HOTTA MAKOTO (JP)
LIAO JINSUN (JP)
KANEKO KANTARO (JP)
FUJII NORIO (JP)
KAMETANI HIROHITO (JP)
KOSHI AKIHIKO (JP)
KONDOH KATSUYOSHI (JP)
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JP2006152446A | 2006-06-15 | |||
JP2006348349A | 2006-12-28 | |||
JP2005256133A | 2005-09-22 | |||
JP2005256133A | 2005-09-22 |
TETSUO SAKAI ET AL., STRUCTURE AND TEXTURE OF HIGH SPEED ROLLED AZ31 MAGNESIUM ALLOY SHEET, 2005, pages 27 - 28
Hidehiko Ito (JP)
マグネシウム合金からなり、板状または塊状の出発素材を用意する工程と、 前記出発素材に対して、250℃以下の温度で圧下率70%以上の塑性加工を施し、動的再結晶を生じさせずに歪を導入する工程と、 前記塑性加工後の素材を粉砕して粉体を作製する工程と、 前記粉体を一対の回転ロール間に通して圧縮変形させる工程と、 前記回転ロール間を通過した圧縮変形粉体を引き続いて破砕して顆粒状粉体とする破砕工程とを備えた、マグネシウム合金素材の製造方法。 |
前記圧縮変形工程および前記破砕工程を複数回繰り返す、請求項1に記載のマグネシウム合金素材の製造方法。 |
前記課粒状粉体を圧縮して固めた粉体ビレットを作製する工程と、 前記粉体ビレットを押出し加工する工程とをさらに備える、請求項1に記載のマグネシウム合金素材の製造方法。 |
前記塑性加工時の出発素材の温度を50℃以下にする、請求項1に記載のマグネシウム合金素材の製造方法。 |
前記塑性加工の圧下率が80%以上である、請求項1に記載のマグネシウム合金素材の製造方法。 |
前記塑性加工は、前記出発素材を一対のロール間に通す圧延加工である、請求項1に記載のマグネシウム合金素材の製造方法。 |
前記塑性加工は、前記出発素材を圧縮変形させる塑性加工である、請求項1に記載のマグネシウム合金素材の製造方法。 |
押出し加工時の粉体ビレットの温度は150~400℃である、請求項3に記載のマグネシウム合金素材の製造方法。 |
本発明は、引張強度および耐力に優れる ともに、良好な衝撃エネルギー吸収性能を つマグネシウム合金素材の製造に関するも である。
マグネシウム合金は、低比重による軽量 効果が期待されるので、携帯電話や携帯音 機器の筐体をはじめ、自動車用部品、機械 品、構造用材料等に広く活用されている。 なる軽量化効果の発現には、マグネシウム 金の高強度化と高靭性化が必要である。こ ような特性向上には、マグネシウム合金の 成・成分の最適化や、素地を構成するマグ シウム結晶粒の微細化が有効である。特に マグネシウム合金素材の結晶粒微細化に関 ては、これまで圧延法、押出加工法、鍛造 工法、引き抜き加工法など、塑性加工プロ スを基調とした方法が用いられている。
特開2005-256133号公報は、ローラーコンパ ターによって粉体原料の結晶粒径を微細化 る方法を開示している。具体的には、出発 料粉末を1対のロール間に通して圧縮変形さ 、引き続いて破砕処理を行って顆粒状粉体 する。この圧縮変形および破砕処理を数十 繰り返して行うことによって、微細な結晶 径を持つ粉体が得られる。
上記の公報に開示された方法では、微細 結晶粒径を持つ粉体を得るために圧縮変形 よび破砕処理を数十回繰り返して行わなけ ばならないので、製造効率および経済性の で改善すべき余地がある。
マグネシウム合金板材を圧延することに って結晶組織を微細化することも可能であ が、マグネシウムは最密六方格子(HCP結晶構 造)を有しており、低温(200℃以下)での変形機 構は主に底面すべりが支配的となる。そのた め、上記の低温域でのマグネシウム合金板材 の加工度は数パーセントに限られ、一般的に 圧延は300℃以上で行われている。その場合で も、材料の割れや破断を防止するため、25%以 下の圧下率の多パス圧延が行われる。
軽金属学会第109回秋期大会講演概要(2005) 第27頁~28頁に、「高速圧延されたAZ31マグネ ウム合金板の組織と集合組織」(左海哲夫ら )と題して、マグネシウム合金板に高速圧延 適用することによって微細な結晶組織を得 方法が提案されている。左海らは、圧延の 率化および組織制御への利用には1パスあた の圧下率を大きくする必要があること、マ ネシウム合金は冷温間域では底面すべりし 活動しないため、大圧下圧延を成功させる めには材料を加熱しなければならないこと 材料の加工発熱を最大限に利用し材料自身 温度を上昇させるためには、加工中の工具 よび周囲の雰囲気への熱伝達による温度低 を防がなければならないことに着目し、そ ためには、高速で加工を行い、工具と材料 接触時間を短くすることが効果的であると えて、高速圧延を試みた。その結果、圧延 度を高速にすることによりマグネシウム合 の圧延加工性が改善され、1パス大圧下圧延 が可能となり、微細粒組織で優れた機械的性 質を有する展伸板材が得られることを見出し た。
左海らの実験結果によると、圧延速度が2 000m/minの高速圧延では、350℃のみならず200℃ 温度でも1パスで圧下率61%の圧延が可能であ ったことが報告されている。圧延温度100℃以 下ではせん断帯が発生するが、圧下率が高く なるとせん断帯に微細な再結晶粒が現れ、よ り高圧下率では再結晶粒が板全体に広がるこ とも報告している。
左海らは、圧延速度の上昇とともに1パス あたりの限界圧下率が上昇することを予測し ているが、実験で確認した最大圧下率は62%で あり、それ以上の圧下率の実現可能性につい ては不明である。また、左海らの方法では、 マグネシウム合金板の高速圧延時の動的再結 晶を利用して結晶粒を微細化するものである 。このようにして得られた微細結晶組織のマ グネシウム合金材料を利用して押出用ビレッ トを作製し、所定の温度で押出加工した場合 、押出加工時に微細な結晶粒が粗大化するた め、最終的に得られるマグネシウム合金押出 材の結晶組織は粗大化してしまう。
この発明の目的は、微細な結晶組織で優 た機械的性質を持つマグネシウム合金素材 得るためのマグネシウム合金素材の製造方 を提供することである。
本発明に従ったマグネシウム合金素材の 造方法は、マグネシウム合金からなり、板 または塊状の出発素材を用意する工程と、 発素材に対して、250℃以下の温度で圧下率7 0%以上の塑性加工を施し、動的再結晶を生じ せずに歪を導入する工程と、塑性加工後の 材を粉砕して粉体を作製する工程と、粉体 一対の回転ロール間に通して圧縮変形させ 工程と、回転ロール間を通過した圧縮変形 体を引き続いて破砕して顆粒状粉体とする 砕工程とを備える。
本願発明者らは、板状または塊状のマグ シウム合金の出発素材を塑性加工する条件 して、温度および圧下率を変えて実験を行 た。その結果、圧下率が70%以上であれば、 温での塑性加工でも破断が無く、均一に加 できること、および動的再結晶を生じさせ に大きな歪を導入できることを見出した。 度の上限を250℃にしたのは、動的再結晶の 生を避けるためである。
圧下率70%以上の塑性加工後の素材を粉砕 て粉体を作った後、この粉体を一対の回転 ール間に通して圧縮変形させ、引き続いて 砕処理を行なって顆粒状粉体とすることに り、微細な結晶粒を持つマグネシウム合金 材が得られる。再結晶することなく大きな を導入している顆粒状粉体を圧縮して固め 押出用ビレットであれば、押出加工時に動 再結晶を生じ、最終的に微細な結晶粒を持 、さらに良好な衝撃エネルギー吸収能を持 マグネシウム合金素材を得ることができる
結晶粒をより微細化するために、圧縮変 工程および破砕工程を複数回繰り返しても い。
押出加工後のマグネシウム合金素材がよ 微細な結晶組織を持つようにするには、塑 加工時により大きな歪を導入することが必 である。そのためには、圧下率を80%以上に るのが望ましい。また、経済性の観点およ 動的再結晶の発生を確実に防ぐという観点 ら、好ましくは、塑性加工時の出発素材の 度を50℃以下にする。
大きな歪を導入する塑性加工は、一つの 施形態では、出発素材を1対のロール間に通 す圧延加工であり、他の実施形態では、出発 素材を圧縮変形させるプレス加工である。
好ましくは、押出加工時の粉体ビレット 温度は、150~400℃である。
図1は、板状または塊状のマグネシウム合 金出発素材を加工して高強度で高耐衝撃性の マグネシウム合金素材を得るまでの工程を図 解的に示している。
出発素材は、板状または塊状のマグネシ ム合金である。出発素材の一例として、板 が3~10mmの板材を使用している。後の塑性加 で出発素材に歪を導入することになるが、 導入サイトが多いという観点から出発素材 して鋳造材を使用するのが好ましい。
出発素材の温度を室温~250℃にし、この出 発素材に対して圧下率70%以上の塑性加工を施 し、動的再結晶を生じさせずに大量の歪を導 入する。図示した実施形態では、塑性加工は 、出発素材を1対のロール間に通す圧延加工 あり、1パス後の板材の厚みは0.4~0.9mmとなる 圧下率とは、加工前の素材の厚み減少率で る。
出発素材の板厚が3mmで、塑性加工後の板 が0.9mmであれば、圧下率は次のように求め れる。
圧下率(%)={(3.0-0.9)/3.0}×100=70
マグネシウムはHCP結晶構造で低温では底面
べりしか起こらないので、従来の技術常識
は、マグネシウム合金板材を室温で圧延す
場合には、割れや破断を避けるために20%以
の圧下率にしなければならないと考えられ
いた。一般的には、割れや破断を避けるた
にマグネシウム合金板材の圧延を300℃以上
温度で行っている。その場合でも、圧下率
25%以下であった。
本願発明者らは室温下でマグネシウム合 板材に対して圧延加工を行い、圧下率と素 の割れとの関係を調べた。本願発明者らの 験では、圧下率を20%~60%の範囲にしたとき素 材の割れが発生したが、圧下率を70%以上にす ると素材の割れは発生しなかった。この結果 は、今までの技術常識からは予測できないこ とである。
出発素材に対する塑性加工では、動的再 晶を生じさせずに大量の歪を導入すること 重要である。塑性加工時に動的再結晶によ て素材が結晶組織を持つようになると、後 押出加工時に結晶粒が粗大化してしまい、 終マグネシウム合金素材が微細な結晶組織 有さなくなる。動的再結晶を生じさせない いう観点から、塑性加工時の出発素材の温 を250℃以下にすることが必要である。経済 の観点および動的再結晶を確実に防ぐとい 観点からすれば、塑性加工時の出発素材の 度を50℃以下にするのが望ましい。
出発素材に対する塑性加工としては、圧 加工に限られず、出発素材を圧縮変形させ プレス加工であってもよい。この場合であ ても、上記の加工条件が当てはまる。
図1に示すように、圧下率70%以上の塑性加 工を施した素材に対して粉砕処理を行ない、 粉体を得る。本発明の特徴は、この粉体をさ らに一対の回転ロール間に通して圧縮変形さ せ、引き続いて圧縮変形粉体を破砕して顆粒 状粉体にすることにある。このように大圧下 塑性加工によって大量の歪を導入することに 引き続いて、ローラーコンパクターによって 粉体を圧縮変形させることにより、最終的に 得られるマグネシウム合金素材の結晶粒がよ り微細化し、強度的に優れたものとなる。
上記のようにして得られた顆粒状粉体を 縮して固めて押出加工用の粉体ビレットを 製する。好ましくは、この粉体ビレットを1 50~400℃の温度で押出加工する。この押出加工 時に大量の歪を含む素材の内部で動的再結晶 が生じるので、最終的に得られるマグネシウ ム合金素材は、微細な結晶組織を有するもの となる。
図2は、縦軸に圧延温度をとり、横軸に1 スあたりの圧下率(%)をとった座標に、マグ シウム合金素材に対する従来の一般的な圧 加工の領域、左海らの報告(軽金属学会第109 秋期大会講演概要(2005))に記載された高速圧 延の領域、および本発明の塑性加工の領域を 示している。
マグネシウム合金素材に対する従来の一 圧延では、圧延温度が300~400℃で、圧下率が 25%以下である。左海らの報告に記載された高 速圧延では、圧延温度が室温から350℃で、圧 下率が約60%以下である。本発明の塑性加工で は、圧延温度が室温から250℃で、圧下率が70% 以上である。
本願発明者らは、マグネシウム合金板材 室温で圧延加工して、圧下率と素材の割れ の関係を調べた。圧下率が20%、40%、60%では 材の割れ(破断)が発生した。一方、圧下率 80%、90%にしたとき、素材の破断は生じず均 に圧延加工して大量の歪を導入することが きた。80%以上の圧下率で圧延加工すると、 材の先端部または末端部で多少の耳割れが じることがあるが、素材は後工程で粉砕処 されるので、特に問題とはならない。
図3は、縦軸に圧延温度をとり、横軸に1 スあたりの圧下率(%)をとった座標に、破断( れ)の有無を示す記号を記入したものである 。圧下率を20%にしたとき、室温では素材の破 断が生じたが、圧延温度を100℃以上にすれば 破断なしで均一圧延加工をすることができた 。圧下率を40~60%にしたとき、圧延温度が100℃ 以下では素材の破断が生じたが、圧延温度を 200℃以上にすれば破断なしで均一圧延加工を することができた。圧下率を70%以上にしたと き、室温以上の温度で破断なしで均一圧延加 工をすることができた。
本願発明者らは、圧延加工時のマグネシ ム合金素材の予熱温度と、圧延加工後の金 組織との関係を調べた。圧下率を20%~40%にし て圧延加工した場合、予熱温度が25℃であれ 加工後の素材は再結晶組織を有していない 、予熱温度を400℃にすると動的再結晶によ 結晶化した組織を有するものとなった。圧 率を70%にして圧延加工した場合、予熱温度 200℃以下であれば加工後の素材は再結晶組 を有していないが、予熱温度を300℃以上に ると動的再結晶により結晶化した組織を有 るものとなった。圧下率を80%にして圧延加 した場合、予熱温度が200℃以下であれば加 後の素材は全く再結晶組織を有していない 、予熱温度が250℃のとき、素材の一部のみ 動的再結晶により結晶化していることが認 られた。また、圧下率が80%で予熱温度を300 以上にすると、素材のほぼ全体が動的再結 により結晶化した。従って、予熱温度の上 を250℃とすることに意義がある。圧下率を9 0%にして圧延加工した場合、予熱温度が25℃ あれば素材は再結晶組織を有していないが 400℃の予熱温度にすると素材は結晶化した
図4は、縦軸に圧延温度をとり、横軸に1 スあたりの圧下率(%)をとった座標に、再結 の有無を示す記号を記入したものである。 下率を70%以上にし、圧延温度を250℃以下に れば、再結晶をすることなく圧延加工をす ことが可能となる。
図5は、圧下率80%の圧延加工時のマグネシ ウム合金出発素材の予熱温度と、圧延加工後 のマグネシウム合金素材の硬度との関係を示 す図である。出発素材の予熱温度が250℃以下 で圧延加工した場合、圧延加工後のマグネシ ウム合金素材の硬度(Hv)は90以上であるが、予 熱温度が300℃以上の温度で圧延加工をした場 合、圧延加工後のマグネシウム合金素材の硬 度(Hv)が90未満になることが認められた。
本願発明者らは、下記の4種の製造方法を 経て作製した押出材のシャルピー吸収エネル ギーおよび0.2%耐力を測定した。その結果を 6に示す。
1)「鋳物押出材」
鋳造法によって作製したマグネシウム合金
レットを押出加工したものである。
2)「大圧下率圧延法」
板状または塊状のマグネシウム合金の出発
材に対して圧下率70%以上の塑性加工を行い
塑性加工後の素材を粉砕して粉体を作り、
の粉体を圧縮して固めた粉体ビレットを押
加工したものである。
3)「RCP工法」
マグネシウム合金からなる出発原料粉末を
対のロール間に通して圧縮変形させ、この
縮変形粉体を破砕して顆粒状粉体とし、こ
顆粒状粉体を圧縮して固めた顆粒状粉体ビ
ットを押出加工したものである。
4)「大圧下+RCP工法」
本発明に従った製造方法である。板状また
塊状のマグネシウム合金の出発素材に対し
圧下率70%以上の塑性加工を行い、塑性加工
の素材を粉砕して粉体を作る。さらに、こ
粉体を一対のロール間に通して圧縮変形さ
、この圧縮変形粉体を破砕して顆粒状粉体
し、この顆粒状粉体を圧縮して固めた顆粒
粉体ビレットを押出加工したものである。
図6から次のことを理解できる。
「鋳物押出材」は、そのシャルピー吸収 ネルギーvEが15J程度、耐力が200MPa程度であ 。
「大圧下率圧延法」を経た押出材であれ 、耐力が「鋳物押出材」と同程度であるが シャルピー吸収エネルギーは30~35J程度にな 著しく向上している。
「RCP工法」を経た押出材では、耐力はパ 回数の増加とともに向上するが、シャルピ 吸収エネルギーはパス回数の増加とともに 下する。パス回数が50回だと、シャルピー 収エネルギーが5J以下となってしまう。
本発明の実施形態である「大圧下+RCP工法 」を経た押出材では、耐力は「大圧下率圧延 法」の押出材よりも高い値を示し、シャルピ ー吸収エネルギーは「大圧下率圧延法」の押 出材よりも僅かに劣るものの「鋳物押出材」 よりははるかに良好な特性を示している。
図7は、各種の押出材の強度特性を示す図 である。比較した押出材は、「市販のAZ31B合 」、「RCP工法」の押出材、「大圧下工法」 押出材、本発明例である「大圧下+RCP5パス の押出材である。なお、素材の材質は、い れもAZ31B合金である。
図7の結果から次のことを理解できる。
「RCP工法」の押出材では、市販のAZ31B合 と比較して、強度(引張強度TS、耐力YS)が高 が、シャルピー衝撃吸収エネルギー(vE)が低 った。
「大圧下工法」の押出材では、衝撃吸収 ネルギー(vE)は市販のAZ31B合金の3~4倍であり 強度(引張強度TS、耐力YS)は市販のAZ31B合金 りも高いが、「RCP工法」の押出材よりも低 った。
本発明例である「大圧下+RCP5パス」の押 材では、「RCP工法」の押出材に比較して、 度(引張強度TS、耐力YS)が僅かに低かったが 衝撃吸収エネルギーが遥かに高かった。ま 、「大圧下工法」の押出材に比較して、シ ルピー吸収エネルギーが下がったが、強度 向上した。
以上のことから、本発明例である「大圧 +RCP」の押出材であれば、強度(引張強度TS、 耐力YS)および衝撃吸収エネルギーの両者にお いて、満足できる特性が得られることを理解 できる。
図8は、「大圧下+RCP」工法において、ロ ラーコンパクター(RCP)のパス回数とマグネシ ウム合金押出材の強度との関係を示す図であ る。図8に示す測定結果から、次のことを理 できる。
「大圧下+RCP」工法では、RCP処理回数の増 加に従い、マグネシウム合金(AZ31B)押出材の 度(引張強度TS、耐力YS)が増加する。それに して、シャルピー衝撃吸収エネルギーは、RC P処理回数の増加に従い、低下する。RCP処理 数(パス回数)が5~10回であれば、マグネシウ 合金押出材の強度および衝撃吸収エネルギ の両者において、満足できる特性が得られ ことを理解できる。
具体的に見ると、大圧下の塑性加工後のR CP処理回数が10回の場合、耐力(YS)は「RCP工法 の押出材と同等のレベルであり、衝撃吸収 ネルギーは、「RCP工法」の押出材よりも遥 に高く、市販のAZ31B合金よりも1.5~2倍程高く なっている。
以上、図面を参照してこの発明の実施形 を説明したが、この発明は、図示した実施 態のものに限定されない。図示した実施形 に対して、この発明と同一の範囲内におい 、あるいは均等の範囲内において、種々の 正や変形を加えることが可能である。
本発明は、優れた強度を持ち、かつ良好な 衝撃吸収エネルギーを持つマグネシウム合金 素材の製造方法として有利に利用され得る。