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Patent Searching and Data


Title:
PROCESS FOR PRODUCING ELECTROCONDUCTIVE POLYMER ELECTRODE AND DYE-SENSITIZED SOLAR CELL COMPRISING THE ELECTROCONDUCTIVE POLYMER ELECTRODE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041269
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a process for producing an electroconductive polymer electrode, which can realize excellent electrical conductivity and catalyst performance, easy patterning, and high utilization ratio of a coating solution and can simply produce the electroconductive polymer electrode with high reproducibility and productivity, and a dye-sensitized solar cell using the electroconductive polymer electrode and possessing excellent conversion efficiency and other properties. A solution containing a monomer of an electroconductive polymer, an oxidizing agent, and a pyrrolidone compound represented by general formula (1) as a polymerization regulator is coated on an electrode substrate, followed by oxidative polymerization to polymerize the monomer and thus to form an electroconductive polymer electrode. [Chemical formula 1] (1) wherein R1 represents an alkyl group or an aryl group.

Inventors:
SAITO, Yasuteru (55, Nishishichijo Higashikubo-cho, Shimogyo-ku, Kyoto-sh, Kyoto 73, 6008873, JP)
齋藤 恭輝 (〒73 京都府京都市下京区西七条東久保町55番地 第一工業製薬株式会社内 Kyoto, 6008873, JP)
Application Number:
JP2008/066343
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAI-ICHI KOGYO SEIYAKU CO., LTD. (55 Nishishichijo Higashikubo-cho, Shimogyo-ku Kyoto-sh, Kyoto 73, 6008873, JP)
第一工業製薬株式会社 (〒73 京都府京都市下京区西七条東久保町55番地 Kyoto, 6008873, JP)
SAITO, Yasuteru (55, Nishishichijo Higashikubo-cho, Shimogyo-ku, Kyoto-sh, Kyoto 73, 6008873, JP)
International Classes:
H01M14/00; B05D5/12; C08G61/00; H01L31/04
Foreign References:
JP2006155907A
JP2007128757A
JP2006318770A
JP2003317814A
EP0615256A2
JPH09507334A
JPH08259543A
Other References:
See also references of EP 2192650A4
M. GRATZEL ET AL., ECOLE POLYTECHNIQUE FEDERALE DE LAUSANNE, 1991
NATURE, vol. 353, 1991, pages 737 - 740
THE 72ND MEETING OF ELECTROCHEMICAL SOCIETY OF JAPAN, 2005, pages 471
INORG. CHEM., vol. 35, 1996, pages 1168 - 1178
ELECTROCHEMISTRY, vol. 2, 2002, pages 130 - 136
Attorney, Agent or Firm:
TSUTADA, Akiko et al. (9th Floor, Nissei Bingomachi Bldg.7-10, Bingomachi 1-chome,Chuo-k, Osaka-shi Osaka 51, 5410051, JP)
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Claims:
 電極基体上に、導電性高分子のモノマー及び酸化剤を含む溶液を電極基体上に塗布したのち、酸化重合により前記モノマーを重合させて導電性高分子薄膜を形成する工程を含む導電性高分子電極の製造方法において、
 前記溶液中に重合制御剤として下記一般式(1)で表されるピロリドン化合物を含むことを特徴とする導電性高分子電極の製造方法。
(式(1)中、R 1 はアルキル基又はアリール基を示す。)
 前記ピロリドン化合物がN-メチル-2-ピロリドンであることを特徴とする、請求項1に記載の導電性高分子電極の製造方法。
 前記塗布法が印刷法であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電性高分子電極の製造方法。
 前記印刷法がスクリーン印刷法であることを特徴とする、請求項3に記載の導電性高分子電極の製造方法。
 光電変換層を有する半導体電極とこれに対向する対向電極とを含む色素増感太陽電池において、前記対向電極として、請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法により得られる導電性高分子電極を用いたことを特徴とする色素増感太陽電池。
 請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法により得られる導電性高分子電極として、前記導電性高分子薄膜自身のシート抵抗が60ω/□以下であるものを用いたことを特徴とする、請求項5に記載の色素増感太陽電池。
Description:
導電性高分子電極の製造方法及 それを備えた色素増感太陽電池

 本発明は、導電性高分子電極の製造方法 及びその導電性高分子電極を備えた色素増 太陽電池に関するものである。

 近年、光エネルギーを電気エネルギーに 換する光電変換素子として、種々の太陽電 が提案されている。その中で、1991年にスイ スのローザンヌ大学のグレッツェルらによっ てNature(第353巻,第737~740頁,1991年)等で発表され た色素増感太陽電池は、使用する材料が安価 であること、比較的シンプルなプロセスで製 造できること等の利点からその実用化が期待 されている。

 色素増感太陽電池は、一般に導電性基材 に色素を吸着した半導体からなる光電変換 を持つ半導体電極と、該半導体電極に対向 て設けられた導電性基材上に触媒層を設け 対向電極(触媒電極)と、これら半導体電極 対向電極との間に保持された電解質層(電荷 送層)から構成されている。

 色素増感太陽電池の触媒電極には、電解質 の酸化還元対(例えば、I 3 - /I - 等)の酸化体を還元体に還元する還元反応(I 3 - をI - に還元する還元反応)を速やかに進行させる とが可能な電極特性を有するものが求めら ている。

 一般的に、色素増感太陽電池の触媒電極 しては、白金電極が挙げられ、その作製法 しては真空蒸着法、スパッタ法や、白金の 駆体を浸漬法やスプレー法などにより電極 塗布後、加熱することにより作製できる手 が挙げられる。

 しかしながら、白金は高価な貴金属であ 、さらに真空蒸着法やスパッタ法を用いて 金電極を作製した場合、材料の使用におい 無駄が多いため生産性が低く、また真空設 を必要とするので設備費も高く、その分製 コストが高くなる。また、蒸着した白金は 水あるいは酸素存在下においてヨウ素電解 中に溶解することが知られており、その使 は安定性の面からも課題が残っている。浸 法やスプレー法においては、真空設備を使 しないため簡便ではあるが、基板に塗布後 工程において400℃程度の焼成が必要であり 樹脂基板など熱に弱い基板には使用できな という問題があった。

 白金電極に代わるものとして、安定性お び導電性に優れた導電性高分子であるポリ( 3,4-エチレンジオキシチオフェン)(以降PEDOTと 記する)などを用いた導電性高分子触媒電極 が報告されている。

 また、非特許文献1には、イオン液体電解 質とPEDOT対極を用いた色素増感太陽電池が記 されている。該文献においては、PEDOT対極 作製方法として、ポリスチレンスルホン酸(P SS)をドーパントとしたPEDOT(以降PEDOT-PSSと略記 )粒子の分散水溶液を、導電性ガラス上にス ンコートして成膜、乾燥後さらに熱処理す 工程を繰り返していると記載されている。

 しかし、上記PEDOT-PSS粒子の分散水溶液か 形成された導電性高分子触媒電極は、導電 が低いため、有機溶媒を使用した電解質溶 を使用した場合、白金電極ほどの性能を示 なかった。

 これに対し特許文献1には、パラトルエン スルホン酸(PTS)をドーパントとし、PEDOTのモ マーを重合させると同時に形成される有機 (PEDOT-PTS)からなるホール集電電極(触媒電極) 使用した色素増感太陽電池が開示されてい 。この文献によると、従来の触媒電極形成 法に比べ、簡潔な工程で安価にホール集電 極を作製でき、製造プロセス及び製造コス の面で有利な色素増感太陽電池を提供し得 が、電池特性の面では従来の白金を用いた 媒電極を使用した色素増感太陽電池と同程 の性能である。

 しかしながら、特許文献1に記載のこのPED OT導電性高分子電極は、電池特性の面では従 の白金を用いた触媒電極を使用した色素増 太陽電池と同程度の性能であるが、素子変 効率が5%程度の条件での比較であり、より 性能条件(より大きな電流が流れる条件)で同 程度の性能が発現できるかは不明である。ま た、「モノマーを重合させると同時に形成さ れる有機膜」との記載があるものの、望まし い作製方法は記載されていない。例示されて いるホール集電体作製方法は、モノマーを含 む溶液をスピンコート法により塗布した後、 加熱処理することで重合を進行させる方法の みである。これは、作製方法においてスピン コート法を用いている点から、その製造工程 が煩雑であり、工業的製法としては、必ずし も十分とはいえない。スピンコート法では、 実用化時における素子のパターニングを行な うことは困難であり、また塗布工程における 溶液使用効率が低い。

 一般的に、スピンコート法のほかに、実 的な薄膜塗布法として、スクリーン印刷法 スリットコート法などの印刷法が挙げられ 。一般的に、これらの塗布法を適用する時 、塗布性向上や基板との密着性向上のため エチルセルロースなどのバインダーが添加 れる事が多い。しかし、色素増感太陽電池 の対向電極としては、対向電極の導電性が いことが必要であり、一般的なバインダー を添加すると電極全体の導電性が低下する め、バインダー等を添加した系で十分な性 を示す対向電極を作製することは難しい。

 また、特許文献1に記載のPEDOT導電性高分 電極の形成法は、特許文献2に記載されてい る、モノマーと酸化剤を混ぜた溶液中に重合 速度を軽減させる重合制御剤を加え、室温で 重合が起こりにくい条件下で膜化した後、加 熱反応させることで導電性高分子膜を作製す る手法である。重合制御剤については、イミ ダゾール、ジメチルスルホキシド等の使用が 報告されている。しかし、これらの重合制御 剤を使用した場合でも、室温での重合反応は 数分~数時間で進行し、溶液の長時間使用は 難であり、ある程度の塗布溶液安定性が必 な塗布法への使用には課題が残る。

 以上のように、色素増感太陽電池用の導電 高分子対極は、パターニング性、塗布溶液 使用効率、塗布再現性が高く、かつ、導電 、触媒性能が高い事が求められているが、 来はこれらの全てを満足させることは困難 あった。

特開2003-317814号公報

欧州特許出願公開第0615256号明細書 電気化学会第72回大会 講演要旨集,(2005)4 71

 本発明は、上述の課題に鑑みてなされた のである。すなわち、本発明の目的は、導 性、触媒性能に優れ、かつパターニングが 易であり、塗布溶液の使用効率が高く、簡 に、再現性、生産性よく製造することがで る導電性高分子電極の製造方法、及びこれ 用いて得られる色素増感太陽電池を提供す ことである。

 本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意 討した結果、導電性高分子のモノマー、酸 剤を含む溶液を電極基体上に塗布したのち 酸化重合により導電性高分子薄膜を形成す 手法において、溶液中に重合制御剤として 記一般式(1)で表されるピロリドン化合物を 用し、溶液組成を適切に調節することで、 クリーン印刷法などの溶液使用効率の高い 布法を用いて、バインダーを添加しなくて 、塗布性、導電性、触媒性能に優れた導電 電極を再現性良く作製できることを見出し 。

(式(1)中、R 1 はアルキル基又はアリール基を示す。)

 すなわち、本発明の導電性高分子電極の 造方法は、電極基体上に、導電性高分子の ノマー及び酸化剤を含む溶液を電極基体上 塗布したのち、酸化重合によりモノマーを 合させて導電性高分子薄膜を形成する工程 含む導電性高分子電極の製造方法において 上記の課題を解決するために、溶液中に重 制御剤として上記一般式(1)で表されるピロ ドン化合物を含むものとする。

 上記におけるピロリドン化合物としては N-メチル-2-ピロリドンが好ましい。

 また上記における塗布法は印刷法である とが好ましく、中でもスクリーン印刷法が ましい。

 本発明の色素増感太陽電池は、光電変換 を有する半導体電極とこれに対向する対向 極とを含む色素増感太陽電池において、対 電極として、上記本発明の製造方法により られる導電性高分子電極を用いたものとす 。

 上記色素増感太陽電池は、導電性高分子 極として、導電性高分子薄膜自身のシート 抗が60ω/□以下であるものを用いたものと ることが好ましい。

 本発明によれば、電極性能に優れ、かつ ターンニングが容易である導電性高分子電 を、簡便に、再現性、生産性よく製造する とができる。さらに、この導電性高分子電 を用いて、変換効率の高い色素増感太陽電 を再現良く得ることができる。

本発明における色素増感太陽電池の実 形態の基本構造を示す模式断面図である。

符号の説明

 1……透明基板
 2……透明導電膜
 3……多孔質金属酸化半導体膜
 4……増感色素層
 5……電解質層
 6……導電性高分子薄膜
 7……電極基体
 8……作用極電極基体
 9……導電性高分子電極(対向電極)
10……色素増感太陽電池

 以下、本発明を実施するための最良の形 について図面に基づいて詳細に説明する。

 図1は、本発明の色素増感太陽電池の一例 を表す断面模式図である。図1において、符 1は透明基板、符号2は透明導電膜、符号3は 孔質金属酸化物半導体層、符号4は増感色素 、符号5は電解質層、符号6は導電性高分子 膜、符号7は導電性高分子薄膜6を担持する電 極基体、符号8は透明基板1と透明導電膜2とか らなる作用極電極基体、符号9は導電性高分 電極(対向電極)をそれぞれ示す。

 図に示されたように、透明基板1とその上 に形成された透明導電膜2からなる作用極電 基体8の表面に、多孔質金属酸化物半導体層3 が形成され、さらに該多孔質金属酸化物半導 体層3の表面には、増感色素が吸着された増 色素層4が形成されている。そして、電解質 5を介して、電極基体7の表面に導電性高分 薄膜6が形成された構造をした本発明の導電 高分子電極9が対向して設置されている。

 以下、本発明の色素増感太陽電池の各構 材料について、好適な形態を説明する。

[透明基板]
 作用極電極基体8を構成する透明基板1は、 視光を透過するものが使用でき、透明なガ スが好適に利用できる。また、ガラス表面 加工して入射光を散乱させるようにしたも 、半透明なすりガラス状のものも使用でき 。また、ガラスに限らず、光を透過するも であればプラスチック板やプラスチックフ ルム等も使用できる。

 透明基板1の厚さは、太陽電池の形状や使 用条件により異なるため特に限定はされない が、例えばガラスやプラスチックなどを用い た場合では、実使用時の耐久性を考慮して1mm ~1cm程度であり、フレキシブル性が必要とさ 、プラスチックフィルムなどを使用した場 は、1μm~1mm程度が好ましい。

[透明導電膜]
 透明導電膜2としては、可視光を透過して、 かつ導電性を有するものが使用でき、このよ うな材料としては、例えば金属酸化物が挙げ られる。特に限定はされないが、例えばフッ 素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と略 する。)や、酸化インジウム、酸化スズと酸 インジウムの混合体(以下、「ITO」と略記す る。)、酸化亜鉛などを好適に用いることが きる。また、分散させるなどの処理により 視光が透過すれば、不透明な導電性材料を いることもできる。このような材料として 炭素材料や金属が挙げられる。炭素材料と ては、特に限定はされないが、例えば黒鉛( ラファイト)、カーボンブラック、グラッシ ーカーボン、カーボンナノチューブやフラー レンなどが挙げられる。また、金属としては 、特に限定はされないが、例えば白金、金、 銀、ルテニウム、銅、アルミニウム、ニッケ ル、コバルト、クロム、鉄、モリブデン、チ タン、タンタル、およびそれらの合金などが 挙げられる。

 従って、透明導電膜2は、上述の導電性材 料のうち少なくとも1種類以上からなる導電 料の膜を、透明基板1の表面に設けて形成す ことができる。あるいは透明基板1を構成す る材料の中へ上記導電性材料を組み込んで、 透明基板と透明導電膜を一体化して作用極電 極基体8とすることも可能である。

 透明基板1上に透明導電膜2を形成する方 として、金属酸化物を使用する場合は、ゾ ゲル法などの液層法や、スパッタやCVDなど 気相法、分散ペーストのコーティングなど ある。また、不透明な導電性材料を使用す 場合は、紛体などを、透明なバインダーな とともに固着させる方法が挙げられる。

 透明基板と透明導電膜を一体化させるに 、透明基板の成型時に導電性のフィラーと て上記導電膜材料を混合させる方法などが る。

 透明導電膜2の厚さは、用いる材料により 導電性が異なるため特には限定されないが、 一般的に使用されるFTO被膜付ガラスでは、0.0 1μm~5μmであり、好ましくは0.1μm~1μmである。 た、必要とされる導電性は、使用する電極 面積、太陽電池素子を流れる電流により異 り、電極面積が広い、素子を流れる電流が きいほど低抵抗であることが求められるが 一般的に100ω/□以下、好ましくは10ω/□以 、より好ましくは5ω/□以下である。

 透明基板及び透明導電膜から構成される 用極電極基体8、又は透明基板と透明導電膜 とを一体化した作用極電極基体8の厚さは、 述のように太陽電池の形状や使用条件によ 異なるため特に限定はされないが、一般的 1μm~1cm程度である。

[多孔質金属酸化物半導体]
 多孔質金属酸化物半導体3の例としては、特 に限定はされないが、酸化チタン、酸化亜鉛 、酸化スズなどが挙げられ、特に二酸化チタ ン、さらにはアナターゼ型二酸化チタンが好 適である。また、電気抵抗値を下げるため、 金属酸化物の粒界は少ないことが望ましい。 また、増感色素をより多く吸着させるために 、当該半導体層は比表面積の大きなものが望 ましく、具体的には10~200m 2 /gが望ましい。また、増感色素の光吸収量を 加させるため、使用する酸化物の粒径に幅 持たせて光を散乱させることが望ましい。

 このような多孔質金属酸化物半導体は、 知の方法で透明導電膜2上に設けることがで きる。例えば、ゾルゲル法や、分散体ペース トの塗布、また、電析や電着させる方法があ る。

 このような半導体層の厚さは、用いる酸 物により最適値が異なるため、特には限定 れないが、0.1μm~50μm、好ましくは5~30μmであ る。

[増感色素]
 増感色素層4としては、太陽光により励起さ れて前記金属酸化物半導体層3に電子注入で るものであればよく、一般的に色素増感型 陽電池に用いられている色素を用いること できるが、素子光電変換効率を向上させる めには、その吸収スペクトルが太陽光スペ トルと広波長域で重なっていて、耐光性が いことが望ましい。特に限定はされないが ルテニウム錯体、特にルテニウムポリピリ ン系錯体が望ましく、さらに望ましいのは Ru(L)2(X)2で表されるルテニウム錯体が望まし 。ここでLは4,4’-ジカルボキシ-2,2’-ビピリ ジン、もしくはその4級アンモニウム塩、お びカルボキシル基が導入されたポリピリジ 系配位子であり、また、XはSCN、Cl、CNである 。例えばビス(4,4’-ジカルボキシ-2,2’-ビピ ジン)ジイソチオシアネートルテニウム錯体 どが挙げられる。他の色素としては、ルテ ウム以外の金属錯体色素、例えば鉄錯体、 錯体、オスミニウム錯体などが挙げられる さらに、シアン系色素、ポルフィリン系色 、ポリエン系色素、クマリン系色素、シア ン系色素、スクアリン酸系色素、スチリル 色素、エオシン系色素、インドリン系色素 どの有機色素が挙げられる。これらの色素 は、該金属酸化物半導体層への電子注入効 を向上させるため、該金属酸化物半導体層 の結合基を有していることが望ましい。該 合基としては、特に限定はされないが、カ ボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル などが望ましい。

 色素を溶解するために用いる溶媒の例とし は、エタノールなどのアルコール類、アセ ニトリルなどの窒素化合物、アセトンなど ケトン類、ジエチルエーテルなどのエーテ 類、クロロホルムなどのハロゲン化脂肪族 化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素,ベ ンゼンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルな どのエステル類などが上げられる。溶液中の 色素濃度は,使用する色素及び溶媒の種類に り適宜調整することができ、半導体表面に 分吸着させるためには、ある程度高濃度で る方が望ましい。例えば、4×10 -5 mol/L以上の濃度が望ましい。

 多孔質金属酸化物半導体3へ増感色素4を 着させる方法は、特には限定されるもので なく、一例としては、室温条件、大気圧下 おいて、色素を溶解させた溶液中に前記多 質金属酸化物半導体3を形成させた電極基体 浸漬する方法が挙げられる。浸漬時間は使 する半導体、色素、溶媒の種類、色素の濃 により、半導体層に均一に色素の単分子膜 形成されるよう、適宜調節することが好ま い。なお、吸着を効果的に行うには加熱下 の浸漬を行えばよい。

[電解質層]
 電解質層5は、支持電解質と、酸化された増 感色素を還元することのできる酸化還元対、 およびそれらを溶解させる溶媒からなる。電 解質層5を構成する酸化還元対としては、一 に電池や太陽電池などにおいて使用するこ の出来るものであれば特に限定されるもの はなく、例えば、ハロゲン二原子分子とハ ゲン化物塩との組み合わせ、チオシアン酸 ニオンとチオシアン酸二分子の組み合わせ ポリピリジルコバルト錯体やハイドロキノ などの有機レドックスが挙げられる。この では特にヨウ素分子とヨウ化物との組み合 せが好適である。酸化還元体の濃度は通常0. 1~10mol/Lであり、より好ましくは0.1~5mol/Lであ 。

 電解質に用いる溶媒としては、酸化還元 を溶解できる化合物であれば特に制限はな 、非水性有機溶媒、常温溶融塩、水やプロ ン性有機溶媒などから任意に選択できる。 えば有機溶媒として、アセトニトリル、メ キシアセトニトリル、バレロニトリル、3- トキシプロピオニトリルなどのニトリル化 物、γ-ブチルラクトンやバレロラクトンな のラクトン化合物、エチレンカーボネート プロピレンカーボネートなどのカーボネー 化合物、ジオキサンやジエチルエーテル、 チレングリコールジアルキルエーテルなど エーテル類、メタノール、エタノール等の ルコール類、さらにはジメチルホルムアミ やイミダゾール類などが挙げられ、中でも セトニトリル、バレロニトリル、メトキシ ロピオニトリル、プロピレンカーボネート γ-ブチルラクトンなどを好適に用いること できる。なお、これらはそれぞれ単独で、 は2種以上混合して用いることが出来る。

 また、上記溶媒としては、イオン液体、 なわち溶融塩を使用することも出来る。イ ン液体としては、「Inorg.Chem」1996,35,p1168-1178 ,「Electrochemistry」2002,2,p130-136、特表平9-507334 公報、特開平8-259543号公報などに開示されて いる公知の電池や太陽電池などにおいて、一 般的に使用することが出来るものであれば特 に限定なく使用できるが、室温(25℃)より低 融点を有する塩か、または室温よりも高い 点を有しても、他の溶融塩や溶融塩以外の 加物を溶解させることにより室温で液状化 る塩が好ましく用いられる。

 具体的には、溶融塩のカチオンとしては アンモニウム、イミダゾリウム、オキサゾ ウム、チアゾリウム、オキサジアゾリウム トリアゾリウム、ピロリジニウム、ピリジ ウム、ピペリジニウム、ピラゾリウム、ピ ミジニウム、ピラジニウム、トリアジニウ 、ホスホニウム、スルホニウム、カルバゾ ウム、インドリウム及びこれらの誘導体が ましく、特にアンモニウム、イミダゾリウ 、ピリジニウム、ピペリジニウム、ピラゾ ウム、スルホニウムが好適である。

 また、溶融塩のアニオンとしては、AlCl 4 - ,Al 2 Cl 7 - などの金属塩化物、PF 6 - ,BF 4 - ,CF 3 SO 3 - ,N(CF 3 SO 2 ) 2 - ,N(F 2 SO 2 ) 2 - ,F(HF)n - ,CF 3 COO - などのフッ素含有物、NO 3 - ,CH 3 COO - ,C 6 H 11 COO - ,CH 3 OSO 3 - ,CH 3 OS 2 - ,CH 3 SO 3 - ,CH 3 SO 2 - ,(CH 3 O) 2 PO 2 - ,SCN - ,N(CN) 2 - ,B(CN) 4 - などの非フッ素化合物、ヨウ素、臭素などの ハロゲン化物などが挙げられる。

 電解質層にはさらに支持電解質として、 チウム塩やイミダゾリウム塩、4級アンモニ ウム塩など、添加剤として、t-ブチルピリジ 、n-メチルベンズイミダゾールなどの塩基 グアニジンチオシアネート等のチオシアネ ト類、水等を添加することが出来る。これ の添加剤濃度は、それぞれ用いる溶媒、半 体電極及び色素などにより最適な濃度が異 るため、特には限定されないが、1mmol/L~5mol/L 程度が好適である。

[導電性高分子電極-電極基体]
 導電性高分子電極(対向電極)9は、電極基体7 の表面に導電性高分子薄膜6が形成された構 を有する。

 電極基体7は、導電性高分子電極の支持体 兼集電体として用いる場合、少なくとも導電 性高分子薄膜を形成させる電極基体表面部分 は導電性を有していなければならない。

 このような材質としては、例えば導電性 有する金属や金属酸化物、炭素材料や導電 高分子などが好適に用いられる。金属とし は、例えば白金、金、銀、ルテニウム、銅 アルミニウム、ニッケル、コバルト、クロ 、鉄、モリブデン、チタン、タンタル、お びそれらの合金などが挙げられる。炭素材 としては、特に限定はされないが、例えば 鉛(グラファイト)、カーボンブラック、グ ッシーカーボン、カーボンナノチューブ、 ラーレンなどが挙げられる。また、FTO、ITO 酸化インジウム、酸化亜鉛などの金属酸化 を用いた場合、透明または半透明であるた 増感色素層への入射光量を増加させること でき、好適に用いることができる。

 また、少なくとも該電極基体の表面が導 性を有するように処理すれば、例えばガラ やプラスチックなどの絶縁体を用いても構 ない。このような絶縁体に導電性を保持さ る処理方法としては、上記の導電性材料に 、該絶縁性材料表面の一部もしくは全面を 覆する方法、例えば金属を用いる場合、メ キや電析などの溶液法、また、スパッタ法 真空蒸着等の気相法が挙げられ、金属酸化 を用いる場合はゾルゲル法などが用いるこ ができる。また、上記導電性材料の粉末な を一種もしくは複数用いて絶縁性材料と混 させるなどの方法が挙げられる。

 上記導電性材料として導電性高分子を用 る場合、該基体上に後述の導電性高分子を 述する塗布法により形成して、化学重合な により設けることで導電性高分子薄膜層を 成することもできる。その場合、該導電性 分子薄膜層が単独で集電体と触媒との双方 機能を果たすことになる。

 電極基体7の形状は、導電性高分子電極と して用いる色素増感太陽電池の形状に応じて 変更することができるため特には限定されず 、板状としてもフィルム状で湾曲できるもの でも良い。さらに、該電極基体は透明でも不 透明でも良いが、増感色素層への入射光量を 増加させることができるため、また、場合に よっては意匠性が向上できるため透明または 半透明であることが望ましい。電極基体とし て、一般的には、FTO被膜付ガラスやITO膜付PET フィルム、ITO膜付きPENフィルムが用いられて いるが、用いる材料により導電性が異なるた め、電極基体上の導電性皮膜の厚さについて は特に限定されない。例としては、FTO被膜付 ガラスでは、0.01μm~5μmであり、好ましくは0.1 μm~1μmである。また、必要とされる導電性は 使用する電極の面積、太陽電池素子を流れ 電流により異なり、電極面積が広い、素子 流れる電流が大きいほど低抵抗であること 求められるが、一般的に100ω/□以下、好ま くは10ω/□以下、より好ましくは5ω/□以下 ある。

 電極基体7の厚さは、上述のように太陽電 池の形状や使用条件により異なるため特に限 定はされないが、一般的に1μm~1cm程度である

[導電性高分子電極-導電性高分子薄膜]
 本発明の導電性高分子電極(触媒電極)にお る導電性高分子薄膜6は、電解質層中に含ま る酸化還元対の酸化体を還元する触媒とし 機能する。

 そのような導電性高分子物質を形成する ノマーとしては、特に限定されず既知の物 を使用することができるが、電子移動反応 効率良く行なえるように多孔質状態で形成 ることが望ましい。

 使用するモノマーは1種単独でも2種以上 組み合わせて使用してもよい。

 使用するモノマーの具体例として、下記 般式(2)で示されるチオフェン化合物が挙げ れる。

(式(2)中、R 2 、R 3 は、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~8 のアルキル基又はアルコキシ基、炭素原子数 6~12のアリール基、シアノ基、チオシアノ基 ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、カルボ シル基、スルホ基、又はホスホニウム基を し、R 2 とR 3 は連結して環を形成していてもよい。)

 中でも、チオフェン、テトラデシルチオ ェン、イソチアナフテン、3-フェニルチオ ェン、3,4-エチレンジオキシチオフェンなど 好ましく使用でき、特に3,4-エチレンジオキ シチオフェンを好ましく使用することができ る。

 チオフェン化合物を1種又は2種以上用い 導電性高分子薄膜を形成してもよい。

 導電性高分子薄膜を形成するのに用いるモ マーは、重合した膜としての電導度が10 -9 S/cm以上を示すものが好ましく、1S/cm以上を示 すものがさらに好ましく、400S/cm以上を示す のが特に好ましい。

 また、導電性高分子薄膜には、電導度を 上させるためにドーパントを添加すること できる。このドーパントとしては、特に限 はされず、公知の材料が使用できる。ドー ントの具体例として、ヨウ素、臭素、塩素 のハロゲンアニオン、ヘキサフロロリン、 キサフロロヒ素、ヘキサフロロアンチモン テトラフロロホウ素、過塩素酸等のハロゲ 化物アニオン、メタンスルホン酸、ドデシ スルホン酸等のアルキル基置換有機スルホ 酸アニオン、カンファースルホン酸等の環 スルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸 p-トルエンスルホン酸、o-トルエンスルホン 酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼン ジスルホン酸等のアルキル基置換または無置 換のベンゼンモノまたはジスルホン酸アニオ ン、2-ナフタレンスルホン酸、1,7-ナフタレン ジスルホン酸等のスルホン酸基1~3を置換させ たナフタレンスルホン酸のアルキル基置換ま たは無置換アニオン、アントラセンスルホン 酸、アントラキノンスルホン酸、アルキルビ フェニルスルホン酸、ビフェニルジスルホン 酸等のアルキル基置換または無置換のビフェ ニルスルホン酸イオン、置換または無置換の 芳香族スルホン酸アニオン、ビスサルチレー トホウ素、ビスカテコレートホウ素等のホウ 素化合物アニオン、あるいはモリブドリン酸 等が挙げられる。中でも、p-トルエンスルホ 酸、o-トルエンスルホン酸,ドデシルベンゼ スルホン酸などを好ましく使用することが きる。なお、ドーパントは1種あるいは2種 上を組み合わせて使用することができる。

 また、ドーパントの脱離を抑制するため 無機アニオンよりも有機酸アニオンである とが望ましく、熱分解などが起きにくいこ が望ましい。

 導電性高分子薄膜におけるドーパントの 用量は、使用するドーパント種により最適 が異なるため特に限定されないが、好まし は5~60質量%、さらに好ましくは10~45質量%で る。

 このようなドーパントは導電性高分子薄 を形成させる際に、導電性高分子のモノマ と共存させておくことができる。

[導電性高分子電極膜-導電性高分子薄膜の形 ]
 本発明では、電極基体7上に、導電性高分子 のモノマーを含む溶液を塗布したのち、酸化 重合すること(その場重合法)により導電性高 子薄膜6を形成する。酸化重合法は、酸化剤 を用いてモノマーを化学的に酸化して重合さ せる化学重合法である。

 酸化重合法に用いられる酸化剤としては ヨウ素、臭素、ヨウ化臭素、二酸化塩素、 ウ素酸、過ヨウ素酸、亜塩素酸等のハロゲ 化物、五フッ化アンチモン、五塩化リン、 フッ化リン、塩化アルミニウム、塩化モリ デン等の金属ハロゲン化物、過マンガン酸 、重クロム酸塩、無水クロム酸、第二鉄塩 第二銅塩等の高原子価金属塩、硫酸、硝酸 トリフルオロメタン硫酸等のプロトン酸、 酸化硫黄、二酸化窒素等の酸素化合物、過 化水素、過硫酸アンモニウム、過ホウ酸ナ リウム等のペルオキソ酸またはその塩、あ いはモリブドリン酸、タングストリン酸、 ングストモリブドリン酸等のヘテロポリ酸 たはその塩などがあり、これらの少なくと 1種を用いることができる。中でも、腐食性 が低い、形成される導電性高分子薄膜の導電 性が高いなどの点から、トリス-p-トルエンス ルホン酸鉄(III)などの高原子価金属塩を好ま く使用することができる。

 上記の化学重合法は導電性モノマーを含 する溶液中で酸化剤と作用させると、得ら る高分子は粒子状もしくは塊状の形態にな てしまい、電極形状に成型することは困難 あるため、均一性の高い導電性高分子薄膜 極を作製する手法として、モノマーと酸化 を混ぜた溶液中に重合速度を軽減させる重 制御剤を加え、室温で重合が起こりにくい 件下で膜化した後、加熱反応させることで 孔質導電性高分子膜を作製する手法を用い 。本発明においては、重合制御剤として下 一般式(1)で表されるピロリドン化合物を使 する。

(式(1)中、R 1 はアルキル基又はアリール基を示す。)

 上記ピロリドン化合物のなかでは特にN- チル-2-ピロリドンを好ましく使用すること できる。

 また、電極基体を芳香族化合物モノマー しくは酸化剤+重合制御剤のどちらかを含む 溶液に浸漬するか、それらに該溶液を塗布し た後、続いてもう一方の成分を溶解させた溶 液に浸漬もしくは塗布後、上記電極基体表面 で加熱等により重合が進行するようにするこ とで、導電性高分子薄膜電極を形成させるこ ともできる。

 本発明における塗布方法としては、特に 定はされないが、生産性、製造コストの観 から印刷法等、溶液使用効率の高い塗布法 用いることが好ましい。

 上記の「溶液使用効率」とは、塗布におい 、塗布に用いる全体の溶液量(A)と、そこか 塗布工程において失われ製膜に利用できな 溶液量(B)を引いた量との割合である。すな ち、溶液使用効率をE(%)とすると、
  E=[(A-B)/A]×100
になる。導電性高分子膜の作製法として頻繁 に用いられるスピンコート法は、この溶液使 用効率が10%以下であり、塗布工程における溶 液の損失が非常に多い。

 溶液使用効率が高い塗布法としては、印 法、スリットコーター法、バーコード法、 レード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビ 塗布法、ロールコーティング塗布法、スプ ー塗布法、ディップ塗布法などがあげられ 。なかでも、装置が安価、パターニングが 易という点において、印刷法が好ましい。 刷法には、スクリーン印刷、凸版印刷、凹 印刷、オフセット印刷、平板印刷、凸版反 オフセット印刷、グラビア印刷等、インク ェット印刷、タンポン印刷、フレキソ印刷 挙げられ、その中でもスクリーン印刷が特 好ましい。

 本発明で上記塗布に用いる溶液において 溶液中の導電性高分子のモノマー濃度は1~10 重量%が好ましく、4~7重量%がより好ましい。1 0重量%を越えるか、1重量%未満であると、そ 導電性高分子薄膜を用いて得られる色素増 太陽電池の変換効率がやや低下する場合が る。

 本発明で上記塗布に用いる溶液において 溶液中の酸化剤濃度は10~70重量%が好ましく 特にスクリーン印刷法等、ある程度の溶液 度が必要な塗布法を用いる場合、上記酸化 濃度は40~60重量%であることが特に好ましい

 前記モノマーと酸化剤、重合制御剤を溶 ・混合させる溶媒については、用いる化合 を溶解し、電極基体および重合物を溶かさ いものであれば特に制限はないが、例とし メタノール、エタノール、プロパノール、 ルマルブタノールなどのアルコール類、水 どが挙げられ、その中でもノルマルブタノ ルなどの高沸点、高粘度溶媒を好ましく使 することができる。

 前記モノマーと酸化剤、添加剤の混合比 、用いる化合物、目的とする重合度、重合 度により変化するが、混合比としては、モ 比でモノマー:酸化剤が1:0.3から1:10、酸化剤 :重合制御剤が1:0.05から1:4の間が好ましい。 合比により変化するが、重合制御剤が少な ぎると室温での重合が早く進み、得られる 膜の導電性は低下する傾向にある。また、 合制御剤が多すぎると、加熱しても重合が まず、所望の導電性高分子薄膜が得られな 。

 また、前記混合溶液を塗布した後加熱重 する場合の加熱条件は、用いるモノマー、 合触媒、添加剤の種類およびそれらの混合 、濃度、塗布膜厚などにより異なるが、好 な条件としては空気中加熱で加熱温度が25 から120℃、加熱時間が1分から12時間の間で る。

 本発明の導電性高分子電極における導電 高分子薄膜の厚さは、使用用途や用いるモ マーにより最適値が異なるため限定はされ いが、性能・コスト面を考慮すると、10nm~2 mが好ましく、特に100nm~1μmが好ましい。

 こうして、電極基体7の上に導電性高分子 薄膜6を形成させて、導電性高分子電極9が得 れる。

 以上説明したような各構成要素材料を準 した後、従来公知の方法で金属酸化物半導 電極と導電性高分子電極とを電解質を介し 対向させるように組み上げ、色素増感太陽 池を完成させる。

 以下、本発明を実施例に基づいて、より 細に説明するが、本発明はこれらによりな ら限定されるものではない。

[実施例1]
[多孔質金属酸化物半導体の作製]
 ガラスからなる透明基板1上にフッ素ドープ SnO 2 からなる透明導電膜2を真空蒸着により形成 た作用極電極基体8上に、以下の方法で多孔 金属酸化物半導体層3を形成した。

 作用極電極基体8として、FTOガラス(日本 ガラス株式会社製、シート抵抗:~10ω/□)を用 い、その表面に市販の酸化チタンペースト( 媒化成工業株式会社製、商品名TSP-18NR、粒子 サイズ20nm)をスクリーン印刷法で10μm程度の 厚、5mm×10mm程度の面積で、透明導電膜2側に 刷し、さらにその上に同面積で、市販の酸 チタンペースト(触媒化成工業株式会社製、 商品名TSP-400C、粒子サイズ400nm)をスクリーン 刷法で、5μm程度の膜厚に塗布し、500℃で30 間、大気中で焼成した。その結果、膜厚が1 5μm程度の酸化チタン膜(多孔質金属化半導体 3)が得られた。

[増感色素の吸着]
 増感色素4として、一般にN719dyeと呼ばれる ス(4-カルボキシ-4’-テトラブチルアンモニ ムカルボキシ-2、2’-ビピリジン、)ジイソチ オシアネートルテニウム錯体(Solaronix社製)を 用した。前記多孔質酸化チタン半導体電極 色素濃度0.4mmol/Lの無水エタノール溶液中に 漬し、遮光下1晩静置した。その後無水エタ ノールにて余分な色素を洗浄してから風乾す ることで太陽電池の半導体電極を作製した。

[対向電極の作製]
 電極基体7としてFTO被膜付きガラス(旭硝子 式会社製、シート抵抗:~10ω/□)を用いた。有 機溶媒中で洗浄した電極基体に、導電性高分 子モノマーである3,4-エチレンジオキシチオ ェン(製品名:バイトロン-MV2、H・C-スタルク 式会社製)、酸化剤であるトリス-p-トルエン ルホン酸鉄(III)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP) 1:9:1.6の重量比でn-ブタノールに溶解させた 応溶液をスクリーン印刷法にて塗布した。 布サイズは作用極と同じ5mm×10mmとした。溶 における3,4-エチレンジオキシチオフェンの モノマー濃度は5重量%であった。続いて、溶 を塗布した電極基板を110℃に保持した恒温 に入れ、5分間加熱させることで重合を行い 、メタノールで洗浄、乾燥することにより導 電性高分子薄膜6を作製した。作製した導電 高分子薄膜6の膜厚は約0.4μmであった。

[太陽電池セルの組み立て]
 前記のように作製した半導体電極と導電性 分子電極を対向するよう設置し、電解質を 管現象にて両電極間に含浸させた。電解質 しては、溶媒として3-メトキシプロピオニ リル、溶質として0.15mol/Lのヨウ素、0.8mol/Lの 1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムアイオダ ド、0.1mol/Lのグアニジンチオシアネート、0. 5mol/LのN-メチルベンズイミダゾールを含む溶 を用いた。

[導電性高分子薄膜の導電性評価用サンプル 作製]
 導電性高分子膜6の導電性を評価するために 、スライドガラス上に同様の手法で導電性薄 膜を作製した。薄膜の大きさは1cm×2cmの長方 とし、同じ溶液を用いサンプルを連続で30 作製した。

[比較例1]
 導電性高分子薄膜6の作製方法において、重 合制御剤としてジメチルスルホキシド(DMSO)を 使用した以外は実施例1と同様にして導電性 分子薄膜6および太陽電池セルを作製した。 成した導電性高分子薄膜の膜厚は約0.4μmで った。

[比較例2]
 導電性高分子薄膜6の作製方法において、重 合制御剤としてイミダゾールを使用した以外 は実施例1と同様にして導電性高分子薄膜6お び太陽電池セルを作製した。形成した導電 高分子薄膜の膜厚は約0.4μmであった。

[比較例3]
 導電性高分子薄膜6の作製方法として、ポリ (3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチ ンスルホン酸水分散液(Baytron P,H・C-スタル 株式会社製)を、2000rpm×30秒間の条件にてFTO ラス上にスピンコートし、風乾したのちに11 0℃にて5分加熱乾燥することを3回行なって導 電性高分子薄膜を形成させた以外は実施例1 同様にして太陽電池セルを作製した。導電 高分子薄膜の厚みは約0.3μmであった。

[比較例4]
 対向電極9として、電極基体7にFTOガラスを い、スパッタリング法によりFTOガラス上に 金層を形成した白金対極を使用した以外は 施例1と同様に太陽電池セルを作製した。白 層の厚みは約0.15μmであった。

 [太陽電池の光電変換性能評価]
 実施例、比較例で作成した太陽電池の光電 換性能評価を以下の手法で実施した。

 性能評価には、AMフィルターを具備したキ ノンランプのソーラーシュミレーターXES-502S (関西科学機械株式会社より購入)にて、AM1.5G スペクトル調整後、100mW/cm 2 の照射条件下で、ポテンシオスタットによる 負荷特性(I-V特性)を評価した。太陽電池の評 値は、開放電圧Voc(mV)、短絡電流密度Jsc(mA/cm 2 )、形状因子FF(-)、変換効率η(%)が挙げられ、 測定値については、より大きい値が太陽電 セルの性能として好ましいことを表す。測 結果を表1に示す。

[導電性高分子薄膜の導電性評価]
 スライドガラス上に各実施例、比較例に記 の手法により作製した導電性高分子薄膜サ プルについて、4探針式低抵抗率計(ロレス -GP、三菱化学株式会社製)によりシート抵抗 を測定した。各30サンプル測定結果におけ 最低値、最高値および平均値を表2に示す。

 表1の結果から明らかなように、重合制御剤 としてNMPを用いて作製したPEDOT-PTS薄膜から形 成される対向電極を使用した実施例1の太陽 池素子は、既知手法・材料で作製した導電 高分子対極を用いた太陽電池素子の比較例1~ 3よりも高い素子変換効率を示し、白金対向 極を用いた比較例4の素子と同等の素子変換 率を示した。このことより、Jsc>15mA/cm 2 ,η>8%での高性能素子条件において、実施例 1に使用した導電性高分子薄膜電極は比較例4 示した従来の白金対向電極と比べ同等の性 を有していることが判る。

 また、表2の結果より、重合制御剤として N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を用いた実施例1は 合制御剤としてジメチルスルホキシド(DMSO) イミダゾールを使用した比較例1~3と比べて シート抵抗値が低く、またシート抵抗のば つきも少ない。これよりNMPがDMSO、イミダゾ ールに比べて重合制御剤としての性能が高い と言える。

 重合前の塗布溶液中において、室温状態 重合が進むと、塗布-加熱形成後の導電性薄 膜におけるシート抵抗が増加する傾向にある 。実施例1では、30サンプル作製した際のサン プルシート抵抗が低く、またばらつきも小さ いことから、重合制御剤としてNMPを用いるこ とで、室温条件における溶液中の重合が効果 的に抑制されている事が分かる。これは、ス クリーン印刷法等、塗布溶液の安定性が必要 な塗布法を使用する際に有利に働く。

 表2において、導電性高分子薄膜のシート 抵抗が低いサンプルほど、表1における素子 電変換効率が高いことがわかる。これは、 極基体に使用する導電性ガラスの特性にあ 程度影響は受けるものの、導電性高分子薄 の導電性が高いほど、素子の光電変換効率 向上することが判る。よって、シート抵抗 低いサンプルを再現良く作製できる本発明 手法は、従来の手法に比べて色素増感太陽 池の対向電極作製法として優れていると言 る。

 以上の結果から、本発明の導電性高分子 極は、導電性、触媒性能に優れ、また重合 液の安定性が高い為、印刷法の適用が可能 あり、パターニングが容易であり、再現性 生産性よく製造することができ、この導電 高分子電極を備えた色素増感太陽電池は、 れた特性を有していることが判る。

 本発明の導電性高分子電極の製造方法に り、低コストで高性能な色素増感太陽電池 提供される。またこの導電性高分子電極は さらに色素増感太陽電池以外にも、有機太 電池、光センサーなどの光電変換素子や、 機EL、無機ELなどの発光素子、燃料電池、電 気二重層キャパシタなどのエネルギーデバイ スにも利用することができる。