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Title:
PRODUCTION METHOD OF INTERNALLY-RIBBED STEEL PIPE AND DRAWING PLUG FOR USE THEREIN
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/081655
Kind Code:
A1
Abstract:
A production method which can form helical ribs stably by reducing trouble at the time of forming the helical ribs of an internally-ribbed steel pipe by drawing. When an internally-ribbed steel pipe having a plurality of helical ribs in the pipe axis direction is produced by inserting a plug having a plurality of helical grooves in the outer circumferential surface thereof into the inner surface of a pipe to be processed subjected to chemical conversion treatment and then performing cold drawing, drawing is performed by preheating the plug at 50-200°C, thus forming the helical ribs on the inner surface of a bare pipe. The chemical conversion treatment is preferably performed by an acid pickling process for removing oxidation scales and rust from the pipe surface, a process for forming a zinc phosphate film on the neutralized pipe surface, and a process for forming a lubricant layer on the zinc phosphate film. An internally-ribbed steel pipe thus obtained has excellent moldability and quality as a steel pipe for a boiler, and can deal sufficiently with a higher capacity or higher temperature/ higher pressure boiler.

Inventors:
BEPPU KENICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069545
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
October 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO METAL IND (JP)
BEPPU KENICHI (JP)
International Classes:
B21C1/22; B21C3/16
Foreign References:
JP2001179327A2001-07-03
JPH0231205Y21990-08-23
JPS63260621A1988-10-27
JP2002361319A2002-12-17
JP2003080337A2003-03-18
JP2001179327A2001-07-03
JP2006272392A2006-10-12
Other References:
See also references of EP 2228149A4
Attorney, Agent or Firm:
MORI, Michio (17-23 Higashinaniwa-cho 5-chome, Amagasaki-sh, Hyogo 92, JP)
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Claims:
 化成処理された被加工管の内面に、外周面に複数条の螺旋溝が形成されたプラグを挿入して冷間引抜加工を行い、管軸方向に複数条の螺旋状リブを形成する内面リブ付鋼管の製造方法であって、
 前記プラグを50~200℃にプレヒーティングして引抜加工を行い、前記螺旋状リブを被加工管の内面に形成することを特徴とする内面リブ付鋼管の製造方法。
 前記化成処理が管表面の酸化スケールおよび錆びを取り除く酸洗工程、中和された管表面に燐酸亜鉛皮膜を形成する工程、および前記燐酸亜鉛皮膜の上に潤滑層を形成する工程からなることを特徴とする請求項1に記載の内面リブ付鋼管の製造方法。
 片端をマンドレルに保持されて、請求項1または2に記載の内面リブ付鋼管の製造方法に用いられるプラグであって、
 外周面にリブ成形用として複数条の螺旋溝が形成され、この螺旋溝を形成し相対する両側壁と底面とが交わる部分の曲率半径を、逐次、前記マンドレルに保持されるプラグの先端部側から後端部側に亘り減少させたことを特徴とする内面リブ付鋼管の引抜用プラグ。
 請求項3に記載の内面リブ付鋼管の製造方法に用いられるプラグであって、
 さらに、螺旋溝を形成し相対する両側壁と頂面とが交わる部分の曲率半径を、逐次、前記マンドレルに保持されるプラグの先端部側から後端部側に亘り減少させたことを特徴とする内面リブ付鋼管の引抜用プラグ。
Description:
内面リブ付鋼管の製造方法およ それに用いられる引抜用プラグ

 本発明は、引抜加工により鋼管内面に螺 状のリブ(突起)を形成させる内面リブ付鋼 の製造方法および引抜用プラグに関し、さ に詳しくは、螺旋状のリブを安定して加工 ることができる内面リブ付鋼管の製造方法 およびこの製造方法に用いられる引抜用プ グに関するものである。

 通常、ボイラー用、熱交換器用等の高温 熱部には、発電効率を向上させるため、鋼 内面に螺旋状のリブ(突起)を形成した内面 ブ付鋼管(ライフルチューブ)が用いられる。 内面リブ付鋼管の内面は、内面のリブにより 広い表面積を有するため、加熱された管内面 と管内部を通過する水蒸気との接触面積が増 加されるとともに、水蒸気を含む流体を乱流 にして熱交換効率を高めている。最近のボイ ラーの大容量化や高温高圧化にともない、内 面リブ付鋼管の需要は急速に増大している。

 内面リブ付鋼管の製造は、継目無鋼管ま は電縫鋼管を素管として製造し、必要に応 て、その素管を十分に軟化させた後、冷間 程にて引抜用ダイスおよび外周面にリブ形 用の螺旋溝を構成したプラグを用いて、引 加工される。

 図1は、引抜加工によって内面リブ付鋼管 を製造する方法を概略的に説明する図である 。素管3を引抜加工する際には、プラグ1の片 をマンドレル4で保持して、ダイス2および 管3に対して同心状に素管3の内面に挿入し、 プラグ1を回転させながら素管3を白抜き矢印 方向に引き抜く。

 このとき、引き抜かれる素管3の外面は、 ダイス2によって絞られる。一方、素管3の内 は、プラグ1の外周面に形成された螺旋溝1a 沿って成形され、引抜後の素管3の内周面に は、螺旋状のリブ3aが形成される。

 使用するプラグ1は、片端をマンドレル4 保持され、自由に回転できる構造である。 のプラグ形状は、内面リブ付鋼管のリブ高 、リブ形状等(特に、リブコーナー部および ード角)の寸法精度に大きな影響を及ぼし、 引抜条件によっては、素管とプラグとの間で 焼き付きが生じることがある。このため、従 来から、内面リブ付鋼管の製造用として、所 定形状の螺旋溝を形成した引抜用プラグが用 いられる。

 図2は、内面リブ付鋼管の製造に用いられ る引抜用プラグに形成される螺旋溝の断面形 状を示す図である。同図は、前記図1に示す 旋溝のプラグ軸線と直交する断面形状を段 的に示す模式図であり、(a)は前記図1のA-A矢 断面図、(b)は前記図1のB-B矢視断面、および (c)は前記図1のC-C矢視断面を示している。

 通常、内面リブ付鋼管の引抜用プラグは その外周面に形成される複数条の螺旋溝1a 側壁として相対する両側壁1aaと底面1abとが わる部分の曲率半径rを、図2(a)で示すプラグ の先端部側で大きくとり、図2(c)(b)に示すよ に後端側になるに従い、逐次、小さくなる うに構成している。このように引抜用プラ を構成することにより、素管内面でのリブ 形が段階的に行われ、焼付きが生じ難くな 。

 図3は、他の実施形態に係る、内面リブ付 鋼管の製造に用いられる引抜用プラグに形成 される螺旋溝の断面形状を示す図である。前 記図2と同様に、螺旋溝のプラグ軸線と直交 る断面形状を、図3(a)は前記図1のA-A矢視断面 図、図3(b)は前記図1のB-B矢視断面、および図3 (c)は前記図1のC-C矢視断面として段階的に示 ている。

 図3に示す引抜用プラグは、外周面に形成 された複数条の螺旋溝1aを形成し相対する両 壁1aaと底面1abとが交わる部分の曲率半径rを 、プラグの先端部側から後端部側に至るまで 一定に保つと共に、プラグの先端部側から後 端部側に向けて、例えば、3°の勾配で縮径さ せるように構成している。これによっても、 素管内面でのリブ成形が一定の変形加工率で 段階的に行われることから、焼付きが生じ難 くなる(特開2001-179327号公報、参照)。

 さらに、引抜用プラグの断面形状を図示 ないが、前記図2および図3に示すように、 抜用プラグに形成される螺旋溝の断面形状 段階的に変化させるのに加え、引抜加工時 螺旋溝の溝山と素管内面との接触面積を減 させ、溝山の頂部と素管との間に生じる摩 抵抗を低減するため、螺旋溝の溝山のエッ を曲線状または直線状に面取りを施した引 用プラグを用いることもある(特開2006-272392 公報、参照)。

 通常、内面リブ付鋼管に適用される規格 、JIS G 3461(STB)およびJIS G 3462(STBA)である とから、素材鋼種として炭素鋼またはCr系低 合金鋼が振り当てられる。このような鋼種を 素管とする場合には、デスケーリングには硫 酸洗が用いられ、潤滑処理にはリン酸塩処理 (リン酸亜鉛等)による化成処理が行われる。 体的な酸洗・潤滑処理の手順としては、デ ケーリング後、素管の内外表面を水洗、中 し、すすぎ水洗した素管をリン酸塩処理浴 浸漬し、内外表面にリン酸塩の下地を形成 る。次いで、表面を湯洗を行い、ステアリ 酸ナトリウムを主成分とする石鹸処理の後 熱温風による乾燥を行う。

 ところが、内面リブ付鋼管の製造に際し 後述するような適正な条件で素管表面に最 な化成処理を施したにもかかわらず、螺旋 リブを形成するための引抜加工前に、引抜 プラグの処理条件によっては、引抜加工ト ブルが多発し、内面リブ付鋼管の成形性や 造歩留まりを著しく低下させることがある

 本発明は、上述した内面リブ付鋼管の引 加工での問題点に鑑みてなされたものであ 、螺旋状リブを形成するための引抜加工前 、引抜用プラグのプレヒーティングを行い その加熱温度を管理することにより、螺旋 リブを形成する引抜加工時のトラブルを低 し、安定して螺旋状リブを形成することが きる内面リブ付鋼管の製造方法を提供する とを目的としている。

 内面リブ付鋼管の引抜加工は、前記図2ま たは図3に示すような断面形状からなる螺旋 を外周面に形成させたプラグを用い、この ラグを化成処理された素管内面に挿入して 抜加工により行われる。このとき、素管外 での縮径とともに、素管内面でリブ成形が 定の冷間加工率で行われることから、塑性 形にともなう発熱により、螺旋状リブを形 するための引抜加工は高温環境の条件下で われる。

 また、内面リブ付鋼管の引抜加工は、前 図1に示すように、引抜加工用プラグに設け られた螺旋溝の溝山の頂部は、引抜加工の初 期段階から仕上げ寸法に加工する最終段階に 至るまで、必ず素管表面に接触することから 、必然的にプラグと素管との接触長さが長く なる。

 例えば、通常のボイラー用鋼管や熱交換 用鋼管の引抜加工におけるプラグと素管と 接触長さは、加工寸法にもよるが、約3mm程 とされているが、仕上寸法を外径28~70mmとな るような内面リブ付鋼管の製造になると、プ ラグと素管との接触長さが10~15mmに及ぶこと なる。このように、プラグと素管との接触 さが長くなることにより、内面リブ付鋼管 焼き付きが発生し易くなり、内面リブ付鋼 の引抜加工を過酷な塑性加工としている。

 プラグと素管との接触長さに拘わらず、 旋状リブを形成するための引抜加工を安定 て行うには、引抜加工の初期段階から仕上 寸法に加工する最終段階に至るまで、引抜 工用プラグに設けられた螺旋溝と素管の内 面との接触を、化成処理皮膜を介して維持 ることが必要になる。

 本発明者は、上述した内面リブ付鋼管の 抜加工に関する技術事項に着目し、種々の 討を加えた結果、螺旋状リブを形成するた の引抜加工前に、引抜用プラグのプレヒー ィングを行い、その加熱温度を高温環境で われる引抜加工に適合できる温度範囲で管 することにより、螺旋状リブを形成する引 加工時のトラブルを低減できることを知見 た。

 本発明は、上記知見に基づいて完成された のであり、下記(1)および(2)の内面リブ付鋼 の製造方法、および(3)の内面リブ付鋼管の 抜用プラグを要旨としている。
(1)化成処理された被加工管の内面に、外周面 に複数条の螺旋溝が形成されたプラグを挿入 して冷間引抜加工を行い、管軸方向に複数条 の螺旋状リブを形成する内面リブ付鋼管の製 造方法であって、前記プラグを50~200℃にプレ ヒーティングして引抜加工を行い、前記螺旋 状リブを素管内面に形成することを特徴とす る内面リブ付鋼管の製造方法である。

(2)上記(1)の内面リブ付鋼管の製造方法では 、前記化成処理を管表面の酸化スケールおよ び錆びを取り除く酸洗工程、中和された管表 面に燐酸亜鉛皮膜を形成する工程、および前 記燐酸亜鉛皮膜の上に潤滑層を形成する工程 で行うのが望ましい。

(3)片端をマンドレルに保持されて、上記(1)ま たは(2)の内面リブ付鋼管の製造方法に用いら れるプラグであって、外周面にリブ成形用と して複数条の螺旋溝が形成され、この螺旋溝 を形成し相対する両側壁と底面とが交わる部 分の曲率半径を、逐次、前記マンドレルに保 持されるプラグの先端部側から後端部側に亘 り減少させたことを特徴とする内面リブ付鋼 管の引抜用プラグである。
 さらに、螺旋溝を形成し相対する両側壁と 面とが交わる部分の曲率半径も、逐次、前 マンドレルに保持されるプラグの先端部側 ら後端部側に亘り減少させるのが望ましい

 本発明の内面リブ付鋼管の製造方法によ ば、螺旋状リブを形成する引抜加工前に引 用プラグのプレヒーティングを行い、その 熱温度を管理することにより、螺旋状リブ 形成する引抜加工のトラブルを抑制し、安 して螺旋状リブを形成することができる。 れにより得られた内面リブ付鋼管は、優れ 成形性と品質を備える。

 図1は、引抜加工によって内面リブ付鋼管を 製造する方法を概略的に説明する図である。
 図2は、内面リブ付鋼管の製造に用いられる 引抜用プラグに形成される螺旋溝の断面形状 を示す図である。
 図3は、他の実施形態に係る、内面リブ付鋼 管の製造に用いられる引抜用プラグに形成さ れる螺旋溝の断面形状を示す図である。
 図4は、本発明の内面リブ付鋼管の製造方法 に適用できる化成処理の工程例を示す図であ る。

 本発明の内面リブ付鋼管が対象とする鋼 は、炭素鋼(例えば、JIS G 3461、STB340~510)、 よびCr系低合金鋼(例えば、JIS G 3462、STBA12~ 24)であり、素管として継目無鋼管および電縫 鋼管を適用することができる。

 通常、継目無鋼管は、生産効率に優れる とからマンドレルミル製造法が適用され、 間圧延により製造され、また、電縫鋼管は 溶接部の酸化防止や溶接ビードの安定化を るため、不活性ガスシールド溶接や溶接入 量自動制御技術を採り入れた電気抵抗溶接 で製造される。

 素管の製造段階において、素管の鋼種や 造条件に応じて、素管軟化処理の要否が定 られる。次に、内面リブ付加工が施される 管は、素管軟化が行われた後、または素管 化を行うことなく、螺旋状リブを形成する 抜加工前に、素管の内外表面に潤滑皮膜を 成するため、化成処理が行われる。

 図4は、本発明の内面リブ付鋼管の製造方 法に適用できる化成処理の工程例を示す図で ある。まず、第1の処理工程として酸洗を行 て、表面に付着する酸化スケールおよび錆 除去する。通常、使用する酸としては硫酸(1 0~13%)が用いられ、管理項目として遊離酸度や 鉄分濃度が用いられる。酸洗条件は、処理温 度を室温として、浸漬時間の30分が目安とな 。この酸洗の後は、水洗(例えば、数分間程 度)を行って、表面に残っている酸を洗い流 。

 上記の酸洗工程に次いで、素管を苛性ソ ダ液に浸漬し中和を行う。この中和により 素管表面を安定化させることができる。そ 後、第2の処理工程として、燐酸亜鉛皮膜処 理を行って、素管表面に燐酸塩皮膜の下地を 形成する。このときの燐酸亜鉛皮膜処理の条 件は、処理温度を約80℃として、浸漬時間の3 0分が目安となる。この燐酸亜鉛皮膜処理の は、湯洗(例えば、処理温度50℃で数分間程 )を行う。

 その後、第3の処理工程として、形成され た燐酸亜鉛皮膜と石鹸系潤滑剤と反応させて 、表面に潤滑層を形成する。潤滑層を形成す る処理としては、ステアリン酸ソーダを燐酸 亜鉛皮膜と反応させて金属石鹸層を形成する のが一般的であるが、本発明の製造方法では これに限定されるものではない。

 潤滑層を形成する処理の条件は、処理温 を約80℃として、浸漬時間の15分が目安とな る。上記の第1~第3の処理工程により、化成処 理が施された素管は乾燥される。素管表面を 充分に乾燥させるため、素管を連続乾燥炉に 装入して高温雰囲気で乾燥する方法を採用す ることができる。

 本発明の製造方法では、螺旋状リブを形 するための引抜加工に際し、引抜加工の初 段階から仕上げ寸法に加工する最終段階に るまで、引抜加工用プラグに設けられた螺 溝と素管の内表面との接触状態を、化成処 皮膜を介して安定して維持するため、引抜 プラグのプレヒーティングを行い、その加 温度を50~200℃に管理することが必要になる

 螺旋状リブを形成するための引抜加工前 、引抜用プラグのプレヒーティングを実施 ない場合、またはプレヒーティングを実施 ても、引抜加工用プラグの加熱温度が50℃ 達しない場合には、引抜加工の開始時に素 内面のリブ形成部で焼き付きが発生し易く る。引抜加工の開始時に焼き付きを発生さ ると、引抜加工を継続することが困難とな 、素管の切断や引抜用プラグの折損トラブ が生じる事態になる。

 一方、引抜用プラグのプレヒーティング より加熱温度が200℃を超える場合には、化 処理皮膜が破壊され、引抜加工の初期段階 ら仕上げ寸法に加工する最終段階に至るま 、引抜加工用プラグに設けられた螺旋溝と 管の内表面との間に、充分な化成処理皮膜 介在させることができず、内面リブ付鋼管 焼き付き疵が発生し易くなる。

 したがって、本発明の製造方法では、素 内面に挿入される引抜加工用プラグを50~200 にプレヒーティングして引抜加工を行うこ により、螺旋状リブを形成する引抜加工時 トラブルを低減し、寸法精度や製造歩留ま に優れた内面リブ付鋼管を製造することが きる。

 具体的なプレヒーティング要領は、加熱 イルで形成される加熱帯を環状に構成して 環状加熱帯の内部に引抜用プラグを挿入し 、所定の温度範囲に加熱する。加熱タイミ グは、引抜用プラグがマンドレルに保持さ る前の状態、または引抜用プラグがマンド ルに保持された状態であっても、螺旋状リ を形成するための引抜加工前であれば、い れの状態であってもよい。

 本発明の引抜用プラグは、素管内面での ブ成形が段階的に行われる外周面の構成で ればよく、例えば、前記図2に示すように、 外周面にリブ成形用として複数条の螺旋溝1a 形成され、この螺旋溝を形成し相対する両 壁1aaと底面1abとが交わる部分の曲率半径rを 、逐次、マンドレルに保持されるプラグの先 端部側から後端部側に亘り減少させた構成で ある。

 さらに、本発明の引抜用プラグは、図示 ないが、外周面にリブ成形用として複数条 螺旋溝が形成され、この螺旋溝を形成し相 する両側壁と溝山の底面とが交わる部分の 率半径rを、逐次、マンドレルに保持される プラグの先端部側から後端部側に亘り減少さ せた構成とすることができる。

 本発明の引抜用プラグとして、同様の理 から、他の実施形態として前記図3に示すよ うに、外周面にリブ成形用として複数条の螺 旋溝1aが形成され、この螺旋溝を形成し相対 る両側壁1aaと底面1abとが交わる部分の曲率 径rを、マンドレルに保持されるプラグの先 端部側から後端部側に至るまで一定に保つと 共に、プラグの先端部側から後端部側に向け て一定の勾配で縮径させた構成のものを用い ることができる。

 本発明により得られる内面リブ付鋼管は 上述した製造方法に本発明の引抜用プラグ 用いて製造されるものであり、ボイラー用 管として優れた成形性と寸法精度を備える とから、ボイラーの大容量化や高温高圧化 十分に対応できるものである。以下、本発 の製造方法による効果を、具体的な実施例 基づいて説明する。

(実施例1)
 実施例1では、鋼種がJIS STBA22(1Cr-1/2Mo鋼)で る継目無鋼管を素管として用いて、素管軟 -酸洗・潤滑処理-途中引抜加工(円仕上げ)-軟 化の工程を経た後、引抜加工により4条の螺 状リブを有する内面リブ付鋼管を製造した

 このときの引抜スケジュールは、素管寸 を外径38.0mm×肉厚8.2mmで、途中引抜寸法を外 径32.0mm×肉厚7.2mmとし、最終的に外径28.6mm×肉 厚6.0mm×リブ深さ0.8mmに引抜加工を行った。

 最終的に螺旋状リブを形成するための引 加工前の化成処理として、硫酸(10~13%)を用 処理温度が室温で処理時間が30分の酸洗を行 い、水洗、中和後、処理温度が75~85℃の状態 処理時間が30分の燐酸亜鉛皮膜処理を行い 処理温度が75~85℃、処理時間が15分でステア ン酸ソーダを燐酸亜鉛皮膜と反応させて金 石鹸層を形成した。

 使用した引抜用プラグは、前記図2に示さ れた断面形状からなる螺旋溝が外周面に複数 条で形成されたプラグとし、加熱コイルで形 成される環状加熱帯の内部に挿入してプレヒ ーティングを行い、所定の温度範囲に加熱し た後、螺旋状リブを形成するための引抜加工 を実施した。

 このときの引抜用プラグのプレヒーティ グでの加熱温度および引抜加工状況を表1に 示した。表中の引抜加工状況の欄では、○は 焼き付き発生なし、△は軽微な焼き付き発生 あり、および×は顕著な焼き付き発生ありを している。

 表1に示すように、本発明で規定するプレ ヒーティングでの加熱温度を満足する本発明 例1~3では、いずれも最終の引抜加工によって 仕上げられた内面リブ付鋼管には焼き付き疵 は認められなかった。

 プレヒーティングを実施しなかった比較 1では、引抜加工の開始時に焼き付きを発生 し、素管の切断トラブルに至った。また、本 発明で規定する加熱温度の範囲を超えた比較 例2では、引抜加工によって仕上げられた内 リブ付鋼管に焼き付き疵が発生しなかった 、素管内面のリブ形成部の一部に軽微な焼 付きが発生した。

(実施例2)
 実施例2では、鋼種がJIS STBA24(2Cr-1Mo鋼)であ 継目無鋼管を素管に用いて、素管軟化-酸洗 ・潤滑処理-途中引抜加工(円仕上げ)-軟化の 程を経た後、引抜加工により4条の螺旋状リ を有する内面リブ付鋼管を製造した。

 このときの引抜スケジュールは、素管寸 を外径87.0mm×肉厚10.2mmで、途中引抜寸法を 径80.0mm×肉厚9.2mmとし、最終的に外径70.0mm× 厚8.0mm×リブ深さ1.1mmに引抜加工を行った。

 最終的に螺旋状リブを形成するための引 加工前の化成処理の条件は、実施例1と同様 とした。また、使用した引抜用プラグ形状、 および引抜用プラグのプレヒーティングも実 施例1と同様とし、所定の温度範囲に加熱し 後、螺旋状リブを形成するための引抜加工 実施した。

 このときの引抜用プラグのプレヒーティ グでの加熱温度および引抜加工状況を表2に 示し、引抜加工状況の観察結果に基づく評価 は、実施例1の場合と同様とした。

 実施例1の場合と同様に、本発明で規定す るプレヒーティングでの加熱温度を満足する 本発明例4~6では、いずれも最終の引抜加工に よって仕上げられた内面リブ付鋼管には焼き 付き発生は認められなかった。

 本発明で規定するプレヒーティングの加 温度に達しない比較例3では、引抜加工の開 始時からに素管内面のリブ形成部に顕著な焼 き付き発生があった。また、本発明で規定す るプレヒーティングの加熱温度を超えた比較 例4では、化成処理皮膜の破壊が認められ、 著な焼き付き発生があった。

産業上の利用の可能性

 本発明の内面リブ付鋼管の製造方法によれ 、螺旋状リブを形成する引抜加工前に引抜 プラグのプレヒーティングを行い、その加 温度を管理することにより、螺旋状リブを 成する引抜加工のトラブルを抑制し、安定 て螺旋状リブを形成することができる。
 これにより、得られた内面リブ付鋼管は、 イラー用鋼管として優れた成形性と品質を えていることから、ボイラーの大容量化や 温高圧化に十分に対応できるものであり、 く適用できる。