IMAGAWA TSUTOMU (JP)
OOOKA HIROHITO (JP)
FUKUHARA SHINYA (JP)
HAKUTA HIROSHI (JP)
IMAGAWA TSUTOMU (JP)
OOOKA HIROHITO (JP)
FUKUHARA SHINYA (JP)
WO2008044702A1 | 2008-04-17 |
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トランス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体またはトランス及びシス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体混合物を、式Al(OR 1 ) 3 (式中、R 1 は酸素原子と結合している炭素が2級炭素である炭化水素基を示す)で表されるアルミニウム化合物の存在下に、異性化させることを特徴とするシス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体の製造方法。 |
式Al(OR 1 ) 3 のR 1 基が、脂環式炭化水素基であることを特徴とする請求項1に記載のシス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体の製造方法。 |
脂環式炭化水素基が、6員環構造を有する脂環式炭化水素基であることを特徴とする請求項2に記載のシス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体の製造方法。 |
更に、ケトン化合物の存在下に異性化させることを特徴とする請求項1に記載のシス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体の製造方法。 |
ケトン化合物が、脂環式ケトン化合物であることを特徴とする請求項4に記載のシス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体の製造方法。 |
脂環式ケトン化合物が、6員環構造を有するケトン化合物であることを特徴とする請求項5に記載のシス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体の製造方法。 |
トランス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体またはトランス及びシス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体混合物が、3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オン誘導体を還元して得られたことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のシス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体の製造方法。 |
3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オン誘導体を、酸素原子と結合している炭素が2級炭素であるトリアルコキシアルミニウムの存在下に還元反応を行い、トランス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体またはトランス及びシス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体混合物を得、式Al(OR 1 ) 3 (式中、R 1 は酸素原子と結合している炭素が2級炭素である炭化水素基を示す)で表されるアルミニウム化合物の存在下に異性化を行うことを特徴とするシス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体の製造方法。 |
更にケトン化合物の存在下に、異性化を行うことを特徴とする請求項8に記載のシス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体の製造方法。 |
本発明は、農医薬の有用な中間体であるシ
-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オー
ル誘導体の新規な製造方法に関する。
本願は、2007年8月30日に出願された特願2007-2
23777号に基づいて優先権を主張し、その内容
ここに援用する。
シス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-
オール誘導体の製造方法として、例えば、3-
チル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オンを
金属ナトリウムで還元した後、ベンゾフェノ
ン存在下に230時間加熱する方法が知られてい
る(非特許文献1を参照)。
また、3-メチル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタ
-8-オンを常法により還元し、トランス体を
た後、トリフラートに変換し、次いで酸で
転させる方法が知られている(非特許文献2
参照)。
一方、ルテニウム錯体を触媒に用いた、光
活性アルコールのラセミ化反応が知られて
る(非特許文献3、4を参照)。
しかし、非特許文献1に記載の方法は、反 応時間が長く、しかも目的とするシス体の収 率が低いとの問題があった。非特許文献2の 法は、反応が多段階であること、試薬とし 用いる無水トリフルオロメタンスルホン酸 高価であることを考慮すると商業的な製造 法としては問題があった。一方、遷移金属 体を用いた水素移動型の反応は、従来、ラ ミ化に用いられた例は知られているものの ラセミ化の場合、最大でも50%までしか反転 進行しないため、一の異性体から、他の異 体へ優先的に反転させることはできないも と考えられていた。
本発明は、収率もよく、汎用性の高い、 業的にも使用可能なシス-3-置換-3-アザビシ ロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体の製造方法 を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭 検討を行った結果、3-置換-3-アザビシクロ[3 .2.1]オクタン-8-オール誘導体のトランス体又 トランス体/シス体混合物から、酸素原子と 結合している炭素が2級炭素である脂環式炭 水素オキシからなるアルコキシ基を有する リアルコキシアルミニウムの存在下で異性 させることにより、高収率でシス体が得ら ることを見出し、本発明を完成させるに至 た。
即ち、本発明は、以下に関する。
(1)トランス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オク
ン-8-オール誘導体またはトランス及びシス-3
-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール
導体混合物を、式Al(OR 1
) 3
(式中、R 1
は酸素原子と結合している炭素が2級炭素で
る炭化水素基を示す)で表されるアルミニウ
化合物の存在下に、異性化させることを特
とするシス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オク
タン-8-オール誘導体の製造方法。
(2)式Al(OR 1
) 3
のR 1
基が、脂環式炭化水素基であることを特徴と
する(1)に記載のシス-3-置換-3-アザビシクロ[3.
2.1]オクタン-8-オール誘導体の製造方法。
(3)脂環式炭化水素基が、6員環構造を有する
環式炭化水素基であることを特徴とする(2)
記載のシス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オク
ン-8-オール誘導体の製造方法。
(4)更にケトン化合物の存在下に異性化させる
ことを特徴とする(1)に記載のシス-3-置換-3-ア
ザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体の
造方法。
(5)ケトン化合物が、脂環式ケトン化合物であ
ることを特徴とする(4)に記載のシス-3-置換-3-
アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体
製造方法。
(6)脂環式ケトン化合物が、6員環構造を有す
ケトン化合物であることを特徴とする(5)に
載のシス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタ
-8-オール誘導体の製造方法。
(7)トランス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オク
ン-8-オール誘導体またはトランス及びシス-3
-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール
導体混合物が、3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]
クタン-8-オン誘導体を還元して得られたこ
を特徴とする(1)~(6)のいずれかに記載のシス
-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オー
誘導体の製造方法。
(8)3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オン
誘導体を、酸素原子と結合している炭素が2
炭素であるトリアルコキシアルミニウムの
在下に還元反応を行い、トランス-3-置換-3-
ザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体ま
はトランス及びシス-3-置換-3-アザビシクロ[
3.2.1]オクタン-8-オール誘導体混合物を得、式
Al(OR 1
) 3
(式中、R 1
は酸素原子と結合している炭素が2級炭素で
る炭化水素基を示す)で表されるアルミニウ
化合物の存在下に異性化を行うことを特徴
するシス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタ
ン-8-オール誘導体の製造方法。
(9)更にケトン化合物の存在下に、異性化を行
うことを特徴とする(8)に記載のシス-3-置換-3-
アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体
製造方法。
式Al(OR 1 ) 3 (式中、R 1 は酸素原子と結合している炭素が2級炭素で る炭化水素基を示す)で表されるアルミニウ 化合物の存在下、好ましくは、さらに脂環 ケトン化合物の存在下で反応を行なうこと より、トランス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1] オクタン-8-オール誘導体からシス体への異性 化を高収率で行うことができる。そのため、 工業的にも実施可能な方法を提供することが 可能となった。
本発明は、トランス-3-置換-3-アザビシクロ[ 3.2.1]オクタン-8-オール誘導体からシス-3-置換 -3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導 への異性化を、式Al(OR 1 ) 3 (式中、R 1 は酸素原子と結合している炭素が2級炭素で る炭化水素基を示す)で表されるアルミニウ 化合物の存在下、好ましくは、前記アルミ ウム化合物とケトン化合物の存在下に行う のである。
(3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オー
)
本明細書において、シス-3-置換-3-アザビシ
ロ[3.2.1]オクタン-8-オールの立体配置は、下
記式(1)で表される立体配置を表し、トランス
-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オー
の立体配置は、下記式(2)で表される立体配
を表す。尚、シス-3-置換-アザビシクロ[3.2.1]
オクタン-8-オール誘導体は、式(1)で表される
化合物に限定されず、アザビシクロ[3.2.1]オ
タン環上に、更に、他の置換基を有するも
であってもよい。当該置換基は、異性化を
害しない基である限り、特に限定されない
、具体的には、後述する置換基Rの具体例と
様のものを例示することができる。
式中、置換基Rは、異性化を阻害しない基で
ある限り特に制限はないが、具体的には、炭
素数1~6のアルキル基、炭素数3~7のシクロアル
キル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数4~
10のシクロアルケニル基、炭素数6~10のアリー
ル基、炭素数7~10のアラルキル基又は5~7員環
らなる複素環基が好ましい。
炭素数1~6のアルキル基としては、メチル基
エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基
n-ブチル基、s-ブチル基、イソブチル基、t-
チル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。
炭素数3~7のシクロアルキル基としては、シ
ロプロピル基、シクロペンチル基、シクロ
キシル基、シクロヘプチル基、シクロプロ
ルメチル基、シクロプロピルエチル基、シ
ロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチ
基などが挙げられる。
炭素数2~10のアルケニル基としては、ビニル
基、アリル基、2-プロペニル基、2-ブテニル
、3-ブテニル基、2-へキセニル基、4-へキセ
ル基などが挙げられる。
炭素数4~10のシクロアルケニル基としては、
シクロブテニル基、シクロブテニルメチル基
、シクロペンテニル基、シクロペンテニルメ
チル基、シクロヘキセニルメチル基などが挙
げられる。
炭素数6~10のアリール基としては、フェニル
基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、などが挙
られる。
炭素数7~10のアラルキル基としては、ベンジ
ル基、フェネチル基等が挙げられる。
また、5~7員環からなる複素環基としては フラン-2-イル基、フラン-3-イル基、チオフ ン-2-イル基、チオフェン-3-イル基、ピロー -2-イル基、ピロール-3-イル基、オキサゾー -2-イル基、オキサゾール-4-イル基、オキサ ール-5-イル基、チアゾール-2-イル基、チア ール-4-イル基、チアゾール-5-イル基、イソ キサゾール-3-イル基、イソオキサゾール-4- ル基、イソオキサゾール-5-イル基、イソチ ゾール-3-イル基、イソチアゾール-4-イル基 イソチアゾール-5-イル基、イミダゾール-2- ル基、イミダゾール-4-イル基、イミダゾー -5-イル基、ピラゾール-3-イル基、ピラゾー -4-イル基、ピラゾール-5-イル基、1,3,4-オキ ジアゾール-2-イル基、1,3,4-チアジアゾール- 2-イル基、1,2,3-トリアゾール-4-イル基、1,2,4- リアゾール-3-イル基、1,2,4-トリアゾール-5- ル基、ピリジン-2-イル基、ピリジン-3-イル 、ピリジン-4-イル基、ピリダジン-3-イル基 ピリダジン-4-イル基、ピラジン-2-イル基、 リミジン-2-イル基、ピリミジン-4-イル基、 リミジン-5-イル基、1,3,5-トリアジン-2-イル 、1,2,4-トリアジン-3-イル基、2-フルフリル チル基、3-チエニルメチル基、1-メチル-3-ピ ゾロメチル基、ピリジン-2-イル基、ピリジ -3-イル基、ピリジン-4-イル基、ピリダジン- 3-イル基、ピリダジン-4-イル基、ピラジン-2- ル基、ピリミジン-2-イル基、ピリミジン-4- ル基、ピリミジン-5-イル基、1,3,5-トリアジ -2-イル基、1,2,4-トリアジン-3-イル基、2-ピ ジルメチル基、3-ピリジルメチル基、6-クロ -3-ピリジルメチル基、2-ピリミジルメチル 、テトラヒドロフラン-2-イル基、テトラヒ ラピラン-4-イル基、ピペリジン-3-イル基、 ロリジン-2-イル基、モルホリノ基、ピペリ ノ基、N-メチルピペラジニル基、2-テトラヒ ラフラニルメチル基、3-ピペラジルメチル 、N-メチル3-ピロリジルメチル基、モルホリ メチル基等が挙げられる。
(アルミニウム化合物)
本発明で用いられるアルミニウム化合物は
式Al(OR 1
) 3
(式中、R 1
は酸素原子と結合している炭素が2級炭素で
る炭化水素基を示す)で表される。前記酸素
子と結合している炭素が2級炭素である炭化
水素基としては、前記異性化反応を阻害しな
い限り炭素数などの限定はないが、好ましく
は、酸素原子と結合している炭素が2級炭素
ある、炭素数3~10のアルキル基、炭素数3~10の
シクロアルキル基、炭素数2~10のアルケニル
、炭素数4~10のシクロアルケニル基、又は炭
数7~10のアラルキル基である。このうち、シ
クロアルキル基などの脂環式炭化水素基がよ
り好ましく、6員環構造を有する脂環式炭化
素基が特に好ましい。
酸素原子と結合している炭素が2級炭素であ
る炭素数3~10のアルキル基としては、イソプ
ピル基、s-ブチル基、s-ペンチル基、s-ヘプ
ル基、n-ペンタン-3-イル基、n-オクタン-3-イ
基、n-デカン-4-イル基等が挙げられる。
酸素原子と結合している炭素が2級炭素であ
る炭素数3~10のシクロアルキル基としては、
クロプロピル基、シクロブチル基、シクロ
ンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプ
ル基、2-メチルシクロプロピル基、2-メチル
クロペンチル基、3-メチルシクロブチル基
3-メチルシクロペンチル基、4-メチルシクロ
キシル基、4-メチルシクロヘプチル基、1-メ
チル-1-シクロプロピルメチル基、1-メチル-1-
クロへキシルメチル基などが挙げられる。
酸素原子と結合している炭素が2級炭素であ
る炭素数3~10のアルケニル基としては、3-ブテ
ン-2-イル基、4-ペンテン-3-イル基、4-ペンテ
-2-イル基、5-ヘキセン-2-イル基、7-オクタン-
2-イル基などが挙げられる。
酸素原子と結合している炭素が2級炭素であ
る炭素数4~10のシクロアルケニル基としては
2-シクロブテニル基、2-シクロペンテニル基
2-シクロヘキセニル基、2-シクロへプテニル
基、2-メチル2-シクロブテニル基、2-メチル-2-
シクロペンテニル基、3-メチル-2-シクロヘキ
ニル基等が挙げられる。
酸素原子と結合している炭素が2級炭素であ
る炭素数7~10のアラルキル基としては、1-メチ
ル-ベンジル基、1-エチル-ベンジル基、1-メチ
ル-フェネチル基などが挙げられる。
前記アルミニウム化合物の中で、3個のOR 1
基は、同一であっても異なっていても良い。
これらのアルミニウム化合物は、あらかじ
調製されたものを使用してもよく、また、
応系内でアルコキシ基を交換して系内で生
したものを単離せずに使用してもよい。
本発明に使用されるアルミニウム化合物と
て、具体的には、トリイソプロポキシアル
ニウム、トリシクロヘキシルオキシアルミ
ウム等を例示することができる。
(ケトン化合物)
本発明のケトン化合物は、式R 2
-CO-R 3
で表される化合物である。式中、R 2
及びR 3
は異性化反応を阻害しない限り炭素数などの
限定はないが、炭素数1~6のアルキル基、炭素
数3~7のシクロアルキル基、炭素数2~10のアル
ニル基、炭素数4~10のシクロアルケニル基、
素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアラル
ル基、又は5~7員環からなる複素環基である
とが好ましい。R 2
,R 3
は同一でも異なっていても良い。また、R 2
及びR 3
が一緒になって、5~10員環を形成してもよい
これ等のうち、R 2
及びR 3
が一緒になって5~10員環を形成した脂環式ケ
ン化合物がより好ましく、6員環構造を有す
脂環式ケトン化合物が特に好ましい。
R 2
及びR 3
は、化学的に許容される範囲で、上記例示さ
れた官能基上に置換基を有していてもよく、
該置換基の例としては、3-置換-3-アザビシク
[3.2.1]オクタン-8-オールの置換基Rで定義し
ものと同じものが挙げられる。
ケトン化合物として、具体的には、アセト
、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、
チルイソブチルケトン、ジプロピルケトン
どのほか、R 2
及びR 3
が一緒になって5~10員環を形成する場合の例
して、シクロペンタノン、シクロへキサノ
、シクロへプタノン、2-メチル-シクロペン
ノン、2-シクロヘキセン-1-オン、3-シクロヘ
セン-1-オンなどが挙げられる。
(製造方法)
トランス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]-8-オー
ル誘導体、又はトランス及びシス-3-置換-3-ア
ザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体混
物を溶媒中、上記式Al(OR 1
) 3
(式中、R 1
は酸素原子と結合している炭素が2級炭素で
る炭化水素基を示す。)で表されるアルミニ
ム化合物の存在下に、例えば、加熱還流し
がら、異性化反応を行うのが好ましくは、
トン化合物を更に添加して行なうのがより
ましい。
アルミニウム化合物の添加量は、原料化合
1モルに対して、通常、10~200モル%、好まし
は、30~100モル%である。また、ケトン化合物
添加量は、原料化合物1モルに対して、通常
、10~500モル%、好ましくは、90~300モル%である
加熱温度は、通常、室温~還流温度で行う。
原料であるトランス-3-置換-3-アザビシクロ[
3.2.1]-8-オール誘導体またはトランス及びシス
-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オー
誘導体混合物は、入手方法としては特に限
されないが、3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オ
タン-8-オン誘導体を、溶媒中、上記式Al(OR 1
) 3
(式中、R 1
は酸素原子と結合している炭素が2級炭素で
る炭化水素基を示す。)で表されるアルミニ
ム化合物の存在下に加熱還流して還元反応
行うことにより得ることができる。
ここで、前記3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オ
タン-8-オン誘導体は、例えば、下記式(3)で
される化合物を例示することができる。尚
式(1)または式(2)で表される3-置換-3-アザビ
クロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体と同様に
3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オン
導体は、アザビシクロ[3.2.1]オクタン環上に
置換基を有していてもよく、その置換基とし
て、式(1)または式(2)で表される3-置換-3-アザ
シクロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体の場合
と同様の置換基を例示することができる。
(式中、Rは、前述の通りである。)
前記還元反応を行なう際のアルミニウム化
物の添加量は、3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]
クタン-8-オン誘導体1モルに対して、通常、
10~200モル%、好ましくは、30~100モル%である。
当該方法によりトランス-3-置換-3-アザビシ
ロ[3.2.1]-8-オール誘導体またはトランス及び
シス-3-置換-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-
ール誘導体混合物を得た後、溶液からアル
ールなどの水素供与性化合物を減圧濃縮な
の方法により除去するのが好ましい。
本発明において使用される溶媒としては、
ルコール系溶媒、ケトン系溶媒以外であれ
特に制限はないが、通常、炭化水素系溶媒
エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、非プロ
ン性極性溶媒などを例示することができる
具体的には、n-ヘキサン、シクロヘキサン
ベンゼン、トルエン、キシレン、石油ナフ
、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油
ンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフ
ン、デカリン、工業ガソリン、灯油、リグ
イン等の炭化水素系溶媒;CBr 2
ClCF 3
、CClF 2
CF 2
CCl 3
、CClF 2
CF 2
CHFCl、CF 3
CF 2
CHCl 2
、CF 3
CBrFCBrF 2
、CClF 2
CClFCF 2
CCl 3
、Cl(CF 2
CFCl) 2
Cl、Cl(CF 2
CFCl) 2
CF 2
CCl 3
、Cl(CF 2
CFCl) 3
Cl等のフロン系溶媒、フロリナート(3M社製品)
、アフルード(旭ガラス社製品)等のフッ化炭
系溶媒、ジクロロエチレン、クロロベンゼ
、ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミ
、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリ
ン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルエ
テル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフ
ン、ジオキサンなどを例示することができ
。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳 に説明するが、本発明の範囲は、実施例に 定されるものではない。
3-ベンジル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン- 8-オン(3’)10.8g(50mmol)をトルエン50mLに溶解し アルミニウムイソプロポキシド2.90g(13.9mmol) 加えて窒素気流下にて2時間加熱還流した。 の後、さらに、アルミニウムイソプロポキ シド3.67g(17.6mmol)を加えて30分間加熱還流し 後、シクロヘキサノン2.94g(30mmol)のトルエン1 5mL溶液を加えて7時間加熱還流した。この反 溶液を高速液体クロマトグラフィー(以下HPLC と略す)にて分析した結果、シス-3-ベンジル-3 -アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オール(1’)を6 6.8%の収率で、トランス-3-ベンジル-3-アザビ クロ[3.2.1]オクタン-8-オールが17.4%の収率で 成していることが認められた。
トランス-3-ベンジル-3-アザビシクロ[3.2.1]オ
クタン-8-オール(2’)40.2g(0.19mol)にアルミニウ
イソプロポキシド25.35g(0.12mol)のトルエン186m
L溶液を加えた後窒素気流下にて30分間加熱還
流した。ここへ、シクロヘキサノン23.6g(0.24mo
l)を加えてさらに13時間加熱還流した。
反応溶液を2回水洗した後、有機層を濃縮、
トルエン-ヘキサン混合溶液にて再結晶化し
シス-3-ベンジル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタ
-8-オール(1’)を19.69g、45.3%の収率で得た。
アルミニウムイソプロポキシド34.4g(0.16mol)
トルエン200mL溶液にシクロヘキサノール(0.49m
ol)を加え、95~98℃にてイソプロパノール175mL
留出させた。ここへ、3-ベンジル-3-アザビシ
クロ[3.2.1]オクタン-8-オン(3’)40.8g(0.19mol)のト
ルエン30mLに溶液を添加し17時間加熱還流した
。
反応液を2回10%苛性ソーダ水で洗浄した後、
有機層を濃縮、トルエン-ヘキサン混合溶液
て再結晶化してシス-3-ベンジル-3-アザビシ
ロ[3.2.1]オクタン-8-オール(1’)を20.89g、47.3%
収率で得た。
3-ベンジル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン- 8-オン(3’)4.2g(20mmol)をトルエン10mLに溶解し、 アルミニウムイソプロポキシド1.16g(5.41mmol)を 加えて窒素気流下にて3時間加熱還流した。 の後、さらに、アルミニウムイソプロポキ シド1.41g(6.89mmol)を加えて30分間加熱還流した 後、メチルイソブチルケトン(MIBK)12.05g(0.12mol) 加えて9時間加熱還流した。この反応溶液を 速液体クロマトグラフィーにて分析した結 、シス-3-ベンジル-3-アザビシクロ[3.2.1]オク ン-8-オール(1’)を59.3%の収率で、トランス-3 -ベンジル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-オ ル(2’)が14.2%の収率で生成していることが められた。
本発明により、トランス-3-置換-3-アザビ クロ[3.2.1]オクタン-8-オール誘導体からシス 体への異性化を高収率で行うことができるよ うになり、工業的にも実施可能な方法を提供 することが可能となった。