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Title:
PROPHYLACTIC AND/OR THERAPEUTIC COMPOSITION FOR DISEASE CAUSED BY INHALATION OF TOBACCO SMOKE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069291
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a prophylactic and/or therapeutic composition for chronic obstructive pulmonary disease (COPD) which is a disease caused by the inhalation of tobacco smoke. A composition is prepared, which comprises, as an active ingredient, at least one substance selected from the group consisting of orotic acid, orotidylic acid (a derivative of orotic acid), orotidine and uridine monophosphate (UMP), and inorganic salts and organic salts thereof. In the preparation, it is preferred that the composition be further added with an antioxidative agent, such as glutathione, N-acetylcysteine, coenzyme Q10, α-lipoic acid, vitamin C, vitamin E, polyphenol and carotenoid. The prophylactic and/or therapeutic composition can be administered orally or through inhalation.

Inventors:
FURUKAWA SATORU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/003480
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
November 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FURUKAWA SATORU (JP)
International Classes:
C07D239/557; A61K31/015; A61K31/122; A61K31/197; A61K31/353; A61K31/355; A61K31/375; A61K31/385; A61K31/505; A61K31/7072; A61K38/00; A61P9/10; A61P11/00; A61P11/08; A61P35/00; C07H19/10
Domestic Patent References:
WO2002100409A12002-12-19
Foreign References:
JP2001505553A2001-04-24
Other References:
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PELS RIJCKEN W.R. ET AL.: "Pyrimidine metabolism and sugar nucleotide synthesis in rat liver", BIOCHEMICAL JOURNAL, vol. 266, 1990, pages 777 - 783
ANDERSON C.M. ET AL.: "Potential signalling roles for UTP and UDP: sources, regulation and release of uracil nucleotides", TRENDS IN PHARMACOLOGICAL SCIENCES, vol. 18, 1997, pages 387 - 392
LAZAROWSKI E.R. ET AL.: "Direct Demonstration of Mechanically Induced Release of Cellular UTP and Its Implication for Uridine Nucleotide Receptor Activation", THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY, vol. 272, no. 39, 1997, pages 24348 - 24354
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Attorney, Agent or Firm:
HIROTA, Masanori (8-5 Akasaka 2-chome, Minato-k, Tokyo 52, JP)
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Claims:
オロット酸、オロチジル酸、オロチジン、ウリジン一リン酸、及びそれらの塩よりなる群から選択される1又は2以上の物質を有効成分として含有する、タバコの煙を吸入することにより引き起こされる疾患の予防及び/又は治療用組成物。
オロット酸、オロチジル酸、オロチジン、及びウリジン一リン酸の塩が 、コリン塩、塩基性アミノ酸塩、アミン塩、カルニチン塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及び重金属塩よりなる群から選択される1又は2以上の物質であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
オロット酸コリン塩、オロット酸リジン塩、又はオロット酸アルギニン塩を有効成分として含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
さらに、抗酸化剤を含有することを特徴とする請求項1~3いずれか記載の組成物。
抗酸化剤が、グルタチオン、Nアセチルシステイン、コエンザイムQ10、αリポ酸、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール及びカロチノイドよりなる群から選択される1又は2以上の物質であることを特徴とする請求項4記載の組成物。
タバコの煙を吸入することにより引き起こされる疾患が肺疾患である請求項1~5いずれか記載の組成物。
肺疾患が慢性閉塞性肺疾患である請求項6記載の組成物。
タバコの煙を吸入することにより引き起こされる疾患を予防及び/又は治療する方法であって、請求項1~7いずれか記載の組成物を対象に投与することを含む方法。
タバコの煙を吸入することにより引き起こされる疾患の予防及び/又は治療するための医薬用組成物の調製における、請求項1~7いずれか記載の組成物の使用。
Description:
タバコの煙を吸入することによ 引き起こされる疾患の予防及び/又は治療用 組成物

 本発明は、オロット酸、オロチジル酸、 ロチジン、ウリジン一リン酸、及びそれら 塩よりなる群から選択される1又は2以上の 質を有効成分として含有する、タバコの煙 吸入することにより引き起こされる疾患の 防及び/又は治療用組成物や、該組成物を対 に投与することを含むタバコの煙を吸入す ことにより引き起こされる疾患を予防及び/ 又は治療する方法や、医薬用組成物の調製に おける該組成物の使用などに関する。

 タバコの喫煙は肺疾患を含む多くの疾患 引き起こすと考えられている。特に、慢性 塞性肺疾患 (Chronic Obstructive Pulmonary Disease  : COPD)は、気道の障害や機能不全によって 主として閉塞性の換気障害をきたし、その めに呼吸困難を主症状とする疾患群である 、その原因の9割以上が喫煙によるものであ と考えられており、喫煙量の増加に伴いCOPD による死亡数は急激に増加している(非特許 献1)。また、COPDに高齢者患者が多いのは、 齢による肺機能低下に加え、長期の喫煙歴 原因であると考えられる(非特許文献2)。COPD 、2006年の全世界の死亡原因の第4位であり 2020年には第3位になると予想されている。わ が国においても、急激な人口の増加と、高い 喫煙率によりCOPDの患者数は急激に増加して り、2000年に行われた調査では、40歳以上の 本人の10.9%が閉塞性障害を有していると報告 されている。

 COPDは、完全に可逆性ではない気流制限に 特徴づけられる病態である(非特許文献3)。具 体的には、気道の障害や肺末梢における広範 囲な不可逆的構造破壊によって慢性・持続性 の閉塞性換気傷害を呈する疾患群であり、そ の基本病態は肺の気腫性病変、末梢気道病変 ならびに慢性気管支炎といわれる(非特許文 4及び5)。これらの基本病態のなかで最も重 なものは肺の気腫性病変(本発明においては 肺気腫と同義を示す)、すなわち肺胞壁の破 壊性変化を伴い、明らかな線維症のない、終 末細気管支より遠位の気腔の異常な永続的腫 大と定義されるものである(非特許文献6)。肺 気腫の発生機序として、エラスチン分解酵素 とインヒビターのバランス崩壊による分解酵 素優位によるもの(非特許文献6及び7)やコラ ゲンなどの肺細胞外マトリックス成分分解 よるもの(非特許文献8)などが考察されてい が、詳細はまだ解明されていない。

 また、COPDは、慢性の咳や痰、体動時の息 切れなど喘息と似た症状を呈するが、COPDは 息と違って一度障害された肺機能が正常化 ることはない。さらに、喘息の炎症反応が 酸球主体であるのに対し、COPDではマクロフ ージ、好中球が主要な炎症細胞であること ら、喘息とCOPDの炎症反応は異なるメカニズ ムによるものであると考えられている。実際 、喘息においては有効な抗炎症治療薬である ステロイド薬が、COPDに対して明確な効果が 認できないことが大規模な臨床研究により 告されている(非特許文献9)。COPDの病態進行 改善/抑制する有効な薬物療法は確立されて おらず、現在のところ「禁煙」により症状の 進行を抑えることが治療の第一歩で、症状や 重症度にあわせて抗コリン薬、β2刺激薬、テ オフィリン製剤などの気管支拡張剤、呼吸リ ハビリテーション、酸素治療といった対症療 法により対処しているのが実状である。COPD 病態進行を改善/抑制するための有効な治療 の開発が急がれている。

 オロット酸(オロト酸、ウラシル6-カルボン 、オロチン酸、又はビタミンB 13 とも呼ばれる)は、ピリミジンヌクレオチド 合成系における主要中間物質であり、ジヒ ロオロト酸からジヒドロオロト酸デヒドロ ナーゼによって誘導され、オロト酸ホスホ ボシルトランスフェラーゼ(PRPP)によってオ チジル酸となる。オロチジル酸は、さらに やかにウリジン一リン酸(UMP)に変換され、そ の後ウリジン三リン酸、シチジン三リン酸な どのピリミジンヌクレオチドが合成される。 国際公開02/100409号パンフレット(特許文献1)は 、卵白アルブミン(OA)を感作させたアレルギ 性喘息発作モデル動物にオロット酸を投与 、気管支肺胞洗浄液中の各細胞数を検討し いる。その結果、気管支肺胞洗浄液中の好 球と好中球の細胞数はともにOA感作により顕 著に増加すること、オロット酸の投与により 好酸球は有意に減少したが、好中球数は逆に 増加する傾向が見られることが明らかとなっ た。これらの結果は、オロット酸が好酸球に よる炎症をともなう喘息などのアレルギー性 気道疾患に有効であることを示しているが、 好中球が主要な炎症細胞であるCOPDへのオロ ト酸の効果は不明である。

 また、アデノシン三リン酸(ATP)やウリジン リン酸(UTP)等のヌクレオシド三リン酸が、P2Y 2 プリン作動性レセプターのアゴニストとして 、気道の機能調節に関与することが知られて いる。例えば、国際公開第98/19685号パンフレ ト(特許文献2)は、UTPを気道に投与された動 では、肺粘膜繊毛のクリアランス機能が高 られたことから、UTPが気管支炎に有効であ ことを開示している。また、ヒト肺上皮細 を用いた実験により、P2Y 2 レセプターのアゴニストとしての作用は、ヌ クレオシド三リン酸だけでなく、ADPやUDPのよ うなヌクレオシド二リン酸にも認められるが 、アデノシン一リン酸(AMP)やウリジン一リン (UMP)では認められないことが明らかにされ いる(非特許文献10)。

Fletcher C et al., BMJ 1: 1645-1648, 1977 Smith CAD et al., Lancet 350: 630-633, 1997 Takubo Y et al., Am J Respir CritCare Med 166 : 1596-1603, 2002 Yamaguchi K et al., The Lung perspectives 9: 2 80-286G L.Snider et al., The lung perspectives 9: 280-2 96 Mecham PR et al., In The lung. New York, Rave n Press 389-398, 1991 Janoff A., Annu Rev Med 20: 441-447, 1999 D'Armiento J et al., Cell 71: 955-961, 1992 高山 喜好, 日薬理誌 127: 304-307, 2006 Schafer R et al., Am J PhysiolLung Cell Mol P hysiol 285: 376-385, 2003

国際公開第02/100409号パンフレット

国際公開第98/19685号パンフレット

 本発明の課題は、現在までに有効な治療 ・治療法が確立されていない、タバコの煙 吸入することにより引き起こされる疾患の 防及び/又は治療用組成物を提供することに ある。

 本発明者は、上記課題を解決するために 意研究を行い、タバコ煙曝露モルモットを いた実験により、タバコ煙曝露による呼吸 能の低下がオロット酸投与により改善され ことを見い出し、本発明を完成するに至っ 。

 すなわち本発明は、(1)オロット酸、オロ ジル酸、オロチジン、ウリジン一リン酸、 びそれらの塩よりなる群から選択される1又 は2以上の物質を有効成分として含有する、 バコの煙を吸入することにより引き起こさ る疾患の予防及び/又は治療用組成物や、(2) ロット酸、オロチジル酸、オロチジン、及 ウリジン一リン酸の塩が 、コリン塩、塩 性アミノ酸塩、アミン塩、カルニチン塩、 ルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及び 金属塩よりなる群から選択される1又は2以上 の物質であることを特徴とする上記(1)記載の 組成物や、(3)オロット酸コリン塩、オロット 酸リジン塩、又はオロット酸アルギニン塩を 有効成分として含有することを特徴とする上 記(1)記載の組成物や、(4)さらに、抗酸化剤を 含有することを特徴とする上記(1)~(3)いずれ 記載の組成物や、(5)抗酸化剤が、グルタチ ン、Nアセチルシステイン、コエンザイムQ10 αリポ酸、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェ ノール及びカロチノイドよりなる群から選択 される1又は2以上の物質であることを特徴と る上記(4)記載の組成物に関する。

 また、本発明は、(6)タバコの煙を吸入す ことにより引き起こされる疾患が肺疾患で る上記(1)~(5)いずれか記載の組成物や、(7)肺 疾患が慢性閉塞性肺疾患である上記(6)記載の 組成物や、(8)タバコの煙を吸入することによ り引き起こされる疾患を予防及び/又は治療 る方法であって、上記(1)~(7)いずれか記載の 成物を対象に投与することを含む方法や、( 9)タバコの煙を吸入することにより引き起こ れる疾患の予防及び/又は治療するための医 薬用組成物の調製における、上記(1)~(7)いず か記載の組成物の使用に関する。

タバコ煙曝露モルモットの生存数に及 すオロット酸投与の影響を示す図である。

 本発明のタバコの煙を吸入することにより き起こされる疾患の予防及び/又は治療用組 成物は、オロット酸とその誘導体であるオロ チジル酸、オロチジン、及びウリジン一リン 酸(UMP)、並びにそれらの塩よりなる群から選 される1又は2以上の物質を有効成分として 有するものであれば特に限定されるもので なく、本発明において治療とは、疾患の症 改善や症状軽減を意味する。本発明の組成 に用いるオロット酸は、オロト酸、ウラシ 6-カルボン酸、オロチン酸、又はビタミンB 13 とも呼ばれる物質で、ジヒドロオロト酸から ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼによって 誘導される物質であり、本発明の組成物に用 いるオロチジル酸は、6‐カルボキシウリジ 酸、6‐カルボキシウリジン5’‐リン酸とも 呼ばれる物質で、オロト酸ホスホリボシルト ランスフェラーゼによってオロット酸より誘 導される物質であり、本発明の組成物に用い るオロチジンは、6‐カルボキシウリジンと 呼ばれ、オロチジル酸の脱リン酸化により 成される物質であり、本発明の組成物に用 るウリジン一リン酸は、ウリジル酸とも呼 れ、ウラシル、五炭糖のリボース、1つのリ 酸より構成されるヌクレオチド構造を持つ 機化合物の一種であり、オロチジル酸より 導される物質である。

 本発明の組成物に用いられるオロット酸 オロチジル酸、オロチジン、又はウリジン リン酸(UMP)は、ピリミジン要求性やピリミ ンアナログ耐性の変異を導入した様々な微 物を用いた発酵法により、培養液中に生成 積させることが可能であり(例えば、特許第2 927882号公報)、上記培養物から、すでに公知 されている通常の精製手段、例えば、沈澱 、イオン交換樹脂や活性炭などによるクロ トグラフィー法などの分離精製法を用いる とにより精製、採取することができる。前 の微生物としては、コリネバクテリウム属 菌(Corynebacterium)、バチルス属細菌(Bacillus)、 酸菌(Lactobacillus属、Lactococcus属、Bifidobacterium 等)、又は酵母(Saccharomyces属、Schizosaccharomyces 属等)を好例として挙げることができる。ま 、本発明のオロット酸及びその誘導体は、 法に従い化学合成により得ることができ、 えばオロット酸は、チオ尿素とエチル-γ,γ- エトキシアセト酢酸、2,6-ジオキシ-4-メチル ピリミジン、又は尿素とオキサロ酢酸を出発 物質として合成することができる。オロット 酸及びその誘導体は、酵素反応に供すること により相互に変換して得ることもできる。

 本発明の組成物に用いられるオロット酸 オロチジル酸、オロチジン、及びウリジン リン酸の塩としては、生理学的に許容され 塩基(例、アルカリ金属塩)などとの塩を挙 ることができる。とりわけ生理学的に許容 れるナトリウム塩やカリウム塩などのアル リ金属塩や、カルシウム塩およびマグネシ ム塩等のアルカリ土類金属塩や、亜鉛塩な の重金属塩や、アンモニウム塩や、リジン(l ysine)塩やアルギニン塩などの塩基性アミノ酸 塩や、モノエタノールアミン塩、ジエタノー ルアミン塩、トリエタノールアミン塩、トリ エチルアミン塩等のアミン塩や、コリン塩や 、カルニチン塩等を好例として挙げることが できる。これらの中でも、オロット酸コリン 塩、オロット酸リジン塩、オロット酸アルギ ニン塩等のコリン塩、リジン塩、アルギニン 塩が特に好ましい。これらは単独で用いても 、2種以上を組み合わせて用いても良い。

 本発明の組成物には、さらに抗酸化剤が まれているものが好ましい。好ましい抗酸 剤には、グルタチオン、Nアセチルシステイ ン、コエンザイムQ10、αリポ酸、ビタミンC、 ビタミンE、ポリフェノール、カロチノイド 例示することができ、カロチノイドの中で 、特にリコペンを好例として挙げることが きる。抗酸化剤活性の増強は、脂質過酸化 応及び遊離基形成の阻害による抗酸化剤化 物の全身性利用率の増強を通して生じるも と思われる。本発明の好ましい組成物は、 別の個体群において特に必要とされる上記 分のうちのいずれの種類を含んでいてもよ 。

 本発明の組成物は、喫煙により主流煙を 入することや、非喫煙者が副流煙を吸入す ことにより引き起こされる疾患の予防及び/ 又は治療に有効であり、上記疾患として具体 的には、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞等) 肺疾患、がん等を例示することが出来るが とりわけ慢性閉塞性肺疾患(COPD)を好例とし 挙げることができる。

 本発明の組成物を医薬品として用いる場 は、薬学的に許容される通常の担体、結合 、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、 壊剤、可溶化剤、溶解補助剤、等張剤など 各種調剤用配合成分を添加することができ 。また、これら治療薬は、経口的又は非経 的に投与することができる。すなわち通常 いられる投与形態、例えば粉末、顆粒、錠 、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液、霧状 等の剤型で経口的に投与することができ、 るいは、粉末吸入投与の形態、又は、例え 溶液、乳剤、懸濁液、霧状物等の剤型にし ものをスプレー剤や圧ネブライザーの形態 吸入投与することもできる。 

 本発明の組成物は、呼吸器、特に、肺胞 細気管支、気管支、気管に送達されること 好ましい。対象への投与は、特に制限され いが、経口経路又は経鼻経路による吸入投 が好ましく、ドライパウダー又はエアロゾ 剤とした本発明の組成物を、ドライパウダ 吸入器(DPI)、加圧噴霧式定量吸入器(加圧定 噴霧式吸入器)(pMDI)、ネブライザー、アトマ イザー等を用いて常法に従い行うことができ る。吸入投与される本発明の組成物の剤型は 、予防若しくは治療効果を奏する上で、又は 取扱いの観点からエアロゾル剤が好適である 。

 本発明の予防及び/又は治療用組成物の一 形態であるエアロゾル剤は、本発明の組成物 を水又は生理食塩水に溶解又は懸濁し、適宜 共溶媒(エタノール、プロピレングリコール グリセロール等)を混合して、溶液又は懸濁 として調製することができる。溶液又は懸 液には、薬学上許容される吸入剤用添加剤 例えば、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤 、オレイン酸、ポリオキシエチレン(20)ソル ビタンオレイン酸エステル、モノステアリン 酸グリセリン、レシチン、塩化ベンザルコニ ウム等の界面活性剤や、クエン酸、クエン酸 ナトリウム、エデト酸ナトリウム等の安定化 剤や、塩化ナトリウム、グリセリン等の等張 化剤や、クエン酸、炭酸ナトリウム、乳酸ナ トリウム等の緩衝剤のほか、保存剤、増粘剤 、着色剤、着香剤、矯味剤を適宜添加するこ とができる。

 前記の溶液又は懸濁液は、ジェット式ネ ライザー、超音波式ネブライザー、メッシ 式ネブライザー、アトマイザーのいずれに 用いられる。あるいは、低沸点物質である 射剤が添加され、又は沸点以下の噴射剤と 合されて、耐圧密閉容器に封入されること より定量噴霧用のエアロゾル剤として用い れる。噴射剤としては、例えば、1,1,1,2-テ ラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオ ロプロパン等のフルオロカーボン、ジクロロ テトラフルオロエタン等のクロロフルオロカ ーボン、ヒドロフルオロカーボン、ヒドロク ロロフルオロカーボン、炭化水素、窒素、二 酸化炭素等の公知の不燃性・低毒性の低沸点 物質が挙げられる。噴霧されるエアロゾル剤 の液滴の平均粒子径(メジアン径)は、本発明 組成物の沈着部位を選択するため適宜調整 れるが、好ましくは0.5~10μm、より好ましく 0.5~8μm、さらに好ましくは0.5~5μm、特に好ま しくは0.5~3μmである。

 本発明の予防及び/又は治療用組成物の一 形態であるドライパウダー製剤は、固体状の 本発明の組成物を、粉砕、微粒子化して調製 することができる。また、本発明の組成物の ハンドリングを改善し、患部への送達、分散 を制御するために担体となるキャリア粒子を 添加、混合することもできる。キャリアとし ては、例えば、乳糖、グルコース、デンプン 、デキストリン、プルラン、デキストラン等 、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセル ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー ス等のセルロース誘導体が挙げられる。さら に、ドライパウダー製剤には、保存剤、安定 剤、滑沢剤、着色剤、着香剤、矯味剤等の薬 学上許容される添加剤を添加することもでき 、水分が含まれていても良い。

 前記キャリアは1種又は2種以上を組み合 せて用いることができ、本発明の組成物と ャリアとの重量比は、特に限定されないが 好ましくは1:100~1:1、さらに好ましくは1:10~1:1 である。本発明の組成物とキャリアは、常法 に従い、均一に混合した後混合粉砕すること が好ましく、例えば、混合には30メッシュ前 のスクリーンを用いた押出し混合を用いる とができ、混合粉砕には、乳鉢及び乳棒、 ェットミル、ホモジナイザー、ミキサーを いることができる。ドライパウダー製剤中 粒子の平均粒子径(メジアン径)は、本発明 組成物の沈着部位を選択するため適宜調整 れるが、好ましくは0.5~10μm、より好ましく 0.5~8μm、さらに好ましくは0.5~5μm、特に好ま くは0.5~3μmである。

 本発明のタバコの煙を吸入することによ 引き起こされる疾患を予防及び/又は治療す る方法としては、オロット酸、オロチジル酸 、オロチジン、ウリジン一リン酸、及びそれ らの塩よりなる群から選択される1又は2以上 物質を有効成分として含有する、本発明の 成物を、対象に投与することを含む方法で れば特に制限されず、オロット酸、オロチ ル酸、オロチジン、ウリジン一リン酸、及 それらの塩よりなる群から選択される1又は 2以上の物質を、グルタチオン、Nアセチルシ テイン、コエンザイムQ10、αリポ酸、ビタ ンC、ビタミンE、ポリフェノール、カロチノ イド等の抗酸化剤とともに投与することが好 ましい。また、本発明の組成物を、薬学的に 許容される他の薬剤、例えば、副腎皮質ステ ロイド、気管支拡張薬、β2作動薬、ロイコト リエン受容体拮抗薬、キサンチン、粘液溶解 剤等の呼吸器疾患治療剤と併用することもで きる。上記タバコの煙を吸入することにより 引き起こされる疾患としては、肺疾患を好適 に例示することができ、より具体的には、虚 血性心疾患(狭心症、心筋梗塞等)、肺疾患、 ん等を例示することが出来るが、とりわけ 性閉塞性肺疾患(COPD)を好例として挙げるこ ができる。投与方法としては特に制限され いが、経口投与、吸入投与を好適に例示す ことができる。オロット酸等の投与量は、 状、剤形、体重等により変わりうるが、経 投与の場合では、通常成人1日あたり、50mg~1 0g、好ましくは500mg~3gである。吸入投与の場 では、通常成人1日あたり、5mg~1g、好ましく 50mg~200mgであり、単回投与と分割投与のいず れであってもよい。

 本発明の医薬用組成物をドライパウダー 剤として投与する場合は、カプセル、ブリ ター、又は所定のカートリッジに封入され 形態とすることができ、例えば、1回投与量 5mg~50mg(本発明の医薬組成物として2.5mg~25mg)と て、対象の症状、体重、年齢、性別等に応 て、1日あたり1回又は複数回に分けて投与 ることができる。また、本発明の医薬用組 物をエアロゾル剤として投与する場合は、 発明の医薬用組成物を好ましくは0.1~50重量% 有する溶液又は懸濁液であるエアゾール剤 噴霧、エアゾール化して投与することがで 、加圧噴霧式定量吸入器(加圧定量噴霧式吸 入器)(pMDI)を用いる場合は1回の吸入量50μl~200 lとし、ネブライザーを用いる場合は、例え 、溶液又は懸濁液を1回の噴霧量0.5ml~5mlとし て、対象の症状、体重、年齢、性別等に応じ て、1日あたり1回又は複数回に分けて投与す ことができる

 本発明は、また、タバコの煙を吸入する とにより引き起こされる疾患、例えば慢性 塞性肺疾患の予防及び/又は治療するための 医薬用組成物の調製における、本発明の組成 物の使用に関する。医薬用組成物の調製には 、オロット酸、オロチジル酸、オロチジン、 ウリジン一リン酸、又はそれらの塩に加えて 、グルタチオン、Nアセチルシステイン、コ ンザイムQ10、αリポ酸、ビタミンC、ビタミ E、ポリフェノール、カロチノイド等の抗酸 剤の他、薬学的に許容される通常の担体、 合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝 、崩壊剤、可溶化剤、溶解補助剤、等張剤 どの各種調剤用配合成分を添加することが きる。また、本発明の組成物に、薬学的に 容される他の薬効成分が含まれていてもよ 、副腎皮質ステロイド、気管支拡張薬、β2 動薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、キサ チン、粘液溶解剤等の他の呼吸器疾患治療 を配合して医薬用組成物を調製することも きる。

 以下、実施例により本発明をより具体的 説明するが、本発明の技術的範囲はこれら 例示に限定されるものではない。

 モデル動物としてモルモットを用い、オ ット酸を投与、又は投与しない条件下で4週 間タバコ煙の曝露を実施し、オロット酸の影 響について検討した。なお、タバコ煙曝露モ ルモットは、ヒト慢性閉塞性肺疾患(COPD)病態 に類似した病変を示すことが知られている。 実験の詳細を以下に示す。

[実験動物]
 実験動物として、気道系の試験に汎用され いる系統であるHartley系雄モルモット(日本 スエルシー株式会社製)を用いた。4週齢の雄 モルモット35匹を検疫馴化期間として11日間 育した。飼育は、恒温(23~25℃)、恒湿(51~59%) 12時間照明(午前7時点灯、午後7時消灯)の条 下で行い、換気は10~20回/時の頻度で行った ケージは、アルミニウム製ケージ (W350 × H 350 × D500mm)を用い、1ケージ当たりの収容数 、検疫馴化期間中は5匹、群分け後は1~4匹と した。ケージは給器とともに2週間に1回交換 た。検疫馴化期間中は毎日の一般状態の観 及び4回の体重測定を行い、全例、健康であ ると判断し実験に供した。なお、実験は受託 試験会社(株式会社パナファーム・ラボラト ーズ)の動物倫理委員会の「実験動物に関す 指針」に従って承認されたものである。

 タバコ煙の曝露開始日の被験物質投与前に 分けを実施した。曝露開始直前の体重と特 的(あるいは単に気道抵抗値)気道抵抗値(Spec ific airwayresistance : sRaw)を測定し、その値を にブロック割付法で群分けした。なお、群 け前の特異的気道抵抗値は0.500~1.000cmH 2 O×mL/(mL/sec)の個体を使用した。群分けにて除 となった動物については、除外になった当 に、ペントバルビタールナトリウムの過剰 与による安楽死処分とした。群分け後は、 体識別のために、色の異なる油性フェルト ンで背に番号を示すマーク(動物番号)を記 し、各ケージの前面に試験番号、試験項目 試験期間、動物種、群分け時週齢、動物番 、試験群、系統、性別及び試験責任者を記 したラベルを付けた。

[投与用オロット酸の調製]
 モルモットへのオロット酸の投与は、経口 与、気管内投与、吸入投与を組み合わせて った。経口投与用のオロット酸は、オロッ 酸マグネシウム塩(ロット#OY61083、協和醗酵 業株式会社製;以下、オロット酸Mgと記載す )を乳棒および乳鉢を用いて0.5%HPMC溶液(信越 化学工業株式会社製)に懸濁し、200mg/mL(高濃 )及び50 mg/mL(低濃度)になるように調製した 調整は一週間ごとに行い、調製した懸濁液 1日に使用する量ごとにガラスバイアルへ分 し遮光下で冷所保存した。また、気管内投 用のオロット酸は、オロット酸Mgを2及び16mg /mLになるよう、日本薬局方注射用水にて溶解 し調整した。調整は1週間ごとに行い、調製 た懸濁液は1日に使用する量ごとにガラスバ アルへ分注し遮光下で冷所保存した。

[オロット酸の投与]
 投与開始から8日目までは経口投与と気管内 投与を組み合わせて行い、投与開始9日目か 24日目までは経口投与と、気管内投与又は吸 入投与を組み合わせて行った。これらの投与 経路は被験物質の予想臨床投与経路であるた め選択された。但し、気管内投与の動物は著 しい体重の減少が認められたため、投与開始 9日目より気管内投与の代替方法として圧ネ ライザーによる吸入投与に変更した。経口 与はフィーディングチューブを用いて行っ 。気管内投与は気管内投与器具を用い無麻 下で投与した。吸入投与は投与液を圧ネブ イザー(パリ社製)に約10mL入れ、圧縮空気の ンベを接続し、1.5kgf/cm 2 にて送気してエアゾールを発生させ、吸入チ ャンバーに導いた。吸入時間は30分間とした

 各投与法における投与量を以下に示す。
経口投与:500又は2000mg/kgを、タバコ煙曝露日 5mL/kg×2回、タバコ煙曝露を実施しない日は10 mL/kg×1回を投与した。
気管内投与:150μL/匹を投与した。また、気管 投与の影響を検討するため,媒体-気管内投 群には150μL/匹の注射用水を投与した。
吸入投与:30分間行った。

 経口投与は、タバコの煙曝露の実施日に 2回/日、タバコの煙曝露を実施しない日は1 /日行い、2回/日の場合は午前(11:00まで)と午 後(16:00~18:00)、1回/日の場合には朝に投与した 。気管内投与はタバコの煙の曝露前に実施し た。また,吸入投与はタバコの煙の曝露後に 施した。1回目の経口投与及び気管内投与は バコ煙曝露の60~120分前に実施した。

[タバコ煙曝露]
 群分けしたモルモットへのタバコ煙曝露を 体的に示す。モルモットを曝露ホルダー(RMH -TUBES;Muenster社製)に入れ、曝露チャンバー(Flow -past type nose-only inhalation chamber;Muenster社製) 固定し、喫煙曝露装置(Hamburg II,Borgwaldt Tech nik)を用いてタバコ(ハイライト;日本たばこ産 業株式会社製)の煙を吸入させた。タバコ煙 露は、1日約60分間、3週目までは5日/週、4週 目は3日/週の頻度で実施した。また、オロ ト酸投与前のモルモットの体重を、一日一 、動物天秤を用いて測定した。

[モルモットの呼吸機能測定]
 呼吸機能測定は、株式会社 M・I・P・Sのdoub le flow plethysmograph法(総合呼吸機能解析シス ム Pulmos-I)を用い、モルモットの換気量やsRa wを覚醒下で測定した。測定はタバコ煙曝露 始日から、13日(2週目)、20日(3週目)及び25日 (4週目)に行った。測定はオロット酸投与前 実施した。sRaw値は、各個体あたり100呼吸分 sRawを測定し、その平均値を測定値とした。 また、以下に示す計算式により、タバコ煙曝 露開始前からのsRaw値の変化量を算出した。

[数1]
各測定週のsRawの変化量=各測定日のsRaw値-タ コ煙曝露前のsRaw値

 図1に示すように、気管内投与の媒体対照群 はタバコの煙の曝露開始10日目に4例すべて死 亡した。オロット酸の気管内投与0.3及び2.4mg/ kg群は、試験期間中に共に3例が死亡したが、 各1例は実験終了時まで生存した。
 また、経口投与の対照群においてもタバコ 煙を曝露によって4例中3例が死亡したが、 ロット酸の経口投与250及び1000mg/kg群では2及 1例が死亡したのみで、2および3例が実験終 時まで生存した。どちらの投与方法におい も、オロット酸の投与量が多いほど生存率 高く、これらの結果から、オロット酸投与 より、タバコ煙曝露した場合の死亡率が抑 されることが明らかとなった。さらに、表1 に示すように、生存個体における一回換気量 (TV)の測定値は、オロット酸投与により改善 ていく傾向が認められ、また、減少しつつ った体重も増加に転じていた。

 上記実験(実施例1~6)では、モルモットに バコ煙曝露によるCOPD病態に類似したモルモ トタバコ煙曝露モデル実験を定法に従って ったが、経口投与の対照群では1例を残して 死亡し、さらにオロット酸の気管内投与の媒 体対照群では10日目までに4例すべてが死亡し た。死亡率が高かった理由は不明であるが、 使用したモルモットのロット等の影響も考え られる。気管内投与において煙害のダメージ が大きかった理由としては、気管内への注射 水投与をタバコ暴露前に実施した結果、気管 や肺内の表面液量が増えた結果として、タバ コ中の有害物質の組織表面液への溶解が進ん だ結果とも推測された。そこで、次の実験で は、異なるロットのモルモットを使用し、さ らに、気管内投与をタバコ煙曝露後に実施す るように計画を変更し、オロット酸の気管内 投与による効果を検討した。

 モルモットへのタバコ煙曝露は、実施例3 のスケジュールと同様に1日約60分間、3週目 では5日/週、4週間目は3日/週の頻度で実施し た。タバコ煙曝露後にオロット酸を気管内投 与し、呼吸機能を測定した。その結果、一回 換気量(TV)の測定値は、オロット酸投与によ 顕著に改善された(表2)。また、タバコ(タバ 煙曝露のみ)及びタバコ+注射水(タバコ煙曝 +水の気管内投与)グループでは、気道抵抗 示すsRaw値が3週目から4週目にかけて顕著に 昇したのに対し、タバコ+ORT(タバコ煙曝露+ ロット酸の気管内投与)グループのsRaw値はほ とんど変化が認められず、その値は無処置( バコ煙曝露をしていない)グループの値と同 であった(表2)。また、気管内投与での媒体 照群(タバコ煙暴露+注射水)では試験期間中 2例が死亡したのに対して、オロット酸投与 群では1例のみが死亡した。これらの結果は タバコ煙による呼吸機能の低下が、オロッ 酸投与により改善されることを示している

[製剤例]
 本発明の医薬用組成物は、当業者に慣用の 法及び製剤用添加物を用いて製造すること できる。本発明の医薬組成物の製剤例を下 に示すが、本発明の医薬用組成物はこれら 限定されることはない。

[製剤例1]ドライパウダー製剤
 常法に従い、以下の組成の吸入用ドライパ ダーを製剤するため、ジェットミル(A-OJET、 株式会社セイシン企業製)を用いて、オロッ 酸マグネシウム塩(ロット#OY61083、協和醗酵 業株式会社製)10gを空気圧5kg/cm 2 で1.5g/分間の送り速度で粉砕して、得られる ロット酸マグネシウム粉砕物50mgと乳糖(Pharm atose 325M、DMV社製)50mgとを重量比1:1で均一に 合し、ドライパウダー製剤とする。

[製剤例2]エアゾール剤
 常法に従い、以下の組成の吸入用エアゾー 剤を製剤するため、オロット酸コリン塩(ロ ット#OC-0401、相模化成工業株式会社製)10gを滅 菌精製水20gに撹拌して溶解し、沸点以下に冷 却したジクロロジフルオロメタン80gと混合し て噴霧用圧力容器に封入し、エアゾール剤と する。

[製剤例3]ネブライザー吸入用液剤
 常法に従い、以下の組成のネブライザー用 剤を製剤するため、オロット酸マグネシウ 塩(ロット#OY61083、協和醗酵工業株式会社製) 160mgを注射用水10mlに撹拌して懸濁し、ネブラ イザー用液剤として実施例2で用いた。

[製剤例4]ネブライザー吸入用液剤
 常法に従い、以下の組成のネブライザー用 剤を製剤するため、オロット酸コリン塩(ロ ット#OC-0401、相模化成工業株式会社製)1000mgを 注射用水10mlに撹拌して溶解し、ネブライザ 用液剤とする。

[製剤例5]散剤
 常法に従い、以下の組成の経口投与用散剤 製剤するため、オロット酸カルシウム塩(ロ ット#K430588、協和醗酵工業株式会社製)5g、乳 (Pharmatose 325M、DMV社製)4g、トウモロコシデ プン1gを均一に混合して散剤とする。

[製剤例6]錠剤
 常法に従い、以下の組成の錠剤を製剤する め、オロット酸1水和物(ロット#K430588、協和 醗酵工業株式会社製)200g、乳糖(Pharmatose 325M DMV社製)150g、結晶セルロース50g、トウモロコ シデンプン100g、ステアリン酸マグネシウム5g を均一に混合後、錠剤機で打錠し、1錠あた 500mgの錠剤とする。

 本発明によると、タバコ煙曝露による呼 機能の低下をオロット酸、オロチジル酸、 ロチジン、ウリジン一リン酸、又はそれら 塩の投与により改善することができる。し がって、本発明のタバコの煙を吸入するこ により引き起こされる疾患の予防及び/又は 治療用組成物等は、COPDを含むタバコ煙の吸 により引き起こされる疾患に対し有効であ 。特に、オロット酸、オロチジル酸、オロ ジン、ウリジン一リン酸、又はそれらの塩 有効成分とする慢性閉塞性肺疾患予防又は 療剤を提供することができる。