住友金属工業株式会社 (〒41 大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号 Osaka, 5410041, JP)
| 管軸方向に複数条の螺旋状リブを形成する内面リブ付鋼管の製造方法であって、 内面リブ付鋼管用素管の曲がり矯正工程と前記螺旋状リブを形成するための引抜工程を含むことを特徴とする内面リブ付鋼管の製造方法。 |
| 螺旋状リブを形成するための引抜工程において、内面リブ付鋼管用素管の曲がり矯正工程で当該素管内面に螺旋状に形成される高硬度領域と平行する方向または略平行する方向に螺旋状リブを形成することを特徴とする請求項1に記載の内面リブ付鋼管の製造方法。 |
| 請求項1に記載の内面リブ付鋼管の製造方法であって、内面リブ付鋼管用素管として使用する継目無鋼管を製造する工程を含み、螺旋状リブを形成するための引抜工程の前に、前記製造された継目無鋼管の管軸方向断面を略真円に矯正するために少なくとも1回の引抜加工を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の内面リブ付鋼管の製造方法。 |
| 管の内面に管軸方向に複数条の螺旋状リブが形成された内面リブ付鋼管であって、 内面リブ付鋼管の製造工程の一つである内面リブ付鋼管用素管の曲がり矯正工程で螺旋状に形成される高硬度領域と平行する方向または略平行する方向に、前記螺旋状リブが形成されていることを特徴とする内面リブ付鋼管。 |
| 前記内面リブ付鋼管用素管が継目無鋼管であり、前記内面リブ付鋼管用素管の曲がり矯正工程の前に少なくとも1回の素管の管軸方向断面を円仕上するための引抜加工工程を含む製造方法により製造されることを特徴とする請求項4に記載の内面リブ付鋼管。 |
本発明は、引抜加工により鋼管内面に螺 状のリブ(突起)を形成させる内面リブ付鋼 の製造方法および内面リブ付鋼管に関し、 らに詳しくは、螺旋状のリブを安定して加 することができる内面リブ付鋼管の製造方 、およびこの方法を用いて得られた内面リ 付鋼管に関するものである。
通常、ボイラー用、熱交換器用等の高温 熱部には、発電効率を向上させるため、鋼 内面に螺旋状のリブ(突起)を形成した内面 ブ付鋼管(ライフルチューブ)が用いられる。 内面リブ付鋼管の内面は、内面のリブにより 広い表面積を有するため、加熱された管内面 と管内部を通過する水蒸気との接触面積が増 加されるとともに、水蒸気を含む流体を乱流 にして熱交換効率を高めている。最近のボイ ラーの大容量化や高温高圧化にともない、内 面リブ付鋼管の需要は急速に増大している。
内面リブ付鋼管の製造は、継目無鋼管ま は電縫鋼管を素管として製造し、必要に応 て、その素管を十分に軟化させた後、冷間 程にて引抜用ダイスおよび外周面にリブ形 用の螺旋溝を構成したプラグを用いて、引 加工される。
図1は、引抜加工によって内面リブ付鋼管 を製造する方法を概略的に説明する図である 。素管3を引抜加工する際には、ダイス2およ 素管3に対して同心状にプラグ1を素管3の内 に挿入し、プラグ1を回転させながら素管3 白抜き矢印の方向に引き抜く。素管3の外面 、ダイス2によって絞られる。素管3の内面 、プラグ1の外周面に形成された螺旋溝1aに って成形され、引抜後の素管3の内周面には 螺旋状のリブ3aが形成される。
使用するプラグ1は、自由に回転でき、お よびマンドレル4に保持される。そのプラグ 状は、内面リブ付鋼管のリブ高さ、リブ形 等(特に、リブコーナー部およびリード角)の 品質に大きな影響を及ぼし、引抜条件によっ ては、素管とプラグとの間で焼き付きが生じ る。
このため、従来から、内面リブ付鋼管の 造に関し、プラグ構造や形状について、種 の提案がなされている。例えば、特開2001-17 9327号公報には、プラグの螺旋溝を形作る両 壁と底面とが交わる部分の曲率半径を、プ グの先端部側から後端部側に至るまで一定 保つと共に、プラグの先端部側から後端部 に向けて一定の勾配で縮径させたプラグが 案されている。
また、特開2006-272392号公報では、螺旋溝 溝山のエッジを曲線状あるいは直線状に面 りして、溝山の頂部と素管との接触面積を 減し、これにより溝山の頂部と素管との間 生じる摩擦抵抗の低減を図る内面リブ付鋼 の引抜加工用工具が開示されている。
前述した両公報で開示されたプラグを用 ることにより、内面リブ付鋼管用素管の引 加工時に焼き付きの発生を防止できるとと に、プラグ自体も比較的容易に且つ安価に 造でき、内面リブ付鋼管製造コストを大幅 低減することができると記載されている。
ところが、プラグの形状や構造にかかわ ず、曲がった素管を螺旋状リブを形成する めに引抜加工すると、この素管曲がりに起 してトラブルが多発する。さらに、曲がり 正を施した素管を螺旋状リブを形成するた に引抜加工しても、螺旋状リブを形成する 向によっては引抜加工トラブルが多発する
継目無鋼管または電縫鋼管のいずれもが 内面リブ付鋼管用素管として適用できるが 継目無鋼管を素管として採用する場合に、 旋状リブを形成するための引抜加工前に、 管の管軸方向断面を略真円に矯正するため 引抜加工(以下、「円仕上げ引抜」という) 施すことが望ましく、これにより、素管の 形性および内面リブ付鋼管の精度を著しく 上させることができる。
本発明は、上述した内面リブ付鋼管の引 加工時の状況に鑑みてなされたものであり 螺旋状リブを形成するための引抜加工前に 素管に曲がり矯正を施すこと、曲がり矯正 施した素管内面に螺旋状リブを形成する場 はその形成する方向を最適にすること、さ に、適用する素管の種類に応じて引抜スケ ュールを適正にすることにより、螺旋状リ を形成する引抜加工時のトラブルを低減し 安定して螺旋状リブを形成することができ 内面リブ付鋼管の製造方法およびこの方法 用いた内面リブ付鋼管を提供することを目 としている。
本発明は、上述した課題を解決するために
されたものであり、下記(1)~(3)の内面リブ付
鋼管の製造方法、および(4)の内面リブ付鋼管
を要旨としている。
(1)内面リブ付鋼管用素管の曲がり矯正工程と
螺旋状リブを形成するための引抜工程を含む
ことを特徴とする内面リブ付鋼管の製造方法
である。
(2)上記(1)の内面リブ付鋼管の製造方法にお いて、螺旋状リブを形成するための引抜工程 において、内面リブ付鋼管用素管の曲がり矯 正工程で素管内面に螺旋状に形成される高硬 度領域と平行する方向または略平行する方向 に螺旋状リブを形成することが望ましい。
(3)上記(1)の内面リブ付鋼管の製造方法にお いて、内面リブ付鋼管用素管として継目無鋼 管を使用する場合、螺旋状リブを形成するた めの引抜工程の前に、素管としての継目無鋼 管に少なくとも1回の管軸方向断面を略真円 矯正するための引抜加工を行うことが望ま い。
(4)内面リブ付鋼管用素管の曲がり矯正工程 で螺旋状に形成される高硬度領域と平行する 方向または略平行する方向に、前記螺旋状リ ブが形成されていることを特徴とする内面リ ブ付鋼管である。素管として継目無鋼管を使 用する場合には、素管の曲がり矯正工程の前 に少なくとも1回の素管の管軸方向断面を円 上するための引抜加工工程を含む製造方法 より製造されることが望ましい。
本発明で規定する「高硬度領域」とは、 正ロール方式を採用することを前提に、矯 ロール間で直径方向の圧縮応力であるクラ シュ負荷が素管に加えられることにより、 管内面に形成される加工硬化された領域で り、延性および靱性に乏しく、破断が生じ い難加工性の領域をいう。
本発明の内面リブ付鋼管の製造方法によ ば、螺旋状リブを形成する引抜加工前に素 を曲がり矯正すること、それに伴う螺旋状 ブの形成方向を最適にすること、さらに使 する素管の種類に応じて引抜スケジュール 適正にすることにより、螺旋状リブを形成 る引抜加工のトラブルを抑制し、安定して 旋状リブを形成することができる。これに り得られた内面リブ付鋼管は、優れた成形 と品質を備える。
図1は、引抜加工によって内面リブ付鋼管を
製造する方法を概略的に説明する図である。
図2は、本発明の内面リブ付鋼管の製造方法
に適用できる工程例を示す図である。
図3は、傾斜ロール式矯正機のロール配列の
一例を示す図である。
図4は、対向配置のロール矯正機のクラッシ
ュ負荷を説明する図である。
図5は、曲がり矯正で形成された螺旋状の高
硬度領域と素管内面の螺旋状リブを形成する
方向との関係を示す図であり、(a)は螺旋状の
高硬度領域と素管内面の螺旋状リブを形成す
る方向が直交する場合を示し、(b)は螺旋状の
高硬度領域と素管内面の螺旋状リブを形成す
る方向が平行する場合を示している。
図2は、本発明の内面リブ付鋼管の製造方 法に適用できる工程例を示す図である。本発 明の内面リブ付鋼管が対象とする鋼種は、炭 素鋼およびCr系低合金鋼(例えば、STBA22、1Cr-1/ 2Mo鋼)であり、素管としては継目無鋼管およ 電縫鋼管を適用することができる。
通常、継目無鋼管は、生産効率に優れる とからマンドレルミル製造法が適用され、 間圧延により製造され、また、電縫鋼管は 溶接部の酸化防止や溶接ビードの安定化を るため、不活性ガスシールド溶接や溶接入 量自動制御技術を採り入れた電気抵抗溶接 で製造される。
素管の製造段階において、素管の鋼種や 造条件に応じて、素管軟化処理の要否が定 られる。次に、内面リブ付鋼管用素管は、 管軟化が行われた後、または素管軟化を行 ことなく、直ちに酸洗によるデスケーリン が行われ、素管の内外表面のスケールが除 され、潤滑処理が施される。
通常、本発明が対象とする鋼種の素管で 、デスケーリングには硫酸洗が用いられ、 滑処理にはリン酸塩処理(リン酸亜鉛等)に る化成処理が行われる。具体的な酸洗・潤 処理の手順としては、デスケーリング後、 管の内外表面をアルカリ脱脂剤を用いて洗 し、すすぎ水洗した素管をリン酸塩処理浴 浸漬し、内外表面にリン酸塩の下地を形成 る。次いで、中和処理を行い、ステアリン ナトリウムを主成分とする石鹸処理の後、 温風による乾燥を行う。上記の手順では、 理効果の促進を図るために、潤滑処理は加 された状態で行われる。
螺旋状リブを形成するための引抜加工(以 下、「リブ形成引抜」という場合がある)は 前記図1に示すように、素管の内面にプラグ 挿入し、プラグが回転可能な状態で引き抜 ことにより、素管の外面はダイスによって られ、素管の内周面には螺旋状リブが形成 れる。
図2に示す工程例のように、引抜加工で螺 旋状リブが形成された鋼管は、最終熱処理お よび精整処理を経て、検査工程でリブ高さ、 リブ形状等の品質が確認されたのち、内面リ ブ付鋼管製品となる。
本発明の内面リブ付鋼管の製造方法は、 旋状リブを形成する引抜加工の前に、素管 曲がり矯正を施すことを特徴とする。すな ち、引抜加工前に曲がり矯正を行うことに り、引抜加工トラブルを低減し、安定して 旋状リブを形成することができる。
一般に、素管の曲がり矯正に用いられる ール矯正機は、鼓型のロールが複数個組み わされた傾斜ロール式が採用されている。 斜式ロール矯正機には、ロールの個数、配 (上下、左右方向)および配置(対向型、千鳥 )の組合せにより多数の構成が存在するが、 素管の曲がり矯正としては対向配置のロール 矯正機が用いられる。
図3は、傾斜ロール式矯正機のロール配列 の一例を示す図である。ロール矯正機は回転 軸の方向が互いに交差する状態で上下方向に 対向配置した複数対の矯正ロールRa、Rbを配 、図示するロール配列では、入側、中央お び出側からなる3対の矯正ロール、Ra1およびR b1、Ra2およびRa2並びにRa3およびRb3を対向配置 、出側矯正ロールの出口に補助ロールRcを えている。通常、このようなロール配列の ール矯正機を(2-2-2-1)型矯正機という。
これら1対の矯正ロールRa1、Rb1の対向間隔 および交差角度はそれぞれ個別に調整するこ とが可能である。さらに、1対の矯正ロールRa 1、Rb1と隣接する1対の矯正ロールRa2、Rb2の高 方向位置はそれぞれ個別に調整することも 能である。
曲がり矯正に際し、素管3の表面が矯正ロ ールの表面に沿うように、ロール角度を調整 し、矯正ロールRa1、Rb1の対向間隔を素管3の 径より若干小さく設定して、クラッシュ負 を付与するとともに、隣接する1対の矯正ロ ルRa2、Rb2の高さ位置(クラッシュ高さ)を調 することにより、素管3の曲がりを矯正する
リブ形成する引抜加工の前に、素管の曲 り矯正を行うことにより、まず、引抜加工 準備段階である素管にプラグおよびマンド ルを装入する際に、素管が真直な管である とから、素管内面とプラグおよびマンドレ との間に隙間を確保でき、内面に付着させ 潤滑剤の剥離や擦過疵の発生を抑制でき、 抜加工トラブルを低減し、安定して螺旋状 ブを形成することができる。
仮に、曲がっている素管を引抜加工する 、局部的に過大な応力が作用する。すなわ 、曲がりの内側に負荷する応力は曲がりの 側の負荷応力より大きいため、曲がりの内 の肉厚が外側よりも薄くなるような偏肉が 生する。したがって、引抜加工の前に、素 を曲がり矯正することにより、引抜加工ト ブルを低減し、形成される螺旋状リブの品 特性や寸法特性を改善させることができる
本発明の内面リブ付鋼管の製造方法は、 記曲がり矯正で螺旋状に形成された高硬度 域と平行する方向または略平行する方向に 前記螺旋状リブを形成することを特徴とす 。前述の通り、素管の曲がり矯正では対向 置のロール矯正機が用いられるが、このと 素管にクラッシュ負荷が作用して曲がりが 正される。クラッシュ負荷が作用すること より、矯正された素管の全長に亘り、螺旋 (スパイラル状)に高硬度領域が形成される
図4は、対向配置のロール矯正機のクラッ シュ負荷を説明する図である。ロール矯正に より、素管3は楕円形状の素管3cとなる。クラ ッシュ負荷は、旋回しながら移動する素管1 全長に亘り加わるため、螺旋状(スパイラル )の高硬度領域が形成されながら、素管の曲 がりが矯正される。
図5は、曲がり矯正で形成された螺旋状の 高硬度領域と素管内面の螺旋状リブを形成す る方向との関係を示す図であり、(a)は螺旋状 の高硬度領域と素管内面の螺旋状リブを形成 する方向が直交する場合を示し、(b)は螺旋状 の高硬度領域と素管内面の螺旋状リブを形成 する方向が平行する場合を示している。図5 おいて、白抜矢印は引抜方向を示している
引抜加工により螺旋状リブを形成する場 に、リブ部3aの加工が最も高加工度になる 一方、図5(a)、(b)中で矢印Lに示すように、高 硬度領域5と直交して跨ぐ方向では、延性お び靱性が著しく低下し、引抜加工にともな て素管が破断し易くなる。
このため、図5(a)に示すように、高硬度領 域5と素管内面の螺旋状リブ3aを形成する方向 が直交する場合には、延性および靱性が低下 した方向に加工応力が作用するため、引抜加 工にともなって素管が破断し易くなる。
一方、図5(b)に示すように、高硬度領域5 素管内面の螺旋状リブ3aを形成する方向が平 行する場合には、延性および靱性が低下した 方向に加工応力が作用することが回避できる ことから、引抜加工を行っても破断を生じる ことなく、安定して螺旋状リブを形成するこ とができる。
本発明で「高硬度領域と平行する方向ま は略平行する方向」と規定するのは、高硬 領域5と素管内面に形成される螺旋状リブ3a 交わることを回避するものではなく、少な とも、図5(a)に示すように、高硬度領域5の 向と素管内面の螺旋状リブ3aを形成する方向 とを直交させ、延性および靱性が低下した方 向に加工応力が作用することをなくすことを 意味する。
本発明の内面リブ付鋼管の製造方法は、 管として継目無鋼管を用いる場合に、引抜 工で螺旋状リブを形成する前に、少なくと 1回の円仕上げ引抜を施す必要がある。この 「円仕上げ引抜」は、ダイスのみを用いた、 所謂空引き加工を包含するものではなく、ダ イスおよびプラグを用いた引抜加工を意味す るものである。
前述の通り、内面リブ付鋼管用素管に用 る継目無鋼管は、マンドレルミル製造法で 間圧延により製造される。通常、マンドレ ミル製造法では、穿孔圧延後にマンドレル ルによる延伸圧延が行われ、ストレッチレ ューサー等を用いた定径圧延が行われる。 の定径圧延において、素管は圧延ロールで 下されるが、管内面を規制する工具を用い いため、管内面の長手方向に縦筋状のしわ や角張が発生し易い。
したがって、素管に少なくとも1回の円仕 上げ引抜を施すことにより、内表面のしわ深 さや角張を改善することにより、螺旋状リブ を形成する引抜加工時のトラブルを低減し、 安定して螺旋状リブを形成することができる 。
引抜加工によるしわ深さや角張の改善に しては、肉厚加工度が大きな影響を及ぼす とから、円仕上げ引抜において、肉厚加工 を10%以上確保するのが望ましい。引抜加工 おける肉厚加工度は、{(素管肉厚-引抜加工 肉厚)/素管肉厚}×100(%)で表される。
素管の円仕上げ引抜を行うと素管が加工 化するため、螺旋状リブを形成するための 抜加工のトラブルをなくすため、円仕上げ 抜後の素管を熱処理し、十分に軟化させて らリブ形成引抜加工を行うことが望ましい
本発明の内面リブ付鋼管は、上述した製 方法によって得られるものであり、曲がり 正された素管の内面に、引抜加工により管 方向に複数条の螺旋状リブを形成し、しか 曲がり矯正で螺旋状に形成された高硬度領 と平行する方向または略平行する方向に、 記螺旋状リブを形成することを特徴として る。
本発明の内面リブ付鋼管は、ボイラー用 管として優れた成形性と品質を備えること ら、ボイラーの大容量化や高温高圧化に十 に対応できるものである。
(実施例1)
本発明の内面リブ付鋼管の製造方法の効果
確認するため、鋼種がJIS
STBA22(1Cr-1/2Mo鋼)である継目無鋼管を素管とし
用いて、素管軟化-酸洗・潤滑処理-円仕上
引抜-軟化の工程を経た後、引抜加工により4
条の螺旋状リブを有する内面リブ付鋼管を、
本発明例および比較例毎に各10本を製造した
このときの引抜スケジュールは、素管寸 を外径38.0mm×肉厚8.2mmで、円仕上げ引抜寸法 を外径32.0mm×肉厚7.2mmとし、最終的に外径28.6m m×肉厚6.0mm×リブ深さ0.8mmに引抜加工を行った 。酸洗・潤滑処理は、いずれも硫酸洗、並び にリン酸亜鉛皮膜およびステアリン酸ナトリ ウム石鹸処理とした。
本発明例1では、円仕上げ引抜後に、対向 配置のロール矯正機を用いて曲がり矯正を行 い、引抜加工により螺旋状リブを形成した。 このときの引抜加工では、いずれも焼き付き を生じなかった。
比較例1では、円仕上げ引抜後に曲がり矯 正を行うことなく、引抜加工により螺旋状リ ブを形成したが、焼き付きが多発した。焼き 付きが発生しない場合であっても、顕著に偏 肉が発生した。
(実施例2)
実施例1と同じ条件で、引抜加工により4条
螺旋状リブを形成する内面リブ付鋼管を製
した。
本発明例2では、円仕上げ引抜後に、対向配
置のロール矯正機を用いて曲がり矯正を行い
、前記図5(b)に示すように、この曲がり矯正
螺旋状に形成された高硬度領域と平行する
向に、引抜加工により螺旋状リブを形成し
。このときの引抜加工では、いずれも焼き
きを生じなかった。
比較例2では、円仕上げ引抜後に、対向配 置のロール矯正機を用いて曲がり矯正を行い 、前記図5(a)に示すように、この曲がり矯正 螺旋状に形成された高硬度領域と直交する 向に、引抜加工により螺旋状リブを形成し 。このとき、高硬度領域と直交する部位で き付きが多発し、さらにリブ部に割れが発 することがあった。
(実施例3)
本発明の内面リブ付鋼管の製造方法におけ
引抜スケジュールの比較を行うために、鋼
がJIS STBA22(1Cr-1/2Mo鋼)である電縫鋼管と継目
無鋼管を素管に用いて、引抜加工により4条
螺旋状リブを形成する内面リブ付鋼管を製
工程別に各10本を製造した。
このときの引抜スケジュールは、素管寸 を外径38.0mm×肉厚7.2mmとし、円仕上げ引抜を 行うことなく、引抜加工により4条の螺旋状 ブを形成する内面リブ付鋼管を製造した。 の他の条件は、実施例1と同様とした。
本発明例3では、電縫鋼管を素管として用 い、円仕上げ引抜を行うことなく、引抜加工 により螺旋状リブを形成した。このときの引 抜加工では、いずれも焼き付きを生じなかっ た。
比較例3では、継目無鋼管を素管として用 い、円仕上げ引抜を行うことなく、引抜加工 により螺旋状リブを形成した。このときの引 抜加工では、素管の縦筋状のしわ疵や角張に 起因して、焼き付きが多発した。
(実施例4)
本発明の内面リブ付鋼管の製造方法におけ
処理工程および加工条件が、引抜加工での
き付き発生に及ぼす影響を確認するため、
種がJIS STBA22(1Cr-1/2Mo鋼)である継目無鋼管を
素管として用いて、引抜加工により4条の螺
状リブを形成した。処理工程は円仕上げ引
の有無および曲がり矯正の有無で影響を確
し、加工条件は螺旋状リブの形成方向およ
深さを変化させて、その影響を確認した。
このときの引抜加工(試験No.1~6)は、酸洗 潤滑処理を硫酸洗、並びにリン酸亜鉛皮膜 よびステアリン酸ナトリウム石鹸処理とし 仕上げ寸法を外径28.6mmでリブ深さを0.6mm、0.8 mmおよび1.0mmに変動させて、各条件で5本を製 した。その結果を表1に示すが、焼き付き発 生状況は(焼付本数/引抜本数)で示した場合に 、0/5および1/5を良好とした。
表1の結果より、継目無鋼管を素管として 用いる場合、試験No.4に示すように、円仕上 引抜後に曲がり矯正を行い、引抜加工によ 螺旋状リブを「高硬度領域」と平行する方 に形成することにより、リブ深さに拘わら 焼き付き発生状況は良好であった。
一方、試験No.3に示すように、円仕上げ引 抜および曲がり矯正を行うことなく、引抜加 工により螺旋状リブを形成すると、いずれの リブ深さの場合においても焼き付きが発生し た。
本発明の内面リブ付鋼管の製造方法によれ
、螺旋状リブを形成する引抜加工前に素管
曲がり矯正を施すこと、それに伴う螺旋状
ブの形成方向を最適にすること、さらに素
に応じて引抜スケジュールを適正にするこ
により、螺旋状リブを形成する引抜加工時
トラブルを低減し、安定して螺旋状リブを
成することができる。
得られた内面リブ付鋼管は、ボイラー用鋼
として優れた成形性と品質を備えているこ
から、ボイラーの大容量化や高温高圧化に
分に対応できるものであり、広く適用でき
。
Next Patent: AIRBAG MODULE
