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Title:
RADIO CIRCUIT DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/075100
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a radio circuit device which can minimize mixing/modulation disturbance of a reception circuit attributed to a transmission signal leak. The radio circuit device includes: a transmission baseband circuit (12) which outputs a transmission signal; reception circuits (14, 15) which input a reception signal as a differential RF signal; an envelope signal generation circuit (24) which generates an envelope signal obtained by squaring the envelope signal of the RF transmission signal from the transmission signal (12) outputted from the transmission baseband circuit; an envelope signal control circuit (20) which outputs a control signal for controlling the amplitude and the delay time of the envelope signal; and an envelope signal implantation circuit (23) which controls the amplitude and the delay time of the envelope signal according to the control signal outputted from the envelope signal control circuit (20) and implants the controlled envelope signal in the same phase as the differential RF signal of the reception circuits (14, 15).

Inventors:
NAKATANI TOSHIFUMI
TSUKAMOTO SATOSHI
SAITO NORIAKI
Application Number:
PCT/JP2008/003679
Publication Date:
June 18, 2009
Filing Date:
December 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
NAKATANI TOSHIFUMI
TSUKAMOTO SATOSHI
SAITO NORIAKI
International Classes:
H04B1/40; H04B15/00
Domestic Patent References:
WO2005025079A12005-03-17
Foreign References:
JP2000349678A2000-12-15
JP2004215244A2004-07-29
JP2005167719A2005-06-23
JP2006527530A2006-11-30
JPH09312587A1997-12-02
JP2007288492A2007-11-01
Attorney, Agent or Firm:
OGASAWARA, Shiro (13th Floor 1-23-101, Esakacho, Suita-sh, Osaka 63, JP)
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Claims:
 デュプレクサで送受信間を分離する無線回路装置であって、
 送信信号を出力する送信ベースバンド回路と、
 受信信号を差動信号で入力する受信回路と、
 前記送信ベースバンド回路が出力する送信信号から、送信信号の包絡線の2乗成分からなる包絡線信号を生成する包絡線信号生成回路と、
 前記包絡線信号の振幅及び前記送信信号に対する前記包絡線信号の遅延時間の少なくとも一方を制御するための制御信号を出力する包絡線信号制御回路と、
 前記包絡線信号制御回路が出力する前記制御信号に応じて、前記包絡線信号の振幅及び遅延時間を補正し、当該補正包絡線信号を前記受信回路の差動信号のそれぞれに対して同相で注入し、前記デュプレクサを介して前記受信回路にリークしたリーク送信信号を抑圧する包絡線信号注入回路とを備える、無線回路装置。
 前記包絡線信号制御回路は、前記デュプレクサを介して前記受信回路にリークしたリーク送信信号と前記補正包絡線信号との加算信号の振幅が実質的にゼロとなるように、前記包絡線信号の振幅及び遅延時間の少なくとも一方を制御する、請求項1に記載の無線回路装置。
 前記包絡線信号の振幅と遅延時間との関連を示した情報を格納するルックアップテーブルをさらに備え、
 前記包絡線信号制御回路は、前記ルックアップテーブルの情報に応じて前記制御信号を出力する、請求項1に記載の無線回路装置。
 前記ルックアップテーブルは、各送信周波数に対して前記包絡線信号の振幅と遅延時間との関連を示した情報を格納し、
 前記包絡線信号制御回路は、送信信号の周波数に応じて前記制御信号を出力する、請求項3に記載の無線回路装置。
 前記ルックアップテーブルは、各受信周波数に対して前記包絡線信号の振幅と遅延時間との関連を示した情報を格納し、
 前記包絡線信号制御回路は、受信信号の周波数に応じて前記制御信号を出力する、請求項3に記載の無線回路装置。
 前記ルックアップテーブルは、前記無線回路装置に供給される電源電圧に対して前記包絡線信号の振幅と遅延時間との関連を示した情報を格納し、
 前記包絡線信号制御回路は、電源電圧に応じて前記制御信号を出力する、請求項3に記載の無線回路装置。
 前記ルックアップテーブルは、前記無線回路装置内の温度に対して前記包絡線信号の振幅と遅延時間との関連を示した情報を格納し、
 前記包絡線信号制御回路は、前記温度に応じて前記制御信号を出力する、請求項3に記載の無線回路装置。
 前記受信回路は、前記差動信号を増幅する増幅器と、当該増幅器で増幅された差動信号を局部発振信号を用いてベースバンド信号に変換するダウンミキサとを含み、
 前記包絡線信号注入回路は、前記制御した包絡線信号を前記受信回路のダウンミキサの入力に注入する、請求項1に記載の無線回路装置。
 前記受信回路は、前記差動信号を増幅する増幅器と、当該増幅器で増幅された差動信号を局部発振信号を用いてベースバンド信号に変換するダウンミキサとを含み、
 前記包絡線信号注入回路は、前記制御した包絡線信号を前記受信回路の増幅器の入力に注入する、請求項1に記載の無線回路装置。
 前記送信ベースバンド回路は、ポーラ変調方式のベースバンド信号を出力し、
 前記包絡線信号生成回路は、前記ベースバンド信号のうち振幅変調信号を2乗して前記包絡線信号を生成する、請求項1に記載の無線回路装置。
 前記送信ベースバンド回路は、直交変調方式のベースバンド信号を出力し、
 前記包絡線信号生成回路は、前記ベースバンド信号のI成分信号とQ成分信号との2乗和によって前記包絡線信号を生成する、請求項1に記載の無線回路装置。
 前記包絡線信号生成回路の前段にデジタルフィルタ回路をさらに備え、
 前記デジタルフィルタ回路のフィルタ係数は、前記デジタルフィルタ回路を通過した前記包絡線信号の周波数特性が、前記リーク送信信号の振幅の周波数特性と実質的に等しくなるように制御される、請求項1に記載の無線回路装置。
 前記包絡線制御回路と前記受信回路との間に、前記包絡線信号注入回路が出力する包絡線信号を歪ませる前置歪み回路をさらに設けたことを特徴とする、請求項1に記載の無線回路装置。
 前記包絡線制御回路と前記受信回路との間に、複数の遅延素子の組み合わせを切り換えて任意の遅延時間を調整できる遅延時間切換回路をさらに設けたことを特徴とする、請求項1に記載の無線回路装置。
Description:
無線回路装置

 本発明は、送信信号リークに起因する受 回路の混変調妨害を低減する無線回路装置 関する。

 携帯電話の高速伝送の要望は年々高くな ている。それに応えるため、第3世代の携帯 電話では、同時送受信のシステムが用いられ るようになっている。

 図11に、第3世代の携帯電話の1つであるUMT S無線機及びそのUMTS無線機で発生する妨害の 例を示す。3GPPが定めるスタンダードでのテ ストシナリオでは、UMTS所望波の近傍にGSM妨 波が受信されるものがある(Narrow Band Blocking 、Narrow Band Intermodulation、図11の(a))。一方、 時送受信時には、送信信号の一部がデュプ クサ133を介して低雑音増幅器(LNA)134に入力 れる。このとき、LNA134の非線形性により、GS M妨害波に送信信号リークの包絡線が混変調 るという現象が生じる(図11の(b))。混変調の 音はUMTS所望波の周波数まで拡がるため、受 信感度劣化の要因となる。

 一般的には、図11に示すUMTS無線機のよう 、LNA134とダウンミキサ136との間にフィルタ1 35が挿入されているため、ダウンミキサ136で 上述した妨害は十分に小さい。しかし、端 のさらなる小型化及び低コスト化のために 、将来的にフィルタ135の削減は避けられな 。フィルタ135が無いUMTS無線機では、LNA134に よって増幅された妨害波がそのまま伝達され るため、上述したようにダウンミキサ136で大 きな混変調妨害が発生する。従って、この混 変調妨害の低減技術が必要不可欠となってい る。

 図12に、この混変調妨害を低減する従来 無線回路装置の構成を示す(特許文献1を参照 )。図12に示す従来の無線回路装置は、送信回 路141及び受信回路142がデュプレクサ143を介し てアンテナ140に接続され、送信回路141からの 送信信号の送信及び受信回路142への受信信号 の受信に、アンテナ140を同時に使用する構成 であり、送信回路141からの送信信号と逆相の 相殺信号を発生する相殺信号発生部144を備え ている。そして、この従来の無線回路装置で は、相殺信号発生部144からの相殺信号を電力 合成部145において受信回路142への受信信号に 合成して、デュプレクサ143を介して受信回路 142への受信信号に漏洩する上記送信回路141か らの送信信号を相殺することにより、低雑音 増幅部146における飽和を回避している。

 また、図13に、混変調妨害を低減する他 従来の無線回路装置の構成を示す(特許文献2 を参照)。図13に示す従来の無線回路装置(送 信機)150は、ベースバンド信号を出力するベ スバンドユニット151と、ベースバンド信号 変調して被変調信号を出力する変調ユニッ 152と、被変調信号を増幅して送受切換器153 送信信号を出力する送信増幅器154と、送受 換器153から受信信号を受け取ると共に、送 信号に比例する包絡線信号によって変調さ る利得を有する受信増幅器155とを備えてい 。ここで、妨害物156は、無線回路装置150を する符号分割多重アクセス(CDMA)電話と混信 、あるいは妨害するAMPS型の電話であって、 妨害波157の発生源である。図13の無線回路装 150は、ベースバンドユニット151が受信増幅 155の利得を送信信号の包絡線の2乗に比例し て変化させることにより、混変調の低減を行 っている。

 さらに、図14に、混変調妨害を低減する の従来の無線回路装置の構成を示す(特許文 3を参照)。図14に示す従来の無線回路装置( 線トランシーバ)は、送信信号経路160と受信 号経路161とを有し、経路160及び161はデュプ クサ162を介してアンテナ163に接続されてい 。ここで、受信信号経路161に含まれる増幅 164は、受信経路内の振幅変調された送信又 他のブリードオーバー信号を使用して、受 経路上で振幅変調されていない妨害信号を 調(又はすでに振幅変調された妨害信号を更 に変調)する。この混変調妨害を低減するに 、増幅器164の非線形性を考慮しなければな ない。

 そこで、図14に示す従来の無線回路装置で 、受信信号165を線形化回路166にリダイレク し、調整信号167を増幅器164に出力する。線 化回路166は、送信信号168の一部を検波して 絡線信号を抽出し、この包絡線信号から送 信信号とは異なる周波数のダミー変調信号 作り出す。具体的には、包絡線信号の2乗と ミー信号の包絡線の2乗との和が一定になる ようにし、このダミー信号と受信信号165とを 合成し、妨害波に対して線形方法で増幅させ るよう増幅器164に強制する。また、増幅器164 の出力は、フィルタ169によりダミー信号、ブ リードオーバー信号、妨害信号、及びダミー 信号を取り込むことによって生成される任意 の相互変調積の帯域幅を持つ信号を除去し、 混変調妨害を低減している。

特開平11-308143号公報

特開2000-349678号公報

特表2005-531991号公報

 しかしながら、上記特許文献1に記載の従 来の無線回路装置では、送信信号と逆相の相 殺信号が受信回路142の入力に注入される。こ のとき、注入される相殺信号のみならず、電 力合成部145で発生する受信帯域周波数の雑音 も入力される。よって、この雑音で受信感度 が劣化する。なお、相殺信号の周波数と受信 信号の周波数とが近いため、高Q値の外付け ィルタを用いずにこの雑音を低減すること 困難となる。

 また、上記特許文献2に記載の従来の無線 回路装置150では、送信信号の包絡線を用いて 混変調を低減できるとしている。しかし、受 信信号と送信信号とは、同じ帯域幅を持つ。 受信増幅器155の利得を送信信号の包絡線で変 調すると、受信信号の変調波に送信信号の包 絡線が重畳されてしまう。また、受信増幅器 155の3次の非線形係数も、利得の変化に合わ て変化する。その結果、新たな妨害が発生 、受信感度が劣化する。

 さらに、上記特許文献3に記載の従来の無 線回路装置では、受信信号経路161の入力に送 信信号168の包絡線と逆相の包絡線を持ったダ ミー信号を注入することにより、混変調妨害 が低減できるとしている。しかしながら、注 入したダミー信号を抑圧するためのフィルタ 169が新たに必要となる。これはフィルタレス という本来の目的と矛盾する。また、受信信 号経路161の入力に線形化回路166があり、この 線形化回路166で発生する雑音で受信感度が劣 化してしまう。

 それ故に、本発明の目的は、上記従来の 題を克服しつつ、送信信号リークに起因す 受信回路の混変調妨害を低減することがで る無線回路装置を提供することである。

 本発明は、デュプレクサで送受信間を分 する無線回路装置に向けられている。そし 、上記目的を達成するために、本発明の無 回路装置は、送信信号を出力する送信ベー バンド回路と、受信信号を差動信号で入力 る受信回路と、送信ベースバンド回路が出 する送信信号から、送信信号の包絡線の2乗 成分からなる包絡線信号を生成する包絡線信 号生成回路と、包絡線信号の振幅及び送信信 号に対する包絡線信号の遅延時間を制御する ための制御信号を出力する包絡線信号制御回 路と、包絡線信号制御回路が出力する制御信 号に応じて、包絡線信号の振幅及び遅延時間 を補正し、当該補正包絡線信号を受信回路の 差動信号のそれぞれに対して同相で注入し、 デュプレクサを介して受信回路にリークした リーク送信信号を抑圧する包絡線信号注入回 路とを備える。

 包絡線信号制御回路は、デュプレクサを して受信回路にリークしたリーク送信信号 補正包絡線信号との加算信号の振幅が実質 にゼロとなるように、包絡線信号の振幅及 遅延時間の少なくとも一方を制御すること 望ましい。

 この無線回路装置は、包絡線信号の振幅 遅延時間との関連を示した情報を格納する ックアップテーブルをさらに備え、包絡線 号制御回路は、ルックアップテーブルの情 に応じて制御信号を出力してもよい。また 包絡線信号生成回路の前段に、デジタルフ ルタ回路を通過した包絡線信号の周波数特 が、リーク送信信号の振幅の周波数特性と 質的に等しくなるように制御するデジタル ィルタ回路をさらに備えてもよい。さらに 、包絡線制御回路と前記受信回路との間に 包絡線信号注入回路が出力する包絡線信号 歪ませる前置歪み回路、又は複数の遅延素 の組み合わせを切り換えて任意の遅延時間 調整できる遅延時間切換回路を、さらに設 てもよい。

 ここで、ルックアップテーブルに、各送 周波数に対して包絡線信号の振幅と遅延時 との関連を示した情報を格納していれば、 絡線信号制御回路は、送信信号の周波数に じて制御信号を出力すればよいし、ルック ップテーブルに、各受信周波数に対して包 線信号の振幅と遅延時間との関連を示した 報を格納していれば、包絡線信号制御回路 、受信信号の周波数に応じて制御信号を出 すればよい。また、ルックアップテーブル 、無線回路装置に供給される電源電圧に対 て包絡線信号の振幅と遅延時間との関連を した情報を格納していれば、包絡線信号制 回路は、電源電圧に応じて制御信号を出力 ればよいし、ルックアップテーブルに、無 回路装置内の温度に対して包絡線信号の振 と遅延時間との関連を示した情報を格納し いれば、包絡線信号制御回路は、温度に応 て制御信号を出力すればよい。

 なお、受信回路が、差動信号を増幅する 幅器と、増幅器で増幅された差動信号を局 発振信号を用いてベースバンド信号に変換 るダウンミキサとを含む場合、包絡線信号 入回路は、制御した包絡線信号を、受信回 のダウンミキサの入力に注入するか、受信 路の増幅器の入力に注入することが好まし 。

 また、送信ベースバンド回路がポーラ変 方式のベースバンド信号を出力する場合、 絡線信号生成回路は、ベースバンド信号の ち振幅変調信号を2乗して包絡線信号を生成 することが望ましく、送信ベースバンド回路 が直交変調方式のベースバンド信号を出力す る場合、包絡線信号生成回路は、ベースバン ド信号のI成分信号とQ成分信号との2乗和によ って包絡線信号を生成することが望ましい。

 本発明の無線回路装置は、差動の受信回 に同相で送信信号の包絡線信号を注入する いう構成により、信号注入回路で発生する 音の影響が小さく、またLNA等で新たな妨害 発生させることなく、送信信号リークによ 混変調妨害を低減することができる。

図1は、本発明の第1の実施形態に係る 線回路装置の構成を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る 線回路装置に入力される信号の周波数スペ トラムである。 図3は、LNA15の等価回路モデルの一例を す図である。 図4は、ダウンミキサ17の等価回路モデ の一例を示す図である。 図5Aは、無線回路装置の動作を説明す 混変調雑音低減の理論計算例である。 図5Bは、無線回路装置の動作を説明す 混変調雑音低減の理論計算例である。 図5Cは、無線回路装置の動作を説明す 混変調雑音低減の理論計算例である。 図5Dは、無線回路装置の動作を説明す 混変調雑音低減の理論計算例である。 図6は、本発明の第2の実施形態に係る 線回路装置の構成を示す図である。 図7は、本発明の第3の実施形態に係る 線回路装置の構成を示す図である。 図8は、本発明の第4の実施形態に係る 線回路装置の構成を示す図である。 図9は、本発明の第5の実施形態に係る 線回路装置の構成を示す図である。 図10は、ルックアップテーブル21及び51 の一例を示す図である。 図11は、従来の携帯電話で発生する妨 の一例を説明する図である。 図12は、従来の無線回路装置の構成を す図である。 図13は、従来の無線回路装置の構成を す図である。 図14は、従来の無線回路装置の構成を す図である。

符号の説明

11、131、140、163 アンテナ
12 送信ベースバンド回路
13 送信RF回路
14、133、143、153、162 デュプレクサ
15、33、37、48、134、146、154、155、164 増幅器
16、145 加算器
17、136 ダウンミキサ
18 受信ベースバンド回路
19 周波数制御回路
20 包絡線信号制御回路
21、51 ルックアップテーブル
22 温度/電圧検出回路
23 包絡線信号注入回路
24 包絡線信号生成回路
25、32、43 発振器
31 ポーラ変調回路
34、38、42、46 DAC
35 包絡線信号変調回路
36、44 移相器
41 I/Q変調回路
45、47 乗算器
52 可変フィルタ回路
61 前置歪み回路
135、169 フィルタ
141、160 送信回路
142、161 受信回路
144 相殺信号発生部
151 ベースバンドユニット
152 変調ユニット
156 妨害物
166 線形化回路

 (第1の実施形態)
 図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線 路装置の構成を示す図である。第1の実施形 に係る無線回路装置では、送信ベースバン 回路12及び送信RF回路13が、デュプレクサ14 介してアンテナ11と接続されている。送信ベ ースバンド回路12で生成された送信信号は、 信RF回路13で送信周波数(RF)を持った信号に 換されてアンテナ11から送信される。アンテ ナ11、デュプレクサ14、送信ベースバンド回 12、及び送信RF回路13によって、送信回路が 成される。

 アンテナ11から受信された受信信号は、デ プレクサ14で差動信号に変換され、LNA15で増 される。LNA15で増幅された差動信号は、発 器25で生成された局部発振信号を用いてダウ ンミキサ17でベースバンド信号に変換されて 受信ベースバンド回路18に入力される。ア テナ11、デュプレクサ14、LNA15、加算器16、発 振器25、ダウンミキサ17、及び受信ベースバ ド回路18によって、受信回路が構成される。
 なお、本発明の各実施形態では、アンテナ1 1で受信した受信信号をデュプレクサ14で差動 変換する構成を説明するが、デュプレクサ14 LNA15との間をシングルエンド接続し、LNA15で 受信信号を差動変換する構成であってもよい 。

 また、周波数制御回路19は、図1に示され いないPLL回路のチャネル情報から送信信号 周波数及び受信信号の周波数の情報を入手 、送信RF回路13及び発振器25の制御を行う。 細は後で説明するが、周波数制御回路19は 包絡線信号制御回路20に制御信号を出力し、 包絡線信号注入回路23は、LNA15が出力する差 信号に注入する包絡線信号の振幅及び包絡 信号の送信信号に対する遅延時間(位相)を制 御する。

 次に、本第1の実施形態に係る無線回路装置 の混変調抑圧のメカニズムを説明する。
 アンテナ11及びデュプレクサ14を介して受信 される所望波、GSM妨害波、及びリーク送信信 号は、LNA15で増幅され、ダウンミキサ17でベ スバンド信号に変換される。包絡線信号注 回路23は、包絡線信号制御回路20の制御信号 応じて、包絡線信号生成回路24から出力さ る包絡線信号の振幅及び遅延時間の少なく も一方を補正し、補正した包絡線信号をダ ンミキサ17の入力にそれぞれに注入する。こ の注入は、加算器16を用いて、LNA15から出力 れる差動信号のそれぞれに、包絡線信号注 回路23が出力する同相の補正包絡線信号を加 算することで行われる。なお、デュプレクサ 14から出力される差動信号のそれぞれに、包 線信号注入回路23が出力する同相の補正包 線信号を加算してもよい。

 包絡線信号生成回路24は、送信ベースバ ド回路12から出力される送信信号から、送信 信号の包絡線の2乗成分からなる包絡線信号 生成する。ここで、包絡線信号制御回路20は 、包絡線信号の振幅と遅延時間との関連を示 した情報を格納するルックアップテーブル21 、周波数制御回路19から与えられる送信信 の周波数及び受信信号の周波数と、温度/電 検出回路22で検出された半導体(ICチップ)の 度及び供給電圧とに応じて、注入する包絡 信号の振幅及び遅延時間を制御するための 御信号を出力する。

 具体的には、温度/電圧検出回路22は、半 体(ICチップ)の温度及び供給電圧を検出し、 ルックアップテーブル21から包絡線信号の振 と遅延時間との関連を示した情報を読み出 。これにより、無線回路装置の温度変化に らずに混変調妨害の抑制を行うことができ 。このルックアップテーブル21には、例え 図10に示すように、無線回路装置内の温度、 送信又は受信周波数、及び無線回路装置に供 給される電源電圧について、包絡線信号の振 幅と遅延時間との関連が記述されている。

 なお、温度情報については、温度/電圧検 出回路22は、混変調妨害の温度変化の主原因 なるLNA15又はダウンミキサ17の温度を検出す ることが望ましいが、LNA15及びダウンミキサ1 7以外のICチップ内の他のブロックで検知して も構わない。また、温度及び供給電圧につい ては、検出温度及び検出供給電圧に対して適 時閾値を設定し、「高温/常温/低温」や「高 力/通常出力/低出力」のように段階制御を っても良い。また、温度検出は、熱電対や ランジスタ等の温度センサを温度測定箇所 装着して行うことができる。

 上述したように、LNA15及びダウンミキサ17 は、共に差動回路であって差動信号を入出力 する。一方、ダウンミキサ17に注入される2つ の包絡線信号は、同相信号となる。3GPPが定 るスタンダードでは、送信信号の包絡線成 が混変調によりGSM妨害波近傍に重畳される 合が想定されている。本実施形態に係る無 回路装置は、注入される包絡線信号の振幅 び遅延時間を制御することにより、混変調 音とアップコンバートされた信号とを互い 打ち消すことができる。なお、注入される2 の包絡線信号は、同相信号のため、コモン ードフィードバック等の同相除去回路によ て容易に除去できる。

 以下、混変調抑圧のメカニズムについて、 式を用いてさらに詳しく説明する。
 図2に、入力される信号の周波数スペクトラ ムを示す。送信信号として簡単のためAM変調 を想定する。アンテナ11で受信される信号 、所望波(desire)とCW妨害波(jammer)と受信回路 リークする送信信号(TX leakage)とする。この き、LNA15及びダウンミキサ17の非線形性によ り、ダウンミキサ17の出力ではCW妨害波に送 信号の包絡線の2乗成分が重畳される。ここ 、ダウンミキサ17の入力にこの送信信号の 絡線の2乗成分を同相信号で入力したとき、 の妨害成分がどの程度抑圧されるかを計算 る。

 まず、LNA15について説明する。
 図3に、LNA15の等価回路モデルの一例を示す LNA15は、差動アンプとする。デュプレクサ14 から入力されるCW妨害波電圧ν ja 及び送信信号リーク電圧ν tx (片側)は、[数1]で表される。ここで、送信信 周波数をf tx 、CW妨害波周波数をf ja 、変調波周波数をf m とすると、f m <<f tx <f ja である。また、A ja 及びA tx は定数である。

 また、LNA15の出力電圧ν' LNA (出力電圧の同相電圧をν' LNA+ と、逆相電圧をν' LNA- とする)は、出力信号の周波数f LNA 、LNA15の出力インピーダンスR o_LNA 、ミキサ17の入力インピーダンスR i_MIX 、及び出力インピーダンスR o_MIX を用いて、[数2]で表される。なお、f LNA (bias+x)=a 1_LNA x+a 2_LNA x 2 +a 3_LNA x 3 (a 1_LNA 、a 2_LNA 及び、a 3_LNA は定数)である。また、A LNA 及びB LNA は定数である。また、biasはLNA15のバイアス電 圧である。

 ここで、ダウンミキサ17へ入力する前に、LN A15の出力電圧ν' LNA のDCをカットする必要がある。簡単のため、 れを同相キャンセルで代用した。ダウンミ サ17に入力される電圧ν LNA は、[数3]で表される。

 [数3]において、LNA15が出力するCW妨害波成分 ν ja_LNA (CW妨害波成分の同相成分をν ja_LNA+ と、逆相成分をν ja_LNA- とする)は、(R o_LNA //R i_MIX )A LNA ・a 1_LNA ・B LNA ・ν ja  によって計算され、[数4]で表される。

 同様に、[数3]において、送信信号リーク成 ν tx_LNA (送信信号リーク成分の同相成分をν tx_LNA+ と、逆相成分をν tx_LNA- とする)は、(R o_LNA //R i_MIX )A LNA ・a 1_LNA ・B LNA ・ν tx  によって計算され、[数5]で表される。

 混変調成分ν cm_LNA (混変調成分の同相成分をν cm_LNA+ と、逆相成分をν cm_LNA- とする)は、3(R o_LNA //R i_MIX )A LNA ・a 3_LNA ・B LNA 3 ・ν ja ・ν tx 2 によって計算され、[数6]で表される。

 次に、ダウンミキサ17について説明する。
 図4に、ダウンミキサ17の等価回路モデルの 例を示す。ダウンミキサ17は、ダブルバラ スドミキサとする。ローカル信号ν LO (片側)は、[数7]で表される。ここで、ローカ 信号周波数をf LO とすると、f ja <f LO である。

 また、注入する包絡線信号ν en は、[数8]で表される。

 また、ダウンミキサ17の入力電圧に対する 力電流i MIX は、[数9]で表される。なお、f MIX (x)=a 0_MIX +a 1_MIX x+a 2_MIX x 2 +a 3_MIX x 3 +a 4_MIX x 4 (a 0_MIX 、a 1_MIX 、a 2_MIX 、a 3_MIX 、及びa 4_MIX は定数)である。

 混変調成分i cm_MIX は、2A MIX ・a 2_MIX ・B MIX ・ν cm_LNA  +12A MIX ・a 4_MIX ・B MIX 4 ・ν LO ・ν ja_LNA ・ν tx_LNA によって計算され、[数10]で表される。

 包絡線信号ν en の変換成分i en_MIX は、6A MIX ・a 3_MIX ・B MIX 3 ・ν LO ・ν ja_LNA ・ν en  によって計算され、[数11]で表される。ただ 、ダウンミキサ17の4次非線形の項の包絡線 号の変換成分は、無視できるものとした。

 [数10]の混変調成分i cm_MIX を[数11]の包絡線信号ν en の変換成分i en_MIX で打ち消す条件は、[数12]で表される様にな 。

 混変調抑圧後の出力信号は、[数10]のi cm_MIX  と[数11]のi en_MIX  との和で求めることができる。入力信号の条 件は、図5Aに示すとおりである。LNA15のパラ ータは、図5Bに示すとおりである。ダウンミ キサ17のパラメータは、図5Cに示すとおりで る。注入する包絡線信号は、[数8]の代わり [数13]を用いた。なお、ηは、規格化注入電 振幅である。

 図5Dに、混変調成分i cm_MIX  と変換成分i en_MIX  との和の計算結果を示す。横軸はη、縦軸は 力電力(負荷50ω換算の値)である。f LO -f ja -2f m (0.4MHz)、f LO -f ja -f m (0.7MHz)、及びf LO -f ja (1MHz)の電力をそれぞれ示す。これより、f m 離調の成分はη=0.8のとき最大約31dB抑圧され 2f m 離調の成分はη≒1.1のときに極小値となり、 大約54dB抑圧されることがわかる。

 η=1とならない理由としては、次の2つが えられる。1)LNAの4次以上の成分及びダウン キサの5次以上の成分による送信信号リーク 混変調妨害が存在するために極小となるη 値が1からずれる。2)LNAの3次以上の成分及び ウンミキサの4次以上の成分による注入包絡 線信号の高次成分の影響で極小となるηの値 1からずれる。

 今回の場合、η=0.9とすることにより、f m 離調の成分は23dBを、2f m 離調の成分は25dBを低減できる。図5Dでは、例 として注入信号の電圧振幅のみを制御した場 合を示したが、実際には送信信号が送信RF回 13、デュプレクサ14、及びLNA15を経由する時 を考慮して、注入信号の遅延時間を制御す 必要がある。

 以上のように、本発明の第1の実施形態に 係る無線回路装置によれば、ダウンミキサ17 入力に同相で送信信号リーク成分の包絡線 号を注入することにより、LNA15及びダウン キサ17で発生した混変調妨害を同時に低減で きる。

 なお、上記第1の実施形態では、送信信号 としてAM変調波を用いたが、HPSKやOFDM等の包 線変動を持ついかなる変調波を用いてもよ 。

 (第2の実施形態)
 図6は、本発明の第2の実施形態に係る無線 路装置の構成を示す図である。第2の実施形 に係る無線回路装置では、送信RF回路13のア ーキテクチャーとしてポーラ変調方式が用い られている。ポーラ変調では、ベースバンド 信号は送信信号の位相変調信号と包絡線の絶 対値信号とで構成される。包絡線信号生成回 路24は、送信ベースバンド回路12で生成され 包絡線の絶対値信号を2乗するだけでよいた 、回路の小型化が可能となる。

 図6において、送信ベースバンド回路12か 出力されたベースバンド信号は、ポーラ変 回路31により位相信号と振幅信号とに分離 れる。位相信号は、位相変調器32で位相変調 信号に変換され、増幅器33に入力される。ま 、振幅信号は、デジタル-アナログコンバー タ(DAC)34を介して包絡線信号変調回路35に入力 され、包絡線信号変調回路35で増幅器33の電 信号に変換される。すなわち、位相変調器32 が生成した位相変調信号は、包絡線信号変調 回路35が生成する電源信号により振幅変調さ 、増幅器33から送信信号がデュプレクサ14を 介してアンテナ11より出力される。

 アンテナ11から受信された所望波、GSM妨 波、及びリーク送信信号は、デュプレクサ14 で差動信号に変換され、LNA15で増幅された後 発振器25で生成された局部発振信号を用い ダウンミキサ17でベースバンド信号に変換さ れて、受信ベースバンド回路18に入力される 周波数制御回路19は、図6に示されていないP LL回路のチャネル情報から送信信号の周波数 び受信信号の周波数の情報を入手し、位相 調回路32及び発振器25の制御を行う。周波数 制御回路19は、包絡線信号制御回路20に制御 号を出力する。また、包絡線信号生成回路24 は、ポーラ変調回路31が出力する振幅信号か 、振幅信号の包絡線の2乗成分からなる包絡 線信号を生成する。包絡線信号注入回路23は 移相器36、可変利得増幅器37、及びDAC38で構 される。この包絡線信号注入回路23は、包 線信号制御回路20が出力する制御信号に応じ て包絡線信号生成回路24から出力される包絡 信号の振幅及び遅延時間を補正し、補正し 同相の包絡線信号をダウンミキサ17が入力 る差動信号にそれぞれ注入する。なお、図6 示す包絡線信号制御回路20、ルックアップ ーブル21、及び温度/電圧検出回路22は、図1 示す構成と同じであり、それぞれの機能は 1の実施形態で説明したとおりである。

 以上のように、本発明の第2の実施形態に 係る無線回路装置によれば、ダウンミキサ17 入力に同相で送信信号リーク成分の包絡線 号を注入することにより、LNA15及びダウン キサ17で発生した混変調妨害を同時に低減で きる。

 なお、実際のポーラ変調送信回路では、 絡線の絶対値信号をさらに歪み補償ができ ように加工する。このため、送信ベースバ ド回路12に入力される信号としては、歪み 償の加工を行う前の信号であることが望ま い。

 (第3の実施形態)
 図7は、本発明の第3の実施形態に係る無線 路装置の構成を示す図である。第3の実施形 に係る無線回路装置では、送信RF回路13のア ーキテクチャーとして直交変調方式が用いら れている。

 図7において、送信ベースバンド回路12か 出力されたベースバンド信号は、I/Q変調回 41により直交関係にあるI成分とQ成分とに分 離される。I成分信号はDAC42に送られ、Q成分 号はDAC46に送られる。DAC42及び46の出力は、 振器43が生成する搬送波により掛算器45及び4 7でRF送信信号に変調される。このとき、掛算 器45及び47のどちらか一方には、90°移相器44 介して発振器43の搬送波が入力される。RF送 信号は、増幅器48により増幅され、デュプ クサ14を介してアンテナ11から出力される。

 アンテナ11から受信された所望波、GSM妨 波、及びリーク送信信号は、デュプレクサ14 で差動信号に変換され、LNA15で増幅された後 発振器25で生成された局部発振信号を用い ダウンミキサ17でベースバンド信号に変換さ れて受信ベースバンド回路18に入力される。 波数制御回路19は、図7に示されていないPLL 路のチャネル情報から送信信号の周波数及 受信信号の周波数の情報を入手し、発振器4 3及び25の制御を行う。周波数制御回路19は、 絡線信号制御回路20に制御信号を出力する また、包絡線信号生成回路24は、I/Q変調回路 41が出力するI成分及びQ成分の信号から、信 の包絡線の2乗成分からなる包絡線信号を生 する。包絡線信号注入回路23は、移相器36、 可変利得増幅器37、及びDAC38で構成される。 の包絡線信号注入回路23は、包絡線信号制御 回路20が出力する制御信号に応じて包絡線信 生成回路24から出力される包絡線信号の振 及び遅延時間を補正し、補正した同相の包 線信号をダウンミキサ17が入力する差動信号 にそれぞれ注入する。なお、図7に示す包絡 信号制御回路20、ルックアップテーブル21、 び温度/電圧検出回路22は、図1に示す構成と 同じであり、それぞれの機能は第1の実施形 で説明したとおりである。

 以上のように、本発明の第3の実施形態に 係る無線回路装置によれば、ダウンミキサ17 入力に同相で送信信号リーク成分の包絡線 号を注入することにより、LNA15及びダウン キサ17で発生した混変調妨害を同時に低減で きる。

 (第4の実施形態)
 図8は、本発明の第4の実施形態に係る無線 路装置の構成を示す図である。第5の実施形 に係る無線回路装置は、上記第1の実施形態 に係る無線回路装置と比べ、第2ルックアッ テーブル51及び可変フィルタ回路52の構成が なる。可変フィルタ回路52は、例えばデジ ルフィルタ回路である。

 受信回路にリークする送信信号は、デュ レクサ14を介している。そして、デュプレ サ14の送信帯域の減衰量には、周波数依存性 がある。そのため、受信回路にリークする送 信信号の包絡線のスペクトラムは、元の送信 信号にデュプレクサ14の周波数応答が重畳し ものとなる。よって、ダウンミキサ17が入 する差動信号に注入する包絡線信号もデュ レクサ14の周波数応答を重畳する必要がある 。

 図8において、可変フィルタ回路52は、包 線信号生成回路24の前段に挿入されている また、第2ルックアップテーブル51には、例 ば図10に例示するように、各送信周波数のデ ュプレクサ14の周波数応答情報が予め記憶れ いる。可変フィルタ回路52は、第2ルックア プテーブル51に記憶されている周波数応答 報を参照して、フィルタ特性(フィルタ係数) を可変する。具体的には、可変フィルタ回路 52を通過した後の包絡線信号の振幅周波数特 が、受信回路に漏れてくる送信信号の振幅 波数特性と実質的に等しくなるように制御 れる。これにより、デュプレクサ14の送信 域の減衰量に周波数依存性がある場合でも 混変調雑音を低減することが可能となる。

 (第5の実施形態)
 図9は、本発明の第5の実施形態に係る無線 路装置の構成を示す図である。第5の実施形 に係る無線回路装置は、上記第1の実施形態 に係る無線回路装置と比べ、前置歪み回路61 構成が異なる。この前置歪み回路61は、包 線信号注入回路23が出力する包絡線信号を歪 ませて加算器16に付与する構成である。

 上記図2に記載しているように、AM変調の 絡線信号の場合、fm成分と2fm成分との位相 一致する。従って、例えばfm=1MHzとした場合 本来1MHz成分と2MHz成分とはほぼ同じ遅延量 最も抑圧量が大きくなるはずである。しか 、発明者が行ったシミュレーションでは、1M Hz成分と2MHzとで抑圧量が最も大きい遅延量が 異なると言う結果を得た。このような相違は 、送信信号の混変調の要因となる非線形係数 の位相と、包絡線信号を用いた混変調低減を 可能とする非線形係数の位相とが異なる、こ とが要因であると考えられる。

 従って、入力する包絡線信号のfm成分及 2fm成分の両者がほぼ同じ遅延時間で混変調 雑音レベルが最も低減できるようにするた には、入力する包絡線信号のfm成分と2fm成分 とに位相差を付与してやればよい。前置歪み 回路61は、このfm成分と2fm成分とに位相差を 与する機能を持つ構成である。この前置歪 回路61は、複数の遅延素子の組み合わせを切 り換えて任意の遅延時間を調整できる遅延時 間切換回路に代えることも可能である。

 本発明の無線回路装置は、IS-95、UMTS(W-CDMA )、3G_LTEといった送信信号に振幅変動があり かつ、同時送受信を行う無線通信機器の無 回路部等への利用に適しており、送信信号 ークに起因する受信回路の混変調妨害を低 させたい場合等に有用である。