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Title:
PROCESS FOR MANUFACTURING COPPER ALLOY PRODUCTS AND EQUIPMENT THEREFOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069781
Kind Code:
A1
Abstract:
A process for manufacturing a copper alloy product from a precipitation-hardening type copper alloy which comprises the step of conducting separately the melting of pure copper and the melting of an additional element or a master alloy containing an additional element, wherein a high-concentration melt which contains at least either of Ni and Co and Si and has an Ni content of up to 80mass% is formed by melting simultaneously a combination of two or more elements and/or mater alloys selected from among Ni, Co, Si, Ni-Cu master alloys, Co-Cu master alloys, Si-Cu master alloys, Ni-Si-Cu master alloys and Co-Si-Cu master alloys with the assistance of generation of heat of mixing and added to molten pure copper fed from another melting furnace to form a molten alloy having a prescribed composition.

Inventors:
YOSHIDA HIROKAZU (JP)
TAKAZAWA TSUKASA (JP)
ABE TOSHIO (JP)
TOMIMATSU SHUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071725
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
November 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FURUKAWA ELECTRIC CO LTD (JP)
YOSHIDA HIROKAZU (JP)
TAKAZAWA TSUKASA (JP)
ABE TOSHIO (JP)
TOMIMATSU SHUJI (JP)
International Classes:
B22D11/108; B22D1/00; B22D11/00; B22D11/06; B22D21/00; C22B9/05; C22B15/14; C22C9/06; F27D27/00
Foreign References:
JP2006341268A2006-12-21
JPS6362830A1988-03-19
JPH08300119A1996-11-19
JP2002086251A2002-03-26
JP2007146226A2007-06-14
JPS59171834A1984-09-28
JPS5865554A1983-04-19
JP2007311616A2007-11-29
JP2008302814A2008-12-18
Other References:
See also references of EP 2223754A4
MORI, SANO ET AL., IRON AND STEEL, vol. 67, 1981, pages 672 - 695
Attorney, Agent or Firm:
IIDA, Toshizo (1-10 Shimbashi 3-chome,Minato-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 純銅溶解と添加元素若しくはそれを含有する母合金溶解とを別々に行う工程を有し、さらにベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳造圧延する工程または縦型連続鋳造にてスラブ若しくはビレットを鋳造する工程を有する、析出強化型の銅合金から銅合金材を製造する方法であって、添加元素若しくはそれを含有する母合金を溶解し、NiまたはCoの少なくとも一方およびSiを高濃度で含む高濃度融体を作成する際に、Ni、Co、Si、Ni-Cu母合金、Co-Cu母合金、Si-Cu母合金、Ni-Si-Cu母合金、Co-Si-Cu母合金、Ni-Si母合金、Co-Si母合金、およびNi-Co-Si母合金から選択される元素又は母合金を組み合わせて同時に高濃度溶解炉へ投入し、混合熱の発生下で溶解させ、Ni、CoまたはNiとCoの合計の含有量が最大80質量%で、Si含有量が前記Ni、CoまたはNiとCoの合計の含有量の0.2倍から0.4倍となる高濃度融体を作成し、これを他の溶解炉から供給される純銅溶湯に添加し、所定の成分組成を有する合金溶湯とすることを特徴とする銅合金材の製造方法。
 前記高濃度融体を傾動式高濃度溶解炉から出湯する際において、高濃度溶解炉の下流側に設置した堰を有する計測樋で溶湯量を計測し、「予め把握していた炉傾動角度と出湯量との関係」へ「計測樋中の溶湯量から算出される溶湯通過量」をフィードバックさせて出湯量を制御し、所定量の高濃度融体を純銅溶湯に添加することを特徴とする請求項1記載の銅合金材の製造方法。
 高濃度融体を圧力出湯式高濃度溶解炉から出湯する際において、高濃度溶解炉の下流側に設置した堰を有する計測樋で溶湯量を計測し、「予め把握していた加圧ガス注入量と出湯量との関係」へ「計測樋中の溶湯量から算出される溶湯通過量」をフィードバックさせて出湯量を制御し、所定量の高濃度融体を純銅溶湯に添加することを特徴とする請求項1記載の銅合金材の製造方法。
 前記出湯される高濃度融体を純銅溶湯(V:kg/分)に添加する合流部において、ガス・バブリングを行い、それにより総攪拌動力を30W/m 3 以上付与し、その合流部から鋳造スパウトまでの総湯溜り質量を9×V(kg)以上とすることを特徴とする請求項2又は3記載の銅合金材の製造方法。
 前記出湯される高濃度融体を純銅溶湯(V:kg/分)に添加する合流部において、機械式攪拌又は回転脱ガス攪拌を行い、それにより総攪拌動力を20W/m 3 以上付与し、その合流部から鋳造スパウトまでの総湯溜り質量が9×V(kg)以上であることを特徴とする請求項2又は3記載の銅合金材の製造方法。
 前記析出強化型の銅合金が、Niを1.0~5.0質量%、Siを0.25~1.5質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されるか、またはNiを1.0~5.0質量%、Siを0.25~1.5質量%含有し、Ag、Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタルおよびCrからなる群から選択される少なくとも1つの元素を0.01~1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の銅合金材の製造方法。
 前記析出強化型の銅合金が、NiとCoとを合計で1.0~5.0質量%、Siを0.25~1.5質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されるか、またはNiとCoとを合計で1.0~5.0質量%、Siを0.25~1.5質量%含有し、Ag、Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタルおよびCrからなる群から選択される少なくとも1つの元素を0.01~1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の銅合金材の製造方法。
 銅合金を鋳造するにあたって、前記移動鋳型内面に窒化ホウ素を塗布することを特徴する請求項1~7のいずれか1項に記載の銅合金材の製造方法。
 前記移動鋳型で鋳造された鋳塊のコーナー部を、主成分が窒化チタンで溶射を施した切削刃で切削することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の銅合金材の製造方法。
 純銅溶解と添加元素若しくはそれを含有する母合金溶解を別々に行う工程及びベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳造圧延するまたは縦型連続鋳造にてスラブ若しくはビレットを鋳造する工程を有する、析出強化型の銅合金から銅合金材を製造する銅合金材の製造装置であって、
 純銅溶解炉、Ni若しくはCoの少なくとも一方およびSi元素またはそれを含有する母合金からNi、CoまたはNiとCoの合計の含有量が最大80質量%でSi含有量が前記NiとCo含有量の合計の0.2倍から0.4倍となる高濃度融体を作成する高濃度溶解炉、純銅溶湯へ高濃度融体を添加・混合する混合槽を設け、Ni、Co、Si、Ni-Cu母合金、Co-Cu母合金、Si-Cu母合金、Ni-Si-Cu母合金、Co-Si-Cu母合金、Ni-Si母合金、Co-Si母合金、およびNi-Co-Si母合金から選択される元素又は母合金を組み合わせて同時に高濃度溶解炉へ投入し、混合熱の発生下で溶解させ高濃度融体を作成し、純銅溶解炉から供給される純銅溶湯に高濃度融体を添加・混合し所定の成分組成を有する合金溶湯とすることを特徴する銅合金材の製造装置。
 前記高濃度溶解炉が傾動式であり、高濃度溶解炉の下流側に堰を有する計測樋及び樋に付設した溶湯量測定器を設置し、「予め把握していた炉傾動角度と出湯量との関係」へ「計測樋中の溶湯量から算出される溶湯通過量」をフィードバックさせる制御機構を設け、出湯量を制御し、所定量の高濃度融体を純銅溶湯に添加・混合することを特徴とする請求項10記載の銅合金材の製造装置。
 前記高濃度溶解炉が圧力出湯式であり、高濃度溶解炉の下流側に堰を有する計測樋及び樋に付設した溶湯量測定器を設置し、「予め把握していた高濃度溶解炉へのガス注入量と出湯量との関係」へ「計測樋中の溶湯量から算出される溶湯通過量」をフィードバックさせる制御機構を設け、出湯量を制御し、所定量の高濃度融体を純銅溶湯に添加・混合することを特徴とする請求項10記載の銅合金材の製造装置。
 前記出湯される高濃度融体を純銅溶湯(V:kg/分)に添加・混合する混合槽に気泡攪拌機を設け、ガス・バブリングによる総攪拌動力を30W/m 3 以上付与し、その混合槽から鋳造スパウトまでの総湯溜り質量が9×V(kg)以上であることを特徴とする請求項11又は12記載の銅合金材の製造装置。
 前記出湯される高濃度融体を純銅溶湯(V:kg/分)に添加する混合槽に機械式攪拌装置又は回転脱ガス装置を設け、それにより総攪拌動力を20W/m 3 以上を付与し、その混合槽から鋳造スパウトまでの総湯溜り質量が9×V(kg)以上であることを特徴とする請求項11又は12記載の銅合金材の製造装置。
 前記析出強化型の銅合金が、Niを1.0~5.0質量%、Siを0.25~1.5質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されるか、またはNiを1.0~5.0質量%、Siを0.25~1.5質量%含有し、Ag,Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタルおよびCrからなる群から選択される少なくとも1つの元素を0.1~1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されることを特徴とする請求項10~14のいずれか1項に記載の銅合金材の製造装置。
 前記析出強化型の銅合金が、NiとCoとを合計で1.0~5.0質量%、Siを0.25~1.5質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されるか、またはNiとCoとを合計で1.0~5.0質量%、Siを0.25~1.5質量%含有し、Ag、Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタルおよびCrからなる群から選択される少なくとも1つの元素を0.01~1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されることを特徴とする請求項10~14のいずれか1項に記載の銅合金材の製造装置。
Description:
銅合金材の製造方法及びその装

 本発明は、自動車用ワイヤーハーネスや ボット用ケーブルやその他の信号用線など 銅合金線材若しくはコネクタ等の電気電子 品用の銅合金条材や銅合金板材(以下、総称 して銅合金材という)を製造するための方法 よび装置に関する。

 銅合金線材若しくは銅合金条の銅合金材の 造において、まず、溶解技術として最も一 的な方法(A)として、以下の工程が知られて る。まず、溶解炉(電気炉、ガス炉)に銅原 ・スクラップ及び添加元素もしくはそれを 有する母合金固体を投入し、溶解を行う。 の後炉内の材料が全て溶解後、炉内から分 用サンプルを採取して化学分析もしくは機 分析によって成分・組成を測定・確認し成 調整を行う。所定の成分・組成を確認後に 冷鋳造にてスラブやビレットを鋳造し、そ 室温まで冷却された鋳塊を再加熱し熱間圧 ・押出しを行って線材若しくは条材とする
 なお、上記溶解工程においては一般に誘導 熱方式が採用されており、エネルギー効率 悪いことは広く知られている。

 次に、別の技術として、SCRなどのベルト& amp;ホイール方式での連続鋳造が知られてお (例えば、特許文献1参照)、ビレット鋳造に 較して安価な方式である。ここでは、溶解 と鋳造機の間で添加元素を投入することで 定の合金組成にして鋳造するものである。 造コストを下げるために連続溶解鋳造を行 ことが望ましいが、溶解能力が鋳造能力よ も劣るケースでは、連続鋳造時間が短くな スタート・停止時に一定量発生する不良の 率が相対的に多くなり不良率が高くなり製 コストがかえって高くなる。そこで、鋳造 力に見合う大型溶解炉の導入が必要となり 初期設備投資が膨大なものとなる。そのた に、設備投資も少なく、鋳造能力と同等な 解設備が望まれている。なお、特許文献1記 の技術では、溶解炉として専らシャフト炉 活用する為にエネルギー効率は良いが、こ 方式では希薄銅合金(例えば、最も高濃度な ものとしてCu-0.7%Sn合金など挙げられる)が溶 される程度である。

 そのために、流れている溶銅に直接添加元 もしくはそれを含有する母合金固体を投入 、添加物の連続溶解により成分を調製した 、溶湯が通過する部位に加熱手段を有する 湯貯留部を設け、そこに合金元素を添加配 したりする方法(B)が知られている。
 更に、連続鋳造中の溶湯移送工程において 溶融金属を直接添加し成分調製をする方法( C)が知られている(例えば、特許文献2、3、4を 参照)。これらは、合金元素を半溶融または 融状態にして排出するヒーターを連続鋳造 タンディッシュ直上に設置し、タンディッ ュ内の溶融金属内に合金元素を滴下して攪 し、均質溶湯を得る(特許文献2)、溶銅をタ ディッシュ内に収容すると共に、そのタン ィッシュ内溶銅中に、NiおよびPをNi-P化合物 形態にて添加する(特許文献3)、添加合金成 からなる線材をアーク放電により連続的に 融または半溶融し、或いは溶融または半溶 された前記添加合金成分を、流動する基本 金成分の溶湯に添加して、前記添加合金成 が溶解された溶湯を得る(特許文献4)もので る。

 また、連続鋳造時の成分調整方法として、 続鋳造圧延で製造された荒引線の導電率を 続的に測定し、その結果をフィードバック 、合金元素添加量を連続的に制御する方法( D)が知られている(例えば、特許文献5参照)。
 しかし、実用化されているものは、単純な 溶硬化型の合金のみであり、Cu-Ni-Si系など 出型合金では、熱間圧延時の析出状態によ て導電率が変化する為に、荒引線の導電率 らは成分判定を行うことは不可能である。

 ところで、溶融金属に電気を通電して抵 を測定することは既に知られている。例え 、日本機械学会編集「金属データー・ブッ 」には純金属の比抵抗値が示されており、 の値は室温での比抵抗よりも大きな値であ (表1参照)。しかし、銅合金、特にコルソン 金における溶融状態での抵抗については未 知られていない。この合金系の成分と溶融 態での比抵抗の関係が明らかになれば、何 かの制御が可能となると思われるが未だ実 していない。

 また、この溶融金属の電気特性に着目し、 融金属の性状の評価に活用したものとして 融金属(特にアルミニウム合金)中の介在物 検出する方法(E)が知られている(例えば、特 文献6参照)。これは、介在物による電流経 の断面積減少分をモニターする手法である 電流経路内の電流を1~500Aとし、経路内の電 抵抗を連続的に測定し、電流経路内を介在 粒子が通過する際の電気信号の変化を検出 るものであり、電流経路内の溶融金属の組 的変化に伴う抵抗値の変化を検出するもの はない。

特開昭55-128353号公報

特開昭59-169654号公報

特開平8-300119号公報

特開2002-86251号公報

特開昭58-65554号公報

特開昭59-171834号公報

 方法(A)のような一般的な屑を溶解するよう 炉(コアレス炉)では、原料となるNiと共にSi はSi-Cu母合金を溶解する際には、融点が高 Niは初期に投入し、酸素と活性なSiまたはSi-C u母合金は溶解後期に投入される。これらの 入原料の比熱と潜熱分の熱を吸収しながら 解が進んでいくことで多くの熱エネルギー 必要とする。また、当然のことながら大型 解設備が必要となる。
 また、方法(B)のようにSiのような軽元素で 素との親和力が高い元素と比重の大きいNiを 、溶銅中に添加・溶融する際には、例えばSi が容易に溶解するように表面酸化が無視で る前処理をすることが必要になる場合があ 、さらに以下の1~3のような現象が発生し、 解しない、添加歩留が悪い、長時間の添加 行うと添加部周辺のSiまたはSi母合金が滞積 していき、新たな添加を阻害していく、混合 熱が活用できない等の不都合が生じる。
1.比重差によってSiは溶銅表面に浮遊し、Niは 溶銅液面深く沈んでしまう、
2.溶銅上面の雰囲気中の微量酸素とSiは反応 て添加材表面に酸化膜が形成される(COガス よるシールにおいても、高温下ではSiにとっ ては酸化性ガスとなっている)、
3.溶銅中に残存する微量酸素(10ppm以上)と反応 して、溶銅接触界面で酸化膜を形成し、溶解 が停滞する。

 方法(C)では、高濃度合金を連続製造する上 固体・融体添加方法が知られているが、そ 添加においてノロの付着等々で添加量が安 せず成分変化が発生しやすい欠点があり、 製された合金溶湯を得ることが困難である
 また先に記載したように、方法(D)では、Cu-N i-Si系など析出型合金では、導電率から成分 定を行なうことは不可能であり、調製され 合金溶湯を得ることはできなく、方法(E)で 溶融金属の組成的変化に伴う電気抵抗値の 化を検出するものではないので、同様に成 調製された合金溶湯を得ることは不可能で る。

 前述の析出強化型の銅合金の連続鋳造圧 を行う上で、移動鋳型内面のアセチレンガ を不完全燃焼下で発生させた煤を繰り返し き付け奪熱量の安定化を試みたが、たとえ Cu-Ni-Si系合金のようにSiを含有する合金を製 造する場合には、主成分であるSiと煤とが反 してSiCが形成されてしまい、鋳型内面に断 効果の高い安定した煤の層が形成できなか た。その為に、タフピッチ銅と同じ鋳造・ 却条件を採用しても約150℃も低い温度の鋳 しか得ることができなかった。その結果、 続圧延中に析出が促進し、溶体化状態の荒 線が得られず時効処理を施しても所定の性 を有する線材を製造することができなかっ 。また、連続圧延中の析出を抑制するため 鋳造直後の鋳塊に誘導加熱を施したが、鋳 の断面積が小さいことから膨大な電気量を 入することになった。

 更に、前述の析出強化型の銅合金をベル &ホイール式若しくは双ベルト式の移動 型を用いて連続鋳造した際に、ベルトと銅 ロックとの接触部位に僅かながらのバリが 生したために、一般的に使用されている切 刃(材質はステライト等)でバリの除去を試み た。しかし、この切削刃の刃先にこの銅合金 が固着(焼付き)し、切削を行うことができな なった。そのために、このまま熱間圧延を したが、線の表面にカブリ欠陥が多発した これらの課題についても、解決することが わめて重要である。

 そこで、本発明の課題は、連続鋳造能と 等の溶解能力の溶解炉を少ない設備投資で 供する、高濃度の添加合金成分を少ない熱 ネルギーで溶融し高濃度融体を作成する、S iの酸化膜の形成を防ぐ、及び高濃度融体の 加量を制御し所定の成分組成をもつ合金溶 を得る;そして、析出強化型の銅合金材を高 度で、低コストで製造する方法及び装置を 供することにある。

 本発明者らは上記課題に鑑み鋭意研究し、 下の知見を得、これに基づき本発明に至っ 。
 異種元素融体を混合するとエントロピーの 大に伴い混合熱が生成することはよく知ら ているが、この現象は銅合金の溶融関係に 利用されていない。これを積極的に活用し 省エネルギーで高濃度融体の作成を達成で る。
 また、高濃度融体を純銅溶湯へ合流した場 に、溶銅中の残存酸素とSiなどが反応して 化膜を形成するが、攪拌動力を与えること 融体表面に形成された酸化膜は容易に破壊 れて安定なブレンドが可能となる。更に、 金組成の安定化を図る上で、一般的に採用 れている単なる傾動制御または圧力制御に る出湯量の調整では湯道へのノロの付着な によって大きく合金溶湯の成分が変化し信 性が低いので、2つのフィードバック制御と れらの併用を採用する。

 本発明によれば、以下の手段が提供される:
(1)純銅溶解工程と、添加元素若しくはそれを 含有する母合金を溶解する合金溶解工程とを 別々に有し、さらにベルト&ホイール式若 くは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳 圧延する工程または縦型連続鋳造にてスラ 若しくはビレットを鋳造する工程を有する 析出強化型の銅合金から銅合金材を製造す 方法であって、前記合金溶解工程で、Niま はCoの少なくとも一方およびSiを高濃度で含 高濃度融体を作成する際に、Ni、Co、Si、Ni-C u母合金、Co-Cu母合金、Si-Cu母合金、Ni-Si-Cu母 金、Co-Si-Cu母合金、Ni-Si母合金、Co-Si母合金 およびNi-Co-Si母合金から選択される元素又は 母合金を組み合わせて同時に高濃度溶解炉へ 投入し、混合熱の発生下で溶解させ、Ni、Co たはNiとCoの合計の含有量が最大80質量%で、S i含有量がNi、CoまたはNiとCoの合計の含有量の 0.2から0.4倍となる高濃度融体を作成し、これ を前記純銅溶解工程で得られた純銅溶湯に添 加し、所定の成分組成を有する合金溶湯とす ることを特徴とする銅合金材の製造方法、
(2)前記高濃度融体を傾動式高濃度溶解炉から 出湯する際に、高濃度溶解炉の下流側に設置 した堰を有する計測樋で溶湯量を計測し、「 予め把握していた炉傾動角度と出湯量との関 係」へ「計測樋中の溶湯量から算出される溶 湯通過量」をフィードバックさせて前記高濃 度融体の所定量の高濃度融体を純銅溶湯に添 加することを特徴とする(1)記載の銅合金材の 製造方法、
(3)前記高濃度融体を圧力出湯式高濃度溶解炉 から出湯する際に、高濃度溶解炉の下流側に 設置した堰を有する計測樋で溶湯量を計測し 、「予め把握していた加圧ガス注入量と出湯 量との関係」へ「計測樋中の溶湯量から算出 される溶湯通過量」をフィードバックさせて 前記高濃度融体の出湯量を制御し、所定量の 高濃度融体を純銅溶湯に添加することを特徴 とする(1)記載の銅合金材の製造方法、
(4)前記出湯される高濃度融体を純銅溶湯(V:kg/ 分)に添加する合流部において、ガス・バブ ングを行い、それにより総攪拌動力を30W/m 3 以上付与し、その合流部から鋳造スパウトま での総湯溜り質量を9×V(kg)以上とすることを 徴とする(2)又は(3)記載の銅合金材の製造方 、
(5)前記出湯される高濃度融体を純銅溶湯(V:kg/ 分)に添加する合流部において、機械式攪拌 は回転脱ガス攪拌を行い、それにより総攪 動力を20W/m 3 以上付与し、その合流部から鋳造スパウトま での総湯溜り質量が9×V(kg)以上であることを 徴とする(2)又は(3)記載の銅合金材の製造方 、
(6)前記析出強化型の銅合金が、Niを1.0~5.0質量 %、Siを0.25~1.5質量%含有し、残部がCuおよび不 避的な不純物元素から構成されるか、また Niを1.0~5.0質量%、Siを0.25~1.5質量%含有し、Ag Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタル よびCrからなる群から選択される少なくと 1つの元素を0.01~1.0質量%含有し、残部がCuお び不可避的な不純物元素から構成されるこ を特徴とする(1)~(5)のいずれか1項に記載の銅 合金材の製造方法、
(7)前記析出強化型の銅合金が、NiとCoとを合 で1.0~5.0質量%、Siを0.25~1.5質量%含有し、残部 Cuおよび不可避的な不純物元素から構成さ るか、またはNiとCoとを合計で1.0~5.0質量%、Si を0.25~1.5質量%含有し、Ag、Mg、Mn、Zn、Sn、P、F e、In、ミッシュ・メタルおよびCrからなる群 ら選択される少なくとも1つの元素を0.01~1.0 量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純 元素から構成されることを特徴とする(1)~(5) のいずれか1項に記載の銅合金材の製造方法
(8)銅合金を鋳造するにあたって、前記移動鋳 型内面に窒化ホウ素を塗布することを特徴す る(1)~(7)のいずれか1項に記載の銅合金材の製 方法、
(9)前記移動鋳型で鋳造された鋳塊のコーナー 部を、主成分が窒化チタン(TiN)で溶射を施し 切削刃で切削することを特徴とする請求項1 ~7のいずれか1項に記載の銅合金材の製造方法 。

 さらに本発明は、
(10)純銅溶解と添加元素若しくはそれを含有 る母合金溶解を別々に行う工程及びベルト&a mp;ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型 を用いて連続鋳造圧延するまたは縦型連続鋳 造にてスラブ若しくはビレットを鋳造する工 程を有する、析出強化型の銅合金から銅合金 材を製造する銅合金材の製造装置であって、
 純銅溶解炉、Ni若しくはCoの少なくとも一方 およびSi元素またはそれを含有する母合金か Ni、CoまたはNiとCoの合計の含有量が最大80質 量%でSi含有量がNiとCo含有量の合計の0.2から0. 4倍となる高濃度融体を作成する高濃度溶解 、純銅溶湯へ高濃度融体を添加・混合する 合槽を設け、Ni、Co、Si、Ni-Cu母合金、Co-Cu母 金、Si-Cu母合金、Ni-Si-Cu母合金、Co-Si-Cu母合 、Ni-Si母合金、Co-Si母合金、およびNi-Co-Si母 金から選択される元素又は母合金を組み合 せて同時に高濃度溶解炉へ投入し、混合熱 発生下で溶解させ高濃度融体を作成し、純 溶解炉から供給される純銅溶湯に高濃度融 を添加・混合し所定の成分組成を有する合 溶湯とすることを特徴する銅合金材の製造 置。
(11)前記高濃度溶解炉が傾動式であり、高濃 溶解炉の下流側に堰を有する計測樋及び樋 付設した溶湯量測定器を設置し、「予め把 していた炉傾動角度と出湯量との関係」へ 計測樋中の溶湯量から算出される溶湯通過 」をフィードバックさせる制御機構を設け 前記高濃度溶解炉からの高濃度融体の出湯 を制御し、所定量の高濃度融体を純銅溶湯 添加・混合することを特徴とする(10)記載の 合金材の製造装置、
(12)前記高濃度溶解炉が圧力出湯式であり、 濃度溶解炉の下流側に堰を有する計測樋及 樋に付設した溶湯量測定器を設置し、「予 把握していた高濃度溶解炉へのガス注入量 出湯量との関係」へ「計測樋中の溶湯量か 算出される溶湯通過量」をフィードバック せる制御機構を設け、前記高濃度溶解炉か の高濃度融体の出湯量を制御し、所定量の 濃度融体を純銅溶湯に添加・混合すること 特徴とする(10)記載の銅合金材の製造装置、
(13)前記出湯される高濃度融体を純銅溶湯(V:kg /分)に添加・混合する混合槽に気泡攪拌機を け、ガス・バブリングによる総攪拌動力を3 0W/m 3 以上付与し、その混合槽から鋳造スパウトま での総湯溜り質量が9×V(kg)以上であることを 徴とする(11)又は(12)記載の銅合金材の製造 置、
(14)前記出湯される高濃度融体を純銅溶湯(V:kg /分)に添加する混合槽に機械式攪拌装置又は 転脱ガス装置を設け、それにより総攪拌動 を20W/m 3 以上を付与し、その混合槽から鋳造スパウト までの総湯溜り質量が9×V(kg)以上であること 特徴とする(11)又は(12)記載の銅合金材の製 装置、
(15)前記析出強化型の銅合金が、Niを1.0~5.0質 %、Siを0.25~1.5質量%含有し、残部がCuおよび不 可避的な不純物元素から構成されるか、また はNiを1.0~5.0質量%、Siを0.25~1.5質量%含有し、Ag, Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタル よびCrからなる群から選択される少なくとも 1つの元素を0.1~1.0質量%含有し、残部がCuおよ 不可避的な不純物元素から構成されること 特徴とする(10)~(14)のいずれか1項に記載の銅 合金材の製造装置、
(16)前記析出強化型の銅合金が、NiとCoとを合 で1.0~5.0質量%、Siを0.25~1.5質量%含有し、残部 がCuおよび不可避的な不純物元素から構成さ るか、またはNiとCoとを合計で1.0~5.0質量%、S iを0.25~1.5質量%含有し、Ag、Mg、Mn、Zn、Sn、P、 Fe、In、ミッシュ・メタルおよびCrからなる群 から選択される少なくとも1つの元素を0.01~1.0 質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純 物元素から構成されることを特徴とする(10)~( 14)のいずれか1項に記載の銅合金材の製造装
を提供するものである。
 本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適 添付の図面を参照して、下記の記載からよ 明らかになるであろう。

本発明の溶解工程及び連続鋳造圧延工 の一例を示す概略図である。 本発明の溶解工程及び連続鋳造圧延工 の他の例を示す概略図である。 傾動式高濃度溶解炉からの出湯量を制 する方法を示す説明図である。 圧力出湯式高濃度溶解炉からの出湯量 制御する方法を示す説明図である。 高濃度融体の成分と融点との関係を示 グラフである。 溶湯中に設置した電気抵抗を検出する 定器の一例の概略説明図である。 溶湯中に設置した電気抵抗を検出する 定器の他の例の概略説明図である。 攪拌動力と溶湯中のNi分析値の偏差の 係を示すグラフである。 鋳塊と鋳造リングとの熱伝達率の関係 示すグラフである。 鋳塊のバリ発生部の除去位置を示す断 面図である。

 本発明の銅合金線材の製造方法及びその 置の実施形態の種々の例について、添付図 に基づき説明する。尚、各図において同一 素には同一符号を付して重複する説明を省 する。

 まず、本発明の実施形態の前提について 明する。銅及び希薄銅合金をベルト&ホ ール式または双ベルト式の移動鋳型を用い 、連続鋳造圧延する際の鋳型内面にはアセ レンガスを不完全燃焼下で発生させた煤を り返し吹き付け奪熱量の安定化及び鋳型へ 焼付けを防止しておおよそ800℃以上の高温 塊を鋳造し、熱間圧延機にて連続圧延を行 ている。ここで、前記析出強化型の銅合金 連続鋳造圧延においても溶体化状態を維持 る上で、鋳塊温度を高くすることが極めて 要である。鋳塊温度が低い場合には誘導加 装置を用いて熱間圧延機の前または途中で 温を試みている。このことは、本発明者ら 特願2007-146226号等で既に提案済みである。以 下、本発明の実施形態を具体的に説明する。

 図1及び図2は本発明の実施形態の一例を示 もので、ベルト&ホイール式移動鋳型を用 いた連続鋳造の一例の概略図である(後続す 熱間圧延機、焼入れ装置等は図示せず)。図1 及び図2に示すように、シャフト炉1において 料銅を1090~1150℃で溶解させ、純銅溶湯をシ フト炉1から保持炉2へ出湯させた後、保持 2内において1100~1200℃で滞留させながら保持 2内の溶銅を、合流部(混合槽)4へ出湯させる 。保持炉2と合流部4との間に脱酸・脱水素ユ ット3を設けるのが好ましい。
 その後、合流部4にて、傾動式高濃度溶解炉 10(図1)又は加圧式高濃度溶解炉11(図2)から出 した合金元素成分を含む高濃度融体を純銅 湯に添加して、所定の合金組成となるよう 調整する。Ag、Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミ シュ・メタル(MM)およびCrからなる群から選 される少なくとも1つの元素などの単体若し は母合金を溶銅移送工程で別添加しても良 が、より好ましくはこれらを高濃度溶解炉 て同時に溶解する。更に、高濃度溶解炉は1 基で所定量の合金を製造することができるが 、より好ましくは2基以上設置し交互に出湯 ることで大量の合金を製造することができ 。なお、この高濃度溶解炉で溶解される原 にスクラップを使用することは、何ら問題 無い。

 合流部4からの合金溶湯は、フィルター5付 樋6を通って鋳造ポット7内に連続的に移送さ れ、その鋳造ポット7内の合金溶湯を不活性 ス又は還元性ガスでシールされた状態で鋳 スパウト8から回転移動鋳型であるベルト& ;ホイール鋳造機9へ注湯し、凝固させる。こ 凝固した鋳塊の温度をできるだけ低下させ い状態(好ましくは900℃以上、この鋳塊の温 度の上限値には特に制限はないが、通常950℃ 以下である。)で、連続熱間圧延機(図示せず) で所定の線径まで圧延を行い、焼入れを施し 、ほぼ溶体化状態の銅合金材を製造すること ができる。この銅合金材は、線材に限らず、 条材、板材等の任意の形状とすることもでき る。
 なお、上記脱酸処理は周知の方法、例えば 熱化した木炭と溶湯を接触させる方法で行 。この方法では、溶湯中の酸素は粒状木炭 反応して、炭酸ガスとなり、溶湯中を浮上 、放出される。脱水素処理は周知の方法、 えば溶湯を非酸化ガス、不活性ガス又は還 ガスと接触させて行うことができる。脱水 は、脱酸処理後に行っても、脱酸処理と同 に行ってもよい。

 また、縦型連続鋳造機並びにSCR等のベルト& amp;ホイール式及びContirodなど双ベルト式の移 動鋳型を有する連続鋳造機の鋳造能力と同等 な溶解能力を持つ溶解炉を備えることで中断 することなく長時間の連続鋳造が可能となる 。例えば、SCRでは専ら15~50トン/時の鋳造能力 を有しており、これと同等な電気溶解炉を有 することは大変大きな設備投資が必要である 。また、全てを電気で溶解する場合には溶解 原単位も悪く、加工費増大やCO 2 排出増大などのデメリットが発生する。その ために、銅合金の溶銅を得る上で、屑リサイ クル分を除く銅分相当分をガス炉(反射炉・ ャフト炉)で溶解することで溶解原単位の改 を図ることができる。

 また、添加元素については、専用の電気溶 炉である高濃度溶解炉(図1の10、図2の11)に 溶解を行い、高濃度融体を得る。
 本発明において、高濃度溶解炉、高濃度融 等における「高濃度」とは、Ni、CoまたはNi Coの合計の含有量が最大80質量%で、残りをSi 等が占め、Si含有量がNi、CoまたはNiとCoの合 の含有量の0.2から0.4倍であることをいう。 限としては、工業的には特に制約は無いが 経済的には鋳塊成分の5倍以上であることが ましい。
 NiまたはCoの少なくとも一方およびSiを含有 る高濃度融体を製造する際には、Ni、Co、Si Ni-Cu母合金、Co-Cu母合金、Si-Cu母合金、Ni-Si-C u母合金、Co-Si-Cu母合金、Ni-Si母合金、Co-Si母 金、およびNi-Co-Si母合金から選択される元素 又は母合金を組み合わせて同時に高濃度溶解 炉に添加する。さらに、析出強化型の銅合金 は、Ag、Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・ メタル(MM)およびCrからなる群から選択される 少なくとも1つの元素を含有していても良い で、これを高濃度融体に含有するようこの 解炉に加えても良い。
 高濃度溶解炉内で高濃度融体を製造する際 約1100℃以上に加熱すると急激な混合熱が生 成し、局所的に1600℃以上にもなる。この熱 隣接するSi等にも伝播して熱膨張により表面 酸化膜が破壊されて容易に溶解が進んでいく 。このことから、Siの還元処理などが不要と り安価なSiが使用できる。また、この混合 が連鎖的に周辺のNiやSiの溶解に利用される とで大幅な省エネルギーで溶解が可能とな 。
 上記元素又は母合金が完全に溶解した後に 分調整を行い、その後、高濃度融体を出湯 、純銅溶湯とブレンドすることで析出強化 の合金溶湯の製作を行うことができる。

 この高濃度融体の成分のNi、CoまたはNi+Co 含有量は高濃度融体全量の最高80質量%とし 残りをSi等が占めるが、Si含有量がNi、Coま はNi+Coの含有量の0.2倍から0.4倍が好ましい。 但し、湯流れ性を考慮すると、Ni、CoまたはNi +Coの含有量は60質量%以下、残りをSi、銅及び の他添加元素が望ましい。また、屑のリサ クルを図る上でこの溶解炉を活用する場合 は、Niは20~40質量%、Siは5~11質量%、残り銅及 その他添加元素が望ましい。

 この高濃度融体を高濃度溶解炉から出湯 る際において、その出湯量の制御の精度向 のために、(1)その下流の合流部(混合槽)ま に三角堰又は四角堰のような堰を設けた計 樋を設置し、その堰を乗り越えて融体が流 ていくようにし、樋内を通過する溶湯量を 用する、(2)その高濃度融体と純銅溶湯とが 流する合流部において、機械攪拌又は気泡 拌により攪拌動力を与えて均一化し、高濃 融体と純銅溶湯が均一に混合した合金溶湯 電気抵抗値を合金溶湯の構成元素の成分組 の代用特性として利用する。この2つの値を いて高濃度融体の出湯量制御へのフィード ックとする。

 出湯し、計測樋12中の溶湯量はどのような 段で求めても良いが、例えば図3に示すよう ロードセル又は図4に示すような液面レベル 計での計測値に基づいて知ることができる。 この溶湯量から日本工業規格(JIS)K0094の8に該 する方法等によって溶湯通過量を算出する 傾動式高濃度溶解炉の傾動角度とそこから 出湯量の関係はこれまでの操業実績から、 め把握することができる。また、圧力出湯 高濃度溶解炉への加圧ガス注入量とそこか の出湯量の関係はテスト操業により、予め 握することができる。
 また、合金溶湯の電気抵抗については、事 に各種の成分比率に調整された高濃度融体 純銅溶湯に添加し、電気抵抗を計測するこ で、合金溶湯の電気抵抗値で銅合金の成分 成の把握ができる。合金溶湯はNiまたはCoの 少なくとも一方およびSiを含有することから これらの成分組成と電気抵抗値との関係は 線性が強いからである。

 図3に示すように、制御機構を介して計測 樋12に付設したロードセルと傾動式高濃度溶 炉10の傾動角度変更機構と接続し、フィー バック制御によりロードセルで得られる値 傾動角度(θ)を変更し、高濃度溶解炉からの 湯量を制御する。あるいは、前記と同様に 図4に示すように、制御機構を介して計測樋 12に付設した液面レベル計と加圧式高濃度溶 炉11の加圧ガス注入量変更機構と接続し、 ィードバック制御により液面レベル計で得 れる値でガス注入量を変更し、高濃度溶解 からの出湯量を制御することもできる。な 、構造物が増える為に、好ましくは無いが 濃度溶解炉から出湯された高濃度融体をト ベ等に溜め、ニードル・バルブやスライデ ング・ゲートなどで流量制御を施すことも 題ない。

 また、図3、4に示すように、制御機構を介 て合流部(混合層)に付設した電気抵抗検出用 の測定器13と傾動式高濃度溶解炉10の傾動角 変更機構又は加圧式高濃度溶解炉11の加圧ガ ス注入量変更機構と接続し、フィードバック 制御により抵抗値で傾動角度(θ)又はガス注 量を変更し、高濃度溶解炉からの出湯量を 御することもできる。なお、電気抵抗検出 の測定器13を合流部(混合層)に付設するのに えて、図6、図7に示すように合金溶湯の流 する樋6に付設して、同様に抵抗値をフィー バックし、高濃度溶解炉からの出湯量を制 してもよい。
 さらに、計測樋12中の溶湯量に基づくフィ ドバック制御と電気抵抗値に基づくフィー バック制御とを併用して高濃度溶解炉から 出湯量を制御することもできる。

 フィードバック制御機構は、傾動式高濃 溶解炉10の傾動サイクル時間内で、計測樋12 で測定される重量若しくは体積から通過重量 を測定・積算する。この重量が所定重量と乖 離する場合には、次回の炉傾動量を増加若し くは減少すべく炉の傾動装置の稼動量を変更 する。なお、ここで炉の傾動を制御する為の 関係式は、炉傾動角度と炉内高濃度融体の出 湯量の関係を予め数学的に算出して求めてお く。次に、傾動サイクル時間の2倍以上の期 に測定器13で検出された電気抵抗から成分を 算出したものを平均化し、その値が目標値と 乖離する場合には、次回の炉傾動量を増加若 しくは減少すべく炉の傾動装置の稼動量を変 更する。

 図6及び図7に溶湯中の電気抵抗の検出用 測定器の形態の一例について示す。図6は、 定器13のうち検出部13aの構造が一端閉とな ている円筒状のものであり、図7は、溶融金 の流れの経路自体(たとえば樋6の一部)を測 器13にしたものである。図7の14は測定器13の 構造物でアルミナのような絶縁性に優れる耐 火材であるが、必ずしも焼成品(アルミナ管 石英管等)である必要はない。このような溶 中の電気抵抗は直流電流若しくはパルス電 を用いた4端子法で測定することが望ましい が、渦電流を用いて測定しても良い。測定器 13は合流部4に付設してもよく、合金溶湯の流 れる樋6に付設してもよい。ここで、銅合金 アルミニウムとは異なり高温であり電圧印 用端子並びに電流測定用端子及びその絶縁 などの設置を考慮すると、電流の経路断面 直径は8mm以上が好ましく、より好ましくは15 mm以上であると安定して長時間測定すること 可能となる。この経路断面の直径の上限値 は特に制限はないが、通常20mm以下である。 合金溶湯はNiまたはCoの少なくとも一方およ Siを含有し、これらの成分組成と電気抵抗値 との関係は直線性が強く、十分に電気抵抗値 からフィードバックし、高濃度融体の出湯量 を制御することができることが判明した。な お、図6の電気抵抗の検出用の測定器では、 定器内の合金溶湯を入れ替えるために窒素 スなどの不活性ガスによる加圧・減圧を周 的に行う。

 ここで合流部を攪拌するのは、(1)2種類の溶 湯を混合し測定される電気抵抗値が溶湯全体 の値を表すことと、(2)酸素との親和力の強い Siなどが純銅溶湯中の酸素と結合して酸化膜 形成するが、これを破壊することを目的と ている。特に、上記(1)のために、ガス・バ リングを行なうが、30W/m 3 以上の総攪拌動力が必要であり、より好まし くは100W/m 3 以上が良く、多くても400W/m 3 程度までである。ここで言うガス・バブリン グによる総攪拌動力(ε:W/m 3 )は、「森、佐野ら、『鉄と鋼』、Vol.67(1981)P. 672-695」にて報告されている下記の式(1)から 出した。

 また、機械攪拌では、20W/m 3 以上の総攪拌動力が必要であり、より好まし くは100W/m 3 以上が良く、多くても400W/m 3 程度である。ここでの総攪拌動力は下記の式 (2)から算出した。

 このように攪拌動力を付与することで、純 溶湯に添加時に生成する高濃度融体の表面 酸化膜は破壊される。高濃度融体を添加す 前の純銅溶湯中の酸素を脱酸処理にて10ppm 下にすることが望ましいが、攪拌動力を付 することで、事前の脱酸処理を施さずに酸 濃度300ppm以下であれば安定したブレンドが 能である。このことから更に小型設備を構 することができる。
 この合流部(混合槽)から鋳造機スパウトま の総湯溜り量(kg)を混合前の純銅溶湯量(V:kg/ )の9倍以上とすることで、高濃度融体の添 が間欠出湯であっても安定した成分・組成 合金溶湯を作成することができるが、更に ましくは15倍以上にすることでより成分変動 が小さくなるが、多くても25倍程度である。

 次に、本発明の銅合金材の製造方法及び製 装置に使用する析出強化型銅合金について 細に説明する。ここで、代表例として以下 コルソン合金(Cu-Ni-Si系銅合金)について示す が、析出強化型銅合金であれば他の合金系に ついても同様に採用することができる。
 本発明の製造方法及び製造装置により得ら る合金材はコルソン系銅合金等の析出強化 合金からなる。例えば、コルソン系銅合金 、Niを1.0~5.0質量%、Siを0.25~1.5質量%含有し、 部がCuおよび不可避的な不純物元素を含有 るものが一般的である。また、コルソン系 合金のNiの一部または全部をCoで置換した銅 金も同様に取り扱われる。

 Ni(またはNiとCoの含有量の合計)を1.0~5.0質量% に規定する理由は、強度を向上させるため、 及び連続鋳造圧延工程のうち圧延工程の中間 または圧延工程の直後の銅合金材の中間材に ついて焼入れを行った場合に溶体化処理後の 状態(溶体化状態)若しくはそれに近い状態の 合金材を得られるようにするためである。N i(またはNiとCoの含有量の合計)が1.0質量%未満 は十分な強度が得られず、5.0質量%を超える と、圧延工程の中間または圧延工程の直後に 焼入れを行っても溶体化状態若しくはそれに 近い状態にすることが困難となる。Ni(または NiとCoの含有量の合計)は、好ましくは1.5~4.5質 量%、より好ましくは1.5~2.0質量%である。
 また、Siを0.25~1.5質量%に規定する理由は、Ni とCoとの化合物を形成して強度を向上させる と、及び上記Niと同様に、圧延工程の中間 たは圧延工程の直後の銅合金材の中間材に いて焼入れを行った場合に溶体化状態若し はそれに近い状態の銅合金材を得られるよ にするためである。0.25質量%未満では十分な 強度が得られず、1.5質量%を超えると、圧延 程の中間または圧延工程の直後に焼入れを っても溶体化状態若しくはそれに近い状態 することが困難となる。Siの含有量は、好ま しくは0.35~1.25質量%、より好ましくは0.35~0.65 量%である。

 さらに、前記の銅合金は、Ag、Mg、Mn、Zn Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタル(MM)およびCr らなる群から選択される少なくとも1つの元 素を0.01~1.0質量%含有していても良い。これら の金属元素が0.01~1.0質量%含有されていると、 強度が優れるためである。0.01質量%未満では の効果が十分現れず、1.0質量%を超えると、 圧延工程の中間または圧延工程の直後の銅合 金材の中間材について焼入れを行った場合に 溶体化状態若しくはそれに近い状態にするこ とが困難となる。これらの元素の含有量は、 好ましくは0.02~0.8質量%、より好ましくは0.05~0 .2質量%である。

 前述の析出強化型の銅合金に連続鋳造圧 を行う上で、従来技術のように高温鋳塊を 出する為に移動鋳型内面にアセチレンガス 不完全燃焼下で発生させた煤を繰り返し吹 付け煤の固着層の形成を試みた。しかし、 成分であるSiと煤とが反応してこの層が形 できなかった。そのために、本実施形態で 、移動鋳型内面に窒化ホウ素(ボロン・ナイ ライド:BN)を塗布若しくはスプレーすること により誘導加熱を施すことなく800℃以上の高 温鋳塊を安定的に鋳造できるように鋳型内面 に10μm以上、より好ましくは50μm以上の断熱 を形成させる。その結果、鋳塊と鋳造リン との接触面での熱伝達率は図9に示すように 減し、高温鋳塊を製出することができた。 の断熱層の厚みの上限値には特に制限はな が、通常60μm以下である。

 前述の析出強化型の銅合金をベルト& イール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を いて連続鋳造した際、ベルトと銅ブロック の接触部位に僅かなバリが発生する。この リを切削する切削刃に固着物(焼付き)が固着 するのを防止する為に、切削刃に窒化チタン (TiN)を主成分とする溶射を2μm以上、より好ま しくは5μm以上の厚さで施したものを使用す のが好ましい。この溶射の厚さの上限値に 特に制限はないが、通常50μm以下である。TiN を主成分とする溶射層を形成した切削刃は、 鋳塊の固着が少なく、安定してバリの除去が できる。

 本発明によれば、既存のSCRやContirodなどの 動鋳型を有する工場でも、溶解設備の小型 で設備投資も小さくなる。そして、溶解炉 得られた純銅溶湯の移送工程において連続 若しくは間歇的に高濃度融体(Ni、Co、Si等を 有)を添加し、大量に安価に簡便に所望の成 分組成を有する析出強化型の合金溶湯を安定 的に製作することができる。また、その添加 をフィードバック制御で行うことで、合金溶 湯をさらに安定的に製作することができる。
 そしてSiなどの使用原料も大きな制限を設 る必要が無く安価な原料の使用が可能であ 、混合熱の利用で省エネルギーができ溶解 単位を低減できる。また、溶湯移送工程に ける炉洗い等が極めて少なくて済み、品種 更などが容易である。
 また、鋳造時の冷却条件の最適化により誘 加熱を施すことなく高温鋳塊を用いて溶体 状態の荒引線を得ることができ、省エネル ーができ溶解原単位を低減できる。更に、 面品質に優れた銅合金材を安定的に製造す ことができる。
 このように析出強化型の銅合金材を短時間 大量かつ低コストで製造でき安定的に供給 きる。その結果の一例として、従来に比べ 価なワイヤーハーネスを大量に供給するこ ができる。

 以下に、本発明を実施例に基づいてさら 詳細に説明するが、本発明はこれに制限さ るものではない。

 20トン/時の鋳造能力を有するSCR(連続鋳造圧 延装置)でコルソン合金線材の連続鋳造圧延 実施した。高濃度融体を高濃度溶解炉とし 3トンのコアレス炉2基を用いて交互出湯する ことで完全連続鋳造を実施した。ここで使用 するコアレス炉に使用する耐火材は銅合金の 溶解で使用する一般的なものである。
 原料にはNi板とSi塊と20%Si-Cuを用いて、図5に 示すような関係を利用してNi:50質量%、Si:13質 %、残部銅となる高濃度融体(融点:1110℃)を 成した。溶解は予め、20%Si-Cuを溶解し、その 後Ni板とSi塊を一緒に投入した。混合熱によ 目も眩むばかりの光が発生し、投入原料は 気に溶解した。このように、ガスによるシ フト炉及び電気による高濃度溶解炉で原料 溶解することで、Cu、Ni、20%Si-Cu、Si各々を一 般的な溶解手順によりコアレス炉で溶解する 際のエネルギーの総和に対して、溶解エネル ギーを約14%節約することができた。
 この高濃度溶解炉で溶解後にボタンサンプ を採取し、このサンプルを蛍光X線分析し、 目標組成となるように調整を施した。なお、 ここで採取されたサンプルにはNi X Si Y の金属間化合物が多く含有されており、この ような高濃度材を伸線してワイヤーにするこ とは不可能であり、特開2002-86251号公報(特許 献4)に記載された技術を採用することはで ないと判断された。

 次に、このコアレス炉から傾動制御にて高 度融体の出湯を行った。予め、炉内形状か 傾動角度と出湯量の関係は把握しておき、 の関係式に則って30秒/サイクル(出湯・停止 )の間隔で8.7kg/回(=鋳造レート×目標成分í高 度融体中の成分í単位時間当りのサイクル数 )の出湯を施した。しかし、炉壁へのノロの 着により、予め把握しておいた出湯量とは なる出湯量となった。そのために、この下 側にロードセルの上に設置した計測樋に三 堰を設けて、この質量測定を行った。この をオーバー・フローする瞬間の樋の全質量 ゼロとみなし、それからの増加量からサイ ル毎の溶湯通過質量の試算を行った。
 この出力結果から特に出湯の後期において 湯量が減少する傾向が見られ、不足分を次 のサイクルの傾動時間へフィードバックし 不足分の補正を行った。このフィードバッ 制御によって、安定した成分を得ることが きた。

 しかし、上記の樋の三角堰の部分にノロが 着し、鋳塊の合金成分が低下する事例が一 でみられた(発生頻度(=異常発生ロットí全 造ロット):6%)。この異常を補正するために、 高濃度融体と純銅溶湯との混合部(合流部4)に 300kgの湯溜りを設置し、この湯溜り部の炉床 ポーラス・プラグから窒素ガス:10リッター/ 分を吹込み、108W/m 3 の攪拌動力を与えた。この合流部4の湯溜り 4端子法で測定するための電極4本を設置し、 その抵抗測定の結果からを稀に発生する異常 を早期検出し、そのフィードバック制御を行 い異常発生の防止を行った。
 本実施例では、合流部4の湯溜りの上部から 内径φ16mmのアルミナ管を用いた測定器13の検 部13aを浸漬させ、5秒間隔で管内に窒素ガス による加圧及び排気(大気圧に戻す)を繰り返 ことで、検出部13a内の合金溶湯の入替えを った。なお、このアルミナ管は、その他の 縁特性に優れる耐火材(例えば、石英管)を 用しても何ら問題はない。特開昭59-171834号 報(特許文献6)に記載された技術のように最 直径φ5mmでは吸引が必要となり、計測器の構 成・保守が複雑になるが、この測定器13は加 のみで済むことから簡便な取り扱いができ 。
 これらの組合せによって、Ni:2.6質量%、Si:0.6 5質量%含有のコルソン合金の荒引線(φ8mm)を安 定に製造(20トン/時)することができた。

 この高濃度融体と純銅溶湯の合流部の下流 、計測樋での溶湯通過質量による出湯量制 はオン、電気抵抗によるフィードバックを フとして、ガス・バブリングによる攪拌動 を変化させて溶湯から分析用サンプルを採 ・分析を行った。その結果を図8に示すが、 攪拌動力が30W/m 3 を下回る条件下ではNi分析値の偏差(最高濃度 -最低濃度)が大きくなり不十分であるが、こ 実施例の条件では十分安定している結果を た。
 この線材の連続操業を実施している際に、 間圧延時の冷却装置が故障し所定量以上の 却水が噴霧された。そのために、焼入れ温 が低下し、析出が進んだ荒引線が得られた この部分の導電率は35%と通常部分の22%と大 く乖離した値となり、特開昭58-65554公報(特 文献5)に記載された制御技術では管理でき いことが判明した。

 鋳造リング内面に対向するようにスプレー ズル3本を設置し、鋳造ベルトに対向してス プレーノズル1本を設置し、窒化ホウ素をス レーし安定層の形成を行った。アセチレン 完全燃焼下で作成した煤では690℃の鋳塊が 出されたが、窒化ホウ素を塗布することで83 5℃の鋳塊を得ることができた。この際の安 層は75μmであった。
 また、例えば、図1、図2図示される移動鋳 9とそれに後続する図示しない圧延機との間 、鋳塊15のバリを除去する図示しないバリ 去器を設けてもよい。このバリ除去器の切 刃に窒化チタンを主成分とする溶射を15μm施 した刃を使用し、図10に示すように、鋳塊15 コーナー部のバリ16を切削により除去した。 5時間もの連続鋳造を行っても切削刃には固 物は生成せず、安定してバリを除去するこ ができた。

 自動車用ワイヤーハーネスやロボット用 ーブルやその他の信号用線などの析出強化 の銅合金材若しくはコネクタ等の電気電子 品用の析出強化型の銅合金材を短時間に大 かつ低コストで製造でき安定的に供給でき 。

 本発明をその実施態様とともに説明した 、我々は特に指定しない限り我々の発明を 明のどの細部においても限定しようとする のではなく、添付の請求の範囲に示した発 の精神と範囲に反することなく幅広く解釈 れるべきであると考える。

 本願は、2007年11月30日に日本国で特許出 された特願2007-311616および2008年11月27日に日 国で特許出願された特願2008-302814に基づく 先権を主張するものであり、これらはいず もここに参照してその内容を本明細書の記 の一部として取り込む。