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Title:
PROCESS FOR PRODUCING GLASS SUBSTRATE FOR MAGNETIC DISK AND PRODUCTION SYSTEM FOR GLASS SUBSTRATE FOR MAGNETIC DISK
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/093584
Kind Code:
A1
Abstract:
A process for producing a glass substrate for magnetic disk, in which the dimensional error of inside diameter can be lowered. The process for producing a glass substrate for magnetic disk is one comprising the chemical strengthening step of bringing each of multiple glass substrates (102) into contact with the chemical strengthening treatment liquid in any one selected from among multiple chemical strengthening treatment tanks (130) to thereby attain chemical strengthening of the glass substrates, further comprising the inside diameter measuring step of measuring the inside diameter of each of multiple glass substrates (102) before the chemical strengthening step; the grasping step of grasping the variation of inside diameter of glass substrates (102) caused by the chemical strengthening step for each of the multiple chemical strengthening treatment tanks (130); and the combination determining step of, on the basis of the variations, determining individual chemical strengthening treatment tanks (130) with which chemical strengthening is carried out so that the inside diameters after the chemical strengthening step of multiple glass substrates whose inside diameters have been measured become desired values, wherein in the chemical strengthening step, chemical strengthenings of multiple glass substrates (102) are carried out by determined respective chemical strengthening treatment tanks (130).

Inventors:
KASHIMA RYUUICHI (JP)
ISONO HIDEKI (JP)
EDA SHINJI (JP)
YOKOYAMA TOMOTAKA (JP)
TOMONAGA TADASHI (JP)
PHANDORN KRAISORN (TH)
YAYOD WEERAPHAN (TH)
Application Number:
PCT/JP2008/050948
Publication Date:
August 07, 2008
Filing Date:
January 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HOYA CORP (JP)
HOYA GLASS DISK THAILAND LTD (TH)
KASHIMA RYUUICHI (JP)
ISONO HIDEKI (JP)
EDA SHINJI (JP)
YOKOYAMA TOMOTAKA (JP)
TOMONAGA TADASHI (JP)
PHANDORN KRAISORN (TH)
YAYOD WEERAPHAN (TH)
International Classes:
C03B33/02; B24B9/00; B24B9/08; C03C21/00; G11B5/84
Foreign References:
JP2001167427A2001-06-22
JP2003036528A2003-02-07
JP2003146705A2003-05-21
JPH11349354A1999-12-21
Attorney, Agent or Firm:
IKEDA, Noriyasu et al. (4-10 Nishishinbashi 1-chom, Minato-ku Tokyo 03, JP)
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Claims:
 中心に円孔が形成された円板状のガラス基板を複数の化学強化処理槽のいずれかの化学強化処理液に接触させることにより、該ガラス基板中に含まれる一部のイオンを該化学強化処理液中のイオンに置換して該ガラス基板を化学強化する化学強化工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
 前記化学強化工程前の前記ガラス基板の内径を測定する内径測定工程と、
 前記化学強化工程によって生じるガラス基板の内径の変化量を前記複数の化学強化処理槽毎に把握する把握工程と、
 前記変化量に基づいて、内径が測定されたガラス基板の前記化学強化工程後の内径が所望する値になるように、化学強化を行う化学強化処理槽を決定する組合せ決定工程と、をさらに含み、
 前記化学強化工程では、前記決定された化学強化処理槽で前記ガラス基板を化学強化することを特徴とする、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
 中心に円孔が形成された円板状の複数のガラス基板のいずれかを化学強化処理槽の化学強化処理液に接触させることにより、該ガラス基板中に含まれる一部のイオンを該化学強化処理液中のイオンに置換して該ガラス基板を化学強化する化学強化工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
 前記化学強化工程前の前記複数のガラス基板毎の内径を測定する内径測定工程と、
 前記化学強化工程によって生じるガラス基板の内径の変化量を把握する把握工程と、
 前記変化量に基づいて、前記化学強化工程後の内径が所望する値になるように、該化学強化工程を実行するガラス基板を決定する組合せ決定工程と、をさらに含み、
 前記化学強化工程では、前記決定されたガラス基板を前記化学強化処理槽で化学強化することを特徴とする、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
 中心に円孔が形成された円板状の複数のガラス基板のそれぞれを、複数の化学強化処理槽のいずれかの化学強化処理液に接触させることにより、該ガラス基板中に含まれる一部のイオンを該化学強化処理液中のイオンに置換して該ガラス基板を化学強化する化学強化工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
 前記化学強化工程前の前記複数のガラス基板毎の内径を測定する内径測定工程と、
 前記化学強化工程によって生じるガラス基板の内径の変化量を前記複数の化学強化処理槽毎に把握する把握工程と、
 前記変化量に基づいて、内径が測定された複数のガラス基板の前記化学強化工程後の内径が所望する値になるように、化学強化を行う化学強化処理槽をそれぞれ決定する組合せ決定工程と、をさらに含み、
 前記化学強化工程では、前記複数のガラス基板を前記決定されたそれぞれの化学強化処理槽で化学強化することを特徴とする、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
 前記組合せ決定工程は、前記ガラス基板と化学強化処理槽とを仮に組合せた場合の各組合せの最終予想内径と、内径の所望の値との差分の2乗和が最小になるように、化学強化を行う化学強化処理槽をそれぞれ決定することを特徴とする、請求項3に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
 前記把握工程は、前記化学強化処理液に含まれる特定の成分の濃度に基づいて変化量を把握することを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
 中心に円孔が形成された円板状のガラス基板の内周端面を加工する内周加工工程と、
 前記ガラス基板を化学強化処理液に接触させることにより、該ガラス基板中に含まれる一部のイオンを該化学強化処理液中のイオンに置換して該ガラス基板を化学強化する化学強化工程と、を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
 前記化学強化工程によるガラス基板の内径の変形を把握する把握工程をさらに含み、
 前記内周加工工程では、前記把握工程の把握結果に基づいて、次の化学強化工程後の内径が所望の形状となるように、ガラス基板の内周端面を加工することを特徴とする、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
 中心に円孔が形成された円板状のガラス基板の内周端面を加工する内周加工工程と、
 前記ガラス基板を化学強化処理液に接触させることにより、該ガラス基板中に含まれる一部のイオンを該化学強化処理液中のイオンに置換して該ガラス基板を化学強化する化学強化工程と、を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
 前記化学強化工程によって変形するガラス基板の内径の変化量を把握する把握工程と、
 前記把握工程の把握結果に基づいて、次の化学強化工程後のガラス基板の内径が所望の値となるように、ガラス基板の内径の加工量を決定する加工量決定工程と、をさらに含み、
 前記内周加工工程では、前記加工量に基づいてガラス基板の内周端面を加工することを特徴とする、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
 前記内周加工工程には、内周端面を研削加工する内周端面研削工程と、内周端面を研磨加工する内周端面研磨工程とが含まれ、前記把握工程の把握結果の反映は、該内周端面研削工程および該内周端面研磨工程のいずれか一方または両方で実行されることを特徴とする、請求項6または7に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
 前記把握工程は、前記化学強化工程の前後における前記ガラス基板の内径の差分から変化量を把握することを特徴とする、請求項8に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
 請求項1から9のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、前記把握工程は、前記化学強化処理液に含まれる特定の成分の濃度に基づいて変化量を把握することを特徴とする、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
 請求項1から9のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、前記把握工程では、前記特定の成分の濃度と前記変化量とが対応付けられた変化量テーブルを用いて変化量を把握することを特徴とする、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
 中心に円孔が形成された円板状のガラス基板を化学強化処理液に接触させることにより、該ガラス基板中に含まれる一部のイオンを該化学強化処理液中のイオンに置換して該ガラス基板を化学強化する化学強化工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
 前記化学強化工程前の前記ガラス基板の内径を測定する内径測定工程と、
 前記測定された内径と化学強化工程後に所望する内径との差分に基づいて、前記化学強化工程の化学強化処理条件を決定する化学強化処理条件決定工程と、
をさらに含み、
 前記化学強化工程では、前記決定された化学強化処理条件に基づいてガラス基板を化学強化することを特徴とする、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
 前記化学強化処理条件は、化学強化処理液に含まれる特定の成分の濃度であることを特徴とする、請求項12に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
 前記化学強化処理条件は、化学強化処理液への前記ガラス基板の浸漬時間であることを特徴とする、請求項12または13のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
 前記化学強化処理条件決定工程では、前記差分と化学強化処理条件とが対応付けられた強化条件テーブルを用いて化学強化処理条件を決定することを特徴とする、請求項12~14のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
 中心に円孔が形成された円板状のガラス基板を化学強化処理液に接触させることにより、該ガラス基板中に含まれる一部のイオンを該化学強化処理液中のイオンに置換して該ガラス基板を化学強化する化学強化処理槽を備える磁気ディスク用ガラス基板の製造システムであって、
 前記化学強化処理槽で化学強化を行う前の前記ガラス基板の内径を測定する内径測定装置と、
 前記測定された内径と化学強化工程後に所望する内径との差分に基づいて、前記化学強化処理槽における化学強化処理条件を決定する強化条件決定装置と、
をさらに含み、
 前記化学強化処理槽は、前記決定された化学強化処理条件に基づいてガラス基板を化学強化することを特徴とする、磁気ディスク用ガラス基板の製造システム。
Description:
磁気ディスク用ガラス基板の製 方法および磁気ディスク用ガラス基板の製 システム

 本発明は、ガラス基板の一部をイオン交 して化学強化を行う化学強化工程を含む磁 ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気デ スクの製造方法、磁気ディスク、および磁 ディスク用ガラス基板の製造システムに関 る。

 近年、情報化技術の高度化に伴い、情報 録技術、特に磁気記録技術は著しく進歩し いる。このような磁気記録媒体のひとつで るHDD(ハードディスクドライブ)等の磁気記 媒体用基板としては、アルミニウム基板が く用いられてきた。しかし、磁気ディスク 小型化、薄板化、および高密度記録化に伴 、アルミニウム基板に比べ基板表面の平坦 及び基板強度に優れたガラス基板の需要が まっている。

 また、磁気記録媒体の高密度化に伴い、 気ヘッドも薄膜ヘッドから、磁気抵抗型ヘ ド(MRヘッド)、大型磁気抵抗型ヘッド(GMRヘ ド)へと推移してきており、磁気ヘッドの基 からの浮上量が小さくなってきている。こ ような磁気抵抗効果型素子を搭載した磁気 ッドには固有の障害としてサーマルアスペ ティ障害を引き起こす場合がある。サーマ アスペリティ障害は、磁気ディスク面上の 小な凸或いは凹形状上を磁気ヘッドが浮上 行しながら通過するときに、空気の断熱圧 または接触により磁気抵抗効果型素子が加 され、読み出しエラーが生じる障害である

 従って、磁気抵抗効果型素子を搭載した 気ヘッドに対しては、磁気ディスク表面は めて高度な平滑度および平坦度が求められ 。また塵埃や異物が付着したまま磁性層を 成すると凸部が形成されてしまうため、ガ ス基板には、塵埃や異物を完全に除去する 度な洗浄も求められている。

 また、磁気ディスク表面の平滑度および 坦度と共に、磁気ディスク中央に設けられ 円孔における内径寸法誤差も厳しい精度管 が求められている。これは磁気ディスクの 周端面の寸法誤差が、磁気ディスクをHDDの ピンドルモータに嵌設する際の設置精度に 接影響するからである。また、内径寸法誤 が大きいと、HDD等の磁気ディスク装置に磁 ディスクが組み付けられる前に実施される タッキングサーボ(サーボ情報の磁気ディス クへの書き込み)における機械的な誤差を誘 する可能性や、ディスクスタッキング時の ピンドルとの嵌め合い不具合を誘発する可 性が生じる。磁気ディスクの内周端面は主 面に対して表面積が小さく、内径寸法誤差 より磁気ディスクの回転中心がずれた場合 は、HDDのヘッドをHDD上の正しい位置に配置 ることが困難となり、データの記録/再生が きなくなってしまう。

 また、磁気ディスクは高速に回転しなが データの読み書きが行われるため、その高 回転においても磁気ディスク上のデータが れないようにする必要がある。従って、磁 ディスク用基板の内径寸法誤差の精度管理 特に重要となる。

 さらに、HDDのデータのアクセスに着目す と、HDDに組み込まれた磁気ディスクのデー を正確に記憶/再生するために、当該磁気デ ィスクには位置決めの指標となるサーボパタ ーンが予め書き込まれる。このサーボパター ンの書き込みは、サーボライターと呼ばれる 装置に磁気ディスクを嵌設して実行される。 そして、サーボパターンが書き込まれた磁気 ディスクは、一旦サーボライターから離脱さ れ、製品としてHDDのスピンドルモータに嵌設 される。

 磁気ディスクの内径寸法誤差が大きい場 には、磁気ディスクをHDDに組み込む際にサ ボパターンと、製品としてのHDDの記録/再生 ヘッドとの位置がずれてしまうので、やはり データの記録/再生が正常に行われないこと なる。かかる位置関係を補正するためアラ メントを調整する技術は開示されているが( えば、特許文献1)、内径寸法誤差を抑制す 抜本的な解決がなされるわけではない。

 このように、磁気ディスクの高記録密度 の要求は近年さらに高まりつつあり、磁気 ィスク用のガラス基板に対する従来よりも 層厳しい内径寸法誤差の管理が求められて る。

特開2004-199841号公報

 このような磁気ディスク用のガラス基板 、複数の工程を経由して形成される。まず 1枚のウェハを円盤状に切削し、さらに内孔 を開けてガラス基板の形を形成する。その後 、切削したガラス基板の外周端面および内周 端面の面取りを行い、両端面を研磨する。続 いて、ガラス基板の主表面も研磨され、最後 に研磨が完了したガラス基板に化学強化処理 を施す。かかる化学強化処理は、ガラス基板 の耐衝撃性や耐振動性を向上させることがで き、衝撃や振動によってガラス基板が破損す るのを防止できる。

 この化学強化処理を施す化学強化工程は 例えば、アルカリ塩の溶融塩を加熱溶融し 処理対象のガラス基板をガラス基板ホルダ 収納した状態で上記溶融塩(化学強化処理液 )中に浸漬し、ガラス基板と溶融塩とをイオ 交換させることによって行われる。

 このとき、化学強化工程の前後において ラス基板の内径が変化する、即ち、ガラス 板が内径中心方向に膨張することで内径が 化する現象が生じる。これは、ガラス基板 化学強化処理を施すと、ガラス基板の表面 圧縮応力が生じ、この圧縮応力によって、 ラス基板の寸法が変化するからである。

 また、化学強化処理液は、経時変化によ てその組成が変わってしまう。具体的には 化学強化処理において、化学強化処理液に まれているイオンと、ガラス基板に含まれ いるイオンとがイオン交換されるため、化 強化処理が進行するに連れて、当該化学強 処理液には、イオン交換されたガラス基板 含まれていたイオンが増大することになる この組成の変化は、化学強化においてガラ 基板の内径寸法を変化させる一因となる。 の内径寸法の変化量は、一段と厳しい要求 されているガラス基板の内径寸法誤差に対 て無視できるものではないので、ガラス基 には、この化学強化処理における内径の変 量も含めた高い内径寸法精度が求められて る。

 さらに、ガラス基板を大量生産する場合 おいては、複数のラインそれぞれに化学強 処理槽が設けられ、それぞれ独立して化学 化処理液を収容しているので、その組成も 時により異なってくる。高度な内径寸法精 を得るためには、このような複数の化学強 処理槽を個別に制御する必要があった。し し、複数の化学強化処理槽におけるそれぞ の化学強化処理液の状態を等しくすること 困難である。化学強化処理液の状態が異な と等しい化学強化処理条件下であっても、 学強化処理により生じるガラス基板の内径 変化量が異なることとなる。

 また、内周加工工程後のガラス基板の内 もある程度の寸法誤差を有し、化学強化処 前のガラス基板のガラス基板の内径が予め められている設計値よりも小さい場合や大 い場合には、一定の化学強化処理条件によ 化学強化処理を通じ、その寸法誤差と合わ って内径寸法精度はさらに悪化し、不良品 大量に生産されてしまう。

 本願発明者らは、上記の課題について鋭 検討した結果、化学強化工程前のガラス基 にはそれぞれの内径にバラツキがあり、さ に、化学強化工程を遂行する化学強化処理 毎に内径の変化量にバラツキがあることを 手にとって、最終的に得られるガラス基板 内径寸法誤差を少なくするためには、化学 化処理を施す前のガラス基板の内径と化学 化処理による変化量との組合せを調整し、 学強化に最適な化学強化処理槽を選択する とで、内径寸法誤差を小さくすることがで ることを見出し、本発明を完成するに至っ 。

 また、本願発明者らは、上記の課題につ て鋭意検討した結果、化学強化工程内の内 制御の代わりに、ガラス基板の内周端面を 工する内周加工工程(内周端面研削工程や内 周端面研磨工程)といった他の工程を管理す 、即ち、化学強化工程における内径寸法誤 を、内周加工工程に対して逐次フィードバ クすることで、化学強化処理条件の煩雑な 整を行うことなしに内径寸法誤差を小さく ることができることを見出し、本発明を完 するに至った。

 さらに、本願発明者らは、上記の課題に いて、鋭意検討した結果、化学強化処理条 とその化学強化処理条件で化学強化処理し 場合のガラス基板の内径の変化量(伸び量) の関係を把握しておき、化学強化処理前の ラス基板の内径寸法と最終的な内径の所望 との差分に基づいて適切な化学強化処理条 で化学強化処理を行うことで、例え化学強 処理前のガラス基板の内径が予め決められ いる設計値よりもずれていたとしても、ガ ス基板の最終的な内径寸法精度を向上させ ことができることを見出し、本発明を完成 るに至った。

 本発明は、従来のガラス基板が有する上 問題点に鑑みてなされたものであり、本発 の目的は、磁気ディスク用ガラス基板の内 寸法誤差を小さくすることが可能な、新規 つ改良された磁気ディスク用ガラス基板の 造方法、磁気ディスクの製造方法、磁気デ スク、および磁気ディスク用ガラス基板の 造システムを提供することである。

 本発明では、ガラス基板の内径が測定さ 、最終的に所望する内径との差分が導出さ る。そして、導出された差分に近い変化量 なる化学強化処理槽が選択される。従って ガラス基板の内径が変化する場合において 、その都度、化学強化工程後のガラス基板 所望の内径になるように適切な化学強化処 槽が選択されるので、結果的に内径(ID)寸法 誤差の小さい磁気ディスク用ガラス基板を製 造することが可能となる。

 上記課題を解決するために、本発明のあ 観点によれば、中心に円孔が形成された円 状のガラス基板を複数の化学強化処理槽の ずれかの化学強化処理液に接触させること より、ガラス基板中に含まれる一部のイオ を化学強化処理液中のイオンに置換してガ ス基板を化学強化する化学強化工程を含む 気ディスク用ガラス基板の製造方法であっ 、化学強化工程前のガラス基板の内径を測 する内径測定工程と、化学強化工程によっ 生じるガラス基板の内径の変化量を複数の 学強化処理槽毎に把握する把握工程と、変 量に基づいて、内径が測定されたガラス基 の化学強化工程後の内径が所望する値にな ように、化学強化を行う化学強化処理槽を 定する組合せ決定工程と、をさらに含み、 学強化工程では、決定された化学強化処理 でガラス基板を化学強化することを特徴と る、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 提供される。

 本発明では、ガラス基板の内径が測定さ 、最終的に所望する内径との差分が導出さ る。そして、導出された差分に近い変化量 なる化学強化処理槽が選択される。従って ガラス基板の内径が変化する場合において 、その都度、化学強化工程後のガラス基板 所望の内径になるように適切な化学強化処 槽が選択されるので、結果的に内径(ID)寸法 誤差の小さい磁気ディスク用ガラス基板を製 造することが可能となる。

 上記課題を解決するために、本発明の別 観点によれば、中心に円孔が形成された円 状の複数のガラス基板のいずれかを化学強 処理槽の化学強化処理液に接触させること より、ガラス基板中に含まれる一部のイオ を化学強化処理液中のイオンに置換してガ ス基板を化学強化する化学強化工程を含む 気ディスク用ガラス基板の製造方法であっ 、化学強化工程前の複数のガラス基板毎の 径を測定する内径測定工程と、化学強化工 によって生じるガラス基板の内径の変化量 把握する把握工程と、変化量に基づいて、 学強化工程後の内径が所望する値になるよ に、化学強化工程を実行するガラス基板を 定する組合せ決定工程と、をさらに含み、 学強化工程では、決定されたガラス基板を 学強化処理槽で化学強化することを特徴と る、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 提供される。

 本発明では、特定の化学強化処理槽の変 量が計算され、複数のガラス基板のうち、 の化学強化処理槽に浸漬すべき最適のガラ 基板が選択される。従って、化学強化処理 内の化学強化処理液の化学強化処理条件が 時によって変化する場合においても、その 度、所定の内径になるように適切なガラス 板が選択されるので、結果的に内径(ID)寸法 誤差の小さい磁気ディスク用ガラス基板を製 造することが可能となる。

 上記課題を解決するために、本発明のさ に別の観点によれば、中心に円孔が形成さ た円板状の複数のガラス基板のそれぞれを 複数の化学強化処理槽のいずれかの化学強 処理液に接触させることにより、ガラス基 中に含まれる一部のイオンを化学強化処理 中のイオンに置換してガラス基板を化学強 する化学強化工程を含む磁気ディスク用ガ ス基板の製造方法であって、化学強化工程 の複数のガラス基板毎の内径を測定する内 測定工程と、化学強化工程によって生じる ラス基板の内径の変化量を複数の化学強化 理槽毎に把握する把握工程と、変化量に基 いて、内径が測定された複数のガラス基板 化学強化工程後の内径が所望する値になる うに、化学強化を行う化学強化処理槽をそ ぞれ決定する組合せ決定工程と、をさらに み、化学強化工程では、複数のガラス基板 決定されたそれぞれの化学強化処理槽で化 強化することを特徴とする、磁気ディスク ガラス基板の製造方法が提供される。

 本発明では、複数のガラス基板の内径と 複数の化学強化処理槽の変化量とが計算さ 、最終的に所望する内径のガラス基板を得 ため、複数のガラス基板それぞれに最適な 学強化処理槽が選択される。従って、ガラ 基板の内径が変化する場合においても、ま 、化学強化処理槽内の化学強化処理液の化 強化処理条件が経時によって変化する場合 おいても、その都度、所定の内径になるよ に適切なガラス基板と化学強化処理槽との 合せが選択されるので、結果的に内径(ID)寸 法誤差の小さい磁気ディスク用ガラス基板を 製造することが可能となる。

 組合せ決定工程は、ガラス基板と化学強 処理槽とを仮に組合せた場合の各組合せの 終予想内径と、内径の所望の値との差分の2 乗和が最小になるように、化学強化を行う化 学強化処理槽をそれぞれ決定してもよい。

 ガラス基板と化学強化処理槽との一つの 合せがよかったとしても、その他の組合せ 含む全体的な組合せが最適であるとは限ら い。従って、最小2乗法を利用する上記の構 成により、全体的な内径寸法誤差を小さくす ることが可能となる。

 把握工程は、化学強化処理液に含まれる 定の成分の濃度に基づいて変化量を把握し もよい。

 さらに、上記課題を解決するために、本 明のある観点によれば、中心に円孔が形成 れた円板状のガラス基板の内周端面を加工 る内周加工工程と、ガラス基板を化学強化 理液に接触させることにより、ガラス基板 に含まれる一部のイオンを化学強化処理液 のイオンに置換してガラス基板を化学強化 る化学強化工程と、を含む磁気ディスク用 ラス基板の製造方法であって、化学強化工 によるガラス基板の内径の変形を把握する 握工程をさらに含み、内周加工工程では、 握工程の把握結果に基づいて、次の化学強 工程後の内径が所望の形状となるように、 ラス基板の内周端面を加工することを特徴 する、磁気ディスク用ガラス基板の製造方 が提供される。

 本発明では、化学強化工程におけるガラ 基板の内径の変化量を把握し、次からもこ ような変化が起きるという推測の下、ガラ 基板の内径が最終的に所望する値となるよ に、化学強化工程の前段階において内周端 の加工を行う。かかる構成により、化学強 処理条件の煩雑な調整を行うことなく、磁 ディスク用ガラス基板の内径寸法誤差を小 くすることが可能となる。

 また、上記課題を解決するために、本発 の別の観点によれば、中心に円孔が形成さ た円板状のガラス基板の内周端面を加工す 内周加工工程と、ガラス基板を化学強化処 液に接触させることにより、ガラス基板中 含まれる一部のイオンを化学強化処理液中 イオンに置換してガラス基板を化学強化す 化学強化工程と、を含む磁気ディスク用ガ ス基板の製造方法であって、化学強化工程 よって変形するガラス基板の内径の変化量 把握する把握工程と、把握工程の把握結果 基づいて、次の化学強化工程後のガラス基 の内径が所望の値となるように、ガラス基 の内径の加工量を決定する加工量決定工程 、をさらに含み、内周加工工程では、加工 に基づいてガラス基板の内周端面を加工す ことを特徴とする、磁気ディスク用ガラス 板の製造方法が提供される。

 本発明では、化学強化工程におけるガラ 基板の内径の変化量を把握し、次からもこ ような変化が起きるという推測の下、ガラ 基板の内径が最終的に所望する値となるよ に、化学強化工程の前段階において内周端 の加工を行う。かかる変化量を踏まえて内 加工工程に加工量としてフィードバックす 上記閉ループ構成により、化学強化工程に ける内径寸法誤差を前段の工程で吸収する とが可能となり、化学強化処理条件の煩雑 調整を行うことなく、結果的に内径(ID)寸法 誤差の小さい磁気ディスク用ガラス基板を製 造することが可能となる。

 内周加工工程には、内周端面を研削加工 る内周端面研削工程と、内周端面を研磨加 する内周端面研磨工程とが含まれ、把握工 の把握結果の反映は、内周端面研削工程お び内周端面研磨工程のいずれか一方または 方で実行されてもよい。

 かかる構成により変化量を見越した加工 を当該ガラス基板の内径加工に確実に反映 ることができる。また、当該内周端面研削 程は、内周端面研磨工程と比較して取代を きくとることができ、単位時間当たりの切 量も大きいため制御し易く、内周端面研磨 程と比較したさらなる製造工程の効率化を ることが可能となる。

 把握工程は、化学強化工程の前後におけ ガラス基板の内径の差分から変化量を把握 てもよい。

 上記したいずれかの磁気ディスク用ガラ 基板の製造方法において、把握工程は、化 強化処理液に含まれる特定の成分の濃度に づいて変化量を把握してもよい。

 上記したいずれかの磁気ディスク用ガラ 基板の製造方法において、把握工程では、 定の成分の濃度と変化量とが対応付けられ 変化量テーブルを用いて変化量を把握する とができる。

 かかる構成により、特定の成分の濃度と 化量との多次元の関係式をリアルタイムに 算しなくても、予め準備された変化量テー ルを参照するだけで、濃度から変化量を容 に導出することができる。従って、処理負 を低減することができ、さらに多次元の関 を導出する際の丸め誤差による変化量のず を回避することが可能となる。

 さらに、上記課題を解決するために、本 明のある観点によれば、中心に円孔が形成 れた円板状のガラス基板を化学強化処理液 接触させることにより、ガラス基板中に含 れる一部のイオンを化学強化処理液中のイ ンに置換してガラス基板を化学強化する化 強化工程を含む磁気ディスク用ガラス基板 製造方法であって、化学強化工程前のガラ 基板の内径を測定する内径測定工程と、測 された内径と化学強化工程後に所望する内 との差分に基づいて、化学強化工程の化学 化処理条件を決定する化学強化処理条件決 工程と、をさらに含み、化学強化工程では 決定された化学強化処理条件に基づいてガ ス基板を化学強化することを特徴とする、 気ディスク用ガラス基板の製造方法が提供 れる。

 本発明では、まず、ガラス基板の内径が 定され、最終的に所望する内径との差分が 出される。そして、その後の化学強化工程 おける変化量が、導出された差分に追従す ように化学強化処理条件が決定される。か る構成により、化学強化処理前のガラス基 の内径が予め決められている設計値よりも れていたとしても、変化量を調整すること 最終的なガラス基板の内径を所望の値に形 でき、内径寸法誤差の小さい磁気ディスク ガラス基板を製造することが可能となる。

 化学強化処理条件は、(a)化学強化処理液 含まれる特定の成分の濃度、(b)化学強化処 液へのガラス基板の浸漬時間、の群から選 された1以上の条件であってもよい。

 化学強化工程では、主として(a)化学強化 理液に含まれる特定の成分の濃度、(b)化学 化処理液へのガラス基板の浸漬時間と、ガ ス基板の内径の変化量とが相関関係を有す 。従ってかかる化学強化処理条件の1を固定 して化学強化工程を行ったとしても、他の1 化学強化処理条件を変えることで変化量を 整することができ、化学強化工程後のガラ 基板の内径寸法誤差を小さくすることがで る。

 化学強化処理条件決定工程では、差分と 学強化処理条件とが対応付けられた強化条 テーブルを用いて化学強化処理条件を決定 てもよい。

 かかる構成により、差分と化学強化処理 件との複雑な関係式をリアルタイムに計算 なくても、予め準備された強化条件テーブ を参照するだけで、差分から化学強化処理 件を容易に導出することができる。従って 処理負荷を低減することができ、さらに多 元の関数を導出する際の丸め誤差による化 強化処理条件のずれを回避することが可能 なる。

 また、上記の磁気ディスク用ガラス基板 製造方法を遂行する磁気ディスク用ガラス 板の製造システム、磁気ディスク用ガラス 板の製造方法により得られたガラス基板の 面に少なくとも磁性層を形成する工程を含 磁気ディスクの製造方法、および、そのよ に製造され、磁気記録媒体として用いられ 磁気ディスクも提供される。

 かかる磁気記録媒体は、磁気ディスク平 に対して記録層が垂直方向に磁化された垂 磁気記録媒体であってもよい。垂直磁気記 媒体は、水平(面内)磁気記録媒体に対して 録密度が一層高められているため、水平磁 記録媒体で許容された内径寸法誤差も垂直 気記録媒体では許容できなくなっている。 って、内径寸法誤差を小さくできる本発明 よる磁気記録媒体は垂直磁気記録媒体にお ても有効である。

以上説明したように本発明によれば、磁気デ ィスク用ガラス基板の内径寸法誤差を小さく することが可能となる。

磁気ディスク用ガラス基板の製造シス ムを示した機能ブロック図である。 内周端面研削装置の研削工程を説明す ための説明図である。 内周端面研磨装置の構成を説明するた の縦断面図である。 ガラス基板の化学強化処理液への浸漬 説明するための説明図である。 化学強化処理による内径寸法誤差の変 例を示した説明図である。 把握装置がガラス基板の内径の変化量 実際に測定する方法によって変化量を把握 る場合の概略を示した機能ブロック図であ 。 Liイオンの濃度(ppm)と変化量(μm)との相 を示した相関図である。 図7のLiイオンの濃度(ppm)と変化量(μm)と の相関をテーブル化した変化量テーブルの例 を示した説明図である。 組合せ決定装置による組合せ決定工程 説明するための説明図である。 磁気ディスク用ガラス基板の製造シス テムを示した機能ブロック図である。 変化量を内周端面研削工程および内周 端面研磨工程の両工程に分担してフィードバ ックする場合の加工量(研削量と研磨量)を示 たテーブルである。 変化量を内周端面研削工程の研削量の みでフィードバックする場合の加工量テーブ ルである。 変化量テーブルと加工量テーブルを合 わせたテーブルである。 磁気ディスク用ガラス基板の製造シス テムを示した機能ブロック図である。 差分(μm)とLiイオンの濃度(ppm)との相関 をテーブル化した強化条件テーブルの例を示 した説明図である。 Liイオン濃度、浸漬時間、温度と、そ 化学強化処理条件における変化量との相関 係を示した説明図である。

符号の説明

100、200、300 磁気ディスク用ガラス基板の製 システム
102 ガラス基板
110 内周端面研削装置
112 円孔
114 内周端面
120 内周端面研磨装置
130 化学強化処理槽
140 把握装置
160 研削量決定装置
170 研磨量決定装置
210 内径測定装置
220 強化条件決定装置
310 組合せ決定装置

 以下に添付図面を参照しながら、本発明 好適な実施の形態について詳細に説明する なお、本明細書及び図面において、実質的 同一の機能構成を有する構成要素について 、同一の符号を付することにより重複説明 省略する。

(ガラス基板と化学強化処理槽との組合せ調 )
 磁気ディスクの小型化、薄板化、および高 度記録化に伴い、ガラス基板内周端面の高 な平滑度および平坦度が求められる。本実 形態では、ガラス基板の内周端面、特に、 学強化工程における変化量に着目し、ガラ 基板の最終的な内径(ID)寸法誤差を小さくす ることを目的としている。以下、化学強化工 程を含む一連の工程を実行可能な磁気ディス ク用ガラス基板の製造システム300を説明する 。

 図1は、本実施形態による磁気ディスク用 ガラス基板の製造システム300を示した機能ブ ロック図である。ここで太線の矢印はガラス 基板102の処理の流れを、細線の矢印は情報の 流れを示している。かかる図1の磁気ディス 用ガラス基板の製造システム300は、内周端 研削装置110と、内周端面研磨装置120と、化 強化処理槽130と、把握装置140と、メモリ150 、内径測定装置210と、組合せ決定装置310と を含んで構成されている。ここでは、理解 容易にするため、特にガラス基板102の内周 面に関する製造工程を挙げて当該磁気ディ ク用ガラス基板の製造システム300を説明し いるが、実際の工程でガラス基板102の表面 外周端面の製造工程をも含んでいるのは言 までもない。

 上記内周端面研削装置110は、内周加工装 として機能し、例えば多成分系ガラスから る円盤状のガラス基板102の中心に形成され 円孔における内周端面を、研削量分だけ研 加工する。かかる内周端面研削装置110は、 ラス基板102の内周端面を研削できれば、様 な形態で構成することができ、例えば、内 端面の面取りと同時に内周端面を研削する 取り(チャンファ:chamfer)装置によっても構成 することが可能である。また、上記研削量は 、研削工程における所望する研削量に、後述 する研削量決定装置160が決定した研削量を追 加した値となる。

 図2は、内周端面研削装置110の研削工程を 説明するための説明図である。ここでは、図 2の(a)に示すように円盤状のガラス基板102の 孔112により形成される内周端面114の研削お び面取り加工がなされる。

 内周端面研削装置110では、図2(b)に示すよ うに、円孔112に研削用の内径研削砥石116が挿 通される。また、円筒状に積層した複数のガ ラス基板102は、挟持部材によって上下2つの 面が狭持されている。内径研削砥石116は、 ーリー状の回転砥石であって外周が研削面 なっている。

 ガラス基板102と内径研削砥石116とはそれ れが固定された駆動手段(図示せず)によっ 回転駆動され、この円筒状のガラス基板102 内周端面114に内径研削砥石116を当接して各 ラス基板102に均一な内径加工を施している その回転方向はそれぞれの接触点で相対す 方向となるように設定される。このような 周端面の研削工程により図2(c)に示すような 周端面114および面取り114aが形成される。ま た、内周端面114の研削と同時に、外周端面も 研削することも可能である。

 上記内周端面研磨装置120は、内周端面研 装置110同様内周加工装置として機能し、内 端面研削装置110によって研削されたガラス 板102の内周端面114をさらに研磨量分だけ研 加工する。この研磨量は、研磨工程におい 所望する研磨値に、後述する研磨量決定装 170が決定した研磨量を追加した値となる。

 図3は、内周端面研磨装置120の構成を説明 するための縦断面図である。円筒状に積層さ れた複数のガラス基板102は、当該内周端面研 磨装置120の固定部122に固定される。かかるガ ラス基板102は、ガラス基板102の円盤中心軸を 回転中心として、ガラス基板102とガラス基板 102の円孔に挿入された研磨体124とが相対的に 摩擦するように、いずれか一方もしくは両方 を回動することで、ガラス基板102の内周端面 を研磨する。

 かかる研磨体124は、スウェード、ベロア 素材とする軟質ポリシャや、硬質ベロア、 泡樹脂、ピッチ含浸スウェード等の硬質ポ シャ等で形成される研磨布126を円筒形状の 部をなすように配してもよい。また、研磨 124は、ガラス基板102に対して、円孔内で回 軸方向に低速揺動(ストローク運動)してガ ス基板102の内周端面114全体を研磨してもよ 。

 また、内周端面研磨装置120のノズル128は 研磨体124とガラス基板102との間に研磨砥粒 含む研磨液を供給する。この研磨砥粒とし は、目標とする端面の形状にもよるが、例 ば、アルミナや酸化セリウム、コロイダル リカ等の通常の研磨砥粒を用いることがで る。また、研磨砥粒を分散させている分散 としては、特に限定されるものではなく、 ストの面からは水が好ましいが、通常の研 に使用されている分散媒であれば好適に使 することができる。

 上記化学強化処理槽130は、化学強化処理 を収容する処理槽と、その制御部とを含ん 構成される。化学強化処理槽130は、化学強 工程において、化学強化塩を加熱溶解した 学強化処理液にガラス基板102を浸漬し、ガ ス基板(Liイオンを含むアルミノシリケート ラス)の一部のイオン、例えば、Liイオンお びNaイオン等の一価の金属イオンを化学強 処理液中の上記イオンより大きなイオン径 有する一価のイオン、例えば、Naイオン、K オンに置換する。かかるイオン交換法によ ガラス基板表面には圧縮応力層が形成され 割れやクラックが生じにくい大きな機械的 度を得ることができる。

 このようなNaイオン、Kイオンを含む上記 学強化処理液(処理溶融塩)としては、硝酸 トリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウムお びその混合溶融塩を用いるのが好ましいが 硝酸塩に限定されるものではなく、硫酸塩 重硫酸塩、炭酸塩、ハロゲン化物などを用 てもよい。

 図4は、ガラス基板102の化学強化処理液へ の浸漬を説明するための説明図である。ここ では、金属材料からなるガラス基板ホルダ132 と、化学強化処理液が収容された処理槽134と が示されている。ガラス基板ホルダ132には、 板状の薄板を湾曲させ、膨出側の表面には突 部が長手方向に波状に複数形成された保持部 136が設けられ、その保持部136の膨出側の突部 間に形成されたV字溝部にはそれぞれ1枚ずつ ラス基板102が保持される。そして、1回の化 学強化で処理すべき全てのガラス基板102が配 置された後、そのガラス基板ホルダ132と共に ガラス基板102が処理槽134に所定時間浸漬され る。

 かかる化学強化処理液の温度は、ガラス 板102の材質の歪点よりも好ましくは50~150°C 度低く設定し、より好ましくは化学強化処 液自体の温度が350~400°C程度に設定される。 これは、ガラス基板102の材質の歪点よりも150 °Cより低く設定すると、化学強化処理が十分 に行われず、50°Cより高く設定すると、化学 化処理においてガラス基板に歪みが生じや くなるからである。

 このような化学強化処理によってガラス 板102の表面および端面には圧縮応力層が形 される。端面、特に内周端面に形成される 縮応力層が本実施形態における内周端面の 形を招き、その膨張(伸び)量が変化量とし 把握される。この圧縮応力層の厚みは、そ 化学強化の化学強化処理条件を調整して20~15 0μmとするのが好ましい。これは、20μm未満で は、ガラス基板102の強度が低下する恐れがあ り、150μmを超える場合、その製造効率が不必 要に悪くなるからである。

 図5は、化学強化処理による内径寸法誤差の 変化例を示した説明図である。内周端面研磨 装置120による内周端面研磨工程を終えたガラ ス基板102は、図5(a)に示すように円孔112の内 、即ち円孔112の中心を挟んで対向する内周 面114の距離d 1 は、研磨体124の直径および研磨液の濃度、研 磨時間によって所定範囲内の内径寸法誤差に 仕上がっている。しかし、当該化学強化工程 においては、図5(b)に示すように、圧縮応力 118が形成され、ガラス基板102の内周端面114 内径を小さくする方向に膨張変化し、内径 法誤差に影響を及ぼす。従って、内径はd 1 からd 2 に小さくなる。

 ガラス基板102を大量生産する場合におい は、複数のラインそれぞれに上述したよう 化学強化処理槽130が設けられ、それぞれ独 して化学強化処理液を収容している。この うな複数の化学強化処理槽130におけるそれ れの化学強化処理液の状態を等しくするこ は困難なので、化学強化処理液の状態が異 ると同じ化学強化処理条件であっても、化 強化処理により生じるガラス基板102の内径 変化量が異なることとなる。

 そこで、本願発明者らは、化学強化工程 のガラス基板102にはそれぞれの内径のバラ キと、化学強化工程を遂行する化学強化処 槽130毎の内径の変化量のバラツキとを逆手 とり、最終的に得られるガラス基板102の内 寸法誤差を少なくするために、化学強化処 を施す前のガラス基板102の内径と化学強化 理による変化量との組合せを調整し、化学 化に最適な化学強化処理槽130を選択するこ で、内径寸法誤差を小さくすることができ ことを見出した。

 上記把握装置140は、化学強化処理槽130の 学強化工程により変形するガラス基板102の 径の変化量を把握(計算、算出)する。把握 置140は、(1)ガラス基板102の内径の変化量を 際に測定する方法、または(2)化学強化処理 の状態から変化量を推測する方法によって 化量を把握する。

 図6は、把握装置140が(1)ガラス基板102の内 径の変化量を実際に測定する方法によって変 化量を把握する場合の概略を示した機能ブロ ック図である。把握装置140は、化学強化工程 の前段階でガラス基板102の内径を測定し、さ らに、化学強化工程の後段階における同一の ガラス基板102の内径を測定する。そして、そ の内径の差分を求めることで変化量を導出し ている。かかる構成により、現実の変化量を 正確に把握することができ、それに伴って正 確なフィードバック値(研削量または研磨量) 設定することが可能となる。

 変化量の把握方法の(2)化学強化処理液の 態から変化量を推測する方法は、化学強化 理液の状態と変化量とが相関関係を有して ることに基づいている。例えば、同一浸漬 間、同一温度における、(a)特定の成分の濃 、(b)ガラス基板102の処理済み累積枚数、(c) ラス基板102の処理済み累積時間と、変化量 は、一定の相関関係を有するので、上述し (a)、(b)、(c)のいずれかまたは複数の化学強 処理液の状態によって変化量を把握または 測することが可能である。

 また、当該磁気ディスク用ガラス基板の 造システム100の初回遂行時には、内周端面 削装置110や内周端面研磨装置120の最初の研 量および研磨量を定めなくてはならないの 、その前段階で上記把握装置140による変化 の推測が行われる。

 図7は、(a)Liイオンの濃度(ppm)と変化量(μm) との相関を示した相関図である。このような 相関を例えば、多次元の関係式に表すことに より、Liイオンの濃度を測定することのみに って変化量を推測することが可能となる。

 このような関係式は、化学強化処理の回 を重ねると、溶融塩中のLiイオン濃度が増 するため、化学強化処理能力が落ち、同一 漬時間、同一温度では、変化量が減少する とに起因する。即ち、化学強化処理におい 、Liイオンの濃度が低いときには、イオン交 換の速度も高く、それに伴って変化量も大き くなるが、化学強化処理の時間および回数が 経過するに連れガラス基板102からのLiイオン 溶融塩中に蓄積されるのでLiイオンの濃度 増大し、イオン交換の速度が低下すると共 変化量が小さくなる。

 また、(b)累積枚数、(c)累積時間に至って ガラス基板102や化学強化処理液への直接の 定を必要とせず、間接的に累積枚数または 積時間を測定(計数、計時)するだけで、変 量を推測している。従って、特別な測定機 を用いなくとも、ガラス基板102の変化量を 握することができ、コスト削減および製造 程の効率化を図りつつ、磁気ディスク用ガ ス基板の内径寸法誤差を小さくすることが 能となる。

 把握装置140は、(a)濃度、(b)累積枚数、(c) 計時間等の参照値と変化量との関係式によ 変化量を把握してもよいが、1対1に対応付 られた変化量テーブルを用いて変化量を把 してもよい。尚、変化量テーブルに記載さ た数値間の補間は、線形補間を用いてもよ 。

 図8は、図7のLiイオンの濃度(ppm)と変化量( μm)との相関をテーブル化した変化量テーブ の例を示した説明図である。ここでは、Liイ オンの濃度と変化量との図7に示すような多 元の関係式をリアルタイムに計算しなくて 、図8のような予め準備された変化量テーブ を参照するだけで、Liイオンの濃度から変 量を導出することができる。かかる構成に り、処理負荷を低減することができ、さら 多次元の関数を導出する際の丸め誤差によ 変化量のずれを回避することが可能となる

 上記メモリ150は、このような変化量テー ルや後述する加工量テーブル、強化条件テ ブル等を記憶し、把握装置140等の要求に応 て変化量テーブル等の内容を参照させる。

 上記内径測定装置210は、化学強化処理槽1 30で化学強化を行う前のガラス基板102の内径 測定する。ガラス基板102の内径は、ここで 実測によって求められているが、例えば内 端面研磨工程における内径設定値(内径予測 値)であってもよい。

 本実施形態では、化学強化工程を行う上 の大きく3つの状況を想定する。即ち、(ア) ラス基板1枚を化学強化するのに最適な化学 強化処理槽130を複数の化学強化処理槽130から 選択する状況、(イ)一つの化学強化処理槽130 化学強化工程を行うのに最適なガラス基板1 02を複数のガラス基板102から選択する状況、( ウ)複数のガラス基板102と複数の化学強化処 槽130とを組合せる状況である。ここで示す ラス基板1枚は、同時に化学強化される同一 ガラス基板ホルダに収容される複数のガラ 基板の概念を含む。従って、複数のガラス 板102は、同時に化学強化される複数枚のガ ス基板のグループがさらに複数のラインに されている状態を示している。

 上記組合せ決定装置310は、(ア)の状況に いて、把握装置140によって把握された変化 に基づいて、内径測定装置210で内径が測定 れたガラス基板102の化学強化工程後の内径 所望する値になるように、化学強化を行う 学強化処理槽130を決定する。また、(イ)の状 況においては、変化量に基づいて、化学強化 工程後の内径が所望する値になるように、化 学強化工程を実行するガラス基板102を決定し 、(ウ)の状況において、変化量に基づいて、 径が測定された複数のガラス基板102の化学 化工程後の内径が所望する値になるように 化学強化を行う化学強化処理槽130をそれぞ 決定する。

 いずれの状況においても、最終的に所望 る内径のガラス基板102を得るため、ガラス 板102と化学強化処理槽130との最適な組合せ 選択される。従って、化学強化工程前にお るガラス基板102の内径が変化する場合にお ても、また、化学強化処理槽130内の化学強 処理液の化学強化処理条件が経時によって 化する場合においても、結果的に内径(ID)寸 法誤差の小さい磁気ディスク用ガラス基板を 製造することが可能となる。

 また、このような組合せにおいて、組合 決定装置310は、ガラス基板102と化学強化処 槽130とを仮に組合せた場合の各組合せの最 予想内径と、内径の所望の値との差分の2乗 和が最小になるように、化学強化を行う化学 強化処理槽130をそれぞれ決定してもよい。測 定された内径と変化量との各組合せと、内径 の所望の値との差分の2乗和が最小になるよ に、化学強化を行う化学強化処理槽130をそ ぞれ決定してもよい。

 図9は、組合せ決定装置310による組合せ決定 工程を説明するための説明図である。例えば 、内径測定装置210が3つのラインにおける3枚 ガラス基板A、B、Cの内径を測定し、その内 がそれぞれ20.003mm、20.006mm、20.009mmであった 合に、把握装置140が3つの化学強化処理槽D E、Fの変化量を10μm、7μm、3μmと推測したと る。最終的な内径の所望値が20.000mmの場合だ と、ガラス基板と化学強化処理槽との組合せ をA-F、B-E、C-Dとすると、差分の2乗和は最小 の2μm 2 となる。

 かかるガラス基板102と化学強化処理槽130 の組合せは、一つの組合せがよかったとし も、その他の組合せを含む全体的な組合せ 最適であるとは限らない。従って、最小2乗 法を利用する上記の構成により、全体的な内 径寸法誤差を小さくすることが可能となる。

 また、上述した変化量テーブルは、磁気 ィスク用ガラス基板の製造システム100のフ ードバックを切り、開ループ制御における 照値((a)濃度、(b)累積枚数、(c)累計時間等) 変化量との相関を導出することで求めるこ ができる。

 即ち、Liイオンの濃度と変化量との変化 テーブルを作成する場合、化学強化工程の 後段階における内径と、化学処理工程中のLi イオンの濃度とを同タイミングで測定し、内 径の差分を変化量として、Liイオンの濃度に 応付ける。このような対応処理をLiイオン 複数の濃度で測定することで、Liイオン濃度 と変化量との関係式や変化量テーブルが例え ば、図7や図8の如く導出される。

 他の参照値である(b)累積枚数、(c)累計時 も上記同様、化学強化工程の前後段階にお る内径と同タイミングで測定し、その対応 けによって関係式が導出される。このとき Liイオンの濃度以外の例えば、浸漬時間や 度といった他の化学強化処理条件は測定中 よび実際の製造工程中等しくするのが望ま い。

(磁気ディスク用ガラス基板の製造方法)
 また、上述した磁気ディスク用ガラス基板 製造システム300を用いて磁気ディスク用ガ ス基板の製造方法も提供される。かかる磁 ディスク用ガラス基板の製造方法は、中心 円孔が形成された円板状の複数のガラス基 102のそれぞれを、複数の化学強化処理槽130 いずれかの化学強化処理液に接触させるこ により、ガラス基板102中に含まれる一部の オンを化学強化処理液中のイオンに置換し ガラス基板102を化学強化する化学強化工程 含み、その前段に、化学強化工程前の複数 ガラス基板102毎の内径を測定する内径測定 程と、化学強化工程によって生じるガラス 板102の内径の変化量を複数の化学強化処理 130毎に把握する把握工程と、変化量に基づ て、内径が測定された複数のガラス基板102 化学強化工程後の内径が所望する値になる うに、化学強化を行う化学強化処理槽130を れぞれ決定する組合せ決定工程と、をさら 含み、化学強化工程では、複数のガラス基 102を決定されたそれぞれの化学強化処理槽1 30で化学強化する。

 ここでは、ガラス基板102と化学強化処理 130とを所定の内径となるように組合せるこ で、磁気ディスク用ガラス基板の内径寸法 差を小さくすることが可能となる。

 以上のように、ガラス基板と化学強化処 槽との組合せを調整し磁気ディスク用ガラ 基板の内径寸法誤差を小さくした。かかる 程を踏まえることで十分な加工精度を得る とができるが、このような化学強化処理条 の調整工程に、以下に示す(A)化学強化工程 おける化学強化処理条件の調整、(B)内周加 工程の加工量の調整、といった工程を加え ことで、ガラス基板および化学強化処理槽 体の誤差をある程度小さくすることができ 最終的な内径寸法誤差を小さくすることが 能となる。以下、このような調整工程を加 た実施形態を説明する。

((A)化学強化工程における化学強化処理条件 調整)
 図10は、化学強化工程における化学強化処 条件の調整を示す磁気ディスク用ガラス基 の製造システム100を示した機能ブロック図 ある。ここでは、理解を容易にするため、 に詳細に説明したガラス基板と化学強化処 槽との組合せ調整を省略し、化学強化工程 おける化学強化処理条件の調整のみに着目 て説明する。図10の磁気ディスク用ガラス基 板102の製造システム100は、上述した磁気ディ スク用ガラス基板の製造システム300にさらに 、研削量決定装置160と、研磨量決定装置170と 、を含んで構成されている。また、上述した 内周端面研削装置110と、内周端面研磨装置120 と、化学強化処理槽130と、把握装置140と、メ モリ150と、実質的に機能が同一なので重複説 明を省略し、ここでは、構成が相違する研削 量決定装置160と、研磨量決定装置170とを主に 説明する。

 上記研削量決定装置160および研磨量決定 置170は、加工量決定装置として機能し、把 された変化量に基づいて、次回の化学強化 程後のガラス基板102の内径が所望する値に るように、内周端面研削工程の研削量およ 内周端面研磨工程の研磨量を決定する。そ て、次回から、設定された研削量および研 量をそれまでの研削量および研磨量に反映( 追加)してガラス基板102を加工する。即ち、 周端面研削工程、内周端面研磨工程のいず か一方または両方で、変化量分だけ内径を ィードバックすることとなる。かかるフィ ドバックは1バッチ毎に行ってもよいし、1日 毎に行うとしてもよい。これにより、大量に 磁気ディスク用ガラス基板を製造した場合に おいても、複数のガラス基板102間の内径寸法 誤差を従来と比べて少なくすることができる 。

 図11は、変化量を内周端面研削工程およ 内周端面研磨工程の両工程に分担してフィ ドバックする場合の加工量(研削量と研磨量) を示したテーブルである。例えば、把握装置 140が変化量は15.00μmであると把握した場合、 径を所望の値にするための加工量の総計が1 5.00μmとなる。従って、図11の加工量テーブル を参照して、研削量決定装置160は、研削量を 13.00μm分追加し(+13.00μm)、研磨量決定装置170 研磨量を2.00μm分追加(+2.00μm)する。そして、 内周端面研削装置110および内周端面研磨装置 120はそれぞれ、設定された研削量および研磨 量を反映(追加)して加工を行う。

 また、当該内周端面研削工程は、後述す 内周端面研磨工程と比較して取代を大きく ることができ、単位時間当たりの切削量も きいため制御し易く内周端面研磨工程と比 したさらなる製造工程の効率化を図ること 可能となる。

 また、変化量は内周端面研削工程および 周端面研磨工程のいずれか一方のみでフィ ドバックすることもできる。

 図12は、変化量を内周端面研削工程の研 量のみでフィードバックする場合の加工量 ーブルである。ここでは、内周端面研磨工 の追加研磨が行われないので、研削量のみ よって変化量との調整が遂行される。従っ 、化学強化工程後に所望する内径の値が一 であれば、研削量は変化量に比例した値と る。内周端面研磨工程のみでフィードバッ する場合も同様の加工量テーブルを用いる とができる。

 図13は、変化量テーブルと加工量テーブ を合わせたテーブルである。かかるテーブ を参照すると、計算の基礎となる参照値、 こでは、Liイオンの濃度から直接研削量や研 磨量を導き出すことができ、処理負担を軽減 することが可能となる。

 変化量を把握し、内周加工工程に加工量 フィードバックする上記閉ループ構成によ 、化学強化工程における内径寸法誤差を前 の工程で吸収することが可能となり、化学 化処理条件の煩雑な調整を行うことなく、 果的にさらに内径寸法誤差の小さい磁気デ スク用ガラス基板を製造することが可能と る。

(磁気ディスク用ガラス基板の製造方法)
 また、上述した磁気ディスク用ガラス基板 製造システムを用いて磁気ディスク用ガラ 基板の製造方法も提供される。かかる磁気 ィスク用ガラス基板の製造方法は、上述し 化学強化工程における化学強化処理条件を 整する工程に、把握工程の把握結果に基づ て、次の化学強化工程後のガラス基板102の 径が所望の値となるように、ガラス基板102 内径の加工量を決定する加工量決定工程を らに含み、内周加工工程では、加工量に基 いてガラス基板102の内周端面を加工する。

 以上説明した、内周加工工程の加工量の 整をガラス基板と化学強化処理槽との組合 の調整に加えると、変化量を把握し、その 化量を内周端面研削工程や内周端面研磨工 の研削量または研磨量としてフィードバッ する上記閉ループ構成により、化学強化工 による変化量を見越した研削量を設定し、 学強化工程の多数のパラメータに基づく内 寸法誤差の変化を内周端面研削工程で吸収 ることができ、結果的にさらに内径寸法誤 の小さい磁気ディスク用ガラス基板を製造 ることが可能となる。

 なお、上記した内周加工工程の加工量の 整を行う工程は、ガラス基板と化学強化処 槽との組合せを調整する工程を行わずに、 独で実施することも可能である。

((B)化学強化工程における化学強化処理条件 調整)
 図14は、化学強化工程における化学強化処 条件の調整を示す磁気ディスク用ガラス基 の製造システム200を示した機能ブロック図 ある。ここでは、理解を容易にするため、 に詳細に説明したガラス基板と化学強化処 槽との組合せの調整を省略し、化学強化処 条件の調整のみに着目して説明する。かか 図14の磁気ディスク用ガラス基板の製造シス テム200は、上述した磁気ディスク用ガラス基 板の製造システム300にさらに、強化条件決定 装置220を含んで構成されている。また、上述 した内周端面研削装置110と、内周端面研磨装 置120と、化学強化処理槽130と、メモリ150と、 内径測定装置210とは、実質的に機能が同一な ので重複説明を省略し、ここでは、構成が相 違する強化条件決定装置220とを主に説明する 。

 上記強化条件決定装置220は、内径測定装 210が測定した内径と化学強化工程後に所望 る内径との差分に基づいて、化学強化処理 130における化学強化処理条件を決定する。 こでは、まず、内径測定装置210によってガ ス基板102の内径が測定され、最終的に所望 る内径との差分が導出される。そして、そ 後の化学強化工程における変化量が導出さ た差分に追従するように化学強化処理条件 決定される。かかる構成により、化学強化 理前のガラス基板102の内径が予め決められ いる設計値よりもずれていたとしても、変 量を調整することで最終的なガラス基板102 内径を所望の値に形成でき、内径寸法誤差 小さい磁気ディスク用ガラス基板を製造す ことが可能となる。

 ここで、化学強化処理条件は、(a)化学強 処理液に含まれる特定の成分の濃度、(b)化 強化処理液へのガラス基板102の浸漬時間、( c)化学強化処理液の温度、の群から選択され 1または2以上の条件であってもよい。

 化学強化処理槽130による化学強化工程で 、主として(a)化学強化処理液に含まれる特 の成分の濃度、(b)化学強化処理液へのガラ 基板102の浸漬時間、(c)化学強化処理液の温 と、ガラス基板102の内径の変化量とが相関 係を有する。従ってかかる化学強化処理条 の1または2以上を固定して化学強化工程を ったとしても、他の1または2以上の化学強化 処理条件を変えることで変化量を調整するこ とができ、化学強化工程におけるガラス基板 102の最終的な内径寸法誤差をさらに小さくす ることができる。

 また、(a)特定の成分の濃度について、ガ ス基板102がLiイオンを含むアルミノシリケ トガラスで形成されている場合に、特定の 分をLiイオンとすることができる。

 強化条件決定装置220は、例えば、化学強 処理条件としてのLiイオンの濃度を、化学 化処理塩の寿命に影響を与えたくないこと 理由に、調整したくない、もしくはできな とき、浸漬時間または温度のいずれか一方 たは両方を調整することで、ガラス基板102 内径を所望の値にすることができる。

 同様に、複数の化学強化処理槽130を用い 化学強化処理を行う場合に1つの化学強化処 理槽130の加熱時間を変えることで他の化学強 化処理槽との仕上がり時間が変わることにな り、製造現場全体の時間コントロールが複雑 化する等の理由により浸漬時間を調整したく ない、もしくはできないときには、濃度また は温度のいずれか一方または両方を調整する 。また、加熱温度を例えば予め決められてい る温度よりも高温にした場合、化学強化処理 槽130が過剰に過熱され、FeやSUS等のパーティ ルの発生の原因となる等の理由により、温 を調整したくない、もしくはできないとき は、濃度または浸漬時間のいずれか一方ま は両方を調整する。

 強化条件決定装置220では、内径測定装置2 10が測定した内径と化学強化工程後に所望す 内径との差分と、化学強化処理条件とが対 付けられた強化条件テーブルを用いて化学 化処理条件を決定してもよい。

 図15は、差分(μm)とLiイオンの濃度(ppm)と 相関をテーブル化した強化条件テーブルの を示した説明図である。かかる図15の強化条 件テーブルでは、浸漬時間が180min、温度が350 ℃と一定であり、変更可能な化学強化処理条 件がLiイオンの濃度(ppm)のみとなる。従って 内径測定装置210によって測定された内径に づき所望の内径に達するために必要な差分 導出し、かかる差分だけ内径を変化させる めLi濃度を調整する。例えば、所望の内径に 5μm足りない場合、Li濃度を150ppmに変更するこ とで、後の化学強化工程において内径寸法誤 差の小さいガラス基板を得ることができる。 かかるLi濃度の変更は、化学強化処理液の所 量の廃棄と、硝酸ナトリウム、硝酸カリウ 、硝酸リチウムまたはその混合溶融塩の継 足しによって実行される。

 かかる強化条件テーブルを用いることに り、差分と化学強化処理条件との複雑な関 式をリアルタイムに計算しなくても、予め 備された強化条件テーブルを参照するだけ 、差分から化学強化処理条件を容易に導出 ることができる。従って、処理負荷を低減 ることができ、さらに多次元の関数を導出 る際の丸め誤差による化学強化処理条件の れを回避することが可能となる。

 このような強化条件テーブルは、磁気デ スク用ガラス基板の製造システム200のフィ ドバックを切り、開ループ制御におけるLi オン濃度、浸漬時間、および温度と、その 学強化処理条件における変化量との相関を 出することで求めることができる。かかる 化量は、化学強化工程の前後における内径 差分を測定して得ることができる。

 図16は、Liイオン濃度、浸漬時間、温度と 、その化学強化処理条件における変化量との 相関関係を示した説明図である。最終的な強 化条件テーブルを生成するため、Liイオン濃 、浸漬時間、温度を許容範囲内でシフトさ て可能な限り多くのサンプルをとることで より精度の高い強化条件テーブルを生成で る。そして、強化条件テーブルとして利用 るときには、まず、化学強化処理条件で一 のものを挙げ(図15においては浸漬時間と温 )、その化学強化処理条件に対応付けられた データのみを抽出する。例えば、図16におい 浸漬時間180min、温度350℃の化学強化処理条 のみを抽出すると、図15の強化条件テーブ が生成される。他の化学強化処理条件を調 する場合も相関関係を示す図16のテーブルか ら同様の抽出処理によって強化条件テーブル を生成できる。

(磁気ディスク用ガラス基板の製造方法)
 また、上述した磁気ディスク用ガラス基板 製造システムを用いて磁気ディスク用ガラ 基板の製造方法も提供される。かかる磁気 ィスク用ガラス基板の製造方法は、上述し ガラス基板と化学強化処理槽との組合せを 整する工程に、測定された内径と化学強化 程後に所望する内径との差分に基づいて、 学強化工程の化学強化処理条件を決定する 学強化処理条件決定工程をさらに含み、化 強化工程では、決定された化学強化処理条 に基づいてガラス基板102を化学強化する。

 以上説明した、化学強化工程における化 強化処理条件の調整をガラス基板と化学強 処理槽との組合せの調整に加えると、化学 化処理前のガラス基板102の内径が予め決め れている設計値よりもずれていたとしても 変化量を調整することで最終的なガラス基 102の内径を所望の値に形成でき、さらに内 寸法誤差の小さい磁気ディスク用ガラス基 を製造することが可能となる。

 なお、上記した化学強化工程における化 強化処理条件の調整を行う工程は、ガラス 板と化学強化処理槽との組合せを調整する 程を行わずに、単独で実施することも可能 ある。

 以下、上述した実施形態の具体的な実施 を説明する。本実施例においては、以下の 程を経て、磁気ディスク用ガラス基板およ 磁気ディスクを製造した。

(1)形状加工工程及び第1ラッピング工程
 まず、溶融させたアルミノシリケートガラ を上型、下型、胴型を用いたダイレクトプ スによりディスク形状に成型し、アモルフ スの板状ガラスを得た。なお、アルミノシ ケートガラスとしては、化学強化用のガラ を使用した。ダイレクトプレス以外に、フ ージョン法、ダウンドロー法やフロート法 形成したシートガラスから研削砥石で切り して円盤状の磁気ディスク用ガラス基板を てもよい。なお、アルミノシリケートガラ としては、SiO 2 :58~75重量%、Al 2 O 3 :5~23重量%、Li 2 O:3~10重量%、Na 2 O:4~13重量%を主成分として含有する化学強化 ラスを使用した。また、上記アルミノシリ ートガラス以外にもソーダライムガラス等 用いることもできる。

 次に、この板状ガラスの両主表面をラッ ング加工し、ディスク状のガラス母材とし 。このラッピング加工は、遊星歯車機構を 用した両面ラッピング装置により、アルミ 系遊離砥粒を用いて行った。具体的には、 状ガラスの両面に上下からラップ定盤を押 させ、遊離砥粒を含む研削液を板状ガラス 主表面上に供給し、これらを相対的に移動 せてラッピング加工を行った。このラッピ グ加工により、平坦な主表面を有するガラ 母材を得た。

(2)切り出し工程(コアリング、フォーミング)
 次に、ダイヤモンドカッタを用いてガラス 材を切断し、このガラス母材から、円盤状 ガラス基板を切り出した。次に、円筒状の イヤモンドドリルを用いて、このガラス基 の中心部に円孔を形成し、ドーナツ状のガ ス基板とした(コアリング)。

(3)端面研削工程
 そして内周端面および外周端面をダイヤモ ド砥石によって研削し、所定の面取り加工 施した(フォーミング)。

(4)第2ラッピング工程
 次に、得られたガラス基板の両主表面につ て、第1ラッピング工程と同様に、第2ラッ ング加工を行った。この第2ラッピング工程 行うことにより、前工程である切り出し工 や端面研磨工程において主表面に形成され 微細な凹凸形状を予め除去しておくことが き、後続の主表面に対する研磨工程を短時 で完了させることができるようになる。

(5)端面研磨工程
 次に、ガラス基板の端面について、ブラシ 磨方法により、鏡面研磨を行った。このと 、研磨砥粒としては、酸化セリウム砥粒を むスラリー(遊離砥粒)を用いた。この端面 磨工程により、ガラス基板の端面は、パー ィクル等の発塵を防止できる鏡面状態に加 された。

(6)主表面研磨工程
 主表面研磨工程として、まず第1研磨工程を 施した。この第1研磨工程は、前述のラッピ グ工程において主表面に残留したキズや歪 の除去を主たる目的とするものである。こ 第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有 る両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシ を用いて、主表面の研磨を行った。研磨液 しては、酸化セリウム砥粒を用いた。

 この第1研磨工程を終えたガラス基板を、 中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコー )の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。

 次に、主表面研磨工程として、第2研磨工 程を施した。この第2研磨工程は、主表面を 面状に仕上げることを目的とする。この第2 磨工程においては、遊星歯車機構を有する 面研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシ を用いて、主表面の鏡面研磨を行った。研 液としては、第1研磨工程で用いた酸化セリ ウム砥粒よりも微細な酸化セリウム砥粒を用 いた。

 この第2研磨工程を終えたガラス基板を、 中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコー )の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。な 、各洗浄槽には、超音波を印加した。

(7)化学強化工程および冷却工程
 次に、前述のラッピング工程及び研磨工程 終えたガラス基板に、化学強化を施した。 学強化工程を行うことにより、磁気ディス 基板の表層部に高い圧縮応力を生じさせる とができ、耐衝撃性を向上させることがで る。

 化学強化は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナ リウム(40%)を混合した化学強化溶液を準備し 、この化学強化溶液を400°Cに加熱しておくと ともに、洗浄済みのガラス基板を300°Cに予熱 し、化学強化溶液中に約3時間浸漬すること よって行った。

 このように、化学強化溶液に浸漬処理す ことによって、ガラス基板の表層のLiイオ 及びナトリウムイオンが、化学強化溶液中 ナトリウムイオン及びカリウムイオンにそ ぞれ置換され、ガラス基板が強化される。 のときのガラス基板の内径における圧縮応 層の厚さは、約100μm~200μmであり、変化量は1 5μm以下であった。実施形態に記載した技術 当該実施例に採用して歩留まりを大きく向 することができた。

[実施例]
 ガラス基板と化学強化処理槽とのマッチン をとると、マッチングをとらない場合と比 して、以下のような結果を得ることができ 。ただし、ガラス基板のサンプル数は10,000 であり、表中の目標値は、内径20.0±0.05mmで る。

以上のように、歩留まりが著しく向上する ことが理解できる。

 続いて、化学強化工程を終えたガラス基 を、20°Cの水槽に浸漬して冷却し、約10分間 維持した。そして、冷却を終えたガラス基板 を、約40°Cに加熱した濃硫酸に浸漬して洗浄 行った。さらに、硫酸洗浄を終えたガラス 板を、純水、IPA(イソプロピルアルコール) 各洗浄槽に順次浸漬して洗浄した。なお、 洗浄槽には超音波を印加した。

 上記の如く、第1ラッピング工程、切り出 し工程、第2ラッピング工程、端面研磨工程 主表面研磨工程、化学強化工程、冷却工程 施すことにより、平坦、かつ、平滑な、高 性の磁気ディスク用ガラス基板を得た。

(8)精密洗浄工程
 次に、テクスチャーを形成した磁気ディス 用ガラス基板の精密洗浄を行った。これは ッドクラッシュやサーマルアスペリティ障 の原因となる研磨剤残渣や外来の鉄系コン ミなどを除去し、表面が平滑で清浄なガラ 基板を得るためのものである。精密洗浄工 としては、アルカリ性水溶液による洗浄の に、水リンス洗浄、IPA洗浄工程を行った。

(9)磁気ディスク製造工程
 上述した工程を経て得られたガラス基板の 面に、ガラス基板の表面にCr合金からなる 着層、CoTaZr基合金からなる軟磁性層、Ruから なる下地層、CoCrPt基合金からなる垂直磁気記 録層、水素化炭素からなる保護層、パーフル オロポリエーテルからなる潤滑層を順次成膜 することにより、垂直磁気記録ディスクを製 造した。なお、本構成は垂直磁気ディスクの 構成の一例であるが、面内磁気ディスクとし て磁性層等を構成してもよい。

 得られた磁気ディスクについて異物によ 磁性層等の膜に欠陥が発生していないこと 確認した。また、グライドテストを実施し ところ、ヒット(ヘッドが磁気ディスク表面 の突起にかすること)やクラッシュ(ヘッドが 気ディスク表面の突起に衝突すること)は認 められなかった。さらに、磁気抵抗型ヘッド で再生試験を行ったところ、サーマルアスペ リティによる再生の誤動作は認められなかっ た。

 以上、添付図面を参照しながら本発明の 適な実施形態について説明したが、本発明 係る例に限定されないことは言うまでもな 。当業者であれば、特許請求の範囲に記載 れた範疇内において、各種の変更例または 正例に想到し得ることは明らかであり、そ らについても当然に本発明の技術的範囲に するものと了解される。

 本発明は、ガラス基板の一部をイオン交 して化学強化を行う化学強化工程を含む磁 ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気デ スクの製造方法、磁気ディスク、および磁 ディスク用ガラス基板の製造システムに利 可能である。

 なお、本出願は、2007年1月31日に出願され た、日本国特許出願第2007-22418号、日本国特 出願第2007-22419号、および日本国特許出願第2 007-22420号からの優先権を基礎として、その利 益を主張するものであり、その開示はここに 全体として参考文献として取り込む。