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Title:
PROCESS FOR PRODUCING DIESEL FUEL BASE AND DIESEL FUEL BASE OBTAINED
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041487
Kind Code:
A1
Abstract:
A process for producing a diesel fuel base having improved low-temperature flowability which comprises: fractionating an FT synthetic oil in a first rectifier into a first intermediate fraction and a wax fraction heavier than the first intermediate fraction; hydroisomerizing the first intermediate fraction to obtain an isomerized intermediate fraction; hydrocracking the wax fraction to obtain a cracked wax fraction; and then subjecting a mixture of the resultant isomerized intermediate fraction and cracked wax fraction to fractional distillation in a second rectifier to obtain a diesel fuel base as a second intermediate fraction. Rectification conditions in the first rectifier and/or second rectifier are regulated to selectively reduce the content of n-paraffins having 19 or more carbon atoms in the heavy components of the diesel fuel base. Also provided is a diesel fuel base obtained by the process.

Inventors:
TANAKA YUICHI (JP)
SATO KAZUHITO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067284
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JAPAN OIL GAS & METALS JOGMEC (JP)
INPEX CORP (JP)
NIPPON OIL CORP (JP)
JAPAN PETROLEUM EXPLORATION CO (JP)
COSMO OIL CO LTD (JP)
NIPPON STEEL ENG CO LTD (JP)
TANAKA YUICHI (JP)
SATO KAZUHITO (JP)
International Classes:
C10G2/00; C10G65/14; C10G45/58; C10G47/00; C10L1/08
Domestic Patent References:
WO2007113967A12007-10-11
Foreign References:
JP2004526034A2004-08-26
JP2004526035A2004-08-26
JP2004269686A2004-09-30
JP2004323626A2004-11-18
Other References:
See also references of EP 2199372A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (Marunouchi Chiyoda-k, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 フィッシャー・トロプシュ合成法により得られる合成油を第1の精留塔で、ディーゼル燃料油に相当する沸点範囲の成分を含む第1の中間留分と、当該第1の中間留分よりも重質なワックス分を含むワックス留分の少なくとも二つの留分に分留し、
 前記第1の中間留分は水素化異性化触媒に接触させることにより水素化異性化させて異性化中間留分とし、前記ワックス留分は水素化分解触媒に接触させて水素化分解してワックス分解分とし、
 次いで、得られる前記異性化中間留分とワックス分解分との混合物を第2の精留塔で分留してディーゼル燃料基材を得る方法において、
 前記第1の精留塔および/または第2の精留塔の精留条件を調整して、前記ディーゼル燃料基材の重質分における、炭素数が19以上のn-パラフィン分を選択的に減少させることを特徴とする低温流動性の改善されたディーゼル燃料基材の製造方法。
 前記第1の精留塔の精留条件として、前記水素化異性化の原料である前記第1の中間留分の蒸留90容量%留出温度T90が、前記ディーゼル燃料基材のT90に比べ、20℃以上高くなるように分留することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
 前記水素化異性化の原料である前記第1の中間留分のT90が360℃以上であり、前記ディーゼル燃料基材のT90が340℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
 前記第1の中間留分と前記水素化異性化触媒とを接触させるときの反応温度が180~400℃、水素分圧が0.5~12MPaおよび液空間速度が0.1~10.0h -1 であり、且つ、前記ワックス留分と前記水素化分解触媒とを接触させるときの反応温度が180~400℃、水素分圧が0.5~12MPaおよび液空間速度が0.1~10.0h -1 であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製造方法。
 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の製造方法により得られる、流動点が-7.5℃以下であり、且つ、30℃での動粘度が2.5mm 2 /s以上であることを特徴とするディーゼル燃料基材。
Description:
ディーゼル燃料基材の製造方法 よび得られるディーゼル燃料基材

 本発明は、フィッシャー・トロプシュ合 法により得られる合成油からディーゼル燃 基材を製造する方法、及びディーゼル燃料 材に関する。

 近年、環境負荷低減の観点から、硫黄分 び芳香族炭化水素の含有量が低く、環境に さしいクリーンな液体燃料が求められてい 。そこで、石油業界においては、クリーン 料の製造方法として、一酸化炭素と水素を 料としたフィッシャー・トロプシュ合成法( 以下、「FT合成法」と略す。)が検討されてい る。FT合成法によれば、パラフィン含有量に み、かつ硫黄分を含まない液体燃料基材、 えばディーゼル燃料基材を製造することが きるため、その期待は非常に大きい。例え 環境対応燃料油は特許文献1でも提案されて いる。

特開2004-323626号公報

 ところで、FT合成法によって得られる合成 (以下、「FT合成油」ということがある。)は い炭素数分布を有しており、このFT合成油 らは、例えば、沸点範囲150℃以下の炭化水 を多く含むFTナフサ留分、沸点150℃~360℃の 化水素を多く含むFT中間留分及びこの中間留 分より重質なFTワックス留分を得ることがで る。
 ここで、FT中間留分は、n-パラフィン分が多 く、そのままでは低温性能が不足する恐れが ある。
 さらにFTワックス留分はそれ自体相当量が 産されるので、これを水素化分解して中間 分へ軽質化できれば、ディーゼル燃料の増 につながる。

 したがって、FT合成油からFT中間留分とワッ クス留分に分留し、FT中間留分の方は水素化 性化してイソパラフィン分を増大させて、 の低温性能を改良する。
 一方ワックス分の方は水素化分解して軽質 させてそこから中間留分を増産させること すれば、FT合成油から中間留分としてディ ゼル燃料が性能上もまた量的にも十分なも が得られることとなる。

 ここで、水素化分解においては、異性化反 も進行するものの、水素化分解原料(ワック ス分)の軽質留分に対する異性化選択性が低 ため、分解生成物の低温性能が十分改善さ るとは言いがたい。
 またディーゼル燃料基材自体の低温性能は 上記分解生成物の低温性能の影響を受ける とが大きいため、かかる分解生成物におけ 低温性能を改善する必要がある。

 したがって、本願発明では、FT合成油か ディーゼル燃料基材を得るに際し、量的に 産すると共に低温特性をも改善し、かくし 低温性能の良いディーゼル燃料基材を増産 ることを課題とする。

 従って、本発明においては水素化異性化 れた第1の中間留分をディーゼル燃料基材と し、それにワックス留分の水素化分解からの 軽質化した中間留分相当部分(ワックス分解 )を混合して、ディーゼル燃料基材を製造す こととする。そして、この際、得られるデ ーゼル燃料基材の重質部分においてn-パラ ィンを選択的に減少させ、その結果ディー ル燃料基材自体の低温特性を向上させるも である。

 すなわち、本発明は以下の態様に関する。
(1) フィッシャー・トロプシュ合成法により られる合成油を第1の精留塔で、ディーゼル 燃料油に相当する沸点範囲の成分を含む第1 中間留分と、当該第1の中間留分よりも重質 ワックス分を含むワックス留分の少なくと 二つの留分に分留し、
 前記第1の中間留分は水素化異性化触媒に接 触させることにより水素化異性化させて異性 化中間留分とし、前記ワックス留分は水素化 分解触媒に接触させて水素化分解してワック ス分解分とし、
 次いで、得られる前記異性化中間留分とワ クス分解分との混合物を第2の精留塔で分留 してディーゼル燃料基材を得る方法において 、
 前記第1の精留塔および/または第2の精留塔 精留条件を調整して、前記ディーゼル燃料 材の重質分における、炭素数が19以上のn-パ ラフィン分を選択的に減少させることを特徴 とする低温流動性の改善されたディーゼル燃 料基材の製造方法。
(2) 前記第1の精留塔の精留条件として、前記 水素化異性化の原料である前記第1の中間留 の蒸留90容量%留出温度T90が、前記ディーゼ 燃料基材のT90に比べ、20℃以上高くなるよう に分留することを特徴とする(1)に記載の製造 方法。
(3) 前記水素化異性化の原料である前記第1の 中間留分のT90が360℃以上であり、前記ディー ゼル燃料基材のT90が340℃以下であることを特 徴とする(1)又は(2)のいずれかに記載の製造方 法。
(4) 前記第1の中間留分と前記水素化異性化触 媒とを接触させるときの反応温度が180~400℃ 水素分圧が0.5~12MPaおよび液空間速度が0.1~10.0 h -1 であり、且つ、前記ワックス留分と前記水素 化分解触媒とを接触させるときの反応温度が 180~400℃、水素分圧が0.5~12MPaおよび液空間速 が0.1~10.0h -1 であることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに 載の製造方法。
(5) (1)~(4)のいずれかに記載の製造方法により 得られる、流動点が-7.5℃以下であり、且つ 30℃での動粘度が2.5mm 2 /s以上であることを特徴とするディーゼル燃 基材。

 本発明によれば、FT合成油から、ディー ル燃料基材を製造するに際し、量的にも、 た低温特性という特性的にも、増産を達成 ることができる。

本発明によるディーゼル燃料基材の製 プラントの一実施形態を示した模式図であ 。該製造プラントは、FT合成油を分留する 1の精留塔10と、第1の精留塔10で分留された フサ留分、中間留分、ワックス留分をそれ れ処理する、水素化精製装置30、水素化異性 化装置40、水素化分解装置50を備える、ディ ゼル燃料基材の製造プラントである。

符号の説明

 10  FT合成油を分留する第1の精留塔
 20  水素化異性化装置40と水素化分解装置50 からの生成物を共に分留する第2の精留塔
 30  第1の精留塔10から分留されるナフサ留 の水素化精製装置
 40  第1の精留塔10から分留される第1の中間 留分の水素化異性化装置
 50  第1の精留塔10から分留されるワックス 分の水素化分解装置
 60  水素化精製装置30からの被処理物の軽 ガス分を塔頂から抜き出すスタビライザー
70  ナフサ貯蔵タンク
90A ディーゼル燃料基材の貯蔵タンク

 以下では、本発明のディーゼル燃料基材の 造方法に使用されるプラントの好適な態様 ついて図1を参照しながら本発明を説明する 。
 図1に示すディーゼル燃料基材の製造プラン トは、FT合成油を分留する第1の精留塔10と、 1の精留塔10で分留されたナフサ留分、中間 分、ワックス留分をそれぞれ処理する装置 ある、水素化精製装置30、水素化異性化装 40、水素化分解装置50を備える。

 水素化精製装置30を出たナフサ留分はス ビライザー60を経て、ライン61からナフサと てナフサ貯蔵タンク70に貯蔵される。

 水素化異性化装置40、水素化分解装置50を出 たそれぞれの被処理物は混合されて共に第2 精留塔20へ導入され、第2の精留塔20では第2 中間留分をライン22からタンク90Aに抜き出し て、ディーゼル燃料基材として使用される。 図1の態様では、第2の中間留分は一つである 、適宜に、例えばケロシン留分、ガスオイ 留分などの複数の留分に分留することがで る。
 なお、第2の精留塔20のボトム留分は、ライ 24から、水素化分解装置50の前のライン14へ されてリサイクルされて水素化分解される また第2の精留塔20の軽質な塔頂留分はライ 21からスタビライザー60の前のライン31へ戻 れてスタビライザー60へ導入される。

 第1の精留塔10は、FT合成油を、例えば沸 温度150℃及び360℃で区切られる三つの留分 ナフサ留分、灯軽油留分、ワックス留分に 留することができる。第1精留塔10は、FT合成 油を導入するためのライン1と、並びに、分 された各留分を移送するためのライン12、ラ イン13及びライン14が連結されている。ライ 12、ライン13及びライン14はそれぞれ、150℃ 満の温度条件で分留されるナフサ留分、150 以上360℃以下の温度条件で分留される中間 分及び360℃を超える温度条件で分留される ックス留分を移送するためのラインである なお、FT合成油を分留する際、各々の留分の カットポイントは、ターゲットとする最終製 品の収率等を加味して適宜選択されるもので ある。

(FT合成油の分留)
 まず、本発明に供されるFT合成油としては FT合成法により生成されるものであれば特に 限定されないが、沸点150℃以上の炭化水素を FT合成油全量基準で80質量%以上含み、且つ、 点360℃以上の炭化水素をFT合成油全量基準 35質量%以上含むものが好ましい。なお、FT合 成油全量とは、FT合成法により生成される炭 数5以上の炭化水素の合計を意味する。

 第1の精留塔10では、少なくとも2つのカット ポイントを設定してFT合成油を分留すること より、第1のカットポイント未満の留分をラ イン12からナフサ軽質留分、第1のカットポイ ントから第2のカットポイントまでの留分を イン13から灯軽油留分としての中間留分、第 2のカットポイントを超える留分をワックス 分である塔底油(重質なワックス分)としてラ イン14から得ることができる。
 なお、第1の精留塔10における圧力は、減圧 たは常圧蒸留とすることができる。通常は 圧蒸留である。

 ナフサ留分は第1の精留塔10の塔頂のライン1 2から水素化精製装置30へ送られ、そこで水素 化処理をされる。
 灯軽油留分の中間留分は第1の精留塔10のラ ン13から水素化異性化装置40へ送られ、そこ で水素化異性化処理をされる。
 ワックス留分は第1の精留塔10のボトムのラ ン14から抜き出されて、水素化分解装置50へ 移送されて、水素化分解処理をされる。

 第1の精留塔10の塔頂のライン12から抜き出 れるナフサ留分は、いわゆるナフサとして 石油化学原料、あるいはガソリン基材に使 することができる。
 ここで、原油からのナフサと比較すると、F T合成油からの上記ナフサ留分には相対的に レフィン分やアルコール分が多く、その分 わゆるナフサとしては使用しがたい。なお FT合成油中では、オレフィン分やアルコール 分は、その含有割合としては、より軽質留分 中に多くなるので、結果的にはナフサ留分が これらの含有割合は最も多く、ワックス留分 は最も少ない。

 そこで、水素化精製装置30では、水素化 理によりオレフィンに水素添加して、これ パラフィンに転換したり、またアルコール 水素化処理することで脱水酸基を行い、こ を同じくパラフィンに転換するなどを行う なお、ナフサ使用としては、n-パラフィンを イソ-パラフィンとする異性化や、分解作用 講じることは不要である。つまり水素化精 装置30を出て、ライン31でスタビライザー60 移送されて、そこでガスなどの軽質分がそ 塔頂から抜かれ、そのボトムから得られる フサ留分は、ライン61を経て、ナフサ貯蔵タ ンク70に貯蔵される。

 次に、第1の精留塔10からライン13を介し 抜き出される第1の中間留分である灯軽油留 は、たとえばディーゼル燃料の基材として 用される。

 このFT合成油からの第1の中間留分には、 当量n-パラフィンが含まれるため、その低 流動性等の低温特性は必ずしも良くない。 こで、低温特性を改善すべく、上記第1の中 留分に対して水素化異性化を施す。水素化 よる異性化を施すことにより、異性化のほ に、オレフィンの水素化やアルコールの脱 酸基化処理も同時に施される。FT合成油を 留してなる中間留分は、オレフィンやアル ールを含むことがあるので、このような水 化異性化は、これらオレフィンやアルコー をパラフィンに転換し、これを更にイソパ フィンに転換することができるので都合が い。

 なお、水素化の条件によっては、水素化 解反応を併発することが可能であるが、分 反応を併発させると中間留分の沸点が変動 たり、中間留分収率が悪化したりするので 中間留分の異性化工程では分解反応は避け ようにする。

 ボトムライン14からはワックス留分が抜き される。FT合成油を分留して得られるワック ス留分は、その量も相当であるので、これを 分解して少なくとも中間留分を回収し、中間 留分を増産する。
 ワックス分解は水素化分解である。水素化 解では、水素添加するため、含まれること あるオレフィンやアルコールはいずれもパ フィンに転換されるので都合が良い。
 ここで、水素化分解では水素化分解原料(ワ ックス分)の軽質留分に対する異性化選択性 低いため、分解生成物の低温性能は必ずし 十分とは言えない。 

 一方で、先に述べたように、ディーゼル燃 基材自体の低温性能は、その分解生成物(ワ ックス分解分)の低温性能に左右されるもの あるので、このような分解生成物の低温性 を改善する必要がある。
 そこで、本発明においては、第1の精留塔10 ライン13から抜き出される第1の中間留分は その成分としては、水素化分解装置50にお て処理するとした場合に異性化選択性の低 軽質ワックス分(炭素数20~25の範囲のn-パラフ ィン分)を含むように分留されることが好ま い。

 すなわち、第1の中間留分は、精留条件とし て、いわゆる深絞り(粗抽出)をする。より具 的には、第1の中間留分の沸点範囲の上限と しては、第2の精留塔より得られるディーゼ 燃料基材の上限にあわせるのではなく、デ ーゼル燃料基材に要求される沸点範囲より わずかであるが高く設定することが好まし 。このような条件下では、より重質な部分 も、当該中間留分に取り込むように分留す ことが可能だからである。
 より具体的な精留条件としては、前記第1の 精留塔の精留条件として、前記水素化異性化 の原料である前記中間留分の蒸留90容量%留出 温度(T90)が、前記ディーゼル燃料基材のT90に べ、20℃以上高くなるように分留するもの ある。また、この第1の中間留分のT90とディ ゼル燃料基材のT90との差の上限は、特に限 されるものではないが、一般的には40℃以 である。
 なお、ここでいう蒸留90容量%留出温度(T90) は、JIS K2254「石油製品-蒸留試験方法」に準 拠して求めた値である。

 例えば、前記水素化異性化の原料である前 中間留分のT90が360℃以上であり、得られる ィーゼル燃料基材のT90が340℃以下となるよ に分留することができるものであり、かく てディーゼル燃料基材のT90に比べ、20℃以 高くなるように分留することとなる。
 ここで、該第1の中間留分のT90の上限は、特 に限定されるものでもないが、中間留分中の 重質分に対し十分な水素化異性化処理を容易 に行える観点でいえば、該第1の中間留分のT9 0は一般的には380℃以下とすることが好まし 。また、ディーゼル燃料基材のT90の下限に いても、特に限定されるものでもないが、 ィーゼル燃料基材の得率を良好なものとし かつ、以下に説明の動粘度の値が過度に小 くなることを防止する観点から言えば、デ ーゼル燃料基材のT90は一般的に320℃以上と ることが好ましい。

 以上のような深絞りの分留の結果、第1の 精留塔のライン14からのワックス留分には、 素化分解における異性化選択性の低い軽質 ックス分(炭素数20から25の範囲のn-パラフィ ン分)が実質的に含まれないこととなり、そ てこの軽質ワックス分はライン13を経て水素 化異性化装置40で異性化されることとなり、 くして得られるディーゼル燃料基材には炭 数20から25の範囲のn-パラフィンがより少な なり、ディーゼル燃料油自体の低温特性が 上することとなる。

 更に説明を続けると、水素化異性化装置40 らの被処理物は、ライン41を経て第2の精留 20へ導入される。
 同様に、水素化分解装置50からの被処理物 ライン51を経て第2の精留塔20へ導入される。

 水素化異性化生成物と水素化分解生成物と 混合後に、第2の精留塔では分留し、軽質分 はライン21からナフサ留分系へ移送させ、第2 の中間留分としてライン22からディーゼル燃 基材を取り出す。先の説明のように、第2の 中間留分として複数の留分を分留して取り出 しても良い。
 水素化異性化生成物と水素化分解生成物と 混合は、特に限定されず、タンクブレンド もラインブレンドでも良い。
 なお、第2の精留塔における圧力は、減圧ま たは常圧蒸留とすることができる。通常は常 圧蒸留である。

 第2の精留塔20のボトム成分は、ワックスの 素化分解装置50の前へライン24からリサイク ルし、再度水素化分解して、分解収率を向上 させる。
 ここで、第2の精留塔20では、基本的にディ ゼル燃料基材が得られることになる。

 そこで、ディーゼル燃料基材の低温特性 、その重質部分で決定されるところから、 2の精留塔での分留は、当該重質部分に相当 するn-パラフィン分(炭素数19以上のn-パラフ ン分)が第2の精留塔のボトムへ抜けるよう、 その精留度を上げて分留する。n-パラフィン が選択的により多く第2の精留塔20のボトム 抜ければ、それはライン24を経てリサイク することによる分解収率の向上にも寄与す 。第2の精留塔での精留度向上は、公知の方 によることができる。たとえば、精留段数 増やす、精留性能のよいトレーを選択する どである。

 そして、ディーゼル燃料基材は抜き出し 、又は複数に分留した中間留分ではこれを 宜に混合し、ディーゼル燃料のタンクであ 90Aに貯蔵し、その使用に備える。

 ここで、ディーゼル燃料基材としては、運 時の油膜切れ等の理由から一定以上の30℃ の動粘度が要求されている。具体的には30℃ での動粘度は、2.5mm 2 /s以上であることが必要であり、上限は特に 定されるものでもないが、6.0mm 2 /s以下であることが好ましい。30℃での動粘 が6.0mm 2 /sを超えると、黒煙が増加することがあるの 好ましくない。
 そして、寒冷地での使用から低温特性、例 ば低い流動点も要求されている。具体的に 流動点は-7.5℃以下が好ましい。該流動点は 、低温性能向上の観点からは、一般的に低け れば低いほど好適であり、その下限は特に限 定されるものではない。しかし、流動点が低 すぎると上記30℃における動粘度の値が小さ なり過ぎ、高温下における良好なエンジン 始動性、アイドリング時のエンジン回転の 定性、燃料噴射ポンプの耐久性等の確保が 難となる場合がある。したがって、このよ な高温下で本発明のディーゼル燃料基材を 用する場合には、例えば、流動点は-25℃以 であることが好ましい。また、流動点を-25 から-7.5℃の範囲に調整したディーゼル燃料 基材は、寒暖差の激しい地域であっても優れ た性能を発揮できるため、好適に使用できる 。
 なお、ここでいう30℃での動粘度はJIS K2283 原油及び石油製品-動粘度試験方法及び粘度 指数算出方法」に、流動点はJIS K2269「原油 び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点 験方法」に準拠して測定される値である。

 次には、ディーゼル燃料基材を製造する めに、より具体的に、各反応装置の操業条 等を説明する。

<第1の中間留分の水素化異性化>
 水素化異性化装置40では、第1の精留塔で分 した第1の中間留分を水素化異性化する。水 素化異性化装置40としては、公知の固定床反 塔を用いることができる。本実施形態では 反応塔において、所定の水素化異性化触媒 固定床の流通式反応器に充填し、第1の精留 塔20で得られた第1の中間留分を水素化異性化 する。ここでいう水素化異性化処理には、n- ラフィンのイソパラフィンへの異性化のほ に、水素添加によるオレフィンのパラフィ への転化や、脱水酸基によるアルコールの ラフィンへの転化が含まれる。

 水素化異性化触媒としては、例えば、固 酸を含んで構成される担体に、活性金属と て周期律表第VIII族に属する金属を担持した ものが挙げられる。

 好適な担体としては、シリカアルミナ、 リカジルコニア及びアルミナボリアなどの 熱性を有する無定形金属酸化物の中から選 れる1種類以上の固体酸を含んで構成される ものが挙げられる。

 触媒担体は、上記固体酸とバインダーと 含む混合物を成形した後、焼成することに り製造することができる。固体酸の配合割 は、担体全量を基準として1~70質量%である とが好ましく、2~60質量%であることがより好 ましい。

 バインダーとしては、特に制限はないが アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、チタ ア、マグネシアが好ましく、アルミナがよ 好ましい。バインダーの配合量は、担体全 を基準として30~99質量%であることが好まし 、40~98質量%であることがより好ましい。

 混合物の焼成温度は、400~550℃の範囲内で あることが好ましく、470~530℃の範囲内であ ことがより好ましく、490~530℃の範囲内であ ことが更に好ましい。

 第VIII族の金属としては、具体的にはコバ ルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、イ リジウム、白金などが挙げられる。これらの うち、ニッケル、パラジウム及び白金の中か ら選ばれる金属を、1種を単独で又は2種以上 組み合わせて用いることが好ましい。

 これらの金属は、含浸やイオン交換等の 法によって上述の担体に担持させることが きる。担持する金属量は特に制限はないが 金属の合計量が担体に対して0.1~3.0質量%で ることが好ましい。

 中間留分の水素化異性化は、次のような反 条件下で行うことができる。水素分圧とし は、0.5~12MPaが挙げられるが、1.0~5.0MPaが好ま しい。中間留分の液空間速度(LHSV)としては、 0.1~10.0h -1 が挙げられるが、0.3~3.5h -1 が好ましい。水素/油比としては、特に制限 ないが、50~1000NL/Lが挙げられ、70~800NL/Lが好 しい。

 なお、本明細書において、「LHSV(liquid hourly  space velocity;液空間速度)」とは、触媒が充 されている触媒層の容量当たりの、標準状 (25℃、101325Pa)における原料油の体積流量の とをいい、単位「h -1 」は時間(hour)の逆数を示す。また、水素/油 における水素容量の単位である「NL」は、正 規状態(0℃、101325Pa)における水素容量(L)を示 。

 また、水素化異性化における反応温度と ては、180~400℃が挙げられるが、200~370℃が ましく、250~350℃がより好ましく、280~350℃が さらにより好ましい。反応温度が400℃を越え ると、軽質留分へ分解する副反応が増えて中 間留分の収率が減少するだけでなく、生成物 が着色し、燃料基材としての使用が制限され るため好ましくない。また、反応温度が180℃ を下回ると、アルコール分が除去しきれずに 残存するため好ましくない。

<ワックス留分の水素化分解>
 水素化分解装置50では、第1の精留塔10で得 れたワックス留分が水素化処理されて分解 れる。水素化分解装置50としては、公知の固 定床反応塔を用いることができる。本実施形 態においては、本実施形態では、反応塔にお いて、所定の水素化分解触媒を固定床の流通 式反応器に充填し、第1の精留塔10で分留され て得られたワックス留分を水素化分解する。 好ましくは、第2の精留塔20でボトムから抜き 出される重質留分をライン24からライン14へ し、第1の精留塔10からのワックス留分と共 水素化分解装置50で水素化分解する。
 なお、ワックス分の水素化処理は、分子量 低下を伴う化学反応が主に進行するもので るが、かかる水素化処理には水素化異性化 包含される。

 水素化分解触媒としては、例えば、固体 を含んで構成される担体に、活性金属とし 周期律表第VIII族に属する金属を担持したも のが挙げられる。

 好適な担体としては、超安定化Y型(USY)ゼ ライト、HYゼオライト、モルデナイト及びβ ゼオライトなどの結晶性ゼオライト、並びに 、シリカアルミナ、シリカジルコニア及びア ルミナボリアなどの耐熱性を有する無定形金 属酸化物の中から選ばれる1種類以上の固体 を含んで構成されるものが挙げられる。更 、担体は、USYゼオライトと、シリカアルミ 、アルミナボリア及びシリカジルコニアの から選ばれる1種類以上の固体酸とを含んで 成されるものであることがより好ましく、U SYゼオライトとシリカアルミナとを含んで構 されるものであることが更に好ましい。

 USYゼオライトは、Y型のゼオライトを水熱 処理及び/又は酸処理により超安定化したも であり、Y型ゼオライトが本来有する20Å以 のミクロ細孔と呼ばれる微細細孔構造に加 、20~100Åの範囲に新たな細孔が形成されて る。水素化精製触媒の担体としてUSYゼオラ トを使用する場合、その平均粒子径に特に 限は無いが、好ましくは1.0μm以下、より好 しくは0.5μm以下である。また、USYゼオライ において、シリカ/アルミナのモル比率(アル ミナに対するシリカのモル比率;以下、「シ カ/アルミナ比」という。)は10~200であると好 ましく、15~100であるとより好ましく、20~60で るとさらにより好ましい。

 また、担体は、結晶性ゼオライト0.1質量% ~80質量%と、耐熱性を有する無定形金属酸化 0.1質量%~60質量%とを含んで構成されるもので あることが好ましい。

 触媒担体は、上記固体酸とバインダーと 含む混合物を成形した後、焼成することに り製造することができる。固体酸の配合割 は、担体全量を基準として1~70質量%である とが好ましく、2~60質量%であることがより好 ましい。また、担体がUSYゼオライトを含んで 構成される場合、USYゼオライトの配合量は、 担体全量を基準として0.1~10質量%であること 好ましく、0.5~5質量%であることがより好ま い。更に、担体がUSYゼオライト及びアルミ ボリアを含んで構成される場合、USYゼオラ トとアルミナボリアとの配合比(USYゼオライ /アルミナボリア)は、質量比で0.03~1である とが好ましい。また、担体がUSYゼオライト びシリカアルミナを含んで構成される場合 USYゼオライトとシリカアルミナとの配合比(U SYゼオライト/シリカアルミナ)は、質量比で0. 03~1であることが好ましい。

 バインダーとしては、特に制限はないが アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、チタ ア、マグネシアが好ましく、アルミナがよ 好ましい。バインダーの配合量は、担体全 を基準として20~98質量%であることが好まし 、30~96質量%であることがより好ましい。

 混合物の焼成温度は、400~550℃の範囲内で あることが好ましく、470~530℃の範囲内であ ことがより好ましく、490~530℃の範囲内であ ことが更に好ましい。

 第VIII族の金属としては、具体的にはコバ ルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、イ リジウム、白金などが挙げられる。これらの うち、ニッケル、パラジウム及び白金の中か ら選ばれる金属を、1種を単独で又は2種以上 組み合わせて用いることが好ましい。

 これらの金属は、含浸やイオン交換等の 法によって上述の担体に担持させることが きる。担持する金属量は特に制限はないが 金属の合計量が担体に対して0.1~3.0質量%で ることが好ましい。

 ワックス分の水素化分解は、次のような反 条件下で行うことができる。すなわち水素 圧としては、0.5~12MPaが挙げられるが、1.0~5.0 MPaが好ましい。中間留分の液空間速度(LHSV)と しては、0.1~10.0h -1 が挙げられるが、0.3~3.5h -1 が好ましい。水素/油比としては、特に制限 ないが、50~1000NL/Lが挙げられ、70~800NL/Lが好 しい。

 また、水素化分解における反応温度とし は、180~400℃が挙げられるが、200~370℃が好 しく、250~350℃がより好ましく、280~350℃がさ らにより好ましい。反応温度が400℃を越える と、軽質留分へ分解する副反応が増えて中間 留分の収率が減少するだけでなく、生成物が 着色し、燃料基材としての使用が制限される ため好ましくない。また、反応温度が180℃を 下回ると、アルコール分が除去しきれずに残 存するため好ましくない。

 本発明の方法により、好ましくは、流動点 -7.5℃以下であり、且つ、30℃での動粘度が2 .5mm 2 /s以上であるディーゼル燃料基材が製造され 。

 以下実施例により本発明をさらに詳細に説 するが、本発明はこれらの実施例に限定さ るものではない。
<触媒の調整>
(触媒A)
 シリカアルミナ(シリカ/アルミナのモル比:1 4)及びアルミナバインダーを重量比60:40で混 混練し、これを直径約1.6mm、長さ約4mmの円柱 状に成型した後、500℃で1時間焼成し担体を た。この担体に、塩化白金酸水溶液を含浸 、白金を担持した。これを120℃で3時間乾燥 、次いで500℃で1時間焼成することで触媒A 得た。なお、白金の担持量は、担体に対し 0.8質量%であった。

 (触媒B)
 平均粒子径1.1μmのUSYゼオライト(シリカ/ア ミナのモル比:37)、シリカアルミナ(シリカ/ ルミナのモル比:14)及びアルミナバインダー 重量比3:57:40で混合混練し、これを直径約1.6 mm、長さ約4mmの円柱状に成型した後、500℃で1 時間焼成し担体を得た。この担体に、塩化白 金酸水溶液を含浸し、白金を担持した。これ を120℃で3時間乾燥し、次いで500℃で1時間焼 することで触媒Bを得た。なお、白金の担持 量は、担体に対して0.8質量%であった。
(実施例1)

<ディーゼル燃料基材の製造>
(FT合成油の分留)
 FT合成法により得られた生成油(FT合成油)(沸 点150℃以上の炭化水素の含有量:84質量%、沸 360℃以上の炭化水素の含有量:42質量%、炭素 20~25の炭化水素含有量:25.2質量%、いずれの 有量もFT合成油全量(炭素数5以上の炭化水素 合計)基準)を第1の精留塔で、沸点150℃未満 ナフサ留分と、第1の中間留分のT90が360.0℃ なるように第1の中間留分とワックス留分と に分留した。
 得られた第1の中間留分のT90、炭素数20以上2 5以下(C 20 ~C 25 )のn-パラフィン含有量、およびワックス留分 のC 20 ~C 25 のn-パラフィン含有量を表1に示す。

 なお、C 20 ~C 25 のn-パラフィン含有量(質量%)は、無極性カラ (ウルトラアロイ-1HT(30m×0.25mmφ)、FID(水素炎 オン化検出器)を装着し、所定の温度プログ ラム、キャリアーガスにHeを使用したガスク マトグラフ(島津GC-2010)にて分離・定量され 組成分析結果に基づき求めた。また、T90はJ IS K2254「石油製品-蒸留試験方法」に準拠し 求めた。以降、特にことわりがないかぎり 実施例2~4、および比較例1も同様の方法で値 求めた。

(第1の中間留分の水素化異性化)
 触媒A(150ml)を固定床の流通式反応器である 素化異性化反応塔40に充填し、上記で得られ た中間留分を水素化異性化反応塔40の塔頂よ 225ml/hの速度で供給して、水素気流下、表2 載の反応条件で水素化処理した。

 すなわち、中間留分に対して水素/油比338 NL/Lで水素を塔頂より供給し、反応塔圧力が 口圧3.0MPaで一定となるように背圧弁を調節 、この条件にて水素化異性化反応を行った 反応温度は308℃であった。

(ワックス留分の水素化分解)
 反応塔50において、触媒A(150ml)を固定床の流 通式反応器である水素化分解装置50の反応塔 充填し、上記で得られたワックス留分を水 化分解装置50の反応塔の塔頂より300ml/hの速 で供給して、水素気流下、表2記載の反応条 件で水素化処理した。

 すなわち、ワックス分に対して水素/油比 667NL/Lで水素を塔頂より供給し、反応塔圧力 入口圧4.0MPaで一定となるように背圧弁を調 し、この条件にて水素化分解した。このと の反応温度は329℃であった。

(水素化異性化生成物及び水素化分解生成物 分留)
 上記で得られた、中間留分の水素化異性化 成物(異性化中間留分)とワックス分の水素 分解生成物(ワックス分解分)とを、それぞれ の得率どおりの割合でラインブレンドし、こ の混合物を第2の精留塔20で得られるディーゼ ル燃料基材のT90が340.0℃となるよう分留し、 ィーゼル燃料基材を抜き出し、タンク90Aに 蔵した。

 第2の精留塔20のボトムは、水素化分解反応 置50の入り口のライン14へ連続的に戻して、 再度水素化分解をした。
 また、第2の精留塔の塔頂成分は、ライン21 ら抜き出して、水素化精製装置30からの抜 出し線31へ導入し、スタビライザー60へ導い 。
 得られたディーゼル燃料基材の得率および 状を表3に示す。

 ここで、炭素数19(C 19 )以上のn-パラフィン含有量(質量%)、およびT90 は前述の分析法にて測定した。また、30℃で 動粘度(動粘度@30℃)はJIS K2283「原油及び石 製品-動粘度試験方法及び粘度指数算出方法 」に、流動点はJIS K2269「原油及び石油製品 流動点並びに石油製品曇り点試験方法」に 拠して求めた。以降、特にことわりがない ぎり、実施例2~4、および比較例1も同様の方 で値を求めた。
(実施例2)

(FT合成油の分留)
 実施例1に用いたのと同じFT合成油を第1の精 留塔で、沸点150℃未満のナフサ留分と、第1 中間留分のT90が370.0℃となるように第1の中 留分とワックス留分とに分留した。
 得られた第1の中間留分のT90、炭素数20以上2 5以下(C 20 ~C 25 )のn-パラフィン含有量、およびワックス留分 のC 20 ~C 25 のn-パラフィン含有量を表1に示す。

(第1の中間留分の水素化異性化)
 触媒A(150ml)を固定床の流通式反応器に充填 、上記で得られた中間留分を水素化異性化 応塔40の塔頂より270ml/hの速度で供給して、 素気流下、表2記載の反応条件で水素化処理 た。

 すなわち、中間留分に対して水素/油比338 NL/Lで水素を塔頂より供給し、反応塔圧力が 口圧3.0MPaで一定となるように背圧弁を調節 、この条件にて水素化異性化反応を行った 反応温度は312℃であった。

(ワックス留分の水素化分解)
 反応塔50において、触媒A(150ml)を固定床の流 通式反応器に充填し、上記で得られたワック ス留分を反応塔の塔頂より255ml/hの速度で供 して、水素気流下、表2記載の反応条件で水 化処理した。

 すなわち、ワックス分に対して水素/油比 667NL/Lで水素を塔頂より供給し、反応塔圧力 入口圧4.0MPaで一定となるように背圧弁を調 し、この条件にて水素化分解した。このと の反応温度は323℃であった。

(水素化異性化生成物及び水素化分解生成物 分留)
 上記で得られた、中間留分の水素化異性化 成物(異性化中間留分)とワックス分の水素 分解生成物(ワックス分解分)とを、それぞれ の得率どおりの割合でラインブレンドし、こ の混合物を第2の精留塔20で得られるディーゼ ル燃料基材のT90が340.0℃となるよう分留し、 ィーゼル燃料基材を抜き出し、タンク90Aに 蔵した。

 第2の精留塔20のボトムは、水素化分解反応 置50の入り口のライン14へ連続的に戻して、 再度水素化分解をした。
 また、第2の精留塔の塔頂成分は、ライン21 ら抜き出して、水素化精製反応器30からの き出し線31へ導入し、スタビライザー60へ導 た。
 得られたディーゼル燃料基材の得率および 状を表3に示す。
(実施例3)

(FT合成油の分留)
 実施例1に用いたのと同じFT合成油を第1の精 留塔で、沸点150℃未満のナフサ留分と、第1 中間留分のT90が375.0℃となるように第1の中 留分とワックス留分とに分留した。
 得られた第1の中間留分のT90、炭素数20以上2 5以下(C 20 ~C 25 )のn-パラフィン含有量、およびワックス留分 のC 20 ~C 25 のn-パラフィン含有量を表1に示す。

(第1の中間留分の水素化異性化)
 触媒A(150ml)を固定床の流通式反応器である 素化異性化反応塔40に充填し、上記で得られ た中間留分を水素化異性化反応塔40の塔頂よ 300ml/hの速度で供給して、水素気流下、表2 載の反応条件で水素化処理した。

 すなわち、中間留分に対して水素/油比338 NL/Lで水素を塔頂より供給し、反応塔圧力が 口圧3.0MPaで一定となるように背圧弁を調節 、この条件にて水素化異性化反応を行った 反応温度は315℃であった。

(ワックス留分の水素化分解)
 反応塔50において、触媒A(150ml)を固定床の流 通式反応器に充填し、上記で得られたワック ス留分を反応塔の塔頂より225ml/hの速度で供 して、水素気流下、表2記載の反応条件で水 化処理した。

 すなわち、ワックス分に対して水素/油比 667NL/Lで水素を塔頂より供給し、反応塔圧力 入口圧4.0MPaで一定となるように背圧弁を調 し、この条件にて水素化分解した。このと の反応温度は319℃であった。

(水素化異性化生成物及び水素化分解生成物 分留)
 上記で得られた、中間留分の水素化異性化 成物(異性化中間留分)とワックス分の水素 分解生成物(ワックス分解分)とを、それぞれ の得率どおりの割合でラインブレンドし、こ の混合物を第2の精留塔20で得られるディーゼ ル燃料基材のT90が340.0℃となるよう分留し、 ィーゼル燃料基材を抜き出し、タンク90Aに 蔵した。

 第2の精留塔20のボトムは、水素化分解反応 置50の入り口のライン14へ連続的に戻して、 再度水素化分解をした。
 また、第2の精留塔の塔頂成分は、ライン21 ら抜き出して、水素化精製装置30からの抜 出し線31へ導入し、スタビライザー60へ導い 。
 得られたディーゼル燃料基材の得率および 状を表3に示す。

(比較例1)
(FT合成油の分留)
 実施例1に用いたのと同じFT合成油を第1の精 留塔で、沸点150℃未満のナフサ留分と、第1 中間留分のT90が340.0℃となるように第1の中 留分とワックス留分とに分留した。
 得られた第1の中間留分のT90、炭素数20以上2 5以下(C 20 ~C 25 )のn-パラフィン含有量、およびワックス留分 のC 20 ~C 25 のn-パラフィン含有量を表1に示す。

(第1の中間留分の水素化異性化)
 触媒A(150ml)を固定床の流通式反応器である 素化異性化反応塔40に充填し、上記で得られ た中間留分を水素化異性化反応塔40の塔頂よ 180ml/hの速度で供給して、水素気流下、表2 載の反応条件で水素化処理した。

 すなわち、中間留分に対して水素/油比338 NL/Lで水素を塔頂より供給し、反応塔圧力が 口圧3.0MPaで一定となるように背圧弁を調節 、この条件にて水素化異性化反応を行った 反応温度は301℃であった。

(ワックス留分の水素化分解)
 反応塔50において、触媒A(150ml)を固定床の流 通式反応器に充填し、上記で得られたワック ス留分を反応塔の塔頂より345ml/hの速度で供 して、水素気流下、表2記載の反応条件で水 化処理した。

 すなわち、ワックス分に対して水素/油比 667NL/Lで水素を塔頂より供給し、反応塔圧力 入口圧4.0MPaで一定となるように背圧弁を調 し、この条件にて水素化分解した。このと の反応温度は335℃であった。

(水素化異性化生成物及び水素化分解生成物 分留)
 上記で得られた、中間留分の水素化異性化 成物(異性化中間留分)とワックス分の水素 分解生成物(ワックス分解分)とを、それぞれ の得率どおりの割合でラインブレンドし、こ の混合物を第2の精留塔20で得られるディーゼ ル燃料基材のT90が340.0℃となるよう分留し、 ィーゼル燃料基材を抜き出し、タンク90Aに 蔵した。

 第2の精留塔20のボトムは、水素化分解反応 置50の入り口のライン14へ連続的に戻して、 再度水素化分解をした。
 また、第2の精留塔の塔頂成分は、ライン21 ら抜き出して、水素化精製装置30からの抜 出し線31へ導入し、スタビライザー60へ導い 。
 得られたディーゼル燃料基材の得率および 状を表3に示す。

 実施例1~3は、第1の中間留分を深絞りし、第 1の中間留分に含まれるC 20 ~C 25 のn-パラフィン量を増やすことにより異性化 択性を向上させ、その結果、得られるディ ゼル燃料基材の低温性能が向上しているこ が分かる。

 本発明のディーゼル燃料基材の製造方法 よれば、FT合成油から低温特性の良いディ ゼル燃料基材が製造可能であるので、該デ ーゼル燃料基材から製造される燃料は、従 、困難であった低温環境下においても適用 ることができる。したがって、本発明は、GT L(Gas to Liquid)・石油精製等の産業分野で高い 利用可能性を有する。