テート、ビニルバレート、ビニルカプロエ ト、ビニルクロルアセテート、ビニルジク ルアセテート、ビニルメトキシアセテート ビニルブトキシアセテート、ビニルラクテ ト、ビニル-β-フェニルブチレート、ビニル シクロヘキシルカルボキシレートなどが挙げ られる。

 前記イタコン酸ジアルキル類としては、 えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジ チル、イタコン酸ブチルなどが挙げられる 前記フマル酸のジアルキルエステル類又は ノアルキルエステル類としては、例えば、 ブチルフマレートなどが挙げられる。その 、前記共重合可能な他のモノマーとしては 例えば、アクリロニトリル、メタクリロニ リル、マレイロニトリル、スチレンなども げられる。

 本発明に用いられるフッ素原子含有ポリ には、一つのポリマ中に2種類以上のフルオ ロ脂肪族基含有モノマーが含まれていてもよ く、一般式(1)で表されるモノマーが2種以上 時に含まれていてもよい。また、一般式(1) 表されるモノマーと共重合可能なモノマー 1種以上共重合成分として含んでもよい。

 本発明に用いられるフッ素原子含有ポリ 中、フルオロ脂肪族基含有モノマーの重合 位の含有量は、該フッ素原子含有ポリマを 成する全重合単位に対して、25~99質量%であ ことが最も好ましい。

 前記含有量は、前記一般式(1)におけるXが フッ素原子の場合には25~60質量%であることが より好ましく、30~50質量%であることが更に好 ましく、35~45質量%であることが特に好ましい 。また、前記Xが水素原子の場合には、50~99質 量%であることがより好ましく、60~97質量%で ることが更に好ましく、70~95質量%であるこ が最も好ましい。

 本発明に用いられるフッ素原子含有ポリ の質量平均分子量は、2,000~100,000が好ましく 、3,000~80,000がより好ましく、4,000~60,000が特に 好ましい。ここで、質量平均分子量及び分子 量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL (何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使 したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折 検出によるポリスチレン換算で表した分子 である。

 前記フッ素原子含有ポリマは、公知の方 で製造することができる。例えば、前述の ルオロ脂肪族基を有するモノマー、アミド を有する単量体等に、有機溶媒中で、汎用 ラジカル重合開始剤を添加し、重合させる とにより製造できる。また、必要に応じて その他の付加重合性不飽和化合物を添加し 、上記と同様の方法にて製造することがで る。更に、各モノマーの重合性に応じ、反 容器にモノマーと開始剤を滴下しながら重 する滴下重合法なども、均一な組成のポリ を得るために有効である。また、用いるモ マーの種類によってはアニオン重合、カチ ン重合、乳化重合などの方法を用いてもよ 。

 以下、前記含フッ素原子含有ポリマの具体 な構造の例を示すが、本発明は以下の具体 によってなんら制限されるものではない。 お式中の数字は各モノマー成分の質量比率 示す。Mwは質量平均分子量を表す。化11にお いてP-1~P-16は、それぞれ化11のxとR 1 とnとR 2 とR 3 とMwとの組み合わせ、化13においてP-22~P-27は それぞれ化13のRとnとMwとの組み合わせ、化14 においてP-28~P-30は、それぞれ化14のxとR 1 とpとqとR 2 とrとsとMwとの組み合わせ、化15においてP-31~P -35は、それぞれ化15のaとR 1 とpとmとR 2 とqとnとMwとの組み合わせ、化16においてP-36~P -49は、それぞれ化16のxとR 1 とnとR 2 とR 3 とMwとの組み合わせを意味する。

 本発明では、前記フッ素原子含有ポリマ 1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用 てもよい。

 前記界面活性剤の添加量は、微細突起構 形成材料の総量に対して0.01質量%~10質量%で ることが好ましく、0.05質量%~5質量%である とがより好ましく、0.1質量%~3質量%であるこ が更に好ましく、0.1質量%以上1質量%未満で ることが最も好ましい。

 図3は、第1実施形態のフィルム製造設備 概略図である。2層構造のキャスト膜24の原 となる第1溶液22,第2溶液23は、フィルム製造 備20に送られる前に、予めろ過されること 好ましい。これにより多孔フィルム17への異 物混入を防止することができる。ろ過は複数 回実施することが好ましい。例えば、ろ過を 2回実施するときには、上流側のろ過装置(図 なし)には、多孔フィルム17の孔の径よりも きな絶対ろ過精度(絶対ろ過孔径)をもつフ ルタが備えられ、下流側のろ過装置(図示な )には、多孔フィルム17の空隙よりも小さな 対ろ過精度をもつフィルタが備えられるこ が好ましい。

 キャスト工程、水滴形成工程、水滴成長 程と水滴蒸発工程は、いずれも流延室43で 施される。流延室43で気体となった溶媒は、 回収装置(図示せず)で回収された後に、流延 43の外に備えられる再生装置(図示せず)で再 生されて再利用に供される。本実施形態では 、キャスト工程と水滴形成工程とを行うため の第1エリア46と、水滴成長工程を行うための 第2エリア47と、水滴蒸発工程を行うための第 3エリア48とが区画された一体型の流延室43を いているが、それぞれのエリアを独立させ もよい。ただし、第1エリア46と第2エリア47 は互いにできるだけ近くに設けられること 好ましい。以上のような第1~第3エリア46~48 経ることにより、キャスト膜24は自己組織化 して所定の様態の空隙すなわち孔を有する多 孔フィルム17となる。

 支持体として用いる流延ベルト21はロー 29,30に掛け渡され、流延ダイ27は流延ベルト2 1の上方に備えられる。ローラ29,30のうち、少 なくとも一方は図示しない駆動装置により回 転し、これにより流延ベルト21は連続走行す 。ローラ29,30は、温調機54により温度を調整 され、これにより、ローラ29,30に接触する流 ベルト21が温度制御される。

 第1エリア46では、第1溶液22と第2溶液23と 重ねられた溶液が流延ダイ27から流出され と、流延ベルト21の上には、2層構造のキャ ト膜24が形成される。キャスト膜24の走行路 上方には送風吸引ユニット61が設けられて る。送風吸引ユニット61は、加湿空気を第1 の近傍で流し出す送風口61aと、第1層の周辺 気体を吸排気する吸気口61bとを有するとと に、送風系における風の温度、露点、湿度 風速、吸気系における吸引力を独立して制 する送風コントローラ(図示せず)を備える 送風口61aには、塵埃度、つまり加湿空気の 浄度を保つためのフィルタが備えられる。 風ユニット61は流延ベルト21の走行方向に複 並べて設けられてもよい。

 第2エリア47には、2つの送風吸気ユニット 63,64がキャスト膜24の走行路に沿って順に配 れる。上流側の送風吸気ユニット63は、第1 リア46の送風吸気ユニット61のすぐ下流側と れる。これは第1エリア46で第1層25に形成さ た水滴を、一様に成長させるためである。 1エリア46と第2エリア47とが互いに離れるほ 、つまり水滴を形成してから第2エリア47に るまでの時間が長くなるほど、成長し終え ときの水滴の大きさが不均一になってしま 。送風吸気ユニットの数は、本実施形態の 、つまり2に限定されず、1または3以上であ てもよい。送風吸気ユニット63,64は、送風 気ユニット61と同じものとしているがこれに 限定されない。

 水滴を成長させている間に、できるだけ くの溶媒を第1層から蒸発させることが好ま しい。第2エリア47における表面温度と露点と を所定の範囲にすることにより、溶媒を十分 に蒸発させるとともに、急激な蒸発を抑制す ることができる。また、水滴を蒸発させずに 溶媒だけを選択的に蒸発させることが好まし い。したがって、溶媒としては、同温同圧下 において水滴よりも蒸発速度が速いものが好 ましい。これにより、溶媒の蒸発に伴い水滴 が第1層の内部に入り込むことがより容易に る。

 第3エリア48には、4つの送風吸気ユニット 71~74がキャスト膜24の走行路に沿って順に配 れる。送風吸気ユニットの数は、本実施形 の数、つまり4に限定されず、1以上3以下ま は5以上であってもよい。送風吸気ユニット7 1~74は、送風吸気ユニット61と同じものとして いるがこれに限定されない。

 第3エリア48では、水滴の蒸発を主たる目 としているが、第3エリア48に至るまでに蒸 しきれなかった溶媒も蒸発させる。

 第3エリア48における水滴の蒸発工程では 送風吸引ユニット71~74に代えて減圧乾燥装 や、いわゆる2Dノズルを用いてもよい。減圧 乾燥を行うことで、溶媒と水滴との蒸発速度 をそれぞれ調整することがより容易になる。 これにより、有機溶媒の蒸発と水滴の蒸発と をより良好にし、水滴をより良好に第1層の 部に形成することができるので、前記水滴 存在する位置に、大きさ、形状が制御され 孔を形成することができる。なお、前記2Dノ ズルとは、風を出す給気ノズル部材と、第1 近傍の空気を吸い込む排気用ノズル部材と もつものである。この2Dノズルとしては、第 1層表面全幅に渡り、均一に給気と排気とを えるものが好ましい。なお、流延ベルト21の 温度は、第1エリア46から第3エリア48まで徐々 に上昇させることが好ましい。これにより、 蒸発速度を制御して多孔構造を壊すことなく 効率的に溶媒を蒸発させることができる。こ の温度上昇は、0.005℃/秒以上3℃/秒以下の範 で実施することが好ましい。

 フィルム製造設備20は、さらに、キャス 膜24を流延ベルト21から剥ぎ取る際に、流延 ルト21から剥離した多孔フィルム17を支持す る剥取ローラ57を備え、多孔フィルム17は次 程に送られる。次工程とは、例えば、多孔 ィルム17に種々の機能を施すための機能付与 工程や、多孔フィルム17をロール状に巻き取 巻取工程等である。

 本発明において、送風吸引ユニット61,63,6 4からの加湿空気の送風速度は、キャスト膜24 の移動速度、つまり流延ベルト21の走行速度 の相対速度が0.02m/秒以上2m/秒以下の範囲で ることが好ましく、より好ましくは0.05m/秒 上1.5m/秒以下の範囲であり、最も好ましく 0.1m/秒以上1m/秒以下の範囲である。前記相対 速度が0.02m/秒未満であると、水滴が細密に配 列して形成されないうちに、キャスト膜24が 3エリア48(図4参照)に導入されてしまうこと ある。一方、前記相対速度が2m/秒を超える 、第1層の露出面が乱れたり、結露が充分に 進行しなかったりすることがある。

 図4は、多孔フィルムができる過程をモデ ル的に図示した説明図である。水滴形成工程 では、図4の(a)及び(b)に示すように第1層25に 露させる。このとき生じた水滴25は、極めて 小さく、肉眼で認めることができないような 大きさである。次に、水滴成長工程では、水 滴31をゆっくり成長させる。この水滴成長工 では、水滴形成工程で発生した極めて小さ 水滴を複数合体させて水滴を大きくするこ を目的とするが、第1層25の温度や第1層25の 辺の条件次第では、水滴形成工程で発生し 極めて小さな各水滴が核となってそれぞれ きくなる現象が見られる場合もある。この 滴成長の間と後との少なくともいずれか一 では、第1層25に含まれている溶媒32を蒸発 せる。これにより、水滴31は図4の(c)に示す うに第1層25の中に入り込む。なお、水滴31に 代えて、他の液滴としてもよい。上述通り、 第1層25に水滴が入り込むには、第1層25を形成 する粘度も影響する。

 そして、水滴31の状態が所望の状態とな たところで、水滴蒸発工程で図4の(d)に示す うに第1層25中の水滴31を水蒸気33として蒸発 させる。第1層25の中に溶媒32が残留していた 合には、できるだけ多くの溶媒32を蒸発さ た後に水滴31を蒸発させるような条件とする 。このようにして、第2層26の上に多孔を有す る第1層25を形成することができる。これによ り、キャスト膜24を有する多孔フィルムを形 することができる。

 図5は、多孔フィルムの概略図である。(A) は本発明により得られる多孔フィルムの平面 図、(B)は(A)のb-b線に沿う断面図で、(C)は(A)の c-c線に沿う断面図である。また、(D)は、別の 多孔フィルムの断面図であるが、これの平面 図は(A)と同様であるので略す。流延ベルト21( 図2参照)から剥がした多孔フィルム17は、非 に多くの孔が密に形成された第1層25と第1層2 5が重ねられる第2層26から構成されるフィル である。孔35は、図5(A)に示すようにハチの 状に多孔フィルム17の内部に形成される。孔 35は、略一定の形状及びサイズであり、規則 に配列する。そして、孔35は、図5(B)及び(C) 示すように、第1層25の両面を突き抜けるよ に形成される場合もあるし、(D)及び(E)の多 フィルム36,37のように第1層25の片面側に窪 36a,37aとして形成される場合もある。窪み36a, 37aが形成される場合には、(E)の多孔フィルム 37のように、多孔フィルム37の表面の開孔径AP 1が、表面と平行な任意の断面での孔の径AP2 りも小さい場合がある。多孔フィルム36,37は 、いずれも、窪み36a,37aのひとつひとつが独 して形成されているが、この態様に本発明 限定されない。例えば、本発明では、窪み 連なるように、つまり、隣り合う窪みの中 間距離D1が開孔径AP1または径AP2よりも小さく された多孔フィルム(図示なし)もつくること できる。孔35及び窪み36a,37aの配列は、水滴 疎密の度合いや大きさ、形成する液滴の種 、乾燥速度、溶液の固形分濃度、水滴成長 程における水滴成長度合いに対する溶媒の 発のタイミング等によって異なるものとな 。本発明により製造される多孔フィルム17,3 6,37の形態は特に限定されるものではないが 本発明は、例えば、第1層25の厚みL1が0.05μm 上200μm以下の多孔フィルム17,36,37を製造する 場合や、孔35の径Dが0.05μm以上50μm以下、隣り あう孔35の中心間距離D1が0.1μm以上60μm以下で あるような多孔フィルム17を製造する場合に に効果がある。

 また、第2層26は、孔が複数形成される第1 層25が重ねられるものである。従って、第2層 26に多孔が形成されることはない。そのため 第2層26を厚くなるようにキャストして、第1 層25に形成される孔35の径Dを大きくするよう 前述の水滴形成工程と、水滴成長工程と、 滴蒸発工程を行っても、多孔フィルム17の みLと孔35の径Dについて、L/Dが2以上を満たす ように結露させて水滴31を第1層25上に形成し 水滴31を第1層25上から蒸発させることがで る。すなわち、粘度η1,η2や表面張力γ1,γ2が 前述の条件を満たすような第1溶液22と第2溶 23とをキャストして上記所定の各工程を経る ことにより、径Dを小さい場合はもちろんの と大きい場合であってもポリマ層を厚く形 できるのでL/Dが小さくても2であるような多 フィルムを製造することができる。このよ に、本発明によると、多孔フィルム17の厚 Lに制約されない孔径Dの多孔を有する多孔フ ィルム17を作製することができる。L/Dが小さ とも2であるような多孔フィルムとすること で、取り扱いが容易となる。そして、L/Dが2 上であるような多孔フィルムは、2未満の多 フィルムと比べて面積が大きい場合ほどそ 取り扱いの良さが顕著にあらわれる。なお 第2溶液23をキャストする前あるいは第2溶液 23のキャストと同時に、第2溶液23とは異なる 3の溶液(図示無し)をキャストすることによ 、第2層26に加えて第3の層を形成することが できる。

 以上、多孔フィルム17を製造する場合を 明したが、多孔フィルム36,37を製造する場合 もこれと基本的に同じである。したがって、 多孔フィルム36,37の製造方法については、説 を略す。

 また、多孔が形成される第1溶液22は高分 化合物と両親媒性化合物とを含む。両親媒 化合物は親水性をもつとともに親油性をも 、具体的には、親水基と疎水基をもつ化合 である。高分子化合物が両親媒性をもつも であるときには、高分子化合物と他の両親 性化合物とを併用しなくてもよい。また、 親媒性をもつとはいえないような高分子化 物を用いる場合には、高分子化合物と両親 性化合物とを併用することが好ましい。

 多孔フィルム17の主たる成分としての高 子化合物は、用途等に応じて決定すること できるが、その数平均分子量(Mn)が10,000~10,000 ,000であるものが好ましく、50,000~1,000,000であ ものがより好ましい。

 そして、両親媒性化合物と併用される場 の高分子化合物は、非水溶性溶媒つまり疎 性溶媒に溶解するものが好ましく、例えば ポリ-ε-カプロラクトン、ポリ-3-ヒドロキシ ブチレート、アガロース、ポリ-2-ヒドロキシ エチルアクリレート、ポリスルホン、ポリス チレン、ポリカーボネートなどが好ましい。 生分解性を必要とする場合や、あるいは、コ ストや入手の容易さなどを考慮すると、ポリ -ε-カプロラクトンが特に好ましい。

 両親媒性化合物と併用される場合の高分 化合物の他の例としては、ビニル重合ポリ (例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、 ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタ クリレート、ポリアクリルアミド、ポリメタ クリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ ニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキ サフルオロプロペン、ポリビニルエーテル、 ポリビニルカルバゾール、ポリ酢酸ビニル、 ポリテトラフルオロエチレン等)、ポリエス ル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、 リエチレンナフタレート、ポリエチレンサ シネート、ポリブチレンサクシネート、ポ 乳酸等)、ポリラクトン(例えばポリカプロ クトンなど)、セルロースアセテート、ポリ ミド又はポリイミド(例えば、ナイロンやポ リアミド酸など)、ポリウレタン、ポリウレ 、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポ アロマティックス、ポリスルホン、ポリエ テルスルホン、ポリシロキサン誘導体、な が挙げられる。これらは、溶解性、光学的 性、電気的物性、強度、弾性等の観点から ホモポリマであってもよいし、コポリマや リマブレンド、ポリマアロイとしてもよい

 また、両親媒性をもつ高分子化合物の例 してはポリアクリルアミドがある。その他 両親媒性高分子化合物としては、ポリアク ルアミドを主鎖骨格とし、親油性側鎖とし ドデシル基、親水性側鎖としてカルボキシ 基を併せ持つもの、ポリエチレングリコー /ポリプロピレングリコールブロックコポリ マ、などが挙げられる。親油性側鎖は、アル キレン基、フェニレン基等の非極性直鎖状基 であり、エステル基、アミド基等の連結基を 除いて、末端まで極性基やイオン性解離基な どの親水性基を分岐しない構造であることが 好ましい。親油性側鎖は、例えば、アルキレ ン基を用いる場合には5つ以上のメチレンユ ットからなることが好ましい。親水性側鎖 、アルキレン基等の連結部分を介して末端 極性基やイオン性解離基、又はオキシエチ ン基などの親水性部分を有する構造である とが好ましい。

 高分子化合物と混合して用いられる両親 性化合物としては、市販される多くの界面 性剤のような単量体の他に、二量体や三量 等のオリゴマー、高分子化合物を用いるこ ができる。両親媒性化合物を高分子化合物 混合することにより、キャスト膜24の露出 に水滴を形成しやすくなる。また、高分子 合物に対する分散状態を制御することによ 、水滴が形成される位置をより容易に制御 ることができる。高分子化合物と両親媒性 合物とを混合して用いる場合には、高分子 合物の重量に対する両親媒性化合物の重量 割合は0.1%以上20%以下の範囲とすると、形成 れる水滴の大きさが均一となりやすいので 孔が均一であるフィルムを得やすくなる。 分子化合物の重量に対する両親媒性化合物 重量の割合が0.1%未満であると、両親媒性化 合物の添加効果がほとんどなく、形成される 水滴が不安定で大きさが不均一となる場合が ある。一方、高分子化合物の重量に対して低 分子である両親媒性化合物の重量の割合を20% よりも大きくすると、多孔フィルム17の強度 下がることがある。

 高分子化合物と混合される両親媒性化合 については、(親水基の数):(疎水基の数)が0. 1:9.9~4.5:5.5であることが好ましい。これによ 、より細かな水滴をより密に、第1層25の上 形成することができる。(親水基の数):(疎水 の数)の比が上記範囲外である場合には、多 孔層に形成される孔の大きさがばらつき、す なわち不均一になることがある。なお、孔の 大きさの均一さは、{(孔の径の標準偏差)/(孔 径の平均値)}×100で求める孔径変動係数(単 ;%)により評価することができる。この値が10 %未満であると、孔の大きさは非常に均一で めて良好な状態といえる。また、この値が10 %以上15%未満であると、若干不均一ではある のの実用上問題はないといえる。そしてこ 値が15%以上であると、孔の大きさは不均一 あるとして実用に供することが好ましいと いえない場合がある。(親水基の数):(疎水基 数)の比が上記範囲外である場合には、孔の 大きさの均一性が孔径変動係数で10%未満のレ ベルにならないことがある。

 互いに異なる2種以上の両親媒性化合物を 用いると水滴の形成位置、水滴の大きさを制 御することができるので好ましい。また、高 分子化合物についても、互いに異なる2種以 の化合物を用いることにより同様の効果を ることができる。

 溶液の溶媒となる溶剤は、疎水性かつ高 子化合物を溶解させるものであれば、特に 定されない。例としては、芳香族炭化水素( 例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン 炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロ ンゼン、四塩化炭素、1-ブロモプロパンなど )、シクロヘキサン、ケトン(例えば、アセト ,メチルエチルケトンなど)、エステル(例え 、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルな )及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン ,メチルセロソルブなど)などが挙げられる。 れらのうち複数の化合物が溶媒として併用 れてもよい。また、これらの化合物の単体 は混合物に、アルコール等が添加されたも を用いてもよい。

 ところで、最近、環境に対する影響を最 限に抑えることを目的に、ジクロロメタン 使用しない場合の有機溶媒組成についても 討が進み、この目的に対しては、炭素原子 が4~12のエーテル、炭素原子数が3~12のケト 、炭素原子数が3~12のエステル、1-ブロモプ パン等の臭素系炭化水素等が好ましく用い れる。これらは、互いに混合して用いられ もよい。例えば、酢酸メチル、アセトン、 タノール、n-ブタノールの混合有機溶媒が挙 げられる。これらのエーテル、ケトン、エス テル及びアルコールは、環状構造を有するも のであってもよい。また、エーテル、ケトン 、エステル及びアルコールの官能基(すなわ 、-O-,-CO-,-COO-及び-OH)のいずれかを2つ以上有 る化合物も、溶媒として用いることができ 。

 溶剤として互いに異なる2種以上の化合物 を用い、その割合を適宜代えて用いることに より、水滴の形成速度、及び水滴の第1層25へ の入り込み深さ等を制御することができる。

 溶液については、有機溶媒100重量部に対 高分子化合物が0.02重量部以上30重量部以下 することが好ましい。これにより、生産性 く高品質の多孔フィルムを製造することが きる。有機溶媒100重量部に対し高分子化合 が0.02重量部未満であると、溶液における溶 媒割合が大きすぎて蒸発に要する時間が長く なるので、フィルムの生産性が悪くなり、一 方、30重量%を超えると、結露で発生した水滴 が第1層25中の溶液を変形できず、そのため不 均一な凹凸が形成された多孔フィルム17にな てしまうことがある。

 なお、第1実施形態では、流延ダイが、第 1溶液と第2溶液とを重ねて、第1,第2溶液を同 にキャストする同時共流延法を示している 本発明はこれに限られず、流延ダイに流入 る溶液の種類を増やして、粘度の異なる3種 類の溶液を重ねて、3層が重ねられたキャス 膜を作製してもよい。更には、3種類以上の 液を重ねて多層が重ねられたキャスト膜を 製してもよい。3層以上のキャスト膜を作製 する場合、孔が形成される第1層を形成する 液は高分子化合物と両親媒性化合物とを含 。この場合、第1層以外を形成する溶液の材 は高分子化合物と両親媒性化合物とを含ん もよいが、これに限定されるものではない 一方、本発明は、逐次流延法も適用するこ ができる。この場合、孔が形成される第1層 を形成する溶液は高分子化合物と両親媒性化 合物とを含む。第1層以外を形成する溶液は 第1層以外の層に孔が形成されることはない で、高分子化合物と両親媒性化合物とを含 でもよいが、これに限定されるものではな 。

 本発明の第2実施形態を次に説明する。図 6は、第1実施形態の流延ダイ27を公知のスラ ド式流延ダイ80に代えた第2実施形態である 時共流延法による多孔フィルム製造装置の 延ダイと流延ベルトを示す図である。第2実 形態について、上述の第1実施形態と同じ条 件については説明を略す。図6に示すように スライド型流延ダイ80により、第1溶液22,第2 液23を流延ベルト21に同時にキャストする。 スライド型流延ダイ80には、第1溶液22が第1層 87になるように、第2溶液23が流出する第2流出 口82より上流側に第1流出口81が設けられる。

 第1流出口81から第1溶液22を、第2流出口82 ら第2溶液23を出して、第1溶液22と第2溶液23 が重なってスライドビード83が形成される そして、このスライドビード83が流延ベルト 21にキャストされて、キャスト膜86が形成さ る。このスライド型流延ダイ80を用いること によりスライドビード83の形状が安定しやす ため、厚みが均一な多孔フィルムを製造で る。

 なお、キャスト工程後に行われる第1層87 孔を形成する工程は、前述の実施形態と同 であるため、省略する。

 本発明の第3実施形態を次に説明する。図 7は、第1実施形態の流延ダイ27を、1種類の溶 を出す2つの流延ダイ91,92に代えた第3実施形 態である逐次流延法によるによる多孔フィル ム製造装置の流延ダイと流延ベルトを示す図 である。第1流延ダイ91及び第2流延ダイ92から 第1溶液22,第2溶液23が流延ベルト21に逐次にキ ャストされて、キャスト膜94が形成される。 1溶液22を流出する第1流延ダイ91は、第2溶液 23を出す流延ダイ92の搬送方向の下流側に配 れている。そして、送風吸引ユニット93は、 第1流延ダイ91と第2流延ダイ92との間に配置さ れている。送風吸引ユニット93、乾燥空気を 2層96の近傍で流し出す送風口93aと、第2層96 周辺気体を吸排気する吸気口93bとを有する ともに、送風系における風の温度、露点、 度、風速、吸気系における吸引力を独立し 制御する送風コントローラ(図示せず)を備 る。ここで乾燥空気とは、相対湿度50%以下 空気のことをいう。

 第2溶液23が流出される第2流延ダイ92から 始めに第2溶液23を流延ベルト21にキャスト て、第2層96を形成する。次に、第1流延ダイ9 1から第1溶液22を第2層96上にキャストする。 のようにしてキャスト膜94が形成される。

 第2溶液23をキャストしてから、第1溶液22 キャストする前に、除湿送風吸引ユニット9 3は、乾燥空気を送風口93aから流し出して、 気に露出している第2層96の露出面に乾燥空 を当てて、吸気口93bから第2層96の乾燥空気 吸排気する。これにより、第1層95が重ねら る第2層96に水滴が付着し難いため、第2層96 孔が形成されることはなく、第2層96は、第1 95が重ねられることに適する。

 また、第1溶液22及び第2溶液23をキャスト る第1,第2流延ダイ91,92を、溶液毎に設けて るため、それぞれの溶液の流量を調節しや い。そのため、キャストする第1,第2溶液22,23 の量を調整して、容易に第1層95と第2層96との 各々の厚さを調整しやすい。

 なお、キャスト工程後に行われる第1層95 多孔を形成する工程は、前述の実施形態と 一であるため、省略する。

 本発明の第4実施形態を次に説明する。図 8は、ポリマ溶液を支持体に断続的に流延し 、シート状の多孔フィルムを次々に製造す 第4実施形態であるフィルム製造設備の要部 示す図である。なお、図3と同じ作用の装置 、部材については図3と同じ符号を付す。フ ルム製造設備101は、シート状の多孔フィル を製造する設備であり、第1,2溶液を支持体10 4に流延して結露させる第1エリア46と、水滴 成長させて溶媒を蒸発させる第2エリア47と 水滴を蒸発させる第3エリア48とを有する。 1エリア46では、支持体104が搬送されながら 延ダイ27から第1,2溶液が流延され、キャスト 膜103が形成される。そして、第1層と第2層と 有するキャスト膜103が形成された支持体104 搬送ベルト102により下流側に搬送されて、 露により、第1層に水滴が形成される。その 後、第1層に水滴が形成されたキャスト膜103 、支持体104とともに搬送ベルト102により第2 リア47に搬送される。第2エリア47では、水 が成長する。その後、水滴が内部に入り込 だキャスト膜103は、第3エリア48に搬送され 、水滴の蒸発が行われる。このように、各 リアでの各処理を支持体単位で実施し、間 的に支持体104を搬送することにより、シー 状の多孔フィルムを製造することができる

 なお、幅方向の長さが流延ダイ27よりも い流延ダイを、支持体の幅方向に複数なら て、幅が小さなキャスト膜を形成すること できる。さらに、流延工程における支持体10 4の搬送を、より短い時間間隔で間欠的にす ことにより、より小さなキャスト膜を支持 104上に複数形成することもできる。また、 延ダイ27の溶液の流出口を幅方向で複数に仕 切り、第1,2溶液を断続的に流延することによ り、短冊状の多孔フィルムを次々と製造する こともできる。

 [実施例1]~[実施例5]
 粘度が互いに異なるとともに表面張力も互 に異なる複数の第1溶液22をつくった。また 粘度及び表面張力が互いに異なる複数の第2 溶液23をつくった。第1溶液22及び第2溶液23の リマ成分はともにポリカーボネート、溶媒 分はともにジクロロメタンである。粘度と 面張力との制御は、各溶液22,23におけるポ マーの濃度と、界面活性剤の添加の有無及 添加した場合の添加量を変えることにより 施した。第1溶液22と第2溶液23と組み合わせ 5通りである。これら5通りの組み合わせで、 表1の「厚み」欄に示すような厚みL(単位;μm) もつ5種類の多孔フィルム17をつくり、これ をそれぞれ実施例1~5とした。実施例1~4では 図3に示すフィルム製造設備20により同時共 延法を実施し、実施例5では、図7に示すよ な逐次流延法を実施した。いずれも約2m/分 生産速度で多孔フィルム17が得られるように 流延ベルト21の速度を設定した。この生産速 は、従来の多孔フィルムの生産速度と比べ と極めて高い生産速度である。なお、表1の 「粘度η1」と「粘度η2」と「η1-η2」の各欄 値(単位;Pa・s)は指数表記によるものであり 例えば「2.0E-3」は「2.0×10 -3 」を意味する。η1-η2の値は、η1の値からη2 値を減じて求めた計算上の値であるので、 施例2の「η1-η2」欄の値は0.19950を四捨五入 て表記したもの、実施例5の「η1-η2」欄の値 は0.9960を四捨五入して表記したものである。

 得られた5種類の多孔フィルム17につき、 の径Dを測定した。また、各多孔フィルム17 外観を目視で評価した。孔の径Dの測定結果 と外観の評価結果については、表1に示す。 お、表1における「孔の径D」の値(単位;μm)は 、任意に10個の孔を選んで測定した10の測定 のうち最大値と最小値とを除く8つの値の平 値である。

 外観は、以下の基準で評価した。
    「A」;孔径変動係数が5%未満と非常に小 さく、孔の配列も極めて規則的であり、非常 に良好。
    「B」 ;孔径変動係数が5%以上10%未満の 囲と小さく、孔の配列も規則的であり、良 。
    「C」 ;孔径変動係数が10%以上15%未満の 範囲で実用可能なレベルであり、孔の配列も ほぼ規則的であり、概ね良好。
    「D」 ;孔径変動係数が15%以上と大きく 、孔の配列も不規則であり、良好とはいえな い。

 [比較例1]~[比較例3]
 実施例1で用いた第1溶液22のみを用いて、第 2層26が無い、単層構造の多孔フィルムをつく り、これを比較例1とした。また、実施例1~5 第1溶液22と第2溶液23とを表1の比較例2,3にそ ぞれ示す第1溶液と第2溶液とに代え、その の条件は実施例1~4と同じ条件として、比較 2,3を実施した。なお、各多孔フィルムは、 1の「厚みL」欄に示す厚み(単位;μm)となるよ うにつくった。そして、比較例1~3についても 実施例1~5と同様に孔の径Dの測定と外観の評 とを実施した。

 比較例1で得られた多孔フィルムは、厚み が薄すぎて単独で取り扱おうとしたときに裂 けてしまった。比較例2では、第1溶液と第2溶 液とからそれぞれ形成された層が、乾燥する 間に互いに混じり合ってしまい、孔の大きさ が不均一になってしまった。比較例3では、 露での水滴の発生のタイミングや発生した 滴の成長の程度が不均一となってしまい、 の大きさが不均一になってしまった。一方 実施例1~5によると、孔の径Dと厚みLとが独立 して制御することができることがわかる。そ して、実施例1~5で得られた多孔フィルム17は いずれも孔の大きさも外観も良好であった

 本発明によると、多孔フィルムの孔径と ィルムの厚さとを独立して制御することが きるので、孔径が小さいにも関わらず厚み 従来の多孔フィルムよりも大きい多孔フィ ムを製造することができる。したがって、 来の多孔フィルムでは取り扱いが難しかっ 用途への使用が可能になる。例えば、従来 多孔フィルムでは薄すぎて使用中等に破れ すかったり、あるいは、大面積にするとフ ルム同士が密着しあってハンドリング性が く使用されなかった用途でも簡単にハンド ングができるので使用可能となる。そして 本発明によると、上記のような特長をもつ 孔フィルムを生産性よくつくることができ ので、従来の多孔フィルムではコスト高と て使用が懸念されていた用途や、供給安定 の観点から使用が懸念されていた用途へも 利用することができるようになる。