Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
PROCESS FOR PRODUCTION OF 4-(SUBSTITUTED PHENYL)HEXAHYDROPYRIDO[2,1-C][1,4]OXAZIN-6-ONE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/081959
Kind Code:
A1
Abstract:
4-(Substituted phenyl)hexahydropyrido[2,1-c][1,4]oxazin- 6-one represented by formula (I) or a salt thereof is useful as an intermediate for the production of a bicyclic cinnamide compound which is an Aβ production inhibitor. 4-(Substituted phenyl)hexahydropyrido[2,1-c][1,4]oxazin-6-one or the salt thereof can be produced in an industrially advantageous manner by subjecting a compound represented by formula (II) or a salt thereof to an intramolecular condensation reaction.

Inventors:
KAYANO AKIO (JP)
NAGAI MITSUO (JP)
HOSHINO YORIHISA (JP)
WAKASUGI KAZUNORI (JP)
MATSUDA MASAAKI (JP)
KAMADA ATSUSHI (JP)
ISOMURA MINETAKA (JP)
NISHIKAWA YOSHIHIRO (JP)
YOSHIKAWA SEIJI (JP)
SHIMMYO DAISUKE (JP)
DOI ERIKO (JP)
KANEKO TOSHIHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073513
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
December 25, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
EISAI R&D MAN CO LTD (JP)
KAYANO AKIO (JP)
NAGAI MITSUO (JP)
HOSHINO YORIHISA (JP)
WAKASUGI KAZUNORI (JP)
MATSUDA MASAAKI (JP)
KAMADA ATSUSHI (JP)
ISOMURA MINETAKA (JP)
NISHIKAWA YOSHIHIRO (JP)
YOSHIKAWA SEIJI (JP)
SHIMMYO DAISUKE (JP)
DOI ERIKO (JP)
KANEKO TOSHIHIKO (JP)
International Classes:
C07D498/04; C07D265/30
Domestic Patent References:
WO2007060821A12007-05-31
WO2007060821A12007-05-31
Other References:
See also references of EP 2226325A4
Attorney, Agent or Firm:
ASAMURA, Kiyoshi et al. (New Ohtemachi Bldg.2-1, Ohtemachi 2-chome,Chiyoda-k, Tokyo 04, JP)
Download PDF:
Claims:
 下記式(II-a)
[式中、R a 、R b およびR c は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基またはC1-6アルコキシ基を示す。] で表される化合物で表される化合物またはその塩を、分子内縮合反応に付すことにより、下記式(I-a)
[式中、R a 、R b およびR c は、前記定義と同じ意味を示す。] で表される化合物またはその塩を製造する、4-(置換フェニル)ヘキサヒドロピリド[2,1-c][1,4]オキサジン-6-オンまたはその塩の製造方法。
 R a 、R b およびR c が、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子である、請求項1記載の製造方法。
 下記式(II)
で表される化合物またはその塩を、分子内縮合反応に付すことにより、下記式(I)
で表される化合物またはその塩を製造する、4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)ヘキサヒドロピリド[2,1-c][1,4]オキサジン-6-オンまたはその塩の製造方法。
 下記式(II-b)
で表される化合物またはその塩を、分子内縮合反応に付すことにより、下記式(I-b)
で表される化合物またはその塩を製造する、(4S,9aR)-4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)ヘキサヒドロピリド[2,1-c][1,4]オキサジン-6-オンまたはその塩の製造方法。
 下記式(II-c)
で表される化合物またはその塩を、分子内縮合反応に付すことにより、下記式(I-c)
で表される化合物またはその塩を製造する、(4R,9aS)-4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)ヘキサヒドロピリド[2,1-c][1,4]オキサジン-6-オンまたはその塩の製造方法。
 下記式(II-a)
[式中、R a 、R b およびR c は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基またはC1-6アルコキシ基を示す。] で表される化合物またはその塩。
 下記式(II)
で表される化合物またはその塩。
 下記式(II-b)
で表される化合物またはその塩
 下記式(II-c)
で表される化合物またはその塩。
Description:
4-(置換フェニル)ヘキサヒドロピ リド[2,1-c][1,4]オキサジン-6-オンの製造方法

 本発明は、アルツハイマー病、ダウン症 どのアミロイドベータ(以下Aβという)が原 となる神経変性疾患の治療に有効なAβ産生 制剤として有用な化合物の中間体である4-( 換フェニル)ヘキサヒドロピリド[2,1-c][1,4]オ サジン-6-オンの製造方法に関する。更には 本発明は、該製造方法に用いる新規化合物 も関する。

 下記式
[式中、
は、単結合または二重結合を示し、Ar 1 は、1ないし3の置換基で置換されてもよいフ ニル基またはピリジニル基を示し、R 1 およびR 2 は、C1-6アルキル基、水酸基などを示し、Z 1 は、置換されてもよいメチレン基もしくはビ ニレン基、酸素原子またはC1-6アルキル基も くはC1-6アシル基で置換されてもよいイミノ を示し、p、qおよびrは、0ないし2の整数を す。]で表される2環式シンナミド化合物は、 Aβ産生抑制剤として知られている(特許文献1) 。当該特許文献1には、実施例化合物の中間 として、下記式(I)
で示される化合物に代表されるような4-(置換 フェニル)ヘキサヒドロピリド[2,1-c][1,4]オキ ジン-6-オン化合物が開示されている。

国際公開第07/060821号パンフレット

 しかしながら、かかる化合物の製造方法 、高価な試薬を用いること、カラム精製の 要性や工程数の多さから、収率なども高く いこと、また環境に対する負荷も小さくな ことから、必ずしも工業的製法として十分 は言えなかった。

 そこで、発明者が鋭意検討の結果、本発明 見出すに至った。
 すなわち、本発明は、
(1)下記式(II-a)
[式中、R a 、R b およびR c は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン 原子、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、C1-6 ルキル基またはC1-6アルコキシ基を示す。]で 表される化合物またはその塩を、分子内縮合 反応に付すことにより、下記式(I-a)
[式中、R a 、R b およびR c は、前記定義と同じ意味を示す。]で表され 化合物またはその塩を製造する、4-(置換フ ニル)ヘキサヒドロピリド[2,1-c][1,4]オキサジ -6-オンまたはその塩の製造方法、
(2)R a 、R b およびR c が、それぞれ独立して、水素原子またはハロ ゲン原子である、(1)記載の製造方法、
(3)下記式(II)
で表される化合物またはその塩を、分子内縮 合反応に付すことにより、下記式(I)
で表される化合物またはその塩を製造する、 4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)ヘキサヒドロ リド[2,1-c][1,4]オキサジン-6-オンまたはその の製造方法、
(4)下記式(II-b)
で表される化合物またはその塩を、分子内縮 合反応に付すことにより、下記式(I-b)
で表される化合物またはその塩を製造する、 (4S,9aR)-4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)ヘキサ ドロピリド[2,1-c][1,4]オキサジン-6-オンまた その塩の製造方法、
(5)下記式(II-c)
で表される化合物またはその塩を、分子内縮 合反応に付すことにより、下記式(I-c)
で表される化合物またはその塩を製造する、 (4R,9aS)-4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)ヘキサ ドロピリド[2,1-c][1,4]オキサジン-6-オンまた その塩の製造方法、
(6)下記式(II-a)
[式中、R a 、R b およびR c は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン 原子、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、C1-6 ルキル基またはC1-6アルコキシ基を示す。]で 表される化合物またはその塩、
(7)下記式(II)
で表される化合物またはその塩、
(8)下記式(II-b)
で表される化合物またはその塩、および
(9)下記式(II-c)
で表される化合物またはその塩
に関する。

 本発明により、Aβ産生抑制剤である2環式 シンナミド化合物の中間体として有用な4-(置 換フェニル)ヘキサヒドロピリド[2,1-c][1,4]オ サジン-6-オンを工業的に有利に製造するこ ができる。また、本発明により、該製造に いる新規化合物も提供される。

 以下、本発明の製造方法について詳細に説 する。
 本発明の製造方法にかかる前記式(II-a)およ (I-a)における、「ハロゲン原子」、「C1-6ア キル基」および「C1-6アルコキシ基」とは以 下の意味を有する。

 「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩 原子、臭素原子、ヨウ素原子等を示し、好 しくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子で る。

 「C1-6アルキル基」とは、炭素数が1ない 6個のアルキル基を示し、好ましい基として 、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル 、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、te rt-ブチル基、n-ペンチル基、i-ペンチル基、 オペンチル基、n-ヘキシル基、1-メチルプロ ル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプ ピル基、1-メチル-2-エチルプロピル基、1-エ チル-2-メチルプロピル基、1,1,2-トリメチルプ ロピル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチ 基、1,1-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチ ル基、2-エチルブチル基、1,3-ジメチルブチル 基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル 等の直鎖または分枝状アルキル基が挙げら る。

 「C1-6アルコキシ基」とは、炭素数1ない は6個のアルキル基が酸素原子に置換した基 示し、好ましい基としては、例えばメトキ 基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポ キシ基、n-ブトキシ基、i-ブトキシ基、sec-ブ キシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ 基、i-ペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ 基、tert-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキ 基、i-ヘキシルオキシ基、1,2-ジメチルプロ キシ基、2-エチルプロポキシ基、1-メチル-2- チルプロポキシ基、1-エチル-2-メチルプロ キシ基、1,1,2-トリメチルプロポキシ基、1,1,2 -トリメチルプロポキシ基、1,1-ジメチルブト シ基、2,2-ジメチルブトキシ基、2-エチルブ キシ基、1,3-ジメチルブトキシ基、2-メチル ンチルオキシ基、3-メチルペンチルオキシ 、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。

 本発明の製造方法における分子内縮合反応 、窒素、アルゴンなどの不活性気体の気流 または雰囲気下でも行うことができる。
 本反応は、溶媒の存在下または非存在下で うことができる。上記反応に使用される溶 は、出発化合物をある程度溶解し、かつ、 反応を阻害するものでなければ特に限定さ ない。具体的には、ホルムアミド、ジメチ ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘ サメチルリン酸トリアミド、N-メチルピロ ドンのようなアミド類;トルエン、ベンゼン キシレン、メシチレンのような芳香族炭化 素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエ ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、 ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジ メチルエーテルのようなエーテル類;メタノ ル、エタノール、n-プロパノール、イソプロ パノール、n-ブタノール、イソブタノール、t ert-ブタノール、イソアミルアルコール、ジ チレングリコール、グリセリン、オクタノ ル、シクロヘキサノール、メチルセロソル のようなアルコール類;アセトニトリル、イ ブチロニトリルのようなニトリル類;ジメチ ルスルホキシド、スルホランのようなスルホ キシド類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ ロピル、炭酸ジエチルのようなエステル類も しくは水またはこれら溶媒の混合溶媒を挙げ ることができ、好適には、ニトリル類であり 、より好適には、アセトニトリルである。
 反応温度は、特に限定されず、好適には、- 30℃~溶媒の還流温度であり、より好適には、 0~30℃である。
 反応時間は、特に限定されず、好適には、1 0分~48時間であり、より好適には、30分~2時間 ある。

 上記反応は、塩基存在下で反応を行っても い。塩基としては、例えば、目的の化合物 得ることができ、かつ、分離不可能な副生 物を生成しないものであれば特に限定され い。具体的には、リン酸三カリウム、リン 三ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウ 、炭酸ナトリウム、炭酸水素セシウム、炭 水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸 トリウム、水酸化バリウム、水酸化カリウ 、フッ化カリウム、フッ化セシウムのよう 無機塩基類;ナトリウムエトキシド、ナトリ ウム-tert-ブトキシドのような金属アルコキシ ド類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムのよう なアルカリ金属類の酢酸塩またはトリエチル アミンのような有機塩基類等を挙げることが でき、好適には有機塩基類であり、より好適 には、トリエチルアミンである。
 塩基は、前記式(II-a)で表される化合物(以下 、化合物(II-a)と記載することがある。他の式 で表される化合物も同様に記載することがあ る。)、化合物(II)、化合物(II-b)または化合物( II-c)、あるいはそれらの塩1モルに対し、0.5~5 ル当量用いることができ、好適には、1~3モ 当量である。なお、使用する原料の塩によ ては塩基の使用量を0.5~2当量の範囲で適宜 減することができる。

 さらに、上記反応は、縮合剤の存在下で反 を行ってもよい。縮合剤としては、例えば クロロぎ酸イソブチル、ジシクロヘキシル ルボジイミド(DCC)、水溶性カルボジイミド(W SC)、2-エトキシ-N-エトキシカルボニル-1,2-ジ ドロキノリン、ベンゾトリアゾール-1-イル キシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム  ヘキサフルオロホスフェート(BOP)、アゾジカ ボン酸ジエチル-トリフェニルホスフィン、 ジエチルシアノホスホナート(DEPC)、ジフェニ ルホスホリルアジド(DPPA)、ブロモトリピロリ ジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェ ト(PyBrop[商標])、ビス(2-オキソ-3-オキサゾリ ジニル)ホスフィニック クロリド(BOPCl)、ベ ゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロ ジノ-ホスホニウム ヘキサフルオロホスフ ート(PyBOP)、2-(1-H-ベンゾトリアゾール-1-イル )-1,1,3,3,-テトラメチルウロニウム ヘキサフ オロホスフェート(HBTU)、クロロぎ酸エチル クロロジメトキシトリアジン(CDMT)などが挙 られ、好ましくは、クロロぎ酸イソブチル ある。
 縮合剤は、化合物(II-a)、化合物(II)、化合物 (II-b)または化合物(II-c)の1モル当量に対し、0. 5~5モル当量用いることができ、好適には、1~3 モル当量である。
 必要に応じて、モレキュラーシーブ等の脱 剤を添加してもよい。

 化合物(II-a)、化合物(II)、化合物(II-b)および 化合物(II-c)は、いずれも新規化合物であり、 下記実施例に従って、または下記実施例に類 似の方法に従って、合成することができる。
 また、化合物(II-a)、化合物(II)、化合物(II-b) および化合物(II-c)、並びに化合物(I-a)、化合 (I)、化合物(I-b)および化合物(I-c)は塩であっ てもよく、具体的には、例えば、ハロゲン化 水素酸塩(例えばフッ化水素酸塩、塩酸塩、 化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩など)、無機酸 (例えば硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン 酸塩、炭酸塩、重炭酸塩など)、有機カルボ 酸塩(例えば酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン 塩、酒石酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩な )、有機スルホン酸塩(例えばメタンスルホ 酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、 タンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩 トルエンスルホン酸塩、カンファースルホ 酸塩など)、アミノ酸塩(例えばアスパラギン 酸塩、グルタミン酸塩など)、四級アンモニ ム塩、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩 カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例 ばマグネシウム塩、カルシウム塩など)など 挙げられ、好ましくはハロゲン化水素酸塩 無機酸塩、有機スルホン酸塩が挙げられ、 り好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩が挙げ れる。
 また、化合物(II-a)、化合物(II)、化合物(II-b) および化合物(II-c)、並びに化合物(I-a)、化合 (I)、化合物(I-b)および化合物(I-c)は、不斉炭 素に基づく光学異性体、立体異性体などの異 性体および異性体混合物を含み、いずれか一 方の異性体でも混合物でもよい。

 以下、本発明を実施例により具体的に説 するが、本発明はこれらの実施例に制限さ るものではない。本明細書において、室温 は20~30℃の範囲で、好ましくは約25℃を意味 する。

 また、HPLC条件は以下のとおりである。
HPLC条件 :
分析例1 :実施例1の各ステップにおける分析に使用し 。
 カラム:L-column(登録商標)(150x4.6mmI.D.,ODS5μm,財 団法人化学品検査協会)
 移動相:
 A液:H 2 O/MeCN/70%HClO 4 =990/10/1(v/v/v)
 B液:H 2 O/MeCN/70%HClO 4 =100/900/1(v/v/v)
 グラジェント(time(min)/Bconc.(%)):
0.01/40→5/40→18/100→25/100→25.01/40→30/stop
 流速(mL/min):1.0mL/min
 Oven temp:35℃
 化合物(Ib)の保持時間:Rt=7.4min,原料(IIb):Rt=2.9m in.

分析例2 :実施例2の各ステップにおける分析に使用し 。
 カラム:L-column(登録商標)(150x4.6mmI.D.,ODS5μm,財 団法人化学品検査協会)
 移動相:
  A液:H 2 O/MeCN/70%HClO 4 =990/100/1(v/v/v)
  B液:H 2 O/MeCN/70%HClO 4 =100/900/1(v/v/v)
  グラジェント(time(min)/Bconc.(%)):
0/40→20/40→40/100→45/100→45.01/40→60/stop
  流速(mL/min):1.0mL/min
  Oven temp:40℃
  化合物(Ic)の保持時間:Rt=5.1±0.5min,原料(IIc)
              :Rt=2.3±0.5min.

 なお、下記実施例の構造式中で示される略 は以下のとおりである。
Boc:tert-ブトキシカルボニル基
Me:メチル基
Bn:ベンジル基
Ph:フェニル基

実施例1
 1) (2R)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)ア ミノ]ヘキサン二酸メチルの合成
 窒素気流下、(2R)-2-アミノヘキサン二酸(100g, 0.62mol)をメタノール(1000mL)中、攪拌しながら 解して-20℃に冷却した。反応溶液に塩化チ ニル(100mL,1.37mol)を滴下後、20℃で、18時間攪 した。内温を9℃に冷却後、反応溶液に炭酸 カリウム水溶液(36.4%,430mL)を滴下し、続いて -tert-ブチル-ジカーボネート(176.4g,0.81mol)を加 えてメタノール(20mL)で洗いこんだ。反応溶液 にさらに炭酸カリウム水溶液(36.4%,270mL)を滴 し、20℃で3.5時間攪拌した。反応溶液に水(70 0mL)を加えてtert-ブチルメチルエーテル(1000mL) 抽出し、有機層を10%食塩水(300mL)で洗浄した 。減圧下溶媒を留去し、トルエンを用いて減 圧下共沸濃縮を行い、標記化合物の粗体(191.3 g)を得た。収率94.5%(HPLC定量)。
1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm):1.45(9H,s),1.60-1.75(3H,m),1.80-1.90(1H,m),2.30-2.4 0(2H,m),3.67(3H,s),3.75(3H,s),4.30-4.35(1H,br-m),5.00-5.10(1 H,br-d).

 2) [(1R)-5-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシメ チル)ペンチル]カルバミン酸 tert-ブチルの合 成
 窒素気流下、Red-Al(登録商標)(Aldrich)トルエ 溶液(65%、806g,2.59mol)をテトラヒドロフラン(10 50mL)に溶解し、反応溶液を攪拌下内温-15.8℃ 冷却した。反応溶液に(2R)-2-[(tert-ブトキシカ ルボニル)アミノ]ヘキサン二酸メチルのテト ヒドロフラン溶液(417g,含量36.0%,0.518mol)を滴 し(内温-5.7℃以下)、25℃で18時間攪拌した。 反応溶液を8.4℃に冷却した5N水酸化ナトリウ 水溶液(2074mL)へ攪拌下送液した。反応溶液 THF(66.7g)でリンス後、tert-ブチルメチルエー ル(1119g)を投入した。25℃で、水層を分離後 有機層を20%塩化アンモニウム水溶液(750mL)、2 0%食塩水(750mL)で順次洗浄した。減圧下溶媒を 留去後、トルエンを用いて減圧下共沸濃縮を 行って標記化合物の粗体(116.1g,含量93.3%)を得 。収率90.1%。
1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm):1.45(9H,s),1.20-1.74(6H,m),2.40-2.60(1H,br-s),3.46- 3.60(2H,br-m),3.60-3.74(4H,br-m),4.60-4.78(1H,br-m).

 3) (4R)-4-(4-ヒドロキシブチル)-2,2-ジ チル-1,3-オキサゾリン-3-カルボン酸 tert-ブ ルの合成
 窒素雰囲気下、[(1R)-5-ヒドロキシ-1-(ヒドロ シメチル)ペンチル]カルバミン酸 tert-ブチ の粗体(280g,含量83.3%,1.20mol)のアセトン(840mL) 液に22℃にて2,2-ジメトキシプロパン(738mL,6.0 0mol)、(1S)-10-カンファースルホン酸(28g,0.12mol) 加えて同温にて19時間攪拌した。溶液を内 -14℃に冷却後、水(840mL)を滴下して40分間攪 した。5%重曹水(840mL)を投入後、tert-ブチルメ チルエーテル(3200mL)で抽出した。水層をさら tert-ブチルメチルエーテル(1400mL)で抽出し、 併せた有機層を20%食塩水(840mL)で洗浄後、減 下溶媒を留去して標記化合物の粗体(297.2g,含 量85.8%)を得た。収率93.0%。
1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm):1.30-1.42(2H,m),1.45(9H,s),1.58(6H,brs),1.42-1.75(4 H,m),1.75-1.80(1H,m),3.70-3.95(1H,br),3.60-3.70(2H,brd-like) ,3.74(1H,d-like,Jav.=7.6Hz),3.93(1H,dd,J=4.6,8.6Hz).

 4) (4R)-4-[4-(ベンジルオキシ)ブチル]-2 ,2-ジメチル-1,3-オキサゾリン-3-カルボン酸 te rt-ブチルの合成
 窒素雰囲気下、カリウムtert-ブトキシド(3.5g ,31.0mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)懸濁液を-1 5℃に冷却後、(4R)-4-(4-ヒドロキシブチル)-2,2- メチル-1,3-オキサゾリン-3-カルボン酸 tert- チルの粗体(6.00g,含量94.2%)のテトラヒドロフ ラン(8mL)溶液を滴下し、同温にて1時間攪拌し た。この溶液にベンジルブロミド(3.20mL)を滴 し、-20℃にて17時間攪拌した。反応溶液に40 %ジメチルアミン水溶液(2.33g)を添加後、内温5 0℃まで加熱して30分間攪拌した。内温9℃ま 冷却後、反応溶液に水(28mL)とn-ヘプタン(28mL) を加えて抽出した。有機層を10%硫酸水素カリ ウム水溶液(28g)、5%重曹水(28g)、水(17mL)で順次 洗浄後、減圧下溶媒を留去して標記化合物の 粗体(7.93g,含量98.7%)を得た。収率>99%。
1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm):1.46(9H,s),1.48(3H,s),1.61(3H,s),1.20-1.90(6H,m),3. 47(2H,t,J=6.6Hz),3.70-3.95(1H,br-m),3.73(1H,d-like,Jav.=7.6H z),3.91(1H,dd,J=5.2,8.4Hz),4.50(2H,br-s),7.20-7.40(5H,m).

 5) [(1R)-5-(ベンジルオキシ)-1-(ヒドロ シメチル)ペンチル]カルバミン酸 tert-ブチ の合成
 窒素気流下、(4R)-4-[4-(ベンジルオキシ)ブチ ]-2,2-ジメチル-1,3-オキサゾリン-3-カルボン  tert-ブチル(106.6g,293mmol)をメタノール(533mL) 攪拌しながら溶解し、内温7.5℃にて5N塩酸水 (106.6mL)を滴下した。反応溶液を室温に昇温後 、同温で2時間撹拌した。反応溶液に10%食塩 (533mL)を投入後、トルエン(1066mL)で抽出した 有機層を5%重曹水(533mL)、10%食塩水で順次洗 後、減圧下溶媒を留去して標記化合物の粗 (99.4g,含量89.3%)を得た。収率93.7%。
1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm):1.45(9H,s),1.20-2.90(6H,m),2.30-2.50(1H,br-s),3.48( 2H,t,J=6.4Hz),3.50-3.80(3H,m),4.50(2H,br-s),4.62(1H,br-s),7. 20-7.40(5H,m).

 6) ({(2R)-6-(ベンジルオキシ)-2-[(tert-ブ トキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}オキシ) タン酸 tert-ブチルの合成
 窒素気流下、[(1R)-5-(ベンジルオキシ)-1-(ヒ ロキシメチル)ペンチル]カルバミン酸 tert- チルの粗体(98g,含量89.3%,271mmol)をトルエン(788 mL)に攪拌下溶解し、この溶液にN,N,N,N-テトラ( n-ブチル)アンモニウム硫酸水素塩(18.4g,54.2mmol )を加え、内温7.8℃に冷却した。反応溶液に25 %水酸化ナトリウム水溶液(315mL)を加えた後に 2-ブロモエタン酸 tert-ブチル(120mL,818mmol)を え、同温にて21時間攪拌した。反応溶液を 温20℃まで昇温した後に、50%ジメチルアミン 水溶液(142.6mL)を加えて同温にて1時間攪拌し 。反応溶液に10%硫酸水素カリウム水溶液(1401 mL)を加えて混合した後に水層を分離し、有機 層を5%重曹水(438mL)、5%食塩水(438mL)で順次洗浄 した後に減圧下溶媒を留去して、標記化合物 の粗体(139.8g,含量76.8%)を得た。収率90.6%。
1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm):1.40-1.70(6H,m),1.44(9H,s),1.48(9H,s),3.47(2H,t,J=6 .4Hz),3.40-3.50(1H,m),3.56(1H,dd,J=3.8,9.4Hz),3.60-3.75(1H,b r-s),3.95(2H,s),4.50(2H,s),4.93(1H,br-d,Jav.=7.2Hz),7.20-7.4 0(5H,m).

 7) ({(2R)-6-(ベンジルオキシ)-2-[(tert-ブ トキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}オキシ) タン酸の合成
 窒素気流下、({(2R)-6-(ベンジルオキシ)-2-[(ter t-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}オキ )エタン酸 tert-ブチルの粗体(363.0g,含量79.9%, 662.7mmol)をテトラヒドロフラン(870mL)に溶解し 室温にてメタノール(145mL)を攪拌下加えた。 同温にて5N水酸化ナトリウム水溶液(290mL)を投 入後、反応溶液を内温45℃を確認してから1時 間攪拌した。反応溶液を内温20℃まで冷却後 n-ヘプタン(1740mL)と水(2900mL)を加えて混合し 静置後、有機層を分離した。水層を内温11 に冷却後、5N塩酸水(377mL)を加えて中和し、 酸エチル(2900mL)を加えて抽出した。有機層を 10%食塩水(870mL)で2回洗浄後、減圧下溶媒を留 し、標記化合物の粗体(289.2g,89.6%)を得た。 率98.9%。
1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm):1.40-1.70(4H,m),1.44(9H,s),1.56-1.70(2H,m),3.47(2H, t,J=6.4Hz),3.53(2H,d,J=4.8Hz),3.70-3.85(1H,br-s),4.10(2H,s), 4.50(2H,s),4.67(1H,br-s),7.25-7.35(5H,m).

 8) ({(2R)-6-(ベンジルオキシ)-2-[(tert-ブ トキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}オキシ) タン酸 ジシクロヘキシルアミン(1:1)(種結晶 )の合成
 窒素雰囲気下、({(2R)-6-(ベンジルオキシ)-2-[( tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}オ シ)エタン酸の粗体(555mg,含量92.0%,1.34mmol)を 酸エチル(2.5mL)とn-ヘプタン(5.0mL)に室温にて 解し、反応溶液にジシクロヘキシルアミン( 265mg,1.46mmol)を添加後、同温にて44時間攪拌し 。析出した結晶を濾取後、n-ヘプタン(1.67mL) で3回洗浄し、減圧乾燥して標記化合物(1.61g) 得た。収率>99%。

 9) ({(2R)-6-(ベンジルオキシ)-2-[(tert-ブ トキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}オキシ) タン酸 ジシクロヘキシルアミン(1:1)の合成
 窒素気流下、({(2R)-6-(ベンジルオキシ)-2-[(ter t-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}オキ )エタン酸の粗体(267.9g,含量89.6%,629mmol)を酢 エチル(2400mL)に溶解し、さらにn-ヘプタン(120 0mL)を加えて23℃にて攪拌した。この溶液にジ シクロヘキシルアミン(138mL,692mmol)を添加後、 実施例8で得られた種結晶(240mg)を添加し、同 にて21時間攪拌した。析出した結晶を濾取 、酢酸エチル:n-ヘプタンの1:1混合液(480mL)で 浄し、1時間通風乾燥して、標記化合物(369g) を得た。収率>99%。
1 H-NMR(d 6 -DMSO)δ(ppm):1.00-1.38(6H,m),1.35(9H,s),1.40-1.60(5H,m),1.6 8(4H,br-d,J=12.0Hz),1.86(4H,br-d,J=13.2Hz),2.72-2.88(2H,br-s ),3.10-3.50(13H,m),3.38(2H,t,J=6.4Hz),3.67(2H,br-s),4.12(2H, s),7.10-7.35(5H,m).

 10) (5R)-5-[4-(ベンジルオキシ)ブチル] ルホリン-3-オンの合成
 窒素気流下、({(2R)-6-(ベンジルオキシ)-2-[(ter t-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}オキ )エタン酸 ジシクロヘキシルアミン(1:1)(310. 0g,550.8mmol)の酢酸エチル(2170mL)/アセトン(930mL) 濁液に攪拌下、内温7.5℃にて5%硫酸水(3100g) 滴下した。17分間攪拌後、有機層を分離し 減圧濃縮した。残渣にメタノール(930mL)を加 て減圧濃縮後、得られた粗体(239.8g)をメタ ール930mLに溶解した。この溶液を攪拌下8℃ 冷却後、濃硫酸(64.6mL)を滴下し、混合物を45 の水浴中で加温しながら2.5時間攪拌した。 温9.7℃に冷却後、28%ナトリウムメトキシド タノール溶液(360mL)を滴下して30分間攪拌し 。さらに28%ナトリウムメトキシドメタノー 溶液(36mL)を追加して1時間攪拌後、5N塩酸水( 60mL)を加えた。酢酸エチル(3100mL)、水(2170mL)を 加えて分液後、有機層を10%食塩水(930mL)で洗 し、減圧下溶媒を留去した。さらにtert-ブチ ルメチルエーテル(620mL)を添加して共沸濃縮 行った後、標記化合物の粗体(118.2g,含量92.4%) を得た。収率75.3%。
1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm):1.40-1.85(6H,m),3.47(1H,d,J=5.6Hz),3.47(2H,t,J=6.4H z),3.50-3.55(1H,m),3.87(1H,dd,J=3.2,11.2Hz),4.10(1H,d,J=16.8 Hz),4.18(1H,d,J=16.8Hz),4.50(2H,s),6.50(1H,br-s),7.25-7.40(5 H,m).

 11) (3R)-3-[4-(ベンジルオキシ)ブチル]-5 -オキソモルホリン-4-カルボン酸 tert-ブチル 合成
 窒素気流下、(5R)-5-[4-(ベンジルオキシ)ブチ ]モルホリン-3-オン(108.0g,410.1mmol)をtert-ブチ メチルエーテル(1000mL)に溶解し、内温22℃に て攪拌した。反応溶液にジ-tert-ブチル-ジカ ボネート(134.3g,615.2mmol)を滴下後、同温にて4- N,N-ジメチルアミノピリジン(5.01g,41.0mmol)を添 して16時間攪拌した。混合液を7.7℃に冷却 、イミダゾール(28g,410.1mmol)を加え、85分間攪 拌した。反応溶液をトルエン(1000mL)で希釈後 有機層を1%塩酸水(1080mL)、5%重曹水(540mL)、5% 塩水(540mL)で順次洗浄し、減圧下溶媒を留去 して標記化合物の粗体(187.8g,含量83.3%)を得た 収率>99%。
1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm):1.35-1.60(2H,m),1.45(9H,s),1.60-1.70(3H,m),1.80-1.8 5(1H,m),3.48(2H,t,J=6.4Hz),3.72(1H,d,J=12.4Hz),3.95(1H,d,J=1 2.4Hz),3.98-4.30(1H,m),4.15(1H,d,J=17.2Hz),4.27(1H,d,J=17.2H z),4.50(2H,s),7.20-7.40(5H,m).

 12) (3R)-3-[4-(ベンジルオキシ)ブチル]-5 -[(ジフェノキシフォスフォリル)オキシ]-2,3- ヒドロ-4H-1,4-オキサジン-4-カルボン酸 tert- チルの合成
 窒素気流下、(3R)-3-[4-(ベンジルオキシ)ブチ ]-5-オキソモルホリン-4-カルボン酸 tert-ブ ルを(63.0g,含量79.4%)をテトラヒドロフラン(230 mL)とトルエン(150mL)に溶解後、-25℃に冷却し ジフェニル クロロホスフェート(31.4mL)を加 、テトラヒドロフラン(12.5mL)で洗いこんだ この混合液に同温にてリチウムヘキサメチ ジシラジド テトラヒドロフラン溶液(1.0M:165 .1mL,165.1mmol)を滴下後、18時間攪拌した。10%塩 アンモニウム水溶液(500g)とトルエン(250mL)を 加えて抽出後、有機層を10%塩化アンモニウム 水溶液(500g)、5%重曹水(500g)、5%食塩水(250mL)、 (250mL)で順次洗浄し、減圧下溶媒を留去した 。残渣にトルエン(150mL)を加えて減圧下共沸 縮を行い、標記化合物の粗体(100.3g,含量89.3%) を得た。収率>99%。
1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm):1.35-1.75(6H,m),1.45(9H,s),3.35(2H,t,J=6.4Hz),3.69( 1H,dd,J=2.8,11.2Hz),4.02(1H,d,J=11.2Hz),4.30-4.35(1H,m),4.43 (2H,s),6.30(1H,d,J=3.6Hz),7.15-7.40(15H,m).

 13) (3R)-3-[4-(ベンジルオキシ)ブチル]-5 -(3,4,5-トリフルオロフェニル)-2,3-ジヒドロ-4H- 1,4-オキサジン-4-カルボン酸 tert-ブチルの合
 (3R)-3-[4-(ベンジルオキシ)ブチル]-5-[(ジフェ キシフォスフォリル)オキシ]-2,3-ジヒドロ-4H -1,4-オキサジン-4-カルボン酸 tert-ブチル(17.4g ,29.2mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(87.0mL)と ルエン(17.4mL)に溶解し、水(1.05mL,58.4mmol)と3,4, 5-トリフルオロフェニルボロン酸(7.71g,43.8mmol) を加えて窒素置換した後に、二塩化ビス(ト フェニルホスフィン)パラジウム(2.05g,2.92mmol) 、炭酸セシウム(19.0g,58.4mmol)を加えて再度窒 置換した。反応溶液を内温85~106℃で2.5時間 拌後、内温50℃まで冷却して50%メタノール水 溶液(174g)を投入した。内温35℃でn-ヘプタン(1 39mL)を加え、混合物をセライトでろ過し、n- プタン(35mL)でリンス後分液した。有機層を50 %メタノール水溶液(174g)で2回、5%食塩水(87g)、 水(87g)で順次洗浄した。減圧下溶媒を留去し n-ヘプタン(52mL)で減圧下共沸濃縮を行って 更にメタノール(87mL)で減圧下置換濃縮して 標記化合物の粗体(11.8g)を得た。収率84.8%。
1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm):1.20(9H,s),1.40-1.50(1H,m),1.35-1.50(5H,m),3.51(2H, t,J=6.4Hz),3.93(1H,dd,J=2.8,10.8Hz),4.15(1H,dd,J=1.2,10.8Hz) ,4.40-4.45(1H,m),4.51(2H,s),6.18(1H,s),6.80(2H,dd-like,J=6.4 ,8.8Hz),7.15-7.40(5H,m).

 14)( 3R,5S)-3-(4-ヒドロキシブチル)-5-(3,4, 5-トリフルオロフェニル)モルホリン-4-カルボ ン酸 tert-ブチルの合成
 (3R)-3-[4-(ベンジルオキシ)ブチル]-5-(3,4,5-ト フルオロフェニル)-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-オキサ ジン-4-カルボン酸 tert-ブチル(4.83g,10.1mmol)を タノール(24.2mL)に溶解し、20%水酸化パラジ ム-C(50%含水,2.42g)を加えて水素加圧下(2MPa)、7 0℃にジャケットを設定して19時間攪拌した。 セライトにてろ過後、メタノール(10mL)でケー クを洗浄した。ろ液を減圧下濃縮後、アセト ニトリル(24mL)で減圧下置換濃縮し、標記化合 物の粗体(3.63g,含量89.5%)を褐色油状物として た。収率88.2%。
1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm):0.98-1.10(1H,m),1.20-1.80(6H,m),1.52(9H,s),3.45-3.5 5(2H,m),3.67(1H,dd,J=4.0,11.6Hz),3.78(1H,dd,J=4.0,12.4Hz),3. 84(1H,d,J=11.6Hz),3.90-3.98(1H,m),4.42(1H,d,J=12.4Hz),5.09(1 H,d,J=3.6Hz),7.32(2H,dd-like,J=6.8,8.8Hz).

 15) 4-[(3R,5S)-4-(tert-ブトキシカルボニ )-5-(3,4,5-トリフルオロフェニル)モルホリン-3 -イル]ブタン酸の合成
 窒素雰囲気下、(3R,5S)-3-(4-ヒドロキシブチル )-5-(3,4,5-トリフルオロフェニル)モルホリン-4- カルボン酸 tert-ブチルの粗体(2.15g,含量86.4%,5 .51mmol)をアセトニトリル(10.7mL)と水(10.7mL)に室 温にて攪拌下溶解し、溶液を8℃に冷却した 反応溶液に炭酸水素ナトリウム(463mg)、(2,2,6, 6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシダニ ル(TEMPO)(86.1mg)を添加後、同温にて反応溶液に 次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素含量11 .9%,8.59mL)を内温20℃以下で滴下した。1時間攪 後、反応溶液にトルエン(10.7mL)を加え、さ に10%亜硫酸ナトリウム水溶液(10.7mL)を加えた 。室温まで昇温して30分間攪拌後、反応溶液 5N塩酸水(3.22mL)を滴下し、水層を分離した。 有機層に攪拌下1N水酸化ナトリウム水溶液(21. 5mL)加えて有機層を除去後、酢酸エチル(21.5mL) を加えて抽出し、有機層を5%食塩水(10.7mL)、 (10.7mL)で順次洗浄した。減圧下溶媒を留去し て、標記化合物の粗体(2.55g,含量92.8%)を得た 収率>99%。
1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm):1.00-1.40(4H,m),1.52(9H,s),2.05-2.20(2H,m),3.68(1H, d,J=12.0Hz),3.78(1H,d,J=8.4Hz),3.84(1H,d,J=12.0Hz),3.90-3.95 (1H,m),4.42(1H,d,J=12.4Hz),5.11(1H,br-d),7.33(2H,dd-like,J=6 .8,8.8Hz).

 16) 4-[(3R,5S)-5-(3,4,5-トリフルオロフェ ル)モルホリン-3-イル]ブタン酸 塩酸塩(種 晶)の合成
 窒素雰囲気下、4-[(3R,5S)-4-(tert-ブトキシカル ボニル)-5-(3,4,5-トリフルオロフェニル)モルホ リン-3-イル]ブタン酸(420mg,1.04mmol)を1,2-ジメト キシエタン(2.1mL)に溶解し、攪拌下濃塩酸(0.18 6mL,2.09mmol)を加えて50℃で62.5時間加熱した。 合物を室温まで冷却して45分間攪拌後、懸濁 液をさらに4℃に冷却して2.3時間攪拌した。 晶を濾取後、あらかじめ4℃に冷却済みの1,2- ジメトキシエタン(1mL)で洗浄し、40℃で減圧 燥して標記化合物(221mg)を得た。収率62.5%。
1 H-NMR(d 6 -DMSO)δ(ppm):1.28(2H,m),1.67-1.75(2H,m),2.24(2H,t,J=6.0Hz), 3.34(1H,m),3.72(1H,t-like,J=11.6Hz),3.84(1H,t-like,J=11.6Hz) ,3.94(1H,dd,J=3.3,12.1Hz),4.01(1H,dd,J=3.3,12.1Hz),4.51(1H,d ,J=6.4Hz),7.82(2H,dd-like,J=6.8,8.8Hz),9.68(1H,brs),10.18(1H ,brs),12.11(1H,brs).

 17) 4-[(3R,5S)-5-(3,4,5-トリフルオロフェ ル)モルホリン-3-イル]ブタン酸 塩酸塩の合 成
 窒素雰囲気下、4-[(3R,5S)-4-(tert-ブトキシカル ボニル)-5-(3,4,5-トリフルオロフェニル)モルホ リン-3-イル]ブタン酸(880mg,2.18mmol)を1,2-ジメト キシエタン(2.4mL)に溶解し、攪拌下濃塩酸(0.35 4mL,3.98mmol)を加えて60℃で加熱した。混合物を 室温まで冷却後、同温にて実施例16で得られ 標記化合物の種結晶(約1mg)を添加して2時間1 0分攪拌した。酢酸エチル(8.0mL)を15分間かけ 滴下後、懸濁液を4℃に冷却して11時間攪拌 た。析出した結晶を濾取後、酢酸エチル(4℃ に冷却済み、1.6mL)で洗浄し、40℃にて減圧乾 して標記化合物(741mg)を得た。収率55.7%。

 18) (4S,9aR)-4-(3,4,5-トリフルオロフェニ ル)ヘキサヒドロピリド[2,1-c][1,4]オキサジン-6 (1H)-オンの合成
 i) 分子内縮合反応
 窒素気流下、4-[(3R,5S)-5-(3,4,5-トリフルオロ ェニル)モルホリン-3-イル]ブタン酸 塩酸塩( 200mg,0.587mmol)とトリエチルアミン(0.204mL,1.47mmol )のアセトニトリル(2.0mL)溶液に0℃にてクロロ ぎ酸イソブチル(0.091mL,0.704mmol)を滴下し、室 に昇温後2時間攪拌した。反応混合物にtert- チルメチルエーテル(2mL)と水(1mL)を加えて、 機層を抽出した後に、有機層を1N塩酸水、5% 重曹水、5%食塩水、水で順次洗浄し、硫酸マ ネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後 標記化合物の粗体を得た。収量164mg[tert-ブ ルメチルエーテル溶液(1.99g)としてHPLC定量] 収率97.9%。

 ii) 結晶化精製
 4-[(3R,5S)-5-(3,4,5-トリフルオロフェニル)モル リン-3-イル]ブタン酸 塩酸塩(358mg,1.05mmol)を 上記反応条件のうち反応溶媒としてテトラヒ ドロフラン(3.58mL)を用いて得られた粗体にtert -ブチルメチルエーテル(0.72mL)を加えて50℃で 拌した。反応溶液に種結晶を添加後、室温 で冷却し、さらにn-ヘプタン(2.15mL)を加えて 同温にて1時間攪拌した。懸濁液を-30℃まで 却して2時間攪拌後、結晶をn-ヘプタンで洗 し、40℃にて減圧乾燥して標記化合物(240mg) 得た。収率80.1%。
1 H-NMR(CDCl 3 )δ(ppm):1.50-1.60(1H,m),1.80-1.95(2H,m),1.95-2.05(1H,m),2.4 0-2.50(2H,m),3.56(1H,t,J=12.0Hz),3.62(1H,dd,J=6.4,12.4Hz),3. 80-3.90(1H,m),3.93(1H,d,J=10.8Hz),4.16(1H,d,J=8.4Hz),4.72(1H ,t-like,J=6Hz),6.90(2H,dd-like,J=4.4,12.8Hz).

実施例2
 1) (2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)ア ミノ]ヘキサン二酸メチルの合成
 窒素気流下、(2S)-2-アミノヘキサン二酸(500g, 3.10mol)をメタノール(5000mL)中、攪拌しながら 解して-14℃に冷却した。反応溶液に塩化チ ニル(812g,6.83mol)を滴下後、20℃で16時間攪拌 た。内温を9℃以下に冷却し、反応溶液に炭 カリウム水溶液(36.4%,2830g)を滴下した。続い てジ-tert-ブチル-ジカーボネート(880.0g,4.03mol) 加えてメタノール(100mL)で洗い込んだ。反応 溶液にさらに炭酸カリウム水溶液(36.4%,1860mL) 滴下し、25℃で3時間攪拌した。反応溶液に (3500mL)を加えてtert-ブチルメチルエーテル(50 00mL)で抽出し、有機層を水(1500mL)で洗浄した 減圧下溶媒を留去し、トルエンを用いて減 下共沸濃縮を行い、この濃縮残渣をテトラ ドロフラン(1500mL)で溶解して標記化合物の粗 体のテトラヒドロフラン溶液(2184g、含量35.1%) を得た。収率86.0%(HPLC定量)。

 2) [(1S)-5-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシメ チル)ペンチル]カルバミン酸 tert-ブチルの合 成
 窒素気流下、Red-Al(登録商標)(Aldrich)トルエ 溶液(65%、1979g,6.39mol)をテトラヒドロフラン(2 581mL)に溶解し、反応溶液を攪拌下内温-13℃に 冷却した。反応溶液に(2S)-2-[(tert-ブトキシカ ボニル)アミノ]ヘキサン二酸メチルのテト ヒドロフラン溶液(1050g,含量35.1%,1.27mol)を滴 し(内温-5.5℃以下)、テトラヒドロフラン(57mL )で洗い込んだ。反応溶液を25℃で18時間攪拌 た後に9.2℃に冷却した。反応溶液を10℃に 却した5N水酸化ナトリウム水溶液(4843mL)へ攪 下送液した。反応溶液にtert-ブチルメチル ーテル(3688mL)を投入した。水層を分離後、有 機層を20%塩化アンモニウム水溶液(1844mL)、20% 塩水(1844mL)で順次洗浄した。減圧下溶媒を 去後、トルエンを用いて減圧下共沸濃縮を い、残渣をアセトン(738mL)に溶解して標記化 物の粗体のアセトン溶液(791.9g,含量33.2%)を た。収率88.3%。

 3) (4S)-4-(4-ヒドロキシブチル)-2,2-ジ チル-1,3-オキサゾリン-3-カルボン酸 tert-ブ ルの合成
 窒素雰囲気下、[(1S)-5-ヒドロキシ-1-(ヒドロ シメチル)ペンチル]カルバミン酸 tert-ブチ のアセトン溶液(2ロット混合:737.3g,含量33.2%, 761.2g,含量32.2%;2.10mol)にアセトン(193mL)と2,2-ジ トキシプロパン(1093.0g,10.5mol)を加えた。こ 溶液に攪拌下(1S)-10-カンファースルホン酸(48 .7g,0.21mol)を加えて21℃にて19時間攪拌した。 液を内温-10℃に冷却後、水(1469mL)を滴下して 50分間攪拌した。5%重曹水(1469g)を投入後、tert -ブチルメチルエーテル(4895mL)で抽出した。有 機層を5%食塩水(1469g)で洗浄後、減圧下溶媒を 留去し、tert-ブチルメチルエーテルを用いて 圧下共沸濃縮を行い、残渣をテトラヒドロ ラン(490mL)に希釈して標記化合物の粗体のテ トラヒドロフラン溶液(945.8g,含量51.9%)を得た 収率85.5%。

 4) (4S)-4-[4-(ベンジルオキシ)ブチル]-2 ,2-ジメチル-1,3-オキサゾリン-3-カルボン酸 te rt-ブチルの合成
 窒素雰囲気下、カリウムtert-ブトキシド(302. 1g,2.69mol)のテトラヒドロフラン(1717mL)懸濁液 -12℃に冷却後、(4S)-4-(4-ヒドロキシブチル)-2, 2-ジメチル-1,3-オキサゾリン-3-カルボン酸 ter t-ブチル粗体のテトラヒドロフラン溶液(945.8g ,含量51.9%,1.79mol)を滴下し、同温にて1時間攪 した。この溶液にベンジルブロミド(399.1g,2.3 3mol)を滴下し、テトラヒドロフラン(24.6mL)で い込んだ後に、-12℃にて22時間攪拌した。反 応溶液に50%ジメチルアミン水溶液(161.8g,1.79mol )を添加後、内温50℃まで加熱して60分間攪拌 た。ジャケットに冷水(8℃設定)を循環して 却しながら、反応溶液に水(2429g)を添加後、 n-ヘプタン(2453mL)を用いて抽出した。有機層 10%硫酸水素カリウム水溶液(2453g)、5%重曹水(2 453g)、水(1472mL)で順次洗浄後、減圧下溶媒を 去した。残渣をメタノール(1472mL)にて溶解し て標記化合物の粗体のメタノール溶液(1796.2g, 含量34.1%)を得た。収率93.9%。

 5) [(1S)-5-(ベンジルオキシ)-1-(ヒドロ シメチル)ペンチル]カルバミン酸 tert-ブチ の合成
 窒素気流下、(4S)-4-[4-(ベンジルオキシ)ブチ ]-2,2-ジメチル-1,3-オキサゾリン-3-カルボン  tert-ブチルのメタノール溶液(1760.7g,1.65mol) メタノール(1559mL)を添加し、この溶液に攪拌 下内温11.4℃にて5N塩酸水(600mL)を滴下した。 応溶液を9℃で5時間撹拌した。反応溶液に10% 食塩水(3002mL)を投入後、トルエン(6004mL)で抽 した。有機層を5%重曹水(3002mL)、10%食塩水(300 2mL)で順次洗浄後、減圧下溶媒を留去した。 られた残渣をトルエンで希釈して標記化合 粗体のトルエン溶液(2007.6g,含量24.5%)を得た 収率92.1%。

 6) ({(2S)-6-(ベンジルオキシ)-2-[(tert-ブ トキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}オキシ) タン酸 tert-ブチルの合成
 窒素気流下、反応容器にN,N,N,N-テトラ(n-ブ ル)アンモニウム硫酸水素塩(90.8g,0.267mol)、[(1 S)-5-(ベンジルオキシ)-1-(ヒドロキシメチル)ペ ンチル]カルバミン酸 tert-ブチル粗体のトル ン溶液(1984g,含量24.5%,1.50mol)、トルエン(2097mL )を順次投入し、この混合溶液を内温11℃に冷 却した。反応溶液に25%水酸化ナトリウム水溶 液(1557mL)を滴下後、2-ブロモエタン酸 tert-ブ ル(782.0g,4.01mol)を加え、8~9℃にて22時間攪拌 た。反応溶液に2-ブロモエタン酸 tert-ブチ (10.6g)を追加してさらに2時間攪拌後、反応 液に50%ジメチルアミン水溶液(603.0g)を加えて 同温にて1時間攪拌した。下層を抜液後、有 層に10%硫酸水素カリウム水溶液(6918g)を加え 混合した後に水層を分離し、有機層を5%重 水(2162g)、5%食塩水(2162g)で順次洗浄した後に 圧下溶媒を留去し、残渣をテトラヒドロフ ン(865mL)で希釈して標記化合物の粗体のテト ラヒドロフラン溶液(1480.8g,含量44.6%)を得た。 収率>99%。

 7) ({(2S)-6-(ベンジルオキシ)-2-[(tert-ブ トキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}オキシ) タン酸の合成
 窒素気流下、({(2S)-6-(ベンジルオキシ)-2-[(ter t-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}オキ )エタン酸 tert-ブチルの粗体のテトラヒド フラン溶液(1451.2g,含量44.6%,1.48mol)にテトラヒ ドロフラン(1037mL)、メタノール(324mL)を順次添 加し、この混合液に攪拌下15℃にて5N水酸化 トリウム水溶液(647mL)を投入した。ジャケッ 温度を60℃に設定後、反応溶液の温度が50℃ 以上で3時間攪拌した。反応溶液を内温18℃ま で冷却後、n-ヘプタン(3883mL)と水(6472mL)を加え て混合して静置し、有機層を分離した。水層 を内温17℃に冷却後、5N塩酸水(841mL)を加えて 和し、酢酸エチル(6472mL)を加えて抽出した 有機層を水(1942mL)で2回洗浄後、減圧下溶媒 留去し、酢酸エチルを用いて減圧下共沸濃 を行った。残渣を酢酸エチル(994mL)にて希釈 て標記化合物の粗体の酢酸エチル溶液(1824.8 g,含量30.9%)を得た。収率99.9%。

 8) ({(2S)-6-(ベンジルオキシ)-2-[(tert-ブ トキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}オキシ) タン酸 ジシクロヘキシルアミン(1:1)の合成
 窒素気流下、({(2S)-6-(ベンジルオキシ)-2-[(ter t-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}オキ )エタン酸の粗体の酢酸エチル溶液(1824.8g,含 量30.9%,1.48mol)に酢酸エチル(4239mL)、n-ヘプタン (2818mL)を加えて22℃にて攪拌した。この溶液 ジシクロヘキシルアミン(323mL,1.63mol)を添加 、20~25℃にて4日間激しく攪拌した。ジャケ トを50℃に設定し、スラリーを40℃以上で3時 間攪拌後、20℃まで攪拌下徐冷した(冷却速度 :10℃/h)。20℃で17時間攪拌後、析出した結晶 濾取し、ケークを酢酸エチル:n-ヘプタンの1: 1混合液(1128mL)で洗浄し、1時間通風乾燥した この湿体結晶を外温45℃にて減圧乾燥して標 記化合物(762.8g)を得た。収率91.7%。

 9) (5S)-5-[4-(ベンジルオキシ)ブチル] ルホリン-3-オンの合成
 窒素気流下、({(2S)-6-(ベンジルオキシ)-2-[(ter t-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}オキ )エタン酸 ジシクロヘキシルアミン(1:1)(8.0g ,14.2mmol)の酢酸エチル(56mL)/アセトン(24mL)懸濁 に攪拌下、内温7.7℃にて5%硫酸水(80g)を滴下 した。反応溶液を同温にて15分間攪拌後、メ ノール(4mL)を添加後に有機層を分離し、減 濃縮した。残渣にメタノールを用いて減圧 共沸濃縮後、得られた残渣をメタノール(24mL )で希釈した。この溶液を攪拌下9℃に冷却後 濃硫酸(3.1g)を滴下し、混合物を外温50℃に 定して内温40℃以上で2時間攪拌した。反応 液を内温11℃に冷却後、28%ナトリウムメトキ シドメタノール溶液(12.1g,62.7mmol)を滴下して11 .5時間攪拌した。反応溶液にtert-ブチルメチ エーテル(64mL)を添加して4℃に冷却後、攪拌 濃硫酸(0.5mL)を滴下して液性をpH9に調整した 。この反応溶液に水(24mL)を加えて23℃まで昇 し、不溶物を吸引ろ過し、tert-ブチルメチ エーテル(16mL)でリンスした。ろ液とリンス を液量28gまで減圧下濃縮し、tert-ブチルメチ ルエーテル(80mL)を加えて分液した。水層をter t-ブチルメチルエーテル(48mL)を用いて再抽出 、あわせた有機層を10%食塩水(24.0g)で洗浄し 、減圧下溶媒を留去した。tert-ブチルメチル ーテルを用いて減圧下共沸濃縮後、標記化 物の粗体(3.70g,含量99.5%)を得た。収率98.4%。

 10) (3S)-3-[4-(ベンジルオキシ)ブチル]-5 -オキソモルホリン-4-カルボン酸 tert-ブチル 合成
 窒素気流下、(5S)-5-[4-(ベンジルオキシ)ブチ ]モルホリン-3-オンの(223.7g,0.85mol)のtert-ブチ ルメチルエーテル(1535mL)溶液にtert-ブチルメ ルエーテル(632mL)を追加添加し、内温23℃に 攪拌した。反応溶液に4-N,N-ジメチルアミノ リジン(10.4g,0.085mol)を添加後、内温9℃まで冷 却してジ-tert-ブチル-ジカーボネート(278.0g,1.2 7mol)を加えて、tert-ブチルメチルエーテル(70mL )で洗い込んだ。反応溶液を8~10℃にて16時間 拌した。この反応溶液にイミダゾール(57.8g,0 .85mol)を加え、30分間攪拌した。反応溶液をト ルエン(2237mL)で希釈後、有機層を1%塩酸水(2237 mL)で2回洗浄し、その後5%重曹水(1119mL)、5%食 水(1119mL)で順次洗浄し、減圧下溶媒を留去し た。トルエンを用いて減圧下共沸濃縮を行い 、残渣をトルエン(224mL)で希釈して標記化合 の粗体のトルエン溶液(570.4g,含量49.7%)を得た 。収率91.7%。

 11) (3S)-3-[4-(ベンジルオキシ)ブチル]-5 -[(ジフェノキシフォスフォリル)オキシ]-2,3- ヒドロ-4H-1,4-オキサジン-4-カルボン酸 tert- チルの合成
 窒素気流下、(3S)-3-[4-(ベンジルオキシ)ブチ ]-5-オキソモルホリン-4-カルボン酸 tert-ブ ル粗体のトルエン溶液(567.5g,含量49.7%,0.78mol) トルエン(515mL)、トルエン(1205mL)、ジフェニ  クロロホスフェート(229.0g,0.85mol)を順次加 、テトラヒドロフラン(134mL)で洗い込んだ。 この混合液に-14℃にてリチウムヘキサメチル ジシラジド テトラヒドロフラン溶液(1.0M:835. 0g,0.94mol)を内温-10℃以下にて1.5時間かけて滴 後、反応溶液を2時間攪拌した。10%塩化アン モニウム水溶液(2818g)を添加後、水層を分離 、有機層を5%重曹水(2818g)、5%食塩水(1409g)、 (1409mL)で順次洗浄し、減圧下溶媒を留去した 。残渣にトルエンを加えて減圧下共沸濃縮を 行い、得られた濃縮物をトルエン(564mL)で希 して標記化合物の粗体のトルエン溶液(1360.0g ,含量31.9%)を得た。収率93.9%。

 12) (3S)-3-[4-(ベンジルオキシ)ブチル]-5 -(3,4,5-トリフルオロフェニル)-2,3-ジヒドロ-4H- 1,4-オキサジン-4-カルボン酸 tert-ブチルの合
 前項11)で得られた(3S)-3-[4-(ベンジルオキシ) チル]-5-[(ジフェノキシフォスフォリル)オキ シ]-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-オキサジン-4-カルボン  tert-ブチルのN,N-ジメチルホルムアミド溶 (1880.7g,含量22.5%,0.71mol)にN,N-ジメチルホルム ミド(719mL)、水(25.6mL,1.42mol)、トルエン(379.2mL) を添加した。この溶液に3,4,5-トリフルオロフ ェニルボロン酸(187.4g,1.07mol)を加えて減圧窒 置換した後に、二塩化ビス(トリフェニルホ フィン)パラジウム(24.96g,0.036mol)、炭酸セシ ム(347.1g,1.07mol)を加えて再度減圧窒素置換し た。反応溶液を内温80.0~85.5℃で2時間攪拌後 内温25℃まで冷却して50%メタノール水溶液(47 89mL)を投入した。反応溶液に内温27℃でn-ヘプ タン(3384mL)を加え、混合物をハイフロスーパ セル(登録商標)(和光純薬)(431g)でろ過し、n- プタン(1692mL)でリンス後分液した。有機層 50%メタノール水溶液(4789mL)で2回、5%食塩水(21 15g)、水(2115mL)で順次洗浄した。有機層を一晩 静置した後に、ハイフロスーパーセル(登録 標)(212g)で濾過し、n-ヘプタン(846mL)で洗浄し 。濾液を減圧下溶媒を留去し、更にメタノ ルで減圧下置換濃縮後、残渣をメタノール( 636mL)に溶解して標記化合物の粗体のメタノー ル溶液(855.0g,含量42.6%)を得た。収率>99%。

 13)( 3S,5R)-3-(4-ヒドロキシブチル)-5-(3,4, 5-トリフルオロフェニル)モルホリン-4-カルボ ン酸 tert-ブチルの合成
 (3S)-3-[4-(ベンジルオキシ)ブチル]-5-(3,4,5-ト フルオロフェニル)-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-オキサ ジン-4-カルボン酸 tert-ブチル粗体のメタノ ル溶液(842.2g,0.75mol)をオートクレーブに投入 、メタノール(200mL)で洗い込んだ。この溶液 に20%水酸化パラジウム-C(50%含水,71.7g)を加え メタノール(100mL)で洗い込み、この混合物に タノール(732mL)を添加した。反応系内を窒素 と水素で置換後、水素加圧下(0.20MPa)、40℃に ャケットを設定して3時間攪拌した。反応混 合物をハイフロスーパーセル(登録商標)にて 過後、メタノール(2152mL)でオートクレーブ およびケークを洗浄した。ろ液を反応容器 メタノール(600mL)で移し込み、減圧下濃縮後 残渣をメタノール(600mL)で洗い出した(1048.7g) 。反応溶液をオートクレーブにメタノール(32 1mL)を用いて移し込んだ後に、20%水酸化パラ ウム-C(50%含水,35.9g)を添加し、メタノール(200 mL)で洗い込んだ。この混合物にさらにメタノ ール(400mL)を添加して反応系内を窒素、水素 換後に水素加圧下(0.20MPa)、内温40℃で3時間 さらに内温50℃にて12時間攪拌した。反応混 物をハイフロスーパーセル(登録商標)にて 過後、メタノール(1793mL)でオートクレーブ内 およびケークを洗浄した。ろ液を反応容器に メタノール(500mL)で移し込み、減圧下濃縮後 アセトニトリルを用いて減圧下置換濃縮し 残渣をアセトニトリル(100mL)、メタノール(100 mL)で希釈溶解して標記化合物のアセトニトリ ル/メタノール溶液(779.9g,含量30.8%)を褐色油状 物として得た。収率82.1%。

 14) 4-[(3S,5R)-4-(tert-ブトキシカルボニ )-5-(3,4,5-トリフルオロフェニル)モルホリン-3 -イル]ブタン酸の合成
 窒素雰囲気下、(3S,5R)-3-(4-ヒドロキシブチル )-5-(3,4,5-トリフルオロフェニル)モルホリン-4- カルボン酸 tert-ブチルの粗体のアセトニト ル懸濁液(650g,含量36.2%,0.60mol)に攪拌下アセト ニトリル(644mL)、水(1175mL)、炭酸水素ナトリウ ム(50.8g,0.60mol)、(2,2,6,6-テトラメチルピペリジ ン-1-イル)オキシダニル(TEMPO)(9.4g,0.06mol)を順 添加し、5℃に冷却した。この混合物に次亜 素酸ナトリウム水溶液(内訳:有効塩素含量11 .96%,501mL;有効塩素含量10.95%,479mL;1.81mol)を内温2 0℃以下で滴下した。1時間攪拌後、反応溶液 トルエン(1175mL)を加え、さらに10%亜硫酸ナ リウム水溶液(1175mL)を滴下した。反応混合物 を20℃まで昇温して30分間攪拌後、5N塩酸水(35 3mL)を滴下し、水層を分離した。有機層に攪 下1N水酸化ナトリウム水溶液(1880mL)加え、さ に有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液(470mL) 処理後、有機層を分離し、併せた水層に5N 酸水(470mL)を添加し、酢酸エチル(2350mL)を用 て抽出した。有機層を5%食塩水(1175mL)、水(117 5mL)で順次洗浄後、減圧下溶媒を留去し、ジ トキシエタンを用いて減圧下置換濃縮した 残渣を1,2-ジメトキシエタン(118mL)で希釈して 標記化合物の粗体の1,2-ジメトキシエタン溶 (554.7g,含量43.5%)を得た。収率99.2%。

 15) 4-[(3S,5R)-5-(3,4,5-トリフルオロフェ ル)モルホリン-3-イル]ブタン酸 一塩酸塩の 合成
 窒素雰囲気下、4-[(3S,5R)-4-(tert-ブトキシカル ボニル)-5-(3,4,5-トリフルオロフェニル)モルホ リン-3-イル]ブタン酸の粗体の1,2-ジメトキシ タン溶液(548.4g,含量43.5%;0.59mol)に1,2-ジメト シエタン(304mL)を加え、攪拌下この溶液に濃 酸(95mL,1.06mol)を添加して、1,2-ジメトキシエ ン(54mL)で洗い込んだ。混合物を50℃で4時間 熱し、反応溶液を25℃まで冷却後、析出し 結晶の懸濁液にtert-ブチルメチルエーテル(71 5mL)を30分間かけて滴下し、同温にて1時間攪 した。この懸濁液を15℃で10時間攪拌後、結 を濾取し、tert-ブチルメチルエーテル/1,2-ジ メトキシエタン混合液(715mL)で洗浄した。得 れた結晶の湿体を45℃で減圧乾燥して標記化 合物(184.0g)を白色結晶として得た。収率91.8%

 16) (4R,9aS)-4-(3,4,5-トリフルオロフェニ ル)ヘキサヒドロピリド[2,1-c][1,4]オキサジン-6 (1H)-オンの合成
 i) 分子内縮合反応
 窒素気流下、4-[(3S,5R)-5-(3,4,5-トリフルオロ ェニル)モルホリン-3-イル]ブタン酸 一塩酸 (180g,0.53mol)に酢酸イソプロピル(1800mL)、アセ トニトリル(855mL)を加え、得られた懸濁液を16 ℃付近に冷却ながら攪拌下トリエチルアミン (184.4mL,1.33mol)を滴下し、アセトニトリル(22.5mL )で洗い込んだ。反応溶液に17℃にてクロロぎ 酸イソブチル(82.5mL,0.64mol)を滴下し、アセト トリル(22.5mL)で洗い込んだ。反応溶液を同温 にて1時間攪拌後、水(1800mL)を加えて有機層を 抽出した後に、この有機層を1N塩酸水(900mL)、 5%重曹水(900g)、水(900mL)で順次洗浄した。減圧 下溶媒を留去後、酢酸イソプロピルを用いて 減圧下共沸濃縮を行い、酢酸イソプロピル(40 0mL)で希釈して標記化合物の粗体の酢酸イソ ロピル溶液(872.1g、含量15.8%)を得た。収率91.2 %。

 ii) 種結晶の作成
 前項i)で得られた(4R,9aS)-4-(3,4,5-トリフルオ フェニル)ヘキサヒドロピリド[2,1-c][1,4]オキ ジン-6(1H)-オンの粗体の酢酸イソプロピル溶 液(6.8g,含量15.8%;3.75mmol)を減圧下濃縮し、残渣 を酢酸tert-ブチル(4mL)に溶解した。この混合 を攪拌下40℃に加温後、内温0℃まで冷却し 結晶を析出させた。この懸濁液にn-ヘプタン (20mL)を約20分間かけて滴下し、同温にて30分 攪拌後、析出した結晶を濾取し、n-ヘプタン (5mL)でリンスした。結晶の湿体を45℃にて減 乾燥して標記化合物の結晶(884.3mg)を得た。 の結晶を再度酢酸tert-ブチル(3.5mL)中40℃にて 溶解後、1時間かけて10℃まで徐冷して結晶を 析出させ、外温を5℃に設定後11時間攪拌した 。n-ヘプタン(17mL)を20分間かけて滴下後、外 を-5℃に設定して15分間攪拌した。析出した 晶をろ取し、n-ヘプタン(5mL)で洗浄後、45℃ 減圧乾燥して目的の標記化合物の種結晶(772 .4mg)を白色結晶として得た。収率72.1%。

iii) 結晶化精製
 前項i)で得られた(4R,9aS)-4-(3,4,5-トリフルオ フェニル)ヘキサヒドロピリド[2,1-c][1,4]オキ ジン-6(1H)-オンの粗体の酢酸イソプロピル溶 液(863.8g,含量15.8%;0.48mol)を減圧下濃縮し、残 を酢酸tert-ブチル(546mL)に溶解した。この混 物を攪拌下43℃に加温後、内温20℃まで冷却 、iii)で調製した種結晶(137mg)を添加して内 2℃まで10℃/hの冷却速度で徐冷した。徐冷開 始から17時間後にn-ヘプタン(2730mL)を4.5時間か けて滴下し、同温にて1時間攪拌した。さら -13℃まで10℃/hの冷却速度で徐冷し、更に同 にて16時間攪拌した。析出した結晶を濾取 、n-ヘプタンで洗浄し、45℃にて減圧乾燥し 標記化合物(120.8g)を得た。収率88.5%。光学純 度:99.7%ee

 本発明は、Aβ産生抑制剤である2環式シン ナミド化合物の中間体として有用な4-(置換フ ェニル)ヘキサヒドロピリド[2,1-c][1,4]オキサ ン-6-オンの製造方法を提供する。また、本 明により、該製造方法に用いる新規化合物 提供される。