株式会社ブリヂストン (〒40 東京都中央区京橋1丁目10番1号 Tokyo, 1048340, JP)
| 1本または複数本のコアフィラメントからなるコア部と、該コア部の周りに配置された複数本のシースフィラメントとで構成されるゴム-スチール複合体コードの製造方法であって、 前記コア部を口金に通しつつ該コア部の外周に未加硫ゴムを被覆した後、該未加硫ゴムで被覆されたコア部の外周に前記シースフィラメントを撚り合わせるゴム-スチール複合体コードの製造方法において、 前記口金として、前記コア部が通過可能であってかつ、該コア部の断面形状と略一致する断面形状のものを用いることを特徴とするゴム-スチール複合体コードの製造方法。 |
| 請求項1記載のゴム-スチール複合体コードの製造方法により製造されるゴム-スチール複合体コードであって、前記コアフィラメントとシースフィラメントとが同方向同ピッチで撚られてなるコンパクト構造を有することを特徴とするゴム-スチール複合体コード。 |
| 請求項1記載のゴム-スチール複合体コードの製造方法により製造されるゴム-スチール複合体コードであって、2層または3層の層撚り構造を有することを特徴とするゴム-スチール複合体コード。 |
| 1本または複数本のコアフィラメントからなるコア部と、該コア部の周りに配置され、複数本のシースフィラメントからなるシース部の2層以上とで構成されるゴム-スチール複合体コードの製造方法であって、 前記コア部の外周に前記シースフィラメントを撚り合わせて前記シース部の1層目を形成し、形成された該1層目のシース部を口金に通しつつ該1層目のシース部の外周に未加硫ゴムを被覆した後、該未加硫ゴムで被覆された1層目のシース部の外周に前記シースフィラメントを撚り合わせて前記シース部の2層目を形成するゴム-スチール複合体コードの製造方法において、 前記口金として、前記1層目のシース部が通過可能であってかつ、該1層目のシース部の断面形状と略一致する断面形状のものを用いることを特徴とするゴム-スチール複合体コードの製造方法。 |
| 請求項4記載のゴム-スチール複合体コードの製造方法により製造されるゴム-スチール複合体コードであって、前記コアフィラメントとシースフィラメントとが同方向同ピッチで撚られてなるコンパクト構造を有することを特徴とするゴム-スチール複合体コード。 |
| 請求項4記載のゴム-スチール複合体コードの製造方法により製造されるゴム-スチール複合体コードであって、2層または3層の層撚り構造を有することを特徴とするゴム-スチール複合体コード。 |
本発明は、ゴム-スチール複合体コードの 製造方法およびそれにより得られるゴム-ス ール複合体コード(以下、単に「製造方法」 よび「コード」とも称する)に関し、詳しく は、コアとシースとからなる層撚り構造を有 するゴム-スチール複合体コードの製造方法 および、それにより得られるゴム-スチール 合体コードに関する。
従来、コアの周りにシースを配置してな 層撚り構造を有するコードの耐久性を向上 る目的で、あらかじめコア部に未加硫ゴム 覆処理を施した後にシースを撚り合わせる とで、ゴムペネトレーション(ゴムペネ)性 確保することが行われている。このコア部 対する未加硫ゴムの被覆は、従来、ゴム押 機の口金内で行われており、かかる口金と ては、断面円形形状のものが使用されてい 。
例えば、特許文献1には、コア線材の周囲に
未加硫ゴムを被覆し、引き続きその廻りに複
数本のシースワイヤを撚り合わせるようにし
たエラストマー複合スチールコードの製造方
法が開示されている。また、特許文献2には
2本以上の素線からなるコアと2本以上の素線
からなるシースとを有する複層撚りのスチー
ルコードにおいて、コアに対して予め未加硫
ゴムを被覆し、そのゴム被覆層の外側表面に
防着用粒子を付着させた後、コアとシースと
を撚り合わせてなるスチールコードが開示さ
れている。
上述のように、従来、コア部の未加硫ゴ による被覆は断面円形形状の口金を介して われていた。しかしながら、目的とするコ ド構造によっては、コア部の断面形状と異 る断面円形形状の口金を用いて未加硫ゴム 被覆した状態でコードを撚り上げると、余 の未加硫ゴムがシース配置の邪魔をして、 ースフィラメントの引き揃えが悪くなる場 があった。この場合、コード強力測定時に フィラメントに均一な荷重がかからなくな ため、入力の厳しいフィラメントが先行的 破断することとなり、未加硫ゴムを被覆し い通常のコードに比べて、コード強力の低 を引き起こしてしまうという問題が生じて た。
そこで本発明の目的は、上記問題を解消 て、あらかじめコア部を未加硫ゴムにより 覆する場合であっても、シースフィラメン の引き揃えの問題を生ずることがないゴム- スチール複合体コードの製造方法を提供する ことにあり、また、かかる製造方法を用いる ことで、ゴムペネ性が良好であってかつ、高 いコード強力を有するゴム-スチール複合体 ードを提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、コア部を 加硫ゴムで被覆する際に、コア部の形状に わせた口金を用いることで、上記問題を解 できることを見出して、本発明を完成する 至った。
すなわち、本発明のゴム-スチール複合体コ
ードの製造方法は、1本または複数本のコア
ィラメントからなるコア部と、該コア部の
りに配置された複数本のシースフィラメン
とで構成されるゴム-スチール複合体コード
製造方法であって、
前記コア部を口金に通しつつ該コア部の外
に未加硫ゴムを被覆した後、該未加硫ゴム
被覆されたコア部の外周に前記シースフィ
メントを撚り合わせるゴム-スチール複合体
コードの製造方法において、
前記口金として、前記コア部が通過可能で
ってかつ、該コア部の断面形状と略一致す
断面形状のものを用いることを特徴とする
のである。
また、本発明の他のゴム-スチール複合体コ
ードの製造方法は、1本または複数本のコア
ィラメントからなるコア部と、該コア部の
りに配置され、複数本のシースフィラメン
からなるシース部の2層以上とで構成される
ム-スチール複合体コードの製造方法であっ
て、
前記コア部の外周に前記シースフィラメン
を撚り合わせて前記シース部の1層目を形成
し、形成された該1層目のシース部を口金に
しつつ該1層目のシース部の外周に未加硫ゴ
を被覆した後、該未加硫ゴムで被覆された1
層目のシース部の外周に前記シースフィラメ
ントを撚り合わせて前記シース部の2層目を
成するゴム-スチール複合体コードの製造方
において、
前記口金として、前記1層目のシース部が通
過可能であってかつ、該1層目のシース部の
面形状と略一致する断面形状のものを用い
ことを特徴とするものである。
また、本発明のゴム-スチール複合体コー ドは、上記本発明の製造方法により製造され るゴム-スチール複合体コードであって、前 コアフィラメントとシースフィラメントと 同方向同ピッチで撚られてなるコンパクト 造を有するか、または、2層または3層の層撚 り構造を有することを特徴とするものである 。
本発明によれば、上記構成としたことに り、あらかじめコア部を未加硫ゴムにより 覆する場合であっても、シースフィラメン の引き揃えの問題を生ずることがないゴム- スチール複合体コードの製造方法、および、 ゴムペネ性が良好であってかつ、高いコード 強力を有するゴム-スチール複合体コードを 現することが可能となった。
1,3 コア部
4 第1シース部
5 第2シース部
11,13 コアフィラメント
12A インナーシースフィラメント
12B アウターシースフィラメント
14 第1シースフィラメント
15A,15B 第2シースフィラメント
20 未加硫ゴム
31,34,51,52,53 ボビン
32,55,57 シース撚り点(ワイヤー収束器)
33,54,56 未加硫ゴム被覆装置
35 撚り線機
以下、本発明の好適実施形態について詳細
説明する。
図1に、本発明の一例のゴム-スチール複合
コードのコード構造を示す。図示するゴム-
チール複合体コードは、3本のコアフィラメ
ント11からなるコア部1と、その周りに配置さ
れた3本のインナーシースフィラメント12Aお
び6本のアウターシースフィラメント12Bとで
成され、コアフィラメント11とシースフィ
メント12A,12Bとが同方向同ピッチで撚られて
るコンパクト構造を有する。
本発明の製造方法においては、図示する うなコア部1とシースフィラメント12A,12Bと らなるコード構造を有するゴム-スチール複 体コードを、コア部1を口金に通しつつ、そ の外周に未加硫ゴムを被覆した後、未加硫ゴ ムで被覆されたコア部の外周に、さらにシー スフィラメント12A,12Bを撚り合わせる方法で 造するにあたり、口金として、コア部1が通 可能であってかつ、コア部1の断面形状と略 一致する断面形状のものを用いることが重要 である。
前述したように、タイヤ用のスチールコ ドでは、未加硫ゴムとフィラメントを同時 撚り上げることで、耐疲労性を向上して良 なゴムペネ性を確保できる一方、コード構 によっては、コア部の断面形状と異なる円 形状の口金で未加硫ゴムを被覆した状態で ードを撚り上げると、余剰な未加硫ゴムが ィラメント配置を乱して、フィラメントの き揃えの悪化によりコード強力が低下して まう場合があった。本発明においては、コ 部1の未加硫ゴムによる被覆に際し、上記特 定形状の口金を用いるものとしたことで、必 要量の未加硫ゴムをコア部1に対し適正に被 することができ、シースフィラメントの配 を適正に保持して、コード強力の低下を抑 することが可能となった。
本発明に用いる口金としては、必要かつ 分な量の未加硫ゴムをコア部に対し被覆で るものであればよいので、コア部の断面形 によって決まり、例えば、コア部の断面形 と略一致する多角形状ないし略多角形状の 面を有するものとすることができる。
例えば、図示するコンパクト構造のコード
おいて、断面形状が円形の口金を用いて、3
本のコアフィラメント11からなるコア部1に未
加硫ゴムを被覆した場合、撚り線時にインナ
ーシースフィラメント12Aが未加硫ゴムに阻ま
れるため、図4に示すように、膨らんだ撚り
状になってしまう。図中、符号20が未加硫ゴ
ムを示す。そこで、本発明により、コアフィ
ラメント11を3本束ねたコア部1の断面形状に
く、コア部1の断面形状と略一致する断面正
角形(図3(a))の口金を用いることで、図2に示
すように、インナーシースフィラメント12Aが
定位置である未加硫ゴム20の正三角形の辺に
ち込んで、コードの断面形状を理想的な正
角形に撚り上げることができる。これによ
、フィラメントの引き揃えが均一となり、
ィラメントの先行的な破断を引き起こすこ
がなくなって、結果として、コード強力の
下を防止することが可能となる。この場合
例えば、図3(b)に示すようなコア部1の断面
状と略一致する略三角形状の断面を有す
る口金を用いても、同様の効果を得ることが
できる。
図5に、本発明の他の例のゴム-スチール 合体コードのコード構造を示す。図示する ム-スチール複合体コードは、1本のコアフィ ラメント13からなるコア部3と、その周りに配 置され、6本の第1シースフィラメント14から る第1シース部4と、さらにその周りに配置さ れ、各6本の第2インナーシースフィラメント1 5Aおよび第2アウターシースフィラメント15Bか らなる第2シース部5とで構成され、コアフィ メント13とシースフィラメント14,15A,15Bとが 方向同ピッチで撚られてなるコンパクト構 を有する。
このような3層の撚り構造を有するゴム- チール複合体コードの場合、コア部3を口金 通しつつ、その外周に未加硫ゴムを被覆す 際、および、コア部3の外周に第1シースフ ラメント14を撚り合わせて第1シース部4を形 し、形成された第1シース部4を口金に通し つ、その外周に未加硫ゴムを被覆する際の 方において、本発明を適用することが可能 ある。この場合、上記コア部3用の口金およ 第1シース部4用の口金のいずれか一方にお て本発明を適用すれば、本発明によるシー フィラメントの引き揃え効果は得られるが 双方に適用することがより好適である。こ により、最終的に得られるコードにおいて より適正なシースフィラメント配置が得ら るものとなる。
具体的には、コア部3用の口金に本発明を 適用する場合には、コア部3を口金に通しつ 、その外周に未加硫ゴムを被覆した後、未 硫ゴムで被覆されたコア部3の外周に、さら シースフィラメント14を撚り合わせるに際 、口金として、コア部3が通過可能であって つ、コア部3の断面形状と略一致する断面形 状のものを用いればよい。また、第1シース 4用の口金に本発明を適用する場合には、第1 シース部4を口金に通しつつ、その外周に未 硫ゴムを被覆した後、未加硫ゴムで被覆さ た第1シース部4の外周にさらにシースフィラ メント15A,15Bを撚り合わせて第2シース部5を形 成するに際し、口金として、第1シース部4が 過可能であってかつ、第1シース部4の断面 状と略一致する断面形状のものを用いれば い。
この場合も、本発明に用いる口金として 、必要かつ十分な量の未加硫ゴムをコア部3 ないし第1シース部4に対し被覆できるもので ればよいので、その断面形状はコア部3ない し第1シース部4の断面形状によって決まり、 えば、コア部3ないし第1シース部4の断面形 と略一致する多角形状ないし略多角形状の 面を有するものとすることができる。
ここで、図5に示すコードの場合には、コ ア部3は1本のコアフィラメントからなるので コア部3用の口金としては、コア部3の断面 状に対応する断面形状が円形の口金を用い ばよい。その一方、第1シース部4用の口金に ついては、コア部3用と同様に断面形状が円 の口金を用いると、撚り線時に第2インナー ースフィラメント15Aが未加硫ゴム20に阻ま るため、図8に示すように、膨らんだ撚り性 になってしまう。そこで、本発明により、 1シース部4の断面形状に近く、第1シース部4 の断面形状と略一致する断面正六角形(図7(a)) の口金を用いることで、図6に示すように、 2シース部5の第2インナーシースフィラメン 15Aが定位置である未加硫ゴム20の正六角形の 辺に落ち込んで、コードの断面形状を理想的 な正六角形に撚り上げることができる。これ により、フィラメントの引き揃えが均一とな り、フィラメントの先行的な破断を引き起こ すことがなくなって、結果として、コード強 力の低下を防止することが可能となる。この 場合、例えば、図7(b)に示すような第1シース 4の断面形状と略一致する略六角形状の断面 を有する口金を用いても、同様の効果を得る ことができる。
ここで、本発明において、口金の断面形 がコア部の断面形状と略一致する多角形状 いし略多角形状であるとは、具体的には、 2に示すように、その断面形状を構成する辺 の少なくとも一部が、コア部1を構成するコ フィラメント11のうち隣接する2本の中心を る線(点線A)と平行であることを意味してい 。また、口金の断面形状が第1シース部の断 形状と略一致する多角形状ないし略多角形 であるとは、具体的には、図6に示すように 、その断面形状を構成する辺の少なくとも一 部が、第一シース部を構成する第一シースフ ィラメントのうち隣接する2本の中心を通る (点線B)と平行であることを意味している。
本発明の製造方法は、特に、図1,図5に示 ような、コアフィラメントとシースフィラ ントとが同方向同ピッチで撚られてなるコ パクト撚り構造のコードの製造に好適であ 、本発明により、ゴムペネ性が良好であっ かつ、シースフィラメントの引き揃え性が 好で、高いコード強力を有するゴム-スチー ル複合体コードが得られるものである。また 、本発明によれば、2層または3層の層撚り構 を有するコードについても同様の効果が得 れるものであり、さらに、これらコードを トランドとして、ゴムペネ性およびコード 力に優れた複撚りコードを得ることもでき 。
本発明の製造方法においては、上記特定 状の口金を用いて未加硫ゴムによるコア部 被覆を行う点のみが重要であり、それ以外 製造条件の詳細については常法に従い適宜 定することができ、特に制限されるもので ない。また、本発明のゴム-スチール複合体 コードについても、上記本発明の製造方法に より製造されたものであって、上記コンパク ト構造、または、2層または3層の層撚り構造 有するものであればよく、それ以外の具体 コード構造等については、特に制限される のではない。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細
説明する。
<実施例1>
図1に示すような、3本のコアフィラメント(
径0.24mm)からなるコア部と、その周りに配置
された9本のシースフィラメント(線径0.22mm)と
で構成され、コアフィラメントとシースフィ
ラメントとが同方向同ピッチで撚られてなる
コンパクト構造(12cc)を有するゴム-スチール
合体コードを、図9に概略を示す構成の設備
おいて、下記手順に従い作製した。この場
のコア部の断面形状は、図1に示すように、
略三角形状である。
まず、ボビン31から、3本のコアフィラメ ト11を巻き出して、無撚りで束ねた状態で シース撚り点(ワイヤー収束器)32までの間に 置した未加硫ゴム被覆装置33により、その 周に、口金を介して未加硫ゴムを被覆した その後、さらにその外周に、ボビン34から巻 き出した9本のシースフィラメント12を合わせ て撚り合わせることにより、コンパクト構造 (12cc)のゴム-スチール複合体コードを製造し 。なお、図中の符号35は撚り線機を示す。
未加硫ゴム被覆装置33における口金とし 、断面形状が円形状のもの(φ0.55mm,図4参照) 、12cc構造のコア部の断面形状と略一致する 三角形状のもの(一辺0.74mm,図3(a)参照)とをそ れぞれ用いた。なお、各口金の寸法は、未加 硫ゴムの被覆量を同一にするために、口金断 面積が同じとなるよう設定した。
<コード強力指数>
線径、抗張力および撚り本数から各コード
コード強力を算出して、この計算値を基準
して指数表示した。この数値が大なるほど
ード強力が高く、優れている。
<ゴム浸透率>
各コードのゴム浸透率として、コード内の
ム浸透率を測定した。各コードをベルトに
用したタイヤを解剖してスチールコードを
出し、その最外シースフィラメントを分離
て、コア部の表面を、拡大鏡により4方向か
ら観察した。ゴムが被覆した面積を画像処理
解析装置で測定して、得られた数値から、次
式によりゴム浸透率を算出した。
(12cc構造コード内のゴム浸透率(2層撚り構造))
=(コア部周囲のゴム被覆面積/コア部周囲の表
面積)×100
上記評価結果を、下記の表1中に併せて示す
。
上記表1の結果に示すように、ゴム浸透率 は口金形状に依存せず、コア部を未加硫ゴム で被覆した比較例1および実施例1においては いずれもゴムペネ性は十分確保されていた 一方で、コード強力に関しては、12cc構造の コア部の断面形状と略一致する正三角形の断 面形状を有する口金を用いた実施例1では、 面形状が円形の口金を用いた比較例1に比べ インナーシースフィラメントが規定の位置 配置されたことでフィラメントの引き揃い 改善されて、コード強力が向上することが かめられた。
<実施例2>
図5に示すような、1本のコアフィラメント(
径0.22mm)からなるコア部と、その周りに配置
された6本の第1シースフィラメント(線径0.20mm
)と、さらにその周りに配置された12本の第2
ースフィラメント(線径0.20mm)とで構成され、
全フィラメントが同方向同ピッチで撚られて
なるコンパクト構造(19cc)を有するゴム-スチ
ル複合体コードを、図10に概略を示す構成の
設備において、下記手順に従い作製した。
まず、ボビン51から、1本のコアフィラメ ト13を巻き出して、未加硫ゴム被覆装置54に より、その外周に、口金を介して未加硫ゴム を被覆した。次に、さらにその外周に、ボビ ン52から巻き出した6本の第1シースフィラメ ト14をワイヤー収束器55でその周囲に配置し 未加硫ゴム被覆装置56により、その外周に 口金を介して未加硫ゴムを被覆した。最後 、ボビン53から巻き出した12本の第2シースフ ィラメント15をワイヤー収束器57でその周囲 撚り合わせて、コンパクト構造(19cc)のゴム- チール複合体コードを製造した。
コア部用の未加硫ゴム被覆装置54におけ 口金としては、断面形状が円形状のもの(φ0. 27mm)を共通で用いた。また、第1シース部用の 未加硫ゴム被覆装置56における口金としては 断面形状が円形状のもの(φ0.75mm)と、19cc構 のコア部および第1シース部の断面形状と略 致する略六角形状のもの(一辺0.42mm,図7(b)参 )とをそれぞれ用いた。なお、第1シース部 の各口金の寸法は、未加硫ゴムの被覆量を 一にするために、口金断面積が同じとなる う設定した。
得られた各コードにつき、実施例1等と同 様にコード強力指数を求めるとともに、以下 に従い、第1シース部-コア部間および第2シー ス部-第1シース部間のゴム浸透率をそれぞれ めた。その結果を、下記の表1中に併せて示 す。
<ゴム浸透率>
実施例1等と同様にして、各コードをベルト
に適用したタイヤを解剖してスチールコード
を摘出し、その最外シースフィラメントを分
離して、コア部または第一シース部の表面を
、拡大鏡により4方向から観察した。ゴムが
覆した面積を画像処理解析装置で測定して
得られた数値から、次式によりゴム浸透率
算出した。
3層撚り構造(19cc構造)コード内のゴム浸透率(
1シース部-コア部間)=(コア部周囲のゴム被
面積/コア部周囲の表面積)×100
3層撚り構造(19cc構造)コード内のゴム浸透率(
2シース部-第1シース部間)=(コア部および第1
シース部周囲のゴム被覆面積/コア部および
1シース部周囲の表面積)×100
上記表2の結果に示すように、ゴム浸透率 は口金形状に依存せず、コア部および第1シ ス部を未加硫ゴムで被覆した比較例2および 施例2においては、いずれもゴムペネ性は十 分確保されていた。一方で、コード強力に関 しては、19cc構造の第1シース部のゴム被覆用 して、断面形状と略一致する略六角形の断 形状を有する口金を用いた実施例2では、断 面形状が円形の口金を用いた比較例2に比べ 第2インナーシースフィラメントが規定の位 に配置されたことでフィラメントの引き揃 が改善されて、コード強力が向上すること 確かめられた。
