SUGIMOTO TSUNEMI (JP)
KAISO KOUJI (JP)
UBE INDUSTRIES (JP)
KAMIMURA AKIO (JP)
SUGIMOTO TSUNEMI (JP)
KAISO KOUJI (JP)
JP2002148253A | 2002-05-22 | |||
JPH11343338A | 1999-12-14 |
ω-ラウロラクタムを基本とするアミド化合物を超臨界状態のアルコールと反応させて12-ヒドロキシドデカン酸エステルを得ることを特徴とする12-ヒドロキシドデカン酸エステルの製造方法。 |
反応温度が330~370℃であることを特徴とする請求項1記載の12-ヒドロキシドデカン酸エステルの製造方法。 |
前記アルコールは、メタノール若しくはエタノール又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の12-ヒドロキシドデカン酸エステルの製造方法。 |
前記超臨界状態のアルコールとの反応よりトリアルキルアミンを併せて得ることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の12-ヒドロキシドデカン酸エステルの製造方法。 |
ω-ラウロラクタムを基本とするアミド化合物を超臨界状態のアルコールと反応させてトリアルキルアミンを得ることを特徴とするトリアルキルアミンの製造方法。 |
反応温度が330~370℃であることを特徴とする請求項5記載のトリアルキルアミンの製造方法。 |
前記アルコールは、メタノール若しくはエタノール、又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項5又は6記載のトリアルキルアミンの製造方法。 |
本発明は、有機合成の中間原料として有 な12-ヒドロキシドデカン酸エステルの製造 法、並びに医薬品、界面活性剤及び電子産 分野の化学薬品などの中間原料として有用 トリアルキルアミンの製造方法に関する。
近年、廃棄物の低減、資源の有効利用や 境保全などが重要視されていることから、 イロン6などのポリアミドのリサイクルが行 なわれている。
例えば特許文献1には、ナイロン6のリサ クルとして、280~450℃、100~500kg/cm2で、高温高 圧水を接触させることにより、ε-カプロラク タムオリゴマーをε-カプロラクタムに解重合 する方法が記載されている。
ところで、ナイロン12のリサイクルは、 なわれていないのが現状である。ナイロン12 の解重合によって得られるω-ラウロラクタム は、ナイロン12のモノマーとして利用する以 の用途はほとんどない。そのため、ケミカ リサイクルの観点から、ナイロン12の廃棄 を様々な用途に再利用する場合、水素、一 化炭素、メタンなどに分解する必要がある 、それには多大なエネルギーを消費すると う問題がある。
一方、12-ヒドロキシドデカン酸エステル 、一般的な有機合成の中間原料として有用 あり、特にカチオン系凝集剤や医農薬中間 、合成繊維用の柔軟剤、防錆剤、分散剤な 様々な用途に利用されている。また、トリ ルキルアミンは、医薬品、界面活性剤及び 子産業分野の化学薬品などの中間原料とし 有用である。
そこで、本発明は、ナイロン12の廃棄物 多大なエネルギーを消費することなく、様 な用途に再利用すべく、ナイロン12やそのモ ノマーであるω-ラウロラクタムなどを原料と する12-ヒドロキシドデカン酸エステルの製造 方法及びトリアルキルアミンの製造方法を提 供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭 検討を重ねた結果、ナイロン12及びω-ラウ ラクタムなどω-ラウロラクタムを基本とす アミド化合物を超臨界状態のアルコールと 応させることによって、12-ヒドロキシドデ ン酸エステル及びトリアルキルアミンを高 率で製造することができることを見出した すなわち、本発明は、ω-ラウロラクタムを 本とするアミド化合物を超臨界状態のアル ールと反応させて12-ヒドロキシドデカン酸 ステルを得ることを特徴とする12-ヒドロキ ドデカン酸エステルの製造方法である。ま 、本発明は、ω-ラウロラクタムを基本とす アミド化合物を超臨界状態のアルコールと 応させてトリアルキルアミンを得ることを 徴とするトリアルキルアミンの製造方法で る。
以上のように、本発明によれば、ω-ラウ ラクタムを基本とするアミド化合物を超臨 状態のアルコールと反応させることによっ 、ナイロン12やω-ラウロラクタムなどを原 とする12-ヒドロキシドデカン酸エステルの 造方法及びトリアルキルアミンの製造方法 提供することができる。従来のケミカルサ クルにおいては、多大なエネルギーを消費 てナイロン12などの廃棄物を水素、一酸化炭 素及びメタンなどまで分解しているが、本発 明によれば、加工度が進んだ化学原料である 12-ヒドロキシドデカン酸エステルやトリアル キルアミンを廃棄物であるナイロン12などか 得ることができ、より少ないエネルギーで イロン12などのω-ラウロラクタムを基本と るアミド化合物のケミカルリサイクルを実 することができる。
ナイロン12などω-ラウロラクタムを基本 するアミド化合物に超臨界アルコールを作 させて12-ヒドロキシドデカン酸エステルを る過程において、12-ヒドロキシドデカン酸 ステルとともに選択的にトリアルキルアミ を併産することができる。本発明に係る12- ドロキシドデカン酸エステルの製造方法に いて、得られるエステルの種類は、使用す アルコールの種類によって決まる。例えば アルコールがメタノールの場合、得られる12 -ヒドロキシドデカン酸エステルは、12-ヒド キシドデカン酸メチルであり、エタノール 場合、12-ヒドロキシドデカン酸エチルであ 。また、本発明の特徴の一つは、本発明を いて得られるトリアルキルアミンのアルキ 基の供給源が、すべてアルコールのアルキ 基であることである。すなわち、本発明に るトリアルキルアミンの製造方法において 得られるトリアルキルアミンの種類は、使 するアルコールの種類によって決まる。例 ば、アルコールがメタノールの場合、得ら るトリアルキルアミンは、トリメチルアミ であり、エタノールの場合、トリエチルア ンである。
本発明の他の特徴は、超臨界状態のアル ールを用いる点にある。本発明に係る12-ヒ ロキシドデカン酸エステルの製造方法及び リアルキルアミンの製造方法に用いられる ルコールとしては、メタノール若しくはエ ノール、又はこれらの混合物が挙げられる
これらアルコールは、例えば、加熱及び 圧することによって、又は密閉状態で加熱 ることによって、超臨界状態にすることが きる。本発明に係る12-ヒドロキシドデカン エステルの製造方法は、ω-ラウロラクタム 基本とするアミド化合物とアルコールを混 させた後に加熱などによりアルコールを超 界状態にしても良く、またω-ラウロラクタ を基本とするアミド化合物に超臨界状態の ルコールを加えても良い。主なアルコール 臨界温度及び臨界圧力は、表1に示す通りで ある。
本発明に係る12-ヒドロキシドデカン酸エ テルの製造方法及びトリアルキルアミンの 造方法の原料に用いられるω-ラウロラクタ を基本とするアミド化合物には、ω-ラウロ クタム、ω-ラウロラクタムのポリマーであ ナイロン12、ナイロン12の加水分解物である 12-アミノドデカン酸、及びω-ラウロラクタム の低重合物であるオリゴマーなどが含まれる 。より具体的には、ナイロン12チューブの廃 物やω-ラウロラクタムを重合してナイロン1 2を製造する際に生成されるオリゴマーを含 規格外品などが挙げられる。
本発明に係る12-ヒドロキシドデカン酸エ テルの製造方法及びトリアルキルアミンの 造方法において、反応温度は、250~400℃、好 ましくは330~370℃である。また、反応圧力は 15~40MPaG(Gはゲージ圧を表す)、好ましくは27~36 MPaGである。さらに、反応時間は、0.5~6時間、 好ましくは1~3時間である。ω-ラウロラクタム を基本とするアミド化合物とアルコールの総 重量に対するω-ラウロラクタムを基本とする アミド化合物の重量は、0を超え50重量%以下 好ましくは0を超え10重量%以下である。
本発明によって得られた12-ヒドロキシド カン酸エステルを含む反応液は、フラッシ 蒸留などにより、トリアルキルアミンとア コールが分離除去される。純度が高い12-ヒ ロキシドデカン酸エステルを所望する場合 トリアルキルアミンとアルコール分離除去 れた後の残余を減圧蒸留により精製される アルコールとともに分離除去されたトリア キルアミンは、常圧蒸留又は減圧蒸留によ 精製される。
次に、本発明に係る6-ヒドロキシカプロ 酸エステルの製造方法及びトリアルキルア ンの製造方法の実施例について説明する。
実施例1乃至27
先ず、本発明に係る6-ヒドロキシカプロン
エステルの製造方法及びトリアルキルアミ
の製造方法の実施例1乃至27として、容積が10
mLのSUS316(ステンレス鋼)製の反応管内に0.3gの
イロン12(宇部興産製ナイロン12チップ3030XA)
4gのメタノール(水分量は1600ppm)を入れ、反
管内のデッドスペース内の空気をアルゴン
換した後に封緘した。封緘した反応管をそ
ぞれ表2に示す温度で加熱された電気炉内に
2に示す時間静置し、その後、反応管を電気
炉から取り出し、反応管を水に浸漬すること
により大気温度まで冷却した。
次に、実施例1乃至27の反応混合物をオー クレーブ内から取り出して、12-ヒドロキシ デカン酸メチル、トリメチルアミン、ω-ラ ロラクタム、12-N,N-ジメチルアミノドデカン 酸メチル、及び11-ドデセン酸メチルの定量を 行なった。12-ヒドロキシドデカン酸メチル、 トリメチルアミン、ω-ラウロラクタム、12-N,N -ジメチルアミノドデカン酸メチル、及び11- デセン酸メチルの定量は、ガスクロマトグ フィー(島津製作所製GC-14B)によって行ない、 反応物である12-ヒドロキシドデカン酸メチル 、トリメチルアミン、ω-ラウロラクタム、12- N,N-ジメチルアミノドデカン酸メチル、及び11 -ドデセン酸メチルの収率は、以下の数1に基 いて算出した。これらの結果を表3に示す。
表3に示すように、ナイロン12を超臨界状 のアルコールと反応させることによって、1 2-ヒドロキシドデカン酸メチル及びトリメチ アミンを製造することができることが確認 きた。
実施例28乃至45
次に、発明に係る6-ヒドロキシカプロン酸
ステルの製造方法及びトリアルキルアミン
製造方法の実施例28乃至45として、溶媒とし
エタノールを用いて、表4に示す反応温度及
び反応時間で実施例1乃至27と同様に反応処理
を行った。そして、実施例1乃至27と同様に12-
ヒドロキシドデカン酸エチル、トリエチルア
ミン、ω-ラウロラクタム、12-N,N-ジエチルア
ノドデカン酸エチル、及び11-ドデセン酸エ
ルの定量を行なった。これらの結果を表5に
す。
表6に示すように、ナイロン12を超臨界状 のアルコールと反応させることによって、1 2-ヒドロキシドデカン酸エチル及びトリエチ アミンを製造することができることが確認 きた。
実施例46乃至69
次に、発明に係る6-ヒドロキシカプロン酸
ステルの製造方法及びトリアルキルアミン
製造方法の実施例46乃至69として、容積が10mL
のSUS316(ステンレス鋼)製の反応管内に0.3gのω-
ラウロラクタム(宇部興産(株)製)と4gのメタノ
ール(水分量は1600ppm)を入れ、反応管内のデッ
ドスペース内の空気をアルゴン置換した後に
封緘した。封緘した反応管をそれぞれ表6に
す温度に加熱された電気炉内に表6に示す時
静置し、その後、反応管を電気炉から取り
し、反応管を水に浸漬することにより大気
度まで冷却した。そして、実施例1乃至27と
様に12-ヒドロキシドデカン酸メチル、トリ
チルアミン、ω-ラウロラクタム、12-N,N-ジメ
チルアミノドデカン酸メチル、及び11-ドデセ
ン酸メチルの定量を行なった。これらの結果
を表7に示す。
表7に示すように、ω-ラウロラクタムを超 臨界状態のアルコールと反応させることによ って、12-ヒドロキシドデカン酸メチル及びト リメチルアミンを製造することができること が確認できた。
実施例70乃至91
次に、発明に係る6-ヒドロキシカプロン酸
ステルの製造方法及びトリアルキルアミン
製造方法の実施例46乃至69として、容積が10mL
のSUS316(ステンレス鋼)製の反応管内に0.3gの12-
アミノドデカン酸(和光製)と4gのメタノール(
分量は1600ppm)を入れ、反応管内のデッドス
ース内の空気をアルゴン置換した後に封緘
た。封緘した反応管をそれぞれ表8に示す温
に加熱された電気炉内に表8に示す時間静置
し、その後、反応管を電気炉から取り出し、
反応管を水に浸漬することにより大気温度ま
で冷却した。そして、実施例1乃至27と同様に
12-ヒドロキシドデカン酸メチル、トリメチル
アミン、ω-ラウロラクタム、12-N,N-ジメチル
ミノドデカン酸メチル、及び11-ドデセン酸
チルの定量を行なった。これらの結果を表9
示す。
表9に示すように、12-アミノドデカン酸を 超臨界状態のアルコールと反応させることに よって、12-ヒドロキシドデカン酸メチル及び トリメチルアミンを製造することができるこ とが確認できた。