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Title:
PROCESS FOR MANUFACTURING SEAMLESS PIPE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/111670
Kind Code:
A1
Abstract:
A process for manufacturing a seamless pipe, in which any thermal seizure likely to occur on the external surface of the pipe in the stretch rolling step by means of a mandrel mill can be effectively prevented. The process for manufacturing a seamless pipe is characterized by including the steps of carrying out stretch rolling of a pipe by means of the first to third rolling stands satisfying the requirements of the following formulae (1) to (3). Groove perimeter of 1st rolling stand/length of pipe outer circumference at entrance side of 1st rolling stand≥0.92 (1) Groove perimeter of 2nd rolling stand/groove perimeter of 1st rolling stand≥0.95 (2) Groove perimeter of 3rd rolling stand/groove perimeter of 2nd rolling stand≥0.95 (3).

Inventors:
NAKAIKE KOUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054714
Publication Date:
September 18, 2008
Filing Date:
March 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO METAL IND (JP)
NAKAIKE KOUJI (JP)
International Classes:
B21B17/02; B21B27/02
Foreign References:
JP2006272340A2006-10-12
JPH0857506A1996-03-05
JP2003010907A2003-01-15
Attorney, Agent or Firm:
OHNAKA, Minoru (3-6 Minamisemba 2-chome,Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka 81, JP)
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Claims:
 対向する2つの孔型ロールがそれぞれ配設された複数の圧延スタンドを備えるマンドレルミルによって管を延伸圧延する工程を有する継目無管の製造方法であって、
 配設された2つの孔型ロールによって決定される孔型周長が下記の式(1)の条件を満足する第1圧延スタンドで管を延伸圧延する工程と、配設された2つの孔型ロールによって決定される孔型周長が下記の式(2)の条件を満足する第2圧延スタンドで管を延伸圧延する工程と、配設された2つの孔型ロールによって決定される孔型周長が下記の式(3)の条件を満足する第3圧延スタンドで管を延伸圧延する工程とを含むことを特徴とする継目無管の製造方法。
第1圧延スタンドの孔型周長/第1圧延スタンド入側の管外周長≧0.92・・(1)
第2圧延スタンドの孔型周長/第1圧延スタンドの孔型周長≧0.95・・(2)
第3圧延スタンドの孔型周長/第2圧延スタンドの孔型周長≧0.95・・(3)
 管のCr含有量が8.0重量%以上であり且つNi含有量が1.0重量%以上である場合に、前記第1圧延スタンドの孔型周長が下記の式(1)’の条件を満足し、前記第2圧延スタンドの孔型周長が下記の式(2)’の条件を満足し、前記第3圧延スタンドの孔型周長が下記の式(3)’の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の継目無管の製造方法。
第1圧延スタンドの孔型周長/第1圧延スタンド入側の管外周長≧0.94・・(1)’
第2圧延スタンドの孔型周長/第1圧延スタンドの孔型周長≧0.96・・(2)’
第3圧延スタンドの孔型周長/第2スタンドの孔型周長≧0.96・・(3)’
Description:
継目無管の製造方法

 本発明は、継目無管の製造方法に関する 特に、本発明は、マンドレルミルによる延 圧延工程で管の外面に生じ易い焼き付きを 果的に防止することができる継目無管の製 方法に関する。

 マンドレルミルとして、従来より、対向 る2つの孔型ロールが各圧延スタンドに配設 され、隣接する圧延スタンド間で孔型ロール の圧下方向を90°ずらして交互に配置した2ロ ル式のマンドレルミルがよく用いられる。

 このマンドレルミルによる管の延伸圧延 程では、延伸圧延された管の外面に焼き付 が生じる場合がある。この現象は、後述す ように、圧延スタンドの孔型周長に関係す 。

 従来、圧延スタンドの孔型周長を規定し マンドレルミルによる延伸圧延方法として 日本国特許第2582705号公報や日本国特許第371 6763号公報に記載の方法が提案されている。 かしながら、これらの公報に記載の方法は 管内面からマンドレルバーが引き抜けなく るストリッピングミスや、管の内面疵の発 を防止することを目的としてなされたもの あるため、これらの公報に記載の方法では 延伸圧延工程で生じる管の外面の焼き付き 防止することはできない。

 本発明は、斯かる従来技術では解決でき い、マンドレルミルによる延伸圧延工程で の外面に生じ易い焼き付きを効果的に防止 ることができる継目無管の製造方法を提供 ることを課題とする。

 前記課題を解決するため、本発明者は、 伸圧延された管の外面に焼き付きが生じる 因を分析して、以下のような知見を得た。

 (1)延伸圧延中の管における孔型ロールの 底部に対向する部位は、大きく圧下される め、管の長手方向に大きく延伸される。こ に対し、延伸圧延中の管における孔型ロー のフランジ部に対向する部位は、ほとんど 下されない。このフランジ部に対向する部 は、溝底部に対向する部位に作用する引張 の影響を受けて延伸されるが、その量は小 い。従って、孔型ロールのフランジ部に対 する部位の管長手方向の速度は、溝底部に 向する部位の管長手方向の速度よりも小さ 。一方、孔型ロールのフランジ部における 型ロールの外径は、溝底部における孔型ロ ルの外径よりも大きいため、孔型ロールの ランジ部の周速は、溝底部の周速よりも大 い。

 (2)孔型ロールの回転数は、一般的に、孔 ロールの溝底部の周速と、延伸圧延中の管 おける孔型ロールの溝底部に対向する部位 管長手方向の速度とのバランスを考慮して 定(例えば、孔型ロールの溝底部の周速と、 溝底部に対向する管の部位の管長手方向の速 度との差が小さくなるように設定)される。 のため、孔型ロールのフランジ部の周速と 延伸圧延中の管における孔型ロールのフラ ジ部に対向する部位の管長手方向の速度と 、大きく相違する場合がある。

 (3)この孔型ロールのフランジ部の周速と ランジ部に対向する管の部位の管長手方向 速度との差は、圧延スタンドに配設された 型ロールのフランジ部に延伸圧延中の管が み出す量が多くなる場合に顕著となる。そ て、このフランジ部に噛み出した延伸圧延 の管の部位に焼き付きが生じ易い。

 (4)この焼き付きの原因となる上記の速度 (孔型ロールのフランジ部の周速と、フラン ジ部に対向する管の部位の管長手方向の速度 との差)を小さくするために、孔型ロールの 転数を一般的な設定値(前述のように、孔型 ールの溝底部の周速と、延伸圧延中の管に ける孔型ロールの溝底部に対向する部位の 長手方向の速度とのバランスを考慮した設 値)よりも小さく設定することが考えられる 。しかしながら、孔型ロールの回転数を小さ く設定し過ぎると、孔型ロールの溝底部に対 向する管の部位での肉溜まり現象(管が孔型 ールに噛み込まない現象)が顕著になる。こ ため、フランジ部に対向する管の部位での き付きと、溝底部に対向する管の部位での 溜まり現象との双方を防止し得るような中 の値に孔型ロールの回転数を調整する必要 ある。しかし、孔型ロールのフランジ部へ 管の噛み出し量が多いような条件では、孔 ロールの回転数の調整に関わらず上記の速 差が顕著となるため、孔型ロールの回転数 調整では、依然としてフランジ部に対向す 管の部位での焼き付きを防止することがで ない。

 (5)従って、上記の原因によって発生する 外面の焼き付きを防止するには、圧延スタ ド入側での管の外周長に対する該圧延スタ ドの孔型周長の比を所定値以上の適切な値 設定して、孔型ロールのフランジ部への管 噛み出し量を低減する必要があることに想 した。

 本発明者は、上記の知見に基づき、更に 討した結果、特にマンドレルミルの前段に 置する圧延スタンド(前段圧延スタンド)の 型周長と、圧延スタンド入側での管の外周 との比を所定値以上に設定すれば、管外面 焼き付きを効果的に防止できる可能性があ ことに想到した。

 また、マンドレルミルの前段圧延スタン の内、マンドレルミル入側から数えて第2番 目以降の圧延スタンドでは、圧延スタンド入 側の管の断面が楕円になっている等の影響に より、孔型ロールの溝底部への管の接触状態 が不均一になる。この結果、孔型ロールのフ ランジ部への管の噛み出し現象の発生の有無 、及びその噛み出し量(延伸圧延する管毎、 たは、1本の管における長手方向の噛み出し )の予想が困難であることを見出した。この ため、管外面の焼き付きを確実に防止するに は、第2番目以降の圧延スタンドでは、圧延 タンドの孔型周長と該圧延スタンド入側で 管の外周長との比を第1番目の圧延スタンド りも大きくする必要があることに想到した

 そこで、本発明者は、種々の条件で圧延 験を繰り返した結果、延伸圧延中の管外面 焼き付きを生じさせないための、前段圧延 タンドの孔型周長と該圧延スタンド入側で 管の外周長との比の最適な条件を見出し、 発明を完成したものである。

 すなわち、本発明は、対向する2つの孔型ロ ールがそれぞれ配設された複数の圧延スタン ドを備えるマンドレルミルによって管を延伸 圧延する工程を有する継目無管の製造方法で あって、
 配設された2つの孔型ロールによって決定さ れる孔型周長が下記の式(1)の条件を満足する 第1圧延スタンドで管を延伸圧延する工程と 配設された2つの孔型ロールによって決定さ る孔型周長が下記の式(2)の条件を満足する 2圧延スタンドで管を延伸圧延する工程と、 配設された2つの孔型ロールによって決定さ る孔型周長が下記の式(3)の条件を満足する 3圧延スタンドで管を延伸圧延する工程とを むことを特徴とする継目無管の製造方法を 供するものである。
第1圧延スタンドの孔型周長/第1圧延スタンド 入側の管外周長≧0.92・・(1)
第2圧延スタンドの孔型周長/第1圧延スタンド の孔型周長≧0.95・・(2)
第3圧延スタンドの孔型周長/第2圧延スタンド の孔型周長≧0.95・・(3)

 なお、本発明における「第1圧延スタンド 」とは、マンドレルミル入側から数えて第1 目の圧延スタンドを意味する。同様に、本 明における「第2圧延スタンド」、「第3圧延 スタンド」とは、それぞれマンドレルミル入 側から数えて第2番目、第3番目の圧延スタン を意味する。本発明における「孔型周長」 意味については、図面を参照して後述する

 ここで、管がCr含有量8.0重量%以上のCr鋼 ある場合、外面にスケールが生成され難く 且つ、生成されたスケールと母材との密着 が高い。さらに、管がこのCr鋼にNiが1.0重量% 以上含有されたNi-Cr鋼である場合、外面に生 されたスケール中にNiが金属粒子として存 することになる。従って、管が一般的な炭 鋼である場合には、孔型ロールのフランジ と炭素鋼の外面に生成されたスケールとが 触することにより焼き付きが抑制されるの 対して、管がNi-Cr鋼である場合には、孔型ロ ールのフランジ部とNiとが接触する金属同士 接触になるため、焼き付きが生じ易い。従 て、本発明者は、特に管がNi-Cr鋼である場 には、焼き付きを確実に防止するために、 が他の炭素鋼等である場合に比べて、圧延 タンドの孔型周長と該圧延スタンド入側で 管の外周長との比をより一層大きくする必 があることも見出した。そこで、本発明者 、管がNi-Cr鋼である場合について、種々の条 件で圧延試験を繰り返した結果、前記比の好 適な下限値を求めた。

 すなわち、管のCr含有量が8.0重量%以上であ 且つNi含有量が1.0重量%以上である場合に、 記第1圧延スタンドの孔型周長が下記の式(1) ’の条件を満足し、前記第2圧延スタンドの 型周長が下記の式(2)’の条件を満足し、前 第3圧延スタンドの孔型周長が下記の式(3)’ 条件を満足することが好ましい。
第1圧延スタンドの孔型周長/第1圧延スタンド 入側の管外周長≧0.94・・(1)’
第2圧延スタンドの孔型周長/第1圧延スタンド の孔型周長≧0.96・・(2)’
第3圧延スタンドの孔型周長/第2スタンドの孔 型周長≧0.96・・(3)’

 本発明によれば、マンドレルミルによる 伸圧延工程で管の外面に生じ易い焼き付き 効果的に防止することが可能である。

図1は、孔型周長の定義を説明するため の説明図である。 図2は、マンドレルミルの第1圧延スタ ド~第3圧延スタンドの孔型周長を種々の値に 設定して延伸圧延した結果の一例を示す表で ある。

 以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発 に係る継目無管の製造方法の一実施形態に いて説明する。

 前述のように、本発明に係る継目無管の製 方法は、配設された2つの孔型ロールによっ て決定される孔型周長が下記の式(1)の条件を 満足する第1圧延スタンドで管を延伸圧延す 工程と、配設された2つの孔型ロールによっ 決定される孔型周長が下記の式(2)の条件を 足する第2圧延スタンドで管を延伸圧延する 工程と、配設された2つの孔型ロールによっ 決定される孔型周長が下記の式(3)の条件を 足する第3圧延スタンドで管を延伸圧延する 程とを含む方法であり、これにより、延伸 延工程で管の外面に生じ易い焼き付きを効 的に防止可能である。
第1圧延スタンドの孔型周長/第1圧延スタンド 入側の管外周長≧0.92・・(1)
第2圧延スタンドの孔型周長/第1圧延スタンド の孔型周長≧0.95・・(2)
第3圧延スタンドの孔型周長/第2圧延スタンド の孔型周長≧0.95・・(3)

 また、本発明に係る継目無管の製造方法は 管が一般的な炭素鋼等と比べて焼き付きが じ易いNi-Cr鋼(すなわち、管のCr含有量が8.0 量%以上であり且つNi含有量が1.0重量%以上)で ある場合に、下記の式(1)’~式(3)’に示すよ に、マンドレルミルの第1圧延スタンド~第3 延スタンドの孔型周長と、各圧延スタンド 側での管の外周長との比を所定値以上に設 して管を延伸圧延する工程を含み、これに り、延伸圧延工程で管の外面に生じ易い焼 付きを効果的に防止可能である。
第1圧延スタンドの孔型周長/第1圧延スタンド 入側の管外周長≧0.94・・(1)’
第2圧延スタンドの孔型周長/第1圧延スタンド の孔型周長≧0.96・・(2)’
第3圧延スタンドの孔型周長/第2スタンドの孔 型周長≧0.96・・(3)’

 式(1)及び(1)’は、第1圧延スタンドの孔型 周長と、第1圧延スタンド入側での管の外周 との比を所定値(式(1)の場合は0.92、式(1)’の 場合は0.94)以上に設定することを意味する。 (2)及び(2)’は、第2圧延スタンドの孔型周長 と、第1圧延スタンドの孔型周長(第2圧延スタ ンド入側での管の外周長に相当)との比を所 値(式(2)の場合は0.95、式(2)’の場合は0.96)以 に設定することを意味する。すなわち、式( 2)及び(2)’は、第2圧延スタンドの孔型周長と 、第2圧延スタンド入側での管の外周長との を直接規定したものではなく、第2圧延スタ ド入側での管の外周長を、これと略等しい 考えられる第1圧延スタンドの孔型周長に置 き換えて規定したものである。式(3)及び(3)’ は、第3圧延スタンドの孔型周長と、第2圧延 タンドの孔型周長(第3圧延スタンド入側で 管の外周長に相当)との比を所定値(式(3)の場 合は0.95、式(3)’の場合は0.96)以上に設定する ことを意味する。すなわち、式(3)及び(3)’は 、第3圧延スタンドの孔型周長と、第3圧延ス ンド入側での管の外周長との比を直接規定 たものではなく、第3圧延スタンド入側での 管の外周長をこれと略等しいと考えられる第 2圧延スタンドの孔型周長に置き換えて規定 たものである。

 以下、図1を参照して、本発明における「孔 型周長」の定義を説明する。
 図1は、孔型周長の定義を説明するための説 明図であり、2ロール式のマンドレルミルに 設された孔型ロールを模式的に表す縦断面 を示す。図1は、3つの円弧を組み合わせて設 計された孔型ロール1の孔型プロフィールPの を示す。この孔型プロフィールPは、溝底部 Bと孔型中心Oとを結ぶ直線を対称軸として左 対称の曲線で描かれる。一方の側のプロフ ールは、半径R1で中心角α1の円弧と、半径R2 で中心角α2の円弧(以下、円弧R2という)と、 径R3で中心角α3の円弧とを連続的に組み合わ せた形状である。ここで、孔型中心(パスラ ン中心)Oを通り、溝底部Bと孔型中心Oとを結 直線に対して90°の角度を成す直線Lと交わ まで、円弧R2を延長したときの中心角をφ2と すると、孔型ロール1の孔型周長は、4・(R1・ 1+R2・φ2)と計算される。

 図2は、マンドレルミルの第1圧延スタン ~第3圧延スタンドの孔型周長を種々の値に設 定して延伸圧延した結果の一例を示す表であ る。具体的には、図2に示すように、外周長57 0mmの3種(炭素鋼、Ni鋼、Ni-Cr鋼)の管を、第1圧 スタンド~第3圧延スタンドの孔型周長を適 変更した5つの圧延スタンドからなる2ロール 式のマンドレルミルで延伸圧延し、延伸圧延 された管の外面に焼き付きが生じているか否 かを目視評価する試験を実施した。

 図2に示すように、炭素鋼及びNi鋼の管に いては、前述した式(1)~式(3)の全てを満足す る孔型周長に設定した場合(図2に示す試験No.1 及び5)には、延伸圧延された管の外面に焼き きは生じなかったのに対し、何れかの式を 足しない孔型周長に設定した場合には、延 圧延された管の外面に焼き付きが生じた。 た、Ni-Cr鋼の管については、前述した式(1) ~式(3)’の全てを満足する孔型周長に設定し 場合(図2に示す試験No.11)には、延伸圧延さ た管の外面に焼き付きは生じなかったのに し、何れかの式を満足しない孔型周長に設 した場合には、延伸圧延された管の外面に き付きが生じた。

 上記の結果より、本発明に係る継目無管 製造方法によれば、マンドレルミルによる 伸圧延工程で管の外面に生じ易い焼き付き 効果的に防止可能であることが分かる。