SAITO HIDEKI (JP)
CHUGAI PHARMACEUTICAL CO LTD (JP)
SUZUKI HIROSHI (JP)
SAITO HIDEKI (JP)
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エリスロポエチンを有効成分として含有する、移植臓器保護用組成物。 |
エリスロポエチンを有効成分として含有する、移植臓器の生着促進用組成物。 |
エリスロポエチンを有効成分として含有する、移植臓器保存用組成物。 |
上記エリスロポエチンがアシアロ化されたエリスロポエチンである請求項1~3のいずれかに記載の組成物。 |
エリスロポエチンを有効成分として含有する組成物を移植臓器に直接投与する工程を含む、移植臓器を移植時の再灌流障害から保護する方法。 |
エリスロポエチンを有効成分として含有する組成物を移植臓器に直接投与する工程を含む、移植臓器の、被移植対象への生着を促進する方法。 |
移植臓器を移植時の再灌流障害から保護するための医療用組成物を製造するためのエリスロポエチンの使用。 |
移植臓器の、被移植対象への生着を促進するための医療用組成物を製造するためのエリスロポエチンの使用。 |
本発明は、新規な移植臓器保護用組成物 特に移植臓器の生着促進効果を有する組成 に関する。
エリスロポエチン(以下においてEPOと記載 することもある)は、赤血球系前駆細胞の分 、増殖を促進する酸性糖タンパク質ホルモ であり、主として腎臓から産生される。EPO 生体の赤血球の恒常性維持において中心的 役割を担っており、臨床的にはEPOは貧血の 療や術前術後の管理に利用されている。
EPOは、造血因子としての働きの他に、神 系細胞、心筋細胞、腎尿細管上皮細胞など アポトーシス抑制や組織保護の作用をする とが知られている(PNAS 100:4802-4806, 2003他)。 EPOの有するこのような2つの作用は、EPOが2つ 異なるシグナル伝達経路によって作用する めであると考えられている。EPOがEPO受容体 ホモダイマーに作用すると、細胞内のJAK2シ グナル伝達経路を通じて造血作用を及ぼす。 一方、EPOがEPO受容体とcommonβ受容体(βcR)との テロダイマーに作用すると、細胞内のERK1/2 グナル伝達経路を通じて抗アポトーシス作 を及ぼす(PNAS 101:14907-14912, 2004)。
近年、臓器移植手術が行われているが、 器移植手術のために臓器提供者(ドナー)か 摘出された移植用臓器は、血流が途絶し血 を介した酸素の供給がない状態(虚血状態)で 、移植まで数分から数十時間保存される。こ のために、保存温度や保存液などの保存条件 が適切に選択されなかったり、移植までに長 時間を要すると、移植によって移植臓器内の 血流が回復した際(再灌流時)に、移植臓器に 質的あるいは機能的な障害が生じる場合が る。
これまでに移植臓器保護剤として、アミ ベンゼンスルホン酸誘導体(WO 2004/022545)、4- トリフルオロメチルピリミジン誘導体(特開20 05-350363)、プリン誘導体(特開2005-350364)等が知 れている。
しかしながら、EPOによる移植臓器に対する
護効果は知られていない。また、生着促進
果を有する移植臓器保護剤も知られていな
。
本発明は、新規な移植臓器保護用組成物 特に移植臓器の生着促進効果を有する組成 を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を解決するため 鋭意研究した結果、エリスロポエチンが移 臓器保護作用、特に移植臓器の生着促進効 を有することを見出して本発明を完成した
すなわち、本発明は以下のものを提供する
(1)エリスロポエチンを有効成分として含有す
る、移植臓器保護用組成物。
(2)エリスロポエチンを有効成分として含有す
る、移植臓器の生着促進用組成物。
(3)エリスロポエチンを有効成分として含有す
る、移植臓器保存用組成物。
(4)上記エリスロポエチンがアシアロ化された
エリスロポエチンである(1)~(3)のいずれかに
載の組成物。
(5)エリスロポエチンを有効成分として含有す
る組成物を移植臓器に直接投与する工程を含
む、移植臓器を移植時の再灌流障害から保護
する方法。
(6)エリスロポエチンを有効成分として含有す
る組成物を移植臓器に直接投与する工程を含
む、移植臓器の、被移植対象への生着を促進
する方法。
(7)移植臓器を移植時の再灌流障害から保護す
るための医療用組成物を製造するためのエリ
スロポエチンの使用。
(8)移植臓器の、被移植対象への生着を促進す
るための医療用組成物を製造するためのエリ
スロポエチンの使用。
後述する実施例に示すように、本発明の 成物は、移植時の血液再灌流によって生じ 障害から移植臓器を保護し、被移植対象へ 生着の促進効果を示す。本発明の組成物は 移植する臓器に直接EPOを投与することで上 の効果を得ることができる。特にアシアロE POの場合には優れた効果を確認することがで た。
また、移植臓器の保存用組成物としても 用することにより、移植後に、移植臓器の 護、生着の促進が考えられる。
エリスロポエチン
本発明に用いるエリスロポエチンは、どの
うなエリスロポエチンでも用いることがで
るが、好ましくは高度に精製されたエリス
ポエチンであり、より具体的には、哺乳動
EPO、特にヒトEPOと実質的に同じ生物学的活
を有するものである。
本発明で用いるエリスロポエチンは、い なる方法で製造されたものでもよく、例え 、ヒト由来の抽出物から精製して得られた 然のヒトEPO(特公平1-38800号公報、など)や、 るいは遺伝子工学的手法により大腸菌、イ スト菌、チャイニーズハムスター卵巣細胞( CHO細胞)、C127細胞、COS細胞、ミエローマ細胞 BHK細胞、昆虫細胞、などに産生せしめ、種 の方法で抽出し分離精製したヒトEPOなどを いることができる。本発明において用いら るエリスロポエチンは、遺伝子工学的手法 より製造されたEPOが好ましく、哺乳動物細 (特にCHO細胞)を用いて製造されたEPOが好ま い(例えば、特公平1-44317号公報、Kenneth Jacobs et al., Nature, 313 806-810 (1985)、など)。
遺伝子組換え法により得られるエリスロ エチンには、天然由来のEPOとアミノ酸配列 同じであるもの、あるいは該アミノ酸配列 の1または複数のアミノ酸を欠失、置換、付 加等したもので、天然由来のEPOと同様の生物 学的活性を有するもの等であってもよい。ア ミノ酸の欠失、置換、付加などは当業者に公 知の方法により行うことが可能である。例え ば、当業者であれば、部位特異的変異誘発法 (Gotoh, T. et al. (1995) Gene 152, 271-275;Zoller, M .J. and Smith, M. (1983) Methods Enzymol. 100, 468-5 00;Kramer, W. et al. (1984) Nucleic Acids Res. 12, 9441-9456;Kramer, W. and Fritz, H.J. (1987) Methods E nzymol. 154, 350-367;Kunkel, T.A. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 82, 488-492;Kunkel (1988) Methods Enz ymol. 85, 2763-2766)などを用いて、EPOのアミノ に適宜変異を導入することにより、EPOと機 的に同等なポリペプチドを調製することが きる。また、アミノ酸の変異は自然界にお ても生じうる。一般的に、置換されるアミ 酸残基においては、アミノ酸側鎖の性質が 存されている別のアミノ酸に置換されるこ が好ましい。例えばアミノ酸側鎖の性質と ては、疎水性アミノ酸(A、I、L、M、F、P、W、 Y、V)、親水性アミノ酸(R、D、N、C、E、Q、G、H 、K、S、T)、脂肪族側鎖を有するアミノ酸(G、 A、V、L、I、P)、水酸基含有側鎖を有するアミ ノ酸(S、T、Y)、硫黄原子含有側鎖を有するア ノ酸(C、M)、カルボン酸及びアミド含有側鎖 を有するアミノ酸(D、N、E、Q)、塩基含有側鎖 を有するアミノ離(R、K、H)、芳香族含有側鎖 有するアミノ酸(H、F、Y、W)を挙げることが きる(括弧内はいずれもアミノ酸の一文字標 記を表す)。あるアミノ酸配列に対する1又は 数個のアミノ酸残基の欠失、付加及び/又は 他のアミノ酸による置換により修飾されたア ミノ酸配列を有するポリペプチドがその生物 学的活性を維持することはすでに知られてい る(Mark, D.F. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA ( 1984) 81, 5662-5666;Zoller, M.J. & Smith, M. Nucl eic Acids Research (1982) 10, 6487-6500;Wang, A. et al., Science 224, 1431-1433;Dalbadie-McFarland, G. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1982) 79, 6409-6413 )。
又、本発明のエリスロポエチンとして、E POと他のタンパク質との融合タンパク質を用 ることも可能である。融合ポリペプチドを 製するには、例えば、EPOをコードするDNAと のタンパク質をコードするDNAをフレームが 致するように連結してこれを発現ベクター 導入し、宿主で発現させればよい。本発明 エリスロポエチンとの融合に付される他の ンパク質は、特に限定されない。
又、本発明のエリスロポエチンとして、 学修飾したEPOを用いることも可能である。 学修飾したEPOの例として、例えば、ポリエ レングリコール等により化学修飾されたEPO( WO90/12874など)、糖鎖のついていないEPOをポリ チレングリコール等により化学修飾したも 、その他、ビタミンB12等、無機あるいは有 化合物等の化合物を結合させたEPOなどを挙 ることができる。
さらに、本発明のエリスロポエチンとし EPO誘導体を用いることも可能である。EPO誘 体とは、EPO分子中のアミノ酸を修飾したEPO はEPO分子中の糖鎖を修飾したEPOのことをい 。
EPO分子中の糖鎖の修飾としては、糖鎖の 加、置換、欠失などが含まれる。本発明に いて好ましい糖鎖の修飾としては、EPO分子 のシアル酸の欠失を挙げることができる。
通常、組換え動物細胞により生産したEPO 尿由来のEPOのいずれも、糖鎖構造の異なる 様なEPOを含むEPO組成物として得られる。EPO 成物中のEPO分子に付加しているシアル酸の は、個々のEPO分子によって異なるが、通常 1つのEPO分子に11個~15個のシアル酸が付加し いる。これらのシアル酸を除去することに りアシアロ化されたEPO(アシアロEPO)を作製 ることが可能である。アシアロ化の際に除 されるシアル酸の数は特に限定されず、全 のシアル酸を除去してもよいし、1、2、3、4 5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14個のシ ル酸を除去してもよい。本発明において好 しいアシアロEPOは、EPO分子に付加している アル酸の数が10個以下であり、さらに好ま くは5個以下であり、特に好ましくは2個以下 である。なお、本発明において用いられるシ アル酸の数は、EPO組成物に含まれているEPO分 子の平均数を用いる。1分子あたりのシアル の平均は当業者に公知の方法によって測定 ることが可能である(EP0428267公報、など)。
シアル酸が除去されたEPO(アシアロEPO)は当
者に公知の方法で作製することができ、例
ば、シアリダーゼなどの酵素でEPOを処理す
こと等により作製することが可能である。
アリダーゼは市販されているものを用いる
とが可能である。(特表2005-507426号、Nobuo Imai
et al., Eur.J.Biochem, 194, 457-462 (1990)、など)
さらには、本発明のエリスロポエチンは、
鎖改変体EPOであってもよく、これにはEPOのN
末端にシアル酸が付着した糖鎖改変体EPOであ
るNESP(Novel Erythropoietin Stimulating Protein: WO85/0
2610、WO91/05867,WO95/05465等に記載)などの糖鎖の
変されたEPO類似体が挙げられる。
EPO分子中のアミノ酸の修飾としては、カ バミル化、ビオチン化、アミジン化、アセ ル化、グアニジン化、などを挙げることが きる。
修飾されるアミノ酸残基は特に限定されず
例えば、リジン、アルギニン、グルタミン
、トリプトファンなどを挙げることができ
。
組成物
本発明の組成物には、必要に応じて、懸濁
、溶解補助剤、安定化剤、等張化剤、保存
、吸着防止剤、界面活性剤、希釈剤、賦形
、pH調整剤、無痛化剤、緩衝剤、含硫還元
、酸化防止剤等を適宜添加することができ
。
懸濁剤の例としては、メチルセルロース ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセル ース、アラビアゴム、トラガント末、カル キシメチルセルロースナトリウム、ポリオ シエチレンソルビタンモノラウレート等を げることができる。
溶液補助剤としては、ポリオキシエチレ 硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、ニコチ 酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタン ノラウレート、マグロゴール、ヒマシ油脂 酸エチルエステル等を挙げることができる
安定化剤としては、デキストラン40、メ ルセルロース、ゼラチン、亜硫酸ナトリウ 、メタ亜硫酸ナトリウム等を挙げることが きる。
また、安定化剤としてある種のアミノ酸 添加することも可能である(例えば、特開平 10-182481号公報など)。安定化剤として添加さ るアミノ酸には、遊離のアミノ酸、そのナ リウム塩、カリウム塩、塩酸塩などの塩な が含まれる。アミノ酸は1種又は2種以上を組 み合わせて添加することができる。安定化剤 として添加されるアミノ酸は特に限定されな いが、好ましいアミノ酸としては、ロイシン 、トリプトファン、セリン、グルタミン酸、 アルギニン、ヒスチジン、リジンを挙げるこ とができる。
等張化剤としては例えば、D-マンニトー 、ソルビート等を挙げることができる。
保存剤としては例えば、パラオキシ安息 酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、ソ ビン酸、フェノール、クレゾール、クロロ レゾール等を挙げることができる。
吸着防止剤としては例えば、ヒト血清ア ブミン、レシチン、デキストラン、エチレ オキサイド・プロピレンオキサイド共重合 、ヒドロキシプロピルセルロース、メチル ルロース、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ 、ポリエチレングリコール等を挙げること できる。
界面活性剤としては、非イオン界面活性 、例えばソルビタンモノカプリレート、ソ ビタンモノラウレート、ソルビタンモノパ ミテート等のソルビタン脂肪酸エステル;グ リセリンモノカプリレート、グリセリンモノ ミリテート、グリセリンモノステアレート等 のグリセリン脂肪酸エステル;デカグリセリ モノステアレート、デカグリセリルジステ レート、デカグリセリルモノリノレート等 ポリグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシ チレンソルビタンモノラウレート、ポリオ シエチレンソルビタンモノオレエート、ポ オキシエチレンソルビタンモノステアレー 、ポリオキシエチレンソルビタンモノパル テート、ポリオキシエチレンソルビタント オレエート、ポリオキシエチレンソルビタ トリステアレート等のポリオキシエチレン ルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレ ンソルビットテトラステアレート、ポリオキ シエチレンソルビットテトラオレエート等の ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステ ル;ポリオキシエチレングリセリルモノステ レート等のポリオキシエチレングリセリン 肪酸エステル;ポリエチレングリコールジス アレート等のポリエチレングリコール脂肪 エステル;ポリオキシエチレンラウリルエー テル等のポリオキシエチレンアルキルエーテ ル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ グリコール、ポリオキシエチレンポリオキ プロピレンプロピルエーテル、ポリオキシ チレンポリオキシプロピレンセチルエーテ 等のポリオキシエチレンポリオキシプロピ ンアルキルエーテル;ポリオキシエチエレン ニルフェニルエーテル等のポリオキシエチ ンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエ チレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒ マシ油(ポリオキシエチレン水素ヒマシ油)等 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリオキ シエチレンソルビットミツロウ等のポリオキ シエチレンミツロウ誘導体;ポリオキシエチ ンラノリン等のポリオキシエチレンラノリ 誘導体;ポリオキシエチレンステアリン酸ア ド等のポリオキシエチレン脂肪酸アミド等 HLB6~18を有するもの;陰イオン界面活性剤、 えばセチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸 トリウム、オレイル硫酸ナトリウム等の炭 原子数10~18のアルキル基を有するアルキル硫 酸塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナト ウム等の、エチレンオキシドの平均付加モ 数が2~4でアルキル基の炭素原子数が10~18であ るポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸 塩;ラウリルスルホコハク酸エステルナトリ ム等の、アルキル基の炭素原子数が8~18のア キルスルホコハク酸エステル塩;天然系の界 面活性剤、例えばレシチン、グリセロリン脂 質;スフィンゴミエリン等のフィンゴリン脂 ;炭素原子数12~18の脂肪酸のショ糖脂肪酸エ テル等を典型的例として挙げることができ 。本発明の製剤には、これらの界面活性剤 1種または2種以上を組み合わせて添加するこ とができる。好ましい界面活性剤は、ポリソ ルベート20,40,60又は80などのポリオキシエチ ンソルビタン脂肪酸エステルであり、ポリ ルベート20及び80が特に好ましい。また、ポ キサマー(プルロニックF-68(登録商標)など) 代表されるポリオキシエチレンポリオキシ ロピレングリコールも好ましい。
含硫還元剤としては例えば、N-アセチル ステイン、N-アセチルホモシステイン、チオ クト酸、チオジグリコール、チオエタノール アミン、チオグリセロール、チオソルビトー ル、チオグリコール酸及びその塩、チオ硫酸 ナトリウム、グルタチオン、炭素原子数1~7の チオアルカン酸等のスルフヒドリル基を有す るもの等が挙げられる。
酸化防止剤としては例えば、エリソルビ 酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチル ドロキシアニソール、α-トコフェロール、 酸トコフェロール、L-アスコルビン酸及び の塩、L-アスコルビン酸パルミテート、L-ア コルビン酸ステアレート、亜硫酸水素ナト ウム、亜硫酸ナトリウム、没食子酸トリア ル、没食子酸プロピルあるいはエチレンジ ミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)、ピロリン酸 トリウム、メタリン酸ナトリウム等のキレ ト剤が挙げられる。
さらには、塩化ナトリウム、塩化カリウ 、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、リ 酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無 塩;クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム 、酢酸ナトリウムなどの有機塩などの通常添 加される成分を含んでいてもよい。
本発明のエリスロポエチン含有組成物に ける、有効成分の含有量は、移植臓器 の 態や大きさ、患者(移植者、非移植者)の症状 、体重、年齢や性別等を考慮して適宜各有効 成分毎に決定する。通常、10~1000U/kg体重、好 しくは100~600U/kg体重程度である。
本発明のエリスロポエチン含有組成物は 被移植者(レシピエント)に対する移植手術 および/または術前・術後において被移植者 投与することができるが、好ましくは、移 臓器に直接投与することによって本発明の 果を得ることができる。投与は、移植者(ド ナー)から摘出した臓器を移植前に当該組成 に直接接触させることで投与してもよいし 下記実施例に記載のように、スポンジ等に み込ませて投与することもできる。また、 植前の保存液として使用してもよい。保存 の添加物として、例えば、生理食塩水、リ 酸緩衝生理食塩水、クエン酸緩衝液などの 理的に許容される緩衝液や等張化液を用い ことができる。また従来から移植用臓器の 存液として臨床的に用いられているユーロ コリンズ液やUW液などと併用することも可能 である。
実施例1:凍結融解イヌ卵巣の異種移植時にお
るEPOおよびアシアロEPOの投与効果
(1)目的
凍結融解イヌ卵巣をNOD-SCIDマウスの卵巣嚢
に異種移植した場合、イヌ卵巣の生着は高
度に認められるが、移植後の血管再生前に
始卵胞の70%が死滅するという報告があり、
たイヌ同種移植試験におけるイヌ卵巣にお
ても原始卵胞およびその他の卵胞が移植前
卵巣より減少する傾向が観察された。
そこで、EPOおよびアシアロEPOを局所投与し
移植後のイヌ卵巣の原始卵胞減少の抑制効
について検討した。
(2)材料と方法
4ヶ月齢のイヌの卵巣を、凍結融解しNOD-SCID
ウスの卵巣嚢内に移植した。凍結融解操作
Migishimaらの方法(Migishima F et al., Biol Reprod
2003 Mar;68(3):881-7)に準拠して行い、卵巣移植
はIshijimaらの方法(Ishijima T et al., J Reprod De
v. 2006 Apr;52(2):293-9)に従って行った。
(2.1)凍結操作
イヌ卵巣組織を1.0mm-1.5mm角に細切し、室温
の1M DMSOに60秒程度浸漬した後、5μlの1M DMSO
共にクライオチューブ内へいれ、氷上にて5
分冷却した。あらかじめ氷上で冷却しておい
た95μlのDAP213を添加した後、氷上にて5分冷却
し、液体窒素中に浸漬した。
(2.2)融解操作
液体窒素中よりチューブを取り出し、チュ
ブ内の液体窒素を捨て、室温にて60秒放置
た。37℃に加温しておいた900μlの0.25Mスクロ
スを添加し、すばやく緩やかにピペッティ
グし、PBIで5回洗浄した。
また、摘出したイヌ卵巣の一部は移植前卵
として、10%ホルマリンにて固定した。
(2.3)移植方法
マウス(n=9)はネンブタール腹腔内投与で麻
後、背面を切開し卵巣を引き出した。卵巣
部の脂肪から切り込みを入れ、卵巣嚢内の
ウス卵巣を、移植後のイヌ卵巣への血流確
のため、一部を残すように取り除き、そこ(
巣嚢内)へ凍結融解したイヌ卵巣を入れた。
その際、止血用スポンジ(以下スポンゼル)にE
PO(n=3)およびアシアロEPO(n=3)を400U/kg染み込ま
たものを卵巣嚢内に入れた。また、コント
ールとして生理食塩水を使用し、同等量ス
ンゼルに染み込ませ、卵巣嚢内に入れた。
4週間後、卵巣を取り出し、10%ホルマリンに
て固定し、移植前卵巣とともにHE染色に供し
。
(2.4)切片作成と卵胞検索
卵胞の分類はOktayら(Oktay K et al., Biol Repro
d.1995 Aug;53(2):295-301)の分類に準拠し、卵子(卵
母細胞)の実質が確認できるものについて以
の要領で数えた。
原始卵胞(Primordial)は、卵母細胞が部分的あ
いは完全に扁平な前顆粒膜細胞に覆われて
るもの;初期1次卵胞(Early primary)は、前顆粒
細胞の少なくともひとつが円柱状に(巨大に
)なっているもの;1次卵胞(Primary)は、すべての
顆粒膜細胞が大きくなり、1層の顆粒膜細胞
成っているもの;初期2次卵胞(Transitional)は1~2
の円柱状の顆粒膜細胞で覆われているもの;
2次卵胞(Preantral)は、2層以上の顆粒膜細胞で
われており、卵胞腔がない状態のもの;胞状
胞(Antral follicle)は、2層以上の顆粒膜細胞で
覆われており、卵胞腔を伴う状態のもの、と
した。
(2.4.1)移植前卵巣組織
組織をランダムに10個選択し、その10組織に
ついて卵胞を数えた。選択したそれぞれの組
織の一番卵胞が多い直径900μmの円の中、つま
り0.64平方mm視野の卵胞を数えた(計10視野)。
れを移植前卵胞数とした。
(2.4.2)移植卵巣組織
1組織(1ブロック)について段階的に5枚切片
作成した。その際の切片と切片は40μm~50μmの
間隔であった。その1切片のうち、一番卵胞
多い直径900μmの円の中、つまり0.64平方mm視
の卵胞を数えた(計5視野)。
(3)結果
得られた結果を表1および図1に示す。
また、初期一次卵胞については、無処理 の残存率が10.1%であったのに対し、EPO群で 15.2%、アシアロEPO群では157.6%を示した。特に アシアロEPO群においては、原始卵胞の一部が 初期一次卵胞へ成長していることが明確に示 唆されている。さらに、一次卵胞、初期二次 卵胞の残存率においても、特にアシアロEPO群 が無処理群と比較して高い傾向を認めた。
以上の成績より、EPO、特にアシアロEPO投 は移植臓器組織の生着に有効に利用し得る 判断された。