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Patent Searching and Data


Title:
PROCESS FOR THE RECOVERY OF METAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/107647
Kind Code:
A1
Abstract:
A process for the recovery of metal which comprises heating a metal-containing material in the presence of a perovskite-type double oxide represented by compositional formula (1): ABHaO3-b (1) (wherein A is at least one element selected from the group consisting of lanthanoid elements and Group 2 elements of the periodic table; B is at least one element selected from the group consisting of Group 3 elements, Group 4 elements, group 13 elements, and transition metal elements of the forth period of the periodic table; and a and b represent the quantities of hydrogen and oxygen vacancies respectively and satisfy therelationships: 0≤a≤1.0 and 0≤b≤0.5) and having a tolerance factor (t) of 0.75 to 1.15 as defined by formula: t = (rA + rO)/(21/2⋅(rB + rO)) (wherein rA is arithmetic mean of ionic radiuses of A and rB is arithmetic mean of ionic radiuses of B; and rO is ionic radius of oxide ion (O2-) (1.40Å)), subjecting the resulting double oxide having the metal absorbed therein to dissolution with an acid to form a metal-containing eluate, and recovering the metal from the eluate. According to the process, a noble metal or rare metal contained in a material can be efficiently absorbed by a specific, safe and simple double oxide via a gas phase merely by heating a material containing such a metal together with the double oxide in a non-contact state, and the material can be easily separated from the double oxide powder in a non-contact state. Further, the double oxide having the metal occluded therein can be easily dissolved with an acid, so that the noble metal or rare metal can be dissolved in a solution and efficiently recovered.

Inventors:
DATE MASAKAZU (JP)
FUJITANI TADAHIRO (JP)
NOMURA KATSUHIRO (JP)
KAGEYAMA HIROYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053388
Publication Date:
September 03, 2009
Filing Date:
February 25, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NAT INST OF ADVANCED IND SCIEN (JP)
DATE MASAKAZU (JP)
FUJITANI TADAHIRO (JP)
NOMURA KATSUHIRO (JP)
KAGEYAMA HIROYUKI (JP)
International Classes:
C01F17/00; B09B3/00; C01G39/00; C01G55/00; C22B5/16; C22B7/00; C22B9/14; C22B11/02; C22B34/34
Foreign References:
JP2008001916A2008-01-10
JP2007051035A2007-03-01
JP2008100902A2008-05-01
Other References:
KATSUHIRO NOMURA ET AL.: "Ultramarine colored: Solid-phase elution of Pt into perovskite oxides", JOURNAL OF MATERIALS RESEARCH, vol. 22, no. 10, October 2007 (2007-10-01), pages 2647 - 2650
M. DATE ET AL.: "Unique catalytic activity of platinum eluted into perovskite in the solid phase", CATALYSIS LETTERS, vol. 117, no. 3-4, September 2007 (2007-09-01), pages 107 - 111
"Dai 100 Kai CatSJ Meeting A Yokoshu, 17 September, 2007 (17.09.07)", article MASAKAZU DATE ET AL.: "Koso Yoshutsuho de Chosei shita Hakkin-Perovskite Shokubai no Tokui na Kassei(2)", pages: 481
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Claims:
 金属を含有する材料中の金属成分を吸蔵する材料であって、下記のペロブスカイト型複合酸化物を含む金属吸蔵材。
 組成式(1): 
[ペロブスカイト型複合酸化物]
     ABH a O 3-b              (1)
(式中、Aは、ランタノイド元素及び周期表2族の元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Bは、周期表3族の元素、周期表4族の元素、周期表13族の元素、及び元素周期表の第4周期の遷移金属元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素である。また、a及びbの各記号は、水素及び酸素空孔の量であり、下記範囲の数値を示す:0≦a≦1.0、0≦b≦0.5)
 上記ペロブスカイト型複合酸化物が下記式の条件を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の金属吸蔵材。
下記式:
t=(r A +r O )/(2 1/2 ・(r B +r O ))
(式中、r A はAのイオン半径の相加平均、r B はBのイオン半径の相加平均、r O は酸化物イオン(O 2- )のイオン半径(1.40Å)である)で定義されるトレランスファクター(t)が0.75~1.15の範囲内にあるもの。
 上記金属を含有する材料が、固相状態にあるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の金属吸蔵材。
 上記金属成分が、周期律表の6族、7族、8族、9族、10族及び11族から選ばれた少なくとも1種の元素であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の金属吸蔵材。
 金属を含有する材料を下記のペロブスカイト型複合酸化物の存在下で、加熱処理を行うことにより、該材料中の金属成分を該ペロブスカイト型複合酸化物に吸蔵する方法。
 組成式(1):
[ペロブスカイト型複合酸化物]
     ABH a O 3-b              (1)
(式中、Aは、ランタノイド元素及び周期表2族の元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Bは、周期表3族の元素、周期表4族の元素、周期表13族の元素、及び元素周期表の第4周期の遷移金属元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素である。また、a及びbの各記号は、水素及び酸素空孔の量であり、下記範囲の数値を示す:0≦a≦1.0、0≦b≦0.5)
上記ペロブスカイト型複合酸化物が、下記式の条件を満たすことを特徴とする請求項5に記載の金属成分の吸蔵方法。
下記式:
t=(r A +r O )/(2 1/2 ・(r B +r O ))
(式中、r A はAのイオン半径の相加平均、r B はBのイオン半径の相加平均、r O は酸化物イオン(O 2- )のイオン半径(1.40Å)である)で定義されるトレランスファクター(t)が0.75~1.15の範囲内にあるもの。
 上記金属を含有する材料と、上記ペロブスカイト型複合酸化物とを加熱した際に生じる金属の蒸気または金属酸化物の蒸気と該複合酸化物とが接触する状態において、加熱することを特徴とする請求項5または6に記載の金属成分の吸蔵方法。
 上記金属を含有する材料と、上記ペロブスカイト型複合酸化物を、同一の容器内に収容して加熱することを特徴とする請求項5~7のいずれかに記載の金属成分の吸蔵方法。
 上記金属を含有する材料と上記ペロブスカイト型複合酸化物とを非接触の状態で加熱することを特徴とする請求項5~8のいずれかに記載の金属成分の吸蔵方法。
 加熱温度が900~1750℃であることを特徴とする請求項5~9のいずれかに記載の金属成分の吸蔵方法。
 金属を含有する材料が、固相状態にあるものであることを特徴とする請求項5~10のいずれかに記載の金属成分の吸蔵方法。
 上記金属成分が、周期律表の6族、7族、8族、9族、10族及び11族から選ばれた少なくとも1種の元素であることを特徴とする請求項5~11のいずれかに記載の金属成分の吸蔵方法。
 上記金属成分が吸蔵された請求項5~12のいずれかに記載の複合酸化物を酸で処理し、該酸中に金属成分を溶出する方法。
 上記酸が、塩酸、硝酸、王水、硫酸、酢酸から選ばれた少なくとも1種の酸であることを特徴とする請求項13に記載の金属成分の溶出方法。
 請求項13または請求項14に記載の酸中に溶出した金属成分を酸から回収することを特徴とする金属成分の回収方法。
 金属を製造する方法であって、請求項5~12のいずれかに載の金属成分の吸蔵方法と請求項13または14に記載の金属成分の溶出方法と請求項15に記載の金属成分の回収方法を組み合わせたことを特徴とする金属の製造方法。
Description:
金属の回収方法

 本発明は、金属を含有する材料からそれ 含まれる金属成分を効率的に回収する方法 関する。

 貴金属・希少金属は安定性、触媒活性等に れることから、工業的に幅広く用いられて るが、希少で高価な資源であるため、これ 有効活用することが必要であり、使用済み 貴金属・希少金属を含有する廃棄材料、例 ば、自動車排気ガス浄化用廃触媒、化学工 用廃触媒、電子基板製造工程廃棄物、廃電 部品、電解用廃電極等の廃棄材料製品や材 からこれに含まれる貴金属・希少金属を効 よく回収して再利用することが重要である
 このような貴金属・希少金属の回収法とし は、酸溶解法等の湿式法や溶融金属を用い 乾式法が代表的で(非特許文献1参照)、いず の場合も強酸や溶融金属の液相に貴金属・ 少金属を溶出させている。

藤原紀久夫、「貴金属のリサイクル」、 化学工学、55巻1号21頁、1991年、化学工学会

 しかし、貴金属・希少金属を含む廃棄材料 、電子部品、電池、触媒、携帯電話、自動 用部品等多岐の種類にわたっているため、 式法や乾式法のいずれを用いて回収を行う しても、それぞれの素材の性質に合わせた 好適な方法やシステムを構築するする必要 ある。また、回収効率を上げるための粉砕 、湿式法で用いる酸や、乾式法で用いる溶 金属によって、廃棄材料自体の素材を破壊 てしまうため、貴金属等が回収できても、 の素材自体の再利用は不可能であり、また 出残渣の後処理が面倒である。
 湿式法では、酸浸出における貴金属・希少 属の抽出率が低く、特に、廃棄材料中の貴 属・希少金属の含有率が少なくなるほど相 的に多くの溶出液が必要となり、この場合 強酸は取扱いに注意が必要で環境負荷もあ ため、設備投資が嵩むことになる。一方、 金属・希少金属吸収材として、鉄、銅、鉛 の溶融金属を用いる乾式法では、貴金属・ 少金属の吸収効率があまり高くない上、高 度下で実施するために装置コストが高く、 価な設備を必要とし、また、溶融鉛は環境 害金属であるといった多くの問題点がある
 本発明は、上記従来技術の実状に鑑みなさ たものであって、貴金属・希少金属等の金 を含む材料(廃棄材料)を直接、湿式法や乾 法で処理するのではなくて、いったん、廃 材料中に含有される貴金属や希少金属等の 属のみを、他の材料に濃縮的に吸収させる とにより、これらの材料に含まれる金属を 率的に吸蔵・回収する方法を提供すること 目的とする。

 本発明者らはプロトン導電性を有するペロ スカイト型複合酸化物を開発する過程にお て、ペロブスカイト型複合酸化物の粉末を 白金箔の上に置いて高温で加熱すると、白 がペロブスカイトに固相で溶出し、結晶格 中に白金イオンを含有する複合酸化物が形 されるという現象を見出している(非特許文 献2)。
 本発明者らは、この現象について更に詳細 検討した結果、白金等の貴金属はペロブス イトと接触していない状態でも、該複合酸 物中に溶出することを知見した。
 そして、この現象は、白金等を酸素存在下 加熱すると、金属または金属酸化物の蒸気 なって一部が蒸発するが、貴金属をイオン して結晶格子中に取り込む性質を有するペ ブスカイト型複合酸化物の存在下では、生 た金属または金属酸化物の蒸気が不可逆的 該複合酸化物に吸収されるため、貴金属の 複合酸化物への吸蔵という現象が起こるも と推論した。

K. Nomura, M.Date, H.Kageyama and S.Tsubota, J. Mater. Res., 22, 2647 (2007)

 さらに、本発明者は、上記の知見を基にし 鋭意工夫した結果、白金等の金属を該複合 化物と非接触の状態において加熱しても、 相を介して、該複合酸化物に吸蔵されるこ を見出した。また、白金箔等のような金属 物質ではなく、金属を僅か数%程度含有する 模擬廃棄材料を用いても、該貴金属が該複合 酸化物に吸蔵されること、及び該複合酸化物 は、その重量に対して10%程度の貴金属等を吸 蔵する能力を有することを見出した。
 さらに、該複合酸化物が無機酸等に容易に 解して、貴金属・希少金属を含む溶出液が 易に得られることを見出した。以上の知見 より効率よく貴金属及び希少金属を回収で る本発明を完成するに至った。
 すなわち、この出願は以下の発明を提供す ものである。
〈1〉金属を含有する材料中の金属成分を吸 する材料であって、下記のペロブスカイト 複合酸化物を含む金属吸蔵材。
 組成式(1):
 [ペロブスカイト型複合酸化物]
     ABH a O 3-b              (1)
(式中、Aは、ランタノイド元素及び周期表2族 の元素からなる群から選ばれた少なくとも一 種の元素であり、Bは、周期表3族の元素、周 表4族の元素、周期表13族の元素、及び元素 期表の第4周期の遷移金属元素からなる群か ら選ばれた少なくとも一種の元素である。ま た、a及びbの各記号は、水素及び酸素空孔の であり、下記範囲の数値を示す:0≦a≦1.0、0 ≦b≦0.5)
〈2〉上記ペロブスカイト型複合酸化物が下 式の条件を満たすことを特徴とする、〈1〉 記載の金属吸蔵材。
下記式:
t=(r A +r O )/(2 1/2 ・(r B +r O ))
(式中、r A はAのイオン半径の相加平均、r B はBのイオン半径の相加平均、r O は酸化物イオン(O 2- )のイオン半径(1.40Å)である)で定義されるト ランスファクター(t)が0.75~1.15の範囲内にあ もの。
〈3〉上記金属を含有する材料が、固相状態 あるものであることを特徴とする〈1〉また 〈2〉に記載の金属吸蔵材。
〈4〉上記金属成分が、周期律表の6族、7族、 8族、9族、10族及び11族から選ばれた少なくと も1種の元素であることを特徴とする、〈1〉~ 〈3〉のいずれかに記載の金属吸蔵材。
〈5〉金属を含有する材料を下記のペロブス イト型複合酸化物の存在下で、加熱処理を うことにより、該材料中の金属成分を該ペ ブスカイト型複合酸化物に吸蔵する方法。
 組成式(1):
 [ペロブスカイト型複合酸化物]
     ABH a O 3-b              (1)
(式中、Aは、ランタノイド元素及び周期表2族 の元素からなる群から選ばれた少なくとも一 種の元素であり、Bは、周期表3族の元素、周 表4族の元素、周期表13族の元素、及び元素 期表の第4周期の遷移金属元素からなる群か ら選ばれた少なくとも一種の元素である。ま た、a及びbの各記号は、水素及び酸素空孔の であり、下記範囲の数値を示す:0≦a≦1.0、0 ≦b≦0.5)
〈6〉上記ペロブスカイト型複合酸化物が、 記式の条件を満たすことを特徴とする〈5〉 記載の金属成分の吸蔵方法。
下記式:
t=(r A +r O )/(2 1/2 ・(r B +r O ))
(式中、r A はAのイオン半径の相加平均、r B はBのイオン半径の相加平均、r O は酸化物イオン(O 2- )のイオン半径(1.40Å)である)で定義されるト ランスファクター(t)が0.75~1.15の範囲内にあ もの。
〈7〉上記金属を含有する材料と、上記ペロ スカイト型複合酸化物とを加熱した際に生 る金属の蒸気または金属酸化物の蒸気と該 合酸化物とが接触する状態において、加熱 ることを特徴とする、〈5〉または〈6〉に記 載の金属成分の吸蔵方法。
〈8〉上記金属を含有する材料と、上記ペロ スカイト型複合酸化物を、同一の容器内に 容して加熱する〈5〉~〈7〉のいずれかに記 の金属成分の吸蔵方法。
〈9〉上記金属を含有する材料と上記ペロブ カイト型複合酸化物とを非接触の状態で加 することを特徴とする〈5〉~〈8〉のいずれ に記載の金属成分の吸蔵方法。
〈10〉加熱温度が900~1750℃であることを特徴 する〈5〉~〈9〉のいずれかに記載の金属成 の吸蔵方法。
〈11〉金属を含有する材料が、固相状態にあ ものであることを特徴とする〈5〉~〈10〉の いずれかに記載の金属成分の吸蔵方法。
〈12〉上記金属成分が、周期律表の6族、7族 8族、9族、10族及び11族から選ばれた少なく も1種の元素であることを特徴とする〈5〉~ 11〉のいずれかに記載の金属成分の吸蔵方法 。
〈13〉上記金属成分が吸蔵された〈5〉~〈12〉 のいずれかに記載の複合酸化物を酸で処理し 、該酸中に金属成分を溶出する方法。
〈14〉上記酸が、塩酸、硝酸、王水、硫酸、 酸から選ばれた少なくとも1種の酸であるこ とを特徴とする、〈13〉に記載の金属成分の 出方法。
〈15〉〈13〉または〈14〉に記載の酸中に溶出 した金属成分を酸から回収することを特徴と する金属成分の回収方法。
〈16〉金属を製造する方法であって、〈5〉~ 12〉のいずれかに記載の金属成分の吸蔵方法 と〈13〉または〈14〉に記載の金属成分の溶 方法と〈15〉に記載の金属成分の回収方法を 組み合わせたことを特徴とする金属の製造方 法。

 本発明の貴金属・希少金属等の金属の回収 法は、まず、これらの金属を含有する廃棄 料等を安全で簡便な所定の複合酸化物と共 単に加熱するだけで、それに含まれる貴金 や希少金属を気相を介して効率よく該複合 化物に吸蔵することに特徴がある。
 また、非接触の状態であっても、該複合酸 物を用いれば、該材料と該複合酸化物がた え離間した状態にあっても、気相を通じて 材料に含まれる貴金属や希少金属が複合酸 物に吸蔵されるので、簡便な操作で貴金属 希少金属を回収することができ、しかも該 料と貴金属や希少金属を吸蔵した複合酸化 とはその分離しやすい形態となっているの 、加熱後の両者の分離や材料の再利用が容 となるといったメリットがある。
 また、金属の濃度が数ppm~数%程度しか含ま い廃棄材料等を、該複合酸化物に濃縮的に 属を吸蔵させてから、該複合酸化物につい 酸による処理を行えば、廃棄材料等を直接 理する方法に比べて、湿式法で用いる強酸 乾式法で用いる溶融金属の量を大幅に減ら ことができるため、産業上特に有用である
 さらに、貴金属や希少金属等の金属を吸蔵 た該複合酸化物は、王水を用いなくても、 酸、塩酸等一般的な工業工程に汎用される に容易に溶解し、貴金属・希少金属を含む 出液を得ることができる。特に、イリジウ やルテニウム等の貴金属は、王水に対して 溶解度は低いため、可溶性の塩に変換する の前処理が必要とされていたが、本方法に れば、イリジウムやルテニウム等を吸蔵さ た該複合酸化物は王水以外の酸でも容易に リジウムやルテニウム等を溶出するため、 来のような溶解度を向上させる前処理は不 となる。

実施例1で得たペロブスカイト型複合酸 化物粉末のX線回折図 実施例1に於いて1525℃で10時間焼成する 前の、パラジウム担持アルミナ粉末(左)とペ ブスカイト型複合酸化物粉末(右) 実施例1に於いて1525℃で10時間焼成した 後の、アルミナ粉末(左)とパラジウム含有複 酸化物粉末(右) 実施例13で得たペロブスカイト型複合 化物粉末のX線回折図 実施例16で得たペロブスカイト型複合 化物粉末のX線回折図 実施例17で得たペロブスカイト型複合 化物粉末のX線回折図 実施例18、19、20に於いて、ロジウム含 複合酸化物粉末を濃塩酸(左)、王水(中)、及 び濃硝酸(右)中60℃で1時間加熱した後の状態 実施例18、19、20に於いて、ロジウム含 複合酸化物粉末を濃塩酸(左)、王水(中)、及 び濃硝酸(右)中60℃で6時間加熱した後の状態 実施例18、19、20で得たロジウム含有複 酸化物粉末の濃塩酸、王水、及び濃硝酸溶 を、25倍希釈した溶液中に含まれるロジウ 濃度のICP測定結果、及びロジウムの回収率

発明を実施するための形態

 本発明の貴金属・希少金属等の金属を含む 料からそれに含まれる該貴金属・希少金属 の金属を吸蔵する方法は、まず、該材料を 下記の特有なペロブスカイト型複合酸化物 存在下で、加熱処理することを特徴として る。
[ペロブスカイト型複合酸化物]
 下記組成式(1):
     ABH a O 3-b              (1)
(式中、Aは、ランタノイド元素及び周期表2族 の元素からなる群から選ばれた少なくとも一 種の元素であり、Bは、周期表3族の元素、周 表4族の元素、周期表13族の元素、及び元素 期表の第4周期の遷移金属元素からなる群か ら選ばれた少なくとも一種の元素である。ま た、a及びbの各記号は、水素及び酸素空孔の であり、下記範囲の数値を示す:0≦a≦1.0、0 ≦b≦0.5)で表され、
 下記式:
 t=(r A +r O )/(2 1/2 ・(r B +r O ))
(式中、r A はAのイオン半径の相加平均、r B は、Bのイオン半径の相加平均、r O は酸化物イオン(O 2- )のイオン半径(1.40Å)である)で定義されるト ランスファクター(t)が0.75~1.15の範囲内にあ もの。

 本発明において、該複合酸化物に吸蔵させ 金属を含有する材料(以下、単に「金属含有 材料」ということがある)には、吸蔵対象金 と、それ以外の物質、例えば、酸化物、窒 物、炭素材料、セラミックス、有機物等と らなる材料が包含される。
 対象となる金属含有材料の形態及び形状は に限定はなく、例えば、粉末状、網状、線 、箔状、ハニカム状等の任意の形態のもの 処理対象とすることができる。処理対象の 属含有材料における金属の存在状態につい も特に限定はなく、単独の金属または合金 化合物等として材料に含まれていればよい 例えば、酸化物等の材料に金属が担持され 状態のものや、金属が被膜状態で存在する の等、各種の存在状態の金属を吸蔵するこ ができる。また、金属は二種以上含まれて てもよい。
 特に、金属として貴金属または希少金属を む廃材、例えば、自動車排気ガス浄化用廃 媒、化学工業用廃触媒、ガスセンサ廃基板 電子基板製造工程廃棄物、廃電子部品、電 用廃電極製品、歯科用等医療用廃材等の廃 を処理対象とする場合には、この様な廃材 ら貴金属または希少金属を吸蔵する方法と て、特に有効である。この場合、本発明の ロブスカイト型複合酸化物を用いることに って、貴金属や希少金属の含量が高い材料 けでなく、貴金属または希少金属を僅か数p pm程度しか含有しない材料であっても、効率 く貴金属や希少金属を吸蔵できる。処理対 とする貴金属や希少金属としては、例えば 周期律表の6族、7族、8族、9族、10族、11族 に属する金属を挙げることができる。この な貴金属及び希少金属の例としては、Mo, Re,  Ru, Rh, Ir, Pd, Pt, Au等を挙げることができ 。

 吸蔵対象とする金属としては、特に制限は いが、周期律表の6族、7族、8族、9族、10族 び11族から選ばれた少なくとも1種の貴金属 希少金属が好ましい。
 このような貴金属や希少金属の例としては 例えば、Mo, Re, Ru, Rh, Ir, Pd, Pt, Au等が挙 げられる。上記した貴金属や希少金属は、一 種単独または二種以上混合して用いることが できる。

 次に、本発明で用いるペロブスカイト型複 酸化物について具体的に説明する。
 本発明で用いるペロブスカイト型複合酸化 は、下記組成式(1):
     ABH a O 3-b      (1)
(式中、Aは、ランタノイド元素及び周期表2族 の元素からなる群から選ばれた少なくとも一 種の元素であり、Bは、周期表3族の元素、周 表4族の元素、周期表13族の元素、及び元素 期表の第4周期の遷移金属元素からなる群か ら選ばれた少なくとも一種の元素である。ま た、a及びbの各記号は、水素及び酸素空孔の であり、下記範囲の数値を示す:0≦a≦1.0、0 ≦b≦0.5)で表されるものである。

 組成式(1)で表される該複合酸化物におい 、A成分であるランタノイド元素としては、 La, Ce, Pr, Nd等を例示でき、周期表2族の元素 としては、Ca, Sr等を例示できる。ランタノ ド元素と周期表2族の元素は、一種単独また 二種以上併用することができる。B成分であ る周期表3族の元素としては、Sc, Y等を例示 き、周期表4族の元素としては、Ti, Zr, Hf等 例示でき、周期表13族の元素としては、Al,  Ga, In等を例示でき、周期表の第4周期の遷移 属元素としては、Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn を例示できる。周期表3族の元素、周期表4族 の元素、周期表13族の元素、及び元素周期表 第4周期の遷移金属元素は、一種単独または 二種以上併用することができる。

 上記組成式(1)において、aは、0≦a≦1.0で り、好ましくは0≦a≦0.5であり、より好ま くは0≦a≦0.3である。また、bは、0≦b≦0.5で あり、好ましくは0≦b≦0.25であり、より好ま しくは0≦b≦0.15である。

 なお、上記組成式(1)において、Ba、Srなど の塩基性の高いアルカリ土類金属が含まれる 場合には、該複合酸化物を貴金属・希少金属 を含む材料と接触させた状態で高温で熱処理 すると、アルカリ土類金属と貴金属・希少金 属とが比較的容易に反応して合金を生成し、 その結果融点が低下して、より低温でより高 い圧力(分圧)の貴金属・希少金属蒸気、或い 貴金属・希少金属酸化物蒸気を生成するこ ができるので好ましい。

 更に、上記組成式(1)で表される複合酸化物 、下記式
   t=(r A +r O )/(2 1/2 ・(r B +r O ))
で定義されるトレランスファクター(t)が0.75~1 .15の範囲内にあることが必要である。
 上記トレランスファクターの定義式におい 、r A は、組成式(1)におけるAサイトの陽イオン、 ち、Aのイオン半径の相加平均であり、r B は組成式(1)におけるBサイトの陽イオン、即 、Bのイオン半径の相加平均である。r O は酸化物イオン(O 2- )のイオン半径であり、1.40Åである。

 上記式で定義されるトレランスファクタ (t)は、ペロブスカイト型複合酸化物につい 、結晶構造の歪みの程度を示すものであり トレランスファクターが1の場合に、理想的 なペロブスカイト型構造(立方晶系)と考えら る。トレランスファクターが1より大きい場 合は、Aサイト陽イオンの大きさがBサイト陽 オンのそれに対して大きすぎることを意味 、歪みを持ったペロブスカイト型構造とな 。また、トレランスファクターが1より小さ い場合は、Bサイトの陽イオンの大きさがAサ トの陽イオンのそれに対して大きすぎるこ を意味し、同様に歪みを持ったペロブスカ ト型構造となる。ペロブスカイト型構造を つ複合酸化物に貴金属が吸蔵される際には 貴金属イオンがペロブスカイト型結晶構造 を高速に拡散し、安定サイトまで短時間で 動できることが望ましく、このためには理 的な立方晶に近い、トレランスファクター 1に近いペロブスカイト型化合物を吸蔵材と して用いるのが望ましい。トレランスファク ターの算出方法としては、例えば、イオン半 径の大きさについて記載された論文(R.D. Shann on, Acta Cryst., A32, 751 (1976))に基づいて、各 オンのイオン半径より上記定義式より算出 ればよい。

 本発明では、トレランスファクター(t)が0 .75~1.15の範囲にあるペロブスカイト型複合酸 物を用いることが必要であるが、比較的安 な結晶構造を有するためには、0.8~1.10の範 にあることが好ましく、0.9~1.05の範囲にある ことがより好ましい。この様なペロブスカイ ト型複合酸化物を用いることよって、貴金属 や希少金属等の金属を含有する材料からそれ に含まれる貴金属・希少金属を容易に吸蔵す ることができる。

 上記組成式(1)で表される複合酸化物は、K . Nomura et al., J. Mater. Res., 22, 2647 (2007)で 示された公知物質であり、例えば実験化学講 座第4版、16巻、無機化合物、日本化学会編、 丸善、1993に記載された方法にしたがって、 相反応法、共沈法等の公知の方法によって ることができる。例えば、固相反応法では 上記組成式に含まれる金属元素を含む化合 、例えば、酸化物、炭酸塩、有機化合物等 出発原料として用い、目的とする酸化物と 様の金属元素比となるように混合し、焼成 ることによって目的とするペロブスカイト 複合酸化物を得ることができる。具体的な 成温度及び焼成時間については、目的とす 複合酸化物が形成される条件とすればよく 特に限定されないが、例えば、1200~1500℃程 の温度範囲において、10~40時間程度焼成すれ ばよい。なお、原料物質として炭酸塩や有機 化合物等を用いる場合には、焼成する前に予 め仮焼きして原料物質を分解させた後、焼成 して目的の複合酸化物を形成することが好ま しい。例えば、原料物質として炭酸塩を用い る場合には、1000~1200℃程度で10時間程度仮焼 した後、上記した条件で焼成すればよい。 成手段は特に限定されず、電気加熱炉、ガ 加熱炉等任意の手段を採用できる。焼成雰 気は、通常、酸素気流中、空気中等の酸化 雰囲気中とすればよいが、原料物質が十分 の酸素を含む場合には、例えば、不活性雰 気中で焼成することも可能である。

金属の吸蔵方法
 本発明の金属を含む材料からの金属成分の 蔵方法は、まず、該金属含有材料から生じ 金属の蒸気またはこの金属の酸化物の蒸気 上記所定ペロブスカイト型複合酸化物とが 触できる状態において加熱し、金属を該複 酸化物に吸蔵させればよい。

 加熱温度は、特に制約されないが、上記 た材料に含まれる貴金属や希少金属等の金 が蒸気となる温度とすればよく、通常、800 程度以上であって、上記所定の複合酸化物 分解温度未満とすればよい。具体的には、9 00~1750℃程度とすることが好ましく、1050~1650 程度とすることがより好ましい。

 本発明において、このような加熱により 金属含有材料中に含まれる貴金属や希少金 等の金属がペロブスカイト型複合酸化物に 蔵される機構は、現時点では定かではない 、[1]酸素が存在する状態で貴金属や希少金 等の金属を加熱すると、貴金属や希少金属 体の場合よりも低い温度で、同程度の分圧 貴金属や希少金属の酸化物蒸気が生じる場 があること、また、[2]上記所定の複合酸化 中に塩基性のアルカリ土類金属が含まれる 合、加熱により蒸気となったアルカリ土類 属が回収対象の貴金属・希少金属と接触し 合金や複合酸化物を生成する結果、貴金属 希少金属の融点が低下するため、貴金属・ 少金属の蒸気が発生しやすい環境となるこ 、さらに[3]上記所定の複合酸化物には貴金 ・希少金属イオンを安定に収容するサイト 有しており、貴金属・希少金属は複合酸化 の構成元素と一部置換固溶しこれに取り込 れ吸収されること、以上により金属含有材 中に含まれる貴金属・希少金属が吸蔵され ものと推測している。

 本発明においては、金属の吸蔵反応をよ 短時間で進行させるために、金属または貴 属の蒸気と該複合酸化物を効率よく接触さ ることが好ましい。具体的には、可能な限 高い圧力(分圧)の金属または金属酸化物の 気を、可能な限り高温で接触させることが ましい。そのためには、好ましくは貴金属 希少金属含有材料を複合酸化物粉末に接触 せ、より好ましくは貴金属・希少金属含有 料を複合酸化物粉末に接触させ、かつ該複 酸化物の分解温度未満であって、分解温度 できるだけ近い温度で反応させることが望 しい。

 また、金属含有材料と上記複合酸化物と 加熱は接触状態、或いは非接触状態のいず でもよい。これらの方法の内で、非接触状 で加熱する方法によれば、金属含有材料と 発明ペロブスカイト型複合酸化物との接触 確保するための粉砕等の前処理が不要であ 、しかも金属含有材料と複合酸化物とは分 しやすい形態となっており、加熱後の両者 分離が容易である点で有利な方法である。 方、接触状態で加熱する場合には、金属含 材料と複合酸化物との距離が短くなるため 回収効率を上げることができる。

 容器内における金属または金属酸化物の蒸 の圧力(分圧)については、特に限定的では いが、通常、10 -3 Pa程度以上とすることが好ましく,1Pa程度以上 とすることがより好ましい。この際、金属ま たは金属酸化物の蒸気の圧力(分圧)を高くす ことにより、反応時間を短縮することがで る。

 反応時間については、特に限定的ではな が、上記した温度範囲で加熱する場合には 5~20時間程度とすることが好ましく、10~15時 程度とすることがより好ましい。

 具体的な吸蔵方法の例としては、例えば 組成式(1)で表される複合酸化物と金属、金 含有混合物または金属含有化合物とを、同 の容器内に収容し、金属蒸気または金属酸 物の蒸気が生じる温度まで加熱することに って、該複合酸化物と、金属蒸気または金 酸化物の蒸気とを接触させることができる この場合、金属蒸気または金属含有酸化物 蒸気が複合酸化物と十分に接触できる状態 あれば、反応容器は完全な密閉状態ではな てもよい。

 このような吸蔵方法において、前記複合 化物の形状については特に限定はなく、例 ば、粉末状のものを用いてもよく、粉末を レス成形した多孔体を用いてもよく、或い 、焼結体を用いてもよい。

 前記したように、反応容器内では、金属含 材料に含まれる金属蒸気または金属酸化物 蒸気が該複合酸化物と十分に接触できる状 であれば、反応容器は完全な密閉状態では くてもよいが、発生した蒸気が散逸しない 度の密閉性が保たれていることが必要であ 。反応容器内では、金属含有材料から生じ 金属の蒸気または金属酸化物の蒸気が、該 合酸化物と接触できればよく、処理対象と る金属含有材料と該複合酸化物とは、接触 た状態でも、或いは、非接触状態でもよい 例えば、貴金属・希少金属を含む材料の上 、前記複合酸化物を載せた状態で加熱する 法、或いは、容器内に、該材料と該複合酸 物とを任意の間隔をあけて非接触状態で配 しで加熱する方法が採られる。
 特に後者の非接触加熱方式によれば、該材 と該複合酸化物がたとえ離間した状態にあ ても、該材料に含まれる貴金属や希少金属 の金属が複合酸化物に吸蔵されるので、簡 な操作でありながら、金属を回収すること でき、しかも金属含有材料と金属を吸蔵し 複合酸化物とはその分離しやすい形態とな ているので、加熱後の両者の分離が容易と るといったメリットがある。

金属の溶出、再生方法
 次に、金属を吸蔵した該ペロブスカイト型 合酸化物から、金属を酸に溶出させる方法 ついて述べる。ここで酸とは、特に限定し いが、具体的には、フッ酸、塩酸、硝酸、 酸、燐酸、ギ酸、及び酢酸からなる群から 択される一または二以上の酸が挙げられ、 たこれらの酸の混合物、例えば王水等も用 ることができる。短時間で効率よく溶出さ るためには、該複合酸化物との反応性が高 塩酸、硝酸、王水等の強酸を用いることが ましいが、環境負荷の点を考慮すると硝酸 硫酸のようにハロゲンを含まない酸や、酢 のような弱酸が好ましい。
 貴金属は通常、王水のような酸化力の強い でなければ溶けないが、イリジウムやルテ ウムは、王水に対してさえも溶解性は低い しかし本発明ペロブスカイト型複合酸化物 ら形成される金属含有複合酸化物は王水以 の酸でも容易に溶解するため、該複合酸化 に吸蔵された貴金属については、イリジウ やルテニウムであっても各種酸によって容 に溶出できる。これは、貴金属原子同士が 固な金属結合を作っている状態では酸に冒 れにくいのに対し、貴金属が個別にイオン して複合酸化物の格子中に取り込まれて近 する酸化物イオンと比較的緩やかな結合を っている状態では、酸を用いて結晶格子ご 溶かすことが容易であるためと考えられる
 酸の濃度は限定的ではないが、反応時間及 溶出効率の点を考慮すればできるだけ高濃 のものが好ましい。ただし、酸の濃度が高 ぎると相対的に水の含有量が少なくなるた 、沈殿が生成する等してかえって反応が遅 なる場合もある。また、環境負荷の点を考 すれば、低濃度の酸が好ましい。これらの を考慮して、適宜酸の濃度を決めればよい
 金属を吸蔵した複合酸化物を酸に接触させ 方法については特に限定的ではないが、通 、酸中に該複合酸化物を浸漬し、必要に応 て酸を加熱すればよい。

 加熱温度は、酸中において該複合酸化物 ペロブスカイト型構造が崩壊して該複合酸 物の構成成分が酸中に分散し、該複合酸化 に含まれる金属が溶液中に溶出する温度と ればよい。通常は、室温から酸の沸点未満 温度とすることができるが、特に、反応時 及び溶出効率を考慮すると、30~100℃程度と ることが好ましい。

 上記した方法で酸に溶出された金属は、 えば、非特許文献3に記載の還元剤により還 元する方法、Zn等の金属によるセメンテーシ ン法を用いた回収法、イオン交換樹脂や活 炭に吸着させて回収する方法、溶媒抽出法 よって回収から分離精製までを行う方法、 解法による回収方法等公知の方法によって 固体の金属として再生することができる。 に、貴金属、希少金属等を含む廃材を処理 象とする場合には、簡単な方法によって、 コストで効率よく高付加価値の金属を再利 できる点で非常に有利な方法である。

柴田隼次、奥田晃彦「貴金属のリサイク ル技術」、資源と素材、118巻1号1頁、2002年、 資源・素材学会

 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細 説明する。

実施例1
[ペロブスカイト型複合酸化物粉末の作製]
 La 2 O 3 、SrCO 3 、BaCO 3 及びSc 2 O 3 を原料として用い、これらの原料をLa:Sr:Ba:Sc 元素比が0.7:0.2:0.1:1.0となるように混合した 、空気中で焼成、粉砕を数回繰り返し、最 的に空気中、1400℃で10時間することによっ 、組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )ScH 0.05 O 2.875 で表される淡黄色の酸化物粉末を作製した。 該複合酸化物粉末のトレランスファクターは 0.92である。図1は得られた粉末試料のX線回折 図であり、結晶性の良好な単一相のペロブス カイト型複合酸化物粉末が得られたことが確 認できた。
[ペロブスカイト型複合酸化物を用いたパラ ウム担持酸化物触媒粉末に含まれるパラジ ムの吸蔵]
 上記方法で得られた組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )ScH 0.05 O 2.875 で表される淡黄色の酸化物粉末(2g)を、1重量% のパラジウムを担持したアルミナ粉末(0.5g、 色)と接触させずに、図2の通り同一の蓋付 の容器(アルミナ製、直方体状、容積:約30cm 3 )に入れ、空気中、1525℃で10時間焼成するこ により、図3に示す通り組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.995 Pd 0.005 )H 0.05 O 2.8725 で表される淡褐色のパラジウム含有複合酸化 物粉末及び、無色のアルミナ粉末が得られた 。

実施例2
[ペロブスカイト型複合酸化物粉末を用いた 金担持酸化物触媒粉末に含まれる白金の吸 ]
 実施例1と同様の方法で得られた組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )ScH 0.05 O 2.875 で表される淡黄色の酸化物粉末(2g)を、1重量% の白金を担持したアルミナ粉末(1g、淡黄色) 接触させずに、同一の蓋付きの容器(アルミ 製、直方体状、容積:約30cm 3 )に入れ、空気中、1525℃で10時間焼成するこ により、組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.994 Pt 0.006 )H 0.05 O 2.878 で表される青色の白金含有複合酸化物粉末及 び、無色のアルミナ粉末が得られた。

実施例3
[ペロブスカイト型複合酸化物粉末を用いた ジウム担持酸化物触媒粉末に含まれるロジ ムの吸蔵]
 実施例1と同様の方法で得られた組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )ScH 0.05 O 2.875 で表される淡黄色の酸化物粉末(2g)を、1重量% のロジウムを担持したアルミナ粉末(0.5g、淡 褐色)と接触させずに、同一の蓋付きの容器 (アルミナ製、直方体状、容積:約30cm 3 )に入れ、空気中、1525℃で10時間焼成するこ により、組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.995 Rh 0.005 )H 0.05 O 2.875 で表される濃青色のロジウム含有複合酸化物 粉末及び、無色のアルミナ粉末が得られた。

実施例4
[ペロブスカイト型複合酸化物粉末を用いた テニウム担持酸化物触媒粉末に含まれるル ニウムの吸蔵]
 実施例1と同様の方法で得られた組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )ScH 0.05 O 2.875 で表される淡黄色の酸化物粉末(2g)を、1重量% のルテニウムを担持したアルミナ粉末(0.5g、 色)と接触させずに、同一の蓋付きの容器( ルミナ製、直方体状、容積:約30cm 3 )に入れ、空気中、1525℃で10時間焼成するこ により、組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.995 Ru 0.005 )H 0.05 O 2.8775 で表される橙色のルテニウム含有複合酸化物 粉末及び、無色のアルミナ粉末が得られた。

実施例5
[ペロブスカイト型複合酸化物粉末を用いた リジウム担持酸化物触媒粉末に含まれるイ ジウムの吸蔵]
 実施例1と同様の方法で得られた組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )ScH 0.05 O 2.875 で表される淡黄色の酸化物粉末(2g)を、1.5重 %のイリジウムを担持したアルミナ粉末(0.5g 青色)と接触させずに、同一の蓋付きの容器( アルミナ製、直方体状、容積:約30cm 3 )に入れ、空気中、1525℃で10時間焼成するこ により、組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.996 Ir 0.004 )H 0.05 O 2.875 で表される赤褐色のイリジウム含有複合酸化 物粉末及び、無色のアルミナ粉末が得られた 。

実施例6
[ペロブスカイト型複合酸化物粉末を用いた ラジウム担持酸化物ハニカム触媒に含まれ パラジウムの吸蔵]
 実施例1と同様の方法で得られた組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )ScH 0.05 O 2.875 で表される淡黄色の酸化物粉末(2g)を、0.5重 %のパラジウムを担持したコージェライトハ カム(0.2g、黒色)と接触させずに、同一の蓋 きの容器(アルミナ製、直方体状、容積:約30 cm 3 )に入れ、空気中、1525℃で10時間焼成するこ により、コージェライトハニカムが溶融し 組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.999 Pd 0.001 )H 0.05 O 2.8745 で表される淡褐色のパラジウム含有複合酸化 物粉末が得られた。

実施例7
[ペロブスカイト型複合酸化物粉末を用いた 金担持酸化物ハニカム触媒に含まれる白金 吸蔵]
 実施例1と同様の方法で得られた組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )ScH 0.05 O 2.875 で表される淡黄色の酸化物粉末(2g)を、0.5重 %の白金を担持したコージェライトハニカム( 0.2g、黒色)と接触させずに、同一の蓋付きの 器(アルミナ製、直方体状、容積:約30cm 3 )に入れ、空気中、1525℃で10時間焼成するこ により、コージェライトハニカムが溶融し 組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.999 Pt 0.001 )H 0.05 O 2.8755 で表される青色の白金含有複合酸化物粉末が 得られた。

実施例8
[ペロブスカイト型複合酸化物粉末を用いた 金担持炭素電極触媒粉末に含まれる白金の 蔵]
 実施例1と同様の方法で得られた組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )ScH 0.05 O 2.875 で表される淡黄色の酸化物粉末(2g)を、40重量 %の白金を担持した炭素粉末(0.025g、黒色)と接 触させずに、同一の蓋付きの容器(アルミナ 、直方体状、容積:約30cm 3 )に入れ、空気中、1525℃で10時間焼成するこ により、炭素粉末が消失し、組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.994 Pt 0.006 )H 0.05 O 2.878 で表される青色の白金含有複合酸化物粉末が 得られた。

実施例9
[ペロブスカイト型複合酸化物粉末を用いた 金-ロジウム含有炉材に含まれる白金-ロジウ ムの吸蔵]
 実施例1と同様の方法で得られた組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )ScH 0.05 O 2.875 で表される淡黄色の酸化物粉末(2g)を、白金- ジウム含有アルミナセメント(白金:ロジウ 重量比=7:3、重量5.8g)と接触させずに、同一 蓋付きの容器(アルミナ製、直方体状、容積: 約30cm 3 )に入れ、空気中、1525℃で10時間焼成するこ により、炉材表面の貴金属成分が遷移して 色の白金-ロジウム含有複合酸化物粉末が得 れた。

実施例10
[ペロブスカイト型複合酸化物粉末を用いた リブデン箔からのモリブデンの吸蔵]
 実施例1と同様の方法で得られた組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )ScH 0.05 O 2.875 で表される淡黄色の酸化物粉末(2g)を、モリ デン箔(厚さ0.1mm、重量0.35g)と接触させずに 同一の蓋付きの容器(アルミナ製、直方体状 容積:約30cm 3 )に入れ、空気中、1525℃で10時間焼成するこ により、モリブデン箔が消失し、組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.75 Mo 0.25 )H 0.02 O 2.985 で表される青緑色のモリブデン含有複合酸化 物粉末が得られた。

実施例11
[ペロブスカイト型複合酸化物粉末を用いた 担持酸化物触媒粉末に含まれる金の吸蔵]
 実施例1と同様の方法で得られた組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )ScH 0.05 O 2.875 で表される淡黄色の酸化物粉末(2g)を、1.5重 %の金を担持したチタニア粉末(重量0.5g、紫 )と接触させずに、同一の蓋付きの容器(アル ミナ製、直方体状、容積:約30cm 3 )に入れ、空気中、1525℃で50時間焼成するこ により、組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(ScAu 0.000006 )H 0.05 O 2.875 で表される淡褐色の金含有複合酸化物粉末及 び、緑色のチタニア粉末が得られた。

実施例12
[ペロブスカイト型複合酸化物粉末を用いた ニウム箔からのレニウムの吸蔵]
 実施例1と同様の方法で得られた組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )ScH 0.05 O 2.875 で表される淡黄色の酸化物粉末(1.5g)を、レニ ウム箔(厚さ0.025mm、重量0.096g)と接触させずに 、同一の蓋付きの容器(アルミナ製、直方体 、容積:約30cm 3 )に入れ、空気中、1600℃で10時間焼成するこ により、レニウム箔が消失し、組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.965 Re 0.035 )H 0.05 O 2.8925 で表される橙色のレニウム含有複合酸化物粉 末が得られた。

実施例13
[ペロブスカイト型複合酸化物粉末の作製]
 SrCO 3 、ZrO 2 及びY 2 O 3 を原料として用い、これらの原料をSr:Zr:Yの 素比が1.0:0.9:0.1となるように混合した後、空 気中で焼成、粉砕を数回繰り返し、最終的に 空気中、1600℃で10時間焼成することによって 、組成式:Sr(Zr 0.9 Y 0.1 )H 0.05 O 2.975 で表される淡黄色の酸化物粉末を作製した。 該複合酸化物粉末のトレランスファクターは 0.94である。図4は得られた粉末試料のX線回折 図であり、結晶性の良好な単一相のペロブス カイト型複合酸化物粉末が得られたことが確 認できた。
[ペロブスカイト型複合酸化物を用いた白金 からの白金の吸蔵]
 上記方法で得られた組成式:Sr(Zr 0.9 Y 0.1 )H 0.05 O 2.975 で表される淡黄色の酸化物粉末(1.5g)を、白金 箔(厚さ0.03mm、重量0.168g)と接触させずに、同 の蓋付きの容器(アルミナ製、直方体状、容 積:約30cm 3 )に入れ、空気中、1600℃で10時間焼成するこ により、組成式:Sr(Zr 0.899 Y 0.099 Pt 0.002 )H 0.05 O 2.9755 で表される青色の白金含有複合酸化物粉末が 得られた。

実施例14
[ペロブスカイト型複合酸化物を用いたルテ ウム箔からのルテニウムの吸蔵]
 実施例13と同様の方法で得られた組成式:Sr(Z r 0.9 Y 0.1 )H 0.05 O 2.975 で表される淡黄色の酸化物粉末(1.5g)を、ルテ ニウム箔(厚さ0.1mm、重量0.23g)と接触させずに 、同一の蓋付きの容器(アルミナ製、直方体 、容積:約30cm 3 )に入れ、空気中、1325℃で5時間焼成すること により、ルテニウム箔が収縮し、組成式:Sr(Zr 0.838 Y 0.038 Ru 0.124 )H 0.03 O 2.996 で表される濃褐色のルテニウム含有複合酸化 物粉末が得られた。

実施例15
[ペロブスカイト型複合酸化物を用いたイリ ウム箔からのイリジウムの吸蔵]
 実施例13と同様の方法で得られた組成式:Sr(Z r 0.9 Y 0.1 )H 0.05 O 2.975 で表される淡黄色の酸化物粉末(1.5g)を、イリ ジウム箔(厚さ0.05mm、重量0.13g)と接触させず 、同一の蓋付きの容器(アルミナ製、直方体 、容積:約30cm 3 )に入れ、空気中、1600℃で10時間焼成するこ により、イリジウム箔が収縮し、組成式:Sr(Z r 0.889 Y 0.089 Ir 0.022 )H 0.05 O 2.9695 で表される褐色のイリジウム含有複合酸化物 粉末が得られた。

実施例16
[ペロブスカイト型複合酸化物粉末の作製]
 La 2 O 3 、CaO及びAl 2 O 3 を原料として用い、これらの原料をLa:Ca:Alの 素比が0.9:0.1:1.0となるように混合した後、 気中で焼成、粉砕を数回繰り返し、最終的 空気中、1600℃で20時間焼成することによっ 、組成式:(La 0.9 Ca 0.1 )AlO 2.95 で表される淡赤色の酸化物粉末を作製した。 該複合酸化物粉末のトレランスファクターは 1.01である。図5は得られた粉末試料のX線回折 図であり、結晶性の良好な単一相のペロブス カイト型複合酸化物粉末が得られたことが確 認できた。
[ペロブスカイト型複合酸化物を用いた白金 に含まれる白金の吸蔵]
 上記方法で得られた組成式:(La 0.9 Ca 0.1 )AlO 2.95 で表される淡赤色の酸化物粉末(0.8g)を、白金 箔(厚さ0.03mm、重量0.16g)と接触させずに、同 の蓋付きの容器(アルミナ製、直方体状、容 :約30cm 3 )に入れ、空気中、1600℃で10時間焼成するこ により、組成式:(La 0.9 Ca 0.1 )(AlPt 0.000002 )O 2.95 で表される淡褐色の白金含有複合酸化物粉末 が得られた。

実施例17
[ペロブスカイト型複合酸化物粉末の作製]
 La 2 O 3 、Sc 2 O 3 及びZnOを原料として用い、これらの原料をLa: Sc:Znの元素比が1.0:0.95:0.05となるように混合し た後、空気中で焼成、粉砕を数回繰り返し、 最終的に空気中、1600℃で10時間することによ って、組成式:La(Sc 0.95 Zn 0.05 )H 0.02 O 2.985 で表される淡赤色の酸化物粉末を作製した。 該複合酸化物粉末のトレランスファクターは 0.91である。図6は得られた粉末試料のX線回折 図であり、結晶性の良好な単一相のペロブス カイト型複合酸化物粉末が得られたことが確 認できた。
[ペロブスカイト型複合酸化物を用いた白金 からの白金の吸蔵]
 上記方法で得られた組成式:La(Sc 0.95 Zn 0.05 )H 0.02 O 2.985 で表される淡赤色の酸化物粉末(2g)を、白金 (厚さ0.03mm、重量0.18g)と接触させずに、同一 蓋付きの容器(アルミナ製、直方体状、容積 :約30cm 3 )に入れ、空気中、1600℃で10時間焼成するこ により、組成式:La(Sc 0.9498 Zn 0.0498 Pt 0.0004 )H 0.02 O 2.9853 で表される淡褐色の白金含有複合酸化物粉末 が得られた。

実施例18
[濃塩酸によるロジウム含有複合酸化物粉末 含まれるロジウムの溶出]
 組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.937 Rh 0.063 )H 0・05 O 2.875 で表される黒色のロジウム含有複合酸化物粉 末20mgに濃塩酸4mlを加え60℃で加熱すると、図 7及び図8で示したように徐々に溶解が進み、6 時間後には沈殿が消失して淡赤色の溶液が得 られた。誘導結合プラズマ(ICP)分析の結果、 9に示した通り複合酸化物粉末に含まれてい たロジウムのうち、少なくとも9割以上がこ 溶液中に溶けていることが確認された。

実施例19
[王水によるロジウム含有複合酸化物粉末に まれるロジウムの溶出]
 組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.937 Rh 0.063 )H 0・05 O 2.875 で表される黒色のロジウム含有複合酸化物粉 末20mgに王水4mlを加え60℃で加熱すると、図7 び図8で示したように徐々に溶解が進み、9時 間後には沈殿が消失して橙赤色の溶液が得ら れた。誘導結合プラズマ(ICP)分析の結果、図9 に示した通り複合酸化物粉末に含まれていた ロジウムのうち、少なくとも9割以上がこの 液中に溶けていることが確認された。

実施例20
[濃硝酸によるロジウム含有複合酸化物粉末 含まれるロジウムの溶出]
 組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.937 Rh 0.063 )H 0・05 O 2.875 で表される黒色のロジウム含有複合酸化物粉 末20mgに濃硝酸4mlを加え60℃で加熱すると、図 7及び図8で示したように徐々に溶解が進み、1 2時間後に無色の沈殿を含んだ淡黄色の溶液 得られ、少量の水を加えると沈殿は溶解し 。誘導結合プラズマ(ICP)分析の結果、図9に した通り複合酸化物粉末に含まれていたロ ウムのうち、少なくとも9割以上がこの溶液 に溶けていることが確認された。

実施例21
[濃塩酸によるパラジウム含有複合酸化物粉 に含まれるパラジウムの溶出]
 組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.981 Pd 0.019 )H 0・05 O 2.8655 で表される淡褐色のパラジウム含有複合酸化 物粉末20mgに濃塩酸4mlを加え、60℃で6時間加 すると、沈殿が消失して淡褐色の溶液が得 れた。

実施例22
[濃塩酸による白金含有複合酸化物粉末に含 れる白金の溶出]
 組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.993 Pt 0.007 )H 0・05 O 2.8785 で表される青色の白金含有複合酸化物粉末20m gに濃塩酸4mlを加え、60℃で6時間加熱すると 沈殿が消失して無色の溶液が得られた。ま 、加熱後30分で無色の沈殿が得られたが、こ の段階で少量の水を加えると完全に溶解して 無色の溶液が得られた。

実施例23
[希塩酸による白金含有複合酸化物粉末に含 れる白金の溶出]
 組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.993 Pt 0.007 )H 0・05 O 2.8785 で表される青色の白金含有複合酸化物粉末20m gに1規定の希塩酸4mlを加え、60℃で3時間加熱 ると、沈殿が消失して無色の溶液が得られ 。

実施例24
[希硝酸による白金含有複合酸化物粉末に含 れる白金の溶出]
 組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.993 Pt 0.007 )H 0・05 O 2.8785 で表される青色の白金含有複合酸化物粉末20m gに1規定の希硝酸4mlを加え、60℃で4時間加熱 ると、沈殿が消失して無色の溶液が得られ 。

実施例25
[酢酸による白金含有複合酸化物粉末に含ま る白金の溶出]
 組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.993 Pt 0.007 )H 0・05 O 2.8785 で表される青色の白金含有複合酸化物粉末20m gに50%酢酸4mlを加え、60℃で40時間加熱すると 沈殿が消失して無色の溶液が得られた。

実施例26
[濃塩酸によるルテニウム含有複合酸化物粉 に含まれるルテニウムの溶出]
 組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.93 Ru 0.07 )H 0・05 O 2.91 で表される黄褐色のルテニウム含有複合酸化 物粉末20mgに濃塩酸4mlを加え、60℃で8時間加 すると無色の沈殿を含んだ濃褐色の溶液が られ、少量の水を加えると沈殿は溶解した

実施例27
[硫酸によるルテニウム含有複合酸化物粉末 含まれるルテニウムの溶出]
 組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.93 Ru 0.07 )H 0・05 O 2.91 で表される黄褐色のルテニウム含有複合酸化 物粉末20mgに6規定の硫酸4mlを加え、60℃で6時 加熱すると無色の沈殿を含んだ濃褐色の溶 が得られた。

実施例28
[濃塩酸によるイリジウム含有複合酸化物粉 に含まれるイリジウムの溶出]
 組成式:(La 0.66 Sr 0.19 Ba 0.08 Ir 0.07 )(Sc 0.93 Ir 0.07 )H 0・05 O 2.89 で表される濃褐色のイリジウム含有複合酸化 物粉末20mgに濃塩酸4mlを加え、60℃で6時間加 すると、沈殿が消失して淡褐色の溶液が得 れた。

実施例29
[濃塩酸によるモリブデン含有複合酸化物粉 に含まれるモリブデンの溶出]
 組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.75 Mo 0.25 )H 0.02 O 2.985 で表される青緑色のモリブデン含有複合酸化 物粉末20mgに濃塩酸4mlを加え、60℃で8時間加 すると無色の沈殿を含んだ無色の溶液が得 れ、少量の水を加えると沈殿は溶解した。

実施例30
[濃塩酸による金含有複合酸化物粉末に含ま る金の溶出]
 組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(ScAu 0.000006 )H 0.05 O 2.875 で表される淡褐色の金含有複合酸化物粉末20m gに濃塩酸4mlを加え、60℃で6時間加熱すると 沈殿が消失して無色の溶液が得られた。

実施例31
[濃塩酸によるレニウム含有複合酸化物粉末 含まれるレニウムの溶出]
 組成式:(La 0.7 Sr 0.2 Ba 0.1 )(Sc 0.965 Re 0.035 )H 0.05 O 2.8925 で表される橙色のレニウム含有複合酸化物粉 末20mgに濃塩酸4mlを加え、60℃で6時間加熱す と、沈殿が消失して無色の溶液が得られた

実施例32
[濃塩酸による白金含有複合酸化物粉末に含 れる白金の溶出]
 組成式:Sr(Zr 0.899 Y 0.099 Pt 0.002 )H 0.05 O 2.9755 で表される青色の白金含有複合酸化物粉末20m gに濃塩酸4mlを加え、60℃で1時間加熱すると 沈殿が消失して無色の溶液が得られた。

実施例33
[濃塩酸によるルテニウム含有複合酸化物粉 に含まれるルテニウムの溶出]
 組成式:Sr(Zr 0.838 Y 0.038 Ru 0.124 )H 0.03 O 2.996 で表される濃褐色のルテニウム含有複合酸化 物粉末20mgに濃塩酸4mlを加え、60℃で1時間加 すると無色の沈殿を含んだ濃褐色の溶液が られ、少量の水を加えると沈殿は溶解した

実施例34
[濃塩酸によるイリジウム含有複合酸化物粉 に含まれるイリジウムの溶出]
 組成式:Sr(Zr 0.889 Y 0.089 Ir 0.022 )H 0.05 O 2.9695 で表される褐色のイリジウム含有複合酸化物 粉末20mgに濃塩酸4mlを加え、60℃で1時間加熱 ると、沈殿が消失して淡褐色の溶液が得ら た。

実施例35
[濃塩酸による白金含有複合酸化物粉末に含 れる白金の溶出]
 組成式:(La 0.9 Ca 0.1 )(AlPt 0.000002 )O 2.95 で表される淡褐色の白金含有複合酸化物粉末 20mgに濃塩酸4mlを加え、60℃で6時間加熱する 、沈殿が消失して無色の溶液が得られた。

実施例36
[濃塩酸による白金含有複合酸化物粉末に含 れる白金の溶出]
 組成式:La(Sc 0.9498 Zn 0.0498 Pt 0.0004 )H 0.02 O 2.9853 で表される淡褐色の白金含有複合酸化物粉末 20mgに濃塩酸4mlを加え、60℃で2時間加熱する 、沈殿が消失して無色の溶液が得られた。