上月 悟 (〒82 東京都江東区牡丹3丁目14番15号 株式会社前川製作所内 Tokyo, 13584, JP)
SHINTO, Shoko (LTD. 14-15 Botan 3-chome, Koto-k, Tokyo 82, 13584, JP)
進藤 昌子 (〒82 東京都江東区牡丹3丁目14番15号 株式会社前川製作所内 Tokyo, 13584, JP)
株式会社前川製作所 (〒82 東京都江東区牡丹3丁目14番15号 Tokyo, 13584, JP)
KOZUKI, Satoru (LTD. 14-15 Botan 3-chome, Koto-k, Tokyo 82, 13584, JP)
上月 悟 (〒82 東京都江東区牡丹3丁目14番15号 株式会社前川製作所内 Tokyo, 13584, JP)
SHINTO, Shoko (LTD. 14-15 Botan 3-chome, Koto-k, Tokyo 82, 13584, JP)
| ミキシング工程から焼成前までのホイロ工程の間の少なくとも一の工程をなし、作業空間を閉鎖空間とし該作業空間を所定圧力に制御しながら夫々の目的作業を行なうようにしたパン生地の製造方法において、 前記圧力制御を行なう工程が、パン原材料への気泡混入を促進するよう圧力パターンを設定したミキシング工程、パン生地中のグルテンを伸縮させるよう圧力パターンを設定したフロアタイム工程、又はパン生地中の気泡数又は気泡膜厚を調整するよう圧力パターンを設定したホイロ工程のうちの少なくとも一の工程であることを特徴とするパン生地の製造方法。 |
| 前記ミキシング工程は、作業空間でパン原材料に圧力変動を反復付加することによりパン原材料への気泡混入を促進するようにした圧力パターンを設定した工程であることを特徴とする請求項1に記載のパン生地の製造方法。 |
| 前記フロアタイム工程は、作業空間でパン生地に定圧の加減圧又は前期から後期に向けて減圧勾配の圧力変動を付加することによりパン生地中のグルテンを伸縮させるようにした圧力パターンを設定した工程であることを特徴とする請求項1に記載のパン生地の製造方法。 |
| 前記ホイロ工程は、作業空間でパン生地に前期から後期に向けて加圧勾配の圧力変動を付加することによりパン生地中の気泡数又は気泡膜厚を調整するようにした圧力パターンを設定した工程であることを特徴とする請求項1に記載のパン生地の製造方法。 |
| ミキシング工程の前期で作業空間を大気圧とし、後期で大気圧とゲージ圧で0.1~0.4MPaの加圧を反復付加するバイブレーション加圧を行う圧力パターンとしたことを特徴とする請求項2に記載のパン生地の製造方法。 |
| フロアタイム工程で作業空間をゲージ圧で0.1~0.4MPaの圧力で全期定圧加圧するか、又は前期で前記加圧範囲で加圧し後期で大気圧にする圧力パターンとしたことを特徴とする請求項3に記載のパン生地の製造方法。 |
| ホイロ工程の前期で作業空間を大気圧とし、後期でゲージ圧で0.1~0.4MPaの圧力で加圧するか又は大気圧と前記加圧範囲の加圧を反復付加するバイブレーション加圧を行う圧力パターンとしたことを特徴とする請求項4に記載のパン生地の製造方法。 |
| ホイロ工程で前記加圧範囲をゲージ圧で0.1~0.2MPaとすることを特徴とする請求項7に記載のパン生地の製造方法。 |
| ミキシング工程の前期で作業空間を大気圧とし、後期で大気圧とゲージ圧で-0.09MPa~大気圧の減圧を反復付加するバイブレーション減圧を行う圧力パターンとしたことを特徴とする請求項2に記載のパン生地の製造方法。 |
| フロアタイム工程で作業空間をゲージ圧で-0.09MPa~大気圧の圧力で全期定圧減圧するか、又は前期を大気圧とし後期を前記減圧範囲で減圧する圧力パターンとしたことを特徴とする請求項3に記載のパン生地の製造方法。 |
| ホイロ工程の前期で作業空間をゲージ圧で-0.09MPa~大気圧の圧力で減圧するか、又は大気圧と前記減圧範囲の圧力とを反復付加するバイブレーション減圧を行ない、後期で作業空間を大気圧とした圧力パターンとしたことを特徴とする請求項4に記載のパン生地の製造方法。 |
本発明は、ミキシング工程から焼成前ま のホイロ工程の間のパン生地の製造工程で パン生地の囲繞空間の圧力を制御すること 、焼成パンの弾力性を高め食感を改善した ン生地の製造方法に関する。
パンの製造工程では、時間、温度、湿度 管理が重要な要素であり、これらを管理す ことによって、焼成したパンの品質(内相、 食感等)の向上を図っている。あるいはパン 地の品質を改善するために、改良剤、酸化 などを添加している。しかし、安定した品 のパンを毎回、毎日製造することは難しく パンの品質は製造者の技量に負うところが きい。
従来から、パン生地の発酵工程において、
ン生地の囲繞空間の気圧の変動が、パンの
来上がりに影響することが知られている。
のため、パン製造工程中にパン生地に加わ
囲繞空間の気圧を制御することで、パンの
質改善を図る試みがなされている。
例えば、特許文献1(特開平10-248481号公報)に
、焼成したパンの焼き色の鮮やかさを向上
せることを目的として、パン生地を1気圧を
越える加圧雰囲気内で発酵させることが開示
されている。
特許文献2(特開2000-287607号公報)には、冷 パン生地を製造する場合に、焼成後のパン 梨肌と呼ばれる白い斑点が現れたり、容積 低下したり、内相が粗くなるなど、いわゆ 冷凍障害と呼ばれる現象が起こることを防 した製造方法が開示されている。
この製造方法は、発酵工程終了後のパン生 を低真空状態で再混捏し、次いで窒素ガス 在状態、加圧状態又は大気圧状態で再混捏 るもので、窒素ガス存在状態、加圧状態又 大気圧状態で再混捏時に、パン生地に気泡 取り込まれ、この気泡がイースト菌によっ 生成されたCO 2 ガスの核となり、パン生地の膨張の起点とな ることによって、冷凍パン生地の焼成時に風 味や食味が良好で、冷凍障害のないパンを製 造できるようにしたものである。
特許文献3(特開2008-43260号公報)には、パン 生地製造工程中に、パン生地に1~60MPaの圧力 付加することで、パン酵母の発酵を抑制す 製パン方法が開示されている。この目的は 特に冷凍パン生地等において、製パン工程 時間調整を容易にし、パンの品質を安定化 せるものである。
最近、内相がキメ細かく、触感として、 力性があり、食感として、歯切れ良く、噛 応えが強く、特にモチモチ感のあるパン類 好まれる傾向にある。特許文献1~3には、外 圧制御を利用した種々のパン生地製造方法 開示されているが、前記嗜好傾向に合致し 製造方法は開示されていない。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み パン生地を囲繞する空間の圧力制御を利用 たパン生地の製造方法を適用し、内相がキ 細かく、触感として、弾力性があり、食感 して、歯切れ良く、噛み応えが強く、特に チモチ感のあるパン類を製造可能にするこ を目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明のパン
地の製造方法は、
ミキシング工程から焼成前までのホイロ工
の間の少なくとも一の工程をなし、作業空
を閉鎖空間とし該作業空間を所定圧力に制
しながら夫々の目的作業を行なうようにし
パン生地の製造方法において、
前記圧力制御を行なう工程が、パン原材料
の気泡混入を促進するよう圧力パターンを
定したミキシング工程、パン生地中のグル
ンを伸縮させるよう圧力パターンを設定し
フロアタイム工程、又はパン生地中の気泡
又は気泡膜厚を調整するよう圧力パターン
設定したホイロ工程のうちの少なくとも一
工程であることを特徴とする。
本発明者等は、ミキシング工程、フロア イム工程又はホイロ工程の夫々の工程で、 ン生地の囲繞空間を特有の圧力パターンに 定し、これら工程のうち少なくとも一の工 で該圧力パターンを適用することにより、 ン生地の弾性を増し、触感が強くなり、そ て食感に噛み応えやモチモチ感が出てくる とを見出し、本発明方法に到達した。
ミキシング工程では、パン原料への気泡 入を促進するよう圧力パターンを設定し、 ロアタイム工程では、パン生地中のグルテ を伸縮させるよう圧力パターンを設定し、 イロ工程では、パン生地中の気泡数又は気 膜厚を調整するよう圧力パターンを設定す 。これら工程のうち、少なくとも一の工程 前記圧力パターンを実施することによって 焼成後のパン内相の弾力性を高め、歯切れ く、噛み応えがあって、かつモチモチ感を 与することができる。
本発明方法のパン製造の各工程で実施する
力パターンを図1及び図2に模式的に示す。
1は、大気圧から大気圧より高圧の圧力を付
する場合の圧力パターン(加圧圧力パターン
)である。
図1において、(a)は、工程の略全期に亘り一
定圧で加圧する圧力パターン(全固定加圧)で
り、(b)は、前期を加圧し、後期で大気圧ま
減圧する圧力パターン(前期固定加圧)であ
。(c)は、前期を大気圧とし、後期で加圧す
圧力パターン(後期固定加圧)であり、(d)は、
前期を大気圧とし、後期で大気圧と大気圧よ
り高圧の圧力とを反復付加するバイブレーシ
ョン加圧を行なう圧力パターン(後期バイブ
ーション加圧)である。
図2は、大気圧から大気圧より低圧の圧力 に減圧する場合の圧力パターン(減圧圧力パ ーン)である。図2において、(a)は、工程の略 全期に亘り一定圧で減圧する圧力パターン( 固定減圧)であり、(b)は、前期を大気圧とし 期で減圧する圧力パターン(後期固定減圧) ある。また、(c)は、前期を減圧し、後期を 気圧に戻す圧力パターン(前期固定減圧)であ り、(d)は前期で大気圧と大気圧より低圧の圧 力とを反復付加するバイブレーション減圧を 行い、後期で大気圧とする圧力パターン(前 バイブレーション減圧)であり、(e)は、前期 大気圧とし、後期で大気圧と大気圧より低 の圧力とを反復付加するバイブレーション 圧(後期バイブレーション減圧)を行う。
本発明方法において、ミキシング工程では
閉鎖作業空間でパン原材料に圧力変動を反
付加することによりパン原材料への気泡混
を促進するようにした圧力パターンを設定
るとよい。この圧力パターンは、図1(d)又は
図2(e)に示す圧力パターンである。
ミキシング工程は、パン生地を構成する原
料の均一混合、適度なグルテンの形成、及
空気の混入を目的とする。前記圧力パター
により、パン生地に圧力変動を反復付加し
パン生地を繰り返し伸縮させることにより
パン原料への気泡混入を促進させると共に
気泡膜にグルテンを複雑に絡ませ、パン生
の弾性を高めることができる。
これによって、焼成後のパン内相の弾性が
し、歯切れ良く、噛み応えがあって、かつ
チモチ感を付与することができる。
ミキシング工程初期では、気泡核内の成 は主に大気と同じ空気(主に窒素)で占めら ているが、発酵が進むに連れて炭酸ガスの 度が高まってくる。加えて、ミキシング工 初期は、比較的気泡の大きさが小さく均一 あるため圧力に対して安定であるが、発酵 進むに連れてその安定性は低下してくる。
フロアタイム工程(第1発酵工程)では、閉鎖
業空間で定圧の加減圧又は前期から後期に
けて減圧勾配の圧力変動を付加することに
りグルテンを伸縮させるようにした圧力パ
ーンを設定するとよい。この圧力パターン
、図1の(a)又は(b)及び図2の(a)又は(b)の圧力
ターンである。
本発明者等は、種々の試験により、フロア
イム工程でパン生地に前記圧力パターンを
与することにより、グルテンを伸縮させ、
れによって、焼成後のパン内相の弾性が増
し、歯切れ良く、噛み応えがあって、かつ
チモチ感を付与することができることを見
出した。
ホイロ工程(最終発酵工程)では、作業空間
パン生地に前期から後期に向けて加圧勾配
圧力変動を付加することによりパン生地中
気泡数又は気泡膜厚を調整するようにした
力パターンを設定するとよい。この圧力パ
ーンは、図1の(c)若しくは(d)又は図2の(c)若し
くは(d)の圧力パターンである。
ホイロ工程の後期では発酵が十分に進み、
泡は十分に大きくなっている。そのため、
イロ工程の後期で、気泡が消失しない程度
圧力で加圧勾配の圧力変動を付加すること
より、焼成後のパン内相の弾性が増し、歯
れ良く、噛み応えがあって、かつモチモチ
を付与することができる。
また、ミキシング工程の前期で作業空間を
気圧とし、後期で大気圧とゲージ圧で0.1~0.4
MPaの加圧を反復付加するバイブレーション加
圧を行う圧力パターンとするとよい。この圧
力パターンは、図1(d)に相当する。なお、以
、本明細書では、圧力表示の単位(MPa)は、す
べてゲージ圧で表示している。
ミキシング工程の初期では、まだ空気の混
が進まず気泡が成長していないため、気泡
に介在するグルテン自体が太い。そのため
この時点で加圧してもグルテンが太いため
複雑な絡み方をせず、生地の弾性は十分高
らない。
ある程度気泡が形成され、気泡によりグル
ンが細く伸ばされたミキシング工程の後期
、前記バイブレーション加圧を行なう。バ
ブレーション加圧でパン生地を繰り返し伸
させることにより、パン原料への気泡混入
促進できると共に、該気泡膜にグルテンを
雑に絡ませることによって、パン生地の弾
を高めることができる。
これによって、焼成後のパン内相の弾性が
し、歯切れ良く、噛み応えがあって、かつ
チモチ感を付与することができる。
また、0.1~0.4MPaという比較的低圧の加圧力 を付与するため、該圧力の形成に大きな動力 を必要とせず、かつ閉鎖作業空間の構成部材 を高強度にする必要がなく、設備費を低減で きる。
また、フロアタイム工程で作業空間を0.1~0.4
MPaの圧力で全期定圧加圧するか、又は前期で
加圧し後期で大気圧とする圧力パターンとす
るとよい。この圧力パターンは、前者が図1(a
)で、後者が図1(b)に相当する。
これらの圧力パターンを付加することによ
、グルテンを収縮させ、パン生地の弾力性
高めることができる。これによって、焼成
のパン内相の弾性が増し、歯切れ良く、噛
応えがあって、かつモチモチ感を付与する
とができる。加圧の影響は圧力が高いほう
効果的である。
特に、フロアタイム工程の前期で加圧力を
与し、発酵が進むに連れて段階的に(若しく
は徐々に)加圧力を開放することで、気泡数
減少を防ぎ、気泡膜を強化でき、パン生地
弾力性を高めることができる。
フロアタイム工程で、発酵が進み、気泡 に炭酸ガスが充満し、パン生地が膨張する 従って、グルテンは細く引き伸ばされると に、気泡の圧力によって強化される。また フロアタイム工程後段の丸めなどの加工硬 工程によって細く引き伸ばされる程、一層 ン生地の弾性力が増すようになる。
また、ホイロ工程の前期で作業空間を大気
とし、後期で0.1~0.4MPaの圧力で加圧するか又
は大気圧と前記加圧範囲の加圧を反復付加す
るバイブレーション加圧を行う圧力パターン
とするとよい。この圧力パターンは、図1(c)
は図1(d)に相当する。
ホイロ工程の後期では発酵が十分進み、気
は十分に大きくなっている。そのため、ホ
ロ工程の後期で、前記加圧範囲で前記圧力
ターンを設定することにより、気泡数の減
を抑制しながら、気泡の成長を押えること
、気泡の微細化を達成する。
即ち、ホイロ工程の前段で成形工程が行 われるため、成形直後の気泡が小さく不均 な条件下のホイロ工程前期では、加圧せず 大気圧とすることにより、パン生地の膨張 促進させると共に、パン生地の膨張と共に ルテンを細く引き伸ばす。これによって、 ルテンを気泡膜に複雑に絡ませることによ 、パン生地の弾性を高めるようにする。
そして、気泡が比較的大きく成長した後期
加圧することで、気泡数の減少を抑制しつ
、気泡を微細化できる。この圧力パターン
よって、パン生地の弾性をさらに高めるこ
ができる。
ホイロ工程の前期では、気泡膜中のグルテ
は成形工程で強化された直後であり、絡み
いため、ホイロ工程の前期で加圧しても食
が弱い。
一方、ホイロ工程の後期では、気泡膜中の
ルテンは、生地膨張で引き伸ばされている
め絡みやすいので、前記加圧範囲の圧力を
加することにより、食感が改良される(ソフ
トで歯切れよい)。
かかる圧力パターンを付与することによっ
、焼成後のパン内相の弾性が増し、歯切れ
く、噛み応えがあって、かつモチモチ感を
与することができる。
特に、後期にバイブレーション加圧を付加
ると、前記作用効果に加えて、パン生地を
復伸縮させるので、焼成後のパンに特にモ
モチ感を呈することができる。
なお、ホイロ工程で、前記加圧範囲を0.1~ 0.2MPaの範囲の低圧で、これ以上に高圧とする 必要なく、前記作用効果を高めることができ る。従って、さらに閉鎖作業空間の形成が低 コストで容易になる。
また、ミキシング工程の前期で作業空間を
気圧とし、後期で大気圧と-0.09MPa~大気圧の
圧を反復付加するバイブレーション減圧を
う圧力パターンとするとよい。この圧力パ
ーンは、図2(e)に相当する。
この場合も、後期バイブレーション加圧を
う圧力パターンと同様に、パン生地を繰り
し伸縮させることにより、パン原材料への
泡混入を促進できると共に、該気泡膜にグ
テンを複雑に絡ませることで、パン生地の
性を高めることができる。これによって、
成後のパン内相の弾性が増し、歯切れ良く
噛み応えがあって、かつモチモチ感を付与
ることができる。
また、フロアタイム工程で作業空間を-0.09MP
a~大気圧の圧力で全期定圧減圧するか、又は
期を大気圧とし後期を減圧する圧力パター
とするとよい。この圧力パターンは図2の(a)
又は(b)の圧力パターンに相当する。
発酵中のパン生地に対して減圧するとパン
地は膨張し、大気圧に戻すことによって収
する。つまり、気泡中のグルテンは、発酵
よる生地膨張と同じように引き伸ばされ、
緩する。
本発明者等は、生地膨張によって引き伸ば
れたグルテンが、減圧によって一層細く引
伸ばされ、引き伸ばされたグルテンが互い
絡み、そしてその後の分割・丸みを経て、
ン生地の弾性力が高まることを見い出した
フロアタイム工程の後期では、発酵が進み
気泡は十分に大きくなっている。そのため
フロアタイム工程の後期で、減圧状態から
気圧に戻すことにより、気泡の膨張を押え
気泡数の減少を抑制しながら、気泡の微細
を達成できる。
これによって、焼成後のパン内相の弾性が
し、歯切れ良く、噛み応えがあって、かつ
チモチ感を付与することができる。
また、ホイロ工程の前期で作業空間を-0.0 9MPa~大気圧の圧力で減圧するか、又は大気圧 前記減圧範囲の圧力とを反復付加するバイ レーション減圧を行ない、後期で作業空間 大気圧とした圧力パターンとするとよい。 の圧力パターンは、図2の(c)又は(d)の圧力パ ターンに相当する。
ホイロ工程でパン生地の囲繞空間を減圧す
とパン生地は弛緩する。ホイロ工程の前期
は、前段で行われる成形工程で気泡が細分
された直後ということもあって気泡が小さ
、比較的均一である。従って、ホイロ工程
前期で強い減圧を行って生地を膨張させて
、気泡膜が破壊される危険性は少ない。そ
で、ホイロ工程の前期で、気泡膜を破壊し
い程度の減圧圧力に制御できれば、気泡数
減少をある程度防ぐことが可能である。
一方、ホイロ工程の後期では、発酵が最大
に進み、パン生地中の気泡は最大限まで膨
しているため、圧力の変化に対して鋭敏で
比較的弱い減圧圧力でも大きく膨張すると
時に、気泡膜自体が薄くなっているため破
やすい。
そこで、ホイロ工程では、前期を気泡膜を
壊しない程度の前記減圧範囲で減圧し、気
数の減少を防ぎながら、気泡を膨張させて
ルテンを細く引き伸ばすと共に、気泡膜に
ルテンを複雑に絡ませる。これによって、
ン生地の弾性力を高める。
ホイロ工程の後期を大気圧にすることで、
泡数の減少を防ぎながら、気泡の成長を押
ることで、気泡の微細化を達成する。この
うな前期及び後期の圧力制御により、パン
地の弾性を増し、触感を強くし、そして食
に噛み応えを出すことができる。
特に、ホイロ工程の前期で大気圧と前記 圧範囲の圧力とを反復付加する前期バイブ ーション減圧による圧力パターンとするこ によって、パン生地に反復伸縮させる力を 与できるので、気泡の膨張を促進させ、グ テンを細く引き伸ばすと共に、気泡膜にグ テンを複雑に絡ませることができる。これ よって、パン生地の弾性力をさらに高める とができる。
本発明方法によれば、ミキシング工程か 焼成前までのホイロ工程の間の少なくとも の工程をなし、作業空間を閉鎖空間とし該 業空間を所定圧力に制御しながら夫々の目 作業を行なうようにしたパン生地の製造方 において、前記圧力制御を行なう工程が、 ン原料への気泡混入を促進するよう圧力パ ーンを設定したミキシング工程、グルテン 伸縮させるよう圧力パターンを設定したフ アタイム工程、又は気泡数又は気泡膜厚を 整するよう圧力パターンを設定したホイロ 程のうちの少なくとも一の工程であり、こ によって、焼成後のパン内相の弾力性を高 、歯切れ良く、噛み応えがあって、かつモ モチ感を付与することができる。
以下、本発明を図に示した実施形態を用 て詳細に説明する。但し、この実施形態に 載されている構成部品の寸法、材質、形状 その相対配置などは特に特定的な記載がな 限り、この発明の範囲をそれのみに限定す 趣旨ではない。
本発明の実施例を図3~図8に基づいて説明 る。図3に、本実施例で用いたパンの原材料 及びその配合割合、及びミキシング工程から 焼成工程までの製法を示す。ミキシング工程 では、図4に示すように、パン生地ミキシン 装置1を圧力制御可能な加減圧室2の内部に設 け、ミキシング中のパン原材料の囲繞空間s 圧力制御可能にしている。パン原材料を入 る容器11の内部に攪拌羽根12が配置され、攪 羽根12は、図示しない駆動モータにより回 する。容器11の下部には温度センサ13を設け パン生地pの温度を外部から検出可能にして いる。
フロアタイムからホイロ工程までの発酵 程では、発酵容器としてPPカップやPPタッパ ーを用い、パン生地を入れた発酵容器を圧力 制御可能な加圧減圧装置に入れて、発酵工程 を実施した。この結果を図5~図8に示す。図5 び図6は、ミキシング工程、フロアタイム工 及びホイロ工程の各工程で適用した圧力パ ーンを示し、図5は大気圧から大気圧より加 圧した場合の加圧圧力パターンであり、図6 大気圧から大気圧より減圧した場合の減圧 力パターンである。
図7は、図5に示す加圧圧力パターンを適用
た場合の試験結果を示し、図8は、図6に示す
減圧圧力パターンを適用した場合の試験結果
を示す。
図9は、図7に示す実施例のうち、フロアタ
ム工程で[F加-1]及び[F加-2]の圧力パターンを
用した実施例と、フロアタイム工程を大気
下で行なった従来の方法との試験結果を比
して示すものである。図10は、図7に示す実
例のうち、ホイロ工程で本発明の各圧力パ
ーン([H加-2]及び[H加-6]を除く)を適用した実
例と、ホイロ工程を大気圧下で行なった従
の方法との試験結果を比較して示すもので
る。
なお、図3~図10中の圧力表示の単位(MPa)は べてゲージ圧で表示している。また、図7及 び図8に示す各条件での試験結果は、ミキシ グ工程、フロアタイム工程又はホイロ工程 うち一の工程で、図7又は図8に示す圧力パタ ーンを適用したものであり、これらすべての 工程で加圧又は減圧制御をしたものではない 。
これらの試験結果から、次の所見を得る とができる。即ち、本発明方法を適用して ミキシング工程、フロアタイム工程又はフ アタイム工程のいずれか一の工程に本発明 圧力パターンを設定したことにより、焼成 のパンの弾性を高め、口どけ良く、歯切れ 良い食感となり、かつモチモチ感を高める とができる。
本発明の実施例で、加圧圧力パターンの加
範囲は、0.1~0.3MPa(ゲージ圧)の低圧範囲で実
でき、実用化が容易である。即ち、該圧力
ターンを付与するためのポンプ動力を低減
き、かつパン生地を囲繞する閉鎖空間の構
部材の強度を低減できる。
減圧範囲も-0.08~0MPa(ゲージ圧)の低減圧範囲
実現でき、実行が容易である。
特に、ミキシング工程では、後期バイブレ
ション加圧又は後期バイブレーション減圧
より、大幅な品質改善が見られた。特に、
加圧又は高減圧とした場合に効果が著しい
とがわかる。
フロアタイム工程で加圧圧力パターンを付
した場合には、図9に示すように、高加圧す
るほど焼成パンの弾性を高め、食感を改善で
きる。そして、0.3MPaで全固定加圧する場合に
最も効果が著しいことがわかった。
ホイロ工程で加圧圧力パターンを付与し 場合は、成形55分後に0~0.18MPaで5分間加圧し 場合(H加-4)、又は成形55分後に0~0.18MPaで1分 イクル×5回を後期バイブレーション加圧し 場合(H加-8)が最も品質の改善が見られた。特 に、[H加-8]では、最もモチモチ感を付与でき ことがわかった。
フロアタイム工程で減圧圧力パターンを付
した場合では、捏上55分後に-0.08MPaで5分間
持し、その後大気圧にする後期固定減圧(F減
-4)が最も品質の改善が見られた。
ホイロ工程で減圧圧力パターンを付与した
合は、成形後に0~-0.08MPaで1分サイクル×5回
前期バイブレーション減圧し、その後大気
にした前期バイブレーション減圧の場合(H減
-2)が最も品質の改善が見られた。
なお、前記試験結果のうち、ホイロ工程で[
H加-8]の条件で行なった試験結果が最も品質
改善が見られた。
これらの実施例から、本発明方法は、ス レート法(直捏法)、中種法、水種法、生地 冷凍法、成形後冷凍法、又はホイロ工程後 凍法等のほぼすべての製パン法に適用可能 あることがわかる。前記実施例は、ミキシ グ工程、フロアタイム工程又はホイロ工程 いずれか一の工程で本発明による圧力パタ ンを適用したものであるが、複数の工程で 発明による圧力パターンを適用できること 言うまでもない。
本発明によれば、パン生地の製造工程中 パン生地の囲繞空間を圧力調整する低コス な手段により、焼成後のパンの弾力性を高 、歯切れ良く、噛み応えが強く、特にモチ チ感のある食感を呈することができる。
