浅井 洋介 (())
DOHNO, Yoshihisa (())
株式会社カネカ (〒88 大阪府大阪市北区中之島3丁目2番4号 Osaka, 5308288, JP)
ASAI, Yousuke (())
浅井 洋介 (())
| 微生物が産出した3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を処理する方法であって、 3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を含有する微生物を含む水性懸濁液、又は3-ヒドロキシアルカン酸共重合体と微生物の菌体構成成分とを含む水性懸濁液を、次亜塩素酸塩を含有する酸化剤で処理する工程と、 残留する酸化剤を亜硫酸塩で中和する工程とを含むことを特徴とする処理方法。 |
| 次亜塩素酸塩が次亜塩素酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載の処理方法。 |
| 酸化剤処理時の温度を20℃以下とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の処理方法。 |
| 酸化剤処理時のpHが10以上であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の処理方法。 |
| 酸化剤処理時に光を遮蔽することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の処理方法。 |
| 酸化剤処理を非金属材質の装置内で実施することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の処理方法。 |
| 中和処理後に3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を溶媒で洗浄する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の処理方法。 |
| 3-ヒドロキシアルカン酸共重合体が、3-ヒドロキシヘキサノエートと他の3-ヒドロキシアルカン酸との共重合体である請求項1~7のいずれか1項に記載の処理方法。 |
| 3-ヒドロキシアルカン酸共重合体が、3-ヒドロキシプロピオネート、3-ヒドロキシブチレート、3-ヒドロキシバレレート、3-ヒドロキシヘキサノエート、3-ヒドロキシヘプタノエート、および3-ヒドロキシオクタノエートからなる群より選択される2種以上のモノマーから構成される共重合体である請求項1~7のいずれか1項に記載の処理方法。 |
| 3-ヒドロキシアルカン酸共重合体が、3-ヒドロキシヘキサノエートと3-ヒドロキシブチレートの2成分共重合体、または3-ヒドロキシヘキサノエートと3-ヒドロキシブチレートと3-ヒドロキシバレレートの3成分共重合体である請求項1~7のいずれか1項に記載の処理方法。 |
| 3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を産生する微生物が、アエロモナス属に属する微生物である請求項1~10のいずれか1項に記載の処理方法。 |
| 3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を産生する微生物が、アエロモナス・キャビエまたはアエロモナス・ハイドロフィラである請求項1~10のいずれか1項に記載の処理方法。 |
| 3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を産生する微生物が、アエロモナス・キャビエ由来の3-ヒドロキシアルカン酸共重合体合成酵素群遺伝子が導入された菌株である請求項1~10のいずれか1項に記載の処理方法。 |
| 微生物が産生した3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を精製する方法であって、 3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を含む水性懸濁液に溶剤を添加して、3-ヒドロキシアルカン酸共重合体の凝集体を回収することを特徴とする3-ヒドロキシアルカン酸共重合体の精製方法。 |
| 溶剤が疎水性溶剤であることを特徴とする請求項14に記載の精製方法。 |
| 添加する溶剤重量が水性懸濁液中の3-ヒドロキシアルカン酸共重合体重量に対して10倍以下であることを特徴とする請求項14又は15に記載の精製方法。 |
| 水性懸濁液が、3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を含む微生物に物理的破砕処理、化学的破砕処理、または両者の組合せ処理を行うことにより得られるものであることを特徴とする請求項14~16のいずれか1項に記載の精製方法。 |
| 水性懸濁液が、3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を含有する前記微生物を含む水性懸濁液、又は3-ヒドロキシアルカン酸共重合体と前記微生物の菌体構成成分とを含む水性懸濁液を、次亜塩素酸塩を含有する酸化剤で処理する工程と、残留する酸化剤を中和する工程とを行うことにより得られるものであることを特徴とする請求項14~16のいずれか1項に記載の精製方法。 |
| 溶剤添加時の温度が50℃以下であることを特徴とする請求項14~18のいずれか1項に記載の精製方法。 |
| 3-ヒドロキシアルカン酸共重合体が、3-ヒドロキシヘキサノエートと他の3-ヒドロキシアルカン酸との共重合体である請求項14~19のいずれか1項に記載の精製方法。 |
| 3-ヒドロキシアルカン酸共重合体が、3-ヒドロキシプロピオネート、3-ヒドロキシブチレート、3-ヒドロキシバレレート、3-ヒドロキシヘキサノエート、3-ヒドロキシヘプタノエート、および3-ヒドロキシオクタノエートからなる群より選択される2種以上のモノマーから構成される共重合体である請求項14~19のいずれか1項に記載の精製方法。 |
| 3-ヒドロキシアルカン酸共重合体が、3-ヒドロキシヘキサノエートと3-ヒドロキシブチレートの2成分共重合体、または3-ヒドロキシヘキサノエートと3-ヒドロキシブチレートと3-ヒドロキシバレレートの3成分共重合体である請求項14~19のいずれか1項に記載の精製方法。 |
| 3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を産生する微生物が、アエロモナス属に属する微生物である請求項14~19のいずれか1項に記載の精製方法。 |
| 3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を産生する微生物が、アエロモナス・キャビエまたはアエロモナス・ハイドロフィラである請求項14~19のいずれか1項に記載の精製方法。 |
| 3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を産生する微生物が、アエロモナス・キャビエ由来の3-ヒドロキシアルカン酸共重合体合成酵素群遺伝子が導入された菌株である請求項14~19のいずれか1項に記載の精製方法。 |
本発明は、微生物菌体によって産生され 3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を処理又 精製する方法に関する。
ポリ-3-ヒドロキシアルカン酸(以後PHAと称 す)は多くの微生物種の細胞にエネルギー蓄 物質として生成、蓄積される熱可塑性ポリ ステルであり、生分解性を有している。現 、プラスチック廃棄物は焼却、埋立てなど より処理されているが、これらの処理方法 は地球の温暖化や埋立地の地盤弛緩等の問 点がある。そのためプラスチックリサイク への社会意識の高まりとともに、リサイク システム化が進みつつある。しかし、リサ クル可能な用途には限りがあり、実際には プラスチック廃棄処理方法としては、焼却 埋立て、リサイクルだけでは対応しきれず 自然界に放置されたままになるものも多い が現状である。そこで、廃棄後は自然界の 質循環に取り込まれ、分解生成物が有害と らないPHAの様な生分解性プラスチックが注 されており、その実用化が切望されている 特に、微生物が菌体内で生成蓄積するPHAは 自然界の炭素循環プロセスに取り込まれる とから生態系への悪影響がほとんどないと 想されている。また、医療分野においても 回収不要のインプラント材料、薬物担体と ての利用が可能と考えられる。
微生物が生成するPHAは、通常顆粒体を形 してその微生物の菌体内に蓄積されるため PHAをプラスチックとして利用するためには 微生物の菌体内からPHAを分離して取り出す いう工程が必要である。PHAを微生物菌体か 分離精製する既知の方法として、大別する 、PHA以外の菌体構成成分を破砕もしくは可 化させて除くことによりPHAを得る方法と、P HAが可溶である有機溶媒を用いて菌体からPHA 抽出する方法とに分けられる。
PHA以外の菌体構成成分を可溶化させて除 ことによりPHAを得る方法として、非特許文 1には、菌体懸濁液を次亜塩素酸ナトリウム で処理してPHA以外の菌体構成成分を可溶化し 、PHAを得る方法が記載されている。この方法 は、プロセスとしては簡単ではあるが、大量 の次亜塩素酸ナトリウムを使用する必要があ るためにコストが高くなる。また、PHAの著し い低分子化が引き起こされることなどから実 用には適さないと考えられている。しかし、 次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤は入手しや すく、またこれらによる処理は、処理条件が 比較的マイルドであり、また工程が簡便であ ることから工業的な使用にも対応できる方法 である。これらの酸化剤でPHAを含有する培養 微生物を処理すると、簡単に細胞質成分を分 解し、タンパク質含量を低減させてPHAの純度 を向上することができる。
特許文献1では、塩基性成分によりPHA含有 菌体を処理し、次亜塩素酸塩を添加して高純 度のPHAが得られると述べられている。また、 特許文献2には次亜塩素酸ナトリウム処理に り樹脂内に無視できない量の塩酸が残存す ため実用に適さないと述べられている。こ 残留塩素を低減させる方法として、特許文 3には温水での洗浄などが述べられており、 ス検知管による150℃での塩素放出量と官能 査によって低減効果を判断している。また 特許文献4には処理に用いる酸化剤の濃度、 温度条件が記載されている。また、同様の例 は特許文献5にも見られる。このように次亜 素酸ナトリウムなどの酸化剤を用いる方法 、菌体構成成分を分解処理することの有用 は述べられているものの、菌体構成成分の 解の効果とPHAの分子量低下抑制の方法およ 残留する塩素を低減させる手段について総 的に検討した例は見当たらない。
特許文献6には、PHAを含有する微生物菌体 懸濁液を100℃以上で熱処理することで菌体構 造を破壊し、次いでタンパク質分解酵素処理 と、リン脂質分解酵素処理あるいは過酸化水 素処理とを組み合わせて、PHA以外の菌体構成 成分を可溶化し、PHAを得る方法が記載されて いる。この方法は、熱処理によってタンパク 質が変性・不溶化するために、次のタンパク 質分解酵素処理工程での負荷が増大すること 、更には、処理工程が多く複雑であること、 酵素は比較的高価であることからコストがか かる等の欠点を有している。
また、PHA含有微生物菌体を高圧ホモジナ ザーで破砕してPHAを分離する方法が提案さ ている(特許文献7、8参照)。しかし、これら の方法は微生物菌体懸濁液を少なくとも3回 場合によっては加温して10回も高圧処理しな ければ、タンパク質含量が低く純度の高いPHA を得ることは出来ず、なおかつ得られるPHAの 純度は65~89%程度と低いという欠点がある。PHA 含有微生物菌体を破砕処理と組み合わせる処 理として、界面活性剤を組み合わせる方法( 許文献9、10参照)、アルカリ添加し加熱処理 行った後に破砕処理を行う方法(特許文献11 12参照)などが挙げられるが、処理に伴う分 量低下や十分なPHA純度を得られていないこ 、などが問題である。このようにPHA以外の 体構成成分を破砕もしくは可溶化させて除 手段については、様々な方法が提案されて るが、破砕もしくは可溶化だけでは十分なP HA純度を得られず、高価な酵素を使用するな の問題を抱えている。また破砕もしくは可 化した水性懸濁液からPHAを取り出す手段は 心分離操作を前提としているため、工業的 実施するためには高額の高速回転機器を必 とする問題がある。
遠心分離工程を例えば沈降などの簡易な 法に置き換えたとしても、十分な沈降性を るために凝集剤などの添加を必要とする。 かし、PHAや破砕された細胞質、分泌タンパ 質などを含む水性懸濁液から目的であるPHA けを凝集させることは極めて困難であり、 まだにその例がない。活性汚泥処理などに く用いられる硫酸アルミニウムなどを用い も、水性懸濁液中のほぼ全ての成分を凝集 てしまうため目的物であるPHAだけを選択的 凝集することはできない。また、高分子凝 剤などで選択的にPHAを凝集できたとしても れらの添加剤はPHAと分離回収することがで ないため、高分子材料としての品質に影響 及ぼしてしまう。特許文献13には2価以上の 属塩と界面活性剤を用いる微生物菌体の凝 に関する例が見られる。これは微生物菌体 凝集性に関する例であり、破砕処理した水 懸濁液中のPHAだけを選択的に凝集する点に しては記述がない。また、特許文献14には に懸濁したPHAを熱で凝集させる方法が記載 れているが、加温により分子量低下を起こ 問題があることと、また得られていたPHAの 度に関して記載がない点が問題である。
有機溶媒による抽出を利用したPHAの分離 製方法では、例えば1,2-ジクロロエタンやク ロロホルムといったハロゲン含有炭化水素を 用いて抽出する方法がある(特許文献15、16参 )。これらは樹脂を抽出させる、すなわち完 全に溶解させ、他の不純物と分離する方法で ある。PHAの分子量は数10万あるいは数100万の 分子量体であるため、完全に溶解させるた には大量の溶剤を使用するという問題、ま 溶解度の高い溶媒はハロゲン含有炭化水素 どのように環境負荷が高いという問題があ 。比較的環境負荷の低い非ハロゲン含有炭 水素を用いる場合には、溶媒に対する溶解 が低いためにさらに大量の溶剤を必要とす こと、温度を上げて溶解度を高めると本来 解性の高いPHAが抽出処理の段階で低分子量 してしまうため、工業的な生産性と高分子 料としての品質を両立しくにいという根本 な問題を抱えている。また仮に溶解度を高 られたとしても、高粘度の粘ちょう性樹脂 液となるため、例えば配管やフィルターで 流動性が著しく低下してしまう、さらには れらの配管途中で溶解したPHAが析出し閉塞 てしまうなどの問題を抱えている。
ハロゲン含有炭化水素溶剤による抽出を 本とする精製法としては、抽出溶液中から を共沸蒸留によって除去してPHAを得る方法( 特許文献17参照)、抽出した溶液に熱水を注入 しPHAを析出させる方法(特許文献18参照)など 挙げられる。これらは抽出溶液中から溶解 たPHAを回収する方法について述べたもので るが、抽出操作を前提としているために前 の課題を根本的に解決することはできない
他の溶剤を使った例として、例えばジオ サン(特許文献19参照)またはプロパンジオー ル(特許文献20参照)またはテトラヒドロフラ (特許文献21参照)、の様な親水性溶媒を用い 抽出方法、低級ケトンを用いる方法(特許文 献22参照)、アセトン、アセトニトリル、ベン ゼン、酢酸ブチルなどの溶剤を用いる方法( 許文献23参照)も提案されている。これらの 法も全て抽出操作を基本としているため、 述の課題を根本的に解決することは出来な 。
また、これらに属さない方法としては、p H調整と加熱を組み合わせる方法(特許文献24 照)、PHAの融点以上に加温しこの時の融合を 用する方法(特許文献25参照)が挙げられる。 溶剤抽出を経ない方法であるが、加温やpH条 による分子量低下の問題が残る。特許文献2 6では融点以下で凝集させることが述べられ いるが、この温度は100℃以上の加温条件で り、得られたPHAの純度に関して記載がない また、親水性溶媒と水の懸濁液中で沸点以 に攪拌してPHAを凝集する例が見られるが(特 文献27参照)、十分なPHA純度が得られていな 点、また樹脂の回収率に関する記載がない
本発明における「3-ヒドロキシアルカン酸
重合体を含む水性懸濁液」とは、広義には
相中に微粒子が浮遊している系と捉えるこ
ができ、固体粒子が分散したサスペンショ
と呼ばれるコロイド分散系と考えることが
きる。液相中に分散した微粒子は、ブラウ
運動、乱流などにより接近し、衝突合体し
集するが、これには電気二重層による反発
、ファン・デル・ワールス力、吸着分子に
る斥力などの力が複雑に影響する。このよ
な系で一般的に用いられる微粒子の凝集方
としては、電解質物質を添加したり、pHを変
えることにより液中のイオン濃度が増加し、
粒子の帯電量が低下して凝集する方法が知ら
れている(非特許文献2参照)。特許文献14に述
られているように2価以上の金属塩を添加す
ることでPHAの凝集物を得る方法では、タンパ
ク質などの細胞構成成分とPHAが同時に凝集し
てしまうこと、また製品であるポリマーに金
属塩が残留することが問題である。
このように、次亜塩素酸ナトリウムなど 酸化剤を用いる菌体構成成分の分解処理は 入手しやすい試薬による比較的簡単な処理 あるが、この処理に伴う分子量の低下の抑 と残留塩素の低減を両立する方法がないと う問題を抱えていた。従い、残留塩素の低 のためには、残留する塩素を除去する工程 他の酸化剤を用いるなどの方法が必要であ た。また、分子量低下についてはこれを抑 し得る明確な条件が得られていなかった。
第一の本発明の目的は、上記現状に鑑み 3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を含有す 微生物を含む水性懸濁液、又は3-ヒドロキシ アルカン酸共重合体と微生物の菌体構成成分 とを含む水性懸濁液を次亜塩素酸ナトリウム などの酸化剤で処理するにあたり、タンパク 質の含量を低減させ、3-ヒドロキシアルカン 共重合体の分子量の低下を抑え、かつ塩素 残留量を抑えて処理することを特徴とする 理方法を提供することである。
また、従来の加温や抽出による精製処理 おいては、高分子材料として最も重要な物 である分子量を安定に確保することが難し こと、また仮にこれらを満足させたとして 大量の溶剤を使うなど工業的な生産性の面 極めて不利であるという問題を抱えていた
第二の本発明の目的は、上記現状に鑑み 微生物によって産出された3-ヒドロキシア カン酸共重合体を含む水性懸濁液から、生 性よくかつ分子量低下を引き起こすことな 純度の高い3-ヒドロキシアルカン酸共重合体 を回収することを特徴とする精製方法を提供 することである。
本発明者らは、3-ヒドロキシアルカン酸 重合体を含む水性懸濁液を次亜塩素酸塩で 理する方法を検討し、分子量低下を抑制し つ、菌体構成成分を効率よく除去できる条 を見出した。また、処理条件により塩素残 量を抑える方法を見出した。PHAや菌体構成 分の塩素化は次亜塩素酸によるものである とに着目し、次亜塩素酸の発生を抑える高 pH領域で処理することにより塩素残量を低減 できる方法を見出した。また、PHAを構成する 成分はC-H結合等により構成されるが、この結 合を攻撃する塩素の形態が塩素ラジカルや塩 素化物ラジカルであることに着目し、これら のラジカルを抑制することで塩素残量を抑え ることも見出した。また、系中の有効塩素濃 度と温度条件を組合せ、分子量の低下を抑制 する手段を見出した。これらの方法を組合せ 、分子量低下を抑制しつつ、塩素残量を抑え 、菌体構成成分を効率よく分解、除去できる 方法を見出した。
すなわち第一の本発明は、3-ヒドロキシ ルカン酸共重合体を含有する微生物を含む 性懸濁液、又は3-ヒドロキシアルカン酸共重 合体と微生物の菌体構成成分とを含む水性懸 濁液を、次亜塩素酸塩を含有する酸化剤で処 理して微生物の菌体構成成分を分解する工程 と、残留する酸化剤を亜硫酸塩で中和する工 程とを含む、3-ヒドロキシアルカン酸共重合 を処理する方法に関する。
また、本発明者らは、3-ヒドロキシアル ン酸共重合体を含む水性懸濁液が、水溶性 タンパク質などを多く含む水溶液と疎水性 高い3-ヒドロキシアルカン酸共重合体で構成 されている点に着目し、鋭意検討を行った。 精製された3-ヒドロキシアルカン酸共重合体 本来疎水性のポリエステルであるが、3-ヒ ロキシアルカン酸共重合体を生産する微生 に由来するタンパク質や糖類を含有するた に、親水性の固体物として水溶性のタンパ 質などを多く含む水溶液に懸濁している。3- ヒドロキシアルカン酸共重合体に含まれる微 生物に由来するタンパク質や糖類を分解・除 去した後、疎水性の溶剤を3-ヒドロキシアル ン酸共重合体に対して少量添加すると、3- ドロキシアルカン酸共重合体を水溶性のタ パク質などを多く含む水溶液から固体とし 簡単に分離できることを見出し、本発明を 成させた。
すなわち第二の本発明は、微生物が産出 た3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を精製 る方法であって、3-ヒドロキシアルカン酸共 重合体を含む水性懸濁液に溶剤を添加して3- ドロキシアルカン酸共重合体の凝集体を固 として回収することからなる精製方法に関 る。
第一の本発明の処理方法では、3-ヒドロ シアルカン酸共重合体を含有する微生物を む水性懸濁液、又は3-ヒドロキシアルカン酸 共重合体と微生物の菌体構成成分とを含む水 性懸濁液から、溶剤抽出などの複雑な処理を 必要とせず簡単に菌体構成成分を分解でき、 タンパク質の含有量が低く、純度が高い共重 合体を得ることができる。また、温度や次亜 塩素酸濃度条件を一定以下の条件に設定する ことでPHAの分子量の低下を抑制することがで き、かつPHAや菌体構成成分に対する塩素化反 応を抑制することで残留塩素の少ないPHAを得 ることができる。
第二の本発明では、3-ヒドロキシアルカ 酸共重合体を固体として水溶性のタンパク などを多く含む水溶液から回収するため、3- ヒドロキシアルカン酸共重合体を抽出する必 要がなくなる。抽出に必要な大量の溶剤の使 用や抽出のための加温操作が不要であるため 、分子量の低下を抑制することが可能であり 、タンパク質の含有量が低く、純度が高い共 重合体を得ることができる。すなわち生産性 と高分子材料としての品質を保持し、3-ヒド キシアルカン酸共重合体を精製することが きる。
以下に本発明を詳細に説明する。
第一の本発明
第一の本発明の3-ヒドロキシアルカン酸共
合体の処理方法は、微生物が産出した3-ヒド
ロキシアルカン酸共重合体を処理する方法で
あって、3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を
有する微生物を含む水性懸濁液、又は3-ヒ
ロキシアルカン酸共重合体と微生物の菌体
成成分とを含む水性懸濁液を、次亜塩素酸
を含有する酸化剤で処理する工程と、残留
る酸化剤を中和する工程を含む。
本発明における微生物は、細胞内に3-ヒ ロキシアルカン酸共重合体(PHA)を蓄積してい る微生物であれば特に限定されない。例えば アルカリゲネス属(Alcaligenes)、ラルストニア (Ralstonia)、シュウドモナス属(Pseudomonas)、バ ルス属(Bacillus)、アゾトバクター属(Azotobacter) 、ノカルディア属(Nocardia)、アエロモナス属(A eromonas)の菌等が挙げられる。特に、アルカリ ゲネス・リポリティカ(A.lipolytica)、アルカリ ネス・ラトゥス(A.latus)、アエロモナス・キ ビエ(A.caviae)、アエロモナス・ハイドロフィ ラ(A.hydrophila)、ラルストニア・ユートロファ( R.eutropha)等の菌株が好ましい。本発明で用い 微生物としては、アエロモナス属に属する 生物が好ましく、アエロモナス属の微生物 してはアエロモナス・キャビエまたはアエ モナス・ハイドロフィラが好ましい。
更には、アエロモナス・キャビエ由来の3 -ヒドロキシアルカン酸共重合体合成酵素群 遺伝子を導入した菌株、特にラルストニア ユートロファ(R.eutropha)(旧名Alcaligenes eutrophus AC32)(ブダペスト条約に基づく国際寄託、国 寄託当局:独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば 東1丁目1番地中央第6)、原寄託日:平成8年8月1 2日、平成9年8月7日に移管、寄託番号FERM BP-60 38、原寄託FERM P-15786より移管)(J.Bacteriol.,179,48 21-4830頁(1997))等がより好ましい。本発明では これら微生物を適切な条件で培養して菌体 に3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を蓄積 せた微生物菌体が用いられる。その培養方 については特に限定されないが、例えば特 平05-93049号公報等に挙げられる方法が用いら れる。
本発明における3-ヒドロキシアルカン酸 重合体とは、3-ヒドロキシアルカン酸から構 成される共重合体の総称である。3-ヒドロキ アルカン酸共重合体としては特に限定され いが、具体的には、3-ヒドロキシブチレー (3HB)と他の3-ヒドロキシアルカン酸との共重 体、または、3-ヒドロキシヘキサノエート(3 HH)を含む3-ヒドロキシアルカン酸の共重合体 どが挙げられる。さらに、3-ヒドロキシプ ピオネート、3-ヒドロキシブチレート、3-ヒ ロキシバレレート、3-ヒドロキシヘキサノ ート、3-ヒドロキシヘプタノエート及び3-ヒ ロキシオクタノエートからなる群より選択 れる2種以上のモノマーから構成される共重 合体なども挙げられる。なかでもモノマー成 分として3HHを含む共重合体、例えば、3HBと3HH との2成分共重合体(PHBH)(Macromolecules,28,4822-4828( 1995))、または、3HBと3-ヒドロキシバレレート( 3HV)と3HHとの3成分共重合体(PHBVH)(特許第277757 、特開平08-289797号)が、得られるポリエステ の物性の面からより好ましい。ここで3HBと3 HHの2成分共重合体PHBHを構成する各モノマー ニットの組成比については特に限定される のではないが、3HHユニットを1~99モル%といっ た組成比のものが好適である。また、3HBと3HV と3HHとの3成分共重合体PHBVHを構成する各モノ マーユニットの組成比については特に限定さ れるものではないが、例えば、3HBユニットの 含量は1~95モル%、3HVユニットの含量は1~96モル %、3HHユニットの含量は1~30モル%といった範囲 のものが好適である。
第一の本発明における「3-ヒドロキシア カン酸共重合体を含有する微生物を含む水 懸濁液」とは、3-ヒドロキシアルカン酸共重 合体を含有する微生物が水中に懸濁したもの であり、「3-ヒドロキシアルカン酸共重合体 微生物の菌体構成成分とを含む水性懸濁液 とは、3-ヒドロキシアルカン酸共重合体と 生物の菌体構成成分とが水中に懸濁したも である。
第一の本発明の方法では、3-ヒドロキシ ルカン酸共重合体を含有する微生物を含む 性懸濁液をそのまま酸化剤処理に用いるこ もできるが、酸化剤処理の前に3-ヒドロキシ アルカン酸共重合体を含有する微生物を物理 的または化学的方法で破砕して、3-ヒドロキ アルカン酸共重合体と微生物の菌体構成成 とを含む水性懸濁液を調製しておくと、後 行う酸化剤による分解処理を効率的に実施 ることができ望ましい。
物理的破砕の方法としては特に限定され いが、従来公知のフレンチプレスやホモジ イザー、X-プレス、ボールミル、コロイド ル、DYNOミル、超音波ホモジナイザーなどの 体せん断力や固体せん断力、磨砕による方 が挙げられる。
また、化学的破砕の方法としては、酸や ルカリ、界面活性剤、有機溶剤、細胞壁合 阻害剤などの薬剤を用いる方法、リゾチー 、ペクチナーゼ、セルラーゼ、チモリアー などの酵素を用いる方法、その他の方法と て超臨界流体を用いる方法や、浸透圧破砕 、凍結法、乾燥粉砕法などが挙げられる。 た、細胞自身が有するプロテアーゼやエス ラーゼなどの作用を利用する自己消化法も 砕法の一種として挙げられる。
これらの方法のうち、一連の処理による3 -ヒドロキシアルカン酸共重合体の分子量低 を抑える方法が望ましい。またこれらの破 方法は単独で用いてもよいし、複数の方法 組み合わせても良い。また、バッチ処理で よいし、連続処理を行っても良い。
本発明の方法では、酸化剤処理の前にホ ジナイザーで処理を行うことが好ましい。
通常、当該懸濁液には、微生物が分泌し タンパク質や、培養基質残分、また破砕処 を行った場合には菌体構成成分などが混入 ている。以降に述べる酸化剤を添加する処 の前にこれらのタンパク質等を含む水を脱 しておいても構わないが、本発明の方法で 、これらのタンパク質等を含む水を予め脱 しておかなくても、3-ヒドロキシアルカン 共重合体を効率よく回収することができる 脱水の方法としては特に限定されないが、 過や遠心分離、沈降分離による方法が挙げ れる、これらを促進させるために無機塩や 分子凝集剤を添加してもよい。また当該懸 液中の3-ヒドロキシアルカン酸共重合体の濃 度は特に限定されないが、500g/L以下が好まし く、300g/L以下がより好ましい。3-ヒドロキシ ルカン酸共重合体の濃度を調整するために を脱水してもよいし、また新たに水を加え も構わない。
本発明で用いる酸化剤は、次亜塩素酸塩 らなるものである。次亜塩素酸塩としては 次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウ 、次亜塩素酸カルシウム等が挙げられ、次 塩素酸ナトリウムが好ましい。
次亜塩素酸塩として代表的な次亜塩素酸 トリウム(次亜塩素酸ソーダ)は、パルプの 白、プールや上下水道の殺菌・消毒、産業 水処理などの多方面で広く使用されており 同じ目的で用いられる塩素に比べて取扱い 容易である。次亜塩素酸ナトリウムは、一 的に苛性ソーダに塩素ガスを吸収させる化 反応により生成し、水溶液中で徐々に分解 れ酸素を放出する。この酸素が強力な酸化 を示すと云われている。この酸化力により 該懸濁液に含まれる培養基質残分、菌体構 成分などを分解できる。ただし、副生する 素などにより対象とする有機物を塩素化し しまうことが懸念される。次亜塩素酸ナト ウムは、高い温度や低いpHにより分解される ことが知られている(日本ソーダ工業会、ソ ダハンドブック、1998など)。また溶存活性塩 素の濃度分布はpHに依存しており、pHが10以下 から3程度の弱アルカリから酸性の領域では 亜塩素酸の割合が高いことがわかっている
炭化水素などの有機物を構成するC-H結合 反応性の最も高い形態はClラジカルである 、このClラジカルは、(1)次亜塩素酸ナトリウ ムが酸により分解して発生するCl分子を出発 質とすること、(2)また、次亜塩素酸から発 する2塩素化酸素から発生すること(F.Minisci et al.,Chem.Ind.,70,50(1988))などが知られている。 いずれにしても次亜塩素酸を出発原料とする ことから、系のpHをアルカリ領域とし、次亜 素酸ナトリウムの分解を抑制することが必 となる。さらに、副生した塩素分子や二塩 化酸素などからのラジカルを抑制するため 、熱や光、金属との接触などを防止した状 で処理することが必要である。従い、当該 性懸濁液を次亜塩素酸ナトリウムで処理す にあたり、系のpHをアルカリ領域とし、熱 光、金属との接触を抑制した条件で実施す ことで、塩素残量の低いPHAを得ることがで る。
酸化剤処理時のpHは8以上が望ましく、よ 望ましくはpHが10以上、さらに望ましくはpH 12以上である。好ましくは、pHが14以下であ 。pHの調整には、例えば、水酸化ナトリウ 、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、ア モニア等を用いることができる。pHを調整す るために、次亜塩素酸塩以外に酸やアルカリ を酸化剤に添加することもできる。
上記酸化剤処理は、光を遮蔽した条件で うことが好ましく、また、非金属材質の装 内で実施することが好ましい。上記非金属 質の装置としては、例えば、テフロン(登録 商標)などの樹脂材料でコーティングした槽 、FPRなどの非金属材料製の槽類、ガラス系 料でコーティングされた槽類等が挙げられ 。
また、当該懸濁液に含まれるPHAの溶融性 高い場合には、酸化剤を添加する段階、ま 引き続いて実施する酸化剤の中和処理の段 で発生する溶解熱や反応熱、中和熱によりP HAが一部溶融し、場合によっては凝集する。 集した形態では、後の工程でPHAの洗浄処理 実施する場合は、その洗浄効率が低下して まう。従い、これらの熱を除去するために 低温で処理することが望ましい。これは前 のClラジカルの発生を抑制する方法とも一 する。酸化剤処理時の温度は40℃以下が望ま しく、より望ましくは30℃以下であり、さら 望ましくは20℃以下、確実に効果を発揮す ためには10℃以下で実施することが望ましい 。好ましくは、5℃以上である。
一方、酸化剤に含まれる次亜塩素酸塩の つ酸化力により菌体構成成分の分解と同時 PHAの分子量低下が引き起こされるが、当該 濁液に次亜塩素酸塩を添加した後の有効塩 濃度を一定濃度以下、処理時間を一定時間 下に制限することで、実用により適したPHA 得ることができることを併せて見出した。 亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩の濃 は有効塩素濃度で示されるが、PHAの分子量 下を抑制するためには、処理液中のこの有 塩素濃度が10重量%以下が望ましく、より望 しくは8重量%以下、さらに望ましくは7重量% 以下である。また、酸化剤による処理時間は 短時間であることが望ましいが、10時間以下 望ましく、より望ましくは5時間以下、さら に望ましくは3時間以下である。
なお、有効塩素濃度とは、下記式(1)で表さ
る、遊離するヨウ素に対する塩素量を表し
ものであり、1分子の次亜塩素酸ナトリウム
から1分子の有効塩素を生じることになる(第
版、食品添加物公定書解説など)。
NaOCl+2KI+2CH 3
COOH→I 2
+2CH 3
COOK+NaCl+H 2
O(1)
次いで、残留する酸化剤の中和を行うこと
、処理液中に残留する過剰な次亜塩素酸塩
を低減し、その結果として、PHAの塩素化を
制し、PHA中の残留塩素を低減することがで
る。
酸化剤の中和に用いる中和剤としては、 和により得られる中和塩が硫酸塩となるよ な化合物を用いることができ、例えば、亜 酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム等の亜硫 塩等が挙げられる。塩素化抑制の観点から 亜硫酸塩が特に好ましい。
中和剤の添加量としては特に限定されな が、酸化剤による処理工程後に系中に残存 る次亜塩素酸塩を中和するために、残存す 次亜塩素酸塩の当量以上になる添加量が好 しい。具体的な数値としては、使用した次 塩素酸塩に対して0.3当量以上が好ましく、0 .5当量以上がより好ましく、さらに好ましく 1当量以上である。上限は特に限定されない が、例えば2当量以下程度でよい。。処理時 温度は、酸化剤処理時と同様の温度が好ま い。
処理後のPHA中に残存する塩素は、PHAに結 した塩素、タンパク質等の菌体構成成分に 合した塩素、無機塩化物として残留する塩 等が考えられる。PHAの塩素化は、前述の方 で低減することができるが、より塩素化さ やすいタンパク質などの塩素化物が残留す とPHA中のClとしてカウントされてしまい、PH Aの溶融成形などの工程で塩素(塩酸)を発生さ せることになる。従い、塩素化されたタンパ ク質や無機塩として残留する塩素を洗浄する 工程が必要となる。
本発明者らは鋭意検討の結果、アルコー などの溶媒で中和処理後のPHAを洗浄するとC l残量を低減できることがわかった。同時にN 量で代表されるタンパク質含量が低減され ことから、塩素化されたタンパク質などの 浄除去に寄与していると考えられる。溶媒 しては、アセトン、ケトン、アルコール、 ミン、アミド類、水などを用いることがで る。これらを単独で用いてもよいし、複数 組み合わせてもよい。また、処理時に加温 てもよい。また、適当な界面活性剤や酵素 どを添加してもよい。これらの溶剤の洗浄 果により、更に塩素残量を低減することが 能である。
処理後のPHAは、例えば遠心分離等の方法 、第二の本発明の方法により、上記水性懸 液から回収することができる。
すなわち第一の本発明では、次亜塩素酸 を添加した後の系中の有効塩素濃度を一定 度以下にしてPHAの分子量低下を抑え、かつ 理時の温度やpHを調整し、光や金属との接 を絶つことでClラジカル副生を抑制すること でCl化反応を低減することができる。
第二の本発明
第二の本発明の3-ヒドロキシアルカン酸共
合体の精製方法は、微生物が産生した3-ヒド
ロキシアルカン酸共重合体を精製する方法で
あって、3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を
む水性懸濁液に溶剤を添加して、3-ヒドロ
シアルカン酸共重合体の凝集体を回収する
とからなる。
本発明における微生物及び3-ヒドロキシ ルカン酸共重合体は上述と同様である。
第二の本発明の精製方法は、微生物が産 した3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を回 する方法であるが、本発明における「3-ヒド ロキシアルカン酸共重合体を含む水性懸濁液 」とは、微生物に由来する菌体構成成分等が 共重合体表面から除去された3-ヒドロキシア カン酸共重合体が懸濁しているものである 当該懸濁液には、3-ヒドロキシアルカン酸 重合体以外に、微生物が分泌したタンパク や培養基質残分や、微生物に由来する菌体 成成分などが混入していてもよい。
第二の本発明の方法では、上記水性懸濁 が、3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を含 微生物に物理的破砕処理、化学的破砕処理 または両者の組合せ処理を行うことにより られるものであることが好ましい。
上記物理的破砕処理としては特に限定さ ず、例えば、従来公知のフレンチプレスや モジナイザー、X-プレス、ボールミル、コ イドミル、DYNOミル、超音波ホモジナイザー どの流体せん断力や固体せん断力、磨砕に る方法等が挙げられる。
上記化学的破砕処理としては特に限定さ ず、例えば、酸やアルカリ、界面活性剤、 機溶剤、細胞壁合成阻害剤などの薬剤を用 る方法、リゾチーム、ペクチナーゼ、セル ーゼ、チモリアーゼなどの酵素を用いる方 、その他の方法として超臨界流体を用いる 法や、浸透圧破砕法、凍結法、乾燥粉砕法 が挙げられる。
上記破砕処理としては、次亜塩素酸塩を いる方法が好ましく、上記ホモジナイザー 処理を行った後、次亜塩素酸塩で処理を行 ことがより好ましい。さらには、第一の本 明で詳述したように、3-ヒドロキシアルカ 酸共重合体を含有する前記微生物を含む水 懸濁液、又は3-ヒドロキシアルカン酸共重合 体と前記微生物の菌体構成成分とを含む水性 懸濁液を、次亜塩素酸塩を含有する酸化剤で 処理する工程と、残留する酸化剤を中和する 工程とを行うことによって得られた水性懸濁 液を、後述の溶剤を添加する処理に付するこ とが好ましい。この際の詳細な条件は第一の 本発明と同様である。
以降に述べる溶剤を添加する処理の前に これらのタンパク質等を含む水を脱水して いても構わないが、第二の本発明の方法で 、これらのタンパク質等を含む水を予め脱 しておかなくても、3-ヒドロキシアルカン 共重合体を効率よく回収することができる 脱水の方法としては特に限定されないが、 過や遠心分離、沈降分離による方法が挙げ れ、これらを促進させるために無機塩や高 子凝集剤を添加してもよい。また当該懸濁 中の3-ヒドロキシアルカン酸共重合体の濃度 は特に限定されないが、500g/L以下が好ましく 、300g/L以下がより好ましい。3-ヒドロキシア カン酸共重合体の濃度を調整するために水 脱水してもよいし、また新たに水を加えて 構わない。
第二の本発明にて使用する溶剤としては 特に限定されないが、例えば、ベンゼン、 ルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチ シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤;ジエチ ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニ ルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼ ン等のエーテル系溶剤;塩化メチレン、クロ ホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭 水素系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤; メタノール、エタノール、プロパノール、イ ソプロパノール、n-ブチルアルコール、tert- チルアルコール等のアルコール系溶剤;アセ ニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニト ル等のニトリル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブ チル等のエステル系溶剤;エチレンカーボネ ト、プロピレンカーボネート等のカーボネ ト系溶剤;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジ チルアセトアミド等のアミド系溶剤等が挙 られる。3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を 含む水性懸濁液にこれらの溶剤を添加する方 法を工業的に実施する際には、溶剤の回収が 必要となる。したがい、水溶性の低い疎水性 溶剤が好ましく、炭化水素系溶剤、ハロゲン 化炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、カーボ ネート系溶剤がより好ましく、トルエン、ヘ キサン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸 ブチルが更に好ましく、酢酸エチル、酢酸ブ チルが特に好ましい。
3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を含む 性懸濁液に溶剤を添加することにより、3-ヒ ドロキシアルカン酸共重合体が凝集し、この 凝集した3-ヒドロキシアルカン酸共重合体を む溶剤層が水層と分離する。
添加する溶剤量は特に限定されないが、3 -ヒドロキシアルカン酸共重合体を抽出溶解 せない方法であるという第二の本発明の優 点を生かすため、できる限り少量であるこ が好ましい。また温度によっても溶解性が なり、さらには凝集性が影響される。温度 高い場合にはPHAが一部溶融する。共重合組 比により溶融性が影響を受けるため、組成 とに最適な温度が異なる。PHAが溶融すると 集体が大きくなる傾向にあり、凝集体が大 すぎる場合には、PHA全体が塊状になる。従 、PHAを溶解させずに、より好ましいサイズ 凝集体を得るために、溶剤の添加量はより 量であることが好ましく、また溶剤を添加 る際の温度は低いことが好ましい。溶剤の 加量は溶剤種によって異なるが、水性懸濁 中の3-ヒドロキシアルカン酸共重合体に対し て重量比で10倍以下であることが好ましく、 り好ましくは5倍以下である。また、好まし くは、0.5倍以上である。溶剤を添加する際の 温度は具体的には50℃以下であり、好ましく 40℃以下、さらに好ましくは30℃以下、より 好ましくは20℃以下である。また、好ましく 5℃以上である。
上記水性懸濁液に溶剤を添加することに り、3-ヒドロキシアルカン酸共重合体が凝 体を形成する。上記凝集体は数100μmから数mm の大きさである。上記凝集体を形成させる段 階において、溶剤種、溶剤量、pHなどを調整 ることにより、凝集体の形状、サイズをコ トロールすることができる。
溶剤を添加する前にpHを調整する手段と ては特に限定しない。pHを特定の範囲に限定 できるものであればよく、具体的には、水酸 化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチ ウム、水酸化カルシウムなどを含めたアルカ リ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;炭 ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ 属の炭酸塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム どの有機酸のアルカリ金属塩;ほう砂等のア ルカリ金属のホウ酸塩;リン酸3ナトリウム、 ン酸水素2ナトリウム、リン酸3カリウム、 ン酸水素2カリウムなどのアルカリ金属のリ 酸塩;あるいはアンモニア水などが挙げられ る。この中でも、工業生産に適し、また価格 の点で、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム 、水酸化カリウム、アンモニア水などが好ま しい。アルカリの添加によってコントロール するpHは特に限定されないが、pH7以上が好ま く、pH8以上がより好ましく、さらに好まし はpH10以上である。pHを高くすることにより 水性の高いPHAをマイナスに帯電させ、この 電により凝集性を補っていると考えること できる。ただし、溶剤の添加量等により十 な凝集性を発揮できる場合にはpHが低い領 でも凝集させることができる。
これらの凝集化条件により凝集体を水性 濁液中に均等に分散させたり、凝集体を浮 状態とさせたり、沈降状態とさせることが 能である。凝集体が水洗懸濁液中に均等に 散している場合にはろ過などの方法で回収 ることが好ましく、凝集体が浮遊状態とな ている場合には静置分離や浮上分離などの 法で回収することが好ましく、凝集体が沈 している場合には沈降回収などの方法が望 しい。また、凝集体の分散、浮遊、沈降状 に関わらず、回収可能な方法としては遠心 離が挙げられる。
ろ過の方法は特に制限がないが、ヌッチ などを用いる方法や、吸引ろ過や加圧ろ過 どの方法が望ましい。工業的にはフィルタ プレス、チューブプレス、プレートプレス ゲージプレス、ベルトプレス、スクリュー レス、円板プレスなどの圧搾機能を有した 過装置や、遠心脱水機、多室円筒ろ過機な も選択可能である。生産性を高める場合に 多室円筒ろ過機などの連続式が望ましい。 続式ろ過機の、凝集体の除滓方法として、 トリング方式、スクレパー方式、プレコー スクレパー方式などが挙げられる。また、 材としては、織布、不織布、金属性メッシ 、セラミックフィルター、多孔質ろ材、高 子膜など様々なろ材を選定でき、更にろ過 剤を用いてもよい。ろ過助剤としては、け そう土、パーライト、アスベスト、セルロ ス、炭素質ろ過助剤、酸性白土、ベントナ ト、活性炭などが挙げられる。しかし、本 明の凝集体は数100μmから数mmの粒子である め、広く一般的に用いられる織布、不織布 用いたろ過が可能であり、けいそう土など ろ過助剤などを特に必要とせずともろ過効 が高く、工業的な生産性が高いという利点 有している。
凝集体が浮上している場合には、静置分 によって回収することができる。工業的に 凝集物などの懸濁物質に微細な気泡を付着 るいは包含させる方法がとられる。加圧下 空気を溶解させた水を大気下で懸濁水に放 させ、懸濁物を核として気泡を発生させ、 の気泡の浮上力を利用する、いわゆる加圧 上法、また水中の電解作用により気泡を発 させる電解浮上法が一般的である。また捕 剤などの薬剤添加を行っても良い。
凝集体が沈降している場合には、沈降槽 どで沈降した凝集体を回収すればよい。工 的には傾斜板沈降槽やスラッジブランケッ 型凝集沈降槽、円筒円錐型槽などの連続式 ックナーなどを用いることができる。
遠心分離による方法は、凝集体を含む水 懸濁液を高速回転場に置くことにより、重 の数千から数万倍を超える遠心力を印加す ことができる。方式としては種々挙げられ が、円筒が回転し、比重の小さい液体など 円筒外に排出させる円筒型遠心分離機、傾 を持った多層に重ねられた傘の斜面で分離 行う分離板型(ドラバル型)、回転するスク ューコンベアで分離させるデカンター型な が挙げられる。
このように凝集体の3-ヒドロキシアルカ 酸共重合体の回収方法は様々な方法を挙げ ことができるが、これらの方法は、工業的 模や経済的状況を考慮して選ばれる。しか 、本発明によれば凝集体を数100μmから数mmの サイズで得ることができるため、バクテリア や酵母などの分離、バイオリアクターで生産 される有用物の分離等に用いられる、膜分離 や限外ろ過、精密ろ過、超高速遠心を利用す る方法、などの特殊な分離方法を選択する必 要がないというメリットがある。
本発明では、溶剤の添加により凝集体の3 -ヒドロキシアルカン酸共重合体を得ること できるが、水溶性の低いすなわち疎水性の 剤を3-ヒドロキシアルカン酸共重合体と接触 させることにより細胞質成分などの懸濁水を 排斥させる効果も得ることができる。この効 果により、タンパク質の含有量が低く純度が 高い3-ヒドロキシアルカン酸共重合体の凝集 を得ることが可能である。
次いで、ろ過や静置分離などの方法で回 した3-ヒドロキシアルカン酸共重合体の凝 粒子体を水で洗浄することで、精製された3- ヒドロキシアルカン酸共重合体を得ることが できる。洗浄は水以外にも有機溶媒を使用し てもよいし、水と有機溶媒を混合して用いて も良い。また水のpHを調整してもよい。有機 媒としては、例えばメタノール、エタノー 、アセトン、アセトニトリル、テトラヒド フラン、ケトン類、アミン類などを用いる とができる。また界面活性剤などを水に添 しても構わない。これらの溶媒や水を複数 合して用いてもよい。また、短時間であれ 水やこれらの有機溶媒を加温あるいは蒸気 して噴霧することで洗浄性を高めることも きる。
水や有機溶媒で凝集体を洗浄した後、乾 させることによって、3-ヒドロキシアルカ 酸共重合体を単離することができる。
上述の3-ヒドロキシアルカン酸共重合体 離の段階や乾燥の段階で、懸濁液に含まれ いる3-ヒドロキシアルカン酸共重合体の凝集 体を得るために添加した溶剤を回収すること ができる。この溶剤が疎水性溶剤であれば、 静置分離等の簡単な方法で水と溶剤を分離す ることができる。従って、第二の本発明の精 製方法は、蒸留分離などの方法を必要としな いで溶剤を回収し、再利用することができる という経済上のメリットを有する。
第二の本発明では、3-ヒドロキシアルカ 酸共重合体を含む水性懸濁液からの当該共 合体の回収に際して、溶剤、特に疎水性溶 を共重合体に対して少量添加し、抽出せず 、凝集体として簡易に共重合体を回収する とができる。特に第一の本発明と第二の本 明を組み合わせて、すなわち中和処理の後 、溶剤を添加して凝集体を形成させること よって、共重合体の分子量の低下が少なく 次亜塩素酸塩の処理に伴う残留塩素の問題 なく、かつ生産性よく共重合体を回収する とができる。
本発明の方法により得られる3-ヒドロキ アルカン酸共重合体は、重量平均分子量が10 0万以上であることが好ましい。より好まし は150万以上である。本明細書において、3-ヒ ドロキシアルカン酸共重合体の重量平均分子 量は、Shodex K805L(300×8mm、2本連結、昭和電 社製)を装着したSHIMADZU社製GPCシステムを用 クロロホルムを移動相として分析した値で る。
また、本発明の方法により得られる3-ヒ ロキシアルカン酸共重合体は、クロルメト ー法(三菱化成製、TOX-10σ)で測定した時の塩 の含有量が200ppm以下であることが好ましく 100ppm以下であることがより好ましい。
更に、本発明の方法により得られる3-ヒ ロキシアルカン酸共重合体は、ダイヤイン ツルメンツ社製の微量窒素分析装置TN-110で 定した時の窒素の含有量が200ppm以下である とが好ましく、100ppm以下であることがより ましい。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳し 説明するが、本発明はこれら実施例のみに 定されるものではない。なお、本実施例に いて、室温は25℃を意味する。
(重合体の分子量の測定方法)
菌体より分離して得られた精製PHBH15mgを、
ロロホルム700μmに溶解したのち、不溶物を
過(ウルトラフリーMC、Millipore社製)により除
た。この溶液を用いて、Shodex K805L(300×8mm
2本連結、昭和電工社製)を装着したSHIMADZU社
製GPCシステムを用いクロロホルムを移動相と
して重合体の分子量を測定した。
(重合体中の残留窒素量の測定方法)
各サンプルに関し、ダイヤインスツルメン
社製の微量窒素分析装置TN-110、または炭素
水素・窒素同時定量装置CHN-CORDER、MT-5(ヤナ
社製)を用いて測定した。
(塩素分析)
分析は、クロルメトリー法(三菱化成製、TOX
-10σ)で実施した。
(PHBHを含有する微生物を含む水性懸濁液の
製)
アエロモナス・キャビエ由来の3-ヒドロキ
アルカン酸共重合体合成酵素群遺伝子を導
したラルストニア・ユートロファ(旧名アル
リゲネス・ユートロファス AC32(上述の寄託
番号FERM BP-6038))をJ.Bacteriol.,179,4821-4830頁(1997)
記載の方法で培養し、PHBHを約80wt%含有した
体を得た。
(滅菌の方法)
得られた培養液を内温60~80℃で20分加熱・攪
拌処理し、滅菌処理を行った。
(機械的菌体破砕の方法)
得られた滅菌処理すみ培養液を、高圧ホモ
ナイザー処理(PA2K型、Niro Soavi S.P.A)によっ
処理した。高圧ホモジナイザー処理では培
液にNaOH水溶液を添加してpHを12.5まで上げな
がら処理を行い、pH=12.5まで達した時点から
定時間、一定ホモジナイズ圧を保った。
(実施例1)
滅菌すみ培養液(Mw=218万、PHBH含量=208g/L、3HH
成=4.5モル%)を機械的破砕処理せずに次亜塩
酸Na処理(系中有効塩素濃度5%、室温、1hr攪
)した。この次亜塩素酸Na処理では、系のpHは
12.5から9~10程度まで低下した。処理液を中和
理(亜硫酸Naを次亜塩素酸Naの0.6倍当量添加
亜硫酸Naは15wt%水溶液で添加、室温で30分攪
)した後、遠心分離処理(8000Gで10分処理)を行
た。洗浄操作として遠心分離後の上清液を
棄した後、純水を添加し、沈殿層と十分に
拌した後に更に遠心分離処理(8000Gで10分処
)を行った。この洗浄操作を5回繰り返した。
使用した培養液中のPHBH含量(208g/L)から計算さ
れるPHBH理論量に対して40倍の水(次亜塩素酸Na
処理や亜硫酸Na処理に伴う水を含める)で洗浄
処理した後のPHBHを乾燥(40℃~45℃で一昼夜乾
)した後、微量窒素分析装置で窒素含量を測
したところ510ppmであった。また分子量は134
であった。培養後のPHBHが有するタンパクは
窒素含量で約10000ppmである。従い、これらの
法で分子量を100万以上に保ったまま、タン
ク含量を窒素換算で510ppmまで精製できるこ
がわかった。
(実施例2)
滅菌すみ培養液(Mw=218万、PHBH含量=208g/L、3HH
成=4.5モル%)を機械的破砕処理(高圧ホモジナ
イザー処理、pH=12.5以上で600barで90分保持)し
。この処理液を次亜塩素酸Na処理(系中有効
素濃度5%、室温、1hr攪拌)した。この次亜塩
酸Na処理では、系のpHは12.5から9~10程度まで
下した。さらに中和処理(亜硫酸Naを次亜塩
酸Naの0.6倍当量添加、亜硫酸Naは15wt%水溶液
添加、室温で30分攪拌)した後、遠心分離処
(8000Gで10分処理)を行った。洗浄操作として
心分離後の上清液を廃棄した後、純水を添
し、沈殿層と十分に攪拌した後に更に遠心
離処理(8000Gで10分処理)を行った。この洗浄
作を5回繰り返した。使用した培養液中のPHBH
含量(208g/L)から計算されるPHBH理論量に対して
40倍の水(次亜塩素酸Na処理や亜硫酸Na処理に
う水を含める)で洗浄処理した後のPHBHを乾燥
(40℃~45℃で一昼夜乾燥)した後、微量窒素分
装置で窒素含量を測定したところ330ppmであ
た。また分子量は187万であった。実施例1に
載の方法に高圧ホモジナイズ処理を組み合
せることでタンパク含量を窒素換算で330ppm
で低下できることがわかった。
(実施例3)
滅菌すみ培養液(Mw=307万、PHBH含量=138g/L、3HH
成=5.8モル%)を機械的破砕処理(高圧ホモジナ
イザー処理、pH=12.5以上で600barで単通処理を5
実施)した。この処理液を次亜塩素酸Na処理(
系中有効塩素濃度6.5%、室温、1hr攪拌)した。
の次亜塩素酸Na処理では系のpHは12.5から9~10
度まで低下する。さらに中和処理(亜硫酸Na
次亜塩素酸Naの0.6倍当量添加、亜硫酸Naは15w
t%水溶液で添加、室温で30分攪拌)した。さら
中和処理(亜硫酸Naを次亜塩素酸Naの0.4倍当
添加、亜硫酸Naは15wt%水溶液で添加、室温で6
0分攪拌)した後、培養液中のPHBH含量から計算
されるPHBH理論量に対して当量の酢酸エチル
添加し、室温で90分攪拌した。得られた凝集
物をろ過・脱水し、純水を添加する洗浄操作
を繰り返した。PHBH理論量に対して14倍の水で
洗浄した後、得られた凝集体を乾燥(40℃~45℃
で一昼夜乾燥)した。乾燥した精製PHBHの窒素
量は300ppm(炭素・水素・窒素同時定量装置)
あり、塩素含量は10100ppm(クロルメトリー法)
あった。分子量は114万であった。分子量を1
00万以上に保持したまま、タンパク質を窒素
量で300ppmまで低減できるが、塩素の残留物
多い。
(実施例4)
滅菌すみ培養液(Mw=307万、PHBH含量=138g/L、3HH
成=5.8モル%)を機械的破砕処理(高圧ホモジナ
イザー処理、pH=12.5以上で600barで単通処理を5
実施)した。この処理液をNaOH添加によりpHを
12に維持したまま、次亜塩素酸Na処理(系中有
塩素濃度6.5%、室温、1hr攪拌、pH=12維持)した
。中和処理(亜硫酸Naを次亜塩素酸Naの0.5倍当
添加、亜硫酸Naは15wt%水溶液で添加、室温で
60分攪拌)した後、培養液中のPHBH含量から計
されるPHBH理論量に対して当量の酢酸エチル
添加し、室温で90分攪拌した。得られた凝
物をろ過・脱水し、純水を添加する洗浄操
を繰り返した。PHBH理論量に対して40倍の水
洗浄した後、得られた凝集体を乾燥(40℃~45
で一昼夜乾燥)した。乾燥した精製PHBHの窒素
含量は400ppm(炭素・水素・窒素同時定量装置)
あり、塩素含量は2800ppm(クロルメトリー法)
あった。分子量は216万であった。分子量を1
00万以上に保持したまま、タンパク質を窒素
量で400ppmまで低減でき、かつ塩素残量を2800
ppmまで低減できている。
(実施例5)
滅菌すみ培養液(Mw=242万、PHBH含量=188g/L、3HH
成=8.3モル%)を機械的破砕処理(高圧ホモジナ
イザー処理、pH=12.5以上で600barで単通処理を5
実施)した。この処理液をNaOH添加によりpHを
12に維持し、かつ温度を20℃以下に保ったま
次亜塩素酸Na処理(系中有効塩素濃度6.5%、20
以下、2hr攪拌、pH=12維持)した。中和処理(亜
酸Naを次亜塩素酸Naの0.5倍当量添加、亜硫酸
Naは15wt%水溶液で添加、室温で60分攪拌)した
、培養液中のPHBH含量から計算されるPHBH理論
量に対して0.44倍量のトルエンを添加し、室
で60分攪拌した。得られた凝集物をろ過・脱
水し、純水を添加する洗浄操作を繰り返した
。PHBH理論量に対して40倍の水で洗浄し、さら
にPHBH理論量に対して60倍のメタノールで洗浄
した後、得られた凝集体を乾燥(40℃~45℃で一
昼夜乾燥)した。乾燥した精製PHBHの窒素含量
65ppm(微量窒素分析)であり、塩素含量は100ppm
(クロルメトリー法)であった。分子量は147万
あった。分子量を100万以上に保持したまま
タンパク質を窒素含量で65ppmまで低減でき
かつ塩素残量を100ppmまで低減できている。
また、この精製PHBHに関してTG-MS法(TG―DTA/ MS、Agilent Technologies製)にて遊離する塩素の発 生温度を追跡した。室温から500℃までの領域 でTG曲線を測定したが、PHBHの分解温度より低 温領域での重量変化が見られず、またMSでも 素(塩酸)は検出できない。従い、PHBHの溶融 伴い遊離する塩素(塩酸)は極めて微量であ ことがわかった。
(実施例6)
実施例4、5に述べた塩素残量低減の効果を
認するために、予め溶剤抽出法で精製したPH
BHを使ってモデル実験を行った(表1)。アセト
を抽出溶剤として精製したPHBH(精製後分子
54万、3HH組成=13.4モル%、塩素残量=20~30ppm、窒
素含量=20ppm)の乾燥物をアセトンと水の混合
で湿潤状態とし、脱水した後に以下に述べ
条件で次亜塩素酸Naと接触させた。次亜塩素
酸Na処理後は中和処理(亜硫酸Naを次亜塩素酸N
aの1.5倍当量添加、亜硫酸Naは15wt%水溶液で添
、室温で60分攪拌)した後、乾燥PHBH量に対し
て100倍の水で洗浄した。40℃~45℃で一昼夜乾
させた後、クロルメトリー法で塩素残量を
定した。
タンパク質等の菌体構成成分を含む培養 に次亜塩素酸Naを添加すると、タンパク質 分解により発生するカルボン酸などにより のpHが徐々に低下するが、このモデル実験で は精製ずみPHBH(窒素含量=20ppm)を用いたために 、次亜塩素酸Na処理時にpHが低下しない。塩 化の要因検討のためにNaOHによりpHを酸側に 整した。また次亜塩素酸Na処理時の温度、光 を遮蔽する効果などを検討した。表1に示す うに、次亜塩素酸Na処理時のpHを高く保った 、温度を下げたり、光を遮蔽することで、C l残量をコントロールできることがわかった 最も低減できる条件では100ppm以下まで低減 きる。数平均分子量が約15万であるため、1 子に対してCl原子の結合が1個以下まで低減 きていることとなる。
(参考例)
実施例1~5に述べた分子量を100万以上に保持
る次亜塩素酸塩処理条件を確認するために
滅菌すみ培養液(Mw=141万、PHBH含量=243g/L、3HH
成=6.6モル%)を様々な次亜塩素酸塩処理条件
処理した場合の分子量の結果を示した(表2)
系中有効塩素濃度が5%以下であっても24hr以
の長時間の次亜塩素酸塩処理を行うと、分
量が20万以下と著しく低下してしまうが、
中有効塩素濃度と処理時間を一定濃度以下
一定時間以下に制限すれば、分子量を100万
度に維持できることが確認できる。また、3H
H組成を変えた培養液(Mw=135万、PHBH含量=65.7g/L
3HH組成=10.4モル%)でも同様の効果が確認でき
た(表3)。
表2中のビーズミル破砕処理は、破砕媒体 であるガラスビーズを処理液と同容量添加し 、10分間ミル処理を実施した。
表3中の高圧ホモジナイザー破砕処理は、 pH=12.5以上、600barで90分保持したあと、遠心分 離処理(8000Gで10分処理)を行った。
(比較例1)
滅菌すみ培養液(Mw=218万、PHBH含量=208g/L、3HH
成=4.5モル%)を機械的破砕処理および次亜塩
酸Na処理せずに、遠心分離処理(8000Gで10分処
理)を行った。遠心分離後の上清液を廃棄し
後、純水を添加し、沈殿層と十分に攪拌し
後に更に遠心分離処理(8000Gで10分処理)を行
た。この洗浄操作を5回繰り返した。使用し
培養液中のPHBH含量(208g/L)から計算されるPHBH
理論量に対して40倍の水で洗浄処理した後のP
HBHを乾燥(40℃~45℃で一昼夜乾燥)した後、微
窒素分析装置で窒素含量を測定したところ12
000ppmであった。破砕処理や次亜塩素酸Na処理
経ないと水で洗浄する処理を行ってもPHBH中
のタンパク含量を実用的なレベルに低下する
ことはできない。
(比較例2)
滅菌すみ培養液(Mw=218万、PHBH含量=208g/L、3HH
成=4.5モル%)を機械的破砕処理(高圧ホモジナ
イザー処理、pH=12.5以上で600barで90分保持)し
。次亜塩素酸Na処理せずに、遠心分離処理(80
00Gで10分処理)を行った。遠心分離後の上清液
を廃棄した後、純水を添加し、沈殿層と十分
に攪拌した後に更に遠心分離処理(8000Gで10分
理)を行った。この洗浄操作を5回繰り返し
。使用した培養液中のPHBH含量(208g/L)から計
されるPHBH理論量に対して30倍の水で洗浄処
した後のPHBHを乾燥(40℃~45℃で一昼夜乾燥)し
た後、微量窒素分析装置で窒素含量を測定し
たところ1000ppmであった。破砕処理を行って
、水で洗浄する処理だけではPHBH中のタンパ
含量を1000ppmまでしか低減できない。
(比較例3)
滅菌すみ培養液(Mw=141万、PHBH含量=243g/L、3HH
成=6.6モル%)を次亜塩素酸Na処理(系中有効塩
濃度2.5%~5%、室温から成行き温度、72hr攪拌
pHは成行き(pH=8~9))した後、遠心分離処理(8000G
で10分処理)を行った。遠心分離後の上清液を
廃棄した後、純水を添加し、沈殿層と十分に
攪拌した後に更に遠心分離処理(8000Gで10分処
)を行った。この洗浄操作を5回繰り返した
使用した培養液中のPHBH含量から計算されるP
HBH理論量に対して約10倍の水で洗浄処理した
、PHBH乾燥(40℃~45℃で一昼夜乾燥)させた。
の乾燥体の分子量を測定したところ、表2に
すごとく分子量が20万以下に低下する(表2、
No.1および2)。中和処理を行わなかったところ
、PHBHの分子量が著しく低下した。
(実施例8)
滅菌すみ培養液(Mw=307万、PHBH含量=138g/L、3HH
成=5.8モル%)を機械的破砕処理(高圧ホモジナ
イザー処理、pH=12.5以上、600barで単通処理を5
実施)した。この処理液をNaOH添加によりpHを
12に維持したまま、次亜塩素酸Na処理(系中有
塩素濃度6.5%、室温、1hr攪拌、pH=12維持)した
。中和処理(亜硫酸Naを次亜塩素酸Naの0.5倍当
添加、亜硫酸Naは15wt%水溶液で添加、室温で
60分攪拌)した後、培養液中のPHBH含量から計
されるPHBH理論量に対して当量の酢酸エチル
添加し、室温で90分攪拌した。得られた凝
体をろ過・脱水し、純水を添加する洗浄操
を繰り返した。PHBH理論量に対して40倍の水
洗浄した後、得られた凝集体を乾燥(40℃~45
で一昼夜乾燥)した。乾燥した精製PHBHの窒素
含量は400ppm(炭素・水素・窒素同時定量装置)
あった。塩素含量は2800ppm(クロルメトリー
)であり、分子量は216万であった。分子量を1
00万以上に保持したまま、タンパク質を窒素
量で400ppmまで低減できている。
(実施例9)
滅菌すみ培養液(Mw=242万、PHBH含量=188g/L、3HH
成=8.3モル%)を機械的破砕処理(高圧ホモジナ
イザー処理、pH=12.5以上、600barで単通処理を5
実施)した。この処理液をNaOH添加によりpHを
12に維持し、かつ温度を20℃以下に保ったま
次亜塩素酸Na処理(系中有効塩素濃度6.5%、20
以下、2hr攪拌、pH=12維持)した。中和処理(亜
酸Naを次亜塩素酸Naの0.5倍当量添加、亜硫酸
Naは15wt%水溶液で添加、室温で60分攪拌)した
、培養液中のPHBH含量から計算されるPHBH理論
量に対して0.44倍量のトルエンを添加し、室
で60分攪拌した。得られた凝集体をろ過・脱
水し、純水を添加する洗浄操作を繰り返した
。PHBH理論量に対して40倍の水で洗浄した後、
得られた凝集体を乾燥(40℃~45℃で一昼夜乾燥
)した。乾燥した精製PHBHの窒素含量は320ppm(炭
素・水素・窒素同時定量装置)であり、分子
は147万であった。また塩素含量は1400ppm(クロ
ルメトリー法)であった。分子量を100万以上
保持したまま、タンパク質を窒素含量で400pp
m以下まで低減できている。
(比較例4)
滅菌すみ培養液(Mw=218万、PHBH含量=208.2g/L、3H
H組成=4.5モル%)にクロロホルムを添加し、PHBH
抽出した。培養液中のPHBH理論量に対して40
のクロロホルムを添加し、シェイカーで振
うしながら一晩以上放置した。得られた抽
液を、ろ紙でろ過した後、エバポレーター
濃縮し、ヘキサンをPHBH理論量に対して20倍
加してPHBHを晶析させた。晶析を吸引ろ過し
た後、真空乾燥(50℃)で一昼夜放置した。得
れた精製体のタンパク質は窒素含量で39ppmで
あった(微量窒素分析装置)。この方法では、
素含量40ppm以下まで精製できるが、抽出溶
であるクロロホルムおよび晶析用の貧溶媒
大量に使う点に問題がある。
(比較例5)
滅菌すみ培養液(Mw=218万、PHBH含量=208.2g/L、3H
H組成=4.5モル%)を機械的破砕処理(高圧ホモジ
イザー処理、pH=12.5以上、600barで90分保持)し
た。この処理液に無機塩として、硫酸アルミ
ニウム水溶液を添加した。培養液の理論PHBH
に対して、3%(金属/PHBH、重量基準)の量を添
した。添加した培養液中のPHBH、菌体構成成
など全ての固形分が凝集沈降しており、培
液中からPHBHを分離することは出来なかった
。硫酸アルミニウムの代わりに塩化アルミニ
ウム、硫酸マグネシウムなどの無機塩を用い
ても同様の結果であった。機械的破砕処理を
経た滅菌すみ培養液に無機塩水溶液を添加し
、凝集沈降物を得ることができるが、PHBHと
ンパク質等の菌体構成成分を分離すること
できない。
