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Title:
PROCESS FOR PRODUCING FLUOROALKYL IODIDE TELOMER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/123082
Kind Code:
A1
Abstract:
A novel process for producing a fluoroalkyl iodide telomer is provided. By using the process, a fluoroalkyl iodide telomer having a desired chain length can be efficiently obtained. A fluoroalkyl iodide represented by the general formula RfI (wherein Rf is C1-10 fluoroalkyl) and tetrafluoroethylene are used as a telogen and a taxogen, respectively. These compounds are supplied to a distillation vessel. In a reaction zone located in a middle part of the distillation vessel, the compounds are caused to undergo a telomerization reaction in the presence of a metal catalyst with heating to thereby yield a fluoroalkyl iodide telomer represented by the general formula Rf(CF2CF2)nI (wherein Rf is the same as defined above and n is an integer of 1-4). Thereafter, a fraction containing the fluoroalkyl iodide telomer is separated by distillation.

Inventors:
HIRASAKA TAKEOMI (JP)
TANAKA YOSHINORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/056435
Publication Date:
October 08, 2009
Filing Date:
March 30, 2009
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
HIRASAKA TAKEOMI (JP)
TANAKA YOSHINORI (JP)
International Classes:
C07C17/278; C07C17/383; C07C19/16; C07B61/00
Foreign References:
JPH1059880A1998-03-03
JP2002316957A2002-10-31
JP2002316956A2002-10-31
JPH08239336A1996-09-17
JPH08239335A1996-09-17
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Mitsuo et al. (JP)
Mitsuo Tanaka (JP)
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Claims:
 一般式RfI(式中、Rfは炭素数1~10のフルオロアルキル基である)で表されるフルオロアルキルアイオダイドをテロゲンとして、テトラフルオロエチレンをタキソゲンとして用い、これらを蒸留器に供給し、蒸留器中間部に位置する反応部内で金属触媒の存在下に加熱状態にてテロメル化反応させて、一般式Rf(CF 2 CF 2 ) n I(式中、Rfは上記と同じであり、nは1~4の整数である)で表されるフルオロアルキルアイオダイドテロマーを生じさせ、および
 フルオロアルキルアイオダイドテロマーを含むフラクションを蒸留分離する
ことを含む、フルオロアルキルアイオダイドテロマーの製造方法。
 反応部の温度および圧力は、テロゲンとして用いるフルオロアルキルアイオダイドが液体状態となる温度および圧力である、請求項1に記載の製造方法。
 テトラフルオロエチレンが反応部を通って循環するように、テトラフルオロエチレンを含むフラクションを蒸留分離した後に蒸留器に戻すことを更に含む、請求項1または2に記載の製造方法。
 テロゲンのフルオロアルキルアイオダイドおよびタキソゲンのテトラフルオロエチレンを蒸留器に連続的に供給し、フルオロアルキルアイオダイドテロマーを含むフラクションを蒸留器から連続的に抜き出す、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
 金属触媒が銀または銅である、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
Description:
フルオロアルキルアイオダイド ロマーの製造方法

 本発明は、フルオロアルキルアイオダイ テロマーの製造方法、より詳細には、フル ロアルキルアイオダイドをテロゲンとし、 トラフルオロエチレンをタキソゲンとして いてテロメル化反応によりフルオロアルキ アイオダイドテロマーを製造する方法に関 る。

 炭素数6~12程度のフルオロアルキルアイオ ダイドは、界面活性剤の原料や、繊維の撥水 撥油処理剤の原料として有用な化合物である 。

 このようなフルオロアルキルアイオダイド 、工業的には、以下の式に従ってテロメル 反応によって製造されている。
 上記式中、Rfはフルオロアルキル基を示し nは重合度を示し、望ましくは1~4の整数であ 。

 このテロメル化反応において、一般式RfIで されるフルオロアルキルアイオダイドがテ ゲンであり、テトラフルオロエチレンがタ ソゲンであり、生成する一般式Rf(CF 2 CF 2 ) n Iで表されるフルオロアルキルアイオダイド テロマーである。本発明において、テロゲ のフルオロアルキルアイオダイドと区別す ために、テロメル化反応により生じたフル ロアルキルアイオダイドをフルオロアルキ アイオダイドテロマーと呼ぶものとし、本 細書において単にテロマーとも言うものと る。また、本明細書において、テロゲンの ルオロアルキルアイオダイドをフルオロア キルアイオダイドテロゲンまたは単にテロ ンとも言い、テトラフルオロエチレンをテ ラフルオロエチレンタキソゲンまたは単に キソゲンとも言うものとする。

 上記のテロメル化反応は、加熱によりま は遊離基開始剤(フリーラジカル生成剤など とも呼ばれる)を用いて進行することが知ら ている(例えば特許文献1~5および非特許文献1 を参照のこと)。

 加熱による場合、テロメル化反応は触媒 存在下に実施される。このような触媒とし は、亜鉛、マグネシウム、バナジウム、レ ウム、ロジウム、ルテニウム、白金または を用い得(特許文献3)、あるいは、触媒とし 銅を用いると共に共触媒として別の遷移金 を用い得る(特許文献4)。

特開平6-305995号公報

米国特許第5068471号明細書

特開平8-239335号公報

特開平8-239336号公報

特許第3800677号公報 キン-ユン・チェン(Qing-Yun Chen)、外3名、 「テトラフルオロエチレンのフルオロアルキ ルアイオダイドとの銅誘起テロメリゼーショ ン(Copper-induced telomerization of tetrafluoroethylene with fluoroalkyl iodides)」、ジャーナル・オブ フルオリン・ケミストリ(Journal of Fluorine Ch emistry)、1987年、第36巻、p.483-489

 テロメル化反応は鎖長伸長反応であり、 応後の反応混合物中には、鎖長の異なるフ オロアルキルアイオダイド(テロゲンおよび テロマーを包含し得る)が広範に含まれる。 望の鎖長よりも長いテロマーの生成を避け には、タキソゲンに対するテロゲンの割合 高くすることが考えられるが、これは転化 の低下を招くという難点がある。そこで、 望の鎖長(または重合度)のフルオロアルキル アイオダイドテロマーを効率的に得るために 様々な提案がなされている。

 例えば、特許文献5には、蒸留塔を備えた 反応器を用いて、フルオロアルキルアイオダ イドテロゲンを還流させながら蒸留塔内で遊 離基開始剤の存在下にテロメル化反応を行う ことが記載されている。

 しかしながら、遊離基開始剤を用いると テロゲンと遊離基開始剤の望ましくない副 応により、一般式RfHで表わされる副生成物 生じ、また、用いた遊離基開始剤自身も分 し、この分解による副生成物も生じるので これらを分離除去する必要が生じる。

 従来提案されているいずれの方法も、所 の鎖長のフルオロアルキルアイオダイドテ マーを効率的に得るのに十分満足できるも ではない。

 本発明の目的は、所望の鎖長のフルオロ ルキルアイオダイドテロマーを効率的に得 ことができる新規なフルオロアルキルアイ ダイドテロマーの製法方法を提供すること ある。

 本発明の1つの要旨によれば、一般式RfIで表 されるフルオロアルキルアイオダイドをテロ ゲンとして、テトラフルオロエチレンをタキ ソゲンとして用い、これらを蒸留器に供給し 、蒸留器中間部に位置する反応部内で金属触 媒の存在下に加熱状態にてテロメル化反応さ せて、一般式Rf(CF 2 CF 2 ) n Iで表されるフルオロアルキルアイオダイド ロマーを生じさせ、および
 フルオロアルキルアイオダイドテロマーを むフラクションを蒸留分離する
ことを含む、フルオロアルキルアイオダイド テロマーの製造方法が提供される。本発明に 関し、上記式中、Rfは炭素数1~10のフルオロア ルキル基とし、n(重合度)は1~4の整数とする。 また、「~を含むフラクション」は、当該物 を主成分として含み、好ましくは当該物質 ら実質的に成る流体部分を言う。

 本発明の上記製造方法によれば、蒸留器中 部を反応部として利用することによって、 の反応部で金属触媒の存在下にテロメル化 応を進行させ、その後、所望の鎖長のフル ロアルキルアイオダイドテロマーの沸点に じて、フルオロアルキルアイオダイドテロ ーを含むフラクションを蒸留分離により反 部から移動させることができ、これにより 更なる鎖長伸長(または重合)を防止するこ が可能となり、得られる上記フラクション 含まれるフルオロアルキルアイオダイドの 長分布を十分に狭くできて、所望の鎖長の ルオロアルキルアイオダイドテロマーを高 選択率で得ることができる。また、本発明 上記製造方法によれば、テロメル化反応を 属触媒の存在下に実施しているので、望ま くない副生成物を生じる副反応を低減でき 特に、遊離基開始剤を用いていないので一 式RfHで表わされる副生成物も遊離基開始剤 身の分解による副生成物も生じず、従って これらを分離除去する必要がない。
 従って、本発明の上記製造方法によれば、 望の鎖長のフルオロアルキルアイオダイド ロマーを効率的に得ることができる。

 本発明の1つの態様において、反応部の温 度および圧力を、フルオロアルキルアイオダ イドテロゲンが液体状態となる温度および圧 力とする。これにより、テロメル化反応を液 相テロゲン中で進行させることができ、気相 テロメル化反応の反応温度に比べて反応温度 が低くなることから、工業的に好ましく、ま た熱的に不安定なテトラフルオロエチレンが 分解しにくい利点もある。

 また、本発明の上記製造方法は、テトラ ルオロエチレンが反応部を通って循環する うに、テトラフルオロエチレンを含むフラ ションを蒸留分離した後に蒸留器に戻すこ を更に含んでいてよい。このようにしてテ ラフルオロエチレンタキソゲンを反応部に じて循環させることにより、テロメリ化反 で消費されなかったテトラフルオロエチレ を再利用することができる。

 本発明の1つの態様において、フルオロア ルキルアイオダイドテロゲンおよびテトラフ ルオロエチレンタキソゲン(蒸留分離された ラクションの形態を含む)を蒸留器に連続的 供給し、フルオロアルキルアイオダイドテ マーを含むフラクションを蒸留器から連続 に抜き出す。これにより、本発明の製造方 を連続的に実施できるので、工業的に好ま い。

 本発明の1つの態様において、金属触媒は 銀または銅である。銀や銅は比較的安価であ りながら、本発明の製造方法において金属触 媒として用いれば、高い触媒活性および選択 率が得られるので、工業的に好ましい。

 本発明においては、フルオロアルキルア オダイドテロゲンとテトラフルオロエチレ タキソゲンとを蒸留器に供給し、蒸留器中 部に位置する反応部内で金属触媒の存在下 加熱状態にてテロメル化反応させてフルオ アルキルアイオダイドテロマーを生じさせ つ、フルオロアルキルアイオダイドテロマ を含むフラクションを蒸留分離している。 のような本発明によれば、蒸留器中間部を 応部として利用することにより反応部でテ メル化反応を進行させ、その後、所望の鎖 のフルオロアルキルアイオダイドテロマー 生じた時点でこれを含むフラクションを蒸 分離により反応部から移動させることがで 、これにより、所望の鎖長のフルオロアル ルアイオダイドテロマーを高い選択率で得 ことができる。また、本発明によれば、テ メル化反応を金属触媒の存在下に実施して るので、望ましくない副生成物を生じる副 応を効果的に低減でき、特に、遊離基開始 を用いていないので一般式RfHで表わされる 生成物も遊離基開始剤自身の分解による副 成物も生じず、これらを分離除去する必要 ない。従って、本発明によれば、所望の鎖 のフルオロアルキルアイオダイドテロマー 効率的に得ることができる。

 本発明の1つの実施形態について以下に詳 述する。

 まず、本実施形態において用いる反応原 のテロゲンおよびタキソゲン、金属触媒、 らびに蒸留器を準備する。

 テロゲンには、一般式RfI(式中、Rfは炭素 1~10のフルオロアルキル基である)で表され フルオロアルキルアイオダイドを用い得、 ーフルオロアルキルアイオダイドが好まし 。具体例としては、2-ヨードパーフルオロプ ロパン、1-ヨードパーフルオロエタン、1-ヨ ドパーフルオロブタン、1-ヨードパーフルオ ロヘキサン等を挙げることができる。テロゲ ンは、このような化合物を一種単独で用いて も、二種以上を混合して用いてもよい。

 タキソゲンには、テトラフルオロエチレ を用いる。

 金属触媒には、本実施形態においては比較 安価な銀または銅を用いる。
 しかしながら、本発明はこれに限定されず 金属触媒には、フルオロアルキルアイオダ ドテロゲンとテトラフルオロエチレンタキ ゲンとのテロメル化反応に対して実質的に 媒作用を示す金属を用い得る。このような 属の具体例としては、銅、錫、亜鉛、マグ シウム、バナジウム、レニウム、ロジウム ルテニウム、白金および銀;これらの群から 選択される2種以上の金属の合金または混合 ;またはこれらの群から選択される1種または 2種以上の金属に遷移金属を少量添加した合 などが挙げられる。遷移金属には、それ自 は触媒作用を示さないか、触媒作用が非常 小さい金属を用いることができ、例えば鉄 ニッケル、クロム、モリブデン、タングス ン、チタンなどが挙げられる。

 金属触媒の形状は、フルオロアルキルア オダイドテロゲンとテトラフルオロエチレ タキソゲンとのテロメル化反応に実質的に 媒作用を示す形状であれば特に限定されな 。例えば板状、塊状、線状、球状粉体、鱗 状粉体、焼結状または被覆状などであって い。また、触媒作用を示すまたは示さない 体上に固定させた金属触媒を用いることも きる。特に、比表面積が大きい金属触媒、 えばハニカム状または焼結体状の金属触媒 、設備規模を小さくできるので、工業的に ましい。

 蒸留器には、本実施形態においては蒸留塔 用いる。蒸留塔の中間部に位置する反応部 金属触媒を予め充填しておく。蒸留塔のそ 他の部分には蒸留分離のための任意の適切 充填物が充填され得る。
 しかしながら、本発明に用いる蒸留器は蒸 塔に限定されず、中間部分をテロメリ化反 のための反応部として利用でき、かつ全体 して蒸留操作を実施し得るものであれば好 に用い得る。

 この蒸留塔にフルオロアルキルアイオダ ドテロゲンおよびテトラフルオロエチレン キソゲンを連続的に供給し、反応部にて金 触媒の存在下に、加熱状態にてテロメル化 応を進行させる。

 これらテロゲンおよびタキソゲンの供給 合は、特に限定されるものではないが、例 ばテロゲンに対してタキソゲン約0.01~10モル %、好ましくは約0.3~3モル%とし得る。このよ に、テロゲンよりタキソゲンを多量とする とにより、高い転化率を得ることができる

 テロゲンおよびタキソゲンの供給は、フ オロアルキルアイオダイドテロゲン中にテ ラフルオロエチレンタキソゲンを溶解させ 状態で蒸留塔に供給し得る。あるいは、フ オロアルキルアイオダイドテロゲンと、テ ラフルオロエチレンタキソゲンとを別個に 留塔に(好ましくは、蒸留塔の中間部に位置 する反応部よりやや下方にして)供給し得る

 テトラフルオロエチレンタキソゲンを含 低沸点フラクションを、蒸留塔の上部から 続的に抜き出した後に蒸留塔に戻し、これ よりテトラフルオロエチレンタキソゲンが 応部を通って循環するようになっている。

 蒸留塔内の圧力は、約-0.95~5MPa(ゲージ圧) することが好ましい。蒸留塔内の圧力を約- 0.95MPa(ゲージ圧)以上とすると、蒸留塔内の温 度および用いるテロゲンにもよるが、通常、 そのテロゲンの蒸留塔内の温度における蒸気 圧より約0.01MPa以上高い圧力となり、このよ な圧力となるようにテトラフルオロエチレ を供給することにより、高い空時収率(即ち 単位時間、単位触媒重量当りの収率)が得ら れる。また、約5MPa(ゲージ圧)以下とすること により、高いテロメル化反応選択性が得られ 、更に安全かつ低コストである。しかしなが ら、このような範囲外の圧力においてもテロ メル化反応を進行させ得ることに留意された い。

 蒸留塔内の温度は、位置によって異なり るが、少なくとも反応部は、フルオロアル ルアイオダイドテロゲンが液体状態となる うに、圧力に見合った温度に維持すること 好ましい。これにより、テロメル化反応を 相テロゲン中で進行させることができ、気 テロメル化反応の反応温度に比べて反応温 が低くなることから、工業的に好ましく、 た熱的に不安定なテトラフルオロエチレン 分解しにくい利点もある。

 テロメル化反応のための反応部の温度は 圧力などにもよるが、例えば約60~160℃であ 、好ましくは約80~140℃である。約60℃以上 することにより、十分な反応速度を得るこ ができる。また、約160℃以下とすることに り、望ましくない副反応を効果的に低減す ことができ、更に安全かつ低コストである そのような副反応としては、例えば、発生 るフルオロアルキルラジカルが2量化してフ オロアルカンを生じる反応、テロマー同士 反応してフルオロアルカンおよびヨウ素を じる反応(ヨウ素は反応器の腐食や配管など の閉塞をもたらし得る)、熱的に不安定であ テトラフルオロエチレンの熱分解(これは安 性の点で特に望ましくない)などが挙げられ る。しかしながら、このような範囲外の温度 においてもテロメル化反応を進行させ得るこ とに留意されたい。

 これにより、フルオロアルキルアイオダイ テロゲンとテトラフルオロエチレンタキソ ンとが、反応部内で金属触媒の存在下に加 状態にて以下の式に示すテロメル化反応し フルオロアルキルアイオダイドテロマーを じる。
 生成するフルオロアルキルアイオダイドテ マーは一般式Rf(CF 2 CF 2 ) n I(式中、Rfは反応原料に用いたフルオロアル ルアイオダイドテロゲンにおけるRfと同じで あり、nは1~4の整数である)で表されるもので る。

 このテロメル化反応は鎖長伸長反応であ 、所望の鎖長のフルオロアルキルアイオダ ドテロマー(重合度を示すnが1~4の範囲内)が 成した時点で、フルオロアルキルアイオダ ドテロマーを含むフラクションを蒸留分離 より蒸留塔から取り出す。このような分離 作は、重合度の異なるフルオロアルキルア オダイドテロマーがそれぞれ異なる沸点を し、各沸点に応じて蒸留平衡によって移動 ることを利用して、所望の鎖長のフルオロ ルキルアイオダイドテロマーの沸点に対応 る高沸点フラクションを蒸留分離すること より実施できる。

 このようなフルオロアルキルアイオダイ テロマーを含む高沸点フラクションは、蒸 塔の下部から連続的に抜き出される。

 以上、本実施形態により、フルオロアル ルアイオダイドテロマーが製造される。こ により得られた高沸点フラクション中のフ オロアルキルアイオダイドの鎖長分布は狭 、所望の鎖長のフルオロアルキルアイオダ ドテロマーを高い選択率で得ることができ 。また、本実施形態では金属触媒を用い、 離基開始剤を用いていないので、一般式RfH 表わされるような副生成物も遊離基開始剤 身の分解による副生成物も生じず、従って これらを分離除去する必要がない。このよ な製造方法は、安全かつ低コストであり、 業的実施に好ましく適用される。

 本発明の1つの実施形態について上述した が、本発明は上記実施形態に限定されず、種 々の改変が可能であろう。例えば、上記実施 形態では蒸留塔を用いたが、これに代えて、 管型反応器を利用した装置などを用いてもよ い。また、上記実施形態ではフルオロアルキ ルアイオダイドテロマーを含むフラクション を蒸留塔から単独で連続的に取り出すことと したが、本発明の効果は所望の鎖長のフルオ ロアルキルアイオダイドテロマーを蒸留分離 により反応部から移動させることにより得ら れるものであるので、バッチ式で実施して、 フルオロアルキルアイオダイドテロマーを含 むフラクションを他の全てのフラクションと 一緒に蒸留塔から缶出液(反応混合物)として き出すようにしても同様の効果を得ること できる。

(実施例)
 蒸留器として外径6/8インチのステンレス製 型反応器を縦型設置して用い、この中間部 位置する反応部に金属触媒として球状銅粉 焼結体(直径1mm、長さ10mm)200gを充填し、それ より下部に蒸留分離用の充填物を充填した。 そしてこの蒸留器の底部に、テロゲンとして 1-ヨードパーフルオロブタン(C 4 F 9 I)692gを仕込んだ。

 蒸留器の頂部(塔頂)温度が100℃になるよ に加熱しながら、頂部圧力が0.3MPa(ゲージ圧) で一定となるよう保持し、1-ヨードパーフル ロブタンを還流させた状態で、蒸留器の反 部よりやや下方よりタキソゲンとしてテト フルオロエチレンを徐々に供給した(尚、還 流物にはテトラフルオロエチレンも含まれる ようになる)。テトラフルオロエチレンを全 で36g供給した時点で供給停止し、その後冷 し、蒸留器内の全ての液状物(高沸点フラク ョンを含む)を缶出液(反応混合物)として取 出した。

 これにより得られた反応混合物をガスクロ トグラフにより組成分析した。分析結果よ 求めたテロゲン(C 4 F 9 I)の転化率ならびに反応混合物におけるフル ロアルキルアイオダイド(C 4 F 9 (CF 2 CF 2 ) n I)の重合度分布を表1に示す。

(比較例)
 撹拌機を有する容量230mlのステンレス製加 反応器に、テロゲンとして1-ヨードパーフル オロブタン(C 4 F 9 I)300gおよび金属触媒として銅粉11gを仕込んだ 。

 反応器内の液相温度が100℃になるように 熱しながら、圧力が0.38MPa(ゲージ圧)で一定 なるように、タキソゲンとしてテトラフル ロエチレンを適宜追加供給した。テトラフ オロエチレンを全部で50g供給した時点で供 停止し、その後冷却し、反応混合物を反応 から取り出した。

 これにより得られた反応混合物をガスクロ トグラフにより組成分析した。分析結果よ 求めたテロゲン(C 4 F 9 I)の転化率ならびに反応混合物におけるフル ロアルキルアイオダイド(C 4 F 9 (CF 2 CF 2 ) n I)の重合度分布を表1に示す。

 表中、記号「-」は検出限界未満であること を示す。

 表1を参照して、この実施例によれば、所 望の鎖長のフルオロアルキルアイオダイドで ある1-ヨードパーフルオロヘキサン(n=1)が比 例より高い選択率で得られることが確認さ た。また、この実施例によれば、所望の鎖 より長いフルオロアルキルアイオダイド(n=2 上)は比較例より顕著に少なく、鎖長分布が 極めて狭くなっていることが確認された。

 本発明により製造されるフルオロアルキ アイオダイドテロマーは、界面活性剤の原 や、繊維の撥水撥油処理剤の原料などとし 利用できる。




 
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