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Title:
RAIN GAUGE AND RAIN GAUGE DATA CALCULATION STORAGE DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/111492
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a rain gauge which can prolong the service life of a battery by reducing the power consumption without significantly lowering the measurement accuracy. An output from the rain gauge (1) is temporarily stored in a data temporary storage unit (21). A sampling cycle modification unit (26) changes the sampling cycle at which a data calculation unit (22) acquires the rain gauge output data stored in the data temporary storage unit (21). The sampling cycle is made longer during a period while the water amount in a measurement water tank (11) is far from the full state and there is no need of increasing the measurement accuracy or when the water amount has become almost full but the water amount does not increase significantly and there is no need of maintaining a high measurement accuracy. The sampling cycle is shortened when the water amount has become almost full and the measurement accuracy should be increased.

Inventors:
MATSUMOTO TAKEO (JP)
ISHIHARA YASUHISA (JP)
ANDOU KENTAROU (JP)
KATSUMATA MASAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054092
Publication Date:
September 18, 2008
Filing Date:
March 06, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JAPAN AGENCY MARINE EARTH SCI (JP)
MATSUMOTO TAKEO (JP)
ISHIHARA YASUHISA (JP)
ANDOU KENTAROU (JP)
KATSUMATA MASAKI (JP)
International Classes:
G01W1/14
Foreign References:
JP2006214805A2006-08-17
JP2000338265A2000-12-08
Attorney, Agent or Firm:
NISHIURA, Tsuguharu (Toranomon 34 MT Building 9F25-5, Toranomon 1-chom, Minato-ku Tokyo 01, JP)
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Claims:
 測定用貯水槽に溜まっている水量に比例する信号を出力し且つ前記測定用貯水槽が満水になると排水動作をする雨量計と、
 前記信号を所定の時間間隔でサンプリングし、前記測定用貯水槽内の水量を求めるために必要な演算処理を行ってその演算結果をデータとしてメモリに記憶するデータ演算記憶装置と、
 電池を電源として少なくとも前記雨量計及び前記データ演算記憶装置に駆動電力を供給する電源装置とを備え、
 前記データ演算記憶装置は、前記信号を所定の検出周期で検出して一時記憶手段に記憶するデータ一時記憶部と、
 前記検出周期以上の長さを有するサンプリング周期で前記一時記憶手段に記憶されているデータを受け取って、該データを用いて前記演算処理を行い且つ演算結果を記憶データとして前記メモリに記憶させるデータ演算部と、
 前記メモリの前記記憶データに基づいて、前記測定用貯水槽内の水量が予め定めた上限閾値以上であることまたは前記貯水槽内の水量が予め定めた下限閾値以下であることを判定する水量判定部と、
 前記測定用貯水槽内の水量が前記上限閾値以上になったことを前記水量判定部が判定したとき及び開始指令が入力されたときに、予め定めた時限のカウントを開始し、前記時限のカウントを完了すると時限完了信号を出力するタイマ部と、
 2つの変更モードに従って前記サンプリング周期を変更するサンプリング周期変更部とを備え、
 前記サンプリング周期変更部の前記2つの変更モードが、
 前記測定用貯水槽内の水量が前記上限閾値に達するまでは、前記サンプリング周期を第1のサンプリング周期と定め、前記測定用貯水槽内の水量が前記上限閾値以上になったことを前記水量判定部が判定すると、前記サンプリング周期を前記第1のサンプリング周期よりも短い第2のサンプリング周期に変更し、その後前記タイマ部が前記時限完了信号を出力する前までに前記測定用貯水槽内の水量が前記下限閾値以下になったことを前記水量判定部が判定すると、前記サンプリング周期を前記第2のサンプリング周期から前記第1のサンプリング周期に戻す第1の変更モードと、
 前記第1の変更モードの途中において、前記サンプリング周期が前記第1のサンプリング周期から前記第2のサンプリング周期に変更された後に、前記時限完了信号が入力されると、前記第1の変更モードを中断して、前記サンプリング周期を前記第2のサンプリング周期よりも長く且つ前記第1のサンプリング周期以下の第3のサンプリング周期に変更し、その後に前記雨量計が出力する前記信号が変化すると、前記サンプリング周期を前記第2のサンプリング周期に変更し且つ前記開始指令を前記タイマ部に出力した後に、前記第1の変更モードの中断を解除する第2の変更モードとからなることを特徴とする雨量計測装置。
 前記データ演算記憶装置は、前記測定用貯水槽が満水になって前記雨量計が前記貯水槽内の水の排水を開始すると時限のカウントを開始し、前記時限のカウントの完了前に前記測定用貯水槽内の水量が前記下限閾値以下になったことを前記水量判定部が判定すると時限のカウントを停止してリセットされ、前記時限のカウントを完了すると少なくとも前記雨量計及び前記データ演算記憶装置への駆動電力の供給の停止を前記電源装置に指令する電力供給停止指令として使用される時限完了信号を出力する別のタイマ部を更に備えており、
 正常な前記雨量計において満水状態の前記測定用貯水槽を完全に空の状態にするのに要する時間よりも前記別のタイマ部の前記時限が長いことを特徴とする請求項1に記載の雨量計測装置。
 前記電源装置は、前記データ演算記憶装置の前記データ一時記憶部には常時駆動電力を供給するが、前記データ一時記憶部を除く前記データ演算記憶装置のその他の部には、動作時のみ駆動電力を供給するように構成されている請求項1に記載の雨量計測装置。
 前記データ演算記憶装置の前記メモリに記憶された前記記憶データを送信するデータ送信装置を更に備え、
 前記データ演算記憶装置は、前記測定用貯水槽が満水になって前記雨量計が前記貯水槽内の水の排水を開始すると時限のカウントを開始し、前記時限のカウントの完了前に前記測定用貯水槽内の水量が前記下限閾値以下になったことを前記水量判定部が判定すると時限のカウントを停止してリセットされ、前記時限のカウントを完了すると少なくとも前記雨量計、前記データ演算記憶装置及び前記データ送信装置への駆動電力の供給の停止を前記電源装置に指令する電力供給停止指令として使用される時限完了信号を出力する別のタイマ部を更に備えており、
 正常な前記雨量計において満水状態の前記測定用貯水槽を完全に空の状態にするのに要する時間よりも前記別のタイマ部の前記時限が長いことを特徴とする請求項1に記載の雨量計測装置。
 前記第2の変更モードにおける前記第3のサンプリング周期の長さを前記第2のサンプリング周期と同じ長さにしたことを特徴とする請求項1に記載の雨量計測装置。
 前記第2のサンプリング周期が、前記第1のサンプリング周期の1/10以下の長さである請求項1または5に記載の雨量計測装置。
 前記第1のサンプリング周期は任意に変更可能であり、前記第2のサンプリング周期も任意に変更可能である請求項1に記載の雨量計測装置。
 前記タイマ部の前記時限は、雨量計測装置を設置する地域の標準的な降水量が続いたときに、前記上限閾値を超えた水量が満水状態に至るのに要する時間以上に定められていることを特徴とする請求項1に記載の雨量計測装置。
 前記水量判定部は、前記上限閾値及び前記下限閾値の設定変更が可能に構成されている請求項1または2に記載の雨量計測装置。
 前記タイマ部及び前記別のタイマ部は、それぞれの時限の変更が可能に構成されている請求項2または4に記載の雨量計測装置。
 前記データ演算部は、前記データに基づいて前記測定用貯水槽内の水量を演算し、前回演算した水量と今回演算した水量の差分を前記演算結果として前記メモリに記憶させるように構成されている請求項1に記載の雨量計測装置。
 前記雨量計が静電容量式雨量計である請求項1乃至11のいずれか1つに記載の雨量計測装置。
 計測装置の出力を所定の時間間隔でサンプリングし、所定の演算処理を行ってその演算結果をデータとしてメモリに記憶する計測装置用データ演算記憶装置であって、
 前記出力を所定の検出周期で検出して一時記憶手段に記憶するデータ一時記憶部と、
 前記検出周期以上の長さを有するサンプリング周期で前記一時記憶手段に記憶されているデータを受け取り、該データを用いて前記演算処理を行って演算結果を前記メモリに記憶させるデータ演算部とを備えていることを特徴とする計測装置用データ演算記憶装置。
 前記メモリが、着脱可能なメモリである請求項13に記載の計測装置用データ演算記憶装置。
Description:
雨量計測装置及び計測装置用デ タ演算記憶装置

 本発明は、雨量計測装置及び計測装置用 ータ演算記憶装置に関するものである。

 雨量は、気象災害・水災害・土砂災害など 防ぐために、必要なパラメータである。ま 雨量は、数年規模またはそれ以上の長い時 スケールでの気候変動研究や予報・監視に 重要なパラメータとなっている。そのため 太平洋やインド洋、大西洋に展開されてい 日本及び米国による海洋観測ブイにも標準 搭載されている。このような雨量の計測に 、光学式雨量計や静電容量式雨量計等の種 の雨量計が使用されている。例えば、特開2 006-214805号公報には、既存の雨量計の中でも 費電力が少ない静電容量式雨量計が示され いる。この公報に記載された雨量計の制御 ステムでは、定期的(1時間毎)に雨量を測定 ている。しかしこの公報には、電源として のような電源を使用するかについては特に 載されていない。

特開2006-214805号公報

 例えば、消費電力が少ない静電容量式雨 計を用いるとしても、海洋観測ブイのよう 頻繁に点検・保守をすることができない場 に設置される雨量計測装置では、電源とし 電池を使用することになる。この電池は、 の計測機器の電源としても使用される場合 多く、電池の寿命をできるだけ延ばすこと できるように雨量計を構成することが必要 されている。しかしながら電池の寿命を延 すために、上記公報に示されるように1時間 毎に計測を行うのでは、計測精度が低くなる 問題が生じる。また貯水槽を有する雨量計で は、貯水槽が満水状態になると、貯水槽の排 水が行われるが、計測周期を長くしすぎると 、計測前に貯水槽の排水が行われてしまい計 測精度が下がることになる。そのため計測周 期を長くすることができない問題もある。

 本発明の目的は、計測精度を大幅に低下 せることなく、消費電力を少なくして電池 寿命を延ばすことができる雨量計測装置及 消費電力の節約に寄与できる計測装置用デ タ演算記憶装置を提供することにある。

 本発明の雨量計測装置は、測定用貯水槽 溜まっている水量に比例する信号を出力し つ測定用貯水槽が満水になると排水動作を る雨量計と、信号を所定の時間間隔でサン リングし、測定用貯水槽内の水量を求める めに必要な所定の演算処理を行ってその演 結果をデータとしてメモリに記憶するデー 演算記憶装置と、電池を電源として少なく も雨量計及びデータ演算記憶装置に駆動電 を供給する電源装置とを備えている。デー 演算記憶装置は、データ一時記憶部と、デ タ演算部と、水量判定部と、タイマ部と、 ンプリング周期変更部とを備えている。デ タ一時記憶部は、雨量計が出力した信号を 定の検出周期で検出して一時記憶手段に記 する。この一時記憶手段への信号の記憶は アナログでもまたはデジタルでもよい。こ ような一時記憶手段としては、バッファメ リを用いることができる。ここで検出周期 、必要最小限の時間として定められる。こ 検出周期が短くなると、検出回数が増えて 力の消費量が増える。しかしこの検出周期 長くすると、計測精度が落ちることになる そこでこの両方の問題を勘案して、検出周 を定めることになる。いずれにしても検出 期は、後述する第2のサンプリング周期以下 の値に定められる。データ一時記憶部を設け る目的は、できるだけ少ない消費電力を用い て雨量計の出力を計測して一時的に記憶して おき、データ演算部の動作回数を少なくする ことである。

 データ演算部は、信号の検出周期以上の さを有するサンプリング周期で一時記憶手 に記憶されているデータを受け取って、こ データを用いて測定用貯水槽内の水量を求 る所定の演算処理を行い且つ演算結果を記 データとしてメモリに記憶させる。演算処 の内容は、データの用途に応じて任意に定 ることができる。例えば、前回演算した水 と今回演算した水量の差分を求め、この差 を演算結果としてメモリに記憶させてもよ 、またこの差分を積分して測定用貯水槽内 水量を求めて、水量自体を演算結果として モリに記憶するようにしてもよい。前述の 分を求める演算を行えば、単位時間当たり 雨量を求めることができ、しかも長期間雨 降らない場合に、雨量計から貯水が蒸発し 場合の影響を受けることがないという利点 得られる。すなわち差分が0かマイナスの値 になる場合には、雨が降っていないと直ちに 判定することが可能になる。演算を行ったり 、演算結果をデータとしてメモリに記憶させ る動作は、意外に電力を消費する。そこで、 本発明では、後に説明するように、測定精度 を上げる必要がない時期には、できるだけデ ータ演算部の動作回数を減らし、測定精度を 上げる必要がある時期だけ、データ演算部の 動作回数を増やすように、サンプリング周期 を変更する。

 水量判定部は、メモリの記憶データに基 いて、測定用貯水槽内の水量が予め定めた 限閾値以上であること、または貯水槽内の 量が予め定めた下限閾値以下であることを 定する。メモリ内に測定用貯水槽内の水量 演算結果として記憶されている場合には、 量判定部は、予め定めた上限閾値及び下限 値と、水量との比較を行う。もしメモリ内 差分だけが記憶されている場合には、過去 差分に基づいて測定用貯水槽内の水量を求 、この水量と予め定めた上限閾値及び下限 値との比較を行う。

 タイマ部は、測定用貯水槽内の水量が上 閾値以上になったことを水量判定部が判定 たとき及びサンプリング周期変更部が出力 る開始指令が入力されたときに、時限のカ ントを開始する。そしてタイマ部は、予め めた時限のカウントを完了すると時限完了 号を出力する。タイマ部の時限は、任意に めることができる。この時限は、例えば、 量計測装置を設置する地域の過去の降雨履 のデータ等に基づいて、その地域における 準的な降水量を定め、この標準的な降水量 続いたときに、上限閾値を超えた水量が満 状態に至るのに要する時間を定め、この時 以上にタイマ部の時限を設定する。そして イマ部の時限は、水量が上限閾値を超えた に、比較的すぐに雨が止んだり、降水量が 端に少なくなった場合のように、測定精度 高く維持しておく必要がなくなった場合に サンプリング周期を長くして、電池の消耗 少なくするように定められる。ちなみ日本 海上において雨量計測装置を用いる場合の 証試験によると、標準的に設定されるタイ 部の時限は、30分から3時間の間の時間であ 。

 サンプリング周期変更部は、前述のよう 、測定精度が低くてもよい期間にはサンプ ング周期を長くし、測定精度を高くする必 がある期間にはサンプリング周期を短くす という基本思想の下で、サンプリング周期 変更する。そこでサンプリング周期変更部 、2つの変更モード(第1及び第2の変更モード )に従ってサンプリング周期を変更する。第1 変更モードは、測定用貯水槽内の水量が上 閾値に達するまでは、サンプリング周期を 1のサンプリング周期と定め、測定用貯水槽 内の水量が上限閾値以上になったことを水量 判定部が判定すると(測定精度を高くする必 がある期間に入ったことを検出すると)、サ プリング周期を第1のサンプリング周期より も短い第2のサンプリング周期に変更し、そ 後タイマ部が時限完了信号を出力する前ま に測定用貯水槽内の水量が下限閾値以下に ったことを水量判定部が判定すると(測定精 を高くする必要がある期間を脱したことを 出すると)、サンプリング周期を第2のサン リング周期から第1のサンプリング周期に戻 ことを内容とする。ここで上限閾値は、前 のタイマ部の時限の長さと負の相関関係(一 方が増えると他方が減る関係)にある。した ってタイマ部の時限が長くなれば、上限閾 は小さくなり、タイマ部の時限が短くなれ 上限閾値は大きくなる。前述のように、タ マ部の時限は、水量が上限閾値を超えた後 、降水が止まってしまったり、降水量が極 に少なくなってしまうと、長時間に亘って 第2のサンプリング周期を利用してサンプリ グが行われることになって、電池の寿命が くなるのを防止できるように設定する。タ マ部の時限が終了した場合(測定精度を高く する必要がない期間に入っていることを検出 した場合)は、後述する第2の変更モードで対 することになる。

 前述の上限閾値は、例えば、雨量計測装 の設置地域の過去の降雨履歴等のデータ等 タイマ部の時限を考慮して定めることにな 。また下限閾値は、満水状態にある何も問 のない測定用貯水槽を排水する際の排水速 とサンプリング周期の変更に要する時間を 慮して、理想的には完全に排水が完了した 点で、サンプリング周期が変更できるよう 定めることになる。

 また第1のサンプリング周期は、雨量計測 装置の設置領域における過去の降雨履歴等の データに基づいて、年間の降水量が多い地域 においては、この周期は短く定められ、年間 の降水量が少ない地域においては、この周期 は長く定められる。ちなみに日本の近海であ れば、第1のサンプリング周期は8分から20分 間の値に設定すれば、貯水槽が空の状態か 1回目のサンプリングが完了するまでの間に 量が上限閾値に達することはない。好まし は標準的な降水量を想定した場合に、貯水 が空の状態から水量が上限閾値に達するた に、2回以上のサンプリングが行われるよう に、第1のサンプリング周期を定める。また 2のサンプリング周期は、例えば、標準的な 水量を想定した場合に、水量が上限閾値に した後に、少なくとも1回以上のサンプリン グが行えるように定めるのが好ましい。上記 条件を満たすのであれば、第1のサンプリン 周期を任意に変更可能とし、第2のサンプリ グ周期も任意に変更可能としてもよい。ち みに第2のサンプリング周期を、第1のサン リング周期の1/10以下(45秒~2分程度)の長さに れば、海上のどのエリアで計測を行っても 大きな問題が生じることがないことが実証 験により確認されている。

 この第1の変更モードを採用すると、次の ような作用が得られる。まず測定用貯水槽内 の水量が上限閾値より少ない場合には、サン プリング周期が長い第1のサンプリング周期 用いることにより、電池の消耗を少なくす ことができる。そして水量が上限閾値を超 ると、サンプリング周期が短い第2のサンプ ング周期を用いることにより、ある程度密 の高い計測を行って、排水が開始される前 のデータを確実に計測できるようになる。 かしながら水量が上限閾値を超えた後に、 が止んだ場合や、降水量が極端に少なくな と、何時間もまたは何日も水量が満水状態 なることはない。そこで第2の変更モードが 必要となる。

 第2の変更モードでは、第1の変更モード 途中において、サンプリング周期が第1のサ プリング周期から第2のサンプリング周期に 変更された後に、タイマ部が時限のカウント を完了して時限完了信号が入力されると、第 1の変更モードを中断して、サンプリング周 を第2のサンプリング周期よりも長く且つ第1 のサンプリング周期以下の第3のサンプリン 周期に変更する。そしてその後に雨量計が 力する信号が変化すると、サンプリング周 を第3のサンプリング周期から第2のサンプリ ング周期に変更し且つ開始指令をタイマ部に 出力した後に、第1の変更モードの中断を解 する。すなわち第2の変更モードでは、水量 上限閾値以上になった後、満水に達する前 、雨が止んだ場合や、極端に降水量が少な なった場合に、サンプリング周期の短い第2 のサンプリング周期から第2のサンプリング 期よりもサンプリング周期の長い第3のサン リング周期に変更をする。これによって電 の消耗を抑えることが可能になる。なお第3 のサンプリング周期を第1のサンプリング周 よりも長くすると、第1のサンプリング周期 設定した意味がなくなるため、第3のサンプ リング周期は第1のサンプリング周期以下に る。なお第3のサンプリング周期の長さを第1 のサンプリング周期の長さと一致させてもよ いのは勿論である。

 サンプリング周期を第3のサンプリング周 期にした後に、再度雨が降り出すかまたは降 水量が多くなると、雨量計の出力に変化が生 じる。そこでこの出力の変化があると、第2 変更モードでは、再度計測精度を高めるた にサンプリング周期を第2のサンプリング周 に戻し、第1の変更モードを再開する。当然 のことながら、再度第2のサンプリング周期 サンプリング周期を戻した後に、再度雨が んだり、降水量が極端に少なくなった場合 は、第1の変更モードから第2の変更モードへ と変わることになる。

 このように本発明によれば、雨量計から 出力を一時的にデータ一時記憶部に記憶し おき、データ演算部がデータ一時記憶部に 憶されている雨量計の出力データを取りに くサンプリング周期を変更する。具体的に 、測定用貯水槽内の水量がまだ満水状態に づいていない時期で計測精度を高くする必 がない期間、または水量が満水状態に近付 たが水量が殆ど増えることがないために、 い計測精度を維持する必要がなくなってい 期間においては、サンプリング周期を長く 、水量が満水に近づいて計測精度を高くす 必要がある状態にあるときには、サンプリ グ周期を短くしている。その結果、本発明 よれば、比較的電力消費が大きくなるデー 演算部の動作を、可能な範囲で少なくして 電池の消耗を抑制することができる。しか ながら測定用貯水槽の中にゴミやチリが入 た場合には、徐々に排水時間が長くなり、 量がなかなか減らなくなる。そして最悪の 合には、排水路が完全に詰まって、排水が きなくなる。排水時間が長くなっても、測 データの利用価値がある場合もある。また 水ができない状態で計測を続けることは、 駄に電池の電力を消耗することになる。そ でこのような事態に対処するためには、デ タ演算記憶装置に、次のような別のタイマ を追加するのが好ましい。すなわちこの別 タイマ部は、測定用貯水槽が満水になって 量計が貯水槽内の水の排水を開始すると、 限のカウントを開始し、時限のカウントの 了前に測定用貯水槽内の水量が下限閾値以 になったことを水量判定部が判定すると、 限のカウントを停止してリセットされるも である。そしてこの別のタイマ部は、時限 カウントを完了すると、少なくとも雨量計 びデータ演算記憶装置への駆動電力の供給 停止を電源装置に指令する電力供給停止指 として使用される時限完了信号を出力する なお別のタイマ部の時限は、正常な雨量計 おいて満水状態の測定用貯水槽を完全に空 状態にするのに要する時間よりも長く設定 る必要がある。排水速度が落ちたとしても られる計測結果が利用可能であれば、別の イマ部の時限を長くしてでも、データを利 すべきである。しかし別のタイマ部の時限 長くすると、第2のサンプリング周期が使用 される期間が長くなって、電池の消耗は早く なる。そこでこれらを勘案して、別のタイマ 部の時限を設定する必要がある。

 なお演算結果を記憶データとして記憶す メモリを、着脱可能のメモリにすると、計 データを回収する際に、メモリの交換をす ばよいため、作業が容易になる利点が得ら る。計測データを回収しに行くことなく、 ータを通信により送信できるようにしても いのは勿論である。その場合には、データ 算記憶装置のメモリに記憶された記憶デー を送信するデータ送信装置を、雨量計測装 に備えればよい。この場合にも、データ演 記憶装置には、前述の別のタイマ部を設け ことが好ましい。そして別のタイマ部を、 限のカウントを完了すると少なくとも雨量 、データ演算記憶装置及びデータ送信装置 の駆動電力の供給の停止を電源装置に指令 る電力供給停止指令として使用される時限 了信号を出力するように構成するのが好ま い。

 なお水量判定部は、上限閾値及び下限閾 の設定変更が可能に構成されているのが好 しい。またタイマ部及び別のタイマ部は、 れぞれの時限の変更が可能に構成されてい のが好ましい。このようにすれば、雨量計 装置の設置地域に適した上限閾値及び下限 値の設定並びに時限の設定をすることによ 、電池の消耗を抑制して、計測精度を高く ることができる。

 また電源装置は、データ演算記憶装置の ータ一時記憶部には常時駆動電力を供給す が、データ一時記憶部を除くデータ演算記 装置のその他の部には、動作時のみ駆動電 を供給するように構成されているのが好ま い。このようにすると消費電力を更に少な することができて、電池の寿命をさらに延 すことができる。

 現段階においては、雨量計として、静電 量式雨量計を用いると、雨量計自体での消 電力を最も少なくすることができる。

 なお本発明の雨量計測装置で用いている ータ演算記憶装置は、他の計測装置におい も利用が可能である。このデータ演算記憶 置は、計測装置の出力を所定の時間間隔で ンプリングし、所定の演算処理を行ってそ 演算結果をデータとしてメモリに記憶する 測装置用データ演算記憶装置である。そし 出力を所定の検出周期で検出して一時記憶 段に記憶するデータ一時記憶部と、検出周 以上の長さを有するサンプリング周期で一 記憶手段に記憶されているデータを受け取 、該データを用いて演算処理を行って演算 果をメモリに記憶させるデータ演算部とを えている。前述のように、このような構成 採用すると、サンプリング周期を適宜に設 することにより、メモリへの記憶のために 要とされる消費電力を抑制することができ 。

雨量計として静電容量式雨量計を用い 雨量計測装置に本発明を適用した実施の形 の主要システムの構成を示すブロック図で る。 図1の雨量計測装置のデータ演算記憶装 置の主要部を、コンピュータを用いて実現す る場合に用いるプログラムのアルゴリズムの 一例を示すフローチャートである。 静電容量式雨量計の計測の概念を説明 るために用いる図である。 図1の実施の形態を具体的に実現する場 合におけるハードウエアの機能の構成と信号 の流れの例を示す図である。 図4のハードウエアにおいて信号処理を コンピュータを利用して実施する場合のソフ トウエアのアルゴリズムのフローチャートで ある。 データ演算記憶装置を自動計測の用途 汎用化した場合に用いるソフトウエアのア ゴリズムの一例を示すフローチャートであ 。

 以下図面を参照して本発明の雨量計測装 の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1 は、雨量計として静電容量式雨量計を用いた 雨量計測装置に本発明を適用した実施の形態 の主要システムの構成を示すブロック図であ る。図2は、図1の雨量計測装置のデータ演算 憶装置2の主要部を、コンピュータを用いて 実現する場合に用いるプログラムのアルゴリ ズムの一例を示すフローチャートである。以 下図1のブロック図の構成を説明し、併せて 2のフローチャートを説明する。図1において 、符号1で示したものは市販の公知の雨量計( 電容量式雨量計1)である。静電容量式雨量 1の計測の概念は、図3に示すとおりである。 この静電容量式雨量計1は、測定用貯水槽11内 に溜まった雨水の水量に応じて測定用貯水槽 11内の静電容量が変わることを利用して水量 比例した出力電圧(信号)を出力するように 成されている。そして測定用貯水槽11内が満 水状態になると、図示しない排水機構を通し て、測定用貯水槽11内の雨水は自動的に排水 れ、再度雨水の貯水を開始するようになっ いる。排水が開始されたことは、出力電圧 変化からも検出できる。しかし、この例の 電容量式雨量計1では、排水が開始されたこ とを示す信号を外部に出力するように雨量計 が構成されている。このような機能を有する 静電容量式雨量計として、本実施の形態では 、米国のR.M.Young Companyが「Model 50202および502 03」の名称で販売する静電容量式雨量計を用 た。なおこのような機能を有しない静電容 式雨量計の場合には、静電容量式雨量計の 力電圧の変動から排水の開始を検出するか または排水路に水の流れを検出するセンサ 設けて排水の開始を検出する構造等を付加 ればよい。

 本実施の形態の雨量計測装置は、大きく けて、データ演算記憶装置2と、外部機器に データを送信する通信機能を備えたデータ送 信装置3と、電池を電源として少なくとも静 容量式雨量計1、データ演算記憶装置2及びデ ータ送信装置3に駆動電力を供給する電源装 4とを備えている。データ演算記憶装置2は、 静電容量式雨量計1からの出力電圧を所定の 間間隔でサンプリングし、測定用貯水槽11内 の水量を求めるために必要な所定の演算処理 を行ってその演算結果を記憶データとしてメ モリ23に記憶する。具体的に、データ演算記 装置2は、データ一時記憶部21と、データ演 部22と、メモリ23と、水量判定部24と、第1の タイマ部25と、サンプリング周期変更部26と 第2のタイマ部(別のタイマ部)27とを備えてい る。

 データ一時記憶部21は、静電容量式雨量 1が出力した電圧信号を所定の検出周期(サン プリング周期)で検出して内部に備えた一時 憶手段21Aに記憶する。この一時記憶手段21A 記憶されているデータは、後述するデータ 算部22がこのデータを取得(サンプリング)す と、一時記憶手段21Aから消える。したがっ この一時記憶手段21Aは、大きな記憶容量を 要としないので、データの書き込みの際に 力消費が少ない周知のバッファメモリを用 ることができる。なお電圧信号の記憶は、 ナログでもまたはデジタルでもよい。ここ 検出周期は、必要最小限の時間として定め れている。本実施の形態では、この検出周 を1分としている。なおこの検出周期が短く なると、検出回数が増えることになるため消 費電力が増えて、電池の寿命が短くなる。し かしこの検出周期を長くし過ぎると、計測精 度が落ちることになる。そこで本実施に形態 では、この両方の問題を勘案して、検出周期 を1分と定めた。なおこの検出周期は、後述 る第2のサンプリング周期以下の値に定めら ることになる。

 データ演算部22は、データ一時記憶部21に おける静電容量式雨量計1の出力電圧の検出 期以上の長さを有するサンプリング周期で ータ一時記憶部21に記憶されているデータを 受け取る。そしてデータ演算部22は、このデ タを用いて測定用貯水槽11内の水量を求め 所定の演算処理を行い且つ演算結果を記憶 ータとしてメモリ23に記憶させる。この例の データ演算部22は、前回演算した水量と今回 算した水量の差分を求め、この差分を演算 果としてメモリ23の一部に記憶させている またデータ演算部22は、この差分を積分して 測定用貯水槽11内の水量を求めて、水量自体 演算結果としてメモリ23に記憶している。 実施の形態では、このメモリ23として着脱可 能で持ち運び可能なメモリを用いている。本 実施の形態のように、差分を求める演算を行 えば、単位時間当たりの雨量データを求める ことができる。また差分の積分値も、長期間 雨が降らない場合に、雨量計から貯水が蒸発 した場合の影響を受けることがないという利 点が得られる。データ演算部22で演算を行い 演算結果を記憶データとしてメモリ23に記 させる動作は、意外に電力を消費する。そ で、本実施の形態では、後に詳しく説明す ように、測定精度を上げる必要がない時期 は、できるだけデータ演算部22の動作回数を 減らし、測定精度を上げる必要がある時期だ け、データ演算部22の動作回数を増やすよう 、サンプリング周期を変更する。詳しいサ プリング周期の定め方については後に説明 る。

 水量判定部24は、メモリ23の記憶データに 基づいて、測定用貯水槽11内の水量が予め定 た上限閾値以上か否か、または測定用貯水 11内の水量が予め定めた下限閾値以下であ か否かを判定する。本実施の形態では、メ リ23内に測定用貯水槽11内の水量が演算結果 して記憶されているので、水量判定部24は 予め定めた上限閾値及び下限閾値と、測定 貯水槽11内の水量との比較を行う。なお上限 閾値及び下限閾値の定め方は、サンプリング 周期変更部26の構成を説明する際に詳しく説 する。

 第1のタイマ部25は、測定用貯水槽11内の 量が上限閾値以上になったことを水量判定 24が判定したとき及びサンプリング周期変更 部26が出力する後述する開始指令が入力され ときに、時限のカウントを開始する。第1の タイマ部25は、予め定めた時限のカウントを 了すると時限完了信号をサンプリング周期 更部26に出力する。第1のタイマ部25の時限 、次のようにして定めることができる。例 ば、雨量計測装置を設置する地域の過去の 雨履歴のデータ等に基づいて、その地域に ける標準的な降水量を定める。次に、この 準的な降水量が続いたときに、前述の上限 値を超えた水量が満水状態に至るのに要す 時間を定める。時限がこの時間以上になる うに設定する。そして第1のタイマ部25の時 の上限は、次のように定めるのが好ましい すなわち水量が上限閾値を超えた後に、比 的すぐに雨が止んだ場合や、降水量が極端 少なくなった場合のように、測定精度を高 維持しておく必要がなくなった場合には、 ンプリング周期を長くすれば、電池の消耗 少なくできる。そこで第1のタイマ部25の上 は、これを実現できるように定めるのが好 しい。本実施の形態では、図2のステップST4 示すように、「2時間」の時限を第1のタイ 部25の時限として設定してある。この時限は 、過去の実測実績により決定した。なおこの 実証実験からは、標準的に設定可能な第1の イマ部25の時限は、30分から3時間(任意に変 可能)の間の時間であることが確認されてい 。

 サンプリング周期変更部26は、前述のよ に、測定精度が低くてもよい期間にはデー 一時記憶部21の一時記憶手段21Aに一時的に記 憶されている静電容量式雨量計1の出力電圧 サンプリング周期を長くする。そして測定 度を高くする必要がある期間には、サンプ ング周期を短くするようにサンプリング周 を変更する。具体的には、このサンプリン 周期変更部26は、2つの変更モードに従って ンプリング周期を変更する。サンプリング 期変更部26が使用する第1の変更モードでは 図2のステップST2において、測定用貯水槽11 の水量が上限閾値に達するまでは、サンプ ング周期を第1のサンプリング周期と定める 本実施の形態では、図2のステップST1に示す ように、第1のサンプリング周期として10分を 設定している。そして測定用貯水槽内11の水 が上限閾値以上になったことを水量判定部2 4が判定すると(測定精度を高くする必要があ 期間に入ったことを検出すると)、サンプリ ング周期を第1のサンプリング周期よりも短 第2のサンプリング周期に変更する。本実施 形態では、図2のステップST3に示すように、 第2のサンプリング周期として1分を設定して る。その後第1のタイマ部25が時限完了信号 出力する前までに、測定用貯水槽11内の水 が下限閾値以下になったことを水量判定部24 が判定すると(測定精度を高くする必要があ 期間を脱したことを検出すると)、サンプリ グ周期を第2のサンプリング周期(1分)から第 1のサンプリング周期(10分)に戻す(図2のステ プST6及びステップST1参照)。すなわち測定用 水層11が満水となって、静電容量式雨量計1 おいて排水が自動的に開始されると(図2の テップST5)、測定用貯水層11内の水量が減少 始める。特に、排水路に異常がなければ、 実施の形態で用いる静電容量式雨量計1では 1分以内に排水を完了する。本実施の形態で は、この排水の間もデータ演算部22によるサ プリングは行われる。

 ここで水量判定部24(図2のステップST2)で 定する上限閾値は、前述の第1のタイマ部25 時限の長さと負の相関関係(一方が増えると 方が減る関係)にある。したがって第1のタ マ部25の時限が長くなれば、上限閾値は小さ くなり、第1のタイマ部25の時限が短くなれば 上限閾値は大きくなる。そして水量が上限閾 値を超えた後に、雨が止んでしまった場合や 、降水量が極端に少なくなってしまった場合 には、長時間に亘って第2のサンプリング周 (この例では1分)を利用してサンプリングが われる。この状態を継続すると、サンプリ グ回数が多くなって、電池の寿命が短くな 。そこで計測精度を大幅に下げずに、しか 電池の寿命が短くなるのを防止できるよう 、第1のタイマ部25の時限は設定されること なる。本実施の形態では、第1のタイマ部25 時限を2時間に設定している(図2のステップST 3)。第1のタイマ部25の時限が終了した場合は 雨が止んだか、降水量が極端に少なくなっ いるため、後述する第2の変更モードで対処 する。

 前述の上限閾値は、例えば、雨量計測装 の設置地域の過去の降雨履歴等のデータに づいて、また第1のタイマ部25の時限を考慮 て定める。また下限閾値は、満水状態にあ 何も問題のない測定用貯水槽11を排水する の排水速度とサンプリング周期の変更に要 る時間を考慮して、理想的には完全に排水 完了した時点で、サンプリング周期が変更 きるように定めることになる。ちなみに本 施の形態では、測定用貯水槽11の容量が500ml あり、上限閾値を450mlと定め、下限閾値を10 0mlと定めている。

 また第1のサンプリング周期は、雨量計測 装置の設置領域における過去の降雨履歴等の データに基づいて定めることができる。例え ば、年間の降水量が多い地域においては、第 1のサンプリング周期は短く定められ、年間 降水量が少ない地域においては、第1のサン リング周期は長く定められる。ちなみに日 の近海であれば、第1のサンプリング周期は 8分から20分の間の値に設定すれば、測定用貯 水槽11が空の状態から1回目のサンプリングが 完了するまでの間に水量が上限閾値に達する ことはない。好ましくは標準的な降水量を想 定した場合に、測定用貯水槽11が空の状態か 水量が上限閾値に達するために、2回以上の サンプリングが行われるように、第1のサン リング周期を定める。また第2のサンプリン 周期は、例えば、標準的な降水量を想定し 場合に、水量が上限閾値に達した後に、少 くとも1回以上のサンプリングが行えるよう に定めるのが好ましい。ちなみに第2のサン リング周期を、第1のサンプリング周期の1/10 以下(45秒~2分程度)の長さにすれば、世界中の どの海域で雨量の計測を行っても、大きな問 題が生じることがないことが過去の計測結果 により確認されている。

 前述のように、第1の変更モードを採用す るだけでは、水量が上限閾値を超えた後に、 雨が止んだり、降水量が極端に少なくなると 、何時間もまたは何日も水量が満水状態にな ることはない。そこで本実施の形態では、第 2の変更モードを備えている。第2の変更モー では、第1の変更モードの途中において、サ ンプリング周期が第1のサンプリング周期か 第2のサンプリング周期に変更された後に(図 2のステップST3に入った後に)、第1のタイマ部 25が時限のカウントを完了して時限完了信号 入力されたとき(図2のステップST4で判定がYe sとなったとき)に使用される。第2の変更モー ドが使用されると、サンプリング周期変更部 26は、まず第1の変更モードを中断して、サン プリング周期を第2のサンプリング周期より 長く且つ第1のサンプリング周期以下の第3の サンプリング周期に変更する(図2のステップS T41)。そしてその後に静電容量式雨量計1が出 する電圧信号が変化したこと、すなわち電 が上昇したことが検出されると(図2のステ プST42)、サンプリング周期変更部26はサンプ ング周期を第3のサンプリング周期から第2 サンプリング周期に変更する。この変更と 緒に、サンプリング周期変更部26は、開始指 令を第1のタイマ部25に出力した後に、第1の 更モードの中断を解除する。すなわち第2の 更モードでは、水量が上限閾値以上になっ 後、満水に達する前に、雨が止んだ場合や 極端に降水量が少なくなった場合に、サン リング周期の短い第2のサンプリング周期か ら第2のサンプリング周期よりもサンプリン 周期の長い第3のサンプリング周期にサンプ ング周期を変更する。これによって電池の 耗を抑えることが可能になる。なお第3のサ ンプリング周期を第1のサンプリング周期よ も長くすると、第1のサンプリング周期を設 した意味がなくなるため、第3のサンプリン グ周期は第1のサンプリング周期以下にする なお本実施の形態では、図2のステップST41に 示すように、第3のサンプリング周期の長さ 第1のサンプリング周期の長さと一致させて る。すなわち第3のサンプリング周期を10分 設定している。なおステップST41に示した「 バックグランド電圧監視(1分周期)」とは、こ の期間においても図1のデータ一時記憶部21に は、ステップST1における場合と同様に、1分 検出周期で、静電容量式雨量計1から出力さ る電圧信号が取り込まれていることを示し いる。したがって第3のサンプリング周期(10 分)で、データ演算部22が演算をするときには 、10分以内にデータ一時記憶部21に記憶され 10回分の電圧信号が、同時にデータ演算部22 取り込まれることになる。なお「バックグ ンド電圧監視(1分周期)」では、電源装置4は 電力消費を抑えるために、電圧の計測及び一 時記憶に必要な部分以外の回路構成への電力 の給電を停止している。ハードウエアレベル で言えば、アナログポートおよびCPU以外への 給電を遮断し、消費電力を抑えた状態で監視 している。データ演算部22への給電を停止す と(ハードウエアレベルで言えば、メモリの ためのドライブ回路やメモリへの給電をカッ トすると)、通常計測時の1/3以下の消費電力 することができる。

 サンプリング周期を第3のサンプリング周 期にした後に、再度雨が降り出すかまたは降 水量が多くなると、静電容量式雨量計1の出 に変化が生じる。そこでこの出力の変化が ると、第2の変更モードでは、再度計測精度 高めるためにサンプリング周期を第2のサン プリング周期に戻し、第1の変更モードを再 する。当然のことながら、再度第2のサンプ ング周期にサンプリング周期を戻した後に 再度雨が止んだり、降水量が極端に少なく った場合には、第1の変更モードから再度第 2の変更モードへと変わることになる。

 上記のように、本実施の形態では、静電 量式雨量計1からの出力を一時的にデータ一 時記憶部21の一時記憶手段21Aに記憶しておき データ演算部22がデータ一時記憶部21に記憶 されている静電容量式雨量計1の出力データ 取りに行くサンプリング周期をサンプリン 周期変更部26が変更する。サンプリング周期 変更部26は、測定用貯水槽11内の水量がまだ 水状態に近づいていない時期で計測精度を くする必要がない期間、または水量が満水 態に近付いたが水量が殆ど増えないために 高い計測精度を維持する必要がなくなって る期間においては、サンプリング周期を長 する。そしてサンプリング周期変更部26は、 水量が満水に近づいて計測精度を高くする必 要がある状態にあるときには、サンプリング 周期を短くする。その結果、比較的電力消費 が大きくなるデータ演算部22の動作を、可能 範囲で少なくして、電池の消耗を抑制する とができる。

 しかしながら測定用貯水槽11の中にゴミ チリが入った場合には、徐々に排水時間が くなり、水量がなかなか減らなくなる。そ て最悪の場合には、排水路が完全に詰まっ 、排水ができなくなる。排水時間が長くな ても、測定データの利用価値がある場合も る。また排水ができない状態で測定を続け ことは、無駄に電池の電力を消耗すること なる。そこでこのような事態に対処するた に、本実施の形態では、データ演算記憶装 2に、第2のタイマ部(別のタイマ部)27を設け いる。第2のタイマ部27は、測定用貯水槽11が 満水になって静電容量式雨量計1が測定用貯 槽11内の水の排水を開始すると、時限のカウ ントを開始し、時限のカウントの完了前に測 定用貯水槽11内の水量が下限閾値以下になっ ことを水量判定部24が判定すると、時限の ウントを停止してリセットされるものであ 。そして第2のタイマ部27は、時限のカウン を完了すると、少なくとも静電容量式雨量 1、データ演算記憶装置2及びデータ送信装置 3への駆動電力の供給の停止を電源装置4に指 する電力供給停止指令として使用される時 完了信号を出力する(図2のステップST7及びST 8)。なお第2のタイマ部27の時限は、正常な雨 計において満水状態の測定用貯水槽を完全 空の状態にするのに要する時間よりも長く 定する必要がある。排水速度が落ちたとし も得られる計測結果が利用可能であれば、 2のタイマ部27の時限を長くしてでも、デー を利用すべきである。しかし第2のタイマ部 27の時限を長くすると、第2のサンプリング周 期が使用される期間が長くなって、電池の消 耗は早くなる。そこでこれらを勘案して、本 実施の形態では、第2のタイマ部27の時限とし て1時間(図2のステップST7参照)を設定してい 。ステップST7で1時間を経過した場合はステ プST8に進んで供給電源を遮断し、1時間を経 過する前であればステップST3に戻る。

 なお本実施の形態では、水量判定部24で 、上限閾値及び下限閾値の設定変更が可能 構成されている。また第1のタイマ部25及び 2のタイマ部27は、それぞれの時限の変更が 能に構成されている。そのため本実施の形 によれば、雨量計測装置の設置地域に適し 上限閾値及び下限閾値の設定並びに時限の 定をすることにより、電池の消耗を抑制し 、計測精度を高くすることができる。

 なお本実施の形態のように静電容量式雨 計1を用いた雨量計測装置について実験をし たところ、光学式雨量計を用いる場合と比べ て、消費電力は約50%削減できることが確認で きた。また降雨時のみ計測間隔を密にする( 測間隔を自動で切換える)ことで、同じ静電 量式雨量計を使用した場合には、消費電力 約70%削減できることが確認できた。

 また静電容量式雨量計を用いると、計測 度の向上と省電力化の両立が可能になる。 のことは、これまで計測ができなかった場 で、容易に高精度な計測を行うことができ 事を意味する。また、海洋観測ブイなどの うなリアルタイム通信が可能な信号処理装 とデジタル通信を行える機能をデータ送信 置3に持たせれば、海上や陸上などのアクセ スが困難地域においても、通信機能を利用す ることで、リアルタイムでデータの受信が可 能になる。

 なお電源装置4は、データ演算記憶装置2 データ一時記憶部21には常時駆動電力を供給 するが、データ一時記憶部21を除くデータ演 記憶装置2のその他の部には、動作時のみ駆 動電力を供給するように構成すれば、データ 演算記憶装置2の消費電力を更に少なくする とができる。

 図4は、図1の実施の形態を具体的に実現 る場合におけるハードウエアの機能の構成 信号の流れの例を示している。図4に示すよ に、一枚の雨量計用A/D基板20の上に、全て 機能を実現するための部品(電源供給部、信 処理部、内部時計及び外部信号出力部)を実 装する。信号処理部は、コンピュータ(マイ ロプロセッサ)により実現され、静電容量式 量計1からの入力信号(0~5V)はA/D変換器により デジタル信号に変更されて、信号処理される 。このように1枚の雨量計用A/D基板20に雨量計 測装置の機能を一元化することで、コンパク トに雨量観測装置を構築することが可能にな る。また図5は、図4のハードウエアにおいて 号処理をマイクロプロセッサを利用して実 する場合のソフトウエアの具体的なアルゴ ズムの一例を示している。 なお図4のよう 構成した場合には、ステップST101に示すよ に、外部制御による場合には、任意のプロ コル制御により、静電容量式雨量計1へ電力 供給することになる。まずステップST102で 静電容量式雨量計1から出力される信号を受 し、ステップST103~ST105,ST108~ST111における信 処理では、雨量計用A/D基板20内部で受信した 信号を計算する(雨量計の検出結果から導き した検定曲線に従い計算する)。そしてステ プST106及びST112で計算結果を記憶し、ステッ プST107及びST113で出力フォーマットを作成し 、計算結果をPCもしくはトライトンブイ信号 処理システムに送信することになる。また自 動計測による場合には、任意の設定により、 静電容量式雨量計1へ電力を供給する。そし 静電容量式雨量計1から出力される信号を受 し、雨量計用A/D基板20内部で受信した信号 計算し、計算結果を記憶する。必要に応じ 計算結果をPCもしくはトライトンブイ信号処 理システムに送信することも可能とする。

 また図5のアルゴリズムに従って計測を行 う場合には、静電容量式雨量計1の規定容量(5 00ml)に達する前に、ステップST103で450mlを上限 閾値(UL1)とすると、水量Vが450mlまで溜まった 点で、フラッグ(Flag)1を立てる(ステップST109 )。そしてフラッグ1を認識し、内部処理の方 自動的に検出信号を1分間隔で計測し、その 結果を計算処理して記憶する(ステップST110~ST 112)。次に水量が規定容量に達し、排水が始 り、完了する直前の水量Vが100mlの下限閾値(U L2)になると(ステップST104)、フラッグを1→0に する(ステップST108)。この時点で、メモリを10 分周期に戻す。水量Vが100mlの下限閾値(UL2)に しないときには、ステップST105で計算処理 実行した後、結果をステップST106で記憶し、 ステップST107で出力フォーマットを作成する

 この際のフラッグ監視周期は外部からの ロトコルによらず、自動的に監視周期1秒で 行う。上限閾値を超え、1分計測(任意の設定) が開始されたが、排水が開始されるまでに降 雨が停止した場合、降雨が再開され排水開始 されるまでに数日かかる場合も考えられる。 図2のフローチャートと同様に、電池および モリの消耗を防止するために、この状態が2 間以上継続した場合には、計測観測を10分 隔に戻す機能を付加してもよいのは勿論で る。

 なお計算処理の過程において、演算係数 、使用者により設定可能にすれば、雨量計 持つ器差をなくし、観測精度を大幅に向上 せることができる。

 本実施の形態で用いているデータ演算記 装置2は、雨量計以外に、風向風速計、短波 放射計、大気圧計、温湿度計にも装備ができ る。図6は、データ演算記憶装置2を自動計測 用途に汎用化した場合に用いるソフトウエ のアルゴリズムの一例を示している。ステ プST201で基板に電源から電力の供給を開始 る。自動計測の場合は、自動計測開始時刻 10秒前に電源から電力の供給を開始する。ST2 01で電力の供給を開始してから10秒経過後に テップST202でサンプリングを開始し、ステッ プST203でサンプリング値を一時記憶手段21Aと てのバッファBに記憶する。バッファBには テップST204で、記憶するデータのサンプル数 を設定する。ステップST205では、バッファBに 記憶したデータに基づいて物理量計算処理を 実行し、且つ平均化処理を実行する。そして メモリとしてのSDカードに計算結果のデータ 保存する(ステップST206)保存後、基板への電 力の供給を停止する(ステップST207)。ステッ ST205における計算処理後は、ステップST208で 部時計に計測指令を出力する。なお使用す ソフトウエアのアルゴリズムは、図6の例に 限定されるものではない。

 本発明によれば、雨量計からの出力を一 的にデータ一時記憶部に記憶しておき、測 用貯水槽内の水量がまだ満水状態に近づい いない時期で計測精度を高くする必要がな 期間、または水量が満水状態に近付いたが 量が殆ど増えないために、高い計測精度を 持する必要がなくっている期間においては データ演算部におけるサンプリング周期を くし、水量が満水に近づいて計測精度を高 する必要がある状態にあるときには、デー 演算部におけるサンプリング周期を短くし いるので、比較的電力消費が大きくなるデ タ演算部の動作を少なくして、計測精度を 下させることなく、電池の消耗を抑制する とができる利点が得られる。

 また本発明によれば、雨量計が排水不十 のために使用できなくなった場合には、電 からの駆動電力の供給を停止するので、こ によっても電池の消耗を抑制することがで る。