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Title:
PRODUCTION METHOD AND BECKMANN REARRANGEMENT CATALYST FOR PRODUCING A CYCLIC LACTAM COMPOUND
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/099134
Kind Code:
A1
Abstract:
A production method and a highly active, stable, and very safe catalyst with minimal formation of by-products are provided for producing a cyclic lactam. The method produces a cyclic lactam compound by providing a cycloalkylideneaminooxy-1, 3, 5-triazine compound as a Beckmann rearrangement catalyst and/or as a reactive starting material to a reaction process.

Inventors:
ISHIHARA KAZUAKI (JP)
FUKUDA YASUHISA (JP)
SUGIMOTO TSUNEMI (JP)
KUGIMOTO JUNICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/051946
Publication Date:
August 13, 2009
Filing Date:
February 05, 2009
Export Citation:
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Assignee:
UNIV NAGOYA NAT UNIV CORP (JP)
UBE INDUSTRIES (JP)
ISHIHARA KAZUAKI (JP)
FUKUDA YASUHISA (JP)
SUGIMOTO TSUNEMI (JP)
KUGIMOTO JUNICHI (JP)
International Classes:
B01J31/02; C07D201/04; C07D201/02; C07D225/02; C07D251/26; C07B61/00
Domestic Patent References:
WO2007105482A12007-09-20
WO2008078642A12008-07-03
WO2007125002A12007-11-08
Foreign References:
JP2006219470A2006-08-24
JP2006219470A2006-08-24
JPS5146109A1976-04-20
Other References:
FURUYA, Y. ET AL.: "Cyanuric Chloride as a Mild and Active Beckmann Rearrangement Catalyst", JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 127, no. 32, 23 July 2005 (2005-07-23), pages 11240 - 11241, XP002441494
J. AMER. CHEM. SOC., vol. 127, no. 32, 2005, pages 11240
CHEM. BER., vol. 99, no. 7, 1966, pages 2361
Attorney, Agent or Firm:
ITO, Katsuhiro et al. (3-10-9 Nihombashi-Kayabacho,Chuo-k, Tokyo 25, JP)
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Claims:
 シクロアルキリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジン化合物を、ベックマン転位触媒および/または反応出発原料として反応工程に提供し、環状ラクタム化合物を製造することを特徴とする環状ラクタム化合物の製造方法。
 前記シクロアルキリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジン化合物中のシクロアルキリデンアミノオキシ基の数が1~3であり、シクロアルキリデン基の環員炭素数が5~18であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
 前記シクロアルキリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジン化合物が、2,4-ジクロロ-6-シクロドデシリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジンおよび2-クロロ-4,6-ビス(シクロドデシリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジンから選ばれることを特徴とする請求項2記載の製造方法。
 製造される前記環状ラクタム化合物がラウロラクタムであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
 前記シクロアルキリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジン化合物が、ベックマン転位触媒として提供され、出発原料としてシクロアルカノンオキシム化合物が提供され、シクロアルカノンオキシム化合物からベックマン転位反応により環状ラクタム化合物が製造されることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
 前記シクロアルキリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジン化合物が、出発原料として提供され、この化合物のシクロアルキリデンアミノオキシ基に対応する環状ラクタム化合物が製造されること特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
 シクロアルカノンオキシム化合物からベックマン転位反応により環状ラクタム化合物を製造する際に使用されるベックマン転位触媒であって、
 シクロアルキリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジン化合物から選ばれることを特徴とするベックマン転位触媒。
 前記シクロアルキリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジン化合物中のシクロアルキリデンアミノオキシ基の数が1~3であり、シクロアルキリデン基の環員炭素数が5~18であることを特徴とする請求項7記載のベックマン転位触媒。
 2,4-ジクロロ-6-シクロドデシリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジンおよび2-クロロ-4,6-ビス(シクロドデシリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジンから選ばれることを特徴とする請求項8記載のベックマン転位触媒。
 2,4-ジクロロ-6-シクロドデシリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジンまたは2-クロロ-4,6-ビス(シクロドデシリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジン。
Description:
環状ラクタム化合物の製造方法 よびベックマン転位触媒

 本発明はナイロンの原料として有用な環 ラクタム化合物の製造法に関するものであ 。特にシクロアルキリデンアミノオキシ-1,3 ,5-トリアジン化合物を用い、環状ラクタムを 製造する方法に関するものである。

 非特許文献1および特許文献1、2に、オキシ 化合物の転位反応用触媒として、ヘテロ原 または電子吸引基を有する炭素原子を持ち つ脱離基を有する芳香族含有化合物を用い 、ベックマン転位を行いアミド化合物を得 方法が記載されている。特に触媒活性の高 化合物としてトリクロロトリアジンが挙げ れている。しかし、トリクロロトリアジン 、刺激性が強く、アレルゲンとなる。発熱 に激しく水と反応しシアヌル酸となって触 活性を失う。また、その際腐食性の塩化水 ガスを発生する。このことは、トリクロロ リアジンを用いて工業的にアミド化合物を 造する際に非常に不利である。例えば、オ シム中の水分、およびさらに溶媒を用いる 合には溶媒中の水分を除去しなければなら い。オキシムの工業的製造方法としては対 するケトンとヒドロキシルアミン水溶液と 反応させる方法が一般的であり、従ってオ シム又はオキシム溶液(溶媒を用いた場合) には数千ppmの水が溶存している。この水分 よってトリクロロトリアジンは失活するた 、オキシム又はオキシム溶液の脱水装置が 要となる。当然、トリクロロトリアジンの 扱も乾燥した雰囲気中で行う必要がある。 た、転位装置内でシアヌル酸が生成した場 、有機溶媒への溶解度が低いため装置内で アヌル酸が沈積し、運転トラブルの原因に る。さらに塩化水素ガスが発生するため、 位装置及びその付帯配管には高価な耐食材 を使用しなければならない。また、非特許 献1および非特許文献2には、1,3,5-トリアジン 化合物の2,4,6位をすべてアセトフェノンオキ ムで置換した化合物が記載されている。し し、環状ラクタム化合物の合成においては アセトフェノンオキシムからの副生物が目 の環状ラクタムと混合し不純物となるため ましくない。さらに、非特許文献2には1,3,5- トリアジン化合物の2,4,6位をすべてシクロヘ サノンオキシムで置換した化合物が記載さ ているが、この化合物を用いたベックマン 位は知られていない。
J.Amer.Chem.Soc,127(32),11240(2005). Chem.Ber.,99(7),2361(1966).

特開2006-219470号公報

国際公開第07/125002号パンフレット

特公昭51-46109号公報

 本発明は、このような従来の問題点に鑑 てなされたものであり、環状ラクタムを製 する方法において、活性が高く、副生物の 成も少なく、且つ安定で安全性も高く、取 が容易な触媒、および新規な製造方法を提 することを目的とする。

 本発明者は、環状ラクタム化合物を製造 る方法において、シクロアルカノンオキシ 化合物を置換基として有するトリアジン化 物を用いることにより、収率良く目的の環 ラクタム化合物が得られることを見出した 即ち、本発明は、以下の事項に関する。

  1. シクロアルキリデンアミノオキシ-1,3 ,5-トリアジン化合物を、ベックマン転位触媒 および/または反応出発原料として反応工程 提供し、環状ラクタム化合物を製造するこ を特徴とする環状ラクタム化合物の製造方 。

 2. 前記シクロアルキリデンアミノオキシ -1,3,5-トリアジン化合物中のシクロアルキリ ンアミノオキシ基の数が1~3であり、シクロ ルキリデン基の環員炭素数が5~18であること 特徴とする上記1記載の製造方法。

 3. 前記シクロアルキリデンアミノオキシ -1,3,5-トリアジン化合物が、2,4-ジクロロ-6-シ ロドデシリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジ ンおよび2-クロロ-4,6-ビス(シクロドデシリデ アミノオキシ)-1,3,5-トリアジンから選ばれ ことを特徴とする上記2記載の製造方法。

 4. 製造される前記環状ラクタム化合物が ラウロラクタムであることを特徴とする上記 1~3のいずれかに記載の製造方法。

 5. 前記シクロアルキリデンアミノオキシ -1,3,5-トリアジン化合物が、ベックマン転位 媒として提供され、出発原料としてシクロ ルカノンオキシム化合物が提供され、シク アルカノンオキシム化合物からベックマン 位反応により環状ラクタム化合物が製造さ ることを特徴とする上記1~4のいずれかに記 の製造方法。

 6. 前記シクロアルキリデンアミノオキシ -1,3,5-トリアジン化合物が、出発原料として 供され、この化合物のシクロアルキリデン ミノオキシ基に対応する環状ラクタム化合 が製造されること特徴とする上記1~4のいず かに記載の製造方法。

 7. シクロアルカノンオキシム化合物からベ ックマン転位反応により環状ラクタム化合物 を製造する際に使用されるベックマン転位触 媒であって、
 シクロアルキリデンアミノオキシ-1,3,5-トリ アジン化合物から選ばれることを特徴とする ベックマン転位触媒。

 8. 前記シクロアルキリデンアミノオキシ -1,3,5-トリアジン化合物中のシクロアルキリ ンアミノオキシ基の数が1~3であり、シクロ ルキリデン基の環員炭素数が5~18であること 特徴とする上記7記載のベックマン転位触媒 。

 9. 2,4-ジクロロ-6-シクロドデシリデンア ノオキシ-1,3,5-トリアジンおよび2-クロロ-4,6- ビス(シクロドデシリデンアミノオキシ)-1,3,5- トリアジンから選ばれることを特徴とする上 記8記載のベックマン転位触媒。

 10. 2,4-ジクロロ-6-シクロドデシリデンア ノオキシ-1,3,5-トリアジンまたは2-クロロ-4,6 -ビス(シクロドデシリデンアミノオキシ)-1,3,5 -トリアジン。

 本発明によれば、環状ラクタム化合物を 副生物を抑えながら、収率良く製造するこ ができる。また、使用されるシクロアルキ デンアミノオキシ-1,3,5-トリアジン化合物は 、トリクロロトリアジンに比して刺激性を有 さないため、より安全に環状ラクタム化合物 を製造することができる。また、トリクロロ トリアジンに比して水との反応性が低く安定 なため、オキシム乾燥のための特殊な装置や 特別の脱水溶媒を用いなくても、容易に環状 ラクタム化合物を製造することができる。こ のため、本発明は、工業的規模での製造に特 に適している。

 本発明では、シクロアルキリデンアミノ キシ-1,3,5-トリアジン化合物を、ベックマン 転位触媒および/または反応出発原料として 応工程(バッチ工程、連続工程のどちらでも わない)に提供する。シクロアルキリデンア ミノオキシ-1,3,5-トリアジン化合物は、ベッ マン転位触媒として使用することができ、 クロアルカノンオキシム化合物から、対応 る環状ラクタムを合成することができる(第1 の態様)。また、シクロアルキリデンアミノ キシ-1,3,5-トリアジン化合物は、これ自身を 接の原料として、シクロアルキリデンアミ オキシ基に対応する環状ラクタムを合成す ことができる(第2の態様)。尚、「対応する 状ラクタム」とは、第1の態様においては、 シクロアルカノンオキシム化合物のベックマ ン転位により製造される環状ラクタムを意味 し、第2の態様においては、シクロアルキリ ンアミノオキシ-1,3,5-トリアジン化合物のシ ロアルキリデンアミノオキシ基にHを付加し たシクロアルカノンオキシム化合物がベック マン転位反応により製造される環状ラクタム を意味する。また、同じ対応関係を有する場 合に、対応するシクロアルキリデンアミノオ キシ基、または対応するシクロアルカノンオ キシム化合物と言う場合もある。

 <シクロアルキリデンアミノオキシ-1,3,5- リアジン化合物>
 先ず最初に、シクロアルキリデンアミノオ シ-1,3,5-トリアジン化合物について説明する 。

 シクロアルキリデンアミノオキシ-1,3,5-ト リアジン化合物は、下式Iで示される。

 式中、3つのYは、互いに独立して、式II:

 (式II中、nはシクロアルキリデン基の環構成 炭素数を表す。)
で表されるシクロアルキリデンアミノオキシ 基、または置換基Xを表す。

 シクロアルキリデンアミノオキシ-1,3,5-ト リアジン化合物中のシクロアルキリデンアミ ノオキシ基としては、シクロアルキリデン環 を構成する炭素数nが5から18のものが好まし 。具体的には、シクロペンチリデンアミノ キシ基、シクロヘキシリデンアミノオキシ 、シクロヘプチリデンアミノオキシ基、シ ロオクチリデンアミノオキシ基、シクロノ リデンアミノオキシ基、シクロデシリデン ミノオキシ基、シクロウンデシリデンアミ オキシ基、シクロドデシリデンアミノオキ 基、シクロトリデシリデンアミノオキシ基 シクロテトラデシリデンアミノオキシ基、 クロペンタデシリデンアミノオキシ基、シ ロヘキサデシリデンアミノオキシ基、シク ヘプタデシリデンアミノオキシ基またはシ ロオクタデシリデンアミノオキシ基などが げられる。また、シクロアルキリデン環上 反応を阻害しない置換基を有していてもよ 、その置換基としては、例えば、メチル基 エチル基、シクロヘキシル基等の非環状も くは環状のアルキル基、ビニル基、シクロ キセニル基等の非環状もしくは環状のアル ニル基、フェニル基等のアリール基、メト シ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニ 基等のアルコキシカルボニル基、クロル基 のハロゲン基が挙げられる。好ましくは無 換のシクロアルキリデンアミノオキシ基で り、特に好ましくは、シクロヘキシリデン ミノオキシ基もしくはシクロドデシリデン ミノオキシ基であり、特に好ましくはシク ドデシリデンアミノオキシ基である。

 シクロアルキリデンアミノオキシ-1,3,5-ト リアジン化合物のシクロアルキリデンアミノ オキシ基の数は、1から3であるが、好ましく 1または2である。シクロアルキリデンアミ オキシ基の数が1または2の場合、1,3,5-トリア ジン環上のその他の置換基Xとしては、好ま くはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ 素原子などのハロゲン基であり、特に好ま くは塩素原子である。

 また、分子内にシクロアルキリデンアミ オキシ基が複数個存在する場合、シクロア キリデンアミノオキシ基は同一であること 好ましい。

 シクロアルキリデンアミノオキシ-1,3,5-ト リアジン化合物の具体的な例としては、例え ば、2,4-ジクロロ-6-シクロペンチリデンアミ オキシ-1,3,5-トリアジン、2-クロロ-4,6-ビス( クロペンチリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリア ジン、2,4,6-トリス(シクロペンチリデンアミ オキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジクロロ-6-シ ロヘキシリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジ 、2-クロロ-4,6-ビス(シクロヘキシリデンア ノオキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(シ ロヘキシリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジ ン、2,4-ジクロロ-6-シクロヘプチリデンアミ オキシ-1,3,5-トリアジン、2-クロロ-4,6-ビス( クロヘプチリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリア ジン、2,4,6-トリス(シクロヘプチリデンアミ オキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジクロロ-6-シ ロオクチリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジ 、2-クロロ-4,6-ビス(シクロオクチリデンア ノオキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(シ ロオクチリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジ ン、2,4-ジクロロ-6-シクロノニリデンアミノ キシ-1,3,5-トリアジン、2-クロロ-4,6-ビス(シ ロノニリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジン 、2,4,6-トリス(シクロノニリデンアミノオキ )-1,3,5-トリアジン、2,4-ジクロロ-6-シクロデ リデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジン、2-ク ロ-4,6-ビス(シクロデシリデンアミノオキシ)- 1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(シクロデシリ ンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジク ロ-6-シクロウンデシリデンアミノオキシ-1,3, 5-トリアジン、2-クロロ-4,6-ビス(シクロウン シリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4 ,6-トリス(シクロウンデシリデンアミノオキ )-1,3,5-トリアジン、2,4-ジクロロ-6-シクロド シリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジン、2- ロロ-4,6-ビス(シクロドデシリデンアミノオ シ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(シクロド シリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4 -ジクロロ-6-シクロトリデシリデンアミノオ シ-1,3,5-トリアジン、2-クロロ-4,6-ビス(シク トリデシリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジ ン、2,4,6-トリス(シクロトリデシリデンアミ オキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジクロロ-6-シ ロテトラデシリデンアミノオキシ-1,3,5-トリ ジン、2-クロロ-4,6-ビス(シクロテトラデシ デンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-ト リス(シクロテトラデシリデンアミノオキシ)- 1,3,5-トリアジン、2,4-ジクロロ-6-シクロペン デシリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジン、2 -クロロ-4,6-ビス(シクロペンタデシリデンア ノオキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(シ ロペンタデシリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリ アジン、2,4-ジクロロ-6-シクロヘキサデシリ ンアミノオキシ-1,3,5-トリアジン、2-クロロ-4 ,6-ビス(シクロヘキサデシリデンアミノオキ )-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(シクロヘキ デシリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジン、 2,4-ジクロロ-6-シクロヘプタデシリデンアミ オキシ-1,3,5-トリアジン、2-クロロ-4,6-ビス( クロヘプタデシリデンアミノオキシ)-1,3,5-ト リアジン、2,4,6-トリス(シクロヘプタデシリ ンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジク ロ-6-シクロオクタデシリデンアミノオキシ-1 ,3,5-トリアジン、2-クロロ-4,6-ビス(シクロオ タデシリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジン 、2,4,6-トリス(シクロオクタデシリデンアミ オキシ)-1,3,5-トリアジンをあげることができ る。

 このうち、ラウロラクタムを製造する上 特に有用な化合物として、下式で表される2 ,4-ジクロロ-6-シクロドデシリデンアミノオキ シ-1,3,5-トリアジン(化合物1)および2-クロロ-4, 6-ビス(シクロドデシリデンアミノオキシ)-1,3, 5-トリアジン(化合物2)が挙げられる。これら 化合物は新規化合物である。

 新規化合物2,4-ジクロロ-6-シクロドデシリ デンアミノオキシ-1,3,5-トリアジン(化合物1) よび2-クロロ-4,6-ビス(シクロドデシリデンア ミノオキシ)-1,3,5-トリアジン(化合物2)は、次 反応スキームに示すように、シクロドデカ ンオキシム(化合物3)とトリクロロトリアジ (化合物4)を塩基の存在下或いは非存在下、 機溶媒中で反応することにより製造される

 シクロドデカノンオキシムとトリクロロト アジンの比は、2,4-ジクロロ-6-シクロドデシ リデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジン(化合物1 )を製造する時は、0.5:1~1.5:1であり、好ましく は0.7:1~1.2:1である。2-クロロ-4,6-ビス(シクロ デシリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジン( 合物2)を製造する時は、1.6:1~3:1であり、好ま しくは1.8:1~2.5
:1である。

 塩基としては、特に限定されないが、水 化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸 トリウムなどの無機塩基、トリエチルアミ 、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジ ン、N,N-ジメチルアミノピリジン、N,N-ジメチ アニリンなどの有機塩基が挙げられるが、 機溶媒への溶解性の低い無機塩基の場合に 、系が酸性になり副反応等が起こりやすく 意が必要である。また、有機塩基で、求核 のあるトリエチルアミン等では、トリクロ トリアジンと反応し、ジエチルアミノ基が 換反応により付加することがあり注意が必 である。塩基として、特に好ましくは、有 溶媒に溶解し、求核性の小さいN,N-ジイソプ ロピルエチルアミンである。

 塩基の使用量は、シクロドデカノンオキ ムに対して、0~5倍モル、好ましくは0.5~1.5倍 モルである。

 有機溶媒としては、本反応を阻害するも でなければ、特に限定されないが、トルエ 、ベンゼン、キシレン、シクロヘキサン、 クロオクタン、イソプロピルシクロヘキサ 等が挙げられ、特に好ましくはトルエンで る。

 シクロドデカノンオキシムの濃度は、3~80 重量%、好ましくは5~60重量%である。

 反応温度は、使用する溶媒の沸点以下で われることが好ましい。2,4-ジクロロ-6-シク ロドデシリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジ (化合物1)を製造する時は、-10~80℃であり、 ましくは0~60℃である。2-クロロ-4,6-ビス(シ ロドデシリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジ ン(化合物2)を製造する時は、20℃~溶媒の沸点 、好ましくは30℃~110℃である。

 反応圧力は、特に制限されず、常圧また 加圧条件下で行うことができる。反応時間 、前記濃度、温度等の反応条件によって変 するが、通常0.01~24時間で行うことができる 。好ましくは、0.05~6時間である。

 反応後の処理としては、例えば、シリカ ルを通して副生する塩等を除き、溶媒を留 することにより粗生成物を得ることができ 。得られた粗生成物である2,4-ジクロロ-6-シ クロドデシリデンアミノオキシ-1,3,5-トリア ン(化合物1)および2-クロロ-4,6-ビス(シクロド デシリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジン(化 合物2)は、カラムクロマトグラフィー、結晶 等により分離・精製することができる。な 、反応装置は、特に制限はなく通常の攪拌 置を備えた反応器で実施することができる

 その他のシクロアルキリデンアミノオキ -1,3,5-トリアジン化合物についても、上記の 化合物1および化合物2の製造に類似して製造 ることができる。尚、シクロアルカノンオ シム化合物は、例えば、特許文献3に記載さ れているように、シクロアルカノン化合物と 硫酸ヒドロキシルアミンから製造することが できる。

 <環状ラクタムの製造>
 シクロアルキリデンアミノオキシ-1,3,5-トリ アジン化合物は、シクロアルカノンオキシム 化合物から環状ラクタム化合物を製造する上 での触媒として(第1の態様)、または環状ラク タム化合物を製造する上で直接的な原料とし て(第2の態様)、用いることができる。

 触媒として用いる場合(第1の態様)には、 記化合物は、原料シクロアルカノンオキシ 化合物の50モル%以下、好ましくは20モル%以 、より好ましくは10モル%以下で使用される また、一般に0.1モル%以上の量で使用する。 触媒として用いる場合、シクロアルキリデン アミノオキシ-1,3,5-トリアジン化合物からも 状ラクタムが生成する。このため、原料シ ロアルカノンオキシム化合物に対応するシ ロアルキリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジ 化合物を用いることにより、純粋な環状ラ タムが得られる。例えば、シクロドデカノ オキシムを原料として、ラウロラクタムを る場合、触媒としてシクロドデシリデンア ノオキシ-1,3,5-トリアジン化合物を用いる。 また、原料シクロアルカノンオキシム化合物 からの理論収率を100%とすると100%以上の環状 クタムが生成する。

 第1の態様および第2の態様のどちらにお ても、一般に溶媒中で反応させることが好 しく、溶媒としては、本反応を阻害するも でなければ、特に限定されないが、例えば ンゼン、トルエン、キシレン、クメン、ク ロベンゼン等の芳香族炭化水素類、n-ヘキサ ン、n-ヘプタン、n-ノナン、シクロヘキサン シクロオクタン、シクロデカン、シクロド カン、ハイドロクメンなどの脂肪族炭化水 類、アセトン、メチルエチルケトン、メチ イソプロピルケトン、メチルイソブチルケ ン、シクロヘキサノン、シクロドデカノン のケトン化合物、アセトニトリル、プロピ ニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類 N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセ トアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル -2-イミダゾリノン等のアミド類、ジメチルス ルホキシド、スルホラン等のスルホキシド、 スルホン類、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸 エチル、プロピオン酸メチル、ブタン酸エチ ル等のエステル類、蟻酸、酢酸、プロピオン 酸、ブタン酸等のカルボン酸類、ジエチルエ ーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒ ドロフラン、ジオキサン等のエーテル類等、 ヘキサメチルリン酸トリアミド等のリン酸ア ミド類、メタノール、エタノール、プロパノ ール、イソプロパノール等のアルコール類を 挙げることができる。好ましくは芳香族炭化 水素類およびニトリル類等であり、特にトル エンおよびアセトニトリル等である。また、 当該溶媒は特段の脱水処理を施すことなく、 市販溶媒をそのまま使用することができる。

 第1の態様の場合、溶媒の使用量は、特に 限定されないが、通常シクロアルカノンオキ シム化合物に対して、0.3~100重量倍、好まし は1~50重量倍である。

 第2の態様の場合、溶媒の使用量は、特に 限定されないが、通常シクロアルキリデンア ミノオキシ-1,3,5-トリアジン化合物に対して 0.3~100重量倍、好ましくは1~50重量倍である。

 第1の態様および第2の態様のどちらにお ても、反応は、一般に溶媒中で、加熱下、 よび/または、反応を加速するための酸の存 下で行うことができる。反応温度は、特に 限はないが、好ましくは0~150℃の範囲であ 。

 酸としては、特に限定されず、塩化水素 メタンスルホン酸等の各種ブレーンステッ 酸、塩化亜鉛、塩化鉄等のルイス酸等が挙 られるが、特に好ましくは塩化水素である その使用量は、シクロアルキリデンアミノ キシ-1,3,5-トリアジン化合物に対して0.1から 20モル当量であり、好ましくは0.5から15モル 量である。

 反応圧力は、特に制限されず、常圧また 加圧条件下で行うことができる。反応時間 、前記濃度、温度等の反応条件によって変 するが、通常0.01~24時間で行うことができる 。好ましくは、0.05~10時間である。

 反応後の処理としては、例えば、抽出操 などを行い、環状ラクタムを得ることがで る。反応装置は、特に制限はなく通常の攪 装置を備えた反応器で実施することができ 。本発明で得られた環状ラクタムは、蒸留 結晶化等の通常の操作により分離・精製す ことができる。

 次に実施例を挙げて本発明を具体的に説 する。

 [実施例1]
 シクロドデカノンオキシム 199mg(1mmol)、2,4- クロロ-6-シクロドデシリデンアミノオキシ- 1,3,5-トリアジン17.4mg(0.05mmol)をアセトニトリ 19.6gに添加し、78℃で1時間加熱攪拌した。HPL Cにより定量したところ、原料シクロドデカ ンオキシム基準のラウロラクタムの収率は10 0%以上であった。

 [実施例2]
 シクロドデカノンオキシム 202mg(1mmol)、2-ク ロロ-4,6-ビス(シクロドデシリデンアミノオキ シ)-1,3,5-トリアジン26.7mg(0.05mmol)および0.04M塩 水素アセトニトリル溶液2.5ml(0.1mmol)をアセ ニトリル19.7gに添加し、78℃で1時間加熱攪拌 した。HPLCにより定量したところ、原料シク ドデカノンオキシム基準のラウロラクタム 収率は100%以上であった。

 [実施例3]
 2,4-ジクロロ-6-シクロドデシリデンアミノオ キシ-1,3,5-トリアジン103mg(0.30mmol)をアセトニ リル10gに溶解し、77℃で5時間加熱攪拌した HPLCにより定量したところ、ラウロラクタム 56mg(0.28mmol)生成していた。

 [実施例4]
 2-クロロ-4,6-ビス(シクロドデシリデンアミ オキシ)-1,3,5-トリアジン201mg(0.40mmol)をアセト ニトリル10gに溶解し、4M塩化水素ジオキサン 液1.5gを添加した。室温で数分攪拌後、HPLC より定量したところ、ラウロラクタムが159mg (0.80mmol)生成していた。

 [参考例1]2,4-ジクロロ-6-シクロドデシリデン アミノオキシ-1,3,5-トリアジン(化合物1)の合
 シクロドデカノンオキシム3g(15mmol)をトルエ ン120mlに溶解し、水冷下、トリクロロトリア ン3g(16mmol)を添加した。次いで、N,N-ジイソ ロピルエチルアミン-トルエン溶液15ml(N,N-ジ ソプロピルエチルアミン2.0g(15mmol)にトルエ を加え15mlとした)を徐々に滴下した。室温 1.5時間攪拌後、反応液をシリカゲルを通し 吸引ろ過した。シリカゲルは、トルエン-酢 エチル(20:1溶液で洗浄した。ろ液を減圧下 媒を留去し、得られた淡黄色固体をヘキサ より再結晶することにより、無色プリズム である目的物4.6gを得た。

m.p.118-120℃
1 H-NMR(δppm,CDCl 3 );1.15-1.81(18H,m),2.48-2.61(4H,m)
元素分析 実測値 H 6.31,C 52.14,N 16.15,O 5.04
     計算値 H 6.42,C 52.18,N 16.23,O 4.63
            (C15H22Cl2N4Oとして)

 [参考例2]2-クロロ-4,6-ビス(シクロドデシリ ンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジン(化合物2)の 合成
 シクロドデカノンオキシム4g(20mmol)をトルエ ン160mlに溶解し、水冷下、トリクロロトリア ン1.9g(10mmol)を添加した。次いで、N,N-ジイソ プロピルエチルアミン-トルエン溶液15ml(N,N- イソプロピルエチルアミン2.66g(21mmol)にトル ンを加え15mlとした)を徐々に滴下した。68℃ で3時間攪拌後、反応液をシリカゲルを通し 吸引ろ過した。シリカゲルは、トルエン-酢 エチル(10:1溶液で洗浄した。ろ液を減圧下 媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフ ー(ワコーゲルC-200、トルエン:酢酸エチル=20: 1)で精製した。得られた粗結晶をヘキサンよ 再結晶することにより、無色針状晶である 的物1.8gを得た。

m.p.113-114℃
1 H-NMR(δppm,CDCl 3 )1.26-1.80(36H,m),2.35-2.61(8H,m)
元素分析 実測値 H 8.55,C 64.08,N 13.73,O 6.58
     計算値 H 8.76,C 64.07,N 13.84,O 6.32
            (C27H44ClN5O2として)

 [参考例3]トリエチルアミンを塩基に用いた クロドデシリデンアミノオキシ-1,3,5-トリア ジン化合物の合成検討(非特許文献1に準じた 法での検討)
 シクロドデカノンオキシム2g(10mmol)を乾燥ア セトニトリル150mlに添加したが溶解しなかっ ため、トルエン50mlを加え、溶解した。トリ クロロトリアジン0.62g(3.4mmol)、次いで、トリ チルアミン1.1g(11mmol)を徐々に添加した。室 で1時間攪拌後、3日放置し、溶媒を減圧下 去した。トルエンを加え、不溶物をろ去し ろ液を減圧下、留去した。残渣をカラムク マトグラフィー(ワコーゲルC-200、トルエン: 酸エチル=5:1)で精製した。得られた粗結晶 へキサンより再結晶することにより、無色 状晶0.55gを得た。本化合物を分析したところ 、2-(N,N-ジエチルアミノ)-4,6-ビス(シクロドデ リデンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジンであ た。目的のトリス(シクロドデシリデンアミ オキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジクロロ-6-シ ロドデシリデンアミノオキシ-1,3,5-トリアジ ン(化合物1)或いは2-クロロ-4,6-ビス(シクロド シリデンアミノオキシ)-1,3,5-トリアジン(化 物2)は得られなかった。