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Patent Searching and Data


Title:
RACKET
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/090951
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] This object aims to improve the flexibility of a racket without lowering the repulsion performance of the racket. [MEANS FOR SOLVING THE PROBLEMS] This racket comprises a frame having insertion holes for inserting strings therein and a shaft joined to the frame. A cavity part is formed at the center of the shaft in the direction crossing the striking face of the racket.

Inventors:
IIZAWA MASATOSHI (JP)
SAITO TADASHI (JP)
IWASAWA TOMOYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050350
Publication Date:
July 23, 2009
Filing Date:
January 14, 2009
Export Citation:
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Assignee:
YONEX KK (JP)
IIZAWA MASATOSHI (JP)
SAITO TADASHI (JP)
IWASAWA TOMOYA (JP)
International Classes:
A63B49/02; A63B51/06; A63B60/54; A63B102/02
Foreign References:
JPS63317167A1988-12-26
JPH07155408A1995-06-20
Attorney, Agent or Firm:
ISSHIKI & CO. (12-7 Shinbashi 2-chome, Minato-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 ストリングを挿入するための複数の挿入孔を備えたフレームと、該フレームに接合したシャフトと、を有するラケットであって、
 前記シャフトの、前記ラケットの打面と交差する交差方向における中央部、に空洞部が形成されていることを特徴とするラケット。
 請求項1に記載のラケットにおいて、
 前記挿入孔から前記フレームの外側に出た前記ストリングを、他の前記挿入孔から前記フレームの内側に入るために沿わせて折り返すための折り返し部、
 が前記フレームの外縁のみに形成されていることを特徴とするラケット。
 請求項2に記載のラケットにおいて、
 前記シャフトは、前記交差方向から見て二股に分岐して一対の接合部を形成し、該一対の接合部の先端にて前記フレームに接合しており、
 前記空洞部は、前記一対の接合部の各々に形成されていることを特徴とするラケット。
 請求項1に記載のラケットにおいて、
 前記挿入孔間に前記ストリングを張り渡すことにより形成された前記打面、を囲んだ前記フレームを有し、
 前記挿入孔から前記フレームの外側に出て、他の前記挿入孔から前記フレームの内側に入るために折り返されているストリング、
 がいずれも前記フレームの外縁に沿って折り返されていることを特徴とするラケット。
Description:
ラケット

 本発明は、テニス用のラケットに関する

 ストリングを挿入するための複数の挿入 を備え、該挿入孔間に前記ストリングを張 渡すことにより形成された打面、を囲んだ レームと、該フレームに接合したシャフト 、を有するラケットは、テニス用に広く使 されている。テニス用のラケットに対して 、様々な性能が要求される(例えば、特開平 6-269514号参照)。

 例えば、テニスのプレーヤーがボールを ち返す際に適度に撓る可撓性を備えたラケ トが求められている。このようなラケット あれば、ボールが打面に衝突する際にプレ ヤーに柔らかな打球感を与えることが可能 ある。

 一方、プレーヤーがボールを打ち返す際 打面から該ボールに及ぶ反発力の大きさ(反 発性)についても、ラケットの性能として重 視される。つまり、反発力が大きくなるほ ボールの打ち出し速度がより早くなるため より大きな反発力を生むラケットが求めら ている。

 ところで、ラケットの可撓性及び反発性 ともに向上させることは困難であり、例え 、ラケットの可撓性を向上させたときに、 ラケットの反発性が低下してしまう虞があ 。一方で、ラケットの反発性を維持したま 、該ラケットの可撓性を向上させることが められている。

 本発明は、かかる課題に鑑みてなされた のであり、その目的とするところは、ラケ トの反発性を維持したまま該ラケットの可 性を向上させることである。

 上記の課題を解決するために、主たる発 は、ストリングを挿入するための複数の挿 孔を備えたフレームと、該フレームに接合 たシャフトと、を有するラケットであって 前記シャフトの、前記ラケットの打面と交 する交差方向における中央部、に空洞部が 成されていることを特徴とするラケットで る。

 本発明の他の特徴については、本明細書 び添付図面の記載により明らかにする。

本実施形態のラケット10の構成を示す 面図である。 本実施形態のラケット10の構成を示す 面図である。 シャフト40の厚みとラケット10の可撓 との関係を示す図である(その1)。 シャフト40の厚みとラケット10の可撓 との関係を示す図である(その2)。 本実施形態のフレーム20の平面図であ 。 本実施形態のフレーム20の側面図であ 。 フレーム20をシャフト40側から見た図で ある。 図5中のA-A断面を示した図である。 本実施形態のストリング50の折り返し ついての説明するための模式図である。 従来のラケットにおけるフレーム20と ャフト40との接合位置周辺の拡大図である

符号の説明

10 ラケット、20 フレーム、22 挿入孔、22a  入孔、
24 溝、30 グリップ、40 シャフト、42 接合 、
44 空洞部、50 ストリング、60 打面、70 グ メット、
71 貫通孔、72 保護チューブ、80 折り返し部

 本明細書及び添付図面の記載により少な とも次のことが明らかにされる。

 先ず、ストリングを挿入するための複数 挿入孔を備えたフレームと、該フレームに 合したシャフトと、を有するラケットであ て、前記シャフトの、前記ラケットの打面 交差する交差方向における中央部、に空洞 が形成されているラケット。

 このようなラケットであれば、前記シャ トの、打面と交差する交差方向における中 部に空洞部が形成されている結果、ラケッ の反発性を犠牲にすることなく、該ラケッ の可撓性を向上させることが可能になる。

 また、上記のラケットにおいて、前記挿 孔から前記フレームの外側に出た前記スト ングを、他の前記挿入孔から前記フレーム 内側に入るために沿わせて折り返すための り返し部、が前記フレームの外縁のみに形 されていることとしてもよい。

 プレーヤーがボールを打ち返す際に該ボ ルに接触するストリングがフレームに対し 及ぼす衝撃力、についてもラケットの性能 して重要視される。この衝撃力によりラケ トが振動し、その振動は該ラケットを介し プレーヤーに伝わる。この振動の強さ(振動 の振幅)は前記衝撃力が大きくなるほど大き なり、前記振動が強くなるほどプレーヤー 大きな衝撃感を与え、該プレーヤーが不快 感じるようになる。このため、ラケットに しては、前記衝撃力を緩和させることが求 られている。上記のラケットであれば、挿 孔からフレームの外側に出て、他の挿入孔 ら前記フレームの内側に入るために折り返 れるストリング、がいずれも前記フレーム 外縁に沿って折り返される結果、ストリン がフレームに対して及ぼす衝撃力を緩和さ ることが可能になる。

 また、上記のラケットにおいて、前記シ フトは、前記交差方向から見て二股に分岐 て一対の接合部を形成し、該一対の接合部 先端にて前記フレームに接合しており、前 空洞部は、前記一対の接合部の各々に形成 れていることとしてもよい。

 このようなラケットであれば、上記の効 に加えて更に、プレーヤーがボールを打ち す際に打面を安定させることが可能になる( 換言すると、前記交差方向における打面の振 れ、所謂面振れを抑制することが可能になる )。これにより、プレーヤーがボールを打ち す際に該ボールが打ち出される方向をより 切にコントロールすることが可能になる。

 また、上記のラケットにおいて、前記挿 孔間に前記ストリングを張り渡すことによ 形成された前記打面、を囲んだ前記フレー を有し、前記挿入孔から前記フレームの外 に出て、他の前記挿入孔から前記フレーム 内側に入るために折り返されているストリ グ、がいずれも前記フレームの外縁に沿っ 折り返されていることとしてもよい。かか ラケットは、実際に挿入孔間にストリング 張り渡すことにより打面が形成されたもの あり、反発性を維持したまま可撓性が向上 ており、更に、ストリングがフレームに対 て及ぼす衝撃力を緩和させることが可能で る。

 ===本実施形態のラケットの形状について===
 本実施形態のラケット10の形状について、 1及び図2を参照しながら説明する。図1及び 2は、本実施形態のラケット10の構成を示す である。図1は、ラケット10を打面60に交差す る交差方向から見たときの平面図である。図 2は、ラケット10の側面図である。図2には、 印にて前記交差方向が示されている。

 本実施形態のラケット10は、図1に示すよ に、フレーム20と、グリップ30と、シャフト 40と、を有する。

 フレーム20は、打面60を囲んだ枠体であり 、ラケット10の先端側に位置する。本実施形 のフレーム20は、高弾性カーボン、ゴムメ ル(登録商標、以下の説明において同様)、及 び、カップスタック型カーボンナノチューブ を混合させた素材からなり、略楕円形に成形 されている。

 フレーム20には、図2に示すように、該フ ーム20の外縁に沿って並んだ複数の挿入孔22 が備えられている。この挿入孔22は、ストリ グ50を挿入するための孔(所謂、鳩目)であり 、ストリング50をフレーム20の外側から内側 入れる際(あるいは、フレーム20の内側から 側に出す際)に該ストリング50が前記挿入孔22 に挿入される。

 挿入孔22は、図2に示すように、該フレー 20の前記交差方向における中央部に位置し いる。挿入孔22に挿入されたストリング50は フレーム20の内側において該フレーム20の長 径方向及び短径方向に沿って張設される。そ して、ある挿入孔22からフレーム20の内側に ったストリング50は、前記長径方向(前記短 方向)に沿って、前記ある挿入孔22と対向す 位置にある挿入孔22に向けて張られる。スト リング50が挿入孔22間に張り渡されると、該 トリング50がフレーム20の内側で格子状に交 るようになる。この結果、該フレーム20の 側において水平面をなす略楕円形の打面60が 形成される。

 また、ストリング50の多くは、挿入孔22か らフレーム20の外側に出て、他の挿入孔22か フレーム20の内側に入るために折り返されて いる。ここで、ストリング50を折り返すとは 挿入孔22からフレーム20の外側に出たストリ ング50、を該ストリング50の張設方向(すなわ 、フレーム20の長径方向又は短径方向に沿 方向)と交差するように折った後、該ストリ グ50を、他の挿入孔22からフレーム20の内側 入れるために、再度、前記張設方向に沿う うに折って略U字状にすることを意味する。 なお、本実施形態におけるストリング50の折 返しについては、後述する。

 グリップ30は、プレーヤーが握り持つ部 であり、ラケット10の末端側に位置する。シ ャフト40は、フレーム20とグリップ30との間に 位置し、該フレーム20とグリップ30とを連結 る部材である。つまり、シャフト40は、フレ ーム20及びグリップ30に接合している。本実 形態のシャフト40は、高弾性カーボン、ゴム メタル、及び、カップスタック型カーボンナ ノチューブを混合させた素材からなる。

 また、シャフト40は、図1に示すように、 面60と交差する交差方向から見て二股に分 して一対の接合部42を形成し、当該一対の接 合部42の先端にて前記フレーム20に接合して る。したがって、本実施形態では、フレー 20とシャフト40との接合位置(すなわち、接合 部42の先端の位置であり、図1において白丸に て示す)が、ラケット10の幅方向(換言すると フレーム20の短径方向に沿う方向)において2 所存在する。このように、フレーム20とシ フト40との接合位置がラケット10の幅方向に いて2箇所存在することにより、プレーヤー がボールを打ち返す際に打面60を安定させる とが可能になる。

 具体的に説明すると、打面60にボールが 突することにより、該打面60(より正確には 打面60と該打面60を囲んだフレーム20)が前記 差方向に振れるようになる(面振れ)。フレ ム20とシャフト40との接合位置がラケット10 幅方向において2箇所存在する場合には、接 位置が1箇所のみ存在する場合と比較して、 面振れをより抑制することが可能になる。こ れにより、プレーヤーがボールを打ち返す際 に該ボールが打ち出される方向をより適切に コントロールすることが可能になる。また、 面触れの抑制効果は、2つの前記接合位置の 記幅方向における間隔(図1において記号Lに 示す)が大きいほど発揮される。なお、本実 形態では前記間隔Lが約163.2mmに設定されて る。

 また、前記一対の接合部42の各々の前記 差方向における中央部には、図2に示すよう 、空洞部44が形成されている。当該空洞部44 については、後述する。

 <<空洞部44について>>
 次に、図1及び図2と、図3A及び図3Bとを参照 ながら、前述の空洞部44について説明する 図3A及び図3Bは、シャフト40の厚みとラケッ 10の可撓性との関係を示す図である。

 空洞部44は、前述したように、前記一対 接合部42の各々の前記交差方向における中央 部に形成されている(図2参照)。空洞部44は、 接合部42の幅方向(換言すると、フレーム20 短径方向に沿う方向)において一端から他端 で亘っている。

 また、各接合部42の空洞部44は、当該各接 合部42の長手方向に沿って形成されている。 洞部44の前記長手方向における一端側の境 位置(図1中、一点鎖線にて示す)は、接合部42 の先端位置に達している。一方、空洞部44の 記長手方向における他端側の境界位置(図1 、破線にて示す)は、接合部42の末端位置(す わち、シャフト40が二股に分岐する位置)よ もフレーム20側に位置している。

 そして、図2に示すように、各接合部42は 記幅方向から見てU字状になっており、各接 合部42の先端は開放端となっている。したが て、フレーム20の外縁の、シャフト40に隣り 合う部分(図1に示された空洞部44の前記長手 向における一端側の境界位置、に位置する 分)については、その交差方向中央部が、前 各接合部42の空洞部44に面している。

 また、本実施形態では、シャフト40の各 における前記交差方向の長さ(厚み)は、略等 しい。すなわち、シャフト40のうち、前記交 方向における中央部に空洞部44が形成され 部分の厚みは、実際、該空洞部44が形成され た分だけ薄くなっているものの、該空洞部44 含めた厚みは、前記空洞部44が形成された 分以外の部分の厚みと略等しくなっている なお、本実施形態において、空洞部44が形成 された部分の、該空洞部44を含めた厚み(図2 おいて記号tにて示す)は、フレーム20の厚み 略等しくなっている。

 以上のような空洞部44がシャフト40(より 確には、一対の接合部42の各々)に設けられ いることにより、ラケット10の反発性を維持 したまま、該ラケット10の可撓性を向上させ ことが可能になる。以下、かかる効果につ て説明する。

 ラケット10の可撓性は、シャフト40の厚み に依存する。具体的に説明すると、シャフト 40の厚みを薄くするほど、ボールが打面60に 突した際に該打面60(より正確には、打面60と 該打面60を囲んだフレーム20)が前記ボールの 突により倒れるように前記シャフト40が撓 易くなる(すなわち、図3Aに示す状態から図3B に示す状態に変移し易い)。例えば、約27mmの みを有するシャフト40の撓り易さを100とし とき、約18mm~20mmの厚みを有するシャフト40の 撓り易さは約107となる。

 そして、シャフト40が撓り易くなるほど 打面60に衝突したボールが該打面60上に保持 れる時間(ホールド時間)が長くなる。ホー ド時間が長くなるということは、ボールが 面60に衝突した際にプレーヤーが柔らかな打 球感を感じることと同義である。

 以上のような理由により、ラケットの可 性を向上させるための方策の一つとして、 ャフト40を減肉して該シャフト40の厚みを薄 くすることが考えられる。しかしながら、シ ャフト40を単に減肉しただけでは、ボールが 面60に衝突した際に該シャフト40が撓り易く なるものの、撓る前の状態に復帰するまでの 時間が長くなる(復元性が低下する)。

 この結果、前記打面60からボールに及ぶ 発力が小さくなってしまい(すなわち、反発 が低下してしまい)、ボールを打ち返す際の 該ボールの打ち出し速度(初速度)がより遅く ってしまう。例えば、厚みが約27mmであるシ ャフト40を備えたラケットでボールを打ち返 た際の打ち出し速度を100とすると、厚みが 18mm~20mmであるシャフト40を備えたラケット 打ち返した際の打ち出し速度は約98となる。

 これに対し、本実施形態では、ラケット 可撓性を向上させるために、シャフト40(よ 正確には、各接合部42)の前記交差方向にお る中央部に空洞部44が形成されている。つ り、シャフト40の、空洞部44が形成された部 の厚みが、実際には該空洞部44が形成され 分だけ薄くなっているため、ボールが打面60 に衝突した際の前記シャフト40の撓り易さが 上する。具体的に説明すると、約27mmの厚み を有するシャフト40の撓り易さを100としたと 、本実施形態のシャフト40の撓り易さは約10 4である。

 一方、シャフト40の、空洞部44が形成され た部分の、該空洞部44を含めた厚みtについて は、前述したように、空洞部44が形成された 分以外の部分の厚みと略等しくなっている この結果、シャフト40を単に減肉して該シ フト40の厚みを薄くする場合と比較して、該 シャフト40の弾性がより高くなる。これによ 、シャフト40の復元性がより高くなり、該 ャフト40が撓った状態から撓る前の状態に復 帰するまでの時間がより短縮される。

 このため、空洞部44の形成によって、前 シャフト40の、該空洞部44が形成された部分 厚みが実際には薄くなるものの、打面60か ボールに及ぶ反発力(すなわち、ラケット10 反発性)の低下が抑えられることになる。こ 結果、ボールを打ち返す際の打ち出し速度 低下も抑えられることになる。具体的に説 すると、厚みが約27mmであるシャフト40を備 たラケットでボールを打ち返した際の打ち し速度を100とすると、本実施形態のシャフ 40を備えたラケットで打ち返した際の打ち し速度は約104である。

 このように、本実施形態では、ラケット1 0の反発性を損なうことなく、該ラケット10の 可撓性を向上させることが可能である。これ により、プレーヤーが本実施形態のラケット 10によりボールを打ち返す際には、該ボール 打ち出し速度がシャフト40に空洞部44が形成 されていない場合の該打ち出し速度よりも遅 くなることなく、前記プレーヤーにより柔ら かな打球感を与えることが可能になる。

 さらに、本実施形態のシャフト40は、前 したように、一般的なカーボンナノチュー よりも柔軟性を有するカップスタック型カ ボンナノチューブを含有する素材からなる め、ラケット10の可撓性及び反発性をより向 上させている。

 <<ストリング50の折り返しについて>&g t;
 本実施形態では、前述したように、ストリ グ50の多くが、挿入孔22からフレーム20の外 に出て、他の挿入孔22からフレーム20の内側 に入るために折り返されている。ストリング 50の折り返しについて説明するに当たり、先 、本実施形態のフレーム20について、図4A乃 至図7Bを参照しながら、より詳細に説明する

 図4A及び図4Bは、本実施形態のフレーム20 示した図であり、図4Aはフレーム20の平面図 を、図4Bはフレーム20の側面図を、それぞれ している。図5は、フレーム20をシャフト40側 から見た図である。図6は、図5中のA-A断面を した図である。図7Aは、本実施形態のスト ング50の折り返しについての説明するための 模式図であり、本実施形態のラケット10にお るフレーム20とシャフト40との接合位置周辺 の拡大図である。図7Bは、従来のラケットに けるフレーム20とシャフト40との接合位置周 辺の拡大図である。

 本実施形態のフレーム20の前記交差方向 中央部には、図5及び図6に示すように、該フ レーム20の外縁に沿った溝24が該フレーム20の 略全周に亘って形成されている。また、当該 溝24の底部には前記挿入孔22の開口が形成さ ている。そして、図6に示すように、当該溝2 4には、フレーム20及びストリング50の保護材 してのグロメット70が嵌合している。この ロメット70には、該グロメット70の厚み方向 おいて該グロメット70を貫通する貫通孔71、 が該グロメット70の長手方向において複数備 られている。この貫通孔71は、グロメット70 が前記溝24に嵌合すると前記挿入孔22と連通 る。

 さらに、図6に示すように、グロメット70 、前記溝24の底面と対向する側の表面には プラスチック製の保護チューブ72が複数取り 付けられている。この保護チューブ72は、前 貫通孔71と連通している。そして、図6に示 ように、保護チューブ72は、グロメット70が 前記溝24に嵌合すると前記挿入孔22に嵌合す とともに、その一部がフレーム20の内側に突 出するようになる。

 そして、ストリング50は、前記溝24に嵌合 されたグロメット70の貫通孔71と保護チュー 72内を通過することにより、挿入孔22に挿入 れることになる。このため、ストリング50 、ある挿入孔22からフレーム20の外側に出る に、前記貫通孔71と保護チューブ72内を通過 することになる。同様に、前記ある挿入孔22 らフレーム20の外側に出たストリング50は、 他の挿入孔22(より正確には、ある挿入孔22と り合った挿入孔22)からフレーム20の内側に る際に、前記貫通孔71と保護チューブ72内を 過することになる。さらに、前記ある挿入 22からフレーム20の外側に出たストリング50 、他の挿入孔22からフレーム20の内側に入る ために折り返される際、該フレーム20の外縁 沿い、かつ、グロメット70に掛かるように り返される。

 以上のようにストリング50とフレーム20の 間にグロメット70や保護チューブ72が介在す ため、ストリング50がフレーム20に直接接触 ることがない。これにより、テンションが かった状態のストリング50がフレーム20に接 触して該フレーム20が損傷することが防止さ るとともに、フレーム20との接触によりス リング50を傷付けることが防止される。

 ところで、挿入孔22からフレーム20の外側 に出たストリング50を該フレーム20の外側で り返すためには、前記挿入孔22の出口(フレ ム20の外縁)の外側に空間が確保されている 要がある。一方、フレーム20の外縁の一部は 、図7Aに示すように、シャフト40の接合部42に 隣り合う。そして、挿入孔22の中には、フレ ム20の外縁のシャフト40に隣り合う部分に掛 かる挿入孔22aがある。当該挿入孔22aは、図4A 図4B及び図7Aに示すように、フレーム20の長 方向に沿って張られるストリング50が挿入 れる挿入孔22である。このような挿入孔22aか らストリング50をフレーム20の外側に出して り返すためには、該ストリング50を折り返す だけの空間が確保された位置まで該ストリン グ50を通す必要がある。

 本実施形態では、前述したように、各接 部42の先端が開放端となっており、フレー 20の外縁のシャフト40に隣り合う部分のうち 交差方向中央部に位置する部分が、前記各 合部42の空洞部44に面している。そして、当 該空洞部44に面した部分に挿入孔22aの出口が 成されている。つまり、当該挿入孔22aの出 の外側には空間が確保されている。このた 、図5や図7Aに示すように、当該挿入孔22aか フレーム20の外側に出たストリング50につい ても、前記フレーム20の外縁に沿って折り返 ことが可能である。

 この結果、図5に示すように、フレーム20 外縁のシャフト40に隣り合う部分に掛かる 入孔22aからフレーム20の外側に出るストリン グ50を含め、挿入孔22からフレーム20の外側に 出るストリング50については、いずれも、フ ーム20の外縁に沿って折り返されて、他の 入孔22から該フレーム20の内側に入っている つまり、本実施形態では、挿入孔22aからフ ーム20の外側に出て該挿入孔22と隣り合う挿 入孔22から該フレーム20の内側に入るために り返されるストリング50は、いずれも該フレ ーム20の外縁に沿って折り返されていること なる。換言すると、本実施形態では、挿入 22からフレーム20の外側に出たストリング50 、他の挿入孔22から該フレーム20の内側に入 るために沿わせて折り返すための折り返し部 80(図7A参照)が前記フレーム20の外縁のみに形 されている。

 ここで、本実施形態の折り返し部80は、 レーム20の外縁に形成され、挿入孔22からフ ーム20の外側に出たストリング50を他の挿入 孔22から該フレーム20の内側に入るために略U 状に折り返すために、前記ストリング50に わせる面である。より具体的に説明すると 本実施形態の折り返し部80は、互いに隣り合 う挿入孔22の間に位置した面のことである。

 このように、挿入孔22からフレーム20の外 側に出て他の挿入孔22から該フレーム20の内 に入るストリング50、がいずれも該フレーム 20の外縁に沿って折り返されていることによ 、前記ストリング50にボールが衝突した際 該ストリング50が前記フレーム20に及ぼす衝 力が緩和される。かかる効果について、以 、図7A及び図7Bを参照しながら具体的に説明 する。

 フレーム20の長径方向に沿って張られた トリング50が挿入される挿入孔22のうち、フ ーム20の外縁のうちのシャフト40に隣り合う 部分に掛かる挿入孔22aは、前述したように、 ラケット10の幅方向における両端側に位置す 。そして、当該挿入孔22aは、図7A及び図7Bに 示すように、該ストリング50が張られる方向( すなわち、フレーム20の長径方向に沿う方向) に対して傾いた方向に形成されている。つま り、この挿入孔22aに挿入されたストリング50 、該挿入孔22aに挿入されるために屈曲する とになる。

 前記挿入孔22aに挿入されたストリング50 ボールが衝突すると、当該ボールとの衝突 よって、前記ストリング50に引張り力Fが付 される。この引張り力Fは、前記ストリング5 0の折り返し位置(より正確には、前記挿入孔2 2aからフレーム20の外側に出たストリング50が 前記挿入孔22aの出口にて折られる位置であり 、図7A及び図7B中、記号Aにて示す)から、前記 ストリング50とボールとの衝突位置(図7A及び 7B中、記号Bにて示す)に向かう方向に作用す る。

 一方、ストリング50に前記引張り力Fが付 されると、該ストリング50が前記挿入孔22a 挿入されるために屈曲する位置(より正確に 、フレーム20の長径方向に沿って張られた トリング50が前記挿入孔22aに挿入されるため に屈曲する位置であり、図7A及び図7B中、記 Cにて示す)において、前記ストリング50がフ ーム20に押力fを付与することになる。この 力fは、ストリング50とボールとの衝突位置B を力点とし、該ストリング50の折り位置Aを支 点とし、該ストリング50が前記挿入孔22aに挿 されるために屈曲する位置Cを作用点とした とき、前記支点に引張り力Fが生じた際に前 作用点に作用する力である。

 そして、前記押力fが、前記ストリング50 ボールが衝突した際に該ストリング50が前 フレーム20に及ぼす衝撃力、となる。なお、 ストリング50が前記挿入孔22aに挿入されるた に屈曲する位置Cにおいて、該ストリング50 フレーム20に接触せずに保護チューブ72に接 触しているため、上記の押力fは、前記スト ング50から前記保護チューブ72を介して前記 レーム20に付与されることになる。

 上記の押力fは、前記ストリング50の折り 置Aから、該ストリング50が前記挿入孔22aに 入されるために屈曲する位置Cまでの距離( 7A及び図7B中、記号dにて示す)が長くなるほ 、大きくなる。また、前記押力fは、前記挿 孔22aに挿入されるために屈曲したストリン 50の屈曲角度(図7A及び図7B中、記号θにて示 )が小さくなるほど、大きくなる。

 ところで、従来のラケットでは、各接合 42の先端が閉塞端になっており、フレーム20 の外縁のうち、シャフト40に隣り合う部分は 全面、該シャフト40(より正確には、接合部4 2)に接触していた。つまり、フレーム20の外 の、シャフト40に隣り合う部分は、該フレー ム20の外側の空間に対して露出していなかっ 。

 このため、従来、フレーム20の外縁のう 、シャフト40に隣り合う部分に掛かる挿入孔 22aは、フレーム20のみならず、シャフト40(よ 正確には、接合部42)まで貫通するように形 されていた。つまり、図7Bに示すように、 来のラケットでは、折り返し部80の一部(正 には、前記挿入孔22aからフレーム20の外側に 出たストリング50を、該挿入孔22aと隣り合う の挿入孔22aからフレーム20の内側に入れる めに沿わせて折り返すための折り返し部80) 、シャフト40の外縁に形成されていた。この 結果、前記挿入孔22aに挿入されたストリング 50の折り位置Aから、該ストリング50が前記挿 孔22aに挿入されるために屈曲する位置Cまで の距離dが、接合部42の幅を含んだ分だけ長く なっていた。

 また、接合部42まで貫通した前記挿入孔22 aについては、接合部42に対して略直交するよ うに形成される必要があるため、該挿入孔22a の形成方向(換言すると、挿入孔22aのフレー 20の長径方向に対する傾き)が制限されてい 。この結果、前記挿入孔22aに挿入されるた に屈曲したストリング50の屈曲角度θについ も制限されていた。

 これに対して、本実施形態のラケット10 は、前述したように、フレーム20の外縁のシ ャフト40に隣り合う部分の中に、前記各接合 42の空洞部44に面した部分があり、当該部分 に挿入孔22aの出口が形成されている。すなわ ち、挿入孔22aは、シャフト40まで至らず、前 フレーム20にのみ形成されている。つまり 前記挿入孔22aからフレーム20の外側に出たス トリング50を、該挿入孔22aと隣り合う他の挿 孔22aからフレーム20の内側に入れるために わせて折り返すための折り返し部80が、フレ ーム20の外縁に形成されている。このため、 7Aに示すように、前記挿入孔22aに挿入され ストリング50の折り位置Aから、該ストリン 50が前記挿入孔22aに挿入されるために屈曲す る位置Cまでの距離dは、従来のラケット10に ける該距離dよりも短くなる。

 さらに、挿入孔22aがシャフト40まで至っ いないため、挿入孔22aがシャフト40まで至っ ている場合よりも、該挿入孔22aの形成方向に 対する制限の度合いが緩和される。したがっ て、該挿入孔22aに挿入されるために屈曲した ストリング50の屈曲角度θに対しても制限が 和されるため、従来のラケットにおける該 曲角度θよりも大きく設定することが可能で ある(図7A参照)。

 以上のように、本実施形態のラケット10 は、シャフト40の接合部42に該接合部42の先 位置まで達する空洞部44が形成されている。 このため、フレーム20の外縁のシャフト40に り合う部分に掛かる挿入孔22aの出口の外側 は、該挿入孔22aからフレーム20の外側に出た ストリング50を折り返すだけの空間が確保さ ることになる。これにより、フレーム20の 縁のシャフト40に隣り合う部分に掛かる挿入 孔22aからフレーム20の外側に出たストリング5 0は、フレーム20の外縁に沿って折り返される ようになる。すなわち、本実施形態では、前 記挿入孔22aからフレーム20の外側に出たスト ング50を、該挿入孔22aと隣り合う他の挿入 22aからフレーム20の内側に入れるために沿わ せて折り返すための折り返し部80を、前記空 部44を利用することにより(つまり、前記折 返し部80を、空洞部44のフレーム20側の境界 置に位置させることにより)、フレーム20の 縁に形成させることが可能になる。

 この結果、従来のラケットと比較して、 記距離dがより短くなり、かつ、前記屈曲角 度θをより大きく設定することが可能となる このため、図7A及び図7Bに示すように、フレ ーム20の外縁のシャフト40に隣り合う部分に かる挿入孔22aに挿入されたストリング50、に ボールが衝突した際に該ストリング50がフレ ム20に付与する押力fがより小さくなる。す わち、前記ストリング50がボールとの衝突 よってフレーム20に及ぼす衝撃力がより緩和 されることになる。これにより、前記衝撃力 により生じるラケット10の振動の強さ(振動の 振幅)、及び、プレーヤーが感じる衝撃感が 和される。

 そして、フレーム20の外縁のシャフト40に 隣り合う部分、に掛かる挿入孔22aに挿入され たストリング50がフレーム20に及ぼす衝撃力f 緩和される結果、打面60のうち、プレーヤ が快適にボールを打ち返すことが可能な領 が拡大することになる。

 具体的に説明すると、打面60のうち、ラ ット10の幅方向中央部に位置する領域は、所 謂スウィートスポットと呼ばれ、当該領域に おいて張られたストリング50にボールが衝突 た際の衝撃力が最も小さくなる。すなわち ラケット10の幅方向中央部において該ラケ ト10の長径方向に張られたストリング50は、 入孔22に挿入されるために屈曲していない め、該ストリング50にボールが衝突した際に 該ストリング50からフレーム20に衝撃力が及 難い。一方、ラケット10の長径方向に張られ たストリング50のうち、ラケット10の幅方向 おいてスウィートスポットから外れた位置 て張られたストリング50は、挿入孔22に挿入 れるために屈曲するため、該ストリング50 ボールが衝突した際に該ストリング50からフ レーム20に衝撃力が及び易くなる。

 また、従来のラケットでは、上述したよ に、スウィートスポットから外れた位置に 張られた前記ストリング50のうち、フレー 20の外縁のシャフト40に隣り合う部分、に掛 る挿入孔22aに挿入されたストリング50、に ールが衝突した場合、該ストリング50からフ レーム20に及ぶ衝撃力が、前記挿入孔22aがシ フト40を貫通している分だけ、より大きく っていた。このため、打面60にてボールを打 ち返す場合、ラケットの幅方向においてスウ ィートスポットに隣接した領域にボールが衝 突すると、前記ストリング50からフレーム20 、より大きな衝撃力が及び、当該衝撃力に りプレーヤーが不快に感じていた。すなわ 、従来のラケットでは、打面60のうち、プレ ーヤーが快適にボールを打ち返すことが可能 な領域が限られていた。

 これに対し、本実施形態のラケット10で 、上述した通り、フレーム20の外縁のシャフ ト40に隣り合う部分に掛かる挿入孔22aに挿入 れたストリング50、にボールが衝突した際 該ストリング50からフレーム20に及ぶ衝撃力 、前記挿入孔22aがシャフト40を貫通しなく った分だけ緩和される。したがって、打面60 の、ラケットの幅方向においてスウィートス ポットに隣接した領域、にボールが衝突した 際に前記ストリング50からフレーム20に及ぶ 撃力が緩和される。この結果、スウィート ポットの外側(より正確には、スウィートス ットに隣接する領域)にてボールを打ち返し た場合でもあっても、プレーヤーに不快感を 与えるような衝撃力は発生しなくなる。すな わち、本実施形態では、打面60のうち、プレ ヤーが快適にボールを打ち返すことが可能 領域がラケット10の幅方向において拡大す ことになる。

 以上、上記実施の形態に基づき本発明に るラケット10について説明したが、上記し 発明の実施の形態は、本発明の理解を容易 するためのものであり、本発明を限定する のではない。本発明は、その趣旨を逸脱す ことなく、変更、改良され得ると共に、本 明にはその等価物が含まれることはもちろ である。