山崎 英数 (〒93 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士フイルム株式会社内 Kanagawa, 2500193, JP)
ITO, Koju (210 Nakanuma, Minami-ashigara-sh, Kanagawa 93, 2500193, JP)
富士フイルム株式会社 (〒20 東京都港区西麻布2丁目26番30号 Tokyo, 1068620, JP)
YAMAZAKI, Hidekazu (210 Nakanuma, Minami-ashigara-sh, Kanagawa 93, 2500193, JP)
山崎 英数 (〒93 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士フイルム株式会社内 Kanagawa, 2500193, JP)
| 支持体上に、有機溶媒、高分子化合物、及び前記高分子化合物に対して0.01重量%以上50重量%以下の可塑剤を含む液をキャストし、キャスト膜を形成するキャスト工程と、 結露により、前記キャスト膜上に水滴を形成する水滴形成工程と、 前記水滴を成長させ、かつ前記キャスト膜に含まれる前記有機溶媒を蒸発させる水滴成長工程と、 前記水滴成長工程の後に、前記水滴を前記キャスト膜から蒸発させる水滴蒸発工程と、 を備える多孔フイルムの製造方法。 |
| 前記高分子化合物として、セルローストリアセテートまたは、セルロースアセテートプロピオネートを含む請求の範囲第1項記載の多孔フイルムの製造方法。 |
| 前記可塑剤として、リン酸エステル系化合物とフタル酸エステル系化合物とグリコール酸エステル系化合物とのうちいずれか1つを含む請求の範囲第2項記載の多孔フイルムの製造方法。 |
| 前記水滴形成工程では、前記キャスト膜との相対速度が0.02m/秒以上2m/秒以下の加湿空気を、前記キャスト膜にあてる請求の範囲第3項記載の多孔フイルムの製造方法。 |
| 前記キャスト膜の周辺の雰囲気の露点TDから前記キャスト膜の表面温度TSを減じた値をδTとするとき、3℃≦δT≦15℃の条件下で前記水滴形成工程を行う請求の範囲第4項記載の多孔フイルムの製造方法。 |
| 前記支持体が前記キャスト膜中の前記高分子化合物と同じ高分子化合物を含み、 前記支持体と前記水滴蒸発工程を経て孔が形成された多孔層との複層構造とする請求の範囲第5項記載の多孔フイルムの製造方法。 |
| 前記水滴蒸発工程を経た前記キャスト膜を多孔フイルムとして前記支持体から剥ぎ取る請求の範囲第5項記載の多孔フイルムの製造方法。 |
| 径が0.1μm以上30μm以下の穴を表面に備え、 高分子化合物と前記高分子化合物に対して0.01重量%以上50重量%以下の可塑剤とを含む多孔フイルム。 |
| 前記高分子化合物として、セルローストリアセテートまたは、セルロースアセテートプロピオネートを含む請求の範囲第8項記載の多孔フイルム。 |
| 前記可塑剤として、リン酸エステル系化合物とフタル酸エステル系化合物とグリコール酸エステル系化合物とのうちいずれか1つを含む請求の範囲第9項記載の多孔フイルム。 |
| 前記穴の径が0.1μm以上1μm以下である請求の範囲第10項記載の多孔フイルム。 |
| 径が0.1μm以上30μm以下の穴を表面に備え、高分子化合物とこの高分子化合物に対して0.01重量%以上50重量%以下の可塑剤とを含む多孔フイルムと、 前記多孔フイルムの片面に設けられ、前記多孔フイルム中の前記高分子化合物と同じ高分子化合物を含む膜とを備える複合材料。 |
本発明は、微細なパターンを有する多孔 イルムの製造方法、及び多孔フイルム、複 材料に関するものである。
今日、光学分野や電子分野では、集積度 向上や情報量の高密度化、画像情報の高精 化といった要求がますます大きくなってい 。そのため、それら分野に用いられるフイ ムに対しては、より微細な構造(微細パター ン構造)を形成すること(微細パターニング)が 強く求められている。また、再生医療分野の 研究においては、表面に微細な構造を有する 膜が、細胞培養の場となる材料として有効で ある。
このような微細パターンを有するフイル (以下、多孔フイルムと称する)に機能性微 子を含有させたものは光学材料及び電子材 として用いられる。例えば、偏光板に用い れる多孔フイルムとして、モスアイ構造を する反射防止機能を発現する多孔フイルム ある。この多孔フイルムは、サブミクロン~ 十ミクロンサイズの規則正しい微細パター が形成されている。その形成方法の中でも 流であるのは、光リソグラフィを中心とし マイクロ加工技術を用いた版を作成し、そ 版の構造をフイルムに転写する方法である
フイルムの微細パターニングには、前述し
方法の他、所定のポリマー溶液を支持体上
キャストして、支持体上のキャスト膜に加
空気をあてて、キャスト膜上に水滴を形成
、キャスト膜に含まれる溶媒及び水滴の順
乾燥させる方法がある(例えば、特許文献1
照)。このような方法で製造される多孔フイ
ムは、その微細パターンの形成挙動から自
組織化膜とも称される。
ところで、通常、ポリマーフイルムに柔 性を付与するために、ポリマー溶液の添加 として可塑剤が用いられることは周知であ 。しかしながら、キャスト膜における可塑 の存在は、キャスト膜上で多数の水滴が互 に均一なサイズで規則的に配列したように きることを阻害するため、特許文献1に記載 されるような方法を行う際、ポリマー溶液に 添加剤を添加することができなかった。具体 的には、可塑剤があると、発生初期の極微小 な水滴である核が多く発生しすぎたり、水滴 核が成長しすぎて水滴のサイズが所望の大き さを超えてしまい、これにより、複数の水滴 がひとつに合わさって、孔径が不均一となっ たり、孔がフイルムの厚み方向にランダムに 並んだいわゆる多孔構造の積層化がみられる ようになったり、孔がつぶれてフイルムが変 形しまうという問題がある。したがって、特 許文献1に記載される方法から得られる多孔 イルムは、非常に脆く、取り扱いが非常に 難であることから、用いられる分野が限ら ていた。
本発明の目的は、柔軟性に富み、取り扱 が容易な多孔フイルムの製造方法、並びに この方法によって得られる多孔フイルム及 複合材料を提供することにある。
本発明の多孔フイルムの製造方法は、支 体上に、有機溶媒、高分子化合物、及び前 高分子化合物に対して0.01重量%以上50重量% 下の可塑剤を含む液をキャストし、キャス 膜を形成するキャスト工程と、結露により 前記キャスト膜上に水滴を形成する水滴形 工程と、前記水滴を成長させ、かつ前記キ スト膜に含まれる前記有機溶媒を蒸発させ 水滴成長工程と、前記水滴成長工程の後に 前記水滴を前記キャスト膜から蒸発させる 滴蒸発工程と、を備えることを特徴とする
前記高分子化合物として、セルロースト アセテートまたは、セルロースアセテート ロピオネートを含むことが好ましい。また 前記可塑剤として、リン酸エステル系化合 とフタル酸エステル系化合物とグリコール エステル系化合物とのうちいずれか1つを含 むことが好ましい。
前記水滴形成工程では、前記キャスト膜 の相対速度が0.02m/秒以上2m/秒以下の加湿空 を、前記キャスト膜にあてることが好まし 。また、前記キャスト膜の周辺の雰囲気の 点TDから前記キャスト膜の表面温度TSを減じ た値をδTとするとき、3℃≦δT≦15℃の条件下 で前記水滴形成工程を行うことが好ましい。
前記支持体が前記高分子化合物を含み、 記水滴蒸発工程を経た前記キャスト膜及び 記支持体を多孔フイルムとすることが好ま い。また、前記水滴蒸発工程を経た前記キ スト膜を多孔フイルムとして前記支持体か 剥ぎ取ることが好ましい。
本発明の多孔フイルムは、径が0.1μm以上3 0μm以下の穴を表面に備え、高分子化合物と 記高分子化合物に対して0.01重量%以上50重量% 以下の可塑剤とを含むことを特徴とする。
前記高分子化合物として、セルロースト アセテートまたは、セルロースアセテート ロピオネートを含むことが好ましい。また 前記可塑剤として、リン酸エステル系化合 とフタル酸エステル系化合物とグリコール エステル系化合物とのうちいずれか1つを含 むことが好ましい。更に、前記穴の径が0.1μm 以上1μm以下であることが好ましい。
本発明の複合材料は、径が0.1μm以上30μm 下の穴を表面に備え、高分子化合物とこの 分子化合物に対して0.01重量%以上50重量%以下 の可塑剤とを含む多孔フイルムと、前記多孔 フイルムの片面に設けられ、前記多孔フイル ム中の前記高分子化合物と同じ高分子化合物 を含む膜とを備えることを特徴とする。
本発明の多孔フイルムの製造方法によれ 、走行する支持体上に、有機溶媒、高分子 合物、及び前記高分子化合物に対して0.01重 量%以上50重量%以下の可塑剤を含む液をキャ トし、キャスト膜を形成するため、柔軟性 富み、取り扱いが容易な多孔フイルム及び 孔フイルムを備える複合材料を製造するこ ができる。
10 フイルム製造工程
12 キャスト工程
13 水滴形成工程
14 水滴成長工程
15 水滴蒸発工程
17,33,34,127 多孔フイルム
21 支持体
22,126 キャスト膜
25 水滴
26 溶媒
27 水蒸気
41 フイルム製造設備
42 溶液
46~48 第1~第3エリア
61,63,64,71~74 送風吸気ユニット
125 ベースフイルム
144 複合材料
図1のように、フイルム製造工程10は、キ スト工程12と、水滴形成工程13と、水滴成長 工程14と、水滴蒸発工程15とを有する。キャ ト工程12では、高分子化合物、有機溶媒や可 塑剤等を含む溶液11を支持体21の上にキャス (流延)し、キャスト膜を形成する(図2の(a))。 キャスト方法は、静置した支持体上に溶液11 載せて塗り広げる方法と、走行する支持体 に溶液11を流延ダイから流出する方法とが り、本発明ではいずれの方法も用いること できる。前者は少ない生産量で多品種つく 場合、すなわち少量多品種生産の場合に一 には適し、後者は大量生産に一般には適す 。なお、後者の方法では、連続的に溶液11を 流出すると長尺の多孔フイルムをつくること ができるし、断続的に溶液11を流出、つまり 定の時間で流延ダイからの流出のオン・オ を繰り返すと、所定長さの多孔フイルムを 数枚連続して製造することができる。
図2の(a)及び(b)のように、水滴形成工程13 、結露により、キャスト工程12で形成した ャスト膜22上に水滴25を形成させる、いわゆ 核形成を目的とする。このとき生じた水滴2 5は、極めて小さく、肉眼で認めることがで ないような大きさである。次に、水滴成長 程14では、水滴25をゆっくり成長させる。こ 水滴成長工程14は、水滴形成工程13で発生し た極めて小さな水滴25を成長させること、い ゆる核成長を目的とする。この水滴25の成 過程の間と後との少なくともいずれか一方 、キャスト膜22に含まれている有機溶媒26を 発させる。図2の(c)に示すように、水滴25の 長や有機溶媒26の蒸発により、水滴25はキャ スト膜22の中に入り込む。なお、結露による 滴25に代えて、別の化合物の凝結体を用い もよい。
図2の(d)のように、水滴蒸発工程15では、 滴25の状態が所望の状態となったところで キャスト膜22中の水滴25を水蒸気27として蒸 させる。キャスト膜22の中に有機溶媒26が残 していた場合には、できるだけ多くの有機 媒26を蒸発させた後に水滴25を蒸発させるよ うな条件とする。水滴蒸発工程15を経たキャ ト膜22を、多孔フイルム17として支持体21か 剥ぎ取る。こうして、フイルム製造工程10( 1参照)により、溶液11から多孔フイルム17を ることができる。
図3のように、多孔フイルム17の表面には 孔31が形成される。孔31は、規則的に配列し 、その形状及び寸法は、略一定に形成される 。本発明に係る多孔フイルムの孔には、図4 び図5に示す孔31のように、多孔フイルム17の 両面を突き抜けるように形成される形態や、 図6及び図7に示す窪み33a,34aのように、多孔フ イルム33,34の片面側のみに形成される形態が まれる。また、孔31や窪み33a、34aによって 成される多孔フイルム17、33、34の表面の開 部の径を開口径AP1とし、孔31や窪み33a、34aの 径のうち最大のものを径AP2とすると、多孔フ イルム17、34のように、開口径AP1が、孔31や窪 み34aの径AP2よりも小さい場合、或いは、図6 多孔フイルム33のように、開口径AP1が、窪み 33aの径AP2と等しい場合があるが、本発明の多 孔フイルムは、いずれの形態であってもよい 。したがって、本発明の多孔フイルムには、 図3~図7に示す多孔フイルム17、33,34が含まれ 。
多孔フイルム33,34は、いずれも、窪み33a,3 4aのひとつひとつが独立して形成されている 、この態様に本発明は限定されない。例え 、本発明では、窪みが連なるように、つま 、隣り合う窪みの中心間距離Dが開孔径AP1ま たは径AP2よりも小さくされた多孔フイルム( 示なし)もつくることができる。孔31及び窪 33a,34aの配列は、フイルム製造工程10におけ 水滴の大きさ、水滴の形成分布の疎密の度 い、形成する液滴の種類、乾燥速度、溶液 固形分濃度、水滴成長工程における水滴成 度合いに対する有機溶媒26の蒸発のタイミン グ等によって異なるものとなる。
本発明により製造される多孔フイルム17,3 3,34の形態は特に限定されるものではないが 本発明は、例えば、厚みL1が0.05μm以上100μm 下の多孔フイルム17,33,34を製造する場合や、 孔31の径D1が0.05μm以上100μm以下、隣りあう孔3 1の中心間距離L2が0.1μm以上120μm以下であるよ うな多孔フイルム17を製造する場合に特に効 がある。また、開孔径AP1は、0.1μm以上30μm 下であることが好ましく、0.1μm以上20μm以下 であることがより好ましく、0.1μm以上1μm以 であることが更に好ましい。なお、開孔径AP 1が0.1μm以上1μm以下の場合は、反射防止機能 発現するため、多孔フイルムを反射防止フ ルムとして用いることができる。
以下、多孔フイルム17を製造する場合を 発明の一例として説明するが、多孔フイル 33,34を製造する場合もこれと基本的に同じで ある。したがって、多孔フイルム33,34の製造 法については、説明を略す。
(原料)
本実施形態においては、高分子化合物とし
セルロースアシレートを用いているが、本
明はセルロースアシレートに限定されるも
ではない。セルロースアシレートとしては
トリアセチルセルロース(TAC)が特に好まし
。そして、セルロースアシレートの中でも
セルロースの水酸基の水素原子に対するア
ル基の置換度が下記式(I)~(III)の全てを満足
るものがより好ましい。なお、以下の式(I)~(
III)において、A及びBは、セルロースの水酸基
の水素原子に対するアシル基の置換度を表わ
し、Aはアセチル基の置換度、またBは炭素原
数3~22のアシル基の置換度である。なお、TAC
を用いる場合には、その90重量%以上が0.1mm~4mm
の粒子であることが好ましい。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
セルロースを構成するβ-1,4結合している ルコース単位は、2位,3位及び6位に遊離の水 酸基を有している。セルロースアシレートは 、これらの水酸基の一部または全部を炭素数 2以上のアシル基によりエステル化した重合 (ポリマー)である。アシル置換度は、2位,3位 及び6位それぞれについて、セルロースの水 基がエステル化している割合(100%のエステル 化は置換度1である)を意味する。
全アシル置換度、すなわち、DS2+DS3+DS6は2. 00~3.00が好ましく、より好ましくは2.22~2.90で り、特に好ましくは2.40~2.88である。また、DS 6/(DS2+DS3+DS6)は0.28以上が好ましく、より好ま くは0.30以上、特に好ましくは0.31~0.34である ここで、DS2はグルコース単位の2位の水酸基 のアシル基による置換度(以下、「2位のアシ 置換度」とも言う)であり、DS3は3位の水酸 のアシル基による置換度(以下、「3位のアシ ル置換度」とも言う)であり、DS6は6位の水酸 のアシル基による置換度(以下、「6位のア ル置換度」とも言う)である。
セルロースアシレートに用いられるアシ 基は1種類だけでも良いし、あるいは2種類 上のアシル基が使用されていても良い。2種 以上のアシル基を用いるときには、その1つ がアセチル基であることが好ましい。2位,3位 及び6位の水酸基のアセチル基による置換度 総和をDSAとし、2位,3位及び6位の水酸基のア チル基以外のアシル基による置換度の総和 DSBとすると、DSA+DSBの値は、より好ましくは 2.22~2.90であり、特に好ましくは2.40~2.88である 。また、DSBは0.30以上であり、特に好ましく 0.7以上である。さらにDSBはその20%以上が6位 酸基の置換基であるが、より好ましくは25% 上が6位水酸基の置換基であり、30%以上がさ らに好ましく、特には33%以上が6位水酸基の 換基であることが好ましい。さらに、6位の シル置換度が0.75以上であり、さらには0.80 上であり特には0.85以上であることが好まし 。これらのセルロースアシレートにより溶 性の好ましい溶液(ドープ)をつくることが き、特に非塩素系有機溶媒を使用して、良 なドープをつくることができる。また、粘 が低く、ろ過性の良い溶液が作製可能であ 。
セルロースアシレートの原料であるセル ースは、リンター,パルプのどちらから得ら れたものでも良い。
炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族 基でもアリール基でもよく、特に限定されな い。それらは、例えばセルロースのアルキル カルボニルエステル、アルケニルカルボニル エステルあるいは芳香族カルボニルエステル 、芳香族アルキルカルボニルエステルなどで あり、それぞれさらに置換された基を有して いても良い。これらの好ましい例としては、 プロピオニル、ブタノイル、ペンタノイル、 ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、 ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカ ノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイ ル、iso-ブタノイル、t-ブタノイル、シクロヘ キサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル 、ナフチルカルボニル、シンナモイル基など を挙げることができる。これらの中でも、プ ロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オ クタデカノイル、t-ブタノイル、オレオイル ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナ イルなどがより好ましく、特に好ましくは ロピオニル、ブタノイルである。なお、Bが プロピオニル基のものをCAP(セルロースアセ ートプロピオネート)と称し、Bがブチリル基 のものをCAB(セルロースアセテートブチレー )と称する。
セルロースアシレートとしてCAPまたはCAB 用いる場合には、上記式(III)は、1.25≦B≦3.0 であることが好ましく、1.3≦B≦2.97であるこ がより好ましく、1.4≦B≦2.97であることが も好ましい。
多孔フイルム17の主たる成分としての高 子化合物は、用途等に応じて決定すること できるが、その数平均分子量(Mn)が10,000~10,000 ,000であるものが好ましく、50,000~1,000,000であ ものがより好ましい。
なお、本発明におけるポリマーは、セル ースアシレートに限られない。本発明にお て用いられるセルロースアシレート以外の リマーとしては、ビニル重合ポリマ(例えば 、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ レン、ポリアクリレート、ポリメタクリレー ト、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルア ミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン 、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオ ロプロペン、ポリビニルエーテル、ポリビニ ルカルバゾール、ポリ酢酸ビニル、ポリテト ラフルオロエチレン等)、ポリエステル(例え 、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ ンナフタレート、ポリエチレンサクシネー 、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸等) 、ポリラクトン(例えばポリカプロラクトン ど)、ポリアミド又はポリイミド(例えば、ナ イロンやポリアミド酸など)、ポリウレタン ポリウレア、ポリブタジエン、ポリカーボ ート、ポリアロマティックス、ポリスルホ 、ポリエーテルスルホン、ポリシロキサン 導体、などが挙げられる。これらは、溶解 、光学的物性、電気的物性、強度、弾性等 観点から、ホモポリマであってもよいし、 ポリマやポリマブレンド、ポリマアロイと てもよい。
また、多孔フイルム17の原料または添加 として、両親媒性化合物を用いてもよい。 親媒性化合物は親水基と疎水基をもつ化合 である。
(両親媒性化合物)
両親媒性化合物の例としてはポリアクリル
ミドがある。その他の両親媒性化合物とし
は、ポリアクリルアミドを主鎖骨格とし、
油性側鎖としてドデシル基、親水性側鎖と
てカルボキシル基を併せ持つもの、ポリエ
レングリコール/ポリプロピレングリコール
ブロックコポリマー、などが挙げられる。親
油性側鎖は、アルキレン基、フェニレン基等
の非極性直鎖状基であり、エステル基、アミ
ド基等の連結基を除いて、末端まで極性基や
イオン性解離基などの親水性基を分岐しない
構造であることが好ましい。親油性側鎖は、
例えば、アルキレン基を用いる場合には5つ
上のメチレンユニットからなることが好ま
い。親水性側鎖は、アルキレン基等の連結
分を介して末端に極性基やイオン性解離基
又はオキシエチレン基などの親水性部分を
する構造であることが好ましい。
両親媒性化合物としては、市販される多 の界面活性剤のような単量体の他に、二量 や三量体等のオリゴマー、高分子化合物を いることができる。両親媒性化合物をセル ースアシレートと混合することにより、キ スト膜の露出面に水滴を形成しやすくなる また、セルロースアシレートに対する分散 態を制御することにより、水滴が形成され 位置をより容易に制御することができる。 ルロースアシレートと両親媒性化合物とを 合して用いる場合には、セルロースアシレ トの重量に対する両親媒性化合物の重量の 合は0.1%以上20%以下の範囲とすると、形成さ れる水滴の大きさが均一となりやすいので、 孔が均一であるフイルムを得やすくなる。セ ルロースアシレートの重量に対する両親媒性 化合物の重量の割合が0.1%未満であると、両 媒性化合物の添加効果がほとんどなく、形 される水滴が不安定で大きさが不均一とな 場合がある。一方、セルロースアシレート 重量に対して低分子である両親媒性化合物 重量の割合を20%よりも大きくすると、多孔 イルムの強度が下がることがある。
セルロースアシレートと混合される両親 性化合物については、(親水基の数):(疎水基 の数)が0.1:9.9~4.5:5.5であることが好ましい。 れにより、より細かな水滴をより密に、キ スト膜22の上に形成することができる。(親 基の数):(疎水基の数)が上記範囲に含まれな 場合には、孔の大きさが大きくばらつき、 体的には、{(孔の径の標準偏差)/(孔の平均 )}×100で示される孔径変動係数(単位;%)が10%以 上になる場合がある。また、(親水基の数):( 水基の数)が上記範囲に含まれない場合には 孔の配列の規則性が乱れる場合もある。
互いに異なる2種以上の両親媒性化合物を 用いると水滴の形成位置、水滴の大きさを制 御することができるので好ましい。また、セ ルロースアシレートについても、互いに異な る2種以上の化合物を用いることにより同様 効果を得ることができる。
(有機溶媒)
有機溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば
、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化
素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼ
、四塩化炭素、1-ブロモプロパンなど)、シ
ロヘキサン、ケトン(例えば、アセトン,メチ
ルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢
メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)及び
ーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチ
セロソルブなど)などが挙げられる。
なお、本発明において、有機溶媒は、上 化合物の単体だけでなく、上記化合物のう 数種類の溶媒からなる混合物でも良いし、 記化合物と単体又は混合物に、アルコール が添加されたものを用いてもよい。
ところで、最近、環境に対する影響を最 限に抑えることを目的に、ジクロロメタン 使用しない場合の有機溶媒組成についても 討が進み、この目的に対しては、炭素原子 が4~12のエーテル、炭素原子数が3~12のケト 、炭素原子数が3~12のエステル、1-ブロモプ パン等の臭素系炭化水素等が好ましく用い れる。これらは、互いに混合して用いられ こともある。例えば、酢酸メチル、アセト 、エタノール、n-ブタノールの混合有機溶媒 が挙げられる。これらのエーテル、ケトン、 エステル及びアルコールは、環状構造を有す るものであってもよい。また、エーテル、ケ トン、エステル及びアルコールの官能基(す わち、-O-,-CO-,-COO-及び-OH)のいずれかを2つ以 有する化合物も、溶媒として用いることが きる。
溶媒として互いに異なる2種以上の化合物 を用い、その割合を適宜代えて用いることに より、水滴25の形成速度、及び水滴25のキャ ト膜22への入り込み深さ等を制御することが できる。
(添加剤)
本発明の溶液には、用途に応じた種々の添
剤(例えば、剥離促進剤、可塑剤、紫外線防
止剤、劣化防止剤、微粒子、光学特性調整剤
など)を加えることができる。
(可塑剤)
本発明で好ましい可塑剤としては、リン酸
ステルまたはカルボン酸エステルが用いら
る。リン酸エステルの例には、トリフェニ
ホスフェート(TPP)およびトリクレジルホス
ェート(TCP)、クレジルジフェニルホスフェー
ト、オクチルジフェニルホスフェート、ジフ
ェニルビフェニルホスフェート(BDP)、トリオ
チルホスフェート、トリブチルホスフェー
が含まれる。カルボン酸エステルとしては
フタル酸エステルおよびクエン酸エステル
代表的である。フタル酸エステルの例には
ジメチルフタレート(DMP)、ジメトキシエチ
フタレート、ジエチルフタレート(DEP)、ジブ
チルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(
DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチ
ルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエ
ン酸エステルの例には、O-アセチルクエン酸
リエチル(OACTE)およびO-アセチルクエン酸ト
ブチル(OACTB)、クエン酸アセチルトリエチル
、クエン酸アセチルトリブチル、が含まれる
。
その他のカルボン酸エステルの例には、 レイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセ ル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリ ト酸エステルが含まれる。グリコール酸エ テルの例としては、トリアセチン、トリブ リン、ブチルフタリルブチルグリコレート エチルフタリルエチルグリコレート、メチ フタリルエチルグリコレート、ブチルフタ ルブチルグリコレート、メチルフタリルメ ルグリコレート、プロピルフタリルプロピ グリコレート、ブチルフタリルブチルグリ レート、オクチルフタリルオクチルグリコ ートなどがある。中でもトリフェニルフォ フェート、トリクレジルホスフェート、ク ジルジフェニルホスフェート、トリブチル スフェート、ジメチルフタレート、ジエチ フタレート、ジブチルフタレート、ジオク ルフタレート、ジエチルヘキシルフタレー 、トリアセチン、エチルフタリルエチルグ コレートが好ましい。特にトリフェニルフ スフェート、ジエチルフタレート、エチル タリルエチルグリコレートが好ましい。
また、可塑剤としてオリゴマーを用いる とができる。オリゴマーとしては、スチレ 系オリゴマーとアクリル系オリゴマー、ポ エステル系オリゴマーとが好ましい。スチ ン系オリゴマーとアクリル系オリゴマーと ては次の化1の(I)と(II)との各一般式で表さ る化合物がある。
化1の一般式(I)は、芳香族ビニル系単量体 から得られる構造単位である。当該芳香族ビ ニル系単量体の具体例としては、スチレン;α -メチルスチレン、β-メチルスチレン、p-メチ ルスチレンなどのアルキル置換スチレン類;4- クロロスチレン、4-ブロモスチレンなどのハ ゲン置換スチレン類;p-ヒドロキシスチレン α-メチル-p-ヒドロキシスチレン、2-メチル-4 -ヒドロキシスチレン、3,4-ジヒドロキシスチ ンなどのヒドロキシスチレン類;ビニルベン ジルアルコール類;p-メトキシスチレン、p-t- トキシスチレン、m-t-ブトキシスチレンなど アルコキシ置換スチレン類;3-ビニル安息香 、4-ビニル安息香酸などのビニル安息香酸 ;メチル-4-ビニルベンゾエート、エチル-4-ビ ルベンゾエートなどのビニル安息香酸エス ル類;4-ビニルベンジルアセテート;4-アセト シスチレン;2-ブチルアミドスチレン、4-メ ルアミドスチレン、p-スルホンアミドスチレ ンなどのアミドスチレン類;3-アミノスチレン 、4-アミノスチレン、2-イソプロペニルアニ ン、ビニルベンジルジメチルアミンなどの ミノスチレン類;3-ニトロスチレン、4-ニトロ スチレンなどのニトロスチレン類;3-シアノス チレン、4-シアノスチレンなどのシアノスチ ン類;ビニルフェニルアセトニトリル;フェ ルスチレンなどのアリールスチレン類、イ デン類などが挙げられるが、本発明はこれ の具体例に限定されるものではない。これ の単量体は、二種以上を共重合成分として いてもよい。これらのうち、工業的に入手 容易で、かつ安価な点で、スチレン、α-メ ルスチレンが好ましい。
化1の一般式(II)はアクリル酸エステル系 量体から得られる構造単位である。当該ア リル酸エステル系単量体の例としては、例 ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル アクリル酸プロピル(i-、n-)、アクリル酸ブ ル(n-、i-、s-、t-)、アクリル酸ペンチル(n-、i -、s-)、アクリル酸ヘキシル(n-、i-)、アクリ 酸ヘプチル(n-、i-)、アクリル酸オクチル(n- i-)、アクリル酸ノニル(n-、i-)、アクリル酸 リスチル(n-、i-)、アクリル酸(2-エチルヘキ ル)、アクリル酸(ε-カプロラクトン)、アク ル酸(2-ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2-ヒ ロキシプロピル)、アクリル酸(3-ヒドロキシ プロピル)、アクリル酸(4-ヒドロキシブチル) アクリル酸(2-ヒドロキシブチル)、アクリル 酸(2-メトキシエチル)、アクリル酸(2-エトキ エチル)アクリル酸フェニル、メタクリル酸 ェニル、アクリル酸(2または4-クロロフェニ ル)、メタクリル酸(2または4-クロロフェニル) 、アクリル酸(2または3または4-エトキシカル ニルフェニル)、メタクリル酸(2または3また は4-エトキシカルボニルフェニル)、アクリル 酸(oまたはmまたはp-トリル)、メタクリル酸(o たはmまたはp-トリル)、アクリル酸ベンジル 、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェネ チル、メタクリル酸フェネチル、アクリル酸 (2-ナフチル)、アクリル酸シクロヘキシル、 タクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸(4- チルシクロヘキシル)、メタクリル酸(4-メチ シクロヘキシル)、アクリル酸(4-エチルシク ロヘキシル)、メタクリル酸(4-エチルシクロ キシル)等、または上記アクリル酸エステル メタクリル酸エステルに変えたものを挙げ ことが出来るが、本発明はこれらの具体例 限定されるものではない。これらの単量体 、二種以上を共重合成分として用いてもよ 。これらのうち、工業的に入手が容易で、 つ安価な点で、アクリル酸メチル、アクリ 酸エチル、アクリル酸プロピル(i-、n-)、ア リル酸ブチル(n-、i-、s-、t-)、アクリル酸ペ ンチル(n-、i-、s-)、アクリル酸ヘキシル(n-、i -)、または上記アクリル酸エステルをメタク ル酸エステルに変えたものが好ましい。
本発明において、可塑剤としてポリマー 用いることができる。ポリエステル系ポリ ーとして用いられるポリエステル系樹脂と ては、ジカルボン酸(あるいはそのエステル 形成性誘導体)とジオール(あるいはそのエス ル形成性誘導体)および/またはヒドロキシ ルボン酸(あるいはそのエステル形成性誘導 )とを主原料として、縮合反応することによ り得られるものが挙げられる。
上記ジカルボン酸としては、テレフタル 、イソフタル酸、フタル酸、2,6-ナフタレン ジカルボン酸、ビス(p-カルボキシフェニル) タン、アントラセンジカルボン酸、4,4’-ジ ェニルエーテルジカルボン酸、4,4’-ビフェ ニルジカルボン酸、5-ナトリウムスルホイソ タル酸、などの芳香族ジカルボン酸、アジ ン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカ ジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3-シ クロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカ ルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導 体などが挙げられる。ジカルボン酸は2種類 上用いてもよい。
また、ジオールとしては炭素数2~20の脂肪 族グリコール、すなわち、エチレングリコー ル、トリメチレングリコール、1,4-ブタンジ ール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタ ジオール、1,6-ヘキサンジオール、デカメチ レングリコール、シクロヘキサンジメタノー ル、シクロヘキサンジオールなど、分子量400 ~6000の長鎖グリコール、すなわち、ポリエチ ングリコール、ポリトリメチレングリコー 、ポリテトラメチレングリコールなど、お びこれらのエステル形成性誘導体などが挙 られる。ジオールは2種類以上用いてもよい 。
これらの重合体ないしは共重合体の例と ては、ポリブチレンテレフタレート、ポリ チレン(テレフタレート/イソフタレート)、 リブチレン(テレフタレート/アジペート)、 リトリメチレンテレフタレート、ポリプロ レン(テレフタレート/イソフタレート)、ポ エチレンテレフタレート、ポリエチレン(テ レフタレート/イソフタレート)、ポリエチレ (テレフタレート/アジペート)、ビスフェノ ルA(テレフタレート/イソフタレート)、ポリ ブチレンナフタレート、ポリブチレン(テレ タレート/イソフタレート)、ポリプロピレン ナフタレート、ポリエチレンナフタレート、 ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレー ト、ポリシクロヘキサンジメチレン(テレフ レート/イソフタレート)ポリ(シクロヘキサ ジメチレン/エチレン)テレフタレート、ポリ (シクロヘキサンジメチレン/エチレン)(テレ タレート/イソフタレート)などが挙げられる 。
その他、芳香族オキシカルボニル単位、 香族ジオキシ単位、芳香族ジカルボニル単 、エチレンジオキシ単位などから選ばれた 造単位からなるサーモトロピック液晶性を す熱可塑性ポリエステル樹脂を使用するこ もできる。
ここでいう芳香族オキシカルボニル単位 しては、p-ヒドロキシ安息香酸、6-ヒドロキ シ-2-ナフトエ酸、4´-ヒドロキシジフェニル-4 -カルボン酸から生成した構造単位を、芳香 ジオキシ単位としては、4,4´-ジヒドロキシ フェニル、ハイドロキノン、t-ブチルハイド ロキノンから生成した構造単位を、芳香族ジ カルボニル単位としては、テレフタル酸、イ ソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸か 生成した構造単位を、芳香族イミノオキシ 位としては、例えば、4-アミノフェノールか ら生成した構造単位を例示することができる 。具体例としては、p-オキシ安息香酸/ポリエ チレンテレフタレート、p-オキシ安息香酸/6- キシ-2-ナフトエ酸などのサーモトロピック 晶性ポリエステルが挙げられる。
これらの可塑剤は1種でもよいし2種以上 用してもよい。得られる多孔フイルムの柔 性を高め、取り扱い性を向上させるため、 塑剤の添加量は、高分子化合物に対して0.01 量%以上50重量%以下であることが好ましく、 1重量%以上40重量%以下であることがより好ま く、1重量%以上30重量%以下であることが更 好ましい。可塑剤の添加量が、高分子化合 に対して0.01重量%未満では、可塑剤の添加の 効果が得られず、多孔フイルムが硬くなり、 割れや破断などが起こりやすくなり、容易に 取り扱うことが困難になる。一方、可塑剤の 添加量が高分子化合物に対して50重量%を超え ると、ポリマーの特性が損なわれ、多孔フイ ルムに脆性が発現する、または軟膜化により 多孔フイルムの自己支持性が失われるなどの 問題により、取り扱い性が低下するため好ま しくない。
(溶液)
上記原料となる高分子化合物を有機溶媒に
解させたものを溶液11とする。溶液11に含ま
れる高分子化合物の量が、有機溶媒100重量部
に対し0.02重量部以上30重量部以下とすること
が好ましい。これにより、生産性良く高品質
の多孔フイルムを製造することができる。高
分子化合物の量が有機溶媒100重量部に対し0.0
2重量部未満であると、溶液における溶媒割
が大きすぎて蒸発に要する時間が長くなる
で、フイルムの生産性が悪くなり、一方、
分子化合物の量が有機溶媒100重量部に対し30
重量部を超えると、結露で発生した水滴がキ
ャスト膜中の溶液を変形できず、そのため不
均一な凹凸が形成された多孔フイルムになっ
てしまうことがある。
溶液11については、その粘度を高くする ど結露で発生した水滴の移動性が悪くなり 低くするほど水滴同士が結合して合体して まい、孔径が不均一になってしまう傾向が る。そして、この粘度を0.1mPa・s以上1000mPa・ s以下の範囲とすると、より均一な孔をもつ 孔フイルムを製造することができる。更に 粘度を、1mPa・s以上100mPa・s以下とすること 好ましい。溶液11の粘度が0.1mPa・s未満であ と、任意の水滴が連結してしまい、開口径AP 1や径AP2が不均一となってしまうことがあり 一方、溶液11の粘度が1000mPa・sよりも大きい 、水滴の配列が乱れてしまい規則性がなく ることがある。
溶液11は、フイルム製造設備41に送られる 前に、予めろ過されることが好ましい。これ により多孔フイルム17への異物混入を防止す ことができる。ろ過は複数回実施すること 好ましい。例えばろ過を2回実施するときに は、上流側のろ過装置(図示なし)には、多孔 イルム17の孔の径よりも大きな絶対ろ過精 (絶対ろ過孔径)をもつフィルタが備えられ、 下流側のろ過装置(図示なし)には、多孔フイ ム17の空隙よりも小さな絶対ろ過精度をも フィルタが備えられることが好ましい。
(多孔フイルム製造設備)
図8のように、多孔フイルム製造設備41は、
延室43を有する。キャスト工程12、水滴形成
工程13、水滴成長工程14、水滴蒸発工程15(い
れも図1参照)は、いずれも流延室43で実施さ
る。流延室43で気体となった有機溶媒は、
収装置(図示せず)で回収された後に、流延室
43の外に備えられる再生装置(図示せず)で再
されて再利用に供される。本実施形態では
キャスト工程12と水滴形成工程13(図1参照)と
行うための第1エリア46と、水滴成長工程14(
1参照)を行うための第2エリア47と、水滴蒸
工程15(図1参照)を行う第3エリア48とが区画さ
れた一体型の流延室43を用いているが、それ
れのエリアを独立させてもよい。ただし、
1エリア46と第2エリア47とは互いにできるだ
近くに設けられることが好ましい。以上の
うな第1エリア46~第3エリア48を経ることによ
り、キャスト膜22から、多孔フイルム17を得
ことができる。
支持体として用いるエンドレスバンド51 、流延室43に設けられるローラ52,53に掛け渡 れる。流延ダイ56は、第1エリア46内の、エ ドレスバンド51の上方に備えられる。ローラ 52,53のうち、少なくとも一方は図示しない駆 装置により回転する。ローラ52,53の回転に りエンドレスバンド51は、第1エリア46~第3エ ア48までを巡回走行する。ローラ52,53は、温 調機54と接続する。温調機54は、ローラ52,53の 温度を調整する。ローラ52,53の温度調整によ 、ローラ52,53に接触するエンドレスバンド51 の温度を所望の範囲に保持することができる 。
エンドレスバンド51は、熱伝導率kと厚みLと が、100W/(m 2 ・K)≦k/L≦100000W/(m 2 ・K)の条件を満たすものであることが好まし 。厚みLは0.05mm以上10mm以下であることが好 しい。これにより、より速く、より精緻な 度制御が可能になる。特に、キャスト膜22の 周辺空気の条件制御を瞬時に変化させられな い場合にはこのようなエンドレスバンド51が 効である。k/Lが100W/(m 2 ・K)よりも小さいと、熱伝導性が低いことか エンドレスバンド51の温度変化に対する応 性が悪くなり、結果的にキャスト膜22の温度 制御性に乏しくなり、開口径や径を所定の値 にすることができなくなってしまうことがあ り、100000W/(m 2 ・K)よりも大きいと、温調機54の伝熱ムラ、 まり温度制御精度のばらつきがキャスト膜22 に即座に伝わり、結果的に開口径や径が不規 則になってしまうことがある。
また、このエンドレスバンド51の上に、 らに第二の支持体としての平板部材もしく 可撓性のあるシート(フレキシブルシート)を 配し、この第2の支持体の上にキャスト膜を 成してもよい。一方、エンドレスバンド51に 代えて、平板部材やフレキシブルシートとし 、これらがそれぞれペルチェモジュールを備 えるものが好ましい。これらの平板部材やフ レキシブルシートを、温度制御可能であって 水平面をもつ部材上に配することにより、平 板部材毎あるいはフレキシブルシート毎に高 精度に温度を制御することができる。
流延ダイ56は、第1エリア46を通過するエ ドレスバンド51の上に、溶液11をキャストす 。エンドレスバンド51上にキャストされた 液11は、キャスト膜22となる。第1エリア46の ャスト膜22の走行路の上方には送風吸気ユ ット61が設けられる。送風吸気ユニット61は 加湿空気をキャスト膜22の近傍で流し出す 風口61aと、キャスト膜22の周辺気体を吸気す る吸気口61bとを有するとともに、送風系にお ける加湿空気の温度、露点、湿度、風速、吸 気系における吸引力を独立して制御する送風 コントローラ(図示せず)を備える。送風口61a は、塵埃度、つまり加湿空気の清浄度を保 ためのフィルタが備えられる。送風吸気ユ ット61はエンドレスバンド51の走行方向に複 数並べて設けられてもよい。
ここで、送風口61aから送り出される加湿空
の露点をTDとするとき、TD-TSで求められる値
をδTとする。δTが下記の式(1)を満たすように
、表面温度TSと露点TDとの少なくともいずれ
一方を制御する。なお、キャスト膜22の表面
温度TSは、例えば、市販される赤外式温度計
の非接触式温度測定手段をキャスト膜22の
傍に設けて測定することができる。δTが3℃
満であると、水滴が発生しにくい。一方、
Tが15℃よりも大きいと水滴が急激に発生し
しまい、水滴の大きさが不均一になってし
う、或いは、水滴が2次元、つまり平面に並
ずに3次元に重なってできてしまうことがあ
る。なお、第1エリア46においては、δTは大き
な値から小さい値に変化させることが好まし
い。これにより、水滴の発生速度や発生する
水滴の大きさをコントロールすることができ
、2次元、つまりキャスト膜22の面方向に径が
均一な水滴を形成することができる。
3℃≦δT≦15℃・・・(1)
第1エリア46においては、キャスト膜22の 面温度TSは、エンドレスバンド51と、このエ ドレスバンド51に対向して配された温度制 板(図示なし)とにより制御されるが、いずれ か一方により制御されてもよい。また、露点 TDについては、送風吸気ユニット61から出さ る加湿空気の条件を制御することにより制 される。
第2エリア47には、2つの送風吸気ユニット 63,64がキャスト膜22の走行路に沿って順に配 れる。上流側の送風吸気ユニット63は、第1 リア46の送風吸気ユニット61のすぐ下流側と れる。これは第1エリア46で形成された水滴 、一様に成長させるためである。第1エリア 46と第2エリア47とが互いに離れるほど、つま 水滴を形成してから第2エリア47に入るまで 時間が長くなるほど、成長し終えたときの 滴の大きさが不均一になってしまう。送風 気ユニットの数は、本実施形態の数、つま 2に限定されず、1または3以上であってもよ 。送風吸気ユニット63,64は、送風吸気ユニ ト61と同じものとしているがこれに限定され ない。
第2エリア47では、δTが下記の式(2)を満たす
うに、表面温度TSと露点TDとの少なくともい
ずれか一方を制御する。表面温度TSの制御は
主に温度制御板(図示なし)によりなされる
この温度制御板は、第1エリア46の温度制御
と基本的には同一の構造であり、エンドレ
バンド51の走行方向に沿って温度を変化させ
ることができる。また、露点TDの制御は送風
63aからの加湿空気の条件制御によりなされ
。なお、この第2エリア47においては、キャ
ト膜22の表面温度TSは、上記と同様な温度測
定手段をキャスト膜22の近傍に設けて測定す
ことができる。第2エリア47の条件をこのよ
に設定することにより、水滴をゆっくり成
させて毛管力により水滴の配列を促し、均
な水滴を密に形成することができる。δTが0
℃以下の場合には、水滴の成長が不十分で密
な状態に形成せず、孔の形状や大きさ及び多
孔フイルム17における孔の配列が不均一とな
ことがある。また、δTが10℃よりも大きい
、水滴が局所的に多層化、つまり三次元的
形成され、孔の形状や大きさ及び多孔フイ
ムにおける孔の配列が不均一となることが
る。
0℃<δT≦10℃・・・(2)
水滴を成長させている間に、できるだけ くの有機溶媒をキャスト膜22から蒸発させ ことが好ましい。第2エリア47における表面 度TSと露点TDとを上記範囲にすることにより 有機溶媒を十分に蒸発させるとともに、急 な蒸発を抑制することができる。また、水 を蒸発させずに有機溶媒だけを選択的に蒸 させることが好ましい。したがって、有機 媒としては、同温同圧下において水滴より 蒸発速度が速いものが好ましい。これによ 、有機溶媒の蒸発に伴い水滴がキャスト膜2 2の内部に入り込むことがより容易になる。
第3エリア48には、4つの送風吸気ユニット 71~74がキャスト膜22の走行路に沿って順に配 れる。送風吸気ユニットの数は、本実施形 の数、つまり4に限定されず、1以上3以下ま は5以上であってもよい。送風吸気ユニット7 1~74は、送風吸気ユニット61と同じものとして いるがこれに限定されない。
表面温度TSと露点TDとが下記の式(3)を満たす
ように、表面温度TSと露点TDとの少なくとも
ずれか一方を制御する。表面温度TSの制御は
、主に温度制御板(図示しない)によりなされ
。また、露点TD制御は送風口71aからの乾燥
気の条件制御によりなされる。なお、この
3エリア48においては、キャスト膜22の表面温
度TSは、上記と同様な温度測定手段をキャス
膜22の近傍に設けて測定することができる
第3エリア48の条件をこのように設定するこ
により、水滴の成長を止めて蒸発させるこ
ができる。TS≦TDとすると、水滴の上にさら
結露して、形成された多孔構造を破壊して
まうことがある。
TS>TD・・・(3)
第3エリア48では、水滴の蒸発を主たる目 としているが、第3エリア48に至るまでに蒸 しきれなかった溶媒も蒸発させてもよい。
第3エリア48における水滴蒸発工程15では 送風吸気ユニット71~74に代えて減圧乾燥装置 や、いわゆる2Dノズルを用いてもよい。減圧 燥を行うことで、有機溶媒と水滴との蒸発 度をそれぞれ調整することがより容易にな 。これにより、有機溶媒の蒸発と水滴の蒸 とをより良好にし、水滴をより良好にキャ ト膜22の内部に形成することができるので 前記水滴が存在する位置に、大きさ、形状 制御された孔31を形成することができる。な お、前記2Dノズルとは、風を出す給気ノズル 材と、キャスト膜22近傍の空気を吸い込む 気用ノズル部材とをもつものである。この2D ノズルとしては、キャスト膜22全幅に渡り、 一に給気と排気とを行えるものが好ましい なお、エンドレスバンド51の温度は、第1エ ア46から第3エリア48まで徐々に上昇させる とが好ましい。これにより、蒸発速度を制 して多孔構造を壊すことなく効率的に溶媒 蒸発させることができる。この温度上昇は 0.005℃/秒以上3℃/秒以下の範囲で実施するこ とが好ましい。
フイルム製造設備41は、剥取ローラ57を備 える。剥取ローラ57は、キャスト膜22を多孔 イルム17として、エンドレスバンド51から剥 取り、多孔フイルム17を次工程に案内する 次工程とは、例えば、多孔フイルム17に種々 の機能を施すための機能付与工程や、多孔フ イルム17をロール状に巻き取る巻取工程等で る。
本発明において、送風吸気ユニット61か の加湿空気の送風速度V1は、キャスト膜22の 動速度、つまりエンドレスバンド51の走行 度との相対速度である。送風速度V1が、0.02m/ 秒以上2m/秒以下の範囲であることが好ましく 、0.05m/秒以上1m/秒以下の範囲であることがよ り好ましい。前記送風速度V1が0.02m/秒未満で ると、水滴が細密に配列して形成されない ちに、キャスト膜22が第3エリア48に導入さ てしまうことがある。一方、前記送風速度V1 が2m/秒を超えると、キャスト膜22の露出面が れたり、結露が充分に進行しなかったりす おそれがある。また、加湿空気の風向及び 速は、エンドレスバンド51の幅方向にわた できるだけ一定であることが好ましい。な 、送風吸気ユニット63、64から送られる加湿 気の送風速度が、V1であってもよい。
本発明は、原料となるポリマーとともに 塑剤を含む溶液11を用いて多孔フイルム17を つくる。したがって、本発明により得られる 多孔フイルム17は、柔軟性に富み、取り扱い がよい。同様にして、エンドレスバンド51 らキャスト膜22を剥ぎ取る際も、剥ぎ残りな どが起こりにくくなるため、効率よく多孔フ イルム17を製造することができる。更に、セ ロースアシレートは親水性が高く、キャス 膜22上で水滴形成が発生しやすいため、加 空気の風速を前記範囲内で保持することに り、キャスト膜22上における余剰の結露を防 ぎつつ、水滴形成工程13を行うことが可能と り、結果として、多孔フイルム17を効率よ 製造することができる。
エンドレスバンド51の搬送路近傍であっ 、第1エリア46と第2エリア47と第3エリア48と 各下流端には、キャスト膜22の態様を検出す る検出手段(図示無し)を備え、この検出手段 よる検出結果に基づき、前述の送風コント ーラ(図示無し)と温調機54とが制御される。 検出手段としては、キャスト膜22の露出面を 察するために設けられイメージセンサを備 たマイクロスコープや、キャスト膜22にレ ザ光を照射する光源と照射されたレーザ光 回折状態を解析する解析部とを備えるレー 回折機等が挙げられる。前者を用いた場合 は、各水滴の大きさ、水滴の大きさのばら きの程度、水滴の数、水滴と水滴との間隔 水滴の配列状態、水滴のキャスト膜22への潜 り込みの程度等を観察する。後者を用いた場 合には、キャスト膜22に光源からレーザを照 し、レーザの回折スポットからキャスト膜2 2における水滴の大きさ、水滴の大きさのば つきの程度、水滴の密度、水滴の配列状態 水滴のキャスト膜22への潜り込みの程度等を 求める。
検出手段によりキャスト膜の態様が検出 れると、この検出結果に応じて、送風コン ローラによる送風吸気ユニット61,63,64.71~72 各送風吸引条件の独立制御と、また、温調 54によるローラ52,53の周面温度の制御とを行 。
第1エリア46の下流端に備えられた検出手段
検出結果が、以下の(X1)~(X4)の少なくともい
れかひとつにあたるときには、(Xa)~(Xc)の少
くともいずれかひとつを実施することが好
しい。なお、以下の(X1)~(X3)での「所定値」
は範囲をもって決められる場合もある。
(X1)水滴の大きさが所定値よりも大きい場合
(X2)水滴の数が所定値よりも多い場合、
(X3)水滴の密度が所定値よりも大きい場合、
(X4)複数の小さな水滴と、その2倍程度の大
な水滴が混在している場合。
(Xa)送風口61aからの加湿空気のエンドレスバ
ンド51に対する相対速度が小さくなるように
速を下げる、
(Xb)送風口61aからの加湿空気の流量を小さく
する、
(Xc)第1エリア46におけるδTが小さくなるよう
に、ローラ52,53の温度を上げたり、送風口61a
らの加湿空気の湿度を下げる。
一方、第1エリア46の下流端に備えられた検
手段の検出結果が、以下の(Y1)~(Y3)の少なく
もいずれかひとつの場合にあたるときには
(Ya)~(Yc)の少なくともいずれかひとつを実施
ることが好ましい。なお、以下の(Y1)~(Y3)で
「所定値」とは範囲をもって決められる場
もある。
(Y1)水滴の大きさが所定値よりも小さい場合
、
(Y2)水滴の数が所定値よりも少ない場合、
(Y3)水滴の密度が所定値よりも小さい場合。
(Ya)送風口61aからの加湿空気のエンドレスバ
ンド51に対する相対速度が大きくなるように
速を上げる、
(Yb)送風口61aからの加湿空気の流量を大きく
する、
(Yc)第1エリア46におけるδTが大きくなるよう
に、ローラ52,53の温度を下げたり、送風口61a
らの加湿空気の湿度を上げる。
第1エリア46における上記(X1)~(X4)の場合に する(Xa)~(Xc)の実施や上記(Y1)~(Y3)の場合に対 る(Ya)~(Yc)の実施と同様に、第2エリア47、第3 エリア48においてもその水滴及びキャスト膜 態様に応じて、δTを変化、さらには、加湿 気や空気の条件を変える。水滴の成長が所 速度よりも速い場合や水滴の蒸発速度が所 値よりも大きい場合には、加湿空気や空気 各風速を下げたり、風量を少なくしたり、 Tを小さくするようにするとよく、一方、基 的には、水滴の成長が所定速度よりも遅い 合や水滴の蒸発速度が所定値よりも小さい 合には、加湿空気や空気の各風速を上げた 、風量を大きくしたり、δTを大きくすると い。
用いた可塑剤の化学構造や量に応じて、 滴の発生具合や、発生した水滴の成長具合 異なるので、用いた可塑剤及び添加量に応 て、上記のような検出手段と送風コントロ ラと温調機54とによる製造方法を実施する とにより、水滴の形成、成長、溶媒の蒸発 水滴の蒸発をより精緻に制御して、種々の 塑剤を多孔フイルムの成分として用いるこ ができるようになる。
なお、本実施形態では、連続的に溶液11 エンドレスバンド51へ流延することにより、 長尺の多孔フイルム17を製造する場合を例示 たが、本発明はこれに限定されない。例え 、溶液11を断続的に流延して、シート状の 孔フイルムを次々に製造する形態も本発明 含まれる。図9は、本発明の第2の実施形態で あるフイルム製造設備の要部概略図である。 なお、前述した部材や装置と同一の部材、装 置については、同一の符号を付す。
フイルム製造設備101は、シート状の多孔 イルムを製造する設備であり、溶液11を支 体105に流延し、キャスト膜106を形成し、結 によりキャスト膜106上に水滴を形成する第1 リア111と、キャスト膜106上の水滴を成長さ つつ、キャスト膜106に含まれる有機溶媒を 発させる第2エリア112と、水滴を蒸発させる 第3エリア113と、支持体105を第1エリア111~第3 リア113にかけて順次搬送する搬送ベルト115 を有する。搬送ベルト115により、支持体105 第1エリア111に案内される。
流延ダイ56は、第1エリア111を通過する支 体105に溶液11を流延する。支持体105上の溶 11からキャスト膜106が形成する。送風吸気ユ ニット61は、第1エリア111を通過するキャスト 膜106に送風速度V1の加湿空気をあてる。そし 、送風吸気ユニット61からの加湿空気によ 、結露が起こり、キャスト膜106上に水滴が 成する。その後、搬送ベルト115により、水 が形成されたキャスト膜106は、支持体105と もに第2エリア112に案内される。送風吸気ユ ット63、64は、第2エリア112を通過するキャ ト膜106に加湿空気をあてる。送風吸気ユニ ト63、64からの加湿空気により、キャスト膜1 06上の水滴が成長する。その後、搬送ベルト1 15により、所望の寸法まで成長した水滴が内 に入り込んだキャスト膜106は、第3エリア113 に案内される。送風吸気ユニット71~73は、第3 エリア113を通過するキャスト膜106に乾燥空気 をあてる。送風吸気ユニット71~73からの乾燥 気により、キャスト膜106の内部或いは表面 の水滴が蒸発する。第3エリア113を経たキャ スト膜106を支持体105から剥ぎ取ることにより 、多孔フイルムを得ることができる。このよ うに、第1エリア111~第3エリア113での各工程を 支持体105単位で実施し、間欠的に支持体105を 搬送することにより、シート状の多孔フイル ムを製造することができる。
なお、幅方向の長さが流延ダイ56よりも い流延ダイを、支持体の幅方向に複数なら て、幅が小さなキャスト膜を形成すること できる。さらに、キャスト工程における支 体の搬送を、より短い時間間隔で間欠的に ることにより、より小さなキャスト膜を支 体上に複数形成することもできる。また、 延ダイの溶液の流出口を幅方向で複数に仕 り、溶液11を断続的に流延することにより、 短冊状の多孔フイルムを次々と製造すること もできる。
図10に、本発明に係る第3の実施形態であ フイルム製造設備121を示す。なお、前述し 多孔フイルム製造設備41(図8参照)、101(図9参 照)と同じ装置、部材、作用の説明は省略す 。
フイルム製造設備121は、流延ダイ56を用 て、支持体であるセルロースアシレートフ ルム(以下、ベースフイルムと称する)125上に 溶液11を流延し、キャスト膜126を形成し、結 によりキャスト膜126上に水滴を形成する第1 エリア131と、キャスト膜126上の水滴を成長さ せつつ、キャスト膜126に含まれる有機溶媒を 蒸発させる第2エリア132と、水滴を蒸発させ 第3エリア133と、ロール状に巻き取られたベ スフイルム125を収納して第1エリア131に送り 出す送出装置141と、ベースフイルム125と第3 リア133で形成された多孔フイルム127とが重 った複合材料144を巻き取る巻取装置145とを する。送出装置141及び巻取装置145により、 ースフイルム125は、第1エリア131~第3エリア13 3を順次通過する。
流延ダイ56は、第1エリア131を通過するベ スフイルム125に溶液11をキャストする。ベ スフイルム125上にキャストされた溶液11から キャスト膜126が形成する。送風吸気ユニット 61から送り出された、送風速度V1の加湿空気 より、キャスト膜126上に水滴が形成する。 の後、水滴が形成されたキャスト膜126は、 ースフイルム125とともに第2エリア132に案内 れる。送風吸気ユニット63、64から送り出さ れた加湿空気により、キャスト膜126上の水滴 が成長する。その後、水滴が内部に入り込ん だキャスト膜126は、第3エリア133に案内され 。送風吸気ユニット71~73から送り出された乾 燥空気により、キャスト膜126の内部或いは表 面上の水滴が蒸発する。水滴の蒸発により、 キャスト膜126には孔が形成され、ベースフイ ルム125の上で多孔フイルム127が形成される。 ベースフイルム125の走行により、孔を有する 多孔フイルム127は巻取装置145へ案内される。 巻取装置145は、多孔フイルム127及びベースフ イルム125を、薄膜(フイルム)形状の複合材料1 44として巻き取る。
図11のように、フイルム製造設備121によ 得られる薄膜形状の複合材料144は、ベース イルム125と孔を有する多孔フイルム127とか なる。この複合材料144の片面には、孔147が 成されている。孔147の形状は、前述した孔31 等と同様であり、多孔フイルム127の厚さL11は 、前述したL1と同様である。ベースフイルム1 25の厚さL12は、10μm以上100μm以下であること 好ましく、20μm以上60μm以下であることがよ 好ましい。
従来の多孔フイルムは、脆く、取り扱い が悪かったが、本発明では、可塑剤が添加 れているため、多孔フイルムの塑性や延性 向上し、その取り扱い性が向上する。そし 、この多孔フイルムが可撓性を備えるベー フイルムに重なっている態様にすることに り、塑性や延性が向上されながらも、取り い性がより向上するものとなる。このよう 、本発明によれば、取り扱い性が良く、膜 が厚い多孔フイルム及び多孔フィルムを備 る複合材料を製造することができる。
薄膜形状の複合材料144をつくる場合にお ては、ベースフイルム125及び多孔フイルム1 27の原料となるポリマーは、同一の化合物で ることが好ましい。原料となるポリマーと て、TACやCAPを含む場合には、複合材料144を 射防止フイルムとして用いることもできる
なお、図8のフイルム製造設備41を用いた 記実施形態では、キャスト工程12において 長尺状の支持体であるエンドレスバンド51に 溶液11をキャストしてキャスト膜22をつくっ が、本発明はこれに限らず、支持体として 軸を中心に回転する回転ドラムを用いて、 転ドラムの周面に溶液11をキャストしてもよ い。
キャスト工程12では、支持体上の溶液11を 乾燥してキャスト膜22をつくってもよいし、 持体上の溶液11を冷却してキャスト膜をつ ってもよいし、これらを組み合わせてキャ ト膜をつくってもよい。
支持体上の溶液11を冷却してキャスト膜 作る場合には、冷却したキャスト膜22上で、 水滴形成工程13や水滴成長工程14を行っても いし、支持体から剥ぎ取ったキャスト膜22を ピンテンタなどで搬送する際に、水滴形成工 程13や水滴成長工程14を行っても良い。なお 水滴形成工程13や水滴成長工程14における水 の状態は、液状に限られず、固体でもよい
本発明では、可塑剤が添加されているた 、多孔フイルムの塑性や延性が向上し、そ 取り扱い性が向上する。そして、この多孔 イルムが可撓性を備えるベースフイルムに なっている態様にすることにより、塑性や 性が向上されながらも、取り扱い性がより 上するものとなる。このように、本発明に れば、取り扱い性が良く、膜厚が厚い多孔 イルム及び多孔フイルムを備える複合材料 製造することができる。そこで、曲面上で 使用や、可撓性の材料との複合化が可能と る。
