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Title:
PROCESS FOR PRODUCTION OF DITRIMETHYLOLPROPANE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057466
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a process for reacting normal-butyraldehyde with formaldehyde in the presence of a basic catalyst to produce trimethylolpropane and ditrimethylolpropane. The process comprises the following steps (I) to (III): (I) reacting normal-butyraldehyde with formaldehyde (1) in the presence of a basic catalyst (1) to yield a reaction mixture containing trimethylolpropane, ditrimethylolpropane and 2-ethyl-2-propenal; (II) distilling the reaction mixture to collect 2-ethyl-2-propenal; and (III) adding 2-ethyl-2-propenal collected, formaldehyde (2) and optionally a basic catalyst (2) to the distillation residual solution yielded after the collection of 2-ethyl-2-propenal and allowing the reaction of producing ditrimethylolpropane to proceed, wherein formaldehyde and the basic catalyst are supplied in the steps (I) and (II) in specified amounts. The process enables to produce ditrimethylolpropane with a high degree of efficiency. By employing the process, the yield of di-TMP can be significantly improved, and the amount of a by-product bis-TMP relative to the amount of the desired product di-TMP can be reduced significantly. Therefore, the process enables to produce di-TMP with a high degree of efficiency and in an industrially advantageous manner.

Inventors:
WATANABE MASAFUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068863
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI GAS CHEMICAL CO (JP)
WATANABE MASAFUMI (JP)
International Classes:
C07C41/06; C07C29/38; C07C31/22; C07C43/13; C07B61/00
Foreign References:
JPS5711934A1982-01-21
JPS57139028A1982-08-27
JP2003267904A2003-09-25
JPH09268150A1997-10-14
US3097245A1963-07-09
JPS4730611A
JPS49133311A1974-12-21
JP2002047231A2002-02-12
JP2005023067A2005-01-27
JPS57139028A1982-08-27
JPS57142929A1982-09-03
JPH08157401A1996-06-18
JPH06501470A1994-02-17
JPH09268150A1997-10-14
Other References:
See also references of EP 2204356A4
Attorney, Agent or Firm:
OHTANI, Tamotsu (Bridgestone Toranomon Bldg.6F. 25-2, Toranomon 3-chome, Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
塩基触媒の存在下、ノルマルブチルアルデヒドとホルムアルデヒドを反応させてトリメチロールプロパンと共にジトリメチロールプロパンを製造する方法であって
(I)塩基触媒(1)の存在下、ノルマルブチルアルデヒドとホルムアルデヒド(1)を反応させて、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパンおよび2-エチル-2-プロペナールを含有する反応混合液を得る工程、
(II)  工程Iで得られた反応混合液を蒸留して2-エチル-2-プロペナールを回収する工程および
(III) 工程IIで2-エチル-2-プロペナールを回収した後の蒸留残留液に、回収された2-エチル-2-プロペナールおよびホルムアルデヒド(2)、または更に塩基触媒(2)を添加し、ジトリメチロールプロパンの生成反応を進行させる工程を有し、
 原料のノルマルブチルアルデヒド1.0モルに対して、(a)ホルムアルデヒド(1)の供給量が2.0~3.5モル、(b)ホルムアルデヒド(1)とホルムアルデヒド(2)の合計供給量が3.0~4.5モルであり、(c)塩基触媒(1)の供給量が0.5~1.5当量、(d)塩基触媒(1)と塩基触媒(2)の合計供給量が1.0~2.5当量、(e)2-エチル-2-プロペナールの回収量が0.05~0.5モルであることを特徴とするジトリメチロールプロパンの製造方法。
工程Iにおける反応温度が45~120℃である請求項1に記載のジトリメチロールプロパンの製造方法。
工程IIの蒸留温度が45℃~120℃である請求項1または2に記載のジトリメチロールプロパンの製造方法。
工程IIにおいて、0.01~20質量倍の水を同伴した2-エチル-2-プロペナールの共沸物として回収する請求項1~3のいずれかに記載のジトリメチロールプロパンの製造方法。
工程IIIにおける反応温度が45~120℃である請求項1~4のいずれかに記載のジトリメチロールプロパンの製造方法。
Description:
ジトリメチロールプロパンの製 方法

 本発明は、塩基触媒の存在下でのノルマ ブチルアルデヒドとホルムアルデヒドの反 において、ジトリメチロールプロパンを効 よく製造する方法に関する。

 塩基触媒の存在下、ノルマルブチルアルデ ド(以下、NBDと称す)とホルムアルデヒドと アルドール縮合及び交叉カニッツアロ反応 よってトリメチロールプロパン(以下、TMPと す)を工業的に製造する際に、副生物として ジトリメチロールプロパン(以下、di-TMPと称 )が生成し、高沸点混合物からdi-TMPが回収さ る(特許文献1)。
 この高沸点混合物からdi-TMPを回収する方法 は、NBDとホルムアルデヒドとの反応生成液 濃縮後、または濃縮せずに、溶媒を用いて 出することで、実質的に蟻酸ナトリウムを まないTMP抽出液(粗TMP)が得られ、粗TMPを高 空下の蒸留で精製することにより、TMPを1~20% 、di-TMPを20~50%含む蒸留釜残が得られる。
 この粗TMPの蒸留釜残からdi-TMPを回収する方 としては、酢酸エチルにより晶析する方法( 特許文献2)、蟻酸ソーダの存在下、水溶媒に り晶析する方法(特許文献3)、1,4-ジオキサン 溶媒により晶析する方法(特許文献4)、アセト ン溶媒により晶析する方法(特許文献5)等が提 案されている。

 主目的物であるTMPの蒸留釜残からdi-TMPを回 する方法は、現在一般的に行われているdi-T MPの製造方法であるが、この方法では、蒸留 残に、TMPの製造原料であるホルムアルデヒ およびNBD、TMP蒸留回収中に生じた変性物、T MPとホルムアルデヒドのアセタール等のdi-TMP 外の副生成物が残留し、これらの中から、d i-TMPのみを分離回収する必要があり、di-TMPの 有率も低いことから、工業的に満足できる 率でdi-TMPを回収することが困難である。
 特に、TMP製造の蒸留釜残中にTMPの2分子とホ ルムアルデヒドとの直鎖状ホルマールである ビストリメチロールプロパン(以下bis-TMPと称 )が含まれており、このbis-TMPとdi-TMPとの分 が困難であり、di-TMPを効率的に生産するた にはbis-TMPの副生量を大幅に削減することが 要である。

 di-TMPを効率的に生産するために、TMPを製造 る際のdi-TMP副生量を増加させることが検討 れており、反応条件をある特定の条件に設 する方法(特許文献6及び特許文献7)や、反応 系に水に溶解しない有機溶剤を添加する方法 (特許文献8)が提案されている。
 これらの方法におけるdi-TMPの生成量は、NBD 基準とした収率で10モル%程度であり、上記 di-TMP副生量の増加を実施しない従来のTMP製 方法におけるdi-TMP副生量に比べ2~3倍の副生 に過ぎない。このようにdi-TMPはTMP製造の副 物であるため、必然的にdi-TMP生産量はTMPの 産量に制約され、di-TMPの需要増加に対応で ない。
 また、反応系に水に溶解しない有機溶剤を 加して抽出する特許文献8に記載の方法では 、抽出後の水層、有機層の双方に目的化合物 が含まれるので、反応後の後処理が極めて煩 雑になるだけでなく、使用した有機溶剤を蒸 留回収する必要もあるので、工業的に極めて 不利である。

 一方、di-TMPの合成方法としては、TMPの2分 子の脱水縮合によるエーテル結合を生成させ る方法(特許文献9)や、2-エチル-2-プロペナー (以下、ECRと称す)とTMPを反応させることに りdi-TMPを合成する方法(特許文献10)があり、 れらの方法では、TMPの蒸留釜残からdi-TMPを 収する方法のように前記のdi-TMPの需給増加 対してTMPの生産量に制約されることがない

 しかしながら、TMPの2分子の脱水縮合による エーテル結合を生成させる方法では、1分子 に反応に関与しうるアルコール性水酸基を3 有する構造のTMPでは、TMP分子間の反応であ ため、必然的に起こる3分子以上のエーテル 縮合体の副生が避けられず、これを抑えるた めにはTMPの脱水縮合反応の反応率を低く設定 する必要があり、それに伴い未反応TMPの蒸留 回収が大きな経済的負担となり、工業的に不 利である。
 特許文献9では、この点を改良するために、 3個あるアルコール性水酸基の一部を低級脂 酸のエステルとして予め反応させたTMPを原 として用いる方法が記載されているが、そ 場合に選択的にTMPの1分子中のアルコール性 酸基2個のみを低級脂肪酸のエステルとして 反応させることができないので、3分子以上 エーテル縮合体が副生する問題が本質的に 決されない。また、特許文献9の方法では、1 個ないし2個のアルコール性水酸基がエステ 化されたTMPが生成するので、エステル化さ たアルコール性水酸基を有するdi-TMPから、 水分解によりdi-TMPを再生する工程が新たに 要となり、経済的負担が増加し工業的に不 である。
 また、特許文献10の方法においては、ECRに しTMPを大過剰に用いた場合でもECR基準のdi-TM Pの収率は70%未満であり、di-TMPの回収のみな ず、過剰に使用したTMPを蒸留回収する必要 あるので、経済的に不利である。

米国特許第3,097,245号明細書

特開昭47-30611号公報

特開昭49-133311号公報

特開2002-47231号公報

特開2005-23067号公報

特開昭57-139028号公報

特開昭57-142929号公報

特開平8-157401号公報

特表平6-501470号公報

特開平9-268150号公報

 以上のように従来のdi-TMPの製造方法におい 、(A)塩基触媒の存在下、ノルマルブチルア デヒドとホルムアルデヒドの反応によって 成するTMPの蒸留釜残からdi-TMPを回収する方 では、(1)di-TMPの含有率が低く、di-TMPはTMP製 の副生物であるため、必然的にその生産量 TMPの生産量に制約されてdi-TMPの需要増加に 応できないこと、(2)bis-TMPとの分離が困難で あることなどの課題があり、(B)di-TMPを合成す る方法では、di-TMPの収率が低く、未反応TMPの 蒸留回収が大きな経済的負担となることなど の課題がある。
 本発明の目的は、塩基触媒の存在下、ノル ルブチルアルデヒドとホルムアルデヒドの 応によって、di-TMPを効率良く、工業的に有 に製造する方法を提供することにある。

 本発明者らは上記の如き課題を有するdi-TMP 製造方法について鋭意検討を行った結果、 基触媒の存在下、ノルマルブチルアルデヒ とホルムアルデヒドを反応させる方法にお て、副生するECRを蒸留により分離し、その 留残留液とECRを特定の条件で反応させれば di-TMPを効率よく製造できることを見出し、 発明に到達した。
 すなわち、本発明は、以下に示すdi-TMPの製 方法である。

1.塩基触媒の存在下、ノルマルブチルアルデ ドとホルムアルデヒドを反応させてトリメ ロールプロパンと共にジトリメチロールプ パンを製造する方法であって
(I)塩基触媒(1)の存在下、ノルマルブチルアル デヒドとホルムアルデヒド(1)を反応させて、 トリメチロールプロパン、ジトリメチロール プロパンおよび2-エチル-2-プロペナールを含 する反応混合液を得る工程、
(II)  工程Iで得られた反応混合液を蒸留して 2-エチル-2-プロペナールを回収する工程およ
(III) 工程IIで2-エチル-2-プロペナールを回収 た後の蒸留残留液に、回収された2-エチル-2 -プロペナールおよびホルムアルデヒド(2)、 たは更に塩基触媒(2)を添加し、ジトリメチ ールプロパンの生成反応を進行させる工程 有し、
 原料のノルマルブチルアルデヒド1.0モルに して、(a)ホルムアルデヒド(1)の供給量が2.0~ 3.5モル、(b)ホルムアルデヒド(1)とホルムアル デヒド(2)の合計供給量が3.0~4.5モルであり、(c )塩基触媒(1)の供給量が0.5~1.5当量、(d)塩基触 (1)と塩基触媒(2)の合計供給量が1.0~2.5当量、 (e)2-エチル-2-プロペナールの回収量が0.05~0.5 ルであることを特徴とするジトリメチロー プロパンの製造方法。

2.工程Iにおける反応温度が45~120℃である上記 1のジトリメチロールプロパンの製造方法。
3.工程IIの蒸留温度が45℃~120℃である上記1又 2のジトリメチロールプロパンの製造方法。
4.工程IIにおいて、0.01~20質量倍の水を同伴し 2-エチル-2-プロペナールの共沸物として回 する上記1~3のいずれかのジトリメチロール ロパンの製造方法。
5.工程IIIにおける反応温度が45~120℃である上 1~4のいずれかのジトリメチロールプロパン 製造方法。

 本発明によれば、NBDとホルムアルデヒド 反応させてTMPを製造する方法において、反 混合液からECRを蒸留回収し、特定の条件で 留残留液と反応させることにより、di-TMP収 が著しく上昇する。また、目的とするdi-TMP 生成量に対して、bis-TMPの副生量を大幅に削 減できるので、di-TMPを効率良く製造できる。 また、本発明では、di-TMPより低沸点の未反応 原料(ホルムアルデヒド等)を蒸留により回収 て循環使用することができるので、本発明 工業的に極めて優れた有利な方法である。

 本発明の目的製造物であるジトリメチロー プロパン(di-TMP)は次の化学式で表される。

 また、高沸点物質として副生するビストリ チロールプロパン(bis-TMP)は次の化学式で表 れる。

 本発明のdi-TMPの製造方法では、塩基触媒( 1)の存在下、NBDとホルムアルデヒド(1)を反応 せる工程I、反応混合液からECRを蒸留回収す る工程IIおよび、蒸留残留液にECRとホルムア デヒド(2)、或いは更に塩基触媒(2)を添加し di-TMPの生成反応を進行させる工程IIIの三つ 工程で構成される。

 本発明のdi-TMPの製造方法で原料に使用され NBDは、一般的に市販されているNBDをそのま 使用できるが、必要に応じて市販品を蒸留 にて更に精製したものを使用しても良い。
 また、他の原料のホルムアルデヒドは、ホ ムアルデヒド水溶液でも固形のパラホルム ルデヒドでも良い。ホルムアルデヒド水溶 は、通常、安定剤としてメタノールを数質 %含有するが、必要に応じて蒸留等によって メタノールを分離したものを使用しても良い 。ホルムアルデヒドは工程Iと工程IIIで供給 れ、工程Iで供給のものをホルムアルデヒド( 1)、工程IIIで供給のものをホルムアルデヒド( 2)とする。

 塩基触媒には無機塩基と有機塩基の両方が 用できる。無機塩基としては、アルカリ金 或いはアルカリ土類金属の水酸化物および 酸化物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸 カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチ ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸 ルシウム、炭酸リチウム等が挙げられる。 れらの中でアルカリ金属若しくはアルカリ 類金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩が 好ましく、アルカリ金属の炭酸塩を主成分と する塩基触媒が特に好ましい。工業的にはナ トリウム塩が一般的である。
 また、有機塩基として、脂肪族アミン化合 、特に第3級アミン、例えばトリメチルアミ ン、トリエチルアミン、ジエチルメチルアミ ン、ジメチルエチルアミン、トリイソプロピ ルアミン、トリブチルアミン等を用いること ができる。

 塩基触媒もホルムアルデヒドと同様に、工 Iで供給のものを塩基触媒(1)、工程IIIで供給 のものを塩基触媒(2)とする。但し、工程IIの 留残留液に塩基触媒が含まれるので塩基触 (2)を供給しない場合もある。
 塩基触媒は、前記の無機塩基と有機塩基は 独に使用するだけでなく、複数のもの、例 ば、塩基触媒(1)にトリエチルアミン、塩基 媒(2)に水酸化ナトリウムを使用することも 連続的に複数の無機塩基や有機塩基を使用 ることもできる。
 アルカリ金属の炭酸塩を主成分とする塩基 媒の場合、反応で消費されるのは炭酸塩で り、反応で生成した炭酸水素塩は加熱等に り炭酸塩となり反応に消費される。この炭 塩を主成分とする塩基触媒は、一般的に工 薬品として販売されている炭酸塩、または 酸水素塩との混合物でも良い。また、ギ酸 を酸化または加水分解して生成する炭酸水 塩を原料として製造される炭酸塩または炭 水素塩との混合物でも良い。

<工程I>
 工程Iでは、塩基触媒(1)の存在下、NBDとホル ムアルデヒドとのアルドール縮合反応と交叉 カニツアロ反応によるトリメチロールプロパ ン(TMP)と、ECRを主に含有する反応混合液が得 れる。

 工程Iにおける反応方法としては、例えば、 ホルムアルデヒド(1)水溶液に、NBDと塩基触媒 (I)を並行して滴下する方法や、先ずホルムア ルデヒド(1)水溶液と塩基触媒(I)とを混合し、 これにNBDを一定の速度で滴下する方法等が用 いられる。
 NBDと塩基触媒(I)を滴下する場合は、それぞ を1~600分かけて滴下することが好ましく、 り好ましくは10~360分である。NBDの場合も、 様な時間で滴下する。滴下時間は生産効率 向上のため600分以下とする。

 工程Iで使用するホルムアルデヒド(1)の量 は、NBD1モルに対し、2.0~3.5モルであり、好ま くは2.0~3.0モルである。2.0モル未満では反応 がほとんど進行しないだけでなく、原料のNBD 同士での副反応やbis-TMPの副生成反応が起こ やすくなる。また、3.5モルを超えると蒸留 収されるECR量が減少し、di-TMPの生成量が減 する。

 工程Iで使用する塩基触媒(I)の当量はNBD1.0モ ルに対して0.5~1.5当量である。0.5当量よりも ないと目的のdi-TMP生成反応がほとんど進行 ないだけでなく、原料のNBD同士での副反応 が起こり易くなる。
 塩基触媒(I)の使用量は塩基の種類、反応温 や時間などの条件によって異なり、例えば 酸化ナトリウムのような強い塩基を用いた 合は添加した塩基がすぐに反応するために 限の0.5当量近くが好ましく、多量に使用す ことは副反応が起るために好ましくない。 に炭酸ナトリウムのような弱い塩基の場合 反応性が低いために上限の1.5当量近くが好 しい。

 工程Iの反応温度は、45~120℃が好ましく、 より好ましくは60~110℃である。ホルムアルデ ヒド(1)水溶液にNBDや塩基触媒(1)を添加した後 、45~120℃で1~300分間ほど加熱し、反応を更に 行させることもできる。また、この場合、 内を所定の反応温度に保つため、窒素ガス の不活性ガスで加圧してもよい。

<工程II>
 工程IIは工程Iで得られた反応混合液を蒸留 て2-エチル-2-プロペナール(ECR)を回収する工 程である。工程Iにおいて反応系内で生成し ECRの分離回収は、工程Iの反応と並行させな ら反応途中にECRの分離を行うことも、反応 了後にECRの分離を行うこともできる。
 ECRの分離回収は、減圧、常圧または加圧条 での蒸留により容易に行うことができる。E CRを全量回収することが好ましいが、反応系 に一部が残存しても良い。

 工程IIの蒸留温度は45℃~120℃であり、大 圧であれば90~110℃が好ましい。蒸留回収さ るECRの量は、原料であるNBDの1.0モルに対し0. 05~0.5モルが好ましく、より好ましくは0.06~0.45 モル、更に好ましくは0.1~0.35モルである。ECR 収量をこの範囲として次の工程IIIで反応さ ることにより、di-TMPの生成量が増加し、di-T MPを効率的に製造することができる。

 ECRの蒸留回収において、ECRは水と共沸する め、蒸留の留出液には水を含んでおり、こ 留出液を静置することにより直ちに油層(ECR 含有層)と水層の2層に分離する。この留出ECR 同伴する水は、ECRの質量に対し0.01~20倍が好 ましく、より好ましくは0.1~2.0倍である。
 通常の工業用ホルムアルデヒド水溶液には タノールを含有しており、そのメタノール ECRと共に留出するが、ECRと共に留出する同 水量をECRの質量に対し0.01倍以上とすること により、メタノールが水層に溶解するので、 メタノールが油層側に残留せず、メタノール とECRが反応して副生物を生成することが無く なる。もちろん原料にメタノールを含まない ホルムアルデヒドやパラホルム等を使用すれ ばこれを回避することができるが、十分な量 のECRを回収するには水と共に回収する方が回 収効率等の工業的な面などから好ましい。ま た、工程IIの蒸留の時間が長くなるのを避け ために、ECRと共に留出する同伴水量をECRの 量に対し20倍以下とする。

 工程IIで得られた留出液には、ECRの他に水 メタノール等の有機成分を含むが、この留 液をそのまま工程IIIで使用することができ また、必要に応じて、蒸留などで精製した に工程IIIでのホルムアルデヒドとの反応に 用しても良い。
 留出液が油層と水層の2層に分離している場 合は、そのまま蒸留残留液に添加しても、攪 拌混合などを行って添加しても、2層を単離 た後で個別に添加しても良い。また、油層 水層のどちらか一方を先に添加した後に、 りを添加することもできる。

 蒸留残留液には、工程Iで生成したTMPや高 沸点物質と共に、未反応のホルムアルデヒド 、原料のホルムアルデヒド水溶液からの水や 交叉カニツアロ反応で副生する水などが含有 する。該残留液には目的生成物の一つである TMPが多量に生成しているが、一部、反応が途 中までしか進行していない中間生成物もある 。この中間生成物をTMPとするために蒸留回収 後に、蒸留残留液を45~120℃で1~300分間ほど加 して反応を完結させることが好ましい。

<工程III>
 工程IIIは、工程IIでECRを回収した後のTMPを む蒸留残留液に、回収されたECRおよびホル アルデヒド(2)、または更に塩基触媒(2)を添 し、di-TMPの生成反応を進行させる工程であ 。
 工程IIIではECRと蒸留残留液との反応が行わ 、次の反応式によりTMP、ECR及びホルムアル ヒドからdi-TMPが生成する。なお、この反応 より蟻酸(HCOOH)が生成するが、この蟻酸は塩 基触媒と反応して蟻酸塩となる。

 この際のホルムアルデヒド(2)の供給量とし は、原料に使用するNBDから所定の比率で求 られたホルムアルデヒド使用量を基準とし 工程Iにおいて添加したホルムアルデヒドの 残りの量を使用する。
 すなわち、ホルムアルデヒド(2)の供給量は 原料のノルマルブチルアルデヒド1.0モルに する量として、ホルムアルデヒド(1)とホル アルデヒド(2)の合計量が3.0~4.5モル、好まし くは3.0~4.0モル、更に好ましくは3.1~3.5モルと るように供給する。ホルムアルデヒド(1)と ルムアルデヒド(2)の合計量が3.0より小さい di-TMP生成量が減少し、また、di-TMP生成反応 理論量以下となるために副生成物も増加す 。ホルムアルデヒド(1)とホルムアルデヒド( 2)の合計量が4.5モルより大きいと、TMPに対す di-TMPの生成量が減少し、副生成物のbis-TMP生 成量が増加する。

 塩基触媒(2)についてもホルムアルデヒド(2) 同様であり、原料のノルマルブチルアルデ ド1.0モルに対する量として、塩基触媒(1)と 基触媒(2)の合計量が1.0~2.5当量、好ましくは 1.0~1.5当量となるように工程Iで使用し、残り 塩基を工程IIIで使用する。
 例えば、塩基触媒(1)と塩基触媒(2)が2価の塩 基(2.0当量)である炭酸ナトリウムや水酸化カ シウムの場合、NBD1.0モルに対し、塩基触媒( 1)と塩基触媒(2)の合計量を1.0~2.5当量(0.5~1.25モ ル)とする。1.0当量未満では未反応の原料が く残るだけでなく、未反応原料からの副反 が起り易い。また、2.5当量を超えると過剰 塩基を中和するために多量の酸が必要とな 。
 工程IIでECRを回収した後の残留液に、蒸留 収したECRとホルムアルデヒド(2)、或いは更 塩基触媒(2)を滴下する方法では、それぞれ 滴下を順番に、または、同時並行滴下など 、各々1~300分かけて連続的に滴下して反応さ せことが好ましく、同時並行滴下の場合は何 れかが先に滴下終了となっても良い。

 工程IIIの反応における反応温度は、使用 る塩基の種類にもよるが、45~120℃が好まし 、より好ましくは60~120℃である。特に炭酸 を塩基触媒に用いた場合は、反応にて生成 た炭酸水素塩から炭酸塩への反応が十分に 行する温度を保つ必要があり、この温度は6 0~120℃が好ましく、より好ましくは80~120℃で る。この反応においても、系内を所定の反 温度に保つため、窒素ガス等の不活性ガス 加圧しても良い。

 工程IIでECRを回収した後の蒸留残留液に 蒸留回収したECRと塩ホルムアルデヒド(2)、 いは更に塩基触媒(2)の添加が終了した時点 、原料であるECRが完全に消費されていない 合は、更に加熱して反応を完結させること 好ましい。この場合の反応温度は使用する 基の種類にもよるが、45~120℃が好ましく、 り好ましくは60~120℃である。特に、塩基触 (2)に炭酸塩を用いた場合は、反応にて生成 た炭酸水素塩から炭酸塩への反応が十分に 行する温度を保つ必要があり、この温度を60 ~120℃とすることが好ましく、より好ましく 80~120℃である。この反応においても系内を 定の反応温度に保つため、窒素ガス等の不 性ガスで加圧しても良い。この加熱による 応完結に必要な時間は、1~180分が好ましく、 より好ましくは30~120分である。反応液が着色 するのを避けるために、加熱時間を180分以下 とする。

 本発明において、工程I及び工程IIIの反応 を、別個の反応器で、それぞれ同一、または 異なる反応条件にて反応を行なっても、また 、同一反応器内で逐次的に行なってもよい。 例えば、別個の反応器を用いる例として、工 程Iの反応には塩基触媒(1)にトリエチルアミ を用い、その後の工程IIIの反応には塩基触 (2)に水酸化ナトリウムを用いる場合などが げられる。

<di-TMPの単離>
 工程IIIで得られた反応液から目的物のdi-TMP 単離精製は、背景技術の特許文献2~5などに 載のようなTMP精製で一般的に行われている 作で行うことができ、その方法に特に制限 無い。例えば、反応液を中和した後、原料 ホルムアルデヒドを蒸留回収し、抽出を行 た後、蒸留や晶析にて回収・精製する方法 ある。
 本発明の工程I~IIIおよびdi-TMP単離の全ての 応や操作は、それぞれの反応や操作毎に専 に設けられた装置にて行っても、またこれ の反応、操作に対応できる一つまたは複数 装置にて行っても良い。

 以下、本発明を実施例により更に詳細に説 するが、本発明はこれらの実施例により限 されるものではない。
 実施例における原料には市販の試薬等を用 た。NBDはAldrich社製試薬特級品、ホルムアル デヒド水溶液は三菱ガス化学(株)製の工業用4 0質量%ホルムアルデヒド水溶液(メタノール含 有量3質量%)、炭酸ナトリウムは和光純薬(株) 級品を使用した。
 また、分析はガスクロマトグラフィー(GC)を 用い、サンプルおよび内部標準試料をアセト ン溶媒で希釈して行った。
[ガスクロマトグラフィー分析条件]
 装置: HP-5890(アジレント・テクノロジー株 会社製)
 使用カラム: DB-1(アジレント・テクノロジ 株式会社製)
 分析条件: Injection Temp 250℃、
       Detector Temp 250℃
 カラム温度:60℃、6分保持→7℃/分で250℃ま 昇温→250℃、20分保持
 検出器: 水素炎イオン化検出器(FID)

実施例1(使用原料モル比;NBD:ホルムアルデヒ (1):ホルムアルデヒド(2)=1:2.8:0.6)
 工程I:還流冷却器、温度計、滴下ロート2つ 備えた1000mlの4つ口フラスコに、40質量%ホル ムアルデヒド(1)水溶液208.7g(ホルムアルデヒ として2.8モル、全ホルムアルデヒド使用量 82%)を仕込み、72℃まで加熱した。その後、 々に加熱しながら滴下ロートから、NBD72g(1.0 ル)及び21質量%炭酸ナトリウム水溶液263g(0.53 モル=1.06当量)全量を25分で添加し、さらに80 で2分間、加熱して反応混合液を得た。
 工程II:工程Iで得られた反応混合液を100℃に 加熱して30分蒸留し、ECRを回収した。蒸留回 した液は油層が22ml(ECR:0.16モル)、水層が9ml あり、ECRに対する同伴水量は0.5質量倍であ た。
 工程III:工程IIの蒸留残留液に、工程IIで得 れたECRの留出液及び18質量%ホルムアルデヒ (2)水溶液103g(0.62モル、全ホルムアルデヒド 用量の18%)を96℃で、それぞれ、48分、90分で 加した。滴下終了後、更に100℃で60分間、 熱してdi-TMPの生成反応を進行させた。
 得られた反応混合液のGC分析の結果、TMPが90 .5g、di-TMPが18.8g、bis-TMPが2.8g生成しており、 料のNBD基準での収率は、それぞれ、67.5%、15. 0%、2.0%であった。

実施例2(使用原料モル比;NBD:ホルムアルデヒ (1):ホルムアルデヒド(2)=1:2.6:0.6)
 工程I:還流冷却器、温度計、滴下ロート2つ 備えた1000mlの4つ口フラスコに、40質量%ホル ムアルデヒド(1)水溶液194g(ホルムアルデヒド して2.6モル、全ホルムアルデヒド使用量の8 1%)を仕込み、74℃まで加熱した。その後、徐 に加熱しながら、NBD72g(1.0モル)及び21質量% 酸ナトリウム水溶液263g(0.53モル=1.06当量)全 を、滴下ロート2つで、25分で添加した。さ に80℃で3分間、加熱して反応混合液を得た
 工程II:工程Iで得られた反応混合液を100℃に 加熱して30分蒸留し、ECRを回収した。蒸留回 した留出液は油層が26ml(ECR:0.19モル)、水層 5mlであり、ECRに対する同伴水量は0.2質量倍 あった。
 工程III:工程IIの蒸留残留液に、工程IIで得 れたECRの留出液及び18質量%ホルムアルデヒ (2)水溶液103g(ホルムアルデヒドとして0.62モ 、全ホルムアルデヒド使用量の19%)を、滴下 ート2つで、92℃に反応混合液の温度を保持 ながら、それぞれ、48分、80分で反応混合液 に添加した。滴下終了後、更に100℃で80分間 熱してdi-TMPの生成反応を進行させた。
 得られた反応混合液のGC分析の結果、TMPが86 g、di-TMPが22g、bis-TMPが2g生成しており、原料 NBD基準での収率は、それぞれ、64.3%、17.5%、1 .4%であった。

 実施例3(使用原料モル比;NBD:ホルムアルデヒ ド(1):ホルムアルデヒド(2)=1:2.4:0.8)
 工程I:還流冷却器、温度計、滴下ロート2つ 備えた1000mlの4つ口フラスコに、40質量%ホル ムアルデヒド(1)水溶液179g(ホルムアルデヒド して2.4モル、全ホルムアルデヒド使用量の7 5%)を仕込み、73℃まで加熱した。その後、徐 に加熱しながら滴下ロートから、NBD72g(1.0モ ル)及び21質量%炭酸ナトリウム水溶液263g(0.53 ル=1.06当量)全量を、25分で添加した。さらに 84℃で3分間加熱してdi-TMPの生成反応を進行さ せた。
 工程II:工程Iで得られた反応混合液を100℃に 加熱して30分蒸留し、ECRを回収した。蒸留回 した液は油層が32ml(ECR:0.24モル)、水層が6ml あり、ECRに対する同伴水量は0.2質量倍であ た。
 工程III:工程IIの蒸留残留液に、工程IIで得 れたECRの留出液及び21質量%ホルムアルデヒ (2)水溶液118g(0.82モル、全ホルムアルデヒド 用量の25%)を94℃で、それぞれ、60分、110分で 添加した。滴下終了後更に99℃で60分間、加 した。
 得られた反応混合液のGC分析の結果、TMPが79 .0g、di-TMPが23.3g、bis-TMPが2.2g生成しており、 料のNBD基準での収率は、それぞれ、58.9%、18. 6%、1.6%であった。

実施例4(使用原料モル比;NBD:ホルムアルデヒ (1):ホルムアルデヒド(2)=1:2.6:0.6)
 工程I:還流冷却器、温度計、滴下ロート2つ 備えた1000mlの4つ口フラスコに、40質量%ホル ムアルデヒド(1)水溶液194g(ホルムアルデヒド して2.6モル、全ホルムアルデヒド使用量の8 1%)を仕込み、72℃まで加熱した。その後、徐 に加熱しながら滴下ロートからNBD72g(1.0モル )及び21質量%炭酸ナトリウム水溶液251g(0.50モ =1.0当量)全量を25分で添加した。さらに85℃ 3分間加熱した。
 工程II:工程Iで得られた反応混合液を100℃に 加熱して30分蒸留し、ECRを回収した。回収し 液は油層が23ml(ECR:0.17モル)、水層が7mlであ 、ECRに対する同伴水量は0.38質量倍であった
 工程III:工程IIの蒸留残留液に、工程IIで得 れたECRの留出液及び24質量%ホルムアルデヒ (2)水溶液76g(0.62モル、全ホルムアルデヒド使 用量の19%)を90℃で、それぞれ、88分、90分で 加した。滴下終了後更に98℃で90分間、加熱 た。得られた反応混合液のGC分析の結果、TM Pが80.2g、di-TMPが17.6g、bis-TMPが2.3g生成してお 、原料のNBD基準での収率は、それぞれ、59.8% 、14.1%、1.6%であった。

実施例5(使用原料モル比;NBD:ホルムアルデヒ (1):ホルムアルデヒド(2)=1:3.5:0.5)
 工程I:還流冷却器、温度計、滴下ロート2つ 備えた1000mlの4つ口フラスコに、40質量%ホル ムアルデヒド(1)水溶液262.8g(ホルムアルデヒ として3.5モル、全ホルムアルデヒド使用量 87.5%)を仕込み、74℃まで加熱した。その後、 徐々に加熱しながら滴下ロートからNBD72g(1.0 ル)及び21質量%炭酸ナトリウム水溶液263g(0.53 ル=1.06当量)全量を25分で添加した。さらに85 ℃で3分間加熱した。
 工程II:工程Iで得られた反応混合液を100℃に 加熱して30分蒸留し、ECRを回収した。回収し 液は油層が14ml(ECR:0.12モル)、水層が5mlであ 、ECRに対する同伴水量は0.50質量倍であった
 工程III:工程IIの蒸留残留液に、工程IIで得 れたECRの留出液及び39質量%ホルムアルデヒ (2)水溶液76g(0.5モル、全ホルムアルデヒド使 量の12.5%)を100℃で、それぞれ、33分、90分で 添加した。滴下終了後更に100℃で45分間、加 した。得られた反応混合液のGC分析の結果 TMPが99.3g、di-TMPが10.0g、bis-TMPが4.7g生成して り、原料のNBD基準での収率は、それぞれ、74 .2%、8.0%、3.4%であった。

実施例6(使用原料モル比;NBD:ホルムアルデヒ (1):ホルムアルデヒド(2)=1:3.0:1.0)
 工程I:還流冷却器、温度計、滴下ロート2つ 備えた1000mlの4つ口フラスコに、40質量%ホル ムアルデヒド(1)水溶液225g(ホルムアルデヒド して3.0モル、全ホルムアルデヒド使用量の7 5%)を仕込み、73℃まで加熱した。その後、徐 に加熱しながら滴下ロートからNBD72g(1.0モル )及び21質量%炭酸ナトリウム水溶液263g(0.53モ =1.06当量)全量を25分で添加した。さらに85℃ 3分間加熱した。
 工程II:工程Iで得られた反応混合液を98℃に 熱して20分蒸留し、ECRを回収した。回収し 液は油層が18ml(ECR:0.16モル)、水層が8mlであり 、ECRに対する同伴水量は0.53質量倍であった
 工程III:工程IIの蒸留残留液に、工程IIで得 れたECRの留出液及び40質量%ホルムアルデヒ (2)水溶液74.8g(1.0モル、全ホルムアルデヒド 用量の25%)を98℃で、それぞれ、45分、90分で 加した。滴下終了後更に101℃で60分間、加 した。得られた反応混合液のGC分析の結果、 TMPが94.6g、di-TMPが15.0g、bis-TMPが4.7g生成してお り、原料のNBD基準での収率は、それぞれ、70. 6%、12.0%、3.3%であった。

実施例7(使用原料モル比;NBD:ホルムアルデヒ (1):ホルムアルデヒド(2)=1:2.6:1.4)
 工程I:還流冷却器、温度計、滴下ロート2つ 備えた1000mlの4つ口フラスコに、40質量%ホル ムアルデヒド(1)水溶液195g(ホルムアルデヒド して2.6モル、全ホルムアルデヒド使用量の6 5%)を仕込み、74℃まで加熱した。その後、徐 に加熱しながら滴下ロートからNBD72g(1.0モル )及び21質量%炭酸ナトリウム水溶液264.5g(0.53モ ル=1.06当量)全量を25分で添加した。更に79℃ 3分間加熱した。
 工程II:工程Iで得られた反応混合液を98℃に 熱して26分蒸留し、ECRを回収した。回収し 液は油層が25ml(ECR:0.23モル)、水層が5mlであり 、ECRに対する同伴水量は0.53質量倍であった
 工程III:工程IIの蒸留残留液に、工程IIで得 れたECRの留出液及び40質量%ホルムアルデヒ (2)水溶液100.5g(1.4モル、全ホルムアルデヒド 用量の35%)を92℃で、それぞれ、55分、83分で 添加した。滴下終了後更に100℃で90分間、加 した。得られた反応混合液のGC分析の結果 TMPが85.9g、di-TMPが18.8g、bis-TMPが4.6g生成して り、原料のNBD基準での収率は、それぞれ、64 .1%、15.0%、3.3%であった。

実施例8(使用原料モル比;NBD:ホルムアルデヒ (1):ホルムアルデヒド(2)=1:2.4:0.8)
 工程I:還流冷却器、温度計、滴下ロート2つ 備えた1000mlの4つ口フラスコに、40質量%ホル ムアルデヒド(1)水溶液179g(ホルムアルデヒド して2.4モル、全ホルムアルデヒド使用量の7 5%)を仕込み、73℃まで加熱した。その後、徐 に加熱しながら滴下ロートから、NBD72g(1.0モ ル)及び21質量%炭酸ナトリウム水溶液184g(0.37 ル=0.74当量)全量を、25分で添加した。さらに 84℃で3分間、加熱した。
 工程II:加熱後、ECRを99℃、30分で蒸留回収し た。蒸留回収した液は油層が33ml(ECR:0.25モル) 水層が6mlであり、ECRに対する同伴水量は0.2 量倍であった。
 工程III:得られた留出液及び21質量%ホルムア ルデヒド(2)水溶液118g(0.82モル、全ホルムアル デヒド使用量の25%)および20%水酸化ナトリウ 水溶液64.0g(0・32モル=0.32当量)を94℃で、それ ぞれ、60分、110分、90分で添加した。滴下終 後更に99℃で60分間、加熱した。
 得られた反応混合液のGC分析の結果、TMPが80 .9g、di-TMPが45.0g、bis-TMPが2.2g生成しており、 料のNBD基準での収率は、それぞれ、60.4%、18. 0%、1.6%であった。

比較例1(使用原料モル比;NBD:ホルムアルデヒ (1):ホルムアルデヒド(2)=1:4.0:0)
 工程I:還流冷却器、温度計、滴下ロート2つ 備えた1000mlの4つ口フラスコに、40質量%ホル ムアルデヒド(1)水溶液300.3g(ホルムアルデヒ として4.0モル、全ホルムアルデヒド使用量 100%)を仕込み、73℃まで加熱した。その後、 々に加熱しながら滴下ロートからNBD72g(1.0モ ル)及び21質量%炭酸ナトリウム水溶液263g(0.53 ル=1.06当量)全量を25分で添加した。さらに85 で3分間加熱した。
 工程II:工程Iで得られた反応混合液を98℃に 熱して20分蒸留し、ECRを回収した。回収し 液は油層が11ml(ECR:0.11モル)、水層が3mlであり 、ECRに対する同伴水量は0.34質量倍であった
 工程III:工程IIの蒸留残留液に、工程IIで得 れたECRの留出液を92℃で、20分で添加した。 下終了後更に100℃で60分間、加熱した。得 れた反応混合液のGC分析の結果、TMPが102.5g、 di-TMPが6.9g、bis-TMPが5.3g生成しており、原料の NBD基準での収率は、それぞれ、76.5%、4.4%、3.8 %であった。

比較例2(従来の製造方法、ECRの回収なし、ホ ムアルデヒドと塩基の一括添加)
 還流冷却器、温度計、滴下ロート2つを備え た1000mlの4つ口フラスコに、32質量%ホルムア デヒド水溶液297g(ホルムアルデヒドとして3.2 モル)全量を仕込み、73℃まで加熱した。その 後、徐々に加熱しながら滴下ロートからNBD72g (1.0モル)及び21質量%炭酸ナトリウム水溶液264g (0.53モル=1.06当量)全量を、それぞれ、184分、2 5分で添加した。添加後89℃で180分間、加熱し た。得られた反応混合液のGC分析の結果、TMP 90.8g、di-TMPが3.9g、bis-TMPが2.2g生成しており 原料のNBD基準での収率は、それぞれ、67.7%、 3.1%、1.6%であった。

比較例3(使用原料モル比;NBD:ホルムアルデヒ (1):ホルムアルデヒド(2)=1:2.0:0.2)
 工程I:還流冷却器、温度計、滴下ロート2つ 備えた1000mlの4つ口フラスコに、31質量%ホル ムアルデヒド(1)水溶液195g(ホルムアルデヒド して2.0モル、全ホルムアルデヒド使用量の9 1%)を仕込み、74℃まで加熱した。その後、徐 に加熱しながら滴下ロートからNBD72g(1.0モル )及び21質量%炭酸ナトリウム水溶液263g(0.53モ =1.06当量)全量を25分で添加した。さらに82℃ 3分間加熱した。
 工程II:工程Iで得られた反応混合液を98℃に 熱して35分蒸留し、ECRを回収した。回収し 液は油層が42ml(ECR:0.41モル)、水層が6mlであり 、ECRに対する同伴水量は0.17質量倍であった
 工程III:工程IIの蒸留残留液に、工程IIで得 れたECRの留出液及び8質量%ホルムアルデヒド (2)水溶液76g(0.2モル、全ホルムアルデヒド使 量の9%)を82℃で、それぞれ、47分、102分で添 した。滴下終了後更に84℃で62分間加熱した (還流状態)。得られた反応混合液のGC分析の 果、TMPが59.8g、di-TMPが5.5g、bis-TMPが0・34g生成 しており、原料のNBD基準での収率は、それぞ れ、44.6%、4.4%、0.2%であった。

比較例4(使用原料モル比;NBD:ホルムアルデヒ (1):ホルムアルデヒド(2)=1:2.6:0.6)
 工程I:還流冷却器、温度計、滴下ロート2つ 備えた1000mlの4つ口フラスコに、40質量%ホル ムアルデヒド(1)水溶液194g(ホルムアルデヒド して2.6モル、全ホルムアルデヒド使用量の8 1%)を仕込み、72℃まで加熱した。その後、徐 に加熱しながら滴下ロートからNBD72g(1.0モル )及び21質量%炭酸ナトリウム水溶液251g(0.50モ =1.0当量)全量を25分で添加した。さらに85℃ 3分間加熱した。
 工程II: 2-エチル-2-プロペナールの蒸留回収 を行わずに次の段階に進んだ。
 工程III:24質量%ホルムアルデヒド(2)水溶液76g (0.62モル、全ホルムアルデヒド使用量の19%)を 86℃で、90分で添加した。滴下終了後更に88℃ で90分間、還流加熱した。得られた反応混合 のGC分析の結果、TMPが89.4g、di-TMPが9.8g、bis-T MPが5.6g生成しており、原料のNBD基準での収率 は、それぞれ、66.7%、3.9%、2.0%であった。

比較例5(使用原料モル比;NBD:ホルムアルデヒ (1):ホルムアルデヒド(2)=1:2.6:0.6)
 工程I:還流冷却器、温度計、滴下ロート2つ 備えた1000mlの4つ口フラスコに、40質量%ホル ムアルデヒド(1)水溶液194g(ホルムアルデヒド して2.6モル、全ホルムアルデヒド使用量の8 1%)を仕込み、40℃まで加熱した。その後、徐 に加熱しながら滴下ロートからNBD72g(1.0モル )及び21質量%水酸化ナトリウム水溶液142.8g(0.75 モル=0.75当量)全量を25分で添加した。さらに4 0℃で3分間加熱した。
 工程II:加熱後、ECRを98℃、20分で蒸留回収し た。回収した液は油層が1.2ml(ECR:0.01モル)、水 層が10mlであり、ECRに対する同伴水量は10質量 倍であった。
 工程III:24質量%ホルムアルデヒド(2)水溶液76g (0.62モル、全ホルムアルデヒド使用量の19%)お よび21質量%水酸化ナトリウム水溶液47.6g(0.25 ル=0.25当量)を50℃で、90分で添加した。滴下 了後更に80℃で90分間、加熱した。得られた 反応混合液のGC分析の結果、TMPが111g、di-TMPが 13.1g、bis-TMPが5.9g生成しており、原料のNBD基 での収率は、それぞれ、82.5%、5.3%、2.1%であ た。

 以上の実施例および比較例の主な操作条 および収率を第1表および第2表に示す。第1 と第2表の比較により実施例ではdi-TMPの収率 が著しく向上しており、効率よく製造できる ことが分かる。特に原料のNBD1.0モルに対する ホルムアルデヒド(1)およびホルムアルデヒド (2)の供給量を調整することにより、bis-TMPの 生量を大幅に削減することができ、目的と るdi-TMPを更に効率よく有利に製造できるこ が分かる。

 本発明によれば、塩基触媒の存在下、ノル ルブチルアルデヒドとホルムアルデヒドを 応させる方法において、生成するECRを蒸留 より分離し、TMPを含む蒸留残留液とECRを特 の条件で反応させることにより、di-TMPの収 が著しく上昇し、また、目的とするdi-TMPの 成量に対して、bis-TMPの副生量を大幅に削減 できるので、di-TMPを効率良く、工業的に有利 に製造することができる。
 di-TMPはポリアクリレート、ポリエーテルポ オール、ポリウレタン、アルキッド樹脂、 成潤滑油等の原料として有効に用いられる