JPH01151593 | 2-HYDROXYMETHYLENE-3, 4, 5-TRIHYDROXYPYPERIDINE AND ITS USE |
JPH07304783 | PHOSPHINATE ESTER |
TAKATORI KAZUHIKO (JP)
TAKATORI KAZUHIKO (JP)
JPS504667B1 | 1975-02-22 | |||
US4362869A | 1982-12-07 | |||
JPH09176179A | 1997-07-08 | |||
JPS60169493A | 1985-09-02 | |||
JPS617287A | 1986-01-13 |
MORRISON R.T. ET AL.: "Morrison Boyd Yuki Kagaku", TOKYO KAGAKU KOJIN, vol. 5TH ED., 1 March 1990 (1990-03-01), pages 1630
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YAMAZAKI O. ET AL.: "1,1,2-2-Tetraphenyldisilane as a diversified radical reagent", TETRAHEDRON LETTERS, vol. 39, no. 14, 1998, pages 1921 - 1924, XP004109585
GIULIANO R.M. ET AL.: "Structure of methyl 6-deoxy-alpha-D-idopyranoside", CARBOHYDRATE RESEARCH, vol. 191, no. 1, 1989, pages 1 - 11, XP026647758, DOI: doi:10.1016/0008-6215(89)85041-4
下記工程(a)~(e)を含む、式(6)で表わされるアルドース誘導体の製造方法。 (a)下記式(1)で表わされるアルドース類にアルキル基を導入して、 HOH 2 C(CHOH) n CHO (1) (式中、nは3又は4を表わす。) 下記式(2)で表わされる化合物を得る工程; (b)工程(a)で得られた式(2)で表わされる化合物にスルホニル基を導入し、式( 3)で表わされる化合物を得る工程; す。) (c)工程(b)で得られた式(3)で表わされる化合物のスルホニルオキシ基をハロゲ ンで置換して、式(4)で表わされる化合物を得る工程; 。) (d)工程(c)で得られた式(4)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式 (5)で表わされる化合物を得る工程; (e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物の加水分解を行い、式(6)で 表わされるアルドース誘導体を得る工程。 |
下記工程(b)~(e)を含む、式(6)で表わされるアルドース誘導体の製造方法。 (b)式(2)で表わされる化合物にスルホニル基を導入し、式(3)で表わされる化合 物を得る工程; す。) (c)工程(b)で得られた式(3)で表わされる化合物のスルホニルオキシ基をハロゲ ンで置換して、式(4)で表わされる化合物を得る工程; 。) (d)工程(c)で得られた式(4)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式 (5)で表わされる化合物を得る工程; (e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物の加水分解を行い、式(6)で 表わされるアルドース誘導体を得る工程。 |
下記工程(c)~(e)を含む、式(6)で表わされるアルドース誘導体の製造方法。 (c)式(3)で表わされる化合物のスルホニルオキシ基をハロゲンで置換して、式(4 )で表わされる化合物を得る工程; す。) 。) (d)工程(c)で得られた式(4)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式 (5)で表わされる化合物を得る工程; (式中、nは3又は4を表わし、R 1 はアルキル基を表わす。) (e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物の加水分解を行い、式(6)で 表わされるアルドース誘導体を得る工程。 |
下記工程(d)及び(e)を含む、式(6)で表わされるアルドース誘導体の製造方法。 (d)式(4)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式(5)で表わされる化 合物を得る工程; 。) (e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物の加水分解を行い、式(6)で 表わされるアルドース誘導体を得る工程。 |
式(5)で表わされる化合物の加水分解を行い、式(6)で表わされるアルドース誘導体 を得る工程を含む、アルドース誘導体の製造方法。 |
下記工程(a)、(k)、(d)及び(e)を含む、式(6)で表わされるアルドース誘 導体の製造方法。 (a)下記式(1)で表わされるアルドース類にアルキル基を導入して、 HOH 2 C(CHOH) n CHO (1) (式中、nは3又は4を表わす。) 下記式(2)で表わされる化合物を得る工程; (k)工程(a)で得られた式(2)で表わされる化合物の第一級水酸基をハロゲンで置 換して、式(4)で得られる化合物を得る工程; 。) (d)工程(k)で得られた式(4)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式 (5)で表わされる化合物を得る工程; (e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物の加水分解を行い、式(6)で 表わされるアルドース誘導体を得る工程。 |
下記工程(k)、(d)及び(e)を含む、式(6)で表わされるアルドース誘導体の製 造方法。 (k)式(2)で表わされる化合物の第一級水酸基をハロゲンで置換して、式(4)で得 られる化合物を得る工程; 。) (d)工程(k)で得られた式(4)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式 (5)で表わされる化合物を得る工程; (e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物の加水分解を行い、式(6)で 表わされるアルドース誘導体を得る工程。 |
下記工程(f)~(j)を含む、5-デオキシ-L-アラビノースの製造方法。 (f)L-アラビノースにアルキル基を導入して、 下記式(7)で表わされる化合物を得る工程; (g)工程(f)で得られた式(7)で表わされる化合物にスルホニル基を導入し、式( 8)で表わされる化合物を得る工程; (h)工程(g)で得られた式(8)で表わされる化合物のスルホニルオキシ基をハロゲ ンで置換して、式(9)で表わされる化合物を得る工程; (i)工程(h)で得られた式(9)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式 (10)で表わされる化合物を得る工程; (j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合物の加水分解を行い、5-デオ キシ-L-アラビノースを得る工程。 |
下記工程(g)~(j)を含む、5-デオキシ-L-アラビノースの製造方法。 (g)式(7)で表わされる化合物にスルホニル基を導入し、式(8)で表わされる化合 物を得る工程; (h)工程(g)で得られた式(8)で表わされる化合物のスルホニルオキシ基をハロゲ ンで置換して、式(9)で表わされる化合物を得る工程; (i)工程(h)で得られた式(9)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式 (10)で表わされる化合物を得る工程; (j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合物の加水分解を行い、5-デオ キシ-L-アラビノースを得る工程。 |
下記工程(h)~(j)を含む、5-デオキシ-L-アラビノースの製造方法。 (h)式(8)で表わされる化合物のスルホニルオキシ基をハロゲンで置換して、式(9 )で表わされる化合物を得る工程; (i)工程(h)で得られた式(9)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式 (10)で表わされる化合物を得る工程; (j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合物の加水分解を行い、5-デオ キシ-L-アラビノースを得る工程。 |
下記工程(i)及び(j)を含む、5-デオキシ-L-アラビノースの製造方法。 (i)式(9)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式(10)で表わされる 化合物を得る工程; (j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合物の加水分解を行い、5-デオ キシ-L-アラビノースを得る工程。 |
式(10)で表わされる化合物の加水分解を行い、5-デオキシ-L-アラビノースを 得る工程を含む、5-デオキシ-L-アラビノースの製造方法。 |
下記工程(f)、(m)、(i)及び(j)を含む、5-デオキシ-L-アラビノースの 製造方法。 (f)L-アラビノースにアルキル基を導入して、 下記式(7)で表わされる化合物を得る工程; (m)工程(f)で得られた式(7)で表わされる化合物の第一級水酸基をハロゲンで置 換して、式(9)で得られる化合物を得る工程; (i)工程(m)で得られた式(9)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式 (10)で表わされる化合物を得る工程; (j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合物の加水分解を行い、5-デオ キシ-L-アラビノースを得る工程。 |
下記工程(m)、(i)及び(j)を含む、5-デオキシ-L-アラビノースの製造方法 。 (m)式(7)で表わされる化合物の第一級水酸基をハロゲンで置換して、式(9)で得 られる化合物を得る工程; (i)工程(m)で得られた式(9)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反応を行い、式 (10)で表わされる化合物を得る工程; (j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合物の加水分解を行い、5-デオ キシ-L-アラビノースを得る工程。 |
本発明はアルドース誘導体の製造方法に関
、特には、5,6,7,8-テトラヒドロ
-L-ビオプテリン、L-ビオプテリン等の合成中
体として有用な5-デオキシ-L-アラビノース
新規な製造方法に関する。
5,6,7,8-テトラヒドロ-L-ビオプテリン、L-ビオ
プテリンは、L-フェニルアラニン、L-チロシ
、及びL-トリプトファン等の水酸化酵素の補
酵素として有用であり、フェニルケトン尿症
の治療薬として知られている。 また、5-デ
キシ-L-
アラビノースは、5,6,7,8-テトラヒドロ-L-ビオ
テリン、L-ビオプテリン等の合成中間体と
て用いられている。
上述のように、5-デオキシ-L-アラビノー は治療薬として用いられている化合物の合 中間体として有用であるが、天然に存在し いため、合成によって製造する必要がある 5-デオキシ-L-アラビノースの製造方法として は、従来より、6炭糖であるL-ラムノースを原 料する方法(特許文献1及び2)と、5炭糖であるL -アラビノース又はD-リボースを原料として製 造する方法(特許文献3)が知られている。
特許文献1、特許文献2及び特許文献3に記 の方法によれば、5-デオキシ-L-アラビノー を製造することが可能であるが、更に効率 く5-デオキシ-L-アラビノースを製造すること のできる方法を確立することが望まれている のが現状である。
従って、本発明は、上記現状に鑑み、5- オキシ-L-アラビノースを効率よく製造する とのできる、簡単な製造方法を提供するこ を目的とする。特に、本発明は、L-アラビノ ースを原料として、L-アラビノースの全ての 斉炭素の立体配置を崩さず、立体異性体の 入なしに効率よく5-デオキシ-L-アラビノー を製造することのできる製造方法を提供す ことを目的とする。また、本発明は、チオ ル等の悪臭を発する試薬を用いず、安価な 薬と平易な反応のみで、効率よく5-デオキシ -L-アラビノースを製造することのできる製造 方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、アルドース類を原料として
いた、5-デオキシ-L-アラビノースの製造方
について検討し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記工程(a)~(e)を含む
、式(6)で表わされるアルドース誘導体の製造
方法を提供するものである。
(a)下記式(1)で表わされるアルドース類にアル
キル基を導入して、
HOH 2
C(CHOH) n
CHO (1)
(式中、nは3又は4を表わす。)
下記式(2)で表わされる化合物を得る工程;
(b)工程(a)で得られた式(2)で表わされる化合物
にスルホニル基を導入し、式(3)で表わされる
化合物を得る工程;
(c)工程(b)で得られた式(3)で表わされる化合物
のスルホニルオキシ基をハロゲンで置換して
、式(4)で表わされる化合物を得る工程;
(d)工程(c)で得られた式(4)で表わされる化合物
の脱ハロゲン化反応を行い、式
(5)で表わされる化合物を得る工程;
(e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物
の加水分解を行い、式(6)で表わされるアルド
ース誘導体を得る工程。
また、本発明は、下記工程(b)~(e)を含む、式
(6)で表わされるアルドース誘導体の製造方法
を提供する。
(b)式(2)で表わされる化合物にスルホニル基を
導入し、式(3)で表わされる化合物を得る工程
;
(c)工程(b)で得られた式(3)で表わされる化合物
のスルホニルオキシ基をハロゲンで置換して
、式(4)で表わされる化合物を得る工程;
(d)工程(c)で得られた式(4)で表わされる化合物
の脱ハロゲン化反応を行い、式(5)で表わされ
る化合物を得る工程;
(e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物
の加水分解を行い、式(6)で表わされるアルド
ース誘導体を得る工程。
また、本発明は、下記工程(c)~(e)を含む、式
(6)で表わされるアルドース誘導体の製造方法
を提供する。
(c)式(3)で表わされる化合物のスルホニルオキ
シ基をハロゲンで置換して、式(4
)で表わされる化合物を得る工程;
(d)工程(c)で得られた式(4)で表わされる化合物
の脱ハロゲン化反応を行い、式
(5)で表わされる化合物を得る工程;
(e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物
の加水分解を行い、式(6)で表わされるアルド
ース誘導体を得る工程。
また、本発明は、下記工程(d)及び(e)を含む
式(6)で表わされるアルドース誘導体の製造
法を提供する。
(d)式(4)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反
応を行い、式(5)で表わされる化合物を得る工
程;
(e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物
の加水分解を行い、式(6)で表わされるアルド
ース誘導体を得る工程。
また、本発明は、式(5)で表わされる化合 の加水分解を行い、式(6)で表わされるアル ース誘導体を得る工程を含む、アルドース 導体の製造方法を提供する。
また、本発明は、下記工程(a)、(k)、(d)及び(
e)を含む、式(6)で表わされるアルドース誘導
の製造方法を提供する。
(a)下記式(1)で表わされるアルドース類にアル
キル基を導入して、
HOH 2
C(CHOH) n
CHO (1)
(式中、nは3又は4を表わす。)
下記式(2)で表わされる化合物を得る工程;
(k)工程(a)で得られた式(2)で表わされる化合物
の第一級水酸基をハロゲンで置換して、式(4)
で得られる化合物を得る工程;
(d)工程(k)で得られた式(4)で表わされる化合物
の脱ハロゲン化反応を行い、式
(5)で表わされる化合物を得る工程;
(e)工程(d)で得られた式(5)で表わされる化合物
の加水分解を行い、式(6)で表わされるアルド
ース誘導体を得る工程。
また、本発明は、下記工程(f)~(j)を含む、5-
オキシ-L-アラビノースの製造方法を提供す
。
(f)L-アラビノースにアルキル基を導入して、
下記式(7)で表わされる化合物を得る工程;
(g)工程(f)で得られた式(7)で表わされる化合物
にスルホニル基を導入し、式(8)で表わされる
化合物を得る工程;
(h)工程(g)で得られた式(8)で表わされる化合物
のスルホニルオキシ基をハロゲンで置換して
、式(9)で表わされる化合物を得る工程;
(i)工程(h)で得られた式(9)で表わされる化合物
の脱ハロゲン化反応を行い、式(10)で表わさ
る化合物を得る工程;
(j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合
の加水分解を行い、5-デオキシ-L-アラビノー
スを得る工程。
また、本発明は、下記工程(g)~(j)を含む、5-
オキシ-L-アラビノースの製造方法を提供す
。
(g)式(7)で表わされる化合物にスルホニル基を
導入し、式(8)で表わされる化合物を得る工程
;
(h)工程(g)で得られた式(8)で表わされる化合物
のスルホニルオキシ基をハロゲンで置換して
、式(9)で表わされる化合物を得る工程;
(i)工程(h)で得られた式(9)で表わされる化合物
の脱ハロゲン化反応を行い、式(10)で表わさ
る化合物を得る工程;
(j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合
の加水分解を行い、5-デオキシ-L-アラビノー
スを得る工程。
また、本発明は、下記工程(h)~(j)を含む、5-
オキシ-L-アラビノースの製造方法を提供す
。
(h)式(8)で表わされる化合物のスルホニルオキ
シ基をハロゲンで置換して、式(9)で表わされ
る化合物を得る工程;
(i)工程(h)で得られた式(9)で表わされる化合物
の脱ハロゲン化反応を行い、式(10)で表わさ
る化合物を得る工程;
(j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合
の加水分解を行い、5-デオキシ-L-アラビノー
スを得る工程。
また、本発明は、下記工程(i)及び(j)を含む
5-デオキシ-L-アラビノースの製造方法。
(i)式(9)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反
応を行い、式(10)で表わされる化合物を得る
程;
(j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合
の加水分解を行い、5-デオキシ-L-アラビノー
スを得る工程。
また、本発明は、式(10)で表わされる化合 物の加水分解を行い、5-デオキシ-L-アラビノ スを得る工程を含む、5-デオキシ-L-アラビ ースの製造方法を提供する。
また、本発明は、下記工程(f)、(m)、(i)及び(
j)を含む、5-デオキシ-L-アラビノースの製造
法を提供する。
(f)L-アラビノースにアルキル基を導入して、
下記式(7)で表わされる化合物を得る工程;
(m)工程(f)で得られた式(7)で表わされる化合物
の第一級水酸基をハロゲンで置換して、式(9)
で得られる化合物を得る工程;
(i)工程(m)で得られた式(9)で表わされる化合物
の脱ハロゲン化反応を行い、式(10)で表わさ
る化合物を得る工程;
(j)工程(i)で得られた式(10)で表わされる化合
の加水分解を行い、5-デオキシ-L-アラビノー
スを得る工程。
本発明によれば、5-デオキシ-L-アラビノ スを、簡単な操作で収率良く得ることので る、アルドース誘導体の製造方法が得られ 。この方法は、工業的製法としても有利な 法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
従来より、5炭糖であるL-アラビノース又はD
-リボースを原料として、5-デオキシ-L-アラビ
ノースを製造する方法が知られているが(例
ば、特許文献3を参照)、この方法は、溶媒と
してジメチルスルホキシド(DMSO)を用いている
。このDMSOは不揮発性溶媒のため、工業的生
には不向きであり、収率良く目的化合物を
ることも困難であった。
本発明の方法は、アセトン、エタノール等
揮発性溶媒中で実施することができ、得ら
る化合物の収率を高くすることができ、工
的生産にも有利な方法である。
本発明の第一の実施態様である、アルドー
誘導体の製造方法を、具体的な化学反応式
示すと、以下の通りである。
上記化学反応式において、R 1
はアルキル基を表わし、R 2
はスルホニル基を表わす。R 1
(アルキル基)としては、例えば、炭素数が1~3
のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル
、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル
等が挙げられる。上記アルキル基の中でも
メチル基が好ましい。また、nは3又は4を表
し、好ましくは3である。
本発明のアルドース誘導体の製造方法によ
、目的とする、式(6)で表わされるアルドー
誘導体を製造することができるが、本発明
方法は、特に、L-アラビノースを原料とし
用い、5-デオキシ-L-アラビノースを製造する
方法として有用であるが、本発明は、5-デオ
シ-L-アラビノースを製造する方法に限定さ
ず、例えば、6-デオキシグルコース、6-デオ
キシマンノース、6-デオキシガラクトース、5
-デオキシキシロース、5-デオキシリボース等
の6-デオキシ六炭糖および5-デオキシ五炭糖
のD-およびL-体の製造にも適用することがで
る。
L-アラビノースを原料として用い、5-デオキ
シ-L-アラビノースを製造する反応を化学反応
式で示すと、以下の通りである。
以下、本発明のアルドース誘導体の製造方
について、L-アラビノースを原料として用
、5-デオキシ-L-アラビノースを製造する場合
について、代表例として説明する。
工程(f)は、L-アラビノースにアルキル基を
入して(グリコシル化して)、式(7)で表わされ
る化合物を得る工程である。
式(7)において、R 1
(アルキル基)としては、例えば、炭素数が1~3
のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル
、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル
等が挙げられる。上記アルキル基の中でも
メチル基が好ましい。また、nは3又は4を表
し、好ましくは3である。
L-アラビノースにアルキル基を導入する 法については特に制限はなく、従来公知の 法で実施することができる。工程(f)におい は、L-アラビノースの1位のホルミル基の部 のみをグリコシル化(アルキル化)する必要が ある。アルキル化する方法としては、例えば 、酸の存在下で対応するアルコールと反応さ せる方法が挙げられる。アルキル化する方法 としては、公知のアルキル化試薬を用いる方 法が挙げられる。アルキル化試薬としては、 例えば、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ 化プロピル、ヨウ化イソプロピル、臭化メチ ル等が挙げられる。
上記方法のうち、酸の存在下で対応するアル
コールと反応させる方法が好ましい。対応す
るアルコールとは、例えば、メチル基を導入
する場合、メチルアルコールを意味する。ア
ルコールの使用量は、L-アラビノース1 gに対
して、好ましくは10~100mLであり、更に好まし
は20~30mLである。反応の際に用いる酸とは、
少なくとも1つの水素イオン(H +
)を供与するプロトン酸、または、ルイス酸
ある。典型的なプロトン性の酸(protic acid)と
しては、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、
硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、トリフル
オロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸
、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロ酢
酸、酢酸などの酸が挙げられる。ルイス酸と
しては、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素エ
ーテル錯体、塩化亜鉛、臭化マグネシウム、
塩化アルミニウムなどが挙げられる。用いら
れる酸の量は、アルドースに対して、好まし
くは、0.1~10当量であり、更に好ましくは、0.5
~1当量である。使用する酸は、好ましくはプ
トン酸であり、更に好ましくは塩化水素で
る。酸は、そのまま用いるか、又は、酢酸
ギ酸等の液体のカルボン酸、テトラヒドロ
ラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジ
トキシエタン、ジエチレングリコールジメ
ルエーテル等のエーテル系溶媒、ベンゼン
トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、N,N-
ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセト
ミド等のアミド系溶媒又はこれらの混合溶
の溶液として用いることができる。上記溶
の中でもジオキサンが好ましい。この反応
溶媒としては、対応するアルコール、又は
上記、酸溶液の溶媒と対応するアルコール
混合溶媒を用いることができる。
反応温度は、0~100 ℃の温度で実施できるが
、室温(約25℃の温度、本明細書において、以
下同じ意味である)で行なうこともできる。
た、反応時間は、2~4時間程度でよい。
次に、工程(g)について説明する。工程(g)は
式(7)で表わされる化合物にスルホニル基を
入し、式(8)で表わされる化合物を得る工程
ある。
ここで、R 2
基、すなわちスルホニル基としては、通常、
有機合成において水酸基を脱離基に変換する
ために用いられるスルホニル基を、特に制限
なく用いることができる。このような水酸基
を脱離基に変換するために用いられるスルホ
ニル基としては、メシル基(メタンスルホニ
基)、トシル基(p-トルエンスルホニル基)、ベ
ンゼンスルホニル基、ブロシル基(p-ブロモベ
ンゼンスルホニル基)、ノシル基(o-またはp-ニ
トロベンゼンスルホニル基)2,4,6-トリメチル
ンゼンスルホニル基等が挙げられる。本発
においては、特にトシル基を用いることが
ましい。
式(7)で表わされる化合物にスルホニル基を
入する方法については特に制限はなく、従
公知の方法によって実施することができる
トシル基を導入する方法について説明する
以下の通りである。
式(7)で表わされる化合物をスルホニル化す
方法としては、例えば、式(7)で表わされる
合物を、塩基の存在下、塩化p-トルエンス
ホニルと反応させ、トシル化する方法が挙
られる。この場合、塩化p-トルエンスルホニ
ルは、式(7)で表わされる化合物に対し、1~1.2
量用いることが好ましい。
塩基としては、例えば、ピリジン、4-(N,N-ジ
メチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミン
ジイソプロピルエチルアミン、ルチジンな
のアミン塩基、又はそれらの混合物が挙げ
れる。反応溶媒としては、ピリジン、ジク
ロメタン、1,2-ジクロロエタン又はそれらの
合物が挙げられる。ピリジンは、塩基及び
媒の両方の役割を果たすので、この反応に
いて好ましく用いられる。
反応温度に特に制限はなく、-10~40℃の温度
実施することができるが、-10℃~室温で行な
うこともできる。また、反応時間は、12~72時
程度でよい。
なお、工程(f)で用いる溶媒と、工程(g)で用
る溶媒とが異なる場合、工程(f)が終了した
、一旦、工程(g)で用いる溶媒(塩基)を加え
減圧濃縮し、次いで、工程(g)で用いる塩基
及び必要であれば溶媒を加えて化合物を溶
して用いることが好ましい。
工程(g)で得られた、式(8)で表わされる化合
は、特別な精製をすることなく、次の工程(
h)で用いることができるが、有機化学の分野
用いられる、通常の精製操作を行ってもよ
。
次に、工程(h)について説明する。工程(h)は
式(8)で表わされる化合物のスルホニルオキ
基をハロゲンで置換して、式(9)で表わされ
化合物を得る工程である。
式(9)において、Xはハロゲン原子であり、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げら
れる。式(8)で表わされる化合物をハロゲンで
置換する方法としては特に制限はなく、従来
公知の方法によって実施することができる。
式(8)で表わされる化合物をハロゲンで置換
る方法としては、例えば、式(8)で表わされ
化合物を、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲ
化リチウム等の金属ハロゲン化物と反応さ
、ハロゲンで置換する方法が挙げられる。
の場合、ハロゲン化剤は、式(8)で表わされ
化合物に対し、2~20当量用いることが好まし
い。
上記反応を行う溶媒としては、例えば、ア
トン、2-ブタノンなどのケトン類、N,N-ジメ
ルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミ
などのアミド系溶媒の他、テトラヒドロフ
ン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリ
、及びそれらの混合物が挙げられる。
反応温度に特に制限はなく、室温~150℃の温
度で実施することができるが、室温で行なう
こともできる。また、反応時間は、3~12時間
度でよい。
本発明の方法においては、工程(g)及び(h) 代え、工程(m)を実施してもよい。工程(m)は 式(7)で表わされる化合物の第一級水酸基を ロゲンで置換式、式(9)で得られる化合物を る工程である。この反応は、糖類の第一級 酸基を直接ハロゲンで置換する方法であり トリフェニルホスフィンと、四ハロゲン化 素(フッ素を除く)を用いることによって実 することができる。四ハロゲン化炭素の使 量は、式(7)の化合物に対し、1~1.5当量、トリ フェニルホスフィンの使用量は、1~3当量であ ることが好ましい。また、用いられる溶媒と しては、ピリジン、ジクロロメタン、1,2-ジ ロロエタン、アセトニトリル、THF、DMF等が げられる。反応温度に特に制限はなく、0~100 ℃の温度で実施することができる。
次に、工程(i)について説明する。工程(i)は
式(9)で表わされる化合物の脱ハロゲン化反
を行い、式(10)で表わされる化合物を得る工
程である。
式(9)で表わされる化合物のスルホニルオキ
基をハロゲンで置換する方法としては特に
限はなく、従来公知の方法によって実施す
ことができる。
脱ハロゲン化反応は、水素化トリブチルス
、水素化トリエチルシラン、亜リン酸エス
ル、次亜リン酸及び次亜リン酸塩、ナトリ
ム、リチウム等のアルカリ金属またはアル
リ土類金属、ヨウ化サマリウム等を用いる
ジカル還元、パラジウム触媒、ニッケル触
等を用いる水素還元、又は水素化アルミニ
ムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水
化トリエチルホウ素リチウム等によるヒド
ド還元によって脱ハロゲン化 することが
きる。本発明においては、パラジウム触媒
用いる方法が好ましい。パラジウム触媒を
いて脱ハロゲン化を行う場合、水素雰囲気
で行う。パラジウム触媒の使用量は特に限
されないが、式(9)の化合物に対し、0.01~0.5当
量用いることが好ましい。また、反応には、
アンモニア、トリエチルアミン等の塩基を共
存させて行うことが好ましい。
用いられる溶媒としては、エタノール、 タノール等のアルコール類、酢酸エチル、 トラヒドロフラン、酢酸、又はこれらの混 物等が挙げられる。反応温度に特に制限は く、室温~100℃の温度で実施することができ るが、室温で行なうこともできる。また、反 応時間は、1~12時間程度でよい。
次に、工程(j)について説明する。工程(j) 、式(10)で表わされる化合物の加水分解を行 い、5-デオキシ-L-アラビノースを得る工程で る。式(10)の化合物を加水分解する方法とし ては特に制限はなく、従来公知の方法によっ て実施することができる。加水分解反応には 、通常、酸触媒が用いられる。酸触媒として は、ブレンステッド酸を用いることができる 。具体的には、塩酸、硫酸等の無機酸、ベン ゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等 のアリールスルホン酸、メタンスルホン酸、 トリフルオロメタンスルホン酸等のアルキル スルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸、 強酸性イオン交換樹脂等の固体酸が挙げられ る。好ましくは、塩酸、硫酸等の無機酸、強 酸性イオン交換樹脂樹脂等が挙げられる。好 ましくは、塩酸、硫酸等の無機酸、強酸性イ オン交換樹脂樹脂である。
以下、硫酸を用いる場合の加水分解反応 ついて説明する。硫酸を用いて加水分解を うには、式(10)で表わされる化合物の水溶液 に硫酸を混合し、加熱して行う。加熱温度温 度に関しては、特に制限されるものではなく 、通常0℃~100℃の範囲で行われる。また、反 時間は、2~12時間程度でよい。
加水分解反応に用いられる溶媒としては 水が用いられる。また、テトラヒドロフラ 、ジオキサン等の水と混合するエーテル系 媒と水の混合溶媒を用いることもできる。 得られた生成物は、有機化学の分野におい 通常に用いられる精製方法、例えばカラム ロマトグラフィーを用いて精製することが きる。
以上、本発明を、5-デオキシ-L-アラビノ スを製造する場合について説明したが、本 明は、5-デオキシ-L-アラビノースの製造に適 用する場合に限定されず、例えば、6-デオキ -D-グルコース、5-デオキシ-L-ラムノース、6- デオキシ-D-マンノース、6-デオキシ-D-ガラク ース、5-デオキシ-D-キシロース、5-デオキシ -D-リキソース等の製造にも適用することがで きる。
本発明の方法で得られた5-デオキシ-L-ア ビノースは、例えば、5,6,7,8-テトラヒドロ-L- ビオプテリン、L-ビオプテリン等の合成に用 ることができる。これらの化合物の合成方 としては、従来公知の方法を組み合わせて 施することができる。
上記化合物は、従来公知の方法により、 造することもできるが、例えば、環化反応 際に、通常はオイルバスによって加熱を行 が、オイルバスによる加熱に換え、マイク 波照射下で環化反応を行うことができる。 体的には、5-デオキシ-Lのアラビノースを、 ヒドラゾンと反応させてヒドラゾン誘導体と し、次いで、無水酢酸と反応させてアセチル 化誘導体とする。次いで、2,5,6-トリアミノピ リミジノールと反応させて環化反応を行う。 この環化反応の際に、マイクロ波照射を行う ことにより、通常の加熱よりも、反応時間の 短縮が可能となり、また収率の向上が期待で きる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説
する。なお、本発明の範囲は、かかる実施
に限定されないことはいうまでもない。
実施例1
L-アラビノース25gに、メタノール600mL及び4M
化水素ジオキサン溶液 40mLを加えて室温で3
.5時間攪拌した。撹拌後、反応液にピリジン3
0mLを加えて減圧濃縮し、得られた残渣(メチ
L-アラビノフラノシド、式(7)において、R 1
がメチル基である化合物)をピリジン400mLに溶
解した。次いで、この溶液を、氷冷攪拌下、
2時間毎に塩化p-トルエンスルホニル8.33gを4回
に分けて加え、0℃から室温で攪拌した。24時
間撹拌を行った後に、再び氷冷し、更に塩化
p-トルエンスルホニル8.33gを加えた。4℃で2昼
夜攪拌し、得られた反応液に氷を加えて30分
攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をク
ロホルムで抽出した。有機層を6 M 塩酸、
和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水
酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、粗
チルL-5-O-トシルアラビノシド(式(8)において
、R 1
がメチル基であり、R 2
がトシル基である化合物、49.98g、粗収率94%)
得た。得られた粗メチルL-5-O-トシルアラビ
シドはそのまま次の反応に用いた。
L-アラビノース
EA: Anal. Calcd for C 5
H 10
O 5
: H, 40.00; H, 6.71. Found: C, 39.91; H, 6.89.
HR-FAB-MS (グリセロール) m/z: Calcd for C 5
H 10
O 5
: 149.0450. Found: 149.0446 ([M-H] -
).
1
H-NMR (300 MHz, D 2
O) δ: 3.40 and 3.64-4.04 (total 5H, each m), 4.40
and 4.70 (total 1H, d, J = 7.7 Hz and s).
13
C-NMR (75.4 MHz, D 2
O) δ: 69.1, 71.2, 74.6, 75.2, 99.5 (ピラノシド
α-アノマー), 65.2, 71.2, 71.4, 71.5, 95.3 (ピ
ノシドのβ-アノマー), 63.9, 78.3, 9.0,
97.8, 103.8 (ピラノシド以外の形). mp. 165-166
°C
メチルL-アラビノフラノシド
1
H-NMR (300 MHz, D 2
O) δ: 3.31 and 3.32 (3H, each s), 3.48-4.20 (5H,
m), 4.79 and 4.83 (total 1H, d, J = 7.7 Hz and s
).
メチルL-O-アラビノフラノシド 低極性 1
H-NMR (300 MHz, CDCl 3
) δ: 2.37 (1H, brs), 2.46 (3H, s), 2.77 (1H, brs)
, 3.37 (3H, s), 3.91 (1H, m), 3.94-4.29 (4H, m), 4
.86 (1H, s), 7.36 (2H, d, J = 8.2 Hz), 7.81 (2H,
d, J = 8.2 Hz).
13
C-NMR (74.5 MHz, CDCl 3
) δ: 21.7 (q), 55,1 (q), 69.0 (t), 77.8 (d), 80.0
(d),
83.4 (d), 108.9 (d), 128.0, (d) 129.0 (d), 132.5 (s
), 145,7 (s).
メチルL-5-O-トシルアラビノフラノシド 高極
1
H-NMR (300 MHz, CDCl 3
) δ: 2.45 (3H, s), 2.66 (1H, brs), 2.90 (1H, brs)
, 3.36 (3H, s), 3.95-4.20 (5H, m), 4.79 (1H, d, J
= 4.1 Hz), 7.36 (2H, d, J = 8.2 Hz), 7.81 (2H,
d, J = 8.2 Hz).
13
C-NMR (75.4 MHz, CDCl 3
) δ: 21.7, 55.4, 70.0, 76.8, 78.1, 79.2, 102.0, 12
7.9,
129.9, 132.8, 145.0.
実施例2
実施例1で得られた、メチルL-5-O-トシルアラ
ビノフラノシド48.58gを、アセトン310mLに溶解
、この溶液に、ヨウ化ナトリウム80.06gを加
た。次いで、この混合物を5時間還流し、室
温まで放冷した後、沈殿を濾去した。濾液を
減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加えてろ過
し、濾液を飽和重曹水-チオ硫酸ナトリウム
液(比率1:5)で洗浄し、次いで、飽和食塩水で
洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、減圧濃縮して粗メチルL-5-ヨード-5-デ
キシアラビノシド(式(9)において、R 1
がメチル基であり、Xがヨウ素である化合物)(
42.88g)を得た。
メチルL-5-ヨード-5-デオキシアラビノシド
HR-FAB-MS (mNBA) m/z: Calcd for C 6
H 11
O 4
NaI: 296.9600. Found: 296.9610 ([M+Na] +
).
1
H-NMR (300 MHz, CDCl 3
) δ: 2.24 (1H, brs), 2.74 (1H, brs), 3.28-3.44 (2H
, m), 3.42 and 3.48 (3H, both s), 3.89-4.20 (3H, m
), 4.86 and 4.97 (1H, d, J = 4.4 Hz and s).
13
C-NMR (75.4 MHz, CDCl 3
) δ: 6.6 (t), 55.2 (q), 80.9 (d), 81.0 (d), 84.5
(d), 108.8 (d) (a set of major isomer) and 8.0 (t
), 55.6 (q), 78.5 (d), 80.6 (d),81.5
(d), 101.9 (d) (a set of minor isomer).
実施例3
実施例2で得られた、メチルL-5-ヨード-5-デ
キシアラビノシド40.96gをエタノール300mLに溶
解した溶液に、10%Pd-cを7.95g加えた。次いで、
この溶液に、水素雰囲気下、アンモニア水12.
8mLを加えて、室温で6時間激しく攪拌した。
拌終了後、混合物をろ過し、濾液を減圧濃
した。残渣に酢酸エチル及びエーテル混合
液(1:3)を加えて不溶物を濾去し、濾液を減圧
濃縮した。残渣に水を加え、エーテルで洗浄
し、水層を減圧濃縮し、粗メチルL-5-デオキ
アラビノシドを得た。得られた粗メチルL-5-
オキシアラビノシドをシリカゲルカラムク
マトグラフィー(クロロホルム:メタノール=8
:1~6:1)で精製し、メチルL-5-デオキシアラビノ
ド(式(10)において、R 1
がメチル基である化合物)(8.76g)(L-アラビノー
から収率38%)を得た。
メチルL-5-デオキシアラビノシド
HR-EI-MS m/z: Calcd for C 5
H 9
O 3
: 117.0552. Found: 117.0556 ([M-OMe] +
).
1
H-NMR (300 MHz, CDCl 3
) δ: 1.34 and 1.37 (3H, d, J = 6.3 Hz, and d,
J = 6.6 Hz), 2.75 (1H, d, J = 4.4 Hz), 2.97 (1H,
d, J = 8.5 Hz), 3.40 and 3.44 (3H, both s), 3.9
7 (1H, m), 3.80-4.18 (2H, m), 4.78 and 4.86 (1H, d
, J = 4.9 Hz and s).
13
C-NMR (75.4 MHz, CDCl 3
) δ: 19.3, 54.8, 81.4, 81.6, 82.4, 108.4 (a set o
f major isomer) and 20.8, 55.0, 78.1, 78.7, 81.9, 1
01.7 (a set of minor isomer).
IR (KBr) cm -1
: 3239, 2972, 2921, 2836, 1454, 1379, 1332, 1312, 1
191, 1132, 1101, 1077, 1022, 997, 940.
mp. 80.5-83.9 °C (AcOEt-hexane) for the major isomer
. 微量の異性体はシロップであった。
実施例4
実施例4で得られた、メチルL-5-デオキシア
ビノシド8.00gに、0.5M硫酸80mlを加え、90℃で5
間反応させた。室温まで放冷後、炭酸ナト
ウムで中和し、反応液を20mlまで減圧濃縮し
た。濃縮液に0.5M硫酸49mlを加え、90℃で2時間
応させた。放冷後、炭酸ナトリウムで中和
、反応液を減圧濃縮した。残渣をよく乾燥
せた後に、メタノールを加えて溶解し、不
物を濾去した。濾液を減圧濃縮して、5-デ
キシ-L-アラビノース7.76gを得た(定量的)。
5-デオキシ-L-アラビノース
1
H-NMR (300 MHz, D 2
O) δ: 1.15 and 1.17 (3H, d, J = 6.3 Hz), 3.60-4.
08 (3H, m), 5.11 and 5.14 (1H, d, J = 2.5 Hz and
d, J = 4.7 Hz).
13
C-NMR (75.4 MHz, D 2
O) δ: 20.5, 81.3, 83.7, 84.8, 103.5 (a set of maj
or isomer) and 22.0, 78.8, 79.6, 81.8, 97.5 (a set
of minor isomer).
実施例5
L-アラビノース2.5gに、メタノール60mL及び4M
化水素ジオキサン溶液4mLを加えて室温で3.5
間攪拌した。撹拌後、反応液にピリジン3mL
加えて減圧濃縮し、得られた残渣をピリジ
125mLに溶解した。次いで、この溶液にトリ
ェニルホスフィン9.17gを加えて溶解し、さら
に四塩化炭素1.65mLを加えて65℃で30分加熱攪
した。次いで、メタノール25mLを加えた後、
圧濃縮した。残渣にエーテルを加え、水で
出した。水層を減圧濃縮し、酢酸エチルで
出した。有機層を0.5M塩酸、飽和重曹水、飽
和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、減圧濃縮し、メチルL-5-クロロ-5-
オキシアラビノシド2.14gを得た。
メチルL-5-クロロ-5-デオキシアラビノシド
1
H-NMR (300 MHz, CDCl 3
)δ: 2.11 and 2.34 (1H, d, J = 6.9 Hz and brs, O
H), 2.46 and 2.61(1H, each d, J = 9.3 Hz, and J
= 9.6 Hz, OH), 3.42 and 3.46 (3H, both s), 3.50-3.
70 and 3.75 (2H, m and d, J = 5.2 Hz), 3.98-4.27
(3H, m), 4.85 and 4.95 (1H, d, J = 4.1 Hz and s
).
13
C-NMR (75.4 MHz, CDCl 3
)δ: 44.5 (t), 55.1 (q), 78.8 (d), 80.5 (d), 85.1
(d), 108.9 (d) (a set of major isomer) and 45.6 (t
), 55.4 (q), 78.3 (d), 78.6 (d), 81.5 (d), 102.0 (
d) (a set of minor isomer).
上述のようにして得られた、メチルL-5-ク ロロ-5-デオキシアラビノシド502mgをテトラヒ ロフラン10mLに溶解し、氷冷した。水素化ア ルミニウムリチウム240mgを少しずつ加えた。 泡が収まった後、12時間還流した。室温ま 放冷後、エーテル120mLで希釈し、40% KOH水溶 3.5 mlを少しずつ加えた。エーテル層が透明 になった後、クロロホルム50 mlと無水硫酸マ グネシウムを加えて乾燥させ、ろ過した。ろ 液を減圧濃縮し、メチルL-5-デオキシアラビ シド341mgを得た。