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Patent Searching and Data


Title:
PROCESS FOR PRODUCING VINYLIDENE FLUORIDE POLYMER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149720
Kind Code:
A1
Abstract:
A process for producing a fluororesin improved in solubility in solvents or (meth)acrylic monomers. It comprises adding (a) a fluoroolefin, (b) malonic acid, a malonic monoester, or a malonic diester, and (c) a water-soluble free-radical polymerization initiator to water and emulsion-polymerizing the mixture.

Inventors:
IMAHORI YUJI (JP)
IMOTO KATSUHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059697
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
May 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
IMAHORI YUJI (JP)
IMOTO KATSUHIKO (JP)
International Classes:
C08F2/38; C08F2/22; C08F14/18
Foreign References:
JP2005320500A2005-11-17
JP2003119204A2003-04-23
JP2000191709A2000-07-11
JP2004528451A2004-09-16
Attorney, Agent or Firm:
ASAHINA, Sohta (2-22 Tanimachi 2-chome,Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 12, JP)
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Claims:
(a)含フッ素オレフィン、(b)マロン酸、マロン酸モノエステルまたはマロン酸ジエステルおよび(c)水溶性ラジカル重合開始剤を水中に添加し乳化重合を行う含フッ素樹脂の製造方法。
さらに、水中に(d)界面活性剤を添加する請求の範囲第1項記載の含フッ素樹脂の製造方法。
含フッ素オレフィン(a)がビニリデンフルオライドまたはビニリデンフルオライドと他の共重合可能なオレフィンの混合物である請求の範囲第1項または第2項記載の含フッ素樹脂の製造方法。
他の共重合可能なオレフィンが、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびクロロトリフルオロエチレンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求の範囲第3項記載の含フッ素樹脂の製造方法。
含フッ素オレフィン(a)がビニリデンフルオライド、クロロトリフルオロエチレンおよびテトラフルオロエチレンの混合物である請求の範囲第1項~第4項のいずれかに記載の含フッ素樹脂の製造方法。
マロン酸、マロン酸モノエステルまたはマロン酸ジエステル(b)が式(1):
(式中、R 1 およびR 2 は、同じであっても異なっていてもよく、いずれも炭素数1~6のアルキル基、または水素原子)
である請求の範囲第1項~第5項のいずれかに記載の含フッ素樹脂の製造方法。
請求の範囲第1項~第6項のいずれかに記載の製造方法により得られる含フッ素樹脂。
請求の範囲第7項記載の含フッ素樹脂を含む水性分散組成物。
Description:
ビニリデンフルオライド系重合 の製造方法

 本発明は、マロン酸、マロン酸モノエス ルまたはマロン酸ジエステルの存在下で含 ッ素オレフィンを水溶性ラジカル重合開始 により乳化重合を行う含フッ素樹脂の製造 法に関する。

 含フッ素樹脂は耐候性や撥水撥油性、防 性、化学的安定性、非粘着性、潤滑性、耐 性、難燃性などに優れているという利点が るが、高価で汎用の用途には多量に使用す ことは困難である。そこで、(メタ)アクリ ポリマーなどの汎用樹脂にフッ素系低分子 合物やフッ素樹脂を添加剤として添加して 用されている。

 ところで、含フッ素樹脂を乳化重合によ 製造する場合、水中に含フッ素オレフィン よび水溶性重合開始剤を添加し重合する方 が古くから知られている。例えば、特開平7 -90153号公報には、フッ素系界面活性剤を用い てビニリデンフルオライド系重合体を製造す る旨が記載されているが、該製造方法により 得られるビニリデンフルオライド系重合体は 、水溶性重合開始剤由来のイオン性末端基を 有するため、溶剤に対する溶解性が悪く、改 善の余地があった。

 また、特開昭58-65711号公報には、フッ化 ニリデンを水溶性重合開始剤として過硫酸 を用いて乳化重合させる際に、連鎖移動剤 して酢酸メチルや酢酸エチルを添加してポ フッ化ビニリデンを製造する旨が記載され いる。該連鎖移動剤を添加することにより 合速度の低下が少なく、また、安定性が良 であるポリフッ化ビニリデンが得られるが 重合体における水溶性重合開始剤由来のイ ン性末端基については残存しており、得ら る重合体の溶剤に対する溶解性については 善の余地があった。

 さらに特表2004-528451号公報の比較例4にお て連鎖移動剤としてマロン酸ジエチルが用 られているが、開始剤として過マンガン酸 リウムとシュウ酸の組み合わせたものを用 ており水溶性ラジカル重合開始剤は用いら ていない。

 本発明は、溶剤に対する溶解性が向上す 含フッ素樹脂の製造方法を提供することを 的とする。

 本発明は、(a)含フッ素オレフィン、(b)マ ン酸、マロン酸モノエステルまたはマロン ジエステルおよび(c)水溶性ラジカル重合開 剤を水中に添加し乳化重合を行う含フッ素 脂の製造方法に関する。

 さらに、水溶性溶媒中に(d)界面活性剤を 加してもよい。

 含フッ素オレフィン(a)がビニリデンフル ライドまたはビニリデンフルオライドと他 共重合可能なオレフィンの混合物であるこ が好ましい。

 他の共重合可能なオレフィンが、テトラ ルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ およびクロロトリフルオロエチレンよりな 群から選ばれる少なくとも1種であることが 好ましい。

 含フッ素オレフィン(a)がビニリデンフル ライド、クロロトリフルオロエチレンおよ テトラフルオロエチレンの混合物であるこ が好ましい。

 マロン酸、マロン酸モノエステルまたはマ ン酸ジエステル(b)が式(1):
(式中、R 1 およびR 2 は、同じであっても異なっていてもよく、い ずれも炭素数1~6のアルキル基、または水素原 子)
であることが好ましい。

 また、本発明は、前記の製造方法により られる含フッ素樹脂にも関する。

 さらに、本発明は、前記の含フッ素樹脂 含む水性分散組成物にも関する。

 本発明の製造方法は、(a)含フッ素オレフ ン、(b)マロン酸、マロン酸モノエステルま はマロン酸ジエステルおよび(c)水溶性ラジ ル重合開始剤を水中に添加し乳化を行うこ を特徴とする。

 含フッ素オレフィン(a)としては、たとえ ビニリデンフルオライド(VdF)、テトラフル ロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレ ン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ト フルオロプロピレン、フッ化ビニル(VF)、パ ーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)などの 1種または2種以上の混合物があげられるが、 機溶剤への溶解性が良好であるという点か 、VdFまたはVdFと他の共重合可能なオレフィ との混合物であることが好ましい。

 VdFの配合量は、有機溶剤への溶解性が良 であるという点から、含フッ素オレフィン( a)中、60~85モル%が好ましく、70~80モル%がより ましい。

 具体的には、VdF/TFE(60~99/1~40モル%)、VdF/TFE/ HFP(60~98/1~39/1~39モル%)、VdF/TFE/CTFE(60~98/1~39/1~39 ル%)、VdF/HFP(60~99/1~40モル%)、VdF/CTFE(60~99/1~40モ ル%)などがあげられ、特に、有機溶剤への溶 性の点から、VdF/TFE/CTFEがより好ましい。

 マロン酸、マロン酸モノエステルまたはマ ン酸ジエステル(b)を配合することにより、 られるポリマーの水溶性ラジカル重合開始 由来のイオン性末端をキャップすることが き、溶剤への溶解性を向上させることがで る。マロン酸、マロン酸モノエステルまた マロン酸ジエステル(b)としては、式(1):
のものがあげられる。

 式中、R 1 およびR 2 は、同じであっても異なっていてもよく、い ずれも炭素数1~6のアルキル基、または水素原 子、好ましくは炭素数1~3のアルキル基である 。

 具体的には、マロン酸ジエチル、マロン ジメチル、マロン酸メチルエチルなどがあ られるが、コストの点からマロン酸ジエチ が特に好ましい。

 マロン酸、マロン酸モノエステルまたは ロン酸ジエステル(b)の配合量は、ポリマー イオン性末端のキャップする効率が良好で るという点から、水溶性ラジカル重合開始 (c)100質量部に対して、10質量部以上が好ま く、10000質量部以下が好ましい。

 水溶性ラジカル重合開始剤(c)としては、 性媒体中でフリーラジカル反応に供しうる ジカルを20~90℃の間の温度で発生するもの あれば特に限定されないが、通常、水溶性 開始剤として過硫酸のカリウム塩、アンモ ウム塩、過酸化水素などがあげられる。具 的には、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カ リウム(KPS)、過硫酸ナトリウムなどがあげら 、これらのうちイオン性末端基を生成させ 能力が良好な点から、APS、KPSが好適に使用 きる。

 また、前記水溶性ラジカル重合開始剤(c)に いて、必要に応じて還元剤を添加してレド クス反応を用いた低温分解型の開始剤系を 用することも可能である。好ましい還元剤 しては亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナト ウムなどの亜硫酸塩、亜硫酸水素ナトリウ 、または亜硫酸水素カリウムなどのメタ重 硫酸塩、ピロ硫酸塩、およびチオ硫酸塩な があげられる。亜硫酸塩を用いた場合には オン性末端基がSO 3 になる場合がある。

 水溶性ラジカル重合開始剤(c)の配合量は 重合速度を速くするという点から、水に対 て、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以 がより好ましく、0.02質量%以上がさらに好ま しい。また、水溶性ラジカル重合開始剤(c)の 配合量は、電解質濃度を下げ、平均一次粒子 径を小さくできる点から、水に対して、1.0質 量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ま く、0.2質量%以下がさらに好ましい。

 本発明の乳化重合は、界面活性剤の不存在 で重合を行ってもよく、また、水溶性溶媒 に界面活性剤(d)を配合してもよい。界面活 剤(d)としては、含フッ素オレフィン(a)を安 に乳化させることができるという点から、 ッ素系界面活性剤が好ましく、具体的には C 5 F 11 COONH 4 やC 7 F 15 COONH 4 に代表されるR f COONH 4 (R f は炭素数3~20のパーフルオロアルキル基)界面 性剤、特表2004-533511号公報記載のビス(ペル ルオロアルカンスルホニル)イミドまたはそ の塩を含む界面活性剤、特表2004-509993号公報 載のCF 3 (CF 2 ) 5 CH 2 CH 2 SO 3 M(M=NH 4 、H)に代表される界面活性剤、特開昭61-223007 公報記載のC 3 F 7 OCF(CF 3 )COONH 4 、C 3 F 7 OCF(CF 3 )CF 2 OCF(CF 3 )COONH 4 などに代表される界面活性剤などがあげられ る。

 また、非フッ素系界面活性剤を配合して よい。具体的には、ノニオン系非フッ素系 面活性剤、アニオン系非フッ素系界面活性 、両性界面活性剤などがあげられる。

 ノニオン系非フッ素系界面活性剤の具体 としては、ポリオキシエチレンアルキルエ テル類、ポリオキシエチレンアルキルフェ ルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキ エステル類、ソルビタンアルキルエステル 、ポリオキシエチレンソルビタンアルキル ステル類、グリセリンエステル類およびそ 誘導体などがあげられる。より具体的には ポリオキシエチレンアルキルエーテル類の のとしてポリオキシエチレンラウリルエー ル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、 リオキシエチレンステアリルエーテル、ポ オキシエチレンオレイルエーテル、ポリオ シエチレンベヘニルエーテルなどがあげら 、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ テル類のものとしてポリオキシエチレンノ ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン クチルフェニルエーテルなどがあげられ、 リオキシエチレンアルキルエステル類のも としてモノラウリン酸ポリエチレングリコ ル、モノオレイン酸ポリエチレングリコー 、モノステアリン酸ポリエチレングリコー などがあげられ、ソルビタンアルキルエス ル類のものとしてモノラウリン酸ポリオキ エチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポ オキシエチレンソルビタン、モノステアリ 酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオ イン酸ポリオキシエチレンソルビタンなど あげられ、ポリオキシエチレンソルビタン ルキルエステル類のものとしてモノラウリ 酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパ ミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、 ノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビ ンなどがあげられ、グリセリンエステル類 ものとしてモノミリスチン酸グリセリル、 ノステアリン酸グリセリル、モノオレイン グリセリルなどがあげられる。また、これ の誘導体としては、ポリオキシエチレンア キルアミン、ポリオキシエチレンアルキル ェニル-ホルムアルデヒド縮合物、ポリオキ シエチレンアルキルエーテルリン酸塩などが あげられる。特に好ましいものはポリオキシ エチレンアルキルエーテル類およびポリオキ シエチレンアルキルエステル類であってHLB値 が10~18のものであり、具体的には、ポリオキ エチレンラウリルエーテル(EO:5~20。EOはエチ レンオキシドユニット数を示す。)モノステ リン酸ポリエチレングリコール(EO:10~55)、モ オレイン酸ポリエチレングリコール(EO:6~10) あげられる。

 アニオン系非フッ素系界面活性剤として 、高級アルコール硫酸塩のエステル、例え アルキルスルホン酸ナトリウム塩、アルキ ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、コハク ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム 、アルキルジフェニルエーテルジスルホン ナトリウム塩、などがあげられる。

 また、両性界面活性剤としては、ラウリ ベタインなどがあげられる。

 界面活性剤(d)の配合量は、フッ素系界面 性剤では、コストが抑えられる点から、水 対して、1.0質量%以下が好ましく、0.5質量% 下がより好ましく、0.2質量%以下がさらに好 しい。非フッ素系界面活性剤の配合量は、 鎖移動による重合速度の低下という点から 水に対して、1質量%以下が好ましく、0.1質 %以下がより好ましく、0.05質量%以下がさら 好ましい。

 乳化重合を行う際の重合圧力は、重合速 が早いという点から、ゲージ圧で0.1MPa以上 好ましく、0.3MPa以上がより好ましく、0.5MPa 上がさらに好ましい。また、乳化重合を行 際の重合圧力は、ゲージ圧で5MPa以下が好ま しく、2MPa以下がより好ましく、高圧化に伴 付帯設備が必要ないという点から、1MPa以下 さらに好ましい。

 乳化重合を行う際の重合温度は、生成す 水性分散体の安定性が良好であるという点 ら、20℃以上が好ましく、30℃以上がより好 ましく、40℃以上がさらに好ましい。また、 化重合を行う際の重合温度は、連鎖移動に る重合速度の失速が起こりにくいという点 ら、120℃以下が好ましく、100℃以下がより ましく、90℃以下がさらに好ましい。

 乳化重合を行う際に、さらに任意成分と て、連鎖移動剤、pH調整剤などを添加して よい。

 本発明の製造方法としては、例えば、耐 反応容器に脱イオン水を仕込み、チッ素圧 、脱気を繰り返し、残存空気を除去したの 、含フッ素オレフィン(a)およびマロン酸、 ロン酸モノエステルまたはマロン酸ジエス ル(b)を添加し、さらに水溶性ラジカル重合 始剤(c)を添加して、そののち前記含フッ素 レフィン(a)を連続供給することによって反 を行うことが好ましい。

 また、本発明は、重合を二段に分け、さ に、一段目の重合で多数のポリマー粒子を 成し、得られる乳濁液を用いて二段目の重 を行う方法で製造してもよい。

 この場合、少量の乳化剤で得られるポリ ーの粒子径を低く抑えることができ、その 果、安定した乳濁液が得られる。また、得 れるポリマー粒子も均一な粒径であり、か ポリマー含有量を高濃度とすることができ ため好ましい。二段階で重合を行う際、マ ン酸、マロン酸モノエステルまたはマロン ジエステルは一段目の重合の際に添加して よく、また、二段目の重合の際にも添加し もよい。

 得られる含フッ素樹脂の数平均分子量は 塗膜化の際に機械的特性、耐侯性が良好で るという点から、5,000以上が好ましく、8,000 以上がより好ましく、10,000以上がさらに好ま しい。また、得られる含フッ素樹脂の数平均 分子量は、溶剤溶解性や、塗膜化時のレベリ ング性が良好であるという点から、1,000,000以 下が好ましく、500,000以下がより好ましく、10 0,000以下がさらに好ましい。

 得られる含フッ素樹脂の平均一次粒子径 、粘度が低く、高濃度の水性分散液が得ら るという点から、50nm以上が好ましく、80nm 上がより好ましく、100nm以上がさらに好まし い。また、得られる含フッ素樹脂の平均一次 粒子径は、水性分散液の保存安定性、また、 塗膜調整時の光沢が良好であるという点から 、3,000nm以下が好ましく、1,000nm以下がより好 しく、500nm以下がさらに好ましい。

 また、本発明は、前記の製造方法により られる含フッ素樹脂を含む水性分散組成物 も関する。

 含フッ素樹脂の固形分濃度は、得られる 合体の量が多いという点から、水性分散組 物中に5質量%以上が好ましく、10質量%以上 より好ましく、15質量%以上がさらに好まし 。また、含フッ素樹脂の含有量は、水性分 体の安定性、重合時の付着物が少ないとい 点から、水性分散組成物中に50質量%以下が ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量 %以下がさらに好ましい。

 本発明のビニリデンフルオライド系重合 は溶剤、顔料、増粘剤、分散剤、消泡剤、 結防止剤、成膜助剤などの添加剤を配合す ことにより、また更に他の高分子化合物を 合して溶剤塗料、水性塗料、粉体塗料とし 用いることができる。

 塗装方法としては、従来と同様のハケや ーラーで塗布する方法、エアスプレー、エ レススプレー、エアゾールなどのスプレー 、デッピング法、ロールコート法、インク ート法などが採用でき、たとえばタイル、 メント、コンクリートなどのセラミックス 木材、金属、プラスチック、ゴムなどに塗 できる。

 塗料組成物としては、耐候性塗料組成物 特に建築・建材用の耐候性塗料組成物、自 車の内・外装用塗料組成物、電気製品の内 外装塗料用組成物、事務機器あるいは厨房 具類の塗料組成物、電子部品あるいはプリ ト基板類の防湿用塗料組成物などが例示で 、特に耐候性・耐久性が良好な点から建材 の耐候性塗料組成物に有利に適用できる。

 つぎに実施例をあげて本発明を具体的に 明するが、本発明はこれらの実施例のみに 定されるものではない。

実施例1
 内容積6Lの攪拌機付耐圧反応容器に脱イオ 水を3000g、マロン酸ジエチル24gを仕込み、チ ッ素圧入、脱気を繰り返し、残存空気を除去 したのち、VdF/TFE/CTFEの74/14/12モル%比の混合モ ノマーにて75℃でゲージ圧で0.80MPaまで加圧し た。10質量%過硫酸アンモニウム水溶液28.5gを 入し、槽内圧力がゲージ圧で0.80MPaとなるよ うに該混合モノマーを連続供給しながら反応 を行った。重合開始9時間後に槽内を常温、 圧に戻して重合を停止し、含フッ素重合体 粒子の水性分散液(固形分濃度20質量%)を得た 。

 この水性分散体に4質量%の硫酸アルミニ ム水溶液を添加して凝析を行った。得られ 凝析物を水洗、乾燥して、樹脂状重合体を た。

実施例2
 内容積0.5Lの攪拌機付耐圧反応容器に脱イオ ン水を250g、マロン酸ジエチル2gを仕込み、チ ッ素圧入、脱気を繰り返し、残存空気を除去 したのち、VdF/TFE/CTFEの74/14/12モル%比の混合モ ノマーにて80℃でゲージ圧で0.80MPaまで加圧し た。10質量%過硫酸アンモニウム水溶液2.4gを 入し、槽内圧力がゲージ圧で0.80MPaとなるよ に該混合モノマーを連続供給しながら反応 行った。重合開始9時間後に槽内を常温、常 圧に戻して重合を停止し、含フッ素重合体の 粒子の水性分散液(固形分濃度16質量%)を得た

 この水性分散体を-20℃で12時間冷却し凍 凝析を行った。得られた凝析物を水洗、乾 して、樹脂状重合体を得た。

実施例3
 内容積0.5Lの攪拌機付耐圧反応容器に脱イオ ン水を250g、マロン酸ジエチル2g、50質量%C 5 F 11 COONH 4 水溶液0.5gを仕込み、チッ素圧入、脱気を繰 返し、残存空気を除去したのち、VdF/TFE/CTFE 74/14/12モル%比の混合モノマーにて80℃でゲー ジ圧で0.80MPaまで加圧した。10質量%過硫酸ア モニウム水溶液2.4gを圧入し、槽内圧力がゲ ジ圧で0.80MPaとなるように該混合モノマーを 連続供給しながら反応を行った。重合開始6 間後に槽内を常温、常圧に戻して重合を停 し、含フッ素重合体の粒子の水性分散液(固 分濃度15質量%)を得た。

 この水性分散体を-20℃で12時間冷却し凍 凝析を行った。得られた凝析物を水洗、乾 して、樹脂状重合体を得た。

実施例4
 内容積0.5Lの攪拌機付耐圧反応容器に脱イオ ン水を250g、マロン酸ジエチル1gを仕込み、チ ッ素圧入、脱気を繰り返し、残存空気を除去 したのち、VdF/TFE/CTFEの74/14/12モル%比の混合モ ノマーにて80℃でゲージ圧で0.80MPaまで加圧し た。10質量%過硫酸アンモニウム水溶液2.4gを 入し、槽内圧力がゲージ圧で0.80MPaとなるよ に該混合モノマーを連続供給しながら反応 行った。重合開始9時間後に槽内を常温、常 圧に戻して重合を停止し、含フッ素重合体の 粒子の水性分散液(固形分濃度23質量%)を得た

 この水性分散体を-20℃で12時間冷却し凍 凝析を行った。得られた凝析物を水洗、乾 して、樹脂状重合体を得た。

比較例1
 内容積0.5Lの攪拌機付耐圧反応容器に脱イオ ン水を250g、酢酸エチル1gを仕込み、チッ素圧 入、脱気を繰り返し、残存空気を除去したの ち、VdF/TFE/CTFEの74/14/12モル%比の混合モノマー にて80℃でゲージ圧で0.80MPaまで加圧した。10 量%過硫酸アンモニウム水溶液2.4gを圧入し 槽内圧力がゲージ圧で0.80MPaとなるように該 合モノマーを連続供給しながら反応を行っ 。重合開始8時間後に槽内を常温、常圧に戻 して重合を停止し、含フッ素重合体の粒子の 水性分散液(固形分濃度16質量%)を得た。

 この水性分散体を-20℃で12時間冷却し凍 凝析を行った。得られた凝析物を水洗、乾 して、樹脂状重合体を得た。

比較例2
 内容積0.5Lの攪拌機付耐圧反応容器に脱イオ ン水を250g仕込み、チッ素圧入、脱気を繰り し、残存空気を除去したのち、VdF/TFE/CTFEの74 /14/12モル%比の混合モノマーにて80℃でゲージ 圧で0.80MPaまで加圧した。10質量%過硫酸アン ニウム水溶液2.4gを圧入し、槽内圧力がゲー 圧で0.80MPaとなるように該混合モノマーを連 続供給しながら反応を行った。重合開始3時 後に槽内を常温、常圧に戻して重合を停止 、含フッ素重合体の粒子の水性分散液(固形 濃度24質量%)を得た。

 この水性分散体を-20℃で12時間冷却し凍 凝析を行った。得られた凝析物を水洗、乾 して、樹脂状重合体を得た。

比較例3
 内容積0.5Lの攪拌機付耐圧反応容器に脱イオ ン水を250g、イソプロピルアルコール(以下、I PAともいう)1gを仕込み、チッ素圧入、脱気を り返し、残存空気を除去したのち、VdF/TFE/CT FEの74/14/12モル%比の混合モノマーにて80℃で ージ圧で0.80MPaまで加圧した。10質量%過硫酸 ンモニウム水溶液2.4gを圧入し、槽内圧力が ゲージ圧で0.80MPaとなるように該混合モノマ を連続供給しながら反応を行ったが、反応 進行せず、ポリマーを得ることが出来なか た。

比較例4
 比較例3と同様の方法で、連鎖移動剤をアセ チルアセトンに変更して重合を行ったが、反 応は進行せず、ポリマーを得ることが出来な かった。

 得られた水性分散体の重合速度(Rate of po lymerization)(以下、Rpともいう)を計算した。ま 、得られた樹脂状重合体を以下に示す測定 法により、分子量および平均粒子径を測定 た。測定結果を表1に示す。

(Rp)
 Rpの計算式を下に示す。

(分子量測定)
 樹脂粉末をテトラヒドロフラン(THF)で濃度 0.2%となるように溶解させ、これをGPC測定装 (東ソー(株)製、商品名HLC-8020)を用いてポリ チレン換算の数平均分子量および重量平均 子量を測定した。また、THFに溶解不充分な 合はフィルターで残渣を取り除いた後、カ ムを通過した部分のみを測定した。

(溶剤溶解性試験)
 樹脂粉末に酢酸ブチルを加え50質量%の樹脂 液を調整した。この樹脂溶液の粘度を25℃ 条件でB型粘度計(東京計器(株)製、BM型粘度  ローターNo.4 60rpm)で測定した。

(粒子径測定)
 水性分散液中の粒子の平均粒子径を濃厚系 径アナライザー(大塚電子(株)製 FPAR-1000)を いて測定した。

 本発明の製造方法によれば、マロン酸、 ロン酸モノエステルまたはマロン酸ジエス ルを添加することにより、水溶性ラジカル 合開始剤に由来するポリマーのイオン性末 をキャップすることができる。そのため、 られるポリマーは、溶剤溶解性を向上させ ことができる。