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Title:
PROCESS FOR PRODUCING METAL FILM, METAL FILM AND USE OF THE METAL FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084336
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a process for producing a metal film, which can form a metal film and a metal pattern at low cost on any substrate and can solve a problem involved in a sputtering method, a metal film, and the use of the metal film. The process for producing a metal film comprises an organic film forming step of forming an organic film using a primer composition comprising an addition polymerizable compound containing three or more reactive groups, an acidic group-containing addition polymerizable compound, and a hydrophilic functional group-containing addition polymerizable compound, a metal salt producing step of converting the acidic group to a metal (M1) salt, a metal fixing step of treating the metal (M1) salt of the acidic group with an aqueous metal (M2) ion solution containing a meal (M2) ion having a lower ionization tendency than the metal (M1) ion to convert the metal (M1) salt of the acidic group to a metal (M2) salt, a reducing step of reducing the metal (M2) ion to form a metal film on the surface of the organic film, and an oxidizing step of oxidizing the metal film.

Inventors:
NAKAJIMA, Seiji (())
中島 誠二 (())
HAYASE, Tetsuo (())
Application Number:
JP2008/070793
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
November 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
OMRON CORPORATION (801 Minamifudodo-cho, Horikawahigashiiru Shiokoji-dori, Shimogyo-ku, Kyoto-sh, Kyoto 30, 6008530, JP)
オムロン株式会社 (〒30 京都府京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801番地 Kyoto, 6008530, JP)
NAKAJIMA, Seiji (())
中島 誠二 (())
International Classes:
C23C18/18; C23C18/20; H01B13/00; C23C18/18; C23C18/20; H01B13/00
Attorney, Agent or Firm:
MASUI, Yoshihisa et al. (HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK, Daiwa Minamimorimachi Building 2-6, Tenjinbashi 2-chome Kita, Kita-k, Osaka-shi Osaka 41, 5300041, JP)
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Claims:
 3つ以上の反応基を有する付加重合性化合物と、酸性基を有する付加重合性化合物と、親水性官能基を有する付加重合化合物と、を含有する下地組成物を、基板またはフィルム上に塗布し、重合して、有機膜を形成する有機膜形成工程と、
 上記有機膜を、金属(M1)イオンを含有する水溶液で処理することによって、上記酸性基を金属(M1)塩にする金属塩生成工程と、
 上記金属(M1)イオンを含有する水溶液で処理した有機膜を、上記金属(M1)イオンよりもイオン化傾向の低い金属(M2)イオンを含有する金属(M2)イオン水溶液で処理することによって、上記酸性基の金属(M1)塩を、金属(M2)塩とする金属固定工程と、
 上記金属(M2)イオンを還元して上記有機膜表面に金属膜を形成する還元工程と、
 上記金属膜を酸化する酸化工程と、
を含むことを特徴とする、金属膜の製造方法。
 上記下地組成物が、さらに、塩基性基を有する付加重合性化合物を含有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の金属膜の製造方法。
 上記塩基性基がアミノ基、ピリジル基、モルホリノ基、アニリノ基からなる群より選ばれる1以上の官能基であることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の金属膜の製造方法。
 上記酸化は、金属膜に紫外線、プラズマもしくは赤外線を照射すること、または、金属膜を加温することによって行われることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の金属膜の製造方法。
 上記酸性基が、カルボキシル基、スルホン酸基、フェノール基、安息香酸基、フタル酸基、サリチル酸基、アセチルサリチル酸基およびベンゼンスルホン酸基からなる群より選ばれる1以上の官能基を含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の金属膜の製造方法。
 上記3つ以上の反応基を有する付加重合性化合物の反応基が、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基を含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の金属膜の製造方法。
 上記親水性官能基が、エチレンオキシド基および/またはプロピレンオキシド基を含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の金属膜の製造方法。
 上記金属(M1)がカリウムまたはナトリウムであることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の金属膜の製造方法。
 上記金属(M2)がインジウム、亜鉛およびスズからなる群より選ばれる1以上の金属であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の金属膜の製造方法。
 上記金属(M2)イオン水溶液が、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属のイオンを含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の金属膜の製造方法。
 上記金属(M2)イオン水溶液が、ポリオールを含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の金属膜の製造方法。
 上記還元工程において、上記金属(M2)イオンの還元を、
(1)アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、タンニン酸、ジボラン、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、水素化リチウムアルミニウム
(2)(1)の化合物の誘導体、および
(3)亜硫酸塩、次亜リン酸塩
からなる群より選ばれる1以上の還元剤、並びに/または、
(4)紫外線、熱、プラズマ、水素
からなる群より選ばれる1以上の還元手段を用いて行うことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の金属膜の製造方法。
 上記還元工程において、上記(1)、(2)および(3)からなる群より選ばれる1以上の還元剤を用いる場合は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の存在下で上記金属(M2)イオンの還元を行うことを特徴とする、請求の範囲第12項に記載の金属膜の製造方法。
 上記還元工程では、上記還元剤とともに、アルコールおよび/または界面活性剤を用いることを特徴とする請求の範囲第12項に記載の金属膜の製造方法。
 上記有機膜形成工程において、上記有機膜に、印刷またはナノインプリント法によって形状を付与することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の金属膜の製造方法。
 3つ以上の反応基を有する付加重合性化合物と、酸性基を有する付加重合性化合物と、親水性官能基を有する付加重合化合物と、を含有する下地組成物を、基板またはフィルム上に塗布し、重合して、有機膜を形成する有機膜形成工程において、上記有機膜に、印刷またはナノインプリント法によって形状を付与することを特徴とする請求の範囲第12項に記載の金属膜の製造方法。
 請求の範囲第1項に記載の方法によって製造されたことを特徴とする金属膜。
 請求の範囲第12項に記載の方法によって製造されたことを特徴とする金属膜。
 請求の範囲第1項に記載の方法によって製造された金属膜を備える電気機器および電子機器。
 請求の範囲第12項に記載の方法によって製造された金属膜を備える電気機器および電子機器。
Description:
金属膜の製造方法、金属膜およ その利用

 本発明は、金属膜の製造方法、金属膜お びその利用に関するものであり、特に、任 の樹脂膜上に、膜厚数十nm~数百nmの金属膜 安価に形成することができ、スパッタリン の代替法として使用可能な金属膜の製造方 、該方法によって製造された金属膜および の利用に関するものである。

 ポリエチレンテレフタレート(PET)もしく ガラスなどの電気絶縁性の透明基材上に透 導電膜が形成されている透明導電積層体は 液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス 子等の表示素子の駆動電極、太陽電池等の 電変換素子の窓電極、あるいはタッチパネ 等の座標入力装置における透明電極膜等、 明性が要求される電極や配線を形成するた の材料として広く利用されている。

 透明導電膜を透明基材上に形成する方法と ては、真空蒸着法、イオンプレーティング 、スパッタリング法、CVD法などの方法が知 れているが、均一性や透明基材との密着性 確保する観点から、スパッタリング法が好 しいとされている(特許文献1)。

日本国公開特許公報「特開平9-150477号公 (公開日:平成9年6月10日)」

 しかしながら、スパッタリング法は原料 質の面内均一性が不十分であるため、透明 電膜を大口径化することが困難であるとい 問題がある。

 そこで、面内均一性を向上させるために 原料物質がスパッタされる部分のうち、中 部約20%しか使用せず、残りの部分は製品に われずに照射面周辺に堆積するという製造 行われているのが現状である。そのため、 料物質のターゲットは容易に回収できるが 周辺に堆積した分については、削り取らな ればならないため、回収を含めた使用効率 非常に悪いということが問題となっている このことは、透明導電膜の形成に汎用され いるインジウムの枯渇問題とも絡めて問題 されており、スパッタリング法の代替技術( 環境対応型技術)が求められている。

 また、スパッタリング法により成膜した 属膜は、割れが生じやすいという問題や、 属膜を酸化させる際に、例えばガラス基板 用いた場合300℃以上、PET基板を用いた場合1 50℃以上という高温アニール処理が必要とな 、低温では酸化できないため、製造効率が いという問題がある。

 さらに、スパッタリング法を用いて成膜 る場合は、微細構造の付与や配線形状の付 にはフォトリソグラフィーによる必要があ が、フォトリソグラフィーは高額な設備を 要とし、スループット性も低いという問題 ある。

 本発明は、上記の問題点に鑑みてなされ ものであり、その目的は、任意の基板に対 て、安価に金属膜および金属パターンを形 することができ、スパッタリング法の問題 を解決しうる金属膜の製造方法、金属膜お びその利用を提供することにある。

 本発明者は、上記課題に鑑み、金属(M2)イ オンの担持性に優れた官能基を含有する下地 組成物、金属(M2)イオンの有機膜への固定促 、有機膜に固定された金属(M2)の溶出防止、 属(M2)の還元効率向上や各処理液の下地での 反応性向上等について鋭意検討した結果、任 意の基板上に、インジウム等の種々の金属の 成膜を良好かつ簡便に行いうるとともに、三 次元的な金属配線パターンをも形成可能な金 属膜の製造方法を見出し、本発明を完成する に至った。

 すなわち、本発明に係る金属膜の製造方 は、3つ以上の反応基を有する付加重合性化 合物と、酸性基を有する付加重合性化合物と 、親水性官能基を有する付加重合化合物と、 を含有する下地組成物を、基板またはフィル ム上に塗布し、重合して、有機膜を形成する 有機膜形成工程と、上記有機膜を、金属(M1) オンを含有する水溶液で処理することによ て、上記酸性基を金属(M1)塩にする金属塩生 工程と、上記金属(M1)イオンを含有する水溶 液で処理した有機膜を、上記金属(M1)イオン りもイオン化傾向の低い金属(M2)イオンを含 する金属(M2)イオン水溶液で処理することに よって、上記酸性基の金属(M1)塩を、金属(M2) とする金属固定工程と、上記金属(M2)イオン を還元して上記有機膜表面に金属膜を形成す る還元工程と、上記金属膜を酸化する酸化工 程と、を含むことを特徴としている。

 本発明に係る製造方法の有機膜形成工程 よって生成される有機膜は、3つ以上の反応 基を有する付加重合化合物に起因する嵩高い 三次元構造(以下「バルキー構造」ともいう) 取ることができる。上記バルキー構造を取 ことにより、上記有機膜は、膜内の空間に くの金属(M2)イオンを固定できるようになる 。

 そのため、上記有機膜は、多くの金属イ ンを固定することができるものと考えられ 。また、構造的に、還元剤を有機膜の内部 で行き渡らせることができるので、金属(M2) イオンを内部まで還元することができるもの と考えられる。

 さらに、上記親水性官能基を有する付加 合化合物は、上記有機膜の親水性を向上さ ることができるので、上記有機膜の内部ま 各処理液、すなわち金属(M1)イオンを含有す る水溶液、金属(M2)イオンを含有する金属(M2) オン水溶液、還元剤の水溶液を作用させる とができる。したがって、上記有機膜に対 て上記各処理液をより効果的に作用させる とができる。

 また、上記有機膜は、紫外線で硬化可能 あるため、耐熱性の低い基板にも適用可能 ある。

 さらに、上記有機膜は金属塩生成工程に いて、酸性基が金属(M1)塩とされ、さらに、 金属固定工程において、金属(M1)イオンより イオン化傾向の低い金属(M2)イオンを含有す 金属イオン水溶液で処理されるので、金属( M1)と金属(M2)とのイオン化傾向の違いによっ 効率よく金属(M2)イオンを固定することがで る。

 このように、本発明に係る方法は湿式処 であるため、基板に均一に金属(M2)を成膜す ることが可能であり、透明導電膜の大口径化 を容易に行うことができる。また、メッキ浴 で処理可能であるため、金属(M2)の使用効率 スパッタリング法に比べて大幅に向上させ ことができる。さらに、フォトリソグラフ ー法を用いることなく、基板上に容易に微 構造や金属配線等を形成することができる

 このような特徴を有することにより、本 明に係る製造方法は、任意の形状に容易に 工できる透明性導電膜を、任意の基板上に 一に、効率よく安価に製造することができ 。

 本発明に係る製造方法では、上記下地組 物が、さらに、塩基性基を有する付加重合 化合物を含有することが好ましい。

 上記塩基性基を有する付加重合性化合物 用いることにより、本発明によって得られ 金属膜の導電性を大きく向上させることが きる。これは、塩基性基を配合することに って、下地組成物の表面と金属(M1)イオンを 含有する水溶液のなじみが向上し、下地組成 物と上記水溶液との反応効率が向上したため と考えられる。したがって、塩基性基を有す る付加重合性化合物の量を調整することによ って、金属膜の抵抗値を制御することができ る。

 本発明に係る製造方法では、上記塩基性 がアミノ基、ピリジル基、モルホリノ基、 ニリノ基からなる群より選ばれる1以上の官 能基であることが好ましい。

 本発明に係る製造方法では、上記酸化は 金属膜に紫外線、プラズマもしくは赤外線 照射すること、または、金属膜を加温する とによって行われることが好ましい。

 還元工程を経た金属膜は、粒子状の膜と っており、粒子状の形状が金属(M2)の酸化を 加速するため、低温での酸化が可能である。 よって、金属膜への紫外線、プラズマ、もし くは赤外線の照射によって容易かつ十分に金 属膜を酸化させ、透明化することが可能であ る。また、金属膜の加温も低温(例えば140℃ 理)で行うことが可能となる。

 したがって、高温加熱を必要とするスパ タリング法に比べて、酸化を簡単に行うこ ができる。

 本発明に係る製造方法では、上記酸性基 、カルボキシル基、スルホン酸基、フェノ ル基、安息香酸基、フタル酸基、サリチル 基、アセチルサリチル酸基およびベンゼン ルホン酸基からなる群より選ばれる1以上の 官能基を含むことが好ましい。

 これらの官能基は、強酸性であるととも 電子吸引基を備えているので、これらの官 基を含む酸性基は、金属(M1)イオンと金属(M2 )イオンとのイオン交換を容易に行うことが き、さらに金属(M2)を固定化しやすい基とな 。したがって、より効率的に金属膜を製造 ることができる。

 本発明に係る製造方法では、上記3つ以上 の反応基を有する付加重合性化合物の反応基 が、アクリロイル基および/またはメタクリ イル基を含むことが好ましい。

 アクリロイル基および/またはメタクリロ イル基は、バルキー構造を構成しやすい官能 基であるため、有機膜の構造を、より多くの 金属イオンを固定可能な構造にすることがで き、還元剤がより内部まで行き渡りやすい構 造とすることができる。したがって、金属(M2 )イオンをより内部まで還元することができ ものと考えられる。

 本発明に係る製造方法では、上記親水性 能基が、エチレンオキシド基および/または プロピレンオキシド基を含むことが好ましい 。

 エチレンオキシド、プロピレンオキシド 、親水性官能基の中でも、特に上記有機膜 親水性を向上させる能力に優れるので、上 有機膜のより内部まで上記各処理液を作用 せることができる。したがって、上記有機 に対して上記各処理液をより一層効果的に 用させることができる。

 本発明に係る製造方法では、上記金属(M1) イオンがカリウムまたはナトリウムであるこ とが好ましい。

 上記構成によれば、カリウムまたはナト ウムは、非常にイオン化傾向が大きく、金 (M2)とのイオン化傾向の差が大きいため、上 記金属固定工程において、より金属(M2)を固 化しやすい。したがって、より効率的に金 膜を製造することができる。

 本発明に係る製造方法では、上記金属(M2) がインジウム、亜鉛およびスズからなる群よ り選ばれる1以上の金属であることが好まし 。これらの金属は、透明導電膜の原料とし 幅広く使用されている。上記構成によれば これらの金属を用いた透明導電膜に良好な 内均一性および密着性を付与することがで るので、上記金属の使用効率を向上させる とができる。また、使用済みの金属(M2)イオ 水溶液からの回収も容易であるため、イン ウム枯渇の問題解決に大きく寄与すること できる。

 本発明に係る製造方法では、上記金属(M2) イオン水溶液が、アルカリ金属および/また アルカリ土類金属のイオンを含むことが好 しい。アルカリ金属および/またはアルカリ 類金属は、非常にイオン化傾向が高い。そ ため、金属(M2)イオン水溶液にアルカリ金属 および/またはアルカリ土類金属のイオンを ませることにより、金属固定工程における 属(M1)イオンと、金属(M2)イオンとのイオン交 換をより促進することができる。

 本発明に係る製造方法では、上記金属(M2) イオン水溶液がポリオールを含むことが好ま しい。通常、金属(M2)イオンは比重が大きい で、特に高濃度の場合、溶媒との相溶性が っても沈殿を起こしやすいが、上記構成に れば、例えばグリセリンのようなポリオー は粘性が高いので、これを金属(M2)イオン水 液に含ませることにより、金属(M2)イオンは 沈殿を起こしにくくなる。したがって、金属 固定工程におけるイオン交換をより効率的に 進行させることができる。

 本発明に係る製造方法では、上記還元工程 おいて、上記金属(M2)イオンの還元を、
(1)アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウ ム、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミ ンボラン、トリメチルアミンボラン、クエン 酸、クエン酸ナトリウム、タンニン酸、ジボ ラン、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、水素 化リチウムアルミニウム(2)(1)の化合物の誘導 体、および(3)亜硫酸塩、次亜リン酸塩からな る群より選ばれる1以上の還元剤、並びに/ま は、(4)紫外線、熱、プラズマ、水素からな 群より選ばれる1以上の還元手段を用いて行 うことが好ましい。

 上記構成によれば、上記還元剤や紫外線 によって金属(M2)イオンを還元することがで きるので、金属(M2)イオンの金属原子を有機 表面に析出させることができる。したがっ 、所定の金属膜を形成することができる。

 本発明に係る製造方法では、上記(1)、(2) よび(3)からなる群より選ばれる1以上の還元 剤を用いる場合は、アルカリ金属および/ま はアルカリ土類金属の存在下で上記金属(M2) オンの還元を行うことが好ましい。

 アルカリ金属および/またはアルカリ土類 金属は、本発明で用いる金属(M2)よりもイオ 化傾向がかなり大きい。そのため、上記構 によれば、金属固定工程で有機膜に固定さ た金属(M2)のイオン化を防ぎ、溶出を防ぐこ ができる。したがって、さらに効率よく金 膜を製造することができるとともに、導電 に優れた金属膜を製造することができる。

 本発明に係る製造方法は、上記還元工程 は、上記還元剤とともに、アルコールおよ /または界面活性剤を用いることが好ましい 。還元工程で還元剤を用いる場合は、還元剤 を下地組成物のできるだけ内部に到達させる ことによって効率的な還元を行うことが好ま しいが、例えばアスコルビン酸等の水溶性の 還元剤は、その水溶性ゆえに金属膜および下 地組成物の内部に到達しにくい。

 上記構成によれば、還元工程で、上記還 剤とともに、アルコールおよび/または界面 活性剤を用いるので、アルコールおよび/ま は界面活性剤の親油性によって、水溶性還 剤を下地組成物になじみやすくすることが き、下地組成物の内部でも十分に還元を行 ことができるようになる。したがって、さ に効率よく金属膜を製造することができる

 本発明に係る金属膜の製造方法では、上 有機膜形成工程において、印刷またはナノ ンプリント法によって形状を付与すること 好ましい。

 本発明に係る方法によれば、上記下地組 物は、インクジェットやスクリーン印刷な の方法によって任意の基板に塗布し、簡単 硬化させることができるので、印刷または ノインプリント法などの簡易な方法を用い 有機膜に何らかの形状を付与することがで る。したがって、高額な設備を必要とする ォトリソグラフィー法を用いることなく金 配線を形成することができるので、ハイス ープットに、安価かつ簡便に金属配線を得 ことができる。

 本発明に係る金属膜は、本発明に係る金 膜の製造方法によって製造されたことを特 としている。上記製造方法は、上述のよう 、任意の基板に金属膜を効率よく形成する とができるので、本発明に係る金属膜は、 意の基板上に良好な面内均一性と高い密着 を持って形成され、抵抗値を低抵抗から比 的高抵抗までコントロールすることも可能 ある。したがって、電気機器、電子機器、 子部品、センサー等の構成材料、特に透明 電膜の構成材料として非常に有用である。

 本発明に係る電気機器および電子機器は 本発明に係る金属膜の製造方法によって製 された金属膜を備えることを特徴としてい 。上記金属膜は、任意の基板上に均一に、 い密着性をもって、膜厚数十nm~数百nmで形 され、抵抗値を低抵抗から比較的高抵抗ま コントロールすることも可能であり、特に 明導電膜として優れた機能を有する。

 したがって、本発明に係る電気機器およ 電子機器、例えばタッチパネル、スイッチ よび太陽電池パネル等は、通常の透明導電 よりも高抵抗であることが求められるアナ グ型のタッチパネル用途に好適に用いるこ ができる。

 本発明の他の目的、特徴、および優れた は、以下に示す記載によって十分分かるで ろう。また、本発明の利点は、添付図面を 照した次の説明によって明白になるであろ 。

図1は、金属膜を固定したスライドガラ スの外観を示すものであり、図1の(a)は、酸 工程に供する前、図1の(b)は酸化工程に供し 後の外観を示している。

 本発明の実施の形態について説明すれば 下のとおりであるが、本発明はこれに限定 れるものではない。

 〔1.本発明に係る金属膜の製造方法〕
 一実施形態において、本発明に係る金属膜 製造方法は、3つ以上の反応基を有する付加 重合性化合物と、酸性基を有する付加重合性 化合物と、親水性官能基を有する付加重合化 合物と、を含有する下地組成物を、基板また はフィルム上に塗布し、重合して、有機膜を 形成する有機膜形成工程と、上記有機膜を、 金属(M1)イオンを含有する水溶液で処理する とによって、上記酸性基を金属(M1)塩にする 属塩生成工程と、上記金属(M1)イオンを含有 する水溶液で処理した有機膜を、上記金属(M1 )イオンよりもイオン化傾向の低い金属(M2)イ ンを含有する金属(M2)イオン水溶液で処理す ることによって、上記酸性基の金属(M1)塩を 金属(M2)塩とする金属固定工程と、上記金属( M2)イオンを還元して上記有機膜表面に金属膜 を形成する還元工程と、上記金属膜を酸化す る酸化工程と、を含む。そこで、以下、上記 各工程について説明する。

 (1-1.有機膜形成工程)
 有機膜形成工程は、3つ以上の反応基を有す る付加重合性化合物と、酸性基を有する付加 重合性化合物と、親水性官能基を有する付加 重合化合物と、を含有する下地組成物を、基 板またはフィルム上に塗布し、重合して、有 機膜を形成する工程である。上記下地組成物 は、さらに、塩基性基を有する付加重合性化 合物を含有していてもよい。

 上記下地組成物は、後述する金属固定工 で導入される金属(M2)イオンを表面に析出さ せて所定の金属膜を形成するための下地(樹 膜)を形成するものである。

 上記3つ以上の反応基を有する付加重合性 化合物と、酸性基を有する付加重合性化合物 と、塩基性基を有する付加重合性化合物と、 親水性基を有する付加重合性化合物とは、重 合性不飽和結合、特に重合性二重結合を1分 あたり1個以上有する。なお、本明細書にお て「付加重合性化合物」とは、UV,プラズマ EB等の活性エネルギーによって付加重合し る化合物をいい、モノマーであってもよい 、オリゴマーやポリマーであってもよい。

 上記「3つ以上の反応基を有する付加重合 性化合物」は、上記下地組成物にバルキー構 造を付与するために用いられる。上記下地組 成物がバルキー構造を取ることによって、有 機膜はポリイミドに比べ、当該化合物に起因 する嵩高い三次元構造(バルキー構造)となる で、後述する金属固定工程で有機膜に多く 金属(M2)イオンを固定することができるとと もに、膜中の当該金属(M2)イオンを還元剤や 外線等と接触しやすい状態にすることがで る。

 上記「反応基」とはラジカル重合やカチ ン重合等の付加重合を行いうる付加重合性 応基のことである。上記反応基としては、 に限定されるものではないが、例えば、ア リロイル基、メタクリロイル基、アクリル ミド基、ビニル基、アリル基などを用いる とができる。中でも、バルキー構造を構成 やすい官能基であるアクリロイル基、メタ リロイル基が特に好ましく用いられ、上記3 つ以上の反応基を有する付加重合性化合物の 反応基は、アクリロイル基および/またはメ クリロイル基を含むことが好ましい。

 また、上記付加重合性化合物の複数の反 基による枝分かれ構造が、上記付加重合性 合物にバルキー構造を付与するため、上記 応基の数は、3つ以上であれば特に限定され るものではない。

 上記3つ以上の反応基を有する付加重合性 化合物は、上記付加重合性反応基を1分子中 3つ以上有していれば、その構造は特に限定 れるものではないが、例えば以下の一般式( 1)で表される化合物を挙げることができる。

 (R1-R2)n-R3・・・(1)
 (一般式(1)において、nは3以上であり、R1は クリロイル基、メタクリロイル基、アクリ アミド基、ビニル基およびアリル基からな 群より選ばれる付加重合性反応基、R2は例え ばエステル基、アルキル基、アミド基、エチ レンオキシド基、プロピレンオキサイド基な どを含む任意の構造、R3はC、アルキル基また はC-OHを表す。)
 上記3つ以上の反応基を有する付加重合性化 合物としては、より具体的には、トリメチロ ールプロパントリアクリレート(市販品とし は、例えば共栄社化学株式会社製 TMP-A)、ペ ンタエリスリトールトリアクリレート(市販 としては、例えば共栄社化学株式会社製 PE- 3A)、ペンタエリスリトールテトラアクリレー ト(市販品としては、例えば共栄社化学株式 社製PE-4A)、ジペンタエリスリトールヘキサ クリレート(市販品としては、例えば共栄社 学株式会社製 DPE-6A)、ペンタエリスリトー トリアクリレートイソホロンジイソシアネ トウレタンプレポリマー(市販品としては、 例えば共栄社化学株式会社製 UA306I)、ジペン タエリスリトールペンタアクリレートヘキサ メチレンジイソシアネートウレタンプレポリ マー(市販品としては、例えば共栄社化学株 会社製 UA-510H)等を挙げることができる。

 また、上記「3つ以上の反応基を有する付 加重合性化合物」は、1種類のみ用いてもよ し、2種類以上を組み合わせて用いてもよい

 下地組成物における上記「3つ以上の反応 基を有する付加重合性化合物」の含有量は特 に限定されるものではないが、下地組成物全 量に対して1重量%以上60重量%以下であること 好ましく、5重量%以上50重量%以下であるこ が特に好ましい。

 上記付加重合性化合物の含有量を増やせ 、上記付加重合性化合物のバルキー構造に り、下地組成物の金属(M2)イオンを固定する 効果や、金属(M2)イオンを還元する効果は高 なるが、下地組成物において、酸性基を有 る付加重合性化合物と、塩基性基を有する 加重合性化合物と、親水性官能基を有する 加重合化合物とが占める割合が減少し、こ らの化合物が示す効果は低くなる。そのた 、下地組成物における上記「3つ以上の反応 を有する付加重合性化合物」の含有量は、 記範囲であることが望ましい。

 上記「酸性基を有する付加重合性化合物 における酸性基は、金属イオンを塩の形態 保持できるものである限り特に制限される のではない。例えば、フェノール基、安息 酸基、ベンゼンスルホン酸基、カルボキシ 基、スルホン酸基、水酸基、フタル酸基、 リチル酸基、アセチルサリチル酸基等、を げることができる。

 本発明者は、今回、強酸性の酸性基が特 金属イオンの担持性に優れ、金属膜を製造 る上で非常に有効であることを見出した。 たがって、上記酸性基は、強酸性の酸性基 あることが好ましい。このような強酸性の 性基としては、金属イオンの担持性に優れ ことから、カルボキシル基、スルホン酸基 フェノール基、安息香酸基、フタル酸基、 リチル酸基、アセチルサリチル酸基および ンゼンスルホン酸基からなる群より選ばれ 1以上の官能基を含むことが特に好ましい。

 上記「酸性基を有する付加重合性化合物 における酸性基のうち、少なくとも一つは 子末端に位置することが必要である。上記 分子末端」とは、主鎖の末端であっても側 の末端であってもよい。本発明の金属塩生 工程においては、上記化合物の分子末端に 置するフリーの酸性基に金属(M1)イオンがト ラップされることが必要であるため、上記酸 性基は、少なくとも一つは分子末端に位置す ることが必要となる。分子末端に位置する酸 性基は、付加重合後も酸性基として分子中に 存在するので、後の金属塩生成工程において 、金属(M1)イオンを含有する水溶液で処理す ことによって、金属(M1)塩を形成する。

 分子末端以外の位置に存在する酸性基は エステルの形態を有していてもよい。すな ち、「酸性基を有する付加重合性化合物」 、分子末端以外であれば、上記酸性基のエ テル基を有していてもよい。そのようなエ テル基を構成する基としては、エステル結 が加水分解されうるものであれば特に制限 れるものではない。

 例えば、メチル基、エチル基、n-プロピ 基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチ ル基、sec-ブチル基、t-ブチル基等のような直 鎖または分岐状のアルキル基、フェニル基の ような1価芳香族炭化水素基、イソボニル基 アダマンチル基のような1価脂環族炭化水素 、パーフルオロメチル基、パーフルオロエ ル基、パーフルオロ-n-プロピル基、パーフ オロイソプロピル基、パーフルオロ-n-ブチ 基、パーフルオロイソブチル基、パーフル ロ-sec-ブチル基、パーフルオロ-t-ブチル基 のような直鎖または分岐状のパーフルオロ ルキル基、エチレンオキシド基、プロピレ オキシド基等のようなエーテル基等が挙げ れる。なお、「酸性基を有する付加重合性 合物」の分子中における上記酸性基または のエステル基の数は特に制限されるもので ない。

 上記「酸性基を有する付加重合性化合物 としては、例えば、以下の一般式(2)または( 3)で表される化合物を挙げることができる。

 R1-R2-R3-COOH・・・(2)
 R1-R2-R3-SO 3 H・・・(3)
 (一般式(2)および(3)において、R1はアクリロ ル基、メタクリロイル基、アクリルアミド 、ビニル基およびアリル基からなる群より ばれる付加重合性反応基、R2は例えばエス ル基、アルキル基、アミド基、エチレンオ シド基、プロピレンオキサイド基などを含 任意の構造、R3は、例えばフェニル基もしく はシクロヘキシル基等の環構造を有する官能 基、または、アルキル基などの直鎖構造もし くはアルキレン基などの分岐構造を有する官 能基である。)
 より具体的には、(メタ)アクリル酸、ビニ ベンゼンカルボン酸、ビニル酢酸、ビニル ルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、マ イン酸、フマル酸、これらのエステル、フ ル酸基を有するアクリルエステル、サリチ 酸基を有するアクリルエステル、アセチル リチル酸基を有するアクリルエステル、ビ ルフェノール等が挙げられる。また、上記 酸性基を有する付加重合性化合物」は、1種 のみ用いてもよいし、2種類以上を組み合わ せて用いてもよい。

 下地組成物における上記「酸性基を有す 付加重合性化合物」の含有量は特に限定さ るものではないが、下地組成物全量に対し 10重量%以上90重量%以下であることが好まし 、20重量%以上80重量%以下であることが特に ましい。

 上記「酸性基を有する付加重合性化合物 の含有量を増やせば、下地組成物の金属イ ン担持性は向上するが、3つ以上の反応基を 有する付加重合化合物と、塩基性基を有する 付加重合性化合物と、親水性官能基を有する 付加重合化合物の含有量とが減少し、それら の効果は小さくなる。そのため、上記「酸性 基を有する付加重合性化合物」の含有量は、 上記範囲であることが望ましい。

 「塩基性基を有する付加重合性化合物」 は、1分子中に1個以上の塩基性基を有する 加重合性化合物をいう。

 本発明者は、後述する実施例に示すよう 、上記下地組成物に「塩基性基を有する付 重合性化合物」を含有させることにより、 発明に係る製造方法によって製造された金 膜の導電性が著しく向上することを見出し 。

 このことから、上記「塩基性基を有する 加重合性化合物」は、有機膜への金属(M1)イ オンの担持性を向上させる効果を奏するもの と考えられ、下地組成物と金属(M1)イオンを 有する水溶液とのなじみを向上させること よって、下地組成物表面と上記水溶液との 応を促進することにより、金属(M1)イオンの 持性向上に寄与しているものと考えられる

 したがって、上記「塩基性基を有する付 重合性化合物」を下地組成物に加えること よって、得られる金属膜に求められる導電 に応じて、抵抗値を制御することが可能と る。

 上記塩基性基としては、特に限定される のではなく、酸性基への金属(M1)イオンの担 持性を向上させることができる塩基性基であ ればよい。例えば、1~3級アミノ基、第4級ア モニウム塩基、ピリジル基、モルホリノ基 アニリノ基、イミダゾール基、第4級ピリジ ウム塩基などを挙げることができる。中で 、付加重合性を阻害しにくいため、アミノ 、ピリジル基、モルホリノ基、アニリノ基 らなる群より選ばれる1以上の官能基である ことが好ましい。

 上記「塩基性基を有する付加重合性化合 」としては、例えば、以下の一般式(4)で表 れる化合物を挙げることができる。

 R1-R2-R3・・・(4)
 (式中、R1はアクリロイル基、メタクリロイ 基、アクリルアミド基、ビニル基およびア ル基からなる群より選ばれる付加重合性反 基、R2は例えばエステル基、アルキル基、 ミド基、エチレンオキシド基、プロピレン キサイド基などを含む任意の構造、R3は塩基 性基)
 上記「塩基性基を有する付加重合性化合物 として、より具体的には、ジメチルアミノ チルメタクリレート、ジエチルアミノエチ メタクリレート、N-アクリロイルモルホリ 、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-(3-ジメチ アミノプロピル)メタクリルアミド等を挙げ ことができる。

 下地組成物における上記「塩基性基を有 る付加重合性化合物」の含有量は特に限定 れるものではないが、下地組成物全量に対 て1重量%以上80重量%以下であることが好ま く、1重量%以上50重量%以下であることが特に 好ましい。

 上記「親水性官能基」とは、水溶液がな みやすい官能基を意味する。上記「親水性 能基」としては、エチレンオキシド基、プ ピレンオキシド基、アセタール基、ヒドロ シル基、エーテル基などを用いることがで る。中でも、有機膜の親水性を向上させる 力に優れるため、エチレンオキシド基、プ ピレンオキシド基が特に好ましく用いられ 上記親水性官能基は、エチレンオキシド基 よび/またはプロピレンオキシド基を含むこ とが好ましい。

 上記「親水性官能基を有する付加重合性 合物」としては、例えば、以下の一般式(5) 表される化合物を挙げることができる。

 R1-R2-R1・・・(5)
 (R1はアクリロイル基、メタクリロイル基、 クリルアミド基、ビニル基およびアリル基 らなる群より選ばれる付加重合性反応基、R 2は例えばエチレンオキシド基、プロピレン キシド基、アセタール基、ヒドロキシル基 エーテル基からなる群より選ばれる親水性 能基を表す。)
 より具体的には、例えば、ポリエチレング コールジアクリレート、ポリプロピレング コールジアクリレート、グリセリンジアク レート、ポリテトラメチレングリコールジ クリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリ ートなどが挙げられる。また、上記「親水 官能基を有する付加重合性化合物」は、1種 のみ用いてもよいし、2種類以上を組み合わ せて用いてもよい。

 下地組成物における上記「親水性官能基 有する付加重合性化合物」の含有量は特に 定されるものではないが、下地組成物全量 対して1重量%以上80重量%以下であることが ましく、5重量%以上50重量%以下であることが 特に好ましい。

 上記「親水性官能基を有する付加重合性 合物」の含有量を増やせば、有機膜の親水 を向上させる効果は高くなるが、3つ以上の 反応基を有する付加重合化合物、酸性基を有 する付加重合性化合物、および塩基性基を有 する付加重合性化合物の含有量が減少し、そ れらの効果は小さくなる。そのため、下地組 成物における上記「親水性官能基を有する付 加重合性化合物」の含有量は上記範囲である ことが望ましい。

 このように、上記下地組成物は、少なく も、3つ以上の反応基を有する付加重合性化 合物と、酸性基を有する付加重合性化合物と 、親水性官能基を有する付加重合化合物と、 を含有し、好ましくは塩基性基を有する付加 重合性化合物をも含有する。そのため、スパ ッタリング法とは異なり湿式処理を行うこと ができ、めっき浴で金属(M2)を処理できるた 、金属(M2)イオンの担持性に優れている。

 よって、インジウム、亜鉛およびスズか なる群より選ばれる1以上の金属の他、金、 銀、銅、ニッケル、白金、コバルト、鉄など の金属膜を均一性良く、高い密着性で固定す ることができ、タッチパネル、スイッチおよ び太陽電池パネル等に用いられる透明導電膜 をはじめ、半導体、液晶表示パネル、高周波 用途をはじめとする各種電子部品、アンテナ およびセンサー等の分野で使用される電極、 微細配線回路、反応膜、保護膜等としての金 属膜および金属配線パターンの形成等に好適 に利用することができる。

 また、枯渇問題が叫ばれているインジウ を効率よく固定可能であり、かつ回収も容 であるため、インジウムの使用効率向上に 与することができ、資源の有効利用にも寄 することができる。

 上記下地組成物は、3つ以上の反応基を有 する付加重合性化合物と、酸性基を有する付 加重合性化合物と、親水性官能基を有する付 加重合化合物と、を少なくとも含有していれ ばよく、これらの化合物を従来公知の方法を 用いて適宜混合することによって調製するこ とができる。また、必要に応じて、塩基性基 を有する付加重合性化合物をさらに適宜混合 して調製することができる。

 上記下地組成物は、上記化合物以外に、 合開始剤を含有することが好ましい。重合 始剤としては下地組成物を重合できるもの あれば特に限定されるものではない。例え 、光重合開始剤および熱重合開始剤等のラ カル重合開始剤、カチオン重合開始剤およ アニオン重合開始剤等のイオン重合開始剤 を挙げることができる。中でも、ラジカル 合開始剤が好ましく用いられ、熱を使わな ため耐熱性の低い基板にも適用可能である いう観点から、特に光重合開始剤が好まし 用いられる。

 光重合開始剤としては、特に限定される のではないが、例えば、2-ヒドロキシ-2-メ ル-1-フェニル-プロペン-1-オン、2-メチル-1- 4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノプ ペン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジ フェニル-フォスフィンオキサイド、トリフ ニルスルホニルトリフレート等を挙げるこ ができる。

 熱重合開始剤としては、特に限定される のではないが、例えば、クメンハイドロパ オキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサ ド、過酸化ベンゾイル、DBU、エチレンジア ン、N,N-ジメチルベンジルアミン等を挙げる とができる。なお、これらの重合開始剤は 単独もしくは、適宜組み合わせて使用する とができる。

 重合開始剤の含有量は、下地組成物全量 対して0.05~10重量%であり、好ましくは0.1~8重 量%である。

 上記下地組成物は、既に述べた、3つ以上 の反応基を有する付加重合性化合物、酸性基 を有する付加重合性化合物、塩基性基を有す る付加重合性化合物、親水性基を有する付加 重合性化合物以外の付加重合性化合物(以下 「他の付加重合性化合物」という)を含有し いてもよい。上記他の付加重合性化合物は 酸性基またはそのエステル基を有さず、か 重合不飽和結合、特に重合性二重結合を1分 子あたり1個有する化合物である。例えば、 チレン、ビニルシクロヘキサン等を挙げる とができる。上記他の付加重合性化合物の 有量は、下地組成物全量に対して50重量%以 であることが好ましく、30重量%以下である とがより好ましい。

 上記下地組成物には、さらに有機溶剤を 有させてもよい。有機溶剤を含有させるこ によって、基板またはフィルムへの塗布性 向上する。有機溶剤としては特に限定され ものではないが、プロピレングリコールモ メチルエーテルアセテート、プロピレング コールモノメチルエーテル、シクロヘキサ ン、酢酸ブチル等を用いることができる。 機溶剤の含有量は下地組成物全量に対して8 0重量%以下であることが好ましく、30重量%以 であることがより好ましい。

 基板またはフィルムは任意のものが使用 能である。上記基板またはフィルムとして 、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ ーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレ ト、エポキシ樹脂からなる基板またはフィ ム、例えばガラス基板、石英、ニオブ酸リ ウム、タンタル酸リチウム、ホウ珪酸ガラ 、PZT,PLZT等が挙げられる。

 上記下地組成物を、基板またはフィルム に塗布する方法としては、特に限定される のではなく、任意の塗布方法を用いること できる。例えば、インクジェット、スクリ ン印刷、スピンコート、スプレーコート、 漬等の方法を挙げることができる。

 下地組成物の塗布厚としては特に限定さ るものではなく、例えば、重合後において 機膜の厚みが後述の範囲内となるような範 が適当である。

 重合は、例えば、重合開始剤、あるいは 射線や電子線、紫外線、電磁線などの活性 エネルギー線などを用いて行うことができ 。例えば、光重合開始剤を使用している場 は、当該光重合開始剤が吸収することによ てラジカルを生成できる波長の光、例えば 外線を、基板またはフィルムの塗布面側か 照射するとよい。

 また、例えば、熱重合開始剤を使用する 合には、当該熱重合開始剤が分解してラジ ルを生成できる温度、例えば50~150℃まで加 する。

 上記重合によって、基板またはフィルム に有機膜が形成される。得られる有機膜の 厚は、本発明の目的が達成される限り特に 限されるものではなく、例えば0.1~1000μm、 に10~500μmが好適である。

 本発明に係る製造方法では、上述の下地 成物を用いるため、湿式処理が可能であり メッキ浴によって金属(M2)を固定することが できる。よって、有機膜形成工程において、 フォトリソグラフィー法を用いずに金属配線 パターンを有機膜に直接形成することができ る。そのため、非常に簡便に金属配線パター ンを有機膜に直接形成することができ、非常 に安価に金属配線を提供することができる。

 一方、スパッタリング法を用いて金属膜 成膜する場合は、金属膜のパターン形成は ォトリソグラフィー法によって行う必要が る。しかしながら、係る方法は、高額な設 を必要とするため、低コストで金属配線パ ーンを得ることはできない。

 なお、フォトリソグラフィー法とは、ウ ハー表面に感光性樹脂(フォトレジスト)を 布し、回路パターンが形成されたフォトマ クを重ねて光を照射し、回路図を転写後、 像をおこなってレジストパターンを形成す 方法のことをいう。

 フォトリソグラフィー法を用いずに有機 に金属配線パターン等の形状を付与する方 としては、特に限定されるものではないが 例えば、インクジェット、スクリーン印刷 ナノインプリント法を挙げることができる

 ここで、ナノインプリント法とは、金型 刻み込んだ寸法が数十nm~数百μmの凹凸を、 板上に塗布した樹脂材料に押し付けて形状 転写する方法をいう。

 本発明においては、有機膜形成工程にお て、印刷やナノインプリント法等の方法に って、フォトリソグラフィー法を用いずに 上記下地組成物に所望のパターンを転写し 当該下地組成物を重合させることにより、 該有機膜に所望のパターンを形成すること できる。その後、金属塩生成工程、金属固 工程、還元工程を経ることによって、所望 パターンを備えた金属膜を得ることができ 。

 なお、フォトリソグラフィー法によって 望のパターンが形成された金属膜を得るこ ももちろん可能である。例えば、マスクを いて紫外線照射により上記下地組成物を重 させ、その後未反応モノマー領域を除去す ことによって、マスクに対応するパターン 状を有する有機膜を形成可能である。そし 、得られた有機膜を後述の工程に供するこ により、三次元のパターン形状を有する金 膜を形成することができる。なお、未反応 ノマー領域は、塩酸、硝酸、硫酸等の強酸 よって除去することができる。

 (1-2.金属塩生成工程)
 金属塩生成工程は、上記有機膜を、金属(M1) イオンを含有する水溶液で処理することによ って、上記酸性基を金属(M1)塩にする工程で る。上記処理は、例えば、金属(M1)イオンを 有する水溶液に、有機膜を形成した基板ま はフィルムを浸漬することや、金属(M1)イオ ンを含有する水溶液を、有機膜を形成した基 板またはフィルムに塗布すること等によって 容易に実施可能である。

 金属(M1)イオンは、後述する金属固定工程 において金属膜形成用の金属(M2)イオンとカ オン交換可能な金属イオンである。すなわ 、金属(M1)イオンは、金属(M2)イオンよりもイ オン化傾向が高い金属イオンである。金属(M1 )イオンは、金属(M2)イオンとカチオン交換可 な金属イオンであれば特に限定されるもの はない。例えば、アルカリ金属イオンやア カリ土類金属イオンを挙げることができる 中でも、上記カチオン交換の容易さの観点 ら、金属(M1)イオンは、アルカリ金属イオン であることが好ましく、カリウムイオンまた はナトリウムイオンであることがより好まし い。

 なお、本明細書において、「イオン化傾 」とは、金属が水と接するとき金属イオン( 陽イオン)になる傾向のことであり、金属イ ンのイオン化傾向の高さは、金属から当該 属イオンになる傾向の高さに基づくもので る。

 金属(M1)イオンを含有する水溶液としては 、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム 等の水溶液が挙げられる。そのような水溶液 における金属(M1)イオンの濃度は、酸性基の 属塩が生成する限り特に制限されないが、 発明においては0.1~10M、好ましくは1~8Mのよう な比較的低濃度であっても効率よく酸性基の 金属塩を生成することができる。なお、本発 明は2種類以上の金属(M1)イオンを使用するこ を妨げるものではなく、その場合には金属( M1)イオンの合計濃度が上記範囲内であること が好ましい。

 上記有機膜を、金属(M1)イオンを含有する水 溶液で処理することによって、有機膜が有す る酸性基の水素イオンが金属(M1)イオンに置 される。具体的には、有機膜が有する例え 、-COOHまたは-SO 3 Hのような酸性基の水素イオンは直接的に金 (M1)イオンに置換され、例えば-COOM1または-SO 3 M1等のような酸性基金属塩が生成する。なお M1は金属(M1)イオンの金属原子を示す(以下、 同様とする)。

 処理条件は酸性基の金属塩が生成する限 特に制限されるものではなく、処理温度は 常は0~80℃、好ましくは20~50℃である。処理 間(浸漬時間)は、通常は1~30分間、好ましく 2~20分間である。

 上記酸性基を有する付加重合性化合物が ステル基を有している場合も、上述の場合 同様に、上記有機膜を金属(M1)イオンを含有 する水溶液で処理することによって、上記酸 性基を金属(M1)塩にすることができる。また 有機膜を酸水溶液で処理することによって ステル結合を加水分解し、酸性基を生成後 当該酸性基を金属(M1)イオンを含有する水溶 で処理することによって、上記酸性基を金 (M1)塩にすることも可能である。

 上記「酸水溶液」としては、例えば塩酸 硫酸、硝酸または酢酸などの水溶液を使用 き、酸水溶液での処理は、例えば、酸水溶 に、有機膜が形成された基板またはフィル を浸漬することによって容易に実施可能で る。酸の濃度は、例えば、0.1~10M、好ましく は0.5~5Mである。処理温度は、例えば、0~80℃ 好ましくは20~50℃である。酸水溶液への処理 時間(浸漬時間)は例えば1~30分間、好ましくは 5~20分間である。

 また、上記酸性基の金属(M1)イオンを含有 する水溶液による処理は、酸性基が生成され た基板またはフィルムを当該水溶液に浸漬す ることや、当該水溶液を、酸性基が生成され た基板またはフィルムを当該水溶液に塗布す ること等によって容易に実施可能である。処 理温度は例えば、0~80℃、好ましくは20~50℃で あり、処理時間(浸漬時間)は、通常は1~30分間 、好ましくは5~20分間である。

 このように、金属塩生成工程においては 酸性基の水素イオンが金属(M1)イオンに置換 されるが、有機膜の構成成分として、上記塩 基性基を有する付加重合性化合物が含まれて いると、有機膜への金属(M1)イオンの担持性 さらに向上させることができる。これは、 記付加重合性化合物によって、下地組成物 表面と金属(M1)イオンを含有する水溶液のな みが向上し、下地組成物と上記水溶液との 応性が上がることによると考えられる。

 (1-3.金属固定工程)
 金属固定工程は、上記金属(M1)イオンを含有 する水溶液で処理した有機膜を、上記金属(M1 )イオンよりもイオン化傾向の低い金属(M2)イ ンを含有する金属(M2)イオン水溶液で処理す ることによって、上記酸性基の金属(M1)塩を 金属(M2)塩とする工程である。

 金属固定工程は、例えば、金属(M2)イオン を含有する金属(M2)イオン水溶液に、上記金 (M1)イオンを含有する水溶液で処理した有機 が形成された基板またはフィルムを浸漬す ことや、金属(M2)イオンを含有する金属(M2) オン水溶液を上記金属(M1)イオンを含有する 溶液で処理した有機膜が形成された基板ま はフィルムに塗布することによって容易に 施可能である。

 金属(M2)イオンは、金属(M1)イオンよりも オン化傾向が低いので、有機膜が有する酸 基の金属(M1)塩は、容易に金属(M2)イオンとカ チオン交換され、有機膜に金属(M2)イオンが 入・固定される。

 金属(M2)としては、特に限定されるもので はなく、上記カチオン交換が可能な金属であ ればよいが、本発明に係る方法は、スパッタ リング法による金属膜の成膜の代替法として 好適な方法である。

 ただし、これらに限られるものではなく 金、銀、銅、パラジウム、スズ、ニッケル 白金、コバルトまたは鉄なども、金属(M2)と して用いることができる。

 金属(M2)イオン水溶液としては、特に限定 されるものではないが、例えば塩化インジウ ム、硝酸インジウム、酢酸インジウム、硫酸 インジウム、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、酢 スズ、硫酸スズ、スズ酸ナトリウム、塩化 鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、炭酸 鉛、塩化金(III)、塩化金(I)、塩化金酸、酢 金、硝酸銀、酢酸銀、炭酸銀、塩化銀、硝 銅、硫酸銅、酢酸銅、炭酸銅、塩化銅、塩 パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジ ム、硫酸パラジウム、trans-ジアミンジクロ 白金、塩化コバルト、硝酸コバルト、硫酸 バルト、酢酸コバルト、塩化鉄(II)、塩化鉄( III)、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、塩 化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、 酢酸ニッケル、等の水溶液を挙げることがで きる。

 上記水溶液における金属(M2)イオンの濃度 は、カチオン交換が達成される限り特に限定 されるものではないが、例えば、5~500mMであ ことが好ましく、30~250mMであることが特に好 ましい。

 処理温度は、カチオン交換が達成される り特に限定されるものではないが、例えば0 ~80℃、好ましくは20~50℃である。処理時間(浸 漬時間)は、カチオン交換が達成される限り に限定されるものではないが、例えば1~30分 、好ましくは5~20分間である。また、本発明 は2種類以上の金属(M2)イオンを使用すること 妨げるものではなく、2種類以上の金属(M2) オンを使用する場合には、金属(M2)イオンの 計濃度が上記範囲内であればよい。

 一実施形態において、上記金属(M2)イオン 水溶液は、アルカリ金属および/またはアル リ土類金属のイオンを含むことが好ましい 上述のように、金属(M2)イオンと金属(M1)イオ ンとのイオン化傾向の差を利用して、金属(M2 )イオンの有機膜への固定を促進することが きる。アルカリ金属および/またはアルカリ 類金属は非常に高いイオン化傾向を持つこ から、本工程において、上記金属(M2)イオン 水溶液にアルカリ金属および/またはアルカ 土類金属のイオンを含ませることにより、 属(M2)イオン水溶液中の金属(M2)イオンとのイ オン化傾向の差によって、イオン交換をより 一層促進することができる。よって、金属(M2 )をより効率的に有機膜に固定することがで る。

 特に、インジウム、亜鉛およびスズから る群より選ばれる1以上の金属はスパッタリ ング法では、均一性良く固定することが困難 であったが、本発明に係る製造方法によって 、高いイオン化傾向を持つアルカリ金属およ び/またはアルカリ土類金属のイオンと、金 (M1)イオンとの併存によって、インジウム等 イオンとして存在する割合を低減させるこ ができ、有機膜への固定を促進することが きるものと推測される。

 上記アルカリ金属とアルカリ土類金属と 、それぞれを単独で用いてもよいし、両者 併用してもよいが、イオン化傾向は高いほ 好ましいので、アルカリ金属を単独で用い ことがより好ましい。アルカリ金属、アル リ土類金属の種類としては特に限定される のではないが、イオン化傾向が高く、安価 容易に使用できるという観点から、ナトリ ム、カリウムがより好ましい。

 上記アルカリ金属および/またはアルカリ 土類金属の使用量としては、上記金属(M2)イ ン水溶液との相溶性が得られる限り、特に 定されるものではない。例えば、金属(M2)と てインジウムを、アルカリ金属および/また はアルカリ土類金属としてナトリウムを用い る場合、インジウムイオン水溶液に対し、ナ トリウム単体として、インジウムとナトリウ ムのモル比を1:1で用いることが好ましい。

 上記アルカリ金属および/またはアルカリ 土類金属は、上記金属(M2)イオン水溶液に、 溶液中で電離可能な塩として添加してもよ 。例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウ などを用いることができる。また、例えば 酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のよう 、アルカリ金属および/またはアルカリ土類 属を含有する水溶液として添加してもよい

 一実施形態において、上記金属(M2)イオン 水溶液は、ポリオールを含むことが好ましい 。成膜を効率化するため、金属(M2)イオン水 液の金属(M2)イオン濃度をできるだけ高濃度 することが好ましいが、金属(M2)イオンの比 重が大きい場合、高濃度にすると沈殿しやす くなる。しかし、ポリオールの添加によって 、上述のように、金属(M2)イオンは沈殿を起 しにくくなるので、金属(M2)イオンと金属(M1) イオンとのカチオン交換をより円滑に行うこ とができるようになり、金属(M2)イオンの有 膜への固定を促進することができる。

 また、通常、金属(M2)イオンと溶媒との間 に相溶性があっても金属(M2)が沈殿する場合 効率よくカチオン交換を行うためには、溶 を攪拌することが好ましい。しかしながら 金属(M2)イオン水溶液にポリオールを含ませ ことにより、攪拌しなくても効率よくカチ ン交換を進行させることが可能となる。そ ため、作業効率向上の観点からも非常に有 である。

 上記ポリオールに含まれるアルコール性 酸基の数としては特に限定されるものでは く、1分子中に2個以上あればよい。上記ポ オールとしては、例えばグリセリン、ポリ チレングリコール、ソルビトール等を用い ことができる。中でも、増粘性に優れ、金 (M2)イオンの沈殿防止効果が高く、金イオン 有機膜への固定促進効果が優れていること ら、グリセリンが特に好ましく用いられる

 上記ポリオールの使用量としては、金属 オン水溶液との相溶性という理由から、上 金属(M2)イオン水溶液に対して10~80重量%であ ることが好ましく、上記金属(M2)イオン水溶 に当該濃度になるように混合すればよい。

 (1-3.還元工程)
 還元工程は、上記金属(M2)イオンを還元して 上記有機膜表面に金属膜を形成する工程であ る。すなわち、金属固定工程で有機膜に導入 された金属(M2)イオンを還元することによっ 、当該イオンの金属原子を有機膜表面に析 させ、所定の金属膜を形成する工程である

 還元方法としては、例えば、(1)アスコル ン酸、アスコルビン酸ナトリウム、水素化 ウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、 リメチルアミンボラン、クエン酸、クエン ナトリウム、タンニン酸、ジボラン、ヒド ジン、ホルムアルデヒド、水素化リチウム ルミニウム(2)(1)の化合物の誘導体、および( 3)亜硫酸塩、次亜リン酸塩からなる群より選 れる1以上の還元剤、並びに/または、(4)紫 線、熱、プラズマ、水素からなる群より選 れる1以上の還元手段を用いて行う方法等を げることができる。

 上記誘導体としては、特に限定されるも ではない。また、上記(3)亜硫酸塩、次亜リ 酸塩は特に限定されるものではない。

 例えば還元剤を用いる方法においては、 機膜表面を還元剤と接触させることにより 上記金属(M2)イオンを還元することができる 。還元剤は通常、水溶液の形態で使用され、 還元剤の水溶液に、有機膜を有する基板また はフィルムを浸漬することによって還元を容 易に達成することができる。

 還元剤水溶液における還元剤の濃度は特 限定されるものではないが、還元剤の濃度 低すぎる場合には、還元反応の速度が遅く りすぎる傾向があり、還元剤濃度が高すぎ 場合には析出した金属の脱落が生じる場合 あって好ましくない。

 したがって、還元剤の濃度は1~500mMである ことが好ましく、5~100mMであることがより好 しい。還元時の処理温度は特に限定される のではないが、例えば還元剤の水溶液の温 が0~80℃であることが好ましく、20~50℃であ ことがより好ましい。また、処理時間(浸漬 間)は特に限定されるものではないが、例え ば、1~30分間であることが好ましく、5~20分間 あることがより好ましい。

 また、一実施形態において、上記還元工 は、上記還元剤とともに、アルコールおよ /または界面活性剤を用いることが好ましい 。これによって、水溶性の還元剤を下地組成 物になじみやすくすることができるので、さ らに効率よく還元を行うことができる。

 上記アルコールとしては、還元剤の水溶 に溶解し、かつ、金属膜および金属配線パ ーン形成用下地組成物になじみやすい性質 持つことが必要であるため、両親媒性であ ことが必要である。両親媒性であれば、鎖 アルコール、脂環式アルコール、芳香族ア コールのいずれであってもよい。例えば、 タノール、メタノール、プロパノール、ブ ノール、等の低級な1価鎖式アルコール、エ チレングリコールなどの多価アルコール、ベ ンジルアルコール等の芳香族アルコール等を 用いることができる。

 また、界面活性剤としては、陽イオン界 活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活 剤、非イオン性界面活性剤のいずれであっ もよい。

 陽イオン界面活性剤としては、例えば、 ルキルアミン塩、アミド結合アミン塩、エ テル結合アミン塩などのアミン塩;アルキル アンモニウム塩、アミド結合アンモニウム塩 、エステル結合アンモニウム塩、エーテル結 合アンモニウム塩などの第四級アンモニウム 塩;アルキルピリジニウム塩、アミド結合ピ ジニウム塩、エーテル結合ピリジニウム塩 どのピリジニウム塩;等を用いることができ 。

 陰イオン界面活性剤としては、セッケン 硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルスル ン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、ア キルナフタレンスルホン酸塩等を用いるこ ができる。

 また、非イオン性界面活性剤としては、 ルキルアリルエーテル型、アルキルエーテ 型、アルキルアミン型などの酸化エチレン 界面活性剤;グリセリン脂肪酸エステル、ソ ルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリ コール脂肪酸エステルなどの多価アルコール 脂肪酸エステル系界面活性剤;ポリエチレン ミン系界面活性剤;脂肪酸アルキロールアミ 系界面活性剤などを用いることができる。

 両性界面活性剤としては、陽イオン界面 性剤と陰イオン界面活性剤とを組み合わせ もの、陽イオン界面活性剤または陰イオン 面活性剤と非イオン性界面活性剤とを組み わせたもの等を用いることができる。

 アルコールと界面活性剤とは、それぞれ 独で用いてもよいし、両者を組み合わせて いてもよい。また、用いるアルコールの種 、界面活性剤の種類は、1種類であっても、 2種類以上であってもよい。

 アルコールおよび/または界面活性剤は、 基板またはフィルムを浸漬する前に、還元剤 の水溶液に添加しておけばよい。アルコール および/または界面活性剤の添加量は、金属 オン水溶液との相溶性という理由から、10~60 重量%であることが好ましい。また、上記ア コールおよび/または界面活性剤は、下地樹 組成物とともに基板またはフィルム上に塗 してもよい。この場合、上記アルコールお び/または界面活性剤の使用量は、金属イオ ン水溶液との相溶性という理由から、0.01~10 量%であることが好ましい。

 また、紫外線を用いて還元を行う方法に いては、有機膜表面に対して紫外線を照射 ればよい。例えば、セン特殊光源株式会社 UV照射装置PL16-110を用いる場合は、照射時間 を10~150分間、特に60~90分間とすることが好ま い。そのような方法によって還元を行う場 は、マスクを用いて紫外線照射することに って、マスクに対応するパターン形状を有 る金属膜を形成することができる。したが て、比較的複雑な金属パターンであっても 簡便に形成可能である。パターン部以外の 域は、例えば、1%硝酸水溶液等に浸漬する とによって除去できる。

 熱(加温)による還元方法においては、ホ トプレート、オーブンなどの加熱可能な装 を用いて金属(M2)イオンを還元すればよい。 温温度は150~300℃、加温時間は5~60分間とす ことが好ましい。

 上記還元工程においては、還元剤と、紫 線、熱、プラズマ、水素からなる群より選 れる1以上の還元手段とを併用して還元を行 ってもよい。

 一実施形態において、上記還元工程にお て、上記(1)、(2)および(3)からなる群より選 れる1以上の還元剤を用いる場合は、アルカ リ金属および/またはアルカリ土類金属の存 下で上記金属(M2)イオンの還元を行うことが ましい。

 アルカリ金属および/またはアルカリ土類 金属は、本発明で用いる金属(M2)よりもイオ 化傾向がかなり大きいため、上記還元をア カリ金属および/またはアルカリ土類金属の 在下で行うことにより、金属固定工程で有 膜に固定された金属(M2)のイオン化を防ぎ、 溶出を防ぐことができる。

 つまり、金属固定工程で用いられるアル リ金属および/またはアルカリ土類金属は、 金属(M2)の有機膜への固定を促進する役割を たし、還元工程で用いられるアルカリ金属 よび/またはアルカリ土類金属は、有機膜に 定された金属(M2)の溶出を防ぎ、還元をより 確実に進行させる役割を果たす。

 上記アルカリ金属とアルカリ土類金属と 、それぞれを単独で用いてもよいし、両者 併用してもよいが、イオン化傾向は高いほ 好ましいので、アルカリ金属を単独で用い ことがより好ましい。アルカリ金属、アル リ土類金属の種類としては特に限定される のではないが、イオン化傾向が高く、安価 容易に使用できるという観点から、ナトリ ム、カリウムがより好ましい。

 上記アルカリ金属および/またはアルカリ 土類金属の使用量としては、上記金属(M2)イ ン水溶液との相溶性が得られる限り、特に 定されるものではない。例えば、金属(M2)と て金を、アルカリ金属および/またはアルカ リ土類金属としてナトリウムを用いる場合、 インジウムイオン水溶液に対し、ナトリウム 単体として、インジウムとナトリウムのモル 比を1:1程度で用いることが好ましい。

 上記アルカリ金属および/またはアルカリ 土類金属は、上記還元剤の水溶液に、水溶液 中で電離可能な塩として添加してもよい。例 えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなど を用いることができる。また、例えば水酸化 カリウム、水酸化ナトリウム等のように、ア ルカリ金属および/またはアルカリ土類金属 含有する水溶液として、上記還元剤の水溶 に添加してもよい。

 また、紫外線、熱、プラズマ、水素から る群より選ばれる1以上の還元手段によって 還元するときは、アルカリ金属および/また アルカリ土類金属の塩の水溶液、または、 ルカリ金属および/またはアルカリ土類金属 含有する水溶液を調製し、金属(M2)を固定し た有機膜が形成された基板またはフィルムを 当該水溶液に浸漬した後、紫外線照射等の処 理を行えばよい。

 還元を完了した後は、基板またはフィル を通常洗浄し、乾燥する。洗浄は水洗であ てもよいが、余分な金属イオンを確実に除 するため、硫酸水溶液により洗浄すること 好ましい。乾燥は室温での放置によって達 してもよいが、得られた金属膜の酸化を防 する観点から、窒素雰囲気下で行うことが ましい。また、本発明において上記した各 程または処理間では、基板またはフィルム 水洗を行うことが好ましい。

 以上のような工程を経て、本発明に係る 造方法によって得られる金属膜の厚みは、 に限定されるものではなく、例えば10~500nm 特に20~200nmの範囲内で制御可能である。なお 、金属膜の厚みは、例えばKOH濃度、温度、時 間の他、金属イオン濃度、温度、時間、およ び還元剤濃度、温度、時間などを変えること によって、制御することが可能であり、断面 観察、例えばTEM(株式会社日立ハイテクノロ ーズ社製)によって測定可能である。

 (1-4.酸化工程)
 酸化工程は、還元工程を経て形成された金 膜を酸化する工程である。当該工程によっ 、金属膜に透明性を付与することができる

 本発明においては、上記金属膜が粒子状 膜となる。その結果、比較的低温で高効率 金属膜を酸化することができるため、製造 程を簡略化することができる。例えば、後 する実施例では金属膜を140℃で加温するこ によって酸化を行っている。

 なお、スパッタリング法で成膜した場合 、高温(150~500℃程度)で処理する必要がある このように、低温酸化が可能であるという においても、本発明はスパッタリング法に る成膜法よりも優れているといえる。

 酸化を行う方法は、特に限定されるもの はないが、金属膜に紫外線、プラズマもし は赤外線を照射すること、または、金属膜 加温することによって行われることが好ま い。

 紫外線照射による酸化は、酸素存在下で 照度の条件で行うことが好ましく、プラズ 照射による酸化は酸素存在下の条件で行う とが好ましく、赤外線照射による酸化は酸 存在下の条件で行うことが好ましい。また 加温による酸化は酸素存在下の条件で行う とが好ましい。

 上記酸化によって、金属酸化物が形成さ 、金属膜の透明性を向上させることができ 。したがって、得られる金属膜は、特にタ チパネル用透明電極等に好適に用いること できる。

 本発明に係る製造方法は、下地組成物が ルキー構造および優れたイオン担持性を有 ること、金属(M1)イオンと金属(M2)イオンと カチオン交換性に優れること、固定された 属(M2)イオンの溶出を防ぐことができること から、インジウム、亜鉛およびスズからな 群より選ばれる1以上の金属等の種々の金属 について、金属イオンを有機膜に十分に固定 することができ、その結果、面内均一性がよ く、基板に十分に密着した金属膜を簡便に製 造することができる。

 本発明に係る製造方法によって製造され 金属膜は、タッチパネル、スイッチ、太陽 池用透明電極、半導体、液晶表示パネル、 周波用途をはじめとする電気機器、電子機 、各種電子部品に適用することができる。 た、アンテナおよびセンサー等の分野で使 される電極、微細配線回路、反応膜、保護 等としての金属膜および金属配線パターン 形成に有用である。また、本発明によって SPRまたはSAWセンサー用の金属膜の形成が可 である。

 上記電気機器、電子機器、電子部品、セ サー、電極、微細配線回路、反応膜、保護 等は、従来公知の方法によって製造するこ ができ、印刷またはナノインプリント法等 用い、微細形状を付与しながら製造するこ もできる。

 なお、本発明は以上説示した各構成に限 されるものではなく、特許請求の範囲に示 た範囲内で種々の変更が可能であり、異な 実施形態にそれぞれ開示された技術的手段 適宜組み合わせて得られる実施形態につい も本発明の技術的範囲に含まれる。

 (下地組成物の調製と有機膜の形成)
 下地組成物として、表1に示す化合物を合計 100重量%となるように混合した薬液を作製し スライドガラス上に当該薬液をスピンコー 法によって塗布した。次に、紫外線照射装 (セン特殊光源株式会社製、PL16-110)を用いて 上記スライドガラス上に20分間紫外線を照 し、スライドガラス上に有機膜A~Iを形成し 。

 3つ以上の反応基を有する付加重合性化合 物としては、ペンタエリスリトールトリアク リレート(商品名:PE-3A、共栄社化学株式会社 )を用いた。

 酸性基を有する付加重合性化合物として 、2-アクリロイロキシエチル-フタル酸(商品 名:HOA-MPL、共栄社化学株式会社製)、2-アクリ イロキシエチルヘキサヒドロフタル酸(商品 名:HOA-HH、共栄社化学株式会社製)、または2- クリロイロキシエチルコハク酸(商品名:HOA-MS 、共栄社化学株式会社製)を用いた。

 塩基性基を有する付加重合性化合物とし は、ジメチルアミノエチルメタクリレート( 商品名:DM、共栄社化学株式会社製)、N-(3-ジメ チルアミノプロピル)メタクリルアミド(和光 薬工業製)、またはN-アクリロイルモルホリ (和光純薬工業製)を用いた。

 親水性官能基を有する付加重合化合物と ては、ジエチレングリコールジメタクリレ ト(商品名:2EG、共栄社化学株式会社製)を用 た。

 重合反応開始剤としては、イルガキュア1 173(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式 社製)を用いた。

 〔実施例1~7、比較例1~3〕
 (金属膜の形成、導電性の確認)
 有機膜A~Iが形成されたスライドガラスを下 の工程に供することによって、金属膜を得 。
(1)40℃、5Mの水酸化カリウム水溶液に浸漬し 10分間保持する。
(2)蒸留水中で十分に洗浄する。
(3)表1に記載した金属イオン水溶液(室温)に浸 漬し、15分間保持する。表1に示す金属イオン 水溶液において、「InCl 3 」は100mM塩化インジウム水溶液と100mM酢酸ナ リウム水溶液を体積比1:1で混合したもので り、「InCl 3 +SnCl 2 」は100mM塩化インジウム水溶液と100mM SnCl 2 水溶液を体積比9:1で配合したものである。
(4)蒸留水中で十分に洗浄する。
(5)30℃、100mMの水素化ホウ素ナトリウム水溶 に浸漬し、5分間保持して金属イオンを還元 る。
(6)蒸留水中で十分に洗浄する。
(7)窒素雰囲気下で乾燥する。

 これによって、金属光沢を示す金属膜(膜厚 100nm程度)が得られた。
(8)当該金属膜が形成されたスライドガラスを 、オーブンにて140℃で5時間保持する。これ よって、透明な酸化金属膜が得られた。表1 おける「酸化後透過率(%) λ600nm」とは、金 膜が形成されたスライドガラスの波長600nm おける透過率を表し、分光色変角色差計GC500 0(日本電色工業製)によって測定した。

 図1は、インジウム膜を固定したスライド ガラスの外観を示すものであり、(a)は、酸化 工程に供する前、(b)は酸化工程に供した後の 外観を示している。

 なお、本実施例では基板としてスライド ラスを用いているが、使用可能な基板はス イドガラスに限られるものではない。

 また、紫外線で還元する際は、(5)の段階 紫外線照射装置を用いて、30分間紫外線を 射すればよい。熱還元をする際には、耐熱 の高い基板を用いた方が好ましく、例えば ラス基板を用いる場合には、有機膜形成前 あらかじめ、例えばKBM5103(信越化学工業株式 会社製)のようなシランカップリング剤で、 ラス基板表面を改質した後、有機膜を形成 る。そして、(5)の段階で、200℃に保持した ーブンに入れ、10分間保持すればよい。

 導電性の可否は、抵抗率計(三菱化学製、 ロレスタGP)を用いて表面抵抗率を測定し、1k /□以上100kω/□未満を◎、100kω/□以上500kω/ 未満を○、500kω/□以上1Mω/□未満を△、1Mω /□以上を×とした。

 表1の比較例1~3に示したように、下地組成 物としてアクリル酸のみを用いた場合、2-ア リロイルオキシエチルフタル酸のみを用い 場合、ジメチルアミノエチルメタクリレー 、ペンタエリスリトールトリアクリレート よびジエチレングリコールジメタクリレー を用いた場合は、成膜後、酸化後ともに導 性は得られなかった。

 実施例1に示すように、下地組成物として 2-アクリロイルオキシエチルフタル酸、ペン エリスリトールトリアクリレートおよびジ チレングリコールジメタクリレートを用い ことにより、酸化後の金属膜は十分な導電 を示し、透明となった。これは、ペンタエ スリトールトリアクリレートのバルキー構 と、ジエチレングリコールジメタクリレー の親水効果によって、インジウムと下地組 物との反応性が向上したためであると考え れる。

 実施例2,3に示すように、2-アクリロイル キシエチルフタル酸の一部を、塩基性基を する付加重合性化合物に置換すると、実施 1の場合よりも金属膜の導電性が向上する傾 が見られた。

 実施例4~7は、酸性基を有する付加重合性化 物または塩基性基を有する付加重合性化合 の種類を変更した場合にも、金属膜が導電 を示し、かつ透明になることを示したもの ある。
〔実施例8〕
 実施例2および3で用いた下地組成物を塗布 たガラス基板上に、紫外線照射装置(セン特 光源株式会社製、PL16-110)を用いて、紫外線 20mW/cmで2400秒照射して上記下地組成物を硬 させた。次に、上記ガラス基板を8MのKOH中に 40℃で10分間保持し、水で洗浄した後、25℃の 100mMのZnCl 2 水溶液に15分間保持し、その後蒸留水で上記 板を洗浄した。続いて、上記基板を25mMNa 2 CO 3 と25mMNaHCO 3 を体積比6:4で混合した50℃の水溶液中に15分 保持した。その結果、5Mω/□、透過率40%の乳 白色の酸化亜鉛膜(膜厚100nm程度)が得られた

 〔実施例9〕
 実施例2で用いた有機膜Bを使用して、金属 生成工程の条件検討を行った。

 有機膜Bが形成されたスライドガラスを下記 の工程に供することによって、金属膜を得た 。
(1)表2に示すように、40℃、5Mの水酸化カリウ 水溶液に浸漬し、10分間保持する実験区、40 ℃、5Mの水酸化カリウム水溶液に浸漬し、5分 間保持する実験区、40℃、5Mの水酸化カリウ 水溶液に浸漬し、2分間保持する実験区、30 、5Mの水酸化カリウム水溶液に浸漬し、10分 保持する実験区を作った。
(2)(1)に記す時間が経過した後、蒸留水中で十 分に洗浄する。
(3)25℃の100mM InCl 3 水溶液に浸漬し、15分間保持する。
(4)蒸留水中で十分に洗浄する。
(5)30℃、50mMの水素化ホウ素ナトリウム水溶液 に浸漬し、5分間保持してインジウムイオン 還元する。
(6)蒸留水中で十分に洗浄する。
(7)窒素雰囲気下で乾燥する。
(8)当該金属膜が形成されたスライドガラスを 、オーブンにて140℃で5時間保持する。

 結果を表2に示した。導電性の可否は、抵 抗率計(三菱化学製、ロレスタGP)を用いて表 抵抗率を測定し、1kω/□以上100kω/□未満を 、100kω/□以上500kω/□未満を○、500kω/□以 1Mω/□未満を△、1Mω/□以上を×とした。

 表2より分かるように、KOH処理温度および 処理時間によって、導電性および膜厚が変化 することが確認された。すなわち、本発明に 係る方法では、金属塩生成工程における処理 条件を調整することによって、導電性を調整 可能であり、金属膜の抵抗値を低抵抗から高 抵抗まで容易に調整可能であることが分かっ た。スパッタリング法を用いて成膜する方法 では、このような抵抗値の調整は困難である 。

 この結果から、本発明に係る方法は、高 導電性を持つ膜の作製のみならず、アナロ 型のタッチパネル等において求められる高 気抵抗の透明導電膜の作製にも適している 言える。さらに、上述のように、塩基性基 有する付加重合性化合物の使用によっても 電性の調整が可能である。このように、本 明に係る方法は、用途に応じて、金属膜の 抗値を容易にコントロールすることが可能 ある。

 以上のように、本発明に係る金属膜の製 方法は、3つ以上の反応基を有する付加重合 性化合物と、酸性基を有する付加重合性化合 物と、親水性官能基を有する付加重合化合物 と、を含有する下地組成物を、基板またはフ ィルム上に塗布し、重合して、有機膜を形成 する有機膜形成工程と、上記有機膜を、金属 (M1)イオンを含有する水溶液で処理すること よって、上記酸性基を金属(M1)塩にする金属 生成工程と、上記金属(M1)イオンを含有する 水溶液で処理した有機膜を、上記金属(M1)イ ンよりもイオン化傾向の低い金属(M2)イオン 含有する金属(M2)イオン水溶液で処理するこ とによって、上記酸性基の金属(M1)塩を、金 (M2)塩とする金属固定工程と、上記金属(M2)イ オンを還元して上記有機膜表面に金属膜を形 成する還元工程と、上記金属膜を酸化する酸 化工程と、を含む構成である。

 それゆえ、基板に均一に金属(M2)を成膜す ることが可能であり、透明導電膜の大口径化 を容易に行うことができ、金属(M2)の使用効 をスパッタリング法に比べて大幅に向上さ ることができるという効果を奏する。

 発明の詳細な説明の項においてなされた 体的な実施形態または実施例は、あくまで 、本発明の技術内容を明らかにするもので って、そのような具体例にのみ限定して狭 に解釈されるべきものではなく、本発明の 神と次に記載する請求の範囲内において、 ろいろと変更して実施することができるも である。

 本発明に係る金属膜の製造方法は、有機 への種々の金属の固定および還元を効率よ 行うことができるので、触媒を用いること く、膜厚数十nm~数百nmの、優れた導電性、 内均一性および密着性を有する透明な金属 (金属薄膜)を、安価に提供することができる 。さらに、金属塩生成工程における条件を調 整することや、塩基性基を有する付加重合性 化合物の使用によって、金属膜の抵抗値を制 御することも可能である。それゆえ、タッチ パネル、スイッチ、太陽電池用透明電極、半 導体、液晶表示パネル、高周波用途をはじめ とする電気機器、電子機器、各種電子部品等 に広く応用することが可能であり、各種電子 産業に幅広く利用することが可能である。