Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
PYRAZOLOPYRIMIDINE COMPOUND
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/081928
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a novel compound having Syk and/or Abl inhibitory activities, which is useful for prevention/treatment of allergic diseases, autoimmune diseases, arthritides and cancers. Specifically disclosed is a pyrazolopyrimidine compound represented by the formula [I] or [III] below, a tautomer thereof, a stereoisomer thereof, a pharmaceutically acceptable salt thereof, or a solvate of any of them.

Inventors:
YAGI MAKOTO (JP)
UMEMIYA HIROKI (JP)
ASANUMA HAJIME (JP)
OKA YUSUKE (JP)
NISHIKAWA RIE (JP)
HAYASHI KEISHI (JP)
OKADA TAKUMI (JP)
SHIMIZU TAKANORI (JP)
SASAKO SHIGETADA (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/075278
Publication Date:
July 10, 2008
Filing Date:
December 28, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
TAISHO PHARMACEUTICAL CO LTD (JP)
NISSAN CHEMICAL IND LTD (JP)
YAGI MAKOTO (JP)
UMEMIYA HIROKI (JP)
ASANUMA HAJIME (JP)
OKA YUSUKE (JP)
NISHIKAWA RIE (JP)
HAYASHI KEISHI (JP)
OKADA TAKUMI (JP)
SHIMIZU TAKANORI (JP)
SASAKO SHIGETADA (JP)
International Classes:
C07D487/04; A61K31/519; A61K31/5377; A61K31/538; A61K31/541; A61K31/55; A61K31/553; A61P19/02; A61P37/06; A61P37/08; A61P43/00; C07D519/00
Domestic Patent References:
WO2005085249A12005-09-15
WO2005080393A12005-09-01
WO2001083485A12001-11-08
WO2003057695A12003-07-17
WO2000075113A12000-12-14
WO2001009134A12001-02-08
WO2006047256A12006-05-04
WO2006093247A12006-09-08
WO2003063794A22003-08-07
WO2005085249A12005-09-15
WO2005028480A22005-03-31
WO2007070872A12007-06-21
Foreign References:
JP2001501216A2001-01-30
JP2006516561A2006-07-06
JP2003506375A2003-02-18
JP2004203748A2004-07-22
JPS4899194A1973-12-15
Other References:
ONCOGENE, vol. 13, no. 12, 19 December 1996 (1996-12-19), pages 2595 - 2605
J. PHARMACOL. EXP. THER., vol. 306, no. 3, September 2003 (2003-09-01), pages 1174 - 1181
J. IMMUNOL., vol. 169, no. 2, 15 July 2002 (2002-07-15), pages 1028 - 1036
PROC. NATL. ACAD. SCI. USA., vol. 101, no. 16, 20 April 2004 (2004-04-20), pages 6158 - 6163
J. PHARMACOL. EXP. THER., vol. 317, no. 2, May 2006 (2006-05-01), pages 571 - 578
J. PHARMACOL. EXP. THER., 31 August 2006 (2006-08-31)
BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY LETTERS, vol. 13, no. 8, 2003, pages 1415
BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY, vol. 13, 2005, pages 4936
ONCOGENE, vol. 26, no. 52, 15 November 2007 (2007-11-15), pages 7313 - 7323
CANCER RES., vol. 66, no. 11, 1 June 2006 (2006-06-01), pages 5648 - 5655
CANCER RES., vol. 67, no. 4, 15 February 2007 (2007-02-15), pages 1580 - 1588
"DESIGN OF PRODRUGS", 1985, ELSEVIER
See also references of EP 2123654A4
Attorney, Agent or Firm:
ASAMURA, Kiyoshi et al. (New Ohtemachi Bldg. 2-1, Ohtemachi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 04, JP)
Download PDF:
Claims:
 式[I]

(式中、
R 1 はC 1-8 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 2-9 ヘテロシクリル基、C 1-9 ヘテロアリール基又はフェニル基(該C 1-8 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 2-9 ヘテロシクリル基、C 1-9 ヘテロアリール基及びフェニル基は置換されていないか、又は下記の置換基群A 1 より選ばれる1から4個の置換基で置換されている。)を示し、
置換基群A 1 は、
ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、カルボキシ基、C 1-6 アルキル基、トリフルオロメチル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基(該C 1-6 アルコキシ基は置換されていないか、又はヒドロキシ基で置換されている。)、スルファニル基、C 1-6 アルキルスルファニル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、C 3-8 シクロアルコキシ基、(C 1-6 アルキル)アミノ基、ジ(C 1-6 アルキル)アミノ基、C 1-6 アルコキシカルボニルアミノ基、ヒドロキシアミノカルボニル基、ウレイド基、カルバモイル基、C 2-9 ヘテロシクリル基(該C 2-9 ヘテロシクリル基は置換されていないか、又はC 1-6 アルキル基、若しくはオキソ基で置換されている。)、C 1-9 ヘテロアリール基、(C 1-6 アシル)アミノ基及びオキソ基からなる群を示し、
R 2 はC 1-6 アルキル基を示し、
nは0、1又は2の整数を表し、
Yは-O-又は-NR 3 -(式中、R 3 は水素原子又はC 1-6 アルキル基を示す。)を示し、
ArはC 1-9 ヘテロアリール基(該C 1-9 ヘテロアリール基は置換されていないか、又はスルファニル基、ヒドロキシ基、C 1-6 アルコキシ基、モルホリニル基、トリフルオルメチル基及びオキソ基からなる群より選ばれる1から3個の置換基で置換されている。)
又はフェニル基(該フェニル基は置換されていないか、又は同一若しくは異なる1から3個のR a で置換されている。)を示し、
R a はヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、スルファニル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は置換されていないか、又はカルボキシ基、若しくは-CONR 4 R 5 (式中、R 4 及びR 5 は、同一又は異なって水素原子及びC 1-6 アルキル基を示す。)で置換されている。)、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基(該C 1-6 アルコキシ基は置換されていないか、又はカルボキシ基、若しくは-CONR 6 R 7 (式中、R 6 及びR 7 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基、C 2-9 ヘテロシクリル基及びC 1-9 ヘテロアリール基を示す。)で置換されている。)、C 1-9 ヘテロアリール基、C 3-8 シクロアルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、フェノキシ基、フェニル基(該フェニル基は置換されていないか、又はカルボキシ基、C 1-6 アルコキシカルボニル基及び-SO 2 NR 14 R 15 (式中R 14 及びR 15 は、同一又は異なって水素原子、又はC 1-6 アルキル基を示す。)からなる群より選ばれる1から3個の置換基で置換されている。)、-NR 8 R 9 、-CONR 8 R 9 、-NR 8 SO 2 R 9 又は-SO 2 NR 8 R 9 (式中、R 8 及びR 9 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アシル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、トルイル基、ナフチル基、C 1-9 ヘテロアリール基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は置換されていないか、又はヒドロキシ基、カルボキシ基及びC 1-6 アルコキシ基からなる群より選ばれる1から3個の置換基で置換されている。)を示すか、
又は、R 8 及びR 9 が隣接する窒素原子上に置換されている場合、隣接する窒素原子と一緒になって式[II]

(式中、Qは-O-、-NR 10 -、-CHR 11 -、-CO-(該-CO-は保護されていないか、又はエチレンケタールで保護されている。)、-S-、-SO-、-SO 2 -を示し、
L 1 及びL 2 は、同一又は異なって、直鎖状C 1-3 アルキレン基(該直鎖状C 1-3 アルキレン基は、置換されていないか、又はC 1-6 アルキル基、及びオキソ基からなる群より選ばれる1から3個の置換基で置換されている。)を示し、
R 10 は水素原子、C 1-6 アシル基、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、フェニルカルボニル基又はフェニルスルホニル基(該フェニルカルボニル基及びフェニルスルホニル基は置換されていないか、又は置換基群Bより選ばれる1から2個の置換基で置換されている。)を示し、
置換基群Bはハロゲン原子、C 1-6 アルキル基、及びC 1-6 アルコキシ基からなる群を示し、
R 11 は水素原子、ヒドロキシ基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は、置換されていないか、又はC 1-6 アルコキシ基、ヒドロキシ基で置換されている。)、C 1-6 アルコキシ基、カルボキシ基、アミノ基、(C 1-6 アルキル)アミノ基、ジ(C 1-6 アルキル)アミノ基、(C 1-6 アシル)アミノ基、フェニルカルボニル基、-CONR 12 R 13 (式中R 12 及びR 13 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アルキル基、又は隣接する窒素原子と一緒になってC 2-9 ヘテロシクリル基を示す。)又は(C 1-6 アルキルスルホニル)アミノ基を示す。)を示す。)を示す。)で表されるピラゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
 R 1 がC 1-8 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又はC 2-9 ヘテロシクリル基(該C 1-8 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基及びC 2-9 ヘテロシクリル基は置換されていないか、又は下記の置換基群Aより選ばれる1から4個の置換基で置換されている。)であり、
置換基群Aは、
ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、カルボキシ基、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基(該C 1-6 アルコキシ基は置換されていないか、又はヒドロキシ基で置換されている。)、C 1-6 アルキルスルファニル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、C 3-8 シクロアルコキシ基、(C 1-6 アルキル)アミノ基、ジ(C 1-6 アルキル)アミノ基、C 1-6 アルコキシカルボニルアミノ基、ヒドロキシアミノカルボニル基、ウレイド基、カルバモイル基、C 2-9 ヘテロシクリル基(該C 2-9 ヘテロシクリル基は置換されていないか、又はC 1-6 アルキル基、若しくはオキソ基で置換されている。)及びC 1-9 ヘテロアリール基からなる群を示し、
R 2 が直鎖状C 1-6 アルキル基であり、
ArがC 1-9 ヘテロアリール基(該C 1-9 ヘテロアリール基は置換されていないか、又はスルファニル基、ヒドロキシ基、C 1-6 アルコキシ基、モルホリニル基、及びトリフルオルメチル基からなる群より選ばれる1から3個の置換基で置換されている。)
又はフェニル基(該フェニル基は置換されていないか、又は同一若しくは異なる1から3個のR a で置換されている。)であり、
R a がヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、スルファニル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は置換されていないか、又はカルボキシ基、若しくは-CONR 4 R 5 (式中、R 4 及びR 5 は、同一又は異なって水素原子及びC 1-6 アルキル基を示す。)で置換されている。)、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基(該C 1-6 アルコキシ基は置換されていないか、又はカルボキシ基、若しくは-CONR 6 R 7 (式中、R 6 及びR 7 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基、C 2-9 ヘテロシクリル基及びC 1-9 ヘテロアリール基を示す。)で置換されている。)、C 1-9 ヘテロアリール基、C 3-8 シクロアルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、フェノキシ基、-NR 8 R 9 、-CONR 8 R 9 、-NR 8 SO 2 R 9 又は-SO 2 NR 8 R 9 (式中、R 8 及びR 9 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アシル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、トルイル基、C 1-9 ヘテロアリール基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は置換されていないか、又はヒドロキシ基、カルボキシ基及びC 1-6 アルコキシ基からなる群より選ばれる1から3個の置換基で置換されている。)を示すか、
又は、R 8 及びR 9 が隣接する窒素原子上に置換されている場合、隣接する窒素原子と一緒になって式[II]

(式中、Qは-O-、-NR 10 -、-CHR 11 -、-CO-(該-CO-は保護されていないか、又はエチレンケタールで保護されている。)、-S-、-SO-、-SO 2 -を示し、
L 1 及びL 2 は、同一又は異なって、直鎖状C 1-3 アルキレン基(該直鎖状C 1-3 アルキレン基は、置換されていないか、又はC 1-6 アルキル基、及びオキソ基からなる群より選ばれる1から3個の置換基で置換されている。)を示し、
R 10 は水素原子、C 1-6 アシル基、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、フェニルカルボニル基又はフェニルスルホニル基(該フェニルカルボニル基及びフェニルスルホニル基は置換されていないか、又は置換基群Bより選ばれる1から2個の置換基で置換されている。)を示し、
置換基群Bはハロゲン原子、C 1-6 アルキル基、及びC 1-6 アルコキシ基からなる群を示し、
R 11 は水素原子、ヒドロキシ基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は、置換されていないか、又はC 1-6 アルコキシ基、ヒドロキシ基で置換されている。)、C 1-6 アルコキシ基、カルボキシ基、アミノ基、(C 1-6 アルキル)アミノ基、ジ(C 1-6 アルキル)アミノ基、(C 1-6 アシル)アミノ基、フェニルカルボニル基、-CONR 12 R 13 (式中R 12 及びR 13 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アルキル基、又は隣接する窒素原子と一緒になってC 2-9 ヘテロシクリル基を示す。)又は(C 1-6 アルキルスルホニル)アミノ基を示す。)を示す。)である請求項1に記載のピラゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
 Arがフェニル基(該フェニル基は置換されていないか、同一又は異なる1から3個のR a で置換されている。)である請求項2に記載のピラゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
 Arがフェニル基(該フェニル基は3、4若しくは5位が同一又は異なる1から3個のR a で置換されている。)である請求項2に記載のピラゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
 YがNHである請求項2-4のいずれか1項に記載のピラゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
 R 1 がC 1-8 アルキル基(該C 1-8 アルキル基は置換されていないか、又はアミノ基、(C 1-6 アルキル)アミノ基、若しくはジ(C 1-6 アルキル)アミノ基で置換されている。)である請求項2-5のいずれか1項に記載のピラゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
 R 1 がC 3-8 シクロアルキル基(該C 3-8 シクロアルキル基は置換されていないか、又はアミノ基で置換されている。)である請求項2-5のいずれか1項に記載のピラゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
 R 1 がC 1-9 ヘテロアリール基又はフェニル基(該C 1-9 ヘテロアリール基及びフェニル基は置換されていないか、又はハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C 1-6 アルキル基、トリフルオロメチル基、C 1-6 アルコキシ基、スルファニル基、カルバモイル基、(C 1-6 アシル)アミノ基及びオキソ基からなる群より選ばれる1から3個の置換基で置換されている。)であり、YがNHである請求項1に記載のピラゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
 式[III]

(式中、
R 1 ’はC 1-8 アルキル基、又はC 3-8 シクロアルキル基(該C 1-8 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基は置換されていないか、又は下記の置換基群A’より選ばれる1から4個の置換基で置換されている。)を示し、
置換基群A’は、
ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、カルボキシ基、C 1-6 アルキル基、トリフルオロメチル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基(該C 1-6 アルコキシ基は置換されていないか、又はヒドロキシ基で置換されている。)、スルファニル基、C 1-6 アルキルスルファニル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、C 3-8 シクロアルコキシ基、(C 1-6 アルキル)アミノ基、ジ(C 1-6 アルキル)アミノ基、C 1-6 アルコキシカルボニルアミノ基、ヒドロキシアミノカルボニル基、ウレイド基、カルバモイル基、C 2-9 ヘテロシクリル基(該C 2-9 ヘテロシクリル基は置換されていないか、又はC 1-6 アルキル基、若しくはオキソ基で置換されている。)、C 1-9 ヘテロアリール基、(C 1-6 アシル)アミノ基及びオキソ基からなる群を示し、
Y’は-O-又は-NR 16 -(式中、R 16 は水素原子又はC 1-6 アルキル基を示す。)を示し、
Ar’はC 1-9 ヘテロアリール基(該C 1-9 ヘテロアリール基は置換されていないか、又はスルファニル基、ヒドロキシ基、C 1-6 アルコキシ基、モルホリニル基、トリフルオルメチル基及びオキソ基からなる群より選ばれる1から3個の置換基で置換されている。)
又はフェニル基(該フェニル基は置換されていないか、又は同一若しくは異なる1から3個のR b で置換されている。)を示し、
R b はヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、スルファニル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は置換されていないか、又はカルボキシ基、若しくは-CONR 17 R 18 (式中、R 17 及びR 18 は、同一又は異なって水素原子及びC 1-6 アルキル基を示す。)で置換されている。)、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基(該C 1-6 アルコキシ基は置換されていないか、又はカルボキシ基、若しくは-CONR 19 R 20 (式中、R 19 及びR 20 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基、C 2-9 ヘテロシクリル基及びC 1-9 ヘテロアリール基を示す。)で置換されている。)、C 1-9 ヘテロアリール基、C 3-8 シクロアルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、フェノキシ基、フェニル基(該フェニル基は置換されていないか、又はカルボキシ基、C 1-6 アルコキシカルボニル基及び-SO 2 NR 21 R 22 (式中R 21 及びR 22 は、同一又は異なって水素原子、又はC 1-6 アルキル基を示す。)から選ばれる置換基で置換されている。)、-NR 23 R 24 、-CONR 23 R 24 、-NR 23 SO 2 R 24 又は-SO 2 NR 23 R 24 (式中、R 23 及びR 24 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アシル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、トルイル基、ナフチル基、C 1-9 ヘテロアリール基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は置換されていないか、又はヒドロキシ基、カルボキシ基及びC 1-6 アルコキシ基からなる群より選ばれる1から3個の置換基で置換されている。)を示すか、
又は、R 23 及びR 24 が隣接する窒素原子上に置換されている場合、隣接する窒素原子と一緒になって式[IV]

(式中、Q’は-O-、-NR 25 -、-CHR 26 -、-CO-(該-CO-は保護されていないか、又はエチレンケタールで保護されている。)、-S-、-SO-、-SO 2 -を示し、
L 1 ’及びL 2 ’は、同一又は異なって、直鎖状C 1-3 アルキレン基(該直鎖状C 1-3 アルキレン基は、置換されていないか、又はC 1-6 アルキル基、及びオキソ基からなる群より選ばれる1から3個の置換基で置換されている。)を示し、
R 25 は水素原子、C 1-6 アシル基、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、フェニルカルボニル基又はフェニルスルホニル基(該フェニルカルボニル基及びフェニルスルホニル基は置換されていないか、又は置換基群B’より選ばれる1から2個の置換基で置換されている。)を示し、
置換基群B’はハロゲン原子、C 1-6 アルキル基、及びC 1-6 アルコキシ基からなる群を示し、
R 26 は水素原子、ヒドロキシ基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は、置換されていないか、又はC 1-6 アルコキシ基、ヒドロキシ基で置換されている。)、C 1-6 アルコキシ基、カルボキシ基、アミノ基、(C 1-6 アルキル)アミノ基、ジ(C 1-6 アルキル)アミノ基、(C 1-6 アシル)アミノ基、フェニルカルボニル基、-CONR 27 R 28 (式中R 27 及びR 28 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アルキル基、又は隣接する窒素原子と一緒になってC 2-9 ヘテロシクリル基を示す。)又は(C 1-6 アルキルスルホニル)アミノ基を示す。)を示す。)を示す。)で表されるピラゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
 R 1 ’がC 1-8 アルキル基(該C 1-8 アルキル基は置換されていないか、又はアミノ基、シアノ基、(C 1-6 アルキル)アミノ基、若しくはジ(C 1-6 アルキル)アミノ基で置換されている。)である請求項9に記載のピラゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
 R 1 ’がC 3-8 シクロアルキル基(該C 3-8 シクロアルキル基は置換されていないか、又はヒドロキシ基、若しくはアミノ基で置換されている。)である請求項9に記載のピラゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
 請求項1-11のいずれか1項に記載のピラゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有するSyk阻害剤。
 請求項1-11のいずれか1項に記載のピラゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有するアレルギー性疾患、自己免疫疾患、関節炎の治療剤又は予防剤。
 請求項1-11のいずれか1項に記載のピラゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有するAbl阻害剤。
 請求項1-11のいずれか1項に記載のピラゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する癌の治療剤又は予防剤。
 
Description:
ピラゾロピリミジン化合物

 本発明は、Syk(Spleen Tyrosine Kinase)及び/又 Abl(Abelson Tyrosine Kinase)阻害活性を有する新 ピラゾロピリミジン化合物およびそれらを 効成分として含有する医薬に関するもので る。

 アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、 管支喘息等に代表されるアレルギー性疾患 おいて中心的な役割を果たす即時型アレル ー反応は、花粉、ダニ、ハウスダスト等の 原とそれに特異的なイムノグロブリンE(IgE) 相互作用より開始されることが知られてい 。

 肥満細胞はその細胞表面上に高親和性IgE 容体(FcεRI)を有し、ヒスタミンや、他の生 活性物質を含む顆粒を細胞質に豊富に含み アレルギー疾患のイニシエーターとなる細 として重要な役割を果たしている。

 抗原の進入によりFcεRI上の抗原特異的IgE 架橋され肥満細胞が活性化される。すると 胞内顆粒の脱顆粒およびアラキドン酸代謝 であるプロスタグランジン、ロイコトリエ 等の脂質メディエーター、セロトニン等の ミカルメディエーター、更に種々のサイト イン類が産生されアレルギー反応が惹起さ る。

 FcεRIはα、β、γの3つのサブユニットから なり、α鎖は細胞表面に露出した分子でIgEと 結合部位である。β鎖は4回膜貫通型の分子 あり、細胞内領域に細胞活性化シグナルを 達するITAM(immunoreceptor tyrosine-based activation  motif)を有している。またγ鎖は一回膜貫通型 2量体を形成しβ鎖同様に細胞内領域にITAMを 有しており、細胞膜への発現と活性化シグナ ル伝達に必須の分子である。

 SykはT細胞受容体における情報伝達におい て重要な非レセプター型タンパクチロシンキ ナーゼであり、ZAP-70とともに、Sykファミリー と呼ばれるサブファミリーに分類される分子 である。

 恒常的にはSykはFcεRIと会合していないが FcεRIの凝集によりγ鎖の細胞内チロシン残 がSrcファミリーのキナーゼであるLynにより ン酸化を受けると、自己のSH2ドメインを介 て強固に結合する。この結合によりSykは自 リン酸化およびLynによるリン酸化を受け、 量化することにより、活性化することがわ っている。

 Sykの活性化によって脱顆粒、脂質メディ ーターの遊離、サイトカイン産生、活性酸 等が生ずる。Sykノックアウトマウスの検討 結果、肥満細胞でのIgE依存的な脱顆粒抑制 サイトカイン産生抑制、並びに好中球での 性酸素産生抑制が観察されている(非特許文 献1)。Ovalbumin感作喘息モデルでは、Syk特異的 阻害剤(非特許文献2)、及びSykアンチセンス リゴデオキシヌクレオチド(非特許文献3)に って上記抑制効果が報告されている。

 一方、Sykのノックアウトマウスより得ら た骨髄細胞は、破骨細胞への分化が抑制さ るとの報告がある(非特許文献4)。また、Syk イムノグロブリンG受容体(FcγR)のシグナル 達への関与も示唆されており、ヒト関節リ マチ患者では滑膜組織において、Sykの発現 健常者および変形性関節炎患者と比較して 意に上昇していることが報告されている(非 許文献5)。更に、マウス抗コラーゲン抗体 節炎モデルにおいてSyk阻害剤が足浮腫およ 関節破壊抑制作用を示している(非特許文献6 )。

 従って、Syk阻害剤は、アレルギー性疾患 自己免疫疾患および関節炎などの疾病の治 または予防に有効であることが考えられる

 従来、Syk阻害剤として、ある種のイミダ ピリミジン化合物(特許文献1)、ナフチリジ 化合物(特許文献2、非特許文献7)、ヘテロ環 カルボキサミド化合物(特許文献3、非特許文 8)プリン化合物(特許文献4)、イミダゾピリ ジン化合物(特許文献5)、トリアゾール化合 (特許文献6)、アミノピリジン化合物(特許文 7)、アミノピリジン化合物(特許文献8)が報 されているが、本発明の化合物がSyk阻害作 を有することは知られていない。

 また、AblはPDGF(Platelet-Derived Growth Factor) EGF(Epidermal Growth Factor)などの増殖因子によ 活性化することが知られている。PDGFによるA blの活性化は、Src(Sarcoma Virus Tyrosine Kinase)の 活性化を介して行われており、SrcはAblの活性 化に必要なY412とY245のリン酸化を直接行う。S rcと同様にPDGF刺激により活性化したPLCγ1(Phosp holipase C gamma1)経路においてもAblの活性化を して刺激が入っていることが知られてきた PDGF誘導の細胞増殖、PDGF誘導の細胞膜の波 ち変形(membrane ruffling)、PLCγ1誘導の細胞遊走 にAblの活性化が重要であることが示されてい る。

 これらAblの上流の増殖因子受容体、Src、P LCγ1は乳癌のような固形癌で頻繁に生理的な 性制御を逸脱しており、これらの活性化が 瘍の浸潤能力を上げたり、腫瘍治療の有効 低下に関係している。Ablは細胞骨格の再構 と細胞浸潤に関わっているので、恒常的に 性化している増殖因子受容体及び活性化し Srcを有している固形癌で、癌細胞の増殖、 潤能を高めている可能性がある(非特許文献 9)。

 乳癌細胞の浸潤をc-abl(cellular oncogene-abl) si-RNA及びAbl阻害作用を有するST-1571により抑 できること、またSrcによる細胞の形質転換 おいて、Ablが必要であることが最近示され (非特許文献10)。また、Src/Abl阻害物質が担 モデルマウスで癌細胞体積の増加抑制した とも示され(非特許文献11)、Ablが乳癌等Srcの 性化が関与している癌において薬剤開発の 要な標的の一つと考えられている。

国際公開第01/83485号パンフレット

国際公開第03/57695号パンフレット

国際公開第00/75113号パンフレット

国際公開第01/09134号パンフレット

特開2004-203748号公報

国際公開第06/047256号パンフレット

国際公開第06/093247号パンフレット

国際公開第03/063794号パンフレット Oncogene 1996 Dec 19;13(12),p.2595-2605. J.Pharmacol.Exp.Ther.2003 Sep;306(3),p.1174-1181. J.Immunol.2002 Jul 15;169(2),p.1028-1036. Proc.Natl.Acad.Sci.USA.2004 Apr 20;101(16),p.6158-61 63. J.Pharmacol.Exp.Ther.2006 May;317(2),p.571-578. J.Pharmacol.Exp.Ther.2006 Aug 31;[Epub ahead of p rint] Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters(2003) ,13(8),p.1415 Bioorganic & Medicinal Chemistry 13(2005),p.49 36 Oncogene 2007 Nov 15;26(52),p.7313-7323. Cancer Res.2006 Jun 1;66(11),p.5648-5655. Cancer Res.2007 Feb 15;67(4),p.1580-1588.

 また、置換ピラゾロピリミジン化合物が 国際公開第05/085249号パンフレット及び、国 公開第05/028480号パンフレットに開示されて るが、これら化合物のSyk及びAbl阻害作用に いては、記載も示唆もされていない。なお 国際公開第07/070872号パンフレットにはSyk阻 活性を有する化合物群が記載されているが その中で置換ピラゾロピリミジン化合物は1 化合物しか記載されておらず、その化合物が Syk阻害活性を有することは記載されていない 。

 本発明の課題は、Syk及び/又はAbl阻害作用 を有し医薬品として有用な化合物を提供する ことにある。

 本発明者らは、Syk及び/又はAbl阻害作用を有 する化合物を見出すべく鋭意研究を進めた結 果、下記式[I]で表されるピラゾロピリミジン 化合物又はその薬学的に許容される塩がこの 目的を達成することを見出し、本発明を完結 した。
以下、本発明を説明する。
(1) 式[I]


(式中、
R 1 はC 1-8 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 2-9 ヘテロシクリル基、C 1-9 ヘテロアリール基又はフェニル基(該C 1-8 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 2-9 ヘテロシクリル基、C 1-9 ヘテロアリール基及びフェニル基は置換され ていないか、又は下記の置換基群A 1 より選ばれる1から4個の置換基で置換されて る。)を示し、
置換基群A 1 は、
ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シ アノ基、カルボキシ基、C 1-6 アルキル基、トリフルオロメチル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基(該C 1-6 アルコキシ基は置換されていないか、又はヒ ドロキシ基で置換されている。)、スルファ ル基、C 1-6 アルキルスルファニル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、C 3-8 シクロアルコキシ基、(C 1-6 アルキル)アミノ基、ジ(C 1-6 アルキル)アミノ基、C 1-6 アルコキシカルボニルアミノ基、ヒドロキシ アミノカルボニル基、ウレイド基、カルバモ イル基、C 2-9 ヘテロシクリル基(該C 2-9 ヘテロシクリル基は置換されていないか、又 はC 1-6 アルキル基、若しくはオキソ基で置換されて いる。)、C 1-9 ヘテロアリール基、(C 1-6 アシル)アミノ基及びオキソ基からなる群を し、
R 2 はC 1-6 アルキル基を示し、
nは0、1又は2の整数を表し、
Yは-O-又は-NR 3 -(式中、R 3 は水素原子又はC 1-6 アルキル基を示す。)を示し、
ArはC 1-9 ヘテロアリール基(該C 1-9 ヘテロアリール基は置換されていないか、又 はスルファニル基、ヒドロキシ基、C 1-6 アルコキシ基、モルホリニル基、トリフルオ ルメチル基及びオキソ基からなる群より選ば れる1から3個の置換基で置換されている。)
又はフェニル基(該フェニル基は置換されて ないか、又は同一若しくは異なる1から3個の R a で置換されている。)を示し、
R a はヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、 スルファニル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は置換されていないか、又はカル ボキシ基、若しくは-CONR 4 R 5 (式中、R 4 及びR 5 は、同一又は異なって水素原子及びC 1-6 アルキル基を示す。)で置換されている。)、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基(該C 1-6 アルコキシ基は置換されていないか、又はカ ルボキシ基、若しくは-CONR 6 R 7 (式中、R 6 及びR 7 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基、C 2-9 ヘテロシクリル基及びC 1-9 ヘテロアリール基を示す。)で置換されてい 。)、C 1-9 ヘテロアリール基、C 3-8 シクロアルコキシ基、ハロゲン原子、トリフ ルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、 フェノキシ基、フェニル基(該フェニル基は 換されていないか、又はカルボキシ基、C 1-6 アルコキシカルボニル基及び-SO 2 NR 14 R 15 (式中R 14 及びR 15 は、同一又は異なって水素原子、又はC 1-6 アルキル基を示す。)からなる群より選ばれ 1から3個の置換基で置換されている。)、-NR 8 R 9 、-CONR 8 R 9 、-NR 8 SO 2 R 9 又は-SO 2 NR 8 R 9 (式中、R 8 及びR 9 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アシル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、トルイル基、ナフ チル基、C 1-9 ヘテロアリール基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は置換されていないか、又はヒド ロキシ基、カルボキシ基及びC 1-6 アルコキシ基からなる群より選ばれる1から3 の置換基で置換されている。)を示すか、
又は、R 8 及びR 9 が隣接する窒素原子上に置換されている場合 、隣接する窒素原子と一緒になって式[II]


(式中、Qは-O-、-NR 10 -、-CHR 11 -、-CO-(該-CO-は保護されていないか、又はエ レンケタールで保護されている。)、-S-、-SO- 、-SO 2 -を示し、
L 1 及びL 2 は、同一又は異なって、直鎖状C 1-3 アルキレン基(該直鎖状C 1-3 アルキレン基は、置換されていないか、又は C 1-6 アルキル基、及びオキソ基からなる群より選 ばれる1から3個の置換基で置換されている。) を示し、
R 10 は水素原子、C 1-6 アシル基、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルスルホニル基、トリフルオロメチル スルホニル基、フェニルカルボニル基又はフ ェニルスルホニル基(該フェニルカルボニル 及びフェニルスルホニル基は置換されてい いか、又は置換基群Bより選ばれる1から2個 置換基で置換されている。)を示し、
置換基群Bはハロゲン原子、C 1-6 アルキル基、及びC 1-6 アルコキシ基からなる群を示し、
R 11 は水素原子、ヒドロキシ基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は、置換されていないか、又はC 1-6 アルコキシ基、ヒドロキシ基で置換されてい る。)、C 1-6 アルコキシ基、カルボキシ基、アミノ基、(C 1-6 アルキル)アミノ基、ジ(C 1-6 アルキル)アミノ基、(C 1-6 アシル)アミノ基、フェニルカルボニル基、-C ONR 12 R 13 (式中R 12 及びR 13 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アルキル基、又は隣接する窒素原子と一緒に なってC 2-9 ヘテロシクリル基を示す。)又は(C 1-6 アルキルスルホニル)アミノ基を示す。)を示 。)を示す。)で表されるピラゾロピリミジ 化合物、該化合物の互変異性体、立体異性 、若しくはその薬学的に許容される塩又は れらの溶媒和物。

(2) R 1 がC 1-8 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又はC 2-9 ヘテロシクリル基(該C 1-8 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基及びC 2-9 ヘテロシクリル基は置換されていないか、又 は下記の置換基群Aより選ばれる1から4個の置 換基で置換されている。)であり、
置換基群Aは、
ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シ アノ基、カルボキシ基、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基(該C 1-6 アルコキシ基は置換されていないか、又はヒ ドロキシ基で置換されている。)、C 1-6 アルキルスルファニル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、C 3-8 シクロアルコキシ基、(C 1-6 アルキル)アミノ基、ジ(C 1-6 アルキル)アミノ基、C 1-6 アルコキシカルボニルアミノ基、ヒドロキシ アミノカルボニル基、ウレイド基、カルバモ イル基、C 2-9 ヘテロシクリル基(該C 2-9 ヘテロシクリル基は置換されていないか、又 はC 1-6 アルキル基、若しくはオキソ基で置換されて いる。)及びC 1-9 ヘテロアリール基からなる群を示し、
R 2 が直鎖状C 1-6 アルキル基であり、
ArがC 1-9 ヘテロアリール基(該C 1-9 ヘテロアリール基は置換されていないか、又 はスルファニル基、ヒドロキシ基、C 1-6 アルコキシ基、モルホリニル基、及びトリフ ルオルメチル基からなる群より選ばれる1か 3個の置換基で置換されている。)
又はフェニル基(該フェニル基は置換されて ないか、又は同一若しくは異なる1から3個の R a で置換されている。)であり、
R a がヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、 スルファニル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は置換されていないか、又はカル ボキシ基、若しくは-CONR 4 R 5 (式中、R 4 及びR 5 は、同一又は異なって水素原子及びC 1-6 アルキル基を示す。)で置換されている。)、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基(該C 1-6 アルコキシ基は置換されていないか、又はカ ルボキシ基、若しくは-CONR 6 R 7 (式中、R 6 及びR 7 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基、C 2-9 ヘテロシクリル基及びC 1-9 ヘテロアリール基を示す。)で置換されてい 。)、C 1-9 ヘテロアリール基、C 3-8 シクロアルコキシ基、ハロゲン原子、トリフ ルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、 フェノキシ基、-NR 8 R 9 、-CONR 8 R 9 、-NR 8 SO 2 R 9 又は-SO 2 NR 8 R 9 (式中、R 8 及びR 9 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アシル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、トルイル基、C 1-9 ヘテロアリール基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は置換されていないか、又はヒド ロキシ基、カルボキシ基及びC 1-6 アルコキシ基からなる群より選ばれる1から3 の置換基で置換されている。)を示すか、
又は、R 8 及びR 9 が隣接する窒素原子上に置換されている場合 、隣接する窒素原子と一緒になって式[II]


(式中、Qは-O-、-NR 10 -、-CHR 11 -、-CO-(該-CO-は保護されていないか、又はエ レンケタールで保護されている。)、-S-、-SO- 、-SO 2 -を示し、
L 1 及びL 2 は、同一又は異なって、直鎖状C 1-3 アルキレン基(該直鎖状C 1-3 アルキレン基は、置換されていないか、又は C 1-6 アルキル基、及びオキソ基からなる群より選 ばれる1から3個の置換基で置換されている。) を示し、
R 10 は水素原子、C 1-6 アシル基、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルスルホニル基、トリフルオロメチル スルホニル基、フェニルカルボニル基又はフ ェニルスルホニル基(該フェニルカルボニル 及びフェニルスルホニル基は置換されてい いか、又は置換基群Bより選ばれる1から2個 置換基で置換されている。)を示し、
置換基群Bはハロゲン原子、C 1-6 アルキル基、及びC 1-6 アルコキシ基からなる群を示し、
R 11 は水素原子、ヒドロキシ基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は、置換されていないか、又はC 1-6 アルコキシ基、ヒドロキシ基で置換されてい る。)、C 1-6 アルコキシ基、カルボキシ基、アミノ基、(C 1-6 アルキル)アミノ基、ジ(C 1-6 アルキル)アミノ基、(C 1-6 アシル)アミノ基、フェニルカルボニル基、-C ONR 12 R 13 (式中R 12 及びR 13 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アルキル基、又は隣接する窒素原子と一緒に なってC 2-9 ヘテロシクリル基を示す。)又は(C 1-6 アルキルスルホニル)アミノ基を示す。)を示 。)である上記(1)に記載のピラゾロピリミジ ン化合物、該化合物の互変異性体、立体異性 体、若しくはその薬学的に許容される塩又は それらの溶媒和物。

(3) Arがフェニル基(該フェニル基は置換され いないか、同一又は異なる1から3個のR a で置換されている。)である上記(2)に記載の ラゾロピリミジン化合物、該化合物の互変 性体、立体異性体、若しくはその薬学的に 容される塩又はそれらの溶媒和物。

(4) Arがフェニル基(該フェニル基は3、4若し は5位が同一又は異なる1から3個のR a で置換されている。)である上記(2)に記載の ラゾロピリミジン化合物、該化合物の互変 性体、立体異性体、若しくはその薬学的に 容される塩又はそれらの溶媒和物。

(5) YがNHである上記(2)-(4)のいずれか1項に 載のピラゾロピリミジン化合物、該化合物 互変異性体、立体異性体、若しくはその薬 的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。

(6) R 1 がC 1-8 アルキル基(該C 1-8 アルキル基は置換されていないか、又はアミ ノ基、(C 1-6 アルキル)アミノ基、若しくはジ(C 1-6 アルキル)アミノ基で置換されている。)であ 上記(2)-(5)のいずれか1項に記載のピラゾロ リミジン化合物、該化合物の互変異性体、 体異性体、若しくはその薬学的に許容され 塩又はそれらの溶媒和物。

(7) R 1 がC 3-8 シクロアルキル基(該C 3-8 シクロアルキル基は置換されていないか、又 はアミノ基で置換されている。)である上記(2 )-(5)のいずれか1項に記載のピラゾロピリミジ ン化合物、該化合物の互変異性体、立体異性 体、若しくはその薬学的に許容される塩又は それらの溶媒和物。

(8) R 1 がC 1-9 ヘテロアリール基又はフェニル基(該C 1-9 ヘテロアリール基及びフェニル基は置換され ていないか、又はハロゲン原子、ヒドロキシ 基、シアノ基、C 1-6 アルキル基、トリフルオロメチル基、C 1-6 アルコキシ基、スルファニル基、カルバモイ ル基、(C 1-6 アシル)アミノ基及びオキソ基からなる群よ 選ばれる1から3個の置換基で置換されている 。)であり、YがNHである上記(1)に記載のピラ ロピリミジン化合物、該化合物の互変異性 、立体異性体、若しくはその薬学的に許容 れる塩又はそれらの溶媒和物。

(9) 式[III]


(式中、
R 1 ’はC 1-8 アルキル基、又はC 3-8 シクロアルキル基(該C 1-8 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基は置換されていないか、又 は下記の置換基群A’より選ばれる1から4個の 置換基で置換されている。)を示し、
置換基群A’は、
ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シ アノ基、カルボキシ基、C 1-6 アルキル基、トリフルオロメチル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基(該C 1-6 アルコキシ基は置換されていないか、又はヒ ドロキシ基で置換されている。)、スルファ ル基、C 1-6 アルキルスルファニル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、C 3-8 シクロアルコキシ基、(C 1-6 アルキル)アミノ基、ジ(C 1-6 アルキル)アミノ基、C 1-6 アルコキシカルボニルアミノ基、ヒドロキシ アミノカルボニル基、ウレイド基、カルバモ イル基、C 2-9 ヘテロシクリル基(該C 2-9 ヘテロシクリル基は置換されていないか、又 はC 1-6 アルキル基、若しくはオキソ基で置換されて いる。)、C 1-9 ヘテロアリール基、(C 1-6 アシル)アミノ基及びオキソ基からなる群を し、
Y’は-O-又は-NR 16 -(式中、R 16 は水素原子又はC 1-6 アルキル基を示す。)を示し、
Ar’はC 1-9 ヘテロアリール基(該C 1-9 ヘテロアリール基は置換されていないか、又 はスルファニル基、ヒドロキシ基、C 1-6 アルコキシ基、モルホリニル基、トリフルオ ルメチル基及びオキソ基からなる群より選ば れる1から3個の置換基で置換されている。)
又はフェニル基(該フェニル基は置換されて ないか、又は同一若しくは異なる1から3個の R b で置換されている。)を示し、
R b はヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、 スルファニル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は置換されていないか、又はカル ボキシ基、若しくは-CONR 17 R 18 (式中、R 17 及びR 18 は、同一又は異なって水素原子及びC 1-6 アルキル基を示す。)で置換されている。)、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基(該C 1-6 アルコキシ基は置換されていないか、又はカ ルボキシ基、若しくは-CONR 19 R 20 (式中、R 19 及びR 20 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-6 アルコキシ基、C 2-9 ヘテロシクリル基及びC 1-9 ヘテロアリール基を示す。)で置換されてい 。)、C 1-9 ヘテロアリール基、C 3-8 シクロアルコキシ基、ハロゲン原子、トリフ ルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、 フェノキシ基、フェニル基(該フェニル基は 換されていないか、又はカルボキシ基、C 1-6 アルコキシカルボニル基及び-SO 2 NR 21 R 22 (式中R 21 及びR 22 は、同一又は異なって水素原子、又はC 1-6 アルキル基を示す。)から選ばれる置換基で 換されている。)、-NR 23 R 24 、-CONR 23 R 24 、-NR 23 SO 2 R 24 又は-SO 2 NR 23 R 24 (式中、R 23 及びR 24 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アシル基、C 1-6 アルコキシカルボニル基、トルイル基、ナフ チル基、C 1-9 ヘテロアリール基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は置換されていないか、又はヒド ロキシ基、カルボキシ基及びC 1-6 アルコキシ基からなる群より選ばれる1から3 の置換基で置換されている。)を示すか、
又は、R 23 及びR 24 が隣接する窒素原子上に置換されている場合 、隣接する窒素原子と一緒になって式[IV]


(式中、Q’は-O-、-NR 25 -、-CHR 26 -、-CO-(該-CO-は保護されていないか、又はエ レンケタールで保護されている。)、-S-、-SO- 、-SO 2 -を示し、
L 1 ’及びL 2 ’は、同一又は異なって、直鎖状C 1-3 アルキレン基(該直鎖状C 1-3 アルキレン基は、置換されていないか、又は C 1-6 アルキル基、及びオキソ基からなる群より選 ばれる1から3個の置換基で置換されている。) を示し、
R 25 は水素原子、C 1-6 アシル基、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルスルホニル基、トリフルオロメチル スルホニル基、フェニルカルボニル基又はフ ェニルスルホニル基(該フェニルカルボニル 及びフェニルスルホニル基は置換されてい いか、又は置換基群B’より選ばれる1から2 の置換基で置換されている。)を示し、
置換基群B’はハロゲン原子、C 1-6 アルキル基、及びC 1-6 アルコキシ基からなる群を示し、
R 26 は水素原子、ヒドロキシ基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は、置換されていないか、又はC 1-6 アルコキシ基、ヒドロキシ基で置換されてい る。)、C 1-6 アルコキシ基、カルボキシ基、アミノ基、(C 1-6 アルキル)アミノ基、ジ(C 1-6 アルキル)アミノ基、(C 1-6 アシル)アミノ基、フェニルカルボニル基、-C ONR 27 R 28 (式中R 27 及びR 28 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アルキル基、又は隣接する窒素原子と一緒に なってC 2-9 ヘテロシクリル基を示す。)又は(C 1-6 アルキルスルホニル)アミノ基を示す。)を示 。)を示す。)で表されるピラゾロピリミジ 化合物、該化合物の互変異性体、立体異性 、若しくはその薬学的に許容される塩又は れらの溶媒和物。

(10) R 1 ’がC 1-8 アルキル基(該C 1-8 アルキル基は置換されていないか、又はアミ ノ基、シアノ基、(C 1-6 アルキル)アミノ基、若しくはジ(C 1-6 アルキル)アミノ基で置換されている。)であ 上記(9)に記載のピラゾロピリミジン化合物 該化合物の互変異性体、立体異性体、若し はその薬学的に許容される塩又はそれらの 媒和物。

(11) R 1 ’がC 3-8 シクロアルキル基(該C 3-8 シクロアルキル基は置換されていないか、又 はヒドロキシ基、若しくはアミノ基で置換さ れている。)である上記(9)に記載のピラゾロ リミジン化合物、該化合物の互変異性体、 体異性体、若しくはその薬学的に許容され 塩又はそれらの溶媒和物。

(12) 上記(1)-(11)のいずれか1項に記載のピラ ゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性 体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容 される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分と して含有するSyk阻害剤。

(13) 上記(1)-(11)のいずれか1項に記載のピラ ゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性 体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容 される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分と して含有するアレルギー性疾患、自己免疫疾 患、関節炎の治療剤又は予防剤。

(14) 上記(1)-(11)のいずれか1項に記載のピラ ゾロピリミジン化合物、該化合物の互変異性 体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容 される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分と して含有するAbl阻害剤。

(15) 上記(1)-(11)のいずれか1項に記載のピラゾ ロピリミジン化合物、該化合物の互変異性体 、立体異性体、若しくはその薬学的に許容さ れる塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とし て含有する癌の治療剤又は予防剤。
である。

 本発明の化合物はSyk及び/又はAbl阻害作用 を有し、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、 関節炎又は癌などの疾病の治療または予防に 有効であることが考えられる。

以下に、更に詳細に本発明を説明する。
まず、本明細書で用いられる語句について説 明する。

 本発明において、「n」はノルマルを、「 i」はイソを、「s」はセカンダリーを、「t」 はターシャリーを、「c」はシクロを、「o」 オルトを、「m」はメタを、「p」はパラを 味する。

 「C 1-8 アルキル基」とは、炭素原子を1から8個有す 直鎖状又は炭素原子を3から8個有する分岐 のアルキル基を意味し、例えばメチル基、 チル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペン ル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オク ル基、i-プロピル基、i-ブチル基、t-ブチル 、s-ブチル基、i-ペンチル基,ネオペンチル基 、t-ペンチル基をあげることができる。

 「C 3-8 シクロアルキル基」とは、炭素原子を3から8 有するシクロアルキル基を意味し、例えばc -プロピル基、c-ブチル基、c-ペンチル基、c- キシル基、c-ヘプチル基、c-オクチル基をあ ることができる。

 「C 1-6 アルコキシ基」とは、炭素原子を1から6個有 る直鎖状又は炭素原子を3から6個有する分 状のアルコキシ基を意味し、例えばメトキ 基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポ シ基、n-ブトキシ基、i-ブトキシ基、s-ブト シ基、t-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、 i-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、 あげることができる。

 「C 1-6 アルキルスルファニル基」とは、炭素原子を 1から6個有するアルキルスルファニル基を意 し、直鎖、分岐及びC 3-6 シクロアルキルスルファニル基を含んでいて もよく、例えばメチルスルファニル基、エチ ルスルファニル基、n-プロピルスルファニル 、i-プロピルスルファニル基、n-ブチルスル ファニル基、i-ブチルスルファニル基、t-ブ ルスルファニル基、n-ペンチルスルファニル 基、i-ペンチルスルファニル基、c-ペンチル ルファニル基、n-ヘキシルスルファニル基、 c-ヘキシルスルファニル基をあげることがで る。

 「C 1-6 アルコキシカルボニル基」とは、炭素原子を 1から6個有するC 1-6 アルコキシカルボニル基を意味し、直鎖、分 岐及びC 3-6 シクロアルコキシカルボニル基を含んでいて もよく、例えばメトキシカルボニル基、エト キシカルボニル基、i-プロポキシカルボニル 、c-ペンチルオキシカルボニル基をあげる とができる。

 「C 3-8 シクロアルコキシ基」とは、炭素原子を3か 8個有する環状のアルコキシ基を意味し、例 ばc-プロポキシ基、c-ブトキシ基、c-ペンチ オキシ基、c-ヘキシルオキシ基、c-ヘプチル オキシ基、c-オクチルオキシ基をあげること できる。

 「ハロゲン原子」とはフッ素原子、塩素 子、臭素原子またはヨウ素原子である。

 「(C 1-6 アルキル)アミノ基」とは、1個のC 1-6 アルキル基を置換基として有するアミノ基を 意味し、直鎖、分岐及び(C 3-6 シクロアルキル)アミノ基を含んでもよく、 えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プ ロピルアミノ基、i-プロピルアミノ基、c-プ ピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、i-ブチル ミノ基、s-ブチルアミノ基、t-ブチルアミノ 基、c-ブチルアミノ基をあげることができる

 「ジ(C 1-6 アルキル)アミノ基」とは、同一又は異なる2 のC 1-6 アルキル基を置換基として有するアミノ基を 意味し、直鎖、分岐及びジ(C 3-6 シクロアルキル)アミノ基を含んでもよく、 えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基 ジ-n-プロピルアミノ基、ジ-i-プロピルアミ 基、ジ-i-ブチルアミノ基、ジ-s-ブチルアミ 基、ジ-t-ブチルアミノ基、(メチル、エチル) アミノ基、(メチル、n-プロピル)アミノ基を げることができる。

 「C 1-6 アルコキシカルボニルアミノ基」とはC 1-6 アルコキシカルボニル基を有するアミノ基を 意味し、直鎖、分岐及びC 3-6 シクロアルコキシカルボニルアミノ基を含ん でもよく、例えばメトキシカルボニルアミノ 基、エトキシカルボニルアミノ基、n-プロポ シカルボニルアミノ基、i-プロポキシカル ニルアミノ基、c-プロポキシカルボニルアミ ノ基をあげることができる。

 「C 2-9 ヘテロシクリル基」とは酸素原子、硫黄原子 及び窒素原子からなる群から選ばれる1つ以 の原子と2から9個の炭素原子からなる飽和の 単環及び縮環二環性の脂肪族複素環基を意味 し、例えばテトラヒドロフラニル基、ピロリ ジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリニル 基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホ リニル基などをあげることができる。

 「C 1-9 ヘテロアリール基」とは酸素原子、硫黄原子 及び窒素原子からなる群から選ばれる1つ以 の原子と1から9個の炭素原子からなる単環式 芳香族複素環基、多環式芳香族複素環基又は 芳香環を構造内に含む多環式複素環基を意味 し、例えば、単環式芳香族複素環基としては 、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリ ル基、オキサゾリル基、フリル基、チエニル 基、ピロリル基、ピリジル基、ピリミジニル 基、ピラジニル基を、多環式芳香族複素環基 としては、インドリル基、キノリル基、ベン ゾイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イ ンダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基を、芳 香環を構造内に含む多環式複素環基としては ベンゾオキサジニル基、ピリドオキサジニル 基などをあげることができる。

 「直鎖状C 1-6 アルキル基」とは炭素原子を1から6個有する 鎖状のアルキル基を意味し、例えばメチル 、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n- ンチル基、n-ヘキシル基をあげることがで る。

 「C 1-6 アルキル基」とは炭素原子を1から6個有する 鎖状又は炭素原子を3から6個有する分岐状 アルキル基を意味し、例えばメチル基、エ ル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチ 基、i-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル をあげることができる。

 「C 1-6 アシル基」とは炭素原子を1から6個有するア ル基を意味し、直鎖、分岐及び環状を含ん いてもよく、例えばホルミル基、アセチル 、プロピオニル基、n-ブチリル基、i-ブチリ ル基、c-ブチリル基、n-バレリル基、i-バレリ ル基、ピバロイル基をあげることができる。

 「C 1-3 アルキレン基」としては、例えばメチレン基 、エチレン基、トリメチレン基をあげること ができる。

 「C 1-6 アルキルスルホニル基」とは、炭素原子を1 ら6個有するアルキルスルホニル基を意味し 直鎖、分岐及びC 3-6 シクロアルキルスルホニル基を含んでいても よく、例えばメチルスルホニル基、エチルス ルホニル基、プロピル-1-スルホニル基、2-メ ルプロピル-1-スルホニル基、ブチル-1-スル ニル基、へキシル-1-スルホニル基、3-メチ ブチル-1-スルホニル基をあげることができ 。

 「(C 1-6 アシル)アミノ基」とは、C 1-6 アシル基を置換基として有するアミノ基を意 味し、例えばホルミルアミノ基、アセチルア ミノ基、プロピオニルアミノ基、i-ブチリル ミノ基、c-ブチリルアミノ基、n-バレリルア ミノ基、i-バレリルアミノ基、ピバロイルア ノ基をあげることができる。

 「(C 1-6 アルキルスルホニル)アミノ基」とはC 1-6 アルキルスルホニル基を置換基として有する アミノ基を意味し、例えばメチルスルホニル アミノ基、エチルスルホニルアミノ基、プロ ピル-1-スルホニルアミノ基、2-メチルプロピ -1-スルホニルアミノ基、ブチル-1-スルホニ アミノ基、へキシル-1-スルホニルアミノ基 3-メチルブチル-1-スルホニルアミノ基をあ ることができる。

 本発明化合物の好ましい形態は以下の通り ある。
すなわち、好ましいR 1 はC 1-8 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基、C 1-9 ヘテロアリール基又はフェニル基(該C 1-8 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基C 1-9 ヘテロアリール基及びフェニル基は置換され ていないか、又は置換基群A 1 より選ばれる1から3個の置換基で置換されて る。)である。
置換基群A 1 のうち好ましい置換基は、
ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ヒ ドロキシアミノカルボニル基、(C 1-6 アルキル)アミノ基、ジ(C 1-6 アルキル)アミノ基又はカルバモイル基であ 。
好ましいR 2 はメチル基、エチル基又はイソプロピル基で ある。
好ましいnは0、1又は2である。
好ましいYは-NR 3 -である。
好ましいR 3 は水素原子である。
好ましいArはC 1-9 ヘテロアリール基(該C 1-9 ヘテロアリール基は置換されていないか、又 はスルファニル基、若しくはヒドロキシ基で 置換されている。)、又はフェニル基(該フェ ル基は同一又は異なる1から3個のR a で置換されている。)である。
さらに好ましいArはフェニル基(該フェニル基 は3、4若しくは5位が同一又は異なる1から3個 R a で置換されている。)である。
好ましいR a はC 1-6 アルキル基、C 1-6 アルコキシ基(該C 1-6 アルコキシ基は置換されていないか、又はカ ルボキシ基、若しくは-CONR 6 R 7 (式中、R 6 及びR 7 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アルキル基を示す。)で置換されている。)、 ロゲン原子、-NR 8 R 9 、-CONR 8 R 9 又は-SO 2 NR 8 R 9 (式中、R 8 及びR 9 は、同一又は異なって水素原子、アシル基、 C 1-9 ヘテロアリール基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は置換されていないか、又はヒド ロキシ基で置換されている。)を示すか、
又は、R 8 及びR 9 は、隣接する窒素原子と一緒になって式[II]

(式中、Qは-O-、-NR 10 -、-CHR 11 -、-CO-(該-CO-は保護されていないか、又はエ レンケタールで保護されている。)、-S-、-SO- 、-SO 2 -を示し、
L 1 及びL 2 は同一又は異なって、直鎖状C 1-3 アルキレン基(該直鎖状C 1-3 アルキレン基は、置換されていないか、又は C 1-6 アルキル基、若しくはオキソ基で置換されて いる。)であり、
R 10 は水素原子、C 1-6 アシル基、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルスルホニル基、又はフェニルカルボ ニル基であり、
R 11 はヒドロキシ基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は、C 1-6 アルコキシ基、若しくはヒドロキシ基で置換 されている。)、C 1-6 アルコキシ基、カルボキシ基、又は-CONR 12 R 13 (式中、R 12 及びR 13 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アルキル基、又は隣接する窒素原子と一緒に なってC 2-9 ヘテロシクリル基を示す。)を示す。)を示す )である。

 好ましいR 1 ’はC 1-8 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基(該C 1-8 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基は置換されていないか、又 は置換基群A’より選ばれる1から3個の置換基 で置換されている。)である。
置換基群A’のうち好ましい置換基は、
ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、(C 1-6 アルキル)アミノ基又はジ(C 1-6 アルキル)アミノ基である。
好ましいY’は-NR 16 -である。
好ましいR 16 は水素原子である。
好ましいAr’はC 1-9 ヘテロアリール基(該C 1-9 ヘテロアリール基は置換されていないか、又 はスルファニル基、若しくはヒドロキシ基で 置換されている。)、又はフェニル基(該フェ ル基は同一又は異なる1から3個のR b で置換されている。)である。
さらに好ましいArはフェニル基(該フェニル基 は3、4若しくは5位が同一又は異なる1から3個 R b で置換されている。)である。
好ましいR b はC 1-6 アルキル基、C 1-6 アルコキシ基(該C 1-6 アルコキシ基は置換されていないか、又はカ ルボキシ基、若しくは-CONR 17 R 18 (式中、R 6 及びR 7 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アルキル基を示す。)で置換されている。)、 ロゲン原子、-NR 23 R 24 、-CONR 23 R 24 又は-SO 2 NR 23 R 24 (式中、R 23 及びR 24 は、同一又は異なって水素原子、アシル基、 C 1-9 ヘテロアリール基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は置換されていないか、又はヒド ロキシ基で置換されている。)を示すか、
又は、R 23 及びR 24 は、隣接する窒素原子と一緒になって式[IV]

(式中、Q’は-O-、-NR 25 -、-CHR 26 -、-CO-(該-CO-は保護されていないか、又はエ レンケタールで保護されている。)、-S-、-SO- 、-SO 2 -を示し、
L 1 ’及びL 2 ’は同一又は異なって、直鎖状C 1-3 アルキレン基(該直鎖状C 1-3 アルキレン基は、置換されていないか、又は C 1-6 アルキル基、若しくはオキソ基で置換されて いる。)であり、
R 25 は水素原子、C 1-6 アシル基、C 1-6 アルキル基、C 1-6 アルキルスルホニル基、又はフェニルカルボ ニル基であり、
R 26 はヒドロキシ基、C 1-6 アルキル基(該C 1-6 アルキル基は、C 1-6 アルコキシ基、若しくはヒドロキシ基で置換 されている。)、C 1-6 アルコキシ基、カルボキシ基、又は-CONR 27 R 28 (式中、R 27 及びR 28 は、同一又は異なって水素原子、C 1-6 アルキル基、又は隣接する窒素原子と一緒に なってC 2-9 ヘテロシクリル基を示す。)を示す。)を示す )である。

 本発明の化合物には互変異性体、幾何異 体等の立体異性体、光学異性体、及びプロ ラッグが存在しうるが、本発明はそれらも 含する。

 また、発明化合物及びその塩の各種水和 、溶媒和物及び結晶多形の物質をも包含す 。

 プロドラッグとしては、化学的または代謝 に分解できる基を有する本発明の誘導体で り、加溶媒分解により又は生理的条件下のi n vivoにおいて薬理学的に活性な本発明を形 する化合物となる化合物である。適当なプ ドラッグ誘導体を選択する方法および製造 る方法は、例えばDESIGN OF PRODRUGS,(Elsevier,Amst erdam 1985)に記載されている。本発明の場合、 水酸基を有する場合は、その化合物と適当な アシルハライドまたは適当な酸無水物とを反 応させることによって製造されるアシルオキ シ誘導体のようなプロドラッグが例示される 。プロドラッグとして特に好ましいアシルオ キシとしては-OCOC 2 H 5 、-OCO(t-Bu),-OCOC 15 H 31 、-OCO(m-CO 2 Na-Ph)、-OCOCH 2 CH 2 CO 2 Na、-OCOCH(NH 2 )CH 3 、-OCOCH 2 N(CH 3 ) 2 等が挙げられる。本発明を形成する化合物が アミノ基を有する場合は、アミノ基を有する 化合物と適当な酸ハロゲン化物または適当な 混合酸無水物とを反応させることにより製造 されるアミド誘導体のようなプロドラッグが 例示される。プロドラッグとして特に好まし いアミドとしては、-NHCOCH(NH 2 )CH 3 等が挙げられる。本発明を形成する化合物が カルボキシル基を有する場合は、脂肪族アル コールとの反応によって合成されるカルボン 酸エステルや1,2-あるいは1,3-ジグリセリドの 離アルコール性水酸基と反応させたカルボ 酸エステルがプロドラッグとして例示され 。プロドラッグとして特に好ましいカルボ 酸エステルとして、メチルエステル、エチ エステル等が挙げられる。

 また、医薬上許容される塩とは、アルカ 金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウ 、アルキルアンモニウムなどとの塩、無機 または有機酸との塩である。それらは、例 ばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム 、アンモニウム塩、アルミニウム塩、トリ チルアンモニウム塩、酢酸塩、プロピオン 塩、酪酸塩、ギ酸塩、トリフルオロ酢酸塩 マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ス アリン酸塩、コハク酸塩、エチルコハク酸 、ラクトビオン酸塩、グルコン酸塩、グル ヘプトン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホ 酸塩、エタンスルホン酸塩、2-ヒドロキシ タンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩 パラトルエンスルホン酸塩、ラウリル硫酸 、リンゴ酸塩、アスパラギン酸塩、グルタ ン酸塩、アジピン酸塩、システインとの塩 N-アセチルシステインとの塩、塩酸塩、臭化 水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、よう化水素酸 塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、ピクリン酸 塩、チオシアン酸塩、ウンデカン酸塩、アク リル酸ポリマーとの塩、カルボキシビニルポ リマーとの塩などをあげることができる。

本発明の化合物は、例えば以下に示す方法に よって合成することができる。
(1)下記式(a)

(式中、R 2 はC 1-6 アルキル基であり、Aはシアノ基、カルボキ 基、C 1-6 アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基 を表す。)で表される化合物を式R’NHNH 2 (式中、R’は水素原子、又はC 1-8 アルキル基(該C 1-8 アルキル基は置換されていないか、又はAr基 置換されている。)を示す。)で示される化 物と、溶媒中または無溶媒下反応させ、下 式(b)(式中、A、R 2 及びR’は前記と同意義である。)で表される 合物を得る。

(2)式(b)(式中、A、R 2 及びR’は前記と同意義である。)で示される 合物において、適宜Aを加水分解後、溶媒中 または無溶媒下、尿素と反応させ下記式(c)

(式中、R 2 及びR’は前記と同意義である。)で表される 合物を得る。
(3)式(c)で示される化合物を溶媒中または無溶 媒下、塩基の存在下又は非存在下、ハロゲン 化させ

上記式(d)(式中、R 2 及びR’は前記と同意義であり、Xは同一また 異なってハロゲン原子を示す。)で表される 化合物を得る。

(4)式(d)で示される化合物を溶媒中または無溶 媒下、塩基、酸若しくはクロロトリメチルシ ラン、添加物の存在下又は非存在下、R 1 -YHと反応させ

上記式(e)(式中、R 1 、R 2 、R’、X及びYは前記と同意義である。)で表 れる化合物を得る。

(5)式(e)で示される化合物を溶媒中または無 溶媒下、酸化剤により酸化させ、下記式(f)

(式中、nは1又は2の整数を示し、R 1 、R 2 、R’、X及びYは前記と同意義である。)で表 れる化合物を得る。
(6)式(e)又は(f)で示される化合物を溶媒中また は無溶媒下、塩基、酸若しくはクロロトリメ チルシラン、添加物の存在下又は非存在下、 Ar-NH 2 でアミノ化させ、下記式(g)

(式中、nは0、1又は2の整数を示し、R 1 、R 2 、R’、X、Y及びArは前記と同意義である。)で 表される本発明化合物を得る。
また、本発明の化合物は、例えば以下に示す 方法によって合成することができる。
(7)ピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンをDMF中、 基の存在下又は非存在下、ハロゲン化させ 記式(h)で表される化合物(式中、Xは前記と 意義である。)を得る。

(8)式(h)で示される化合物を式R’NHNH 2 (式中、R’は水素原子、又はC 1-8 アルキル基(該C 1-8 アルキル基は置換されていないか、又はAr基 置換されている。)を示す。)で示される化 物と、溶媒中または無溶媒下反応させるか または、ヒドラジンと反応させた後に必要 応じて保護基を導入して下記式(i)(式中、X及 びR’は前記と同意義である。)で表される化 物を得る。

(9)式(i)で示される化合物を溶媒中または無溶 媒下、塩基、酸若しくはクロロトリメチルシ ラン、添加物の存在下又は非存在下、R 1 ’-Y’Hと反応させ式(j)(式中、R 1 ’、R’、Y’及びXは前記と同意義である。) 表される化合物を得る。

(10)式(j)示される化合物を溶媒中または無溶 下、塩基、酸若しくはクロロトリメチルシ ン、添加物の存在下又は非存在下、Ar’-NH 2 でアミノ化させ、下記式(k)で表される化合物 (式中、R 1 ’、R’、Y’及びAr’は前記と同意義である )で表される本発明化合物を得る。

なお、適宜各工程において、R 1 、Ar、R 1 ’、Ar’上の保護基及びR’を脱保護すること ができる。
また、上記に示した合成法において、実施す るのに不適切な場合、必要に応じて置換基導 入などの反応工程の順序を変えることもでき る。

 ここで、上記反応で塩基を用いる場合の 基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸 リウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウ 、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、 素化ナトリウム、ナトリウムアミド、t-ブ ルカリウム、水酸化リチウム、水素化リチ ム、t-ブトキシカリウム、t-ブトキシナトリ ム等のアルカリ金属塩類、トリエチルアミ 、ジイソプロピルアミン、ジメチルアニリ 、ジエチルアニリン、ピロリジン、ピペリ ン等のアミン類、酢酸ナトリウム、酢酸カ ウムなどがあげられる。

 酸としては塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝 、リン酸、ポリリン酸等の無機酸類、p-ト エンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリ ルオロ酢酸、ギ酸、酢酸等の有機酸類など 用いられる。

 添加物としては例えばPd 2 (dba) 3 、Pd(PPh 3 ) 4 、BINAP、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9- メチルキサンテン、CuI、CuCl、銅粉末などが げられる。
酸化剤としては例えば、m-クロロ過安息香酸 マグネシウムモノパーフタレート6水和物、 過酢酸、過ぎ酸などの有機過酸、過酸化水素 、尿素過酸化水素付加物/無水フタル酸、t-ブ チルハイドロパーオキサイド、クメンハイド ロパーオキサイドなどの無機及び有機過酸化 物、過ヨウ素酸ナトリウム、オキソン(登録 標)、N-ブロモスクシンイミド、N-クロロスク シンイミド、クロラミン-T、次亜塩素酸t-ブ ル、ヨードベンゼンジアセテート、臭素-1,4- ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン付加錯体など 用いられる。

 保護基としては、メトキシメチル、2-メ キシエトキシメチル等のアルコキシメチル 、ベンジルオキシメチル、p-メトキシベンジ ルオキシメチル等のアリールオキシメチル基 、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチ ル等のアシル基、ベンゾイル、ベンゾイルホ ルミル、ベンゾイルプロピオニル等のアリー ルカルボニル基、メトキシカルボニル、エト キシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、i -プロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニ ル、i-ブトキシカルボニル、t-ブトキシカル ニル等のアルコキシカルボニル基、メチル ルバモイル、エチルカルバモイル、n-プロピ ルカルバモイル等のアルキルアミノカルボニ ル基、トリメチルシリル、トリエチルシリル 、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプ ロピルシリル、ジメチルイソプロピルシリル 、ジ-t-ブチルメチルシリル、t-ブチルジメチ シリル等のトリアルキルシリル基、ジフェ ルメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリ 、t-ブチルジメトキシフェニルシリル等のト リアルキルアリールシリル基、メタンスルホ ニル、エタンスルホニル等のアルキルスルホ ニル基、ベンゼンスルホニル、p-トルエンス ホニル、p-クロロベンゼンスルホニル、p-メ トキシベンゼンスルホニル等のアリールスル ホニル基、メチレンアセタール、イソプロピ リデンケタール等のアセタール基、t-ブチル 、アリル基、ベンジル基、テトラヒドロピ ニル基、テトラヒドロフラニル基などが挙 られる。

 反応溶媒としては当該反応条件下におい 安定であり、かつ、不活性で反応を妨げな ものであれば特に制限はなく、例えば、メ ノール、エタノール、i-プロパノール、n-ブ タノール、t-ブタノール、エチレングリコー 等のアルコール類、ジエチルエーテル、1,4- ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2-ジメ キシエタン等のエーテル類、トルエン、ベ ゼン、キシレン等の炭化水素類、酢酸エチ 、ギ酸エチル等のエステル類、アセトン、 チルエチルケトン、メチルi-ブチルケトン等 のケトン類、クロロホルム、ジクロロメタン 等のハロゲン化炭素系溶媒、N,N-ジメチルホ ムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メ ルピロリドン等のアミド類、アセトニトリ 、ジメチルスルホキシド、水又はこれらの 合溶媒等である。

 また、反応は-78℃から反応に用いる溶媒 沸点の範囲で適切な温度を選択し、常圧下 加圧下、マイクロウェーブ照射下等で実施 ることができる。

 本発明の化合物を医薬として用いるには 本発明の化合物を常用の賦形剤、増量剤、p H調節剤、溶解剤などを添加し、常用の製剤 術によって錠剤、顆粒剤、丸剤、カプセル 、粉剤、液剤、懸濁剤、注射剤などに調整 、経口剤あるいは注射剤、塗布剤として投 することができる。

 本発明の化合物は、成人の患者に対して1 日あたり1~2000mgを1回~数回に分けて投与する とができる。この投与量は疾病の種類、患 の年齢、体重、症状などにより適宜増減す ことができる。

 次に、実施例および試験例により本発明 さらに詳細に説明する。本発明化合物は下 実施例に記載の化合物に限定されるもので ない。

 なお、各分析データの測定に使用した機器 以下の通りである。
[ 1 H-NMR]
600MHz : JEOL JNM-ECA600
500MHz : JEOL JNM-ECP500
300MHz : JEOL JNM-ECX300
[MS]
Waters,Shimadzu
また、実施例中の略語を以下に示す。
DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート
THF:テトラヒドロフラン
BINAP:2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1、1- ナフチル
dba:ビス(ジベンジリデンアセトン)
TFA:トリフルオロ酢酸
Boc:t-ブトキシカルボニル
mCPBA:m-クロロ過安息香酸
DMSO:ジメチルスルホキシド
ESI:エレクトロスプレーイオン化

参考例1

ヒドラジン一水和物(4.5g)のエタノール(10ml)溶 液に、氷冷下、[ビス(メチルスルファニル)メ チレン]マロノニトリル(10g)を加えた。室温に て30分、80℃で1時間還流後、反応液に氷冷下 水を滴下し、析出した固体を濾別・乾燥し 5-アミノ-3-(メチルスルファニル)-1H-ピラゾ ル-4-カルボニトリル(無色固体)を得た(7.6g,85% )。
MS(ESI):155(M+H) + ,153(M-H) -
1 H NMR(600MHz,DMSO-D6)δppm 2.44(s,3H),6.47(bs,2H),12.00(bs ,1H)

参考例2

氷冷下、濃硫酸(25ml)に5-アミノ-3-(メチルスル ファニル)-1H-ピラゾール-4-カルボニトリル(7.6 g)を加え、室温にて5時間攪拌した。反応液を 氷水(50ml)に滴下し、続いてアンモニア水を加 え結晶を析出させた(pH8~9)。析出した固体を 別・乾燥し、5-アミノ-3-(メチルスルファニ )-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(無色固体) 得た(7.6g,90%)。
MS(ESI):173(M+H) + ,171(M-H) -
1 H NMR(600MHz,DMSO-D6)δppm 2.38(s,3H),6.00(bs,2H),6.71(br, 2H),11.84(br,1H)

実施例1
N 4 -シクロプロピル-3-(メチルスルホニル)-N 6 -(4-モルホリン-4-イルフェニル)-1H-ピラゾロ[3, 4-d]ピリミジン-4,6-ジアミン(化合物6)

(1)参考例2で得た5-アミノ-3-(メチルスルファ ル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(3.0g)およ び尿素(5.3g)を、170℃で2時間攪拌した。室温 で冷却後、1M-水酸化ナトリウム水溶液を加 固体を溶解した後、酢酸を加え固体を析出 せた。析出した固体を濾別・乾燥し、3-(メ ルスルファニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジ -4,6(5H,7H)-ジオン(無色固体)を得た(3.4g,quant.)
MS(ESI):197(M-H) -

(2)実施例1-(1)で得た3-(メチルスルファニル)-1H -ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4,6(5H,7H)-ジオン(2.0 g)およびオキシ塩化リン(10ml)の懸濁液に氷冷 、N,N-ジメチルアニリン(2.0ml)を滴下した後 100℃で2時間撹拌した。反応液をクロロホル に溶解し不溶物を濾別し、クロロホルムに 目的物を抽出した。抽出液を濃縮して得ら た4,6-ジクロロ-3-(メチルスルファニル)-1H-ピ ラゾロ[3,4-d]ピリミジンのエタノール(3.0ml)溶 に氷冷下、シクロプロピルアミン(0.88ml)を えた。室温で30分攪拌し、1M-塩酸を加え酢酸 エチルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗 浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し乾燥剤 を濾別した後、溶媒を減圧下濃縮した。残渣 をジエチルエーテル-メタノール混合溶液に 洗浄・濾別し、6-クロロ-N-シクロプロピル-3- (メチルスルファニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリ ジン-4-アミン(淡黄色固体)を得た(0.29g,11%(2ste ps))。
MS(ESI):256(M+H) + ,254(M-H) -
1 H NMR(600MHz,DMSO-D6)δppm0.62-0.70(m,2H),0.73-0.81(m,2H),2 .52(s,3H),2.86-3.03(m,1H),7.01(s,1H),13.63(s,1H)

(3)実施例1-(2)で得た6-クロロ-N-シクロプロピ -3-(メチルスルファニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピ ミジン-4-アミン(0.29g)の酢酸溶液(3.0ml)に、 温下で35%過酸化水素水(3.0ml)を加え、80℃で2. 5時間攪拌後、室温まで冷却し、水を加えて 出物を濾別・乾燥し、6-クロロ-N-シクロプロ ピル-3-(メチルスルホニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d] リミジン-4-アミン(無色固体)を得た(0.23g,72%)
MS(ESI):288(M+H) + ,286(M-H) -
1 H NMR(600MHz,DMSO-D6)δppm 0.51-0.62(m,2H),0.81-0.91(m,2H) ,2.96-3.05(m,1H),3.44(s,3H),8.02(d,J=3.7Hz,1H),14.81(bs,1H)

(4)実施例1-(3)で得た6-クロロ-N-シクロプロピ -3-(メチルスルホニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリ ジン-4-アミン(0.23g)、4-モルホリノアニリン( 0.19g)およびn-ブタノール(3.0ml)の混合物を、130 ℃にて2時間反応した。反応液を濃縮後、得 れた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフ ーにて精製後、クロロホルム-メタノールよ 再結晶し、化合物6(無色固体)を得た(313mg,90% )。
MS(ESI):430(M+H) + ,428(M-H) -
1 H NMR(300MHz,DMSO-D6)δppm0.62-0.67(m,2H),0.92-0.98(m,2H),3 .03(bs,1H),3.44(s,3H),3.54-3.60(m,4H),4.07-4.13(m,4H),7.78-7 .80(m,2H),7.90(s,1H),8.03-8.05(m,2H),9.99(s,1H),14.28(bs,1H)

実施例2
N 4 -シクロプロピル-3-(メチルスルホニル)-N 6 -(4-モルホリン-4-イルフェニル)-1H-ピラゾロ[3, 4-d]ピリミジン-4,6-ジアミン リン酸塩(化合物 9)
(1)実施例1-(4)で得た化合物6(29g)を10%リン酸水 液(570ml)に溶解し、水(570ml)を加え室温にて13 時間攪拌した。析出物を濾別・乾燥し、化合 物9(黄色固体)を得た(32g,91%)。
1 H NMR(600MHz,DMSO-D6)δppm 0.51-0.56(m,2H),0.82-0.88(m,2H) ,2.94-2.98(m,1H),2.98-3.02(m,4H),3.26-3.33(m,3H),3.37(s,3H), 3.69-3.73(m,4H),6.82-6.90(m,2H),7.53-7.58(m,1H),7.66-7.74(m, 2H),9.14(s,1H),13.85(s,1H)

実施例3
N 4 -シクロプロピル-N 6 -[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]-3-( チルスルホニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジ -4,6-ジアミン(化合物131)

(1)氷冷下、実施例1-(3)で得た6-クロロ-N-シ ロプロピル-3-(メチルスルホニル)-1H-ピラゾ [3,4-d]ピリミジン-4-アミン(8.4g)、2,4-ジメトキ シベンジルアルコール(7.4g)、トリフェニルホ スフィン(12g)のテトラヒドロフラン(0.40l)の混 合物にジエチルアゾジカルボキシレート(40% ルエン溶液,19g)を滴下し、室温にて15時間反 した。反応液を濃縮後、得られた粗生成物 シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/ ロロホルム=1/4)にて精製し、6-クロロ-N-シク プロピル-1-(2,4-ジメトキシベンジル)-3-(メチ ルスルホニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4- アミン(無色固体)を得た(3.2g,25%)。

 MS(ESI):438(M+H) + ,436(M-H) -

(2)実施例3-(1)で得た6-クロロ-N-シクロプロピ -1-(2,4-ジメトキシベンジル)-3-(メチルスルホ ル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-アミン(0.6 0g)、t-ブトキシナトリウム(0.21g)、BINAP(0.13g)、 Pd 2 (dba) 3 (63mg)、4-(N-メチルピペラジニル)アニリン(0.31g )のジオキサン(20ml)の懸濁液を100℃にて15時間 攪拌した。反応液を濃縮後、得られた粗生成 物をシリカゲルクロマトグラフィー(NHシリカ ゲル,ヘキサン/酢酸エチル=7/3)にて精製し、N 4 -シクロプロピル-N 6 -[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]-1-(2, 4-ジメトキシベンジル)-3-(メチルスルホニル)- 1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4,6-ジアミン(無 固体)を得た(369mg)。

(3)実施例3-(2)で得たN 4 -シクロプロピル-N 6 -[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]-1-(2, 4-ジメトキシベンジル)-3-(メチルスルホニル)- 1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4,6-ジアミン(0.37g )のクロロホルム(4.0ml)溶液に氷冷下トリフル ロ酢酸(1.0ml)、チオアニソール(2.0ml)を加え 60℃にて2日間攪拌した。反応液を濃縮し、 られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラ ィー(NHシリカゲル,クロロホルム/メタノール =99/1)にて精製後、クロロホルム-メタノール り再結晶し、化合物131(無色固体)を得た(58mg, 10%)。
MS(ESI):443(M+H) + ,441(M-H) -
1 H NMR(600MHz,DMSO-D6)δppm 0.45-0.59(m,2H),0.85(m,2H),2.18 (s,3H),2.31-2.45(m,4H),2.93-3.00(m,1H),2.99-3.11(m,4H),3.37( s,3H),6.78-6.92(m,2H),7.54(s,1H),7.60-7.81(m,2H),9.11(s,1H), 13.85(bs,1H)

実施例4
N 4 -(cis-4-アミノシクロヘキシル)-3-(メチルスル ニル)-N 6 -(4-モルホリン-4-イルフェニル)-1H-ピラゾロ[3, 4-d]ピリミジン-4,6-ジアミン(化合物117)

(1)実施例1-(2)で得た4,6-ジクロロ-3-(メチルス ファニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(1.0g) エタノール(43ml)溶液にt-ブチル(シス-4-アミ シクロヘキシル)カルバメート(1.8g)、ジイソ ロピルエチルアミン(1.5ml)を加え、室温にて 終夜攪拌した。反応液を濃縮し、得られた粗 生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘ サン/酢酸エチル=1/1)にて精製し、t-ブチル( ス-4-{[6-クロロ-3-(メチルスルファニル)-1H-ピ ゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]アミノ}シクロ キシル)カルバメート(無色粉末)を得た(1.6g,8 9%)。
MS(ESI):413(M+H) + ,411(M-H) -
1 H NMR(600MHz,DMSO-D6)δppm 1.36(s,9H),1.41-1.54(m,2H),1.55 -1.71(m,4H),1.73-1.85(m,2H)2.56(s,3H),3.40-3.58(m,1H),4.08-4 .32(m,1H),6.47(d,J=7.8Hz,1H),6.77(d,J=7.8Hz,1H),13.70(s,1H)

(2)実施例4-(1)で得たt-ブチル(シス-4-{[6-クロ ロ-3-(メチルスルファニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d] リミジン-4-イル]アミノ}シクロヘキシル)カ バメート(1.6g)のクロロホルム(37ml)溶液に氷 下m-クロロ過安息香酸(2.5g)を加え、室温にて 終夜攪拌した。反応液を1M-水酸化ナトリウム 水溶液、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグ ネシウムにて脱水、ろ別、濃縮し、得られた 粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー( キサン/酢酸エチル=3/2)にて精製し、t-ブチル (シス-4-{[6-クロロ-3-(メチルスルホニル)-1H-ピ ゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル]アミノ}シクロ キシル)カルバメート(無色粉末)を得た(0.78g, 47%)。

 MS(ESI):445(M+H) + ,443(M-H) -
1 H NMR(600MHz,DMSO-D6)δppm 1.35(s,9H),1.40-1.51(m,2H),1.58 -1.72(m,4H),1.71-1.81(m,2H),3.31-3.41(m,1H),3.46(s,3H),4.10- 4.19(m,1H),6.93(d,J=7.3Hz,1H),8.13(d,J=7.3Hz,1H),14.76(s,1H)

(3)実施例4-(2)で得たt-ブチル(シス-4-{[6-クロロ -3-(メチルスルホニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリ ジン-4-イル]アミノ}シクロヘキシル)カルバ ート(0.16g)のn-ブタノール(3.0ml)懸濁液に4-モ ホリノアニリン(81mg)を加え、130℃にて4時間 拌した。反応液を濃縮し、得られた粗生成 をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホ ルム/メタノール=99/1)にて精製した。その後 4M-塩酸/酢酸エチル溶液(2.0ml)を加え80℃にて3 0分攪拌し、反応液を濃縮、得られた粗生成 をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホ ム/メタノール=99/1)にて精製後、再結晶し、 化合物117(淡紫色粉末)を得た(95mg,56%)。
MS(ESI):487(M+H) + ,485(M-H) -
1 H NMR(600MHz,DMSO-D6)δppm 1.29-1.45(m,2H),1.54-1.72(m,4H) ,1.72-1.95(m,2H),2.75-2.85(m,1H),2.91-3.05(m,4H),3.36(s,3H), 3.65-3.75(m,4H),4.15-4.30(m,1H),6.76-6.91(m,2H),7.55-7.68(m, 3H),8.91(s,1H)

実施例5
N 4 -シクロプロピル-3-(メチルスルフィニル)-N 6 -(4-モルホリン-4-イルフェニル)-1H-ピラゾロ[3, 4-d]ピリミジン-4,6-ジアミン(化合物4)

(1)実施例1-(2)で得た6-クロロ-N-シクロプロピ -3-(メチルスルファニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピ ミジン-4-アミン(0.10g)の酢酸溶液(1.0ml)に、 温下で35%過酸化水素水(1.0ml)を加え、室温に 6時間攪拌後、水を加えて析出物を濾別・乾 燥し、6-クロロ-N-シクロプロピル-3-(メチルス ルフィニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-ア ミン(淡黄色固体)を得た(0.10g,94%)。
MS(ESI):272(M+H) + ,270(M-H) -
1 H NMR(300MHz,DMSO-D6)δppm 0.50-0.65(m,2H),0.80-0.95(m,2H) ,2.96(s,3H),3.03(m,1H),8.92(d,J=4.1Hz,1H),14.4(bs,1H)

(2)実施例5-(1)で得た6-クロロ-N-シクロプロピ -3-(メチルスルフィニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピ ミジン-4-アミン(15mg)、4-モルホリノアニリ (10mg)およびn-ブタノール(0.5ml)の混合物を、 イクロウェーブ照射下、130℃にて2時間反応 た。反応液を濃縮後、得られた粗生成物を エチルエーテルにて洗浄し、化合物4(灰色 体)を得た(9mg,40%)。
MS(ESI):414(M+H) + ,412(M-H) -
1 H NMR(500MHz,DMSO-D6)δppm 0.49-0.58(m,2H),0.82-0.90(m,2H) ,2.90(s,3H),2.99(bs,1H),3.05-3.15(m,4H),3.72-3.78(m,4H),6.89 (d,J=8.0Hz,2H),7.74(d,J=8.6Hz,2H),8.33(s,1H),9.11(s,1H),13.4 9(s,1H)

実施例6
N 4 -シクロプロピル-3-(メチルスルファニル)-N 6 -(4-モルホリン-4-イルフェニル)-1H-ピラゾロ[3, 4-d]ピリミジン-4,6-ジアミン(化合物13)

(1)実施例1-(2)で得た6-クロロ-N-シクロプロピ -3-(メチルスルファニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピ ミジン-4-アミン(30mg)、4-モルホリノアニリ (27mg)およびn-ブタノール(1.0ml)の混合物を、 イクロウェーブ照射下、130℃にて2時間反応 た。反応液を濃縮後、得られた粗生成物を エチルエーテルにて洗浄し、化合物13(無色 体)を得た(23mg,49%)。
MS(ESI):398(M+H) + ,396(M-H) -
1 H NMR(300MHz,DMSO-D6)δppm 0.77-0.80(m,2H),0.92-0.95(m,2H) ,2.56(s,3H),2.96(bs,1H),3.05-3.25(m,4H),3.75-3.85(m,4H),7.10 -7.20(m,2H),7.27(bs,1H),7.60-7.80(m,2H),9.88(bs,1H),12.89(bs ,1H)

実施例7
4-エトキシ-3-(メチルスルファニル)-N-(4-モル リン-4-イルフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリ ジン-6-アミン(化合物20)

(1)実施例1-(2)で得た4,6-ジクロロ-3-(メチル ルファニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(1.0g )のTHF(10ml)、エタノール(10ml)の混合溶液に40% 素化ナトリウム(0.34g)、アジリジン-2-カルボ 酸メチルエステル(0.65g)を加え、70℃にて3時 間反応した。反応液に水を加え酢酸エチルで 抽出し、飽和食塩水で洗浄した。抽出物を無 水硫酸マグネシウムで乾燥し乾燥剤を濾別し た後、溶媒を減圧下濃縮した。残渣をメタノ ール-クロロホルム混合溶液にて洗浄・濾別 、6-クロロ-4-エトキシ-3-(メチルスルファニ )-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(緑色粉末)を得 た(0.4g,38%)。

(2)実施例7-(1)で得た6-クロロ-4-エトキシ-3-(メ ルスルファニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジ (50mg)、4-モルホリノアニリン(44mg)およびエ レングリコール(1.0ml)の混合物を、マイクロ ェーブ照射下、130℃にて1時間反応した。反 応液に水を加え酢酸エチルで抽出し、飽和食 塩水で洗浄した。抽出物を無水硫酸マグネシ ウムで乾燥し乾燥剤を濾別した後、溶媒を減 圧下濃縮した。残渣をメタノール-アセトニ リル混合溶液にて洗浄・濾別し、化合物20( 色粉末)を得た(39mg,49%)。
MS(ESI):387(M+H) + ,385(M-H) -
1 H NMR(500MHz,DMSO-D6)δppm 1.39(t,J=7.0Hz,3H),2.52(s,3H),3 .04(t,J=4.9Hz,4H),3.74(t,J=4.9Hz,4H),4.51(q,J=7.0Hz,2H),6.89 (d,J=9.2Hz,2H),7.63(d,J=8.9Hz,2H),9.29(s,1H),12.99(s,1H)

実施例8
N 4 -シクロプロピル-N 6 -(4-モルホリン-4-イルフェニル)-1H-ピラゾロ[3, 4-d]ピリミジン-4,6-ジアミン(化合物177)

(1)特開昭 48-99194の方法に従って合成した4、6 -ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(0.40g) エタノール(4.0ml)溶液に室温にてシクロプロ ルアミン(0.12g)を加えた。同温にて終夜攪拌 し、析出した固体を濾別・乾燥し、6-クロロ- N-シクロプロピル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジ -4-アミン(黄色固体)を得た(0.43g,97%)。
MS(ESI):210(M+H) + ,208(M-H) -
1 H NMR(300MHz,DMSO-D6)δppm 0.55-0.73(m,2H),0.74-1.06(m,2H) ,2.97(bs,1H),8.18(bs,1H),8.51(bs,1H),13.37(bs,1H)

(2)実施例8-(1)で得た6-クロロ-N-シクロプロピ -1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-アミン(50mg)、 4-モルホリノアニリン(55mg)およびn-ブタノー (1.0ml)の混合物を、マイクロウェーブ照射下 130℃にて2時間反応した。反応液を濃縮後、 得られた粗生成物をジエチルエーテルより結 晶化し、化合物177(無色固体)を得た(13mg,15%)。
MS(ESI):352(M+H) + ,350(M-H) -
1 H NMR(300MHz,DMSO-D6)δppm 0.58-0.64(m,2H),0.80-0.85(m,2H) ,2.95(bs,1H),3.02(t,J=2.7Hz, 4H),3.73(t,J=2.7Hz, 4H),6.84( d,J=5.3Hz, 2H),7.55-7.75(m,3H),7.90(bs,1H),8.44(bs,1H),12.5 3(bs,1H)

実施例9
N 4 -(シス-4-アミノシクロヘキシル)-N 6 -(4-モルホリノフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピ ミジン-4,6-ジアミン(化合物216)

(1)特開昭 48-99194の方法に従って合成した4、6 -ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(300mg) エタノール(16mL)溶液にt-ブチル(シス-4-アミ シクロヘキシル)カルバメート(680mg)、ジイソ プロピルエチルアミン(552μL)を加え、室温に 3.5時間攪拌した。反応液を濃縮し、得られ 粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー( ヘキサン/酢酸エチル=7/3~3/7)にて精製し、t-ブ チル[シス-4-(6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミ ジン-4-イルアミノ)シクロヘキシル]カルバメ ト(黄色粉末)を得た(354mg,61%)。
MS(ESI):389(M+Na) + ,365(M-H) -
1 H NMR(600MHz,DMSO-D6)δppm 1.36(s,9H),1.48-1.77(m,8H),3.35 -3.45(m,1H),3.93-4.04(m,1H),6.74(bs,1H),8.16(bs,1H),8.29(d,J =6.9Hz,1H),13.46(bs,1H)

(2)実施例9-(1)で得たt-ブチル[シス-4-(6-クロロ- 1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イルアミノ)シ ロヘキシル]カルバメート(350mg)のn-ブタノー ル(5.0mL)溶液に4-モルホリノアニリン(221mg)を え、130℃にて4時間攪拌した。反応液を濃縮 、メタノール/クロロホルム(10mL、メタノー /クロロホルム=1/9)に溶解し、4.0M-塩酸 /酢 エチル溶液 (4.0mL)を加え室温で1時間攪拌し 。反応液にメタノール (25mL)を加え、析出 を溶解後、NHシリカゲルを加え溶媒を留去し 、シリカゲルクロマトグラフィー(NHシリカゲ ル、メタノール/クロロホルム=0~10%)にて精製 、再結晶(クロロホルム/ヘキサン)し、化合 216(灰色粉末)を得た(308mg,79%)。
MS(ESI):409(M+H) + ,407(M-H) -
1 H NMR(600MHz,DMSO-D6)δppm 1.47-1.81(m,8H),2.88-2.99(m,5H) ,3.64-3.70(m,4H),4.02-4.13(m,1H),6.74-6.82(m,2H),7.47-7.55(m ,1H),7.57-7.63(m,2H),7.91(s,1H),8.62(bs,1H),12.57(bs,1H)

実施例10
4-エトキシ-3-(メチルスルホニル)-N-(4-モルホ ン-4-イルフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミ ン-6-アミン(化合物179)

(1)実施例7-(1)で得た6-クロロ-4-エトキシ-3-(メ ルスルファニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジ (0.27g)の酢酸溶液(2.0ml)に、室温下で35%過酸 水素水(2.0ml)を加え、同温で二日間攪拌後、 を加えて析出物を濾別・乾燥し、6-クロロ-4 -エトキシ-3-(メチルスルホニル)-1H-ピラゾロ[3 ,4-d]ピリミジン(無色固体)を得た(0.15g,49%)。
MS(ESI):277(M+H) + ,275(M-H) -
1 H NMR(300MHz,DMSO-D6)δppm 1.42(t,J=7.2Hz, 3H),2.50(s, 3 H),4.62(q,J=7.2Hz,2H),15.05(s,1H)

(2)実施例10-(1)で得た6-クロロ-4-エトキシ-3-(メ チルスルホニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン (50mg)、4-モルホリノアニリン(39mg)およびn-ブ ノール(1.0ml)の混合物を、マイクロウェーブ 射下、130℃にて45分間反応した。反応液に1M -塩酸水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。 出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグ シウムで乾燥し乾燥剤を濾別した後、溶媒 減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリ ゲルクロマトグラフィーにて精製後、クロ ホルム-メタノールより再結晶し、化合物179( 無色固体)を得た(3.0mg,4%)。
MS(ESI):419(M+H) + ,417(M-H) -

実施例11
シス-4-(4-アミノシクロヘキシルオキシ)-N-(4- ルホリノフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミ ン-6-アミン(化合物217)

(1)特開昭 48-99194の方法に従って合成した4,6- クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(1.00g)の 酸エチル(30ml)溶液にジヒドロピラン(724μl) p-トルエンスルホン酸・1水和物を触媒量加 室温で35分攪拌後、50℃で25分間攪拌した。 応混合物にシリカゲルを加えて濃縮後、シ カゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エ チル=8/1)にて精製し、4,6-ジクロロ-1-(テトラ ドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリ ジン(872mg、無色粉末)と4,6-ジクロロ-2-(テト ヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2H-ピラゾロ[3,4-d]ピ リミジン(672mg、黄色油状物)を得た。
4,6-ジクロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル )-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン
1 H NMR(600MHz,CDCl3)δppm 1.63-1.68(m,1H),1.73-1.83(m,2H),1 .93-1.98(m,1H),2.12-2.18(m,1H),2.52-2.60(m,1H),3.78-3.84(m,1 H),4.10-4.15(m,1H),6.01(dd,J=10.6,2.8Hz,1H),8.20(s,1H)
4,6-ジクロロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル )-2H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン
11 H NMR(600MHz,CDCl3)δppm 1.70-1.83(m,3H),1.92-2.05(m,2H),2 .39-2.45(m,1H),3.78-3.85(m,1H),4.14-4.19(m,1H),5.71(dd,J=8.9 ,3.0Hz,1H),8.45(s,1H)

(2)実施例11-(1)で得た4,6-ジクロロ-1-(テトラヒ ロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミ ジン(870mg)のジメトキシエタン(16.0mL)溶液に氷 冷下、シス-t-ブチル-4-ヒドロキシシクロヘキ シルカルバメート(680mg)、水素化ナトリウム(1 51mg、~60% in mineral oil)を加え、室温で終夜攪 拌した。反応混合物をろ過し、ろ液にシリカ ゲルを加えて濃縮後、シリカゲルクロマトグ ラフィーにて精製してシス-t-ブチル-4-(6-クロ ロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラ ロ[3,4-d]ピリミジン-4-イルオキシ)シクロヘキ シルカルバメート(843mg、無色粉末)を得た。
MS(ESI):474(M+Na) + ,450(M-H) -
1 HNMR(600MHz,CDCl3)δ ppm 1.45(s,9H),1.58-2.15(m,14H),2.50- 2.59(m,1H),3.58-3.67(m,1H),3.77-3.83(m,1H),4.09-4.14(s,1H),4 .52-4.59(m,1H),5.52-5.57(m,1H),5.93(dd,J=10.6,2.8Hz,1H),8.04 (s,1H)

(3)実施例11-(2)で得たシス-t-ブチル-4-(6-クロロ -1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾ [3,4-d]ピリミジン-4-イルオキシ)シクロヘキシ ルカルバメート(100mg)、4-モルホリノアニリン (47mg)のn-ブタノール(2.0mL)溶液を130℃で5時間 拌した。緑色析出物をろ過し、酢酸エチル 洗浄後、シリカゲルクロマトグラフィー(NH リカゲル、メタノール/クロロホルム=1-10%)に て精製後、再結晶(ヘキサン/クロロホルム)し て化合物217(15mg、淡灰色粉末)を得た。
MS(ESI):410(M+H) +
1 HNMR(600MHz,DMSO-D6) δ ppm1.46-1.74(m,6H),1.98-2.04(m,2H) ,2.48-2.54(m,1H),2.77-2.83(m,1H),3.02-3.06(m,4H),3.72-3.76(m ,4H),6.87-6.91(m,2H),7.62-7.66(m,2H),7.85(s,1H),9.22(s,1H)

実施例12
N-(4-(3-(メチルチオ)-6-(4-モルホリノフェニル ミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イルア ノ)フェニル)アセトアミド(化合物234)

(1)実施例1-(2)で得た4,6-ジクロロ-3-(メチル ルファニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(300m g)とN-(4-アミノフェニル)アセトアミド(211mg)の エタノール(3.0mL)溶液に、トリエチルアミン(0 .5mL)を加え、70℃で15時間攪拌し、室温に冷却 後、析出した結晶を濾取し、エタノールで洗 浄、乾燥しN-(4-(6-クロロ-3-(メチルチオ)-1H-ピ ゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イルアミノ)フェニ )アセトアミド(淡黄色粉末)を得た(424mg, 94%)

(2)実施例12-(1)で得たN-(4-(6-クロロ-3-(メチルチ オ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イルアミノ )フェニル)アセトアミド(100mg)、4-モルホリノ ニリン(56mg)およびn-ブタノール(3.0mL)の混合 を、130℃にて2時間反応した。反応液を濃縮 後、得られた粗生成物をシリカゲルクロマト グラフィー(NHシリカゲル、メタノール/クロ ホルム=0-10%)にて精製後、ヘキサン-クロロホ ルム-メタノールより再結晶し、化合物234(無 固体)を得た(11mg,7.8%)。
1 HNMR (600MHz,DMSO-D6) δ ppm2.05(s,3H),2.58(s,3H),3.01-3. 07(m,4H),3.72-3.77(m,4H),6.80-7.78(m,8H),8.10(s,1H),9.02(s,1 H),9.92(s,1H),13.05(brs,1H)

実施例13
3-(3-(メチルスルホニル)-6-(4-モルホリノフェ ルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イ アミノ)ベンゾニトリル塩酸塩(化合物194)

(1)実施例1-(1)で得た3-(メチルスルファニル) -1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4,6(5H,7H)-ジオン( 0.78g)およびオキシ塩化リン(7.8mL)の懸濁液に 冷下、N,N-ジエチルアニリン(1.5mL)を滴下した 後、110℃で4.5時間撹拌した。反応液を濃縮後 、クロロホルムに溶解し不溶物を濾別し、ク ロロホルムにて目的物を抽出した。抽出液を 濃縮し得られた4,6-ジクロロ-3-(メチルスルフ ニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンのエタノ ル(11mL)溶液に室温下、トリエチルアミン(1.4 mL)と3-アミノベンゾニトリル(0.44g)を加えた。 加熱還流下13時間攪拌した。室温に冷却した 、析出した固体をエタノールにて洗浄・濾 し、3-(6-クロロ-3-(メチルスルファニル)-1H- ラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イルアミノ)ベンゾ ニトリル(淡黄色固体)の粗物を得た(0.26g, 21%( 2steps))。

(2)実施例13-(1)で得た粗3-(6-クロロ-3-(メチルス ルファニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-ア ミノ)ベンゾニトリル(0.16g)の酢酸溶液(2.0mL)に 、室温下で35%過酸化水素水(2.0mL)を加え、80℃ で10.5時間攪拌した。室温に冷却後、水を加 て析出物を濾別・乾燥し、3-(6-クロロ-3-(メ ルスルホニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4 -イルアミノ)ベンゾニトリル(無色固体)を得 (0.11g, 61%)。
MS(ESI):349(M+H) + ,347(M-H) -
1 HNMR(300MHz,DMSO-D6) δ ppm 3.58(s,3H),7.50-7.72(m,2H),7. 90(bs,1H),8.31(s,1H),10.16(s,1H),15.18(bs,1H)

(3)実施例13-(2)で得た3-(6-クロロ-3-(メチルスル ホニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イルア ミノ)ベンゾニトリル(0.10g)、4-モルホリノア リン(0.053g)、トリメチルシリルクロライド(0. 040g)およびn-ブタノール(1.5mL)の混合物を、マ クロウェーブ照射下、130℃にて2時間反応し た。反応液を濃縮後、得られた粗生成物をメ タノール洗浄後に濾別・乾燥し、化合物194( 青色固体)を得た(0.076g, 54%)。
MS(ESI):491(M+H) + ,489(M-H) -
1 HNMR(300MHz,DMSO-D6) δ ppm 3.10-3.40(m,4H),3.54(s,3H),3. 75-3.95(m,4H),7.05-7.95(m,6H),8.51(s,1H),9.71(bs,1H),9.99(s, 1H),14.28(s,1H)

実施例14
3-(メチルチオ)-N6-(4-モルホリノフェニル)-N4-( アゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジ -4,6-ジアミン(化合物235)

(1)実施例1-(2)で得た4,6-ジクロロ-3-(メチルス ファニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(500mg) 酢酸エチル(30mL)溶液にジヒドロピラン(268mg) 、p-トルエンスルホン酸・1水和物を触媒量加 え室温で3時間攪拌した。反応混合物を濃縮 、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/ 酢酸エチル=9/1~8/2)にて精製し、4,6-ジクロロ-3 -(メチルチオ)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イ )-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンと4,6-ジクロロ -3-(メチルチオ)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2- ル)-2H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンの混合物(無 粉末)を得た。(623mg、92%)を得た。
MS(ESI):319(M+H) +

(2)実施例14-(1)で得た4,6-ジクロロ-3-(メチルチ )-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラ ロ[3,4-d]ピリミジンと4,6-ジクロロ-3-(メチル オ)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2H-ピラ ゾロ[3,4-d]ピリミジンの混合物(70mg)、2-アミノ チアゾール(26mg)、Pd 2 (dba) 3 (10mg)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジ チルキサンテン(6mg)、リン酸カリウム(153mg) ジオキサン(2.0mL)懸濁液を100℃で2.5時間攪拌 した。 室温に冷却後、水を加え、クロロホ ムで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥 乾燥剤を濾別した後、溶媒を減圧下濃縮し 。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘ キサン/酢酸エチル=2/1~1/1)にて精製して淡茶 モルファスの化合物(46mg)を得た。 得られた 化合物(31mg)、4-モルホリノアニリン(16mg)のn- タノール(1.0mL)溶液を130℃で2時間攪拌後、ト リメチルシリルクロリドを1滴加え、130℃で16 時間攪拌した。 反応液を濃縮して得られた 渣をシリカゲルクロマトグラフィー(NHシリ ゲル、メタノール/クロロホルム=0-2%)にて精 製後、エタノール-エーテルより再結晶し、 合物235(茶色粉末)を得た(5mg,7.8%(2steps))。
MS(ESI):441(M+H) + ,439(M-H) -
1 HNMR(600MHz,CDCl 3 ) δ ppm 3.13-3.18(m,4H),3.86-3.91(m,4H),6.90-7.04(m,3H), 7.44-7.55(m,3H),9.25(bs,1H),10.17(bs,1H)

 以下、上記実施例1から14の方法と同様にし 、表1-1から1-33に示す化合物をそれぞれ対応 する原料を使用して製造した。実施例番号と は、上記のいずれの実施例に基づいて表1-1か ら1-33に示す化合物を製造したかを示すもの ある。表中の斜線は測定を行っていないこ を示す。
また表中の略語を以下に示す。
Free:塩を形成していない(フリー体)
MsOH:メタンスルホン酸
BsOH:ベンゼンスルホン酸

試験例
 本発明化合物の作用は以下の薬理試験によ 確認された。また、試験例中の略語を以下 示す。
ATP:アデノシン3リン酸
Tris:トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン- 酸緩衝液
DTT:ジチオスレイトール
CHAPS:3-[(3-コルアミドプロピル)ジメチルアン ニオ]プロパンスルフォネート
BSA:ウシ血清アルブミン
PBS:リン酸緩衝液
MOPS:3-モルホリノプロパンスルホン酸
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
Brij-35:ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテ ル

1.Syk阻害試験
 Syk(和光純薬)溶液10ng/10μl/well、poly(L-glu-L-tyr) 基質ペプチド溶液15μl(シグマ終濃度5μM)とATP 合液(ATP:オリエンタル酵母終濃度5μM、[γ-33P ]ATP:GEヘルスケアバイオサイエンス 0.1μCi/well )20μlと被検物質溶液5μlとを96穴コーニングリ アクションプレートに加え、室温で30分イン ュベートした。アッセイバッファーは50mM T ris pH7.5、10mM MgCl 2 、0.1mM Na 3 VO 4 、1mM DTT、0.01%CHAPS、100μg/ml BSAを用いた。被 物質溶液は、被検物質をDMSOに溶解し、各濃 度となるように作製した。DMSOの終濃度は1%と した。反応停止剤として120mMリン酸溶液100μl 加えて反応を停止させた後、反応液を全量 ルチスクリーン(ミリポア)に移し、100mMリン 酸200μlで4回洗浄した。
乾燥後にマイクロシンチO(パーキンエルマー) 20μlを加え、トップカウント(パーキンエルマ ー)により放射活性を測定した。被検物質を 加しなかった場合の放射活性に対する、被 物質を添加した場合の放射活性の割合を求 、各濃度の阻害率よりIC 50 値を算出し、阻害活性の指標とした。

 化合物番号6,112の化合物はSykに対しそれぞ IC 50 値0.16、0.020μMの阻害活性を示し、その他化合 物番号74,102,107,114,115,128,130,131,134,135,138,143及 146の化合物はIC 50 値0.2μM以下の阻害活性を示した。

2.ヒト肥満細胞株LAD細胞を用いた脱顆粒試験
 ヒト肥満細胞株LAD細胞にヒトIgE(コスモバイ オ:終濃度1μg/ml)を一晩感作した。細胞を回収 後、PBS(インビトロジェン)にて洗浄し、0.1%BSA (シグマ)を含むタイロード緩衝液(シグマ)に 再度洗浄した。96wellプレートに細胞を10 5 cells/well播種後、化合物(終濃度0.1%DMSO溶液)を 加し37℃・15分インキュベートした。ウサギ 抗ヒトIgE(ダコジャパン:終濃度10μg/ml)またはc ontrol Ig(ダコジャパン:終濃度10μg/ml)を添加し 、37℃で30分インキュベートした。上清を回 し脱顆粒の指標であるβ‐ヘキソサミニダー ゼの基質p‐ニトロフェニル‐2‐アセトアミ ‐2‐デオキシ‐β‐D‐グルコピラノシド( グマ:終濃度4mM)を添加し37℃にて45分インキ ベートした。グリシン(ワコウ:終濃度0.2M・pH 10.4)を添加して反応停止後、405nmにおける吸 度を測定した。

 阻害率(%)は(抗IgE抗体脱顆粒率―化合物添加 群脱顆粒率)/(抗IgE抗体脱顆粒率―control抗体 顆粒率)×100として算出し、各濃度の阻害率 りIC 50 値を算出し、阻害活性の指標とした。

 化合物番号7、112の化合物はIC 50 値0.024、0.019μMの阻害活性を示し、その他化 物番号4,13,74,88,102,107,128,130,131,134,135,138及び14 3の化合物はIC 50 値0.1μM以下の阻害活性を示した。

3.ラット受身皮膚アナフィラキシー反応(PCA) 験
 7週令雄性Wistarラットをエーテルによる軽麻 酔下、背部を毛刈りし、背部皮内に25ng/mlの ジニトロフェニル-IgE(DNP-IgE)(シグマ社)を100μ l皮内投与することにより感作した。感作の24 時間後に1mgのDNP化BSAを含む0.5%エバンスブル 溶液1mlを静脈内投与し、さらにその30分後に ラットを放血致死させ背部皮膚を採取した。 被験化合物およびコントロールとしてベヒク ルのみを抗原チャレンジの4時間前に経口投 した。皮膚青斑部の長径ならびに短経をノ スにて測定し、青斑部の面積を長径×短経と して算出した。

 被検物質によるPCA抑制率は次式により計算 た。なお、式中、
C:ベヒクルのみ投与時PCA反応による青斑部面
X:被験化合物投与時PCA反応による青斑部面積 示す。

     抑制率(%)=(C-X)×100/C
 化合物番号6の化合物はPCA反応を良好に抑制 した。

4.マウスコラーゲン誘発関節炎(CIA)試験
 7週令雄性DBA/1マウスをウシタイプII コラー ゲン/完全フロイントアジュバントエマルシ ン(150μg/0.1ml/マウス)の尾根部への皮内投与 より感作した。一次感作の21日後、同様にマ ウスをウシタイプIIコラーゲン/完全フロイン トアジュバントエマルション(100μg/0.1ml/マウ )の尾根部への皮内投与により追加免疫した 。追加免疫後から2回/週、四肢の各足につき 節炎発症度を観察による以下の段階付けで コアリングした。
0:関節炎なし
1:指1関節の浮腫
2:指2関節以上あるいは足甲の浮腫
3:足根、足首の浮腫
4:重度の浮腫あるいは関節の変形
被験化合物およびコントロールとしてベヒク ルのみを追加免疫の30分前から経口投与開始 、以降、42日間連日投与した。各経日点に いて、四肢の合計スコアを1個体の関節炎ス ア(0-16)とし、8例の平均値でベヒクル投与群 を対照群に関節炎発症抑制効果を評価した。

 化合物番号7の化合物はCIAモデルにおいて 関節炎発症を良好に抑制した。

5.Abl阻害試験
Abl(和光純薬)溶液5ng/5μl/well、Abltide基質ペプ ド溶液30μl(和光純薬:終濃度5μM)と被検物質 液5μlを96穴プレート(コーニング)に加え、室 温15分インキュベート後、ATP混合液(ATP:オリ ンタル酵母 終濃度6μM、[γ-33P]ATP:GEヘルスケ アバイオサイエンス 0.06μCi/well、MgAcetate:コ モバイオ 終濃度10mM)10μlを添加し、室温40分 インキュベートした。Abl溶液はkinase buffer(20m M MOPS pH7.0.1mM EDTA 、0.1% β-mercaptoethanol、0.01 %Brij-35、5%Glycerol、1mg/ml BSA)を用いて調製した 。基質ペプチド溶液とATP混合液は8mM MOPS pH7. 0、0.2mM EDTAにて調製した。被検物質溶液は被 検物質をDMSOに溶解し、各濃度となるように 製した。DMSOの終濃度は1%とした。反応停止 として100mMリン酸溶液100μlを加えて反応を停 止させた後、反応液を全量96穴マルチスクリ ンプレート(ミリポア)に移し、100mMリン酸200 μlで3回洗浄した。乾燥後にマイクロシンチO( パーキンエルマー)20μlを加え、トップカウン ト(パーキンエルマー)により放射活性を測定 た。各放射活性からAbltide基質ペプチドを添 加しなかったwellの放射活性を差し引いた後 被検物質を添加しなかった場合の放射活性 対する被検物質を添加した場合の放射活性 割合を求めた。各濃度の阻害率よりIC 50 値を算出し阻害活性の指標とした。

 化合物番号55,74,78,112,115,117,119,126,130,131,132,13 4,143,146,152,200,216及び217の化合物はIC 50 値10nM以下の阻害活性を示した。化合物番号6, 21,38,60,102,103,107,108,110,114,116,128,150,188,192,206,208 ,227及び240の化合物はIC 50 値50nM以下の阻害活性を示した。

 上記1から4の試験結果より、本発明化合 はSyk阻害作用及び脱顆粒阻害作用を有する と、及びアナフィラキシー反応および関節 を抑制することが確認されたことから、Syk 関与するアレルギー性疾患、自己免疫疾患 関節炎などの疾病の予防、治療薬として有 であると考えられる。

 また、上記5の試験結果より、本発明化合 物はAbl阻害作用を有することが確認されたこ とから、Ablの関与する癌などの疾病の予防、 治療薬として有用であると考えられる。

 以下に製剤例を示す。

 製剤例1
以下の成分を含有する顆粒剤を製造する。
成分 式[I]で表される化合物      10mg
   乳糖               700mg
   コーンスターチ          274mg
    HPC-L             16mg
                   1000mg
式[I]で表される化合物と乳糖を60メッシュの るいに通す。コーンスターチを120メッシュ ふるいに通す。これらをV型混合機にて混合 する。混合末に低粘度ヒドロキシプロピルセ ルロース(HPC-L)水溶液を添加し、練合、造粒( し出し造粒 孔径0.5~1mm)した後、乾燥する。 得られた乾燥顆粒を振動ふるい(12/60メッシュ )で篩過し顆粒剤を得る。

 製剤例2
以下の成分を含有するカプセル充填用散剤を 製造する。
成分 式[I]で表される化合物      10mg
   乳糖                79mg
   コーンスターチ           10mg
   ステアリン酸マグネシウム       1mg
                    100mg
式[I]で表される化合物と乳糖を60メッシュの るいに通す。コーンスターチを120メッシュ ふるいに通す。これらとステアリン酸マグ シウムをV型混合機にて混合する。10倍散100m gを5号硬ゼラチンカプセルに充填する。

 製剤例3
以下の成分を含有するカプセル充填用顆粒剤 を製造する。
成分 式[I]で表される化合物       15mg
   乳糖                 90mg
   コーンスターチ            42mg
    HPC-L               3mg
                     150mg
式[I]で表される化合物と乳糖を60メッシュの るいに通す。コーンスターチを120メッシュ ふるいに通す。これらをV型混合機にて混合 する。混合末に低粘度ヒドロキシプロピルセ ルロース(HPC-L)水溶液を添加し、練合、造粒 た後、乾燥する。得られた乾燥顆粒を振動 るい(12/60メッシュ)で篩過し整粒し、その150m gを4号硬ゼラチンカプセルに充填する。

 製剤例4
以下の成分を含有する錠剤を製造する。
成分 式[I]で表される化合物       10mg
   乳糖                 90mg
   微結晶セルロース           30mg
   ステアリン酸マグネシウム        5m g
    CMC-Na             15mg
                     150mg
式[I]で表される化合物と乳糖と微結晶セルロ ース、CMC-Na(カルボキシメチルセルロース ナ トリウム塩)を60メッシュのふるいに通し、混 合する。混合末にステアリン酸マグネシウム を添加し、製剤用混合末を得る。本混合末を 直打し150mgの錠剤を得る。

 製剤例5
 静脈用製剤は次のように製造する。
式[I]で表される化合物            100mg
飽和脂肪酸グリセリド             1000 ml
上記成分の溶液は通常、1分間に1mlの速度で 者に静脈内投与される。

 本発明化合物は、Syk及び/又はAbl阻害活性を 有し、Syk及び/又はAbl関連疾患の予防・治療 、具体的にはアレルギー性疾患、自己免疫 疾患、関節炎又は癌などの疾病の予防・治 薬として利用できる。