八尾 泰子 (())
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| アブラヤシ空果房からエタノールを製造する方法であって、 アブラヤシ果房を蒸気加熱する蒸気加熱工程と、 蒸気加熱されたアブラヤシ果房を果実とアブラヤシ空果房とに分離する分離工程と、 アブラヤシ空果房を粉砕する粉砕工程と、 粉砕されたアブラヤシ空果房を糖化処理するための前処理を行う前処理工程と、 前処理されたアブラヤシ空果房を酵素加水分解して糖を生成する糖化工程と、 酵素加水分解により生成された糖を発酵してエタノールを製造する発酵工程と、 を有し、 前記前処理は、下記のうちのいずれかであることを特徴とするアブラヤシ空果房からのエタノール製造方法。 (1)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以上1重量%未満である水酸化物水溶液によりアルカリ処理する。 (2)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以上1重量%未満であり、温度が常温である水酸化物水溶液によりアルカリ処理する。 (3)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以上1重量%未満であり、温度が60℃以上100℃以下である水酸化物水溶液によりアルカリ処理する。 (4)温度が60℃以上100℃以下の湯又は蒸気により加熱する。 |
| アブラヤシ空果房からエタノールを製造する方法であって、 アブラヤシ果房を蒸気加熱する蒸気加熱工程と、 蒸気加熱されたアブラヤシ果房を果実とアブラヤシ空果房とに分離する分離工程と、 アブラヤシ空果房を粉砕するとともに、アブラヤシ空果房を糖化処理するための前処理を行う粉砕・前処理工程と、 粉砕・前処理されたアブラヤシ空果房を酵素加水分解して糖を生成する糖化工程と、 酵素加水分解により生成された糖を発酵してエタノールを製造する発酵工程と、 を有し、 前記前処理は、下記のうちのいずれかであることを特徴とするアブラヤシ空果房からのエタノール製造方法。 (1)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以上1重量%未満である水酸化物水溶液によりアルカリ処理する。 (2)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以上1重量%未満であり、温度が常温である水酸化物水溶液によりアルカリ処理する。 (3)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以上1重量%未満であり、温度が60℃以上100℃以下である水酸化物水溶液によりアルカリ処理する。 (4)温度が60℃以上100℃以下の湯又は蒸気により加熱する。 |
| 前記糖化工程と前記発酵工程とを並行して一つの工程で行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のアブラヤシ空果房からのエタノール製造方法。 |
| 草本系バイオマスからエタノールを製造する方法であって、 草本系バイオマスを糖化処理するための前処理を行う前処理工程と、 前処理された草本系バイオマスを酵素加水分解して糖を生成する糖化工程と、 酵素加水分解により生成された糖を発酵してエタノールを製造する発酵工程と、 を有し、 前記前処理は、下記のうちのいずれかであることを特徴とする草本系バイオマスからのエタノール製造方法。 (1)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以上1重量%未満である水酸化物水溶液によりアルカリ処理する。 (2)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以上1重量%未満であり、温度が常温である水酸化物水溶液によりアルカリ処理する。 (3)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以上1重量%未満であり、温度が60℃以上100℃以下である水酸化物水溶液によりアルカリ処理する。 (4)温度が60℃以上100℃以下の湯又は蒸気により加熱する。 |
| 前記前処理工程の前に草本系バイオマスを粉砕する前粉砕工程、又は前記前処理工程の後に前処理された草本系バイオマスを粉砕する後粉砕工程を有することを特徴とする請求項4に記載の草本系バイオマスからのエタノール製造方法。 |
| 前記前処理工程において草本系バイオマスを粉砕する粉砕処理を同時に行うことを特徴とする請求項4に記載の草本系バイオマスからのエタノール製造方法。 |
| 草本系バイオマスを酵素加水分解して糖を生成する糖化処理の前に行う前処理方法であって、 前記前処理は、下記のうちのいずれかであることを特徴とする草本系バイオマスの糖化処理前の前処理方法。 (1)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以上1重量%未満である水酸化物水溶液によりアルカリ処理する。 (2)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以上1重量%未満であり、温度が常温である水酸化物水溶液によりアルカリ処理する。 (3)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以上1重量%未満であり、温度が60℃以上100℃以下である水酸化物水溶液によりアルカリ処理する。 (4)温度が60℃以上100℃以下の湯又は蒸気により加熱する。 |
本発明はアブラヤシ空果房からのエタノ ル製造方法、草本系バイオマスからのエタ ール製造方法及び草本系バイオマスの糖化 理前の前処理方法に関する。
化石資源ではない、再生可能な、生物由 の有機性資源をバイオマスと呼ぶ。バイオ スは太陽エネルギーを使い、水と二酸化炭 から生物が生成するものなので、持続的に 生可能な資源である。バイオマスは有機物 あるため、燃焼させると二酸化炭素が排出 れる。しかし、これに含まれる炭素は、そ バイオマスが成長過程で光合成により大気 から吸収した二酸化炭素に由来するので、 イオマスを使用しても全体として見れば大 中の二酸化炭素量を増加させていないと考 てよいとされる。この性質をカーボンニュ トラルと呼ぶ。そこで、近年、地球温暖化 題に関連してバイオマスからのエネルギー 将来性が期待されている。
バイオマスは林業系(製材廃棄物、間伐材 、製紙廃棄物等)、農業系(稲わら、麦わら、 トウキビ糠、米糠、草木等)、畜産系(家畜 棄物等)、水産系(水産加工残滓等)、廃棄物 (生ごみ、庭木、建築廃材、下水汚泥等)等に 分類される。
これまで有効利用されず、廃棄されてい アブラヤシ空果房について説明する。
アブラヤシ空果房はアブラヤシ(oil palm) 果実(fruit)からパーム油を製造する際に大量 発生するものであるが、これまでバイオマ 原料として利用が検討されていなかった。 ブラヤシの果実が1000~1500個集まって一つの 房(fruits bunches)を形成している。果実の果 からパーム油が得られ、種子からパーム核 が得られる。アブラヤシからの搾油にあた て、まずアブラヤシ果房(Fresh Fruits Bunches) 蒸気加熱する。この蒸気加熱の目的は、果 を柔らかくしアブラヤシ果房から果実を分 し易くすることと、果実中に含まれる酵素 不活性化し、油分の劣化を防止するためで る。果実を搾汁し果肉からパーム油を得る アブラヤシ果房から果実を分離した残りで るアブラヤシ空果房(Empty Fruits Bunches)は、 水率65%程度と水分が多く、燃料として利用 るには不適であるので、有効利用されずに 棄されていた。
また、バガス(サトウキビから糖液を搾汁 した繊維残渣)や稲わらなどの農業系バイオ スや木材チップなどの林業系バイオマスか エタノールを製造し、燃料や化学原料とし 利用する試みが内外で進められている。原 としては種々のバイオマスが検討されてい が、これまでそのままで燃料として用いら るか、廃棄されていたが、有用な資源とし 利用可能な木質バイオマスや草本系バイオ スのようなリグノセルロースバイオマスが 目されている。リグノセルロースは、植物 茎葉等の主成分であり、主にセルロース、 ミセルロース及びリグニンから構成されて り、セルロース及びヘミセルロースを主成 とする繊維細胞がリグニンを主成分とする 胞間層によって結合されている。
セルロースは、グルコースなど単糖が多 直鎖状に結合した比較的安定な高分子であ 強い結晶性を有している。ヘミセルロース 単糖が多数直鎖状に結合した高分子である 、その結合がセルロースのように規則的で く、分解しやすい。リグニンは主にベンゼ 核を有する不定形の高分子である。
リグノセルロースから単糖を生成しこれ 発酵させてエタノールを製造するには、セ ロース、ヘミセルロースを単糖まで分解(糖 化)する必要がある。セルロース、ヘミセル ースはリグニンなど強固な構造に囲まれて り、またセルロースの結晶性が強いため、 グノセルロースを分解するのは容易でなく 分解糖化方法が種々検討されている。リグ セルロースの分解糖化方法の一つとして、 酸法がある。該硫酸法は、濃硫酸または希 酸を用いてセルロースを加水分解し、リグ セルロースからグルコースを得る方法であ 。しかしながら、硫酸はセルロースやヘミ ルロースをグルコースなど単糖に分解する けではなく、さらに生成した単糖を過分解 てしまうので、最終的な糖の収率が低下す という問題がある。
硫酸法以外のリグノセルロースの分解糖 方法として酵素加水分解法がある。これは 温和な条件でセルロースなどをセルラーゼ どの酵素で加水分解糖化する方法であって 単糖の過分解を抑制できる。酵素加水分解 では酵素とセルロースやヘミセルロースを 効に反応させるために前処理が必要である すなわち、セルロース及びヘミセルロース 結合しているリグニンをリグノセルロース ら分解除去し、また、セルロースの結晶性 弱くする前処理を行う必要がある。
酵素加水分解の前処理方法としては、アル
リ法(特許文献1参照)が挙げられる。特許文
1では、木材オガ粉を主とするキノコ廃菌床
を濃度1%以上のアルカリ溶液で前処理するこ
が開示されている。
アブラヤシ空果房は、アブラヤシからパ ム油を製造する際に大量に発生しており、 れまで有効利用されず廃棄されていたが、 ブラヤシ空果房を草本系バイオマスとして 効利用すること、特にエタノールを製造す ことを検討することが要望されている。
バガス(サトウキビから糖液を搾汁した繊 維残渣)や稲わら、木材チップなどのリグノ ルロースバイオマスからエタノールを製造 る際に、酵素加水分解の前処理を適切に行 ことが重要である。
リグノセルロース系バイオマスは、木質 バイオマスと草本系バイオマスに分けられ 構成成分が異なる。木材チップや廃木材な 木質系バイオマスは、その構成成分がセル ース50%程度、ヘミセルロース15%程度、リグ ン30%程度であり、リグニンの比率が大きい で、リグニンをどのように分解除去するか 酵素加水分解の前処理のポイントとなる。 れに対し、バガス、稲わら、籾殻、アブラ シ空果房など草本系バイオマスは、その構 成分がセルロース50%程度、ヘミセルロース3 0%程度、リグニン15%程度であり、リグニンが なくヘミセルロース含有量が高いので、ヘ セルロースを効率的に利用できるようにす ことが酵素加水分解の前処理のポイントと る。
アブラヤシ空果房、稲わら、バガスなど 本系バイオマスから酵素加水分解により糖 生成する場合には、上述したように、含有 が30%にものぼるヘミセルロースを有効に利 することが重要である。しかし、特許文献1 に記載された前処理方法は木質系バイオマス の前処理方法であって、草本系バイオマスに 適用すると次のような問題が生じる。
ヘミセルロースは、セルロースに比べて 晶性が弱くセルロースより分解されやすい め、特許文献1に記載された濃度1%以上のア カリ溶液で分解する前処理を行うと、セル ースより分解されやすいヘミセルロースは にまで分解され、さらに生成した糖がアル リ溶液により過分解されてしまうため全体 しての糖の回収率が低くなってしまう。さ とて、前処理条件が緩やか過ぎると、リグ ンの分解やセルロースの結晶性を脆化する とが不十分なままになるため、前処理後の 素加水分解による糖化が進まないという問 がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなさ たものであり、草本系バイオマスを酵素加 分解して糖化処理する前に行う前処理方法 あって、前処理によりヘミセルロースが分 して生成した糖の過分解を抑え、収率よく を得ることができる草本系バイオマスの糖 処理前の前処理方法、草本系バイオマスか のエタノール製造方法を提供することを目 とする。
また、アブラヤシからパーム油を製造す 際に大量に発生しているが、これまで有効 用されず廃棄されていたアブラヤシ空果房 らエタノールを製造する方法を提供するこ を目的とする。
上記目的を達成するための、本発明の第1 の形態に係るアブラヤシ空果房からのエタノ ール製造方法は、下記のとおりである。
アブラヤシ空果房からエタノールを製造する
方法であって、
アブラヤシ果房を蒸気加熱する蒸気加熱工程
と、
蒸気加熱されたアブラヤシ果房を果実とアブ
ラヤシ空果房とに分離する分離工程と、
アブラヤシ空果房を粉砕する粉砕工程と、
粉砕されたアブラヤシ空果房を糖化処理する
ための前処理を行う前処理工程と、
前処理されたアブラヤシ空果房を酵素加水分
解して糖を生成する糖化工程と、
酵素加水分解により生成された糖を発酵して
エタノールを製造する発酵工程と、
を有し、
前記前処理は、下記のうちのいずれかである
アブラヤシ空果房からのエタノール製造方法
。
(1)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満である水酸化物水溶液によりアル カリ処理する。
(2)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満であり、温度が常温である水酸化 物水溶液によりアルカリ処理する。
(3)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満であり、温度が60℃以上100℃以下 ある水酸化物水溶液によりアルカリ処理す 。
(4)温度が60℃以上100℃以下の湯又は蒸気に り加熱する。
本発明の第2の形態に係るアブラヤシ空果 房からのエタノール製造方法は、下記のとお りである。
アブラヤシ空果房からエタノールを製造する
方法であって、
アブラヤシ果房を蒸気加熱する蒸気加熱工程
と、
蒸気加熱されたアブラヤシ果房を果実とアブ
ラヤシ空果房とに分離する分離工程と、
アブラヤシ空果房を粉砕するとともに、アブ
ラヤシ空果房を糖化処理するための前処理を
行う粉砕・前処理工程と、
粉砕・前処理されたアブラヤシ空果房を酵素
加水分解して糖を生成する糖化工程と、
酵素加水分解により生成された糖を発酵して
エタノールを製造する発酵工程と、
を有し、
前記前処理は、下記のうちのいずれかである
アブラヤシ空果房からのエタノール製造方法
。
(1)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満である水酸化物水溶液によりアル カリ処理する。
(2)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満であり、温度が常温である水酸化 物水溶液によりアルカリ処理する。
(3)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満であり、温度が60℃以上100℃以下 ある水酸化物水溶液によりアルカリ処理す 。
(4)温度が60℃以上100℃以下の湯又は蒸気に り加熱する。
本発明の第3の形態に係るアブラヤシ空果 房からのエタノール製造方法は、第1又は第2 形態に係る製造方法であって、前記糖化工 と前記発酵工程とを並行して一つの工程で うことを特徴とするものである。
本発明の第4の形態に係る草本系バイオマ スからエタノールを製造する方法は、下記の とおりである。
草本系バイオマスからエタノールを製造する
方法であって、
草本系バイオマスを糖化処理するための前処
理を行う前処理工程と、
前処理された草本系バイオマスを酵素加水分
解して糖を生成する糖化工程と、
酵素加水分解により生成された糖を発酵して
エタノールを製造する発酵工程と、
を有し、
前記前処理は、下記のうちのいずれかである
草本系バイオマスからのエタノール製造方法
。
(1)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満である水酸化物水溶液によりアル カリ処理する。
(2)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満であり、温度が常温である水酸化 物水溶液によりアルカリ処理する。
(3)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満であり、温度が60℃以上100℃以下 ある水酸化物水溶液によりアルカリ処理す 。
(4)温度が60℃以上100℃以下の湯又は蒸気に り加熱する。
本発明の第5の形態に係る草本系バイオマ スからのエタノール製造方法は、第4の形態 係る製造方法であって、前記前処理工程の に草本系バイオマスを粉砕する前粉砕工程 又は前記前処理工程の後に前処理された草 系バイオマスを粉砕する後粉砕工程を有す ことを特徴とするものである。
本発明の第6の形態に係る草本系バイオマ スからのエタノール製造方法は、第4の形態 係る製造方法であって、前記前処理工程に いて草本系バイオマスを粉砕する粉砕処理 同時に行うことを特徴とするものである。
本発明の第7の形態に係る草本系バイオマ スの糖化処理前の前処理方法は、下記のとお りである。
草本系バイオマスを酵素加水分解して糖を生
成する糖化処理の前に行う前処理方法であっ
て、
前記前処理は、下記のうちのいずれかである
草本系バイオマスの糖化処理前の前処理方法
。
(1)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満である水酸化物水溶液によりアル カリ処理する。
(2)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満であり、温度が常温である水酸化 物水溶液によりアルカリ処理する。
(3)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満であり、温度が60℃以上100℃以下 ある水酸化物水溶液によりアルカリ処理す 。
(4)温度が60℃以上100℃以下の湯又は蒸気に り加熱する。
本発明によれば、アブラヤシ空果房からエ
ノールを製造する方法は、
アブラヤシ果房を蒸気加熱する蒸気加熱工程
と、
蒸気加熱されたアブラヤシ果房を果実とアブ
ラヤシ空果房とに分離する分離工程と、
アブラヤシ空果房を粉砕する粉砕工程と、
粉砕されたアブラヤシ空果房を糖化処理する
ための前処理を行う前処理工程と、
前処理されたアブラヤシ空果房を酵素加水分
解して糖を生成する糖化工程と、
酵素加水分解により生成された糖を発酵して
エタノールを製造する発酵工程と、
を有している。
また、前記前処理は、下記のうちのいず かである。
(1)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満である水酸化物水溶液によりアル カリ処理する。
(2)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満であり、温度が常温である水酸化 物水溶液によりアルカリ処理する。
(3)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満であり、温度が60℃以上100℃以下 ある水酸化物水溶液によりアルカリ処理す 。
(4)温度が60℃以上100℃以下の湯又は蒸気に り加熱する。
粉砕されたアブラヤシ空果房を水酸化物 濃度が0.2重量%以上1重量%未満である水酸化 水溶液によりアルカリ処理することにより アブラヤシ空果房のリグニンを分解し、セ ロースの結晶性を適切に弱くすることがで 、酵素加水分解による糖化を適切に行うこ ができる。水酸化物水溶液の濃度をこの範 とした理由は、水酸化物水溶液濃度が0.2重 %未満であるとリグニンの分解やセルロース の結晶性の脆化が進まないし、1重量%以上で ヘミセルロースの分解により生成した糖が 分解されるからである。
水酸化物水溶液の温度は、リグニンの分 反応やセルロースの結晶脆化反応を進行さ るには常温でもよいが、60℃以上100℃未満 すると、リグニンの分解反応やセルロース 結晶脆化反応をさらに促進させることがで る。例えば水酸化ナトリウム水溶液の温度 60℃より高いと、60℃未満の場合に比べてリ ニン分解反応やセルロース結晶脆化反応が 段に進むことが確認されている。水酸化ナ リウム水溶液の温度が100℃を超えた状態で 処理を行うためには、高温・高圧処理装置 必要となり、設備費用、運転費用が嵩むた 好ましくない。
また、粉砕されたアブラヤシ空果房を温 が60℃以上100℃以下の湯又は蒸気により加 することにより、アブラヤシ空果房のリグ ンを分解し、セルロースの結晶性を適切に くすることができ、酵素加水分解による糖 を適切に行うことができる。60℃以上100℃以 下の湯又は蒸気により加熱する処理は、水酸 化物水溶液によるアルカリ処理にくらべて、 反応が緩やかであり処理時間は長く必要であ るが、前処理後に中和処理する必要がないと いう利点がある。
アブラヤシ空果房を粉砕する粉砕工程の に、粉砕されたアブラヤシ空果房を糖化処 するための前処理を行う前処理工程を設け 。アブラヤシ空果房を粉砕してチップ状に ることにより、アブラヤシ空果房と水酸化 水溶液または湯との反応を容易に進めるこ ができ、アブラヤシ空果房のリグニンを分 し、セルロースの結晶性を適切に弱くする とを効率よく進めることができる。
また、アブラヤシ空果房の粉砕工程に続 て前処理工程を設ける代わりに、アブラヤ 空果房を粉砕するとともに、前処理を同時 行う粉砕・前処理工程を設けてもよい。粉 装置にアブラヤシ空果房とともに水酸化物 溶液または湯を投入して、粉砕処理と前処 とを同時に行うことができ、設備をコンパ トにできる効果がある。また、粉砕処理に う発熱エネルギーを水酸化物水溶液または の温度維持に用いることができる。また、 砕処理と前処理とを同時に行う場合に、水 化物水溶液の代わりにアルカリ剤として粉 状の水酸化物を添加してもよい。このよう することにより粉砕処理の効率を高くして 前処理と粉砕処理を同時に行うことができ 。
アブラヤシ果房を蒸気加熱し、蒸気加熱 れたアブラヤシ果房を果実とアブラヤシ空 房とに分離した後、直ちにアブラヤシ空果 を粉砕し前処理を行う。このようにするこ により、アブラヤシ空果房は蒸気加熱され いたため温度が高くなっており、前処理工 において、さらに加熱することが不要であ か、または加熱が少なくてよいため、前処 のための加熱エネルギーを節約できる。す わち、前処理のための熱エネルギーとして アブラヤシ果房を蒸気加熱する蒸気加熱工 で使われた熱エネルギーを有効に利用する とができる。
また、分離工程でアブラヤシ果房から果 を分離されたアブラヤシ空果房は水分率が6 5%程度と高い。そのため分離されたアブラヤ 空果房を一旦乾燥して、次の工程に供給す ことは乾燥のためのエネルギーが必要とな 、コストが嵩むので問題がある。従って、 の意味からも、蒸気加熱されたアブラヤシ 房を果実とアブラヤシ空果房とに分離した 、直ちにアブラヤシ空果房を粉砕し前処理 行うことが好ましい。
本発明により、これまで有効利用されず 棄されていたアブラヤシ空果房からエタノ ルを製造することができる。
本発明のアブラヤシ空果房からエタノー を製造する方法及び草本系バイオマスから タノールを製造する方法では、前処理にお て、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水 化物を含み濃度を0.2重量%以上1重量%未満と る水酸化物水溶液によりアルカリ処理する とによって、前処理が緩やかな条件で行わ る。これによって、リグニンを分解すると に、セルロースの結晶性を弱くし、しかも 草本系バイオマスのリグノセルロースのう 多く含有されるヘミセルロースの過分解を 制できるので、糖化工程での酵素加水分解 おける糖の収率を向上させ、続く発酵工程 のエタノール収率を向上させることが可能 なる。
また、本発明では、低濃度の水酸化物水 液を用いて、常温または温度が60℃以上100 以下で前処理を行うので、高価な設備や高 ランニングコストが必要なく、コストを抑 できる。
[第1の実施形態]
本実施形態では、草本系バイオマスを原料
して、エタノールを製造する方法を説明す
。該製造方法は、草本系バイオマス原料を
砕する粉砕工程、粉砕された草本系バイオ
スを糖化処理するための前処理を行う前処
工程、前処理された草本系バイオマスを固
分離する固液分離工程、固液分離された固
物を酵素加水分解して糖を生成する糖化工
、及び酵素加水分解により生成された糖を
酵してエタノールを製造する発酵工程を有
る。
まず、本実施形態の概要を説明する。本 施形態では、前処理工程として水酸化物水 液によるアルカリ処理を行い、水酸化物と て水酸化ナトリウムを用いることを例に挙 る。
まず、粉砕工程において、草本系バイオ ス原料が粉砕される。これにより、後の前 理工程にて草本系バイオマス原料と水酸化 トリウム水溶液との接触が良好となり、該 本系バイオマス原料の分解反応が進み易く る。
次に、前処理工程において、水酸化ナト ウム水溶液により、草本系バイオマス原料 リグノセルロースのうちセルロースやヘミ ルロースを結合しているリグニンが分解さ 、また、セルロースの結晶性が脆化される このリグニンの分解とセルロースの結晶性 化によって、後の酵素加水分解工程でセル ースやヘミセルロースが加水分解されやす なる。本実施形態では、前処理工程におい 、ヘミセルロースの分解により生成した糖 過分解されないように、水酸化ナトリウム 溶液の濃度を0.2重量%以上1重量%未満とする
次に、固液分離工程において、セルロー やヘミセルロースを含む固形物と、リグニ 分解物を含む液体とに分離する。固形物は 後の酵素加水分解工程において糖へと加水 解される。さらに、その後の発酵工程にお て該糖からエタノールが製造される。
次に、本実施形態の各工程を説明する。
<粉砕工程>
セルロースは繊維状のものが集合して結晶
した構造を形成し、この結晶化した構造が
まってミクロフィブリルを形成している。
た、セルロースにはリグニンが強固に結合
ている。このため、セルロースの酵素加水
解が困難であるので、セルロースの結晶化
程度を下げる必要がある。そこで、酵素加
分解の前処理の前に草本系バイオマス原料
粉砕処理することにより、草本系バイオマ
原料を微細化して、前処理工程において、
本系バイオマス原料と水酸化ナトリウム水
液との接触を良好にすると共に、セルロー
を微細化して結晶性を低下させ、前処理工
におけるアルカリによる分解反応や結晶性
化反応を促進させる。
その結果、草本系バイオマス原料を糖化 る酵素加水分解反応を促進して、糖の収率 向上させることができる。
粉砕工程では、草本系バイオマス原料を3 0mm以下、好ましくは10mm以下の大きさに粉砕 る。粉砕後のサイズはできるだけ小さい方 前処理工程における前処理の効率が高くな が、粉砕サイズを小さくする分、粉砕のた の所要エネルギーも大きくなる。かかる観 から、適正な粉砕サイズが存在するので、 記の粉砕サイズに粉砕することが好ましい
粉砕の手段としては、機械的粉砕処理が 効であり、具体的には、グランダー、カッ ーミル、振動ボールミル、回転ボールミル 遊星型ボールミル、ロールミル、ディスク ル、ホモミキサーなどがあげられ、いずれ 用いてもよい。
<前処理工程>
粉砕した草本系バイオマス原料を水酸化ナ
リウム水溶液中でアルカリ処理する。水酸
ナトリウム水溶液の重量は原料重量に対し1
~5倍がよい。水酸化ナトリウム水溶液の濃度
0.2重量%以上1重量%未満とする。
水酸化ナトリウム水溶液濃度が0.2重量%未 満ではリグニンの分解とセルロースの結晶性 脆化が進まず、1重量%以上ではヘミセルロー の分解により生成した糖が過分解されてし う。したがって、0.2重量%未満の濃度及び1 量%以上の濃度は不適である。
前処理における水酸化ナトリウム水溶液 温度は、リグニンの分解反応やセルロース 結晶性脆化反応を進行させるという点では 温でもよいが、さらに分解反応や脆化反応 促進させるためには60℃から100℃とするこ が好ましい。水酸化ナトリウム水溶液の温 が60℃より高いと、60℃未満の場合に比べて グニン分解反応やセルロース結晶性脆化反 が格段に進むことが確認されている。水酸 ナトリウム水溶液の温度が100℃を超えた状 で前処理を行うためには、高温・高圧処理 置が必要となり、設備費用、運転費用が嵩 不適である。
前処理時間は、10分から60分が好ましい。 10分より短時間では前処理が不十分で、後工 としての酵素加水分解工程での糖化が進行 ない。また、60分より長時間前処理を行っ も、リグニンの分解やセルロースの結晶性 化の程度は変わらないうえ、60分より長時間 前処理するとかえって処理コストがかかるの で不適だからである。
アルカリ処理において、アルカリ剤とし は、水酸化ナトリウムのほかに、水酸化カ ウムなどのアルカリ金属の水酸化物を用い もよく、また、水酸化カルシウムなどのア カリ土類金属の水酸化物を用いてもよい。
アルカリ金属の水酸化物やアルカリ土類 属の水酸化物の水溶液は、その濃度範囲が 酸化ナトリウムと同程度の範囲が好ましく 0.2重量%以上1重量%未満の範囲が好ましい。
また、アルカリ剤として水酸化物の代わ にアンモニア水や四級アンモニウム塩、炭 アンモニウムなどのアンモニウム塩を用い もよい。この場合には好ましい濃度範囲は 酸化物に比べて高くなる。
<固液分離工程>
草本系バイオマスを前処理した後、固液分
して、結晶性が脆化されたセルロースやヘ
セルロースを含む固形物とリグニン分解物
含む液体とに分離する。これにより、リグ
ン分解物などの不純物を除去し、糖の原料
なる結晶性が脆化されたセルロースならび
ヘミセルロースを取り出すことができる。
液分離の手段としては、自然ろ過、吸引ろ
、加圧ろ過、遠心ろ過などのろ過法や、遠
分離法があげられ、いずれの手段を用いて
よい。固液分離工程の後に酵素加水分解工
を実施する前には、固形物を洗浄し、pHを
素加水分解反応に適した弱酸性にしておく
とが好ましい。
<糖化工程>
固液分離工程で得られた固形物が懸濁した
に酵素を添加し、セルロースやヘミセルロ
スを含む固形物を酵素加水分解して糖化す
。前処理によりリグニンが分解され、さら
固液分離によりリグニン分解物が除去され
また、前処理によりセルロースの結晶性が
化されているので、固形物中のセルロース
ヘミセルロースは酵素により加水分解され
すくなっている。酵素加水分解による糖化
程には、セルラーゼやヘミセルラーゼとい
た分離生成された酵素を用いてもよいし、
素を生産するカビなどの微生物を用いても
い。具体的には、固形物を懸濁した液に、
えばセルラーゼを添加し、攪拌しながら、
えばpH4~6、30~60℃で、10~120時間反応させる。
セルラーゼによって加水分解された液にはセ
ルロースが分解された糖であるグルコースと
、ヘミセルロースが分解された糖であるグル
コース、キシロース、アラビノース、ガラク
トース、マンノース等が含まれることとなる
。
<発酵工程>
糖化工程後の糖液に窒素、リンを含む栄養
とエタノール発酵微生物を添加し、糖をエ
ノールに変換する。エタノール発酵微生物
しては、酵母および細菌のいずれを用いて
よい。酵母としては、Saccharomyces cereviciae、
Shizosaccharomyces pombe、Zygosaccharomyces rouxii、Pich
ia stipitisなど、細菌としては、Zymomonas mobilis
などが挙げられる。
このように本実施形態に係る草本系バイ マスの前処理方法を用いると、草本系バイ マスに多く含有されるヘミセルロースの分 により生成した糖の過分解を回避して、酵 加水分解後の糖の収率を高くすることがで る。従って、草本系バイオマスを原料とす 糖収量が増加し、これによって、糖を発酵 せて製造するエタノールの収率をも向上さ ることができる。
粉砕工程は、アルカリ剤による前処理よ も前に実施してもよいし、アルカリ剤によ 前処理工程後に実施してもよい。また、粉 時にアルカリ剤を添加することにより、粉 処理と前処理とを同時に実施してもよい。 砕処理と前処理とを同時に行うことにより メカノケミカル反応により前処理の効率を めることができ、また設備をコンパクトに きる効果がある。また、粉砕処理に伴う発 エネルギーを水酸化物水溶液または湯の温 維持に用いることができる。また、粉砕処 と前処理とを同時に行う場合に、水酸化物 溶液の代わりにアルカリ剤として粉末状の 酸化物を添加してもよい。このようにする とにより粉砕処理の効率を高くして、前処 と粉砕処理を同時に行うことができる。
また、酵素加水分解による糖化工程と発 工程とを並行して一つの工程で行う糖化・ 酵工程を設けてもよい。このようにするこ により、工程を簡略化することができる。
[第2の実施形態]
次に、アブラヤシ空果房からエタノールを
造する方法について説明する。
アブラヤシ空果房はパーム油を製造する に大量に発生するものであるが、これまで イオマス原料として利用が検討されていな った。アブラヤシからの搾油にあたって、 ずアブラヤシ果房は蒸気により蒸気加熱さ る。これはアブラヤシ果房から果実を取り くすると同時にリパーゼ等の酵素を失活さ 、パーム油の劣化を防止するためである。 ブラヤシ果房から果実が分離された残りが ブラヤシ空果房である。蒸気加熱されたア ラヤシ空果房は、含水率65%程度と水分が多 、燃料として利用するには不適であるので 有効利用されずに廃棄されることが多かっ 。
本実施形態では、アブラヤシ果房からの ーム油製造プロセスに連携して、アブラヤ 空果房を利用することによりエタノールを 造するプロセスを組み立てることを検討し 。この製造プロセスにおける前処理工程は アブラヤシ果房からパーム油を生産する際 アブラヤシ空果房が取り出される工程に続 て行われることが好ましい。
アブラヤシ空果房からエタノールを製造 るプロセスは、以下の工程により実施され 。
(1)アブラヤシ果房を蒸気加熱する蒸気加熱工
程、
(2)蒸気加熱されたアブラヤシ果房を果実とア
ブラヤシ空果房とに分離する分離工程、
(3)アブラヤシ空果房を粉砕する粉砕工程、
(4)粉砕されたアブラヤシ空果房を糖化処理す
るための前処理を行う前処理工程、
(5)前処理工程の反応物を固液分離する固液分
離工程、
(6)固液分離により分離された固形物を酵素加
水分解して糖を生成する糖化工程
(7)酵素加水分解により生成された糖を発酵し
てエタノールを製造する発酵工程
前記前処理は、下記のうちのいずれかであ
。
(a)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満である水酸化物水溶液によりアル カリ処理する。
(b)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満であり、温度が常温である水酸化 物水溶液によりアルカリ処理する。
(c)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び 水酸化カルシウムのうちいずれか一つの水酸 化物を含み、該水酸化物の濃度が0.2重量%以 1重量%未満であり、温度が60℃以上100℃以下 ある水酸化物水溶液によりアルカリ処理す 。
(d)温度が60℃以上100℃以下の湯又は蒸気に り加熱する。
本第2の実施形態のアブラヤシ空果房から エタノールを製造するプロセスにおける粉砕 工程、前処理工程、固液分離工程、糖化工程 及び発酵工程は、第1の実施形態の草本系バ オマスからエタノールを製造する方法にお る各工程と対象物が異なるだけで、同様に うことができるので、詳しい説明を省略す 。
アブラヤシ果房を蒸気加熱し、蒸気加熱 れたアブラヤシ果房を果実とアブラヤシ空 房とに分離した後、直ちにアブラヤシ空果 を粉砕し前処理を行うことにより、アブラ シ空果房は蒸気加熱されていたため温度が くなっており、前処理工程において、さら 加熱することが不要であるか、または加熱 少なくてよいため、前処理のための加熱エ ルギーを節約できる。すなわち、前処理の めの熱エネルギーとして、アブラヤシ果房 蒸気加熱する蒸気加熱工程で使われた熱エ ルギーを有効的に利用することができる。
上記の第2の実施形態のように、アブラヤ シ空果房の前処理を行うと、アブラヤシ空果 房に多く含有されるヘミセルロースの分解に より生成した糖の過分解を回避して、酵素加 水分解後の糖の収率を高くすることができる 。従って、アブラヤシ空果房を原料とする糖 収量が増加し、これによって、糖を発酵させ て製造するエタノールの収率をも向上させる ことができる。
粉砕工程は、アルカリ剤による前処理よ も前に実施してもよいし、アルカリ剤によ 前処理工程後に実施してもよい。また、粉 時にアルカリ剤を添加することにより、粉 処理と前処理とを同時に実施してもよい。 砕処理と前処理とを同時に行うことにより メカノケミカル反応により前処理の効率を めることができ、また設備をコンパクトに きる効果がある。また、粉砕処理に伴う発 エネルギーを水酸化物水溶液または湯の温 維持に用いることができる。また、粉砕処 と前処理とを同時に行う場合に、水酸化物 溶液の代わりにアルカリ剤として粉末状の 酸化物を添加してもよい。このようにする とにより粉砕処理の効率を高くして、前処 と粉砕処理を同時に行うことができる。
また、酵素加水分解糖化工程と発酵工程 を並行して一つの工程で行う糖化・発酵工 を設けてもよい。このようにすることによ 、工程を簡略化することができる。
本発明の草本系バイオマスの酵素加水分 の前処理方法は、水酸化ナトリウム、水酸 カリウム及び水酸化カルシウムのうちいず か一つの水酸化物の水溶液により草本系バ オマス原料を分解するアルカリ処理工程を み、水酸化物水溶液の濃度は、0.2重量%以上 1重量%未満とすることが好ましい。これによ て、草本系バイオマスに多く含有されるヘ セルロースの分解により生成した糖の過分 を回避して、リグニンを分解し、セルロー の結晶性を適切に弱くして、酵素加水分解 の糖の収率を高くすることができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具 的に説明するが、本発明はこれらの実施例 に限定されるものではない。
本実施例では、アブラヤシ空果房から糖を
造する試験を行った。
本実施例では、草本系バイオマス原料とし
アブラヤシ空果房(EFB)を用い、ボールミル
10mm以下の大きさに粉砕して、原料重量に対
5倍の重量の水酸化ナトリウム水溶液中で20
間前処理を行う。前処理した反応物を吸引
過し、ろ過した残渣の前処理固形物を酵素
水分解工程に供した。酵素加水分解処理は
ルラーゼ酵素としてメイセラーゼ溶液を使
し、0.1M酢酸バッファー(pH4.5)中40℃で24時間
理した。そして、酵素加水分解処理物を吸
ろ過し、ろ液中の糖をソモジーネルソン法
分析し、アブラヤシ空果房(乾物)原料100gあ
りの糖収量を求めた。
前処理工程における水酸化ナトリウム水 液濃度、温度の条件を変えて、それぞれの 合の糖収量を求めた。水酸化ナトリウム水 液の濃度は、本発明の濃度範囲と、その範 より小さいか大きい濃度として、0、0.05、0. 1、0.2、0.4、0.8、0.9、1、1.5、2重量%とし、処 温度は20、60℃とした。
上記のアブラヤシ空果房から糖を製造する
験の結果を表1に示す。
草本系バイオマスからエタノールを製造 る場合、原料100gあたりの糖収量が35g以上で あれば、工業的に効率のよいプロセスと言わ れているので、これを基準に上記試験結果を 評価することとする。
表1に示すように、温度20℃および60℃の れぞれにおいて、水酸化ナトリウム水溶液 濃度が0.2重量%以上1重量%未満の範囲にて原 100gあたりの糖収量が35g以上となった。また 0.2重量%未満ではリグニンの分解とセルロー スの結晶性脆化が進まず、1重量%以上の濃度 はヘミセルロースの分解により生成した糖 過分解され、酵素加水分解処理後の糖収量 低くなることが確認された。
また、温度に関しては、60℃の場合が、20 ℃の場合と比べて糖の収率がやや高くなった 。しかし、水酸化ナトリウム水溶液の処理温 度が高くなるにつれヘミセルロースの分解に より生成した糖の過分解が進むため、リグニ ン分解とセルロース脆化によりセルロースか らの酵素加水分解による糖化効率は高くなる ものの、全体として糖の収量はあまり増加し なかった。
水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、水 化カリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶 を用いて前処理を行なった場合にも、同様 結果が得られ、水酸化カリウム水溶液、水 化カルシウム水溶液の好ましい濃度範囲は 酸化ナトリウム水溶液と同程度で、0.2重量% 以上1重量%未満の範囲が好ましい。
水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、40~1 00℃の湯を用いて1時間前処理を行い、他は同 様の条件で酵素加水分解処理後の糖収量を求 めた。湯の温度が60~100℃の範囲にて原料100g たりの糖収量が35g以上となった。60℃以上100 ℃以下の湯により加熱する前処理は、水酸化 物水溶液によるアルカリ処理にくらべて、反 応が緩やかであり処理時間は長く必要である が、前処理後に中和処理する必要がないとい う利点がある。
Next Patent: CLAMPING DEVICE
