中山 剛成 (〒33 山口県宇部市大字小串1978番地の96 宇部興産株式会社内 Yamaguchi, 7558633, JP)
TAKABAYASHI, Seiichirou (1978-96, Oaza Kogushi, Ube-sh, Yamaguchi 33, 7558633, JP)
宇部興産株式会社 (〒33 山口県宇部市大字小串1978番地の96 Yamaguchi, 7558633, JP)
NAKAYAMA, Takeshige (1978-96, Oaza Kogushi, Ube-sh, Yamaguchi 33, 7558633, JP)
中山 剛成 (〒33 山口県宇部市大字小串1978番地の96 宇部興産株式会社内 Yamaguchi, 7558633, JP)
| N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、及び1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンから選ばれる2種以上の溶媒の混合物であって、各溶媒量が全溶媒100質量%中7~93質量%からなる混合溶媒と、下記化学式(1)の繰返し単位を主成分とするポリアミック酸とを含有するポリアミック酸溶液組成物を基材に塗布して形成した塗膜を加熱処理することによって、膜厚が40μmを越えるポリイミド膜を発泡することなく得ることを特徴とするポリイミド膜の製造方法。 |
| 引張り破断強度が350MPa以上であり且つ引張り破断伸度が30%以上のポリイミド膜を得ることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のポリイミド膜の製造方法。 |
| 引張り弾性率が6.0GPa以上のポリイミド膜を得ることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載のポリイミド膜の製造方法。 |
| 引裂き強度が4.0N/mm以上のポリイミド膜を得ることを特徴とする請求の範囲第1~3項のいずれかに記載のポリイミド膜の製造方法。 |
| 加熱処理の最高温度が275℃~450℃であることを特徴とする請求の範囲第1~4項のいずれかに記載のポリイミド膜の製造方法。 |
| シームレスベルトを得ることを特徴とする請求の範囲第1~5項のいずれかに記載のポリイミド膜の製造方法。 |
| N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、及び1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンから選ばれる2種以上の溶媒の混合物であって、各溶媒量が全溶媒100質量%中7~93質量%からなる混合溶媒と、前記化学式(1)の繰返し単位を主成分とするポリアミック酸とを含有してなる、膜厚が40μmを越えるポリイミド膜を製造するためのポリアミック酸溶液組成物。 |
本発明は、特定の化学構造からなり極め 高い引張り強度、引張り弾性率及び引裂き 度を有し且つ膜厚が大きな(厚い)芳香族ポ イミド膜を、発泡なしに容易に製造するこ ができるポリイミド膜の製造方法、及び該 リイミド膜の製造方法に使用されるポリア ック酸溶液組成物に関する。
芳香族ポリイミドは、耐熱性、耐薬品性 電気的特性、機械的強度などの特性が優れ いるので、電気・電子部品などに好適に用 られている。なかでも、特許文献1に記載さ れているように3,3’,4,4’-ビフェニルテトラ ルボン酸二無水物(以下、s-BPDAと略記するこ ともある)とp-フェニレンジアミン(以下、PPD 略記することもある)とを主成分とした芳香 ポリイミドは、耐熱性、機械的特性、寸法 定性などが特に優れていることから、それ の特性が要求されるフレキシブル基板や複 機の定着ベルトなどの用途で好適に用いら ている。
特許文献2には、低い焼成処理温度、短い焼
成処理時間でも高いイミド化反応率を得るた
めに、混合溶媒からなるポリアミック酸溶液
組成物を用いるポリイミド無端ベルトの製造
方法が提案されている。また、特許文献3に
、加熱製膜工程を短時間で効率よく行い、
つカーボンブラックなどの導電性フィラー
含有させた場合でも良好な可撓性を得るた
に、特許文献2と同様の混合溶媒からなるポ
アミック酸組成物を用いたシームレスベル
の製造方法が提案されている。
s-BPDAとPPDとを主成分としたポリイミド膜 耐熱性や機械的物性などが優れているため 種々の用途で極めて有用である。しかしな ら、s-BPDAとPPDとを主成分としたポリアミッ 酸溶液組成物を基材に塗布して形成した塗 を加熱処理する方法によって膜厚の厚いポ イミド膜を得ようとすると、加熱処理の過 で容易に発泡が起こって良好なポリイミド を製造し難いなどの製膜性(成形性)が悪い いう問題があった。
本発明の目的は、特定の溶媒からなる混合
媒を用いたポリアミック酸溶液組成物を用
、該ポリアミック酸溶液組成物を基材に塗
して形成した塗膜を加熱処理することによ
て、s-BPDAとPPDとを主成分とした耐熱性や機
的物性など、特に引張り強度、引張り弾性
及び引裂き強度が優れた膜厚が厚いポリイ
ド膜を発泡なしに容易に製造することがで
るなどの製膜性(成形性)が改良された製造
法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、前記ポリイミド
の製造方法のためのポリアミック酸溶液組
物を提供することである。
本発明は、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチ ル-2-ピロリドン、及び1,3-ジメチル-2-イミダ リジノンから選ばれる2種以上の溶媒の混合 であって、各溶媒量が全溶媒100質量%中7~93 量%からなる混合溶媒と、下記化学式(1)の繰 し単位を主成分とするポリアミック酸とを 有するポリアミック酸溶液組成物を基材に 布して形成した塗膜を加熱処理することに って、膜厚が40μmを越えるポリイミド膜を 泡することなく得ることを特徴とするポリ ミド膜の製造方法に関する。
また、本発明は、前記ポリイミド膜の製 方法において、引張り破断強度が350MPa以上 好ましくは380MPa以上、より好ましくは400MPa 上であり、且つ引張り破断伸度が30%以上の リイミド膜を得ること、引張り弾性率が6.0G Pa以上、好ましくは6.5GPa以上、より好ましく 7.0GPa以上のポリイミド膜を得ること、引裂 強度が4.0N/mm以上、好ましくは4.3N/mm以上、 り好ましくは4.5N/mm以上のポリイミド膜を得 ことを特徴とするポリイミド膜の製造方法 関する。
また、本発明は、加熱処理の最高温度が2 75℃~450℃、好ましくは300℃~450℃、より好ま くは350℃~450℃であることを特徴とする前記 リイミド膜の製造方法に関する。
また、本発明は、前記ポリイミド膜の製 方法において、該ポリイミド膜としてシー レスベルトを得ることを特徴とするポリイ ド膜の製造方法に関する。
さらに、本発明は、N-メチル-2-ピロリド 、N-エチル-2-ピロリドン、及び1,3-ジメチル-2 -イミダゾリジノンから選ばれる2種以上の溶 の混合物であって、各溶媒量が全溶媒100質 %中7~93質量%からなる混合溶媒と、前記化学 (1)の繰返し単位を主成分とするポリアミッ 酸とを含有してなる、膜厚が40μmを越える リイミド膜を製造するためのポリアミック 溶液組成物に関する。
本発明の製造方法で用いられるポリアミッ
酸溶液組成物は、前記化学式(1)の繰返し単
を主成分とするポリアミック酸を含有する
換言すれば、テトラカルボン酸成分として3
,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸類、
アミン成分としてp-フェニレンジアミンをそ
れぞれ主成分として調製されたポリアミック
酸を含有することを特徴とする。ここで、主
成分とは、テトラカルボン酸成分100モル%中
びジアミン成分100モル%中、3,3’,4,4’-ビフ
ニルテトラカルボン酸類及びp-フェニレンジ
アミンが、各々独立に90モル%以上、好ましく
は95モル%以上、更に好ましくは100モル%を意
する。テトラカルボン酸成分の10モル%以上
3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸類以
外のもの、或いはジアミン成分の10モル%以上
がp-フェニレンジアミン以外のものになると
耐熱性や機械的物性など、特に引張り強度
引張り弾性率及び引裂き強度が優れたポリ
ミド膜を得ることが容易ではなくなる。
なお、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボ
酸類とは、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカル
ボン酸、その酸二無水物、そのアルコールの
エステル化物などのポリアミック酸のテトラ
カルボン酸成分を構成することができるもの
であり、特に3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカ
ボン酸二無水物である。
本発明において、3,3’,4,4’-ビフェニルテ
ラカルボン酸類以外のテトラカルボン酸成
としては、限定するものではないが、2,3,3’
,4-ビフェニルテトラカルボン酸類、ピロメリ
ット酸類、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラ
ルボン酸類、2,3,6,7-ナフタレンテトラカル
ン酸類、4,4’-オキシジフタル酸類、3,3’,4,4
’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸類
どを好適に挙げることができる。
本発明において、p-フェニレンジアミン以
のジアミン成分としては、限定するもので
ないが、m-フェニレンジアミン、ジアミノジ
フェニルエーテル、ジアミノトルエン、ジア
ミノナフタレン、ジアミノジフェニルメタン
、ジアミノジフェニルスルホンなどを好適に
挙げることができる。
ポリアミック酸の調製は、ポリアミック酸
調製する公知の方法や条件を好適に採用す
ことができる。したがって特に限定するも
ではないが、例えばテトラカルボン酸二無
物とジアミンとを、有機溶媒中、ポリイミ
換算した固形分濃度が5~50質量%程度になる
うな濃度で、ポリアミック酸のアミド結合
カルボキシル基とがイミド化するのを抑制
るために、好ましくは100℃以下、より好ま
くは80℃以下の温度条件で、0.1時間から数十
時間攪拌しながら反応させて均一なポリアミ
ック酸溶液として得ることが好ましい。ポリ
イミド換算した固形分濃度が5質量%未満にす
と、多量の溶媒を使用するので経済的でな
なり、該固形分濃度が50質量%を越えると、
粘度になってハンドリングなどが難しくな
傾向がある。
ポリアミック酸の調製に用いる有機溶媒と
ては、従来公知の有機溶媒を好適に用いる
とができる。例えば、N-メチル-2-ピロリド
、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルア
セトアミド、クレゾール、N,N-ジメチルスル
キシド、N-メチルカプロラクタム、メチルト
リグライム、メチルジグライム、スルホラン
などの有機極性溶媒を好適に用いることがで
きる。
本発明の製造方法で用いられるポリアミ ク酸溶液組成物に含有されるポリアミック の分子量は、特に限定されるものではない 、数平均分子量が1000~150000、好ましくは10000 ~150000のものである。なお、このポリアミッ 酸は溶液安定性が良好なものであるが、ポ マー成分の析出や溶液のゲル化が起こらな て均一な溶液状態が保てる範囲内において ポリアミック酸のアミド結合とカルボキシ 基との一部がイミド化していても構わない
また、本発明の製造方法で用いられるポリ
ミック酸溶液組成物は、N-メチル-2-ピロリ
ン、N-エチル-2-ピロリドン、及び1,3-ジメチ
-2-イミダゾリジノンから選ばれる2種以上の
媒の混合物であって、各溶媒量が全溶媒100
量%中7~93質量%からなる混合溶媒を含有する
とを特徴とする。
すなわち、本発明のポリアミック酸溶液組
物の溶媒は、N-メチル-2-ピロリドンとN-エチ
ル-2-ピロリドンとの組合せ、N-メチル-2-ピロ
ドンと1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンとの
組合せ、N-エチル-2-ピロリドンと1,3-ジメチル
-2-イミダゾリジノンとの組合せ、N-メチル-2-
ロリドンとN-エチル-2-ピロリドンと1,3-ジメ
ル-2-イミダゾリジノンとの組合せからなる
合溶媒が用いられる。そして、それらの混
溶媒は、全溶媒量を100質量%としたときに、
混合溶媒を構成する各溶媒が7~93質量%、好ま
くは10~90質量%、より好ましくは20~80質量%の
合で構成される。
本発明のポリアミック酸溶液組成物を構成
る混合溶媒において、1種の溶媒量が全溶媒
100質量%中93質量%を越えると、すなわち他の1
又は2種の溶媒量が全溶媒100質量%中7質量%未
満では、ポリアミック酸溶液組成物を基材に
塗布して形成した塗膜を加熱処理する方法に
よって、膜厚が厚いポリイミド膜を発泡なし
に製造することが困難になる。また、耐熱性
や機械的物性など、特に引張り強度、引張り
弾性率及び引裂き強度が優れたポリイミド膜
を容易に得ることが困難になる。
本発明の製造方法で用いられるポリアミ ク酸溶液組成物は、一旦ポリアミック酸を 製したあとで、得られたポリアミック酸を えばメタノールのようなポリアミック酸の 溶媒中に投入して析出(沈殿)させるような 法によって単離し、次いで該ポリアミック を本発明の混合溶媒中に溶解させる方法に って好適に得ることができるが、より好適 は、本発明の混合溶媒を反応溶媒としてポ アミック酸溶液を調製する方法である。或 は、本発明の混合溶媒を構成する一つの溶 を反応溶媒として用いてポリアミック酸溶 を調製し、次いで混合溶媒を構成する他の 媒を混合する方法でも構わない。
本発明の製造方法で用いられるポリアミ ク酸溶液組成物は、ポリイミド換算した固 分濃度が5~50質量%、好ましくは10~45質量%、 り好ましくは20~40質量%の濃度のものが好適 用いられる。固形分濃度が5質量%未満では、 多量の溶媒を使用するので経済的でなくなり 、固形分濃度が50質量%を越えると、室温では 高粘度になって基材に塗布する際のハンドリ ングなどが難しくなる傾向がある。
本発明の製造方法で用いられるポリアミ ク酸溶液組成物は、ポリイミド前駆体であ 前記のポリアミック酸と、それを溶解する 述の混合溶媒以外に、微粉状シリカ、窒化 ウ素、アルミナ、カーボンブラックなどの 細な無機又は有機充填材を配合してもよく また必要に応じて更に他の配合成分を配合 ても構わない。他の配合成分としては、用 や要求性能に応じて決定されるが、可塑剤 耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯 防止剤、増白剤、染料や顔料などの着色剤 金属粉などの導電剤、離型剤、表面処理剤 粘度調節剤、カップリング剤、界面活性剤 どを好適に配合することができる。これら 配合成分は、予めポリアミック酸溶液組成 に配合してもよいし、使用に際して添加配 して用いても差し支えない。
なお、ポリアミック酸溶液組成物に微細な
填材を配合すると、製膜工程における発泡
生成を抑制し易いので製膜性(成形性)の向
において有利になることがある。本発明の
リアミック酸溶液組成物を用いたポリイミ
膜の製造方法において、微細な充填材を配
したポリアミック酸溶液組成物を用いると
充填材による発泡の抑制効果と混合溶媒に
る発泡の抑制効果とが相乗されて、製膜性(
形性)はより向上する。微細な充填材を配合
しても混合溶媒を用いない場合には、製膜性
の向上は必ずしも十分ではなく、膜厚や製膜
条件が制限されたり、膜厚や製膜条件によっ
て発泡を抑えきれなくなったりすることがあ
る。また製膜時に例えば膜がひび割れるなど
他の問題が生じ易くなる。
本発明のポリイミド膜の製造方法は、特定
混合溶媒によって製膜性(成形性)が改良さ
たポリアミック酸溶液組成物を用いるとこ
に特徴がある。その結果、代表例として発
で例示される製膜性(成形性)が改良されるこ
とを説明したのであって、その効果は必ずし
も発泡の有無のみに限定されるものではない
。本発明によれば、製膜条件が限定されず、
幅広い条件を採用できるようになり、ポリイ
ミド膜のひび割れなどの問題が抑制され、さ
らに引裂き強度などの機械的物性が改良され
るなどの効果も奏される。
本発明のポリイミド膜の製造方法は、前記
ポリアミック酸溶液組成物を基材に塗布し
形成した塗膜を基材上で加熱処理すること
よって、膜厚が40μmを越えるポリイミド膜
得ることを特徴の一つとする。
本発明において、基材とは、表面にポリア
ック酸を塗布して塗膜が形成できるもので
り、液体及び気体を実質的に透過させるこ
がない緻密構造を有したものであれば、形
や材質で特に限定されるものではない。通
のフィルムを製造する際に用いられるそれ
体公知のベルト、ロール或いは金型などの
ィルム形成用基材、その表面にポリイミド
を保護膜として形成する回路基板や電子部
、摺動部品などの表面に皮膜が形成される
品や製品、ポリイミド膜を形成して多層化
ィルムを形成する際の一方のフィルムなど
好適に挙げることができる。
基材上に塗膜を形成する塗布の方法とし は、例えばスプレー法、ロールコート法、 転塗布法、バー塗布法、インクジェット法 スクリーン印刷法、スリットコート法など それ自体公知の方法を適宜採用することが きる。
この基材上に塗布されて形成された塗膜は
例えば減圧下に比較的低温で加熱する方法
脱泡しても構わない。
基材上に塗布されて形成されたポリアミッ
酸溶液組成物からなる塗膜は、加熱処理す
ことによって溶媒を除去し且つイミド化さ
てポリイミド膜が形成される。加熱処理は
いきなり高温で加熱処理するよりも最初に1
40℃以下の比較的低温で溶媒を除去し、次い
最高加熱処理温度まで温度を上げてイミド
する段階的な加熱処理が好適である。また
イミド化は、140℃以上で0.01~30時間、好まし
くは0.01~10時間、より好ましくは0.01~6時間の
熱処理を行って実質的にアミド酸基が残ら
いようにイミド化することが好適である。
高加熱処理温度は275℃以上500℃以下の温度
適宜選択できるが、275~450℃、好ましくは300~
450℃、より好ましくは350~450℃の温度範囲で0.
01~20時間、好ましくは0.01~6時間、より好まし
は0.01~5時間加熱処理することが好適である
このように段階的に温度を上げる加熱処理
件としては、例えば80℃で30分間、130℃で10
間、200℃で10分間、そして最後に400℃で10分
間加熱処理する(但し、次の段階へは10分間で
昇温する)加熱処理条件、或いは80℃で30分間
130℃で10分間、200℃から250℃まで10℃ずつ昇
温させ各温度で10分間~2時間、そして最後に40
0℃で10分間加熱処理する(但し、次の段階へ
10分間で昇温する)加熱処理条件を例示する
とができる。
本発明のポリイミド膜の製造方法によれ 、極めて安定した製膜が可能になる。すな ち膜厚が40μmを越える場合であっても、ポ イミド膜を発泡やひび割れなどの製膜時の 題を生じることがなしに得ることができる すなわち本発明のポリイミド膜の製造方法 は、得られるポリイミド膜の膜厚が、40μm超 、好ましくは45μm超、より好ましくは50μm超 さらに好ましくは55μm超であって、通常200μm 以下、特に150μm以下である。膜厚が40μm以下 ポリイミド膜では製膜性(成形性)の改善効 が明確ではなくなる。またポリイミド膜の 厚が200μmを越えると、本発明の特定の混合 媒を採用しても製膜性(成形性)を十分に改善 することは難しくなる。
さらに、本発明のポリイミド膜の製造方 によれば、引張り破断強度が350MPa以上、好 しくは380MPa以上、より好ましくは400MPa以上 あり、且つ引張り破断伸度が30%以上であり さらに引張り弾性率が6.0GPa以上、好ましく 6.5GPa以上、より好ましくは7.0GPa以上、特に ましくは7.5GPa以上の極めて高い機械的強度 有するポリイミド膜を好適に得ることがで る。さらに、本発明のポリイミド膜の製造 法によれば、引裂き強度が4.0N/mm以上、好ま しくは4.3N/mm以上、より好ましくは4.5N/mm以上 ポリイミド膜を好適に得ることができる。
本発明で得られるポリイミド膜は、製膜 (成形性)が改善されて発泡がなく、且つ前 のような極めて優れた機械的特性を有して るので、オーバーコート膜、銅箔と積層し 得られる2層CCLなどの銅張積層基板、特に遠 成形法などに適用して得られるシームレス ルトなどにおいて好適に採用することがで る。
シームレスベルトは、基材として円筒状 金型の内周面或いは外周面を用い、金型を 転させながら製膜(成形)が行われる点を除 て、基本的には前述の製膜方法や製膜条件 好適に採用できる。ただし、シームレスベ トの場合は、装置上熱効率や溶媒除去速度 抑制したり、膜厚が通常フィルムより厚く( 常の膜厚は40μm超、特に50~150μm程度)、更に 填材を比較的多く含有する場合が多いので 溶媒の乾燥除去をより長時間行う或いは加 処理の時間や昇温速度をより長くゆっくり 行うなどの条件選定が好適である。本発明 は特に200℃~250℃の温度範囲で加熱処理の時 間や昇温速度をより長くゆっくりと行うなど の条件選定が好適である。
またシームレスベルトは、その用途に応じ
種々の充填材などが配合される。配合成分
ポリアミック酸溶液組成物に添加配合され
ことで好適に行われる。またポリアミック
溶液を調製する際に反応前の溶液にあらか
め配合しておいても構わない。
例えば、ポリイミド無端管状ベルトが複写
の定着ベルトとして用いられるときは、熱
導性を向上させるためにシリカ、窒化ホウ
、アルミナなどが好適に配合される。また
面に付着するトナーの融着防止のためにベ
ト表面にポリテトラフルオロエチレン、テ
ラフルオロエチレン-パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエ
チレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体
どのフッ素樹脂からなる非粘着性の層を積
しても構わない。
また、ポリイミド無端管状ベルトが複写機
転写ベルトとして用いられるときには、半
電性を付与するためにカーボンブラックな
が好適に配合される。
以下、実施例によって本発明をさらに詳 に説明する。なお、本発明は以下の実施例 限定されるものではない。
以下の例で使用した化合物の略号は以下の
おりである。
s-BPDA:3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物
PPD:p-フェニレンジアミン
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
NEP:N-エチル-2-ピロリドン
DMI:1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン
(引張り破断強度の測定方法)
引張り試験機(オリエンテック社製RTC-1225A)
用いて、ASTM D882に準拠して測定した。
(引張り破断伸度の測定方法)
引張り試験機(オリエンテック社製RTC-1225A)
用いて、ASTM D882に準拠して測定した。
(引張り弾性率の測定方法)
引張り試験機(オリエンテック社製RTC-1225A)
用いて、ASTM D882に準拠して測定した。
(引裂き強度の測定方法)
引張り試験機(オリエンテック社製RTC-1225A)
用いて、JIS K 7128-1、トラウザー引裂法に準
拠して測定した。
(溶液組成物の対数粘度)
対数粘度(η inh
)は、ポリアミック酸溶液組成物をポリアミ
ック酸濃度が0.5g/100ミリリットル溶媒となる
うにN-メチル-2-ピロリドンに均一に溶解し
溶液を調製し、その溶液と溶媒との溶液粘
を30℃で測定して次式で算出した。
(固形分濃度)
ポリアミック酸溶液組成物のポリイミド換
した固形分濃度は、ポリアミック酸溶液組
物を350℃で30分間乾燥し、乾燥前の重量W1と
乾燥後の重量W2とから次式によって求めた値
ある。
固形分濃度(重量%)={(W1-W2)/W1}×100
(溶液粘度)
トキメック社製E型粘度計を用いて30℃での
液粘度を測定した。
(ポリイミド膜状態観察)
目視によりポリイミド膜の状態を判断した
ポリイミド膜状態観察は、発泡が全くない
のを○、発泡が全体の30%程度のものを△、
れ以上発泡しているものを×とした。
〔実施例1〕
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内
積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒とし
NMPの300g(溶媒全量のうち75質量%)、NEPの100g(溶
媒全量のうち25質量%)を加え、これにPPDの26.88
g(0.249モル)と、s-BPDAの73.12g(0.249モル)とを加え
、50℃で10時間撹拌して、固形分濃度18.5重量%
、溶液粘度55.0Pa・s、対数粘度1.00のポリアミ
ク酸溶液組成物を得た。
このポリアミック酸溶液組成物を、基材の
ラス板上にバーコーターによって塗布し、
の塗膜を、減圧下25℃で30分間、脱泡及び予
備乾燥した後、常圧下、窒素ガス雰囲気下に
熱風乾燥器に入れて、120℃で60分間、150℃で3
0分間、200℃で10分間、250℃で10分間、次いで4
00℃で10分間加熱処理して、膜厚が50μmのポリ
イミド膜を形成した。このポリイミド膜には
発泡は見られなかった。
このポリイミド膜の特性等について結果を
1に示した。
〔実施例2〕
NMPの200g(溶媒全量のうち50質量%)とNEPの200g(
媒全量のうち50質量%)とを用いたこと以外は
施例1と同様にして膜厚が50μmのポリイミド
を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を
1に示した。
〔実施例3〕
NMPの200g(溶媒全量のうち50質量%)とNEPの200g(
媒全量のうち50質量%)とを用いたこと以外は
施例1と同様にして膜厚が75μmのポリイミド
を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を
1に示した。
〔実施例4〕
NMPの100g(溶媒全量のうち25質量%)とNEPの300g(
媒全量のうち75質量%)とを用いたこと以外は
施例1と同様にして膜厚が50μmのポリイミド
を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を
1に示した。
〔実施例5〕
NMPの300g(溶媒全量のうち75質量%)とDMIの100g(
媒全量のうち25質量%)とを用いたこと以外は
施例1と同様にして膜厚が50μmのポリイミド
を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を
1に示した。
〔実施例6〕
NMPの200g(溶媒全量のうち50質量%)とDMIの200g(
媒全量のうち50質量%)とを用いたこと以外は
施例1と同様にして膜厚が50μmのポリイミド
を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を
1に示した。
〔実施例7〕
NMPの100g(溶媒全量のうち25質量%)とDMIの300g(
媒全量のうち75質量%)とを用いたこと以外は
施例1と同様にして膜厚が50μmのポリイミド
を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を
1に示した。
〔実施例8〕
NEPの300g(溶媒全量のうち75質量%)とDMIの100g(
媒全量のうち25質量%)とを用いたこと以外は
施例1と同様にして膜厚が50μmのポリイミド
を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を
1に示した。
〔実施例9〕
NEPの200g(溶媒全量のうち50質量%)とDMIの200g(
媒全量のうち50質量%)とを用いたこと以外は
施例1と同様にして膜厚が50μmのポリイミド
を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を
1に示した。
〔実施例10〕
NEPの200g(溶媒全量のうち50質量%)とDMIの200g(
媒全量のうち50質量%)とを用いたこと以外は
施例1と同様にして膜厚が75μmのポリイミド
を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を
1に示した。
〔実施例11〕
NEPの100g(溶媒全量のうち25質量%)とDMIの300g(
媒全量のうち75質量%)とを用いたこと以外は
施例1と同様にして膜厚が50μmのポリイミド
を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を
1に示した。
〔実施例12〕
NEPの100g(溶媒全量のうち25質量%)とDMIの300g(
媒全量のうち75質量%)とを用いたこと以外は
施例1と同様にして膜厚が75μmのポリイミド
を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を
1に示した。
〔比較例1〕
NMPの400g(溶媒全量のうち100質量%)を用いたこ
と以外は実施例1と同様にしてポリイミド膜
形成した。このポリイミド膜には全体に渡
て発泡が見られた。
このポリイミド膜の特性等について結果を
2に示した。
〔比較例2〕
NEPの400g(溶媒全量のうち100質量%)を用いたこ
と以外は実施例1と同様にしてポリイミド膜
形成した。このポリイミド膜には全体の30%
度に発泡が見られた。
このポリイミド膜の特性等について結果を
2に示した。
〔比較例3〕
DMIの400g(溶媒全量のうち100質量%)を用いたこ
と以外は実施例1と同様にしてポリイミド膜
形成した。このポリイミド膜には全体に渡
て発泡が見られた。
このポリイミド膜の特性等について結果を
2に示した。
〔比較例4〕
NMPの380g(溶媒全量のうち95質量%)とNEPの20g(溶
媒全量のうち5質量%)とを用いたこと以外は実
施例1と同様にしてポリイミド膜を形成した
このポリイミド膜には全体に渡って発泡が
られた。
このポリイミド膜の特性等について結果を
2に示した。
〔比較例5〕
NMPの20g(溶媒全量のうち5質量%)とNEPの380g(溶
全量のうち95質量%)とを用いたこと以外は実
施例1と同様にしてポリイミド膜を形成した
このポリイミド膜には全体の30%程度に発泡
見られた。
このポリイミド膜の特性等について結果を
2に示した。
〔比較例6〕
NMPの380g(溶媒全量のうち95質量%)とDMIの20g(溶
媒全量のうち5質量%)とを用いたこと以外は実
施例1と同様にしてポリイミド膜を形成した
このポリイミド膜には全体に渡って発泡が
られた。
このポリイミド膜の特性等について結果を
2に示した。
〔比較例7〕
NMPの20g(溶媒全量のうち5質量%)とDMIの380g(溶
全量のうち95質量%)とを用いたこと以外は実
施例1と同様にしてポリイミド膜を形成した
このポリイミド膜には全体に渡って発泡が
られた。
このポリイミド膜の特性等について結果を
2に示した。
〔比較例8〕
NEPの380g(溶媒全量のうち95質量%)とDMIの20g(溶
媒全量のうち5質量%)とを用いたこと以外は実
施例1と同様にしてポリイミド膜を形成した
このポリイミド膜には全体の30%程度に発泡
見られた。
このポリイミド膜の特性等について結果を
2に示した。
〔比較例9〕
NEPの20g(溶媒全量のうち5質量%)とDMIの380g(溶
全量のうち95質量%)とを用いたこと以外は実
施例1と同様にしてポリイミド膜を形成した
このポリイミド膜には全体に渡って発泡が
られた。
このポリイミド膜の特性等について結果を
2に示した。
〔比較例10〕
NMPの200g(溶媒全量のうち50質量%)とγ-ブチロ
クトンの200g(溶媒全量のうち50質量%)とを用
たこと以外は実施例1と同様にしてポリイミ
ド膜を形成した。このポリイミド膜には全体
に渡って発泡が見られた。
このポリイミド膜の特性等について結果を
2に示した。
〔比較例11〕
NMPの200g(溶媒全量のうち50質量%)とシクロヘ
サノンの200g(溶媒全量のうち50質量%)とを用
て実施例1と同様に重合を行ったが、ゲル化
のためポリアミック酸が得られなかった。
〔比較例12〕
NMPの200g(溶媒全量のうち50質量%)とトリグラ
ムの200g(溶媒全量のうち50質量%)とを用いた
と以外は実施例1と同様にしてポリイミド膜
を形成した。このポリイミド膜には濁り及び
全体に渡って発泡が見られた。
このポリイミド膜の特性等について結果を
2に示した。
〔比較例13〕
NMPの200g(溶媒全量のうち50質量%)とジグライ
の200g(溶媒全量のうち50質量%)とを用いたこ
以外は実施例1と同様にしてポリイミド膜を
形成した。このポリイミド膜には全体に渡っ
て発泡が見られた。
このポリイミド膜の特性等について結果を
2に示した。
本発明のポリイミド膜の製造方法によれば
s-BPDAとPPDとを主成分とした耐熱性や、機械
物性、特に引張り強度、引張り弾性率及び
裂き強度などの機械的物性が優れた膜厚が
いポリイミド膜を、ポリアミック酸溶液組
物を基材に塗布して形成した塗膜を加熱処
する方法によって、発泡なしに容易に製造
きるなど、製膜性(成形性)よく製造するこ
ができる。
また、本発明によれば、前記ポリイミド膜
製造方法に使用されるポリアミック酸溶液
成物を提供することができる。
