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Title:
PROCESS FOR PRODUCTION OF DIALKYLAMINOALKYL (METH)ACRYLATE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/087804
Kind Code:
A1
Abstract:
The object is to provide a process for continuously producing a dialkylaminoalkyl (meth)acrylate by utilizing a transesterification reaction while preventing the production of N,N'-dimethylpiperazine as a by-product. In the process, a starting material component that comprises a dialkylamino alcohol and methyl (meth)acrylate and is supplied to a reactor is allowed to react at a temperature ranging from 90 to 110°C in the presence of tetramethyl titanate, the reaction is allowed to proceed while azeotropically distilling a by-product methanol together with methyl (meth)acrylate, the resulting reaction solution is distilled, a first low-boiling-point component containing the dialkylaminoalkyl (meth)acrylate and an unreacted portion of the starting material component is collected, and the distillation is repeated. In this manner, a dialkylaminoalkyl (meth)acrylate having an N,N'- dimethylpiperazine content of 0.1 mass% or less can be produced.

Inventors:
AOYAMA TAKETSUGU (JP)
TSUIKI TOSHIHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069569
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
October 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOAGOSEI CO LTD (JP)
AOYAMA TAKETSUGU (JP)
TSUIKI TOSHIHIKO (JP)
International Classes:
C07C213/06; C07C213/10; C07C219/08; C07B61/00
Foreign References:
JPS6438047A1989-02-08
JPH02229145A1990-09-11
JPH11322680A1999-11-24
Attorney, Agent or Firm:
KOJIMA, Seiji (8-20 Jingu 3-chome,Atsuta-k, Nagoya-shi Aichi 31, JP)
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Claims:
 ジアルキルアミノアルコールと、メチル(メタ)アクリレートとを用い、副生物であるN,N’-ジメチルピペラジンの含有量が0.1質量%以下であるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート成分を連続的に製造する方法であって、
 反応器に供給された、上記ジアルキルアミノアルコールと、上記メチル(メタ)アクリレートとからなる原料成分を、触媒であるテトラメチルチタネートの存在下、90℃~110℃の範囲の温度で反応させ、副生するメタノールを、メチル(メタ)アクリレートとともに共沸留去させながら、反応を進める反応工程と、
 上記反応工程により得られた反応液を蒸留し、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート及び未反応の原料成分を主として含む第1留出物、並びに、上記触媒を含む第1缶出物を得る第1蒸留工程と、
 上記第1留出物を蒸留し、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを主として含む第2缶出物を得る第2蒸留工程と、
 上記第2缶出物を蒸留し、上記ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート成分を第3留出物として得る第3蒸留工程と、
を備えることを特徴とするジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
 上記反応工程において、上記ジアルキルアミノアルコールから上記ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートへの転化率が30~95%である請求項1に記載のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
 上記反応器内における、上記ジアルキルアミノアルコール及び上記メチル(メタ)アクリレートのモル比が1:1~1:2である請求項1又は2に記載のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
 上記第1蒸留工程において、上記反応液に含まれたミカエル付加物が分解される請求項1乃至3のいずれかに記載のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
 更に、上記第1蒸留工程により得られる第1缶出物を、上記反応器に返送する触媒返送工程を備える請求項1乃至4のいずれかに記載のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
 更に、上記第2蒸留工程により得られる、未反応の原料成分を主として含む第2留出物を、上記反応器に返送する未反応原料成分返送工程を備える請求項1乃至5のいずれかに記載のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
 上記反応器内における、上記ジアルキルアミノアルコール及び上記メチル(メタ)アクリレートのモル比が1:1~1:2であり、
 上記第1蒸留工程において、上記反応液に含まれたミカエル付加物が分解され、且つ、
 更に、上記第1蒸留工程により得られる第1缶出物を、上記反応器に返送する触媒返送工程と、上記第2蒸留工程により得られる、未反応の原料成分を主として含む第2留出物を、上記反応器に返送する未反応原料成分返送工程と、を備える請求項2に記載のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
Description:
ジアルキルアミノアルキル(メタ )アクリレートの製造方法

 本発明は、エステル交換反応を利用し、N ,N’-ジメチルピペラジンの副生を抑制した、 ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレー を連続的に製造する方法に関する。

 従来、ジメチルアミノエチルアクリレート ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジ チルアミノエチルメタクリレート等のアル ルアミノ(メタ)アクリレート、又はそのア ノ基を3級もしくは4級アンモニウム塩とした 化合物がある。この化合物は、繊維の染色性 改良剤、プラスチックの帯電防止剤、塗料に おける顔料分散剤もしくは紫外線硬化助剤、 繊維処理剤、トナー用樹脂、塗料、潤滑油添 加剤、紙力増強剤、接着剤、イオン交換樹脂 、カチオン性高分子凝集剤等を製造するため の単量体原料等に広く用いられている。
 上記アルキルアミノ(メタ)アクリレートの 造方法としては、アルキル(メタ)アクリレー ト及びジアルキルアミノ(アルキル)アルコー のエステル交換反応を利用した方法が知ら ている(特許文献1~6参照)。

 特許文献1には、(メタ)アクリレートとア キルアミノアルコールとをエステル交換反 させてアルキルアミノ(メタ)アクリレート 製造する方法において、反応・蒸留工程後 缶出液を加熱処理して缶出液中の副生成物 分解させ、原料及び/又は目的物として回収 る方法が開示されている。具体例としては 触媒である有機錫化合物(ジブチルスズオキ サイド)の存在下、ジメチルアミノエタノー と、アクリル酸メチルとを反応させ、ジメ ルアミノエチルアクリレート及び高沸点不 物(副生成物)を含む缶出液を100℃で加熱した 後、蒸留によりジメチルアミノエチルアクリ レートを回収している。

 特許文献2には、テトラブチルチタネート 等の触媒の存在下で、n-ブチルアクリレート の(メタ)アクリル酸アルキルエステルをエ テル交換反応させ、反応混合物の蒸留等を うことにより、アルキルアミノ(メタ)アクリ レート等の塩基性(メタ)アクリル酸エステル 製造する方法において、反応条件下で不活 なガス又はガス混合物を、反応領域及び/又 は熱交換器に導通させることを特徴とする製 造法が開示されている。

 特許文献3には、テトラエチルチタネート触 媒の存在下、エチル(メタ)アクリレート及び ミノアルコールを反応させてジアルキルア ノアルキル(メタ)アクリレートを製造する 法が開示されている。
 特許文献4には、メチル(メタ)アクリレート はエチル(メタ)アクリレートとアミノアル ールとのエステル交換反応を、テトラブチ 、テトラエチル及びテトラ(2-エチルヘキシ )チタネートから選択した触媒の存在下、90 ~120℃で行い、その後、3回の蒸留、分離等を 行う製造方法が開示されている。

 特許文献5には、メチル(メタ)アクリレート はエチル(メタ)アクリレートと、炭素数3~20 アルコールR 1 OHとを、テトラアルキルチタネートTi(OR 2 ) 4 触媒の存在下に反応させて、アルキルアミノ (メタ)アクリレートを製造する方法において テトラアルキルチタネートTi(OR 2 ) 4 におけるR 2 基と、アルコールR 1 OHにおけるR 1 基とが同一である製造方法が開示されている 。
 また、特許文献6には、アルカリ金属アルコ ラート又はアルカリ土類金属アルコラートを 触媒とし、アクリル酸メチル(a)若しくはメタ クリル酸メチル(b)と、アミノアルキルアルコ ールとからなる反応液を加熱するエステル交 換反応によりアミノアルキルアクリレート(c) 又はアミノアルキルメタクリレート(d)を製造 する方法において、この反応液中に、メタノ ールに難溶であって該メタノールと最低共沸 混合物を形成する共沸剤(n-ヘキサン等)を存 させ、且つ、各エステル化合物(a)、(b)、(c) は(d)と、アミノアルコール又はメタノール のミカエル(マイケル)付加物を導入すること を特徴とするアミノアルキル(メタ)アクリレ トの製造方法が開示されている。

特開平11-222469号公報

特表2005-506958号公報

特開昭64-38047号公報

特開平11-322680号公報

特開平4-66555号公報

特開平9-286765号公報

 特許文献1に開示された方法によると、触媒 として有機錫化合物を用いているので、ミカ エル付加物等の副生物が大量に生成すること があり、副生物の分解工程及び有効成分の回 収工程が必要となり、経済的負担が大きくな るといった問題があった。
 特許文献2に開示された方法によると、テト ラn-ブチルチタネート触媒の存在下、n-ブチ アクリレート及びジメチルアミノエチルア コールを反応させた場合、得られるジアル ルアミノアルキル(メタ)アクリレート中にお ける、副生物であるN,N’-ジメチルピペラジ の含有割合が高くなるといった問題があっ 。また、このN,N’-ジメチルピペラジンの沸 (130℃~133℃)は、原料であるジメチルアミノ チルアルコールの沸点(134.6℃)と近いため、 蒸留により分離しにくいといった問題もある 。
 そのため、連続製造においては、原料ジメ ルアミノエチルアルコールを反応器に返送 て原単位向上が図られるため、分離できな N,N’-ジメチルピペラジンまで反応器へ返送 され、反応器内でN,N’-ジメチルピペラジン 蓄積する。従って、長期間連続製造した場 は、N,N’-ジメチルピペラジンが高濃度で反 器に存在することになり、ジアルキルアミ アルキル(メタ)アクリレートの反応性を低 させるという問題があった。
 また、特許文献3及び4に開示された方法に いても、テトラエチルチタネート触媒の存 下、エチルアクリレート及びジメチルアミ エチルアルコールを反応させた場合、得ら るジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレ ート中における、副生物であるN,N’-ジメチ ピペラジンの含有割合が高くなるといった 題があった。

 更に、特許文献5に開示された方法によると 、触媒として、予め、ジメチルアミノエチル アルコール及びテトライソプロピルチタネー トを反応させて得られた、N,N-ジメチルアミ エチルチタネートを用いており、余分な装 及び操作が必要となり、経済的負担が大き なるといった問題があった。
 本発明の目的は、エステル交換反応を利用 、N,N’-ジメチルピペラジンの副生を抑制す ることができ、連続製造時において、反応器 内にN,N’-ジメチルピペラジンの蓄積を抑制 た、アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレ ートを連続的に製造する方法を提供すること にある。

 本発明は、以下に示される。
1.ジアルキルアミノアルコールと、メチル(メ タ)アクリレートとを用い、副生物であるN,N -ジメチルピペラジンの含有量が0.1質量%以下 であるジアルキルアミノアルキル(メタ)アク レート成分を連続的に製造する方法であっ 、反応器に供給された、上記ジアルキルア ノアルコールと、上記メチル(メタ)アクリ ートとからなる原料成分を、触媒であるテ ラメチルチタネートの存在下、90℃~110℃の 囲の温度で反応させ、副生するメタノール 、メチル(メタ)アクリレートとともに共沸留 去させながら、反応を進める反応工程と、上 記反応工程により得られた反応液を蒸留し、 ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレー 及び未反応の原料成分を主として含む第1留 出物、並びに、上記触媒を含む第1缶出物を る第1蒸留工程と、上記第1留出物を蒸留し、 ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレー を主として含む第2缶出物を得る第2蒸留工 と、上記第2缶出物を蒸留し、上記ジアルキ アミノアルキル(メタ)アクリレート成分を 3留出物として得る第3蒸留工程と、を備える ことを特徴とするジアルキルアミノアルキル (メタ)アクリレートの製造方法。
2.上記反応工程において、上記ジアルキルア ノアルコールから上記ジアルキルアミノア キル(メタ)アクリレートへの転化率が30~95% ある上記1に記載のジアルキルアミノアルキ (メタ)アクリレートの製造方法。
3.上記反応器内における、上記ジアルキルア ノアルコール及び上記メチル(メタ)アクリ ートのモル比が1:1~1:2である上記1又は2に記 のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレ ートの製造方法。
4.上記第1蒸留工程において、上記反応液に含 まれたミカエル付加物が分解される上記1乃 3のいずれかに記載のジアルキルアミノアル ル(メタ)アクリレートの製造方法。
5.更に、上記第1蒸留工程により得られる第1 出物を、上記反応器に返送する触媒返送工 を備える上記1乃至4のいずれかに記載のジア ルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの 造方法。
6.更に、上記第2蒸留工程により得られる、未 反応の原料成分を主として含む第2留出物を 上記反応器に返送する未反応原料成分返送 程を備える上記1乃至5のいずれかに記載のジ アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート 製造方法。
7.上記反応器内における、上記ジアルキルア ノアルコール及び上記メチル(メタ)アクリ ートのモル比が1:1~1:2であり、
 上記第1蒸留工程において、上記反応液に含 まれたミカエル付加物が分解され、且つ、
 更に、上記第1蒸留工程により得られる第1 出物を、上記反応器に返送する触媒返送工 と、上記第2蒸留工程により得られる、未反 の原料成分を主として含む第2留出物を、上 記反応器に返送する未反応原料成分返送工程 と、を備える上記2に記載のジアルキルアミ アルキル(メタ)アクリレートの製造方法。

 本発明によれば、エステル交換反応を利用 、N,N’-ジメチルピペラジンの副生を抑制し つつ、実質的にジアルキルアミノアルキル( タ)アクリレートであるジアルキルアミノア キル(メタ)アクリレート成分を連続的に製 することができる。従来の方法では、副生 るN,N’-ジメチルピペラジンを除去する工程 更に必要としていたが、本発明では、その 要がないので、ジアルキルアミノアルキル( メタ)アクリレートを効率よく製造すること できる。
 上記反応工程において、ジアルキルアミノ ルコールからジアルキルアミノアルキル(メ タ)アクリレートへの転化率が30~95%である場 には、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アク リレートを、連続的に且つ効率よく製造する ことができる。
 上記第1蒸留工程において、上記反応液に含 まれたミカエル付加物が分解されることによ り、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリ ートを効率よく製造することができる。
 また、上記第1蒸留工程により得られる第1 出物を、上記反応器に返送する触媒返送工 を備える場合には、触媒であるテトラメチ チタネートを再利用することができ、生産 を向上させることができる。
 更に、上記第2蒸留工程により得られる、未 反応の原料成分を主として含む第2留出物を 上記反応器に返送する未反応原料成分返送 程を備える場合には、原料成分を無駄なく 費することができ、生産性を向上させるこ ができる。

本発明の製造方法の一例を示す模式図 ある。

 本発明の、ジアルキルアミノアルキル(メタ )アクリレートの製造方法(以下、「本発明の 造方法」という。)は、ジアルキルアミノア ルコールと、メチル(メタ)アクリレートとを い、副生物であるN,N’-ジメチルピペラジン の含有量が0.1質量%以下であるジアルキルア ノアルキル(メタ)アクリレート成分を連続的 に製造する方法であって、反応器に供給され た、上記ジアルキルアミノアルコールと、上 記メチル(メタ)アクリレートとからなる原料 分を、触媒であるテトラメチルチタネート 存在下、90℃~110℃の範囲の温度で反応させ 副生するメタノールを、メチル(メタ)アク レートとともに共沸留去させながら、反応 進める反応工程と、上記反応工程により得 れた反応液を蒸留し、ジアルキルアミノア キル(メタ)アクリレート及び未反応の原料成 分を主として含む第1留出物、並びに、上記 媒を含む第1缶出物を得る第1蒸留工程と、上 記第1留出物を蒸留し、ジアルキルアミノア キル(メタ)アクリレートを主として含む第2 出物を得る第2蒸留工程と、上記第2缶出物を 蒸留し、上記ジアルキルアミノアルキル(メ )アクリレート成分を第3留出物として得る第 3蒸留工程と、を備えることを特徴とする。
 尚、本明細書において、「(メタ)アクリル は、アクリル及びメタクリルを意味し、「( タ)アクリレート」は、アクリレート及びメ タクリレートを意味する。また、「主として 含む」は、その含有量が、80%以上、好ましく は85%以上、より好ましくは95%以上であること を意味する。

 本発明の製造方法を、図1を用いて、説明す る。
 上記反応工程は、反応器に供給された、ジ ルキルアミノアルコールと、メチル(メタ) クリレートとからなる原料成分を、触媒で るテトラメチルチタネートの存在下、90℃~11 0℃の範囲の温度で反応させ、副生するメタ ールを、メチル(メタ)アクリレートとともに 共沸留去させながら、反応を進める工程であ る。

 上記原料成分は、エステル交換反応に供す 成分であり、ジアルキルアミノアルコール 、メチル(メタ)アクリレートとからなる。 、この「からなる」は、上記原料成分が、 成分を混合してなる混合物であることのみ 意味するものではなく、反応に際して用い 成分をまとめた総称であることを意味する
 上記ジアルキルアミノアルコールとしては ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミ エタノール、ジプロピルアミノエタノール ジブチルアミノエタノール、ジペンチルア ノエタノール、ジヘキシルアミノエタノー 、ジオクチルアミノエタノール、ジベンジ アミノエタノール、メチルエチルアミノエ ノール、メチルプロピルアミノエタノール メチルブチルアミノエタノール、メチルヘ シルアミノエタノール、エチルプロピルア ノエタノール、エチルブチルアミノエタノ ル、エチルペンチルアミノエタノール、エ ルオクチルアミノエタノール、プロピルブ ルアミノエタノール、ジメチルアミノプロ ノール、ジエチルアミノプロパノール、ジ ロピルアミノプロパノール、ジブチルアミ プロパノール、ブチルペンチルアミノプロ ノール等が挙げられる。これらは、1種単独 であるいは2種以上を組み合わせて用いるこ ができる。

 上記テトラメチルチタネート(以下、「触 媒」ともいう。)は、テトラエチルチタネー 、テトラn-ブチルチタネート等を用いた場合 に比べて、N,N’-ジメチルピペラジンの副生 抑制できる、エステル交換反応に好適な触 である。この触媒は、上記原料成分と同様 、反応器に供給される。

 上記反応工程において、反応中の熱重合反 を抑制するために、フェノチアジン、tert- チルカテコール、ハイドロキノン、ハイド キノンモノメチルエーテル等の重合抑制剤 反応器に供給してもよい。また、メチル(メ )アクリレートの重合抑制のために分子状の 酸素を併用してもよい。
 この重合抑制剤の使用量は、上記原料成分 全量に対して、好ましくは0.0001~5.0質量%、 り好ましくは0.001~3.0質量%である。

 上記反応工程において、反応溶媒を用い 必要はないが、副生するメタノールの共沸 果を高めるために、メタノールと共沸混合 を形成する共沸剤であるn-ヘキサン等を用 てもよい。

 上記反応工程において、上記原料成分、上 触媒及び他の成分を反応器へ供給する方法 び条件は、特に限定されない。各成分が所 の割合で混合されてなる混合物を用い、こ 混合物を反応器に供給してもよいが、各成 が接触することなく、所定の割合となるよ に、該割合を維持するように、個別に反応 に供給することも可能である。各成分の供 に際し、連続的に供給してよいし、分割し 供給してもよい。
 上記反応器としては、例えば、攪拌機、温 計、圧力計、ジャケットやコイル等の加熱 、並びに、循環型蒸発器、凝縮器、冷却器 び分留塔を備える精留装置が配設された、 鏡円筒胴容器を用いることができる。

 上記反応器内における、上記ジアルキルア ノアルコール及び上記メチル(メタ)アクリ ートのモル比は、好ましくは1:1~1:2、より好 しくは1:1~1:1.6、更に好ましくは1:1~1:1.5であ 。上記モル比がこの範囲にあると、エステ 交換反応を円滑に進めることができる。
 また、上記反応器内における、上記ジアル ルアミノアルコール及び上記テトラメチル タネートのモル比は、好ましくは1:0.0001~1:0. 1、より好ましくは1:0.001~1:0.05である。上記モ ル比がこの範囲にあると、エステル交換反応 を円滑に進めることができる。
 本発明の製造方法は、後述する、触媒返送 程及び未反応原料成分返送工程を備えるこ ができるが、これらの工程を行う場合、触 成分に含まれる触媒の返送量、及び、未反 原料成分に含まれる原料成分の返送量、並 に、上記好ましい反応モル比を考慮し、新 に供給される、上記原料成分、上記触媒及 他の成分の各供給量が決定される。

 上記反応工程における反応は、反応器内の 合原料の温度を、大気圧下の温度として、9 0℃~110℃、好ましくは95℃~105℃の範囲に維持 ながら行う。上記範囲の温度において反応 せると、エステル交換反応が効率よく進行 、N,N’-ジメチルピペラジンの副生が抑制さ れたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリ ートを製造することができる。尚、上記反 温度が高すぎると、原料であるジアルキル ミノアルコールが留出する場合がある。一 、上記反応温度が低すぎると、ジアルキル ミノアルキル(メタ)アクリレートの生成速 が低下する場合がある。
 また、反応により副生したメタノール(MeOH) 、上記精留装置を用いて、原料成分である チル(メタ)アクリレート(MA又はMMA)とともに 沸留去させるので、エステル交換反応の進 を妨げることなく、反応器内の組成をほぼ 定としながら反応を進めることができる。 の留去されたメチル(メタ)アクリレートを むメタノールは原料として再使用すること 可能である。
 上記反応工程は、減圧下で行ってもよい。 の場合、反応器内の圧力は、好ましくは500~ 760Torrである。尚、反応を減圧下で行う場合 反応温度は、上記圧力下における温度に対 する温度に調整される。
 上記反応工程における反応時間(滞留時間) 、反応温度及び触媒の使用量等に依存する 、通常、1~10時間である。

 上記反応工程において、上記ジアルキルア ノアルコールからジアルキルアミノアルキ (メタ)アクリレートへの転化率は、好まし は30~95%であり、より好ましくは30~80%である この転化率が、この範囲にあると、経時と もに反応器に供給される原料成分、触媒等 構成割合(反応モル比)を、常時、好ましい範 囲に設定することが容易であるので、安定し た連続製造を進めることができる。
 上記転化率は、下記式により求められる。

 上記反応工程における反応は、副生する タノールを、メチル(メタ)アクリレートと もに共沸留去させながら進められるが、得 れる反応液は、通常、ジアルキルアミノア キル(メタ)アクリレートと、未反応の原料成 分(ジアルキルアミノアルコール及びメチル( タ)アクリレート)と、触媒と、副生したN,N -ジメチルピペラジン及びミカエル付加物と を含む。更に、この反応液は、重合抑制剤 、副生したメタノールと、を含む場合があ 。

 上記反応液に含有されるN,N’-ジメチルピ ペラジンは、極微量である。このN,N’-ジメ ルピペラジンの含有量は、上記反応液に対 て、通常、1000質量ppm以下、好ましくは0~100 量ppmである。このN,N’-ジメチルピペラジン 含有量は、ガスクロマトグラフィー(GC)によ り測定することができる。

 上記反応液に含有されるミカエル付加物 しては、メチルメトキシ(メチル)プロピオ ート、メチルジアルキルアミノアルコキシ( チル)プロピオネート、ジメチルアミノアル キルメトキシ(メチル)プロピオネート、ジメ ルアミノアルキルジメチルアミノアルコキ (メチル)プロピオネート等が挙げられる。

 その後、上記反応液は、配管を通して、 応器から蒸留塔C1等を備える蒸留装置1に送 れ、第1蒸留工程が行われる(図1参照)。この 第1蒸留工程において、蒸留装置1により、少 くともジアルキルアミノアルキル(メタ)ア リレートを蒸留する条件で上記反応液を蒸 して、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アク リレート及び未反応の原料成分を主として含 み、且つ、蒸留塔C1の塔頂部から留出させる 1留出物と、触媒を含み、且つ、塔底部から 抜き出される第1缶出物とに分留する。蒸留 行うに際して、上記反応液に含まれる、メ ル(メタ)アクリレート及びジアルキルアミノ アルキル(メタ)アクリレートの熱重合を抑制 るために、必要に応じて、重合抑制剤を更 添加してもよい。

 上記第1留出物は、ジアルキルアミノアルキ ル(メタ)アクリレート及び未反応の原料成分 主として含み、好ましくは、ジアルキルア ノアルキル(メタ)アクリレートの沸点以下 温度で蒸発し、回収された成分である。こ 第1留出物は、上記反応工程により副生した タノール及びN,N’-ジメチルピペラジン、重 合抑制剤等を含む場合がある。
 上記第1留出物に含有されるジアルキルアミ ノアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、 アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレー 及び未反応の原料成分の合計を100質量%とし 場合に、通常、20~80質量%、好ましくは40~60 量%である。

 また、上記第1缶出物は、触媒以外に、ジア ルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、 反応の原料成分、上記反応工程により副生 たメタノール及びN,N’-ジメチルピペラジン 、重合抑制剤等が含まれる場合がある。
 上記第1缶出物に含有される触媒の含有量は 、通常、5~20質量%である。
 尚、上記第1缶出物は、失活した触媒を含有 せず、この失活触媒は、通常、廃棄される。

 上記第1留出物は、上記蒸留塔C1の塔頂部 ら留出する。この第1留出物は、配管を通し て、蒸留装置2に送られる。一方、上記第1缶 物に含有される触媒は、再利用可能である 従って、上記蒸留塔C1の塔底部から抜き出 れた第1缶出物を、回収した後、又は、その ま、配管を通して、反応器に返送すること できる。即ち、触媒返送工程を備えること できる。尚、上記第1缶出物に、メチル(メ )アクリレートの重合体、ジアルキルアミノ ルキル(メタ)アクリレートの重合体、スラ ジ、原料成分等に含まれる微量の水分とテ ラメチルチタネートにより生成する、反応 性が低下した触媒成分を含有する場合には それを除去してから反応器に返送すること 好ましい。

 上記第1蒸留工程において、蒸留条件を、 減圧下、110℃~130℃とすることにより、上記 応液に含まれたミカエル付加物を分解する とができる。即ち、この第1蒸留工程におい 、上記ミカエル付加物の一部は、分解され 。これにより、ジアルキルアミノアルキル( メタ)アクリレートの収率低下を抑制するこ ができる。尚、分解物の大半は、留出して 1留出物となる。

 次に、上記第1留出物は、蒸留塔C2等を備 る蒸留装置2により蒸留される(第2蒸留工程) 。この第2蒸留工程において、少なくとも、 アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート と、未反応の原料成分(ジアルキルアミノア コール及びメチル(メタ)アクリレート)と、 分離する条件で上記第1留出物を蒸留する。 して、ジアルキルアミノアルキル(メタ)ア リレートを主として含む第2缶出物、及び、 反応の原料成分とジアルキルアミノアルキ (メタ)アクリレートを主として含む第2留出 を得る。蒸留を行うに際して、上記第1留出 物に含まれる、メチル(メタ)アクリレート及 ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレ トの熱重合を抑制するために、必要に応じ 、重合抑制剤を更に添加してもよい。

 上記第2缶出物は、ジアルキルアミノアルキ ル(メタ)アクリレートを主として含み、好ま くは、ジアルキルアミノアルキル(メタ)ア リレートの沸点以下の温度で蒸発する成分( 2留出物)を留出した後の缶出物である。こ 第2缶出物は、上記反応工程により副生したN ,N’-ジメチルピペラジン、重合抑制剤等を含 む場合がある。
 上記第2缶出物に含有されるジアルキルアミ ノアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、 常、98.0~100質量%、好ましくは99.0~100質量%で る。この第2缶出物に含有される他の成分と しては、N,N’-ジメチルピペラジン、重合抑 剤等が挙げられる。
 上記第2缶出物にN,N’-ジメチルピペラジン 含有される場合、その含有量は、通常、1000 量ppm以下、好ましくは0~500質量ppmである。

 また、上記第2留出物は、未反応の原料成 分(ジアルキルアミノアルコール及びメチル( タ)アクリレート)を主として含み、更に、 記反応工程により副生したメタノール等の か、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリ レート及びN,N’-ジメチルピペラジンが含ま る場合がある。この第2留出物に含有される 分のうち、ジアルキルアミノアルコール及 メチル(メタ)アクリレートの合計量の割合 、最初に反応器に供給されたジアルキルア ノアルコール及びメチル(メタ)アクリレート の合計量に対して、通常、20~60質量%である。

 上記第2蒸留工程においては、通常、上記第 2缶出物に含まれるジアルキルアミノアルキ (メタ)アクリレートと、上記第2留出物に含 れる物質の中で最も高い沸点を有する物質 の間で、沸点の差が大きいので、ジアルキ アミノアルキル(メタ)アクリレートが第2留 物に混在しにくく、上記反応工程において 成したジアルキルアミノアルキル(メタ)アク リレートの大部分が、上記第2缶出物に含ま ている。
 例えば、ジアルキルアミノアルコールとし 、ジメチルアミノエチルアルコール(沸点134 .6℃)を用い、これを、触媒の存在下、メチル アクリレート(沸点80.0℃)と反応させた場合、 得られるジアルキルアミノアルキル(メタ)ア リレートは、ジメチルアミノエチルアクリ ート(沸点172.3℃)である。このとき、第2留 物は、ジメチルアミノエチルアルコール、 チルアクリレート及びメタノール(沸点64.7℃ )を主成分としており、これらの沸点が、い れも、ジメチルアミノエチルアクリレート 沸点よりも大きく下回っているため、第2蒸 工程により得られる第2缶出物は、高純度の ジメチルアミノエチルアクリレートを含有す る。

 上記第2缶出物は、上記蒸留塔C2の塔底部 ら抜き出される。この第2缶出物は、配管を 通して、蒸留装置3に送られる。一方、上記 2留出物は、上記蒸留塔C2の塔頂部から留去 れる。尚、上記第2留出物に含有される未反 の原料成分及びメタノールは、再利用可能 あることから、上記蒸留装置2から、配管を 通して、反応器に返送することができる。即 ち、未反応原料成分返送工程を備えることが できる。

 その後、上記第2缶出物は、蒸留塔C3等を備 る蒸留装置3により蒸留される(第3蒸留工程) 。この第3蒸留工程において、少なくとも、 アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート を精留する条件で上記第2缶出物を蒸留する 蒸留を行うに際して、上記第2缶出物に含ま るジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリ ートの熱重合を抑制するために、必要に応 て、重合抑制剤を更に添加してもよい。
 そして、上記第3蒸留工程において、上記蒸 留塔C3の塔頂部から、ジアルキルアミノアル ル(メタ)アクリレートを含み、且つ、N,N’- メチルピペラジンの含有量が0.1質量%以下、 好ましくは0.01質量%以下(但し、下限は、通常 、0質量%)であるジアルキルアミノアルキル( タ)アクリレート成分(以下、「第3留出物」 もいう。)を得ることができる。この第3留出 物は、実質的に、ジアルキルアミノアルキル (メタ)アクリレートであるが、微量の重合抑 剤が含まれている場合もある。
 また、上記第3蒸留工程において、上記蒸留 塔C3の塔底部から、ジアルキルアミノアルキ (メタ)アクリレートよりも沸点の高い重合 等の副生物を含む第3缶出物が得られる。こ 第3缶出物は、ジアルキルアミノアルキル( タ)アクリレート、重合抑制剤等を含む場合 ある。この成分は、廃棄してよいし、必要 応じて、配管を通して、蒸留装置1に返送す ることができる。

 上記未反応原料成分返送工程においては、 反応原料を含む第2留出物を、反応器に、連 続的に返送してよいし、分割して返送しても よい。この第2留出物は、反応器内における 料成分が、反応に最適なモル比の組成とな ような条件、即ち、反応器内におけるジア キルアミノアルコール及びメチル(メタ)アク リレートのモル比が、好ましくは1:1~1:2、よ 好ましくは1:1~1:1.6となるように返送するこ が好ましい。
 返送される第2留出物と、新たに供給される 原料成分とを用いて、連続製造を行うことが できる。このとき、新たに供給される原料成 分の供給量は、返送される第2留出物の組成 応じて、調整される。

 以上の説明から明らかなように、本発明 製造方法によると、触媒であるテトラメチ チタネートの存在下、ジアルキルアミノア コールと、メチル(メタ)アクリレートとを 応させることにより、ジアルキルアミノア キル(メタ)アクリレートを高純度で含み、副 生するN,N’-ジメチルピペラジンの含有量が0. 1質量%以下であるジアルキルアミノアルキル( メタ)アクリレート成分を得ることができ、 続製造方法に好適である。連続製造におい 、副生するN,N’-ジメチルピペラジンが反応 に蓄積する量が極めて少ないので、生産性 低下が抑制できる。また、副生物を除去す 精製工程を新たに備えることなく、ジアル ルアミノアルキル(メタ)アクリレートを高 度で得られるので、大変有用である。更に 上記のように、触媒回収工程及び未反応原 成分回収工程を更に備える場合には、原料 分を無駄なく反応に有効活用できるため、 い生産性を与える連続製造に好適である。

 以下、本発明について、実施例を挙げて 体的に説明するが、本発明は、これらの実 例に何ら制約されるものではない。

1.測定方法
 下記の実施例等における、ジアルキルアミ アルキル(メタ)アクリレートの収率の算出 法、及び、副生物(N,N’-ジメチルピペラジン )の含有量の測定方法を示す。
(1)収率
 ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレ トの収率は、下記式により求めた。
(2)副生物(N,N’-ジメチルピペラジン)の含有量
 ガスクロマトグラフィー(GC)により、下記条 件で分析した。
 カラム     ; 島津製作所社製「ZB-1」(溶 シリカキャピラリーカラム、           膜厚30μm、内径0.32mm、長さ60m)
 カラム温度   ; 60℃→170℃(昇温速度5℃/ ),170℃→250℃(           昇温速度20℃/ ),250℃で保持
 GC注入口温度 ; 350℃
 検出器     ; FID
 検出器温度   ; 350℃
 キャリアガス  ; 窒素(流速4.3ml/分、スプ ット比1/14)

 上記測定条件によると、得られるガスクロ トグラムでは、表1に示す保持時間をもって 、検出物質が示される。

2.ジメチルアミノエチルアクリレートの製造
  参考例1(バッチ法による製造)
 攪拌機、温度計、並びに、冷却器及び分留 を備える精留装置が配設された反応器に、6 45.7g(7.5mol)のメチルアクリレート(MA)と、445.7g( 5.0mol)のジメチルアミノエチルアルコールと 22.4g(0.131mol)のテトラメチルチタネートと、2. 8gのフェノチアジンとを仕込んだ。次いで、 気圧下、反応器内の原料成分を窒素ガスで ブリングし、また、撹拌しながら加熱を開 した。そして、上記分留塔の塔頂部の温度 62℃~65℃とし、反応器内の混合原料の温度 90℃~110℃に維持しながら、エステル交換反 を7時間行った。反応は、副生するメタノー と、反応液中のメチルアクリレートとを還 比10で蒸留し、概ね共沸組成で留去しなが 行った。
 反応終了後、ジメチルアミノエチルアクリ ート(DA)の収率は71.4%であり、ジメチルアミ エチルアルコールからの転化率は75.8%であ た。また、ジメチルアミノエチルアクリレ トを含む反応液をガスクロマトグラフィー(G C)により分析したところ、副生物であるN,N’- ジメチルピペラジンが検出限界(100ppm)未満で ることが分かった。
 次いで、反応液中の触媒を、窒素ガス雰囲 下、圧力30Torr及び温度90℃~100℃の条件で除 し、ジメチルアミノエチルアクリレートを む留出液708.7gを得た。
 その後、この留出液に、1,000質量ppmのフェ チアジンを加え、冷却器及び分留塔を備え 精留装置(理論段15段)を用い、窒素ガス雰囲 下、圧力20Torr、温度70℃~85℃及び還流比1~10 条件で、この混合物から、メタノール、メ ルアクリレート及びジメチルアミノエチル クリレートを留去した。そして、窒素ガス 囲気下、圧力20Torr、温度85℃~95℃及び還流 1~2の条件で精留し、486gのジメチルアミノエ ルアクリレート成分を得た。最終的なジメ ルアミノエチルアクリレートの収率は67.8% あった。また、得られたジメチルアミノエ ルアクリレートの純度は99.9%であった。

  参考例2(バッチ法による製造)
 メチルアクリレート及びテトラメチルチタ ートを、それぞれ、ブチルアクリレート及 テトラブチルチタネートに代え、更に、上 分留塔の塔頂部の温度を110℃~120℃、反応器 内の混合原料の温度を120℃~130℃とした以外 、参考例1と同様にしてジメチルアミノエチ アクリレートを製造した。
 7時間反応を行った後、ジメチルアミノエチ ルアクリレートの収率は73.2%であり、ジメチ アミノエチルアルコールからの転化率は86.7 %であった。また、ジメチルアミノエチルア リレートを含む反応液をガスクロマトグラ ィー(GC)により分析したところ、N,N’-ジメチ ルピペラジンの含有量は2.6%であった。

  実施例1(連続法による製造)
 図1に示す構成の製造装置を用いて、ジメチ ルアミノエチルアクリレート(DA)の製造を行 た。図1は、精留装置が配設された反応器内 原料成分を反応させる反応工程と、反応器 り送られた反応液から、ジメチルアミノエ ルアクリレート(DA)等を蒸留するための蒸留 塔C1を有する蒸留装置1を備える第1蒸留工程 、蒸留装置1より送られた留出物(第1留出物) ら、第2缶出物(ジメチルアミノエチルアク レートを主に含む)と第2留出物とを分留する ための蒸留塔C2を有する蒸留装置2を備える第 2蒸留工程と、蒸留装置2より送られた第2缶出 液を、蒸留塔C3を有する蒸留装置3により蒸留 し、高純度のジメチルアミノエチルアクリレ ートを留出する第3蒸留工程と、を行う製造 置の概略図である。尚、蒸留装置1は、上記 1缶出物(再利用可能な触媒を含む)を反応器 返送するための触媒返送手段を備える。ま 、蒸留装置2は、未反応の原料成分を主とす る第2留出物を反応器へ返送するための未反 原料成分返送手段を備える。更に、蒸留装 3は、蒸留塔C3の第3缶出物を蒸留装置1へ返送 するための有効物返送手段を備える。

 攪拌機、温度計、並びに、循環型蒸発器、 縮器、冷却器及び分留塔を備える精留装置 配設された反応器に、1時間あたり、151gの メチルアミノエチルアルコールと、193gのメ ルアクリレート(MA)と、1.8gのテトラメチル タネートとを供給しながら、また、凝縮器 塔頂部から1質量%フェノチアジンのメタノー ル溶液8.0gを供給し、大気圧下、反応器内の 応液を窒素ガスでバブリングし、また、撹 しながらエステル交換反応を行った。反応 、分留塔の塔頂部の温度を62℃~65℃とし、反 応器内の混合原料の温度を90℃~110℃に維持し ながら、且つ、反応により生成するメタノー ルと反応液中のメチルアクリレートとを分留 塔の塔頂部から還流比10で留出させながら進 た(1時間あたりの留出量216g)。尚、反応を連 続的に進めた際には、1時間あたり、後に、 留装置1の蒸留塔C1の塔底部からの触媒含有 液(活性な触媒を含む成分)60gと、蒸留装置2 蒸留塔C2の塔頂部からの、ジメチルアミノエ チルアクリレート、ジメチルアミノエチルア ルコール、メチルアクリレート及びメタノー ルからなる留出物(第2留出物)216gとを、それ れ、反応器に返送し、再利用した。他の返 成分は、後述する。
 反応開始から7時間経過した後、反応器内の 反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により 析したところ、N,N’-ジメチルピペラジンが 出限界(100ppm)未満であり、ミカエル付加物 含有量の合計は、4.0質量%であった。また、 のときのジメチルアミノエチルアルコール らの転化率は60.8%であった。

 次に、反応器から、1時間あたり499gの反応 を、循環型蒸発器及び蒸留塔C1を備える蒸留 装置1に供給し、蒸留を行った。そして、こ 蒸留塔C1の塔頂部から、沸点172.3℃以下の第1 留出物(ジメチルアミノエチルアクリレート ジメチルアミノエチルアルコール、メチル クリレート及びメタノールからなる混合物) 留出させた。その留出量は、1時間あたり471 gであった。尚、この留出物には、ミカエル 加物を含む副生成物は、0.4質量%であった。
 また、上記蒸留塔C1における第1缶出物のう 、約80%の量に相当する、再利用可能な触媒 含む溶液は、1時間あたり60gの割合で反応器 へ返送し、約20%の残部は、1時間あたり1.5gの 合で廃棄した。

 その後、上記蒸留塔C1の塔頂部からの留 物である第1留出物を、1時間あたり471gの割 で、循環型蒸発器及び蒸留塔C2を備える蒸留 装置2に供給し、蒸留を行った。そして、こ 蒸留塔C2の塔頂部から、ジメチルアミノエチ ルアルコール、メチルアクリレート及びメタ ノールを留出させ、これらの混合物を、1時 あたり216gの割合で反応器へ返送した。一方 上記蒸留塔C2の塔底部から抜き出された第2 出物中のジメチルアミノエチルアクリレー の純度は99.9%であった。

 次いで、上記蒸留塔C2の塔底部からの抜 出し物である第2缶出物を、1時間あたり256g 割合で、蒸留塔C3及び凝縮器を備える蒸留装 置3に供給し、蒸留を行った。そして、この 留塔C3の塔頂部から、ジメチルアミノエチル アクリレート成分を回収した。ジメチルアミ ノエチルアクリレートの純度は100%であった 尚、上記蒸留塔C3における第3缶出物は、1時 あたり240gの割合で蒸留塔C1へ返送した。

 上記のような1回目の製造の後、上記反応 器に、1時間あたり、上記第2留出物のうちの2 16gと、上記第1缶出物(触媒含有溶液)のうちの 60gとを返送し、新たに、1時間あたり、151gの メチルアミノエチルアルコールと、193gのメ チルアクリレート(MA)と、1.8gのテトラメチル タネートとを供給しながら、ジメチルアミ エチルアクリレートの製造を行った。その の製造工程は上記と同様である。この条件 、30日間連続でジメチルアミノエチルアク レートを製造したところ、いずれも、反応 中のN,N’-ジメチルピペラジンの含有量は、0 .1質量%以下であった。

  比較例1
 メチルアクリレート及びテトラメチルチタ ートを、それぞれ、ブチルアクリレート及 テトラブチルチタネートに代え、更に、反 温度を120℃~130℃、塔頂部の温度を110℃~120 とした以外は、実施例1と同様にしてジメチ アミノエチルアクリレートを製造した。
 7時間反応を行った後、ジメチルアミノエチ ルアルコールからの転化率は79.6%であった。 た、ジメチルアミノエチルアクリレートを む反応液をガスクロマトグラフィー(GC)によ り分析したところ、N,N’-ジメチルピペラジ の含有量は0.8質量%であった。そして、蒸留 C3の塔頂部から得られたジメチルアミノエ ルアクリレートの純度は99.9%であった。
 更に、実施例1と同様にして、ジメチルアミ ノエチルアクリレートの製造を30日間連続で ったところ、反応液中のN,N’-ジメチルピペ ラジンの含有量は、1.6質量%であった。
 その後、連続製造を継続しながら、反応器 の反応液をサンプリングし、N,N’-ジメチル ピペラジンの含有量を測定したところ、製造 開始から60日目及び120日目において、反応液 のN,N’-ジメチルピペラジンの含有量は、そ れぞれ、2.5質量%及び4.1質量%であった。連続 造120日において、N,N’-ジメチルピペラジン の含有量が増加することで、ジメチルアミノ エチルアクリレートの生産性が低下したため 、製造を停止した。

 以上の結果より、実施例1によって、最終 製品であるジメチルアミノエチルアクリレー トと、原料成分であるメチルアクリレート、 及び、反応中に副生するメタノールの両方と の沸点差が大きいため、安定した製造を進め ることができ、反応液中にN,N’-ジメチルピ ラジン等が蓄積しないため、連続製造条件 おいても高純度のジメチルアミノエチルア リレートを得ることができた。

 本発明の製造方法は、テトラメチルチタ ートの存在下、ジアルキルアミノアルコー と、メチル(メタ)アクリレートとを反応さ ることにより、副生物、特に、N,N’-ジメチ ピペラジンの含有量が、0.1質量%以下と著し く少量であり、新たに、副生物の除去工程を 備えることなく、連続的なジメチルアミノエ チルアクリレートの製造を効率よく行うこと ができる。また、本発明の方法により製造さ れたジメチルアミノエチルアクリレート、又 はそのアミノ基を3級もしくは4級アンモニウ 塩とした化合物は、繊維の染色性改良剤、 ラスチックの帯電防止剤、塗料における顔 分散剤もしくは紫外線硬化助剤、繊維処理 、トナー用樹脂、塗料、潤滑油添加剤、紙 増強剤、接着剤、イオン交換樹脂、カチオ 性高分子凝集剤等を製造するための単量体 料等に広く用いられる。