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Title:
PROCESS FOR PRODUCTION OF SILANE-MODIFIED CATIONIZED CELLULOSE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/025354
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a process for producing a silane-modified cationized cellulose having excellent dispersibility in water, which comprises the following steps: (1) cationizing a water-soluble cellulose ether in a mixed solvent of a water-compatible organic solvent and water in the presence of an alkali to form a slurry containing a cationized cellulose; (2) adding an acid to the slurry to neutralize the alkali; (3) reacting the cationized cellulose with an aminosilane compound in an amount of 0.3 to 10 mass% relative to the amount of the water-soluble cellulose ether used in the step (1); and (4) drying the resulting slurry. In the process, the drying in the step (4) may be carried out at 115 to 160˚C until the weight loss through drying becomes 5 wt% or less. Alternatively, the process may further comprise a step (5) of adding a water-compatible organic solvent or a mixed solvent of a water-compatible organic solvent and water to the cationized cellulose yielded after the neutralization so that the water content in the whole solvent that contacts with the cationized cellulose becomes 10 mass% or less.

Inventors:
KOHNO YOUICHIROU (JP)
OSAKO YOKO (JP)
ITO ATSUSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065002
Publication Date:
February 26, 2009
Filing Date:
August 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
LION CORP (JP)
KOHNO YOUICHIROU (JP)
OSAKO YOKO (JP)
ITO ATSUSHI (JP)
International Classes:
C08B15/06
Foreign References:
JP2007211167A2007-08-23
JPS5343786A1978-04-20
JPS4735073A
JPS512103B11976-01-23
JPS4735073A
JPH0639481B21994-05-25
JPH08183801A1996-07-16
JP2004155805A2004-06-03
JPS61195138A1986-08-29
JP2005171089A2005-06-30
Other References:
See also references of EP 2182009A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (MarunouchiChiyoda-ku, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 水溶性セルロースエーテルを、水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒中、アルカリ存在下にてカチオン化して、カチオン化セルロースを含有するスラリーを得る工程(1)と、
 得られた前記スラリーに酸を添加してアルカリを中和する工程(2)と、
 得られた前記中和後のカチオン化セルロースを、前記カチオン化セルロースの原料として用いた水溶性セルロースエーテル量の0.3~10質量%のアミノシラン化合物と反応させる工程(3)と、
 前記工程(3)の反応で得られた生成物を乾燥して粉体とする工程(4)とを含む水への分散性と溶解性に優れるシラン変性カチオン化セルロースの製造方法であって、
 前記工程(4)において115~160℃の温度で乾燥減量が5重量%以下となるまで乾燥を行うこと、または、
 前記工程(2)において得られたカチオン化セルロースに対して、当該カチオン化セルロースと接触する全溶媒中の水分が10質量%以下となるように、水相溶性有機溶媒、または水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒を添加する工程(5)をさらに有することを特徴とするシラン変性カチオン化セルロースの製造方法。
 前記工程(2)で得られたスラリーに対してアミノシラン化合物を添加して工程(3)を行う請求項1に記載の製造方法。
 前記工程(2)で得られたスラリーの脱液処理を行なって得たケーキに対してアミノシラン化合物を添加して工程(3)を行う請求項1に記載の製造方法。
 前記工程(2)で得たスラリーに対して水相溶性有機溶媒、または水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒を加えて混合、撹拌することにより前記工程(5)を行う請求項1に記載の製造方法。
 前記工程(2)で得たスラリーの脱液処理を行い、得られたケーキに水相溶性有機溶媒、または水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒を添加することにより前記工程(5)を行う請求項1に記載の製造方法。
 請求項1~5のいずれか一項に記載のシラン変性カチオン化セルロースの製造方法により製造されるシラン変性カチオン化セルロース。
Description:
シラン変性カチオン化セルロー の製造方法

 本発明は、シラン変性カチオン化セルロー の製造方法、および前記製造方法により製 されるシラン変性カチオン化セルロースに する。
 本願は、2007年8月22日に日本に出願された特 願2007-216089号に基づき優先権を主張し、その 容をここに援用する。

 ヒドロキシアルキルセルロース等の水溶性 ルロースエーテルは、親水性、増粘性を有 ることから、増粘剤、接着剤、分散剤、乳 安定化剤など、種々の分野において幅広く 用されている。
 これらの用途において、水溶性セルロース ーテルは、一般的に、水、または水を含む 合溶媒(以下、水系溶媒ということがある。 )に溶解して用いられるため、通常、溶解性 考慮して、微粒子状にして用いられている
 しかし、このような微粒子状の水溶性セル ースエーテルは、水または水系溶媒への溶 性が非常に高いため、そのまま水または水 溶媒に投入した際に、各粒子の表面だけが に濡れて溶解し、粒子同士が付着して塊、 わゆるママコが生成してしまう。一旦この マコが生成すると、水溶性セルロースエー ルと水との接触面積が極度に減少するため 水溶性セルロースエーテルを完全に溶解す のに時間がかかってしまい、工業プロセス 、問題となる。

 このような問題に対し、水溶性セルロース ーテルをグリオキサールで処理し、疎水性 高めて水分散性を向上させるグリオキサー 処理が知られている。グリオキサール処理 よれば、グリオキサールが水溶性セルロー エーテルの水酸基と反応し、ヘミアセター 結合により、グリオキサールと水溶性セル ースエーテルとが架橋する。この架橋は、 ルカリや熱により加水分解するため、グリ キサール処理された水溶性セルロースエー ルは、水または水系溶媒に投入した際には れた水分散性により分散し、その後、アル リや熱により優れた溶解性を発現する。
 しかし、グリオキサール処理は、グリオキ ールが変異源性物質として指定されている とから、その代替技術が求められている。
 グリオキサール処理の代替技術として、シ ン化合物を用いたシラン変性方法が提案さ ている。シラン変性方法としては、たとえ アミノシランやエポキシシランを用いる方 (特許文献1、2)、アルキルトリアルコキシル シラン、アルキルテトラアシルオキシシラン 、テトラアルコキシシラン、テトラアシルオ キシシランを用いる方法(特許文献3~6)等が提 されている。

 一方、水溶性セルロースエーテルをカチオ 化してカチオン化セルロースとすることが われている。カチオン化セルロースの製造 法としては、水溶性セルロースエーテルを ルカリ存在下でカチオン化剤と反応させる 法が知られている(特許文献7)。前記カチオ 化セルロースは、主に、シャンプー、ボデ ーソープ用のコンディショニング剤などと て幅広く利用されている。

特公昭51-2103号公報

特開昭47-35073号公報

特公平6-39481号公報

特開平8-183801号公報

特開2004-155805号公報

特開昭61-195138号公報

特開2005-171089号公報

 カチオン化セルロースは、水溶性セルロー エーテルよりも親水性が高いため、さらに 分散性が悪い。そこで、カチオン化セルロ スについても、水溶性セルロースエーテル 同様、シラン変性方法によりカチオン化セ ロースを処理することが考えられる。
 しかしながら、本発明者らの検討によれば 水溶性セルロースエーテルに対して用いら ている従来のシラン変性方法をカチオン化 ルロースの変性に用いても、得られるシラ 変性カチオン化セルロースの水または水系 媒への分散性は不十分であり、多くの溶け りが発生してしまうことがある。
 本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの あって、水分散性に優れたシラン変性カチ ン化セルロースを製造できる製造方法、お び前記製造方法により製造されるシラン変 カチオン化セルロースを提供することを目 とする。

 本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、少 くともシラン処理を行う前に、当該カチオ 化セルロースを、水相溶性有機溶媒を用い 、水分量が一定値以下の溶媒環境下に置き その後で、一定量のアミノシラン化合物を いてシラン処理を行うことにより上記課題 解決されることを見出した。さらに、上記 分調整工程を行わない場合でも、シラン処 後に115℃~160℃の温度で乾燥減量が一定の割 合以下になるまで乾燥を行うことにより、上 記課題が解決されることを見出し、本発明を 完成した。
 上記課題を解決する本発明の第一の態様は 下記工程(1)~(4)を含み、または下記工程(5)を さらに含むシラン変性カチオン化セルロース の製造方法である。
 工程(1):水溶性セルロースエーテルを、水相 溶性有機溶媒と水との混合溶媒中、アルカリ 存在下にてカチオン化して、カチオン化セル ロースを含有するスラリーを得る工程。
 工程(2):前記工程(1)で得たスラリーに酸を添 加してアルカリを中和する工程。
 工程(3):前記工程(2)で得たカチオン化セルロ ースを、前記カチオン化セルロースの原料と して用いた水溶性セルロースエーテル量の0.3 ~10質量%のアミノシラン化合物と反応させる 程。
 工程(4):前記工程(3)の反応で得られた生成物 を乾燥して粉体とする工程であって、下記工 程(5)を実施しない場合には、115~160℃の温度 乾燥減量が5重量%以下となるまで乾燥を行う 工程。
 工程(5):前記工程(2)において得られたカチオ ン化セルロースに対して、当該カチオン化セ ルロースと接触する全溶媒中の水分が10質量% 以下となるように、水相溶性有機溶媒、また は水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒を添加 する工程。
 本発明の第二の態様は、前記第一の態様の ラン変性カチオン化セルロースの製造方法 より製造されるシラン変性カチオン化セル ースである。

 本発明のアミノシラン変性カチオン化セ ロースの製造方法によれば、水分散性に優 たシラン変性カチオン化セルロースを製造 きる。

≪シラン変性カチオン化セルロースの製造方 法≫
 本発明の第一の態様の製造方法は、前記工 (1)~(4)を含み、または工程(5)をさらに含む。 以下、各工程をより詳細に説明する。

<工程(1)>
 工程(1)では、水溶性セルロースエーテルを 水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒中、ア カリ存在下にてカチオン化して、カチオン セルロースを含有するスラリーを得る。
 水溶性セルロースエーテルとしては、ヒド キシアルキルセルロースエーテルが挙げら る。ヒドロキシアルキルセルロースエーテ は、セルロースの水酸基に、置換基として ヒドロキシアルキル基が結合したものであ 。
 前記ヒドロキシアルキル基は、一般式-(A-O) n Hで表される基である。式中、Aは、炭素数2~3 アルキレン基であり、エチレン基またはプ ピレン基が好ましく、エチレン基がより好 しい。nはアルキレンオキサイドの平均付加 モル数であり、前記平均付加モル数は、水溶 性セルロースエーテルのグルコース残基(単 骨格)1モルに対して、0.5~3.5モルが好ましく 1~2.5モルがより好ましい。
 ヒドロキシアルキルセルロースエーテルは ヒドロキシアルキル基以外の置換基を有し もよい。前記置換基としては、たとえば炭 数1~3のアルキル基等が挙げられる。
 ヒドロキシアルキルセルロースエーテルと て、具体的にはヒドロキシエチルセルロー (HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、 メチル-ヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、 チル-ヒドロキシプロピルセルロース(MHEC)、 チル-ヒドロキシエチルセルロース(EHEC)等が 挙げられる。中でもHECが安価であり増粘剤等 の用途に一般的に使用されるため好ましい。 これらはいずれか1種を用いてもよく、2種以 を併用してもよい。
 かかるヒドロキシアルキルセルロースエー ルは、市販のものを用いてもよく、合成し もよい。ヒドロキシアルキルセルロースエ テルは、たとえば、セルロースをアルカリ 理してアルカリセルロースとし、これにア キレンオキサイドを反応させることにより 成できる。
 市販品として、住友精化製:HEC AL‐15、AH‐1 5、AX‐15、SW‐25F、SG‐25F、SY‐25Fおよびダイ ル化学工業製:HECダイセル SE550、SE600、SE900 どがある。
 水溶性セルロースエーテルの粘度としては 2質量%の水溶液の20℃における粘度が5~35,000m Pa・sであることが好ましい。粘度はB型粘度 で測定開始から1分後の粘度をいう。

 水相溶性有機溶媒としては、水と混合した に均一な溶液となるものであればよく、た えば、炭素数1~4のアルコール、アセトン等 挙げられる。これらの中でも、炭素数1~4の ルコールが好ましく、具体的には、メタノ ル、エタノール、イソプロパノール、n-プ パノール、t-ブチルアルコール等が挙げられ る。この中で、エタノール、イソプロパノー ル、t-ブチルアルコールが価格・安全性面か 好ましい。
 混合溶媒中の水の割合は、副反応を抑制し カチオン化反応を効率よく進行させる観点 ら、12~30質量%が好ましく、12~20質量%がより ましい。下限以上とすることでカチオン化 応をより効率よく進行させることができる 上限以上では生成したカチオン化セルロー や水溶性セルロースエーテルが溶解して歩 まりが低下したり、一部水に溶解すること よりゲル化してしまうため取り扱い、製造 の面で好ましくない。
 混合溶媒の使用量は、水溶性セルロースエ テルのカチオン化が局部的に進行すること 回避する観点、および反応器の容積効率を める観点から、水溶性セルロースエーテル1 00質量部に対して、200~1500質量部が好ましく 300~800質量部がより好ましい。

 アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水 化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ 属水酸化物を挙げることができる。これら 中では、安価であることから、水酸化ナト ウムが好ましい。
 アルカリの使用量は、水溶性セルロースエ テルに対してアルカリの含有量が0.1~10質量% となる量が好ましい。

 水溶性セルロースエーテルのカチオン化は 水溶性セルロースエーテルとカチオン化剤 を反応させることによって実施できる。
 カチオン化剤としては、水溶性セルロース ーテルの水酸基の水素原子(活性水素)と反 して水溶性セルロースエーテルにカチオン を与えるものであればよく、具体的には、 リシジルトリメチルアンモニウムクロリド グリシジルトリエチルアンモニウムクロリ 、グリシジルトリメチルアンモニウムブロ ド、グリシジルトリエチルアンモニウムブ ミド等のグリシジルトリアルキルアンモニ ムハライドや、ジメチルジアリルアンモニ ムクロリド、メタクリロイルオキシエチレ トリメチルアンモニウムクロリド、3-クロロ -2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウ ムクロリドなどのアンモニウムハライド化合 物が挙げられる。これらの中では、安価で反 応性が高い観点から、グリシジルトリメチル アンモニウムクロリドが好ましい。

 カチオン化剤の使用量は、カチオン化セ ロースの収率を高める観点および使用量に 合う効果がなく経済的でなくなるのを回避 る観点から、水溶性セルロースエーテル中 グルコース残基単位骨格当たりに対して0.1~ 1.4モルとなる量が好ましく、0.3~1.2モルとな 量がより好ましい。

 水溶性セルロースエーテルとカチオン化剤 の反応は、たとえば、水溶性セルロースエ テルと前記混合溶媒とアルカリとを混合、 拌した後、カチオン化剤を添加し、所定の 応温度とすることにより実施できる。
 このときの反応温度は、反応を促進させ、 応時間を短縮させる観点および反応が急激 進行するのを回避する観点から、通常、40~6 0℃の範囲内であり、好ましくは45~55℃である 。
 反応時間は、反応温度によって異なるので 概には決定することができないが、通常、2 ~4時間程度である。

 このようにして、カチオン化セルロースを 有するスラリーが得られる。
 前記カチオン化セルロースのカチオン化度 、特に限定されず、最終的に得られるシラ 変性カチオン化セルロースの使用目的に応 て適宜選択することができる。好ましくは0 .3~2.5質量%であり、0.5~2.0質量%がより好ましい 。前記カチオン化度が0.3質量%以上であると 前記カチオン化セルロースのカチオン性、 いては最終的に得られるシラン変性カチオ 化セルロースのカチオン性が向上し、その 能(増粘性等)が向上する。2.5質量%以下であ と、アミノシラン化合物との反応性が良好 あり、シラン変性カチオン化セルロースの 分散性も向上する。
 ここで、カチオン化セルロースのカチオン 度とは、前記カチオン化セルロースのグル ース残基単位骨格当たりの窒素原子の割合 意味する。カチオン化度は医薬部外品原料 格2006(薬事日報社)の塩化O-[2-ヒドロキシ-3-( リメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシ チルセルロースの頁に記載の方法により測 できる。前記窒素原子は、カチオン化剤に 来するものであり、カチオン化度は、カチ ン化剤の使用量等を調節することにより調 できる。

<工程(2)>
 工程(2)では、前記工程(1)で得たスラリーに を添加してアルカリを中和する。
 酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等 強酸、及び酢酸、リン酸等の弱酸を挙げる とができる。これらの中では、安価である とから、塩酸、硫酸、硝酸が好ましい。
 酸の使用量は、最終的なシラン変性カチオ 化セルロースを水溶液とした際のpHが後述 所望の範囲内となるように適宜調整すれば い。工程(3)で用いるアミノシラン化合物が ルカリ性であることから、前記酸の添加後 スラリーのpHが、前記所望のpHよりも低pHと る量が好ましい。具体的には、前記酸の添 後のスラリーのpHが、25℃の条件下で、2.0~6.0 となる量が好ましく、3.5~5.5となる量がより ましい。前記pHが上記範囲内であると、最終 的に得られるシラン変性カチオン化セルロー スの水分散性が良好で、水溶性も良好である 。

<工程(3)>
 工程(3)では、前記工程(2)で得たカチオン化 ルロースを、前記カチオン化セルロースの 料として用いた水溶性セルロースエーテル の0.3~10質量%のアミノシラン化合物と反応さ せる。カチオン化セルロースを上記所定量の アミノシラン化合物と反応させることにより 、本発明の効果が得られる。

 アミノシラン化合物としては、例えば、3- ミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノ プロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロ ルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロ ルトリメチルエトキシシラン、N-2―アミノ チル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン N-2―アミノエチル-3-アミノプロピルトリエ キシシラン、3-アミノプロピルジエトキシシ ラン、4-アミノブチルメチルジエトキシシラ 、N-2-カルボエトキシエチル-3-アミノプロピ ルトリエトキシシランなどが挙げられる。
 これらの中でも、3-アミノプロピルトリエ キシシラン、N-2―アミノエチル-3-アミノプ ピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピル トリメチルエトキシシラン、3-アミノプロピ ジエトキシシラン、4-アミノブチルメチル エトキシシラン、N-2-カルボエトキシエチル- 3-アミノプロピルトリエトキシシランが、最 的に得られるシラン変性カチオン化セルロ スをシャンプーやボディーソープなどに使 する際に、メタノールの遊離などが生じな 点で好ましい。アミノシラン化合物として 、信越化学工業製:KBE-903、KBE-603、KBE-9103、 レ・ダウコーニング製:AY43-059などの市販品 利用できる。
 アミノシラン化合物の使用量は、当該アミ シラン化合物と反応させるカチオン化セル ースの原料として用いた水溶性セルロース ーテル量の0.3~10質量%であり、0.5~10質量%が ましく、0.9~5質量%がより好ましく、0.9~3質量 %がさらに好ましい。また、後述の工程(5)を わない方法の場合には、アミノシラン化合 の使用量は若干多めが好ましく、1質量%~8質 %がより好ましく、2質量%~5質量%がさらに好 しい。前記アミノシラン化合物の使用量が0 .3質量%以上であると、水分散性が良好であり 、10質量%以内であると、水分散性が良好であ り、カチオン化セルロースの有効成分量が高 く、コストも抑えられるので工業的に好まし い。

 カチオン化セルロースとアミノシラン化合 とを反応させる方法(シラン処理方法)とし は、特に制限はなく、目的に応じ、従来の ラン処理方法を利用できる。ただし、工程(5 )を行う場合は、工程(5)の後、カチオン化セ ロースを、水分10質量%超の溶媒(水、水の割 が10質量%以上の混合溶媒等)とは接触させず シラン処理を行う必要がある。
 工程(3)の反応に供するカチオン化セルロー としては、工程(2)において得られた中和後 カチオン化セルロースを含有するスラリー そのまま使用してもよく、工程(2)で得られ スラリーを脱液して溶媒の一部または全部 除去し、ケーキまたは乾燥品としたもので よい。また工程(5)において、溶媒中の水分 10質量%以下としたスラリーまたはケーキを のまま使用してもよく、前記スラリーまた ケーキの溶媒の一部または全部を除去し、 ーキまたは乾燥品としたものを用いてもよ 。
 工程(2)において得られたスラリーを脱液す 方法は特に限定されず、ろ過や遠心分離な の従来公知の固液分離方法を利用できる。 とえば、濾布を用いて遠心脱液機を使用す ことにより実施できる。脱液処理は、ケー 中の固形分が30~80質量%となるように行うこ が好ましい。

 好ましいシラン処理方法としては、前記 チオン化セルロースのスラリーに対してア ノシラン化合物を添加し反応させた後に乾 させる方法、ケーキまたは乾燥品に対し、 ミノシラン化合物を、スプレーなどで噴霧 る等により添加し、反応させた後に乾燥さ る方法が挙げられる。この場合、均一にシ ン処理を行なうために、アミノシラン化合 を添加後に攪拌を行なうことが好ましい。

 シラン処理において、カチオン化セルロー とアミノシラン化合物とを反応させる際の 応温度は、特に制限はなく、目的に応じて 宜選択することができる。好ましくは20~80 であり、25~75℃がより好ましく、30~70℃がさ に好ましい。前記温度が20℃以上であると 反応が充分に進行し、得られるシラン変性 チオン化セルロースの水分散性が良好であ 、80℃以下であると、前記シラン変性カチオ ン化セルロースの色調が良好である。
 反応時間は、特に制限はなく、反応温度、 的等に応じて適宜選択することができる。
 反応時間は、好ましくは5~120分間であり、10 ~100分間がより好ましく、15~80分間がさらに好 ましい。前記反応時間が5分間以上であると 応が充分に進行し、得られるシラン変性カ オン化セルロースの水分散性が良好であり 120分間以内であると、前記シラン変性カチ ン化セルロースの色調が良好である。

<工程(4)>
 工程(4)では前記工程(3)で得られたカチオン セルロースとアミノシラン化合物との反応 成物を乾燥させて粉体とする。
 工程(5)を行わない場合、工程(4)における乾 は温度115~160℃において、水、水溶性有機溶 媒などを蒸発させ、乾燥減量が5重量%以下に るまで乾燥させる。
 この場合、115℃より高い乾燥温度であれば 分な水への分散性、溶解性が得られる。一 、160℃以下であれば分散性、溶解性の向上 果が得られ、着色が起こり難い。少ないシ ン添加量でより高い効果が得られる点で120 以上が好ましく、さらには130℃以上がより ましい。

 乾燥は、以下に示す方法で測定した乾燥減 が5重量%以下になるまで行う。
(乾燥減量の測定方法)
 乾燥減量は、乾燥後のサンプル約1g(A)を予 恒量化した秤量瓶(B)に量り取り、乾燥機内 おいて105℃で2時間乾燥させた後に、秤量瓶 蓋をして乾燥機から取り出し、30分間デシ ーター内で放冷した後の重量(C)を秤量して 下の式に基づいて求める。
 
乾燥減量(%)=〔A-(C-B)〕/A×100
  
 前記乾燥減量は、好ましくは1重量%以下、 らに好ましくは0.5重量%以下になるまで処理 行なう。乾燥減量が小さくなるほど得られ カチオン化セルロースの水への分散性が良 となり溶解時間が短くなる。なお、工程(4) 乾燥前に脱液処理を行なってもよい。
 脱液処理は、たとえば、濾布を用いて遠心 液機を使用することにより実施できる。

 乾燥は、前記のように温度115~160℃において 、乾燥減量が5重量%以下になるまで乾燥でき ば方法は特に限定されず、公知の方法によ 行うことができる。
 例えば、常圧下又は減圧下、前記温度下に くことで実施できる。蒸発率や熱劣化防止 観点から減圧で行うことが好ましく、例え 一般的に使用されている真空攪拌ドライヤ や振動式真空乾燥機などにより、1~30Torr程 の減圧下で攪拌しながら行うことができる

 なお、工程(5)を行う場合には乾燥温度は 記に制限されない。粉体として取り扱う上 は乾燥減量が10重量%以下になることが好ま く、5重量%以下まで乾燥することがより好 しく、上記と同様の装置、方法により乾燥 行うことができる。

<工程(5)>
 前記工程(2)で得たスラリー中には、カチオ 化時に使用した水分が残存しており、前記 ラリーにおける全溶媒中の水分は、通常、1 2~30質量%である。
 工程(5)では、前記中和後のカチオン化セル ースに対して、当該カチオン化セルロース 接触する全溶媒中の水分が10質量%以下とな ように、水相溶性有機溶媒、または水相溶 有機溶媒と水との混合溶媒を添加する。当 カチオン化セルロースと接触する全溶媒中 水分は、分散性・溶解時間の観点から、2~7% がより好ましい。
 水相溶性有機溶媒としては、前記工程(1)で げた水相溶性有機溶媒と同様のものが挙げ れる。
 水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒中の水 割合は、当該混合溶媒を添加した後のカチ ン化セルロースのスラリーあるいは前記ス リーを脱液処理して得られるケーキ中に含 れる全溶媒(母液)中の水分が10質量%以下と る範囲であればよく、当該混合溶媒を添加 るスラリーあるいはケーキ中の水分量に応 て適宜選択すればよい。

 工程(5)の実施方法として、具体的には、以 の方法(5-1)、(5-2)等が挙げられる。
 方法(5-1):前記工程(2)で得たスラリーに対し 水相溶性有機溶媒、または水相溶性有機溶 と水との混合溶媒を加えて混合、撹拌する 法。
 方法(5-2):前記工程(2)で得たスラリーの脱液 理を行い、得られたケーキに水相溶性有機 媒、または水相溶性有機溶媒と水との混合 媒を添加する方法。

 方法(5-2)として、より具体的には、以下の 法(5-2a)、(5-2b)等が挙げられる。
 方法(5-2a):前記工程(2)で得た中和後のスラリ ーを脱液した後に、得られたケーキを水相溶 性有機溶媒または混合溶媒中に再分散させて スラリーとする方法。
 方法(5-2b):前記工程(2)で得た中和後のスラリ ーを脱液した後に、得られたケーキ上に水相 溶性有機溶媒または混合溶媒をシャワーする 方法。
 シャワーによりケーキの処理を行なう場合 、ケーキをベルトコンベアなどにのせて、 の上にシャワーをする連続的な処理方法も ることができる。
 また、これらの処理の後、さらに、使用し 水相溶性有機溶媒または混合溶媒を除去す ために、脱液処理を行ってもよい。
 方法(5-1)および(5-2a)の場合、水相溶性有機 媒、または水相溶性有機溶媒と水との混合 媒を加えた後のスラリーに含まれる母液中 水分が10質量%以下となるように前記溶媒を 加すればよい。
 また、方法(5-2b)のようにシャワーによりケ キの処理を行なう場合は、最終的にケーキ 含まれる母液中の水分が10質量%以下となる でシャワーすればよい。
 方法(5-2)において、脱液処理方法は特に限 されず、ろ過や遠心分離などの従来公知の 液分離方法を利用できる。たとえば、濾布 用いて遠心脱液機を使用することにより実 できる。
 脱液処理は、ケーキ中の固形分が30~80質量% なるように行うことが好ましい。
 前記固形分量は、1gのケーキを105℃、2時間 燥させて、その前後の差分量から算出する

 なお、水相溶性有機溶媒または混合溶媒の 記全溶媒中の水分は、たとえばスラリーを 置または遠心分離し、その上澄みを採取し 水分を測定する方法、水相溶性有機溶媒ま は混合溶媒添加後のスラリーまたはケーキ 脱液処理を行い、脱液した液中の水分を測 する等により確認できる。
 液中の水分量は、カールフィッシャー法に り、市販の水分測定装置、たとえば平沼産 株式会社製、微量水分測定装置AQV-7等を使 して測定できる。

 前記中和後のカチオン化セルロースには、 和により生成した塩が含まれる。本工程の 相溶性有機溶媒または混合溶媒による処理 、この塩の洗浄除去による精製工程を兼ね こともできるが、洗浄液として用いる水相 性有機溶媒または混合溶媒中の水分量が少 いと中和塩の除去効率が低下し、得られる チオン化セルロース中に中和塩が残存する それがある。
 そのため、中和塩を除去効率の観点から、 分を10質量%以下とするための水相溶性有機 媒または混合溶媒の添加の前に、別途、水 量が15~30質量%程度の水溶性有機溶媒と水と 混合溶媒を用いて、カチオン化セルロース 洗浄(精製)を行うことが好ましい。

≪シラン変性カチオン化セルロース≫
 本発明のシラン変性カチオン化セルロース 、上記本発明の製造方法により製造される ラン変性カチオン化セルロースである。

 本発明のシラン変性カチオン化セルロース 形状としては、特に制限はなく、目的に応 て適宜選択することができる。水への分散 、溶解性等を考慮すると、粉末状であるこ が好ましい。
 粉末状である場合、前記シラン変性カチオ 化セルロースの粒子径は、使用目的等を考 して適宜選択すればよい。前記粒子径は、 ましくは10~1,000μmであり、30~800μmがより好 しく、50~600μmがさらに好ましい。前記粒子 が10μm以上であると、水分散性が向上し、ま た、使用時に粉塵が発生しにくく、ハンドリ ング性が良好である。
 前記粒子径が1,000μm以下であると、水への 解性が良好である。

 また、本発明のシラン変性カチオン化セ ロースは、2質量%水溶液とした際のpHが、25 の条件下で、5~7.5であることが好ましい。 記pHが7.5以下であると水分散性が向上し、5 上であると水への溶解性が向上する。

 本発明のシラン変性カチオン化セルロー は、上述したように、水分散性に優れてお 、水や、水と水相溶性有機溶媒との混合溶 等の水系溶媒に投入すると、短時間で容易 分散する。また、水系溶媒への溶解性にも れている。また、従来のグリオキサール処 されたカチオン化セルロースに比べて安全 の点においても優れている。そのため、た えばシャンプーやボディーソープ用のコン ィショニング剤、頭髪化粧品、基礎化粧品 メークアップ化粧品、芳香化粧品、日焼け 化粧品、日焼け止め用化粧品、爪化粧品、 浴用化粧品など、幅広い用途に有用であり なかでもコンディショニング剤として有用 ある。

 以下、本発明について、実施例を示してさ に具体的に説明するが、本発明はこれらの 施例によって限定されない。
 以下の例においては、特に断りのない限り 「部」および「%」は、それぞれ質量部およ び質量%を示す。
 以下の実施例および比較例において用いた 料・試薬等、分析方法、評価方法は下記の おりである。
(1)原料・使用試薬等
 ヒドロキシエチルセルロース:住友精化製「 AH-15L」、純度80%、2質量%水溶液粘度(25℃)1,200m Pa・s)。
 イソプロピルアルコール:関東化学社製、純 度99.5%。
 水酸化ナトリウム:関東化学社製。
 グリシジルトリメチルアンモニウムクロラ ド:阪本薬品製「SY-GTA80」、有効分73%水溶液
 3-アミノプロピルトリエトキシシラン:信越 学社製「KBE-903」、有効分100%。

(2)分析方法
 (a)溶媒中の水分(%)(カールフィッシャー法)
 シラン処理前のカチオン化セルロースに接 している全溶媒中の水分量の割合。実施例1 ~16、比較例1~9では上澄み中の、実施例8及び 較例5についてはシラン処理前に脱液した液 の水分量の割合をさす。
 平沼産業株式会社製、微量水分測定装置AQV- 7を用い、サンプル量として0.3gを分析に供し 。
 (b)処理シラン量(%)
 下記式により算出した。
 処理シラン量=(B/A)×100(%)
 [式中、Aは、水溶性セルロースエーテル(ヒ ロキシエチルセルロース)の有効添加量(総 量(g)×純度(%))であり、Bは、シラン化合物(3- ミノプロピルトリエトキシシラン)の有効添 加量(総質量(g)×有効分(%))である。]
 (c)pH測定方法
 横河電気株式会社製のpHメータ「PH71」を用 、測定した。

(3)評価方法
 各実施例および比較例で得られた粉末状の ラン変性カチオン化セルロースを、ふるい 分別し、得られた粒子径106~425μmのものをサ ンプルとして以下の評価に用いた。
 (a)水分散性
  (i)2分後分散量
 100mLビーカーに蒸留水50gを加え、サンプル0. 5gを水面から高さ4cmのところから投入し、サ プルを投入し終わってから2分後に目視で粉 末が水面に残らず水中に分散した割合(%)を評 価し、これを2分後分散量とした。
  (ii)完全分散時間
 100mLビーカーに蒸留水50gを加え、サンプル0. 5gを水面から高さ4cmのところから投入し、サ プルを投入し終わってから、粉末が水中に 全に分散するまでの時間を測定し、これを 全分散時間とした。なお、投入後300秒経過 ても完全には分散しなかったものはそこを 定の終点とし、評価を「300秒以上」とした

 (b)溶解時間
 200mLトールビーカー(外径6cm)に25℃の蒸留水 150g加え、スリーワンモーター(HEIDOH社製)に ットした攪拌羽根により攪拌する。攪拌羽 はφ40mmのファンタービン型(2枚パドル)を用 、羽根の下部がビーカーの下部より2cm上と るようにセットした。攪拌回転数は400rpmと た。
 攪拌しながらサンプル3.5gを加えて、直後に 70℃のウォーターバスに浴して攪拌を続けた サンプルを投入してから、サンプルが完全 溶解して透明な液体となるまでの時間を目 で測定した。

[実施例1]
 ヒドロキシエチルセルロース50gに対して、 ソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15とな 混合溶媒500g、更に25質量%水酸化ナトリウム 水溶液7.1gをセパラブルフラスコにとり、30分 間攪拌混合した。その後攪拌を止めて静置し 、混合溶媒の上澄みを250g除去した。続けて パラブルフラスコの残部を50℃まで昇温させ 、カチオン化剤としてグリシジルトリメチル アンモニウムクロライドを24g加えて、3時間 50℃で攪拌を続けた。その後、10質量%塩酸イ ソプロピルアルコール溶液を加えてpH4.5(温度 50℃)に調製し、カチオン化セルローススラリ ーを得た。続いてこのスラリー中にイソプロ ピルアルコール(99.5%)を1350g加えて15分攪拌・ 合した。その後、攪拌を止めて静置してそ 上澄み液1400g除去した。この上澄み液中の 分は2%であった。続いてこのスラリーを50℃ で加温して3-アミノプロピルトリエトキシ ランを1.2g加えて45分混合させた。そしてこ スラリーを遠心脱水機で脱液し、減圧乾燥(1 05℃)を5時間行い、目的のシラン変性カチオ 化セルロースを得た。前記シラン変性カチ ン化セルロースの2%水溶液のpHは7.0(温度25℃) であった。

[実施例2]
 pH4.5に調製したカチオン化セルローススラ ーを得るまでは実施例1と同様に行った後、 られたスラリー中にイソプロピルアルコー (99.5%)を550g加えて15分攪拌・混合した。その 後、攪拌を止めて静置してその上澄み液を600 g抜き出した。この上澄み液中の水分は7%であ った。その後は、実施例1と同様の処理を行 、目的のシラン変性カチオン化セルロース 得た。前記シラン変性カチオン化セルロー の2%水溶液のpHは6.3(温度25℃)であった。

[実施例3]
 3-アミノプロピルトリエトキシシランを0.2g えた以外は実施例2と同様の方法により、シ ラン変性カチオン化セルロースを得た。前記 シラン変性カチオン化セルロースの2%水溶液 pHは5.6(温度25℃)であった。

[実施例4]
 3-アミノプロピルトリエトキシシランを0.36g 加えた以外は実施例2と同様の方法により、 ラン変性カチオン化セルロースを得た。前 シラン変性カチオン化セルロースの2%水溶液 のpHは5.8(温度25℃)であった。

[実施例5]
 3-アミノプロピルトリエトキシシランを0.8g えた以外は実施例2と同様の方法により、シ ラン変性カチオン化セルロースを得た。前記 シラン変性カチオン化セルロースの2%水溶液 pHは6.1(温度25℃)であった。

[実施例6]
 3-アミノプロピルトリエトキシシランを2.0g えた以外は実施例2と同様の方法により、シ ラン変性カチオン化セルロースを得た。中和 時のスラリーのpHは4.0(温度50℃)、得られたシ ラン変性カチオン化セルロースの2%水溶液のp Hは6.6(温度25℃)であった。

[実施例7]
 3-アミノプロピルトリエトキシシランを4.0g えた以外は実施例2と同様の方法により、シ ラン変性カチオン化セルロースを得た。中和 時のスラリーのpHは2.6(温度50℃)、得られたシ ラン変性カチオン化セルロースの2%水溶液のp Hは7.1(温度25℃)であった。

[実施例8]
 ヒドロキシエチルセルロース50gに対して、 ソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15とな 混合溶媒500g、更に25質量%水酸化ナトリウム 水溶液7.1gをセパラブルフラスコにとり、30分 間攪拌混合した。その後攪拌を止めて静置し 、混合溶媒の上澄みを250g除去した。続けて パラブルフラスコの残部を50℃まで昇温させ 、カチオン化剤としてグリシジルトリメチル アンモニウムクロライドを24g加えて、3時間 50℃で攪拌を続けた。その後、10質量%塩酸イ ソプロピルアルコール溶液を加えてpH4.5(温度 50℃)に調製し、続いてこのスラリーを遠心脱 水機で脱液しカチオン化セルロースケーキを 得た。その後、このケーキをイソプロピルア ルコール/水(質量比)=79/21となる混合溶媒250g に再分散させて15分攪拌・混合した。
 そして、このスラリーを遠心脱水機で脱液 た。更に得られたケーキにイソプロピルア コール(99.5%)を93g加えて15分攪拌・混合して られたスラリーを遠心脱水機で脱液した。 の時の脱液した液中の水分は7%であった。 られたカチオン化セルロースケーキに3-アミ ノプロピルトリエトキシシランを0.5g噴霧さ て、攪拌・混合させた後、減圧乾燥(105℃)で 5時間行い、目的のシラン変性カチオン化セ ロースを得た。
 前記シラン変性カチオン化セルロースの2% 溶液のpHは5.6(温度25℃)であった。

[実施例9]
 ヒドロキシエチルセルロース50gに対して、 ソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15とな 混合溶媒を500g、更に25質量%水酸化ナトリウ ム水溶液を7.1g加えて混合した。その後、30分 間攪拌混合して、混合溶媒の上澄みを250g抜 出した。そして、50℃まで昇温させ、カチオ ン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニ ウムクロライドを24g加えて、3時間反応させ 。その後、10質量%塩酸IPA溶液を加えて、pH5.8 に調製したカチオン化セルローススラリーを 得た。この上澄み液中の水分は19%であった。 そして、このスラリーを50℃まで加温して3- ミノプロピルトリエトキシシランを1.2g加え 45分混合させた。そしてこのスラリーを遠 脱水機で脱液し、125℃で5時間減圧乾燥させ 、目的のカチオン化セルロースを得た。

[実施例10]
 ヒドロキシエチルセルロース50gに対して、 ソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15とな 混合溶媒を500g、更に25質量%水酸化ナトリウ ム水溶液を7.1g加えて混合した。その後、30分 間攪拌混合して、混合溶媒の上澄みを250g抜 出した。そして、50℃まで昇温させ、カチオ ン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニ ウムクロライドを24g加えて、3時間反応させ 。その後、10質量%塩酸IPA溶液を加えて、pH4.5 に調製したカチオン化セルローススラリーを 得た。この上澄み液中の水分は20%であった。 そして、このスラリーを50℃まで加温して3- ミノプロピルトリエトキシシランを4.0g加え 45分混合させた。そしてこのスラリーを遠 脱水機で脱液し、125℃で5時間減圧乾燥させ 、目的のカチオン化セルロースを得た。

[実施例11]
 ヒドロキシエチルセルロース50gに対して、 ソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15とな 混合溶媒を500g、更に25質量%水酸化ナトリウ ム水溶液を7.1g加えて混合した。その後、30分 間攪拌混合して、混合溶媒の上澄みを250g抜 出した。そして、50℃まで昇温させ、カチオ ン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニ ウムクロライドを24g加えて、3時間反応させ 。その後、10質量%塩酸IPA溶液を加えて、pH5.8 に調製したカチオン化セルローススラリーを 得た。この上澄み液中の水分は19%であった。 そして、このスラリーを50℃まで加温して3- ミノプロピルトリエトキシシランを0.8g加え 45分混合させた。そしてこのスラリーを遠 脱水機で脱液し、135℃で5時間減圧乾燥させ 、目的のカチオン化セルロースを得た。

[実施例12]
 ヒドロキシエチルセルロース50gに対して、 ソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15とな 混合溶媒を500g、更に25質量%水酸化ナトリウ ム水溶液を7.1g加えて混合した。その後、30分 間攪拌混合して、混合溶媒の上澄みを250g抜 出した。そして、50℃まで昇温させ、カチオ ン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニ ウムクロライドを24g加えて、3時間反応させ 。その後、10質量%塩酸IPA溶液を加えて、pH5.2 に調製したカチオン化セルローススラリーを 得た。この上澄み液中の水分は19%であった。 そして、このスラリーを50℃まで加温して3- ミノプロピルトリエトキシシランを2.0g加え 45分混合させた。そしてこのスラリーを遠 脱水機で脱液し、135℃で5時間減圧乾燥させ 、目的のカチオン化セルロースを得た。

[実施例13]
 ヒドロキシエチルセルロース50gに対して、 ソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15とな 混合溶媒を500g、更に25質量%水酸化ナトリウ ム水溶液を7.1g加えて混合した。その後、30分 間攪拌混合して、混合溶媒の上澄みを250g抜 出した。そして、50℃まで昇温させ、カチオ ン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニ ウムクロライドを24g加えて、3時間反応させ 。その後、10質量%塩酸IPA溶液を加えて、pH4.7 に調製したカチオン化セルローススラリーを 得た。この上澄み液中の水分は20%であった。 そして、このスラリーを50℃まで加温して3- ミノプロピルトリエトキシシランを3.2g加え 45分混合させた。そしてこのスラリーを遠 脱水機で脱液し、135℃で5時間減圧乾燥させ 、目的のカチオン化セルロースを得た。

[実施例14]
 ヒドロキシエチルセルロース50gに対して、 ソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15とな 混合溶媒を500g、更に25質量%水酸化ナトリウ ム水溶液を7.1g加えて混合した。その後、30分 間攪拌混合して、混合溶媒の上澄みを250g抜 出した。そして、50℃まで昇温させ、カチオ ン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニ ウムクロライドを24g加えて、3時間反応させ 。その後、10質量%塩酸IPA溶液を加えて、pH4.5 に調製したカチオン化セルローススラリーを 得た。この上澄み液中の水分は20%であった。 そして、このスラリーを50℃まで加温して3- ミノプロピルトリエトキシシランを4.0g加え 45分混合させた。そしてこのスラリーを遠 脱水機で脱液し、135℃で5時間減圧乾燥させ 、目的のカチオン化セルロースを得た。

[実施例15]
 ヒドロキシエチルセルロース50gに対して、 ソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15とな 混合溶媒を500g、更に25質量%水酸化ナトリウ ム水溶液を7.1g加えて混合した。その後、30分 間攪拌混合して、混合溶媒の上澄みを250g抜 出した。そして、50℃まで昇温させ、カチオ ン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニ ウムクロライドを24g加えて、3時間反応させ 。その後、10質量%塩酸IPA溶液を加えて、pH5.8 に調製したカチオン化セルローススラリーを 得た。この上澄み液中の水分は19%であった。 そして、このスラリーを50℃まで加温して3- ミノプロピルトリエトキシシランを0.8g加え 45分混合させた。そしてこのスラリーを遠 脱水機で脱液し、145℃で5時間減圧乾燥させ 、目的のカチオン化セルロースを得た。

[実施例16]
 ヒドロキシエチルセルロース50gに対して、 ソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15とな 混合溶媒を500g、更に25質量%水酸化ナトリウ ム水溶液を7.1g加えて混合した。その後、30分 間攪拌混合して、混合溶媒の上澄みを250g抜 出した。そして、50℃まで昇温させ、カチオ ン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニ ウムクロライドを24g加えて、3時間反応させ 。その後、10質量%塩酸IPA溶液を加えて、pH4.5 に調製したカチオン化セルローススラリーを 得た。この上澄み液中の水分は20%であった。 そして、このスラリーを50℃まで加温して3- ミノプロピルトリエトキシシランを4.0g加え 45分混合させた。そしてこのスラリーを遠 脱水機で脱液し、145℃で5時間減圧乾燥させ 、目的のカチオン化セルロースを得た。

[比較例1]
 pH4.5に調製したカチオン化セルローススラ ーを得るまでは実施例1と同様に行った後、 られたスラリー中にイソプロピルアルコー (99.5%)を加える処理を行なわずにそのまま静 置分離し、その上澄みを50g抜き出した。この 上澄み液中の水分は14%であった。その後は実 施例1と同様の処理を行い、シラン変性カチ ン化セルロースを得た。前記シラン変性カ オン化セルロースの2%水溶液のpHは5.9(温度25 )であった。

[比較例2]
 pH4.5に調製したカチオン化セルローススラ ーを得るまでは実施例1と同様に行った後、 ラリー中に蒸留水を13g加えて15分攪拌・混 した。この上澄み液中の水分は17%であった その後は実施例1と同様の処理を行ない、シ ン変性カチオン化セルロースを得た。前記 ラン変性カチオン化セルロースの2%水溶液 pHは5.7(温度25℃)であった。

[比較例3]
 pH4.5に調製したカチオン化セルローススラ ーを得るまでは実施例1と同様に行った後、 ラリー中に蒸留水を30g加えて15分攪拌・混 した。この上澄み液中の水分は20%であった その後は実施例1と同様の処理を行ない、シ ン変性カチオン化セルロースを得た。前記 ラン変性カチオン化セルロースの2%水溶液 pHは5.3(温度25℃)であった。

[比較例4]
 3-アミノプロピルトリエトキシシランを0.04g 加えた以外は、実施例2と同様の方法により シラン変性カチオン化セルロースを得た。 記シラン変性カチオン化セルロースの2%水溶 液のpHは5.3(温度25℃)であった。

[比較例5]
 pH4.5に調製したスラリーを遠心脱水機で脱 しカチオン化セルロースケーキを得るまで 実施例8と同様に行った後、得られたケーキ イソプロピルアルコール/水(質量比)=79/21と る混合溶媒250g中に再分散させて15分攪拌・ 合した。そして、このスラリーを遠心脱水 で脱液した。この時の脱液した液中の水分 20%であった。得られたカチオン化セルロー ケーキに3-アミノプロピルトリエトキシシ ンを0.5g噴霧させて、攪拌・混合させた後、 圧乾燥(105℃)で5時間行い、シラン変性カチ ン化セルロースを得た。中和時のスラリー pHは4.0(温度50℃)、得られたシラン変性カチ ン化セルロースの2%水溶液のpHは5.6(温度25℃ )であった。

[比較例6]
 ヒドロキシエチルセルロース50gに対して、 ソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15とな 混合溶媒を500g、更に25質量%水酸化ナトリウ ム水溶液を7.1g加えて混合した。その後、30分 間攪拌混合して、混合溶媒の上澄みを250g抜 出した。そして、50℃まで昇温させ、カチオ ン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニ ウムクロライドを24g加えて、3時間反応させ 。その後、10質量%塩酸IPA溶液を加えて、pH5.6 に調製したカチオン化セルローススラリーを 得た。この上澄み液中の水分は19%であった。 そして、このスラリーを50℃まで加温して3- ミノプロピルトリエトキシシランを1.2g加え 45分混合させた。そしてこのスラリーを遠 脱水機で脱液し、100℃で5時間減圧乾燥させ 、目的のカチオン化セルロースを得た。

[比較例7]
ヒドロキシエチルセルロース50gに対して、イ ソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15となる 混合溶媒を500g、更に25質量%水酸化ナトリウ 水溶液を7.1g加えて混合した。その後、30分 攪拌混合して、混合溶媒の上澄みを250g抜き した。そして、50℃まで昇温させ、カチオ 化剤としてグリシジルトリメチルアンモニ ムクロライドを24g加えて、3時間反応させた その後、10質量%塩酸IPA溶液を加えて、pH5.6 調製したカチオン化セルローススラリーを た。この上澄み液中の水分は19%であった。 して、このスラリーを50℃まで加温して3-ア ノプロピルトリエトキシシランを1.2g加えて 45分混合させた。そしてこのスラリーを遠心 水機で脱液し、115℃で5時間減圧乾燥させて 、目的のカチオン化セルロースを得た。

[比較例8]
 ヒドロキシエチルセルロース50gに対して、 ソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15とな 混合溶媒を500g、更に25質量%水酸化ナトリウ ム水溶液を7.1g加えて混合した。その後、30分 間攪拌混合して、混合溶媒の上澄みを250g抜 出した。そして、50℃まで昇温させ、カチオ ン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニ ウムクロライドを24g加えて、3時間反応させ 。その後、10質量%塩酸IPA溶液を加えて、pH6.0 に調製したカチオン化セルローススラリーを 得た。この上澄み液中の水分は19%であった。 そして、このスラリーを50℃まで加温して3- ミノプロピルトリエトキシシランを0.04g加え て45分混合させた。そしてこのスラリーを遠 脱水機で脱液し、145℃で5時間減圧乾燥させ て、目的のカチオン化セルロースを得た。

[比較例9]
 ヒドロキシエチルセルロース50gに対して、 ソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15とな 混合溶媒を500g、更に25質量%水酸化ナトリウ ム水溶液を7.1g加えて混合した。その後、30分 間攪拌混合して、混合溶媒の上澄みを250g抜 出した。そして、50℃まで昇温させ、カチオ ン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニ ウムクロライドを24g加えて、3時間反応させ 。その後、10質量%塩酸IPA溶液を加えて、pH6.0 に調製したカチオン化セルローススラリーを 得た。この上澄み液中の水分は19%であった。 そして、このスラリーを50℃まで加温して3- ミノプロピルトリエトキシシランを0.2g加え 45分混合させた。そしてこのスラリーを遠 脱水機で脱液し、145℃で5時間減圧乾燥させ 、目的のカチオン化セルロースを得た。

 上記実施例1~16および比較例1~9で得られたシ ラン変性カチオン化セルロースについて、上 記(3)に示した評価方法による評価を行った。 その結果を表1~2に示す。
 


 
 

 上記結果から明らかなように、実施例1~16で 得られたシラン変性カチオン化セルロースは 、2分後分散量が多く、完全分散時間も短く 優れた水分散性を示した。また、溶解時間 短かった。水分散性は、特に、処理シラン が0.9~10質量%の実施例1~2、4~16において良好で あった。
 一方、シラン処理前の溶媒中の水分が10質 %を超えていた比較例1~3、5~9で得られたシラ 変性カチオン化セルロースは、実施例1~8に べて、2分後分散量が少なく、比較例7を除 、完全分散時間がいずれも300秒以上である ど、水分散性が悪かった。また、処理シラ 量が0.1質量%であった比較例4及び8は、2分後 散量、完全分散時間ともに非常に悪かった また、比較例4は溶解時間が最も長かった。

 本発明のシラン変性カチオン化セルロー の製造方法によれば、水分散性に優れたシ ン変性カチオン化セルロースの製造を実現 きる。