IDE YUTAKA (JP)
SAKATA TERUO (JP)
OMURA SOHEI (JP)
SUGATA YOSHIHIDE (JP)
IDE YUTAKA (JP)
SAKATA TERUO (JP)
OMURA SOHEI (JP)
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Hiromitsu Takayama (JP)
式(II): (式中、R 1 は置換もしくは非置換のアルキルであり、nは1または2であり、Xは脱離基である。)で示される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物と、 式(III): (式中、R 2 は置換もしくは非置換のアルキルである。)で示される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物を反応させることを特徴とする、 式(IV): (式中、R 1 及びR 2 は前記と同意義である。) で示される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。 |
式(I): (式中、R 1 は置換もしくは非置換のアルキルであり、nは1または2である。)で示される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物に、ハロゲン化剤を反応させ、式(II): (式中、R 1 及びnは前記と同意義であり、Xはハロゲンである。)で示される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物を得る工程を含むものである、請求項1記載の製造方法。 |
ハロゲン化剤が、オキシ塩化リン、五塩化リン、オキザリルクロライド、塩化チオニルから選択されるものである、請求項2記載の製造方法。 |
式(II)で示される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物と式(III)で示される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物を塩基の存在下で反応させることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。 |
溶媒として、トルエン、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、その混合溶媒またはそれらの含水溶媒を用いるものである、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。 |
R 1 が炭素数2~4のアルキルであり、R 2 がハロゲンで置換されたアルキルであり、nが2である、請求項1~5のいずれかに記載の製造方法。 |
R 1 がtert-ブチルであり、R 2 がトリフルオロメチルであり、nが2であり、式(IV)で示される化合物が、粉末X線回折パターンにおいて、2θ=12.5±0.2、16.8±0.2、17.8±0.2、19.0±0.2度にピークを示す結晶である、請求項1~6記載の製造方法。 |
R 1 がtert-ブチルであり、R 2 がトリフルオロメチルであり、nが2であり、式(IV)で示される化合物が、粉末X線回折パターンにおいて、2θ=12.5±0.2、14.3±0.2、16.8±0.2、17.8±0.2、18.4±0.2、19.0±0.2、21.6±0.2、33.1±0.2度にピークを示す結晶である、請求項1~6記載の製造方法。 |
式(IV): (R 1 がtert-ブチルであり、R 2 がトリフルオロメチルであり、nが2である)で示され、粉末X線回折パターンにおいて、2θ=12.5±0.2、16.8±0.2、17.8±0.2、19.0±0.2度にピークを示す化合物の結晶を、再結晶することを特徴とする、粉末X線回折パターンにおいて、2θ=10.2±0.2、17.1±0.2、17.7±0.2、26.5±0.2度にピークを示す式(IV)で示される化合物の結晶の製造方法。 |
式(IV): (R 1 がtert-ブチルであり、R 2 がトリフルオロメチルであり、nが2である)で示され、粉末X線回折パターンにおいて、2θ=12.5±0.2、14.3±0.2、16.8±0.2、17.8±0.2、18.4±0.2、19.0±0.2、21.6±0.2、33.1±0.2度にピークを示す化合物の結晶を、再結晶することを特徴とする、粉末X線回折パターンにおいて、2θ=10.2±0.2、14.5±0.2、16.8±0.2、17.1±0.2、17.7±0.2、18.3±0.2、19.1±0.2、20.2±0.2、20.8±0.2、26.5±0.2度にピークを示す式(IV)で示される化合物の結晶の製造方法。 |
請求項7記載の方法により粉末X線回折パターンにおいて、2θ=12.5±0.2、16.8±0.2、17.8±0.2、19.0±0.2度にピークを示す式(IV)で示される化合物の結晶を得、得られた結晶を再結晶することを特徴とする、粉末X線回折パターンにおいて、2θ=10.2±0.2、17.1±0.2、17.7±0.2、26.5±0.2度にピークを示す式(IV)で示される化合物の結晶の製造方法。 |
請求項8記載の方法により粉末X線回折パターンにおいて、2θ=12.5±0.2、14.3±0.2、16.8±0.2、17.8±0.2、18.4±0.2、19.0±0.2、21.6±0.2、33.1±0.2度にピークを示す式(IV)で示される化合物の結晶を得、得られた結晶を再結晶することを特徴とする、粉末X線回折パターンにおいて、2θ=10.2±0.2、14.5±0.2、16.8±0.2、17.1±0.2、17.7±0.2、18.3±0.2、19.1±0.2、20.2±0.2、20.8±0.2、26.5±0.2度にピークを示す式(IV)で示される化合物の結晶の製造方法。 |
式(IV): (R 1 がtert-ブチルであり、R 2 がトリフルオロメチルであり、nが2である。)で示され、粉末X線回折パターンにおいて、2θ=12.5±0.2、16.8±0.2、17.8±0.2、19.0±0.2度にピークを示す化合物の結晶。 |
式(IV): (R 1 がtert-ブチルであり、R 2 がトリフルオロメチルであり、nが2である。)で示され、粉末X線回折パターンにおいて、2θ=12.5±0.2、14.3±0.2、16.8±0.2、17.8±0.2、18.4±0.2、19.0±0.2、21.6±0.2、33.1±0.2度にピークを示す化合物の結晶。 |
式(IV): (R 1 がtert-ブチルであり、R 2 がトリフルオロメチルであり、nが2である。)で示され、示差走査熱量測定において、219.6±2.0℃に吸熱ピークを有する化合物の結晶。 |
式(II): (式中、R 1 は置換もしくは非置換のアルキルであり、nは2であり、Xはハロゲンである。)で示される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物。 |
本発明は、NPYY5受容体拮抗作用を有する 合物の製造方法および有用な結晶に関する
特許文献1には、式:
で示される化合物がNPYY5受容体拮抗作用を有
る化合物として記載されている。YがCONR7の
合の一般的製造法として、以下のスキーム
記載されている。
特許文献1には、YがCONR7である化合物の製造
法の具体的実施例として、実施例1、2、3、4
8及び9が記載されている。実施例1には、上
工程A及びBにより製造した例が記載されてい
る。実施例2には、上記工程Cにより製造した
が記載されている。実施例3には、上記工程
Dにより製造した例が記載れている。実施例8
は、上記工程A及びBにより製造した例が記
されている。これらはいずれも先に工程Aに
りカルボン酸とアミンのカップリングを行
、その後に工程B、C、Dを行うものである。
実施例4及び9には、上記一般的製法には含
れないが、最終工程がカップリング工程で
る方法が開示されている。実施例4には、以
に示す合成法が記載されている。目的物は
収率70%で得られている。
実施例9には、以下に示す合成法が記載され
ている。収率の記載はない。
式:
で示される化合物を出発原料として用いた合
成法として、特許文献2には、特許文献1の実
例4以外にも、以下に示す合成法が記載され
ている。
上記反応において、目的物は収率81.4%で得ら
ている。
上記反応において、目的物は収率33.6%で得ら
ている。
上記反応において、目的物は収率55.8%で得
れている。
特許文献3、特許文献4、特許文献5にも、 記シクロヘキサン誘導体が開示されている また、NPYY5受容体拮抗作用を有する化合物 合成する際の一般的な記載がある。しかし 具体的なNPYY5受容体拮抗作用を有する化合物 の合成例は記載されていない。
上記特許文献1~5には、式(IV):
(式中、R 1
は置換もしくは非置換のアルキルであり、n
1または2であり、R 2
は置換もしくは非置換のアルキルである。)
示される化合物が記載されているが、具体
な合成法は示されていない。
特許文献1には、実施例No.Ia-178の化合物の 点は、223~224℃と記載されている。
本発明の目的は、NPYY5受容体拮抗作用を する化合物の製造方法および有用な結晶を 供することである。特に、特許文献1の実施 No.Ia-178に記載の化合物の効率的な製造法を 供することである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、NPYY5受容
拮抗作用を有する化合物の製造方法および
用な結晶を見出し、以下の発明を完成した
(1)
式(II):
(式中、R 1
は置換もしくは非置換のアルキルであり、n
1または2であり、Xは脱離基である。)で示さ
る化合物、その塩またはそれらの溶媒和物
、
式(III):
(式中、R 2
は置換もしくは非置換のアルキルである。)
示される化合物、その塩またはそれらの溶
和物を反応させることを特徴とする、
式(IV):
(式中、R 1
及びR 2
は前記と同意義である。)
で示される化合物、その塩またはそれらの溶
媒和物の製造方法。
(2)
式(I):
(式中、R 1
は置換もしくは非置換のアルキルであり、n
1または2である。)で示される化合物、その
またはそれらの溶媒和物に、ハロゲン化剤
反応させ、式(II):
(式中、R 1
及びnは前記と同意義であり、Xはハロゲンで
る。)で示される化合物、その塩またはそれ
らの溶媒和物を得る工程を含むものである、
上記(1)記載の製造方法。
(3)
ハロゲン化剤が、オキシ塩化リン、五塩化リ
ン、オキザリルクロライド、塩化チオニルか
ら選択されるものである、上記(2)記載の製造
方法。
(4)
式(II)で示される化合物、その塩またはそれ
の溶媒和物と式(III)で示される化合物、その
塩またはそれらの溶媒和物を塩基の存在下で
反応させることを特徴とする、上記(1)~(3)の
ずれかに記載の製造方法。
(5)
溶媒として、トルエン、ピリジン、テトラヒ
ドロフラン、ジメチルホルムアミド、その混
合溶媒またはそれらの含水溶媒を用いるもの
である、上記(1)~(4)のいずれかに記載の製造
法。
(6)
R 1
が炭素数2~4のアルキルであり、R 2
がハロゲンで置換されたアルキルであり、n
2である、上記(1)~(5)のいずれかに記載の製造
方法。
(7)
R 1
がtert-ブチルであり、R 2
がトリフルオロメチルであり、nが2であり、
(IV)で示される化合物が、粉末X線回折パタ
ンにおいて、2θ=12.5±0.2、16.8±0.2、17.8±0.2、1
9.0±0.2度にピークを示す結晶である、上記(1)~
(6)記載の製造方法。
(8)
R 1
がtert-ブチルであり、R 2
がトリフルオロメチルであり、nが2であり、
(IV)で示される化合物が、粉末X線回折パタ
ンにおいて、2θ=12.5±0.2、14.3±0.2、16.8±0.2、1
7.8±0.2、18.4±0.2、19.0±0.2、21.6±0.2、33.1±0.2度
ピークを示す結晶である、上記(1)~(6)記載の
製造方法。
(9)
式(IV):
(式中、R 1
がtert-ブチルであり、R 2
がトリフルオロメチルであり、nが2である)で
示され、粉末X線回折パターンにおいて、2θ=1
2.5±0.2、16.8±0.2、17.8±0.2、19.0±0.2度にピーク
示す化合物の結晶を、再結晶することを特
とする、粉末X線回折パターンにおいて、2θ
=10.2±0.2、17.1±0.2、17.7±0.2、26.5±0.2度にピー
を示す式(IV)で示される化合物の結晶の製造
法。
(10)
式(IV):
(式中、R 1
がtert-ブチルであり、R 2
がトリフルオロメチルであり、nが2である)で
示され、粉末X線回折パターンにおいて、2θ=1
2.5±0.2、14.3±0.2、16.8±0.2、17.8±0.2、18.4±0.2、1
9.0±0.2、21.6±0.2、33.1±0.2度にピークを示す化
物の結晶を、再結晶することを特徴とする
粉末X線回折パターンにおいて、2θ=10.2±0.2
14.5±0.2、16.8±0.2、17.1±0.2、17.7±0.2、18.3±0.2
19.1±0.2、20.2±0.2、20.8±0.2、26.5±0.2度にピー
を示す式(IV)で示される化合物の結晶の製造
法。
(11)
上記(7)記載の方法により粉末X線回折パター
において、2θ=12.5±0.2、16.8±0.2、17.8±0.2、19.0
±0.2度にピークを示す式(IV)で示される化合物
の結晶を得、得られた結晶を再結晶すること
を特徴とする、粉末X線回折パターンにおい
、2θ=10.2±0.2、17.1±0.2、17.7±0.2、26.5±0.2度に
ークを示す式(IV)で示される化合物の結晶の
製造方法。
(12)
上記(8)記載の方法により粉末X線回折パター
において、2θ=12.5±0.2、14.3±0.2、16.8±0.2、17.8
±0.2、18.4±0.2、19.0±0.2、21.6±0.2、33.1±0.2度に
ークを示す式(IV)で示される化合物の結晶を
得、得られた結晶を再結晶することを特徴と
する、粉末X線回折パターンにおいて、2θ=10.2
±0.2、14.5±0.2、16.8±0.2、17.1±0.2、17.7±0.2、18.3
±0.2、19.1±0.2、20.2±0.2、20.8±0.2、26.5±0.2度に
ークを示す式(IV)で示される化合物の結晶の
製造方法。
(13)
式(IV):
(式中、R 1
がtert-ブチルであり、R 2
がトリフルオロメチルであり、nが2である。)
で示され、粉末X線回折パターンにおいて、2
=12.5±0.2、16.8±0.2、17.8±0.2、19.0±0.2度にピー
を示す化合物の結晶。
(14)
式(IV):
(式中、R 1
がtert-ブチルであり、R 2
がトリフルオロメチルであり、nが2である。)
で示され、粉末X線回折パターンにおいて、2
=12.5±0.2、14.3±0.2、16.8±0.2、17.8±0.2、18.4±0.2
19.0±0.2、21.6±0.2、33.1±0.2度にピークを示す
合物の結晶。
(15)
式(IV):
(R 1
がtert-ブチルであり、R 2
がトリフルオロメチルであり、nが2である。)
で示され、示差走査熱量測定において、219.6
2.0℃に吸熱ピークを有する化合物の結晶。
(16)
式(II):
(式中、R 1
は置換もしくは非置換のアルキルであり、n
2であり、Xはハロゲンである。)で示される
合物、その塩またはそれらの溶媒和物。
(A1)
式(II):
(式中、R 1
は置換もしくは非置換のアルキルであり、n
1または2であり、Xは脱離基である。)で示さ
る化合物、その塩またはそれらの溶媒和物
、
式(III):
(式中、R 2
は置換もしくは非置換のアルキルである。)
示される化合物、その塩またはそれらの溶
和物を反応させることを特徴とする、
式(IV):
(式中、R 1
及びR 2
は前記と同意義である。)
で示される化合物、その塩またはそれらの溶
媒和物の製造方法。
(A2)
式(I):
(式中、R 1
は置換もしくは非置換のアルキルであり、n
1または2である。)で示される化合物、その
またはそれらの溶媒和物に、ハロゲン化剤
反応させ、式(II):
(式中、R 1
及びnは前記と同意義であり、Xはハロゲンで
る。)で示される化合物、その塩またはそれ
らの溶媒和物を得る工程を含むものである、
上記(A1)記載の製造方法。
(A3)
ハロゲン化剤が、オキシ塩化リン、五塩化リ
ン、オキザリルクロライド、塩化チオニルか
ら選択されるものである、上記(A2)記載の製
方法。
(A4)
式(II)で示される化合物、その塩またはそれ
の溶媒和物と式(III)で示される化合物、その
塩またはそれらの溶媒和物を塩基の存在下で
反応させることを特徴とする、上記(A1)~(A3)の
いずれかに記載の製造方法。
(A5)
溶媒として、トルエン、ピリジン、テトラヒ
ドロフラン、ジメチルホルムアミド、その混
合溶媒またはそれらの含水溶媒を用いるもの
である、上記(A1)~(A4)のいずれかに記載の製造
方法。
(A6)
R 1
が炭素数2~4のアルキルであり、R 2
がハロゲンで置換されたアルキルであり、n
2である、上記(A1)~(A5)のいずれかに記載の製
方法。
(A7)
R 1
がtert-ブチルであり、R 2
がトリフルオロメチルであり、nが2であり、
(IV)で示される化合物が、粉末X線回折パタ
ンにおいて、2θ=12.5、14.3、16.8、17.8、18.4、19
.0、21.6、33.1度にピークを示す結晶である、
記(A1)~(A6)記載の製造方法。
(A8)
式(IV):
(式中、R 1
がtert-ブチルであり、R 2
がトリフルオロメチルであり、nが2である)で
示され、粉末X線回折パターンにおいて、2θ=1
2.5、14.3、16.8、17.8、18.4、19.0、21.6、33.1度に
ークを示す化合物の結晶を、再結晶するこ
を特徴とする、粉末X線回折パターンにおい
、2θ=10.2、14.5、16.8、17.1、17.7、18.3、19.1、20
.2、20.8、26.5度にピークを示す式(IV)で示され
化合物の結晶の製造方法。
(A9)
上記(A7)記載の方法により粉末X線回折パター
において、2θ=12.5、14.3、16.8、17.8、18.4、19.0
、21.6、33.1度にピークを示す式(IV)で示される
化合物の結晶を得、得られた結晶を再結晶す
ることを特徴とする、粉末X線回折パターン
おいて、2θ=10.2、14.5、16.8、17.1、17.7、18.3、1
9.1、20.2、20.8、26.5度にピークを示す式(IV)で
される化合物の結晶の製造方法。
(A10)
式(IV):
(式中、R 1
がtert-ブチルであり、R 2
がトリフルオロメチルであり、nが2である。)
で示され、粉末X線回折パターンにおいて、2
=12.5、14.3、16.8、17.8、18.4、19.0、21.6、33.1度
ピークを示す化合物の結晶。
(A11)
式(II):
(式中、R 1
は置換もしくは非置換のアルキルであり、n
2であり、Xはハロゲンである。)で示される
合物、その塩またはそれらの溶媒和物。
医薬品の原薬の製造において、純度の高い原
薬を製造するために、再結晶を行う。再結晶
を行う場合、粗結晶の再結晶溶媒に対する溶
解性は極めて重要である。
本発明者らは、式(IV):
(式中、R 1
がtert-ブチルであり、R 2
がトリフルオロメチルであり、nが2である。)
で示される化合物に、2つの結晶型があるこ
を見出した。一つは、融点224.6±2.0℃のI型結
晶であり、もう一つは、融点219.6±2.0℃のII型
結晶である。特許文献1の実施例No.Ia-178に記
の化合物の融点は、223~224℃と記載されてい
。本発明者らが得たI型結晶の融点は224.6±2.
0℃であったことから、特許文献1に記載され
いる結晶はI型であると考えられる。
本発明者らは、実施例6~8に示すように、II
結晶を製造することができることを見出し
。
本発明者らは、実施例12に示すように、式(I
V)で示される化合物(式中、R 1
がtert-ブチルであり、R 2
がトリフルオロメチルであり、nが2である。)
のII型結晶が、I型結晶よりも溶媒に対する溶
解度が高いことを見出した。
また、実施例9に示すように、上記式(IV)で示
れる化合物(式中、R 1
がtert-ブチルであり、R 2
がトリフルオロメチルであり、nが2である。)
は、II型結晶を再結晶することにより、医薬
の原薬として好ましい安定形であるI型結晶
として得られることも見出した。
本発明を用いることにより、効率よくNPYY 5受容体拮抗作用を有する化合物を製造する とができ、また、精製も効率よく行うこと できる。
以下、本明細書中で使用する各語の意味を
明する。
「アルキル」とは、炭素数1~10個の直鎖状又
は分枝状のアルキル基を意味し、例えば、メ
チル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n
-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチ
、n-ぺンチル、イソぺンチル、ネオぺンチル
、n-ヘキシル、イソヘキシル、n-ヘプチル、n-
オクチル、n-ノニル、n-デシル等が挙げられ
。好ましくは、炭素数1~6または1~4個のアル
ルであり、例えば、メチル、エチル、n-プロ
ピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル
sec-ブチル、tert-ブチル、n-ぺンチル、イソ
ンチル、ネオぺンチル、n-ヘキシル、イソヘ
キシルが挙げられる。
R 1
のアルキルとしては、炭素数2~4のアルキルが
好ましく、例えば、エチル、n-プロピル、イ
プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチ
、tert-ブチルが挙げられる。特に、tert-ブチ
ルが好ましい。
R 2
のアルキルとしては、炭素数1~4のアルキルが
好ましい。例えば、メチル、エチル、n-プロ
ル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル
sec-ブチル、tert-ブチルが挙げられる。特に
チルが好ましい。
置換もしくは非置換のアルキルの置換基と
ては、ハロゲン、アルコキシなどが挙げら
る。該アルキルは、これらの置換基で1~6箇
、置換されていてもよい。
「ハロゲン」としては、フッ素原子、塩素
子、臭素原子、ヨウ素原子が上げられる。
「アルコキシ」のアルキル部分は、上記「ア
ルキル」と同意義である。
R 1
としては、非置換のアルキルが好ましい。
R 2
としては、ハロゲンで置換されたアルキルが
好ましい。特に、R 2
としては、トリフルオロメチルが好ましい。
nは1または2であり、2が好ましい。
「脱離基」としては、カルボン酸とアミンの
縮合に際して脱離する置換基であれば、特に
限定されない。たとえば、ハロゲン、アシル
オキシ(例えば、アセチルオキシ、ベンゾイ
オキシなど)、置換もしくは非置換のアルキ
スルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニ
ルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオ
キシなど)、置換もしくは非置換のベンゼン
ルホニルオキシ(例えば、パラトルエンスル
ニルオキシ、オルトニトロベンゼンスルホ
ルオキシなど)、N,N'-dicyclohexylcarbamimidoyloxy、
N,N'-diisopropylcarbamimidoyloxy、(N-(3-(dimethylamino)prop
yl)-N'-ethylcarbamimidoyloxyなどが挙げられる。好
しくはハロゲンであり、特に好ましくはク
ルである。
「塩」としては、塩酸、硫酸、硝酸または
ン酸等の無機酸の塩;酢酸、ギ酸、p-トルエ
スルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸
たはクエン酸等の有機酸の塩;アンモニウム
、トリメチルアンモニウムまたはトリエチル
アンモニウム等の有機塩基の塩;ナトリウム
たはカリウム等のアルカリ金属の塩;および
ルシウムまたはマグネシウム等のアルカリ
類金属の塩等が挙げられる。
「溶媒和物」としては、化合物またはその
の水和物、アルコール和物などが挙げられ
。たとえば、0.5水和物、1水和物、2水和物
どが挙げられる。
(式中、R 1
は置換もしくは非置換のアルキルであり、n
1または2であり、Xは脱離基であり、R 2
は置換もしくは非置換のアルキルである。)
第1工程
式(I)で示される化合物にハロゲン化剤を反
させ、式(II)で示される化合物を製造する方
法である。
ハロゲン化剤としては、オキシ塩化リン、
塩化リン、オキザリルクロライド、塩化チ
ニル、スルフリルクロライド、ジクロロト
フェニルホスホランなどが挙げられる。特
好ましくは、オキシ塩化リン、五塩化リン
オキザリルクロライド、塩化チオニルであ
。
反応溶媒としては、ジクロロメタン、トル
ン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、クロ
ホルム、ジメチルホルムアミド、アセトニ
リル、ジエチルエーテル、ベンゼン、キシ
ン、シクロヘキサン、ヘキサン、酢酸エチ
、酢酸ブチル、ペンタン、ヘプタン、ジオ
サン、アセトン、水、またはそれらの混合
媒などを用いることができる。特に好まし
は、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメ
ルホルムアミドである。
反応は、約0~100℃、好ましくは、室温~60度で
うことができる。反応時間は、0.5時間~20時
、好ましくは、1~10時間である。
反応終了後、冷却して、式(II)で示される化
物を濾取して、次の第2工程に用いることが
きる。式(II)で示される化合物を濾取せずに
、連続して次の第2工程を行うこともできる
上記第1工程において、ハロゲン化剤以外の
薬を用いることにより、各種の脱離基を有
る式(II)で示される化合物を合成することが
きる。たとえば、アシルハライドを塩基の
在下、式(I)で示される化合物と反応させる
とにより、「脱離基」としてアシルオキシ
有する式(II)で示される化合物を製造するこ
とができる。置換もしくは非置換のアルキル
スルホニルハライドを塩基の存在下、式(I)で
示される化合物と反応させることにより、「
脱離基」として置換もしくは非置換のアルキ
ルスルホニルオキシを有する式(II)で示され
化合物を製造することができる。他も同様
ある。
式(II):
(式中、R 1
は置換もしくは非置換のアルキルであり、n
1または2であり、Xは脱離基である。)で示さ
る化合物としては、R 1
が置換もしくは非置換のアルキルであり、n
2であり、Xがハロゲンである化合物が好まし
い。さらには、R 1
がtert-ブチルであり、nが2であり、Xがハロゲ
(特にクロロ)である化合物が好ましい。
第2工程
式(II)で示される化合物に式(III)で示される
合物を反応させ、式(IV)で示される化合物を
製造する方法である。
本反応は、塩基の存在下で行うことができ
。塩基としては、ピリジン、トリエチルア
ン、ジメチルアミノピリジン、モルホリン
N-メチルモルホリン、ジイソプロピルエチ
アミンなどが挙げられる。ピリジンは溶媒
して使用することもできる。
反応溶媒としては、上記第1工程で用いた溶
媒を用いることができる。特に好ましくは、
トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホ
ルムアミドである。
反応は、約0~100℃、好ましくは、室温~60度で
うことができる。反応時間は、0.5~20時間、
ましくは、1~10時間である。
(式中、R 1
がtert-ブチルであり、R 2
がトリフルオロメチルであり、nが2である。)
第3工程
II型結晶からI型結晶を得る工程である。I型
晶は溶解度が低く、再結晶する際には大量
溶媒が必要となる。II型結晶はI型結晶に比
て溶解度が高く、式(IV)で示される化合物を
製する上で、非常に有用である。
II型結晶からI型結晶への再結晶は、アセトン
、ジクロロメタン、メタノール、酢酸エチル
、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミ
ド、アセトニトリルまたはそれらの混合溶媒
を用いて行うことができる。約50~100℃に加熱
してII型結晶を溶媒に溶解し、その後、結晶
を行う。減圧濃縮して式(IV)で示される化合
物の濃度を高めてから結晶化を行ってもよい
。また、冷却して結晶化を行ってもよい。ま
た、貧溶媒(式(IV)で示される化合物の溶解度
小さい溶媒)を添加して、結晶化を行っても
よい。また、これらの結晶化手法を組み合わ
せて用いてもよい。たとえば、アセトンに溶
解後、濃縮し、水を添加して結晶化を行うこ
とができる。添加する水としては、脱イオン
水が好ましい。
式(IV)で示される化合物(式中、R 1
がtert-ブチルであり、R 2
がトリフルオロメチルであり、nが2である。)
には、2つの結晶型がある。以下にそれぞれ
スペクトルデータを記載する。
I型結晶
融点(DSC)は224.6±2.0℃
IRスペクトルにおいて1708±2 cm -1
に特徴的なピークを示す。
粉末X線回折パターンにおいて、2θ=10.2±0.2、1
4.5±0.2、16.8±0.2、17.1±0.2、17.7±0.2、18.3±0.2、1
9.1±0.2、20.2±0.2、20.8±0.2、26.5±0.2度にピーク
示す。
II型結晶
融点(DSC)は219.6±2.0℃
IRスペクトルにおいて1686±2 cm -1
に特徴的なピークを示す。
粉末X線回折パターンにおいて、2θ=12.5±0.2、1
4.3±0.2、16.8±0.2、17.8±0.2、18.4±0.2、19.0±0.2、2
1.6±0.2、33.1±0.2度にピークを示す。
化合物のスペクトルデータを測定すること
より、得られた結晶がI型結晶であるのか、
II型結晶であるのかを確認することができる
別に言及なければ、本明細書中および特許 請求の範囲記載の数値はおおよその値である 。数値の変動は、装置キャリブレーション、 装置エラー、物質の純度、結晶サイズ、サン プルサイズ、その他の因子に起因する。
DSCについては、観察される温度は、温度変化
速度ならびに用いる試料調製技法および特定
の装置に依存し得ることが知られている。DSC
サーモグラフにおける誤差範囲はおよそ±2.0
であることから、上記の融点(DSC)の値は±2.0
℃程度の範囲内の数値も含むものとして理解
される必要がある。結晶の同一性の認定にお
いては、全体的なパターンが重要であり、測
定条件によって多少変わり得る。
I型結晶の融点(DSC)は224.6±2.0℃であり、好ま
くは224.6±1.0℃、さらに好ましくは224.6±0.6℃
である。
II型結晶の融点(DSC)は219.6±2.0℃であり、好ま
くは219.6±1.0℃、さらに好ましくは219.6±0.6
である。
実施例
以下に実施例を挙げて説明する。本発明は
施例に限定して解釈すべきではない。
DMF:ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
WSC:水溶性カルボジイミド(1-エチル-3-(3-ジメ
ルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)
HOBt:1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
酸クロライド(2)の製造法
窒素気流下、化合物(1)5.0 gのトルエン20 ml
液に、DMF 27.8 mg を加え50℃に温度を調節
た。この溶液に塩化チオニル 2.49 g を滴下
し、50分間攪拌した。氷零下で攪拌した後、
出した固体を窒素気流下で濾取しトルエン
洗浄し、酸塩化物(2)を5.39 g (収率101%)得た
1
H NMR (300 MHz, CDCl 3
) : δ1.14-1.44 (2H, m), 1.39 (9H, s), 1.50-1.74 (4
H, m), 2.14-2.31 (4H, m), 2.66 (1H, tt, J = 3.3,
12.0 Hz), 3.18-3.35 (1H, m), 3.80 (1H, d, J = 8.7
Hz).
IR (ATR) : 3293, 1803, 1364 cm -1
酸クロライド(2)とアミノトリフルオロメチル
ピリジン(3)とのカップリングによる化合物(4)
の製造法
酸塩化物(2)1.09 gに5.5 mlのトルエンを加え
室温下でアミノトリフルオロメチルピリジ
(3)677 mgとピリジン330 mgのトルエン0.5 ml溶
を15分かけて滴下し、30℃で1時間攪拌した。
この反応液に水5 mlを滴下した。析出した結
を濾取した後、白色結晶( 4 )を1.45 g ( 93.
4 % )で得た。
1
H NMR (300 MHz, DMSO-d 6
) : δ1.27 (s, 9H), 1.25-1.75 (m, 4H), 1.82-2.00 (m
, 4H), 2.40-2.54 (m, 1H), 3.00-3.15 (m, 1H), 6.79 (
d, 1H, J = 8.4 Hz), 8.10-8.18 (m, 1H), 8.28 (d, 1
H, J = 8.7 Hz), 8.69 (s, 1H), 10.84 (s, 1H)
オキシ塩化リンを用いた化合物(4)の製造法
窒素気流下、化合物(1)1.0 gのアセトニトリ
3 ml溶液に、氷零下、ピリジン 666 mgのア
トニトリル 1 mlを加え、続いてDMFを13.9 mg
加えた。この溶液に氷零下、オキシ塩化リン
641 mgのアセトニトリル 1 ml溶液を5分かけ
滴下し、1時間攪拌した。この溶液に氷零下
、アミノトリフルオロメチルピリジン(3)677 m
gのアセトニトリル1.5 ml溶液を4分かけて滴下
し、30分攪拌した後、30℃で1.5時間攪拌した
この溶液に水 7 mlを滴下した。混合液をろ
し、水 5 mlで結晶を洗浄した。白色結晶の
(4)を1.14 g ( 73.7 % ) 得た。
オギザリルクロライドを用いた化合物(4)の製
造法
窒素気流下、化合物(1)1.0 gの塩化メチレン
4 ml溶液に、氷零下、DMF 13.9 mgを加えた。
温でオギザリルクロライド530 mgの塩化メチ
ン1.5 ml溶液を滴下し、1時間攪拌した後、
温に温度調整し、3時間攪拌した。この溶液
減圧下、溶媒を留去し酸塩化物(2)を1.21 g得
た。この化合物(2)にトルエン3.5 mlを加え30℃
に温度調整し、アミノトリフルオロメチルピ
リジン(3)677 mgとピリジン 331 mgのトルエン1.
5 ml溶液を10分かけて滴下し、50分間攪拌した
。この溶液に水 5 mlを滴下後、析出した結
を濾取し、白色結晶の(4)を1.42 g( 91.5 % )
得た。
五塩化リンを用いた化合物(4)の製造法
窒素気流下、化合物(1)1.0 gの塩化メチレン
5 ml溶液に、氷零下、五塩化リン 871 mgを加
え1時間攪拌した。この溶液を減圧下で溶媒
留去し酸塩化物(2)を1.09 g 得た。この酸塩
物(2)にトルエン 5.5 ml を加え、室温でアミ
ノトリフルオロメチルピリジン(3)677 mg とピ
リジン 330 mgのトルエン 0.5 ml 溶液を15分
けて滴下し、30℃に温度調節し1時間攪拌し
。この反応液に水 5 mlを滴下した。析出し
結晶を濾取し、白色結晶の(4)を1.45 g ( 93
.4 % )得た。
塩化チオニルを用いた化合物(4)の製造法(溶
:トルエン)
窒素気流下、化合物(1)8.8 kg にトルエン
30.5 kg を加えた溶液に、DMF 0.05 kg を加え
。この溶液を50℃に温度調節し、塩化チオニ
ル 4.4 kg を48℃から51℃の間で63分間かけて
下した。同温で65分間攪拌した後、30℃に温
度調整し、アミノトリフルオロメチルピリジ
ン(3)5.4 kg とピリジン 5.8 kg のトルエン3.8
kg 溶液を30℃から37℃の間で40分かけて滴下
、トルエン 3.8 kg で洗浄した。この溶液
30 ℃から37℃の間で60分間攪拌した後、水 2
6.4 kg を30℃から32℃で10分間かけて滴下した
。この溶液を31℃から32℃の間で70分間攪拌し
た後、結晶を濾取し、イソプロパノール 6.9
kg で2回洗浄した。化合物(4)の白色結晶を15.
0 kg (乾燥重量 12.4 kg,91.2 %)を得た。化合物
(4)の白色結晶のIRスペクトルを測定したとこ
、IR 1686 cm -1
に特徴的なピークを示した(KBrで測定)。得ら
た結晶は、II型結晶であった。
塩化チオニルを用いた化合物(4)の製造法(溶
:THF)
窒素気流下、化合物(1)0.5 g のTHF 2.0 ml
液に、氷零下でDMF 2.8 mg 加えた。この溶
を50℃に温度調節した後、塩化チオニル 258
mg のTHF 0.1 ml 溶液を加え1.5時間攪拌した
反応液の温度を30℃に調節し、アミノトリフ
ルオロメチルピリジン(3)339 mg とピリジン330
mg のTHF 0.5 ml 溶液を8分かけて滴下し、同
温で3時間攪拌した後、水を加えた。目的物(4
)が647 mg ( 87.2 %, 定量値)で得られた。有機
層を分離し、濾過後、THF溶液で洗浄し、得ら
れた溶液を減圧下で溶媒留去すると結晶が析
出した。この結晶を濾取し、化合物(4)の白色
結晶を406 mg ( 52.5 % ) で得た。化合物(4)の
白色結晶のIRスペクトルを測定したところ、I
R 1686 cm -1
に特徴的なピークを示した(KBrで測定)。得ら
た結晶は、II型結晶であった。
塩化チオニルを用いた化合物(4)の製造法(溶
:DMF)
窒素気流下、化合物(1)0.5 g のDMF 2.0 ml
溶液を50℃に温度調節した。この溶液に塩化
チオニル 249 mg のDMF 0.1 ml 溶液を加え1.5
間攪拌した。反応液の温度を30℃に調節し、
アミノトリフルオロメチルピリジン(3)339 mg
とピリジン 330 mg のDMF 0.5 ml 溶液を8分か
て滴下し、同温で4時間攪拌した。目的物(4)
が530 mg ( 68.5 %, 定量値)生成した。この溶
に水を 2 ml 滴下し、析出した結晶を濾取
、減圧乾燥した。化合物(4)の白色結晶を 50
0 mg ( 64.6 % )で得た。化合物(4)の白色結晶
IRスペクトルを測定したところ、IR 1686 cm -1
に特徴的なピークを示した(KBrで測定)。得ら
た結晶は、II型結晶であった。
II型結晶からI型結晶への再結晶
窒素気流下、化合物(4)のII型結晶15.0 kg に
アセトン 150.3 kgを加え、50℃で結晶を溶解
し、除塵ろ過後、アセトン 10.7 kg で洗浄し
た。この溶液を常圧濃縮した後、除塵ろ過し
た脱イオン水 68.1 kgを52℃から54℃で滴下し
。得られた懸濁液を10℃から20℃の間で165分
間攪拌した。析出した結晶を濾取し、アセト
ン水溶液 12.1 kg で結晶を2回洗浄し、減圧
燥後、化合物(4)のI型結晶を11.8 kg 得た。
IRスペクトルを測定したところ、出発物質
ある化合物(4)の結晶(II型結晶)は、IR 1686 cm -1
に特徴的なピークを示した(KBrで測定)。生成
である化合物(4)の結晶(I型結晶)は、IR 1708
cm -1
に特徴的なピークを示した(KBrで測定)。
粉末X線構造解析データ
上記(4)で示される化合物について、I型結晶
及びII型結晶の粉末X線回折パターンを測定し
た。その結果、IRスペクトルにおいて1708 cm -1
にピークを示す結晶は、2θ=10.2、14.5、16.8、17
.1、17.7、18.3、19.1、20.2、20.8、26.5度にピーク
示す結晶(I型結晶)であった。IRスペクトル
おいて1686 cm -1
にピークを示す結晶は、2θ=12.5、14.3、16.8、17
.8、18.4、19.0、21.6、33.1度にピークを示す結晶
(II型結晶)であった。図1及び図3はI型結晶の
末X線データであり、図2はII型結晶の粉末X線
データである。
融点データ(DSC)
上記I型結晶及びII型結晶の融点を測定した
その結果、I型結晶の融点は224.6℃であった
II型結晶の融点は219.6℃であった。
I型、II型の各種溶媒での溶解度の比較
I型、II型結晶の各種溶媒での溶解度の測定
行ったところ、以下に示す通りであった。
お、II型結晶の溶解度は、各溶媒に結晶を
々に添加して、溶解した量を測定し、計算
た。
比較例1
WSC/HOBtによるカップリング法実施例
一般的に使用される縮合剤を用いて、カッ
リング実験を行った。下記の実験でカップ
ング試薬として用いられているWSC/HOBtは、
ルボン酸とアミンとのカップリング法にお
て汎用される試薬である。
窒素気流下、化合物(1)500 mgとアミノトリフ
ルオロメチルピリジン(3)323 mgのDMF 5 ml溶液
、-10℃下、WSC 364 mgとHOBt 307.8 mgを加え、D
MF 4 mlで洗浄した。反応温度を0℃に昇温し
2時間攪拌した後、室温で20時間攪拌した。
の反応液を定量した結果、目的物(4)は2.8 %
成していた。
(XRPD)
粉末X線回折パターンの測定
<I型結晶の測定条件>
各実施例で得られた結晶の粉末X線回折測定
、日本薬局方の一般試験法に記載された粉
X線回折測定法に従い、以下の測定条件で行
た。
(装置)
リガク社製RINT TTR III
(操作方法)
試料について、以下の条件で測定を行った。
測定法:反射法
光源の種類:Cu管球
使用波長:CuKα線
管電流:300mA
管電圧:50Kv
試料プレート:アルミニウム(アルミニウム由
の回折ピーク2θ=38.2°)
X線の入射角:4°から40°
<II型結晶の測定条件>
(装置)
リガク社製RINT 1100
(操作方法)
試料について、以下の条件で測定を行った。
測定法:反射法
光源の種類:Cu管球
使用波長:CuKα線
管電流:40mA
管電圧:40Kv
試料プレート:ガラス
X線の入射角:5°から40°
(IR)
赤外吸収スペクトルの測定
各実施例で得られた結晶の赤外吸収スペクト
ルの測定は、以下の測定条件で行った。
(装置)
サーモフィッシャーサイエンティフィック社
(旧社名:サーモエレクトロン)製MAGNA560型
(操作方法)
試料について、以下の条件で測定を行った。
測定方法:ATR法(KBr)
分解能:2(cm -1
)
検出器:DTGS検出器
積算回数:32回
(DSC)
DSCデータの測定
<I型結晶の測定条件>
前記実施例で得られた結晶約1.131mgを量り、
ルミパンにつめ、簡易密封して測定した。
定条件は以下のとおりである。
(測定条件)
装置:Rigaku Industrial Corporation Thermo Plus DSC823
0L
測定範囲:130-250℃
昇温速度:10℃/分
雰囲気:N 2
100mL/分
<II型結晶の測定条件>
前記実施例で得られた結晶約0.976mgを量り、
ルミパンにつめ、簡易密封して測定した。
定条件は以下のとおりである。
(測定条件)
装置:Rigaku Industrial Corporation Thermo Plus DSC823
0L
測定範囲:130-250℃
昇温速度:10℃/分
雰囲気:N 2
100mL/分
本発明を用いることにより、効率よくNPYY 5受容体拮抗作用を有する化合物を製造する とができ、また、精製も効率よく行うこと できる。