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Title:
PROCESS FOR PRODUCING BORON-CONTAINING GLASS PRODUCT AND METHOD FOR PURIFYING WASTE GAS GENERATED IN PRODUCTION OF BORON-CONTAINING GLASS PRODUCT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/072612
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a process for producing a boron-containing glass product, comprising a step that, even when sulfur is contained at a high concentration in a waste gas, can simultaneously remove sulfur and boron from the waste gas. The process comprises a cooling step of cooling a waste gas containing sulfur and boron generated from a glass melting furnace with cooling means that bring the waste gas into contact with a cooling liquid to give a cooled waste liquid and a cooled waste gas containing sulfur and boron, and a removing step of bringing the cooled waste gas with a contact liquid by contact means to remove sulfur and boron from the cooled waste gas and thus to obtain a waste liquid, after contact, containing sulfur and boron, and a clean gas.

Inventors:
OKADA MISAO (JP)
NAGANO SEI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072165
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
December 05, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI GLASS CO LTD (JP)
OKADA MISAO (JP)
NAGANO SEI (JP)
International Classes:
C03B5/16; B01D53/46; B01D53/50; B01D53/77
Foreign References:
JPS62171731A1987-07-28
JP3089266U2002-10-18
Attorney, Agent or Firm:
OGURI, Shohei et al. (7-13 Nishi-Shimbashi 1-chome,Minato-k, Tokyo 03, JP)
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Claims:
 ガラス溶解炉から発生した硫黄および硼素を含む排ガスを、冷却用液体と接触させる冷却手段によって冷却し、冷却後排ガスならびに硫黄および硼素を含む冷却排液を得る冷却工程と、
 前記冷却後排ガスと接触用液体とを接触手段によって接触させ、前記冷却後排ガス中から硫黄および硼素を除去し、清浄ガスならびに硫黄および硼素を含む接触後排液を得る除去工程とを具備する、硼素含有ガラス製品の製造方法。
 前記ガラス溶解炉へ、硫黄を0.1質量%以上含有するガラス原料を供給する工程を具備する、請求項1に記載の硼素含有ガラス製品の製造方法。
 前記冷却工程における前記冷却後排ガスの温度が90℃以下である、請求項1または2に記載の硼素含有ガラス製品の製造方法。
 前記冷却工程における前記冷却後排ガスの温度が70℃以上である、請求項1から3のいずれかに記載の硼素含有ガラス製品の製造方法。
 前記清浄ガスの温度が50~70℃である、請求項1~4のいずれかに記載の硼素含有ガラス製品の製造方法。
 前記冷却手段が、前記冷却用液体をスプレーして前記排ガスを前記冷却用液体と接触させる手段である、請求項1~5のいずれかに記載の硼素含有ガラス製品の製造方法。
 前記冷却用液体をスプレーする際の前記排ガスの量(Nm 3 )に対する前記冷却用液体の量(L)が0.5~1.0L/Nm 3 である、請求項6に記載の硼素含有ガラス製品の製造方法。
 前記接触手段が、前記冷却後排ガスへ前記接触用液体をスプレーし、その後、得られた前記冷却後排ガスと前記接触用液体との混合流体を、60~90m/sにおいて50~300mmH 2 Oの圧力損失を生じさせる高差圧部位を通過させる手段である、請求項1~7のいずれかに記載の硼素含有ガラス製品の製造方法。
 前記接触用液体をスプレーする際の前記冷却後排ガスの量(Nm 3 )に対する前記接触用液体の量(L)が0.5~2.5L/Nm 3 である、請求項8に記載の硼素含有ガラス製品の製造方法。
 前記冷却排液および/または前記接触後排液を回収し、pH、硫黄濃度および硼素濃度を管理し、前記冷却手段および/または前記接触手段において冷却用液体および/または接触用液体として再利用する、請求項1~9のいずれかに記載の硼素含有ガラス製品の製造方法。
 前記硼素含有ガラスが無アルカリガラスである、請求項1~10のいずれかに記載の硼素含有ガラス製品の製造方法。
 さらに、前記清浄ガス中に残存する前記冷却用液体および前記接触用液体を分離して清浄後排液として回収する分離工程を具備する、請求項1~11のいずれかに記載の硼素含有ガラス製品の製造方法。
 前記冷却工程を冷却塔、前記除去工程をベンチュリースクラバー、前記分離工程を遠心力集塵機にて行う、請求項12に記載の硼素含有ガラス製品の製造方法。
 ガラス溶解炉から発生した硫黄および硼素を含む排ガスを、冷却用水と接触させる冷却手段によって、硼素の少なくとも一部が固体として析出する温度まで冷却し、硫黄および硼素を含む冷却排水ならびに冷却後排ガスを得る冷却工程と、
 前記冷却後排ガスと接触用水とを接触手段によって接触させ、前記冷却後排ガス中から硫黄および硼素を除去し、硫黄および硼素を含む接触排水ならびに清浄ガスを得る除去工程とを具備する、ガラス溶解炉から発生した排ガス中から硫黄および硼素を除去する、硼素含有ガラス製品の製造時発生排ガスの浄化方法。
 前記ガラス溶解炉から発生した排ガスがさらにフッ素および塩素を含み、前記ガラス溶解炉から発生した排ガス中から硫黄、硼素、フッ素および塩素を除去する、請求項14に記載の硼素含有ガラス製品の製造時発生排ガスの浄化方法。
Description:
硼素含有ガラス製品の製造方法 よび硼素含有ガラス製品の製造時発生排ガ の浄化方法

 本発明は、硼素含有ガラス製品の製造方 および硼素含有ガラス製品の製造時発生排 スの浄化方法に関する。

 ガラス製品は、粉体状のガラス原料およ ガラスカレットをガラス溶解炉に供給し、 油、灯油等の液体燃料や、LPG等の気体燃料 燃焼させたバーナー炎により加熱して溶融 ラスとした後、フロート法等によって成形 て得られる。ここでガラス溶解炉からは、 ラス原料中に含まれる硫黄化合物や硼素化 物等の気化物質や、液体燃料や気体燃料中 成分を含む燃焼排ガスを含む排ガスが発生 る。特に、硫黄化合物を含む脱泡剤を用い 場合や、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス 代表される硼素含有ガラス製品を製造する 合には、排ガス中に比較的高濃度で硫黄や 素が含まれることになる。ガラス溶解炉に いて重油等の硫黄を含む燃料を燃焼させた 合も同様に、排ガス中の硫黄濃度は高くな 。

 このような硫黄および硼素を含む排ガス そのまま大気中に放出すると、環境に悪影 を与える場合がある。環境に影響を与える のとしては、硫黄および硼素の他、フッ素 塩素等がある。

 このような物質を排ガス中から除去する方 や設備が従来、いくつか提案されている。
 例えば特許文献1には、一方で前記バーナー 炎の燃料として実質的に硫黄分を含まない燃 料を使用してガラス原料を加熱して溶融ガラ スを得、他方でガラス溶解炉から排出される 排ガス中に含まれる気体状有用成分および粒 子状有用成分を水に接触させることにより捕 集して捕集液とし、該捕集液を中和して中和 捕集液とした後、該中和捕集液を固液分離す ることにより、ガラス原料として利用し得る 有用成分(砒素、砒素化合物、硼素、硼素化 物、塩素または塩素化合物)を回収すること 特徴とするガラス溶融方法が記載されてい 。

 特許文献2には、硼素を含む排ガスを55℃ 下に冷却して排ガス中から硼酸を析出させ 収する方法において、回収装置内に析出堆 した硼酸を、同装置を120~180℃に昇温してそ の温度に少なくとも1時間以上保持すること より剥離除去せしめる事を特徴とする排ガ から硼酸を回収する方法が記載されている

 特許文献3には、硼酸を含む廃ガスに空気 を混入して該廃ガスの絶対温度を低下させ、 該混合ガスを熱交換器により温度約40℃まで 却して該混合ガス中の硼酸ガスを結晶化さ 、該結晶化により生成された硼酸粒子を集 ん機により捕集し、残りのガス部分を前記 ガスにより温度約100℃まで加熱した後大気 に放出することを特徴とする硼酸を含む廃 スの処理方法が記載されている。

 特許文献4には、排ガスに水を噴霧する水 噴霧式冷却手段、および前記排ガスに空気を 混合して当該排ガスを冷却する空気混合式冷 却手段を併用して、70℃を超えた温度でガス の硼酸類及び酸化砒素類を含む前記排ガス 前記空気を混合して混合後の排ガスを70℃ 下に冷却し、かつ混合後の排ガス中の水分 を15体積%以下にすることにより、ガス状の 記硼酸類及び酸化砒素類を固体として析出 せ、前記排ガスから前記硼酸類及び酸化砒 類を乾燥状態で回収することを特徴とする ガス中の特定成分回収方法が記載されてい 。

 特許文献5には、排ガスを間接冷却によっ て排ガス中に含まれる酸の露点付近の温度ま で冷却し、次いで、二次空気の導入によって 水露点付近の温度まで冷却した後、集塵装置 に導入して集塵することを特徴とするダスト の回収方法が記載されている。

特開2004-238236号公報

特開平3-131515号公報

特開昭61-287416号公報

登録実用新案第3089266号公報

特開平2-152512号公報

 しかしながら、特許文献1に記載の方法は、 ガラス原料中やバーナー炎の燃料中に硫黄を 含むものには、適用することができない。
 また、特許文献2~4に記載の方法も同様であ 、排ガス中に硫黄を含む場合は適用できな 。特許文献2および3に記載の方法では、排 スの温度を40~55℃程度の温度に冷却すること で硼酸が析出すると共に硫酸が生じて設備を 腐食する。特許文献2および3に記載の各設備 おいて、それぞれ回収装置、熱交換器が影 を受ける。特許文献4に記載の方法において も、硫黄が1ppm以上含まれると酸露点が上が (具体的には105~120℃)、排ガスの温度を約70℃ 以下に冷却する前に結露して、それに硼酸が 溶け込み、特許文献4が目的とする固体での 収自体が不十分となる。
 さらに、特許文献5に記載の方法でも硫黄が 1ppm以上含まれると酸露点が上がり、二次空 の導入による希釈には排ガスと同程度の量 必要となり、大型設備への展開は難しい。 た、排ガス中に水分が多く含まれる場合(例 ば酸素燃焼タイプのガラス溶解炉の場合)、 希釈によっても水露点と酸露点の差がなくな り、硼酸等の酸が固形化せずスラリー状とな りダクト内壁に付着し、ダクトを閉塞させる ため適用し難い。
 さらにまた、特許文献2および特許文献3に 載の方法では、排ガスの冷却後にそれぞれ 析出堆積した硼酸を再加熱する工程、析出 に残ったガスを加熱する工程が必要であり ましくない。

 したがって、本発明の目的は、排ガス中 硫黄を高濃度で含有する場合であっても、 ガス中から硫黄と硼素とを同時に除去する とができ、排ガス中に水分が多く含まれる 合であっても適用できる工程を具備する硼 含有ガラス製品を得るための製造方法を提 することにある。また、本発明の目的は、 ガス中に硫黄を高濃度で含有し、さらに硼 も高濃度で含有する場合に、排ガス中から 黄および硼素を同時に除去する硼素含有ガ ス製品の製造排ガスの浄化方法を提供する とにある。さらに、本発明の目的は、上記 製造方法および浄化方法において、析出す 硼酸または排ガスの加熱を必要としない方 を提供することにある。

 本発明は、従来の排ガスの冷却を70℃以下 その多くは55℃以下にまで低下させて硼素を 析出させていた方法に対して、必ずしも排ガ ス中の硼素の多くの部分を析出させる必要は ないため、70℃以上でも排ガス中の硼素をほ 分離することができ、析出する硼酸または ガスの加熱を必ずしも必要としないことを 徴とする、主に次に示す(1)及び(2)である。
(1)ガラス溶解炉から発生した硫黄および硼素 を含む排ガスを、冷却用液体と接触させる冷 却手段によって冷却し、冷却後の排ガス(以 「冷却後排ガス」という)ならびに硫黄およ 硼素を含む冷却排液を得る冷却工程と、前 冷却後排ガスと接触用液体とを接触手段に って接触させ、前記冷却後排ガス中から硫 および硼素を除去し、清浄ガスならびに硫 および硼素を含む接触後排液を得る除去工 とを具備する、硼素含有ガラス製品の製造 法。
(2)ガラス溶解炉から発生した硫黄および硼素 を含む排ガスを、冷却用水と接触させる冷却 手段によって、硼素の少なくとも一部が固体 として析出する温度まで冷却し、硫黄および 硼素を含む冷却排水ならびに冷却後排ガスを 得る冷却工程と、前記冷却後排ガスと接触用 水とを接触手段によって接触させ、前記冷却 後排ガス中から硫黄および硼素を除去し、硫 黄および硼素を含む接触排水ならびに清浄ガ スを得る除去工程とを具備する、ガラス溶解 炉から発生した排ガス中から硫黄および硼素 を除去する、硼素含有ガラス製品の製造時発 生排ガスの浄化方法。

 本発明によれば、排ガス中に硫黄を高濃 で含有する場合であっても、排ガス中から 黄と硼素とを同時に除去することができる 程を具備する、硼素含有ガラス製品の製造 法を提供することができる。このような硼 含有ガラス製品の製造方法は、排ガス中に 分が多く含まれる場合であっても適用する とができる。また、本発明によれば、排ガ 中に硫黄を高濃度で含有し、さらに硼素も 濃度で含有する場合に、排ガス中から硫黄 よび硼素、好ましくは硫黄、硼素、フッ素 よび塩素、を同時に除去する硼素含有ガラ 製品の製造排ガスの浄化方法を提供するこ ができる。さらに、本発明によれば、上記 製造方法および浄化方法において、析出す 硼酸または排ガスの加熱を必ずしも必要と ない方法を提供することができる。

図1は、本発明の製造方法の概略図であ る。 図2は、本発明の製造方法による圧力損失とB 2 O 3 の除去効率との関係を説明する図である。 図3は、本発明の製造方法による冷却後排ガ の温度とB 2 O 3 の除去効率との関係を説明する図である。

符号の説明

 10 ガラス溶解炉、12 排ガス、14 バグフ ルター、16 冷却塔、18 冷却用水、20 冷却 排ガス、22 配管、24 ベンチュリースクラ ー、26 冷却排液、27 接触用水、29 高差圧 位、28 配管、30 タンク、31 清浄ガス、32  心力集塵機、34 接触後排液、36 配管、37  突、38 水分、 39 ファン、40 配管、42 pH 、44 NaOH添加装置、46 循環ポンプ

 本発明について説明する。
 本発明は、ガラス溶解炉から発生した硫黄 よび硼素を含む排ガスを、冷却用液体と接 させる冷却手段によって冷却し、冷却後排 スならびに硫黄および硼素を含む冷却排液 得る冷却工程と、前記冷却後排ガスと接触 液体とを接触手段によって接触させ、前記 却後排ガス中から硫黄および硼素を除去し 清浄ガスならびに硫黄および硼素を含む接 後排液を得る除去工程とを具備する、硼素 有ガラス製品の製造方法である。
 このような硼素含有ガラス製品の製造方法 、以下では「本発明の製造方法」ともいう

 また、本発明は硼素含有ガラス製品の製 時発生排ガスの浄化方法でもあるが、本発 の製造方法における冷却工程と除去工程と 具備する浄化方法であるので、以下では本 明の製造方法についてのみ説明する。

<冷却工程>
 本発明の製造方法の冷却工程について説明 る。
 冷却工程では、ガラス溶解炉から発生した 黄および硼素を含む排ガスを、冷却用液体 接触させる冷却手段によって冷却する。

<排ガス>
 排ガスについて説明する。
 本発明の製造方法では、硫黄を含む脱泡剤 用いたり、ガラス溶解炉において重油等の 黄を含む燃料を燃焼したりすることを前提 する。また、硼素を実質的に含有するガラ (硼素含有ガラス)製品を製造することを前 とする。したがって前記排ガスは、硫黄お び硼素を含む。前記排ガス中において硫黄 通常、酸化物(SO X )の形態で存在し、硼素は通常、硼酸の形態 存在する。排ガス中の硼酸は、溶解炉の燃 方式で異なるが、ガラス原料中の硼素の15~25 質量%が気化した硼素または硼素化合物によ ものである。

 前記排ガス中の硫黄濃度は限定されず、 えば、ガラス原料中に硫黄を0.1質量%以上含 有するように硫黄含有の脱泡剤を用いた場合 や、溶解炉において重油等の硫黄を含む燃料 を燃焼した場合の硫黄濃度であってよい。ま た、例えば、前記排ガスの硫黄濃度は10ppm以 でもよく、30ppm以上であってもよい。

 なお、前記排ガス中の硫黄濃度は、後述 る冷却手段に供する直前での濃度を意味す ものとする。前記排ガス中の他の成分(硼素 、フッ素、塩素等)および温度についても同 とする。各成分の濃度はICP分析法、JIS K0105( 1998)及びJIS K0107(2002)を用いて測定した場合の 値を意味するものとする。温度は熱電対を用 いて測定した場合の値を意味するものとする 。

 前記排ガス中の硼素濃度についても同様で り、特に限定されず、無アルカリガラスや 珪酸ガラスに代表される硼素含有ガラスを 造した場合の硼素濃度であってよい。無ア カリガラスや硼珪酸ガラス中の硼素濃度は5 ~15質量%であってよく、5~10質量%であってよく 、7~9質量%であってよい。硼素含有ガラス中 硼素濃度が15質量%程度の場合であっても、 却工程や除去工程等での処理条件等を好ま いものにすることで、硼酸(B 2 O 3 )の濃度としては、好ましくは10mg/Nm 3 以下、より好ましくは5mg/Nm 3 以下、さらに好ましくは1mg/Nm 3 以下とすることができる。なお、1Nm 3 (ノルマル立米)は、対象のガスを標準状態(0 、760mmHg)に換算した場合における1m 3 のガス体積を表す。また、硼素含有ガラス中 の硼素濃度が15質量%程度の場合であっても、 前記排ガスの硼素濃度(質量%)に対する、前記 清浄ガスの硼素濃度(質量%)の比を、好ましく は0.2以下、より好ましくは0.1以下、さらに好 ましくは0.05以下とすることができる。

 前記排ガスは、さらにフッ素を含んでもよ 。この含有率は2.5mg/Nm 3 以上であってよく、10mg/Nm 3 以上であってよく、40mg/Nm 3 以上であってもよい。
 また、さらに塩素を含んでもよい。この含 率は8mg/Nm 3 以上であってよく、30mg/Nm 3 以上であってよく、50mg/Nm 3 以上であってもよい。
 前記排ガスが硫黄および硼素に加えて、フ 素および塩素を含む場合であっても、本発 のガラス製造方法によれば、硫黄、硼素、 ッ素および塩素が低減された清浄ガスを得 ことができる。
 なお、本発明において、硫黄、硼素、フッ あるいは塩素を含むとは、それぞれの単体 含有する場合だけでなく、それぞれの単体 らなる化合物を含有する場合も含む。

 前記排ガスのその他の成分は特に限定さ ない。無アルカリガラスや硼珪酸ガラスに 表される硼素含有ガラスを得るためのガラ 製造方法において、通常、溶解炉から排出 れる排ガス中に含まれる成分であってよい

 前記排ガスの温度(冷却手段に供する直前 での排ガスの温度)は特に限定されない。例 ば、通常のガラス製造方法において溶解炉 ら排出され、配管等を流れていく過程で冷 されバグフィルターを通過した後に至る温 であってよい。前記排ガス温度は、130~160℃ あることが好ましく、135~155℃であることが より好ましく、145~150℃であることがさらに ましい。

<冷却用液体>
 冷却用液体について説明する。
 冷却用液体は後述する冷却手段によって前 排ガスと接触され、前記排ガスは冷却され 。
 冷却用液体の種類は特に限定されず、前記 ガスと接触することで前記排ガスを冷却で るものであればよい。例えば水(工業用水、 蒸留水等の水を主成分とするものを含む。
)、海水が挙げられる。このような中でも前 冷却用液体は水(以下、「冷却用水」ともい 。)であることが好ましい。理由は調達が容 易で安価であることと、主成分以外の溶解成 分が少ないことである。

 冷却用液体の温度は特に限定されず、前 排ガスよりも低い温度であればよく、より いほうが好ましい。例えば常温であっても い。

 なお、前記冷却用液体の温度は、後述す 冷却手段に供する直前での温度を意味する のとする。前記冷却用液体中の成分(硫黄、 硼素、フッ素、塩素等)およびpHについても同 様とする。各成分の濃度はICP分析法、JIS K010 5(1998)、及び、JIS K0107(2002)を用いて測定した 合の値を意味するものとする。温度は熱電 を用いて測定した場合の値を意味するもの する。pHはJIS Z8802(1984)を用いて測定した場 の値を意味するものとする。

 前記冷却用液体のpHは特に限定されない たとえば、冷却用液体が水の場合には、pHは 5~9であることが好ましく、6~8であることがよ り好ましく、7~8であることがさらに好ましい 。理由は、常温における硼素および硫黄が、 pH7~8で高い溶解性を示すためである。

 前記冷却用液体の硫黄濃度は特に限定さ ない。たとえば、冷却用液体が水の場合に 、0~15000ppmであることが好ましく、0~5000ppmで あることがより好ましい。

 前記冷却用液体の硼素濃度は特に限定さ ない。たとえば、冷却用液体が水の場合に 、0~10000mg/Lであることが好ましく、0~5000mg/L あることがより好ましい。

<冷却手段>
 冷却手段について説明する。
 冷却手段は、本発明の製造方法の冷却工程 おいて、前記排ガスを前記冷却用液体と接 させて冷却する手段である。

 冷却手段は特に限定されず、例えば、スプ ー、バブリングが挙げられる。中でも、前 排ガスへ前記冷却用液体をスプレーするこ により前記排ガスを前記冷却用液体と接触 せる手段であることが好ましい。前記冷却 液体は、前記排ガスが好ましくは0.5~5Nm 3 /s、より好ましくは0.5~4Nm 3 /s、さらにより好ましくは0.5~3Nm 3 /sの速度で流れる中に連続的にスプレーされ 。理由は、この流速の前記排ガスにスプレ することで前記排ガスと前記冷却用液体と 熱交換が効率よく行われるからである。

 ここで、スプレーの際の前記排ガスの量(Nm 3 )に対する前記冷却用液体の量(L)が0.5~1.0L/Nm 3 であることが好ましく、0.6~0.8L/Nm 3 であることがより好ましく、0.6~0.7L/Nm 3 であることがさらに好ましい。理由は前記排 ガスと前記冷却用液体との熱交換効率が最大 になるからである。

 前記冷却手段によって、前記排ガスを前記 ガス中の硼素の少なくとも一部が固体とし 析出する温度に冷却することが好ましい。 の温度は、90℃以下となっていることが好 しく、70℃以上となっていることが好ましい 。また、70℃以上80℃以下となっていれば硼 の多くが固体として析出していない点でよ 好ましく、70℃以上75℃以下となっていれば 素の多くが固体として析出していない点お び次工程での負荷を減らす意味でさらに好 しい。すなわち、後述する冷却後排ガスの 度がこのような温度となっていることが好 しい。
 このような温度に低下することで、通常、 記排ガス中の硼素の一部が固体(粉体)状で 出するが、本発明の製造方法においては、 ずしも前記排ガス中の硼素の多くの部分を 出させる必要はない。従来法においては70℃ 以下、その多くは55℃以下にまで低下させ、 力多くの硼素を析出させていたが、本発明 製造方法では70℃以上でも、前記排ガス中 硼素をほぼ分離することができる。これは 前記排ガスが前記冷却用液体と接触するこ で、前記排ガス中の硫黄および硼素の一部 前記冷却用液体へ溶解し、さらに、後述す 除去工程によりガス状の硼素を接触用液体 強制的に溶解することで除去することがで るからである。

<冷却後排ガスおよび冷却排液>
 このような冷却手段によって前記排ガスと 記冷却用液体とを接触させることで、前記 ガスの温度を低下させ、さらに、前記排ガ に含まれる硫黄および硼素の少なくとも一 を前記排ガス中から分離する。
 このような冷却手段を適用することによっ 、冷却後排ガスおよび冷却排液が得られる 冷却後排ガスは、前記冷却手段に供される とで温度を下げられ、硫黄および硼素の少 くとも一部が分離され、温度が低下した後 排ガスである。冷却排液は、前記冷却手段 供されることで前記排ガスの温度を低下さ 、前記排ガス中から分離した硫黄および硼 を含むこととなった冷却用液体である。

 前記冷却後排ガスの硫黄、硼素、フッ素お び塩素濃度ならびに温度は前記排ガス中の 成分の濃度や前記冷却手段の処理条件等に って変化するが、硫黄濃度は0~20ppmであるこ とが好ましく、0~10ppmであることがより好ま く、0~5ppmであることがさらに好ましい。硼 濃度は0~200mg/Nm 3 であることが好ましく、0~100mg/Nm 3 であることがより好ましく、0~50mg/Nm 3 であることがさらに好ましい。フッ素濃度は 0~20mg/Nm 3 であることが好ましく、0~10mg/Nm 3 であることがより好ましく、0~5mg/Nm 3 であることがさらに好ましい。
 塩素濃度は0~20mg/Nm 3 であることが好ましく、0~10mg/Nm 3 であることがより好ましく、0~5mg/Nm 3 であることがさらに好ましい。温度は70~90℃ あることが好ましく、70~80℃であることが り好ましく、70~75℃であることがさらに好ま しい。理由は、後述する耐食性を有する材料 の耐熱性と次工程での除去負荷低減、除去能 力の温度依存性のためである。
 なお、冷却後排ガスの硫黄濃度、温度等は 記冷却手段に供した直後でのものを意味す 。各成分濃度の測定方法、温度の測定方法 、前記排ガスにおけるものと同様とする。

 前記冷却排液のpHは前記排ガス中の硫黄濃 や処理条件等によって変化するが5~9である とが好ましく、6~8であることがより好まし 、7~8であることがさらに好ましい。
 前記冷却排液のpHがこのような値であるの 、前記冷却工程は耐食材料製の内壁を有す 外囲器からなる装置で行うことが好ましい 耐食材料としては、FRP、ステンレスなどが げられる。中でもFRPがより好ましい。
 なお、冷却排液のpH、硫黄等各成分濃度、 度は前記冷却手段に供した直後でのものを 味する。これらの測定方法は、前記冷却用 体におけるものと同様とする。

 前記冷却排液の硫黄濃度は特に限定され い。たとえば、冷却用液体が水の場合には 0~15000ppmであることが好ましく、0~5000ppmであ ることがより好ましい。

 前記冷却排液の硼素濃度は特に限定され い。たとえば、冷却用液体が水の場合には 0~10000mg/Lであることが好ましく、0~5000mg/Lで ることがより好ましい。

<冷却工程の具体的態様>
 このような冷却工程は、冷却塔にて行うこ が好ましい。理由は前記排ガスの圧損を防 ためである。冷却塔内で前記排ガスに前記 却用液体をスプレーすることで、前記冷却 内で前記排ガスの冷却が行われ、冷却塔の 部に硫黄および硼素を含む冷却排液が貯留 る。よって、少なくとも冷却塔の外囲器の 面の底部がFRP製であることが好ましい。ま 、冷却塔の外囲器の内部の前記排ガス、前 冷却後ガスおよび前記冷却排液と接する部 がFRP製であることがより好ましい。

<除去工程>
 次に、本発明の製造方法の除去工程につい 説明する。
 除去工程では、前記冷却後排ガスと接触用 体とを接触手段によって接触させ、前記冷 後排ガス中から硫黄および硼素を除去し、 浄ガスならびに硫黄および硼素を含む接触 排液を得る。

<接触用液体>
 前記接触用液体は特に限定されず、後述す 接触手段によって前記冷却後排ガスと接触 せることで、前記冷却後排ガス中から硫黄 よび硼素を除去することができるものであ ばよい。例えば水(工業用水、蒸留水等の水 を主成分とするものを含む。)、海水が挙げ れる。このような中でも前記接触用液体は (以下、「接触用水」ともいう。)であること が好ましい。理由は調達が容易で安価である ことと、主成分以外の溶解成分が少ないこと である。

 前記接触用液体の温度は特に限定されず、 記冷却後排ガスよりも低い温度であればよ 、より低いほうが好ましい。例えば常温で ってよい。
 なお、前記接触用液体のpH、硫黄等各成分 度、温度は接触手段に供する直前でのもの 意味する。これらの測定方法は、前記冷却 液体におけるものと同様とする。

 前記接触用液体のpHも特に限定されない たとえば、冷却用液体が水の場合には、pHは 5~9であることが好ましく、6~8であることがよ り好ましく、7~8であることがさらに好ましい 。理由は、常温における硼素および硫黄が、 pH7~8で高い溶解性を示すためである。

 前記接触用液体の硫黄濃度は特に限定さ ない。たとえば、冷却用液体が水の場合に 、0~15000ppmであることが好ましく、0~5000ppmで あることがより好ましい。

 前記接触用液体の硼素濃度は特に限定さ ない。たとえば、冷却用液体が水の場合に 、0~10000mg/Lであることが好ましく、0~5000mg/L あることがより好ましい。

<接触手段>
 接触手段について説明する。
 接触手段は、本発明の製造方法の除去工程 おいて、前記冷却後排ガスと前記接触用液 と接触させる手段である。

 接触手段は特に限定されず、例えば、前記 却工程の場合と同様にスプレーする方法や バブリング方法が挙げられる。中でも、前 冷却後排ガスへ前記接触用液体をスプレー 、その後、得られた前記冷却後排ガスと前 接触用液体との混合流体を、60~90m/sにおい 50~300mmH 2 Oの圧力損失を生じさせる高差圧部位を通過 せる手段であることが好ましい。

 ここで、スプレーの際の前記冷却後排ガス 量(Nm 3 )に対する前記接触用液体の量(L)が0.5~2.5L/Nm 3 であることが好ましく、1.0~2.0L/Nm 3 であることがより好ましく、1.5~2.0L/Nm 3 であることがさらに好ましい。理由は前記冷 却後排ガスの前記接触用液体への溶解がよく 行なわれるからである。

 また、前記高差圧部位における圧力損失は6 0~90m/sにおいて50~300mmH 2 Oであることが好ましく、50~250mmH 2 Oであることがより好ましく、50~200mmH 2 Oであることがさらに好ましい。このような 囲の圧力損失であると、前記冷却後排ガス 前記接触用液体との混合流体が乱流状態と り、前記冷却後排ガスと前記接触用液体と 混合が十分に行われ、前記冷却後排ガス中 ガス状の硫黄および硼素を、効率的に前記 触用液体中へ移動させることができるから ある。この圧力損失の値が大きすぎると、 プレーによって発生した前記接触用液体の 滴が合体しすぎ、かえって混合流体の表面 が減少し、前記冷却後排ガスと前記接触用 体との接触時間が減少し、前記排ガスの処 量が少なくなってしまう。

 60~90m/sにおいて50~300mmH 2 Oの圧力損失を生じさせる高差圧部位とは、 記冷却後排ガスと前記接触用液体との混合 体の流路において、前記混合流体の流れを 害し、圧力損失を生じさせる部位である。 えば、前記混合流体の流路中に板や棒を設 した部位、流路自体を狭くした部位が挙げ れる。流体の流れ方向に対する板の角度や の数等を調整することで、上記の圧力損失 なるように調整することができる。

<清浄ガスおよび接触後排液>
 このような接触手段によって前記冷却後排 スと前記接触用液体とを接触させることで 前記冷却後排ガスに含まれる硫黄および硼 を前記冷却後排ガス中から分離する。
 このような接触手段を適用することによっ 、清浄ガスおよび接触後排液が得られる。
 清浄ガスは、前記接触手段に供された後の 硫黄および硼素の多くが分離された後の冷 後排ガスであり、接触後排液は、前記冷却 排ガスの温度を低下させ、前記冷却後排ガ 中から分離した硫黄および硼素を含むこと なった接触用液体である。

 清浄ガスは浄化されたガスであり、硫黄お び硼素の含有率は非常に低い。また、フッ および塩素の含有率も非常に低い。
 清浄ガス中の硫黄濃度は、前記排ガスの硫 濃度が30ppm(O 2 =15体積%換算)である場合、冷却工程や除去工 での処理条件等を好ましいものにすること 、1ppm以下とすることができる。
 清浄ガス中の硼素濃度は、前記排ガスの硼 濃度が50mg/Nm 3 である場合、冷却工程や除去工程での処理条 件等を好ましいものにすることで、1mg/Nm 3 以下とすることができる。
 清浄ガス中のフッ素濃度は、前記排ガスの ッ素濃度が40mg/Nm 3 である場合、冷却工程や除去工程での処理条 件等を好ましいものにすることで、0.2mg/Nm 3 以下とすることができる。
 清浄ガス中の塩素濃度は、前記排ガスの塩 濃度が50mg/Nm 3 である場合、冷却工程や除去工程での処理条 件等を好ましいものにすることで、0.2mg/Nm 3 以下とすることができる。

 清浄ガスの温度は、特に限定されず加熱も 要ないが、75℃以下となっていることが好 しく、70℃以下となっていることがより好ま しく、60℃以下となっていることがさらに好 しい。理由は、排ガス中の水分を凝集させ ためである。
 なお、清浄ガスの硫黄濃度、温度等は前記 触手段に供した直後でのものを意味する。
 各成分濃度の測定方法、温度の測定方法は 前記排ガスにおけるものと同様とする。

 前記接触後排液のpHは前記冷却後排ガス中 硫黄濃度や処理条件等によって変化するが5~ 9であることが好ましく、6~8であることがよ 好ましく、7~8であることがさらに好ましい
 前記接触後排液のpHがこのような値である で、前記除去工程は耐食材料製の内壁を有 る外囲器からなる装置で行うことが好まし 。耐食材料としては、FRP、ステンレスなど 挙げられる。中でもFRPがより好ましい。
 なお、前記接触後排液のpH、硫黄等各成分 度、温度は前記接触手段に供した直後での のを意味する。これらの測定方法は、前記 却用液体におけるものと同様とする。

 接触後排液の硫黄濃度は特に限定されな 。たとえば、冷却用液体が水の場合には、0 ~15000ppmであることが好ましく、0~5000ppmである ことがより好ましい。

 接触後排液の硼素濃度は特に限定されな 。たとえば、冷却用液体が水の場合には、0 ~10000mg/Lであることが好ましく、0~5000mg/Lであ ことがより好ましい。

<除去工程の具体的態様>
 このような除去工程は、ベンチュリースク バー、サイクロンスクラバー、ジェットス ラバー等にて行うことができる。中でもベ チュリースクラバーにて行うことが好まし 。理由は構造が容易であることと、運転費 が安価で除去効率が高いためである。ベン ュリースクラバー内で前記冷却後排ガスに 記接触用液体をスプレーし、前記高差圧部 を通過させることで、ベンチュリースクラ ー内で前記冷却後排ガスから硫黄および硼 が分離、除去が行われ、ベンチュリースク バーの底部に硫黄および硼素を含む接触後 液が貯留する。よって、少なくともベンチ リースクラバーの内壁の底部がFRP製である とが好ましい。また、ベンチュリースクラ ーの内部の前記冷却後排ガスおよび前記接 後排液と接する部分がFRP製であることがよ 好ましい。

<分離工程>
 本発明の製造方法においては、前記冷却工 と前記除去工程との他に、さらに、前記清 ガス中に残存する液体を分離して、清浄後 液として回収する分離工程を具備すること 好ましい。前記清浄ガス中には液体が主に スト状で残存している場合が多いが、前記 去工程の後であって煙突等から大気放散さ る前の清浄ガス流路(排ガス管等)において スト状の液体が凝集し、前記流路を液体で 封する可能性があるからである。

 前記清浄ガス中に残存する液体を分離す 手段は特に限定されないが、遠心力を用い 清浄ガス中からミスト状の液体を分離する 段、サイクロンなどが適用できる。中でも 遠心力集塵機を適用する方法が好ましい。 スト状の液体の分離を効率よく行うことが きるからである。

 また、分離した液体は前記接触後排液と 程度にpHが比較的低い場合がある。よって 分離工程は内壁がFRP製の外囲器からなる装 にて行うことが好ましい。

<排液の再利用>
 このような本発明の製造方法において、前 冷却排液、前記接触後排液および前記清浄 排液の少なくとも1種類を回収し、pH、硫黄 度および硼素濃度を管理、調整し、前記冷 手段および/または前記接触手段において冷 却用液体および/または接触用液体として再 用することが好ましい。
 再利用する際の冷却用液体および接触用液 のpH、硫黄濃度および硼素濃度は、上記に した各々の液体を使用する場合の好ましい であることが好ましい。pH、硫黄濃度および 硼素濃度の調整は通常の方法で行うことがで きる。pHが低すぎる場合は苛性ソーダを添加 て調整することができる。硫黄濃度または 素濃度が高すぎる場合は、水を添加するこ で低くすることができる。

 また、前記冷却排液、前記接触後排液お び前記清浄後排液の少なくとも1つから、硫 黄および/または硼素を分離して、ガラス原 として再利用することが好ましい。

<清浄ガス排出方法>
 前記除去工程で得られる前記清浄ガスまた 前記分離工程で処理した後の清浄ガスは、 記のように浄化されているので、大気へ放 することができる。
 また、本発明の製造方法においては、放散 る際の清浄ガスの温度を70℃以下とするこ ができる。清浄ガス中の硫黄分が低いので 酸露点以下の温度としても、配管等の清浄 ス流路を腐食し難いからである。従来法の うに清浄ガス中の硫黄分が比較的高い場合 、清浄ガス温度を150℃程度にまで加熱する 要があるが、本発明の製造方法では、この うな加熱を行うための設備は必要ない。

 さらに、前記清浄ガスはファンを用いて 突から大気へ放散することが好ましい。理 は、大量の前記清浄ガスが出た場合、煙突 ドラフト効果だけでは、大気への放散が困 なためである。さらに、前記ファンは前記 去工程における前記高差圧部位に連動して 前記清浄ガスの放散量を制御できるもので ることが好ましい。理由は、ガラスの品質 安定化させるために、ガラス溶解炉から出 くる前記排ガスの風量が一定になるよう制 しなければならないためである。これには 下の意味がある。前記高差圧部位の差圧を めた場合、それに対するファンによる清浄 スの放散量が決まる。しかし、前記排ガス に含まれる硫黄、硼酸、フッ素、塩素の濃 、温度が変動した場合、前記高差圧部位で 圧損以外に他場所での圧損条件が変化する その結果、前記清浄ガスの放散量が変化し しまう。このため、圧損に連動して制御で ることが好ましい。

<他の工程>
 本発明の製造方法における他の工程は、通 のガラス製品の製造方法が具備する工程と 様であってよい。
 例えば、ガラス原料を溶融して前記排ガス 発生しつつ溶融ガラスを得る溶解工程、溶 ガラスを所定のガラス製品の形状に成形す 成形工程、ガラス製品の内部歪みを除去し つ徐々に冷却する徐冷工程および切断工程 挙げられる。

 溶解工程は、珪砂、石灰石やソーダ灰等の 料をガラス製品の組成に合わせて調合、混 されたバッチをガラス溶解炉に投入し、ガ スの種類に応じて約1400℃以上に加熱溶融し て溶融ガラスを得る工程である。例えば、公 知の溶解炉内に炉の一端からバッチを投入し 、重油を燃焼して得られる火炎をこの投入し たバッチに吹きつけて、また、天然ガスを空 気と混合して燃焼して得られる火炎を吹きつ けて、約1550℃以上に加熱してバッチを溶か ことによって溶融ガラスを得ることができ 。本発明の製造方法は、この溶解炉で発生 る排ガスから所定の成分を除去し、残った 定濃度以下の清浄ガスを煙突から排出する のである。
 ガラス溶解炉で発生した前記排ガスを、バ フィルター等の集塵機を通過させた後に、 記冷却工程に供することもできる。

 成形工程は、公知技術としてフロート法 ロールアウト法があるがいずれか、あるい その他の方法であってもよい。以下、フロ ト法を例に説明すると、成形工程では、溶 錫浴に溶融ガラスを溶解炉の下流部から導 し、溶融錫上に溶融ガラスを浮かせて進行 せガラスリボンに成形する。成形工程では 溶融ガラスの平衡厚みよりも薄いガラスリ ンを成形するために、進行方向の直交する 方向の両端部に、トップロールと呼ばれる 転するロールを押圧し、幅方向に張力を印 して、溶融錫上のガラスリボンが縮幅する を抑制しつつ進行方向にも引き伸ばすこと できる。

 続く徐冷工程は、成形後にリフトアウトロ ルによって、ガラスリボンを溶融錫から引 出した後の工程である。徐冷は、ガラスリ ンの搬送機構としての金属ロールと、ガラ リボンの温度を徐々に下げるための機構を える徐冷炉ないし大気中で行う。徐々に温 を下げる機構は、燃焼ガスまたは電気ヒー により、その出力が制御された熱量を、炉 の必要位置に供給してガラスリボンを常温 近い温度域までゆっくり冷却する。これに って、ガラスリボンに内在する残留応力を くすことができる。
 切断は、所望のサイズにガラス製品を採板 るために行う工程である。

 また、ガラス原料をガラス溶解炉で溶解 る工程において、ガラス溶解炉内を酸素雰 気とし、通常硫黄を含む重油を燃焼させた ーナー炎によりガラス原料を加熱して溶融 ラスとする、いわゆる酸素燃焼の場合に、 発明の製造方法の効果が高い。これは、酸 燃焼の場合には、排ガス中の気化した硼素 たは硼素化合物の割合が空気燃焼に比べて1 .7倍程度高くなるからである。

 なお、本発明の製造方法では従来法のよ に電気集塵機を用いる必要がない。理由は 前記冷却排液、前記接触後排液で煤塵も洗 流すからである。したがって、煤塵除去と う効果も奏する。また、前述したように、 発明の製造方法においては、一連の工程に いて析出した硼酸または排ガスを必ずしも 熱する必要がない。したがって、従来の再 熱が必要な方法に比べて稼動時のコストを の分低くできる効果も奏する。

 本発明の製造方法について、実施例に基づ てより具体的に説明する。但し、本発明は 下の実施例に限定されるものではない。ま 、以下の説明では、本発明の製造方法にお る成形工程、徐冷工程および切断工程など 通常のガラス製品の製造方法が具備する工 に関わる部分については省略した。
 図1は本発明の製造方法の概略図である。図 1では、溶融工程中のガラス溶解炉10から発生 した排ガス12がバグフィルター14を経由して ス温度135~155℃で、冷却塔16へ供給される。
 冷却塔16内では排ガス12へ冷却用水18がスプ ー1本あたり1~3m 3 /h、3本の合計3~9m 3 /hで散布し接触させられる。
 そして、65~90℃に冷却された冷却後排ガス20 は、配管22を通り、ベンチュリースクラバー2 4へ供給される。また、排ガス12を冷却した後 の冷却用水18は水温60~70℃となり、冷却塔16の 底部で冷却排液26として貯留する。冷却排液2 6は冷却塔16の底部から、底部に取り付けられ た配管28を通じて抜き取られ、タンク30へ集 られる。

 配管22を経由してベンチュリースクラバー24 へ供給された冷却後排ガス20には、接触用水2 7をスプレー1本あたり7~10m 3 /h、3本の合計21~30m 3 /hで散布される。そして、50~180mmH 2 Oに設定された高差圧部位29を通過し、温度65~ 70℃の清浄ガス31として遠心力集塵機32へ供給 され、液体(水分)は、ベンチュリースクラバ 24の底部に接触後排液34として貯留する。接 触後排液34は冷却排液26と同様に、ベンチュ ースクラバー24の底部から、底部に取り付け られた配管36を通じて抜き取られ、タンク30 集められる。

 遠心力集塵機32へ供給された清浄ガス31は、 遠心力集塵機32内でミスト状の水分が除去さ 、煙突37を通じて温度60~70℃の清浄ガスとし て大気へ放散される。煙突37と遠心力集塵機3 2との間にはファン39があり、これによって、 これらの装置内を通過するガス流量を調整す ることができる。ガス流量の調整量は、排ガ スの容量に応じて決められるものであるが、 比較的大きな溶解炉において9000~11000Nm 3 /hの範囲で調整することもできる。
 遠心力集塵機32内の底部にはミスト状の水 38が貯留する。この水分38は冷却排液26およ 接触後排水34と同様に、遠心力集塵機32の底 から、底部に取り付けられた配管40を通じ 抜き取られ、タンク30へ集められる。

 タンク30に集められた水は、タンク内でpHを 6~8に調整する。タンク30にはpH計42およびNaOH 加装置44が取り付けられている。
 タンク30にてpH調整された水は水温60~70℃で 冷却用水18、接触用水27として再利用される 。

 次に、図1に示した本発明の製造方法の概略 図に基づいて、冷却工程および除去工程を具 備する装置を製作し、本発明の効果を確認し た結果について説明する。この装置は、公知 技術のガラス溶解炉およびその他の製造設備 に付設した。その後、日を変えて3回に渡っ 効果を確認した。以下に、実施にあたって 用した試験条件の概要および結果を示す。
 排ガスの容積:約10000Nm 3 /h
 排ガス中のH 2 O:25体積%
 冷却塔直前の排ガスの平均温度:150℃
 冷却塔でのスプレー全量:6m 3 /h
 ベンチュリースクラバーの入口での冷却後 ガス温度:69、74、77℃
 ベンチュリースクラバー内での混合流体の 均速度:75m/s
 ベンチュリースクラバーでの圧力損失:58、9 6、174mmH 2 O
 ベンチュリースクラバーでのスプレー全量: 23m 3 /h
 ベンチュリースクラバーの出口での清浄ガ 平均温度:66℃

 上記の条件によって、冷却工程および除去 程の前においてSOxが13ppm程度、硼酸(B 2 O 3 )が93~164mg/Nm 3 、硼素が29~51mg/Nm 3 (B 2 O 3 換算値)、フッ素が0.66mg/Nm 3 、塩素(HCL換算値)が0.69mg/Nm 3 であったが、除去工程後においてSOxが平均で 1ppm以下、硼酸(B 2 O 3 )が平均で3mg/Nm 3 、硼素が平均で1mg/Nm 3 (B 2 O 3 換算値)、フッ素が0.15mg/Nm 3 以下、塩素(HCL換算値)が0.25mg/Nm 3 となった。温度および濃度の測定は、前述し た方法によった。なお、フッ素と塩素の濃度 は1回のみ測定を行った。

 図2には、前述した装置において、圧力損失 とB 2 O 3 の除去率との関係を示す。除去率は、ベンチ ュリースクラバー入口でのB 2 O 3 の単位体積あたりの重量(mg/Nm 3 )に対する、除去工程後の除去されたB 2 O 3 の単位体積あたりの重量(mg/Nm 3 )の割合を表す。この図2においては、前述の3 回の実施に加えて、圧力損失を4.2mmH 2 Oとした場合のデータを加えた。この場合の ンチュリースクラバーの入口での冷却後排 ス温度は77℃であった。その他の条件は上記 と同じにした。この図2から、圧力損失は少 くとも50mmH 2 O以上が好ましいことがわかった。また、除 率は、圧力損失が200mmH 2 O以上でその増加割合が小さくなることがわ った。なお、圧力損失の値が大きすぎると スプレーによって発生した接触用液体の液 が合体しすぎ、かえって混合流体の表面積 減少し、冷却後排ガスと接触用液体との接 時間が減少し、排ガスの処理量が少なくな てしまう。

 さらに、図1に示した本発明の製造方法の概 略図に基づいて、冷却工程および除去工程を 具備する装置を製作し、前述の実施で利用し た公知技術のガラス溶解炉およびその他の製 造設備に比べて小さい別の設備に付設して、 本発明の効果を確認した結果について説明す る。図3には、実施で得られた冷却後排ガス 温度とB 2 O 3 の除去効率との関係を示す。この図3は、以 の条件にて14回に渡って実施した結果である 。除去率は前述と同様の定義である。
 排ガスの容積:約1000Nm 3 /h
 排ガス中のH 2 O:25体積%
 冷却塔直前の排ガスの平均温度:145~150℃
 冷却塔でのスプレー全量:0.6m 3 /h
 ベンチュリースクラバー内での混合流体の 均速度:75m/s
 ベンチュリースクラバーでの平均圧力損失: 50~100mmH 2 O
 ベンチュリースクラバーでのスプレー全量: 2.2m 3 /h
 ベンチュリースクラバーの出口での清浄ガ 平均温度:65~70℃
 図3の結果から、冷却後排ガスの温度が70℃ 上においても、それ未満の温度の場合と同 度の除去効率が得られることがわかった。 た、冷却後排ガスの温度が90℃を超えると 除去効率が顕著に低下する傾向があること わかった。

 以上の結果から、本実施例により、本発 の製造方法によって、排ガス中に硫黄を高 度で含有する場合であっても、排ガス中か 硫黄と硼素とを同時に除去することができ 排ガス中に水分が多く含まれる場合であっ も適用できる工程を具備する硼素含有ガラ 製品を得るための製造方法を提供できるこ を確認した。また、本実施例によって、冷 後排ガス温度が70℃以上であっても、高い 去効率が得られることがわかった。さらに 本発明の製造方法によって、排ガス中から 黄、硼素、フッ素および塩素を同時に除去 る硼素含有ガラス製品の製造排ガスの浄化 法を提供できることを確認した。

 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照 て説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱 ることなく様々な変更や修正を加えること できることは当業者にとって明らかである
 本出願は、2007年12月5日出願の日本特許出願 2007-314386に基づくものであり、その内容はこ に参照として取り込まれる。