青木裕治 (〒01 東京都港区虎ノ門1丁目1番18号昭和電線ケーブルシステム株式会社内 Tokyo, 1050001, JP)
KOIZUMI, Tsutomu (1-1-18, Toranomon, Minato-k, Tokyo 01, 1050001, JP)
小泉勉 (〒01 東京都港区虎ノ門1丁目1番18号昭和電線ケーブルシステム株式会社内 Tokyo, 1050001, JP)
TAKAHASHI, Yasuo (1-1-18, Toranomon, Minato-k, Tokyo 01, 1050001, JP)
高橋保夫 (〒01 東京都港区虎ノ門1丁目1番18号昭和電線ケーブルシステム株式会社内 Tokyo, 1050001, JP)
財団法人国際超電導産業技術研究センター (〒04 東京都港区新橋5丁目34番3号 栄進開発ビル6階 Tokyo, 1050004, JP)
SWCC SHOWA CABLE SYSTEMS CO., LTD. (1-1-18, Toranomon Minato-k, Tokyo 01, 1050001, JP)
昭和電線ケーブルシステム株式会社 (〒01 東京都港区虎ノ門1丁目1番18号 Tokyo, 1050001, JP)
AOKI, Yuji (1-1-18, Toranomon, Minato-k, Tokyo 01, 1050001, JP)
青木裕治 (〒01 東京都港区虎ノ門1丁目1番18号昭和電線ケーブルシステム株式会社内 Tokyo, 1050001, JP)
KOIZUMI, Tsutomu (1-1-18, Toranomon, Minato-k, Tokyo 01, 1050001, JP)
小泉勉 (〒01 東京都港区虎ノ門1丁目1番18号昭和電線ケーブルシステム株式会社内 Tokyo, 1050001, JP)
| 複合基板上に、2軸配向した無機材料からなる中間層を1層または複数層形成し、この上に酸化物超電導層を設けた酸化物超電導体において、前記複合基板は、無配向で非磁性の金属で形成されたコア材となる金属基板と、この金属基板の両面にそれぞれ常温接合後の熱処理あるいは熱間圧延加工を施すことにより形成された第1の接合層、第2の接合層を介して配置された第1の金属層及び第2の金属層とからなり、少なくとも前記第1の金属層の前記中間層側の表面は2軸配向した立方体集合組織を有するとともに、前記金属基板に前記第1の金属層及び前記第2の金属層の機械的強度よりも大きい機械的強度を有する材料を用いたことを特徴とする希土類系テープ状酸化物超電導体。 |
| 第1の金属層及び第2の金属層は、複合基板の変形を防止し、少なくとも第1の金属層は金属基板からの元素の拡散を防止する機能を有することを特徴とする請求項1記載の希土類系テープ状酸化物超電導体。 |
| 中間層側の第1の金属層は、相互に接合された複数層からなり、少なくとも中間層側の表面に2軸配向した立方体集合組織を有することを特徴とする請求項1又は2記載の希土類系テープ状酸化物超電導体。 |
| 金属基板は、ニッケル基合金又はステンレスからなることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の希土類系テープ状酸化物超電導体。 |
| 金属基板は、ニッケルに、タングステン、モリブデン、クロム、鉄、コバルト、バナジウム、マンガンから選択された一種類以上の添加元素を含むニッケル基合金からなることを特徴とする請求項4記載の希土類系テープ状酸化物超電導体。 |
| 第1の金属層及び第2の金属層は、ニッケルに、タングステン、モリブデン、クロム、鉄、コバルト、バナジウム、マンガン、銅、銀から選択された一種類以上の添加元素を含むニッケル基合金からなることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の希土類系テープ状酸化物超電導体。 |
| 複数層の中間層側の第1の金属層は、ニッケルに、タングステン、モリブデン、クロム、鉄、コバルト、バナジウム、マンガン、銅、銀から選択された一種類以上の添加元素を含むニッケル基合金からなり、各層のニッケル基合金ヘの合金元素の添加量が第1の接合層から中間層2側へ向って順次減少することを特徴とする請求項3記載の希土類系テープ状酸化物超電導体。 |
| ニッケル基合金中の合金元素の添加量は、少なくとも第1の接合層に接する層においてはニッケル基系合金の磁性が消失する範囲内で、また少なくとも中間層に接する層においてはニッケル基系合金の立方体集合組織が形成容易な範囲内で添加されることを特徴とする請求項7記載の希土類系テープ状酸化物超電導体。 |
| ニッケル基系合金ヘの合金元素の添加量は、少なくとも第1の接合層に接する層において8at%を超える範囲で、また少なくとも中間層に接する層において6at%未満の範囲であることを特徴とする請求項8記載の希土類系テープ状酸化物超電導体。 |
| 希土類系テープ状酸化物超電導体用の複合基板であって、前記複合基板は、無配向で非磁性の金属で形成されたコア材となる金属基板と、この金属基板の両面にそれぞれ常温接合後の熱処理あるいは熱間圧延加工を施すことにより形成された第1の接合層、第2の接合層を介して配置された第1の金属層及び第2の金属層とからなり、前記第1の金属層又は第2の金属層の少なくとも一方の表面は2軸配向した立方体集合組織を有するとともに、前記金属基板に前記第1の金属層及び第2の金属層の機械的強度よりも大きい機械的強度を有する材料を用いたことを特徴とする希土類系テープ状酸化物超電導体用複合基板。 |
| 希土類系テープ状酸化物超電導体用の複合基板であって、前記複合基板は、無配向で非磁性の金属で形成されたコア材となる金属基板と、この金属基板の両面にそれぞれ常温接合後の熱処理あるいは熱間圧延加工を施すことにより形成された第1の接合層、第2の接合層を介して配置され、複合基板の変形を防止する機能を有する第1の金属層及び第2の金属層とからなり、前記第1の金属層は金属基板からの元素の拡散を防止する機能を有する複数層により形成され、少なくともその表面は2軸配向した立方体集合組織6を有するとともに、前記金属基板に前記第1の金属層及び第2の金属層の機械的強度よりも大きい機械的強度を有する材料を用いたことを特徴とする希土類系テープ状酸化物超電導体用複合基板。 |
| 金属基板、第1の金属層及び第2の金属層は、ニッケル基合金からなることを特徴とする請求項10又は11記載の希土類系テープ状酸化物超電導体用複合基板。 |
| 第1の金属層の複数層は、第1の接合層に接する層から最外層へ向かって合金元素の添加量が順次減少するニッケル基合金により形成したことを特徴とする請求項11又は12記載の希土類系テープ状酸化物超電導体用複合基板。 |
| ニッケル基系合金ヘの合金元素の添加量は、少なくとも第1の接合層に接する層において9at%を超える範囲で、また少なくとも最外層において6at%未満の範囲であることを特徴とする請求項13記載の希土類系テープ状酸化物超電導体用複合基板。 |
本発明は、送電ケーブルや電力貯蔵シス ムのような電力機器及びモーターなどの動 機器への使用に適した酸化物超電導体及び 合基板に係り、特に前駆体膜を加熱、焼成 ることによって基板上にセラミックス薄層 形成する成膜方法(以下MOD法という。)を用 て製造される酸化物超電導体に適したテー 状の希土類系酸化物超電導体及びそれに用 る複合基板に関する。
酸化物超電導体は、従来のNb 3 Sn系等の合金系超電導体と比較して臨界温度( Tc)が高く、送電ケーブルや変圧器、モータ、 電力貯蔵システムといった応用機器を液体窒 素温度で運用できることから、その線材化の 研究が精力的に行われている。なかでもReBa 2 Cu 3 O 7-y (Re=Y、Nd、Sm、Gd、Eu、Yb、Pr又はHoから選択さ た少なくとも1種類以上の元素を示す、以下R eBCOと称する.)超電導体は、高磁場領域におけ る通電電流の低下が小さく、即ち、液体窒素 温度における磁場特性が、Bi系超電導体に比 て優れているため、実用的な高い臨界電流 度(Jc)を維持することが可能であり、高温領 域での優れた特性に加えて、貴金属である銀 を使用しない製法が可能であること及び冷媒 に液体窒素を使用できることから冷却効率が 著しく向上するため、経済的に極めて有利で あり、次世代の超電導材料としてその線材化 が期待されている。
Re系酸化物超電導線材は、一般に金属基 上に2軸配向した酸化物層を少なくとも1層、 若しくは複数層形成し、その上に酸化物超電 導層を、更に超電導層の表面保護と電気的接 触の向上及び過通電時の保護回路としての役 割を担う安定化層を積層した構造を有する。 この場合、ReBCO線材の臨界電流特性は超電導 の面内配向性に依存し、下地となる中間層 び配向金属基板の面内配向性と表面平滑性 影響を大きく受けることが知られている。
ReBCO超電導体の結晶系は斜方晶であり、x 、y軸、z軸の3辺の長さが異なり、単位胞の 辺間の角度もそれぞれ微妙に異なるために 晶を形成し易く、僅かな方位のずれが双晶 界を発生させ通電特性を低下させるため、 電特性において材料の特性を発揮させるた には、結晶内のCuO面を揃えるだけでなく、 内の結晶方位をも揃えることが要求される とからBi系酸化物超電導体と比較してその 材化に困難が伴う。
ReBCO超電導体の結晶の面内配向性を高め かつ面内の方位を揃えながら線材化する製 は、薄膜の製法と規を同一にしている。即 、テープ状金属基板の上に面内配向度と方 を向上させた中間層を形成し、この中間層 結晶格子をテンプレートとして用いること よって、ReBCO超電導層の結晶の面内配向度と 方位を向上させるものである。
ReBCO超電導体は、現在、さまざまな製造 ロセスで検討が行われ、テープ状金属基板 上に面内配向した中間層を形成した種々の2 配向金属基板が知られている。
この内、現在、最も高い臨界電流特性を示 プロセスは、IBAD(Ion Beam Assisted Deposition)基 板を用いた方法である。この方法は、多結晶 の非磁性で高強度のテープ状Ni系基板(ハステ ロイ等)上に、このNi系基板の法線に対して一 定の角度方向からイオンを照射しながら、タ ーゲットから発生した粒子をレーザー蒸着法 (PLD)で堆積させて、結晶粒径が細かく高配向 を有し、超電導体を構成する元素との反応 抑制する中間層(CeO 2 、Y 2 O 3 、YSZ等)または2層構造の中間層(YSZまたはRx 2 Zr 2 O 7 /CeO 2 またはY 2 O 3 等:Rxは、Y、Nd、Sm、Gd、Ei、Yb、Ho、Tm、Dy、Ce LaまたはErを示す。)を形成し、その上にCeO 2 をPLD法で成膜した後、YBa 2 Cu 3 O 7-y (以下、YBCOと称する。)層をPLD法又はCVD法で成 膜した超電導線材である(例えば、特許文献1 至3参照。)。
しかし、このプロセスは、全ての中間層 気相法による真空プロセスで形成されるた 、緻密で平滑な中間層膜を得ることができ という利点を有するが、製造速度が遅く、 た製造コストが上昇する等の問題点があり このIBAD法の他にもいくつかの気相を使った 成膜プロセスが検討されているが、製造速度 及び製造コストの問題を解決する有効な手段 は報告されていない。
低コストを実現するために最も有効なプ セスは有機酸塩あるいは有機金属化合物を 料として用い、この溶液を基板表面に塗布 、熱分解及び結晶化熱処理を施すことによ て酸化物層を形成するMODプロセスである。 のプロセスは簡便であるが、高温で長時間 熱処理を必要とするため、熱分解時の膜の 積収縮に起因するクラックの発生、粒成長 不完全さによる反応不均一性、基板を構成 る金属元素の結晶粒界を介した拡散等によ 結晶性の低下により、中間層としての機能 十分に有する膜を得ることは困難であった
一般に超電導体の中間層として、上記のよ にPVD法により形成されたCeO 2 が用いられているが、これは、CeO 2 中間層がYBCO層との格子整合性及び耐酸化性 優れ、かつYBCO層との反応性が小さいため最 優れた中間層の一つとして知られているこ による。このCeO 2 中間層をMOD法により形成すると、基板金属と の熱膨張率との大きな差に起因してクラック が発生し、中間層としての機能を果たすこと が不可能となる。CeO 2 にGdを添加した固溶体をMOD法でNi基板上に成 するとクラックの発生は抑えられるが、Niあ るいはNi合金基板からの元素拡散を中間層内 で止めることができず超電導特性を低下さ るという問題があった。この基板を構成す 元素の拡散を防止するために、GdをZrに置換 した中間層材料の検討が行われており、拡散 を防止する効果が認められ、Jc>1MA/cm 2 の特性が得られている。
一方、機械的強度に優れ、かつ配向性に れた複合基板として、無配向で非磁性の第1 の金属層と、第1の金属層に貼り合わされ、 つ少なくとも表層が配向した集合組織を有 る第2の金属層とを備え、第1の金属層は第2 金属層より高い強度を有し、良好な配向性 維持したまま高い強度を有する膜形成用配 基板が知られている(例えば、特許文献4参照 。)。
上記のMODプロセスでは、IBAD基板を使わな い場合には、2軸配向基板を用いることが必 であり、このため、基板として集合組織を 成し易く、かつ格子整合性に優れたNiあるい は添加元素を微量に含むNi基合金が用いられ いるが、これらの基板は集合組織形成のた に強圧延加工される結果、厚さが薄く、さ に添加元素量が少ないため、高温での配向 熱処理を施すと機械強度が数十~150MPa程度に まで低下し、その後の成膜時のハンドリング に影響を及ぼすだけでなく、線材の使用時の 電磁力に耐えないなどの問題があった。
一方、上記の機械的強度に優れ、かつ配 性に優れた複合基盤においては、第1の金属 層と第2の金属層とは圧延などの方法により いに貼り合わされた構成を有しているため その後の成膜時のハンドリングにおいて接 強度が十分でないという問題がある。
本発明は、上記の問題を解決するために されたもので、機械的強度に優れ、かつ超 導特性にも優れた希土類系テープ状酸化物 電導体及びそれに用いる複合基板を提供す ことをその目的としている。
本発明の希土類系テープ状酸化物超電導 は、以上の問題を解決するためになされた ので、複合基板上に、2軸配向した無機材料 からなる中間層を1層または複数層形成し、 の上に酸化物超電導層を設けた酸化物超電 体において、複合基板は、無配向で非磁性 金属で形成されたコア材となる金属基板と この金属基板の両面にそれぞれ常温接合後 熱処理あるいは熱間圧延加工を施すことに り形成された第1の接合層、第2の接合層を介 して配置された第1の金属層及び第2の金属層 からなり、少なくとも第1の金属層の中間層 側の表面は2軸配向した立方体集合組織を有 るとともに、金属基板に第1の金属層及び第2 の金属層の機械的強度よりも大きい機械的強 度を有する材料を用いたものである。
また、本発明の希土類系テープ状酸化物 電導体に用いる複合基板は、無配向で非磁 の金属で形成されたコア材となる金属基板 、この金属基板の両面にそれぞれ常温接合 の熱処理あるいは熱間圧延加工を施すこと より形成された第1の接合層、第2の接合層 介して配置された第1の金属層及び第2の金属 層とからなり、第1の金属層又は第2の金属層 少なくとも一方の表面は2軸配向した立方体 集合組織を有するとともに、金属基板に第1 金属層及び第2の金属層の機械的強度よりも きい機械的強度を有する材料を用いたもの ある。
さらに、本発明の希土類系テープ状酸化 超電導体に用いる複合基板は、無配向で非 性の金属で形成されたコア材となる金属基 と、この金属基板の両面にそれぞれ常温接 後の熱処理あるいは熱間圧延加工を施すこ により形成された第1の接合層、第2の接合 を介して配置され、複合基板の変形を防止 る機能を有する第1の金属層及び第2の金属層 とからなり、第1の金属層は金属基板からの 素の拡散を防止する機能を有する複数層に り形成され、少なくともその表面は2軸配向 た立方体集合組織を有するとともに、金属 板に前記第1の金属層及び第2の金属層の機 的強度よりも大きい機械的強度を有する材 を用いたものである。
本発明によれば、無配向で非磁性の金属 形成されたコア材となる金属基板と、この 属基板の両面に配置された第1の金属層及び 第2の金属層とが、それぞれ常温接合後の熱 理あるいは熱間圧延加工を施すことにより 成された第1の接合層、第2の接合層を介して 接合された複合基板を用いるため、金属基板 、第1の金属層及び第2の金属層とが第1の接合 層、第2の接合層により強固に接合され、ま 、複合基板が第1の金属層及び第2の金属層の 内側に第1の金属層及び第2の金属層の機械的 度よりも大きい機械的強度を有する無配向 非磁性の金属で形成されたコア材となる金 基板を配置した複合構造を有するため、超 導体の磁性上の問題を回避することができ その後の成膜時において複合基板の変形を 止しハンドリングが容易となる上、金属基 からの元素の拡散を防止することができる
また、少なくとも第1の金属層の中間層側 の表面は2軸配向した立方体集合組織を有す ため、この上に高い配向性の無機材料から る中間層及び酸化物超電導層を形成するこ ができ、優れた超電導特性を有する希土類 テープ状酸化物超電導体を得ることができ 。
図1に示すように、本発明の希土類系テー プ状酸化物超電導体は、無配向で非磁性の金 属で形成されたコア材となる金属基板1aと、 の金属基板1aの両面に配置された第1の金属 5a及び第2の金属層5bとからなる複合基板1上 、2軸配向した無機材料からなる中間層2を1 または複数層形成し、この上に酸化物超電 層3を設けたものであるが、コア材となる金 属基板1aと、この金属基板1aの両面にそれぞ 配置された第1の金属層5a及び第2の金属層5b 、常温接合後の熱処理あるいは熱間圧延加 を施すことにより形成された第1の接合層4a 第2の接合層4bによって強固に接合されてお 、複合基板1の変形を防止する機能を有する このため、第1の金属層5a及び第2の金属層5b 、ほぼ等しい熱膨張係数を有することが好 しい。尚、酸化物超電導層3の上には、銀等 からなる金属性の安定化層7が積層される。
第1の接合層4a、第2の接合層4bは、常温接合 の熱処理あるいは熱間圧延加工を施すこと より形成することができる。この常温接合 、従来良く知られたプロセスであって、一 に表面活性化接合と呼ばれており、事前に 面を電解研磨処理して表面平滑度をRa=5nm以 とした材料を高真空(10 -8 Pa)雰囲気下において、アルゴンイオンビーム (水素ラジカルでも可)を照射し、10MPaの圧力 圧接して接着するものである(まてりあ,第35 第5号,1996参照)。
上記の常温接合後に熱処理が施されるが この熱処理は、接着後の層間に形成される 小なアモルファス層や微小結晶粒による界 の影響を抑制し、元素拡散によって均一且 強固な接合層を形成するために施される。 の場合の熱処理は、還元性雰囲気或いは不 性雰囲気で行われる。
上記の第1の金属層5a及び第2の金属層5bの 、少なくとも中間層2側の第1の金属層5aは、 金属基板1aの構成元素が中間層2及び酸化物超 電導層3へ拡散することを防止する機能を有 、第1の金属層5aの中間層2側の表面は2軸配向 した立方体集合組織6を有しており、第1の金 層5aを単層とすることも可能でるが、この 1の金属層5aを相互に接合された複数層によ 形成し、少なくとも中間層2側の表面に2軸配 向した立方体集合組織を有することが好まし い。この接合も、上記と同様に常温接合後の 熱処理あるいは熱間圧延加工を施すことによ り形成することができる。例えば、図2に示 ように、第1の金属層5aを4層の5a―1、5a―2、5 a―3、5a―4により構成して、相互に常温接合 の熱処理あるいは熱間圧延加工による接合 4a―1、4a―2、4a―3により接合し、最外層の5 a―4のみを2軸配向した立方体集合組織を有す るように構成することもできる。
上記の金属基板1aには、第1の金属層5a及 第2の金属層5bの機械的強度よりも大きい機 的強度を有する材料が用いられ、このよう 材料として、ニッケル基合金又はステンレ を用いることが好ましい。このようなニッ ル基合金としては、ニッケルに、タングス ン、モリブデン、クロム、鉄、コバルト、 ナジウム、マンガンから選択された一種類 上の添加元素を含むものを用いることがで る。
また、第1の金属層5a及び第2の金属層5bに 、ニッケルに、タングステン、モリブデン クロム、鉄、コバルト、バナジウム、マン ン、銅、銀から選択された一種類以上の添 元素を含むニッケル基合金を用いることが ましく、第1の金属層5aを複数層に形成する 合には、各層のニッケル基合金ヘの合金元 の添加量が第1の接合層4aから中間層2側へ向 って順次減少するように構成することが好ま しい。
この場合において、ニッケル基合金中の 金元素の添加量は、少なくとも第1の接合層 4aに接する層においてはニッケル基系合金の 性が消失する範囲内で、また少なくとも中 層2に接する層においてはニッケル基系合金 の立方体集合組織が形成容易な範囲内で添加 したものを用いることが好ましく、例えば、 前者の少なくとも第1の接合層4aに接する層に おいては8at%を超える範囲で、後者の少なく も中間層2に接する層においては6at%未満の範 囲であることが好ましい。
複合基板1上の中間層2は、2軸配向した無機 料からなり、1層又は複数層構造に形成され 、例えば、1層構造の場合には、CeO 2 膜またはこれにGdを所定量添加したCe―Gd-O膜 らなる中間層(B)が、また、2層構造の場合は 、この中間層(B)と複合基板との間にCe、Gd又 Smから選択された1種類の元素とZrを含む中間 層(A)が形成される。
上記の中間層2は、超電導層を気相法で成 膜する場合で基板温度を低温に保持できる場 合には1層構造が採用され、超電導層をMOD法 CVD法等の高温で成膜する場合には2層構造と ることが好ましい。
上記の中間層(A)は、MOD法、パルスレーザ 蒸着法、スパッタ法またはCVD法のいずれの 法でも成膜することができるが、MOD法で形 する場合、中間層を構成する元素を含むオ チル酸塩、ナフテン酸塩、ネオデカン酸塩 たは三弗化酢酸塩等の混合溶液の塗布の後 熱処理を施すことにより形成され、1種類あ るいは2種類以上の有機溶媒に均一に溶解し 基板上に塗布できるものであればよい。こ 混合溶液中の金属元素量は、0.08~0.5mol/lとす ことが好ましく、特に、0.1~0.3mol/lであるこ が好ましい。この金属元素量が0.08mol/l未満 あると1回の塗布及び熱処理で形成される酸 化物膜が薄くなり、均一な中間層を形成する ことができず、また、0.5mol/lを超えると1回で 形成される酸化物膜が厚くなり、表面平滑性 を損ねるだけでなく、結晶性が低下すること による。
中間層(A)の膜厚は、塗布及び熱処理工程 繰り返す回数によってコントロールされる 、表面の平滑性を考慮すると3~5回の塗布に って所望の厚さを得ることが有効である。 た、膜厚は30nm~300nmとすることが好ましい。 塗布方法は、ディップコート法、スピンコー ト法、インクジェット法等が挙げられるが、 基板に均一に膜形成できるものであれば、こ の例によって制約されるものではない。
中間層を2層構造に形成する場合、中間層(B) のCeO 2 またはCe―Gd-O膜は、上述した中間層(A)と同様 にMOD法により、あるいはパルスレーザー蒸着 法、スパッタ法またはCVD法のいずれの方法で 成膜してもよく、Ce―Gd-O膜中のGd添加量は金 元素量で50at%以下が好ましい。Gd添加量が50a t%を超えると、結晶系が変化し、この上にYBCO 超電導膜を成膜した場合に、良好な配向性が 得られない。この膜厚は50nm~3μmとすることが 好ましい。この理由は、膜厚が50nm未満では 板の元素拡散防止に対する効果が少なく、3 mを超えると膜にクラックが入る可能性があ ためである。
上記の中間層(B)の上にYBCO超電導膜を成膜す ることにより、臨界電流密度(Jc)が1MA/cm 2 以上のYBCO超電導体を得ることができる。こ 成膜プロセスは、MOD法、パルスレーザ蒸着 、スパッタ法、CVD法のいずれの方法をも用 ることができる。
MOD法によりYBCO超電導膜を成膜する場合の 原料は、Y、Ba、Cuを所定のモル比で含む有機 塩または有機金属化合物が用いられる。モ 数はY:Ba:Cu=1:(2+a):(3+b)の比率で、0.01<a<0.3 、0.01<b<0.5とする。この範囲以外のモル にした場合、超電導層の生成が不可能ある は多数の不純物が生成するなどの問題点が じる。このMOD原料としては、例えば、各元 のオクチル酸塩、ナフテン酸塩、ネオデカ 酸塩、三弗化酢酸塩などが上げられるが、1 類あるいは2種類以上の有機溶媒に均一に溶 解し、基板上に塗布できるものであればよい 。
以下、本発明の実施例について説明する
以下、本発明の実施例及び比較例につい 説明する。
実施例
図3に示すように、無配向で非磁性の厚さ100
μm t
のハステロイテープ100の表面10に、無配向で
磁性の厚さ30μm t
のNi―9at%W合金テープ11と、ハステロイテープ
100の表面20に無配向で非磁性の厚さ60μm t
のNi―9at%W合金テープ21を常温接合プロセスに
より接着した後、テープ11の表面に厚さ30μm t
のNi―3at%W合金テープ12を常温接合プロセスに
より接着した。
このテープ12は、立方体集合組織を有す ように所定の加工及び熱処理が施されたも である。
このようにして相互に接着された4層構造の 複合テープ101に、Ar―4%H 2 の還元性雰囲気中で500℃の温度で8時間の熱 理を施し、各層の接着界面に拡散層、即ち 接合層50a、50b及び50cを形成した。これらの 合層の厚さは1μm以下であった。
上記の複合テープ101の立方体集合組織を有 るNi―3at%W合金テープ12の表面にMODプロセス より(Ce,Gd)O 2 からなる厚さ10nmの中間層13及びCe 2 Zr 2 O 7 からなる厚さ200nmの中間層14を順次形成した 、さらに、その上に高周波スパッタ法によ CeO 2 からなる厚さ150nmの中間層15を形成した。
次いで、上記の中間層15の表面にTFA―MOD によりYBCO超電導膜16を形成し、このYBCO超電 膜16の表面に銀からなる厚さ20μmの安定化層 17を蒸着した。
このようにして得られたYBCO超電導膜16の 厚は1.5μmで臨界電流値(Ic)は150Aの値を示し 。
比較例
実施例と同様に、無配向で非磁性の厚さ100
m t
のハステロイテープ100の表面10に、無配向で
磁性の厚さ30μm t
のNi―9at%W合金テープ11と、ハステロイテープ
100の表面20に無配向で非磁性の厚さ60μm t
のNi―9at%W合金テープ21を常温接合プロセスに
より接着した後、テープ11の表面に厚さ30μm t
のNi―3at%W合金テープ12を常温接合プロセスに
より接着した。
このテープ12は、立方体集合組織を有す ように所定の加工及び熱処理が施されたも である。
このようにして相互に接着された4層構造 の複合テープ101に巻き径φ100mmのリール間に け渡して巻き返し工程を施したところ、ハ テロイ100とNi―9at%W合金テープ11、21及びNi―9 at%W合金テープ11とNi―3at%W合金テープ12との界 面で剥離現象が観察された。剥離した部分の 観察を行った結果、常温接合工程におけるア ルゴンイオンエッチングによる材料の表面活 性化処理工程において、Ni―9at%W合金テープ11 、21及びNi―3at%W合金テープ12の表面粗さが電 研磨処理後の表面平滑度Ra=5nm以下から150nm 粗くなっていることが判明した。これはア ゴンイオンによるスパッタ率がNi―W合金テ プの結晶方位によって異なることに依存す 選択エッチングが発生した結果と考えられ 。このため、常温接合処理後の接着面が面 着ではなく、点接着となっているために繰 しの曲げ歪に対して剥離現象が生じたと考 られる。
これに対して、常温接合処理後に接合層( 拡散層)を形成するための熱処理を施した場 には、均一な接合層が形成される結果、剥 現象は認められなかった(実施例)。
本発明による希土類系テープ状酸化物超 導体及びそれに用いる複合基板は、送電ケ ブルや電力貯蔵システムのような電力機器 びモーターなどの動力機器への使用に適し 酸化物超電導体への利用が可能である。
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