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Title:
PROPYLENE POLYMER, PROPYLENE POLYMER COMPOSITION, PELLET, AND ADHESIVE AGENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/099865
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are: a propylene polymer (A) which can exhibit a desired initial adhesion when used as an adhesive agent and adhered on an article, which causes any contamination in the article, and which can be subjected to a pellet handling procedure; a pellet comprising the propylene polymer (A); and an adhesive agent comprising the propylene polymer (A). Specifically disclosed are: a propylene polymer (A) which comprises 65 to 80 mol% of a constituent unit derived from propylene, 5 to 10 mol% of a constituent unit derived from ethylene and 15 to 25 mol% of a constituent unit derived from an α-olefin having 4 to 20 carbon atoms (wherein the sum total of the amounts of the constituent unit derived from propylene, the constituent unit derived from ethylene and the constituent unit derived from an α-olefin having 4 to 20 carbon atoms is defined as 100 mol%), and has a quantity of heat of crystal fusion of 5 to 45 (J/g) as measured by DSC method; and a composition comprising the propylene polymer (A).

Inventors:
AKAI KUNIO (JP)
HOYA HIROSHI (JP)
HAYAKAWA YOJI (JP)
MATSUNAGA KOJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052398
Publication Date:
August 21, 2008
Filing Date:
February 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUI CHEMICALS INC (JP)
AKAI KUNIO (JP)
HOYA HIROSHI (JP)
HAYAKAWA YOJI (JP)
MATSUNAGA KOJI (JP)
International Classes:
C08L23/16; C08F210/06; C09J7/02; C09J123/16
Domestic Patent References:
WO2004087775A12004-10-14
Foreign References:
JP2000198893A2000-07-18
JPH05194802A1993-08-03
JP2000191861A2000-07-11
Other References:
See also references of EP 2112180A4
Attorney, Agent or Firm:
SUZUKI, Shunichiro (Gotanda Yamazaki Bldg. 6F13-6, Nishigotanda 7-chom, Shinagawa-ku Tokyo, JP)
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Claims:
プロピレン由来の構成単位を65~80モル%、
エチレン由来の構成単位を5~10モル%、
炭素数4~20のα-オレフィン由来の構成単位を15~25モル%の量(ここでプロピレン由来の構成単位とエチレン由来の構成単位と、炭素数4から20のα-オレフィン由来の構成単位との合計を100モル%とする)含み、かつDSC法により測定した、結晶融解熱量が5~45J/gであるプロピレン系重合体(A)。
 広角X線回折測定から求められた結晶化度が5~30%である請求項1記載のプロピレン系重合体(A)。
13 C-NMRで測定されるトリアドタクティシティ 〔mm分率(%)〕が85%以上である請求項1または2に記載のプロピレン系重合体(A)。
プロピレン由来の構成単位を65~80モル%、
エチレン由来の構成単位を5~10モル%、
炭素数4~20のα-オレフィン由来の構成単位を15~25モル%の量(ここでプロピレン由来の構成単位とエチレン由来の構成単位と、炭素数4から20のα-オレフィン由来の構成単位との合計を100モル%とする)含み、かつDSC法により測定した結晶融解熱量が5~45J/gであるプロピレン系重合体(A)を50重量部以上100重量部未満、
プロピレン由来の構成単位を90モル%以上含むポリプロピレン(B)(ここでポリプロピレンを構成する全構成単位の合計を100モル%とする)を、0重量部を越えて50重量部以下(ここで(A)と(B)との合計を100重量部とする)の量で含むことを特徴とするプロピレン系重合体組成物(C)。
 プロピレン系重合体(A)の広角X線回折測定から求められた結晶化度が5~30%である請求項4記載のプロピレン系重合体組成物(C)。
(A)成分の 13 C-NMRで測定されるトリアドタクティシティ 〔mm分率(%)〕が85%以上である請求項4または5に記載のプロピレン系重合体組成物(C)。
請求項1~3のいずれか1項に記載のプロピレン系重合体(A)からなるペレット(X1)。
請求項4~6のいずれか1項に記載のプロピレン系重合体組成物(C)からなるペレット(X2)。
プロピレン由来の構成単位を65~80モル%、
エチレン由来の構成単位を5~10モル%、
炭素数4~20のα-オレフィン由来の構成単位を15~25モル%の量(ここでプロピレン由来の構成単位とエチレン由来の構成単位と、炭素数4から20のα-オレフィン由来の構成単位との合計を100モル%とする)含み、かつDSC法により測定した結晶融解熱量が5~45J/gの範囲にあるプロピレン系重合体(A)を含む粘着剤。
プロピレン由来の構成単位を65~80モル%、
エチレン由来の構成単位を5~10モル%、
炭素数4~20のα-オレフィン由来の構成単位を15~25モル%の量(ここでプロピレン由来の構成単位とエチレン由来の構成単位と、炭素数4から20のα-オレフィン由来の構成単位との合計を100モル%とする)含み、かつDSC法により測定した結晶融解熱量が5~45J/gであるプロピレン系重合体(A)を50重量部以上100重量部未満、
プロピレン由来の構成単位を90モル%以上含むポリプロピレン(B)(ここでポリプロピレンを構成する全構成単位の合計を100モル%とする)を、0重量部を越えて50重量部以下(ここで(A)と(B)との合計を100重量部とする)の量で含むことを特徴とするプロピレン系重合体組成物(C)からなる粘着剤。
 プロピレン系重合体(A)の広角X線回折測定から求められた結晶化度が5~30%である請求項9または10に記載の粘着剤。
プロピレン系重合体(A)の 13 C-NMRで測定されるトリアドタクティシティ(mm分率(%))が85%以上である請求項9~11のいずれか1項に記載の粘着剤。
請求項9~12のいずれか1項に記載の粘着剤からなる粘着層を有する、少なくとも1層以上の粘着シート又はフィルム。
Description:
プロピレン系重合体、プロピレ 系重合体組成物、ペレットおよび粘着剤

  本発明は、粘着剤として好適に用いら るプロピレン系重合体、ないしプロピレン 重合体組成物に関する。すなわち、各種被 体への粘着剤、或いは粘着シートとして使 した際に、必要な初期粘着力を発現し、被 体の汚染を長期にわたって抑制し、またペ ットハンドリング性に優れたプロピレン系 合体、該プロピレン系重合体を含むプロピ ン系重合体組成物、該プロピレン系重合体 らなるペレット、該プロピレン系重合体組 物からなるペレットに係る。また本発明は 記プロピレン系重合体を含む粘着剤に係る

  金属、ガラス、あるいは合成樹脂板及び れらの部材からなる製品及び部品を保護す ために粘着層と基材層を積層した表面保護 ィルムが使用されている。例えば、特許文 1には、プロピレン、炭素数4~12のα-オレフィ ン及びエチレンを共重合体成分として含むプ ロピレン系重合体であって、示差走査熱量計 (DSC)の0~200℃の温度範囲における測定におい 、1J/g以上の吸熱ピークを有さないプロピレ 系重合体を含有する粘着剤により形成され いることを特徴とする金属メッキ用マスキ グテープが記載されている。このようなフ ルムは貼り付け後3日のような短期間では、 耐汚染性、耐変色性に優れるが、貼り付け後 1月を越えるような長期間では、被着体への 染が発生する(剥離跡が残る)とういう問題が あった。また、ペレットハンドリングについ て十分考慮されたものとは言えなかった。

特開2003-213485号公報

  本発明が解決しようとする課題は、ペ ットとした場合にペレット同士がブロッキ グを起こさないなどハンドリング性に優れ そのまま粘着剤として用いた場合には、各 被着体に貼り付けることで、必要な初期粘 力を発現し、また貼り付け後長期間経過し も被着体汚染を発生させることが少なく、 えば表面保護フィルムとして好適に用いら るプロピレン系重合体およびプロピレン系 合体組成物を提供することにある。

  また本発明が解決しようとする課題は ペレットブロッキングしにくくハンドリン 性が容易であり、そのまま粘着剤として用 た場合には、各種被着体に貼り付けること 、必要な初期粘着力を発現し、また貼り付 後長期間経過しても被着体汚染を発生させ ことが少なく、また他の熱可塑性樹脂や熱 塑性エラストマーとブレンドする際にも作 性に優れ、また他の熱可塑性樹脂や熱可塑 エラストマーの粘着性を改良することもで るペレットを提供することにある。

  また本発明が解決しようとする課題は 各種被着体に貼り付けることで、必要な初 粘着力を発現し、また貼り付け後長期間経 しても被着体汚染を発生させることが少な 、例えば表面保護フィルムとして好適に用 られる粘着剤を提供することにある。

  本発明のプロピレン系重合体(A)は、プ ピレン由来の構成単位を65~80モル%、エチレ 由来の構成単位を5~10モル%、炭素数4~20のα- レフィン由来の構成単位を15~25モル%の量含 、かつDSC法により測定した結晶融解熱量が5~ 45J/gであることを特徴としている。

本発明のプロピレン系重合体(A)の好ましい態 様は、広角X線回折測定から求められた結晶 度が5~30%であるという特徴を有し、更に好ま しくは、 13 C-NMRで測定されるトリアドタクティシティ  mm分率(%)〕が85%以上であるという特徴を併せ 持つ。

  本発明の、プロピレン系重合体組成物(C )は、プロピレン由来の構成単位を65~80モル% エチレン由来の構成単位を5~10モル%、炭素数 4~20のα-オレフィン由来の構成単位を15~25モル %の量含むプロピレン系重合体(A)を50重量部以 上100重量部未満の量で含み、ポリプロピレン (B)を0重量部を超えて50重量部以下(ここで(A) (B)との合計を100重量部とする)含むことを特 としている。

 プロピレン系重合体組成物(C)を構成するプ ピレン系重合体(A)の好ましい態様は、広角X 線回折測定から求められた結晶化度が5~30%を たし、更に好ましい態様は、 13 C-NMRで測定されるトリアドタクティシティ  mm分率(%)〕が85%以上である。

  本発明のペレット(X1)は、前記プロピレ 系重合体(A)からなる。

  本発明のペレット(X2)は、前記プロピレ 系重合体組成物(C)からなる。

  本発明の粘着剤は、前記プロピレン系 合体(A)を含んでなる。本発明の好ましい粘 剤は、実質的に前記プロピレン系重合体(A) らなる粘着剤か、または実質的に前記プロ レン系重合体組成物(C)からなる粘着剤であ 。なお本発明の粘着剤において、「実質的 」とは、粘着剤に占める重合体(A)または組 物(C)の重量が95重量%以上であることとして 義される。

 本発明は、前記した粘着剤からなる粘着 を有する、少なくとも1層以上の粘着シート 又はフィルムに係る。

  本発明のプロピレン系重合体(A)、及び 発明のプロピレン系重合体組成物(C)は、ペ ットとした場合にペレット同士がブロッキ グを起こさないのでハンドリング性に優れ またプロピレン系重合体(A)、または本発明 プロピレン系重合体組成物(C)をそのまま粘 剤として用いた場合には、各種被着体に貼 付けることで、必要な初期粘着力を発現し また貼り付け後長期間経過しても被着体の 染を発生させることが少なく、例えば表面 護フィルムとして好適に用いられる。

  またプロピレン系重合体(A)からなるペ ット(X1)、または本発明のプロピレン系重合 組成物(C)からなるペレット(X2)は、上記のよ うにペレットブロッキングしにくいため、ハ ンドリング性が容易である。従って、他の熱 可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーとブレン ドする際にも作業性に優れ、また他の熱可塑 性樹脂や熱可塑性エラストマーの粘着性を改 良することもできる。

  本発明の粘着剤は、各種被着体に貼り けることで、必要な初期粘着力を発現し、 た貼り付け後長期間経過しても被着体汚染 発生させることが少なく、例えば表面保護 ィルムとして好適に用いられる。

  以下、本発明について詳細に説明する

  プロピレン系重合体(A)
  本発明のプロピレン系重合体(A)は、プロ レン由来の構成単位を65~80モル%、好ましく 65.6~80.0モル%、エチレン由来の構成単位を5~10 モル%、好ましくは5.0~9.4モル%、炭素数4~20のα -オレフィン由来の構成単位を15~25モル%、好 しくは15.0~25.0モル%の量を含む共重合体(ここ でプロピレン由来の構成単位とエチレン由来 の構成単位と、炭素数4から20のα-オレフィン 由来の構成単位との合計を100モル%とする)で って、かつDSC法により測定した結晶融解熱 が5~45J/gである。

  本発明において炭素原子数が4~20のα-オ フィンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、1- キセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、 1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘ サデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンな どが挙げられるが、炭素原子数が4~10のα-オ フィンが好ましく、1-ブテンが特に好ましい 。これらの炭素原子数4~20のα-オレフィンは 2種以上用いられても良い。

  本発明のプロピレン系重合体(A)は、DSC法( 差走査熱量計法)で観測される結晶融解熱量 が5~45J/gであり、好ましくは10~40J/gである。こ の範囲であればペレットとした際にブロッキ ング性に優れ、被着体の耐汚染性にも優れる 。
本発明のプロピレン系重合体(A)は、X線回折 測定した結晶化度が特に制限はないが、通 5~30%、好ましくは5~25%、より好ましくは5~20% ある。

  本発明のプロピレン系重合体(A)は、ASTM  D  1238に準拠して230℃、荷重2.16kgで測定さ れるメルトフローレート(MFR)が1~10g/10分、好 しくは4~6g/10分の範囲にある。

  また本発明のプロピレン系重合体(A)はラ ダム共重合体であることが好ましい。すな ち、プロピレン系重合体(A)の、G. R. Rayら、 Macromolecules,  10 , 773(1997)において定義されたB値は、通常0.9 上1.5以下、好ましくは0.9以上1.3以下である

  本発明におけるプロピレン系重合体(A) 製造方法としては特に制限はないが、オレ ィンをアイソタクチックまたはシンジオタ チック構造で立体規則性重合することので る公知の触媒、例えば、固体状チタン成分 有機金属化合物を主成分とする触媒、また メタロセン化合物を触媒の一成分として用 たメタロセン触媒の存在下でプロピレン、 チレン、ブテン-1などを共重合させることに より得られる。本発明の粘着剤が前記した発 明効果を遺憾なく発揮するためにはアイソタ クチック構造で立体規則性重合することので きるメタロセン触媒を用いた製造法が好まし く、このようなメタロセン触媒の非限定的例 として、本願出願人による国際公開2004-087775 パンフレットの請求項6~8に記載されたメタ セン触媒を挙げることができる。なお後述 る本願実施例においては、同国際公開公報 実施例3cに記載されたメタロセン化合物か なる触媒を用いてプロピレン系重合体(A)を 製しているが、該プロピレン系重合体(A)が 願請求項1で規定される要件を満たす限りは 本願発明に係る重合触媒は何ら限定される のではない 。

  本発明のプロピレン系重合体(A)の、GPCに り測定した分子量分布(Mw/Mn、ポリスチレン 算、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)は4 .0以下であることが好ましく、より好ましく 3.0以下、特に好ましくは2.5以下である。
本発明のプロピレン系重合体(A)は、 13 C-NMRで測定されるトリアドタクティシティ(mm 率(%))は、好ましくは85%以上、より好ましく は85~97.5%、更に好ましくは87~97%、特に好まし は、90~97%の範囲にある。

  本発明のプロピレン系重合体(A)のショ A硬度は、特に制限される訳ではないが、通 75以上、好ましくは78以上である。ショアA 度がこの範囲にあると、プロピレン系重合 (A)を用いて粘着剤として使用した場合に、 要な初期粘着力を発現し、また貼り付け後 期間経過した場合の被着体の耐汚染性によ すぐれている。

  トリアドタクティシティ(mm分率)は、国 公開2004-087775号パンフレットの21頁7行目か 26頁6行目までに記載された方法を用いて測 することができる。

  プロピレン系重合体(A)には、本発明の 的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐 安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、ア チブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、 料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸 防止剤、結晶核剤、防黴剤、抗菌剤、難燃 等の公知の添加剤を目的に応じて添加する とが出来る。

  上記の特徴を有するプロピレン系重合 (A)は、本発明の目的を達する上で好ましい すなわち、ペレットとした場合にはブロッ ングが少なくすなわちハンドリングが可能 、プロピレン系重合体(A)自体を粘着剤とし 使用する際、各種被着体に貼り付けて、必 な初期粘着力を発現し、また貼り付け後長 間経過しても被着体汚染を発生させないた 、表面保護フィルムとして好適に用いるこ が出来る。

  本発明のプロピレン系重合体組成物(C) 、上記プロピレン系重合体(A)と、ポリプロ レン(B)からなる。以下、ポリプロピレン(B) 次いでプロピレン系重合体組成物(C)につい 詳説する。

  ポリプロピレン(B)
  本発明で用いるポリプロピレン(B)は、プ ピレン単独重合体、またはプロピレンと、 チレンおよび、炭素原子数が4~20のα-オレフ ンから選ばれる少なくとも1種の共重合体が 挙げられる。ここで、炭素原子数が4~20のα- レフィンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、1 -ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン 1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1- キサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン どが挙げられる。ポリプロピレン(B)として 、ホモポリプロピレン、またはプロピレン エチレンまたは炭素原子数が4~10のα-オレフ ィンとの共重合体が好ましい。なお、これら のエチレンまたはα-オレフィンは、プロピレ ンとランダム共重合あるいはブロック共重合 体を形成してもよい。

  本発明に用いられるポリプロピレン(B) 、NMR法により測定したアイソタクチックペ タッド分率が(mmmm)が0.9以上であることが好 しく、0.95以上のポリプロピレンであること より好ましい。アイソタクチックペンタッ 分率(mmmm)は、特開2003-147135号公報に記載さ ている方法によって測定および算出可能で る。

  本発明に係るポリプロピレン(B)は、ASTM   D  1238に準拠して、230℃、荷重2.16kgで測定さ れるメルトフローレート(MFR)が通常0.01~100g/10 であり、好ましくは0.05~20g/10分、更に好ま くは0.5~15g/分である。
ポリプロピレン(B)の非限定的例としては、ホ モポリプロピレン、ブロックポリプロピレン (通常3~30wt%の23℃ノルマルデカン溶出ゴム成 を有する公知のもの)、さらには、ランダム リプロピレン(通常DSCにより測定される融点 が110~150℃の範囲のあるもの、例えばプロピ ン以外の炭素数2~20のα-オレフィンが、プロ レンと炭素数2~20のα-オレフィンとの合計100 モル%に対し、0モル%を超えて9モル%以下、好 しくは、1モル%以上7モル%以下含まれるもの )などを挙げることができる。

  ポリプロピレン(B)としては、本発明の 的を遺憾なく達する上では、特にエチレン 来の構成単位および/または炭素数4~20のα-オ レフィン由来の構成単位の合計量が、エチレ ン由来の構成単位および/または炭素数4~20の -オレフィン由来の構成単位およびプロピレ 由来の構成単位の合計量に対し、0モル%を え3モル%以下であるプロピレン共重合体また はプロピレンホモポリマーであると耐熱性に 優れ、上記ポリプロピレン系重合体(A)との相 容性がより良好となるため特に好ましい。

  本発明においては、必要に応じて複数 ポリプロピレン(B)を併用することもでき、 えば、融点や剛性の異なる2種類以上の成分 用いることが出来る。

  本発明に係るポリプロピレン(B)は、例 ば、マグネシウム、チタン、ハロゲン及び 子供与体を必須成分として含有する固体触 成分と有機アルミニウム化合物および電子 与体からなるチーグラー触媒系、またはメ ロセン化合物を構成成分としたメタロセン 媒系で、プロピレンを重合または、プロピ ンとエチレンあるいは炭素原子数4以上のα- レフィンとを共重合することにより製造で る。

  プロピレン系重合体組成物(C)
  本発明のプロピレン系重合体組成物(C)は 上記プロピレン系重合体(A)を50重量部以上100 重量部未満、ポリプロピレン(B)を、0重量部 超えて50重量部以下の割合で含む(ここでプ ピレン系重合体(A)とポリプロピレン(B)との 計を100重量部とする)。

  本発明のプロピレン系重合体組成物(C) 、プロピレン系重合体成分(A)とポリプロピ ン成分(B)、必要に応じて後述する公知の添 剤を上記のような範囲で種々公知の方法、 とえば、多段重合法、ヘンシェルミキサー V-ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラ ーブレンダー等で混合する方法、あるいは混 合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、 バンバリーミキサー等で溶融混練後、造粒あ るいは粉砕する方法を採用して製造すること が出来る。

  また、プロピレン系重合体組成物(C)に 、本発明の目的を損なわない範囲で、耐候 安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリッ 防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、 剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩 吸収剤、酸化防止剤、結晶核剤、防黴剤、 菌剤、難燃剤等の公知の添加剤を目的に応 て添加することが出来る。

  上記の特徴を有するポリプロピレン(B) プロピレン系重合体(A)とが上記の範囲にあ プロピレン系重合体組成物(C)は、本発明の 的を達する上で好ましい。すなわち、ペレ トとした場合にはペレットハンドリング可 で、プロピレン系重合体組成物(C)自体を粘 剤として使用する際、各種被着体に貼り付 て、必要な初期粘着力を発現し、また貼り け後長期間経過しても被着体汚染を発生さ ないため、表面保護フィルムを好適に得る とが出来る。

  本発明のペレット(X1)は、上記プロピレ 系重合体(A)を、いわゆるペレット状に加工 たものである。また本発明のペレット(X2)は 、上記のプロピレン系重合体組成物(C)を、い わゆるペレット状に加工したものである。

  本発明のペレット(X2)は、特に制限はな が、例えばX線回折で測定した結晶化度が5 上である。

  本発明のペレット(X2)は、特に制限はな が、ASTM  D  1238に準拠して230℃、荷重2.16k gで測定されるメルトフローレート(MFR)が1~20g/ 10分である。

  上記ペレット(X1)、(X2)は、本発明の目的 を達する上で好ましい。すなわち、ブロッキ ングが少なくすなわちペレットハンドリング 可能で、本ペレット自体を粘着剤として使用 する際、各種被着体に貼り付けて、必要な初 期粘着力を発現し、また貼り付け後長期間経 過しても被着体汚染を発生させないため、表 面保護フィルムを好適に得ることが出来る。

  またプロピレン系重合体(A)からなるペ ット(X1)、または本発明のプロピレン系重合 組成物(C)からなるペレット(X2)は、上記のよ うにペレットブロッキングしにくいため、ハ ンドリング性が容易であるため、他の熱可塑 性樹脂や熱可塑性エラストマーとブレンドす る際にも作業性に優れ、また他の熱可塑性樹 脂や熱可塑性エラストマーの粘着性を改良す ることもできる。

  本発明に係る上記プロピレン系重合体(A) ペレット(X1)とする製造方法、あるいは上記 ロピレン系重合体組成物(C)をペレット(X2)と する製造方法としては、たとえば下記の方法 を例示することができる。
(1)一軸押出機、二軸押出機、フィーダールー ダー等で加熱溶融後、ストランド状に賦型し 、水槽等で冷却後ペレタイザーで切断して得 る方法。
(2)いわゆるアンダーウォーターカット方式の ペレタイザーが取り付けられた一軸押出機、 二軸押出機、フィーダールーダー等で加熱溶 融後水中でカットし付着した水分を脱水乾燥 して得る方法。
(3)加熱溶融状態にある樹脂を冷却し粉砕する 方法。

  ペレット化後の再凝集、いわゆるブロ キング防止のため、本発明の目的を損なわ い範囲で、必要に応じて、液体や粉体をペ ット表面に付着させることが出来る。たと ば、国際公開2002-085979号パンフレットに記載 されている方法などがある。

  本発明の粘着剤は、前記プロピレン系 合体(A)を含むことを特徴とする。そしてプ ピレン系重合体(A)を含む粘着剤の好ましい 様は、プロピレン系重合体(A)とポリプロピ ン(B)からなるプロピレン系重合体組成物(C) ある。

  本発明の粘着剤は、プロピレン系重合 (A)と、プロピレン系重合体(A)およびポリプ ピレン(B)以外の熱可塑性樹脂および/または ロピレン系重合体(A)およびポリプロピレン( B)以外の熱可塑性エラストマー(該樹脂および 該エラストマーを総称して成分(D)と呼称する 場合がある)を含むこともできる。

 換言すれば、本発明の粘着剤は、既述の 着剤を含めて次の3種類[N-1]、[N-2]および[N-3] に分類される。

 [N-1] 実質的にプロピレン系重合体(A)からな る粘着剤。
[N-2]実質的にプロピレン系重合体組成物(C)か なる粘着剤。
[N-3]実質的にプロピレン系重合体(A)と成分(D) らなる粘着剤。

  なお、本発明の粘着剤において、「実質 に」とは、例えば粘着剤[N-1]および[N-2]にお ては粘着剤に占める、各々プロピレン系重 体(A)および重合体組成物(C)の重量が95重量% 上であり、残り5重量%未満を占める成分が 公知の各種添加剤および/または後述する成 (D)の一部である粘着付与剤であることとし 定義される。また、粘着剤[N-3]においては 粘着剤に占める、プロピレン系重合体(A)と 分(D)の合計重量が、95重量%以上であり、残 5重量%未満を占める成分が、公知の各種添加 剤および/または既述した成分(B)であること して定義される。
 以下、粘着剤[N-3]について説明する。  
粘着剤[N-3]においては、プロピレン系重合体 分(A)と成分(D)との比率は、プロピレン系重 体(A)が1重量部以上100重量部以下、成分(D)が 0重量部以上99重量部以下であり、成分(D)が必 須の場合は好ましくはプロピレン系重合体(A) が1重量部~99重量部以下、より好ましくは40重 量部~99重量部、さらに好ましくは70重量部~95 量部以下、成分(D)が好ましくは99~1重量部、 より好ましくは60~1重量部、さらに好ましく 5~30重量部である〔ここでプロピレン系重合 (A)と成分(D)との合計は100重量部である〕。

  成分(D)としては特に制限はないが、例 ばポリオレフィン系熱可塑性樹脂あるいは リオレフィン系熱可塑性エラストマーが好 しく、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂ある はポリオレフィン系熱可塑性エラストマー 例として、具体的には、エチレン系重合体 挙げられる。より具体的には、低密度ポリ チレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密 ポリエチレンの他、エチレンと炭素数3~20の -オレフィンとの共重合体、エチレンと炭素 3~20のα-オレフィンと環状オレフィンとの共 重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アク ル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種 ニル化合物をコモノマーとするエチレン系 重合体等が挙げられる。

  また、成分(D)としては、ポリスチレン系 ラストマーを挙げることもできる。ポリス レン系エラストマーとしては、硬質部(結晶 )となるポリスチレンブロックと、軟質部と なるジエン系モノマーブロックとのブロック 共重合体(SBS)、水添スチレン・ブタジエン・ チレンブロック(HSBR)、スチレン・エチレン プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEB S)などを例示することができる。ポリスチレ 系エラストマーは、単独または2種類以上を 組み合せて用いられる。
スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン ブロック共重合体は、スチレン・イソブチレ ン・スチレンブロック共重合体(SIS)を水素添 してなるものである。SISの具体例としては JSR株式会社から商品名:JSR  SIS(登録商標)と して、またはシェル株式会社から商品名:ク イトンD(登録商標)として市販されているも などが挙げられる。
また、SEPSの具体例としては、株式会社クラ から商品名:セプトン(登録商標)として市販 れているものなどが挙げられる。

  さらには、熱可塑性樹脂または熱可塑 エラストマーの例として、オレフィン系ブ ック共重合体からなるエラストマーも使用 ることができる。ポリオレフィン系ブロッ 共重合体からなるエラストマーとして、例 ば硬質部となるポリプロピレン等の結晶性 高いポリマーを形成するポリオレフィンブ ックと、軟質部となる非晶性を示すモノマ 共重合体とのブロック共重合体が挙げられ 具体的には、オレフィン(結晶性)・エチレン ・ブチレン・オレフィンブロック共重合体、 ポリプロピレン・ポリオレフィン(非晶性)・ リプロピレンブロック共重合体等を例示す ことができる。具体例としては、JSR株式会 から商品名DYNARONとして市販されているもの が挙げられる。

  本発明に係る成分(D)としては、以下の成 〔成分(D1)ということがある〕も挙げられる この粘着付与成分は、一般に粘着付与剤と て製造・販売されている樹脂状物質で、具 的には、クロマン・インデン樹脂等のクロ ン樹脂;フェノール・ホルムアルデヒド樹脂 及びキシレン・ホルムアルデヒド樹脂等のフ ェノール系樹脂;テルペン・フェノール樹脂 テルペン樹脂(α,β-ピネン樹脂)、芳香族変性 テルペン樹脂、水素化テルペン樹脂等のテル ペン樹脂;合成ポリテルペン樹脂、芳香族炭 水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂肪族 環状炭化水素樹脂、水素添加炭化水素樹脂 び炭化水素系粘着化樹脂等の石油系炭化水 樹脂;ロジンのペンタエリスリトール・エス ル、ロジンのグリセリン・エステル、水素 加ロジン、水素添加ロジン・エステル、特 ロジン・エステル及びロジン系粘着付与剤 のロジン誘導体;等を例示できる。
これら成分(D1)の中では、軟化点70℃以上、好 ましくは70~130℃の範囲にある水素添加炭化水 素樹脂、水素添加脂肪族系環状炭化水素樹脂 、水素添加脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素 添加テルペン樹脂、水素添加合成ポリテルペ ン樹脂等の水素添加樹脂、ロジンのペンタエ リスリトール・エステル、ロジンのグリセリ ン・エステル、水素添加ロジン、水素添加ロ ジン・エステル、ロジンのグリセリン・エス テル、水素添加ロジン、水素添加ロジンエス テル、特殊ロジン・エステル及びロジン系粘 着付与剤等のロジン誘導体;等を例示できる 上記のような成分(D1)は、一般に粘着付与剤 と呼ばれるものである。
また、本発明の粘着剤には、本発明の目的を 損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐熱安定 剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブ ロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、 可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止 剤、結晶核剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤等の 添加剤が目的に応じて含まれていても良い。

  成分(D)を成分(A)に添加することにより 被着体への必要な粘着力を調整することが 能となる。

  本発明は、前記した粘着剤からなる粘 層を有する、少なくとも1層以上の粘着シー 又はフィルムに係る。本発明の粘着剤を使 した多層フィルムとしては、具体的には前 本発明のプロピレン系重合体(A)を含む粘着 [N-1]、[N-2]または[N-3]からなる表面層(粘着層 )が、単層または多層構成の基材の片面また 両面へ積層されてなるものである。

  多層フィルムにおける基材層としては に制限はないが、好ましくは熱可塑性樹脂 あり、例えばポリプロピレン系樹脂(プロピ ンの単独重合体および、プロピレンと少量 α-オレフィンとのランダムまたはブロック 重合体)、ポリエチレン系樹脂(低密度ポリ チレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリ チレンおよび線状低密度ポリエチレン)、公 のエチレン系重合体(エチレン-α-オレフィ 共重合体、エチレン-エチルアクリレート共 合体;エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチ ン-メチルメタクリレート共重合体、エチレ -n-ブチルアクリレート共重合体)、ポリ-4-メ チル-ペンテン-1、ならびにこれらの組合せを 例示することができる。

  表面層(粘着層)と基材間の良好な接着力 を得る観点から、表面層(粘着層)と直接接す 層には本発明のプロピレン系重合体(A)を含 粘着剤[N-1]、[N-2]または[N-3]との相容性のよ ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ま い。

  基材層の表面は、コロナ放電処理、プ ズマ処理、フレーム処理、電子線照射処理 よび紫外線照射処置のような表面処理法で 理されていても良く、基材層は無色透明の であっても良いし、着色された又は印刷さ た層であっても良い。

  基材は一軸または二軸方向に延伸され ものを用いることもできる。

  本発明の粘着剤を使用した多層フィル の製造方法としては例えば公知の多層フィ ムの成形方法で得ることができるが、好ま い方法としてTダイフィルム成形法やインフ ーションフィルム成形法を用いて本発明の ロピレン系重合体(A)を含む粘着剤[N-1]、[N-2] または[N-3]からなる表面層と基材層を共押出 る方法や、予め成形された基材上に本発明 プロピレン系重合体(A)を含む粘着剤[N-1]、[N -2]または[N-3]からなる表面層を押出コーティ グして得る方法などが例示できる。

  本発明の多層フィルムは一軸方向また 二軸方向に延伸されていても良い。一軸延 の好ましい方法として、通常用いられてい ロール延伸法を例示することができる。二 延伸の方法として、一軸延伸の後に二軸延 を行う逐次延伸法や、チューブラ延伸法の うな同時二軸延伸法を例示することができ 。また粘着剤を溶媒に溶かして基材にコー する方法もある。

  本発明の粘着剤を使用した表面保護フ ルム(多層フィルム)の厚さは特に限定されな いが、好ましくは5~5000μm程度、より好ましく は10~1000μm程度である。表面層(粘着層)の厚さ は特に制限がなく、被着体の種類や要求され る物性(たとえば粘着強度)に応じて選択でき が、通常1~1000μm、好ましくは3~500μmである

  本発明の粘着剤を使用した多層フィルム 表面保護フィルムとして使用する場合、本 明の多層フィルム同士のブロッキング(くっ き)を防ぐために剥離紙や剥離フィルムを挟 んだり、基材層の背面に剥離剤を塗布したり しても良い。
基材層用の熱可塑性樹脂は、必要に応じて基 材層表面に滑り性のような機能を付与するた めに、離型剤のような添加剤と組合せて用い てもよい。
本発明の粘着剤を用いて得られた多層フィル ムはアルミニウム板、鋼板、ステンレス板等 の金属板、およびそれらの塗装板、あるいは ガラス板、合成樹脂板等の加工用部材、さら にはこれらの部材を用いた家電製品や自動車 部品、電子部品を保護するための表面保護フ ィルムとして好適に利用でき、例えば、レン ズ保護フィルム、半導体ウエハー用バックグ ラインドテープ、ダイシングテープ、プリン ト基板用保護テープのようなエレクトロニク ス分野、窓ガラス保護用フィルム、焼付塗装 用フィルム、などが例示することができる。

  以下本発明について実施例を挙げて更に 細に説明する。
なお、本発明の粘着剤に係る評価項目及び評 価方法は以下の通りである。

  [E1]  被着体への耐汚染性
粘着フィルムサンプルの粘着層を、ゴムロー ラーを用いて黒色タイル(イナックス製、商 名  INTERIOR  TILE INAX、品番  SPKC-100、色版   L06-J、形状  100角平)へ貼付けて(室温)、 験サンプルを作成した。この試験サンプル 40℃雰囲気下の恒温室へ投入し、2週間およ 2ヶ月エージングしたそれぞれの試験サンプ から粘着フィルムサンプルを剥離してタイ 表面に転写があるか目視で評価した。評価 準は以下の通りである。

        ○  汚染なし
        ×  汚染あり
  [E2]  粘着力
粘着フィルムの試験方法(JIS  Z0237-2000)に準 して、粘着力を測定した。粘着フィルムサ プルの、粘着力を測定する対象でない面に 25μmのポリエチレンテレフタレートのシート を貼り付けた。試験板として50mm幅×150mm長さ 2mm厚のSUS-BA板と粘着フィルムを温度23℃、相 対湿度50%の環境下に1時間放置した後、粘着 ィルムを約2kgのゴムロールで圧力を加えな ら2往復通過させて試験板に貼り付けた。貼 付け後、温度23℃、相対湿度50%の一定環境 に30分間置いた後、温度23℃相対湿度50%の環 で、180°方向に、速度300mm/分でSUS-BA板から き剥がし粘着力を測定した。これを初期粘 力とする。

  [E3]  ペレットハンドリング
120mm×210mmのポリエチレン袋に試料ペレット( レット1個の平均重量;約40mg)60gを入れ、この を三つ折にして袋の開口部をセロハン粘着 ープで閉じる。次いで上記記載の方法で得 れた三つ折りの袋を二段積みし、その上に9 0g/cm 2 の荷重をかけ、24時間保持し、ペレットを袋 ら取り出してペレットのブロッキングの有 を観察し以下の判定を行った。

        ○  ブロッキングなし
        △  くっついているペレットが でほぐせる
        ×  ペレット同士がくっついて でほぐすことが困難
  次に、本発明の実施例及び比較例で用い 原材料である、プロピレン系重合体(A)とポ プロピレン(B)について調製方法、分析方法 びその性状について説明する。
[1]  プロピレン系重合体(A) :
(A-1)プロピレン・ブテン・エチレンランダム 重合体(PBER)
  エチレン含量=9モル%、1-ブテン含量=20モル %、MFR(230℃)=4g/10min、X線回折による結晶化度=1 6%、分子量分布(Mw/Mn)=2.0、ショアA硬度=80、mm =94%、結晶融解熱量  17J/g
(A-2)プロピレン・ブテン・エチレンランダム 重合体(PBER)
  エチレン含量=6モル%、1-ブテン含量=20モル %、MFR(230℃)=4g/10min、X線回折による結晶化度=2 9%、分子量分布(Mw/Mn)=2.0、ショアA硬度=96、mm =94%  結晶融解熱量  37J/g
(A-3)プロピレン・ブテン・エチレンランダム 重合体(PBER)
  エチレン含量=6モル%、1-ブテン含量=24モル %、MFR(230℃)=5g/10min、X線回折による結晶化度=2 7%、分子量分布(Mw/Mn)=2.0、ショアA硬度=94、mm =94%、結晶融解熱量  36J/g
(A-4)プロピレン・ブテン・エチレンランダム 重合体(PBER)
  エチレン含量=9モル%、1-ブテン含量=21モル %、MFR(230℃)=7g/10min、X線回折による結晶化度=1 5%、分子量分布(Mw/Mn)=2.0、ショアA硬度=82、mm =94%、結晶融解熱量16J/g
(A-5)プロピレン・ブテン・エチレンランダム 重合体(PBER)
  エチレン含量=11モル%、1-ブテン含量=20モ %、MFR(230℃)=6g/10min、X線回折による結晶化度= 4%、分子量分布(Mw/Mn)=2.0、ショアA硬度=60、mm =93%、結晶融解熱量  0.5J/g
  なお、本発明で用いた上記プロピレン・ チレン・1-ブテン共重合体は、国際公開2004-0 87775号に記載の方法に準拠し、組成比及び重 条件を調整することによって製造した。具 的には以下の方法によってプロピレン・エ レン・1-ブテン共重合体(A-1)~(A-5)を調製した 。
[合成例1]
―メタロセン化合物の合成―
ジフェニルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチル-シ クロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチル-フル レニル)ジルコニウムジクロリドは、国際公 2004-087775号パンフレットの実施例3c記載の合 成手順にて合成した。
[合成例2]
―プロピレン・エチレン・ブテン共重合体(A- 1)の調製―
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、780ml 乾燥ヘキサン、1-ブテン70gとトリイソブチ アルミニウム(1.0mol)を常温で仕込んだ後、重 合装置内温を55℃に昇温し、プロピレンで系 の圧力を0.7MPaGになるように加圧した後に・ BR>Aエチレンで、系内圧力を0.72MPaGに調整し た。次いで、合成例1で調製したジフェニル チレン(3-tert-ブチル-5-メチル-シクロペンタ エニル)(2,7-ジ-tert-ブチル-フルオレニル)ジル コニウムジクロリド0.001mmolとアルミニウム換 算で0.3mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ ァインケミ社製)を接触させたトルエン溶液 を重合器内に添加し、内温55℃、系内圧力を0 .72MPaGにエチレンで保ちながら30分間重合し、 20mlのメタノールを添加し重合を停止した。 圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリ マーを析出し、真空下130℃、10時間乾燥した 得られたポリマー(A-1)は、40.2gであり、エチ レン含量は9モル%であり、ブテン含量は20モ %であり、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn) は2.0であり、MFR(230℃、2.1kg)が4g/10分であり、 X線回折による結晶化度16%であり、ショアA硬 は80であり、NMRで測定したmm値は94%であった 。同条件で重合を繰り返し合計400gのポリマ (A-1)を得た。
[合成例3]
―プロピレン・エチレン・ブテン共重合体(A- 2)の調製―
エチレンでの系内圧力を0.71MPaGにした以外は 合成例2と同様の方法で重合を行った。得ら れたポリマー(A-2)は、38.9gであり、エチレン 量は4モル%であり、ブテン含量は29モル%であ り、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.0 あり、MFR(230℃、2.1kg)が4g/10分であり、X線回 による結晶化度29%であり、ショアA硬度は96 あり、NMRで測定したmm値は94%であった。同 件で重合を繰り返し合計400gのポリマー(A-2) 得た。
[合成例4]
―プロピレン・エチレン・ブテン共重合体(A- 3)の調製―
1-ブテンの仕込み量を85g、重合時間を23分に た以外は、合成例2と同様の方法で重合を行 た。得られたポリマー(A-3)は、38.8gであり、 エチレン含量は6モル%であり、ブテン含量は2 4モル%であり、GPCにより測定した分子量分布( Mw/Mn)は2.0であり、MFR(230℃、2.1kg)が5g/10分であ り、X線回折による結晶化度27%であり、ショ A硬度は94であり、NMRで測定したmm値は94%であ った。同条件で重合を繰り返し合計400gのポ マー(A-3)を得た。
[合成例5]
―プロピレン・エチレン・ブテン共重合体(A- 4)の調製―
1-ブテンの仕込み量を75g、重合温度を57℃、 合時間を30分にした以外は、合成例2と同様 方法で重合を行った。得られたポリマー(A-4) は、39.5gであり、エチレン含量は9モル%であ 、ブテン含量は21モル%であり、GPCにより測 した分子量分布(Mw/Mn)は2.0であり、MFR(230℃、 2.1kg)が5g/10分であり、X線回折による結晶化度 15%であり、ショアA硬度は82であり、NMRで測定 したmm値は94%であった。同条件で重合を繰り し合計400gのポリマー(A-4)を得た。
[合成例6]
―プロピレン・エチレン・ブテン共重合体(A- 5)の調製―
エチレンでの系内圧力を0.725MPaGにした以外は 、合成例5と同様の方法で重合を行った。得 れたポリマー(A-5)は、41.2gであり、エチレン 量は11モル%であり、ブテン含量は20モル%で り、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.0 であり、MFR(230℃、2.1kg)が6g/10分であり、X線 折による結晶化度4%であり、ショアA硬度は60 であり、NMRで測定したmm値は93%であった。同 件で重合を繰り返し合計400gのポリマー(A-5) 得た。
[2]  ポリプロピレン(B) :
ポリプロピレン(B)としては、Tm=161℃、MFR(230 )=7.0g/10分、mmmm=97%、Mw/Mn=4.3であるアイソタク ティックホモポリプロピレン(hPP)を用いた。 ホモポリプロピレンは公知のチーグラーナ タ触媒によって調製された。

  なお、上記した原材料である、プロピレ 系重合体(A)とポリプロピレン(B)の物性測定 以下の方法で行った。
[R1] コモノマー(エチレン、1-ブテン)含量お び立体規則性(mm、mmmm)
13 C-NMRスペクトルの解析により求めた。
[R2] メルトフローレート(MFR)
ASTM  D-1238に準拠し、190℃または230℃、2.16kg 重におけるMFRを測定した。
[R3] 結晶融解熱量
約5mgのサンプルをDSC測定用のアルミパンに入 れ、これをDSC測定装置にセットして窒素雰囲 気下、220℃で10分融解し、次に10℃/分で室温 で冷却し、DSC測定装置から取り出して10日 23℃で保管した。このサンプル入りアルミパ ンを再びDSC測定装置にセットして、室温から -20℃まで20℃/分で降温し、5分間-20℃に保持 、200℃まで20℃/分で昇温した。この最後の 温の際に得られた吸熱曲線から融解熱を測 した。
[R4] 結晶化度
広角X線回折測定にて結晶化度を算出した。 角X線回折は、下記の方法で測定を行う。測 に供するX線は、(株)リガク製X線回折装置RIN T2500を用いて発生させる。ターゲットとして 対陰極を用い、出力50kV×300mAのポイントフ ーカスで取り出したX線を試料に照射し、回 X線の強度をシンチレーションカウンタで計 測する。2θ走査は5~35°で行ない、試料の広角 X線回折プロファイルを得る。
サンプルは、窒素雰囲気下、220℃で10分融解 、10℃/分で室温まで冷却し10日以上23℃で保 管して作成した。また、同材料の非晶質試料 を以下のようにして用意した。

  すなわち、上記測定しようとするポリマ と同じポリマーを窒素雰囲気下、220℃で10分 融解し、10℃/分で室温まで冷却し8時間23℃で 保管して作成したものを非晶質試料とした。 なお非晶質であることは、DSC測定により、吸 熱ピークがみられないことで確認した。
この際のDSC測定は、室温から-20℃まで20℃/分 で降温し、5分間-20℃に保持後、200℃まで20℃ /分で昇温した。この最後の昇温の際に得ら た吸熱曲線から融解熱を測定した。
この非晶質試料について、同様の測定を行っ て得た非晶質試料のX線回折プロファイル(非 ハロー)を用いて、実試料のX線回折プロフ イルを非晶ハローと結晶ピークとに分離す 。実試料の結晶化度は次の通りに求める。 じめにベースラインを切り離し、全面積に ける結晶ピーク面積総和の比を百分率で求 た。
[R5] 分子量分布(Mw/Mn)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ )を用い、オルトジクロロベンゼン溶媒(移動 相)とし、カラム温度140℃で測定した(ポリス レン換算、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分 量)。具体的には分子量分布(Mw/Mn)は、Waters 製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC- 2000型 を用い、以下のようにして測定した。分離カ ラムは、TSKgel GNH6-HTを2本、およびTSKgel GNH6-H TLを2本であり、カラムサイズはいずれも直径 7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140 ℃と し、移動相にはo-ジクロロベンゼン(和光純薬 工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.0 25重量%を用いて、1.0ml/分で移動させ、試料濃 度は15mg/10mlとし、試料注入量は500マイクロリ ットルとし、検出器として示差屈折計を用い た。標準ポリスチレンは、分子量がMw <1000 、およびMw >4×10 6 については東ソー社製を用いて、1000 ≦Mw≦4 ×10 6 についてはプレッシャーケミカル社製を用い た。
[R6] ショアA硬度
190℃で加熱プレス成形し、室温まで冷却し10 間経過させた2mm厚みのシートサンプルにつ てA型測定器を用い、押針接触後直ちに目盛 りを読み取った(ASTM  D-2240に準拠)。

  〔実施例1~11〕、〔比較例1~2〕
  表1、表2および表3に記載した配合比から る原料を、ラボプラストミル(東洋精機社製) を用いて40rpm、190℃で5分間混練し、フィーダ ールーダーでストランド状に引き取り10℃の 槽で5分間冷却固化後、ペレタイザーでペレ ットを得た。得られたペレットのペレットハ ンドリング性と物性を上記の方法で評価測定 した。
更にそのペレットを、190℃、5MPaの荷重で5分 加熱後、20℃で5分間冷却し、100μm厚の粘着 シートを得た。