山崎 英数 (〒93 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士フイルム株式会社内 Kanagawa, 2500193, JP)
富士フイルム株式会社 (〒20 東京都港区西麻布2丁目26番30号 Tokyo, 1068620, JP)
YAMAZAKI, Hidekazu (210 Nakanuma, Minami-ashigara-sh, Kanagawa 93, 2500193, JP)
| フィルタ孔径が0.01μm以上1μm以下の濾過装置を用いて、前記酸化防止剤が含まれる液を濾過する濾過工程と、 有機溶媒とポリマーと前記濾過工程を経た前記液とを混合して、前記ポリマーに対して0.01重量%以上10重量%以下の前記酸化防止剤を含む高分子溶液とする混合工程と、 支持体上に、前記高分子溶液をキャストして、キャスト膜を形成するキャスト工程と、 結露により、前記キャスト膜上に水滴を形成する水滴形成工程と、 前記混合工程の開始から72時間以内に行われ、径が0.1μm以上30μm以下の範囲になるように前記水滴を成長させ、かつ前記キャスト膜に含まれる前記有機溶媒を蒸発させる水滴成長工程と、 前記水滴成長工程の後に、前記水滴を前記キャスト膜から蒸発させる水滴蒸発工程と、 を有する多孔フイルムの製造方法。 |
| 前記ポリマーが、セルローストリアセテートを含む請求の範囲第1項記載の多孔フイルムの製造方法。 |
| 前記高分子溶液が、両親媒性化合物を含む請求の範囲第1項記載の多孔フイルムの製造方法。 |
| 前記酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤とヒドロキノン系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とのうちいずれか1つを含む請求の範囲第1項記載の多孔フイルムの製造方法。 |
| 前記高分子溶液における前記ポリマーと同じポリマーを前記支持体は含み、 前記水滴蒸発工程を経た前記キャスト膜及び前記支持体を多孔フイルムとする請求の範囲第1項記載の多孔フイルムの製造方法。 |
| 前記水滴蒸発工程を経た前記キャスト膜を多孔フイルムとして前記支持体から剥ぎ取る請求の範囲第1項記載の多孔フイルムの製造方法。 |
| 有機溶媒とポリマーと前記ポリマーに対して0.01重量%以上10重量%以下の酸化防止剤とが含まれる高分子溶液を、フィルタ孔径が0.01μm以上1μm以下の濾過装置を用いて濾過する濾過工程と、 支持体上に、前記高分子溶液をキャストして、キャスト膜を形成するキャスト工程と、 結露により、前記キャスト膜上に水滴を形成する水滴形成工程と、 前記濾過工程から72時間以内に行われ、径が0.1μm以上30μm以下の範囲になるように前記水滴を成長させ、かつ前記キャスト膜に含まれる前記有機溶媒を蒸発させる水滴成長工程と、 前記水滴成長工程の後に、前記水滴を前記キャスト膜から蒸発させる水滴蒸発工程と、 を有する多孔フイルムの製造方法。 |
| 前記ポリマーが、セルローストリアセテートを含む請求の範囲第7項記載の多孔フイルムの製造方法。 |
| 前記高分子溶液が、両親媒性化合物を含む請求の範囲第7項記載の多孔フイルムの製造方法。 |
| 前記酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤とヒドロキノン系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とのうちいずれか1つを含む請求の範囲第7項記載の多孔フイルムの製造方法。 |
| 前記高分子溶液における前記ポリマーと同じポリマーを前記支持体は含み、 前記水滴蒸発工程を経た前記キャスト膜及び前記支持体を多孔フイルムとする請求の範囲第7項記載の多孔フイルムの製造方法。 |
| 前記水滴蒸発工程を経た前記キャスト膜を多孔フイルムとして前記支持体から剥ぎ取る請求の範囲第7項記載の多孔フイルムの製造方法。 |
| 開口径が0.1μm以上30μm以下の孔を表面に複数備え、 ポリマーと前記ポリマーに対して0.01重量%以上10重量%以下の酸化防止剤とを含む多孔フイルム。 |
| 前記ポリマーとして、セルローストリアセテートを含む請求の範囲第13項記載の多孔フイルム。 |
| 前記ポリマーが、両親媒性化合物を含む請求の範囲第13項記載の多孔フイルム。 |
| 前記酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤とヒドロキノン系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とのうちいずれか1つを含む請求の範囲第13項記載の多孔フイルム。 |
| 開口径が0.1μm以上30μm以下の孔を一方の面に複数備え、ポリマーと前記ポリマーに対して0.01重量%以上10重量%以下の酸化防止剤とを含む多孔層と、 前記多孔層の他方の面に設けられ、前記多孔層に含まれる前記ポリマーと同じポリマーを含む支持層とを備える多孔フイルム。 |
本発明は、微細なパターンを有する多孔 イルムの製造方法、及び多孔フイルムに関 るものである。
今日、光学分野や電子分野では、集積度 向上や情報量の高密度化、画像情報の高精 化といった要求がますます大きくなってい 。そのため、それら分野に用いられるフイ ムに対しては、より微細な構造(微細パター ン構造)を形成すること(微細パターニング)が 強く求められている。また、再生医療分野の 研究においては、表面に微細な構造を有する 膜が、細胞培養の場となる材料として有効で ある。
このような微細パターンを有するフイル (以下、多孔フイルムと称する)に機能性微 子を含有させたものは光学材料及び電子材 として用いられる。例えば、偏光板に用い れる多孔フイルムとして、モスアイ構造を する反射防止機能を発現する多孔フイルム ある。この多孔フイルムは、サブミクロン~ 十ミクロンサイズの規則正しい微細パター が形成されている。その形成方法の中でも 流であるのは、光リソグラフィを中心とし マイクロ加工技術を用いた版を作成し、そ 版の構造をフイルムに転写する方法である
フイルムの微細パターニングには、前述し
方法の他、所定のポリマー溶液を支持体上
キャストして、支持体上のキャスト膜に加
空気をあてて、キャスト膜上に水滴を形成
、キャスト膜に含まれる溶媒及び水滴の順
乾燥させる方法がある(例えば、特許文献1
照)。このような方法で製造される多孔フイ
ムは、その微細パターンの形成挙動から自
組織化膜とも称される。
ところで、通常、原料として用いられる リマーには、酸化がしやすいものが多い。 化のしやすいポリマーを用いる場合には、 加剤として酸化防止剤を用いる。しかしな ら、ポリマーと酸化防止剤を含む高分子溶 をキャストして、多孔フイルムをつくった ころ、多孔フイルム上に形成される穴の寸 、形状、形成ピッチにばらつきが生じる故 (以下、欠陥発生故障と称する)が多発した
発明者らは、鋭意検討の結果、次の(1)(2)に
り欠陥発生故障を抑えることができること
突き止めた。
(1)この欠陥の発生が酸化防止剤に起因するも
のであること。
(2)高分子溶液を調製する高分子溶液調製工程
から、所定時間内に水滴成長工程を終了させ
ること。
本発明は、酸化防止剤を含む高分子溶液 用いて多孔フイルムを製造する際、欠陥発 故障を抑えるものであり、欠陥が少なく、 化防止剤を含有する多孔フイルムの製造方 、及びこの方法によって得られる多孔フイ ムを提供するものである。
本発明の多孔フイルムの製造方法は、フ ルタ孔径が0.01μm以上1μm以下の濾過装置を いて、前記酸化防止剤が含まれる液を濾過 る濾過工程と、有機溶媒とポリマーと前記 過工程を経た前記液とを混合して、前記ポ マーに対して0.01重量%以上10重量%以下の前記 酸化防止剤を含む高分子溶液とする混合工程 と、支持体上に、前記高分子溶液をキャスト して、キャスト膜を形成するキャスト工程と 、結露により、キャスト膜上に水滴を形成す る水滴形成工程と、混合工程の開始から72時 以内に行われ、径が0.1μm以上30μm以下の範 になるように前記水滴を成長させ、かつ前 キャスト膜に含まれる前記有機溶媒を蒸発 せる水滴成長工程と、水滴成長工程の後に 前記水滴を前記キャスト膜から蒸発させる 滴蒸発工程とを有することを特徴として構 されている。
上記の製造方法では、前記ポリマーが、 ルローストリアセテートを含むことが好ま く、前記高分子溶液が、両親媒性化合物を むことが好ましく、前記酸化防止剤が、フ ノール系酸化防止剤とヒドロキノン系酸化 止剤とリン系酸化防止剤とのうちいずれか1 つを含むことが好ましい。前記高分子溶液に おける前記ポリマーと同じポリマーを前記支 持体は含み、前記水滴蒸発工程を経た前記キ ャスト膜及び前記支持体を多孔フイルムとす ること、あるいは、前記水滴蒸発工程を経た 前記キャスト膜を多孔フイルムとして前記支 持体から剥ぎ取ることが好ましい。
また、本発明の多孔フイルムの製造方法 、フィルタ孔径が0.01μm以上1μm以下の濾過 置を用いて、前記酸化防止剤が含まれる液 濾過する濾過工程と、有機溶媒とポリマー 前記濾過工程を経た前記液とを混合して、 記ポリマーに対して0.01重量%以上10重量%以下 の前記酸化防止剤を含む高分子溶液とする混 合工程と、フィルタ孔径が0.01μm以上1μm以下 濾過装置を用いて、高分子溶液を濾過する 過工程と、支持体上に、濾過された高分子 液をキャストして、キャスト膜を形成する ャスト工程と、結露により、前記キャスト 上に水滴を形成する水滴形成工程と、前記 過工程から72時間以内に行われ、径が0.1μm 上30μm以下の範囲になるように前記水滴を成 長させ、かつキャスト膜に含まれる有機溶媒 を蒸発させる水滴成長工程と、水滴成長工程 の後に、水滴をキャスト膜から蒸発させる水 滴蒸発工程とを有することを特徴として構成 されている。
上記の製造方法では、前記ポリマーが、 ルローストリアセテートを含むことが好ま く、前記高分子溶液が、両親媒性化合物を むことが好ましく、前記酸化防止剤が、フ ノール系酸化防止剤とヒドロキノン系酸化 止剤とリン系酸化防止剤とのうちいずれか1 つを含むことが好ましい。前記高分子溶液に おける前記ポリマーと同じポリマーを前記支 持体は含み、前記水滴蒸発工程を経た前記キ ャスト膜及び前記支持体を多孔フイルムとす ること、あるいは、前記水滴蒸発工程を経た 前記キャスト膜を多孔フイルムとして前記支 持体から剥ぎ取ることが好ましい。
更に、本発明の多孔フイルムは、開口径 0.1μm以上30μm以下の孔を表面に複数備え、 リマーと前記ポリマーに対して0.01重量%以上 10重量%以下の酸化防止剤とを含むことを特徴 として構成されている。
この多孔フイルムは、前記ポリマーとし 、セルローストリアセテートを含むことが ましく、前記ポリマーが、両親媒性化合物 含むことが好ましい。また、酸化防止剤と て、フェノール系酸化防止剤とヒドロキノ 系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とのうち ずれか1つを含むことが好ましい。
本発明は、開口径が0.1μm以上30μm以下の を一方の面に複数備え、ポリマーと前記ポ マーに対して0.01重量%以上10重量%以下の酸化 防止剤とを含む多孔層と、前記多孔層の他方 の面に設けられ、前記多孔層に含まれる前記 ポリマーと同じポリマーを含む支持層とを備 える多孔フイルムを含んで構成されている。
本発明の多孔フイルムの製造方法によれ 、欠陥発生故障を誘発する異物が除去され 高分子溶液を用いて、所定時間以内に、前 水滴成長工程を行うため、欠陥の発生が少 く、穴の寸法や形状、形成ピッチのばらつ のない多孔フイルムを製造することができ 。
10 フイルム製造工程
11 高分子溶液
12 キャスト工程
13 水滴形成工程
14 水滴成長工程
15 水滴蒸発工程
17,33,34,317 多孔フイルム
21 支持体
22 キャスト膜
25 水滴
26 溶媒
27 水蒸気
図1のように、フイルム製造工程10は、高 子溶液11を調製する高分子溶液調製工程12と 、キャスト工程13と、水滴形成工程14と、水 成長工程15と、水滴蒸発工程16とを有する。 分子溶液調製工程12では、原料となるポリ ー、有機溶媒、及び添加剤等から高分子溶 11を調製する。ポリマー、有機溶媒及び添加 剤についての詳細な説明は後述する。キャス ト工程13では、高分子溶液11を支持体21の上に キャスト(流延)し、キャスト膜を形成する(図 2の(a))。キャスト方法は、静置した支持体上 高分子溶液11を載せて塗り広げる方法と、 行する支持体上に高分子溶液11を流延ダイか ら流出する方法とがあり、本発明ではいずれ の方法も用いることができる。前者は少ない 生産量で多品種つくる場合、すなわち少量多 品種生産の場合に一般には適し、後者は大量 生産に一般には適する。なお、後者の方法で は、連続的に高分子溶液11を流出すると長尺 多孔フイルムをつくることができるし、断 的に高分子溶液11を流出、つまり所定の時 で流延ダイからの流出のオン・オフを繰り すと、所定長さの多孔フイルムを複数枚連 して製造することができる。
図2の(a)及び(b)のように、水滴形成工程14 は、結露により、キャスト工程13で形成し キャスト膜22上に水滴25を形成させる、いわ る核形成を目的とする。このとき生じた水 25は、極めて小さく、肉眼で認めることが きないような大きさである。次に、水滴成 工程15では、水滴25をゆっくり成長させる。 の水滴成長工程15では、水滴形成工程14で発 生した極めて小さな水滴25を成長させること いわゆる核成長を目的とする。この水滴25 成長過程の間と後との少なくともいずれか 方で、キャスト膜22に含まれている有機溶媒 26を蒸発させる。図2の(c)に示すように、水滴 25の成長や有機溶媒26の蒸発により、キャス 膜22に残留する有機溶媒26の量が減少し、水 25はキャスト膜22の中に入り込む。キャスト 膜22に残留する有機溶媒26の量が一定値以下 なると、キャスト膜22が固形化する。キャス ト膜22の固形化後に、水滴25が残留する部分 、多孔フイルム17の孔となる。なお、水滴形 成工程14の初期段階で生成した水滴は、次工 である水滴成長工程15が開始されるまでの にも幾分かは成長することが多い。また、 露による水滴25に代えて、別の化合物の凝結 体を用いてもよい。
図2の(d)のように、水滴蒸発工程16では、 滴25の状態が所望の状態となったところで キャスト膜22中の水滴25を水蒸気27として蒸 させる。キャスト膜22の中に有機溶媒26が残 していた場合には、できるだけ多くの有機 媒26を蒸発させた後に水滴25を蒸発させるよ うな条件とする。水滴蒸発工程16を経たキャ ト膜22を、多孔フイルム17として支持体21か 剥ぎ取る。こうして、フイルム製造工程10( 1参照)により、高分子溶液11から多孔フイル ム17を得ることができる。
図3のように、多孔フイルム17の表面には 孔31が形成されている。孔31は、規則的に配 列し、その形状及び寸法は、略一定である。 本発明に係る多孔フイルムの孔には、図4及 図5に示す孔31のように、多孔フイルム17の両 面を突き抜けるように形成される形態や、図 6及び図7に示す窪み33a,34aのように、多孔フイ ルム33,34の片面側のみに形成される形態が含 れる。また、孔31や窪み33a、34aによって形 される多孔フイルム17、33、34の表面の開口 の径を開口径AP1とし、孔31や窪み33a、34aの径 のうち最大のものを径AP2とすると、多孔フイ ルム17、34のように、開口径AP1が、孔31や窪み 34aの径AP2よりも小さい場合、或いは、図6の 孔フイルム33のように、開口径AP1が、窪み33a の径AP2と等しい場合があるが、本発明の多孔 フイルムは、いずれの形態であってもよい。 したがって、本発明の多孔フイルムには、図 3~7に示す多孔フイルム17、33,34が含まれる。
多孔フイルム33,34は、いずれも、窪み33a,3 4aのひとつひとつが独立して形成されている 、この態様に本発明は限定されない。例え 、本発明では、窪みが連なるように、つま 、隣り合う窪みの中心間距離Dが開孔径AP1ま たは径AP2よりも小さくされた多孔フイルム( 示なし)もつくることができる。孔31及び窪 33a,34aの配列は、フイルム製造工程10におけ 水滴の大きさ、水滴の形成分布の疎密の度 い、形成する液滴の種類、乾燥速度、溶液 固形分濃度、水滴成長工程における水滴成 度合いに対する有機溶媒26の蒸発のタイミン グ等によって異なるものとなる。
本発明により製造される多孔フイルム17,3 3,34の形態は特に限定されるものではないが 本発明は、例えば、厚みL1が0.05μm以上100μm 下の多孔フイルム17,33,34を製造する場合や、 孔31の径D1が0.05μm以上100μm以下、隣りあう孔3 1の中心間距離L2が0.1μm以上120μm以下であるよ うな多孔フイルム17を製造する場合に特に効 がある。また、開孔径AP1は、0.1μm以上30μm 下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下 あることがより好ましい。所望の寸法や形 (開口径など)を有する孔を形成するために 、水滴成長工程15を終了させるときまでに、 製造する孔と略同一の寸法や形状の水滴を形 成すればよい。
以下、多孔フイルム17を製造する場合を 発明の一例として説明するが、多孔フイル 33,34を製造する場合もこれと基本的に同じで ある。したがって、多孔フイルム33,34の製造 法については、説明を略す。
(原料)
本実施形態においては、ポリマーとしてセ
ロースアシレートを用いているが、本発明
セルロースアシレートに限定されるもので
ない。セルロースアシレートとしては、ト
アセチルセルロース(TAC)が特に好ましい。
して、セルロースアシレートの中でも、セ
ロースの水酸基の水素原子に対するアシル
の置換度が下記式(I)~(III)の全てを満足する
のがより好ましい。なお、以下の式(I)~(III)
おいて、A及びBは、セルロースの水酸基の水
素原子に対するアシル基の置換度を表わし、
Aはアセチル基の置換度、またBは炭素原子数3
~22のアシル基の置換度である。なお、TACを用
いる場合には、その90重量%以上が0.1mm~4mmの粒
子であることが好ましい。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
セルロースを構成するβ-1,4結合している ルコース単位は、2位,3位及び6位に遊離の水 酸基を有している。セルロースアシレートは 、これらの水酸基の一部または全部を炭素数 2以上のアシル基によりエステル化した重合 (ポリマー)である。アシル置換度は、2位,3位 及び6位それぞれについて、セルロースの水 基がエステル化している割合(100%のエステル 化は置換度1である)を意味する。
全アシル置換度、すなわち、DS2+DS3+DS6は2. 00~3.00が好ましく、より好ましくは2.22~2.90で り、特に好ましくは2.40~2.88である。また、DS 6/(DS2+DS3+DS6)は0.28以上が好ましく、より好ま くは0.30以上、特に好ましくは0.31~0.34である ここで、DS2はグルコース単位の2位の水酸基 のアシル基による置換度(以下、「2位のアシ 置換度」とも言う)であり、DS3は3位の水酸 のアシル基による置換度(以下、「3位のアシ ル置換度」とも言う)であり、DS6は6位の水酸 のアシル基による置換度(以下、「6位のア ル置換度」とも言う)である。
セルロースアシレートに用いられるアシ 基は1種類だけでも良いし、あるいは2種類 上のアシル基が使用されていても良い。2種 以上のアシル基を用いるときには、その1つ がアセチル基であることが好ましい。2位,3位 及び6位の水酸基のアセチル基による置換度 総和をDSAとし、2位,3位及び6位の水酸基のア チル基以外のアシル基による置換度の総和 DSBとすると、DSA+DSBの値は、より好ましくは 2.22~2.90であり、特に好ましくは2.40~2.88である 。また、DSBは0.30以上であり、特に好ましく 0.7以上である。さらにDSBはその20%以上が6位 酸基の置換基であるが、より好ましくは25% 上が6位水酸基の置換基であり、30%以上がさ らに好ましく、特には33%以上が6位水酸基の 換基であることが好ましい。さらに、6位の シル置換度が0.75以上であり、さらには0.80 上であり特には0.85以上であることが好まし 。これらのセルロースアシレートにより溶 性の好ましい溶液(高分子溶液)をつくるこ ができ、特に非塩素系有機溶媒を使用して 良好な高分子溶液をつくることができる。 た、粘度が低く、ろ過性の良い溶液が作製 能である。
セルロースアシレートの原料であるセル ースは、リンター,パルプのどちらから得ら れたものでも良い。
炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族 基でもアリール基でもよく、特に限定されな い。それらは、例えばセルロースのアルキル カルボニルエステル、アルケニルカルボニル エステルあるいは芳香族カルボニルエステル 、芳香族アルキルカルボニルエステルなどで あり、それぞれさらに置換された基を有して いても良い。これらの好ましい例としては、 プロピオニル、ブタノイル、ペンタノイル、 ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、 ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカ ノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイ ル、iso-ブタノイル、t-ブタノイル、シクロヘ キサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル 、ナフチルカルボニル、シンナモイル基など を挙げることができる。これらの中でも、プ ロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オ クタデカノイル、t-ブタノイル、オレオイル ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナ イルなどがより好ましく、特に好ましくは ロピオニル、ブタノイルである。なお、Bが プロピオニル基のものをCAP(セルロースアセ ートプロピオネート)と称し、Bがブチリル基 のものをCAB(セルロースアセテートブチレー )と称する。
セルロースアシレートとしてCAPまたはCAB 用いる場合には、上記式(III)は、1.25≦B≦3.0 であることが好ましく、1.3≦B≦2.97であるこ がより好ましく、1.4≦B≦2.97であることが も好ましい。
多孔フイルム17の主たる成分としてのポ マーは、用途等に応じて決定することがで るが、その数平均分子量(Mn)が10,000~10,000,000 あるものが好ましく、50,000~1,000,000であるも がより好ましい。
また、両親媒性化合物を、多孔フイルム1 7の原料としてもよいし、添加剤として用い もよい。両親媒性化合物は親水基と疎水基 もつ化合物である。
(両親媒性化合物)
両親媒性化合物の例としてはポリアクリル
ミドがある。その他の両親媒性化合物とし
は、ポリアクリルアミドを主鎖骨格とし、
油性側鎖としてドデシル基、親水性側鎖と
てカルボキシル基を併せ持つもの、ポリエ
レングリコール/ポリプロピレングリコール
ブロックコポリマー、などが挙げられる。親
油性側鎖は、アルキレン基、フェニレン基等
の非極性直鎖状基であり、エステル基、アミ
ド基等の連結基を除いて、末端まで極性基や
イオン性解離基などの親水性基を分岐しない
構造であることが好ましい。親油性側鎖は、
例えば、アルキレン基を用いる場合には5つ
上のメチレンユニットからなることが好ま
い。親水性側鎖は、アルキレン基等の連結
分を介して末端に極性基やイオン性解離基
又はオキシエチレン基などの親水性部分を
する構造であることが好ましい。
両親媒性化合物としては、市販される多 の界面活性剤のような単量体の他に、二量 や三量体等のオリゴマーなどの高分子化合 を用いることができる。両親媒性化合物を ルロースアシレートと混合することにより キャスト膜の露出面に水滴を形成しやすく る。また、セルロースアシレートに対する 散状態を制御することにより、水滴が形成 れる位置をより容易に制御することができ 。セルロースアシレートと両親媒性化合物 を混合して用いる場合には、セルロースア レートの重量に対する両親媒性化合物の重 の割合は0.1%以上20%以下の範囲とすると、形 成される水滴の大きさが均一となりやすいの で、孔が均一であるフイルムを得やすくなる 。セルロースアシレートの重量に対する両親 媒性化合物の重量の割合が0.1%未満であると 両親媒性化合物の添加効果がほとんどなく 形成される水滴が不安定で大きさが不均一 なる場合がある。一方、セルロースアシレ トの重量に対して低分子である両親媒性化 物の重量の割合を20%よりも大きくすると、 孔フイルムの強度が下がることがある。
セルロースアシレートと混合される両親 性化合物については、(親水基の数):(疎水基 の数)が0.1:9.9~4.5:5.5であることが好ましい。 れにより、より細かな水滴をより密に、キ スト膜22の上に形成することができる。(親 基の数):(疎水基の数)が上記範囲に含まれな 場合には、孔の大きさが大きくばらつき、 体的には、{(孔の径の標準偏差)/(孔の平均 )}×100で示される孔径変動係数(単位;%)が10%以 上になる場合がある。また、(親水基の数):( 水基の数)が上記範囲に含まれない場合には 孔の配列の規則性が乱れる場合もある。
互いに異なる2種以上の両親媒性化合物を 用いると水滴の形成位置、水滴の大きさを制 御することができるので好ましい。また、セ ルロースアシレートについても、互いに異な る2種以上の化合物を用いることにより同様 効果を得ることができる。
なお、本発明におけるポリマーは、セル ースアシレートに限られない。本発明にお て用いられるセルロースアシレート以外の リマーとしては、ビニル重合ポリマ(例えば 、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ レン、ポリアクリレート、ポリメタクリレー ト、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルア ミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン 、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオ ロプロペン、ポリビニルエーテル、ポリビニ ルカルバゾール、ポリ酢酸ビニル、ポリテト ラフルオロエチレン等)、ポリエステル(例え 、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ ンナフタレート、ポリエチレンサクシネー 、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸等) 、ポリラクトン(例えばポリカプロラクトン ど)、ポリアミド又はポリイミド(例えば、ナ イロンやポリアミド酸など)、ポリウレタン ポリウレア、ポリブタジエン、ポリカーボ ート、ポリアロマティックス、ポリスルホ 、ポリエーテルスルホン、ポリシロキサン 導体、などが挙げられる。これらは、溶解 、光学的物性、電気的物性、強度、弾性等 観点から、ホモポリマであってもよいし、 ポリマやポリマブレンド、ポリマアロイと てもよい。
(有機溶媒)
有機溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば
、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化
素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼ
、四塩化炭素、1-ブロモプロパンなど)、シ
ロヘキサン、ケトン(例えば、アセトン,メチ
ルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢
メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)及び
ーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチ
セロソルブなど)などが挙げられる。
なお、本発明において、有機溶媒は、上 化合物の単体だけでなく、上記化合物のう 数種類の溶媒からなる混合物でも良いし、 記化合物と単体又は混合物に、アルコール が添加されたものを用いてもよい。
ところで、最近、環境に対する影響を最 限に抑えることを目的に、ジクロロメタン 使用しない場合の有機溶媒組成についても 討が進み、この目的に対しては、炭素原子 が4~12のエーテル、炭素原子数が3~12のケト 、炭素原子数が3~12のエステル、1-ブロモプ パン等の臭素系炭化水素等が好ましく用い れる。これらは、互いに混合して用いられ こともある。例えば、酢酸メチル、アセト 、エタノール、n-ブタノールの混合有機溶媒 が挙げられる。これらのエーテル、ケトン、 エステル及びアルコールは、環状構造を有す るものであってもよい。また、エーテル、ケ トン、エステル及びアルコールの官能基(す わち、-O-,-CO-,-COO-及び-OH)のいずれかを2つ以 有する化合物も、溶媒として用いることが きる。
溶媒として互いに異なる2種以上の化合物 を用い、その割合を適宜代えて用いることに より、水滴25の形成速度、及び水滴25のキャ ト膜22への入り込み深さ等を制御することが できる。
(添加剤)
本発明の溶液には、用途に応じた種々の添
剤(例えば、剥離促進剤、可塑剤、紫外線防
止剤、劣化防止剤、微粒子、光学特性調整剤
など)を加えることができる。
(酸化防止剤)
本発明に用いる酸化防止剤としては、特に
定されるものではないが、加工工程におけ
ポリマーの劣化や着色防止に優れているこ
から、フェノール系あるいはヒドロキノン
酸化防止剤、リン系酸化防止剤を用いるこ
が好ましい。なお、酸化防止剤は1種でもよ
いし2種以上併用してもよい。
本発明においては溶液に公知の劣化(酸化 )防止剤、例えば、2、6-ジ-t-ブチル-4-メチル ェノール、4、4’-チオビス-(6-t-ブチル-3-メ ルフェノール)、1、1’-ビス(4-ヒドロキシフ ニル)シクロヘキサン、2、2’-メチレンビス (4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2、5-ジ-t-ブ チルヒドロキノン、ペンタエリスリチル-テ ラキス[3-(3、5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェ ル)プロピオネート]などのフェノール系あ いはヒドロキノン系酸化防止剤を添加する とができる。さらに、トリス(4-メトキシ-3、 5-ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニル ェニル)ホスファイト、トリス(2、4-ジ-t-ブチ ルフェニル)ホスファイト、ビス(2、6-ジ-t-ブ ル-4-メチルフェニル)ペンタエリストールジ ホスファイト、ビス(2、4-ジ-t-ブチルフェニ )ペンタエリスリトールジホスファイトなど リン系酸化防止剤をすることが好ましい。 化防止剤の添加量は、前記ポリマーに対し 0.01重量%以上10.0重量%以下の範囲とする。
酸化防止剤の添加量は、フイルムの酸化 止効果と、一定以上のフイルムの塑性や延 の確保とを両立するため、高分子化合物に して0.01重量%以上10重量%以下であることが り好ましい。酸化防止剤の添加量が、高分 化合物に対して0.01重量%未満では、酸化防止 剤の添加の効果が得られず、経時により、多 孔フイルムが脆くなり、割れや破断などが起 こりやすくなり、容易に取り扱うことが困難 になる。一方、酸化防止剤の添加量がポリマ ーに対して10重量%を超えると、フイルムが脆 くなる等の問題が生じるため、好ましくない 。
なお、セルローストリアセテートの詳細 ついては、特開2005-104148号の[0140]段落から[0 195]段落に記載されている。これらの記載も 発明にも適用できる。また、溶媒及び可塑 ,劣化防止剤,紫外線吸収剤(UV剤),光学異方性 ントロール剤,レターデーション制御剤,染 ,マット剤,剥離剤,剥離促進剤などの添加剤 ついても、同じく特開2005-104148号の[0196]段落 から[0516]段落に詳細に記載されている。
(高分子溶液調製ライン)
図8のように、高分子溶液調製ライン40には
有機溶媒26を貯留するための溶媒タンク41と
、有機溶媒26とTAC42とを混合し、膨潤液44をつ
くる溶解タンク45と、TAC42を供給するための
ッパ46と、添加剤を含む添加剤液47を貯留す
ための添加剤液タンク48と、溶解タンク45か
ら送られた膨潤液44を加熱して、TAC42が有機
媒26に溶解する高分子溶液11とする加熱装置5
0と、調製された高分子溶液11の温度を調整す
る温調機51と、高分子溶液11を濾過する濾過
置52とが備えられる。また、製造する高分子
溶液11のTAC濃度に応じて、高分子溶液11を濃
するフラッシュ装置53、濃縮後の高分子溶液
11を濾過する濾過装置54などを設けてもよい
配管55は、溶解タンク45と添加剤液タンク48
を接続する。配管55には、配管55内を通過す
添加剤液47を濾過する濾過装置56が設けられ
る。濾過装置52、54、56の濾過フィルタのうち
、少なくとも1つの平均孔径が0.01μm以上1μm以
下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下
あることがより好ましい。また、フラッシ
装置53内で気化した有機溶媒26を回収するた
の回収装置58と、回収された有機溶媒26を再
生するための再生装置59とが備えられている
また、溶解タンク45の下流にはポンプ65が設
けられ、フラッシュ装置53の下流にはポンプ6
6が設けられる。ポンプ65は溶解タンク45中の
潤液44を加熱装置50に送り、ポンプ66はフラ
シュ装置53中の濃縮後の濾過装置54に送る。
そして、濾過装置52,54の下流側には、ストッ
タンク70が接続する。高分子溶液調製ライ
40は、ストックタンク70を介して、フイルム
造ライン72と接続する。
次に、高分子溶液調製ライン40における 分子溶液調製工程12(図1参照)の概要について 説明する。初めに、図示しない制御部の制御 の下、溶媒タンク41と溶解タンク45とを接続 る配管75に設けられたバルブ76が開かれ、溶 タンク41内の有機溶媒26が溶解タンク45に送 れる。次に、図示しない制御部の制御の下 ホッパ46に入れられているTAC42が、溶解タン ク45に送られる。図示しない制御部の制御の 、配管55に設けられたバルブ77が開かれ、必 要量の添加剤液47を添加剤液タンク48から溶 タンク45に送り込む。なお、添加剤は、添加 剤液として送り込む方法以外にも、例えば添 加剤が常温で液体の場合には、その液体の状 態で溶解タンク45に送り込むことも可能であ 。また、添加剤が固体の場合には、ホッパ 用いて溶解タンク45に送り込むことも可能 ある。添加剤を複数種類添加する場合には 添加剤液タンク48中に複数種類の添加剤を溶 解させた添加剤液を入れておくこともできる 。または、多数の添加剤液タンクを用いてそ れぞれに添加剤が溶解している添加剤液を入 れて、それぞれ独立した配管により溶解タン ク45に送り込むこともできる。
前述した説明においては、有機溶媒(混合 溶媒の場合も含めた意味で用いる)26、TAC42、 加剤液47の順に溶解タンク45に入れたが、本 発明はこの順番に限定されるものではない。 TAC42を計量しながら溶解タンク45に送り込ん 後に、好ましい量の溶媒を送液することも きる。また、添加剤液47は必ずしも溶解タン ク45に予め入れる必要はなく、後の工程でTAC4 2と溶媒との混合物に混合させることもでき 。
溶解タンク45には、その外面を包み込む ャケット80と、モータ81により回転する第1攪 拌翼82とが備えられている。さらに、溶解タ ク45には、モータ83により回転する第2攪拌 84が取り付けられていることが好ましい。な お、第1攪拌翼82は、アンカー翼であることが 好ましく、第2攪拌翼84は、ディゾルバータイ プのものを用いることが好ましい。ジャケッ ト80に伝熱媒体を流して溶解タンク45内の膨 液44を0℃以上50℃以下の範囲に温度調整する ことが好ましい。第1攪拌翼82,第2攪拌翼84を 宜選択して回転させることでTAC42が有機溶媒 26中で膨潤した膨潤液44を得ることができる
膨潤液44をポンプ65により加熱装置50に送 する。加熱装置50は、ジャケット付き配管 用いることが好ましく、更に膨潤液44を加圧 できる構成であることが好ましい。膨潤液44 加熱または加圧加熱条件下でTAC42などを溶 有機26に溶解させて高分子溶液11を得る。な 、この場合に膨潤液44の温度は、0℃以上97 以下であることが好ましい。加熱溶解法及 冷却溶解法を適宜選択して行うことでTAC42を 有機溶媒26に十分溶解させることが可能とな 。温調機51により高分子溶液11の温度を略室 温とした後に、濾過装置52により濾過を行い 分子溶液11中の不純物を取り除く。濾過後 高分子溶液11は、バルブ88を介してストック ンク70に入れられる。
膨潤液44を調製した後にTAC42を溶解させる 方法は、TAC42の濃度が上昇するほど溶解時間 長くなるため、生産性やコストの点で問題 生じる場合がある。その場合には、目的と るTAC濃度より低濃度の高分子溶液11を調製 た後に目的とする濃度の高分子溶液11を調製 する濃縮工程を行うことが好ましい。濾過装 置52で濾過された高分子溶液11を、バルブ88を 介してフラッシュ装置53に送液する。フラッ ュ装置53内で高分子溶液11中の有機溶媒26の 部を気化させる。気化した有機溶媒26は、 縮器(図示しない)により凝縮され、液化した 有機溶媒26は回収装置58により回収される。 収装置58により回収された有機溶媒26は再生 置59により高分子溶液調製用の有機溶媒26と して再生を行い再利用することがコストの点 から有利である。
濃縮工程を経た高分子溶液11をフラッシ 装置53からポンプ66を用いて抜き出す。さら 、高分子溶液11中の泡抜きを行うことが好 しい。泡抜きは、公知のいずれの方法によ 行っても良く、例えば超音波照射法が挙げ れる。その後に濾過装置54に送液して異物の 除去を行う。なお、この際に高分子溶液の温 度が0℃以上200℃以下であることが好ましい そして、ストックタンク70に高分子溶液を入 れる。
これらの方法により、TAC濃度が所定の範 の高分子溶液11を製造することができる。 お、製造された高分子溶液11は、ストックタ ンク70に貯蔵される。
高分子溶液11に含まれるTAC42の量を、有機 溶媒100重量部に対し0.02重量部以上30重量部以 下とすることが好ましい。これにより、生産 性良く高品質の多孔フイルムを製造すること ができる。TAC42の量が有機溶媒100重量部に対 0.02重量部未満であると、高分子溶液11にお る有機溶液26の割合が大きすぎて、有機溶 26の蒸発に要する時間が長くなるので、フイ ルムの生産性が悪くなるため好ましくない。 一方、TAC42の量が有機溶媒100重量部に対し30 量部を超えると、結露で発生した水滴25がキ ャスト膜22中に潜りこめず、そのため不均一 凹凸が形成された多孔フイルムになってし うことがある。
高分子溶液11については、その粘度を高 するほど結露で発生した水滴25の移動性が悪 くなり、低くするほど水滴25同士が結合して 体してしまい、孔径が不均一になってしま 傾向がある。そして、この粘度を0.1mPa・s以 上1000mPa・s以下の範囲とすると、より均一な をもつ多孔フイルムを製造することができ 。更に、粘度を、1mPa・s以上100mPa・s以下と ることが好ましい。高分子溶液11の粘度が0. 1mPa・s未満であると、任意の水滴が連結して まい、開口径AP1や径AP2が不均一となってし うことがあり、一方、高分子溶液11の粘度 1000mPa・sよりも大きいと、水滴の配列が乱れ てしまい規則性がなくなることがある。
高分子溶液11は、フイルム製造ライン72に 送られる前に、予めろ過されることが好まし い。これにより多孔フイルム17への異物混入 防止することができる。ろ過は複数回実施 ることが好ましい。例えばろ過を2回実施す るときには、上流側のろ過装置(図示なし)に 、多孔フイルム17の孔の径よりも大きな絶 ろ過精度(絶対ろ過孔径)をもつフィルタが備 えられ、下流側のろ過装置(図示なし)には、 孔フイルム17の空隙よりも小さな絶対ろ過 度をもつフィルタが備えられることが好ま い。
なお、高分子溶液調製ライン40において 高分子溶液11に含まれるポリマーとしてTACを 用いたが、本発明におけるポリマーとしては 、TACに限らず、その他のセルロースアシレー トを用いてもよい。
上述した高分子溶液調製ライン40での、 材、原料、添加剤の溶解方法、濾過方法、 泡、添加方法については、特開2005-104148号の [0517]段落から[0616]段落が詳しい。これらの記 載も本発明に適用できる。
(多孔フイルム製造設備)
図9のように、フイルム製造ライン72は、工
13~16(図1参照)を行う流延室100と、ストック
ンク70と流延室100とを接続する配管102とを有
する。配管102には、ストックタンク70内の高
子溶液11を流延室100に送るポンプ104と、配
102を通過する高分子溶液11を濾過する濾過装
置105とを有する。濾過装置105の濾過フィルタ
の平均孔径が0.01μm以上1μm以下であることが
ましく、0.1μm以上1μm以下であることがより
好ましい。
流延室100は、キャスト工程13と水滴形成 程14(図1参照)とを行うための第1エリア111と 水滴成長工程15(図1参照)を行うための第2エ ア112と、水滴蒸発工程16(図1参照)を行う第3 リア113とを有する。流延室100にはローラ115,1 16が設けられる。ローラ115,116のうち、少なく とも一方は図示しない駆動装置により回転す る。支持体として用いるエンドレスバンド118 は、流延室100に設けられるローラ115,116に掛 渡される。ローラ115,116の回転によりエンド スバンド118は、第1エリア111~第3エリア113を 回走行する。ローラ115,116は、温調機120と接 続する。温調機120は、ローラ115,116の温度を 整する。ローラ115,116の温度調整により、ロ ラ115,116に接触するエンドレスバンド118の温 度を所望の範囲に略一定に保持することがで きる。
エンドレスバンド118は、熱伝導率kと厚みL が、100W/(m 2 ・K)≦k/L≦100000W/(m 2 ・K)の条件を満たすものであることが好まし 。厚みLは0.05mm以上10mm以下であることが好 しい。これにより、より速く、より精緻な 度制御が可能になる。特に、キャスト膜22の 周辺空気の条件制御を瞬時に変化させられな い場合にはこのようなエンドレスバンド118が 有効である。k/Lが100W/(m 2 ・K)よりも小さいと、熱伝導性が低いことか エンドレスバンド118の温度変化に対する応 性が悪くなり、結果的にキャスト膜22の温 制御性に乏しくなり、開口径や径を所定の にすることができなくなってしまうことが り、100000W/(m 2 ・K)よりも大きいと、温調機120の伝熱ムラ、 まり温度制御精度のばらつきがキャスト膜2 2に即座に伝わり、結果的に開口径や径が不 則になってしまうことがある。
また、このエンドレスバンド118の上に、 らに第二の支持体としての平板部材もしく 可撓性のあるシート(フレキシブルシート) 配し、この第2の支持体の上にキャスト膜を 成してもよい。一方、エンドレスバンド118 代えて、平板部材やフレキシブルシートと 、これらがそれぞれペルチェモジュールを えるものが好ましい。これらの平板部材や レキシブルシートを、温度制御可能であっ 水平面をもつ部材上に配することにより、 板部材毎あるいはフレキシブルシート毎に 精度に温度を制御することができる。
流延ダイ125は、第1エリア111内の、エンド レスバンド118の上方に備えられる。流延ダイ 125は、第1エリア111を通過するエンドレスバ ド118の上に、高分子溶液11をキャストする。 エンドレスバンド118上にキャストされた高分 子溶液11は、キャスト膜22となる。第1エリア1 11で形成したキャスト膜22は、エンドレスバ ド118の走行により、第2エリア112、第3エリア 113へと順次送られる。
第1エリア111のキャスト膜22の走行路の上 には送風吸気ユニット131が設けられる。送 吸気ユニット131は、加湿空気をキャスト膜2 2の近傍で流し出す送風口131aと、キャスト膜2 2の周辺の気体を吸気する吸気口131bとを有す とともに、送風系における加湿空気の温度 露点、湿度、風速、吸気系における吸引力 独立して制御する送風コントローラ(図示せ ず)を備える。送風口131aには、塵埃度、つま 加湿空気の清浄度を保つためのフィルタが えられる。送風吸気ユニット131はエンドレ バンド118の走行方向に複数並べて設けられ もよい。
ここで、送風口131aから送り出される加湿空
気の露点をTDとするとき、TD-TSで求められる
をδTとする。δTが下記の式(1)を満たすよう
、表面温度TSと露点TDとの少なくともいずれ
一方を制御する。なお、キャスト膜22の表
温度TSは、例えば、市販される赤外式温度計
等の非接触式温度測定手段をキャスト膜22の
傍に設けて測定することができる。δTが3℃
未満であると、水滴が発生しにくい。一方、
δTが15℃よりも大きいと水滴が急激に発生し
しまい、水滴の大きさが不均一になってし
う、或いは、水滴が2次元、つまり平面に並
ばずに3次元に重なってできてしまうことが
る。なお、第1エリア111においては、δTは大
な値から小さい値に変化させることが好ま
い。これにより、水滴の発生速度や発生す
水滴の大きさをコントロールすることがで
、2次元、つまりキャスト膜22の面方向に径
均一な水滴を形成することができる。
3℃≦δT≦15℃・・・(1)
第1エリア111においては、キャスト膜22の 面温度TSは、エンドレスバンド118と、この ンドレスバンド118に対向して配された温度 御板(図示なし)とにより制御されるが、いず れか一方により制御されてもよい。また、露 点TDについては、送風吸気ユニット131から出 れる加湿空気の条件を制御することにより 御される。
第2エリア112には、2つの送風吸気ユニッ 133,134がキャスト膜22の走行路に沿って順に される。上流側の送風吸気ユニット133は、 1エリア111の送風吸気ユニット131のすぐ下流 に配される。これは第1エリア111で形成され た水滴を、一様に成長させるためである。第 1エリア111と第2エリア112とが互いに離れるほ 、つまり水滴を形成してから第2エリア112に 入るまでの時間が長くなるほど、成長し終え たときの水滴の大きさが不均一になってしま う。送風吸気ユニットの数は、本実施形態の 数、つまり2に限定されず、1または3以上であ ってもよい。送風吸気ユニット133,134は、送 吸気ユニット131と同じものとしているがこ に限定されない。
第2エリア112では、δTが下記の式(2)を満たす
ように、表面温度TSと露点TDとの少なくとも
ずれか一方を制御する。表面温度TSの制御は
、主に温度制御板(図示なし)によりなされる
この温度制御板は、第1エリア111の温度制御
板と基本的には同一の構造であり、エンドレ
スバンド118の走行方向に沿って温度を変化さ
せることができる。また、露点TDの制御は送
口133aからの加湿空気の条件制御によりなさ
れる。なお、この第2エリア112においては、
ャスト膜22の表面温度TSは、上記と同様な温
測定手段をキャスト膜22の近傍に設けて測
することができる。第2エリア112の条件をこ
ように設定することにより、水滴をゆっく
成長させて毛管力により水滴の配列を促し
均一な水滴を密に形成することができる。
Tが0℃以下の場合には、水滴の成長が不十分
で密な状態に形成せず、孔の形状や大きさ及
び多孔フイルム17における孔の配列が不均一
なることがある。また、δTが10℃よりも大
いと、水滴が局所的に多層化、つまり三次
的に形成され、孔の形状や大きさ及び多孔
イルムにおける孔の配列が不均一となるこ
がある。
0℃<δT≦10℃・・・(2)
水滴を成長させている間に、できるだけ くの有機溶媒26をキャスト膜22から蒸発させ ることが好ましい。第2エリア112における表 温度TSと露点TDとを上記範囲にすることによ 、有機溶媒26を十分に蒸発させるとともに 急激な蒸発を抑制することができる。また 水滴を蒸発させずに有機溶媒26だけを選択的 に蒸発させることが好ましい。したがって、 有機溶媒26としては、同温同圧下において水 よりも蒸発速度が速いものが好ましい。こ により、有機溶媒26の蒸発に伴い水滴がキ スト膜22の内部に入り込むことがより容易に なる。
第3エリア113には、4つの送風吸気ユニッ 141~143がキャスト膜22の走行路に沿って順に される。送風吸気ユニットの数は、本実施 態の数、つまり4に限定されず、1以上3以下 たは5以上であってもよい。送風吸気ユニッ 141~143は、送風吸気ユニット131と同じものと しているがこれに限定されない。
表面温度TSと露点TDとが下記の式(3)を満たす
ように、表面温度TSと露点TDとの少なくとも
ずれか一方を制御する。表面温度TSの制御は
、主に温度制御板(図示しない)によりなされ
。また、露点TD制御は送風口141aからの乾燥
気の条件制御によりなされる。なお、この
3エリア113においては、キャスト膜22の表面
度TSは、上記と同様な温度測定手段をキャ
ト膜22の近傍に設けて測定することができる
。第3エリア113の条件をこのように設定する
とにより、水滴の成長を止めて蒸発させる
とができる。TS≦TDとすると、水滴の上にさ
に結露が生じて、形成された多孔構造を破
してしまうことがある。
TS>TD・・・(3)
第3エリア113では、水滴の蒸発を主たる目 的としているが、第3エリア113に至るまでに 発しきれなかった有機溶媒も蒸発させても い。
第3エリア113における水滴蒸発工程16では 送風吸気ユニット141~143に代えて減圧乾燥装 置や、いわゆる2Dノズルを用いてもよい。減 乾燥を行うことで、有機溶媒と水滴との蒸 速度をそれぞれ調整することがより容易に る。これにより、有機溶媒の蒸発と水滴の 発とをより良好にし、水滴をより良好にキ スト膜22の内部に形成することができるの 、前記水滴が存在する位置に、大きさ、形 が制御された孔31を形成することができる。 なお、前記2Dノズルとは、風を出す給気ノズ 部材と、キャスト膜22近傍の空気を吸い込 排気用ノズル部材とをもつものである。こ 2Dノズルとしては、キャスト膜22全幅に渡り 均一に給気と排気とを行えるものが好まし 。なお、エンドレスバンド118の温度は、第1 エリア111から第3エリア113まで徐々に上昇さ ることが好ましい。これにより、蒸発速度 制御して多孔構造を壊すことなく効率的に 媒を蒸発させることができる。この温度上 は、0.005℃/秒以上3℃/秒以下の範囲で実施す ることが好ましい。
流延室100内で気体となった有機溶媒は、 収装置(図示せず)で回収された後に、流延 100の外に備えられる再生装置(図示せず)で再 生されて再利用に供される。また、第1エリ 111と第2エリア112とは互いにできるだけ近く 設けられることが好ましい。
フイルム製造ライン72は、剥取ローラ157 備える。剥取ローラ157は、キャスト膜22を多 孔フイルム17として、エンドレスバンド118か 剥ぎ取り、多孔フイルム17を次工程に案内 る。次工程とは、例えば、多孔フイルム17に 種々の機能を施すための機能付与工程や、多 孔フイルム17をロール状に巻き取る巻取工程 である。
本発明において、送風吸気ユニット131か の加湿空気の送風速度V1は、キャスト膜22の 移動速度、つまりエンドレスバンド118の走行 速度との相対速度である。送風速度V1が、0.02 m/秒以上1m/秒以下の範囲であることが好まし 。前記送風速度V1が0.02m/秒未満であると、 滴が細密に配列して形成されないうちに、 ャスト膜22が第3エリア113に導入されてしま ことがある。一方、前記送風速度V1が1m/秒を 超えると、キャスト膜22の露出面が乱れたり 結露が充分に進行しなかったりするおそれ ある。また、加湿空気の風向及び風速は、 ンドレスバンド118の幅方向にわたりできる け一定であることが好ましい。なお、送風 気ユニット133、134から送られる加湿空気の 風速度が、V1であってもよい。
図8の高分子溶液調製ライン40にてTAC42と 化防止剤とを混合し、所定時間が経過する 、欠陥発生故障の原因となる異物が生成す 。特に、TAC42が有するカルボシキル基は、酸 化防止剤と反応しやすいため、欠陥発生故障 の原因となる異物が生成しやすい。そこで、 本発明では、溶解タンク45におけるTAC42と酸 防止剤を含む添加剤液47との混合の開始から 、72時間以内に水滴成長工程15(図1参照)を終 させる。これにより、本発明によれば、欠 発生故障の原因となる異物が生成する前に 水滴成長工程15を終了させるため、異物の生 成による欠陥発生故障を抑えることが可能と なり、孔の寸法や形状、形成ピッチのばらつ きが少なく、且つ、酸化による劣化などが起 こりにくく、品質が安定した多孔フイルム製 造することができる。なお、混合の開始時と は、TACと酸化防止剤と有機溶媒とが互いに接 触し始めたときである。すなわち、本実施形 態においては、溶解タンク45に、混合すべきT AC42と添加剤液47と有機溶媒26とが案内されて 触を開始したときである。
ここで、水滴成長工程15の終了時期は、 滴が0.1μm以上30μm以下の範囲の所定の大きさ に成長したときであり、水滴がその所定の大 きさに成長したときとキャスト膜22の流動性 なくなるときとが一致するように、キャス 膜22に含まれる有機溶媒を気化させる、あ いは、キャスト膜22の流動性がなくなるとき に水滴の径が上記範囲の所定の大きさになる ように水滴を成長させる。このように有機溶 媒の蒸発速度と水滴の成長速度との少なくと もいずれか一方を制御することにより、水滴 成長工程15の終了時におけるキャスト膜22は 孔フイルム17と略同一の形状となり、孔とな る部分に水滴が潜り込んだ、水滴の潜り込み 終了の状態となる。
上記実施形態では、溶解タンク45(図8参照 )での、濾過装置56を経た酸化防止剤を含む添 加剤液47とTAC42との混合開始後、72時間以内に 水滴成長工程15を終了させるとしたが、本発 はこれに限られず、溶解タンク45で混合し 後の高分子溶液11を濾過してから72時間以内 水滴成長工程15を終了させてもよい。具体 には、濾過装置52、54(図8参照)、105のうち少 くともいずれか1つを用いて高分子溶液11を 過し、当該濾過後72時間以内に水滴成長工 15を終了させればよい。
酸化防止剤の分解を防止するために、膨 液44や高分子溶液11の温度を0℃以上50℃以下 に保持することが好ましい。具体的には、溶 解タンク45の混合から、ストックタンク70を て、流延ダイ125からキャストされるまでの の高分子溶液11の温度を上記範囲内で略一定 に保持することが好ましい。膨潤液44や高分 溶液11の温度が50℃を超える場合には、熱分 解のため好ましくない。
膨潤液44や高分子溶液11の温度を調節する 手段として、所望の温度に調節された伝熱媒 体が通過するジャケットを、各タンク、配管 、流延ダイなどに設ける等、公知の手段を用 いることができる。なお、加熱装置50におけ TAC42等の有機溶媒26への溶解や、フラッシュ 装置53における高分子溶液11におけるポリマ 濃度の濃縮等を行うために、膨潤液44や高分 子溶液11の温度が上記範囲を超えてしまう場 がある。このような場合には、当該処理の 、膨潤液44や高分子溶液11の温度を上記範囲 で略一定に維持するとともに、膨潤液44や高 子溶液11を濾過すればよい。これにより、TA Cとの反応による酸化防止剤の分解を、防ぐ とができる。加えて、酸化防止剤の分解は 両親媒性化合物との反応による場合もある したがって、酸化防止剤の分解を回避する めに、当該処理後、両親媒性化合物を含む 潤液44や高分子溶液11の温度を上記範囲で略 定に維持するとともに、膨潤液44や高分子 液11を濾過してもよい。なお、酸化防止剤の 分解は、熱、光による反応による場合もあり 、この場合には、膨潤液44や高分子溶液11の 度を所定の範囲内で保持する、または、膨 液44や高分子溶液11にあたる光を遮る遮光部 を用いて、所定の工程を行えばよい。
なお、本実施形態では、連続的に高分子 液11をエンドレスバンド118へ流延すること より、長尺の多孔フイルム17を製造する場合 を例示したが、本発明はこれに限定されない 。例えば、高分子溶液11を断続的に流延して シート状の多孔フイルムを次々に製造する 態も本発明に含まれる。図10は、本発明の 2の実施形態であるフイルム製造設備の要部 略図である。なお、前述した部材や装置と 一の部材、装置については、同一の符号を す。
フイルム製造ライン201は、シート状の多 フイルムを製造する設備であり、高分子溶 11を支持体205に流延し、キャスト膜206を形 し、結露によりキャスト膜206上に水滴を形 する第1エリア211と、キャスト膜206上の水滴 成長させつつ、キャスト膜206に含まれる有 溶媒を蒸発させる第2エリア212と、水滴を蒸 発させる第3エリア213と、支持体205を第1エリ 211~第3エリア213にかけて順次搬送する搬送 ルト215とを有する。搬送ベルト215により、 持体205が第1エリア211に案内される。
流延ダイ125は、第1エリア211を通過する支 持体205に高分子溶液11を流出する。これによ 高分子溶液11が支持体205の上に流延され、 分子溶液11からキャスト膜206が形成される。 送風吸気ユニット131は、第1エリア211を通過 るキャスト膜206に送風速度V1の加湿空気をあ てる。そして、送風吸気ユニット131からの加 湿空気により、結露が起こり、キャスト膜206 上に水滴が形成する。その後、搬送ベルト215 により、水滴が形成されたキャスト膜206は、 支持体205とともに第2エリア212に案内される 送風吸気ユニット133、134は、第2エリア212を 過するキャスト膜206に加湿空気をあてる。 風吸気ユニット133、134からの加湿空気によ 、キャスト膜206上の水滴が成長する。その 、搬送ベルト215により、所望の寸法まで成 した水滴が内部に入り込んだキャスト膜206 、第3エリア213に案内される。送風吸気ユニ ット141~143は、第3エリア213を通過するキャス 膜206に乾燥空気をあてる。送風吸気ユニッ 141~143からの乾燥空気により、キャスト膜206 の内部或いは表面上の水滴が蒸発する。第3 リア213を経たキャスト膜206を支持体205から ぎ取ることにより、多孔フイルムを得るこ ができる。このように、第1エリア211~第3エ ア213での各工程を支持体205単位で実施し、 欠的に支持体205を搬送することにより、シ ト状の多孔フイルムを製造することができ 。
なお、幅方向の長さが流延ダイ125よりも い流延ダイを、支持体の幅方向に複数なら て、幅が小さなキャスト膜を複数形成する ともできる。さらに、キャスト工程におけ 支持体の搬送を、より短い時間間隔で間欠 にすることにより、より小さなキャスト膜 支持体上に複数形成することもできる。ま 、流延ダイの溶液の流出口を幅方向で複数 仕切り、高分子溶液11を断続的に流延する とにより、短冊状の多孔フイルムを次々と 造することもできる。
図11に、本発明に係る第3の実施形態であ フイルム製造ライン301を示す。なお、前述 た多孔フイルム製造ライン72(図9参照)、201( 10参照)と同じ装置、部材、作用の説明は省 する。
フイルム製造ライン301は、流延ダイ125を いて、支持体であるセルロースアシレート イルム(以下、ベースフイルムと称する)305 に高分子溶液11を流延し、キャスト膜306を形 成し、結露によりキャスト膜306上に水滴を形 成する第1エリア311と、キャスト膜306上の水 を成長させつつ、キャスト膜306に含まれる 機溶媒を蒸発させる第2エリア312と、水滴を 発させる第3エリア313と、ロール状に巻き取 られたベースフイルム305を収納する送出装置 315と、第3エリア313を経たキャスト膜306を、 出装置315から送り出されたベースフイルム30 5とともに、多孔フイルム317として巻き取る 取装置319とを有する。送出装置315及び巻取 置319により、ベースフイルム305は、第1エリ 311~第3エリア313を順次通過する。
流延ダイ125は、第1エリア311を通過するベ ースフイルム305に高分子溶液11をキャストす 。ベースフイルム305上にキャストされた高 子溶液11からキャスト膜306が形成する。送 吸気ユニット131から送り出された、送風速 V1の加湿空気により、キャスト膜306上に水滴 が形成する。その後、水滴が形成されたキャ スト膜306は、ベースフイルム305とともに第2 リア312に案内される。送風吸気ユニット133 134から送り出された加湿空気により、キャ ト膜306上の水滴が成長する。その後、水滴 内部に入り込んだキャスト膜306は、第3エリ 313に案内される。送風吸気ユニット141~143か ら送り出された乾燥空気により、キャスト膜 306の内部或いは表面上の水滴が蒸発する。水 滴の蒸発により、キャスト膜306には孔が形成 される。ベースフイルム305の走行により、孔 を有するキャスト膜306は巻取装置319へ案内さ れる。巻取装置319は、キャスト膜306及びベー スフイルム305を、多孔フイルム317として巻き 取る。
図12のように、フイルム製造ライン301に り得られる多孔フイルム317は、ベースフイ ム305と孔を複数有するキャスト膜306とから る。キャスト膜306は、図12に示すように露出 する一方の面からベースフイルム305に接する 他方の面に突き抜けるように孔が形成されて いる場合もあるし、露出する一方の面に窪み としての孔が形成されている場合もある。な お、後者の場合には、他方の面は窪みの無い 平滑面であり、この平滑面とベースフイルム 305とが接していることになる。
このように、多孔フイルム317の片面には 孔320が形成される。孔320の形状は、前述し 孔31等と同様であり、キャスト膜306の厚さL1 1は、前述したL1と同様である。ベースフイル ム305の厚さL12は、10μm以上100μm以下であるこ が好ましく、30μm以上80μm以下であることが より好ましい。
多孔フイルム144をつくる場合において、 ースフイルム305及びキャスト膜306の原料と るポリマーは、同一の化合物であることが ましい。原料となるポリマーとして、TACやC APを含む場合には、多孔フイルム144を反射防 フイルムとして用いることもできる。
上記実施形態では、キャスト工程13(図1参 照)において、長尺状の支持体であるエンド スバンド118上に高分子溶液11をキャストして 、キャスト膜22をつくったが、本発明はこれ 限らず、支持体として、軸を中心に回転す 回転ドラムを用いて、回転ドラムの周面に 分子溶液11をキャストしてもよい。
キャスト工程13では、支持体上の高分子 液11を乾燥してキャスト膜22をつくってもよ し、支持体上の高分子溶液11を冷却してキ スト膜をつくってもよいし、これらを組み わせてキャスト膜をつくってもよい。
支持体上の高分子溶液11を冷却してキャ ト膜を作る場合には、冷却したキャスト膜22 上で、水滴形成工程14や水滴成長工程15を行 ても良いし、支持体から剥ぎ取ったキャス 膜22をピンテンタなどで搬送する際に、水滴 形成工程14や水滴成長工程15を行っても良い なお、水滴形成工程14や水滴成長工程15にお る水滴の状態は、液状に限られず、固体で よい。
実施例1~実施例16
表1に示す16通りの条件で高分子溶液11をつ
り、この高分子溶液11から多孔フイルム17を
くった。これらをそれぞれ実施例1~16とする
。添加剤液47は酸化防止剤を含む。酸化防止
としては、株式会社ADEKA製の商品名アデカ
スタブ(PEP-36)を用いた。表1の各欄の記載の意
味は、以下の通りである。なお、高分子溶液
11のフラッシュ装置53を用いた濃度調整は実
しなかった。
「添加液の濾過工程」における「工程の有
」欄;濾過装置56による添加剤液47の濾過工
の有無を示す。添加剤液47を濾過装置56で濾
した場合を「有り」、濾過装置56での濾過
せずに溶解タンク45に添加剤液47を案内した
合を「無し」とする。
「添加液の濾過工程」における「フィルタ
平均孔径」欄;濾過装置56に備えたフィルタ
平均孔径(単位;μm)である。濾過装置56によ
濾過を実施しない場合には「-」を記す。
「酸化防止剤の添加量」欄;高分子溶液11に
ける、TAC42の重量に対する酸化防止剤の重
の比率(単位;wt%)である。
「高分子溶液の濾過工程」における「工程
有無」欄;濾過装置52による高分子溶液11の
過工程の有無を示す。高分子溶液11を濾過装
置52で濾過した場合を「有り」、濾過装置52
の濾過をせずに温調機51からストックタンク
70に高分子溶液11を案内した場合を「無し」
する。
「高分子溶液の濾過工程」における「フィ
タの平均孔径」欄;濾過装置52に備えたフィ
タの平均孔径(単位;μm)である。濾過装置52
よる濾過を実施しない場合には「-」を記す
「濾過終了から水滴成長工程終了までの時
」;濾過装置56または濾過装置52による濾過
終了した時点から、水滴成長工程15を終了さ
せた時点までの時間(単位;時間)である。濾過
装置56による添加剤液47の濾過と濾過装置52に
よる高分子溶液11の濾過との両方を実施した
合には、濾過装置52による高分子溶液11の終
了時点を、時間の開始時点とした。
得られた各多孔フイルム17につき、以下の
準で評価した。評価結果は表1に示す。
「A」;孔31の開口径AP1、径AP2、ピッチが極
て均一である。
「B」;孔31の開口径AP1、径AP2、ピッチが均
である。
「C」;孔31の開口径AP1、径AP2、ピッチが不
一である箇所が極わずかにみられるが実用
問題ないレベルである。
「D」;孔31の開口径AP1、径AP2、ピッチが不
一であり、実用上問題あるレベルである。
比較例1及び比較例2
比較例1と比較例2とを実施した。比較例1で
、表1に示すように、濾過装置52による高分
溶液11の濾過を実施せず、「濾過終了から
滴成長工程終了までの時間」欄に示すよう
、濾過装置56での濾過を終了した時点から水
滴成長工程15を終了させた時点までの時間を9
6時間とした。また、比較例2では、濾過装置5
6と濾過装置52とによる濾過をいずれも実施し
なかった。そこで、この比較例2における「
過終了から水滴成長工程終了までの時間」
には、ストックタンク70に高分子溶液が入っ
たときから、水滴成長工程15を終了させた時
での時間を記載する。
本発明により、酸化防止剤を含むにも関 らず、穴の寸法や形状、形成ピッチにばら きがない多孔フイルムが得られるので、微 な多孔構造が求められる用途の中でも均一 と酸化しにくさとが共に求められるような 子分野、光学分野、再生医療分野等での使 が可能となる。
Next Patent: NAVIGATION DEVICE
